説明

体液サンプリング装置

体液を受けとめるための収集領域(9)を有する皮膚穿刺要素(1)を備えた体液サンプリング装置であって、当該装置は、前記収集領域から離間した体液受け入れ手段(10)をさらに備え、その結果前記体液収集領域内の体液が当該体液受け入れ手段と最初に接することがない。前記収集領域は、0.5秒未満の極短い時間内に、約10〜500nlという極少量の体液を吸収する。前記体液受け入れ手段は、分析反応を行うための試験領域を有していてもよい。体液は、当該試験領域に体液を接触させるために、前記収集領域から体液受け入れ手段に自動または手動で移送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液グルコース濃度のような分析物の濃度を監視するための体液分析の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、少量の体液をサンプリングする装置およびシステムに関する。この体液サンプリング装置は、体液を内部に受容するための収集ゾーン(たとえば体液通路)を設けた皮膚穿刺要素を備えている。収集ゾーンの少なくとも一部分は、体液をサンプリングできるように周囲環境に開放している。このサンプリング装置または別個の要素は、皮膚穿刺要素の収集ゾーンと接触していない体液受容手段を備えているため、初期段階では、収集ゾーン内のサンプリング済みの体液は体液受容手段と接触していない。収集ゾーンが接続した体液サンプリング装置、または体液サンプリング装置および体液受容手段を備えたシステムを、体液を移動させるために収集ゾーンの少なくとも一部分が体液受容手段と接触する第2状態に移行させることができる。体液受容手段からの信号に基づいて、分析物濃度を決定できる。
【0003】
体液をサンプリングするシステムは、体液を使い捨て可能要素内に取り上げる従来技術において既に知られている。血液収集および分析システムは、たとえば、欧州特許第0199484号明細書から知られており、ここでは、体液を収集し、この体液を検出範囲へ移動するための毛管を具備した使い捨て可能なユニットを備えている。この概念をさらに発展させたものが、国際公開第97/42888号パンフレットに記載されている。この文書に記載されている配置は、比較的少量の体液を制御するために特に適しているが、これは、主に、収集場所を包囲している範囲上にリングを押圧し、ポンプ動作を付加することで達成される。少量の間質液に基づいて分析を行うシステムが、欧州特許第0723418号明細書から知られている。この目的のためには、非常に薄型で中空の針を皮下に挿入し、刺入部位周囲の範囲に圧力を付加すると、この針を介して間質液が検査ゾーンに搬送される。米国特許第5801057号明細書から、やはり中空針を利用して体液の引き上げを行う超小型化された装置が知られている。この装置が特に利点とするのは、本質的に痛みをまったく伴わずに、患者の腕領域内に挿入できる極薄型の針である。
【0004】
一方で、米国特許第5801057号明細書に記載の装置は、多くの実用的な要求を既に満たしている一方で、いくつかの特徴を改善する必要がある。先述の文書によるサンプリング装置に伴う概略的な問題は、中空針を費用効率的かつ可能な限り安価に製造する点である。
【0005】
この目的のために、開放した収集ゾーンを設けた体液サンプリング装置が考案されている。米国特許出願公開第2003/0018282号明細書、米国特許出願第2003/0028125号明細書は、いずれも、少なくとも一部分が穿刺針の領域内に配置されている、体液サンプリングのための開放チャネルを装備した皮膚穿刺装置について説明している。収集ゾーン内にサンプリングされた体液が、皮膚穿刺要素に固定された検査ゾーンへ移動される。特に、米国特許出願第2003/0028125号明細書は、皮膚穿刺要素は検査片の一部分と一体に設けられていると記述している。プーリング(pooling)領域を提供する類似のサンプリングおよび検査装置を考案したさらなる文書が、米国特許出願第2002/0168290号明細書に記述されている。
【発明の開示】
【0006】
国際公開第01/72220号パンフレットは、皮下穿刺プローブを装備した体液サンプリングおよび分析装置について記述している。この穿刺プローブは、分析室と流体連通している。そのため、この装置設計には、通常ガンマ線放射によって達成される穿刺プローブの滅菌により、分析室内に配置されている検査化学物質を破壊してしまうという欠点がある。さらに、サンプリングおよび分析が相互に空間的に固定された位置で行われるため、効率的なサンプルの搬送を可能にするためには、これらを接近させる必要がある。
【0007】
従来技術のサンプリングおよび検査装置は、毛管チャネルからのサンプルが、毛管チャネルと流体接触した検査ゾーンへ直接移動されるサンプル実施形態について記述している。本発明は、これとは異なり、サンプルを取り上げる段階では収集ゾーンが検査ゾーンと流体接触しない体液サンプリングおよび検査装置を提案する。第2段階では、液体サンプルを収集ゾーン内に取り上げた後に、収集ゾーンの少なくとも一部分が第2位置へ移動されるが、この第2位置では、収集ゾーンの少なくとも一部分が、収集ゾーンからの体液を受容する体液受容手段と接触する。あるいは、体液受容手段、または体液受容手段と収集ゾーンの両方を移動することが可能である。
【0008】
第1の好ましい実施形態では、体液サンプリング装置は、体液を受容するための収集ゾーンを具備した皮膚穿刺要素と、検査ゾーンを具備した体液受容手段とを備えている。上記体液受容手段は、上記収集ゾーンと液体接触していないため、上記収集ゾーン内の体液が体液受容手段と接触することはない。あるいは、体液受容手段を検査ゾーンと一体に設けずに、体液受容手段に別個の検査ゾーンが接触して分析物検査が達成されるようにしてもよい。
【0009】
第2の好ましい実施形態は、体液収集ゾーンを具備した皮膚穿刺手段と、検査ゾーンを具備した体液受容手段とを設けた一体型装置を備えている。上記一体型装置は、上記収集ゾーン内の体液が上記体液受容手段と接触する接触場所を推測できるよう、起動されると物理的変化(特に、体液受容手段に関連した発振ゾーンの動作)を知り得るように適応されている。
【0010】
第3の好ましい実施形態は、第1の好ましい実施形態による装置を考慮しており、ここでは、上記装置は、移動可能な可動部分を設け、上記体液収集ゾーンの少なくとも一部分または上記体液受容手段の少なくとも一部分が上記可動部分の上に配置されている。
【0011】
第4の好ましい実施形態は、第1の好ましい実施形態による装置を考慮しており、ここでは、上記収集ゾーンに受容された体液が、電気的起動によって体液受容手段上へ移動される。
【0012】
第5の好ましい実施形態は、第1の好ましい実施形態による装置を備えており、ここでは、体液を搬送手段として使用せずに、上記収集ゾーンに受容された体液が移動され、体液受容手段と接触させられる。
【0013】
本発明の第6実施形態によれば、体液サンプリング装置は、体液を受容するために別個の搬送要素と接触され、その後、これが、別個の要素上の検査ゾーンと接触させられる。
【0014】
本発明は特に、ハンドヘルド式検査システムにとって便利である。
【0015】
さらに、皮膚穿刺要素が、1度しか使用できない使い捨て可能なものであることが好ましい。また、やはり1度しか使用できない使い捨て可能な体液受容手段を採用することも好ましい。
【0016】
従来技術の或る実施形態によれば、搬送手段は、たとえば収集ゾーンから体液受容手段にまで届く毛管を備えている(たとえば、欧州特許第1360931号明細書)。検査ゾーンにて体液が取り上げられ、毛管作用により、つまり、次に取り上げられた体液が先のサンプルを体液受容手段へと押すことにより、体液受容手段へ移動され、これと接触する。この追加的に必要となる体液容量、いわゆるデッドボリュームが、分析に使用される体液を、体液受容手段と接触するべく搬送する手段として機能する。これはつまり、原理により、測定に必要な容量よりも多くの容量の体液を収集する必要があるということであり、また、このデッドボリュームは、搬送距離が長くなるにしたがって増量する。本発明によれば、従来技術と異なり、デッドボリュームは不要である。収集ゾーンに収集されるサンプル容量全体が体液受容手段へ移動され、測定のために使用されることが理想的である。無論、毛管を使用するため、いくらかのサンプルは収集ゾーン内に残存するようである。さらに、本発明によれば、収集ゾーンと体液受容手段のあいだの距離が長くなるにしたがって、測定のためのサンプリングに必要な体液容量が増量する必要はない。
