説明

作像装置及び画像形成装置

【課題】大型化やコストを抑えつつトナー担持体と孔形成部材の間隔並びに孔形成部材の孔と記録部材の間隔を所定間隔に設定維持できる作像装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーを収納する筐体と、筐体に回転自在に軸支されたトナー担持体と、複数の孔が形成され間隔をあけてトナー担持体に対向する孔形成部材と、各複数の孔に対応させて孔形成部材に設けられトナー担持体からトナーを選択的に孔側に飛翔させる電界を形成する複数の飛翔電極と、トナー担持体を覆うように筐体に設けられ少なくとも孔形成部材に形成された複数の孔と対向する箇所に開口部が形成された自身の側壁で孔形成部材をトナー担持体軸方向にわたって保持しトナー担持体と孔形成部材が所定の位置関係になるようトナー担持体に対し孔形成部材を位置決めする位置決め部材とを備えた作像装置において、位置決め部材はトナー担持体の回転軸を中心に筐体に対し回動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に用いられる作像装置、及び、その作像装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置として、トナージェット、ダイレクトトーニング、トナープロジェクションなどと称される直接記録方式の画像形成方法を採用した画像形成装置(以下、直接記録方式の画像形成装置という)が知られている(特許文献1など)。この種の画像形成装置は、記録紙や転写体などに対し、飛翔させたトナーを付着させて画像を直接、記録紙や転写体などに形成するものである。
【0003】
図14は、従来の直接記録方式の画像形成装置における要部構成の一例を示す構成図である。図14において、トナー担持体501は、その軸線を図中左右方向に延在させるように配設され、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられながら、帯電済みのトナーTをその表面に担持する。このトナー担持体501の下には、複数の孔502を形成する孔形成部材としてのフレキシブルプリント基板(以下、FPCという)503が配設されている。FPC503は、各孔502を囲むようにトナー担持体501との対向面側に形成されたリング状の複数の飛翔電極504を備えている。
【0004】
そして、FPC503の下方には、これを介してトナー担持体501に対向する対向電極506と、この対向電極506上で搬送手段によって搬送される記録紙507とが配設されている。図14においては、便宜上、孔502及び飛翔電極504をそれぞれ1つずつしか示していないが、実際には、FPC503にこれらの組み合わせが複数形成されている。具体的には、例えば600dpi用のFPC503では、これらの組み合わせが4960個形成されている。
【0005】
トナー担持体501は、例えば接地された状態で、マイナス極性に帯電したトナーTを表面に担持する。飛翔電極504にプラス極性の飛翔電圧が印加されると、トナー担持体501上で飛翔電極504と対向する位置にあるトナーTや、これの近傍にあるトナーTに所定強度の電界が作用する。この電界の作用により、トナーTに加わる静電力がトナーTとトナー担持体501との付着力を上回り、トナーTの集合体がドット状の形状でトナー担持体501から選択的に飛翔して孔502内に進入する。そして、飛翔電極504と、これよりも高い電位を帯びている対向電極506との間に形成される電界に引かれて飛翔を続け、孔502を通過して記録紙507の表面に付着してドット像となる。
【0006】
また、各飛翔電極504に対する飛翔電圧のON/OFFについては、それぞれ専用のICによって個別に制御する。一般に、ICは、その耐電圧が高くなるほどチップ面積が必要であり、ある程度の設置スペースを要する。そのため、ICはFPC503と一体的に接続された図示しない電装基板に取り付けられ、その電装基板をFPC503から少し離れた位置に設置している。
【0007】
ここで、上記直接記録方式において、ドット像の濃度や解像度が良好となる高画質な画像を得るには、トナー担持体501とFPC503との間隔であるトナー供給ギャップを高精度に設定し維持する必要がある。
【0008】
特許文献1に記載の画像形成装置では、トナー担持体の軸方向両端に、複数の孔が形成された孔形成部材に当接してトナー担持体に対する孔形成部材の位置決めをする位置決め部材を設けている。この位置決め部材によってトナー担持体に対し孔形成部材の位置決めをすることで、トナー担持体と孔形成部材との間隔であるトナーギャップを所定の間隔で設定することができるとされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、孔形成部材がトナー担持体軸方向両端の僅かな部分でしか位置決め部材と接しておらず、所謂、両端支持の状態で孔形成部材の位置が設定されていることになる。そのため、孔形成部材のトナー担持体軸方向中央部付近では自重により撓みや歪みが発生し易い。特に、孔形成部材がフレキシブルプリント基板などの可撓性の材料で作製されていると、孔形成部材のトナー担持体軸方向中央部付近における撓みや歪みが顕著となる。そのため、このような撓みや歪みなどが孔形成部材に発生することで、トナー担持体軸方向でトナー供給ギャップがばらつき、トナー担持体軸方向にわたってトナー供給ギャップを所定の間隔で維持できないといった問題が生じる。
【0010】
本出願人は、特願2008−273508号(以下、「先願」という)において、これらの問題を解決し得る作像装置を提案した。
【0011】
すなわち、上記先願の作像装置は、トナーを収納する筐体に軸支され筐体に形成された開口から外部に臨むトナー担持体と、複数の孔が形成され所定間隔をあけてトナー担持体に対向するシート状の孔形成部材とが設けられている。さらに、トナー担持体を覆うように筐体に設けられ、少なくとも前記複数の孔と対向する箇所に開口部が形成された自身の側壁で孔形成部材をトナー担持体軸方向にわたって保持し、トナー担持体に対する孔の位置決めをする位置決め部材を備えている。
【0012】
上記先願の作像装置においては、位置決め部材が上記側壁でトナー担持体軸方向にわたって孔形成部材を保持するので、孔形成部材がトナー担持体軸方向両端だけで位置決め部材に保持される構成よりも、上記間隔がトナー担持体軸方向でばらついてしまうような撓みなどが孔形成部材に生じるのを抑制することができる。したがって、トナー担持体と孔形成部材との間隔がトナー担持体軸方向でばらつくのを抑えられ上記所定の間隔で維持することができる。
【0013】
また、孔形成部材に形成された複数の孔と記録部材との間の間隔である印写ギャップにばらつきがあると、各孔から記録部材に向かって飛翔するトナーの飛翔時間が一様でなくなり、記録特性(画質)が著しく低下する。印写ギャップのばらつきは、記録部材が孔形成部材との対向箇所を通過する際に振動などによって記録部材が自身の厚み方向に変位しながら移動することなどで生じる。
【0014】
上記印写ギャップを所定の間隔に維持できるように、ローラ状の対向電極に記録部材である中間転写ベルトを巻き付けて当接させ、その当接した箇所にある中間転写ベルトと孔形成部材の複数の孔とが対向するように作像装置を配設した画像形成装置が知られている(特許文献2など)。
対向電極に中間転写ベルトが巻き付いて当接することで、中間転写ベルトが対向電極に確実に接触した状態となり、中間転写ベルトの自身の厚み方向の変位が抑えられ、孔形成部材の複数の孔と中間転写ベルトとの間の間隔である印写ギャップを所定の間隔で維持することができる。
【0015】
図15は、孔形成部材104に形成された複数の孔からトナーを飛翔させて中間転写ベルト200上にトナー像を異なる色のトナーでそれぞれ作像する同じ構成の4つの作像装置120を搭載したカラー画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0016】
