説明

体外血液処理を一時的に中断するための方法、制御デバイス及び血液処理装置

本発明は、血液処理装置(1)によって患者(200)の血液の体外処理を一時的に中断するための方法に関する。この方法は、血液処理装置(1)を、患者(200)の血液処理セッションが血液処理セッションを継続することを目的として中断され得る状態にするように提供され構成される、制御デバイス(3)を起動又は制御する工程を含む。本発明はさらに、制御デバイス(3)、血液処理装置(1)、デジタル記憶手段、コンピュータ・プログラム・プロダクト、ならびにコンピュータプログラムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の体外血液処理を一時的に中断するための方法に関する。本発明はさらに、請求項9に記載の制御デバイス、請求項12に記載の血液処理装置、請求項14に記載のデジタル記憶手段、請求項15に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト、及び請求項16に記載のコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
体外血液処理の一時的又は一過的な中断は様々な理由から必要となる場合がある。これらの理由としては、血管への新しいアクセスの適用又は配置、健康診断の実施、患者がバスルームに行くことなどである。これらはすべて、共通して、体外血液処理が、一時的な中断の理由が存在しなくなった後に継続されることを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、体外血液処理を一時的に中断するためのさらなる方法を提案することである。さらに、適切な装置が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を有する方法によって解決される。
【0005】
本発明によれば、患者の体外血液処理、又は血液処理を目的として患者に連結されている血液処理装置による患者の血液の体外処理を一時的に中断するための方法が提案される。この方法は、血液処理装置を、血液処理セッションを継続することを目的として血液処理装置から患者を連結切断することによって血液処理セッションが一時的に中断され得る状態にするように提供され構成される、制御デバイスの起動又は制御を含む。
【0006】
本発明に従う方法の有利な実施形態又は発展は、それぞれ従属請求項の主題である。
【0007】
本明細書で使用される場合、「一時的な中断」又は「一時的に中断する」という用語は、方法の一時的に制限された中断を指定する。中断のタイムスパン又は期間はそれぞれ、自己判断で又は可変的にそれぞれ決定又は設定できる。平均の中断期間は、0.5時間から4時間継続し得る。しかしまた、数分又は4時間超過も「一時的」という用語に含まれ得る。
【0008】
一時的な中断は、体外血液処理の中断されたセッションを継続することを意図として実施することができる。患者を一時的に連結切断する、及び/又は患者又は血液処理装置を連結切断状態にすることを目的として実施することができる。連結切断は、方法手順の一部であってもよいし、一部でなくてもよい。
【0009】
そのため、本発明によれば、「一時的」又は「一時的に」という用語は、−中断の際に−後の時点で処理を継続する意図があるが、それが実際に生じるか否かには関係ない、というように理解することができる。
【0010】
本発明の特定実施形態において、一時的な中断は、血液処理セッションの中断の前に既に使用されていた少なくとも1つの(又はそれ以上又はすべての)医療デバイスによって、体外血液処理の中断されたセッションを継続することを目的として実施される。このようにして、処理の終了前に使用された医療デバイス又はそれらの部品の1つ、1つ以上又はすべてを破棄することを有利に省略することができる。加えて、時間と労力を要する血液処理装置の(完全又は部分的な)分解又は除去及び中断の終了時における−それぞれ新しい又は未使用の、又は滅菌された医療デバイスでの設定を、有利に省略することができる。本発明の一部の実施形態において、中断前に使用されていた医療デバイスを継続処理のため再使用することが、中断時に予め計画、又は意図される。
【0011】
本明細書で使用される医療デバイスは、本発明の一部の実施形態において、血液ライン、血液管セット、血液カセット、トレー、オーガナイザなどを含む。場合により、それらは、使い捨てとして設計され、構成され、又はそのように使用される。
【0012】
本明細書で使用される「体外血液処理」という用語は、患者の体の外側でそれぞれ実施される又は行われる血液処理を指す。こうした血液処理は、例えば患者の血液を精製及び/又は交換するために作用し得る。
【0013】
体外血液処理は、体外血液回路によって行うことができる。体外血液回路は、管システム又は患者の管システムをそれぞれ含むことができる。患者の管システムは、血液引き込みライン及び血液返送ラインを含むことができる。
【0014】
本明細書で使用される「血液引き込みライン」という用語は、体外血液回路のライン又はラインセグメントもしくはラインセクションを指し、患者から又は患者の血液回路(又は個々の循環)から血液を輸送する、伝導する又は移送するために提供される。
【0015】
本明細書で使用される「血液返送ライン」という用語は、体外血液回路のライン又はラインセグメントもしくはラインセクションを指し、患者に又は患者の血液回路に、それぞれ血液を供給又は返送するために提供される。
【0016】
血液引き込みラインは、例えば体外血液回路の動脈ライン又は動脈ラインセクションもしくはセグメントであることができる。ここで「動脈ライン又は動脈ラインセクションもしくはセグメント」という用語は、患者の血液回路又は循環の動脈に連結される体外血液回路の一部を指す。
【0017】
血液引き込みラインは、体外血液回路の動脈ラインセクション又はセグメントであるが、血液返送ラインは、それに対応して、それぞれ体外血液回路の静脈ライン又は静脈ラインセクションもしくはセグメントであることができる。「個々の静脈ライン又は静脈ラインセクションもしくはセグメント」という用語は、それに対応して、患者の血液回路の静脈に連結される体外血液回路の一部を指す。
