説明

低温液化ガス払出し装置及び低温液化ガス払出し方法

【課題】簡単な装置構成で設備費も安く、効率的に低温液化ガスの払出しを行うことが可能な低温液化ガス払出し装置及び低温液化ガス払出し方法を提供する。
【解決手段】貯蔵タンク20に接続し貯蔵する低温液化ガスを払出す払出し管55、払出し管55の管路の途中に設けられた払出しポンプ57、払出しポンプ57をバイパスするように払出し管55に設けられた自動制御弁59を有するバイパス管61、及び払出しポンプ57及び自動制御弁59を制御する制御装置70を含み、低温液化ガス払出し装置50を構成する。ボイルオフガスを封じ込めることで貯蔵タンク20の圧力を高め、この圧力がガス圧による圧送に適した圧力であると制御装置70が判断すると、払出しポンプ57を稼動させることなくバイパス管61を介して低温液化ガスを払出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化炭酸ガスなどの低温液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクから低温液化ガスを輸送するタンカーの受入タンク等に低温液化ガスを払出す低温液化ガス払出し装置、及び該低温液化ガス払出し装置を用いた低温液化ガス払出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、地球温暖化防止の観点から大気中に放出する二酸化炭素を回収しこれを貯留するCO回収・貯留技術(CO Capture and Storage:CCS)が鋭意検討、開発されている。
【0003】
二酸化炭素の排出量は、先進工業国では、主に発電所などから排出される電力生産活動及び工場などから排出される工業活動に伴う排出量が、全体の半分以上を占めるとの報告もある(例えば非特許文献1参照)。このため発電所等では、石炭などの化石燃料の燃焼に伴い発生する二酸化炭素を回収する技術の開発を積極的に行っている。
【0004】
二酸化炭素の分離回収方法には、吸収液に二酸化炭素を化学吸収させた後、加熱し二酸化炭素を離脱させ回収する化学吸収法、吸収液に二酸化炭素を物理吸収させた後、加熱し二酸化炭素を離脱させ回収する物理吸収法、ゼオライト等に吸着させた後、離脱させ回収する吸着分離法、膜分離、深冷分離法などがある。分離回収された二酸化炭素は、液化された後、地中又は海洋に貯留する技術が検討、開発されている。
【0005】
上記のように二酸化炭素の多くは電力生産活動及び工業活動に伴い排出されるため、二酸化炭素の分離回収は、発電所又は工場等で行われることとなる。一方、液化二酸化炭素は、地中又は海洋に貯留されるため、発電所等で分離回収、液化され敷地内に一時的に貯留された液化二酸化炭素を貯留場所まで輸送する必要がある。海洋に液化二酸化炭素を貯留する場合には、タンカー等で輸送する必要がありこれらについても技術的検討がなされている。
【0006】
液化二酸化炭素をタンカー等で輸送し海洋貯留する場合には、発電所等、陸側に設けられた液化二酸化炭素貯蔵タンクに貯蔵される液化二酸化炭素をタンカー等の受入タンクへ払出す操作が必要となる。一般的に貯蔵する低温液化ガスを他のタンク又は容器に払出すには、払出しポンプを使用する方法、加圧ガスを用いて低温液化ガスを払出す方法が用いられる。
【0007】
加圧ガスを用いて低温液化ガスを払出す方法に関しては、これまでにいくつかの方法が提案されている。例えば、貯蔵タンクを直接加温すると、余分なエネルギが必要であるとして、貯蔵タンクとは別に蒸気発生用容器を用いて、ここで液化ガスの一部を加温して蒸気を発生させ、この蒸気を加圧ガスとする方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。また発生したボイルオフガスをコンプレッサで昇圧し、このガスを加圧ガスとしてLNGを払出す方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−285370号公報
【特許文献2】特開2000−240894号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】(財)地球環境産業技術研究機構,図解CO2貯留テクノロジー,株式会社工業調査会,2006,p44
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
加圧ガスを用いて貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスを払出す方法は、払出しポンプが不要となり、さらにはそのランニングコストも不要となることから有用な方法と言える。しかしながら特許文献1に記載の技術では、貯蔵タンクのほかに蒸気を発生させるための容器、蒸気を発生させるための加温装置さらには払出容器が必要となり、設備コストが高くなる。また特許文献2に記載の技術も、貯蔵タンクのほかに加圧タンク、加圧ガスを加圧タンクに導く加圧ライン等が必要であり、特許文献1と同様に設備費が嵩む。また特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、貯蔵タンクから加圧タンクへの液の移送等を含め複雑な操作が必要となる。現在、簡単な装置構成で、安い設備コスト及びランニングコストで低温液化ガスの払出しを行うことが可能な装置及びその方法の開発が待たれている。