この画像形成装置も上述したように中間転写ベルト200が各作像装置120に対応した対向電極240それぞれに巻き付いて当接しているが、通常、各対向電極240ごとで中間転写ベルト200が対向電極240に巻き付いている箇所が、対向電極240の中間転写ベルト移動方向上流側に寄っていたり下流側に寄っていたりしており、その寄っている度合いも異なっていることが多い。そのため各対向電極240ごとに、対向電極240に巻き付いて当接した箇所にある中間転写ベルト200と孔形成部材104の複数の孔とが対向するように、同じ構成の4つの作像装置120それぞれを画像形成装置内に配設すると、図15に示すように、各作像装置120が異なる姿勢配置で画像形成装置内に配設される。このように各作像装置120が異なる姿勢配置で配設されると図15から明らかのように、中間転写ベルト200を中心に各作像装置120が扇形状に広がってしまい各作像装置間に無駄なスペースが形成されるため、画像形成装置本体が大型化してしまうといった問題が生じる。
また、各作像装置120が同じ姿勢配置で画像形成装置内に配設できるように、各作像装置120ごとで孔形成部材104に形成する複数の孔の形成位置を変えたりするなど、各作像装置120の構成を異ならせることも考えられる。しかしながら、各作像装置120ごとで構成を変化させると、その分、各作像装置専用の部材が必要となるためコスト上昇に繋がってしまう。
【0017】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、トナー担持体と孔形成部材との間隔を所定の間隔に設定し維持ができ、且つ、画像形成装置の大型化やコスト上昇を抑えつつ孔形成部材の複数の孔と記録部材との間の間隔である印写ギャップを所定の間隔に設定し維持できる作像装置、及び、その作像装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナーを収納する筐体と、該筐体に回転自在に軸支され該筐体に形成された開口から筐体外部に臨み該筐体内に収容されたトナーを担持するトナー担持体と、トナー担持体軸方向に沿って複数の孔が列をなした孔列が形成され、所定の間隔をあけて該トナー担持体に対向するように配設されたシート状の孔形成部材と、該複数の孔それぞれに対応させて該孔形成部材に設けられ、該トナー担持体からトナーを選択的に該孔に向かって飛翔させるような電界を形成するための複数の飛翔電極と、該トナー担持体を覆うように該筐体に設けられ、少なくとも該孔形成部材に形成された該孔列と対向する箇所に開口部が形成された自身の側壁で該孔形成部材をトナー担持体軸方向にわたって保持し、該トナー担持体と該孔形成部材との相対位置が所定の位置関係になるよう該トナー担持体に対する該孔形成部材の位置決めをする位置決め部材とを備え、画像情報に基づいて該飛翔電界の形成によって該トナー担持体から選択的に飛翔させ該孔を通過したトナーを、該孔形成部材を介して該トナー担持体に対向するように画像形成装置内に配設され該トナー担持体から飛翔したトナーを引き寄せるような電界を形成するための対向電極に巻き付いて当接した記録部材上に付着させて画像を形成する画像形成装置に用いられる作像装置において、前記位置決め部材は、前記トナー担持体の回転軸を中心に前記筐体に対して回動可能であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の作像装置において、上記位置決め部材は、自身単体で上記筐体に対し着脱可能または上記孔形成部材が上記側壁に沿って配設された状態で該筐体に対し着脱可能に構成されており、該筐体に対して該位置決め部材を装着した際に、上記トナー担持体の軸または該トナー担持体の軸を受ける軸受部材に設けられた係合部と該位置決め部材に設けられた被係合部とが係合することで、該筐体に対する該位置決め部材の位置決めがなされるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の作像装置において、上記トナー担持体の軸を受ける軸受部材として玉軸受を用いることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の作像装置において、上記筐体に形成された上記開口のトナー担持体回転方向上流側及び下流側それぞれに、前記開口からトナーが漏れ出すことを抑えるシール部材を有し、それらシール部材で構成される前記開口のトナー担持体回転方向の開口の幅が、上記位置決め部材の上記開口部のトナー担持体回転方向の開口の幅よりも広いことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の作像装置において、上記シール部材で構成される上記開口のトナー担持体回転方向の開口の幅の大きさは、上記位置決め部材を上記トナー担持体の回転軸を中心に上記筐体に対して回動させた際に該位置決め部材の開口部がトナー担持体回転方向で移動可能な範囲よりも広いことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の作像装置において、上記位置決め部材には自身の側壁に取り付けられた上記孔形成部材の表面よりも外側に突出した突出部が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の作像装置において、上記位置決め部材の上記突出部が画像形成装置本体側に設けられた部材に対して押し付けられることにより、画像形成装置本体側に対する上記孔形成部材の位置決めがなされることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の作像装置において、上記画像形成装置本体側の部材が、ベルト部材を張架して支持する支持ローラの回転軸であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、トナーを収納する筐体と、該筐体に軸支され該筐体に形成された開口から筐体外部に臨み該筐体内に収容されたトナーを担持するトナー担持体と、複数の孔が形成され、所定の間隔をあけて該トナー担持体に対向するように配設されたシート状の孔形成部材と、該複数の孔それぞれに対応させて該孔形成部材に設けられ、該トナー担持体からトナーを選択的に該孔に向かって飛翔させるような電界を形成するための複数の飛翔電極と、からなる作像手段と、該孔形成部材を介して該トナー担持体に対向するように配設され、該トナー担持体から飛翔したトナーを引き寄せるような電界を形成するための対向電極とを備え、画像情報に基づいて、該飛翔電界の形成によって該トナー担持体から選択的に飛翔させたトナーを、該孔を通して該対向電極側に移行させた後、記録部材上に付着させて画像を形成する画像形成装置において、前記作像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の作像装置を用いたことを特徴とするものである。
【0019】
本発明においては、トナー担持体の回転軸を中心に筐体に対する孔形成部材を保持した位置決め部材の取り付け角度を変化させることができる。これにより、筐体に対する位置決め部材の取り付け角度を変化させても、孔形成部材がトナー担持体の軸を中心に円弧状に移動することになるので、トナー担持体と孔形成部材との相対位置を所定の位置関係で維持することができる。
また、画像形成装置内に本発明の作像装置を配設する際、記録部材が電極に巻き付いて当接した箇所に応じて筐体に対する孔形成部材を保持した位置決め部材の取り付け角度を変化させる。これにより、記録部材が電極に巻き付いて当接した箇所にある記録部材と、位置決め部材が保持する孔形成部材に形成された複数の孔とを対向させることが可能となる。つまり、画像形成装置内に本発明の作像装置を複数同じ姿勢配置で配設しても、各作像装置ごとで筐体に対する孔形成部材を保持した位置決め部材の取り付け角度を変化させることにより、何れの作像装置に対しても対向電極に巻き付いて当接した箇所にある記録部材と孔形成部材の複数の孔とを対向させることが可能となる。
これにより、従来の画像形成装置のように、記録部材と孔形成部材の複数の孔とが対向するように各作像装置それぞれを傾けて画像形成装置本体内に配設するような構成を採用した場合よりも、各作像装置間に無駄なスペースが形成されるのを抑えることができ、画像形成装置の大型化を抑制することができる。