【0017】
本発明の別の利点は、皮膚穿刺要素と体液受容手段が初期段階では流体接触していないという事実のために、これらを2つの部品に容易に分離できることである。皮膚穿刺要素、または少なくともその一部分は皮膚を刺入するため、したがってこれらを滅菌する必要がある。しかし多くの場合、検査ゾーンは滅菌に対して敏感である。皮膚穿刺要素と体液受容手段を2つの部品に分離することによって、皮膚穿刺要素を体液受容手段と別に滅菌することができ、故に、検査化学物質の破壊を回避できるため、この問題は解決する。
【0018】
体液受容手段は、これ自体が検査ゾーンを設けていても、または、サンプルを別個の検査ゾーンへ搬送する検査ゾーンを設けていない要素であってもよい。しかし、いずれの場合でも、検査ゾーンの湿潤を、接触工程によって制御された方法で開始することができる。この検査ゾーン湿潤のトリガリングには、反応時間(つまり、検査化学物質とサンプル体液の接触と、検査結果読み取りとのあいだの時間)を制御することができ、そのため分析物決定の精密度が増加するという利点が伴う。
【0019】
従来技術のサンプリング装置と比較した場合のさらなる利点は、体液サンプリングと、サンプリング装置と検査ゾーンの接触とを異なる場所で実施できることである。体液サンプリングは、たとえばハンドヘルド式機器の前端部にて行い、同時に、機器内で検査ゾーンと接触させることができる。皮膚穿刺要素光学または他の評価手段のこの往復機能をハウジング内部へ移動させることができ、これは、前端部内の限られた空間を考慮した場合にと有利である。さらに、サンプリング工程中に検査ゾーンを血液から物理的に分離することで、サンプリング中に検査化学物質の拡散が人体内に入ることを回避できる。そのため、本発明は、従来技術の体液サンプリング装置にかけて顕著な利点を備えている。
【0020】
少量の体液を引き出すシステムおよび装置の或る特定の適用分野は、体液中の特定の分析物の濃度が特定の時間に決定される、いわゆるスポット監視である。このような測定は、分析物濃度の変化を監視するために、時間間隔を置いて繰り返し実行することができる。使い捨て可能な検査要素を備えるこのような分析は、特に糖尿病患者による血糖値測定の分野において、特に有利であることが証明されている。糖尿病患者が非常に高い血糖値(PT高血糖)を呈した場合、失明および壊疽のような深刻な長期的ダメージを引き起こす可能性がある。一方、糖尿病患者が、過剰量のインシュリンを注射した結果として低血糖状態が発生した場合、糖尿病患者がいわゆるPT高血糖ショックに陥った場合には、命にかかわる事態となる可能性がある。糖尿病患者は、定期的な血糖レベルの制御によってPT高血糖状態および低血糖状態を回避することができ、さらに、自分の食事習慣、身体的活動、インシュリン投与をどのように調整すれば良いかについて知ることができる。さらに、糖尿病患者の健康を改善し、維持することに加えて、定期的な血糖値監視を行うことで、2次疾病に要する高い費用を回避できるため、多大な総体的経済上の利点が得られる。血糖値監視がより幅広く必然的に利用されることを阻止する理由は、主に、必須である体液収集により生じる痛みと、現在市販されているシステムの取り扱い工程の多さである。現在使用されているシステムでは、糖尿病患者または医療スタッフは、まず最初に1滴の血液を、通常は指球から採取する必要がある。いわゆる尖刺装置を使用すれば痛みを低減することができる。まず最初に尖刺装置にランセットを搭載し、引張し、体表上に配置し、トリガリングを行うという段階を踏む。使用者は、尖刺工程の後に、刺傷部位から1滴の血液を出すために、自分の指を搾り出さなければならない。糖尿病患者は、この処置の前に、検査片を血糖値測定機器内に既に設置し、この機器を起動させている必要がある。この状態になって初めて、この1滴の血液を検査片に付加することができ、たとえばその10秒後に血糖値測定が可能となる。最後に、使用者は、使用済みのランセットと検査片を廃棄する必要がある。本発明は、血糖値測定の工程を大幅に簡素化することができる。
【0021】
しかしながら、本発明は、他の分析物にも使用することができる。さらに、サンプリングした体液を、複数の異なる検査ゾーンで同時または連続的に分析することが可能である。
【0022】
本発明による検査の簡略化は、現在の使用者にとって有利であるだけでなく、糖尿病または他の疾病を患うより多くの人々が、血液グルコース濃度またはその他のパラメータを、自分でより規則的に検査できるようになる効果を有することを望む。
【0023】
本発明によるサンプリング装置およびシステムは、少量の体液を引き出すべく機能する。収集ゾーンが体内に滞留しているあいだに体液サンプルが収集ゾーンに受容されることが好ましく、すなわち、刺入部位から血液が漏出せず、使用者は自分の指を搾り、自分の指に出した1滴の血液を検査ゾーンへ移動する必要がないことが好ましい。無論、刺入部位から漏出する血液を使用することも可能である。この説明において、体液とは特に血液、間質液、およびこれら体液の混合物であると理解される。従来の血液収集システムは、通常、指球上でサンプリングを実施するが、本発明による収集システムは、たとえば前腕および掌のような、身体の別の部位から血液を引き出すためにも使用できる。
【0024】
少量の体液を引き出すための本発明による皮膚穿刺要素は、皮膚を穿刺するための鋭利な先端を設けた突出部を備えている。突出部の少なくとも1つの領域内に、体液を収集する機能を備えた収集ゾーンが配置されている。これはたとえば、毛管作用によって達成できる。体液需要構造の少なくとも一部分は開放している。本発明の範囲では、毛管構造を、毛管力により体液を搬送する本体として理解している。毛管チャネルの場合、末端範囲が体液と接触されると、体液が皮膚穿刺要素の基端部に向けて搬送される。この実施形態に関連し、本発明による毛管構造は、本願明細書中で参照している米国特許出願公開第2003/0018282号明細書、米国特許出願公開第2003/0028125号明細書に記載の開放針構造と類似している。しかし、重要な違いは、これらの文書が、毛管チャネル内に受容された体液が検査ゾーンに直接付加され、その結果反応を開始できるように、検査ゾーンと流体接触するマイクロ針である。
【0025】
収集ゾーン内の毛管構造は、米国特許第5801057号明細書に記載されているもの、および半導体技術の分野において知られているもののようなフォトリソグラフィ方法によって製造される。さらに、外部に向かって開放したチャネル、溝、孔、その他を、非中空針にフライス削りによって提供することも可能である。このような構造は、光化学フライス削り(PCM)のようなエッチング工程によって製造することが好ましい。PCMは、光学パターン転送およびエッチング工程に基づいている。これはマイクロマシン加工技術として知られている。
【0026】
既述の、毛管構造を表面に組み込む方法に加えて、毛管隙間が形成される形で複数の本体を組み立てることにより、毛管チャネルを製造することが可能である。したがって、たとえば、2つまたはそれ以上の非中空針を、たとえば溶接によって相互に固定することで、非中空針の接触範囲が毛管チャネルを形成する。これと関連する或る方法では、さらに、ワイヤまたはファイバを捻って撚り線を形成することで、毛管チャネルを生成する非常に多くの接触範囲を形成することが可能である。このワイヤまたはファイバは金属、ガラス、炭素から成り、非中空または非中空にすることができ、また、開放毛管を得るために、たとえばランセット表面を研磨することが必要である可能性もある。さらに、毛管を常に周囲環境に開放させない、たとえば、皮膚穿刺工程の最中のみに、体液を収集するべく開放するようにすることも可能である。さらに、体液通路を設けた皮膚穿刺要素は、1つまたはそれ以上の材料層(たとえば積層ホイル)を、層間に毛管隙間が作成される形で平坦な針上に付加することで、または1枚の材料層を付加することで作成することができる。
