説明

侵食測定装置及びその施工方法並びにリアルタイムモニタリングシステム

【課題】 センサの流出が、実際の侵食形態を損なわない自然に近い状態で行われるような侵食測定装置を提供する。
【解決手段】 侵食測定装置は、流水の侵食作用によって埋設箇所から流出する際に流出を知らせるためのトリガ手段を内蔵した複数のセンサ11、12と、これらのトリガ手段と協働してセンサの流出の有無及び流出したセンサを判別する測定手段21と、この測定手段による判別結果を低周波磁界で伝送する通信手段22と、埋設箇所とは別の場所に設置され前記判別結果を受信する受信装置30とを含む。特に、センサの大きさ、比重の少なくとも一方を、流出が自然に近い状態で行われる値にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河床や河岸、海岸等の侵食の程度を測定するための侵食測定装置及びその施工方法並びにリアルタイムモニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
流路が砂や礫などのように流水によって変化する材料で構成されている沖積河川にあっては、河床や河岸、海岸等が洪水時の流水の作用によって侵食されることがあり、侵食の進行により河川堤防や海岸堤防が不安定化(強度低下)することで、その機能を喪失する(破堤する)可能性がある。
【0003】
このような問題点に対処するために、河床低下測定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この河床低下測定装置は、河道における河床に埋設され発信器を内蔵したセンサ部と、センサ部から発信された電波をアンテナを介して受信する受信器と、この受信器で受信された受信状況を記録する受信記録器とで構成される。受信器は通常、河床から離れた地上側、例えば堤体の高い位置に設置される。この河床低下測定装置はまた、前記センサ部が前記河床から下方へ向けて、目標とする計測範囲に相当する高さに積み重ねた状態の複数のセンサからなっている。各センサは円形状のベースを備えており、このベースの軸心部に発信器が設けられている。この発信器の下部にはリードスイッチが備えられていると共に前記発信器を囲繞して外筒が前記ベース上に設けられている。更に、前記外筒には取付部材を介してワイヤの一端が取り付けられ、ワイヤの他端にはマグネットが設けられている。前記リードスイッチは前記マグネットと協働してセンサが流出する時のトリガ手段として作用する。
【0004】
この河床低下測定装置では、河床の侵食の程度によって複数のセンサが上方から順に外れることから、外れたセンサの数と予め決められた高さ(埋設深さ)とで河床低下量が計測される。つまり、洪水等により河床が洗掘されてセンサが流出すると、内蔵された発信器がトリガ手段により起動され、起動された発信器はセンサ固有の識別番号を含む信号を送信する。地上側の受信器は流出したセンサから送信された信号を受信し、識別番号を判別することで河床の洗掘量を計測する。
【0005】
ところで、この河床低下測定装置では、センサとセンサから比較的離れた位置にある受信器との間の通信を電波で行うようにしているために、流出したセンサを水上に浮かせる必要がある。これは、数m程度の短い距離は別として、水中や土中では電波による通信が困難であることによる。このような理由により、流出の際にセンサを水上に浮き易くするために、前記外筒の周囲に発泡材が設けられている。つまり、発泡材はフロートとして作用する。しかしながら、このような発泡材はセンサの流出形態に悪影響を及ぼすことがある。例えば、水中ではセンサに大きな浮力が作用することによって洗掘深さが予め決められた高さ(埋設深さ)に達する前に浮力によって浮上、流出してしまうことがあり、測定誤差の原因となる。加えて、この状態では、センサが抜け出た後に窪みが生じ、この窪みに局所的な渦流が発生することになる。渦流はその窪み周辺あるいは深度方向に局所的に洗掘を拡大することになり、実際の現象とは大きくかけ離れた挙動を示す。このような局所的な洗掘現象は実際の洗掘量測定において大きな誤差の原因になるとともに、周辺構造物への悪影響を懸念させることになる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−365046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は上述の問題を解決することにあり、センサの流出が自然に近い状態で行われるような侵食測定装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の課題は、センサを水上に浮かせる必要の無い侵食測定装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の課題は、前記侵食測定装置を含む各種測定装置を用い、これら各種測定装置からのデータを利用して侵食状況、その他をリアルタイムでモニタリングできるようなリアルタイムモニタリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による侵食測定装置は、流水の侵食作用によって埋設箇所から流出する際に流出を知らせるためのトリガ手段を内蔵した1つ以上のセンサと、前記トリガ手段と協働して前記センサの流出の有無及び流出したセンサを判別する測定手段と、該測定手段による判別結果を無線で伝送する通信手段と、前記埋設箇所とは別の場所に設置され前記判別結果を受信する受信手段とを含み、前記センサの大きさ、比重の少なくとも一方を、流出が自然に近い状態で行われる値にしたことを特徴とする。
【0011】
前記通信手段は前記判別結果を低周波磁界信号で伝送することが望ましい。
【0012】
本侵食測定装置においては、前記センサの大きさ、比重の少なくとも一方を、前記埋設箇所を含む周辺領域における礫の平均粒径、比重を考慮して設定することが望ましい。
【0013】
本侵食測定装置における前記センサは、前記埋設箇所を含む周辺領域にある前記平均粒径を持つ礫自体を使用してその内部に前記トリガ手段を埋め込むことにより平均粒径、比重の少なくとも一方が考慮されたセンサとしても良いし、あるいはまた、前記トリガ手段を外被材料で被覆してセンサ全体の大きさを前記埋設箇所を含む周辺領域における礫の平均粒径に合わせ、必要に応じて前記外被材料に比重調整材料を混合してセンサ全体の比重を前記埋設箇所を含む周辺領域における礫の比重に合わせるようにしても良い。
【0014】
複数の前記センサはそれぞれ前記埋設箇所に異なる深さで埋設され、前記測定手段及び通信手段は筐体に収容し検出装置として最深部にあるセンサより深い位置に埋設される。
【0015】
前記センサは更に、前記トリガ手段によるセンサ流出を示す信号を電波で送信する送信手段を内蔵しても良く、この場合、前記測定手段は前記送信手段からの信号を受信する受信手段を有して受信した信号からセンサの流出の有無及び流出したセンサを判別する。
【0016】
前記検出装置は更に、前記通信手段を定期的に起動して少なくとも当該検出装置の識別情報を含む信号を伝送させるタイマ手段を有していても良い。
【0017】
本発明によればまた、上記侵食測定装置の施工方法が提供される。本施工方法においては、前記複数のセンサと前記検出装置とを一体的に組立てるための治具が用いられる。該治具は、各センサを深さ方向の両側から保持するための複数の保持用スペーサと、該保持用スペーサとセンサとの間に介在するように配置される複数の高さ調節用スペーサと、各保持用スペーサの周縁部を貫通し前記検出装置に着脱可能な複数の支柱とを含む。本施工方法においては、前記複数のセンサと前記検出装置とを前記治具で一体に組立てた組立体を埋設箇所に埋設した後、前記複数の支柱を抜き取ることを特徴とする。
【0018】
本発明によればまた、上記のいずれかの侵食測定装置を少なくとも1つ含み、該侵食測定装置からの信号を処理して侵食状況をリアルタイムで監視するリアルタイムモニタリングシステムが提供される。本リアルタイムモニタリングシステムは、前記低周波磁界信号を受信し、受信した信号を無線又は有線で送信する送受信装置と、該送受信装置からの信号を受信してデジタル信号に変換する受信装置と、前記デジタル信号をあらかじめ定められたプログラムに基づいて処理する処理装置と、該処理装置の処理結果を記憶する記憶装置と、前記処理結果を表示する表示装置とを備え、前記処理装置は処理結果をデータベース化して前記記憶装置に記憶させるとともに、前記表示装置により前記侵食状況をグラフ、数値の少なくとも一方で表示させるようにしたことを特徴とする。
【0019】
本リアルタイムモニタリングシステムにおいては、堤防内土中に埋設された少なくとも1つの浸潤線測定装置を含んでも良い。この場合、該浸潤線測定装置は堤防内土中の流水、雨水の浸潤線を測定して測定結果を前記低周波磁界信号とは別の低周波磁界信号で伝送し、該別の低周波磁界信号は前記侵食測定装置と兼用の前記送受信装置または該浸潤線測定装置専用の送受信装置、及び前記受信装置経由で前記処理装置に伝送され、前記処理装置は、前記浸潤線測定装置からの信号をも処理して、前記表示装置により前記堤防内土中の浸潤線の状況をグラフ、数値の少なくとも一方で表示させる。
【0020】
本リアルタイムモニタリングシステムにおいてはまた、前記侵食状況、前記浸潤線の状況を切替可能な別の画面で表示し、前記侵食状況については、前記侵食測定装置が埋設された計測地点の断面図に、埋設された侵食測定装置の現在の測定結果を表す棒グラフ、埋設された侵食測定装置に付与された識別情報、及び最新の測定結果を示す数値を重ねた画像で表示し、前記浸潤線の状況については、前記浸潤線測定装置が埋設された計測地点の断面図に、埋設された浸潤線測定装置の現在の測定結果を表す棒グラフ、埋設された浸潤線測定装置に付与された識別情報、及び最新の測定結果を示す数値を重ねた画像で表示することができる。