【0018】
本発明に記載の他の実施形態において、血液引き込みラインは、体外血液回路の静脈ラインセクション又はセグメントであることができ、それに対応して、血液返送ラインは、動脈ラインセクション又はセグメントであることができる。後者は、通常とりわけ、血液を酸素豊富にする場合である。
【0019】
患者の管システムは、管クランプを閉じた後、又はそれらの閉鎖手段によって、血液引き込みライン及び/又は血液返送ラインのそれぞれの内側(ライン内部)の血液フロー又は血液ストリームをそれぞれ中断又は終了することが提供される患者の管クランプを含むことができる。従って、それぞれ開放された後又は対応する患者の管クランプを開放することによって、血液引き込みライン及び/又は血液返送ラインのライン内側にある血液フロー又は血液ストリームを継続させることを目的とすることができる。
【0020】
体外血液回路に少なくとも2つの患者管クランプを備えることができ;例えば少なくとも1つの患者の管クランプを、それぞれ血液引き込みライン中又は血液引き込みラインに備えることができ、また少なくとも1つのさらなる患者の管クランプを、それぞれ血液返送ライン中又は血液返送ラインに備えることができる。
【0021】
本明細書で使用される「患者」という用語は、健康状態又は病気であるかどうかにはよらずに、ヒト又は動物のような被検体を指す。
【0022】
「血液処理装置」は、血液精製のような血液処理、例えば透析、血液ろ過法、血液透析ろ過法、アフェレーシス、酸素添加(例えば血液中に酸素を導入する方法)、吸着などを行うための装置を包含する。
【0023】
本明細書で使用される場合、「制御デバイス」という用語は−場合により他の効果に加えて−体外血液処理の中断を誘導する又は行うために、血液処理装置と機能的に相互作用するように、設計、構成及び/又は提供されるデバイスを指す。
【0024】
制御デバイスは、本発明に従う方法のそれぞれ自動化又は自動もしくは自動化された実施を可能にするように設計できる。
【0025】
これは、血液処理を中断するのに必要な労力を低減することに有利に寄与することができる。
【0026】
制御デバイスは、すべて又は実質的にすべての方法工程の実施を誘導する又は行うことができる。本発明に記載の方法は、制御デバイスによって実質的に又は完全に実施することができる。本発明に記載の方法は、制御デバイスによって部分的に又は全体的に実施することができる。
【0027】
好ましい実施形態において、制御デバイスは、血液処理を一時的に中断するために、体外血液管セット(血液管セット、血液カセット、廃棄物)に存在する血液の患者への血液返送を誘導又は行うために、起動又は制御される。
【0028】
あるいは又は加えて、制御デバイスは、患者に血液を返送することなく、血液処理セッションを中断できる。
【0029】
好ましい実施形態において、制御デバイスは、血液処理装置を、血液処理セッションを継続させることを目的として患者の血液処理セッションを中断できる又は中断する状態にする、又は特に血液処理装置において又は血液処理装置上でいずれかのさらなる手段を必要とせず、患者を連結切断できる状態にするために、唯一の作動デバイスを作動させることによって起動又は制御される。
【0030】
好ましい実施形態において、制御デバイスは、血液処理装置を、患者の血液処理セッションを継続させることを目的として患者の血液処理セッションを一時的に中断できる状態にするために、唯一の作動デバイスの1回又は1度の作動−例えば1回のキーストローク、コントローラの1回の動作などによって起動又は制御される。
【0031】
制御デバイスの作動又は起動又は制御は、作動デバイスを押す、回転させる、スイッチを切り替えるなどによって行われることができる。
【0032】
好適な作動デバイスとしては、ノブ、キー、ソフトキー、ハードキー、スイッチ、コントローラ、タッチパッドのボタン、タッチスクリーンのボタン、例えばキーパッド、マウス、ペンなどのような外部入力デバイスによって作動又は起動できるボタン、音声入力デバイスなどが挙げられる。
【0033】
制御デバイスは、ユーザー、例えば病院のスタッフ、例えば医師、看護師、患者(例えば家庭用透析の場合)などによって起動又は作動できる。
【0034】
制御デバイスは、別のデバイスによって信号伝送を介して起動することができる。
【0035】
制御デバイスを起動又は制御することによって、血液処理中断の異なる段階でユーザーを補助するバックグラウンドプロセスが、自動的に開始され得る。
【0036】
血液処理中断の各単一工程に沿ってメッセージを出力することができる。
【0037】
こうしたメッセージは、ユーザーの確認を要求することができる。
【0038】
メッセージは、次の操作工程をユーザーに知らせることができる。
【0039】
このようにして、有利なことには、ユーザーにより、本発明に記載の方法の具体的な管理又はモニタリングが可能となる。
【0040】
この方法は、次のプロセスの少なくとも1つを誘導又は行う制御デバイスを用いた血液返送の開始を含むことができる:患者の血液回路から体外血液回路の血液引き込みラインを連結切断する工程;血液ポンプを始動させる及び/又は体外血液回路の血液引き込みライン及び血液返送ラインの患者管クランプを開放する工程。
【0041】
本明細書で使用される「行う」又は「誘導する」という用語は、制御デバイス自体がプロセスを行うように提供され構成されることを意味する。
【0042】
制御デバイスは、例えば視覚的及び/又は音響通知によって、プロセスを行うべきであることを示すように提供又は構成することができる。例えば、制御デバイスは、ユーザーが手動プロセスを行うことを要求することができる。
【0043】
本明細書で使用される場合、「血液返送」という用語は、例えば体外血液回路内部に存在する患者の体外処理された血液(全体として又はその一部)を、患者の血液回路に再注入する方法工程又はプロセスを指す。
