説明

修飾ポリエチレンイミンポリマーおよびリパーゼ酵素を有する液体洗濯洗剤組成物

修飾された油性および油汚れの清浄化のためのリパーゼ酵素、修飾ポリエチレンイミンポリマーおよび液体キャリア。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改良されたグリースおよび油汚れクリーニングのための一次洗浄リパーゼ酵素を有する液体洗剤組成物および使用される修飾ポリエチレンイミンに関する。
【背景技術】
【0002】
グリース汚れの除去を改善することは、洗濯洗剤メーカーにとって変わらぬ目標である。多くの効果的な界面活性剤および界面活性剤の組み合わせの使用にもかかわらず、特に低い水温で使用した場合には、多くの界面活性剤ベースの製品は依然としてグリース/油性の汚れを完全に除去することはできない。脂肪性汚れをトリグリセリド類へ分解することによって脂肪性汚れを除去するために、1980年代後半から、リパーゼ酵素類が洗剤に使用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
比較的最近まで、主な市販のリパーゼ酵素類、例えば、リポラーゼ(LIPOLASE)(登録商標)(商品名ノボザイムズ)が、洗浄工程の乾燥段階でのより低い水分レベルにおいて、特に効果的に機能した。酵素の活性部位が、洗浄プロセス中に水に占有され、これによって乾燥工程中の洗濯した衣服に残った汚れ上でのみ脂肪の分解が顕著となり、この分解された脂肪が次の洗浄工程で除去されるので、これらの酵素類は第二洗浄工程でのみ顕著な洗浄を生み出す傾向がある。しかし、最近になって、洗浄プロセスの洗浄段階中においても効率的に機能する、より効率的なリパーゼ類が開発された。これによって第二洗浄工程での洗浄と同様に、第一洗浄サイクルに、リパーゼ酵素に起因する洗浄の顕著な改善を見出すことができる。こうした酵素の例は、WO 00/60063および研究開示IP6553Dに記載されているとおりである。このような酵素類は、以下で一次洗浄リパーゼと呼ばれる。
【0004】
本発明者らが直面する問題は、この新世代酵素の性能をいかに最大化させるかというものであった。液体洗剤組成物において修飾ポリエチレンイミン・ポリマー類と組合わせる一次洗浄リパーゼ類の組合せは、受容できる安定した液体洗剤組成物を与えながらグリースおよび油の洗浄結果が改善されるという驚くべき発見があった。
【0005】
修飾ポリエチレンイミン・ポリマーは、洗剤組成物においてWO 97/4228のリポラーゼ(LIPOLASE)(登録商標)のような主要な市販のリパーゼ酵素と結合すれば塩素清浄剤として作用すると以前から述べられてきた。以下に定義される液体洗剤組成物における修飾ポリエチレンイミンと組合わせた一次洗浄リパーゼは、リポラーゼ(LIPOLASE)(登録商標)のような主要な市販のリパーゼ酵素に対してグリースおよび油の洗浄を改善する結果を与えることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は液体洗濯洗剤組成物に関するもので、以下を含む。(a)フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)菌株DSM4109由来の野生型リパーゼと少なくとも90%の同一性を有し、および前記野生型リパーゼと比較して、正に荷電したアミノ酸を有するE1またはQ249から15A以内に電気的に中性または負に荷電したアミノ酸の置換を含む、アミノ酸配列を有するポリペプチドである、第一洗浄リパーゼの約5〜約20000LU/g、および更に、(I)C末端におけるペプチド添加、および(II)N末端におけるペプチド添加を含み、(III)以下i)〜v)の制限を満たす。i)前記野生型リパーゼの位置E210に負に荷電したアミノ酸を含み、ii)前記野生型リパーゼの位置90〜101に対応する領域に負に荷電したアミノ酸を含み、およびiii)前記野生型リパーゼのN94に対応する位置で、中性または負に荷電したアミノ酸を含み、および/または、iv)前記野生型リパーゼの位置90〜101に対応する領域の負電荷または中性電荷を有し、およびIV)それらの混合物を含む。(b)修飾ポリエチレンイミンポリマーが、約300〜約10000の重量平均分子量のポリエチレンイミン主鎖を含む、修飾ポリエチレンイミンポリマーの約0.01重量%〜約10重量%、ポリエチレンイミン主鎖の修飾は、以下のとおりである:(1)ポリエチレンイミン主鎖の窒素原子あたり、1つまたは2つのアルコキシル化修飾であって、アルコキシル化修飾は、アルコキシル化修飾の末端アルコキシ部分が水素、C〜Cアルキルまたはそれらの混合物でキャップされる、修飾あたり平均約1〜約40のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換を含む。(2)ポリエチレンイミン主鎖の窒素原子あたり、1つのC〜Cアルキル部分の置換および1つまたは2つのアルコキシル化修飾であって、アルコキシル化修飾は、末端アルコキシ部分が水素、C〜Cアルキルまたはそれらの混合物でキャップされる、修飾あたり平均約1〜約40のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換を含む。または、(3)それらの組み合わせ、および(c)液体キャリアを含む組成物の残部、を含む。
【0007】
本発明は、更に、汚れおよびしみを除去する方法、および液体洗濯洗剤組成物の製造方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
液体洗剤組成物において修飾ポリエチレンイミン・ポリマー類と組合わせる一次洗浄リパーゼ類の組合せによって、グリースおよび油の洗浄結果が改善されるという驚くべき発見があった。
【0009】
本明細書において使用する一次洗浄リパーゼは洗浄プロセスの洗浄段階中において効率的に機能することによって第二洗浄工程での洗浄と同様に、第一洗浄サイクルに、リパーゼ酵素に起因する洗浄の顕著な改善を見出すことができる、開発された、より効率的なリパーゼ類を意味する。こうした酵素の例は、WO 00/60063および研究開示IP6553Dに記載されているとおりである。
【0010】
「X〜Y」、「約X〜約Y」又は「X−Y」の形式で記載される場合、あたかも本明細書に明示的に記載されているかのように、すべての範囲の数字が本明細書に組み込まれ及び包含される。当然のことながら、本明細書全体にわたって提示するあらゆる限界には、場合によっては、更に低い又は更に高い限界が本明細書に明確に記載されている場合と同様に、更に低い又は高い限界が含まれる。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる範囲には、その広い範囲内の更に狭い範囲がすべて、その更に狭い範囲がすべて本明細書に明確に記載されている場合と同様に含まれる。
【0011】
指示がない限り、重量百分率は、組成物の重量百分率を基準とする。指示がない限り、温度はすべて摂氏(℃)で表記する。
【0012】
一次洗浄リパーゼ酵素
本発明の液体洗剤組成物に用いられる好適な一次洗浄リパーゼ酵素は、WO 00/60063、WO 99/42566、WO 02/062973、WO 97/04078、WO 97/04079および米国特許第5,869,438号に記載されており、および、T231RならびにN233Rを有するフミコラ・ラヌギノサ(サーモマイセス・ラヌギノサス)酵素(リポラーゼ)(LIPOLASE)(登録商標)、ノボザイム(Novozymes)の登録商標名)の変異型で、商品名リペクサー(LIPEXR)(ノボザイムの登録商標)で販売されている一次洗浄リパーゼが最も好適である。
【0013】
