説明

作業機械

【課題】伸縮アームを備えた作業アタッチメントで掘削作業とクレーン作業とを選択することができるようにする。
【解決手段】掘削を行なう通常作業モードと、吊りフックによって吊り作業を行なうクレーン作業モードとに切り換え可能に構成された作業機械において、クレーン作業モードにおいてアーム7の伸縮をロックするアームロックピン18と、このアームロックピン18によってアーム7がロックされたことを検知する近接センサと、表示器と、近接センサによってアーム7のロックが検知されたときにその表示器に実荷重、定格荷重等を表示させるコントローラとを備えてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削作業とクレーン作業とを適宜選択することができる作業機械に関し、特にその作業アタッチメントに伸縮自在なアームが備えられている作業機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧ショベルの作業アタッチメントは、一般にブーム、アーム、バケットから構成されているが、アームを伸縮させることのできるものが知られている。
【0003】
図6はその伸縮アームを備えた作業アタッチメント50を示したものである。
【0004】
同図において、伸縮アーム51は、ブーム52の先端部に連結される下側アーム53と、この下側アーム53上でスライド移動する上側アーム54とから構成されており、上側アーム54の先端部にバケット55が連結されている。
【0005】
この伸縮アーム51を備えた作業アタッチメント50を用いれば、掘削作業において作業半径を水平方向に拡大したり、また、従来のアームに比べ深堀りができるようになる。
【0006】
一方、図7に示すように、作業アタッチメント60に吊りフック61を設け、クレーン作業が行なえるようにした油圧ショベルも知られている。
【0007】
この場合の作業アタッチメント60は、ブーム62と、伸縮機能を備えていないアーム63と、バケット64とから主として構成されている。
【0008】
掘削作業時にはバケット64とバケットシリンダ65との間に介設されるバケットリンク66に吊りフック61を格納しており、クレーン作業を行なう場合には、吊りフック61をバケットリンク66に固定している連結ピンを取り外して吊りフック61を垂下させるようになっている。このとき、バケット64は最大に引き込まれ、吊りフック61と干渉しない位置に退避される。
【0009】
この状態で、アーム63を起こすか、またはブーム62を起こすか、或いは両者を複合操作することにより、油圧ショベルをクレーンとして操作することができるようになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記した従来の油圧ショベルでは、伸縮アームを備えた作業アタッチメントではクレーン作業を行なうことができないという不都合がある。
【0011】
また、吊りフックを備えた作業アタッチメントではクレーン作業と掘削作業とを適宜選択することはできるものの、掘削作業では伸縮アームを備えた作業アタッチメントのように作業半径を拡大したり、深堀りすることができないという不都合がある。
【0012】
このように、伸縮アームと吊りフックの双方を備えた作業アタッチメントが存在しないのは、アームが任意に伸縮する作業アタッチメントではクレーン作業を行なう場合に定格荷重が変動してしまい機体の安定性が確保できなくなる虞れがあるからである。
【0013】
本発明は以上のような従来の油圧ショベルにおける課題を考慮してなされたものであり、伸縮アームを備えた作業アタッチメントで掘削作業とクレーン作業とを選択して行なうことのできる作業機械を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、ベースマシンと、このベースマシンに基端が取り付けられたブームとこのブームの先端に取り付けられた伸縮自在なアームとこのアームの先端に取り付けられた作業装置とを有する作業アタッチメントと、この作業アタッチメントに設けられた吊りフックとを備え、上記作業装置によって掘削等の通常作業を行なう通常作業モードと、上記吊りフックによって吊り作業を行なうクレーン作業モードとに切り換え可能に構成された作業機械において、最縮状態にある上記アームの伸縮動作をロックするアームロック手段を備え、このアームロック手段によって上記アームの伸縮動作がロックされることにより、上記クレーン作業モードに切り換えられることを特徴とする作業機械である。
【0015】
本発明に従えば、クレーン作業を行なう場合に最縮状態にあるアームの伸縮をロックすることができるため、オペレータが誤ってアーム伸縮のレバー操作を行なってもアームが伸縮動作せず、クレーン作業において吊り能力の変化することが防止できる。
【0016】
本発明において、上記アームロック手段による上記アームの伸縮動作のロックが解除されることにより、上記通常作業モードに切り換えられる構成とすることができる。
【0017】
本発明において、アームは、固定アームと、この固定アームにスライド自在に挿入された可動アームによってテレスコピック状に伸縮自在に構成され、アームロック手段は、固定アームと可動アームとに設けられたロックピン穴と、この固定、可動両アームのロックピン穴に跨がって挿入されるアームロックピンによって構成することができる。