【0044】
血液返送中に患者の血液回路に再注入される血液容量は、ここでは例えば0〜300mlに達することができる。再注入プロセスは、体外血液回路に提供される検出デバイス、例えば光学検出器が光学密度「ODブライト」をそれぞれ検出又は決定するまで継続又は繰り返すことができ、その値は、例えば予め決定でき、血液の不存在及び/又は代替液体の実質的に排他的な存在を結論付けるために使用できる。例えば−1回又は最初に−30mlの再注入を継続できる。この容量は、静脈ラインセクション又はセグメント中に残留血液容量に対応し得る。さらに血液を再注入できる。再注入は、後で終了することができる。
【0045】
血液返送に好適な方法は、出願番号10 2009 008 346.4(代理人整理番号FM19A20 DE)を有する2009年2月11日にドイツ特許商標庁に出願された名称「血液処理セッションの終了後の血液処理装置のために体外血液回路から血液を除去する方法及びこうした方法を実施するための装置」の本出願人の出願から教示されることができ、この内容が参考として本明細書に完全に組み込まれる。
【0046】
本明細書で使用される「連結切断する」又は「連結切断」という用語は、体外血液回路から患者を連結切断することを指す。これは、例えば患者の血液回路と体外血液回路との間の、それぞれ連結又はアクセス、例えばそれぞれカテーテル、シャント、フィステル、カニューレ、ニードル(例えば静脈−静脈連結の場合)などの脱離又は分離を含むことができる。
【0047】
「患者の血液回路からの体外血液回路の血液引き込みラインの連結切断」は、それによって、患者の血液回路から体外血液回路の血液引き込みラインの患者管クランプを閉じること及び/又は血液引き込みラインを緩める又は脱離させることを含むことができる。
【0048】
例えば、患者の「動脈連結切断」は、体外血液回路の動脈ラインセクション又はセグメントにおいて配置される動脈患者管クランプを閉じること、及び/又は患者の導管システムへのアクセスの動脈ブランチから体外血液回路の動脈ラインセクション又はセグメントを緩める又は脱離することを含むことができる。
【0049】
体外血液回路又は管システムの血液引き込みラインは、それぞれ生理食塩水バッグに連結することができる。
【0050】
血液返送中、血液ポンプは、100ml/分以下のフローで血液をポンプ輸送することができる。
【0051】
患者は血液引き込みラインから連結切断され、血液引き込みライン及び血液返送ラインの患者管クランプを開けた後、体外血液回路に存在する血液は、例えば血液処理方法によって動脈又は静脈連結ニードルなどの血液返送ラインを介して、それぞれ患者又は患者の血液回路に返送することができる。
【0052】
本発明に記載の方法のさらなる好ましい実施形態において、この方法は、次のプロセスの少なくとも1つを誘導又は行う制御デバイスを用いて血液処理の中断を開始することを含む:血液ポンプを停止すること、血液引き込みラインの患者管クランプを閉じること、及び体外血液回路の血液返送ラインの患者管クランプを閉じること、ヘパリン(ボーラスの形態又は連続投与の形態で)の添加又は投与を停止すること、凝血防止剤、特にクエン酸塩の(連続)添加又は投与を停止すること、平衡を終了すること及び/又は代替物の投与を停止すること。
【0053】
制御デバイスは、上述のプロセスの1つ、一部又はすべてを誘導又は行うことができる。
【0054】
そのため、制御デバイスは、対応する輸送又はポンプデバイス、バルブデバイス、流量デバイスなどを制御又は起動するため、及び/又はプロセス工程を実施又は開始することをユーザーに忠告するように設計され提供されることができる。
【0055】
制御デバイスは、同時に、上述のプロセスのすべてを誘導又は行うために設計され提供、又は構成されることができる。
【0056】
本明細書で使用される「平衡」という用語は、体外血液に供給される成分及び体外血液から抽出された成分に関する。
【0057】
例としては、輸液剤、アルブミン、血液濃縮物、血液代替濃縮物、例えば代替物、薬剤、例えばヘパリンのような凝血防止剤の投与、クエン酸塩、カルシウムなどの投与、ならびに他の種類のあらゆる流体容量が挙げられる。
【0058】
本明細書で使用される「代替物の投与」という用語は、患者の体外血液回路に少なくとも1つの代替液体をそれぞれ適用又は投与することを指す。輸液剤のための好適な代替液体としては、例えば等張生理食塩水溶液、例えば0.9%−NaCl溶液が挙げられる。
【0059】
本発明に記載の方法は、体外血液回路の血液引き込みラインと代替物の供給源とを連結することを含むことができる。
【0060】
さらなる好ましい実施形態における方法は、患者の血液回路から体外血液回路の血液返送ラインを連結切断すること、体外血液回路の血液返送ラインを代替物供給源と連結すること、及び体外血液回路の少なくとも1つのセクション又はセグメントを通して少なくとも1つの代替液体を循環させることを含む。
【0061】
血液返送ラインの連結切断の後、患者は、ここで体外血液回路から実質的に又は完全に分離されることができる。
【0062】
患者の追加の連結切断を伴う血液処理セッションの一時的な中断は、好ましくは例えばECCT治療(体外救命治療)(CRRT、連続腎代替療法、TA=治療的アフェレーシス、肝臓代替治療)中に、異なる状況で使用することができる。
【0063】
一時的な中断により、患者は、短期間の追加的な健康診断及び/又は治療に向かうことができる;一時的な中断により、カテーテルの位置を確認すること、新しいカテーテルを取り付けること、患者の血液回路へのアクセスに関する問題のようなアクセス問題の存在を確認すること、バスルームに行くことなどができる。
【0064】
本発明に記載の体外血液処理を一時的に中断する方法は、有利なことには、血液処理を完全に終了させることなく、血液処理セッションの中断に寄与でき、それによって例えば体外血液回路の管システム全体を廃棄する必要がない。
【0065】
患者が完全に体外血液回路から連結切断されたら、代替液体の循環は、有利なことには、血液処理セッションを継続するために調製又は準備された体外血液回路を維持するために使用することができる。