【0027】
しかし、本発明による毛管構造は、皮膚穿刺要素の末端部から基端部へと続く毛管チャネルに限定されるものではない。さらに、体液のサンプリングに多孔性構造または孔を採用することもできる。本発明を用いれば、検査ゾーンを湿潤するために毛管が体液を極短距離にかけて搬送することは必須ではない。本発明では、収集ゾーンと体液受容手段とが近接位置に移動される。
【0028】
体液の適切なサンプリングを皮膚穿刺要素のチャネル内で達成し、サンプリング速度を高速化するために、特に収集ゾーンに親水性材料を採用することが好ましい。親水性材料の他に、またはこれに加えて、親水性コーティングを採用することも可能である。
【0029】
皮膚穿刺装置が皮膚内に導入されるため、感染および炎症を防止するために滅菌しなければならない。これにしたがい、皮膚穿刺要素は、たとえばブリスタ内に滅菌状態で梱包することができる。或る好ましい実施形態では、皮膚穿刺要素の先端は、皮膚穿刺要素滅菌(たとえばガンマ線放射による)後の汚染を防止するために、たとえばプラスチックで被覆される。特に好ましいのは、国際公開第01/66010号パンフレットに記載されている先端保護である。針を包囲するこのような先端保護カバーは、容易に製造でき、また、取り外しが簡単であるため、システム内での自動取り外しが可能となる。本発明による分析システムは、皮膚穿刺開始前に、先端からキャップを引き抜く作動装置を備えていてよい。あるいは、皮膚穿刺要素を、(たとえばフォームフィットにより)保護キャップが被せられている位置へ移動させて、皮膚穿刺要素を固定されたキャップから離すべく移動させることで、皮膚穿刺要素から保護キャップを取り外す。この動作は、採用した尖刺装置または搬送手段によって実施されることが好ましい。たとえば国際公開第01/66010号パンフレットの図1または図6に示されているように、保護キャップを、皮膚穿刺要素の尖刺先端で穿刺する実施形態も使用可能である。
【0030】
あるいは、皮膚穿刺要素を、ハンドヘルド式装置の内部において、紫外線放射または熱により直接滅菌することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1に、好ましい実施形態を示す。本発明の1つの局面による体液サンプリング装置を示しており、この場合、収集ゾーンは、受容した体液が収集される孔または多孔面を備えている。サンプリング装置は、サンプル受容用の3つまたはそれ以上の孔、もしくは、多孔面の場合にはこれよりも遥かに多い数の孔を設けていることが好ましい。図中の皮膚穿刺要素は平坦ランセット(1)であり、この平坦ランセット(1)は、たとえば、厚さ0.05〜1mm、好ましくは0.2mmのステンレス鋼、シリコン、プラスチック製のキャリアフィルムであり、ランセットの穿刺縁(3)付近に小孔(2)を設けている。孔(2)は、通し孔またはブラインドホールであってよく、その直径は好ましくは0.01〜0.5mmであってよい。孔の数は、数個から数百個の範囲で変えることができ、3〜4以上が好ましく、50〜100個がより好ましい。好ましい直径は20μmである。あるいは、皮膚穿刺要素は、図2に示すように、穿刺のために表面を鋭利にし、縁を設けた、丸型の非中空(4)または中空(5)ランセットであってよい。典型的に、丸型ランセットは、3つの面(6〜8)を備える。丸型で非中空のランセットは、その第3面(8)に収集ゾーンを設けられることが好ましい。たとえば、図2は、直径20μmの70個の通し孔(2)を備えた収集ゾーン(9)を示し、図3は、直径0.15mm、深さ80μmの7個のブラインドホール(2)を示す。図4は、0.15〜0.35mmの3つの細長い通し孔(2)を備えた中空ランセット(5)の1例を示す。
【0032】
体液を収集するための多孔面のさらなる実施形態は、皮膚穿刺要素の面のうちの1面の、たとえば研磨によって処理した粗い範囲である。研磨処理した凹部は、体液を収集するための収容場所を形成する。あるいは、孔を、収集ゾーンを形成するように適用することもできる。これらは、たとえば、スポンジ状の表面を作成する防腐剤と溶融金属の特別な合金ランセット材料に、多孔性コーティングまたは選択的なエッチング処理を施すことで達成できる。特に、平坦ランセットを使用する場合には、選択的なエッチング処理を施すことができる第2材料の薄型ファイバを、たとえばローリングにより表面に組み込むことができる。
【0033】
上述の実施形態によれば、体液が収集ゾーン内へ入る方向と、収集ゾーンを出て流体受容手段内へ流れる方向は同じであり(たとえば、通し孔の場合には、体液受容手段が穴の、サンプル入口とは反対の側部と接触する)、または、流れの方向を逆転させることもできる(体液受容手段が、サンプルを受容する開口部または孔と接触する)。
【0034】
既に上で述べたように、毛管構造が体内に挿入されると体液を採取できるように、毛管チャネルが外部に向かって開口していることが有利である。
【0035】
皮膚穿刺要素の形状はそれほど重要ではない。たとえば、小型の立方体の形状であってもよい。皮膚貫通要素を駆動ユニット内に取り付けるためには、通常は特別な方法は不要であるが、皮膚穿刺要素の基端部に配置された保持領域が好ましい。保持範囲は、皮膚穿刺要素の他の領域と一体に形成することが利点的である。従来の血液サンプリングシステムの使い捨てランセットとして知られているデザインを、穿刺要素のデザインとして採用することができる。たとえば、穿刺要素を保持するために、駆動ユニットのホルダのばね要素が内部で係合する先細り部分を、保持領域に設けることができる。穿刺要素はホルダ内に、穿刺深度を上手く制御できる形で(たとえば、穿刺要素の端部を、先端から離れ、停止部に対して押圧することにより)位置決めされることが有利である。このようなホルダと、さらに、ホルダと使い捨て尖刺ユニットとのあいだの相互作用に関連して、欧州特許第0565970号明細書を参照する。
「皮膚穿刺要素と同様に、体液サンプリング装置も体液受容手段を設けており、この体液受容手段は、充填中に、皮膚穿刺要素の体液収集ゾーン内の体液が体液受容手段と接触しない形で、皮膚穿刺要素の収集ゾーンから空間的に離間している。しかし、体液サンプルが収集ゾーンの少なくとも一部分内に受容された後、さらに、分析物反応の開始時に、体液受容手段と収集ゾーンが相互に接触させられることが望ましい。このような接触は、主に、サンプル体液を保持しているチャネルと体液受容手段がともに移動される機械的作用である。この接触には、体液収集ゾーンと体液受容手段を共に押圧することが含まれ、あるいは、これは払拭動作であってもよい。」
【0036】
皮膚穿刺要素と体液受容手段を分離することで、サンプリングされた体液を体液受容手段へ搬送するためのシャトルとして皮膚穿刺要素を採用する実施形態が可能になる。これは、体液サンプリングが空間的に規制された範囲(たとえば機器の前端部)にて実施され、体液受容手段がこの規制された空間内に上手く収まらない場合には特に有利である。後者は特に、たとえば欧州特許出願公開第02026242.4号明細書、米国特許第4218421号明細書、欧州特許第0299517号明細書に記載されているように、体液受容手段がテープに固定されている場合に当てはまる。シャトル機能により、以下の工程を有する検査工程の実施が可能になる。
− 皮膚穿刺要素で皮膚を刺入する
− 皮膚穿刺要素の収集ゾーン内に体液を受容する
− 収集ゾーンの一部分に体液受容手段を接触させて、サンプル体液を備えた検査ゾーンを提供する
− 分析物の濃度に関連した検査ゾーンの変化を検出する
【0037】
或る好ましい実施形態では、サンプリングした体液を搬送または往復させて、体液受容手段と接触させるための搬送手段は自動実行される。自動移動が電気、機械的起動、ばね力による起動、たとえば使用者による手動起動、スライダの押圧式である、またはこれら起動原理の組み合わせによるものである実施形態が好ましいが、これらに限定されるものではない。特に、接触を達成するために、電気モータを採用することができる。
【0038】
既述の搬送手段は、空間制御および時間制御を含む搬送手段の動作を制御する制御ユニットによって制御することができる。この時点までに、サンプリング要素を充填するために、搬送の時間コース、体液受容手段と接触する時間、検査ゾーンを評価する時間を制御できる。このような制御によって、体液サンプリングと検査が改善され、信頼性が増加する。
