説明

使用済み紙おむつの再生利用方法

【課題】薬剤を使わずに紙おむつに含まれる高分子ポリマーを微粒子状できる使用済み紙おむつの再生利用方法を得る。
【解決手段】本発明の再生利用方法は、使用済み紙おむつを破断するとともにパルプ成分と非パルプ成分とに分解し、該分解したパルプ成分とビニール等の非パルプ成分との混合物を水で洗浄したのちに、該混合物から非パルプ成分を分離して回収する。非パルプ成分が除去されたパルプ成分に混在していて吸水膨張している高分子ポリマーを、粉砕機1によってパルプ成分の繊維を破断することなく10μm以下の微粒子状に破断して、微粒子状の高分子ポリマーとパルプ成分と水とを含む懸濁液を形成し、該懸濁液を脱水してパルプ成分から高分子ポリマーを水と共に除去して、パルプ成分を回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み紙おむつからパルプ成分を回収して再利用するための使用済み紙おむつの再生利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および2には、使用済み紙おむつを破断した後に、ポリマー分解剤を混ぜた水で紙おむつに含まれる高分子ポリマーを粒状のモノマーに分解してから、パルプ成分を分離回収する再生利用方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−084533号公報(図1−2)
【特許文献2】特開2006−289154号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および2の再生利用方法では、ポリマー分解剤(薬剤)を使って高分子ポリマーを分解しているため、そのポリマー分解剤の保管およびポリマー分解剤の水への混合割合の調整等の管理が煩わしいことになる。
【0005】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、薬剤を使わずに紙おむつに含まれる高分子ポリマーを微粒子状にして、パルプ成分から高分子ポリマーを水と共に容易に除去できる使用済み紙おむつの再生利用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る使用済み紙おむつの再生利用方法は、図1に示すように、使用済み紙おむつを破断するとともにパルプ成分と非パルプ成分とに分解し、該分解したパルプ成分と非パルプ成分との混合物を水で洗浄したのちに、該混合物から非パルプ成分を分離して回収し、粉砕機1によって、パルプ成分の繊維を破断することなく、非パルプ成分が除去されたパルプ成分に混在していて吸水膨張している高分子ポリマーを10μm以下の微粒子状に破断して、微粒子状の高分子ポリマーとパルプ成分と水とを含む懸濁液を形成し、該懸濁液を脱水してパルプ成分から高分子ポリマーを水と共に除去して、パルプ成分を回収することを特徴とする。ここでの非パルプ成分には、紙おむつの構成素材であるビニール等の合成樹脂および合成樹脂製の不織布等が該当する。洗浄用の水には、地下水や河川の水等からなる工業用水および海水等が該当する。破断後の高分子ポリマーの微粒子の径は、小さければ小さい程好ましい。
【0007】
具体的には、粉砕機1は、円盤状に形成されてモータ6で回転駆動される回転体2と、円盤状に形成される固定体3と、内部に回転体2および固定体3を収容するケーシング7とを有する。固定体3は、ケーシング7に固定され、該固定体3の周方向に沿って複数個の固定歯15を所定間隔をあけて並べて配置した固定歯列16・17を有している。回転体2は、該回転体2の周方向に沿って複数個の回転歯19を所定間隔をあけて並べて配置した回転歯列20・21を有し、該回転歯列20・21を配置した面が固定体3における固定歯列16・17を配置した面に臨む姿勢で固定体3と同軸上になるように配置してある。回転体2の回転歯列20・21と、固定体3の固定歯列16・17とは、所定寸法の隙間Wを介在させた状態で固定体3の径方向に交互に配置してある。パルプ成分と高分子ポリマーとは、回転体2および固定体3の軸心側から周縁側に向けて流れることで、回転体2の回転歯列20・21と固定体3の固定歯列16・17とを通過するようになっている。そして、回転歯列20・21と固定歯列16・17との間の隙間Wは、パルプ成分の繊維が、回転歯列20・21の回転歯19と固定歯列16・17の固定歯15とで破断されることを回避できる寸法に設定してあるものとすることができる。回転歯列20・21と固定歯列16・17との間の隙間Wは、大きいほうが好ましいが、過度に大きくなると高分子ポリマーが破断され難くなるため、0.2〜0.8mmの範囲が好ましい。