【0011】
本発明の目的は、簡単な装置構成で設備費も安く、効率的に低温液化ガスの払出しを行うことが可能な低温液化ガス払出し装置及び低温液化ガス払出し方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の本発明は、貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスを受器に払出す低温液化ガス払出し装置であって、貯蔵タンクに接続し貯蔵する低温液化ガスを払出す払出し管と、前記払出し管の途中に介装された第1払出し手段である払出しポンプと、前記払出しポンプをバイパスするように前記払出し管に設けられた第2払出し手段である、管路の途中に自動制御弁を有するバイパス管と、所定の条件に基づき前記払出しポンプの動作及び前記自動制御弁の弁開度を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする低温液化ガス払出し装置である。
【0013】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の低温液化ガス払出し装置において、前記制御装置は、前記貯蔵タンクの圧力及び低温液化ガスの払出し先である受器の圧力を受信し、前記貯蔵タンクと前記受器との圧力差を算出し、前記圧力差が所定の値を超えていると判断すると、前記バイパス管を介して貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスを払出すように制御し、前記圧力差が所定の値以下であると判断すると、前記払出しポンプを介して貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスを払出すように制御することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の低温液化ガス払出し装置において、前記貯蔵タンクは、複数の貯蔵タンクからなり、各貯蔵タンクは、各々圧力検出器及び前記払出し管、前記払出しポンプ、前記自動制御弁を有するバイパス管を備え、前記制御装置は、各貯蔵タンクの圧力及び低温液化ガスの払出し先である受器の圧力を受信し、各貯蔵タンクと前記受器との圧力差を算出し、前記圧力差が所定の値を超えている貯蔵タンクから前記バイパス管を介して低温液化ガスの払出しを行い、前記圧力差が所定の値に達すると前記バイパス管を介した払出しを停止し、各貯蔵タンクと前記受器との全ての圧力差が所定の値以下であると判断すると、前記払出しポンプを介して低温液化ガスの払出しを行うように制御することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の本発明は、貯蔵タンクに低温液化ガスを受入れるとき発生するボイルオフガス及び/又は貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスから発生するボイルオフガスを貯蔵タンクに封じ込め、貯蔵タンクの圧力を上昇させ、請求項1から3のいずれか1項に記載の低温液化ガス払出し装置を用いて低温液化ガスを払出すことを特徴とする低温液化ガス払出し方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る低温液化ガス払出し装置は、払出し手段として払出しポンプ及び自動制御弁を有するバイパス管を備え、さらに所定の条件に基づき前記払出しポンプの動作及び前記自動制御弁の弁開度を制御する制御装置を備えるので、貯蔵タンクの圧力又は貯蔵タンクと低温液化ガスの払出し先である受器との圧力差に応じて、払出し手段を適宜使い分けることが可能となり、ランニングコストを低減することができる。また、払出し手段として払出しポンプのほかに自動制御弁を有するバイパス管を備えるので、払出しポンプの容量を小さく又は台数を少なくすることが可能となる。また低温液化ガス払出し装置の構成も比較的単純であるので、設備費が安価である。
【0017】
また本発明によれば、前記制御装置は、貯蔵タンクと低温液化ガスの払出し先である受器との圧力差を算出し、圧力差が所定の値を超えていると判断すると、バイパス管を介して貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスを払出すように制御し、圧力差が所定の値以下であると判断すると、払出しポンプを介して貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスを払出すように制御するので効率的であり、払出し操作時のランニングコストを低減することができる。
【0018】