【0039】
さらに、サンプリング工程を改善するために、制御ユニットを搬送手段と協働させることができる。特に、皮膚穿刺要素を、一部分のみを引き出した状態で皮膚内に残すが、尖刺チャネルは既に開放しているため、体液がより容易に浸入し、収集ゾーンに取り上げられる。さらに、皮膚穿刺要素を傷内で回転または移動させて、体液の開放を改善することも可能である。皮膚を皮膚穿刺要素で尖刺するために、たとえば従来のばねタイプの尖刺ユニットを採用することができる。さらに、たとえば欧州特許第1101443号明細書に記載されているような尖刺用の電気駆動を採用してもよい。上述の皮膚穿刺手段の動作を行うために、この電気駆動をこれのみで、または他の搬送手段と組み合わせて採用できる。
【0040】
皮膚穿刺手段でのサンプリングを拡張するために、体液の引き出しに真空を採用してもよい。このような真空を、皮膚穿刺を実施する皮膚範囲に付加することができ、また、中空サンプリング針の場合には、サンプリング針のチャネルに真空を付加することができる。
【0041】
上述の移動手段によって皮膚穿刺要素を体液受容手段と接触させるために、皮膚穿刺要素を体液受容手段へ移動させすることができる。さらに、皮膚穿刺要素を、たとえば使用者が、たとえば皮膚を穿刺および体液サンプルを収集するべく皮膚穿刺装置に挿入したランセットを使用することにより、手動で移動させることができる。次に、皮膚穿刺要素を、体液受容手段を挿入した測定機器へ移動し、収集ゾーンを、体液サンプルを搬送する体液受容手段と接触させることができる。
【0042】
検査ゾーンは、特に湿度によって劣化する傾向にある。そのため、収納時には検査ゾーンを何らかの方法で保護する必要がある。本発明の皮膚穿刺手段は、密封した体液受容要素の密封材を穿刺するために採用できる。これは、密封材の開封および開放するための追加の手段または工程を排除できるため有利である。
【0043】
本発明によれば、皮膚穿刺要素を体液受容手段へ移動させる、または、体液受容手段を皮膚穿刺要素へ移動させる、または両方の要素を移動させることができる。
【0044】
体液受容手段を装備したマガジンを採用する場合には、サンプル体液を搭載した皮膚穿刺要素と接触させるために、収納された体液受容手段から特定の体液受容手段を露出させるさらなる工程を設けることができる。特定の体液受容手段が評価されると、別の体液受容手段が、皮膚穿刺要素上のサンプル体液と接触するべく露出される。使用済みの体液受容手段を同一のマガジン、または追加の廃棄用マガジン内に収納することができ、あるいは、たとえば手作業で体液受容手段を直接廃棄することもできる。
【0045】
したがって、上述の往復概念による自動システムは、1つまたはそれ以上の皮膚穿刺要素と、皮膚を穿刺するべく皮膚穿刺要素を駆動するためのドライブと、皮膚穿刺要素を体液受容手段と接触させる搬送手段とを備える。穿刺および搬送を行うドライブを同一のドライブユニット内に採用することができる。搬送手段は、たとえば、電気起動、ばね力起動、たとえばスライダを押圧することによる手動起動、およびこれらの手段の組み合わせを備えることができる。上述の往復概念による手動システムでは、皮膚穿刺要素と体液受容手段は別個のユニット内に設けられ、相互に対する搬送および接触は手作業で行うことができるが、これはたとえば、使用者が皮膚穿刺要素を用いて皮膚を穿刺し、サンプル体液を収集し、次に、皮膚穿刺要素を体液受容手段へ、または体液受容手段を皮膚穿刺要素へと移動して、体液サンプルを体液受容手段と接触させることで行う。
【0046】
皮膚穿刺要素を体液受容手段へ移動することが可能であり、また、体液受容手段を皮膚穿刺手段へ移動する、あるいは両方の要素を移動することが可能である。さらに、これらのシステムは、複数の流体受容手段用の収納ユニットを備えてもよい。これらのシステムはさらに、体液受容手段を、体液を受容するべく連続的に露出させる露出ユニットを備えることもできる。皮膚穿刺要素は体液受容手段と接触し、体液サンプルが体液受容手段上の検査ゾーンへ移動されるようにするか、または、皮膚穿刺要素は検査ゾーンと接触し、体液サンプルが検査ゾーンへ直接移動されるようにすることができる。さらに、検査ゾーンを備えていない体液受容手段を採用し、別個の検査ゾーンを体液受容手段と接触させて、最終的に検査ゾーンがサンプル体液で湿潤するようにしてもよい。
【0047】
体液受容手段は、皮膚穿刺要素の収集ゾーンから体液を取り上げることができる構造体である。この体液の採り上げは、たとえば収集ゾーン内の体液と体液受容手段のあいだに付加した電位によって達成できる。図5は、検査ゾーンによるサンプル体液の電気トリガリングの概念を示す。収集ゾーン(9)を設けた皮膚穿刺要素(14)は、体液受容手段(10)からスペーサ(11)の分だけ離間している。収集ゾーン(9)内で体液サンプルと接触している電極(12)と、体液受容手段と接触した第2電極(13)とのあいだに高電位が付加される。これにより、体液サンプルが収集ゾーンから検査ゾーン上へ移動するか、あるいは、体液受容手段が収集ゾーン方向へ移動する。どちらの場合でも、サンプル体液による検査ゾーンの湿潤は、電位を入れることによって、非常に短い時間フレーム内でトリガリングすることができる。
【0048】
体液受容手段は、皮膚穿刺要素の収集ゾーンのものよりも高い毛管性を備え、接触中に、体液が自動的に取り上げられる、つまり毛管性の差が接触手段として機能することが好ましい。これに関連して、体液受容手段は、高い毛管性を有するフリースまたは布地材料で製造することができる(少なくとも体液取り上げの範囲において)。体液受容手段は、このような毛管性の高い材料を備えた特定の領域を備えるか、または、体液受容手段の全範囲が体液チャネルから体液を受容する受容手段として機能することができる。体液受容手段は検査ゾーンであってよく、この場合、それ自体を布地または織物材料で覆うか、または、体液受容手段をより複雑にして、サンプル体液の事前処理/センサ・検査ゾーンへの体液の搬送を可能にすることができる。事前処理は、体液サンプルの濾過、および/または試薬との混合を含む。あるいいは、毛管力を接触手段として支持するために、機械力を付加して、収集ゾーンと受容要素の両方を押圧するか、あるいは、収集ゾーンの側部に重圧を加える、および/またはたとえば真空のようなアンダープレッシャーを受容側に付加ことも可能である。特に収集ゾーンに通し孔が設けられている場合には、孔の一端における重圧を使用して、サンプルの少なくとも一部分が他端を介して収集ゾーンから出て、体液受容手段と接触する。機械圧縮手段または超音波(たとえば、鋸歯動作)は、体液サンプルを受容手段へ搬送させることもできる。
【0049】
体液受容手段は、分析物を検出するための試薬を含有した少なくとも1つの化学層を備えた検査ゾーンを設けている。試薬は、検出する分析物との反応によって生じた検出可能な変化を経験する。グルコースの検出に典型的な試薬は、たとえば、色原体酸化還元システムと組み合わせたグルコース酸化酵素に基づくものである。試薬は、体液からのグルコースで色を形成する光学評価の従来技術においてよく知られている。さらに、試薬は、分析物を電気化学検出することができる血糖値検査片の分野でも知られている。使用する試薬混合物は、その組成のために(たとえば酸化アルミニウム、珪藻土、その他)、通常は固体であり、毛管チャネルから体液を取り上げることが可能な高い毛管性を有する。これらの検出システムは従来技術により周知であるため、ここでは詳細な説明を省くが、米国特許第5762770号明細書、米国特許第36268号明細書を参照する。
【0050】
本発明による体液収集システムの好ましい実施形態は駆動ユニットをさらに備え、この駆動ユニットは、起動時に、皮膚穿刺要素を、尖刺動作を行えるよう第1位置から第2位置へ移動させる。適切な駆動ユニッとは、血液サンプリングシステムの分野でよく知られている。駆動ユニットは、たとえば、使用者によって傾けられ、開放時に皮膚穿刺要素を駆動するばねを含んでいる。特に有利なドライブユニットが、欧州特許第0566970号明細書に記載されている。
【0051】