本発明の洗剤組成物に組み込まれる一次洗浄リパーゼ酵素は、一般に洗剤組成物の5〜20000LU/g、または更に35〜5000LU/gの量で存在する。リパーゼ活性に関するLU単位は、WO99/42566にて定義される。洗浄溶液中のリパーゼ用量は、典型的には活性リパーゼタンパク質として0.005〜5mg/L、より典型的には酵素タンパク質として0.01〜0.5mg/Lである。
【0014】
本発明の、洗剤組成物において関心をひく、一次洗浄リパーゼは、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)菌株DSM4109由来の野生型リパーゼとの同一性が少なくとも90%であり、該野生型リパーゼと比較した場合に、E1またはQ249から15A以内において、電気的に中性のまたは負に荷電したアミノ酸の正に荷電したアミノ酸による置換を含み、およびさらに、(a)C末端におけるペプチド添加を含み、(b)N末端においてペプチド添加を含み、(c)次の制限、すなわち、(i)該野生型リパーゼのE210の位置に負に荷電したアミノ酸を含み、(ii)該野生型リパーゼの90〜101の位置に対応する領域に負に荷電したアミノ酸を含み、および(iii)該野生型リパーゼのN94に対応する位置に中性または負に荷電したアミノ酸を含み、および/または(iv)該野生型の90〜101の位置に対応する領域に負または中性の正味の電荷を有すること、を満たし、および、(d)これらの混合物、を含む。
【0015】
フミコラ・ラヌギノサ・リパーゼ
本組成物で使用された参照リパーゼは、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)菌株DSM4109由来の野生型リパーゼである。これは、EP 258 068およびEP 305 216に記載され、および、US 5,869,438のSEQ ID NO:2の位置1―269に示されるアミノ酸配列を有する。本明細書において、参照リパーゼは、リポラーゼ(LIPOLASE)(登録商標)とも呼ばれる。
【0016】
正に荷電したアミノ酸による置換
本発明のリパーゼは、E1またはQ249の近くの電気的に中性または負に荷電したアミノ酸の一つ以上(例えば2〜4、特に2)の正に荷電したアミノ酸、好ましくはRによる置換を含む。置換は、三次元構造の表面でElまたはQ249から15A以内で、例えば位置1〜11、90、95、169、171〜175、192〜211、213〜226、228〜258、260〜262のいずれかである。前記置換は、E1またはQ249から10A以内、例えば1〜7、10、175、195、197〜202、204〜206、209、215、219〜224、230〜239、242〜254の任意の位置でもよい。前記置換は、E1から15A以内、例えば1〜11、169、171、192〜199、217〜225、228〜240、243〜247、249、261〜262の任意の位置でもよい。前記置換は、最も好ましくはE1から10A以内、例えば1〜7、10、219〜224および230〜239の任意の位置である。従って、いくつかの好ましい置換は、S3R、S224R、P229R、T231R、N233R、D234RおよびT244Rである。
【0017】
C末端でのペプチド添加
前記リパーゼは、C末端L269へ結合するペプチド添加を含んでよい。前記ペプチド添加は、好ましくは1〜5個のアミノ酸、例えば2、3または4個のアミノ酸から成る。ペプチド添加のアミノ酸は270、271、などの番号がつけられる。ペプチド添加は、例えばPGLまたはPGなどの電気的に中性(例えば疎水)アミノ酸で構成することができる。他の実施例では、前記リパーゼペプチド添加は、中性の(例えば、疎水性の)アミノ酸およびアミノ酸Cから成り、且つ前記リパーゼは、ペプチド添加のCとジスルフィド架橋を形成するように好適な位置でアミノ酸をCで置換することを含む。例:アミノ酸は、位置90〜101および210において、270CはG23CまたはT37Cにリンクされ、271CはK24C、T37C、N26CまたはR81Cにリンクされ、272CはD27C、T35C、E56C、T64CまたはR81Cにリンクされる。
【0018】
本発明のリパーゼは、好ましくは位置90〜101及び210にある荷電したアミノ酸のある種の制限を満足させる。したがって、アミノ酸210は、負に荷電してもよい。E210は、不変でもよくまたはそれは置換E210D/C/Y、特にE210Dを有してもよい。前記リパーゼは、90〜101(特に、94〜101)の任意の位置、例えばD96および/またはE99の位置に、負に荷電したアミノ酸を含んでよい。更に、リパーゼは、位置N94、すなわちN94(中性または負)例えばN94N/D/Eのような電気的に中性または負に荷電したアミノ酸を含むことができる。
【0019】
また、前記リパーゼは、負に荷電したまたは中性の正味の電荷(すなわち、負に荷電したアミノ酸の数が正に荷電したアミノ酸の数以上である)を90〜101の領域(特に、94〜101)に有してもよい。したがって、該領域はリポラーゼ(登録商標)から変化することなく、2つの負に荷電したアミノ酸(D96およびE99)および1つの正に荷電したアミノ酸(K98)を有することができ、および位置94(N94)に電気的に中性のアミノ酸を有することができ、または、該領域は一つ以上の置換によって修飾することができる。
【0020】
あるいは、3個のアミノ酸(N94、N96およびE99)のうちの2個が、負または不変の電荷を有していてもよい。このため、3個全てのアミノ酸が不変でもよく、または同類若しくは負の置換(即ち、N94(中性または負)、D(負)およびE99(負))によって変化させられてもよい。例として、N94D/EおよびD96Eがある。また、電荷を増やすように、3個(すなわち、N94(正)、D96(中性または正)またはE99(中性または正))のうち1個が置換されていてもよい。例として、N94K/R、D96I/L/N/S/WまたはE99N/Q/K/R/Hがある。
【0021】
N末端のペプチド伸張
本発明のリパーゼは、N末端に結合された正に荷電したペプチド伸張を含む。ペプチド伸張は、好ましくは1〜15(特に4〜10)のアミノ酸残基で構成され、および、好ましくは1、2または3つの正に荷電したアミノ酸、最も好ましくは1、2または3つのRを含む。任意には、N末端の電荷は、E1を電気的に中性または正に荷電したアミノ酸(例えばE1 P)で置換することによって、更に増加することができる。いくつかの好適なペプチド伸張に、SPIRR、RP(−E)、SPIRPRP(−E)、SPPRRP(−E)および、SPIRPRID(−E)がある。
【0022】
ペプチド伸張は、例えば、SPPCGRRP(−E)、SPCRPR、SPCRPRP(−E)、SPPCGRRPRRP(−E)、SPPNGSCGRRP(−E)、SPPCRRRP(−E)または、E239Cに添加されたSCIRRのような、ジスルフィド架橋によってポリペプチドの第2のCに添加されるC(システイン)(いずれのCもリポラーゼに存在するかまたは置換によって導入される)を含むことができる。更に、WO 97104079およびWO 97107202に記載のいかなるペプチド伸張も、用いることができる。
【0023】
アミノ酸のグループ化
前述のように、アミノ酸はpH10において負に荷電か、正に荷電か、または電気的に中性であるかによって分類される。したがって、負のアミノ酸は、E、D、C(システイン)およびY、特にEおよびDである。正のアミノ酸は、R、KおよびH、特にRおよびKである。中性のアミノ酸は、ジスルフィド架橋の一部を形成するとき、G、A、V、L、1、P、F、W、S、T M、N、QおよびCである。同じグループ(負、正または、中性)の他のアミノ酸による置換は、保存的置換と称される。電気的に中性のアミノ酸は、疎水性(ジスルフィド架橋の一部としてのG、A、V、L、1、P、F、WおよびC)、および、親水性(S、T M、N、Q)に分けることができる。
【0024】
アミノ酸の同一性