【0021】
本リアルタイムモニタリングシステムにおいては更に、前記断面図によって前記侵食状況を表示する画像と、前記埋設された侵食測定装置の過去の測定結果をあらかじめ設定された時間分だけ棒グラフ、数値の一覧のいずれかで経時変化として表示する画像とを1つの侵食状況リアルタイムモニタリング画面で表示するか、あるいは前記断面図によって前記浸潤線の状況を表示する画像と、前記埋設された浸潤線測定装置の過去の測定結果をあらかじめ設定された時間分だけ棒グラフ、数値の一覧のいずれかで経時変化として表示する画像とを1つの浸潤線状況リアルタイムモニタリング画面で表示することができる。
【0022】
本リアルタイムモニタリングシステムにおいては、更に、前記侵食測定装置による計測地点の近くに水位測定装置、雨量測定装置が設置されても良い。この場合、これらの測定結果を前記侵食状況リアルタイムモニタリング画面あるいは前記浸潤線状況リアルタイムモニタリング画面にグラフ、数値の少なくとも一方で表示する。
【0023】
本リアルタイムモニタリングシステムにおいては更に、前記侵食測定装置、前記浸潤線測定装置が距離を隔てた複数地点に設置され、前記処理装置は、これら複数地点の前記侵食測定装置の測定結果、前記浸潤線測定装置の測定結果を一括処理して一元管理を行い、前記表示装置にて表示されている画像と同じ画像情報、前記記憶装置にデータベース化されて保存されている情報を、あらかじめ定められたユーザ端末からの要求に応じてネットワーク経由で該ユーザ端末に伝送することができる。
【0024】
本発明によれば更に、上記のリアルタイムモニタリングシステムにおける前記記憶装置に格納され、前記処理装置に対して前記表示装置の表示制御を実行させるためのプログラムが提供される。本プログラムは、ユーザID、パスワードの入力を促す画面を表示させる第1のステップと、前記第1のステップで入力された前記ユーザID、パスワードが正当であると、画面を切替えて、測定装置とその設置箇所を示す測定地点との一覧画像及び前記測定地点を地図上で示す画像とを一画面上で表示させる第2のステップと、前記第2のステップで表示された画面上で前記測定地点のどれかが選択されると、画面を切替えて、前記侵食状況リアルタイムモニタリング画面、前記浸潤線状況リアルタイムモニタリング画面のいずれかを表示させる第3のステップと、前記第3のステップで表示された前記侵食状況リアルタイムモニタリング画面上、あるいは前記浸潤線状況リアルタイムモニタリング画面上で前記棒グラフ、前記数値の一覧の一方が表示されている状態で履歴データ検索画面表示が指定されると、過去から現時点までの測定結果の経時変化を示す画面に代えて、過去の指定された期間分の測定結果を経時変化として前記棒グラフ、前記数値の一覧の一方で表示させる第4のステップとを含む。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に記載の発明によれば、センサの大きさ、比重の少なくとも一方を流出が自然に近い状態で行われる値にしたことにより、侵食量の測定誤差を小さくできる効果を有する。
【0026】
請求項2に記載の発明によれば、水中あるいは土中にある検出装置とこの検出装置から比較的離れた場所にある受信装置との間の通信を低周波磁界信号で行うことができるので、流出したセンサを水上に浮かせる必要が無く、従ってセンサに発泡材のような構成要素を備える必要が無い。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、検出装置から受信装置に対して定期的に検出装置を示す信号を送信させるようにしたことにより、受信装置側で検出装置側の健全性を的確に確認することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、侵食測定装置の埋設施工を簡単な作業で行うことができる。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、これまで提供されていなかった河道侵食や海岸侵食等の状況をモニタリングする手段を開発したことで、河道や海岸の侵食変化等の実態を時系列的にリアルタイムで把握することができるリアルタイムモニタリングシステムを提供できる。つまり、本リアルタイムモニタリングシステムは、侵食作用、浸潤線のうち、少なくとも侵食作用に対する堤防等の河道施設の安全性の確保と向上に寄与するものであり、測定装置を1つの計測地点に複数個、また複数の計測地点にそれぞれ複数個の測定装置を設置した場合であってもこれらの測定装置からの信号を受信してリアルタイムで一元管理するのに適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
はじめに、本発明による侵食測定装置の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明による侵食測定装置の第1の実施形態の基本構成を示すブロック図である。図1において、侵食測定装置は、複数のセンサ11、12(ここでは便宜上、2個のみを示す)と、測定手段21と通信手段22とを密閉筐体に内蔵した検出装置20と、地上側の受信装置30とから成る。受信装置30は、洪水等による流出のおそれの少ない場所を選んで設置される。
【0032】
センサ11、12と検出装置20は河床、高水敷等に埋設され、各センサには後述するトリガ手段が内蔵されている。各センサは、検出装置20の上方に間隔をおいて重なるように埋設されるだけで良く、洪水等による埋設箇所の侵食量に応じて上から順に外れて流出するようにされている。複数のセンサ11、12と検出装置20との組合せは、通常、河床、高水敷等の異なる複数箇所に埋設される。複数箇所に埋設される場合には、検出装置を識別するために検出装置毎に識別番号等の情報が付与される。検出装置20については、簡単には流出しないように設置されることが好ましい。また、検出装置20は電源としてバッテリを内蔵(図示省略)しているが、有線で別場所から電力を供給するようにしても良い。
【0033】
洪水等により埋設箇所が洗掘されると、洗掘が進行するにつれて埋設深さの浅い順にセンサが流出する。センサは、流出に際して内蔵したトリガ手段がトリガ信号を生成する。このトリガ信号は測定手段21で検知される。測定手段21は、後述するように、発信回路と、検知したトリガ信号に対応するセンサ、つまり流出したセンサを示す識別情報を生成する情報生成回路とを含む。これにより、測定手段21は発信回路で発生した信号に流出したセンサを示す識別情報をのせた信号を出力する。このようにして、測定手段21はセンサの流出を判別し、判別結果を通信手段22に送出する。通信手段22は、受け取った判別結果を検出装置20を示す識別情報とともに低周波磁界信号によって地上側の受信装置30へ伝送する。なお、低周波磁界信号というのは、周知のように、1kHz〜10kHz程度の周波数による磁界信号である。このため、受信装置30は低周波磁界信号を受信するための受信部を備える。低周波磁界信号によれば、水中あるいは土中からの送信であっても比較的離れた地上側にある受信装置30での受信が可能となる。周囲の環境条件にもよるが、一例をあげれば、概ね半径100m程度の範囲内で十分に受信可能である。
【0034】
ところで、どのセンサが流出したかの判別は、様々な方法で実現することができる。最も簡単な例は、センサに対応したスイッチを測定手段21に配置し、センサにはワイヤを接続してセンサが流出するとこのワイヤによりスイッチを起動するという構成が考えられる。あるいは、測定手段21において各センサからのトリガ信号の受信部を個別に備えることでトリガ信号がどのセンサで生成されたかを簡単に知ることができる。更に、各センサで生成されるトリガ信号に個別に識別情報を与えておいて、それを測定手段21で識別するようにしても良い。これは以降で述べられるいずれの実施形態でも同様である。
【0035】
いずれにしても、測定手段21はどのセンサが流出したのかを示す判別結果を示す信号を通信手段22に送出する。通信手段22はこの判別結果と検出装置20に付与された識別番号等の情報とを含む信号の送信に低周波磁界を用いることにより、水中、地中のいずれから送信された信号であっても地上側の受信装置30ではこれを受信してどの検出装置のどのセンサが流出したのかを時系列で判別することが可能となる。
【0036】
なお、受信装置30は記録装置を備えていても良い。更に、検出装置20内に、測定手段21、通信手段22に加えて、一定間隔で通信手段22を起動するための起動信号を出力するタイマ(図示省略)を内蔵しても良い。この場合、洗掘が発生しない場合においてもタイマからの起動信号により定期的に通信手段22を起動させて低周波磁界により地上側の受信装置30に信号を送信することができる。この信号には検出装置20の識別番号等の情報が含まれる。これにより、この信号を受信した受信装置30では、埋設されたセンサと検出装置20とが健全に動作していることを確認することが可能となる。
【0037】
図2を参照して、トリガ手段と測定手段21との組合せの具体例について説明する。
【0038】
本例ではトリガ手段としてコンデンサを用いる。図2の例ではコンデンサC1〜C4を1個ずつ内蔵した4個のセンサ11〜14を備え、これらを検出装置20上に間隔をおいて積み重ねて河床等に埋設している。コンデンサC1〜C4はそれぞれケース、例えば絶縁性の円筒状のケースに密封内蔵されて電気的に並列に接続されると共に検出装置20側に設置されたコンデンサC5を介して測定手段21に接続される。センサ11と12、12と13、13と14、センサ14と検出装置20間を接続している配線は、センサの流出に際して切断しやすい信号線を用いることが好ましい。
【0039】
