説明

作物整列装置

【課題】作物洗浄施設の作物整列装置において、作物を円滑に複数の整列搬送ベルトに供給する。
【解決手段】作物を貯溜する貯溜部5と、貯溜部5に貯溜された作物を上方に搬送する上方搬送装置6と、汲上搬送装置6の終端側に交叉させて配置する複数の整列搬送装置7と、汲上搬送装置6の搬送終端側部と整列搬送装置7の搬送始端側部との間に、汲上搬送装置6の搬送幅よりも幅の狭い引継ぎ体11を備え、汲上搬送装置6で汲上搬送された作物を引継ぎ体11により整列搬送装置7の左右整列搬送ベルト7b,7cに分配供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫したニンジンや大根等の作物を洗浄する洗浄装置、重量や形状毎に選別する選別装置等から構成する作物洗浄施設における作物整列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業洗浄施設の整列搬送装置において、貯溜タンクで一時貯溜された作物を昇降装置で搬送し、山型状の振分板で左右に振り分け、左右の整列搬送ベルトに振り分けるものは公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−87092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述の従来技術では、山型状の振分板に作物が落下した際に停滞損傷したり、構成が複雑でコスト高となる不具合があった。そこで、本発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、作物を貯溜する貯溜部(5)と、前記貯溜部(5)に貯溜された作物を上方へ搬送する上方搬送装置(6)と、前記上方搬送装置(6)の終端側下方に対向して交差させて配置する複数の整列搬送装置(7)と、前記上方搬送装置(6)の搬送終端側一側で且つ前記整列搬送装置(7)の搬送始端側上方に対向させて、上方搬送装置(6)の搬送幅よりも幅の狭い分配板(11)を配設したことを特徴とする作物整列搬送装置とする。
【0005】
貯溜部(5)に貯溜されている作物は上方搬送装置(6)により終端側に搬送され、上方搬送装置(6)の左右一側の作物は上方搬送装置(6)の搬送幅よりも幅の狭い分配板(11)を経由して、交差させて配置されている一方の整列搬送装置(7)に供給される。また、上方搬送装置(6)の左右他側から上方に搬送された作物は、分配板(11)を経由せずに落下し上方搬送装置(6)の終端側に交差配置されている他方の整列搬送装置(7)に直接供給される。
【0006】
請求項2の発明は、前記分配板(11)を着脱自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の作物整列搬送装置とする。
前記構成によると、請求項1の発明の前記作用に加えて、分配板(11)を取り外すことにより、上方搬送装置(6)により上方に搬送した作物を一方の整列搬送装置(7)に落下供給できるようにする等、作業環境を容易に変更することができる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明は、上方搬送装置(6)の左右両側に搬送された作物を、複数の整列搬送装置(7)に均等に分配供給することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明の前記効果に加えて、上方搬送装置(6)により上方に搬送した作物を一方の整列搬送装置(7)に取り出すなど、種々の作物の整列搬送に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の形態について以下図面に基づき説明する。
図1の洗浄選別工程図に示すように、1は収穫した作物を投入する投入タンクで、投入タンク1に投入された作物は搬送装置2により搬送され洗浄装置3に供給される。次いで、洗浄装置3で洗浄された作物は排出経路4を経て、貯溜タンク5に一時貯溜される。次いで、貯溜タンク5内の作物は上昇搬送装置6により整列搬送装置7に搬送され、整列搬送装置7で作物の搬送姿勢を変更整列しながら選別装置8に搬送され、選別装置8により重量別、形状別に選別される構成である。
【0009】
次に、図2及び図3に基づき上昇搬送装置6及び整列搬送装置7について説明する。