本発明の組成物のリパーゼ変異型は、リポラーゼ(登録商標)と少なくとも90%(好ましくは95%以上または98%以上)のアミノ酸同一性を有する。同一性の度合いは、GCGプログラムパッケージ(ウィスコンシン・パッケージプログラム説明書(Program Manual for the Wisconsin Package)、バージョン8、1994年8月、遺伝的コンピュータ・グループ(Genetics Computer Group)、53711 米国 ウィスコンシン州、マディソン、サイエンス・ドライブ575(575 Science Drive, Madison, Wisconsin, USA 53711)(ニードルマン(Needleman)S.B.およびブンシュ(Wunsch)C.D.(1970)、分子生物学ジャーナル(Journal of Molecular Biology)、48、443〜45)で提供されているGAPのような当該技術分野において既知のコンピュータープログラムよって、適切に決定でき、ポリペプチド・シーケンスの比較には、GAP生成ペナルティ3.0、およびGAP伸張ペナルティ0.1の設定でGAPを使用する。
【0025】
一次洗浄リパーゼは、任意の都合の良い形態、一般にはダスティングされていない粒状形態、安定化された液体またはコーティングされた酵素粒子の形態で洗剤組成物に組み込まれてもよい。
【0026】
修飾ポリエチレンイミンポリマー
本発明の組成物は、約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約3重量%の修飾ポリエチレンイミンポリマーを含む。
【0027】
本発明の組成物の修飾ポリエチレンイミンポリマーは、分子量が約300〜約10000重量平均分子量、好ましくは約400〜約7500重量平均分子量、好ましくは、約500〜約1900重量平均分子量、および好ましくは約3000〜6000重量平均分子量のポリエチレンイミン主鎖を有する。
【0028】
ポリエチレンイミン主鎖の修飾は、以下を含む:(1)修飾がポリエチレンイミン主鎖の内部窒素原子、または、末端窒素原子で起きるかによって、1窒素原子につき1または2のアルコキシル化修飾で、1修飾につき、平均約1〜約40のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン(polyalkoxylene)鎖によって水素原子が置換され、アルコキシル化修飾の末端アルコキシ部分は、水素、C〜Cアルキルまたはそれらの混合物で被覆されるアルコキシル化修飾。(2)置換がポリエチレンイミン主鎖の内部窒素原子、または、末端窒素原子で起きるかによって、1窒素原子につき1つのC〜Cアルキル部分の置換、および1または2のアルコキシル化修飾で、1修飾につき、平均約1〜約40のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン(polyalkoxylene)鎖によって水素原子が置換され、末端アルコキシ部分は、水素、C〜Cアルキルまたはそれらの混合物でキャップされるアルコキシル化修飾。または、(3)それらの組み合わせ。
【0029】
非限定的な例として、Rがエチレン・スペーサを表し、およびEがC〜Cアルキル部分を表し、およびXが適切な水溶性対イオンを表すポリエチレンイミン主鎖の末端窒素原子に対する可能な修飾を以下に示す。
【化1】

【0030】
また、非限定的な例として、Rがエチレン・スペーサを表し、およびEがC1〜C4アルキル部分を表し、およびXが適切な水溶性対イオンを表すポリエチレンイミン主鎖の内部窒素原子に対する可能な修飾を以下に示す。
【化2】

【0031】
ポリエチレンイミン主鎖のアルコキシル化修飾は、平均約1〜約40のアルコキシ部分、好ましくは約5〜約20のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による、水素原子の置換で構成される。アルコキシ部分は、エトキシ(EO)、1,2‐プロポキシ(1,2‐PO)、1,3―プロポキシ(1,3‐PO)、ブトキシ(BO)およびこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、ポリアルコキシレン鎖はエトキシ部分およびエトキシ/プロポキシブロック部分から選択される。より好ましくは、ポリアルコキシレン鎖は約5〜約15平均度合のエトキシ部分であって、およびポリアルコキシレン鎖は約5〜約15の平均エトキシル化度および約1〜約16の平均プロポキシル化度を有するエトキシ/プロポキシ・ブロック部分である。最も好ましくは、ポリアルコキシレン鎖は、プロポキシ部分ブロックが末端アルコキシ部分ブロックであるエトキシ/プロポキシ・ブロック部分である。
【0032】
修飾の結果、ポリエチレンイミン主鎖窒素原子は永続的に四級化される可能性がある。永続的な四級化の度合は、ポリエチレンイミン主鎖窒素原子の0%〜約30%になり得る。永続的に四級化されるポリエチレンイミン主鎖窒素原子は30%未満であることが好ましい。
【0033】
好適な修飾ポリエチレンイミンは、式(I)の一般構造を有する。
【化3】

【0034】
ポリエチレンイミン主鎖が重量平均分子量5000を有する式(I)において、式(I)のnの平均値は7で、および式(I)のRは水素、C〜Cアルキルおよびそれらの混合物から選択される。
【0035】
他の好適なポリエチレンイミンは、式(II)の一般構造を有する。
【化4】

【0036】
ポリエチレンイミン主鎖が重量平均分子量5000を有する式(II)において、式(II)のnの平均値は10、式(II)のmの平均値は7であって、および式(II)のRは、水素、C〜Cアルキルおよびそれらの混合物から選択される。式(II)の永続的な四級化の度合は、ポリエチレンイミン主鎖窒素原子の0%〜約22%であり得る。
【0037】
さらにもう一つの好適なポリエチレンイミンは、式(II)と同じ一般構造を有し、ポリエチレンイミン主鎖が重量平均分子量600を有する式(II)において、式(II)のnの平均値は10、式(II)のmの平均値は7であって、および式(II)のRは水素、C〜Cアルキルおよびそれらの混合物から選択される。式(II)の永続的な四級化の度合は、ポリエチレンイミン主鎖窒素原子の0%〜約22%であり得る。
【0038】
これらのポリエチレンイミンは、例えば、二酸化炭素、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸、過酸化水素、塩酸、酢酸、などのような触媒のもとで、エチレンイミンを重合させることによって調合することができる。これらのポリアミン主鎖を調合する特定の方法は、1939年12月5日発行の米国特許第2,182,306号、ウルリク(Ulrich)ら、1962年5月8日発行の米国特許第3,033,746号、メイリー(Mayle)ら、1940年7月16日発行の米国特許第2,208,095号、エッセルマン(Esselmann)ら、1957年9月17日発行の米国特許第2,806,839号、クラウザー(Crowther)、および1951年5月21日発行の米国特許第2,553,696号、ウィルソン(Wilson)において開示されている。
【0039】
(実施例1)
窒素‐水素結合(NH)につき、7個のエトキシ部分(EO)によって修飾される分子量5000(以下、PEI5000)のポリエチレンイミン
a)1個のEO/NHを有するPEI5000の処理
PEI5000(主鎖分子量5000)の50重量%水溶液900gを2Lの反応器内で80℃に熱し、および、(500キロパスカル(5バール)の圧力が得られるまで)窒素によって3回ストリッピングする。温度を90℃に上昇させ、圧力が500キロパスカル(5バール)に上るまで、461gのエチレンオキシドを加える。2時間後に揮発性成分を80℃における窒素によるストリッピングまたは、80℃において50キロパスカル(500ミリバール)の真空によって除去する。1つのEO/NHを有するPEI5000を含有する68%の水溶液1345gを集める。