【0066】
体外血液回路を通して代替液体を循環させる手段に関して、血液処理セッションのために設定された条件及び/又はパラメータとは異なる条件を、それぞれ設定又は予め決定することができる。例えば、血液ポンプの低下した送達又はポンプ速度及び/又は輸送速度を設定することができる。
【0067】
現在進行するプロセスについての情報及び/又は現在の血液処理セッションの期間についての情報をユーザーに与えることができる。例えば、ユーザーは、現在の血液処理中断を任意の時間に終了する可能性を知らせるスクリーン上のメッセージなどを得ることができる。循環の終了は、例えばストップハードキー及び/又は情報ウィンドウなのど適切な入力デバイスによって開始できる。
【0068】
血液処理セッションに比べて、パラメータ−例えば圧力−及びこのパラメータの閾値ウィンドウを変更することもできる。閾値ウィンドウは無効にできる。スケールの端部、すなわち例えば上方閾値又は閾値の上方範囲及び/又は下方閾値及び/又は閾値の下方範囲を無効にできる。例えば、スケールの下方静脈端部は無効にできる。同様に又は加えて、スケールの上方動脈端部は無効にできる。これにより、処理に関連するパラメータのモニタリングは、対応して循環中に停止できる。このようにして、循環中に起こり得る誤検出のアラームを有利に回避することができる。
【0069】
循環は、例えば体外血液回路のライン含有量の組成物を検出するための例えば検出デバイス、例えば光学検出器が、特に例えば予め決定された又は予め設定された光学密度「ODダーク」を検出する場合に終了できる。血液処理又は血液処理セッションはそれぞれ継続できる。
【0070】
例えば、最大期間−ここで例えば4時間として例示的に与えられる−として初めに決定されていた循環期間を超過する場合(又は制限時間より早い時点で)、メッセージを出力することができる。血液ポンプを停止することができる。続いて、メッセージは確定(例えばユーザーによって)され、血液処理又は循環はそれぞれ、元々最大期間として決定されていた循環期間を超えて中断されたままでもよい。
【0071】
好ましい実施形態において、本発明に記載の方法は、血液処理装置に再連結された患者に血液処理セッションを継続するために、制御デバイスを起動又は制御することを含む。
【0072】
患者の連結は、本発明に記載の方法の一部であってもよいし、一部でなくてもよい。
【0073】
本明細書で使用される「血液処理セッションを継続する」という用語は、血液処理セッションの継続又は続きを指す。
【0074】
血液処理セッションは、血液処理セッションの開始時に設定されたものと同じ及び/又は中断する前の血液処理セッションの過程中に設定されたものと同じパラメータ及び/又は同じ条件下で継続することができる。
【0075】
制御デバイスは、血液処理の一時的な中断後に血液処理装置に再連結された患者の血液処理セッションの継続又は続きを行う又は誘導するために、唯一の作動デバイス、場合によりいくつかの作動デバイスも同様に、押す、回転させる、スイッチを切り替えるなどのような作動手段によって起動又は制御することができる。
【0076】
血液処理セッションを継続するために、患者の動脈及び静脈連結、例えば体外血液回路の血液引き込みライン及び血液返送ラインの患者の血液回路への連結は、血液ポンプを始動させ、ライン内容物の光学密度(OD)が予め決定された「ODダーク」に到達するまで体外血液回路内部のライン内容物を輸送し、血液ポンプを停止し;血液引き込みライン及び血液返送ラインの患者管クランプの両方の閉鎖が実行される。
【0077】
上述のプロセスは、制御デバイスによって開始又は誘発することができる。
【0078】
本発明の目的は、請求項9に記載の制御デバイスによってさらに解決される。本発明に記載の方法によって達成可能なすべての利点は、本発明に記載の制御デバイスによって、同様に遜色なく達成することができる。
【0079】
本発明の制御デバイスは、血液処理装置によって行われる血液処理を一時的に中断するために、起動又は制御されるように提供され構成される。
【0080】
血液処理セッションの中断は、体外血液処理を継続することを目的として実施することができる。
【0081】
本発明に記載の制御デバイスは、本発明の方法において、血液処理装置を一時的に中断するために使用されるように提供され構成されることができる。
【0082】
制御デバイスは、ユーザーの唯一の作動デバイスを作動することによって起動又は制御されるように提供され構成されることができる。
【0083】
制御デバイスは、血液処理セッションが継続することを誘導又は行うように提供され構成されることができる。
【0084】
制御デバイスは、例えば、唯一の作動デバイスを作動するユーザーによる一時的な中断の後に継続させる患者の血液処理セッションを誘導又は行うように提供され構成されることができる。
【0085】
本発明の目的は、請求項12に記載の血液処理装置によってさらに解決される。本発明に記載の方法によって達成可能なすべての利点は、本発明に記載の血液処理装置によって同様に遜色なく達成することができる。
【0086】
本発明に従う血液処理装置は、例えば透析、血液ろ過法、血液透析ろ過法、血液のガス処理、アフェレーシス、吸着などの体外血液処理に、それぞれ適用され、及び/又は提供され、又は構成される。
【0087】
血液処理装置は、本発明に記載の少なくとも1つの制御デバイスを含む。
【0088】
さらに、血液処理装置はさらに、入力及び/又は出力デバイス、記憶手段などのようなデバイスを含むことができ、及び/又はこうしたデバイスに連結できる。
【0089】
血液処理装置は、特に少なくとも1つの作動デバイスを含むことができる。作動デバイスは、制御デバイスの起動又は制御が行われることを可能にするように提供され構成されることができる。こうした制御又は起動は、例えば作動デバイスの単一又は一回作動により、それぞれ達成又は誘発することができる。
【0090】