また、筐体に対する孔形成部材を保持した位置決め部材の取り付け角度を変化させることで、対向電極に巻き付いて当接した箇所にある記録部材と孔形成部材の複数の孔とを対向させることが可能となるので、各作像装置として同じ構成のものを用いることができる。よって、各作像装置ごとで孔形成部材に形成する複数の孔の形成位置を変えたりするなど、各作像装置の構成を異ならせることで、各作像装置専用の部材が必要となりコストが上昇しまうのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上、本発明によれば、トナー担持体と孔形成部材との間隔を所定の間隔に設定し維持ができ、且つ、画像形成装置の大型化やコスト上昇を抑えつつ孔形成部材の複数の孔と記録部材との間の間隔である印写ギャップを所定の間隔に設定し維持できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】プリンタユニットの概略構成図。
【図2】直接記録方法の模式的構成図。
【図3】制御電極に印加する制御パルスの一例を示す説明図。
【図4】(a)トナー制御手段の印写面側の模式図。(b)トナー制御手段のトナー供給側面の説明図。
【図5】(a)トナー制御手段の印写面側の模式図。(b)トナー制御手段のトナー供給側面の説明図。
【図6】現像ユニットの側面図。
【図7】(a)ホルダの側面図。(b)ホルダを正面から見たときのホルダの一部を示した部分正面図。
【図8】画像形成装置の要部を示した概略構成図。
【図9】プリンタユニットのホルダ近傍と対向ローラ近傍の拡大断面図。
【図10】トナー制御手段を中間転写ベルトを張架する対向ローラ側から見た平面図。
【図11】トナー担持体の回転方向に対して上流側と下流側とにシール部材を設けた場合のプリンタユニットの模式図。
【図12】突出部を有するホルダが取り付けられたプリンタユニットの模式図。
【図13】プリンタユニットのホルダと対向ローラの軸との嵌合部近傍を示した拡大図。
【図14】従来の直接記録方式の装置の基本構成を示す模式図。
【図15】従来の作像装置を4つ搭載したカラー画像形成装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。先ずは、本発明に適応する直接記録方法について説明する。
【0023】
図2は本発明に適応する直接記録方法の模式的構成図である。
この実施形態においては、トナーTを飛翔させ、クラウド化した状態で担持するローラ状のトナー担持体1と、トナーTが付着させられる記録媒体3と、トナー担持体1と記録媒体3との間に配置された複数のトナー通過孔41を有するトナー制御手段4とを備えている。
【0024】
トナー担持体1は、表面側にトナーTを搬送する方向(ここでは周方向)に所定の間隔でトナーTを搬送する方向と直交する方向(ここでは軸方向)に沿って形成された所定ピッチで設けられた複数の電極11を有し、このトナー担持体1の各電極11には、電圧印加手段5から時間によって電位の異なる平均電位Vsのパスル電圧(クラウドパルス)が印加される。これにより、トナーTをクラウド化する手段を構成している。
【0025】
例えば、0.5kHz〜7kHzの周波数のパルス電圧が印加され、各電極11の間隔はファインピッチに設けられているため、各電極11間で強い電界が形成される。そのため、トナーTの帯電極性に対して反発する電位にある電極11表面からトナーTは勢いよく飛翔し、飛翔したトナーTは吸引する極性の電位が印加されている電極11に引き寄せられ、パルスが切り替わることでパルス周波数に応じた上下方向の飛翔を繰り返し、トナーTがクラウド化された状態になる。なお、パルスの周波数が高い領域では、上方高くに飛翔したトナーTは、飛翔している間にパルスが切り替わり、電極11表面に戻る前に再び上方に飛翔する場合もある。
【0026】
トナー制御手段4は、トナーTが通過可能なトナー通過孔(開口)41が複数設けられ、このトナー制御手段4のトナー供給側面(トナー担持体1側の面)のトナー通過孔41周辺にはリング状に制御電極42が設けられ、更にトナー通過孔41に対し制御電極42の外側に絶縁領域を介して複数のトナー通過孔41に共通の共通電極43が設けられている。
【0027】
このトナー制御手段4の制御電極42には制御パスル発生手段6から例えば図3に示すような制御パルスVcが印加される。この場合、トナー通過孔41をトナーTが通過可能な状態(ON状態)にするときには制御電極42に電圧Vc−onが印加され、トナーTが通過不可能な状態(OFF状態)にするときには制御電極42に電圧Vc−offが印加される。また、共通電極43には常時、電源手段7からバイアス電圧Vgが印加される。トナー制御手段4の制御電極42は、トナー通過孔41周囲だけでも動作が可能であるが、トナー通過孔41の内壁面又はトナー通過孔41の内壁面とトナー担持体1側の周囲の両方に設けたものであってもよい。
【0028】
記録媒体3側には、記録媒体3の背面に、トナー制御手段4を通過したトナーTを記録媒体3に付着させるためのバイアス電圧が印加されるバイアス電圧印加手段となる電極手段としての背面電極31が配置され、トナー制御手段4を通過したトナーTを記録媒体3に付着させるため、バイアス電源手段8からのバイアス電圧Vpが印加される。この記録媒体3は、この上に一度画像を形成し、その後、紙に転写する中間転写記録媒体、あるいは、記録紙であってもよい。この記録媒体3に対するバイアス電圧Vpの印加は、例えば記録媒体3の背面側(トナー担持体1と反対側面)に背面電極31を配置し、この背面電極31上面に記録媒体3を通過させる構成、あるいは、中間転写記録媒体であれば内部に電極を埋め込んだ構成(記録媒体側の電極を内部電極とする構成)または中間転写記録媒体の背面に背面電極31を配置した構成とすることができる。
【0029】
ここで、トナー担持体1の表面のトナーをクラウド化する手段として、トナー担持体1表面に設けられた複数の各電極11に平均電位Vsのパルス電圧を印加するとき、隣接する電極11相互の間でトナーTを吸引する方向と反発する方向を交互に繰り返す関係の電圧を印加する2相の電極間ピッチp(又は、n本毎の各電極11にn相の位相電圧を印加するn相の電極間ピッチ)に対し、トナー担持体1の表面とトナー制御手段4のトナー担持体側面(トナー担持体1側の表面の意味)との間の距離d、即ちトナー供給ギャップが大きくなる関係(p<d)でトナー担持体1とトナー制御手段4とを配置している。
【0030】
この理由は、p>dの関係ではトナー担持体1の電極11表面に形成される飛翔電界がトナー制御手段4のトナー担持体1側表面のON/OFF電界と干渉を起こし、後述するトナー制御手段4のループ電界が乱れるためである。そのため、制御電極42表面へのトナー付着の発生が起きやすくなる。p<dの条件においては、制御電極42へトナーが付着することを確実に防止でき、連続したドットを印写しても濃度が変化することなく、良好な画像が得られる。
【0031】
次に、トナー制御手段4の具体的構成の一例について図4を参照して説明する。なお、図4(a)はトナー制御手段4の印写面側の説明図、図4(b)はトナー制御手段4のトナー供給側面の説明図である。
この例は、絶縁基板(基材)45のトナー供給側(トナー担持体側)面に、トナー通過孔41を囲む形で10μm〜100μm幅のリング状の制御電極42を設け、この制御電極42から20μm〜50μmの間隔を置いて、つまり、絶縁基板45で形成される絶縁領域を介して、制御電極42と同一面に、複数のトナー通過孔41に共通のバイアス電圧Vgを印加する共通電極43を設けた構成である。
【0032】
トナー通過孔41は、形成するドット径のサイズで決定するが直径φ30μm〜φ150μmである。制御電極42は個々にトナーTの通過をON、OFF制御するためのドライバ回路(駆動回路)に接続するためのリードパターン42aが接続され、また共通電極43は共通のリードパターン43aに接続されている。また、絶縁基板45の印写面側(記録媒体3側の面)はトナー通過孔41が開口した状態である。
【0033】