また本発明によれば、複数の貯蔵タンクから貯蔵する低温液化ガスを払出すとき、制御装置は、貯蔵タンクと低温液化ガスの払出し先である受器との圧力差を算出し、この圧力差が所定の値を超えている貯蔵タンクからバイパス管を介して低温液化ガスの払出しを行い、貯蔵タンクの圧力が所定の圧力に達するとバイパス管を介した払出しを停止し、全ての貯蔵タンクと受器との圧力差が所定の値以下であるときは、払出しポンプを介して低温液化ガスの払出しを行うように制御するので、払出し操作時のランニングコストを低減することができる。また圧力の高い貯蔵タンクから優先的に低温液化ガスの払出しを行うので、貯蔵タンク内でボイルオフガスが発生しても貯蔵タンクの圧力が必要以上に高くならず、ボイルオフガスを大気中に放出したり、ボイルオフガスを別途処理する必要がなく、効率的である。
【0019】
また本発明に係る低温液化ガス払出し方法は、貯蔵タンクに低温液化ガスを受入れるとき発生するボイルオフガス及び/又は貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスから発生するボイルオフガスを貯蔵タンクに封じ込め、これを加圧用ガスとして利用して貯蔵タンクの圧力を上昇させ、本発明に係る低温液化ガス払出し装置で払出しを行うので効率的であり、さらに払出し操作時のランニングコストを低く抑えることができる。また加圧ガスを製造するための加圧タンク、加熱装置等が不要なので、低温液化ガス払出し装置の構成が簡単で設備費が安くなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態としての低温液化ガス払出し装置50を備える低温液化ガス貯蔵設備の概略的構成を示すプロセスフロー図である。
【図2】図1の低温液化ガス払出し装置50の一部を構成する制御装置70の払出し時の制御手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態としての低温液化ガス払出し装置51を備える低温液化ガス貯蔵プラントの概略的構成を示すプロセスフロー図である。
【図4】図2の低温液化ガス払出し装置51の一部を構成する制御装置72の払出し時の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の第1実施形態としての低温液化ガス払出し装置50(以下、単に払出し装置50と記す場合もある)を備える低温液化ガス貯蔵設備の概略的構成を示すプロセスフロー図である。以下、液化炭酸ガスを低温液化ガスとし、液化炭酸ガスを液化炭酸ガス輸送船(以下タンカー)の受入れタンク(図示省略)に払出す場合を例として説明する。
【0022】
低温液化ガス貯蔵設備は、図示を省略した液化装置から送出される液化炭酸ガスを貯蔵タンク20に受入れる受入れ装置、液化炭酸ガスを貯蔵する貯蔵タンク20及び貯蔵タンク20に貯蔵する液化炭酸ガスをタンカーの受入れタンク(図示省略)に払出す払出し装置50を含み構成される。
【0023】
受入れ装置は、貯蔵タンク20に図示を省略した液化装置から送られる液化炭酸ガスを供給する受入れライン5、受入れライン5に接続する、貯蔵タンク20に装着されたスプレー管13、及び受入れライン5を介して貯蔵タンク20に受入れる液化炭酸ガスの流量等を制御する制御装置70を備える。
【0024】
受入れライン5は、受入管7、受入管7に接続し液化炭酸ガスを貯蔵タンク20の上部から供給する上部供給管9、受入管7に接続し液化炭酸ガスを貯蔵タンク20の下部から供給する下部供給管11を含み構成される。受入管7は、一端を図示を省略した液化炭酸ガスを製造する液化装置と接続し、他端には上部供給管9及び下部供給管11が接続する。
【0025】
上部供給管9は、液化炭酸ガスを貯蔵タンク20の上部から供給するための管路であって受入管7と一端を接続し、他端は貯蔵タンク20内の上部に装着されたスプレー管13と接続する。また管路の途中には、流量調節弁15が設けられ、流量調節弁15は、制御装置70からの指令で弁開度を可変させる。スプレー管13は、貯蔵タンク20に貯蔵する最高液レベルよりも高い位置にあり、常時、気相部21に位置するので、上部供給管9から供給される液化炭酸ガスは、スプレー管13を介して貯蔵タンク20の気相部21に噴霧される。気相部21に噴霧される液化炭酸ガスは、気相部21のガスを冷却させ、再液化させるので、上部供給管9から液化炭酸ガスを受入れると貯蔵タンク20の圧力は低下傾向となる。
【0026】
下部供給管11は、液化炭酸ガスを貯蔵タンク20の下部から供給するための管路であって受入管7と一端を接続し、他端は貯蔵タンク20内の下部と接続する。また管路の途中には、流量調節弁17が設けられ、流量調節弁17は、制御装置70からの指令で弁開度を可変させる。下部供給管11から供給される液化炭酸ガスは、貯蔵タンク20の液相部23に供給される。下部供給管11から液化炭酸ガスを受入れると、受入れに伴う気相部21の容積低下及び液化炭酸ガスが気化し発生するボイルオフガスにより貯蔵タンク20の圧力は上昇傾向となる。