b)溶媒がある場合の、1つのEO/NHを有するPEI5000のアルコキシル化
ステップ(a)からの68.5%の水溶液362gを水酸化カリウムの40%水溶液31gおよびキシレン300gを用いて2Lの反応器で処理して、(500キロパスカル(5バール)の圧力が得られるまで)窒素によって3回ストリッピングする。170℃で4時間(溶媒に帰属する)水分を除去する。300キロパスカル(3本の棒)の圧力が得られるまで、120の°Cで753gのエチレンオキシドを加える。120℃で3時間攪拌する。混合物から溶媒を除去して120℃の水蒸気で3時間ストリッピングを行う。明るい褐色がかった粘液(アミン:2.5448mmol/g、1重量%水溶液のpH値11.2)1000gを集める。それが、7個のEO/NHを有する所望の生成物、PEI5000である。
【0040】
(実施例2)
窒素‐水素結合(NH)につき10個のエトキシ部分(EO)および7個のプロポキシ部分(PO)によって修飾される分子量5000のポリエチレンイミン
a)実施例1と同様、1個のEO/NHを有するPEI5000の処理。
b)1個のEO/NHを有するPEI5000のアルコキシル化
ステップ(a)からの68.4%の水溶液163gを水酸化カリウムの40%水溶液13.9gを用いて2Lの反応器で処理して、70℃に加熱して、(500キロパスカル(5バール)の圧力が得られるまで)窒素によって3回ストリッピングする。120℃および1キロパスカル(10ミリバール)の真空で4時間水分を除去する。800キロパスカル(8バール)の圧力が得られるまで、120℃で506gのエチレンオキシドを加える。120℃で4時間攪拌する。120℃で窒素によってストリッピングする。800キロパスカル(8バール)の圧力が得られるまで、120℃で519gのプロピレンオキシドを加える。102℃で4時間攪拌する。揮発性成分を80℃における窒素によるストリッピングまたは、80℃において50キロパスカル(500ミリバール)の真空によって除去する。明るい褐色がかった粘液(アミン・タイター:0.9276mmol/g、1重量%水溶液のpH値10.67)1178gを集める。いずれが、10個のEOおよび7個のPO/NHを有する所望の生成物、PEI5000である。
【0041】
または、
代替的b)溶媒がある場合の、1個のEO/NHを有するPEI5000のアルコキシル化
(a)からの68.7%の水溶液137gを水酸化カリウムの40%水溶液11.8gおよびキシレン300gを用いて2Lの反応器で処理して、(500キロパスカル(5バール)の圧力が得られるまで)窒素によって3回ストリッピングする。続いて4時間にわたり、温度を170℃に保って(溶媒に帰属する)水分を除去する。300キロパスカル(3バール)の圧力が得られるまで、120℃で428gのエチレンオキシドを加え、および120℃で2時間攪拌する。120℃で窒素によってストリッピングする。300キロパスカル(3バール)の圧力が得られるまで、120℃で439gのプロピレンオキシドを加える。120℃で3時間攪拌する。混合物から溶媒を除去して120℃の水蒸気で3時間ストリッピングを行う。明るい褐色がかった粘液(アミン・タイター: 0.9672mmol/g、1重量%水溶液のpH値10.69)956gを集める。それが、10個のEOおよび7個のPO/NHを有する所望の生成物、PEI5000である。
【0042】
(実施例3)
窒素‐水素結合(NH)につき、9.9個のエトキシ部分(EO)および3.5個のプロポキシ部分(PO)よって修飾される分子量5000のポリエチレンイミン
a)実施例1と同様、1個のEO/NHを有するPEI5000の処理
b)1個のEO/NHを有するPEI5000のアルコキシル化
(a)からの69.2%の水溶液321gを水酸化カリウムの40%水溶液28gを用いて2Lの反応器で処理して、80℃に加熱し、(500キロパスカル(5バール)の圧力が得られるまで)窒素によって3回ストリッピングする。続いて3時間、温度120℃および1キロパスカル(10ミリバール)の真空を保って水分を除去する。800キロパスカル(8バール)の圧力が得られるまで、120℃で1020gのエチレンオキシドを加える。120℃で4時間攪拌する。揮発性成分を80℃における窒素によるストリッピングまたは、80℃において50キロパスカル(500ミリバール)の真空によって除去する。C9.9個のEO/NHを有するPEI 5000を含む、褐色がかった粘液(アミン・タイター: 1.7763mmol/g、1重量%水溶液のpH値11.3)1240gを集める。9.9個のEO/NHを有する239gのPEI 5000を、500キロパスカル(5バール)の圧力が得られるまで窒素によってストリッピングし、120℃に加熱する。800キロパスカル(8バール)の圧力が得られるまで、120℃で87g(測定精度+/−15g)のプロピレンオキシドを加える。120℃で4時間攪拌する。揮発性成分を80℃における窒素によるストリッピングまたは、80℃において50キロパスカル(500ミリバール)の真空によって除去する。明るい褐色がかった粘液(アミン・タイター: 1.2199mmol/g、1重量%水溶液のpH値11.05)340gを集める。それが、9.9個のEOおよび3.5個のPo/NHを有する所望の生成物PEI5000である。
【0043】
(実施例4)
窒素‐水素結合(NH)につき、9.9個のエトキシ部分(EO)および15.5個のプロポキシ部分(PO)によって修飾される分子量5000のポリエチレンイミン
a)実施例1と同様、1個のEO/NHを有するPEI5000の処理
b)1個のEO/NHを有するPEI5000のアルコキシル化
(a)からの69.2%の水溶液321gを水酸化カリウムの40%水溶液28gを用いて2Lの反応器で処理して、80℃に加熱し(500キロパスカル(5バール)の圧力が得られるまで)窒素によって3回ストリッピングする。続いて3時間、温度120℃および1キロパスカル(10ミリバール)の真空を保って水分を除去する。800キロパスカル(8バール)の圧力が得られるまで、120℃で1020gのエチレンオキシドを加える。120℃で4時間攪拌する。揮発性成分を80℃における窒素によるストリッピングまたは、80℃において50キロパスカル(500ミリバール)の真空によって除去する。9.9個のEO/NHを有するPEI 5000を含む褐色がかった粘液(アミン・タイター: 1.7763mmol/g、1重量%水溶液のpH値11.3)1240gを集める。9.9個のEO/NHを有する156gのPEI 5000を、500キロパスカル(5バール)の圧力が得られるまで窒素によってストリッピングし、120℃に加熱する。800キロパスカル(8バール)の圧力が得られるまで、120℃で284g(測定精度+/−15g)のプロピレンオキシドを加える。120℃で4時間攪拌する。揮発性成分を80℃における窒素によるストリッピングまたは、80℃において50キロパスカル(500ミリバール)の真空によって除去する。明るい褐色がかった粘液(アミン・タイター:0.6545mmol/g、1重量%水溶液のpH値11.05)450gを集める。それが、9.9個のEOおよび15.5個のPO/NHを有する所望の生成物、PEI5000である。
【0044】
界面活性剤系
本発明の組成物は、C10〜C18アルキル・エトキシ硫酸塩(AES)、ここでxは約1〜約30、好ましくは約1〜約10、より好ましくは、約1〜約5の界面活性剤系を含む。アルキル・エトキシ硫酸塩界面活性剤は、組成物の約5〜約30重量%、または約7〜16重量%組成物に含まれてもよい。
【0045】
界面活性剤系は、更に組成物の0重量%〜約7重量%、約0.1重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約4重量%の非イオン性補助界面活性剤、陽イオン性補助界面活性剤、陰イオン性補助界面活性剤及びこれらのすべての混合物から選択される補助界面活性剤を含むことができる。