本発明の目的はさらに、請求項14に記載のデジタル記憶手段及び/又は請求項15に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト及び/又は請求項16に記載のコンピュータプログラムによって解決される。本発明の方法によって達成可能なすべての利点は、本発明に記載のデジタル記憶手段、本発明に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト及び/又は本発明に記載のコンピュータプログラムによって、同様に遜色なく達成することができる。
【0091】
デジタル記憶手段、特にディスク、CD又はDVDは、好ましくは技術的に又は自動的に実施可能な本発明に記載の方法の工程が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと相互作用できる電気的に可読性の制御信号を特徴とする。
【0092】
それによって、自動的に実施された本発明に従う方法の工程のすべて、いくつか、又は一部を誘導することができる。後者はまた、コンピュータ・プログラム・プロダクト及びコンピュータプログラムに適用される。
【0093】
コンピュータ・プログラム・プロダクトは、好ましくは、プログラムプロダクトがコンピュータ上で実行されている場合に、技術的に又は自動的に実行可能な(permeable)本発明に記載の方法工程を実行するために機械可読性の媒体に保存されたプログラムコードを含む。
【0094】
本明細書で使用される「機械可読性データ媒体」という用語は、ソフトウェア及び/又はハードウェアによって解釈可能なデータ又は情報を含有する媒体を指す。この媒体は、ディスク、CD、DVDなどのようなデータ媒体であることができる。
【0095】
コンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータ上で実行されている場合に、技術的又は自動的に実施可能な本発明に従う方法の工程を実行するためのプログラムコードを含む。
【0096】
本発明は、有利なことには、血液処理セッションのより簡便な中断を可能にできる。
【0097】
制御デバイスによって、有利なことには、同時にいくつかの操作をそれぞれ誘発又は行う又は誘導する、及び/又は実施することができる。故に本発明は、有利なことには血液処理セッションの中断を単純化できる。さらに、本発明により、いくつかの工程を事実上同時に誘導又は行うことができるので、時間を節約できる。加えて、本発明に記載の制御デバイスによる開始により、後続工程を互いに最適に適合させることができる。
【0098】
必要な場合に血液処理セッションを単に中断することは、血液処理セッションの終止又は完全な停止それぞれに比べて有利であり得る。一方ではクライアント及び/又は患者のコスト削減に有利に貢献することができる。例えばCRRT血液処理のための管システムは、72時間まで使用でき、有利なことには血液処理の最長時間72時間になるまで、短期間の血液処理中断後に再び使用することもできる。
【0099】
有利なことには、血液処理セッションに左右されずに、特定の日の患者の検査及び/又はさらなる血液処理を計画できる。
【0100】
本発明は、有利なことには、高いユーザー利便性を与えることができる。あらゆる手動で達成される工程を大きく低減でき、又は完全に省略することさえもできる。さらに、有利なことには、血液処理装置又は体外血液回路において又はそれらの中に存在するパラメータの同時変化を一貫した様式で行うことができる。パラメータの適合、例えば血液フローの低下などは、有利なことには、中断の準備から得られるさらなるパラメータに依存して、自動化様式にて行うことができる。
【0101】
制御デバイスが、通知などを示す及び/又は出力するためのデバイスを装備又は連結することができるので、ユーザーには、有利なことには、ほぼすべて又は実質的にすべての操作工程を知らせることができ、及び/又はそれに応じて現在行われているプロセス(工程)に導かれ得る。それによって、中断に関与するパラメータの測定の結果を報告するセンサ間のフィードバックが可能になり、特定実施形態において提供される。
【0102】
本発明は、有利なことにはシステム全体の高い安全性を提供することができる。こうして、例えば有利なことには現在の再注入中の再注入容量をモニターする及び/又は表示することができる。最大再注入容量はモニターすることができる。最大再注入容量が超過間近である場合に、該当するメッセージが、有利に出力され、再注入プロセスはおそらく完全に停止されることになる。
【0103】
血液処理中断の最大期間をモニターすることによって、さらに、システム全体のより高い安全性を提供することができる。
【0104】
本発明は、添付の図面を参照して、例によって以下に例示する:
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明に記載の方法を実施するための例示的な配置の概略図を示す;及び
【図2】本発明に記載の方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0106】
上記のように、体外血液回路の血液引き込みラインが体外血液回路の動脈ラインセクション又はセグメントであり、血液返送ラインが対応して静脈ラインセクション又はセグメントである体外血液処理方法である。それらの例としては、血液処理方法、例えば体外血液精製方法、例えば血液透析、血液ろ過、血液透析ろ過などが挙げられる。
【0107】
他の体外血液処理方法において、例えば酸素で血液を満たす方法において、引き込み方向は、例えば血液透析の引き込み方向に対して逆であることができ、これによって血液が、患者の血管システムの静脈脚から血液引き込みラインを介して引き込まれ、酸素が豊富になった後、患者の血管システムの動脈脚に血液返送ラインを介して返送される。
【0108】
次の実施形態において、本発明は、動脈血液引き込みライン及び静脈血液返送ラインによって例示される。しかし、当業者が容易に認識するように、引き込み及び返送の方向又は点が、本発明に記載の方法の実行可能性に影響を与えない。この方法はこの実施形態に限定されない。