【0027】
上部供給管9及び下部供給管11に設けられる流量調節弁15、17は、制御装置70からの指令に基づき弁開度を可変させる自動制御弁であり、公知の低温用の弁を使用することができる。
【0028】
スプレー管13は、上部供給管9と接続し、上部供給管9から送られる液化炭酸ガスを
貯蔵タンク20の気相部21に噴霧するためのものである。スプレー管13は、貯蔵タンク20内の上部であって貯蔵する最高液レベルよりも高い位置にあり、常時、気相部21に位置する。スプレー管13は、リング状の管路で形成され、管路には供給される液化炭酸ガスを噴霧するためのスプレーノズル(図示省略)が取付けられている。スプレーノズルは、液化炭酸ガスを貯蔵タンク20の気相部21に均一に噴霧するように、リング状の管路に所定の間隔で複数個取付けられている。スプレーノズルは、公知のスプレーノズルを使用可能である。なお、スプレーノズルに代え、リング状の管路に所定の間隔でスプレー用の孔を設けスプレーするようにしてもよい。
【0029】
貯蔵タンク20は、球形の形状を有し、内部に温度約−55℃、圧力約0.6MPaの液化炭酸ガスを貯蔵する。貯蔵タンク20には、貯蔵する液化炭酸ガスの液レベルを検出する液レベル検出器25及び貯蔵タンク20の気相部21の圧力を検出する圧力検出器27が装着され、それぞれの制御装置70と接続し、制御装置70に貯蔵タンク20の液レベル及び圧力を送信する。貯蔵タンク20内の上部には、上部供給管9と接続するスプレー管13が装着されている。
【0030】
また貯蔵タンク20の上部には、一端を貯蔵タンク20の気相部21と連通し、他端をガスローディングアーム29と接続するガス管31が連結する。ガス管31とガスローディングアーム29とでガスライン33を形成する。このガス管31は、管路の途中に遮断弁35を備え、液化炭酸ガスを払出しポンプ57を介してタンカーの受入れタンクに払出すとき、ガスローディングアーム29を介してタンカーの受入れタンクの気相部と連通する。さらに貯蔵タンク20の上部には、貯蔵タンク20を保護するためのガス放出管37、安全弁(図示省略)が設けられ、貯蔵タンク20内の圧力が所定の圧力以上となるとガス放出管37に設けられたガス逃し弁39が開き、貯蔵タンク20内の一部のガスを大気中に放出する。圧力が異常に上昇した場合は、安全弁が作動し貯蔵タンク20を保護する。一方、貯蔵タンク20の下部には、貯蔵タンク20の下部から液化炭酸ガスを供給する下部供給管11のほか、払出し管55が接続するタンク元弁41が設けられている。
【0031】
払出し装置50は、貯蔵タンク20に貯蔵される液化炭酸ガスをタンカーの受入れタンクに払出すための装置であって、タンク元弁41を介して貯蔵タンク20に接続する払出し管55、払出し管55の途中に介装された払出しポンプ57、払出しポンプ57をバイパスするように払出し管55に設けられた、管路の途中に自動制御弁59を有するバイパス管61及び払出しポンプ57の動作及びバイパス管61に設けられた自動制御弁59の弁開度を制御する制御装置70を含み構成される。
【0032】
払出し管55は、一端をタンク元弁41に、他端を液ローディングアーム63に接続する。液ローディングアーム63は、端部であるタンカー取合部65をタンカー側の取合部(図示省略)と接続し、タンカーの受入タンクの高さに追従してアーム位置を自在に変える。液ローディングアーム63の反払出し管55側の端部直近には、遮断弁67が設けられている。払出し管55と液ローディングアーム63とで払出しライン69を形成する。
【0033】
払出しポンプ57は、払出し管55の途中に取付けられ、制御装置70の指令に基づき作動し、貯蔵タンク20に貯蔵される液化炭酸ガスをタンカーの受入れタンクに圧送する第1の払出し手段である。払出しポンプ57は、従来から使用されている公知の払出しポンプを使用することが可能である。
【0034】
管路の途中に自動制御弁59を有するバイパス管61は、第2の払出し手段であり、払出しポンプ57をバイパスするように払出し管55に接続する。自動制御弁59は制御装置70からの指令に基づき弁開度を可変させ、タンカーの受入れタンクに圧送する液化炭酸ガスの流量を調節する弁であり、公知の低温用の自動制御弁を用いることができる。
【0035】
制御装置70は、信号を送受信及びデータの入出力が可能な入出部、データ及びプログラムを記憶する記憶部、記憶部からデータ及びプログラムを読出し演算を行う演算部及び各部を制御する制御部を備える。制御装置70は、貯蔵タンク20に装着された液レベル検出器25、圧力検出器27と接続しこれらから信号を受信すると共に、タンカーの受入れタンクの液レベル信号及び圧力信号も受信し、これら液レベルデータ、圧力データに基づき、予め定めた手順に従い、払出しポンプ57の動作の制御、ガスライン33に装着された遮断弁35、バイパス管61に設けられた自動制御弁59、液ローディングアーム63に設けられた遮断弁67の弁の開閉を含めた弁開度を制御する。
【0036】