【0046】
非イオン性補助界面活性剤
非イオン性補助界面活性剤の非限定的な実施例としては、シェル(Shell)からのネオドール(NEODOL)(登録商標)、およびBASFからのルーテンソル(LUTENSOL)(登録商標)XLならびにルーテンソル(登録商標)XPなどのC12〜C18アルキルエトキシレート類;C〜C12アルキルフェノールアルコキシラート類(ここで、アルコキシラート単位はエトキシ及びプロポキシ単位の混合物である);BASFからのプルロニック(PLURONIC)(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック・アルキル・ポリアミン・エトキシレートを有するC12〜C18アルコールおよびC〜C12アルキルフェノール縮合体;米国特許第6,150,322号で説明されたような、C14〜C22中鎖分岐状アルコール類、BA;米国特許第6,153,577号、同第6,020、303号及び同第6,093,856号で説明されたようなC14〜C22中鎖分岐状アルキルアルコキシラート類、BAE(式中、xは1〜30である);米国特許第4,565,647号(レナード(Llenado)、1986年1月26日発行)で説明されたアルキル多糖類、具体的には米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で説明されたアルキルポリグリコシド;および米国特許第6,482,994号及びWO01/42,408で説明されたエーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0047】
半極性非イオン性補助界面活性剤の非限定例としては、約10〜約18個の炭素原子の1つのアルキル部分並びに約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される2つのアルキル部分を含有する水溶性アミンオキシド;約10〜約18個の炭素原子の1つのアルキル部分並びに約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される2つのアルキル部分を含有する水溶性ホスフィンオキシド;或いは約10〜約18個の炭素原子の1つのアルキル部分並びに約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される2つのアルキル部分を含有する水溶性スルホキシドが挙げられる。WO01/32816、米国特許第4,681,704号及び同第4,133,779号を参照。
【0048】
陰イオン性補助界面活性剤
本明細書で有用な陰イオン性補助界面活性剤の非限定例としては、C10〜C20一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS);C10〜C18二級(2、3)アルキルサルフェート;C10〜C15アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS);1〜5個のエトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載されているような中鎖分枝状アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載されているような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート;WO99/05243、WO99/05242及びWO99/05244に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);ならびにα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0049】
1つの実施例において、補助界面活性剤は、AESのC12〜18直鎖アルキルサルフェートに対する質量比が2より大きい(>2:1)、好ましくは2.8より大きい、より好ましくは3.3より大きい(>3.3:1)、ような量のC12〜18直鎖アルキルサルフェートが選ばれる。
【0050】
液体キャリア
本発明による液体洗剤組成物は、また、液体キャリアを含む。通常、本明細書における組成物において使用される液体キャリアの量は比較的大きくなり、しばしば洗剤組成物の残部を占めるが、洗剤組成物の約20重量%〜約85重量%を占めることができる。好ましくは、本発明の組成物は、約40%〜約80%の水性液体キャリアを含む。
【0051】
最もコスト的に有効な種類の水性非界面活性液体キャリアは言うまでもなく水自体である。それ故に、水性非界面活性液体キャリア構成成分は一般に完全でないとしてもほとんど水で構成される。さらに、メタノール、エタノールおよび/またはプロパノール、ジオールその他ポリオール、エーテル、ならびに、モノ‐、ジ‐、トリ‐エタノールアミンおよびその類似物のようなC〜CアルカノールアミンといったC〜C低級アルカノールのような他のタイプの水溶性液体が従来、向水性物質、共溶媒または安定剤として液体洗剤組成物に加えられている。使用される場合、相安定剤類/共溶媒類は本明細書の組成物の約0.1重量%〜5.0重量%を構成することができる。
【0052】
汚れ懸濁剤、汚れはく離剤
本発明の液体洗剤組成物は、汚れ懸濁剤、汚れはく離剤およびこれらの混合物を有するポリマー系を更に含むことができる。汚れ懸濁剤は、1987年10月27日発行された米国特許第4,702,857号のゴスリンク(Gosselink)によるブロック・ポリエステル類、および1990年11月6日に発行された米国特許第4,968,451号のシャイベル(Scheibel)らによるスルホン化直鎖テレフタル酸塩エステルオリゴマーのように、当該技術分野において公知のものでもよい。
【0053】
汚れはく離剤は、1986年7月1日発行の米国特許第4,597,898号のヴァンダーメーア(Vander Meer)によるエトキシル化四エチレンペンタイミン(EO15−18)、および商用名ルテンシト(LUTENSIT)(登録商標)としてBASFから入手可能なエトキシル化ヘキサメチレンジアミン、およびWO 01/05874に記載されているもののような当該技術分野において公知のものでもよい。
【0054】
汚れ懸濁剤および汚れはく離剤は、液体洗剤組成物の約0.1%〜約2重量%含むことができる。
【0055】
任意構成成分
本発明の洗剤組成物には任意の数のその他の任意成分が含有されていてよい。これらには洗浄性ビルダー、酵素、酵素安定剤(プロピレングリコール、ホウ酸および/またはホウ砂など)、泡抑泡剤、他の布地ケア有益剤、pH調整剤、キレート化剤、スメクタイト粘土、構造剤、転染抑止剤、蛍光増白剤、香料、および着色剤等の従来の洗濯用洗剤組成物成分が挙げられる。種々の任意の洗剤組成物成分は、本明細書の洗剤組成物中に存在する場合、それらの望ましい寄与を組成物又は洗濯操作にもたらすため、慣習的に使用されている濃度で利用されるべきである。しばしば、そのような任意の洗剤組成物成分の総量は組成物の重量で約5%〜約50%、より好ましくは約5%〜約40%である。
【0056】
酵素の添加
例えば、タンパク質由来、炭水化物系由来、またはトリグリセリド由来の汚れの除去、および/または布地の修復を含む、多種多様な布地の洗濯の目的のために、本明細書における液体洗濯洗剤組成物に有効量の酵素を添加して含めることができる。ここで使用する「有効量」とは、所望の汚れの除去または布地の修復量を達成するために添加される酵素の量である。
【0057】