上昇搬送装置6は、貯留部5の底部に基部を有する前後方向に長い搬送フレーム6aと、搬送フレーム6aの下位の始端側から上位の下手側にかけて巻き掛けている搬送コンベヤ6cと、搬送コンベヤ6cに所定間隔毎に配設されている搬送突起6d,…により構成されている。しかして、貯留部5に投入されたニンジン等の作物は、搬送コンベヤ6cの搬送突起6d,…に係止されて上方の終端側に上昇搬送され、後続の整列搬送装置7に供給される。
【0010】
上昇搬送装置6の搬送コンベヤ6cの終端側下方に、整列搬送装置7の搬送方向始端側が直交するように配設されている。この整列搬送装置7は、整列搬送フレーム7aと、整列搬送フレーム7aの左右両側にそれぞれ左右一対のベルトからなる左右整列搬送ベルト7b,7cにより構成されている。そして、左右整列搬送ベルト7b,7cの始端側上方には、分配板11を設けている。
【0011】
この分配板11は、搬送コンベヤ6cの搬送幅中央部の作物を受けるように所定幅を有し、且つ、その前後両端部が左右整列搬送ベルト7b,7cに対向するように所定長さに構成し、また、前後方向中央部が高く前後両側に向けて下り傾斜の左右分配傾斜板11a,11bと、左右分配傾斜板11a,11bの前後下端部に作物の落下空間を介して対向斜設した左右傾斜案内板11c,11dにより構成されている。
【0012】
また、左右整列搬送ベルト7b,7cの下方に左右整列搬送ベルト7b,7cから落下した作物を下方へ落下させる左右ドロッパ16,16を設けると共に、該左右ドロッパ16,16の下方に左右ドロッパ16,16から落下した作物を受けて貯留部5に送り返すリターンシュータ17を取り付ける。
【0013】
しかして、搬送コンベヤ6cで上昇搬送された作物が左右分配傾斜板11a,11bの中間高部に落下供給されると、高い中央部から前後に振り分けられて流下し、左右傾斜案内板11c,11dに案内されて左右整列搬送ベルト7b,7cの搬送方向に沿った状態で載置される。
【0014】
また、左右整列搬送ベルト7b,7cから落下した作物を左右ドロッパ16,16で受け、リターンシュータ17によって貯留部5に戻すことによって、作物の落下距離が短くなるので落下の衝撃で作物が傷付くことが防止されると共に、自動的に貯留部5まで作物が戻ることによって、作業者が作物を貯留部5に戻す作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0015】
また、図4及び図5に示すように構成してもよい。分配板11の左右幅を搬送コンベヤ6cの搬送幅の略半分の幅に構成し、分配板11の後側端部を整列搬送装置7の左整列搬送ベルト7bに対向する長さに構成し、分配板11の下り傾斜角度を緩急に調節可能に構成している。
【0016】
前記構成によると、搬送コンベヤ6cの一側寄り(左右整列搬送ベルト7b,7cの始端側に対向している)に搬送された作物は、分配板11に落下供給されて流下し、左整列搬送ベルト7bに供給される。また、搬送コンベヤ6cの他側寄り搬送された作物は、分配板11の側方を通って落下し、右整列搬送ベルト7cに載置される。また、分配板11の傾斜角度を緩急に調節することにより、左整列搬送ベルト7bへの分配量を増減調節し、左整列搬送ベルト7bに作物を円滑に分配することができる。
【0017】
また、図6及び図7に示すように構成してもよい。分配板11の幅を搬送コンベヤ6cの搬送幅の左側半分にのみ対応するように構成し、分配板11の前後方向長さを整列搬送装置7の右整列搬送ベルト7cの上方を覆う長さの下り傾斜に構成し、左整列搬送ベルト7bの上方を開放している。そして、上昇搬送装置6の搬送コンベヤ6cの終端側下方に対向し、且つ、分配板11の下方に位置に中継搬送コンベヤ24を設け、作物を左右整列搬送ベルト7b,7cに送るように構成している。この中継搬送コンベヤ24は、搬送コンベヤ6cの搬送方向に対して、90度屈折した方向に作物を搬送し、搬送長さを搬送コンベヤ6cの搬送幅に等しく、また、中継搬送コンベヤ24の搬送幅を後続の左右整列搬送コンベヤ7b,7cの横幅と等しくしている。
【0018】
また、中継搬送コンベヤ24のフレーム部には、分配板11に対向して作物のこぼれを防止する側板27を設け、中継搬送コンベヤ24の左側端部に沿うようにし、分配板11及び側板27の下端縁を中継搬送コンベヤ24の搬送上面から所定間隙を空けて上方に位置させている。
【0019】
また、左右整列搬送ベルト7b,7c及び左右ドロッパ16,16の下方に、落下した作物を受けて貯留部5に送り返す幅広なリターンシュータ17aを設ける。