制御装置70は、さらに図示を省略した液化装置の液化炭酸ガス製造スケジュール情報に基づき、予め定められた手順に従い、上部供給管9に設けられた流量調節弁15及び下部供給管11に設けられた流量調節弁17を制御し、液化装置から送出される液化炭酸ガスを貯蔵タンク20に受入れる。本制御装置70は、払出し装置50の他、受入れ装置の制御も含めた低温液化ガス貯蔵設備全体の制御を行なっているけれども、払出し装置50専用の制御装置を設けてもよいことは言うまでもない。このような制御装置70は、コンピュータ、プログラマブルロジックコントローラを用いて実現することができる。
【0037】
次に低温液化ガス払出し装置50の払出し要領を制御装置70の制御要領と合わせて説明する。図2は、払出し時の制御装置70の制御手順を示すフローチャートである。この制御手順は、プログラミング化され制御装置70にインストールされている。ここでは、払出しライン69及びガスライン33の接続、及びクールダウン操作が終了し、低温液化ガスを払出すことができる状態とする。この状態において、タンク元弁41及び払出しライン69に介装された遮断弁67は開き、バイパス管61に介装された自動制御弁59は閉じ、払出しポンプ57は停止している。またガスライン33に介装された遮断弁35は閉じている。
【0038】
制御装置70は、図示を省略した払出し開始ボタンがONとされ払出し指令を受けると、貯蔵タンク20に装着された圧力検出器27が検出する貯蔵タンク20の圧力及びタンカー側から送信される受入れタンクの圧力を取込み、貯蔵タンク20の圧力から受入れタンクの圧力を減算し、貯蔵タンク20の圧力と受入れタンクの圧力との圧力差(タンク間差圧)を算出する(ステップS1)。なお、制御装置70は、貯蔵タンク20の圧力及びタンカー側から送信される受入れタンクの圧力を払出し操作が完了するまで常時取込み、記憶部に記憶し、必要に応じてこれらデータを読出し演算、処理を行う。
【0039】
制御装置70は、ステップS1で算出したタンク間差圧が所定の値を超えているか否か判断し(ステップS2)、タンク間差圧が所定の値を超えていると判断すると、制御装置70は、払出しポンプ57を停止した状態で、バイパス管61に介装された自動制御弁59を開けるように制御する(ステップS3)。このとき、ガスライン33に介装された遮断弁35は閉じたままとする。これにより貯蔵タンク20に貯蔵された液化炭酸ガスは、タンク間の圧力差を推進力とし、バイパス管61を介してタンカーの受入れタンクに圧送される。一方、ステップS2において、ステップS1で算出したタンク間差圧が所定の値以下であると判断すると、払出しポンプ57を作動させ払出しポンプ57を介して液化炭酸ガスをタンカーの受入れタンクに圧送する(ステップS4)。
【0040】
バイパス管61を介して液化炭酸ガスの払出しを継続すると、貯蔵タンク20の液レベルが低下するに伴い貯蔵タンク20の圧力が低下する。一方、タンカーの受入れタンクは液化炭酸ガスの受入れに伴い液レベルが上昇すると共に、液化炭酸ガスの受入れに伴い発生するボイルオフガスにより圧力が上昇する。これらにより液化炭酸ガスの払出しに伴い、貯蔵タンク20の圧力と受入れタンクの圧力との圧力差が減少する。このため制御装置70は、払出し操作中、貯蔵タンク20の圧力及びタンカー側から送信される受入れタンクの圧力を取込み、貯蔵タンク20と受入れタンクとの圧力差を算出し、圧力差が所定の値となった時点で、払出しポンプ57を作動させ払出しポンプ57を介して液化炭酸ガスをタンカーの受入れタンクに圧送する(ステップS4)。払出しポンプ57を作動させるときは、バイパス管61に介装された自動制御弁59は閉じる。
【0041】
払出しポンプ57を作動させ、液化炭酸ガスの払出しを継続すると、バイパス管61を介した液化炭酸ガスの払出しと同様に、貯蔵タンク20と受入れタンクとの圧力差が小さくなるので、制御装置70は、貯蔵タンク20と受入れタンクとの差が殆どなくなった時点で、ガスライン33に介装された遮断弁35を徐徐に開け、最終的には遮断弁35を全開とするように制御する。これによりガスライン33が均圧ラインとし機能し、払出しポンプ57を介しての低温液化ガスの払出しを安定的に行うことができる。
【0042】
タンカー側の受入れタンクの液レベルが所定のレベルに達した時点で払出し操作を終了する(ステップS5)。
【0043】
ステップS2の所定の値は、次にように設定することができる。ステップS2で定めるタンク間差圧とは、貯蔵タンク20と受入れタンクとの圧力差を利用して液化炭酸ガスの払出しを行うか、払出しポンプ57を介して液化炭酸ガスの払出しを行うかを判断するためのものである。タンク間差圧を低目に設定すれば、圧力差を利用した液化炭酸ガスの払出し操作を長く行えるので、払出しポンプ57の稼動時間が短くランニングコストを低減させることができる一方、タンク間差圧が小さいため払出し能力が低下し、払出し時間が長くなる。タンク間差圧を高目に設定した場合は、タンク間差圧を低目に設定した場合の作用効果と逆になる。これらの特徴を踏まえ、払出し時間等との関係でタンク間差圧を適宜設定すればよい。なお、タンク間差圧に代え、貯蔵タンク20の圧力値で制御するようにしてもよい。