好適な酵素の例には、ヘミセルラーゼ類、ペルオキシダーゼ類、プロテアーゼ類、セルラーゼ類、キシラナーゼ類、上記以外のリパーゼ類、ホスホリパーゼ類、エステラーゼ類、クチナーゼ類、ペクチナーゼ類、ケラタナーゼ類、レダクターゼ類、オキシダーゼ類、フェノールオキシダーゼ類、リポキシゲナーゼ類、リグニナーゼ類、プルラナーゼ類、タンナーゼ類、ペントサナーゼ類(pentosanases)、マラナーゼ類(malanases)、β−グルカナーゼ類、アラビノシダーゼ類(arabinosidases)、ヒアルロニダーゼ類、コンドロイチナーゼ類、ラッカーゼ類、および既知のアミラーゼ類、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。他の種類の酵素も包含されてもよい。酵素は、植物、動物、細菌、真菌及び酵母起源のようないかなる好適な起源であってもよい。しかしながら、それらの選択は、pH活性及び/又は安定性の最適条件、熱安定性、活性な洗剤やビルダーなどに対する安定性などのような幾つかの要因によって決定される。
【0058】
可能な酵素の組み合わせは、アミラーゼと共に、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼのような従来の洗浄性酵素類の反応混液(cocktail)を含む。洗浄性酵素は、米国特許第6,579,839号でより詳細に記載されている。本明細書で特に好ましい組成物は約0.05重量%〜約2重量%の洗浄性酵素を含有する。
【0059】
添加される酵素は、組成物1グラムあたり、通常、重量約5mgまでの十分なレベル、より典型的には、0.01mg〜3mgの活性酵素が組み込まれる。換言すると、本明細書における組成物には、通常、約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.01重量%〜1重量%の市販酵素製剤が含まれている。プロテアーゼ酵素類は、通常そのような市販の調製物中に、組成物1g当たり0.005〜0.1アンソン単位(AU)の活性を提供するのに十分な濃度で存在する。
【0060】
本明細書で有用なプロテアーゼには、バチルス[例えば、サブチルス、レンタス(lentus)、リケニホルミス、アミロリケファシエンス(BPN、BPN’)、アルカロフィラス(alcalophilus)]からのサブチリシン類、例えばエスペラーゼ(ESPERASE)(登録商標)、アルカレーゼ(ALCALASE)(登録商標)、エヴァレーゼ(EVERLASE)(登録商標)、及びサヴィナーゼ(SAVINASE)(登録商標)(ノボザイムズ(Novozymes))、BLAP及び変異型[ヘンケル(Henkel)]が挙げられる。プロテアーゼ類については、欧州特許第130756号、PCT国際公開特許WO91/06637、同WO95/10591、及び同WO99/20276にさらに開示されている。
【0061】
アミラーゼ類(α及び/又はβ)は、WO94/02597及びWO96/23873に記載されている。市販品の例は、ピュラフェクトOxAm(Purafect Ox Am)(登録商標)[ジェネンコア(Genencor)]、並びにターマミル(Termamyl)(登録商標)、ナタラーゼ(Natalase)(登録商標)、バン(Ban)(登録商標)、フンガミル(Fungamyl)(登録商標)、及びデュラミル(Duramyl)(登録商標)[すべてノボザイムズ(Novozymes)より]である。アミラーゼ類はまた、例えば、英国特許明細書第1,296,839号(ノボ酵素)およびラピダーゼ(RAPIDASE)(登録商標)[インターナショナル・バイオ・シンセティックス社(International Bio-Synthetics, Inc)]に記載されているα‐アミラーゼを含む。
【0062】
本組成物で使用可能なセルラーゼ類は、細菌性又は真菌性のいずれかのセルラーゼを包含する。好ましくは、それらは最適なpHが5〜9.5である。好適なセルラーゼ類は、米国特許第4,435,307号(バルベスゴールド(Barbesgoard)ら、1984年3月6日発行)に開示されている。本発明に有用なセルラーゼ類としては、細菌又は真菌性セルラーゼ、例えばフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)からつくられた、特にDSM1800、例えば50Kda及び43kD(ケアザイム(Carezyme)(登録商標))が挙げられる。同じく好適なセルラーゼ類は、トリコデルマ・ロンギプラチアタム(Trichoderma longibrachiatum)からのEGIIIセルラーゼである。
【0063】
上記以外の他の適切なリパーゼ類には、シュードモナスおよびクロモバクテリウム群によって生成されるものが含まれる。フミコーラ・ラヌギノーサ(Humicola lanuginosa)から誘導される、ノボザイム(Novozymes)から市販のリポラーゼ(LIPOLASE)(登録商標)酵素(EPO 41,947も参照)は、本発明で用いるのに好適なリパーゼである。例えば、ノボザイムのウルトラリポラーゼ(LIPOLASE ULTRA)(登録商標)およびリポプライム(LIPOPRIME)(登録商標)も好適である。クチナーゼ類[EC3.1.1.50]及びエステラーゼ類も好適である。1978年2月24日に公開されている、日本特許出願53‐020487(Japanese Patent Application 53-020487)におけるリパーゼ類もまた参照のこと。このリパーゼは、日本、名古屋(Nagoya)のアレアリオ・ファーマシュティカル社(Areario Pharmaceutical Co. Ltd.)から、商標名リパーゼ(Lipase)P「アマノ(AMANO)(登録商標)」で入手可能である。他の商業的なリパーゼとして、クロモバクタービスコスム由来のリパーゼ類、例えばクロモバクタービスコスム変異株のリボリチカムNRRLB 3673で、東洋醸造社(静岡県田方郡)が市販するアマノ(AMANO)‐CES(登録商標)、および更に、米国のUSバイオケミカル社(U.S. Biochemical Corp.)およびオランダのジオシンス社(Diosynth Co.)からのクロモバクタービスコスム・リパーゼ類、ならびにシュードモナス・グラディオリのような他のリパーゼ類が挙げられる。更に適切なリパーゼ類は、WO 2004/101759、WO 2004/101760およびWO 2004/101763に記載されている。
【0064】
本明細書で有用なカルボヒドラーゼ類としては、マンナナーゼ(例えば、米国特許第6,060,299号に開示されているもの)、ペクテートリアーゼ(例えば、WO 99/27083に開示されているもの)、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ(例えば、PCT出願(PCT Application)WO 96/33267)に開示されているもの、キシログルカナーゼ(例えば、WO 99/02663に開示されているもの)が挙げられる。
【0065】
エンハンサーを伴って本明細書で有用な漂白酵素としては、ペルオキシダーゼ類、ラッカーゼ類、オキシゲナーゼ類、(例えば、カテコール1,2ジオキシゲナーゼ、リポキシゲナーゼ(例えば、WO 95/26393)に開示されるもの、(非ヘム)ハロペルオキシダーゼ類が挙げられる。
【0066】
液体洗剤製剤のために有用な酵素物質、及びそれらのこうした製剤への組み込みについては、米国特許第4,261,868号(ホラ(Hora)ら)、および米国特許第4,507,219号(ヒューズ(Hughes))に開示されている。
【0067】
酵素安定剤