【0008】
回転体2の回転歯列20・21と固定体3の固定歯列16・17とを通過した高分子ポリマーの少なくとも一部が、回転体2および固定体3の軸心側に戻されるものとすることができる。
【0009】
水で洗浄されたパルプ成分と非パルプ成分とは、再び水で洗浄されるものとすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る使用済み紙おむつの再生利用方法によれば、吸水膨張している高分子ポリマーが、粉砕機1によって懸濁液化可能な10μm以下の微粒子まで破断されるので、脱水処理によってパルプ成分から高分子ポリマーを水と共に容易に除去でき、これにてパルプ成分のみを確実に回収することができる。そのうえで、薬剤を使わずに高分子ポリマーを微粒子状にするので、その薬剤の保管等の管理が不要となり、再生利用方法の実施に伴う管理の手間等を抑えることができる。また、粉砕機1は、パルプ成分の繊維を破断しないので、パルプ成分の繊維長が過度に短くなって、パルプ成分を段ボール等に再利用できなくなることを防止できる。また、非パルプ成分を回収するので、該非パルプ成分を再生樹脂等として再利用することができる。
【0011】
粉砕機1の回転体2の回転歯列20・21と固定体3の固定歯列16・17との間の隙間Wが、パルプ成分の繊維が、回転歯列20・21の回転歯19と固定歯列16・17の固定歯15とで破断されることを回避できる寸法に設定してあると、吸水膨張している高分子ポリマーを、回転している回転体2の回転歯19に衝突させて確実に破断させて微粒子化できながら、粉砕機1によってパルプ成分の繊維が破断することを確実に抑えることができる。
【0012】
回転体2の回転歯列20・21と固定体3の固定歯列16・17とを通過した高分子ポリマーが、回転体2および固定体3の軸心側に戻されると、該高分子ポリマーが回転歯19に再度衝突して、該高分子ポリマーがより破断されて微粒子化が促進される。
【0013】
水で洗浄されたパルプ成分と非パルプ成分とが再び水で洗浄されると、パルプ成分および非パルプ成分から汚物成分や汚れ等がより確りと除去され、これにてパルプ成分と非パルプ成分との品質を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1ないし図3に、本発明に係る使用済み紙おむつの再生利用方法の実施形態を示す。この再生利用方法では、図1に示すように、計量工程と、分解工程と、洗浄工程と、再洗浄工程と、分離工程と、パルプ成分・高ポリマー混合物粉砕工程と、脱水工程と、回収工程とを有し、これら工程を順に経ることで使用済み紙おむつに含まれるパルプ成分が回収される。また、この再生利用方法では、使用済み紙おむつに含まれるビニール等の合成樹脂および合成樹脂製の不織布等の非パルプ成分を回収するビニール回収工程を有している。
【0015】
計量工程では、処理対象の使用済み紙おむつが、計量されて所定量ずつに纏められるとともに、カッター等で破片状に破断される。また計量工程では、紫外線ランプやオゾン(気体)やオゾン水等を用いて使用済み紙おむつの殺菌および消臭が行われる。以下の工程では、使用済み紙おむつの処理は所定量毎に行われる。
【0016】
分解工程では、前記所定量に纏められて破断された使用済み紙おむつが、工業用水や海水等が注水されている分解用ドラム内に投入され、これによって吸水してふやける。この使用済み紙おむつが、分解用ドラムの回転によって高分子ポリマーおよび汚物成分を含むパルプ成分と非パルプ成分とに分解される。また、前記高分子ポリマーは、吸水膨張している。
【0017】
