修飾ピラジン誘導体およびその使用
本明細書では、置換基を含有する複数のポリ(エチレングリコール)を有するピラジン誘導体を含む化合物、調製物および製剤を提供する。本明細書に開示の化合物の多くは、被験体または患者の腎臓系によって排泄され、被験体または患者の腎臓系を可視化するのに有用である。電磁放射線による励起の際に、本明細書に開示の化合物の幾つかは、ルミネッセンスを示し、被験体または患者の体液に存在する場合には外部から検出可能である。本明細書では、被験体または患者の腎臓系を可視化する方法も提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(FX1)の化合物
【化37】
[式中、
R1およびR3は、それぞれ独立に、−H、−(CH2)a(CH2CH2O)bR5、−(CH2CH2O)bR5、−CH(COOH)CH2OHまたは−(CH2)aY1であり、
各Y1は、独立に、−OR6、−(CHOH)cR7、−NR8R9、−CONR8R9、−NHCO(CHOH)cR7または−NHCO(CH2)a(CH2CH2O)bR5であり、
R2、R4、R5、R6およびR7のそれぞれは、独立に、−HまたはC1〜C6アルキルであり、
R8およびR9は、独立に、−H、C1〜C3アルキル、−(CH2)a(CHOH)cR7または−(CH2)a(CH2CH2O)bR5であり、
各aおよび各cは、独立に、0から6の範囲から選択される整数であり、
各bは、独立に、1から120の範囲から選択される整数であり、
各pおよびqは、独立に、0から120の範囲から選択される整数であり、
mおよびnのそれぞれは、独立に、3から6の範囲から選択される整数である]。
【請求項2】
式(FX2)
【化38】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(FX3)
【化39】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
各R5が、独立にC1〜C3アルキルである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
各bが、独立に2から50の整数である、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
各bが、独立に2から24の整数である、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
式(FX4)
【化40】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
式(FX5)
【化41】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R1およびR3がそれぞれ−Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
mおよびnが、それぞれ独立に3または4である、請求項1から9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
R2およびR4がそれぞれ−Hである、請求項1から10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
R2およびR4が、それぞれ独立にC1〜C3アルキルである、請求項1から10のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
pおよびqが、それぞれ独立に2から50の範囲の整数である、請求項1から12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
pおよびqが、それぞれ独立に2から24の範囲の整数である、請求項1から13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
式(FX6)
【化42】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
式(FX7)、(FX8)、(FX9)、(FX10)、(FX11)、(FX12)、(FX13)、(FX14)、(FX15)、(FX16)または(FX17)
【化43】
【化44】
【化45】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
式(FX18)
【化46】
の化合物である、請求項1に記載の化合物
[式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数である]。
【請求項18】
各dおよびhが、独立に、2から50の範囲または2から24の範囲から選択される整数である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
各aが2である、請求項17に記載の化合物。
【請求項20】
R8およびR9がそれぞれ−(CH2)a(CHOH)cR7である、請求項17から19のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
式(FX19)
【化47】
の化合物である、請求項1に記載の化合物
[式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数である]。
【請求項22】
各dおよびhが、独立に、2から50の範囲または2から24の範囲から選択される整数である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
Y1が−NR8R9であり、R8およびR9がそれぞれ−(CH2)a(CHOH)cR7であり、aが1または2であり、cが2、3、4、5または6である、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
式(FX20)
【化48】
の化合物である、請求項1に記載の化合物
[式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数である]。
【請求項25】
各aが、独立に0、2または3であり、各bが、独立に2から50であり、R5がC1〜C3アルキルである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
式(FX21)
【化49】
の化合物である、請求項1に記載の化合物
[式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数であり、各aは、独立に、0から6の範囲から選択される整数である]。
【請求項27】
光学的イメージング、生物医学的イメージング、診断、可視化、モニタリング、外科的、生物医学的または治療手順において使用するための、請求項1から26のいずれかに記載の化合物。
【請求項28】
前記手順が、
診断上有効な量の化合物を被験体に投与するステップ(前記化合物は、該被験体の器官、組織または系ごとに区別されて、該被験体の体液から分離される)、および
投与した該化合物を検出するステップ
を含む、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
前記手順が、投与した前記化合物を化学的に検出するステップを含む、請求項27から28のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物は、体液中に投与される、請求項28に記載の化合物。
【請求項31】
前記手順が、投与した前記化合物を電磁放射線に曝露するステップをさらに含む、請求項28から30のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