体液分析のためのシステムは検出ユニットを備えている。分析物が含まれていると変色する、または色を形成する試薬を含有したセンサ/検査ゾーンを使用する場合には、光源と、伝播または反射された光を検出するための検出器とを装備した光学検出ユニットをシステムに設けることができる。電気化学検出を採用する場合には、システムは、検査ゾーンまたは体液受容手段と接触する電極を設ける。ロウ信号の評価を行う場合には、システムに、たとえばいわゆるコットレル(Cotrell)電流(たとえば米国特許第36268号明細書を参照)の測定によって、分析物の濃度を決定するための、従来技術において知られている電子装置を設けることができる。
【0052】
本発明による皮膚穿刺要素を用いれば、突出部を皮膚内に挿入した状態で体液を引き出す、または、穿刺後に突出部を身体から引き出し、体表に滲出した体液を取り上げることができる。突出部は、体液収集中に、その収集ゾーンが身体内に入る形のものが好ましい。体液を収集するために突出部を身体内に残すようにする部分的引き出しは、腕においてサンプリングを行う場合に特に適切である。これは、腕の小さな傷は非常に迅速に閉鎖するため、穿刺後に体液がまったくまたは極少量しか滲出しないという事実によるものである。一方、腕は、たとえば指と比較して、痛みに対する感度が大幅に低く、故に、突出部を身体内に残す場合にも痛みを感じずにすむ。
【0053】
さらに、引き出し工程は、本発明によるサンプリング装置によって行うことができ、これは先述の工程を組み合わせたものである。この組み合わせた工程では、まず穿刺を行うが、この場合、突出部を穿刺経路の一部分の上に引き戻し、収集期間中その場所に停留できるようにする。状況に応じて、残存血液をほぼ完全に採りきり、使用者が血液を見なくて済むようにすることができる。
【0054】
効率的な体液の取り上げに重要なさらなる決定的な要因は、収集ゾーンの湿潤性である。シリコン製の毛管構造を使用する場合は、通常は、表面上のシリコン酸化物層によって適度に湿潤させることができる。毛管構造に金属を使用する場合は、多くの場合、湿潤させることが比較的困難である。これは、ケイ酸塩化のような多数の異なる親水化処置によって対抗することができる。通常、湿潤性は、毛管内の体液が、凹状メニスカスを有する、つまり湿潤角度が90°未満である場合に適当となる。
【0055】
体液収集システムの或る好ましい実施形態では、体液サンプルの容量は非常に少量、つまり0.5μl未満、好ましくは3〜10nlである。このような少量は、たとえば直径20μmの微小な孔を使用し、高速充填のための大きな毛管力を生成させることで、非常に迅速に収集することができる。十分な量の体液を受容する時間は、0.1秒未満であってよく、たとえば1〜10m秒であってよい。したがって、皮膚穿刺要素が身体内に残され、十分な量の体液サンプルを受容する状態において、皮膚穿刺要素と身体が相互に作用する時間は0.5秒未満、たとえば10msである。体液サンプルは身体内で収集され、皮膚表面上には実質的に血液が現れないようにすることが好ましい。本発明によれば、収集ゾーンの形状、および、この形状にて収集される体液容量が正確に定義されるため、たとえば、体液受容手段が過剰または過少な摂取を行う危険が大幅に低減する。
【0056】
本発明によるサンプリング装置を使用すれば、体液サンプルの受容にかかる時間を0.1秒、好ましくは10〜15m秒にすることができる。
【0057】
本発明に、身体部分からサンプル体液を絞り出すための絞り出し手段を設けることが有利である。絞り出し手段は、図6に示すように、サンプル収集を改善するために使用される、特別に形成したフィンガーコーン(15)であってよい。図6は、米国特許第6589260号明細書によるフィンガーコーン(15)の操作および動作の1例を示している。図6A、図6Bに示すように、使用者が指先をフィンガーコーン上で押すと、フィンガーコーンが一緒に押下され、フィンガーコーンの内幅(16)が減少する。その結果、指先の一部が絞られ、この範囲(17)の内圧が増加する。この設計により、収集ゾーンにおける体液サンプリングが向上し、身体からの体液漏洩が最小化される。内幅(16)は、小児の指から大柄な成人の指にまで適応するべく、8〜11mmの範囲内であることが理想的である。
【0058】
本発明による、収集ゾーンを体液受容手段へ自動的に移動させる体液サンプリングシステムは、高齢者、障害者、盲目者にも使い易い、高速1工程動作システムである。収集されるサンプル量が少量であるため、システム構成要素、特に測定機器が汚染される危険が低減し、使用済みの体液受容手段を衛生的に廃棄することが可能である。
【0059】
容量の大きな皮膚穿刺要素は、たとえば皮膚穿刺要素を20〜40℃、好ましくは30℃の温度に加熱することにより、非常に容量の小さい体液サンプルと比べて、サンプルの温度変化を小さく、好ましくは10℃未満に維持し易い。精密な検査では、検査領域内を20〜40℃の範囲の一定温度に保つことも好ましい。
【0060】
皮膚穿刺要素および/または流体受容手段はマガジン内に提供できることが有利である。或る利用可能な実施形態は、たとえば、皮膚穿刺要素用のマガジンを装備した皮膚穿刺装置、および/または、流体受容手段マガジンを別個のユニットとして、または測定機器と一体的に備えることができる。
【0061】
図7〜図11に、本発明による、ランセットを皮膚穿刺要素として、検査片をマガジン内に配置された体液受容手段として使用する或る好ましい実施形態を示す。図7、図8は、皮膚穿刺要素用のマガジン(21)と、各々の体液受容要素用の別個の室を設けた偏心外部検査片ドラムマガジン(22)とを示す。各々の室はホイルで密封されており、各要素は、要素をマガジンの外へ出し、さらにマガジン内へ戻すために、機器の駆動機構が接続される外部握持部を設けている。破損可能なホイル(25)が室を密封している。皮膚穿刺要素および体液受容手段は、それぞれ、要素の動作を案内する対応するスライダ(27)上に取り付けられている。図9は、収集ゾーンを具備したランセット(24)が、皮膚を穿刺し、サンプルを収集するべく、前方へ移動されている。この動作中に、各々の密封ホイルが破損される。図10は、皮膚穿刺要素(24)が、たとえば後方へ移動することにより、接触位置へ移動される様子を示している。体液受容手段(23)も、たとえば前方へ移動することにより、接触位置へ移動される。或る好ましい実施形態では、体液受容手段は、空洞内への収納時には屈曲され、空洞内から出される時には図10に示す形態をとる。これにより、体液受容手段が体液収集ゾーンと接触する。あるいは、体液受容手段と皮膚穿刺要素が、適切な起動手段によって押圧される。体液受容手段が要素(24)の収集ゾーンに対して押圧されると、皮膚穿刺要素からサンプルが出て体液受容手段へ移動し、収集ゾーンを湿潤させる。検査ゾーンは、サンプル移動のため、およびグルコース濃度を決定するために、たとえば裏面から光学的に読み取られる。図11は、検査完了後に、使用済みの皮膚穿刺要素(24)と体液受容手段(23)が、収納されるべく、それぞれのドラム室内に引き戻される様子を示す。
【0062】
本発明による体液サンプリングシステムでは、収集ゾーンに流入する体液サンプルの流れの収集方向は、皮膚穿刺要素の主要起動/尖刺方向に対して平行ではなく、垂直であることが好ましい。
【0063】
本発明によるシステムは、試薬化学物質および身体との直接接触を回避した、使い捨て可能な皮膚穿刺要素および体液受容手段を提供する。
【0064】
皮膚穿刺要素は、体液の受容を向上させるために親水性であってよい。要素全体、または選択された領域に親水性化を実施することができる。
【0065】
本発明による或る好ましいシステムでは、移動手段としてさらなる体液を使用することなく、収集ゾーン内に収集された体液サンプルが体液受容手段上へ移動され、つまり、サンプルは、流体的手段ではなく、機械的、好ましくは電気的あるいは手作業で移動される。この方法は、デッドボリュームを増加することなく、体液を、必要に応じて長距離移動でき、さらに、サンプルを少し離れた地点、すなわち検査ゾーンへ移動できるという利点を有する。これ故に、体液受容手段のサイズを小型化できる。
【0066】