分解用ドラムには、直径3mmの孔が多数設けられており、水溶化した汚物成分や汚れ等のみが、前記地下水や海水等と共に前記孔を通り抜けるようになっている。分解用ドラム内に残ったパルプ成分および非パルプ成分が洗浄工程へ送られる。前記水溶化した汚物成分等を含む工業用水等は、微生物等を用いて浄化されたのちに下水道等に排出される。分解用ドラムの内面には、複数個の突起が設けられており、該突起が、分解用ドラムの回転に伴って破断状態の使用済み紙おむつに衝突することで、前記分解が促進される。なお、洗浄工程へ送られたパルプ成分および非パルプ成分には、汚物成分や汚れ等が未だ残留している。
【0018】
洗浄工程では、分解用ドラムから取り出された前記パルプ成分と非パルプ成分との混合物が、工業用水等が注水されている洗浄槽内に配置された洗浄用ドラム内に投入され、該洗浄用ドラムが所定時間回転することで洗浄される。洗浄用ドラムには、直径8mmの孔が多数設けられており、前記混合物が孔を通り抜ける際に攪拌されることで洗浄作用が促進される。この洗浄によってパルプ成分および非パルプ成分から汚物成分や汚れ等が分離される。なお、洗浄中は洗浄槽内の工業用水等は排水されず、洗浄が完了すると前記混合物と共に再洗浄工程に送られる。その後に洗浄槽内に工業用水等が新たに注水される。
【0019】
再洗浄工程では、前記洗浄槽から送られてきた混合物と工業用水等とが、工業用水等が放水されている再洗浄用ドラム内に投入され、該再洗浄用ドラムが所定時間回転することで、前記混合物が再び水で洗浄(再洗浄)される。再洗浄用ドラムは、直径3mmの孔が多数設けられており、水溶化した汚物成分や汚れ等のみが、工業用水等と共に前記孔を通り抜けるようになっている。再洗浄用ドラム内への放水は、再洗浄中、継続して行われる。それに伴ってパルプ成分および非パルプ成分から除去された汚物成分や汚れ等が、工業用水等と共に再洗浄用ドラムの孔を通り抜けて再洗浄用ドラムから排除される。これによってパルプ成分および非パルプ成分から汚物成分や汚れ等がほぼ完全に除去される。再洗浄完了後に、再洗浄用ドラム内に残ったパルプ成分および非パルプ成分の混合物が分離工程へ送られる。前記水溶化した汚物成分等を含む工業用水等は、微生物等を用いて浄化されたのちに下水道等に排出される。パルプ成分および非パルプ成分は、水を含んだ状態で分離工程へ送られる。
【0020】
分離工程では、水を含むパルプ成分および非パルプ成分が、直径8mmの孔が多数設けられた分離用ドラムに投入されることで、該分離用ドラムの孔をパルプ成分および高分子ポリマーが水と共に通り抜ける一方で、分離用ドラム内には非パルプ成分が残留する。分離用ドラム内に残留したビニール等の非パルプ成分は、ビニール回収工程で回収されて再生樹脂等として再利用される。該分離用ドラムの孔を通り抜けたパルプ成分および高分子ポリマーは、水と共に貯留槽で一旦貯留される。
【0021】
パルプ成分・高ポリマー混合物粉砕工程では、前記貯留槽に貯留された高分子ポリマーおよびパルプ成分が水と共に粉砕機1に送られる。そして、粉砕機1によって、パルプ成分の繊維が破断されることなく、非パルプ成分が除去されたパルプ成分に混在していて吸水膨張している高分子ポリマーが10μm以下の微粒子状に破断され、これにて微粒子状の高分子ポリマーとパルプ成分と水とを含む懸濁液が形成される。
【0022】
脱水工程では、前記懸濁液が脱水用ドラムに投入され、該脱水用ドラムが回転することで脱水される。脱水用ドラムは、直径3mmの孔が多数設けられており、水と混ざり合った高分子ポリマーが、該水と共に前記孔を通り抜けてパルプ成分から除去される。水と高分子ポリマーとは下水道等に排水されるが、高分子ポリマーは無害のため、環境等に悪影響を与えない。また、高分子ポリマーは微粒子状に破断されているために下水道等の詰まりを生じさせることもない。
【0023】
回収工程では、脱水用ドラム内からパルプ成分が取り出される。そして、この回収されたパルプ成分が、段ボール等に加工されて再利用される。
【0024】
前記パルプ成分・高ポリマー混合物粉砕工程に用いられる粉砕機1は、図2および図3に示すように、円盤状に形成される回転体2と、円盤状に形成される固定体3と、内部に回転体2および固定体3を収容するケーシング7とを有する。回転体2は、シャフト5を介してモータ6に接続され、該モータ6で回転駆動される。回転体2は、例えば2000〜2500rpmの回転数で高速回転している。
【0025】