埋設箇所の侵食によりセンサが上方のものから順に流出する毎にコンデンサが測定手段21から切り離されるので、測定手段21で測定される静電容量が減少する。これは、流出したセンサに内蔵されたトリガ手段が流出に際してトリガ信号を生成していると見なすことができる。このことから、測定手段21の情報生成回路において静電容量の変化を測定することで接続されているセンサの個数を測定することができる。勿論、センサの流出は上方のものから順に発生するので、静電容量の変化を測定することでどのセンサが流出したのかを時系列で知ることもできる。このようにして、測定手段21は静電容量が変化すると、どのセンサが流出したのかを示す信号を通信手段22に送出する。通信手段22は、この信号と検出装置20を示す識別情報とを含む信号を低周波磁界によって地上側の受信装置30(図1)へ送信する。
【0040】
なお、上記コンデンサに代えて抵抗体を内蔵したセンサを用いても良い。この場合、測定手段21に対して複数の抵抗体が並列に接続されるので、埋設箇所の侵食によりセンサが上方のものから順に流出する毎に測定手段21で測定される抵抗値が増加する。このことから、測定手段21の情報生成回路において抵抗値の増加量を測定することで接続されているセンサの個数を測定することができる。勿論、センサの流出は上方のものから順に発生するので、抵抗値の増加量を測定することでどのセンサが流出したのかを知ることもできる。このようにして、測定手段21は抵抗値が増加すると、どのセンサが流出したのかを示す信号を通信手段22に送出する。通信手段22は、この信号と検出装置20を示す識別情報とを含む信号を低周波磁界によって地上側の受信装置30へ送信する。抵抗体を用いる場合、河川や河床の抵抗値に比べて接続する抵抗体の抵抗値を低くすることで埋設環境および洪水などによる抵抗値の変化に影響を受けないようにすることができる。
【0041】
いずれにしても、本形態においてはセンサにバッテリを内蔵させる必要が無いという利点がある。
【0042】
次に、図3、図4を参照して本発明の特徴の一つであるセンサの構造について説明する。本発明ではセンサの仕様、ここでは大きさ、比重について考慮している。つまり、本発明による侵食測定装置のうち、流出の対象となるセンサができるだけ自然に近い状態で流出し、しかもセンサの存在が河床等の埋設箇所の洗掘に悪影響を及ぼさないように大きさ、比重の少なくとも一方を設定するようにしている。
【0043】
図3は、センサ11を、埋設箇所あるいはその周辺領域に存在する礫40を利用して構成する例を示す。特に、礫40は、様々な種類の礫をもとに平均粒径、比重を計測し、計測された平均粒径、比重に近い値を持つ礫を選び出して利用する。平均粒径について言えば、通常は数cm〜数十cm程度であるが、場合によってはそれ以下、あるいは1mを越え数mとなる場合もあり得る。トリガ手段を内蔵した絶縁性の密閉ケース11−1は選び出した礫40に穴をあけて埋め込む。図示していないが、トリガ手段を内蔵したケース11−1を礫40内に密封するに際しては、トリガ手段を測定手段と接続するための信号線を穴から導出した状態で行う。
【0044】
図4は、図3の礫40と同様のものを人工的に作る場合の例を示す。ここではトリガ手段を内蔵したケース11−1を高強度コンクリート材11−2を使用して密封するようにしている。全体の大きさは、図3の例と同様、計測された礫の平均粒径に合わされる。高強度コンクリート材11−2のみで所望の比重が得られない場合には、鉄、鉛等の比重の大きな比重調整材料を混合すれば良い。本例でも、ケース11−1から導出される信号線は図示を省略している。
【0045】
図5は、本発明による侵食測定装置の第2の実施形態を示し、図1に示された受信装置30と同様の受信装置は図示を省略している。本実施形態では、各センサ15、16と検出装置25との間を無線、特に電波にて通信を行うようにしている。つまり、センサ15、16がそれぞれ、トリガ手段15−1、16−1に加えて無線送信装置15−2、16−2を内蔵している。このため、各センサと検出装置25との間を有線で結ぶ必要は無い。一方、検出装置25は、各センサからの無線信号を受信するアンテナを含む受信部を備えた測定手段26と、受信した信号に検出装置25の識別番号を加えて低周波磁界にて伝送する通信手段27とを密閉筐体に内蔵している。勿論、センサ、検出装置のいずれも電源としてバッテリを内蔵している。本実施形態で用いられるトリガ手段としては、例えば傾斜センサのようなものを用いることができる。傾斜センサは、流出に際してセンサが傾斜するとオンとなり無線送信装置を起動する。
【0046】
このような構成により、例えばセンサ15が流出すると、内蔵された無線送信装置15−2がトリガ手段15−1により起動されてセンサ15の識別情報を含む信号を検出装置25に電波で送信する。この場合、センサ15が水中にあってもセンサ15と検出装置25との間の距離は、通常数m以内程度で大きくないので、電波でも十分に通信可能である。検出装置25では受信手段26がセンサ15からの電波信号を受信し、通信手段27がこれに更に検出装置25の識別情報を加えて低周波磁界にて受信装置30(図1)へ伝送する。
【0047】
図6は、河川における侵食のメカニズムを示す。侵食は、洪水時に流水が作用して高水敷が低水路の側方から侵食を受ける「側方侵食」と、堤防の表のり面やのり尻部が洗掘を受ける「直接侵食」とに大別される。
【0048】
本発明による侵食測定装置は、これらの側方侵食及び直接侵食ともに侵食量を時系列で計測可能である。例えば、図5に示した侵食測定装置を用いて側方侵食を測定する場合には、図6の左方に示されるように、複数のセンサ15〜19を横方向に間隔をおいて直線的に並べ、検出装置25は水際から最も離れた位置に埋設する。この場合、横方向の距離が埋設深さとなる。一方、直接侵食を測定する場合には、図6の右方に示されるように、複数のセンサ15〜18を縦方向に間隔をおいて直線的に並べ、検出装置25は最も深い深さ位置に埋設する。
【0049】
前述したように、埋設されたセンサが洗掘を受けて流出すると、流出したセンサから侵食の発生を知らせる信号が電波で検出装置25に送信される。検出装置25は、受信した電波信号を今度は低周波磁界を使用して、離れた位置に設けられている受信装置30(図1)に伝送する。
【0050】
図7は、本発明による侵食測定装置におけるセンサの流出メカニズムを説明するための図である。
【0051】
本発明による侵食測定装置は、特に礫の多い環境、つまり急流河川(礫河川)に適している。これは、前述したように、本発明におけるセンサは、埋設箇所あるいはその周辺に実際に存在する様々な大きさ、比重を持つ礫について計測を行い、それらの平均粒径、比重を考慮して作られるからである。このようなセンサは、洪水時に、流水、洗掘に対してその周囲にある礫と同じように振る舞って自然に近い状態で流される。これは、本発明によるセンサを複数個、異なる位置に同じ深さ位置で埋設した場合、センサが流出する時の洗掘深さがセンサによってばらばらでなく、ほぼ一様となることを意味する。言い換えれば、洗掘深さ、つまり侵食量の測定誤差が小さくなることを意味する。加えて、センサの存在によって流れの場を変化させるようなことが無い。
【0052】
しかしながら、これは、本発明による侵食測定装置の適用場所が急流河川(礫河川)のみに限定されることを意味するものではなく、粘土質や砂地等の緩流河川や砂浜の侵食を監視する必要のある海岸のような環境でも適用可能である。本来、埋設箇所あるいはその周辺に実際に存在する礫が適度の大きさを有していればセンサとして利用する際には比重調整の必要性は少ないと言える。しかし、センサを人工的に作る場合、センサとして加工できる大きさには限度がある。このため、埋設箇所及びその周辺に存在する礫の大きさが人工的に作ることのできるセンサの大きさより小さい場合には大きさの選択ではなく、人工的なセンサは比重調整を行うことで実現した方が相似則の観点から好ましいと言える。言い換えれば、上記のような場合には、埋設箇所の環境、例えば流水の速度等を考慮して流出が自然に近い状態で行われるように比重を調整すれば良い。
【0053】
次に、図8を参照して、本発明による侵食測定装置の施工方法の一例を説明する。本侵食測定装置の施工に際しては図8に示すような治具が用いられる。この治具は、以下の2点について工夫されている。
【0054】
1.検出装置と複数のセンサを一体的に埋設できるようにした。
2.センサを確実に設置できるようにするために2種類のスペーサを作成した。
【0055】
図8において、治具50は複数(ここでは3個)のセンサ15,16,17のそれぞれを深さ方向の両側(ここでは上下)から保持するための複数の保持用スペーサ51と、各センサと保持用スペーサ51との間に配置されてセンサの高さを調節するための高さ調節用スペーサ52と、各保持用スペーサ51をその周縁部で両側から挟みこむように上下方向に延び、検出装置25の筐体にねじ込みによって着脱可能な複数本(ここでは2本)の支柱53とを含む。支柱53による保持用スペーサ52の挟み込みは、保持用スペーサ51の周縁部に設けられた凹部を通して行っても良いし、周縁部に孔を設けて貫通させるようにして行っても良い。
【0056】
支柱53は鋼製でその先端部に雄ネジ部が設けられており、検出装置25側にはこの雄ネジ部が螺入可能な雌ネジ部が設けられている。支柱53は埋設深さに応じて長さの異なるものが複数種類用意されても良い。保持用スペーサ51、高さ調節用スペーサ52は例えばモルタル製であり、特に高さ調節用スペーサ52は厚さの異なるものが複数種類用意される。また、図8に示されるように、センサの形が球形状やそれに近い形状であれば、高さ調節用スペーサ52はそれを受けることのできる湾曲部を持つ形状にすることが望ましい。保持用スペーサ51は支柱53に対して簡単に上下に動かすことができるので、センサの高さ(埋め込み深さ)位置を変える場合にはそれに適した厚さを持つ高さ調節用スペーサ52を選択してセンサと保持用スペーサ51との間に介在させる。