【0109】
図1は、血液処理セッションを実施するための配置の概略図を示す。
【0110】
図1は、本発明に記載の血液処理装置1に連結する体外血液回路100を示す。血液処理装置1は、制御デバイス3及び作動デバイス4を含む。
【0111】
患者200は、患者アクセスを介して体外血液回路100に連結される。より正確には、患者200は、血液引き込みライン、ここでは体外回路100の動脈ラインセクション7に第1の患者アクセス、ここでは動脈患者アクセス5を介して連結される。患者200は、血液返送ライン、ここでは体外血液回路100の静脈ラインセクション11に、第2の患者アクセス、ここでは静脈患者アクセス9を介して連結される。
【0112】
動脈ラインセクション7において、第1の患者管クランプ、ここでは動脈患者管クランプ13が配置される。静脈ラインセクション11において、第2の患者管クランプ、ここでは静脈患者管クランプ15が配置される。
【0113】
図1は、動脈患者管クランプ13及び静脈患者管クランプ15を開放状態で示す。
【0114】
血液ポンプ17によって、患者200の血液は体外血液回路100内に輸送される。
【0115】
検出デバイス、例えば光学検出器19は、静脈ラインセクション11に適用され、それらは体外血液回路100の内側に存在するライン内容物の光学密度(OD)を検出するために設計され提供されることができる。
【0116】
図2は、患者の体外血液処理を一時的に中断するための本発明に記載の方法のフロー図を概略的に示す。
【0117】
単一構成要素の連携をより容易に理解するために、図1に示される配置を参照する。本発明に記載の方法に関与する構成要素は、この理由から、図2に必ずしも示されてはいないが、図1の参照番号を用いて示されている。
【0118】
まず、ユーザーは、メニューからソフトキー「血液処理中断」を選択することができる(図2に図示せず)。
【0119】
この場合、工程S1において、ユーザーは、血液返送を伴う血液処理中断を選択する。選択は、ソフトキーのような作動デバイス4を好ましくは1回だけ作動させることによって行うことができる。ソフトキーは、血液処理装置1のスクリーン(図示せず)上に配置することができる。しかし、この作動はまた、当業者に既知のいずれかの他の方法によって行うこともできる。
【0120】
後続工程S2において、制御デバイス3は、体外血液回路100の血液ポンプ17の停止を誘導又は行う。
【0121】
それによって、動脈患者管クランプ13及び/又は静脈患者管クランプ15は閉じることができる。
【0122】
制御デバイス3はさらに、ヘパリンボーラスの停止、ヘパリン、クエン酸塩、Caが凝血防止のアンタゴニストであるCi−Ca(クエン酸カルシウム)のような連続凝血防止の停止、代替物ボーラスの平衡の終了及び/又は停止を誘導する又は行うことができる。
【0123】
血液処理装置1のスクリーンにおいて、さらなる進行のための指示及び/又は現在のプロセス工程についての情報を表示することができる。
【0124】
例えば、ユーザーは、患者200が動脈的に連結切断されるべきであることに気づくことができる。工程S3において、ユーザーは、患者200を連結切断するように要求され得る。
【0125】
次いで体外血液回路100の管システムの動脈ラインセクション7は、生理食塩水バッグのような代替物供給源に好ましくは連結される。
【0126】
再注入の開始の前に、すべての連結はそれらの気密性を確認できる。
【0127】
連続凝血防止はさらに、中断状態が維持されることも可能である。平衡もさらに中断状態が維持されることも可能である。
【0128】
工程S4において、再注入は、再注入を誘導又は行う制御デバイス3によって−好ましくは別のソフトキーを再び作動させることによって始動することができる。
【0129】
再注入を実施するために、動脈患者管クランプ13及び静脈患者管クランプ15を開放することができる。血液ポンプ17を始動することができる。血液ポンプ17は、例えば≦100ml/分の輸送速度で操作できる。
【0130】
100ml/分の血液フローは、例えば血液処理セッション中の血液フローに比較した場合に、再注入中の血液フローを低下させるべきであることを示すことができる。血液フローが、血液処理セッションの間に既に<100ml/分である場合、血液ポンプ17の輸送速度は(この100ml未満の低い値に)維持することができる。しかし、本発明によれば、100ml/分を超える速度も再注入のために可能である。
【0131】
ユーザーのための、さらなる進行の指示及び/又は現在のプロセス工程についての情報は、血液処理装置1のスクリーン上に再び表示することができる。
【0132】
さらなるバックグラウンドプロセス及び/又はモニタリングプロセスを行うことができる。これらのプロセスは、血液処理セッション中に行われるプロセスとは異なってもよい。
【0133】
工程S5において、検出デバイス、例えば光学検出器19は、ターゲット値が「ODブライト」である光学密度が、予め決定された容量内に存在するかどうかについて検出したかどうかを要請し得る。
【0134】
「ODブライト」についての値の存在は、体外血液回路100内のライン内容物中に実質的にもはや血液が存在しないことを示し得る。値「ODブライト」は、予め決定された値であることができる。それは、例えば記憶手段及び/又はソフトウェアの内部に保存できる。
【0135】
値「ODブライト」に到達していない場合(「N」は「NO」を表わす)、メッセージが出力され得る。血液ポンプ17は、それぞれの場合に停止され得る。
【0136】
「ODブライト」について予め決定された値に到達した場合(「J」は「YES」を表わす)、工程S6において、血液ポンプ17の停止は、制御デバイス3によって誘導又は行うことができる。
【0137】
動脈患者管クランプ13及び静脈患者管クランプ15は閉じられる。
【0138】
患者200は、静脈内連結切断され得る。患者200は、ここで、血液処理装置1から完全に分離され、例えば処置室を離れることができる。
【0139】