図12は、収集ゾーン(2)を形成するために、たとえばミリングもしくはエッチング処理で形成した溝または凹部(31)を設けた丸形で非中空のランセット(4)を備える、皮膚穿刺要素の別の好ましい実施形態を示す。
【0067】
図13は、皮膚穿刺要素の細長い部分内に収集ゾーン(9)を装備した皮膚穿刺要素(14)を備えている。この部分は、フレーム形状のホルダ(32)と接続している。細長第1部分は、ホルダ部分(32)から突出した突出部(33)を設けている。突出部分の前端には、鋭利な先端(3)が配置されている。皮膚穿刺要素が刺入する際に、この鋭利な先端(3)が皮膚表面を貫通することができる。収集ゾーン(9)は突出部の前端領域内に配置されている。収集ゾーンは開口毛管チャネルであるため、突出部の領域内でチャネルと接触する体液が、毛管動作の手段によって、収集ゾーン(34)の可動部分内へ移動できる。図13に示すように、皮膚穿刺要素(14)の突出部(33)、可動部分(34)、フレーム部分(32)は一体型に形成されている。皮膚穿刺要素(14)は、エッチング工程によって製造できる。シリコン製造工程においてよく知られているように、シリコン材料のウェーハにエッチング処理を施して、先端および毛管チャネルを具備した装置を提供することができる。しかし、大量生産では、皮膚穿刺要素を、金属薄板にエッチング処理を施して製造することが有利である。さらに、突出部(33)の鋭利な先端(3)を、エッチング工程中にも形成できるため、別個の研磨工程を排除できるので特に有利である。図13に見られるように、収集ゾーンがサンプル体液で充満した後に体液を迅速に受容する体液チャネルに接触する試薬またはセンサはない。本発明は、検査ゾーンまたはセンサを、体液受容手段上に別個に設けることを提案する。
【0068】
図14は、図13の皮膚穿刺要素(14)を、検査ゾーン(35)を含んだ体液受容手段(10)と共に示している。体液受容手段(10)を概略的に示している。体液受容手段(10)は皮膚穿刺要素(14)の上方側に配置されており、この同じ側には、体液チャネル(9)が周囲に対して開口している。しかし、体液受容手段(10)は、最初は収集ゾーン(9)から離間しているため、収集ゾーン内のサンプル体液が体液受容手段と接触することがない。そのため、この形状の体液サンプリング装置では、収集ゾーンから体液受容手段上へ体液が移動することはない。図示の実施形態では、体液受容手段は、本質的に、皮膚穿刺要素および検査ゾーン(35)に対する体液受容手段の正確な方位および間隔を提供する保持構造部(11)からなる。図示の実施形態ではさらに、検査ゾーンは、体液中の分析物の濃度に基づいて光信号を生成する試薬を含んでいる。試薬は、たとえば珪藻土またはチタン二酸化物としての多孔性材料が組み込まれていることで、毛管チャネル(9)から体液を吸引する高い毛管性を既に備えている。試薬はキャリア面に付加される。体液が収集ゾーン内に受容され、可動区間(34)を充填した後に、体液サンプリング装置が測定を行うべく準備される。可動区間(34)は、機械的起動の手段によってセンサ(35)の方向へ屈曲され、これにより、収集ゾーン(9)内の体液が検査ゾーン(35)と接触して試薬を湿潤する。このセンサをサンプル体液と接触させるモードには、従来技術にはないいくつかの利点がある。
【0069】
従来技術にかけての第1の利点は、特定の時間地点において測定を開始できることである。これはつまり、検査ゾーンの湿潤と最終信号測定との間の時間を自由に選択できるということである。しかし、この時間は、毛管内で血液が乾燥する時間よりも短い。反応時間を知る、または制御することで、測定の精密性が向上する。さらに、湿潤の直後から、信号を測定することが可能であり、これにより反応運動を監視できる。この早期信号の評価は、測定結果の正確性をも向上させる。
【0070】
図15は、複数の検査を可能にする体液受容手段として機能する検査媒体カセット(10)上複数の検査ゾーンが配置されている体液検査装置を示す(たとえば欧州特許第1424040号明細書を参照)。カセット(10)は、検査媒体テープの未汚染区間(41)を収納しておくための供給部分を含む。さらに、検査媒体テープの未汚染区間(42)を収納する収納部分を採用している。検査装置は、使用者が便利に手で持つことが可能なハンドヘルド式装置である。検査媒体テープ(10)を検査装置の一部分として設け、検査媒体テープを使い切ると装置全体を廃棄できるようにするか、あるいは、検査媒体テープを、検査装置内に受容される使い捨て可能なカセット内に配置することができる。供給部分(41)と収納部分(42)の間に位置する感知領域(43)上に体液が付加され、検査媒体カセット上に収集された体液の分析物が感知される。さらに検査装置は、身体部分に刺入するための刺入ユニット(皮膚穿刺要素14)を備えている。この刺入ユニットは、感知領域の付近に配置されることが有利である。
【0071】
図16は、皮膚穿刺要素(1’)が収集ゾーン(2’)を備え、体液受容手段(10’)が蝶番(50)によって接続している本発明の実施形態を示す。図16a)は、収集ゾーン(2’)での皮膚尖刺および体液のサンプリングに適した形態を示す。収集ゾーンは、たとえば、図1〜図4について説明した実施形態にしたがって選択することができる。阿智液のサンプリングが終了すると、皮膚穿刺要素が引き出され、次に、収集ゾーン(2’)が受容手段上の検査ゾーン(35’)と接触できるよう、折り畳まれる。測定「は、この折り畳まれた形態にて、下から実施される。しかし、図16c)に示すように、装置を開き、検査ゾーン(35’)上の湿潤部分(51)の色を上側から測定することも可能である。
【0072】
あるいは、図16による一体型のサンプリングおよび検査装置を折り畳むために、皮膚穿刺要素とサンプル受容手段を同面上で回転させて、皮膚穿刺要素上のサンプルを検査ゾーンと接触させることも可能である。
【0073】
図17は、サンプルを皮膚穿刺要素(1”)から検査ゾーン(35”)上へ移動させるための、さらなる実施形態を示す。図17aは、既に体液のサンプリングを終了し、ハウジング内に引き込まれた状態の皮膚穿刺要素を示す。サンプリングした体液を保持している領域を片側から密封するために、ゴムシール(61)を皮膚穿刺要素上に押圧する2つの部分(60、60’)が設けられている。さらなる圧搾を付加することで、ゴムシールと、皮膚穿刺要素からの体液が、下に設けた検査ゾーン(35”)上へ移動される。この実施形態では、接触による体液の移動の代わりに、またはこれに加えて、空気圧起動によって体液を移動する。たとえば、やはり空気圧起動を採用している国際公開第01/72220号パンフレットによる装置と比較すると、この実施形態では、空気圧起動を実施する以前に、皮膚穿刺要素と体液受容手段(10”)の相対動作を採用している。これについて先述したように、尖刺部分を検査部分から分離し、検査化学物質を破壊することなく滅菌が行える。
【0074】
図17はさらに、皮膚穿刺要素の収集ゾーンの孔からのサンプル体液が、検査ゾーンの反対側の範囲に移動される様子を示す。収集ゾーンの孔の幾何学パターンにより、検査ゾーン上にも類似のパターンが形成される。従来の乾燥化学物質を採用する場合には、検査ゾーン上の湿潤させた範囲が、まず収集ゾーンの孔の直径とおよそ同じ大きさになり、体液が垂直に移動する。体液移動を光学から離すために、サンプルが付加されている側とは反対の側から、分析物依存性反応の評価を開始することが好ましい。したがって、検査ゾーンの最下部分も反応できるようにするために、検査ゾーンの厚さ全体にかけて完全な湿潤を達成する必要がある。十分な湿潤は、たとえば、検査ゾーンの厚さが、収集ゾーンの孔の深さよりも短い場合に達成される。検査ゾーンの体液受容ゾーンの厚さは、収集ゾーンの孔の深さの10〜80%であることが好ましい。これはつまり、非常に小さく、薄い皮膚穿刺要素を採用できることを意味し、これは以下に示す例証からより明白になる。現在、たった約10〜50マイクロメートルの液体受容構造体を有する乾燥化学物質の製造が実現可能である。皮膚穿刺要素の孔の適切な湿潤を確実に行うには、約50〜500マイクロメートルの深さを設ければ、収集孔を完全に充満しない場合でも、十分な体液容量を収集することができる。これはつまり、この厚さ、またはこれよりも若干厚い皮膚穿刺要素を採用できることを意味する。そのため、皮膚穿刺要素の厚さが500マイクロメートル未満であることが好ましく、250マイクロメートル未満であることがより好ましい。したがって、本発明の皮膚穿刺手段は、体液のサンプリングを行わない現在のランセットとほぼ同じ厚さにすることが可能である。サンプリングされる収集体液の容量はたったのナノリットル範囲であるが、適切に薄い乾燥化学物質検査ゾーンが利用可能であるため、信頼性の高い測定が達成できる。