【0057】
施工に際しては、はじめに埋設箇所の掘削を行う。掘削が終了したら、その底部に図8のように組み合わされた組立体を置く。組立体の配置が終了したら掘削した砂、礫等の埋め戻しを行い、掘削前のレベルまで埋め戻したら支柱53を回して検出装置25から外す。支柱53は検出装置25にねじ込み式で取り付けられているだけであるので、支柱53を回すだけで取外しは簡単に行うことができる。以上で埋設作業は終了する。
【0058】
以上の施工方法は第1の実施形態でも同様であるが、上記の施工方法は好ましい例であり、本発明の侵食測定装置の施工方法はこれに限定されるものでないことは言うまでも無い。例えば、本侵食測定装置は図8のような治具無しで埋設されても良い。
【0059】
以上説明してきたように、本発明におけるセンサはその大きさ、比重について考慮されていることにより、特に本侵食測定装置を河床へ埋設する際に有効である。つまり、この種の侵食測定装置を河床へ埋設する場合、通常、埋設領域の周囲を堰止めしたうえで河床の掘削を行って検出装置及びセンサの埋設を行う。しかしながら、堰止めを行っても水の湧出は避けられず、特許文献1に示されているような発泡材を持つセンサを埋設するには、センサの浮上を抑えながら埋設作業を行う必要がある。これに対して、本発明におけるセンサはこのような必要が無いので、埋設作業が非常に楽になる。これは高水敷であっても掘り下げると水が湧出し易い場所でも同じである。
【0060】
また、前述したように、本発明による侵食測定装置を礫の多い環境に設置する場合、河床の掘削によって生じた礫は、そのまま埋め戻しに利用することができる。
【0061】
以上、本発明による侵食測定装置を2つの実施形態について説明したが、本発明による侵食測定装置はこれら2つの実施形態に限定されるものではない。例えば、トリガ手段は、前述したコンデンサ、抵抗体、傾斜センサに限らず、永久磁石とリードスイッチとの組合せを用いても良い。この場合のトリガ手段は、センサ毎に永久磁石とリードスイッチとを隣接して対向配置し、洗掘によりセンサが流出すると永久磁石がリードスイッチから離れることでリードスイッチが作動するように構成される。そして、測定手段がリードスイッチの作動をトリガ信号として検知する。
【0062】
また、検出装置側から受信装置側への一方向通信だけでなく、検出装置に低周波磁界信号の受信手段を、受信装置に低周波磁界による送信手段を備えることにより双方向通信を行うようにしても良い。この場合、例えば前述したタイマの機能を受信装置側で実現することができる。
【0063】
次に、図9、図10を参照して、上記の実施形態による侵食測定装置を用いたリアルタイムモニタリングシステムの一例について説明する。本例によるリアルタイムモニタリングシステムは、1つ以上の侵食測定装置とこれらからの低周波磁界信号を受信する受信装置との組合せを少なくとも1組、好ましくは複数組使用し、受信装置に送信機能を付加することで中継手段として用いて、複数の受信装置からの低周波磁界信号を管理センターや管理事務所のような場所(以下、管理センターと呼ぶ)において所定の処理を実行してリアルタイムで一元管理するのに適している。
【0064】
例えば、ある河川において侵食を測定すべき領域(以下、計測地点と呼ぶ)が距離を隔てた複数領域(複数計測地点)に点在しているような場合に、侵食測定装置からの低周波磁界信号を受信アンテナで受信し、受信した信号を無線又は有線による送信に適した信号に変換して管理センターに送信する送受信装置を各計測地点に配置する。管理センターには、各送受信装置からの信号を受信する受信装置、受信した信号を用いて所定の処理を実行するコンピュータ等の処理装置、処理結果を表示する表示装置、処理結果を印刷するプリンタ等が配置される。処理装置はまた、処理結果に応じて例えば警報を発することが必要な場合にはその旨を表示装置に表示させる。また、上記各計測地点に隣接する領域(地域)に警報装置を設置し、処理装置からの警報を送信して地域住民に避難等を促す手段とすることもできる。処理装置は記憶装置を備え、この記憶装置には測定結果、処理結果が記憶されるほか、上記所定の処理を実行するためのプログラムが格納されている。
【0065】
図9は、上記のようなリアルタイムモニタリングシステムに含まれる複数(ここでは4組)の侵食測定装置101−1〜101−4と、受信アンテナを備えた1つの送受信装置110との組合せを模式的に示している。本例ではワイヤレス侵食センサとも呼ばれる侵食測定装置の他に、雨量測定装置(図示省略)、水位測定装置(図示省略)、浸潤線測定装置121−1、121−2、更に必要に応じて計測地点領域の監視画像を得るTVカメラ(図示省略)をそれぞれ計測地点領域に設置し、雨量、河川の水位、堤防における浸潤線をそれぞれ計測して、測定結果を定期的に送信するようにしている。TVカメラは、遠隔コントロール可能にされていることが望ましく、電源オンの状態では計測地点領域の監視画像データが連続して送信される。これらの測定装置そのものは周知である。例えば浸潤線測定装置について言えば、例えばバッテリ内蔵式のワイヤレス間隙水圧計と呼ばれるものを使用することができる。この種の浸潤線測定装置は、計測地点毎に堤防内土中にその幅方向に間隔をおいて複数個埋設されて河川の増水及び降雨そのものによる堤防内土中の浸潤線をリアルタイムで測定するものである。浸潤線測定装置121−1、121−2は、その測定結果を侵食測定装置と同様、低周波磁界信号による通信手段で送受信装置110に送信する。雨量測定装置、水位測定装置は地上に設置されるので低周波磁界信号を用いなくても良く、低周波磁界信号を用いない場合には、送受信装置にこれらの信号を受信する機能を持たせる。勿論、雨量測定装置からの信号、水位測定装置からの信号、TVカメラからの監視画像データ、侵食測定装置101−1〜101−4からの低周波磁界信号、浸潤線測定装置121−1、121−2からの低周波磁界信号には、それぞれを識別可能にするための識別情報、装置自体を特定するための番号等の識別情報が付加されている。また、複数種類の各測定装置から信号を同時に受信した場合でも、それぞれの信号を識別できるようにしている。
【0066】
なお、厳密に言えば、堤防は、堤体と、この堤体の表のり尻、裏のり尻より下の基礎地盤とから成る。そして、浸潤線測定装置は堤体内土中の水位を計測し、複数個の浸潤線測定装置の測定結果を結ぶことで堤体内土中の浸潤線(あるいは浸潤面)が計測されることになる。
【0067】
図10には、本リアルタイムモニタリングシステムにおける管理センター側のシステム構成を示す。前述したように、複数の計測地点(ここでは1箇所のみ参照番号を付けて図示)にはそれぞれ複数種類の測定装置(ここでは侵食測定装置101−1、浸潤線測定装置121−1のみを図示)と送受信装置110とが設置される。管理センター側には、前述したように、送受信装置110を含む複数の送受信装置からの信号を受信しデジタルデータに変換する受信装置210、受信装置210からのデジタルデータを処理するための処理装置200、処理前の生データ及び処理結果を記憶するための記憶装置220、処理結果等を表示するための表示装置230、処理結果等をプリントアウトするためのプリンタ240を備える。なお、処理結果等は、データベース化されて記憶装置220(サーバー)に記憶され、LAN(ローカルエリアネットワーク)、イントラネット、インターネット等を経由してあらかじめ定められた特定のユーザ端末250や管理センター内あるいは管理センター外の他の端末に提供することができる。送受信装置110と受信装置210は、計測地点と管理センターとが近い場合には1つの装置で実現されても良い。
【0068】
以上の概略説明で明らかなように、本発明によるリアルタイムモニタリングシステムは、これまで提供されていなかった河道侵食や海岸侵食等の状況をモニタリングする手段を新たに開発することで、河道や海岸の侵食変化等の実態を時系列的にリアルタイムで把握することができるようにしたものである。
【0069】
本リアルタイムモニタリングシステムは、また侵食状況とは別に河川堤防(厳密には堤体)内土中での河川水や降雨による浸潤線の状況をモニタリングする手段を備えることで、堤防内土中での浸潤線の状況を時系列的にリアルタイムで把握することができるようにしている。
【0070】
堤防内土中での浸潤線の状況をモニタリングする必要があるのは、以下の理由による。堤防内土中への水の浸透量が増加すると、堤体内土中の水位が上昇する。図9には、堤体の断面部分に浸潤線が曲線で示されている。この水位がある値を超えると堤防決壊(破堤)の危険性が増す。そこで、堤体内土中の水位を監視し、この水位がある値を超える前に何らかの対策を施すようにする。
【0071】
以上の点から理解できるように、本リアルタイムモニタリングシステムは、侵食作用や浸透に対する堤防等の河道施設の安全性の確保と向上に寄与する。
【0072】
本発明によるリアルタイムモニタリングシステムは、前述した計測データや画像データのリアルタイム観測情報を、送受信装置110、受信装置210を経由して処理装置200で受信、処理し、処理結果をインターネット等を利用したパソコン通信により、ネットワークが利用できるあらかじめ定めたユーザ端末に自動的に配信を行うことができる。ユーザ端末はリアルタイム観測情報をWEB上で集中管理(一元管理)ができ、遠隔監視・操作(例えば、TVカメラのオン、オフ)ができる。また、必要に応じて警報を発報することができる。
【0073】
記憶装置220に記憶される記録データは以後の検証における分析作業の効率化を図るために、集積・整理ができるデータベース化が自動で行われる。そして、記録データの一覧表示とともに、CSV形式(Comma Separated Value Format)への出力が可能である。また、履歴データとして、過去の必要な期間における記録データの検索機能が付加されている。
【0074】