工程S7において、制御デバイス3によって代替液体の循環を行う又は誘導することができる。
【0140】
まず、血液処理装置1のスクリーンは、患者が連結切断されているかどうかについてのリクエストを含むメッセージを表示することができる。
【0141】
患者200が血液処理装置1又はそれらの一部、例えば体外血液回路100それぞれから完全に連結切断されている場合、さらなる進行の指示及び現在のプロセスについての情報をスクリーン上に表示することができる。
【0142】
次に、静脈ラインセクション11を代替供給源、例えば生理食塩水バッグに連結させることを目的としている。これは、ユーザーによって行うことができる。
【0143】
すべての連結は、それらの気密性について確認することができる。
【0144】
次いで、工程S8において、制御デバイス3は、代替液体の循環を行う又は誘導することができる。これは、有利なことには単にソフトキーを作動させることによって再び達成することができる。
【0145】
連続凝血防止はさらに、中断又は停止状態を維持することができる。平衡はさらに、停止状態を維持することができる。
【0146】
血液ポンプ17はさらに、≦100ml/分の輸送速度で操作することができる。
【0147】
さらなる進行のための指示及び/又は現在のプロセス工程についての情報及び/又は現在の血液処理中断の期間についての情報を、スクリーン上に表示することができる。
【0148】
この時点で、ユーザーは、−例えばスクリーン上のメッセージ又は情報によって−現在の血液処理中断(いかなる時点においても)を終了する可能性を知ることができる。
【0149】
さらなるバックグラウンドプロセス及び/又はモニタリングプロセスが行われ得る。これらのプロセス進行は、血液処理セッション中のプロセス進行とは異なる場合がある。
【0150】
例えば、他の閾値ウィンドウ、例えば圧力のウィンドウは、血液処理中の閾値ウィンドウとは異なるように設定することができる。閾値ウィンドウは、無効にすることができる。スケールの下方静脈端部は、無効にすることができる。スケールの上方動脈端部は無効にすることができる。
【0151】
循環は、例えば、光学密度「ODダーク」が検出される場合に停止でき、ここで「ODダーク」はまた、記憶手段に保存されている値であってもよい。血液処理セッションは継続され得る。
【0152】
元々4時間の最大に設定されている循環期間が超過した場合、対応するメッセージが出力され得る。血液ポンプ17は停止され得る。このメッセージが認められ、血液処理中断又は循環それぞれが継続され得る。
【0153】
血液処理セッションが継続される場合、制御デバイス3が、工程S9において代替液体の循環の終止を行う又は誘導することができる。
【0154】
まず、循環中に代替液体を輸送していた血液ポンプ17が停止され得る。
【0155】
動脈患者管クランプ13及び静脈患者管クランプ15は閉じることができる。
【0156】
スクリーンは、さらなる進行のための指示及び/又は現在のプロセス工程についての情報を再び表示することができる。これらは、患者の連結のための指示のヒントを含むことができる。
【0157】
さらに、制御デバイスは、例えばソフトキーを作動することによって血液ポンプ17の開始を誘導又は行うことができる。
【0158】
好ましくは、患者の動脈連結が肯定される。続いて、制御デバイス3は、血液ポンプ17が始動するように、例えばキーを単に押すことによって起動又は制御することができる。血液ポンプ17は、さらに≦100ml/分の血液フローで輸送することができる。
【0159】
動脈の患者管クランプ13及び静脈患者管クランプ15は、再び開放され得る。
【0160】
スクリーンは、再び、さらなる進行のための指示及び/又は現在のプロセス工程についての情報を表示することができる。
【0161】
さらに、いくつかのバックグラウンドプロセス及び/又はモニタリングプロセスが再び行われ得る。
【0162】
工程S10において、患者の連結が最初に開始される。
【0163】
工程S11において、特に(予め決定された)光学密度「ODダーク」に予め決定された容量内で到達したかどうかを要請する。光学密度「ODダーク」の値は、記憶手段及び/又はソフトウェアに保存することができる。
【0164】
「ODダーク」についての値に到達していない場合、対応するメッセージが出力され、血液ポンプ17が停止され得る。
【0165】
「ODダーク」についての値に到達した場合、血液ポンプ17が停止される。
【0166】
次いで、動脈患者管クランプ13及び静脈患者管クランプ15は閉じられ得る。
【0167】
患者200(例えば次の別の血液処理)が再び利用可能になるとすぐに、血液処理セッションを継続できるように、工程を逆の順番で行うことができる。
【0168】
血液処理を継続するために、工程S12において、制御デバイス3は、血液処理中断が開始される前に存在していた血液フローで血液ポンプ17の再開を誘導又は行うことができる。
【0169】
動脈患者管クランプ13及び静脈患者管クランプ15は再び開放され得る。
【0170】
連続凝血防止(ヘパリン、クエン酸塩、Ci−Ca、凝血防止剤としてのカルシウム)及び平衡が再開され得る。
【0171】
血液処理セッションのすべてのモニタリングプロセスは再起動され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液処理装置(1)によって行われる患者(200)の体外血液処理を一時的に中断するための方法であって、前記患者(200)が、血液処理の目的のために血液処理装置(1)に連結され、次の工程:
−血液処理装置(1)を、血液処理セッションを継続することを目的として血液処理装置(1)から患者(200)を連結切断することによって血液処理セッションが一時的に中断され得る状態にするように提供され構成される、制御デバイス(3)を起動又は制御する工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記制御デバイス(3)が、血液処理を一時的に中断するために、体外的に処理された血液の前記患者(200)への血液返送を誘導又は行うように起動又は制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御デバイス(3)が、前記血液処理装置(1)を、前記患者(200)の血液処置セッションを一時的に中断できる、又は前記血液処理セッションを継続することを目的として一時的に中断され得る状態にするために、唯一の作動デバイス(4)を作動させることによって起動又は制御される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法であって、次の工程:
−前記制御デバイス(3)によって次のプロセスの少なくとも1つを誘導する又は行うことによって血液処理の中断を開始する工程:
a)血液ポンプ(17)を停止する工程;
b)血液引き込みラインの患者管クランプを閉じる、及び体外血液回路(100)の血液返送ラインの患者管クランプを閉じる工程;
c)ヘパリンの投与を停止する工程;
d)凝血防止剤の(連続)投与を停止する工程;
e)平衡を停止する工程;
f)代替物の添加又は投与を停止する工程;
を含む方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法であって、次のさらなる工程:
−前記患者(200)の血液回路から体外血液回路(100)の血液返送ラインを連結切断する工程;
−前記体外血液回路(100)の血液返送ラインを代替物供給源と連結する工程;及び
−前記体外血液回路(100)の少なくとも1つのセクションを通して少なくとも1つの代替液体を循環させる工程
を含む、方法。
【請求項6】
前記血液処理装置(1)に再連結された患者(200)の血液処理セッションが継続されるように誘導する又は行うために制御デバイス(3)を起動又は制御する工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記制御デバイス(3)が、前記血液処理セッションの一時的な中断の後、前記血液処理装置(1)に再連結された前記患者(200)の血液処理セッションの継続を誘導する又は行うために、唯一の作動デバイス(4)を作動することによって起動又は制御される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
−前記患者(200)の血液回路に前記体外血液回路(100)の血液返送ライン及び血液引き込みラインを連結する工程;
−ライン含有物の光学密度が予め決定された値に到達するまで、血液ポンプ(17)を始動させ、体外血液回路(100)の内側にあるライン内容物を輸送する工程;
−前記血液ポンプ(17)を停止する工程;及び
−前記血液引き込みラインの患者管クランプ及び前記血液返送ラインの患者管クランプの両方を閉じる工程
を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
血液処理装置(1)によって行われている前記血液処理を一時的に中断するために、起動又は制御されるように提供され構成される、
及び/又は
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法において、前記血液処理装置(1)の一時的な中断を行うように提供され構成されている、
制御デバイス(3)。
【請求項10】
唯一の作動デバイス(4)を作動することによって起動又は制御されるように提供され構成される、請求項9に記載の制御デバイス(3)。
【請求項11】
前記血液処理セッションが継続されていることを誘導する又は行うように提供され構成される、請求項9又は10に記載の制御デバイス(3)。
【請求項12】
−請求項9〜11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの制御デバイス(3)を含む体外血液処理のための血液処理装置(1)。
【請求項13】
−前記制御デバイス(3)の起動又は制御が単独での使用によって行われることを可能にするように提供され構成される、少なくとも1つの作動デバイス(4)をさらに含む、請求項12に記載の血液処理装置。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法の技術的工程を実行するなどのためにプログラム可能なコンピュータシステムと相互作用できる電気的に可読性の制御信号を用いるデジタル記憶手段、特にディスク、CD又はDVD。
【請求項15】
前記プログラムプロダクトがコンピュータ上で実行されている場合に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法の技術的工程を実行するための機械可読性データ媒体上に記憶されたプログラムコードを有するコンピュータ・プログラム・プロダクト。
【請求項16】
前記プログラムがコンピュータ上で実行されている場合に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法の技術的工程を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−511305(P2013−511305A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539234(P2012−539234)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007074
【国際公開番号】WO2011/063923
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512131933)フレゼニウス ムディカル カーレ ドイチェランド ゲーエムベーハー (4)
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Medical Care Deutschland GmbH
【住所又は居所原語表記】Else−Kroener−Strasse 1, 61352 Bad Homburg v.d.H., GERMANY
【Fターム(参考)】