【0018】
本発明において、吊りフックは、作業アタッチメントに対して格納、張り出し可能に取り付けられ、アームロックピンによってこの吊りフックを格納固定し得るように構成することができる。
【0019】
このように、掘削作業時はバケットに吊りフックを格納した状態でその吊りフックを固定しておりクレーン作業時に取り外されるピンをアームロックピンとして使用すれば、掘削作業からクレーン作業への切り換えが確実に行なえ操作ミスを解消することができる。また、ピンの紛失も防止することができる。
【0020】
本発明において、作業機械には、アームの伸縮動作がロックされたことを検知するロック検知手段と、このロック検知手段によってアームのロックが検知されたときに、クレーン作業時の実荷重、許容吊り荷重等の作業状態を表示する表示器を作動させる制御手段とを備えることができる。
【0021】
本発明に従えば、アームがロックされたときにクレーン作業に必要な実荷重、許容吊り荷重が表示器に表示されるため、クレーン作業への切り換えが確実に行なわれたかどうかを確認することができる。
【0022】
本発明において、上記作業機械が、上記アームの伸縮動作がロックされたことを検知するロック検知手段と、このロック検知手段によって上記アームのロックが検知されたときに、クレーン作業時の実荷重、許容吊り荷重等の作業状態を表示する表示器を作動させる制御手段とを備え、上記ロック検知手段として、上記アームロックピンが固定、可動両アームのロックピン穴に跨がって挿入されたことを検知するセンサを用いることができる。このセンサとしては、近接スイッチ等の非接触式センサで構成することが好ましいが、リミットスイッチ等の接触式センサで構成してもよい。
【0023】
本発明において、アームロック手段は、上記アームを伸縮させるアームシリンダの駆動回路をロックするように構成することもできる。
【0024】
この構成では、作業機械に、アームの伸縮量を検出するアーム長さ検出手段と、このアーム長さ検出手段によって検出されたアーム長さに応じて変化する許容吊り荷重を実荷重と比較し、実荷重が許容吊り荷重を超えるときに上記アームシリンダの駆動回路をロックする過負荷防止手段とを備えることができる。
【0025】
この構成に従えば、許容吊り荷重値が実荷重値を超える場合にアームがロックされるため、吊り荷重値が実荷重値を超えない範囲ではアームを任意に伸縮させてクレーン作業を行なうことができる。それにより、クレーン作業時に、伸縮アームを作動させて水平引き込みを行なったり、また、水平挿入を行なったりすることができるようになり、クレーン作業性を大幅に向上させることができる。
【0026】
さらに、本発明は、ベースマシンと、このベースマシンに基端が取り付けられたブームとこのブームの先端に取り付けられた伸縮自在なアームとこのアームの先端に取り付けられた作業装置とを有する作業アタッチメントと、この作業アタッチメントに設けられた吊りフックとを備え、上記作業装置によって掘削等の通常作業を行なう通常作業モードと、上記吊りフックによって吊り作業を行なうクレーン作業モードとに切り換え可能に構成された作業機械において、上記アームは、固定アームと、この固定アームにスライド自在に挿入された可動アームと、この可動アームを固定アームに対し伸縮させるアームシリンダとを有してテレスコピック状に伸縮自在に構成され、上記固定アームと上記可動アームとを相対移動不能に連結可能な第一アームロック手段と、上記アームシリンダの駆動回路をロックすることが可能な第二アームロック手段と、上記第一アームロック手段によるアームの伸縮動作がロックされたことを検知するロック検知手段と、このロック検出手段によって上記アームの伸縮動作のロックが検知されたときに、前記第二アームロック手段によるアームシリンダの駆動回路をロックする制御手段とを備えてなることを特徴とする作業機械である。
【0027】
本発明に従えば、クレーン作業を行なう場合にアームの伸縮をロックすることができるため、オペレータが誤ってアーム伸縮のレバー操作を行なってもアームが伸縮動作せず、クレーン作業において吊り能力の変化することが防止できる。
【0028】
本発明において、上記制御手段に対し上記通常作業モード又はクレーン作業モードが選択された旨の信号を出力可能な作業モード切換スイッチをさらに備え、上記制御手段は、上記ロック検知手段によりアームの伸縮動作のロックが検知されている間は、上記作業モード切換スイッチからの出力信号の有無にかかわらず上記アームシリンダの駆動回路のロックを継続する構成とすることができる。
【0029】
本発明において、上記ロック検知手段によりアームの伸縮動作のロックが検知され、かつ、上記作業モード切換スイッチからクレーン作業モードが選択された旨の信号を受けている場合に、上記制御手段により作動される報知手段をさらに備えている構成とすることができる。
【0030】
本発明において、上記制御手段に対し上記通常作業モード又はクレーン作業モードが選択された旨の信号を出力可能な作業モード切換スイッチと、クレーン作業時の実荷重、許容吊荷重等の作業状態を表示する表示器とをさらに備え、上記制御手段は、上記ロック検知手段によりアームの伸縮動作のロックが検知され、かつ、上記作業モード切換スイッチからクレーン作業モードが選択された旨の信号を受けたときに、上記表示器を作動させる構成とすることができる。