このように、トナー制御手段4の共通電極43は、制御電極42の外側を絶縁領域を介してリング状に囲む形状である構成とすることで、記録媒体3側のバイアス電位と制御電極42外側の共通電極43間に形成する電気力を各トナー通過孔独立の電気力線として形成できるため、マルチ駆動(複数のノズル通過孔からトナーを飛翔させる駆動)のときの相互干渉(他のトナー通過孔41の状態を受けること)が発生しない。
【0034】
また、トナー制御手段4の制御電極42と共通電極43を同一面上形成することで、一回の製造プロセスで同時に形成でき、精度よく低コストに電極を作ることができる。
【0035】
また、トナー制御手段4の具体的構成の他の例について図5を参照して説明する。なお、図5(a)はトナー制御手段4の印写面側の説明図、図5(b)はトナー制御手段4のトナー供給側面の説明図である。
この例は、絶縁基板(基材)45のトナー供給側(トナー担持体側)面に、トナー通過孔41を囲む形で10μm〜100μm幅のリング状の制御電極42を設け、この制御電極42から20μm〜50μmの絶縁領域の間隔を置いて複数のトナー通過孔41に共通のバイアス電圧Vgを印加する共通電極43が空いたスペース全体を覆うようにベタ状に設けられた構成としている。
【0036】
このように、トナー制御手段4の共通電極43は、制御電極42の外側に絶縁領域を介してベタ状に設けられている構成、つまり、共通電極43を制御電極42の外側領域全体にわたり形成することで、記録媒体3側のバイアス電位の電界をシールドすることができ、かつ制御電極42へのトナー付着低減、およびトナーの利用効率向上を図れる。
【0037】
このようなトナー制御手段4の具体的製造方法は、絶縁基板45である絶縁性部材として、コスト、製造プロセスの観点から樹脂フィルム、例えば、ポリイミド、PET、PEN、PES等で、厚さは30μm〜100μmのものを使用し、まずフィルム面に0.2μm〜1μmのAl蒸着膜を形成する。次に、フォトリソ工程で、フォトレジストをスピンナで塗布後、プリベーク、マスク露光を行ない、現像した後、フォトレジストの加熱硬化を進めた後、Alエッチング液によるAlのパタンニングを行う。フィルムの裏面にも電極パターンが必要な場合は上記と同様に可能であるが、孔加工用のマスクとして使用するパターンを裏面に形成してもよい。トナー通過孔41となる貫通孔の形成は、パターン形成後プレスによる機械的な加工、または裏面に形成したパターンを利用したエキシマレーザー加工、またはスパッタエッチング加工等のドライエッチング加工によれば、位置ずれの無い高精度な孔加工が可能である。
【0038】
このように構成した直接記録方法の画像形成装置においては、トナー担持体1の電極11に対して平均電位Vsのパルス電圧を印加することによって、トナー担持体1上でトナーTが飛翔してクラウド化され、トナー担持体1の回転又は進行波電界による搬送によってトナーTが搬送される。一方、記録媒体3側の背面電極31にバイアス電圧Vpが印加される。
【0039】
この状態で、トナー制御手段4の共通電極43に対してバイアス電圧Vgを印加し、制御電極42に対してトナーTがトナー通過孔41を通過可能な状態(ON状態)にするときには図3に示すON時の電圧Vc−onを印加し、トナーTがトナー通過孔41を通過不可能な状態(OFF状態)にするときには図3に示すOFF時の電圧Vc−offを印加する。
【0040】
この場合、これらの各電極11,31,42,43に対する電圧をある値に設定することで、トナー制御手段4をトナー担持体1のトナーTが記録媒体3に向かって通過可能な状態にするときに、記録媒体3側とトナー制御手段4の共通電極43との間にトナーの通過を制御する制御電極42を迂回して(跨いで)ループ状に電気力線10が形成される。
【0041】
これにより、トナー担持体1上でクラウド化しているトナーは電気力線10による電界に乗ってトナー制御手段4のトナー通過孔41を通過して記録媒体3上に着弾する。したがって、画像に応じてトナー制御手段4の各トナー通過孔41をON/OFF制御(開閉制御)することで、記録媒体3上に直接トナー画像を形成することができる。そして、記録媒体3側とトナー制御手段4の共通電極43との間にトナーの通過を制御する制御電極42を迂回してループ状に電気力線10が形成されることから、制御電極42やトナー通過孔41周辺へのトナーの付着が低減され、またトナーをクラウド化していることでトナーの利用効率が向上する。
【0042】
次に、上記直接記録方法のトナー制御手段4とトナー担持体1とを用いた本発明のプリンタユニット12について説明する。
【0043】
図1に、側面から見たプリンタユニット12の概略構成図を示す。プリンタユニット12は、主に、トナー担持体1を支持する現像ユニット13と、トナー制御手段4と、トナー制御手段4を取り付けるホルダ14との三つの要素で構成されおり、これら三つの要素は、プリンタユニット12の組み立てや解体が簡単に行えるように、それぞれが互いに着脱自在な関係で一体化されている。
【0044】
本実施例では、トナー担持体1とトナー制御手段4との間の間隔であるトナー供給ギャップを所定の間隔で形成し設定するために、トナー担持体1とトナー制御手段4との相対位置を決めるホルダ14を現像ユニット13とトナー制御手段4との間に介在させている。
【0045】
ホルダ14を用いずに、例えばトナー担持体1を覆うように湾曲させながら直接、現像ユニット13の現像ユニットケース13dにトナー制御手段4を取り付ける方法も考えられるが、上記「発明が解決しようとする課題」で記したような問題が発生し、トナー制御手段4の剛性の低さから、トナー制御手段4の全域にわたってトナー供給ギャップを精度良く設定し維持することが困難となる。また画像形成装置本体の駆動系などからの振動で共振してしまう恐れもあり、ギャップ変動などが危惧される。これらを解決するには、トナー制御手段4を正確な位置で全域にわたってガイドして、トナー制御手段4に所望の面形状を形成しトナー担持体1とトナー制御手段4との間のトナー供給ギャップが所定の間隔となるようトナー担持体1に対するトナー制御手段4の位置決めを行う必要がある。
【0046】
そこで本実施例では、トナー制御手段4に多数開けられたトナー通過孔41の領域を除いたトナー制御手段4のほぼ全域にわたって所望の面形状となるようにガイドするガイド部材としてホルダ14を設けた。このホルダ14を用いれば、上記トナー通過孔41の領域を除いたトナー制御手段4のほぼ全域がホルダ14の側壁で保持されるため、上述したようなトナー制御手段4の低剛性による欠点が解消され、トナー制御手段4のトナー担持体軸方向中央部付近にトナー担持体軸方向でトナー供給ギャップがばらつくような撓みや歪みなども無くなり、トナー担持体1に対して正確な位置でトナー制御手段4に所望な面形状を形成し設定することができる。
【0047】
また、本実施例では、供給ギャップ及び印写ギャップの精度を高いレベルで設定し、それら精度の維持安定性も高いものとするために、トナー担持体1の軸1aまたは図1のようなトナー担持体1の軸受1bをホルダ14の取り付け基準(供給ギャップ設定基準)とすると共に、トナー担持体1の軸1aを中心にホルダ14が角度可変できるようにしている。
【0048】
次に、プリンタユニット12の構成要素について具体的に説明する。
図6は、プリンタユニット12における現像ユニット13の側面図である。本実施例の現像ユニット13は、磁性キャリアと非磁性トナーとから成る二成分現像剤を用いている。なお、現像ユニット13として非磁性トナーから成る一成分現像剤を用いる構成であっても構わない。
【0049】
現像ユニット13は、現像剤が格納される現像ユニットケース13dと、トナーを担持するローラ状のトナー担持体1、現像ユニットケース13d内の現像剤をトナー担持体1に供給するマグローラ13a、現像ユニットケース13d内の現像剤を撹拌する2本の攪拌スクリュ13b、及び、トナー担持体1上のトナーを薄層化するブレード13cなどで構成されており、トナー担持体1、マグローラ13a、攪拌スクリュ13b、及びブレード13cなどは現像ユニットケース13dに収納されて設けられる。
【0050】