酵素又は酵素類が本発明の組成物中に含まれる場合、組成物は、酵素安定剤をも含有するのが好ましい。酵素は、カルシウム及び/又はマグネシウム化合物類、ホウ素化合物類及び置換されたホウ酸類、芳香族ホウ酸エステル類、ペプチド類及びペプチド誘導体類、ポリオール類、低分子量カルボキシレート類、比較的疎水性の有機化合物類[すなわち、特定のエステル類、ジアルキルグリコールエーテル類、アルコール類、又はアルコールアルコキシラート類]、カルシウムイオン源に加えてアルキルエーテルカルボキシレート、ベンズアミジン次亜塩素酸塩、低脂肪族アルコール類及びカルボン酸類、N,N−ビス(カルボキシメチル)セリン塩類;(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステルコポリマー及びPEG;リグニン化合物類、ポリアミドオリゴマー、グリコール酸又はその塩類;ポリヘキサメチレンビグアニド又はN,N−ビス−3−アミノ−プロピル−ドデシルアミン又は塩;及びその混合物のようなあらゆる既知の安定剤系を使用して安定化できる。また、米国特許第3,600,319号、ゲッジ(Gedge)ら、欧州特許 0 199 405A、ベネガス(Venegas)、米国特許第3,519,570号および米国特許第4,537,706号(ボラート種)も参照。
【0068】
一般的な洗剤、特に液体は、酵素を安定化させるために、最終組成物1リットル当たり、約1〜約30、好ましくは約2〜約20、より好ましくは約5〜約15、最も好ましくは約8〜約12mmolのカルシウムイオンを含む。これらに限定されないが、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、水酸化カルシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、及び対応するマグネシウム塩類を含むあらゆる水溶性カルシウム又はマグネシウム塩類が、カルシウム又はマグネシウムイオン源として使用可能である。従って、一般的な提案として、本明細書の組成物は一般に、約0.05重量%〜約2重量%のカルシウム若しくはマグネシウムイオンの水溶性源、又はその両方の、洗剤組成物を含む。
【0069】
液体組成物において、第二酵素類のタンパク質分解酵素による分解は、ペプチド又はタンパク質型のような、プロテアーゼ可逆性阻害物質、特にVI族の変性されたサブチリシン阻害物質及びプラスミノストレピン(plasminostrepin);ロイペプチン、ペプチドトリフルオロメチルケトン類、ペプチドアルデヒド類により回避できる。
【0070】
有機洗剤ビルダー
本発明における洗剤組成物は、有機洗剤ビルダー材料を任意に含むこともできる。例としては、アルカリ金属、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、カルボキシメチルコハク酸塩、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、及びポリアセチルカルボン酸塩が挙げられる。具体的な例としては、オキシジコハク酸、メリト酸、ベンゼンポリカルボン酸類、C10〜C22脂肪酸類及びクエン酸のナトリウム、カリウム、及びリチウム塩類が挙げられる。他の例には、モンサント(Monsanto)が販売する有機ホスホン酸塩型金属イオン封鎖剤のデクエスト(DEQUEST)(登録商標)およびアルカンヒドロキシホスホン酸塩がある。クエン酸塩類及びC12〜C18脂肪酸石鹸類が、極めて好ましい。
【0071】
他の好適な有機ビルダーとしては、より高分子量のポリマー及びビルダーの特性を有することが既知であるコポリマーが挙げられる。例えば、このような物質としては、BASFからソカラン(SOKALAN)(登録商標)で市販されているものなど、適切なポリアクリル酸、ポリマレイン酸、及びポリアクリル/ポリマレイン酸コポリマー、並びにこれらの塩が挙げられる。
【0072】
組成物を利用する場合、その組成物は、有機ビルダー材料の組成物の最大30重量%まで、好ましくは約1重量%〜約20重量%、より好ましくは約3重量%〜約10重量%含まれてもよい。
【0073】
pH制御剤
本明細書の洗剤組成物には、本明細書の洗剤組成物のpHを最適なレベルで調整又は維持するように働く低濃度の物質を任意に含有させてもよい。本発明の組成物のpHは、約7.0〜8.5、より好ましくは約7.5〜8.5の範囲である必要がある。必要に応じてNaOHなどの物質を添加して、組成物のpHを調整してもよい。
【0074】
組成物の形態、調合および使用
本明細書における液体洗剤組成物は、界面活性剤、乳白剤およびいくつかの任意の他の成分の水溶液、均一分散体または懸濁液であり、そのいくつかは通常固形形態であってよく、液体アルコールエトキシレート非イオン性、水性液体キャリアおよび任意の他の通常液体の任意成分などの通常液体の組成物成分と組み合わされている。
【0075】
本明細書の水性液体洗剤組成物は、その成分をいずれかの簡便な順番で組み合わせることによって、及び得られた成分の組み合わせを混合(例えば攪拌)して本明細書の相安定液体洗剤組成物を形成することによって、調製できる。このような組成物を調合する好ましい方法において、構成要素は、特定の順序で結合される。そのような好ましい調製方法において、例えば界面活性剤、非界面活性液体キャリアおよび他の任意の液体成分の少なくとも主要部分、好ましくは実質的にすべてを包含し、この液体を組み合わせたものに剪断力攪拌を与えることにより完全に混合される液体成分で液体マトリックスが形成される。例えば、機械的攪拌器での高速攪拌は有用に用いてよい。
【0076】
剪断力攪拌が維持される間に、実質的に全てのアニオン性界面活性剤および固体形態成分が加えられてよい。混合物の攪拌を継続し、必要ならその時点で増大し、液相中に不溶性固相粒子の溶液または均一分散体を形成する。
【0077】
固形形態の物質のいくらかまたは全てがこの攪拌混合物に添加された後、包含される好適な酵素物質の粒子、例えば酵素プリル、が組み込まれる。このように、酵素成分は、好ましくは最後に水性液体マトリックスに添加される。
【0078】
以上で記載した組成物調製法の変形として、1つ以上の固形成分を攪拌混合物に1つ以上の液体成分の微量成分部分と予混合した粒子の溶液またはスラリーとして添加してよい。
【0079】
組成物成分を全て添加した後、所望の粘性および相安定特性(粘性:約0.1Pa.s(100cps)〜0.7Pa.s(700cps)、より好ましくは、約0.2Pa.s(200cps)〜約0.5Pa.s(500cps)、および7〜240日のような長期間の安定性)を有する組成物を形成するのに十分な期間の間、混合物は続いて攪拌される。しばしば、これには約30分〜60分の間の攪拌を伴う。
【0080】
上記のように調製した本発明の組成物は、布地に直接使用するか、または布地の洗濯に使用するための水性洗浄溶液の形成に使用することができる。通常、このような水性の洗浄溶液を形成するために、この種の組成物の有効量は、直接、布地に、または、好ましくは従来の布地洗浄用自動洗濯機を洗浄している水に直接、加えられる。本明細書で使用される、「有効量」は、ベトベトの汚れおよび油性汚れに所望の清浄化利益を提供する量を指す。上記のように形成させた水性洗浄溶液は、次に、好ましくは攪拌下で、それにより洗濯する布地と接触させる。
【0081】
本明細書において布地に添加される液体洗剤組成物の有効量は、組成物の0.5ml〜10mlである。水性洗濯溶液を形成するため水に添加された本明細書の液体洗剤組成物の有効量には、水性洗浄溶液中で500〜7,000ppmの組成物を形成するのに十分な量が含まれてよい。より好ましくは、本明細書において1,000〜3,000ppmの洗剤組成物が水性洗浄溶液中に与えられるであろう。
【0082】
液体洗剤組成物は、(a)前処理された表面を形成するために本発明の液体洗剤組成物によって汚れおよびしみの前処理を行い、(b)組成物の約500〜約7000ppmを含む水性洗浄溶液を形成するために、本発明の液体洗剤組成物の有効量を水に加え、(c)水性洗浄溶液を前処理された表面に接触させて、および(d)水性洗浄溶液および前処理された表面に任意に攪拌を与える工程を含む、表面から汚れおよびしみを除去する方法において使用されてもよい。前処理された表面は好ましくは布地である。
【0083】