【0031】
本発明において、上記第一アームロック手段は、上記固定アームと上記可動アームとに設けられたロックピン穴と、この固定、可動両アームのロックピン穴に跨って挿入されるアームロックピンとを備え、上記可動アームのロックピン穴がアーム長さ方向に間隔を置いて複数設けられ、この内から選択された一つのロックピン穴と上記固定アームのロックピン孔とに跨がって上記アームロックピンが挿入されるように構成すれば、可動アームを延ばした状態でもクレーン作業を行なうことができるようになる。
【0032】
本発明において、作業機械に、上記ベースマシンに対し上記ブームを起伏動作させるブームシリンダと、このブームシリンダに対し上記アームを起伏動作させる起伏アームシリンダと、これらブームシリンダと起伏アームシリンダのうちの少なくとも一方のシリンダにおける負荷保持側油室からの戻り油量を調整する流量調整弁と、クレーン作業モードに切り換えられたときにブームシリンダおよびアームシリンダを操作する操作体の少なくともいずれか一方の操作量に応じてその流量調整弁を制御する負荷保持手段とを備えることができる。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したことから明らかなように、請求項1及び9に係る本発明によれば、掘削等の通常作業を行なう通常作業モードと、吊りフックによって吊り作業を行なうクレーン作業モードとに切り換え可能に構成された作業機械において、最縮状態にあるアームの伸縮動作をロックするアームロック手段(第一アームロック手段)を備え、このアームロック手段によって上記アームの伸縮動作がロックされることにより、上記クレーン作業モードに切り換えられるように構成したため、オペレータが誤ってアーム伸縮のレバー操作を行なってもアームが伸縮動作せず、クレーン作業において吊り能力の変化することが防止できる。それにより、作業アタッチメントに伸縮アームを備えた作業機械であっても安全にクレーン作業を行なうことができるようになる。
【0034】
請求項3に係る本発明によれば、アームが固定アームと、この固定アームにスライド自在に挿入された可動アームによってテレスコピック状に伸縮する構成において、アームロック手段を、固定アームと可動アームとに設けられたロックピン穴と、それらのロックピン穴に挿入されるアームロックピンとで構成したため、既存の伸縮アームを大幅に設計変更することなくアームをロックすることができる。
【0035】
請求項4に係る本発明によれば、吊りフックを、作業アタッチメントに対して格納、張り出し可能に取り付け、アームロックピンによってこの吊りフックを格納固定し得るように構成したため、掘削作業からクレーン作業への切り換えが確実に行なえ操作ミスを解消することができる。また、ピンの紛失も防止することができる。
【0036】
請求項5に係る本発明によれば、作業機械に、アームの伸縮動作がロックされたことを検知するロック検知手段と、このロック検知手段によってアームのロックが検知されたときに、クレーン作業時の実荷重、許容吊り荷重等の作業状態を表示する表示器を作動させる制御手段とを備えため、アームがロックされたときにクレーン作業に必要な実荷重、許容吊り荷重が表示器に表示されるようになり、クレーン作業への切り換えが確実に行なわれたかどうかを容易に確認することができる。
【0037】
請求項6に係る本発明によれば、ロック検知手段として、アームロックピンが固定、可動両アームのロックピン穴に跨がって挿入されたことを検知するセンサを用いたため、ロックピンを挿入するだけの単一操作でアームのロックを認識することができるようになる。
【0038】
請求項7に係る本発明によれば、アームロック手段が、可動アームを伸縮させるアームシリンダの駆動回路をロックするように構成したため、ロック機構を新たに付加することなくアームをロックすることができる。
【0039】
請求項8に係る本発明によれば、作業機械に、アームの伸縮量を検出するアーム長さ検出手段と、このアーム長さ検出手段によって検出されたアーム長さに応じて変化する許容吊り荷重を実荷重と比較し、実荷重が許容吊り荷重を超えるときにアームシリンダの駆動回路をロックする過負荷防止手段とを備えたため、許容吊り荷重値が実荷重値を超える場合にアームがロックされる。従って、吊り荷重値が実荷重値を超えない範囲ではアームを任意に伸縮させてクレーン作業を行なうことができる。それにより、クレーン作業時に、伸縮アームを作動させて水平引き込みを行なったり、また、水平挿入を行なったりすることができるようになり、クレーン作業性を大幅に向上させることができる。
【0040】
請求項13に係る本発明によれば、可動アームのロックピン穴をアーム長さ方向に間隔を置いて複数設け、この内から選択された一つのロックピン穴と固定アームのロックピン孔とに跨がってアームロックピンを挿入するように構成したため、可動アームを延ばした状態でもクレーン作業を行なうことができるようになる。
【0041】
請求項14に係る本発明によれば、作業機械に、作業アタッチメントにおけるブームシリンダとアームシリンダのうちの少なくとも一方のシリンダにおける負荷保持側油室からの戻り油量を調整する流量調整弁と、クレーン作業モードに切り換えられたときにブームシリンダおよびアームシリンダを操作する操作体の少なくともいずれか一方の操作量に応じてその流量調整弁を制御する負荷保持手段とを備えため、掘削等の通常作業モードからクレーン作業モードへの切り換えが確実に行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明に係る作業機械としての油圧ショベルの全体構成を示したものである。