トナー担持体1は現像ユニットケース13dの側板13d−1と、この側板13d−1とトナー担持体1などを挟んでトナー担持体軸方向で対向する図6の紙面奥側にある図示しない側板とにより、トナー担持体1の軸1a及び軸1aに付帯された軸受1bを介して回動自在に支持され、図示しないモータに連結されて回転駆動する。そして、永久磁石が内包されたマグローラ13aによって現像剤をトナー担持体1と対向する位置まで搬送し、そこでトナーの一部にバイアスが印加され、そのバイアス電位によってトナー担持体1にマグローラ13aからトナーが転移する。トナー担持体1に転移されたトナーは、上述した方法などによってクラウド状態となり、トナー担持体1の回転によってブレード13cで薄層化され、トナー制御手段4と対向する位置へと運ばれる。そして、上述したような方法によって、トナー担持体1上でクラウド化しているトナーを電界に乗せてトナー制御手段4のトナー通過孔41を通過させ図示しない記録媒体上に着弾させ印写する。
【0051】
トナー担持体1上の印写に用いられなかったトナーは、トナー担持体1の回転により再びマグローラ13aに戻ってくるようになっている。クラウド状態のトナーのトナー担持体1の表面に対する付着力は非常に低いので、印写されずマグローラ13aとの対向位置まで戻ってきたトナー担持体1上のトナーは、マグローラ13aの回転に追随した現像剤の穂によって容易に掻き取られたり均されたりする。これを繰り返すことによって、トナー担持体1上には常にほぼ一定量のトナーがクラウド状態で担持される。
【0052】
また、現像ユニット13の現像ユニットケース13dは、トナー担持体1が支持されている側(図の右側面)が開口しており、その開口からトナー担持体1を現像ユニットケース13dの外部に露出させる構成としている。これは、トナー担持体1の組み立て性や単独交換を考慮したためであり、簡単に現像ユニット13から着脱できるようにしている。現像ユニット13に対するトナー担持体1の着脱は、トナー担持体1の軸に付帯された軸受1bを現像ユニットケース13dに対して取り付けや取り外しを行うだけで良く、側板13d−1のトナー担持体1を支持している部分に設けた切り欠き13d−2を通してトナー担持体1の軸1aの挿入や取出しなどを行う。
【0053】
現像ユニットケース13dのトナー担持体1が支持され露出している開口側の面(図の右側面)は、トナー担持体1を覆うように取り付けられるホルダ14がその開口側の面の蓋の役割を果たすので、現像ユニットケース13dの開口側の面からトナーのこぼれや飛散等の心配はない。また、ホルダ14を現像ユニットケース13dに取り付けたときに、現像ユニットケース13dとホルダ14との隙間からトナーが漏れ出すのを防ぐためのシール部材13e,13fが現像ユニットケース13dに設けられている。また、現像ユニットケース13dの側板13d−1(図の奥側の側板も含む)にはホルダ14を現像ユニットケース13dにネジで締結するための、トナー担持体1の軸1aを中心とする曲率を有した長孔13gがあけられている。
【0054】
図7(a)はホルダ14の側面図、図7(b)はその正面図(一部)である。図7(a)及び図7(b)を用いてホルダ14を説明する。ホルダ14は、ホルダ14を現像ユニット13に取り付けた時に、トナー制御手段4(トナー通過孔41列)がトナー担持体1と対向して、所定の供給ギャップを形成し設定できるようにするものである。ホルダ14の図7(a)中右側の側面部14aは、トナー制御手段4の位置決めや面形状(湾曲形状)を形成するためなどに、トナー制御手段4のほぼ全域をガイドする部分であり、トナー制御手段4はホルダ14の側面部14aに密着するように取り付けられる。
【0055】
ホルダ14の内側空間は、トナー担持体1が余裕をもって入り込むように大きな空間を有している。この空間は、ホルダ14の着脱時や角度可変時などにトナー担持体1を傷つけないようにするためと、ホルダ14を現像ユニット13に取り付けてトナー担持体1を回動させたときに、狭空間だと気流によるトナー飛散を起こすので、それを防ぐためでもある。
【0056】
また、側面部14aのトナー担持体1とトナー制御手段4とがホルダ14を介して対向する位置には、側面部14aと内側空間とを貫通する開口部14cが、トナー通過孔41列の孔列領域より僅かに広い大きさの形状寸法で開けられている。トナー担持体1からトナー制御手段4(トナー通過孔41列)へのトナー飛翔は開口部14cを介して行われる。なお、開口部14cの開口面積はできるだけ広くしないほうが良い。その理由は、側面部14aによるガイドがない部分ではトナー制御手段4に撓みや歪み、振動などが発生する恐れがあり、それを防ぐには側面部14aによってトナー制御手段4を広範囲にわたってガイドできるようにトナー飛翔機能を妨げない程度に開口部14cの開口面積を狭くした方が良いからである。
【0057】
以上のようにホルダ14を構成することにより、トナー制御手段4は正確な位置で所望な面形状を形成し設定することができる。
【0058】
また、図7(a)中手前側の側面部14dには、トナー担持体1の軸受1bと嵌合する、凸部14eで囲まれた『U』字状の切り欠き14d−1が設けられている。軸受1bと切り欠き14d−1との嵌合関係は、ホルダ14の図7(a)中の上下方向と左右方向(左右方向の位置決めは右側のみ)であり、軸受1bの中心位置、即ちトナー担持体1の回転軸中心の位置と切り欠き14d−1の中心位置4d−2とが重なるようにしている。つまり、この位置が現像ユニット13(トナー担持体1)に対するホルダ14の取り付け基準(供給ギャップ設定基準)であり、ホルダ14の角度可変中心となる。軸受1bを『U』字の切り欠き14d−1の突き当たりまで嵌入させ、その状態でトナー担持体1の軸1aを中心にホルダ14を角度可変することで、現像ユニット13(トナー担持体1)に対するトナー制御手段4(トナー通過孔41列)の最適な位置と角度の設定を行うことができる。
【0059】
また、前述したようにホルダ14は現像ユニット13の開口側の面(図6の右側面)の蓋の役割を果たすように現像ユニット13に取り付けられる。現像ユニットケース13dの両側の側板13d−1のトナー担持体1を支持している部分の側面部外側にホルダ14の手前と奥それぞれにある側面部内側が接触しながら装着される。これで、現像ユニット13に対するホルダ14のトナー担持体回転軸方向の位置が決まる。また、ホルダ14の位置と角度の設定後に2箇所のネジ穴14fと現像ユニット13の2箇所の長孔13gとにネジなどを通して締結し、現像ユニット13にホルダ14を固定することも可能である。
【0060】
ここで、最近の環境保護の観点から、画像形成装置本体や部品などの再利用は、メーカーの責務となっている。特に交換頻度の多い現像部をはじめとするプロセスカートリッジやプリンタユニット12など消耗部品の環境への影響は大きく、多くのメーカーが再利用しやすいユニットや部品の構成、形状、ビジネスモデルを研究開発している。つまり、再利用も考慮した組み立て性や解体性などの良いプリンタユニット12などが望まれている。
【0061】
ホルダ14へのトナー制御手段4の取り付けは、例えば図7(b)に示すように、ホルダ14の側面部14aのトナー担持体軸方向両端近辺に、側面部14aに対するトナー制御手段4の位置決めの基準となる基準ピン14gを設け、トナー制御手段4に開けられた基準ピン14gに嵌合する孔を側面部14aにトナー制御手段4を取り付ける際に基準ピン14gに嵌合させて側面部14aに対するトナー制御手段4の位置決めを行ない、このように位置決めした後、接着材や粘着材(両面テープも含む)などで側面部14aにトナー制御手段4を貼り付けるなどの方法で行う。
【0062】
また、本実施例では図1に示すように、トナー制御手段4の端部にはトナー制御手段4を駆動制御する電装基材4aが一体的に接続されている。この電装基材4aは現像ユニットケース13dの側面に取り付ける。なお、トナー制御手段4の交換や再利用が必要な場合は、ホルダ14からトナー制御手段4を容易に着脱できなければならないので、側面部14aに対してトナー制御手段4を位置決めした後、トナー制御手段4の両端の電装基材4aそれぞれをバネ等でトナー担持体軸方向に直交しホルダ14が取り付けられる現像ユニットケース13dの開放側面とは反対側(図1の左方向)に向かって引っ張ってトナー制御手段4にテンションを与えて、ホルダ14にトナー制御手段4を密着させながら電装基材4aを現像ユニットケース13dに取り付けるなどの方法を採るのが望ましい。