【0075】
図18は、相互に関連して移動できる2つの部品(70、70’)を設けた皮膚穿刺要素を示す。図18aでは、部品(70、70’)は、サンプルが受容される毛管チャネルを形成するべく整列している。充填された装置(図18c)は図18cに示すように再配置される。チャネルの一端においてこれらの部品が離されることで、2つの部品がまだ互いに隣接している領域(71)内にサンプルが集中する。
【0076】
図19は、密封ホイル(88)(たとえば、アルミナラミネート)によって周囲環境から密封された、1列の密封された体液受容手段(83)を示す。皮膚穿刺手段(84)はハンドヘルド式装置(80)内に配置されている。図示の皮膚穿刺手段は、既にサンプルで充填され、体液受容手段の列へ移動されている。皮膚穿刺要素は、それ自体で、または図示の状態において、密封ホイルを穿刺するために分離先端(85)を採用することができる。次に、皮膚穿刺要素の先端は、サンプル体液を移動させるために、破損した密封ホイルの下の検査ゾーンと接触する。図に概略的に示すように、分析物濃度の測定を、下側から光学(86)によって実施できる。光学精査を可能にするために、検査ゾーンは透明な支持部(87)上に配置されている。
【0077】
本発明の好ましい特徴について以下に示す。
【0078】
体液サンプリング装置は、体液を受容する収集ゾーンを設けた皮膚穿刺要素と、検査ゾーンを設けた体液受容手段とを備え、上記体液受容手段は、収集ゾーンと接触することがないように、これから離間しており、上記皮膚穿刺要素は2つまたはそれ以上の収集ゾーンを有する。
【0079】
本発明による体液サンプリング装置では、収集ゾーンが通し孔またはブラインドホールを備える。
【0080】
本発明による体液サンプリング装置では、収集ゾーンが、体液を受容するための粗い面または凹部を全体的に備えている。
【0081】
本発明による体液サンプリング装置では、サンプリング装置が受容する体液の容量は3〜10nlである。
【0082】
本発明による体液サンプリング装置では、皮膚穿刺要素が体液サンプルを受容するべく身体内に滞留する時間は10m秒である。
【0083】
本発明による体液サンプリング装置では、十分な量の体液サンプルを受容するための時間は、0.1秒未満、好ましくは1〜10m秒である。
【0084】
体液分析を行うシステムは、収集ゾーンを設けた皮膚穿刺要素を備えており、この場合、上記収集ゾーンの少なくとも一部分が周囲環境に開放しており、また、体液受容手段は、上記通路内の体液が体液受容手段と接触することがないよう、上記収集ゾーンから離れており、上記体液受容手段はテストゾーンを備え、上記システムは、上記検査ゾーンから信号を受信して、分析物の有無および/または濃度を決定するための検出ユニットを設けたメータを備えている。
【0085】
本発明によるシステムでは、メータは、体液受容手段が内部に受容されるホルダを含み、また、検査ゾーンから検出器への信号送信が可能である。
【0086】
本発明によるシステムでは、上記メータは、接触手段が収集ゾーンを体液受容手段と接触させたこと、またはサンプル流体が検査ゾーンに達したことを示す信号を受信するための処理ユニットを備えている。
【0087】
本発明によるシステムでは、体液を受容するために、体液受容手段を上記マガジンから連続的に露出させる露出ユニットをさらに備える。
【0088】
体液中の分析物濃度を決定する方法は:
a)皮膚穿刺要素の収集ゾーン内に体液を受容する工程と、
b)体液を体液受容手段の検査ゾーンへ到達させるために、皮膚穿刺要素の収集ゾーンを体液受容手段と接触させる工程と、
c)前記検査ゾーンから、分析物濃度の特徴である信号を受信する工程と、
d)分析物濃度を決定するために、上記信号を処理する工程とを備え、
この場合、工程b)で開始される時間が監視され、この時間に基づいて、分析物濃度の決定が開始される。
【0089】
本発明による方法では、工程b)は、信号の監視を開始し、この時間にかけての信号の変化が、濃度決定のための時間点を決定するために採用される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】好ましい実施例を示す図である。
【図2】スルーホールを備えた収集領域を示す図である。
【図3】ブラインドホールを示す図である。
【図4】中空ランセットを示す図である。
【図5】サンプル液と試験領域との電気的接触の概念を示す図である。
【図6A】指先を円錐部に押圧した状態を示す図である。
【図6B】指先を円錐部に押圧した状態を示す図である。
【図7】皮膚穿刺要素用のマガジンを示す図である。
【図8】皮膚穿刺要素用のマガジンを示す図である。
【図9】収集領域を備えたランセットを示す図である。
【図10】皮膚穿刺領域が接触位置にあることを示す図である。
【図11】試験終了後の使用済の皮膚穿刺領域と液体受け入れ手段の状態を示す図である。
【図12】皮膚穿刺要素の他の実施例を示す図である。
【図13】収集領域を有する皮膚穿刺要素を示す図である。
【図14】試験領域を含む液体受け入れ手段を備えた指の穿刺要素を示す図である。
【図15】体液試験装置を示す図である。
【図16a】収集領域と体液受け入れ手段がヒンジを介して接続される実施例を示す図である。
【図16b】皮膚を穿刺し、体液をサンプリングするのに適した構造を示す図である。
【図16c】上側から試験領域上の湿った部分の色を測定し得る構造を示す図である。
【図17a】皮膚穿刺要素から試験領域上にサンプルを移送する実施例を示す図である。
【図17b】皮膚穿刺要素から試験領域上にサンプルを移送する実施例を示す図である。
【図17c】皮膚穿刺要素から試験領域上にサンプルを移送する実施例を示す図である。
【図18a】皮膚穿刺要素が2つの部分を有する実施例を示す図である。
【図18b】皮膚穿刺要素が2つの部分を有する実施例を示す図である。
【図18c】皮膚穿刺要素が2つの部分を有する実施例を示す図である。
【図19】封止されたアレイ状の液体を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液を受容するための収集ゾーンを有する皮膚穿刺要素を備え、
前記収集ゾーンの少なくとも一部分が周囲環境に開口しており、
検査ゾーンを備え、前記収集ゾーンから離間している体液受容手段をさらに備え、離間していることによって、前記収集ゾーンが前記体液受容手段と接触することがない体液サンプリング装置。
【請求項2】
前記装置が、前記収集ゾーン内の体液が前記体液受容手段と接触する接触状態を推測できるよう、起動時に物理的変化を知り得るように適応されている請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記装置が、移動することができる可動部分を備え、前記可動部分の上に、前記収集ゾーンの少なくとも一部が配置されている請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記収集ゾーン内に受容された体液が、電気的起動により、体液受容手段上へ移動される請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記収集ゾーン内に受容された体液が、搬送手段としての体液を使用せずに、体液受容手段と接触するべく移動される請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記収集ゾーンが、受容した体液が収集される孔を備える請求項1記載の装置。
【請求項7】