【0044】
同図において、油圧ショベル1は、下部走行体2上に上部旋回体3を旋回自在に搭載したベースマシンの前部に作業アタッチメント4を起伏自在に備えている。
【0045】
上部旋回体3の前部左側には運転室5が配置され、この運転室5内にオペレータが着座する運転席、操作レバー、表示器等が備えられている。
【0046】
上記作業アタッチメント4は、ブームシリンダ6aの伸縮動作によって起伏するブーム6と、このブーム6の先端部に連結され、アームシリンダ7aの伸縮動作によって引きまたは押しが行なわれる伸縮アーム7と、この伸縮アーム7の先端部に連結され、バケットシリンダ8aの伸縮動作によって回動するバケット8と、掘削作業時にはこのバケット8の背面側に格納されており、クレーン作業時には矢印A方向に引き出されて垂下される吊りフック9とから主として構成されている。
【0047】
図2は上記伸縮アーム7を拡大して示したものである。
【0048】
伸縮アーム7は、断面U字状に形成された下側アーム(固定アーム)10と、この下側アーム10に嵌合される筒状の上側アーム(可動アーム)11と、上側アーム11内に収納され下側アーム10をガイドとして上側アーム11をスライドさせる伸縮アームシリンダ12とから構成されている。
【0049】
この伸縮アームシリンダ12のチューブ側ボス12aは、ピン12bを介して下側アーム10の側壁に接続されており、ロッド側ボス12cは、ピン12dを介して上側アーム11の側壁に接続されている。
【0050】
また、上側アーム11の上側各角縁部にはレール部13,14(手前側のみ図示)が設けられており、このレール部13,14を支持した状態で滑動させるスライダ15が下側アーム10の開口縁部に設けられている。従って、伸縮アームシリンダ12のロッド12eが伸長すると、スライダ15にガイドされて上側アーム11が矢印B方向に繰り出される。なお、下側アーム10の底面にはリブ16が設けられており、このリブ16に、ブーム6の先端部と連結するためのボス16aが設けられている。
【0051】
また、下側アーム10の前端部においてその各側壁には後述するアームロックピンを挿入するためのロックピン穴17が設けられている。上記アームロックピン及びロックピン穴17はアームロック手段(第一アームロック手段)として機能する。
【0052】
図3は図2のC−C断面であり、下側アーム10と上側アーム11とをロックするロック構造を示したものである。
【0053】
下側アーム10は、底板部10aと両側壁部10b,10cによって樋状に形成されており、上記ロックピン穴17位置にはアームロックピン18を挿入するためのボス19および20がそれぞれ取り付けられている。
【0054】
ボス19および20は基本的に同じ構成からなる。ボス19を代表して説明するとその胴部に形成されているフランジ部19aには複数本のボルト21を貫通させるボルト孔19bが形成されており、一方、側壁部10bにはこれらのボルト孔19bに対応して雌ねじ部10dが形成されている。そして、ボルト孔19bを通したボルト21を雌ねじ部10dに締め付けることにより、フランジ部19aを側壁部10bに固定している。
【0055】
なお、20aはボス20に形成されたフランジ部であり、22はそのフランジ部20aを側壁部10cに固定するためのボルトである。
【0056】
一方、この下側アーム10内に収納される上側アーム11は、底板部11aと両側壁部11b,11cと天板部11dとによって角筒状に形成されている。
【0057】
上側アーム11の前側端部にはX軸方向に筒部11eが設けられており、この筒部11eは、上側アーム11が下側アーム10に格納されて最縮状態となったとき、上記したボス19,20のロックピン穴と対向してアームロックピン18を通すことができるようになっている。
【0058】
従ってボス19→筒部11e→ボス20の順にアームロックピン18を挿入すると、上側アーム11が最縮状態で下側アーム10にロックされる。
【0059】
また、挿入されたアームロックピン18の先端18a近傍には、所定の隙間Sを介して近接スイッチ(ロック検知手段)23が配置されている。この近接スイッチ23はセンサとして機能し、アームロックピン18が挿入されてその先端18aが検知範囲に入ると、ロック完了信号を出力するようになっている。なお、24は近接スイッチ23を保護するための保護カバーである。また、15a,15b,15cはスライダ15内に配設されるスライダパッドを示している。
【0060】
図4は、本実施形態の油圧回路を示したものである。なお、説明を簡単にするため、掘削作業とクレーン作業との切り換えに関係する回路を中心に説明する。
【0061】
まず、クレーン作業としてアーム7を起伏させる回路について説明する。
【0062】
第一油圧ポンプ30から吐出される圧油は方向制御弁31を介してアームシリンダ7aに供給される。
【0063】
アームシリンダ7aのロッド側油室7a1と方向制御弁31との間には、チェック弁32aと保持弁(流量調整弁)32bからなるカウンタバランス弁32が設けられている。