【0063】
また、万が一、トナー制御手段4をホルダ14に取り付けても撓みや歪みが発生して所望の面形状が形成できない場合には、電気的不具合(ショートやリークなど)を注意しながら薄板のステンレ鋼板などの補強材をトナー制御手段4またはホルダ14に貼付けても良い。
【0064】
ここで、現像ユニット13にトナー担持体1を支持し且つホルダ14と嵌合していた軸受1bを、ホルダ14と嵌合する軸受と、現像ユニット13にトナー担持体1を支持する軸受との二つの軸受に分割しても良い。つまり、現像ユニット13に対してトナー担持体1を回転自在に支持する軸受とは別体で、トナー担持体1に対しホルダ14を高精度に位置決めする際の基準となる軸受を設けている。
【0065】
通常、現像部に用いられる軸受は絶縁特性やコスト面などから樹脂製のスベリ軸受が一般的であり、トナー担持体1自体も回転精度を問題にしないのでスベリ軸受でも構わなかった。ところが、本実施例では軸受を基準にホルダ14の位置、すなわち、トナー制御手段4の位置を決めるので、トナー供給ギャップが数十μmの場合は、その軸受精度が問題となってくる。そこで、ホルダ14と嵌合する軸受はトナー担持体1を支持する軸受とは別体の精度の良い軸受とし、例えば転がり玉軸受などの高精度な軸受を用いることにより軸受精度の問題が生じるのを抑制できる。
【0066】
図8は転写媒体として中間転写ベルト20を用いたフルカラー画像を形成する画像形成装置の画像形成部の構成を示す概略側面図である。トナーのクラウド化とトナー制御手段4によるトナー通過ON/OFF制御を行う実施形態1のプリンタユニット12により中間転写ベルト20にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト20の1回転中に中間転写ベルト20上で色毎に順次に重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置である。中間転写ベルト20上で各色のトナー像を直接重ね合わせるので、感光体と中間転写体を用いた電子写真方式の画像形成装置よりも位置ずれを少なくすることができる。
【0067】
画像形成部において、トナー像担持体としての中間転写ベルト20が駆動ローラ21、テンションローラ22、転写対向ローラ23、トナー制御に用いる中間転写ベルト20側の電極(背面電極)である対向ローラ24などによって展張されて、本実施形態の場合は縦長に略垂直配置されている。
【0068】
中間転写ベルト20は駆動ローラ21と連結された図示しないモータよって図中反時計周回り方向に回動される。中間転写ベルト20の展張表面の左側には、同じ構成で収納される現像剤の色がそれぞれ異なる各色のプリンタユニット12が四つ積み重なるようにして中間転写ベルト20の移動方向に沿って間隔を置いて順次配置されている。
【0069】
各プリンタユニット12は装置本体に対して横置きで、中間転写ベルト20を挟んで各色の対応した対向ローラ24とそれぞれ対向し、プリンタユニット12のトナー制御手段4が中間転写ベルト20に対して印写ギャップと言われる所定間隔(数百μm)だけ離れて設置されている。なお、その位置を印写位置としている。
【0070】
また、中間転写ベルト20を挟んで転写対向ローラ23と転写部を形成する転写ローラ27や、中間転写ベルト20のループ内側で駆動ローラ21と転写対向ローラ23との間に画像形成動作の基準信号を生成するためのマークセンサ25などが配置されている。
【0071】
中間転写ベルト20よりも下方には、中間転写ベルト20を挟んで転写ローラ27と転写対向ローラ23とで形成される転写部に対して用紙搬送方向が斜めになるよう、上記転写部の搬入側に給紙ローラ28やレジストローラ対29などから成る給紙搬送部30が、上記転写部の搬出側に定着装置32が配置されている。また、画像形成装置本体には回転軸33が設けられており、プリンタユニット12や給紙搬送部30などを装置本体内に残して装置本体に対し中間転写ベルト20や転写部や定着装置32などを一体的に離間させることができる。
【0072】
各プリンタユニット12には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色トナーが格納されており、各プリンタユニット12において、トナー担持体1によりクラウド化されトナー制御手段4と対向する位置へと運ばれたトナーは、トナー制御手段4のトナー通過孔41位置で、制御電極42のトナー通過ON/OFFの制御電界により選択的に中間転写ベルト20上に飛翔される。そして、4色のトナー像が重ね合わさるように中間転写ベルト20上に各色トナー像が形成され、重ね合わされたトナー像は中間転写ベルト20の回転によって転写部に送られる。
【0073】
一方、上述したような印写や作像動作などに同期して給紙搬送部30で用紙搬送シーケンスが動作し、給紙ローラ28やレジストローラ対29などにより用紙が搬送され、中間転写ベルト20の表面に沿うように接触する。そして転写部でトナー像と用紙が合わさり、転写ローラ27のバイアス印加により中間転写ベルト20上の4色トナー像が一括して用紙に転写される。転写後の用紙は、図示しない除電針などにより中間転写ベルト20から剥離され、定着装置32に送られ用紙上にトナー像が定着される。転写後に中間転写ベルト20に残留した残トナーは、クリーニング手段26でクリーニングされ、中間転写ベルト20は次の画像形成に備える。
【0074】
本実施形態の画像形成装置では、プリンタユニット12により中間転写ベルト20上に4色のトナー像を重ね合わせて形成し、中間転写ベルト20の1回転でカラー画像を出力するので、高品位なカラー画像を高速で出力することができ、しかも、画像形成装置の小型化が可能となる。
【0075】
なお、本実施形態では中間転写ベルト20を用いた画像形成装置にプリンタユニット12を搭載した形態で説明したが、本発明はそれに限定されることはない。例えば、中間転写ベルト20などの中間転写媒体を用いずに直接、プリンタユニット12から用紙上に各色のトナーを印写するタイプの画像形成装置でも構わない。例えば、複数のローラによって張架された用紙搬送ベルトの表面に担持されて搬送される用紙上に直接、各色のプリンタユニット12から各色のトナーを印写するタイプの画像形成装置でも良い。
【0076】
ここで、複数のローラによって張架された中間転写ベルト20には、中間転写ベルト回転方向に沿ったシワが生じる場合がある。トナー制御手段4と中間転写ベルト20との間隔は数百μmから1mm程度で規制されるため、中間転写ベルト20に生じたシワによりトナー制御手段4と中間転写ベルト20との間隔が狭まり、トナー制御手段4と中間転写ベルト20とが接触してしまいトナー画像を乱すことがある。トナー制御手段4と中間転写ベルト20とが接触しないまでも、トナー制御手段4と中間転写ベルト20との位置関係が変わりトナー制御手段4と中間転写ベルト20との間隔が変動してしまいトナー画像が乱れることがある。このような不具合が生じるのを回避するためには、中間転写ベルト20を張架するローラへの中間転写ベルト20の巻きつき量を増やすことで中間転写ベルト20に上述したようなシワが生じるのを抑えることができる。ところが、この場合、プリンタユニット本体に対するホルダ14及びトナー制御手段4の最適な位置が、色毎に異なってしまう。そこで、本実施形態では、簡易な構成によりホルダ14及びトナー制御手段4の位置を画像形成に最適な位置に設置できるようにしている。
【0077】
図9は装置を断面方向から見たものであり、図10はトナー制御手段4を中間転写ベルト20を張架する対向ローラ24側から見た平面図である。トナー制御手段4の最適な設置位置は、トナー担持体1と対向ローラ24との軸中心を結んだ直線に対して、トナー制御手段4に形成された複数のトナー通過孔41の分布中央面が直交する位置である。
【0078】
上述したような中間転写ベルトに生じ得るシワについては、図9に示すように中間転写ベルト20を張架する対向ローラ24への中間転写ベルト20の巻きつき量を増やすことで抑えることができる。