前記構成によると、搬送コンベヤ6cの一側寄り搬送された作物は、分配板11に落下して傾斜に沿って流下し、中継搬送コンベヤ14の遠い側に供給されて搬送され、左供給ホッパ26aを経て左整列搬送コンベヤ7bに供給される。また、搬送コンベヤ6cの他側寄り搬送された作物は、分配板11の側方から中継搬送コンベヤ24の近い側に直接落下供給されて搬送され、右供給ホッパ25を経て右整列搬送コンベヤ7cに供給される。従って、比較的小さな作物を左右整列搬送コンベヤ7b,7cに分配供給し、円滑に整列搬送することができる。
【0020】
そして、左右整列搬送ベルト7b,7cや左右ドロッパ16,16から落下した作物をリターンシュータ17aで受けて貯留部5に戻すことによって、作物の落下距離が短くなるので落下の衝撃で作物が傷付くことが防止されると共に、自動的に貯留部5まで作物が戻ることによって、作業者が作物を貯留部5に戻す作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0021】
また、次のように構成してもよい。分配板11を軟質部材で構成し、搬送コンベヤ6cに対して左右整列搬送ベルト7b,7cを反対側に直交するように配置替えした場合には、左分配板11を反転することにより、そのまま使用することができる。
【0022】
また、図8乃至図10に示すように、前記左右整列搬送ベルト7b,7cの終端側には左右第2整列搬送ベルト7d,7eを配設している。そして、左右整列搬送ベルト7b,7cを始端側軸7f,終端側軸7gのプーリに巻き掛け、左右第2整列搬送ベルト7d,7eを始端側軸7h,終端側軸7iのプーリに巻きかけ、左右第2整列搬送ベルト7d,7eの中間部に左右ドロッパ16,16を設けて作物を左右両側に排出するように構成し、該左右ドロッパ16,16の作物をリターンシュータ17により、上昇搬送装置6の貯留部5に還元するように構成している。
【0023】
また、始端側軸7hの中間部と終端側軸7gの中間部との間をチエン伝動装置12により伝動連結し、また、終端側軸7iの中間部のプーリ、始端側軸7hの中間部のプーリ、モータにより駆動されるモータプーリ13aにベルト伝動装置13を巻き掛け、終端側軸7i及び始端側軸7hを駆動するように構成している。
【0024】
前記構成によると、左右整列搬送ベルト7b,7c及び左右第2整列搬送ベルト7d,7eからの作物を左右ドロッパ16,16により左右両側に排出するように構成し、左右整列搬送ベルト7b,7c及び左右第2整列搬送ベルト7d,7eの駆動装置をこれらの中央寄りに配設しているので、リターンシュータ7に作物を円滑に排出し、上昇搬送装置6の貯留部5に円滑に還元することができる。
【0025】
また、図10及び図11に示すように、左右第2整列搬送ベルト7d,7eの終端側下方には、搬送コンベヤ6cの左右両側に左右リターンシュータ17,17をそれぞれ配設し、第2整列搬送ベルト7d,7eからはみ出した余分の作物を一方のリターンシュータ17に落下し、上昇搬送装置6の貯留部5に還元するように構成している。
【0026】
また、搬送コンベヤ6cの左右両側に設けた左右リターンシュータ17,17の一方を取り外して、他方のリターンシュータ17に並設し幅広になるように構成している。また、上昇搬送装置6の貯留部5を搬送コンベヤの左右幅に対して幅広に構成しておき、搬送コンベヤ6cに対して貯留部5を左右に移動調節し、並列した幅広のリターンシュータ17,17の幅に対応して調節できるように構成している。
【0027】
また、左右リターンシュータ17,17を軟質部材で構成し、左右方向の幅を広狭に調節できるように構成してもよい。また、貯留部5の左右側板6b1,6b2を左右に開閉可能に構成し、幅広に調節した左右リターンシュータ17,17の外側部を貯留部5の左側板6b1で閉鎖するようにすると、ニンジンを貯留部5に確実に戻し供給することができる。また、貯留部5の左右側板6b1,6b2を軟質部材で構成してもよい。
【0028】
また、上昇搬送装置6の貯留部5に補助ホッパ(図示省略)を継ぎ足し、リターンシュータ17、17の幅広調節に対応するように構成してもよい。
また、図12及び図13に示すように構成してもよい。右第2整列搬送ベルト7eから排出された作物を、上側戻しコンベヤ18、上側ホッパ19を経由して搬送コンベヤ5の中途部に戻すように構成してもよい。このように構成すると、作物の損傷を防止しながら上昇搬送装置6で迅速に搬送することができる。
【0029】