【0064】
さらに、ロッド側油室7a1とカウンタバランス弁32との間にはリリーフ弁33が設けられ、圧油の圧力が設定圧以上になると、余剰圧油をタンク34に逃がすようになっている。
【0065】
上記方向制御弁31の切り換えは、操作レバー(操作体)34の切り換え操作によって行なわれ、操作レバー34を“a”側に倒すと、方向制御弁31が“d”位置に切り換わり、アームシリンダ7aが縮小する。それにより、吊上げ(掘削作業ではアーム押し)動作が行なわれる。
【0066】
これとは逆に操作レバー34を“b”側に倒すと、方向制御弁31が“e”位置に切り換わり、アームシリンダ7aが伸長する。それにより、吊下げ(掘削作業ではアーム引き)動作が行なわれる。
【0067】
また、保持弁32と操作レバー34との間には作業モード切換弁35が介設されている。この作業モード切換弁35は、通常、切換位置fにあり、パイロットポンプ36から送り出される制御圧を保持弁32bに与えて連通位置hに切り換えているが、コントローラ37から切換信号S1が与えられると、切換位置gに切り換わり、切換信号S1に応じて保持弁32bを連通位置hから遮断位置i側に切り換える。上記コントローラ37および作業モード切換弁35は負荷保持手段として機能する。
【0068】
上記コントローラ37には、近接スイッチ23から出力される検知信号S2が常時入力されている。また、オペレータが掘削作業モード(通常作業モード)とクレーン作業モードのいずれか一方を選択する作業モード切換スイッチ38からは作業モード信号S3が入力されるようになっている。さらに、このコントローラ37には液晶ディスプレイからなる表示器39と警報ブザー40が接続されている。
【0069】
図5はその表示器39を示したものである。この表示器39は、コントローラ37によって演算された実荷重値、許容吊り荷重値、作業半径等を表示する表示部39aと、実荷重が許容吊り荷重の90%を超えると点灯するインジケータ39bと、同じく100%を超えると点灯するインジケータ39cと、実荷重を表示させる実荷重スイッチ39dと、許容吊り荷重を表示させる許容吊り荷重スイッチ39eと、作業半径を表示させる作業半径スイッチ39fとを備えている。
【0070】
なお、上記作業モード切換スイッチ38は、運転座席後方のコントロールボックスに配置されており、警報ブザー40は表示器39に組み込まれ、この表示器39は運転室5内の運転席前方に配置されている。
【0071】
次に、伸縮アームシリンダ12の制御回路について説明する。
【0072】
第二油圧ポンプ41から吐出される圧油は方向制御弁42を介して伸縮アームシリンダ12に供給される。
【0073】
上記方向制御弁42の切り換えは、操作ペダル43の切り換え操作によって行なわれ、操作ペダル43を“j”側に倒すと、方向制御弁42が中立位置“l”から“m”位置に切り換わり、ロッド側油室12aに圧油が供給されて伸縮アームシリンダ12が縮小する。それにより、上側アーム11が下側アーム10内に格納される。
【0074】
これとは逆に操作ペダル43を“k”側に倒すと、方向制御弁42が中立位置“l”から“n”位置に切り換わり、ヘッド側油室12bに圧油が供給されて伸縮アームシリンダ12が伸長する。それにより、上側アーム11が下側アーム10から引き出される。
【0075】
また、方向制御弁42と操作ペダル43との間には、切換弁44および45がそれぞれ介設されており、これらの切換弁44,45は、制御手段としてのコントローラ37から出力される切換信号S4を受けて連通位置“o”から操作ロック位置“p”に切り換わるようになっている。そして、操作ロック位置“p”に切り換えられると操作ペダル43の操作が不能となる。
【0076】
次に、上記構成を有する油圧回路の制御について説明する。
【0077】
なお、上側アーム11は最縮状態にあることを前提とする。
【0078】
クレーン作業を行なう場合は、フック固定ピンを抜いてバケット8の背面側に折り畳まれている吊りフック9を引き出し、垂下させる。
【0079】
このフック固定ピンは、図3に示したアームロックピン18として用いられ、ボス19→筒部11e→ボス20の順に挿入される。それにより、上側アーム11と下側アーム10がロックされる。
【0080】
アームロックピン18が挿入されると、近接スイッチ23から検知信号S2が出力され、コントローラ37に与えられる。
【0081】
ここで、オペレータが作業モード切換スイッチ38をクレーン作業モードとしての“クレーン”に切り換えると、作業モード信号S3がコントローラ37に与えられる。
【0082】
コントローラ37は作業モード信号S3と検知信号S2の出力状態を監視しており、検知信号S2が得られないと、上側アーム11と下側アーム10がアームロックピン18によって固定されていないことになるため、警報ブザー40を鳴らしてオペレータに確認を促す。また、アームロックピン18は吊りフック9を格納して固定しているフック固定ピンを兼ねているため、その警報ブザー40の吹鳴によってオペレータは吊りフック9が垂下されておらずクレーン作業の準備ができていないことを知ることができる。
【0083】