図2に示すように、ケーシング7の上壁7aには、前記貯留槽から水と共に送られてきた高分子ポリマーおよびパルプ成分を導入するための導入口10が形成されており、ケーシング7の側壁7bには、粉砕機1で破断された高分子ポリマーと、パルプ成分とを排出するための排出口11が形成される。回転体2の周縁とケーシング7の側壁7bの内面との間にはパッキン12が配置される。パッキン12は、回転体2の周縁とケーシング7の側壁7bの内面との間を完全には封止しておらず、破断された高分子ポリマーの少なくとも一部が、導入口10側に戻って再度破断されるようになっている。これにて、高分子ポリマーの微粒子化が促進される。パッキン12は、回転体2の回転を妨げないようになっている。
【0026】
粉砕機1の固定体3は、ケーシング7の下壁7cにボルト等で固定してあり、図2および図3に示すように、該固定体3の上面には、固定体3の周方向に沿って複数個の固定歯15を所定間隔をあけて並べて配置した内外二列の固定歯列16・17を有している。回転体2の下面には、回転体2の周方向に沿って複数個の回転歯19を所定間隔をあけて並べて配置した内外二列の回転歯列20・21を有し、回転体2は、回転歯列20・21を配置した面が固定体3における固定歯列16・17を配置した面に臨む姿勢で固定体3と同軸上になるように、回転体2と固定体3とが上下に配置してある。
【0027】
固定歯15は、固定体3の周方向および上下方向の寸法に比べて径方向の厚さ寸法が小さい平板状に形成され、回転歯19は、回転体2の周方向および上下方向の寸法に比べて径方向の厚さ寸法が小さい平板状に形成される。
【0028】
回転体2には、回転歯列20・21よりも軸心側に四個の開口部22が周方向に所定間隔をあけて形成されており、各開口部22の上面を覆うようにフード23が設けられる。フード23は、ケーシング7の上部内に配置され、回転体2の回転方向A(図3)の下流側に向けて開口するとともに、フード23の丸屋根状の上面23aが開口部22の上面から回転体2の回転方向の下流側へ向けて上り傾斜している。回転体2の開口部22の下面は、回転体2の下面に形成された円環状の環状溝25に繋がっており、該環状溝25の外周壁26には、回転体2の外周側に伸びる連通溝27が形成される。
【0029】
回転体2の回転歯列20・21と固定体3の固定歯列16・17とは、所定寸法(例えば0.25mm)の隙間Wを介在させた状態で固定体3の径方向に交互に配置される。つまり、回転体2の内周側の回転歯列20は、固定体3の内外二列の固定歯列16・17のに前記隙間Wを介在させた状態で入り込む。回転体2の外周側の回転歯列21は、固定体3の外周側の固定歯列17の外側に前記隙間Wを介在させた状態で位置する。固定体3の内周側の固定歯列16は、回転体2の前記外周壁26の外側に所定寸法(例えば0.25mm)の隙間W0を介在させた状態で位置する。
【0030】
回転歯列20・21と固定歯列16・17との間の隙間Wは、パルプ成分の繊維が、回転歯列20・21の回転歯19と固定歯列16・17の固定歯15とで破断されることを回避できる寸法に設定してある。なお、回転体2の回転歯列20・21の下端面とそれに臨む固定体3の上面との間の隙間、および固定体3の固定歯列16・17の上端面とそれに臨む回転体2の下面との間の隙間は、狭いほうが好ましい。
【0031】
そして、前記貯留槽から水と共に送られてきた高分子ポリマーとパルプ成分とが、導入口10からケーシング7の上部内に導入されて、回転体2のフード23内に取り込まれ、回転体2の開口部22と環状溝25と連通溝27とを順に介して、回転体2および固定体3の軸心側から周縁側に向けて流れる。これにて、吸水膨張している高分子ポリマーが、回転体2の回転歯列20・21と固定体3の固定歯列16・17とを通過して、10μm以下の微粒子状に破断される。なお、破断された高分子ポリマーの少なくとも一部は、前述のように導入口10側に戻る。
【0032】
パルプ成分の繊維が、固定歯列16・17および回転歯列20・21を通過する際に、固定歯列16・17の固定歯15および回転歯列20・21の回転歯19によってパルプ成分の繊維が破断されることが回避されるので、パルプ成分の繊維長が過度に短くなって、段ボール等に再利用できなくなることが防止される。
【0033】