また、図14及び図15に示すように構成してもよい。上昇搬送装置6の搬送フレーム6aの左右一側に沿うように、左右リターンシュータ17,17を並列配置する。搬送フレーム6aの上下方向中途部には、ブラケットを介して支持軸21を摺動調節自在に支持し、支持軸21に左右リターンシュータ17,17を並列して支持し、左右リターンシュータ17,17の上側部を搬送フレーム6aに上下調節自在に支持する。
【0030】
そして、上昇搬送装置6の搬送コンベヤ5に対して、左右整列搬送ベルト7b,7c、及び、左右第2整列搬送ベルト7d,7eを反対側に90度屈折配置した場合には、搬送フレーム6aに対して支持軸21を反対側(左側)に摺動し左右リターンシュータ17,17を付け替える。また、左右リターンシュータ17,17を並列配置し幅広にした場合には、左右リターンシュータ17,17の内側に位置している側板を取り外し可能に構成しておくと、幅広の左右リターンシュータ17,17により作物を円滑に流下させることができる。
【0031】
前記構成によると、左右リターンシュータ17,17の幅広の並列配置や、左右振り替え配置を容易に行なうことができる。
また、図16及び図17に示すように構成してもよい。左右第2整列搬送ベルト7d,7eから直交している左右リターンシュータ17,17に作物を供給するにあたり、その接続部にニンジン等の作物の長手方向を90度方向変更する左右案内樋22,22を設ける。この案内樋22,22は、その横断面を円弧状に構成し、左右案内樋22,22の作物搬送方向終端側の側板22a,22aを、上部が幅広で下部ほど狭くなるように構成し、リターンシュータ17の外側部に接続している。そして、左案内樋22をリターンシュータ17の始端側上方に臨ませ、右案内樋22をリターンシュータ17の中途部上方に、作物が通過できる空間を隔てて臨ませている。
【0032】
前記構成によると、左右第2整列搬送ベルト7d,7eから作物がこぼれると、その作物の搬送終端側が、左右案内樋22,22の搬送終端側の側板22a,22aの円弧面に沿って移動してリターンシュータ17の長手方向に変更され、リターンシュータ17に沿って作物を円滑に流下させることができる。
【0033】
また、図18に示すように、上昇搬送装置6の搬送コンベヤ6c駆動用の上昇搬送モータM1を間歇駆動するように構成し、一回の間歇駆動で搬送コンベヤ6cに所定間隔毎に設けられている搬送突起6d,…の1区画分、あるいは、数区画分が搬送駆動され、1個あるいは数個の作物が左右整列搬送ベルト7b,7cに供給されるように構成してもよい。
【0034】
前記構成によると、作物が所定時間毎に所定数供給されるので、左右整列搬送ベルト7b,7cで作物の乱れや停滞が少なくなり円滑に整列搬送することができ、上昇搬送装置6に戻す作物を少なくすることができる。なお、図18(B)は上昇搬送装置6の搬送コンベヤ6cと左右整列搬送コンベヤ7b,7cの駆動停止状態を示すタイムチャートである。
【0035】
また、上昇搬送装置6の搬送コンベヤ6cから左右整列搬送コンベヤ7b,7cへの作物引継ぎ部位に、作物の停滞の有無を検する作物センサ(図示省略)を設け、左右整列搬送コンベヤ7b,7cに作物が載置あるいは停滞状態であると、前記上昇搬送モータM1を停止し、また、作物の載置あるいは停滞がなくなると駆動を再開するように構成してもよい。このように構成すると、左右整列搬送ベルト7b,7cで作物が乱れを少なくし円滑に整列搬送することができ、戻し作物を少なくすることができる。
【0036】
また、図19及び図20に示すように構成してもよい。上昇搬送装置6の搬送コンベヤ6cの終端側下方に対向して中継搬送コンベヤ24を設けている。この中継搬送コンベヤ24は、搬送コンベヤ6cの搬送方向に対し90度屈折した方向に搬送する構成とし、その搬送幅を搬送コンベヤ6cの搬送幅に略等しくし、また、搬送長さを後続の左右整列搬送コンベヤ7b,7cの左右間隔と等しくしている。
【0037】
そして、中継搬送コンベヤ24の上方には作物を左右整列搬送コンベヤ7b,7cに分配する方向変更板31を設けている。この方向変更板31の一端は、中継搬送コンベヤ24の始端側フレームにおける右整列搬送コンベヤ7cの搬送始端側部に対応する部位に設けた上下方向の軸31aにより軸支して、方向変更板31を軸31a回りに回動調節すると、その他端部が左整列搬送コンベヤ7bに対応して、左右整列搬送コンベヤ7b,7cの双方に作物を案内する状態になり、また、左右整列搬送コンベヤ7b,7cの中間部に位置し、右整列搬送コンベヤ7cにのみ作物を案内する状態に切り替えることができる。