特に、侵食に対するリアルタイム観測情報として、侵食測定装置におけるセンサのセンサID、離脱時刻、河川水位の計測値等を経時変化図として配信することができる。
【0075】
また、浸透に対するリアルタイム観測情報として、計測地点の堤体内の浸潤線、河川水位、雨量データのリアルタイムの計測値等を経時変化図として配信することができる。
【0076】
なお、インターネットやイントラネット、LANを介してデータの配信を行うためにサーバーを備えているが、図10では図示を省略している。処理装置200側について言えば、処理装置200と記憶装置220との組合せ自体がサーバーの機能を有していても良い。
【0077】
以下に、本リアルタイムモニタリングシステムにおける表示装置230での表示形態について説明する。以下の表示形態は、記憶装置220に格納されているプログラムに基づいて処理装置200が表示装置230の表示制御を実行することで実現される。
【0078】
本リアルタイムモニタリングシステムでは、複数箇所の計測地点のうち、選択された計測地点の断面図情報、および測定結果情報の最新状態を表示することができる。また、測定結果情報の経時変化を、グラフ情報と計測値による一覧形式情報のいずれかで切替表示ができる。更に、測定結果情報は設定した時間ピッチで最新情報への自動更新を行うことができる。
【0079】
表示形態の主な例として以下の7種類の表示画面があげられる。
【0080】
1.システムログイン画面(図示省略)
2.計測地点位置図画面(図11)
3.リアルタイムモニタリング画面(図12)
4.履歴データ検索画面(図15)
5.システム管理情報メニュー画面(図16)
6.ユーザ管理画面(図17)
7.計測時間設定画面(図18)
【0081】
以下に、本発明によるプログラムによって実現される表示機能のうち、主要な画面の表示経過を示すフローチャートである図19をも参照して表示機能を説明する。
【0082】
[システムログイン画面]
システムログイン画面というのは、周知のように、本システムにログインする際に、ユーザID、パスワードの入力を促すために表示される画面である(図19のステップS11)。この画面上で入力されたユーザID、パスワードが正当であれば(図19のステップS12、S13)、通常、次には計測地点位置図画面が表示される(図19のステップS14)。
【0083】
なお、ステップS13において入力されたユーザID,パスワードが正当でなければ、ステップS13−1に移行して再入力を促す。
【0084】
[計測地点位置図画面]
図11に示すように、計測地点位置図画面では、画面左側の領域に測定対象河川の主要域の平面図(図11a)が初期表示される。ここでは、河川の4箇所A、B、C、Dが計測地点であることを示している。計測地点は主に、河川の蛇行箇所に設定されることが多く、特に、水流がぶつかる岸側(水衝部)が多いが、これに限らない。また、画面右側の領域には4箇所の計測地点のいずれを選択するかを示すための一覧案内(図11b)が表示される。ここでは、説明を簡単にするために、計測地点A、Dがそれぞれ河口から6.0km、10.0km上流の左岸(上流から見て)であって浸潤線測定装置が設置され、計測地点B、Cがそれぞれ河口から7.0km、8.0km上流の右岸、左岸で侵食測定装置が設置されていることを示している。勿論、図9で説明したように、同じ計測地点には侵食測定装置と浸潤線測定装置の両方が設置されるのが普通である。
【0085】
このような表示画面に対して、平面図上の計測地点(ポイント)の1つをカーソルで指定してクリックすると(図19のステップS15)、該当箇所の[リアルタイムモニタリング画面]が表示される(図19のステップS16)。
【0086】
なお、管理者権限を付与されているユーザ端末250での表示画面の場合、画面上において後述される[システム管理情報メニュー画面]への遷移ボタン(図示省略)のカーソルによる押下が可能になる。
【0087】
また、表示されている平面図について、今後計測地点が増加し、より詳細な設置ポイントを管理する必要が生じた際には、平面図の地図情報をより細かいものに更新すべく、地図の拡大・縮小等を行える拡張機能を備えている。
【0088】
表示画面上の選択項目の説明
計測地点指定ボタン:画面左側における対象河川の平面図上の計測地点の箇所に番号ボタン(図11ではA〜D)が表示される。いずれかの番号ボタンをクリックすることで、該当計測地点の[リアルタイムモニタリング画面]が表示される。
【0089】
リアルタイム状況計測地点一覧ボタン:画面右側にリアルタイム状況用の現在の計測地点一覧(図11bの上側)が表示される。ここからも、いずれかの計測地点のボタンをクリックすることで、上記計測地点指定ボタンと同様、該当計測地点の[リアルタイムモニタリング画面]が表示される。
【0090】
履歴データ検索用計測地点一覧ボタン:画面右側に履歴データ検索用の現在の計測地点一覧(図11bの上側)が表示される。ここから、いずれかの計測地点のボタンをクリックすることで(図19のステップS17)、上記計測地点指定ボタンと同様、該当計測地点の[履歴データ検索画面]が表示される(図19のステップS18)。なお、図19のステップS18における画面の切替えには、以降で説明されるように、様々な種類がある。また、図19では、説明を簡略化するために、画面切替えの後には表示オフのステップS19のみを示している。
【0091】
システム管理情報ボタン:システム管理情報のメニュー画面を表示させるためのボタンである。本ボタンは、ログインしたユーザ端末に管理者権限が付与されている時のみ、図11の右上の領域に表示される(図示省略)。
【0092】
ログアウトボタン:図11の画面を終了し、前述した[システムログイン画面]を表示させるためのボタンである(図示省略)。
【0093】
[リアルタイムモニタリング画面]
リアルタイムモニタリング画面は、侵食測定装置によるもの(図12)と、浸潤線測定装置によるもの(図13)とがあり、はじめに図12について説明する。
【0094】
図12に示すように、リアルタイムモニタリング画面では選択された計測地点の断面図情報(図12c)、および計測データの経時変化(図12d)を表示する。計測データの経時変化は、グラフ形式(図12d)と数値による一覧形式(後述する)とを切替えて表示することが可能である。また、本画面は設定時間ピッチで最新情報の自動更新が行われる。
【0095】
表示画面上の選択項目の説明
計測地点指定:図12(a)に示すように、図11(b)と同様、すべての計測地点A〜Dが一覧表示され、現在選択表示されている計測地点(ここでは計測地点C)の欄が赤色で表示される。同時に、ここでは“侵食”、“浸透”のうち“侵食”が選択されていることにより、計測地点の断面図の表示方式は“侵食”の表示方式にされている。つまり、“侵食”の場合には、図12(a)に加えて図12(c)に示すような、主に河川の高水敷の断面が表示され、“浸透”の場合には図12(a)と同様の図13(a)に加えて図13(b)に示すような、堤防をも含めた断面が表示される。
【0096】
図12(c)では、4つの侵食測定装置C1−1−1、C1−1−2、C1−1−3、C1−1−4が河川の幅方向に間隔をおいて埋設されていることがこれらの装置番号を表示することによって表示されている。特に、もっとも流れに近い箇所(通常時の川岸)の侵食測定装置C1−1−4は「側方侵食」を測定するために複数のセンサが横方向に並べて埋設されていることが横向きの表示によって表示されている。そして、各侵食測定装置を示す図形にはマス目に色を付けることで侵食深を表すようにされるとともに、各図形の下方には現時点での侵食深を示す数値が表示されている。現時点では、侵食測定装置C1−1−1、C1−1−2、C1−1−3、C1−1−4による測定結果はそれぞれ、0.00m、0.90m、1.40m、1.60mであることが表示されている。
【0097】
図12(c)ではまた、水位測定装置による測定結果も棒グラフ及び数値にてリアルタイム表示される。現時点では、水位が20.0mであることが表示されているが、この水位の表示については、ここでは標高表示(あらかじめ決められた場所を標高基準0とし、そこからの高さで表示)を採用している。
【0098】
本例では特に、水位の棒グラフの下方に矢印が表示されている。この矢印は、図示のように右向きの場合、水位が平行状態にあることを示し、上向きでは上昇中、下向きでは下降中であることを示す。このような判別は現時点の水位を直前の水位と比較することで行われる。
【0099】
リアルタイムモニタリング画面では、図12(a)、図12(c)に加えて、経時変化図として図12(d)に示すグラフ情報が1画面上に表示される。図12(d)では、雨量測定装置による降雨量については棒グラフにより現時点までの経時変化が時間を横軸にして表示されている。一方、水位測定装置による水位(標高表示)、侵食測定装置C1−1−1〜C1−1−4による侵食深については、折れ線グラフにより現時点までの経時変化が時間を横軸にして表示されている。
【0100】
なお、侵食測定装置は通常、河川の幅方向に間隔をおいて複数個設置されるが、これら複数個の侵食測定装置を1つのグループとして複数のグループを同じ計測地点において河川の流れ方向に間隔をおいて設置する場合もある。例えば計測地点Cに4個の侵食測定装置を1グループとする3つのグループが設置されている場合には、図12(a)における計測地点Cを選択すると、図12(b)に示すように、計測地点Cの3箇所C1、C2、C3にそれぞれ4個の侵食測定装置C1−1−1〜C1−1−4、C2−1−1〜C2−1−4、C3−1−1〜C3−1−4が設置されていることが表示される。この場合、例えば計測地点C1、C2、C3のボタンをクリックすることで計測地点C1、C2、C3のいずれかを選択する。すると、選択された計測地点の断面図が図12(c)に示すように表示される。侵食測定装置を同じ計測地点に1つのグループのみ設置する場合には図12(b)は表示されないことは言うまでも無い。