検知信号S2が得られると、コントローラ37は、まず、切換弁44および45に対してそれぞれ切換信号S4を出力し、各切換弁44,45の切換位置を連通位置“o”から操作ロック位置“p”に切り換える。それにより、操作ペダル43をいずれの方向に操作しても伸縮アームシリンダ12が操作不能となる。従って、荷を吊り下げている状態で上側アーム11を伸長させるという危険操作が防止される。
【0084】
検知信号S2と作業モード信号S3が得られ、その作業モード信号S3がクレーンを示していると、実荷重を表示させる実荷重スイッチ39dと、許容吊り荷重を表示させる許容吊り荷重スイッチ39eとが有効となり、表示器39の画面上に実荷重値、許容吊り荷重値を表示させることができるようになる。次いで、コントローラ37は作業モード切換弁35を“f”位置から“g”位置に切り換える。
【0085】
この状態で操作レバー34を“吊り上げ”としての“a”方向に操作すると、方向制御弁31が中立位置“c”から“d”に切り換わり、チェック弁32aを通じてアームシリンダ7aのロッド側油室7a1に圧油が供給される。
【0086】
従って、吊上げ操作では作業モード切換弁35の切り換えが行なわれているか否かは影響しない。
【0087】
一方、操作レバー34を“吊下げ”としての“b”方向に操作すると、方向制御弁31が中立位置“c”から“e”に切り換わり、アームシリンダ7aのヘッド側油室7a2に圧油が供給される。
【0088】
ヘッド側油室7a2の膨張によってロッド側油室(負荷保持側油室)7a1から排出される圧油は、カウンタバランス弁32を通過してタンクに戻るが、このカウンタバランス弁32の保持弁32bの制御ポートには、操作レバー34を吊下げ方向に操作している操作量に応じたパイロット圧Pbが作業モード切換弁35を介して作用している。
【0089】
それにより、ロッド側油室7a1からタンクに戻る圧油流量は、その保持弁32bの開口度によって決定されることになる。従って、荷を吊り下げる場合には吊り荷荷重によってアーム7の降下速度が増加することを抑えることができ、その結果、油圧ショベルの作業アタッチメントを用いてクレーン作業を安全に行なうことができるようになる。
【0090】
また、作業モード切換スイッチ38を“クレーン”から掘削作業としての“ショベル”に切り換えると、掘削作業を選択することができるが、このとき、アームロックピン18が挿入されたままであると、近接スイッチ23からは検知信号S2が継続して出力されているため、伸縮アームシリンダ12は依然として操作不能である。
【0091】
この場合、コントローラ37は警報ブザー40を吹鳴させ、アームロックピン18の抜き忘れをオペレータに報知する。なお、上述したクレーン作業でのアームロックピン18の挿入忘れと今回の掘削作業でのアームロックピン18抜き忘れとはブザー音を変えることが好ましい。
【0092】
なお、上記した実施形態ではアーム7を起伏させてクレーン作業を行なう場合について説明したが、ブーム6を起伏させることによってクレーン作業を行なうこともできる。この場合、ブームシリンダ6aのヘッド側油室とタンクとを接続している給排路に上記構成を有するカウンタバランス弁32を設ければよい。
【0093】
さらに、ブームシリンダ6aとアームシリンダ7aとを複合操作してクレーン作業を行なう場合には、両シリンダ6aおよび7aにそれぞれカウンタバランス弁32を設け、コントローラ37で複合的に制御することもできる。
【0094】
また、本発明のロック検知手段は、上記実施形態では非接触式の近接スイッチで構成したが、これに限らず、リミットスイッチ等の接触式センサで構成することもできる。
【0095】
また、上記実施形態ではアームロックピン18のロックピン穴17を下側アーム10の前端部に1箇所設け、伸縮アーム7を最縮状態にロックした上でクレーン作業が行なえるように構成したが、これに限らず、上側アーム11の長手方向に筒部(ロックピン挿入孔)11eを複数設け、いずれか一つの筒部11eとロックピン穴17とにアームロックピン18を挿入し、上側アーム11を任意の長さでロックするように構成することもできる。
【0096】
この構成によれば、上側アーム11を必ずしも最縮状態にする必要がなく、所望の長さに引き出してロックした上でクレーン作業を行なうことができる。それにより、作業半径を拡大するという伸縮アーム本来の機能を利用しつつクレーン作業を行なうことが可能になる。ただし、この構成では上側アーム11を引き出すにつれて吊り能力が低下するため、上側アーム11がロックされるロック位置毎に許容吊り荷重を演算し、表示器39に表示することが好ましい。
【0097】
また、本発明のアームロック手段は、上記実施形態では上側アーム11と下側アーム10とをアームロックピン18で固定するように構成したが、これに限らず、油圧ポンプから伸縮アームシリンダ12に通じる給排路の圧油をロックするように構成することもできる。
【0098】
すなわち、伸縮アーム7に、その伸長量を検出する例えばコードリール式長さセンサなどのストロークセンサ(アーム長さ検出手段)を設けるとともに運転室5内に過負荷防止装置(過負荷防止手段)を設け、このストロークセンサによって検出されたアーム長さ信号に基づいてクレーン作業時における許容吊り荷重を過負荷防止装置で演算し、表示器39に表示させるように構成することもできる。
【0099】
上記過負荷防止装置には、伸縮アームシリンダ12のストロークセンサとブームシリンダ6aの圧力センサが接続されており、伸縮アーム7の許容吊り荷重が記憶されているメモリと、ブームシリンダの圧力により実荷重値を演算する制御部が備えられている。