【0038】
前記構成によると、方向変更板31を回動調節することにより、搬送コンベヤ6cにより上昇搬送された作物は、中継搬送コンベヤ24を経て左右整列搬送コンベヤ7b,7cの双方に供給されたり、右整列搬送コンベヤ7cにのみ供給される状態となり、作物の形状の大小あるいは量にあわせて種々の分配を選択することができる。
【0039】
また、上昇搬送装置6の搬送コンベヤ6cの終端側下方に、中継搬送コンベヤ24を反対方向(図19で上側)に90度屈折するように配設した場合には、方向変更板31の一端を中継搬送コンベヤ24の上手側フレームから終端側フレームに付け替えることにより対応できるように構成している。
【0040】
また、上昇搬送装置6の搬送コンベヤ6cの搬送速度Am/Sec、中継搬送コンベヤ24の搬送速度Bm/Sec及び左右整列搬送コンベヤ7b,7cの搬送速度Cm/Secとすると、その搬送速度をA≦B≦Cになるように設定し、作物の上昇搬送、中継搬送及び整列搬送の円滑化を図っている。
【0041】
また、図21に示すように構成してもよい。上昇搬送装置6の搬送コンベヤ6cの終端側に、整列搬送装置7の左右整列搬送ベルト7b,7cを90度屈折した状態で接続するにあたり、搬送コンベヤ6cと左右整列搬送ベルト7b,7cとの間に、中継搬送コンベヤ32、中継カーブコンベヤ33を配設している。中継搬送コンベヤ32の搬送幅を搬送コンベヤ6cと略同幅にして同じ方向へ搬送するようにし、搬送コンベヤ6cからの作物をカーブコンベヤ33に搬送する。中継カーブコンベヤ33は、始端側のプーリに対して終端側のプーリを直交状態に配設して、例えば軟質部材の搬送ベルトを掛け回し、搬送コンベヤ6cの搬送幅及び左右整列搬送ベルト7b,7cの左右幅と略同幅に構成し、中央部に搬送方向に沿うように円弧状の中央分離帯34を設けている。
【0042】
しかして、搬送コンベヤ6c、中継搬送コンベヤ32の一側から引き継いだ作物を、中継カーブコンベヤ33の長い外側搬送部33aを経由して左整列搬送コンベヤ7bに搬送し、また、他側から引き継いだ作物を中継カーブコンベヤ33の短い内側搬送部33bを経由して右整列搬送ベルト7cへ搬送する。
【0043】
また、上昇搬送装置6の搬送コンベヤ6c及び中継搬送コンベヤ32の搬送速度Am/Secと、中継カーブコンベヤ33の短い内側搬送部33bの搬送速度Bm/Secを略同じに構成している。また、中継カーブコンベヤ33の長い外側搬送部33aの搬送速度Cm/Secは、左右整列搬送コンベヤ7b,7cの搬送速度Cm/Secより遅く構成している。
【0044】
なお、中継カーブコンベヤ33をローラコンベヤ型で構成してもよい。また、中央分離帯34を中継カーブコンベヤ33のベルトと一体的に構成してもよい。
前記構成によると、上昇搬送装置6から左右整列搬送コンベヤ7b,7cに作物の乱れを少なくしながら分配供給することができる。
【0045】
また、図22及び図23のように構成してもよい。搬送コンベヤ6cの終端側下方に対向して同じ方向へ搬送する分配搬送装置29を配設し、分配搬送装置29の始端側に対向して右整列搬送コンベヤ7cを配設し、終端側に対向して左整列搬送コンベヤ7bを配設している。この分配搬送装置29は、フレームに内側プーリ29a、外側プーリ29b及び上部中央プーリ29cを側面視三角形状に配設し、これらのプーリ29a,29b,29cに搬送コンベヤ6cの搬送幅と略同じ幅の分配コンベヤ29dを巻き掛け、上部中央プーリ29cを上下方向及び搬送方向に移動調節可能に構成している。
【0046】
前記構成によると、搬送コンベヤ6cで上昇搬送された作物は落下して右整列搬送コンベヤ7cに供給され、また、右整列搬送コンベヤ7c上に停滞した作物が分配コンベヤ29dにより終端側に搬送されて左整列搬送ベルト7bに分配供給される。また、上部中央プーリ29cを上下に調節することにより、搬送量を調節することができ、また、分配コンベヤ29dの上部中央プーリ29cを搬送方向に移動調節することにより、搬送量を調節し作物を左右整列搬送コンベヤ7b,7cに円滑に分配することができる。
【0047】
また、図24のように構成してもよい。搬送コンベヤ6cの終端側で且つ左右整列搬送コンベア7b,7cの下方に、基部側が搬送コンベヤ6cの搬送幅の略半分の幅であり基部から離れるほど幅広となるシュータ30を取り付ける。
【0048】