【0079】
トナー制御手段4には、トナーを飛翔させるトナー通過孔41が図10に示すように8列千鳥配置で設けられており、作像の流れ方向(トナー担持体軸方向に直交する方向)に対するトナー通過孔41の端から端までの分布距離が2mmから3mmとなっている。このトナー通過孔41の分布領域に対してできるだけ中間転写ベルト20の対向ローラ24への巻きつき領域を大きく取ることが望ましい。なお、トナー制御手段4に設けられたトナー通過孔41の分布は、すべてのトナー通過孔41がホルダ14の開口部14cの開口内に収まるようにする。
【0080】
中間転写ベルト20を介して各色のプリンタユニット12に対向する対向ローラ24に対して中間転写ベルト20の巻きつき領域を増やすと、図8に示すように中間転写ベルト20は少なくとも5つの辺からなる構成となる。また、このような構成により、各プリンタユニット12のトナー制御手段4の最適な設置角度が異なることになる。そのため、トナー制御手段4を最適な位置に設定するには、ホルダ14の位置を規定すれば良い。
【0081】
そこで、本実施形態では、プリンタユニット12の設置時にトナー制御手段4が最適な位置になるよう、図1に示すように、ホルダ14をトナー担持体1の軸1aを中心に回転できる構成としている。また、図11に示すように、トナー担持体1の回転方向に対して上流側と下流側とには、トナーが外に漏れるのを防止するためのシール部材が設けられている。ホルダ14はプリンタユニット12に対して回転自在であるが、ホルダ14の回転の限界位置は、ホルダ14の開口部14cがトナー担持体1上の上流側と下流側とのシール部材に囲まれた領域内に収まるように設定される。また、トナー担持体1の軸を中心に回転するホルダ14の回転に合わせて電装基材4aがプリンタユニット12の側面に沿って自由に移動できるようにしておく。
【0082】
ここで、各色のプリンタユニット12でトナー制御手段4を最適な位置に容易に設置できるよう、ホルダ14には図12に示すように装置本体側に向かって凹形状140aを持った突出部140を設けると良い。
【0083】
プリンタユニット12は、図8の水平方向に図中左から図中右に沿った図示しないレールもしくは溝にそって挿入され、プリンタユニット12の交換性が容易となっている。プリンタユニット12は、装置本体への挿入後に装置本体の図示しない外装カバーを閉じることで、後ろから外装カバーに設けられた図示しないバネなどにより押圧される構成になっており、それによりプリンタユニット12が装置本体内で中間転写ベルト側に押し付けられる。その際に、図13に示すように、ホルダ14の突出部140が装置本体側の対向ローラ24の軸24aと噛み合い、突き当たることでトナー担持体1の軸1aを中心にホルダ14が回転して位置が決まり、各色のプリンタユニット12ごとでトナー制御手段4と中間転写ベルト20との間の距離が画像形成に最適な距離となるような位置関係で最適に規制される。
【0084】
また、対向ローラ24の軸24aにベアリングを取り付け、そのベアリングに対してホルダ14の突出部140が突き当たる構成にした方が、対向ローラ24の回転によるホルダ14の突出部140との摩擦を押さえることができるのでより望ましい。
【0085】
以上、本実施形態によれば、トナーを収納する筐体である現像ユニットケース13dと、現像ユニットケース13dに回転自在に軸支され現像ユニットケース13dに形成された開口から現像ユニットケース13d外部に臨み現像ユニットケース13内に収容されたトナーを担持するトナー担持体1と、トナー担持体軸方向に沿って複数の孔であるトナー通過孔41が列をなした孔列が形成され、所定の間隔をあけてトナー担持体1に対向するように配設されたシート状の孔形成部材であるトナー制御手段4と、複数のトナー通過孔41それぞれに対応させてトナー通過孔41に設けられ、トナー担持体1からトナーを選択的にトナー通過孔41に向かって飛翔させるような電界を形成するための複数の飛翔電極である制御電極42と、トナー担持体1を覆うように現像ユニットケース13dに設けられ、少なくともトナー制御電極4に形成された上記孔列と対向する箇所に開口部14cが形成された自身の側壁でトナー制御手段4をトナー担持体軸方向にわたって保持し、トナー担持体1とトナー制御手段4との相対位置が所定の位置関係になるようトナー担持体1に対するトナー制御手段4の位置決めをする位置決め部材であるホルダ14とを備え、画像情報に基づいて上記飛翔電界の形成によって上記トナー担持体から選択的に飛翔させ上記孔を通過したトナーを、上記孔形成部材を介して上記トナー担持体に対向するように画像形成装置内に配設され上記トナー担持体から飛翔したトナーを引き寄せるような電界を形成するための対向電極である背面電極31に巻き付いて当接した記録部材上に付着させて画像を形成する画像形成装置に用いられる作像装置において、ホルダ14は、トナー担持体1の回転軸である軸1aを中心に現像ユニットケース13dに対して回動可能である。これにより、上述したように、供給ギャップと共に、印写ギャップの高精度設定や維持などが可能となるので、高品質な画像を影響することができる。また、プリンタユニット12の配置姿勢を所望な姿勢に設定することができるようになる。
また、本実施形態によれば、ホルダ14は、自身単体で現像ユニットケース13dに対し着脱可能またはトナー制御手段4の絶縁基板45が上記側壁に沿って配設された状態で現像ユニットケース13dに対し着脱可能に構成されており、現像ユニットケース13dに対してホルダ14を装着した際に、トナー担持体1の軸1aまたはトナー担持体1の軸1aを受ける軸受部材に設けられた係合部とホルダ14に設けられた被係合部とが係合することで、現像ユニットケース13dに対するホルダ14の位置決めがなされるように構成したことで、ホルダ14によってトナー担持体1とトナー通過孔41との相対位置が所定の位置関係となるように位置決め可能にしつつ、プリンタユニット12の構成部品の着脱交換や再利用などが可能となる。
また、本実施形態によれば、トナー担持体1の軸1aを受ける軸受部材として玉軸受を用いることで、上述したように着脱可能なトナー担持体1とホルダ14との位置関係を高精度に定めることができるので、トナー供給ギャップを高精度に設定し維持することが可能となる。
また、本実施形態によれば、現像ユニットケース13dに形成された開口のトナー担持体回転方向上流側及び下流側それぞれに、前記開口からトナーが漏れ出すことを抑えるシール部材を有し、それらシール部材で構成される前記開口のトナー担持体回転方向の開口の幅が、ホルダ14の開口部14cのトナー担持体回転方向の開口の幅よりも広いことで、トナー制御手段4に対して常にトナー担持体1上のトナーが対向するように維持できる。
また、本実施形態によれば、シール部材で構成される前記開口のトナー担持体回転方向の開口幅の大きさが、ホルダ14をトナー担持体1の軸1aを中心に現像ユニットケース13dに対して回動させた際にホルダ14の開口部14cがトナー担持体回転方向で移動可能な範囲よりも広いことで、トナー制御手段4に対して常にトナー担持体1上のトナーが対向するように維持できる。
また、本実施形態によれば、ホルダ14には自身の側壁に取り付けられたトナー制御手段4の表面よりも外側に突出した突出部140が形成されていることで、画像形成装置本体側に対して画像形成に最適な距離となるような適切な位置にトナー制御手段4を設置することができる。
また、本実施形態によれば、ホルダ14の突出部140が画像形成装置本体側に設けられた部材である対向ローラ24の軸24aに対して押し付けられることにより、画像形成装置本体側に対するトナー制御手段の位置決めがなされることで、画像形成装置本体側に対して画像形成に最適な距離となるような適切な位置に設置することができる。
また、本実施形態によれば、ホルダ14の突出部140を押し付ける画像形成装置本体側の部材が、ベルト部材である中間転写ベルト20を張架して支持する支持ローラである対向ローラ24の回転軸である軸24aであることで、中間転写ベルト20に対してトナー制御手段4を画像形成に最適な距離となるような適切な位置に設置することができる。