【0101】
水位情報表示指定:図12(c)で説明したように水位測定装置で測定された水位情報が表示されるが、その表示方法を標高表示、計測地点での実際の水位表示(例えば、表のり尻(堤内)の標高値をゼロ点標高とした値)のいずれかについて選択できる。
【0102】
表示切替ボタン:上記の計測地点あるいは水位情報表示ボタンをクリックすることにより、計測地点の切替えあるいは水位情報の表示方式を切替えることができる。
【0103】
“最新の状態に更新”ボタン:現時点の計測データを再度取得し、最新情報で断面図や経時変化を再表示する。
【0104】
“画面印刷”ボタン:現在の画面に表示されている計測データを印刷出力する。
【0105】
“履歴データ検索”ボタン:過去の計測データを[履歴データ検索画面](後述する)として表示する。なお、この[履歴データ検索画面]は、[リアルタイムモニタリング画面]に、図12(c)や、図13(b)の画像と一緒に表示される。
【0106】
“グラフ拡大表示”ボタン:クリックすると別画面が開き、現在表示されているグラフを拡大表示する。
【0107】
“一覧表示”ボタン:表示されている経時変化のグラフ表記を、数値による一覧表形式に表示変更する。一覧表形式の表示画面については後述する。
【0108】
“戻る”ボタン:本画面を終了し、図11の[計測地点位置図画面]を表示する。
【0109】
次に、浸潤線測定装置による[リアルタイムモニタリング画面]について説明するが、図12との違いは、測定装置の違いだけである。
【0110】
図13に示すように、[リアルタイムモニタリング画面]では選択された計測地点の断面図情報(図13b)、および計測データの経時変化を表示する。計測データの経時変化は、グラフ情報(図13c)と数値による一覧形式情報(後述する)とを切替えて表示することが可能である。また、本画面も設定時間ピッチで最新情報の自動更新が行われる。
【0111】
表示画面上の選択項目の説明
計測地点指定:図13(a)に示すように、図11(b)と同様、すべての計測地点A〜Dが一覧表示され、現在選択表示されている計測地点(ここでは計測地点D)の欄が赤色で表示される。同時に、ここでは“侵食”、“浸透”のうち“浸透”が選択されていることにより、計測地点の断面図の表示方式は“浸透”の表示方式にされている。つまり、“浸透”の場合には、図13(a)に加えて図13(b)に示すような、堤防を主とした断面が表示される。
【0112】
図13(b)では、4つの浸潤線測定装置D1−1−1、D1−1−2、D1−1−3、D1−1−4が堤体の幅方向に間隔をおいて埋設されていることがこれらの装置番号を表示することによって表示されている。そして、各浸潤線測定装置に対応する画面位置では棒グラフにより土中内水位を前述した標高表示にて表すようにされるとともに、各棒グラフの下方には現時点での土中内水位を示す数値が表示されている。現時点では、浸潤線測定装置D1−1−1、D1−1−2、D1−1−3、D1−1−4による測定結果はそれぞれ、15.2m、15.8m、18.0m、19.2mであることが表示されている。土中内水位の場合にも、河川水位と同様、棒グラフの下方に矢印が表示されている。前述したように、矢印が右向きの場合には土中内水位が平行状態にあることを示し、上向きでは上昇中、下向きでは下降中であることを示す。この判別も現時点の水位を直前の水位と比較することで行われる。
【0113】
図13(b)でも、水位測定装置による測定結果がグラフ及び数値にてリアルタイム表示される。現時点では、水位(標高表示)が20.0mであることが表示されている。水位の棒グラフの下方には、水位が現在、平行状態、上昇中、下降中のいずれであるかを示す矢印が示されている。
【0114】
浸潤線測定装置による[リアルタイムモニタリング画面]では、図13(a)、図13(b)に加えて、経時変化として図13(c)に示すグラフ情報が1画面上に表示される。図13(c)でも、雨量測定装置による降雨量については棒グラフにより現時点までの経時変化が時間を横軸にして表示されている。一方、水位測定装置による河川水位、浸潤線測定装置D1−1−1〜D1−1−4による土中内水位については、折れ線グラフにより現時点までの経時変化が時間を横軸にして表示されている。
【0115】
浸潤線測定装置も通常、堤防の幅方向に間隔をおいて複数個設置されるが、これら複数個の浸潤線測定装置を1つのグループとして複数のグループを同じ計測地点において河川の流れ方向に間隔をおいて設置する場合もある。このような場合には、複数グループの浸潤線測定装置について図12(b)で説明したような表示を行うようにする。
【0116】
水位情報表示指定:図13(b)で説明したように水位測定装置で測定された水位情報が表示されるが、その表示方法を標高表示、計測地点での実際の水位表示のいずれかについて選択できる。
【0117】
表示切替ボタン:上記の計測地点あるいは水位情報表示ボタンをクリックすることにより、計測地点の切替えあるいは水位情報の表示方式を切替えることができる。
【0118】
“最新の状態に更新”ボタン:現時点の計測データを再度取得し、最新情報で断面図や経時変化図を再表示する。
【0119】
“画面印刷”ボタン:現在の画面に表示されている計測データを印刷出力する。
【0120】
“履歴データ検索”ボタン:過去の計測データを[履歴データ検索画面](後述する)として表示する。この[履歴データ検索画面]も、図13(c)のグラフ情報(あるいは一覧形式)に代えて図13(a)、図13(b)の画像と一緒に[リアルタイムモニタリング画面]に表示される。
【0121】
“グラフ拡大表示”ボタン:ボタンをクリックすると別画面が開き、現在表示されているグラフを拡大表示する。
【0122】
“一覧表示”ボタン:表示されている経時変化のグラフ表記を、数値による一覧表形式に表示変更する(後述する)。
【0123】
“戻る”ボタン:本画面を終了し、図11の[計測地点位置図画面]を表示する。
【0124】
リアルタイムモニタリング画面の拡張機能
上述した[リアルタイムモニタリング画面]には、以下のような拡張機能が付与されている。
【0125】
計測地点数、測定装置の設置数増加に伴う自動断面作成機能:計測地点数や各測定装置が増加された場合に備え、図12(c)、図13(b)のような断面図の自動作成(自動描画)機能を有している。
【0126】
ライブ映像表示:TVカメラによる現地(計測地点)のライブ映像表示を[リアルタイムモニタリング画面](もしくは別のウィンドウ)で表示を行う。
【0127】
警告メッセージの表示:測定装置毎に警戒値を設定し、最新計測値が警戒値を超過した場合に画面上に警告メッセージを表示させる機能を有している。
【0128】
次に、[一覧表形式画面]について説明する。
【0129】
[リアルタイムモニタリング画面]において表示されている“一覧表示”ボタンをクリックすると、図13(c)のようにグラフ表示されていた部分を、図14に示すような数値による一覧表形式にして経時変化図として表示変更することができる。つまり、最新(直近)の状態から過去の所定時間(例えば24時間)分の各計測値を一覧表示する。図14では浸潤線測定装置による表示画面であるので、表示する計測値は、雨量データと、指定している計測地点に設置されている浸潤線測定装置の計測データと、河川の水位データである。
【0130】
表示画面上の選択項目の説明
“CSV出力”ボタン:現在表示されている一覧情報を、CSV形式のファイルに出力することができる。
【0131】
“グラフ表示”ボタン:表示されている一覧表形式を、グラフ形式に戻す。
【0132】
次に、[履歴データ検索画面]について説明する。
【0133】
浸潤線測定装置の場合の[リアルタイムモニタリング画面]において前述した“履歴データ検索”ボタンをクリックすると、図15に示すような履歴データ検索画面が表示される。図15は、図13で説明したような浸潤線測定装置の場合の履歴データ検索画面を示しており、画面上側の条件入力部と、中段の計測地点の断面図と、下側の履歴データ表示部からなる。侵食測定装置の場合の[リアルタイムモニタリング画面]でも同様である。この履歴データ検索画面の条件入力部において「計測地点」、「表示期間」等の条件を指定することで、過去に計測された情報がデータベース化されている記憶装置220から読み出されて画面下側に履歴データとして表示される。経時変化は、[リアルタイムモニタリング画面]と同様、グラフ形式、一覧表形式のいずれかを選択して表示できる。便宜上、図15ではグラフ形式、一覧表形式の両方を、雨量、浸潤線(土中内水位)、河川水位について示している。
【0134】
表示画面上の選択項目の説明
計測地点指定:検索表示したい計測地点を選択する。
【0135】
表示期間指定:検索表示したい計測期間(開始〜終了)を入力する。
【0136】
表示間隔指定:検索表示したい計測データの表示間隔(測定間隔)を入力する。
【0137】
断面図表示期間指定:断面図に表示する日時を指定する。
【0138】
水位情報表示指定:表示される水位情報の表記方法(標高表示/計測地点での実際の水位表示)を選択する。
【0139】
“検索実行”ボタン:画面上の検索実行ボタンをクリックすると、上記で指定した検索条件を元に、過去の計測データが検索、表示される。
【0140】
“画面印刷”ボタン:現在表示されている計測データを印刷する。
【0141】
“閉じる”ボタン:画面上の“閉じる”ボタンをクリックすると本画面を終了し、[リアルタイムモニタリング画面]に戻る。
【0142】
履歴データ検索画面の拡張機能
著名洪水の登録:計測した雨量データに対して“著名洪水”名が登録でき、その情報によっても履歴データが検索できる機能を有している。
【0143】