前記構成によると、搬送コンベヤ6cで上昇搬送される作物が細い側を搬送コンベヤ6cの中央を向いていても、シュータ30が基部から離れるほど幅広であることによって、シュータ30上に落下した作物が転がっても右整列搬送ベルト7cまで転げ落ちてしまうことが防止されるので、作物は搬送コンベヤ6cに乗った位置に応じて適切に左右整列ベルト7b,7cに投入されるため、作物の整列が適切に行われる。
【0049】
また、前記シュータ30を、幅広部分を任意に広げられる、あるいは狭められるように構成してもよい。
整列させる作物が小さいと、落下時に転がった際の作物の旋回半径が小さいので、シュータ30を広げることによって作物が右整列搬送ベルト7cに落下するのを防止できる効果が向上するため、作物の整列がより適切に行われる。
【0050】
そして、整列させる作物が大きいと、落下時に転がった際の作物の旋回半径が大きいので、シュータ30を狭めることによって作物が右整列搬送ベルト7cに落下するのを防止できる効果が向上するため、作物の整列がより適切に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】作物洗浄選別施設の作業工程図
【図2】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【図3】上昇搬送装置、整列搬送装置の側面図
【図4】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【図5】上昇搬送装置、整列搬送装置の側面図
【図6】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【図7】上昇搬送装置、整列搬送装置の側面図
【図8】(A)整列搬送コンベヤの平面図 (B)整列搬送コンベヤの側面図
【図9】整列搬送コンベヤの背面図
【図10】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【図11】上昇搬送装置、整列搬送装置の側面図
【図12】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【図13】上昇搬送装置、整列搬送装置の側面図
【図14】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【図15】上昇搬送装置、整列搬送装置の側面図
【図16】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【図17】上昇搬送装置、整列搬送装置の側面図
【図18】(A)上昇搬送装置、整列搬送装置の側面図 (B)タイムチャート
【図19】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【図20】上昇搬送装置、整列搬送装置の側面図
【図21】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【図22】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【図23】上昇搬送装置、整列搬送装置の側面図
【図24】上昇搬送装置、整列搬送装置の平面図
【符号の説明】
【0052】
5 貯溜部
6 上方搬送装置
7 整列搬送装置
11 分配板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を貯溜する貯溜部(5)と、前記貯溜部(5)に貯溜された作物を上方へ搬送する上方搬送装置(6)と、前記上方搬送装置(6)の終端側下方に対向して交叉させて配置する複数の整列搬送装置(7)と、前記汲上搬送装置(6)の搬送終端側一側で且つ前記整列搬送装置(7)の搬送始端側上方に対向させて、汲上搬送装置(6)の搬送幅よりも幅の狭い分配板(11)を配設したことを特徴とする作物整列搬送装置。
【請求項2】
前記分配板(11)を着脱自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の作物整列搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−179446(P2008−179446A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13894(P2007−13894)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】