【0044】
上記のように、低温液化ガス払出し装置50の払出し要領は、基本的には、貯蔵タンク20と受入れタンクとの圧力差が高いときは、圧力差を利用して液化炭酸ガスの移送を行い、圧力差が小さいときは、払出しポンプ57により液化炭酸ガスの移送を行うものである。このように2つの払出し手段を備えるので、貯蔵タンク20と受入れタンクとの圧力差に拘わらず確実に液化炭酸ガスの払出しを行うことができる。また圧力差を利用して液化炭酸ガスの移送も行うことができるので、払出しポンプ57の稼動時間を低減可能であり、払出し操作時のランニングコストを低減することができる。また、圧力差を利用して液化炭酸ガスの払出しを行うときも、貯蔵タンク20のガス圧力を利用するため、別途、加圧用のガス、加圧装置を必要としない。
【0045】
貯蔵タンク20と受入れタンクとの圧力差を利用した液化炭酸ガスの払出しは、貯蔵タンク20の気相部21の圧力(ガス圧力)を高め、このガス圧力を利用した払出し操作と言い換えることもできる。このためタンク間差圧を利用した液化炭酸ガスの払出しを行うには、貯蔵タンク20の圧力を高める必要がある。
【0046】
次に貯蔵タンク20の加圧要領について説明する。低温液化ガス払出し装置50を用いた低温液化ガスの払出しにおいて、タンク間差圧を利用した液化炭酸ガスの出し操作では、加圧装置又は加熱装置を用いて加圧ガスを製造しそれを利用して液化炭酸ガスの払出しを行うのではなく、貯蔵タンク20の圧力を利用して液化炭酸ガスの払出しを行う。このため貯蔵タンク20の加圧要領は重要である。
【0047】
圧力差を利用した液化炭酸ガスの払出しを考えれば、貯蔵タンク20の圧力は高い方が好ましいけれども、必要以上に高くしても貯蔵タンク20を保護するために設けられたガス逃し弁39が開き、ボイルオフガスは放出されるので、ガス逃し弁39の設定圧力よりも僅かに低い圧力とすることが好ましい。もちろん貯蔵タンク20の設計圧力を高くすれば、貯蔵タンク20の圧力をより高めることができることは言うまでもないが、貯蔵タンク20の製造コストアップに繋がるので、経済性を考慮して加圧圧力を設定すべきある。
【0048】
払出し操作開始時の貯蔵タンク20の圧力は、貯蔵タンク20への液化炭酸ガスの受入れが終了したときの圧力と、受入れ終了後、払出し開始時までに、貯蔵する液化炭酸ガスが気化し発生するボイルオフガスによって高められる圧力とに分けて考えることができる。なおボイルオフガスの発生量は、一般的に経過時間に比例する。ここでは貯蔵タンク20の圧力を高める方法として、発生するボイルオフガスを積極的に利用し、ボイルオフガスを貯蔵タンク20に封じ込め、意図的に貯蔵タンク20の圧力を高める。
【0049】
貯蔵タンク20への液化炭酸ガスの受入れが終了したときの貯蔵タンク20の圧力は、受入れ終了から払出し開始までの時間を考慮し、所定の圧力となるように調節することが好ましい。受入れ終了から払出し開始までの時間が長いときは、受入れ終了時の貯蔵タンク20の圧力は、低目とし、受入れ終了から払出し開始までの時間が短いときは、受入れ終了時の貯蔵タンク20の圧力を、ガス逃し弁39の設定圧力よりも少し低い圧力とする。これにより受入れ終了から払出し開始までに発生するボイルオフガスにより貯蔵タンク20の圧力が高められ、タンク間差圧を利用した液化炭酸ガスの払出しに適した圧力とすることができる。また、発生するボイルオフガスを大気中に放散する必要がないので、環境上からも好ましい。なお、予め待機時間と貯蔵タンク20の圧力上昇率との関係を把握し、受入れ終了時の貯蔵タンク20の圧力を決めることが好ましい。
【0050】
受入れ終了時の貯蔵タンク20の圧力の調節は、次のようにして調節することができる。本低温液化ガス貯蔵設備の受入れ装置は、液化炭酸ガスを貯蔵タンク20の上部から供給する上部供給管9と液化炭酸ガスを貯蔵タンク20の下部から供給する下部供給管11とを有する。貯蔵タンク20への液化炭酸ガスの受入れを下部供給管11から行うと、供給された液化炭酸ガスの一部はボイルオフガスとなるので貯蔵タンク20内の圧力は高まる方向となる。一方、貯蔵タンク20への液化炭酸ガスの受入れを上部供給管9から行うと、供給された液化炭酸ガスが気相部21のボイルオフガスを冷却し、ボイルオフガスを再液化させるので、貯蔵タンク20の圧力は低下する方向となる。この二つの作用効果の異なる供給管を使い分けることで、受入れ終了時の貯蔵タンク20の圧力を調節することができる。
【0051】
図3は、本発明の第2実施形態としての低温液化ガス払出し装置51を備える低温液化ガス貯蔵プラントの概略的構成を示すプロセスフロー図である。図4は、払出し時の制御装置72の制御手順を示すフローチャートである。第2実施形態に示す低温液化ガス払出し装置51は、複数の貯蔵タンク20に貯蔵する液化炭酸ガスを払出すための装置であって、一台の制御装置72で複数の貯蔵タンク20の液化炭酸ガスの払出しを制御する。制御装置72を除き、第1実施形態に示す低温液化ガス払出し装置50が複数の貯蔵タンク20毎に設けられた構成からなる。