また、本実施形態によれば、トナーを収納する筐体である現像ユニットケース13dと、現像ユニットケース13dに軸支され現像ユニットケース13dに形成された開口から現像ユニットケース13d外部に臨み現像ユニットケース13d内に収容されたトナーを担持するトナー担持体1と、複数の孔であるトナー通過孔41が形成され、所定の間隔をあけてトナー担持体1に対向するように配設されたシート状の孔形成部材であるトナー制御手段4と、複数のトナー通過孔41それぞれに対応させてトナー制御手段4に設けられ、トナー担持体1からトナーを選択的にトナー通過孔41に向かって飛翔させるような電界を形成するための複数の飛翔電極である制御電極42と、からなる作像手段と、トナー制御手段4を介してトナー担持体1に対向するように配設され、トナー担持体1から飛翔したトナーを引き寄せるような電界を形成するための対向電極である背面電極31とを備え、画像情報に基づいて、前記飛翔電界の形成によってトナー担持体1から選択的に飛翔させたトナーを、トナー通過孔41を通して背面電極31側に移行させた後、記録部材上に付着させて画像を形成する画像形成装置において、前記作像手段として、本発明のプリンタユニット12を用いたことで、供給ギャップ設定と共に、最適な印写ギャップ設定、すなわち、記録媒体に対するトナー制御手段4(トナー通過孔41)の最適な位置と角度の設定を行うことのできるプリンタユニット12を搭載するので、高品質な画像の形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 トナー担持体
1a 軸
1b 軸受
3 記録媒体
4 トナー制御手段
4a 電装基材
4d 中心位置
5 電圧印加手段
6 制御パスル発生手段
7 電源手段
8 バイアス電源手段
10 電気力線
11 電極
12 プリンタユニット
13 現像ユニット
13a マグローラ
13b 攪拌スクリュ
13c ブレード
13d 現像ユニットケース
13e シール部材
13f シール部材
13g 長孔
14 ホルダ
14a 側面部
14c 開口部
14d 側面部
14e 凸部
14f ネジ穴
14g 基準ピン
20 中間転写ベルト
21 駆動ローラ
22 テンションローラ
23 転写対向ローラ
24 対向ローラ
24a 軸
25 マークセンサ
26 クリーニング手段
27 転写ローラ
28 給紙ローラ
29 レジストローラ対
30 給紙搬送部
31 背面電極
32 定着装置
33 回転軸
41 トナー通過孔
42 制御電極
42a リードパターン
43a リードパターン
43 共通電極
45 絶縁基板
104 孔形成部材
120 作像装置
140 突出部
140a 凹形状
200 中間転写ベルト
240 対向電極
501 トナー担持体
502 孔
504 飛翔電極
506 対向電極
507 記録紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特許第2910019号公報
【特許文献2】WO01/032432号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収納する筐体と、
該筐体に回転自在に軸支され該筐体に形成された開口から筐体外部に臨み該筐体内に収容されたトナーを担持するトナー担持体と、
トナー担持体軸方向に沿って複数の孔が列をなした孔列が形成され、所定の間隔をあけて該トナー担持体に対向するように配設されたシート状の孔形成部材と、
該複数の孔それぞれに対応させて該孔形成部材に設けられ、該トナー担持体からトナーを選択的に該孔に向かって飛翔させるような電界を形成するための複数の飛翔電極と、
該トナー担持体を覆うように該筐体に設けられ、少なくとも該孔形成部材に形成された該孔列と対向する箇所に開口部が形成された自身の側壁で該孔形成部材をトナー担持体軸方向にわたって保持し、該トナー担持体と該孔形成部材との相対位置が所定の位置関係になるよう該トナー担持体に対する該孔形成部材の位置決めをする位置決め部材とを備え、
画像情報に基づいて該飛翔電界の形成によって該トナー担持体から選択的に飛翔させ該孔を通過したトナーを、該孔形成部材を介して該トナー担持体に対向するように画像形成装置内に配設され該トナー担持体から飛翔したトナーを引き寄せるような電界を形成するための対向電極に巻き付いて当接した記録部材上に付着させて画像を形成する画像形成装置に用いられる作像装置において、
前記位置決め部材は、前記トナー担持体の回転軸を中心に前記筐体に対して回動可能であることを特徴とする作像装置。
【請求項2】
請求項1の作像装置において、
上記位置決め部材は、自身単体で上記筐体に対し着脱可能または上記孔形成部材が上記側壁に沿って配設された状態で該筐体に対し着脱可能に構成されており、
該筐体に対して該位置決め部材を装着した際に、上記トナー担持体の軸または該トナー担持体の軸を受ける軸受部材に設けられた係合部と該位置決め部材に設けられた被係合部とが係合することで、該筐体に対する該位置決め部材の位置決めがなされるように構成したことを特徴とする作像装置。
【請求項3】
請求項2の作像装置において、
上記トナー担持体の軸を受ける軸受部材として玉軸受を用いることを特徴とする作像装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の作像装置において、
上記筐体に形成された上記開口のトナー担持体回転方向上流側及び下流側それぞれに、前記開口からトナーが漏れ出すことを抑えるシール部材を有し、それらシール部材で構成される前記開口のトナー担持体回転方向の開口の幅が、上記位置決め部材の上記開口部のトナー担持体回転方向の開口の幅よりも広いことを特徴とする作像装置。
【請求項5】
請求項4の作像装置において、
上記シール部材で構成される上記開口のトナー担持体回転方向の開口の幅の大きさは、上記位置決め部材を上記トナー担持体の回転軸を中心に上記筐体に対して回動させた際に該位置決め部材の開口部がトナー担持体回転方向で移動可能な範囲よりも広いことを特徴とする作像装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の作像装置において、
上記位置決め部材には自身の側壁に取り付けられた上記孔形成部材の表面よりも外側に突出した突出部が形成されていることを特徴とする作像装置。
【請求項7】
請求項6の作像装置において、
上記位置決め部材の上記突出部が画像形成装置本体側に設けられた部材に対して押し付けられることにより、画像形成装置本体側に対する上記孔形成部材の位置決めがなされることを特徴とする作像装置。
【請求項8】
請求項7の作像装置において、
上記画像形成装置本体側の部材が、ベルト部材を張架して支持する支持ローラの回転軸であることを特徴とする作像装置。
【請求項9】
トナーを収納する筐体と、
該筐体に軸支され該筐体に形成された開口から筐体外部に臨み該筐体内に収容されたトナーを担持するトナー担持体と、
複数の孔が形成され、所定の間隔をあけて該トナー担持体に対向するように配設されたシート状の孔形成部材と、
該複数の孔それぞれに対応させて該孔形成部材に設けられ、該トナー担持体からトナーを選択的に該孔に向かって飛翔させるような電界を形成するための複数の飛翔電極と、からなる作像手段と、
該孔形成部材を介して該トナー担持体に対向するように配設され、該トナー担持体から飛翔したトナーを引き寄せるような電界を形成するための対向電極とを備え、
画像情報に基づいて、該飛翔電界の形成によって該トナー担持体から選択的に飛翔させたトナーを、該孔を通して該対向電極側に移行させた後、記録部材上に付着させて画像を形成する画像形成装置において、
前記作像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の作像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−145618(P2011−145618A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8425(P2010−8425)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】