前記手順が、投与した前記化合物を、350ナノメートルから900ナノメートルの範囲にわたって選択される波長を有する電磁放射線に曝露するステップを含む、請求項27から31のいずれかに記載の化合物。
【請求項33】
前記電磁放射線が、400〜600nmの範囲にわたって選択される波長を有する、請求項27から32のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
前記電磁放射線が非イオン性である、請求項27から33のいずれかに記載の化合物。
【請求項35】
投与した前記化合物を電磁放射線に曝露することによって、該化合物からルミネッセンスを発生させる、請求項27から34のいずれかに記載の化合物。
【請求項36】
前記手順が、投与した前記化合物からルミネッセンスを検出するステップを含む、請求項27から35のいずれかに記載の化合物。
【請求項37】
前記化合物からのルミネッセンスに少なくとも部分的に基づいて画像を作製するステップを含む、請求項35または請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
前記ルミネッセンスが、前記被験体の耳、手、頭、前頭部または指の近位で収集される、請求項35から37のいずれかに記載の化合物。
【請求項39】
前記ルミネッセンスが視覚的に検出される、請求項35から38のいずれかに記載の化合物。
【請求項40】
前記ルミネッセンスが、カメラ、電荷結合素子またはダイオードアレイを使用して検出される、請求項35から39のいずれかに記載の化合物。
【請求項41】
前記手順が、
有効量の前記請求項のいずれかに記載の腎臓により排泄され得る化合物を被験体に投与するステップ、
投与した前記化合物を有する該被験体の腎臓系の組織を電磁放射線に曝露し、それによって該化合物から放射される電磁放射線を発生させるステップ、
該化合物から放射された該電磁放射線を検出し、それによって該被験体の腎臓系の少なくとも一部を可視化またはイメージングするステップ
を含む、請求項27に記載の化合物。
【請求項42】
前記手順が、投与した前記化合物が前記被験体の腎臓系の組織に実質的に保持されているかどうかを決定するステップを含む、請求項27から41のいずれかに記載の化合物。
【請求項43】
前記化合物が、10%未満の血漿結合を有する、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項44】
器官、組織または系の生理的機能を評価する生物医学的手順において使用するための、請求項1から43のいずれかに記載の化合物。
【請求項45】
被験体の腎臓機能の評価においてインビボで使用するための、請求項1から43のいずれかに記載の化合物。
【請求項46】
外科手順において、被験体の泌尿器系の少なくとも一部の検出においてインビボで使用するための、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項47】
前記泌尿器系の少なくとも一部が、前記被験体の尿管、膀胱または尿道を含む、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
外科手順において、被験体の尿管の少なくとも一部の検出においてインビボで使用するための、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項49】
請求項1から48のいずれかに記載の化合物、および
薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項50】
請求項1から48のいずれかに記載の化合物、および
1つまたは複数のさらなる治療剤または診断用薬剤を含む、医薬組成物。
【請求項1】
式(FX1)の化合物
【化37】
[式中、
R1およびR3は、それぞれ独立に、−H、−(CH2)a(CH2CH2O)bR5、−(CH2CH2O)bR5、−CH(COOH)CH2OHまたは−(CH2)aY1であり、
各Y1は、独立に、−OR6、−(CHOH)cR7、−NR8R9、−CONR8R9、−NHCO(CHOH)cR7または−NHCO(CH2)a(CH2CH2O)bR5であり、
R2、R4、R5、R6およびR7のそれぞれは、独立に、−HまたはC1〜C6アルキルであり、
R8およびR9は、独立に、−H、C1〜C3アルキル、−(CH2)a(CHOH)cR7または−(CH2)a(CH2CH2O)bR5であり、
各aおよび各cは、独立に、0から6の範囲から選択される整数であり、
各bは、独立に、1から120の範囲から選択される整数であり、
各pおよびqは、独立に、0から120の範囲から選択される整数であり、
mおよびnのそれぞれは、独立に、3から6の範囲から選択される整数である]。
【請求項2】
式(FX2)
【化38】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(FX3)
【化39】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
各R5が、独立にC1〜C3アルキルである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
各bが、独立に2から50の整数である、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
各bが、独立に2から24の整数である、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
式(FX4)
【化40】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
式(FX5)
【化41】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R1およびR3がそれぞれ−Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
mおよびnが、それぞれ独立に3または4である、請求項1から9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
R2およびR4がそれぞれ−Hである、請求項1から10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
R2およびR4が、それぞれ独立にC1〜C3アルキルである、請求項1から10のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
pおよびqが、それぞれ独立に2から50の範囲の整数である、請求項1から12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
pおよびqが、それぞれ独立に2から24の範囲の整数である、請求項1から13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
式(FX6)
【化42】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
式(FX7)、(FX8)、(FX9)、(FX10)、(FX11)、(FX12)、(FX13)、(FX14)、(FX15)、(FX16)または(FX17)
【化43】
【化44】
【化45】
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
式(FX18)
【化46】
の化合物である、請求項1に記載の化合物
[式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数である]。
【請求項18】
各dおよびhが、独立に、2から50の範囲または2から24の範囲から選択される整数である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