本明細書における液体洗剤組成物は、多重使用瓶に入れるか、または多数の1回用量包装に入れて消費者に提供することができる。本明細書において有用な1回用量包装は、当該技術分野において既知のものを含み、および水溶性、非水溶性、水透過性、ならびにこれらの混合物を含む。
【表1】

引用数字は100gあたりの酵素量(mg)
米国特許第4,597,898号に記載のとおり。
米国特許第5,565,145号に記載のとおり。
BASFから商品名ルーテンシト(LUTENSIT)(登録商標)で販売、およびWO 01/05874に記載されているようなもの
式(I)および(II)に記載のとおり。
ノボザイムから商品名ライペックス(LIPEX)で入手可能
【0084】
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0085】
本発明の特定の実施形態が例示および説明されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)菌株DSM4109由来の野生型リパーゼと少なくとも90%の同一性を有し、前記野生型リパーゼと比較して、正に荷電したアミノ酸を有するE1またはQ249から15A以内に電気的に中性または負に荷電したアミノ酸の置換を含む、アミノ酸配列を有するポリペプチドである、約5〜約20000LU/gの第一洗浄リパーゼであって、
(I)C末端におけるペプチド添加と、
(II)N末端におけるペプチド添加と、
(III)以下の制限を満たすこと、すなわち、
i)前記野生型リパーゼの位置E210に負に荷電したアミノ酸を含み、
ii)前記野生型リパーゼの位置90〜101に対応する領域に負に荷電したアミノ酸を含み、および
iii)前記野生型リパーゼのN94に対応する位置で、中性または負に荷電したアミノ酸を含み、および/または、
iv)前記野生型リパーゼの位置90〜101に対応する領域に負電荷または中性電荷を有すること、および
(IV)それらの混合物と
をさらに含んでいてよい、第一洗浄リパーゼと、
(b)前記組成物の約0.01重量%〜約10重量%の修飾ポリエチレンイミンポリマーであって、前記修飾ポリエチレンイミンポリマーが、約300〜約10000の重量平均分子量のポリエチレンイミン主鎖を含み、前記ポリエチレンイミン主鎖の修飾が、
(1)前記ポリエチレンイミン主鎖の窒素原子あたり、1つまたは2つのアルコキシル化修飾であって、前記アルコキシル化修飾が、修飾あたり平均約1〜約40のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換を含み、前記アルコキシル化修飾の末端アルコキシ部分が、水素、C〜Cアルキルまたはそれらの混合物でキャップされる、アルコキシル化修飾、
(2)前記ポリエチレンイミン主鎖の窒素原子あたり、1つのC〜Cアルキル部分の置換および1つまたは2つのアルコキシル化修飾であって、アルコキシル化修飾は、末端アルコキシ部分が水素、C〜Cアルキルまたはそれらの混合物でキャップされる修飾あたり平均約1〜約40のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換を含むアルコキシル化修飾、または、
(3)それらの組み合わせ
である修飾ポリエチレンイミンポリマーと、
(c)液体キャリアを含む組成物の残部と
を含む液体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記リパーゼが、(I)、(II)および(IV)それらの混合物を更に含むアミノ酸配列を有するポリペプチドである、請求項1に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記修飾ポリエチレンイミンポリマーが、約400〜約7500の重量平均分子量のポリエチレンイミン主鎖を含み、前記ポリエチレンイミン主鎖の修飾が、プロポキシ部分ブロックが約5〜約15のエトキシ部分および約1〜約16のプロポキシ部分を有する末端アルコキシ部分ブロックである、エトキシ/プロポキシブロック部分を含むポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換を含み、前記末端アルコキシ部分ブロックが、水素、C〜Cアルキルまたはそれらの混合物でキャップされる、請求項1に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
前記組成物が、(d)平均エトキシル化度が約1〜約30であり、前記組成物の約1重量%〜約10重量%の陰イオン性補助界面活性剤を有する、前記組成物の約5重量%〜約30重量%のC10〜C18アルキルエトキシサルフェートを含む、界面活性剤系を更に含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記組成物が、前記組成物の約0.05重量%〜約2重量%の酵素安定化系を更に含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
前記組成物が、前記組成物の約1重量%〜約20重量%の有機洗剤ビルダーを更に含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記組成物が、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、(a)以外のリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β‐グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、およびアミラーゼ、またはそれらの組み合わせから選択された添加酵素の有効量を更に含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
前記修飾ポリエチレンイミンポリマーが、
【化1】

(式中、式(II)のポリエチレンイミン主鎖は重量平均分子量600または5000であって、式(II)のnの平均値は10であり、式(II)のmの平均値は7であり、式(II)のRは、水素、C〜Cアルキルおよびそれらの混合物から選択され、式(II)の永続的な四級化度は、ポリエチレンイミン主鎖の窒素原子の0%〜約22%である)として選択される、請求項1に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
表面から汚れおよびしみを除去する方法であって、
(a)任意に前処理された表面を形成するために、請求項1に記載の組成物によって汚れおよびしみを任意に前処理する工程と、
(b)請求項1に記載の組成物の有効量を水に添加して、約500〜約7000ppmの前記組成物を含む水性洗浄溶液を形成する工程と、
(c)任意に前処理された表面と水性洗浄溶液を接触させる工程と、
(d)水性洗浄溶液および任意に前処理された表面を任意に攪拌する工程と
を含む方法。
【請求項10】
液体洗濯洗剤組成物の製造方法であって、
(a)界面活性剤系を含む液体マトリックスを形成し、液体キャリアが液相に剪断攪拌を与えることにより完全に混合される工程と、
(b)混合物を形成するために、酵素成分以外の何らかの所望の固形成分を加える工程と、
(c)溶液、または液相内に不溶性固相微粒子の均一分散体を形成するために、混合物を攪拌する工程と、
(d)組成物を形成するために、前記溶液または均一分散体に酵素成分を添加する工程と
を含む方法。

【公表番号】特表2008−538378(P2008−538378A)
【公表日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506674(P2008−506674)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/013788
【国際公開番号】WO2006/113314
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】