【0052】
第2実施形態に示す低温液化ガス払出し装置51を備える低温液化ガス貯蔵プラントは、大略的には第1実施形態に示す低温液化ガス払出し装置50を備える低温液化ガス貯蔵設備が3基併設された構成からなる。各低温液化ガス貯蔵設備のうち、第1実施形態に示す低温液化ガス貯蔵設備と同じ構成部材は、同一の符号を付し説明を省略する。なお3設備を区別するために各々の符号に添え字を付して区別する。例えば第1実施形態で示す貯蔵タンク20は、第2実施形態で示す貯蔵タンクでは20a、20b、20cと記す。なお、制御装置は、3設備毎に設けられておらず、3設備を同時に一つの制御装置72で制御する。なお制御装置72のハードウエア構成及び機能は第1実施形態に示す制御装置70と同一である。
【0053】
第2実施形態に示す低温液化ガス払出し装置51を備える低温液化ガス貯蔵プラントは、払出し要領に特徴を有するので、制御装置72の制御手順と合わせて説明する。この制御手順は、プログラミング化され制御装置72に予めインストールされている。ここで全ての払出しライン69a、69b、69c及びガスライン33a、33b、33cの接続、及びクールダウン操作が終了し、低温液化ガスを払出すことができる状態とする。この状態において、タンク元弁41a、41b、41c及び払出しライン69a、69b、69cに介装された遮断弁67a、67b、67cは開き、バイパス管61a、61b、61cに介装された自動制御弁59a、59b、59cは閉じ、払出しポンプ57a、57b、57cは停止している。またガスライン33a、33b、33cに介装された遮断弁35a、35b、35cは閉じている。また、全ての払出しライン69a、69b、69c及びガスライン33a、33b、33cは、タンカーの同じ受入れタンク接続しているものとする。
【0054】
また貯蔵タンクの液レベルは、貯蔵タンク20a>貯蔵タンク20b>貯蔵タンク20cとし、タンカーの受入れタンクに受入れ可能な液量は、貯蔵タンク20aと貯蔵タンク20bとの合計の貯蔵量よりも多く、3つの貯蔵タンク20a、20b、20cが貯蔵する液量の合計よりも少ないものとする。また、各貯蔵タンク20a、20b、20cには各々払出し可能な最低液レベル(レベル低)が設定されており、液レベル検出器25a、25b、25cがその液レベルを検出すると、制御装置72は、貯蔵タンク20a、20b、20cからの払出しを停止するように制御するものとする。
【0055】
制御装置72は、図示を省略した払出し開始ボタンがONとされ、払出し指令を受けると、各貯蔵タンク20a、20b、20cに装着された圧力検出器27a、27b、27cが検出する各貯蔵タンク20a、20b、20cの圧力及びタンカー側から送信される受入れタンクの圧力を取込み、各貯蔵タンク20a、20b、20cの圧力から受入れタンクの圧力を減算し、各貯蔵タンク20a、20b、20cと受入れタンクとの圧力差(タンク間差圧)を算出する(ステップS11)。なお、制御装置72は、貯蔵タンク20a、20b、20cの圧力及びタンカー側から送信される受入れタンクの圧力を払出し操作が完了するまで常時取込み、記憶部に記憶し、必要に応じてこれらデータを読出し演算、処理を行う。
【0056】
ステップS11で算出した3つのタンク間差圧のうち、いずれか1のタンク間差圧が所定の値を超えているか否か判断する(ステップS12)。全てのタンク間差圧が所定の値以下であると判断すると、液レベルの一番高い貯蔵タンク20aから払出しポンプ57aを介して液化炭酸ガスの払出しを開始する(ステップS13)。貯蔵タンク20a内の液レベルが所定の値(レベル低)となった時点(ステップS14)で払出しポンプ57aを停止する(ステップS15)。同様に、全てのタンク間差圧が所定の値以下であると判断すると、液レベルが二番高い貯蔵タンク20bから貯蔵タンク20aと同様の要領で払出しを行う。なお、払出しポンプ57a、57b、57cを用いた液化炭酸ガスの払出し要領は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0057】
一方、いずれか1のタンク間差圧が所定の値を超えていると判断すると、そのタンク間差圧のうち一番タンク間差圧が大きい、貯蔵タンク20a(20b、20c)を算出し、その貯蔵タンク20a(20b、20c)の払出しライン69a(69b、69c)に設けられたバイパス管61a(61b、61c)を介して液化炭酸ガスの払出しを行うように自動制御弁59a(59b、59c)を制御する(ステップS16)。このときこの払出し管55a、55b、55cに設けられた払出しポンプ57a、57b、57cは停止させたままとする。
【0058】
払出し操作に伴い、払出しを行っている貯蔵タンク20a(20b、20c)とタンカーの受入れタンクとの圧力差が所定の値に達したと判断すると(ステップS17)、バイパス管61a(61b、61c)の途中に介装された自動制御弁59a(59b、59c)を閉じ、液化炭酸ガスの払出しを停止する(ステップS18)。