次に、[システム管理情報メニュー画面]について説明する。この画面は、前述した[計測地点位置図画面]上においてカーソルにより[システム管理情報メニュー画面]への遷移ボタンがクリックされると表示される。
【0144】
図16に示すように、本リアルタイムモニタリングシステムを管理する上で必要な管理情報(ユーザ情報、各種計測管理情報等)をメニュー表示する。
【0145】
表示画面上の選択項目の説明
“ユーザ管理”ボタン:図16のシステム管理情報メニュー画面の“ユーザ管理”ボタンをクリックすると、後述する[ユーザ管理画面]を表示する。
【0146】
“計測時間設定”ボタン:図16のシステム管理情報メニュー画面の“計測時間設定”ボタンをクリックすると、後述する[計測時間設定画面]を表示する。
【0147】
“戻る”ボタン:図16の[システム管理情報メニュー画面]の“戻る”ボタンをクリックすると、図11の[計測地点位置図画面]に戻る。
【0148】
次に、[ユーザ管理画面]について説明する。この画面は、前述した[システム管理情報メニュー画面]上で“ユーザ管理”ボタンがクリックされると表示される。
【0149】
図17に示す[ユーザ管理画面]により本リアルタイムモニタリングシステムを利用するユーザ情報を登録・更新することができる。ユーザ情報により、各ユーザ端末の名称・パスワード・利用権限等を管理する。
【0150】
表示画面上の選択項目の説明
“新規登録”ボタン:新たにユーザを登録する際に、画面左上の新規登録ボタンをクリックする。
【0151】
登録ユーザ一覧情報:現在登録されているユーザ情報を一覧表示する。登録ユーザ情報を更新する場合、一覧の左端にあるNo.の欄をクリックし、画面右側の個別ユーザ情報欄に該当情報を表示し、各値を修正する。
【0152】
個別ユーザ情報:ユーザ情報を新規登録する際や、既に登録されているユーザ情報を更新・削除する際に当欄を使用する。画面左側上部の“新規登録”ボタンをクリックした場合、当欄上部は“新規ユーザ情報”を表示する。画面左側の登録ユーザ一覧情報のユーザ(No.の欄)を選択した場合、当欄上部は“既存ユーザ情報”と表示し、以下の各ユーザ設定項目には、選択されたユーザの情報が表示される(既存のユーザを更新・削除する場合)。
【0153】
ユーザID:登録・更新を行うユーザIDを入力する。
【0154】
ユーザ名:登録・更新を行うユーザ名称を入力する。
【0155】
パスワード:登録・更新を行うパスワードを入力する(入力値はマスク表示)。
【0156】
パスワード(再入力):入力確認のためにパスワードを再入力する(入力値はマスク表示)。
【0157】
権限:本リアルタイムモニタリングシステムに対して該当ユーザの利用できる権限を指定できる。権限は、「管理者」、「一般」から選択する。
【0158】
“登録”ボタン:上記入力した値にて、ユーザ情報を登録・更新する。
【0159】
“削除”ボタン:上記選択したユーザ情報を削除する。
【0160】
入力説明:入力する項目の説明を表示する。
【0161】
“戻る”ボタン:本画面を終了し、[システム管理情報メニュー画面]を表示する。
【0162】
ユーザ管理画面の拡張機能
警戒値を超えた場合の警報発信
計測値が警戒値を超えた場合に、各ユーザ端末に対してネットワーク経由で電子メール等を配信する機能を有している。その場合には、ユーザ管理情報の管理項目に「警告メール配信有無」項目を追加し、詳細な配信内容を設定できる機能を有している。表示装置による警報の表示形態としては、例えば図11(b)に示すような計測地点の一覧案内に加え、赤の背景に<<警戒値を超えた計測器があります!以下の計測地点付近を確認してください!>>というようなコメント、及びその下に、警戒値を超えた計測地点、センサの種別、センサの番号等を白抜きの文字で表示する。
【0163】
次に、[計測時間設定画面]について説明する。この画面は、前述した[システムメニュー管理画面]上において“計測時間設定”ボタンがクリックされると表示される。
【0164】
[計測時間設定画面]は、図18に示すように、計測に使用する各測定装置の計測時間(間隔)を管理するための画面である。設定できる計測時間は、測定装置毎に指定可能とする。
【0165】
表示画面上の選択項目の説明
計測地点指定:検索したい計測地点を選択すると、以下に対象計測地点の測定装置一覧を表示する。
【0166】
登録測定装置計測時間情報:上記で指定した計測地点の各測定装置を一覧表示する。登録計測時間を更新したい場合、一覧の左端にあるNo.の欄をクリックし、画面下部の個別測定装置情報欄に該当情報を表示して各値を修正する。測定装置の機器種類(接続形態)により、計測・収録時間が即時に更新されるものと、一定時間後に更新されるものがあるため、計測時間欄は「本システムで設定した時間(設定)」と「測定装置で動作している時間(最新)」の2つを表示している。
【0167】
個別測定装置情報:既に登録されている測定装置計測時間情報を更新する際に当欄を使用する。画面上部の登録測定装置計測時間情報の該当測定装置(No.の欄)を選択すると、以下の各測定装置情報項目に選択された測定装置の情報が表示される(「No.」、「計測地点」、「測定装置」、「計測記号」欄は更新不可)。
【0168】
計測時間:登録・更新を行う計測時間を選択する。
【0169】
収録時間:登録・更新を行う収録時間を選択する。
【0170】
“更新”ボタン:入力した値にて、計測・収録時間を更新する。
【0171】
“キャンセル”ボタン:入力した情報をキャンセルし、情報更新を行わない。
【0172】
入力説明:入力する項目の説明が表示される。
【0173】
“戻る”ボタン:本画面を終了し、[システム管理情報メニュー画面]を表示する。
【0174】
計測時間設定画面での計測間隔の自動変更制御
計測時間を「通常時」と「洪水時」の2つで管理しておき、計測値が警戒値を超えた場合に計測時間のピッチを自動的に切替えることができる。例えば、通常時は1時間間隔での計測を行い、洪水時には10分間隔での計測を行うようにする。このような機能により、バッテリ内蔵タイプの測定装置のバッテリ寿命を延長させることが可能となる。
【0175】
各測定装置の管理係数(初期値、更正係数等)を本画面で入力することにより、本システム管理者による測定装置の機器調整を操作することが可能となる。
【0176】
以上、表示装置230による表示形態について説明してきたが、上記の表示形態は一例に過ぎず、本発明によるリアルタイムモニタリングシステムにおける表示形態は、上記の形態に限定されるものではない。また、上記の表示形態は、ユーザ端末における表示装置でも同様に表示可能にされることは言うまでも無い。つまり、ユーザ端末に対しては単に計測データを提供するだけでなく、上記の表示形態による情報提供がなされる。
【0177】
また、上記のリアルタイムモニタリングシステムでは、侵食測定装置に加えて浸潤線測定装置を備えた場合について説明しているが、本発明によるリアルタイムモニタリングシステムは、侵食測定装置、浸潤線測定装置のうち少なくとも侵食測定装置を備えていれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】図1は、本発明による侵食測定装置の第1の実施の形態の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示されたトリガ手段と測定手段との組合せの具体例を説明するための図である。
【図3】図3は、図1に示されたセンサの構造について説明するための図である。
【図4】図4は、図1に示されたセンサの構造の他の例について説明するための図である。
【図5】図5は、本発明による侵食測定装置の第2の実施の形態の基本構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明による侵食測定装置により側方侵食、直接侵食を測定する場合について説明するための図である。
【図7】図7は、本発明による侵食測定装置におけるセンサの流出メカニズムを説明するための図である。
【図8】図8は、本発明による侵食測定装置の施工方法の一例を説明するための図である。
【図9】本発明による侵食測定装置を使用したリアルタイムモニタリングシステムの実施の形態の概略構成を説明するための図である。
【図10】本発明によるリアルタイムモニタリングシステムのブロック構成を示した図である。
【図11】図10のリアルタイムモニタリングシステムにおける表示装置による表示形態の一例として計測地点位置図画面を示した図である。
【図12】図10のリアルタイムモニタリングシステムにおける表示装置による表示形態の一例として侵食測定装置を使用した場合のリアルタイムモニタリング画面を示した図である。
【図13】図10のリアルタイムモニタリングシステムにおける表示装置による表示形態の一例として浸潤線測定装置を使用した場合のリアルタイムモニタリング画面を示した図である。
【図14】図10のリアルタイムモニタリングシステムにおける表示装置による表示形態の一例として一覧表示画面を示した図である。
【図15】図10のリアルタイムモニタリングシステムにおける表示装置による表示形態の一例として浸潤線測定装置を使用した場合の履歴データ検索画面を示した図である。
【図16】図10のリアルタイムモニタリングシステムにおける表示装置による表示形態の一例としてシステム管理情報メニュー画面を示した図である。
【図17】図10のリアルタイムモニタリングシステムにおける表示装置による表示形態の一例としてユーザ管理画面を示した図である。
【図18】図10のリアルタイムモニタリングシステムにおける表示装置による表示形態の一例として計測時間設定画面を示した図である。
【図19】本発明によるプログラムによって実現される表示機能のうち、主要な画面の表示経過を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0179】
11〜19 センサ