【0100】
上記メモリには、伸縮アーム7が最大に伸長された状態での最小許容吊り荷重値から伸縮アーム7が最小に縮小された状態での最大許容吊り荷重値までが記憶されており、伸縮アームシリンダ12における可動アーム11の伸長長さに応じた許容吊り荷重値がメモリから読み出され、制御部に与えられる。
【0101】
制御部は、そのメモリから読み出された許容吊り荷重値と実荷重値とを常に比較し、比較結果において実荷重値が許容吊り荷重値を超える場合には信号を出力する。
【0102】
この信号を受けた過負荷防止装置は、警報ブザー40を鳴らすとともに、伸縮アームシリンダ12をロックさせる。
【0103】
また、表示器39には常に現状の可動アーム伸長位置における許容吊り荷重と実荷重と、その比率である負荷率が表示される。例えば実荷重が許容吊り荷重の90%を超えるとインジケータ39bが点灯し、100%を超えるとインジケータ39cが点灯する。
【0104】
なお、表示器39には、最大伸長状態での許容吊り荷重値を表示しておく。こうすることにより、オペレータは最小許容吊り荷重値以下の重さの吊り荷であれば伸縮アーム7を伸長させて水平移動させることができ、クレーン作業の作業性が大幅に向上する。
【0105】
このように、過負荷防止装置はアームの伸縮動作によって変化する許容吊り荷重と実荷重とを表示器39に表示するため、オペレータはアーム最大伸長状態での許容吊り荷重を把握しながらクレーン作業を安全に行なうことができる。
【0106】
なお、上記した許容吊り荷重は定格荷重であってもよく、また、定格荷重に所定の安全率を加味した値であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明に係る伸縮アームを備えた建設機械の外観図である。
【図2】図1の伸縮アームの拡大図である。
【図3】図2のC−C断面図である。
【図4】本発明に係るアームシリンダおよび伸縮アームシリンダの油圧回路図である。
【図5】運転室に配置される表示器の構成を示す説明図である。
【図6】従来の伸縮アームを備えた作業アタッチメントを示す説明図である。
【図7】従来の吊りフックを備えた作業アタッチメントを示す説明図である。
【符号の説明】
【0108】
1 油圧ショベル
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業アタッチメント
5 運転室
6 ブーム
7 伸縮アーム
7a アームシリンダ
8 バケット
9 吊りフック
10 下側アーム
11 上側アーム
12 伸縮アームシリンダ
13,14 レール部
15 スライダ
18 アームロックピン
23 近接スイッチ
37 コントローラ
38 作業モード切換スイッチ
39 表示器
40 警報ブザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースマシンと、このベースマシンに基端が取り付けられたブームとこのブームの先端に取り付けられた伸縮自在なアームとこのアームの先端に取り付けられた作業装置とを有する作業アタッチメントと、この作業アタッチメントに設けられた吊りフックとを備え、上記作業装置によって掘削等の通常作業を行なう通常作業モードと、上記吊りフックによって吊り作業を行なうクレーン作業モードとに切り換え可能に構成された作業機械において、
最縮状態にある上記アームの伸縮動作をロックするアームロック手段を備え、
このアームロック手段によって上記アームの伸縮動作がロックされることにより、上記クレーン作業モードに切り換えられることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
上記アームロック手段による上記アームの伸縮動作のロックが解除されることにより、上記通常作業モードに切り換えられることを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
上記アームは、固定アームと、この固定アームにスライド自在に挿入された可動アームによってテレスコピック状に伸縮自在に構成され、上記アームロック手段は、上記固定アームと上記可動アームとに設けられたロックピン穴と、この固定、可動両アームのロックピン穴に跨がって挿入されるアームロックピンによって構成されている請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項4】
上記吊りフックは、上記作業アタッチメントに対して格納、張り出し可能に取り付けられ、上記アームロックピンによってこの吊りフックを格納固定し得るように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項5】
上記作業機械が、上記アームの伸縮動作がロックされたことを検知するロック検知手段と、このロック検知手段によって上記アームのロックが検知されたときに、クレーン作業時の実荷重、許容吊り荷重等の作業状態を表示する表示器を作動させる制御手段とを備えてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項6】