このように、吸水膨張している高分子ポリマーが、粉砕機1によって懸濁液化可能な10μm以下まで破断されるので、脱水工程での脱水処理によって、高分子ポリマーを水と共にパルプ成分から容易に分離することができる。これにて、パルプ成分のみを確実に回収することができる。また、本発明の再生利用方法では、いずれの工程においても薬剤を用いていないので、その薬剤の管理の手間等が不要になる。
【0034】
なお、貯留槽と粉砕機1との間にフィルタを配置してもよい。計量工程では、マイクロ波等を用いて使用済み紙おむつを加熱して殺菌してもよい。回転歯列20・21と固定歯列16・17とは、それぞれ一列のみであってもよく、三列以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る使用済み紙おむつの再生利用方法の行程図である。
【図2】本発明に係る粉砕機の要部を示す縦断図である。
【図3】粉砕機の要部を示す横断図である。
【符号の説明】
【0036】
1 粉砕機
2 回転体
3 固定体
6 モータ
7 ケーシング
15 固定歯
19 回転歯
20・21 回転歯列
16・17 固定歯列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済み紙おむつを破断するとともにパルプ成分と非パルプ成分とに分解し、該分解したパルプ成分と非パルプ成分との混合物を水で洗浄したのちに、該混合物から非パルプ成分を分離して回収し、粉砕機(1)によって、パルプ成分の繊維を破断することなく、非パルプ成分が除去されたパルプ成分に混在していて吸水膨張している高分子ポリマーを10μm以下の微粒子状に破断して、微粒子状の高分子ポリマーとパルプ成分と水とを含む懸濁液を形成し、該懸濁液を脱水してパルプ成分から高分子ポリマーを水と共に除去して、パルプ成分を回収することを特徴とする使用済み紙おむつの再生利用方法。
【請求項2】
粉砕機(1)は、円盤状に形成されてモータ(6)で回転駆動される回転体(2)と、円盤状に形成される固定体(3)と、内部に回転体(2)および固定体(3)を収容するケーシング(7)とを有し、
固定体(3)は、ケーシング(7)に固定され、該固定体(3)の周方向に沿って複数個の固定歯(15)を所定間隔をあけて並べて配置した固定歯列(16・17)を少なくとも一列有しており、
回転体(2)は、該回転体(2)の周方向に沿って複数個の回転歯(19)を所定間隔をあけて並べて配置した回転歯列(20・21)を少なくとも一列有し、該回転歯列(20・21)を配置した面が固定体(3)における固定歯列(16・17)を配置した面に臨む姿勢で固定体(3)と同軸上になるように配置してあり、
回転体(2)の回転歯列(20・21)と、固定体(3)の固定歯列(16・17)とは、所定寸法の隙間(W)を介在させた状態で固定体(3)の径方向に交互に配置してあり、
パルプ成分と高分子ポリマーとは、回転体(2)および固定体(3)の軸心側から周縁側に向けて流れることで、回転体(2)の回転歯列(20・21)と固定体(3)の固定歯列(16・17)とを通過するようになっており、
回転歯列(20・21)と固定歯列(16・17)との間の隙間(W)は、パルプ成分の繊維が、回転歯列(20・21)の回転歯(19)と固定歯列(16・17)の固定歯(15)とで破断されることを回避できる寸法に設定してある請求項1記載の使用済み紙おむつの再生利用方法。
【請求項3】
回転体(2)の回転歯列(20・21)と固定体(3)の固定歯列(16・17)とを通過した高分子ポリマーの少なくとも一部が、回転体(2)および固定体(3)の軸心側に戻される請求項2記載の使用済み紙おむつの再生利用方法。
【請求項4】
水で洗浄されたパルプ成分と非パルプ成分とが、再び水で洗浄される請求項1ないし3のいずれかに記載の使用済み紙おむつの再生利用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−59586(P2010−59586A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229108(P2008−229108)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(508270026)イシイメディカルサービス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】