11−1 ケース
11−2 高強度コンクリート材
15−1、16−1 トリガ手段
15−2、16−2 無線送信装置
20、25 検出装置
21、26 測定手段
22、27 通信手段
30 受信装置
40 礫
50 治具
101−1〜101−4、C1−1−1〜C1−1−4 侵食測定装置
121−1,121−2、D1−1−1〜D1−1−4 浸潤線測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流水の侵食作用によって埋設箇所から流出する際に流出を知らせるためのトリガ手段を内蔵した1つ以上のセンサと、前記トリガ手段と協働して前記センサの流出の有無及び流出したセンサを判別する測定手段と、該測定手段による判別結果を無線で伝送する通信手段と、前記埋設箇所とは別の場所に設置され前記判別結果を受信する受信手段とを含み、
前記センサの大きさ、比重の少なくとも一方を、流出が自然に近い状態で行われる値にしたことを特徴とする侵食測定装置。
【請求項2】
前記通信手段は前記判別結果を低周波磁界信号で伝送することを特徴とする請求項1に記載の侵食測定装置。
【請求項3】
前記センサの大きさ、比重の少なくとも一方を、前記埋設箇所を含む周辺領域における礫の平均粒径、比重を考慮して設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の侵食測定装置。
【請求項4】
前記センサは、前記埋設箇所を含む周辺領域にある前記平均粒径を持つ礫自体を使用してその内部に前記トリガ手段を埋め込むことにより平均粒径、比重の少なくとも一方が考慮されたセンサとしたことを特徴とする請求項3に記載の侵食測定装置。
【請求項5】
前記センサは、前記トリガ手段を外被材料で被覆してセンサ全体の大きさを前記埋設箇所を含む周辺領域における礫の平均粒径に合わせ、必要に応じて前記外被材料に比重調整材料を混合してセンサ全体の比重を前記埋設箇所を含む周辺領域における礫の比重に合わせることを特徴とする請求項3に記載の侵食測定装置。
【請求項6】
複数の前記センサをそれぞれ前記埋設箇所に異なる深さで埋設し、前記測定手段及び通信手段は筐体に収容し検出装置として最深部にあるセンサより深い位置に埋設することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の侵食測定装置。
【請求項7】
前記センサは更に、前記トリガ手段によるセンサ流出を示す信号を電波で送信する送信手段を内蔵し、前記測定手段は前記送信手段からの信号を受信する受信手段を有して受信した信号からセンサの流出の有無及び流出したセンサを判別することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の侵食測定装置。
【請求項8】
前記検出装置は更に、前記通信手段を定期的に起動して少なくとも当該検出装置の識別情報を含む信号を伝送させるタイマ手段を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の侵食測定装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれかに記載の侵食測定装置の施工方法であって、
前記複数のセンサと前記検出装置とを一体的に組立てるための治具が用いられ、
該治具は、各センサを深さ方向の両側から保持するための複数の保持用スペーサと、該保持用スペーサとセンサとの間に介在するように配置される複数の高さ調節用スペーサと、各保持用スペーサの周縁部を貫通し前記検出装置に着脱可能な複数の支柱とを含み、
前記複数のセンサと前記検出装置とを前記治具で一体に組立てた組立体を埋設箇所に埋設した後、前記複数の支柱を抜き取ることを特徴とする侵食測定装置の施工方法。
【請求項10】
請求項2〜8のいずれかに記載の侵食測定装置を少なくとも1つ含み、該侵食測定装置からの信号を処理して侵食状況をリアルタイムで監視するリアルタイムモニタリングシステムであって、
前記低周波磁界信号を受信し、受信した信号を無線又は有線で送信する送受信装置と、
該送受信装置からの信号を受信してデジタル信号に変換する受信装置と、
前記デジタル信号をあらかじめ定められたプログラムに基づいて処理する処理装置と、
該処理装置の処理結果を記憶する記憶装置と、
前記処理結果を表示する表示装置とを備え、
前記処理装置は処理結果をデータベース化して前記記憶装置に記憶させるとともに、前記表示装置により前記侵食状況をグラフ、数値の少なくとも一方で表示させるようにしたことを特徴とするリアルタイムモニタリングシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のリアルタイムモニタリングシステムにおいて、
更に、堤防内土中に埋設された少なくとも1つの浸潤線測定装置を含み、該浸潤線測定装置は堤防内土中の流水、雨水の浸潤線を測定して測定結果を前記低周波磁界信号とは別の低周波磁界信号で伝送し、
該別の低周波磁界信号は前記侵食測定装置と兼用の前記送受信装置または該浸潤線測定装置専用の送受信装置、及び前記受信装置経由で前記処理装置に伝送され、
前記処理装置は、前記浸潤線測定装置からの信号をも処理して、前記表示装置により前記堤防内土中の浸潤線の状況をグラフ、数値の少なくとも一方で表示させるようにしたことを特徴とするリアルタイムモニタリングシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のリアルタイムモニタリングシステムにおいて、
前記侵食状況、前記浸潤線の状況を切替可能な別の画面で表示し、
前記侵食状況については、前記侵食測定装置が埋設された計測地点の断面図に、埋設された侵食測定装置の現在の測定結果を表す棒グラフ、埋設された侵食測定装置に付与された識別情報、及び最新の測定結果を示す数値を重ねた画像で表示し、
前記浸潤線の状況については、前記浸潤線測定装置が埋設された計測地点の断面図に、埋設された浸潤線測定装置の現在の測定結果を表す棒グラフ、埋設された浸潤線測定装置に付与された識別情報、及び最新の測定結果を示す数値を重ねた画像で表示することを特徴とするリアルタイムモニタリングシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のリアルタイムモニタリングシステムにおいて、
前記断面図によって前記侵食状況を表示する画像と、前記埋設された侵食測定装置の過去の測定結果をあらかじめ設定された時間分だけ棒グラフ、数値の一覧のいずれかで経時変化として表示する画像とを1つの侵食状況リアルタイムモニタリング画面で表示し、
前記断面図によって前記浸潤線の状況を表示する画像と、前記埋設された浸潤線測定装置の過去の測定結果をあらかじめ設定された時間分だけ棒グラフ、数値の一覧のいずれかで経時変化として表示する画像とを1つの浸潤線状況リアルタイムモニタリング画面で表示することを特徴とするリアルタイムモニタリングシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のリアルタイムモニタリングシステムにおいて、
更に、前記侵食測定装置による計測地点の近くに水位測定装置、雨量測定装置が設置され、これらの測定結果を前記侵食状況リアルタイムモニタリング画面あるいは前記浸潤線状況リアルタイムモニタリング画面にグラフ、数値の少なくとも一方で表示することを特徴とするリアルタイムモニタリングシステム。
【請求項15】
請求項13に記載のリアルタイムモニタリングシステムにおいて、
前記侵食測定装置、前記浸潤線測定装置が距離を隔てた複数地点に設置され、
前記処理装置は、これら複数地点の前記侵食測定装置の測定結果、前記浸潤線測定装置の測定結果を一括処理して一元管理を行い、
前記表示装置にて表示されている画像と同じ画像情報、前記記憶装置にデータベース化されて保存されている情報を、あらかじめ定められたユーザ端末からの要求に応じてネットワーク経由で該ユーザ端末に伝送するようにしたことを特徴とするリアルタイムモニタリングシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のリアルタイムモニタリングシステムにおける前記記憶装置に格納され、前記処理装置に対して前記表示装置の表示制御を実行させるためのプログラムであって、
ユーザID、パスワードの入力を促す画面を表示させる第1のステップと、
前記第1のステップで入力された前記ユーザID、パスワードが正当であると、画面を切替えて、測定装置とその設置箇所を示す測定地点との一覧画像及び前記測定地点を地図上で示す画像とを一画面上で表示させる第2のステップと、
前記第2のステップで表示された画面上で前記測定地点のどれかが選択されると、画面を切替えて、前記侵食状況リアルタイムモニタリング画面、前記浸潤線状況リアルタイムモニタリング画面のいずれかを表示させる第3のステップと、
前記第3のステップで表示された前記侵食状況リアルタイムモニタリング画面上、あるいは前記浸潤線状況リアルタイムモニタリング画面上で前記棒グラフ、前記数値の一覧の一方が表示されている状態で履歴データ検索画面表示が指定されると、過去から現時点までの測定結果の経時変化を示す画面に代えて、過去の指定された期間分の測定結果を経時変化として前記棒グラフ、前記数値の一覧の一方で表示させる第4のステップとを含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−24859(P2007−24859A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366490(P2005−366490)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(592090555)パシフィックコンサルタンツ株式会社 (30)
【Fターム(参考)】