【0059】
制御装置72は、再度、タンク間差圧のうちいずれか1のタンク間差圧が所定の値を超えているか否か判断し(ステップS12)、いずれか1のタンク間差圧が所定の値を超えていると判断すると、そのタンク間差圧のうち一番タンク間差圧が大きい、貯蔵タンク20b(20c)を算出し、その貯蔵タンク20b(20c)の払出しライン69b(69c)に設けられたバイパス管61b(61c)を介して液化炭酸ガスの払出しを行うように自動制御弁59b(59c)を制御する(ステップS16)。
【0060】
タンカー側の受入れタンクの液レベルが所定のレベルに達した時点で払出し操作を終了する(ステップS19)。
【0061】
上記のように、複数の貯蔵タンク20a、20b、20cを備え、これら貯蔵タンク20a、20b、20cから貯蔵する液化炭酸ガスを払出すときには、ガス圧による液化炭酸ガスの払出しを払出しポンプ57a、57b、57cに優先して行うことで、ランニングコストを低減できる。また貯蔵タンク20a、20b、20cのうち圧力の一番高い貯蔵タンク20a(20b、20c)から優先的に液化炭酸ガスを払出すことで、待機中の貯蔵タンク20b、20c(20a)において、発生するボイルオフを貯蔵タンク20b、20c(20a)の加圧に有効に利用することができ、発生するボイルオフガスを大気に放散する必要がないので効率的かつ環境にやさしい。なお、上記実施形態では、1基ずつ液化炭酸ガスを払出す例を示したけれども、2基以上のタンクから同時に払出しを行うように制御してよい。また貯蔵タンクが3基に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0062】
20 貯蔵タンク
27 圧力検出器
50 低温液化ガス払出し装置
51 低温液化ガス払出し装置
55 払出し管
57 払出しポンプ
59 自動制御弁
61 バイパス管
70 制御装置
72 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスを受器に払出す低温液化ガス払出し装置であって、
貯蔵タンクに接続し貯蔵する低温液化ガスを払出す払出し管と、
前記払出し管の途中に介装された第1払出し手段である払出しポンプと、
前記払出しポンプをバイパスするように前記払出し管に設けられた第2払出し手段である、管路の途中に自動制御弁を有するバイパス管と、
所定の条件に基づき前記払出しポンプの動作及び前記自動制御弁の弁開度を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする低温液化ガス払出し装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記貯蔵タンクの圧力及び低温液化ガスの払出し先である受器の圧力を受信し、前記貯蔵タンクと前記受器との圧力差を算出し、前記圧力差が所定の値を超えていると判断すると、前記バイパス管を介して貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスを払出すように制御し、前記圧力差が所定の値以下であると判断すると、前記払出しポンプを介して貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスを払出すように制御することを特徴とする請求項1に記載の低温液化ガス払出し装置。
【請求項3】
前記貯蔵タンクは、複数の貯蔵タンクからなり、
各貯蔵タンクは、各々圧力検出器及び前記払出し管、前記払出しポンプ、前記自動制御弁を有するバイパス管を備え、
前記制御装置は、各貯蔵タンクの圧力及び低温液化ガスの払出し先である受器の圧力を受信し、各貯蔵タンクと前記受器との圧力差を算出し、前記圧力差が所定の値を超えている貯蔵タンクから前記バイパス管を介して低温液化ガスの払出しを行い、前記圧力差が所定の値に達すると前記バイパス管を介した払出しを停止し、各貯蔵タンクと前記受器との全ての圧力差が所定の値以下であると判断すると、前記払出しポンプを介して低温液化ガスの払出しを行うように制御することを特徴とする請求項1に記載の低温液化ガス払出し装置。
【請求項4】
貯蔵タンクに低温液化ガスを受入れるとき発生するボイルオフガス及び/又は貯蔵タンクに貯蔵する低温液化ガスから発生するボイルオフガスを貯蔵タンクに封じ込め、貯蔵タンクの圧力を上昇させ、請求項1から3のいずれか1項に記載の低温液化ガス払出し装置を用いて低温液化ガスを払出すことを特徴とする低温液化ガス払出し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−196825(P2010−196825A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43242(P2009−43242)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】