体液を受容するための多孔面を備える請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記サンプリング装置によって受容された体液が0.5μlまたはこれ未満である請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記装置がさらに絞出手段を備える請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記絞出手段がフィンガーコーンを備える請求項9記載の装置。
【請求項11】
体液を受容するための収集ゾーンを設けた皮膚穿刺要素を備え、前記収集ゾーンの少なくとも一部分が周囲環境に開放しており、
前記通路内の体液が体液受容手段と接触しないように前記収集ゾーンから離れている体液受容手段をさらに備え、
前記体液受容手段が検査ゾーンを備えるシステム。
【請求項12】
前記検査ゾーンにサンプル体液を提供するために、前記皮膚穿刺手段の収集ゾーンの一部分を前記体液受容手段と接触させる請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記収集ゾーンが、その少なくとも一部分が身体内に滞留しているあいだに、体液サンプルを受容する請求項11または12記載のシステム。
【請求項14】
前記収集ゾーンが、前記皮膚穿刺要素の先端に配置され、身体内に完全に導入されている請求項11または12記載のシステム。
【請求項15】
前記システムが、検査ゾーンの温度を20〜40℃の範囲内の温度に調整する手段を備える請求項11または12記載のシステム。
【請求項16】
前記皮膚穿刺手段が可動部分を有し、前記接触手段が、前記収集ゾーンの少なくとも一部分を前記体液受容手段と接触させるべく移動するために、前記可動部分に力を付加する請求項11または12記載のシステム。
【請求項17】
体液サンプルを取得するために、皮膚穿刺手段を、皮膚を穿刺するべく皮膚内へと駆動するための駆動手段を備える請求項11または12記載のシステム。
【請求項18】
前記接触手段が、前記収集ゾーンからの体液が体液受容手段と接触するようにするために、前記収集ゾーンと前記体液受容手段のあいだに電位を付加するための電圧手段を備える請求項11または12記載のシステム。
【請求項19】
前記皮膚穿刺要素を前記体液受容手段に関連して搬送するための搬送手段をさらに備える請求項11または12記載のシステム。
【請求項20】
前記接触手段が、前記収集ゾーンからの体液が前記体液受容手段と接触できるよう、体液サンプルを前記収集ゾーン内へ強制移動させるために超音波手段を備える請求項11または12記載のシステム。
【請求項21】
前記皮膚穿刺要素が体液サンプルを受容するために身体内に滞留する時間が0.5秒未満である請求項11記載のシステム。
【請求項22】
体液を受容するための収集ゾーンを有する皮膚穿刺要素を備え、前記収集ゾーンの少なくとも一部分が周囲環境に開放しており、
前記通路内の流体が体液受容手段と接触しないように、前記収集ゾーンから離間した体液受容手段をさらに備え、
前記体液受容手段が検査ゾーンをさらに備え、
前記皮膚穿刺要素を体液受容手段と接触させるための搬送手段をさらに備え、
前記体液サンプル内の分析物の存在および/または濃度を決定するために、前記体液受容手段から信号を受信するための検出ユニットをさらに備える 体液分析を行うシステム。
【請求項23】
前記搬送手段が電気的起動を備える請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記搬送手段がばね力起動を備える請求項22記載のシステム。
【請求項25】
前記搬送手段が手動による起動を備える請求項22記載のシステム。
【請求項26】
前記搬送手段が、電気的、ばね力、または手作業による起動の組み合わせを備える請求項22記載のシステム。
【請求項27】
複数の体液受容手段を収納するためのマガジンをさらに備える請求項11または22記載のシステム。
【請求項28】
a)皮膚穿刺要素の収集ゾーン内に体液を受容する工程と、
b)体液が体液受容手段上の検査ゾーンに達するようにするために、皮膚穿刺要素の収集ゾーンを体液受容手段と接触させる工程と、
c)前記検査ゾーンから、分析物濃度を特徴とする信号を受信する工程と、
d)分析物濃度を決定するために、前記信号を処理する工程と
を含んでなる体液中の分析物濃度を決定する方法。
【請求項29】
前記皮膚穿刺要素で皮膚を穿刺する工程をさらに含む請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記皮膚穿刺要素が、皮膚穿刺手段を体液受容手段と接触させるために、搬送手段によって体液受容手段へ移動される請求項28記載の方法。
【請求項31】
皮膚穿刺要素を体液受容手段と接触させるために、前記皮膚穿刺要素が体液受容手段へ自動的に移動される請求項28記載の方法。
【請求項32】
皮膚穿刺要素を体液受容手段と接触させるために、前記皮膚穿刺要素が体液受容手段へ手作業で移動される請求項28記載の方法。
【請求項33】
前記皮膚穿刺要素が体液サンプルを受容するために体内に滞留する時間が0.5秒未満である請求項28記載の方法。
【請求項34】
a)皮膚穿刺要素の収集ゾーン内に体液を受容する工程と、
b)皮膚穿刺要素を、体液サンプルを収集ゾーンに保持した状態で身体から取り出す工程と
を含んでなる請求項28記載の方法。
【請求項35】
体液サンプル中の分析物の存在および/または濃度を決定する工程をさらに含む請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記工程a)が、皮膚穿刺要素が身体内に導入されているあいだに、収集ゾーンに体液サンプルを収集する請求項34記載の方法。
【請求項37】
前記工程a)の前に、前記皮膚穿刺要素で皮膚を穿刺する請求項34記載の方法。
【請求項38】
体液を受容するための収集ゾーンを有する皮膚穿刺要素を備え、前記収集ゾーンの少なくとも一部分が周囲環境に開放しており、
前記収集ゾーンから離間した搬送要素をさらに備え、離間していることによって、前記通路内の体液が搬送要素と接触することがなく、
検査ゾーンを備えた体液受容手段をさらに備え、
前記搬送要素を前記体液受容手段と接触させるための搬送手段をさらに備え、
前記体液サンプル中の分析物の存在および/または濃度を決定するために、前記体液受容手段からの信号を受信する検出ユニットをさらに備える体液分析を行うシステム。
【請求項39】
体液を受容するための収集ゾーンを有する皮膚穿刺要素を備え、前記収集ゾーンの少なくとも一部分が周囲環境に開放しており、前記収集ゾーンが、受容した体液が内部に収集される3つまたはそれ以上の孔を備える体液サンプリング装置。
【請求項40】
前記収集ゾーンが、体液を受容するための多孔面を備える請求項39記載の装置。
【請求項41】
前記サンプリング装置から受容した体液の容量が0.5μlまたはこれ未満である請求項39記載の装置。
【請求項42】
前記皮膚穿刺要素の厚さが500マイクロメートル未満、好ましくは250マイクロメートル未満である請求項39記載の装置。
【請求項43】
検査ゾーンを設けた体液受容手段をさらに備え、
前記検査ゾーンの厚さが、前記皮膚穿刺要素の体液受容範囲の孔の深さの10〜80%である請求項39記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16a】
image rotate

【図16b】
image rotate

【図16c】
image rotate

【図17a】
image rotate

【図17b】
image rotate

【図17c】
image rotate

【図18a】
image rotate

【図18b】
image rotate

【図18c】
image rotate

【図19】
image rotate


【公表番号】特表2007−527289(P2007−527289A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501237(P2007−501237)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002357
【国際公開番号】WO2005/084546
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】