上記作業機械が、上記アームの伸縮動作がロックされたことを検知するロック検知手段と、このロック検知手段によって上記アームのロックが検知されたときに、クレーン作業時の実荷重、許容吊り荷重等の作業状態を表示する表示器を作動させる制御手段とを備え、上記ロック検知手段として、上記アームロックピンが固定、可動両アームのロックピン穴に跨がって挿入されたことを検知するセンサが用いられている請求項3に記載の作業機械。
【請求項7】
上記アームロック手段は、上記アームを伸縮させるアームシリンダの駆動回路をロックするように構成されている請求項1に記載の作業機械。
【請求項8】
上記作業機械が、上記アームの伸縮量を検出するアーム長さ検出手段と、このアーム長さ検出手段によって検出されたアーム長さに応じて変化する許容吊り荷重を実荷重と比較し、実荷重が許容吊り荷重を超えるときに上記アームシリンダの駆動回路をロックする過負荷防止手段とを備えてなる請求項7に記載の作業機械。
【請求項9】
ベースマシンと、このベースマシンに基端が取り付けられたブームとこのブームの先端に取り付けられた伸縮自在なアームとこのアームの先端に取り付けられた作業装置とを有する作業アタッチメントと、この作業アタッチメントに設けられた吊りフックとを備え、上記作業装置によって掘削等の通常作業を行なう通常作業モードと、上記吊りフックによって吊り作業を行なうクレーン作業モードとに切り換え可能に構成された作業機械において、
上記アームは、固定アームと、この固定アームにスライド自在に挿入された可動アームと、この可動アームを固定アームに対し伸縮させるアームシリンダとを有してテレスコピック状に伸縮自在に構成され、
上記固定アームと上記可動アームとを相対移動不能に連結可能な第一アームロック手段と、
上記アームシリンダの駆動回路をロックすることが可能な第二アームロック手段と、
上記第一アームロック手段によるアームの伸縮動作がロックされたことを検知するロック検知手段と、
このロック検出手段によって上記アームの伸縮動作のロックが検知されたときに、前記第二アームロック手段によるアームシリンダの駆動回路をロックする制御手段とを備えてなることを特徴とする作業機械。
【請求項10】
上記制御手段に対し上記通常作業モード又はクレーン作業モードが選択された旨の信号を出力可能な作業モード切換スイッチをさらに備え、上記制御手段は、上記ロック検知手段によりアームの伸縮動作のロックが検知されている間は、上記作業モード切換スイッチからの出力信号の有無にかかわらず上記アームシリンダの駆動回路のロックを継続することを特徴とする請求項9に記載の作業機械。
【請求項11】
上記ロック検知手段によりアームの伸縮動作のロックが検知され、かつ、上記作業モード切換スイッチからクレーン作業モードが選択された旨の信号を受けている場合に、上記制御手段により作動される報知手段をさらに備えていることを特徴とする請求項10に記載の作業機械。
【請求項12】
上記制御手段に対し上記通常作業モード又はクレーン作業モードが選択された旨の信号を出力可能な作業モード切換スイッチと、クレーン作業時の実荷重、許容吊荷重等の作業状態を表示する表示器とをさらに備え、上記制御手段は、上記ロック検知手段によりアームの伸縮動作のロックが検知され、かつ、上記作業モード切換スイッチからクレーン作業モードが選択された旨の信号を受けたときに、上記表示器を作動させることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項13】
上記第一アームロック手段は、上記固定アームと上記可動アームとに設けられたロックピン穴と、この固定、可動両アームのロックピン穴に跨って挿入されるアームロックピンとを備え、上記可動アームのロックピン穴がアーム長さ方向に間隔を置いて複数設けられ、この内から選択された一つのロックピン穴と上記固定アームのロックピン孔とに跨がって上記アームロックピンが挿入されるように構成されている請求項9〜12のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項14】
上記作業機械は、上記ベースマシンに対し上記ブームを起伏動作させるブームシリンダと、このブームシリンダに対し上記アームを起伏動作させる起伏アームシリンダと、これらブームシリンダと起伏アームシリンダのうちの少なくとも一方のシリンダにおける負荷保持側油室からの戻り油量を調整する流量調整弁と、クレーン作業モードに切り換えられたときに上記ブームシリンダおよび起伏アームシリンダを操作する操作体の少なくともいずれか一方の操作量に応じてその流量調整弁を制御する負荷保持手段とを備えてなる請求項1〜13のいずれか1項に記載の作業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−126962(P2007−126962A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340547(P2006−340547)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【分割の表示】特願2001−363118(P2001−363118)の分割
【原出願日】平成13年11月28日(2001.11.28)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【出願人】(000105682)コベルコ建機エンジニアリング株式会社 (12)
【Fターム(参考)】