各aが2である、請求項17に記載の化合物。
【請求項20】
R8およびR9がそれぞれ−(CH2)a(CHOH)cR7である、請求項17から19のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
式(FX19)
【化47】
の化合物である、請求項1に記載の化合物
[式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数である]。
【請求項22】
各dおよびhが、独立に、2から50の範囲または2から24の範囲から選択される整数である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
Y1が−NR8R9であり、R8およびR9がそれぞれ−(CH2)a(CHOH)cR7であり、aが1または2であり、cが2、3、4、5または6である、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
式(FX20)
【化48】
の化合物である、請求項1に記載の化合物
[式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数である]。
【請求項25】
各aが、独立に0、2または3であり、各bが、独立に2から50であり、R5がC1〜C3アルキルである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
式(FX21)
【化49】
の化合物である、請求項1に記載の化合物
[式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数であり、各aは、独立に、0から6の範囲から選択される整数である]。
【請求項27】
光学的イメージング、生物医学的イメージング、診断、可視化、モニタリング、外科的、生物医学的または治療手順において使用するための、請求項1から26のいずれかに記載の化合物。
【請求項28】
前記手順が、
診断上有効な量の化合物を被験体に投与するステップ(前記化合物は、該被験体の器官、組織または系ごとに区別されて、該被験体の体液から分離される)、および
投与した該化合物を検出するステップ
を含む、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
前記手順が、投与した前記化合物を化学的に検出するステップを含む、請求項27から28のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物は、体液中に投与される、請求項28に記載の化合物。
【請求項31】
前記手順が、投与した前記化合物を電磁放射線に曝露するステップをさらに含む、請求項28から30のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
前記手順が、投与した前記化合物を、350ナノメートルから900ナノメートルの範囲にわたって選択される波長を有する電磁放射線に曝露するステップを含む、請求項27から31のいずれかに記載の化合物。
【請求項33】
前記電磁放射線が、400〜600nmの範囲にわたって選択される波長を有する、請求項27から32のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
前記電磁放射線が非イオン性である、請求項27から33のいずれかに記載の化合物。
【請求項35】
投与した前記化合物を電磁放射線に曝露することによって、該化合物からルミネッセンスを発生させる、請求項27から34のいずれかに記載の化合物。
【請求項36】
前記手順が、投与した前記化合物からルミネッセンスを検出するステップを含む、請求項27から35のいずれかに記載の化合物。
【請求項37】
前記化合物からのルミネッセンスに少なくとも部分的に基づいて画像を作製するステップを含む、請求項35または請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
前記ルミネッセンスが、前記被験体の耳、手、頭、前頭部または指の近位で収集される、請求項35から37のいずれかに記載の化合物。
【請求項39】
前記ルミネッセンスが視覚的に検出される、請求項35から38のいずれかに記載の化合物。
【請求項40】
前記ルミネッセンスが、カメラ、電荷結合素子またはダイオードアレイを使用して検出される、請求項35から39のいずれかに記載の化合物。
【請求項41】
前記手順が、
有効量の前記請求項のいずれかに記載の腎臓により排泄され得る化合物を被験体に投与するステップ、
投与した前記化合物を有する該被験体の腎臓系の組織を電磁放射線に曝露し、それによって該化合物から放射される電磁放射線を発生させるステップ、
該化合物から放射された該電磁放射線を検出し、それによって該被験体の腎臓系の少なくとも一部を可視化またはイメージングするステップ
を含む、請求項27に記載の化合物。
【請求項42】
前記手順が、投与した前記化合物が前記被験体の腎臓系の組織に実質的に保持されているかどうかを決定するステップを含む、請求項27から41のいずれかに記載の化合物。
【請求項43】
前記化合物が、10%未満の血漿結合を有する、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項44】
器官、組織または系の生理的機能を評価する生物医学的手順において使用するための、請求項1から43のいずれかに記載の化合物。
【請求項45】
被験体の腎臓機能の評価においてインビボで使用するための、請求項1から43のいずれかに記載の化合物。
【請求項46】
外科手順において、被験体の泌尿器系の少なくとも一部の検出においてインビボで使用するための、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項47】
前記泌尿器系の少なくとも一部が、前記被験体の尿管、膀胱または尿道を含む、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
外科手順において、被験体の尿管の少なくとも一部の検出においてインビボで使用するための、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項49】
請求項1から48のいずれかに記載の化合物、および
薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項50】
請求項1から48のいずれかに記載の化合物、および
1つまたは複数のさらなる治療剤または診断用薬剤を含む、医薬組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2012−512256(P2012−512256A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542429(P2011−542429)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/068453
【国際公開番号】WO2010/078025
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(595181003)マリンクロッド エルエルシー (203)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/068453
【国際公開番号】WO2010/078025
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(595181003)マリンクロッド エルエルシー (203)
【Fターム(参考)】
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