説明

個人用ケア製品

水、キレート剤、コポリマー、pH調節剤、およびポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンまたはそれらの組み合わせを含むヘアトリートメント組成物を含むヘアケア製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する件
この出願は、2008年8月15日に出願された仮出願シリアル番号61/189,073の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、ビニルアセテートエマルジョン類、ビニルアクリルエマルジョン類、アクリルおよび/またはビニルアセテートコポリマーエマルジョン類の任意の使用に加えて、官能基を含んでいてよい第一級および第二級アルコール類を含むポリマーの個人用ケア製品のための使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ほとんど無限に多様な個人用ケア製品が消費者にとって商業的に入手可能である。例えばヘアケア製品は、髪の扱いやすさおよび外見を高めることを意図されている可能性がある。ヘアケア製品はクリーム、軟膏、ゲル、泡状物質、ムース、液体、および半固体の組成物の形で入手可能である。様々な機能的成分に加え、ヘアケア製品は一般に顔料、芳香剤および様々な他の添加剤を含むことができる。
【0004】
近年、当業者は個人用ケア製品の向上において異なるタイプのポリマーを用いることを試みてきた。しかし、使用しても安全であり特性の有益な混合を有するポリマーを作り、選択することは、いくらか問題を含んでいた。加えて、多くのポリマーは他の構成要素と組み合わせた際にうまく機能せず、一方で他のポリマーは商業的スケールでの生産を適用できない。
【0005】
ヘアケア製品、例えばムース、ゲルおよびヘアスプレーにおける使用のためのポリマーは、様々な重要な特性および特徴を有しているべきである。例えば、そのポリマーは使用者が通常遭遇する条件の下で毛髪を決まった場所に留めるのに十分な剛性および耐湿性を有しているべきである。そのポリマーは一般に用いられるシャンプーおよび/または水により毛髪からすぐに除去することが可能であるべきでもある。この点において、高湿度カール保持性を有し、フレーク(flakes)を生成すること無く毛髪に十分な剛性を提供するヘアケア製品に関する継続的な需要がヘアケア市場に存在する。ヘアケア製品に組み込んだ場合に毛髪の光沢/つや、保持および扱いやすさを向上させるであろう物質の需要も存在する。スキンケア製品の様々な特性を高める、または向上させることもできる物質、例えばポリマーの需要も存在する。
【発明の概要】
【0006】
水、キレート剤、コポリマー、pH調節剤、およびポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンまたはそれらの組み合わせを含むヘアトリートメント組成物を含むヘアケア製品。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、1種類以上のポリマー添加剤を含む個人用ケア組成物(すなわちヘアケア製品、スキンケア製品)に関する。ポリマー添加剤にはN−ビニルホルムアミドコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、アクリル、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンまたはそれらの組み合わせが含まれてよい。より具体的には、本発明は水、キレート剤、コポリマー、pH調節剤、およびヘアトリートメント組成物で構成されるヘアケア製品に関する。そのヘアトリートメント組成物は、官能基を含んでいてよい第一級および第二級アルコール類を含むポリマー(すなわち、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー)、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、アクリル、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンまたはそれらの組み合わせで構成される。特に好都合なことに、本発明のコポリマー類は、結果として得られる物質の特性を変化させるために修飾して、および化学的に変化させてよい。従って、そのポリマー添加剤は様々な目的のために多数の異なる組成物中で用いられてよい。
【0008】
本明細書で用いられるヘアケア製品は、個人の毛髪を扱う、または手入れするために用いてよい製品を指す。そのヘアケア製品は水、キレート剤、コポリマー、pH調節剤、およびヘアトリートメント組成物で構成されていてよい。ヘアケア製品にはヘアスプレー、ヘアゲル、ヘアムース、シャンプー、コンディショナー、シャワーゲル、入浴製品、洗浄剤(cleansers)、剥離剤(exfoliators)、染毛剤、ヘアストレートナー(hair straighteners)、ヘアカーラー(すなわちパーマネント)、ウェーブ、ヘアグロス製品またはそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。1態様において、そのヘアケア製品は髪をシャンプーおよび/またはコンディショニングした後に用いられてよい“シャワー後”製品と考えられてよい。
【0009】
本明細書で用いられる水は、HOの化学式を有する化学物質を指す。本発明において、様々なタイプの水が利用されてよく、それには鉱水、湧水、水道水、脱イオン水、蒸留水、またはそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。水は本発明において一般に75〜99%、より好ましくは85〜95%、最も好ましくは90〜94%の量で存在していてよい。
【0010】
本明細書で用いられるキレート剤は、金属イオンをキレートまたは結合するために用いられる物質、例えばそのイオンが参加している環のそれぞれから化学結合により保持されるような複素環式環構造を有する物質を指す。適切なキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、EDTA三ナトリウム、EDTA四ナトリウムおよびEDTA二カリウムが含まれる。場合により1種類以上のキレート剤を含ませることができる。キレート剤は本発明において一般に重量により0.01〜1%、より好ましくは0.03〜0.8%、最も好ましくは0.05〜0.1%の量で存在していてよい。
【0011】
本明細書で用いられるコポリマーは、2種類以上のモノマーに由来するポリマーを指す。コポリマー類の例には、Ultrez 21、Cremophor RH40、Carbomer 940、Carbopol ETD 2020またはそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。コポリマーは本発明において一般に0.1〜2%、より好ましくは0.3〜1.5%、最も好ましくは0.5〜1%の量で存在していてよい。
【0012】
本発明のヘアケア製品またはスキンケア製品は、望まれる範囲のpHを有するように配合することができる。例えば、そのヘアケア製品のpHは一般に約4.0から約12.0まで、特に約4.5から約11までであることができる。ケア製品のpHを調節および制御するため、1態様において、その組成物はpH調節剤を含むことができる。本明細書で用いられるpH調節剤は、別の物質または溶液のpHを上昇させることまたは低下させることのどちらかのために利用することができる物質を指す。pH調節剤には水酸化ナトリウム、クエン酸、コハク酸、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ベンゾフェノン4、トリエタノールアミン類、またはそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。pH調節剤は本発明において一般に0.01〜2%、より好ましくは0.02〜1.5%、最も好ましくは0.04〜1.44%の量で存在していてよい。
【0013】
本明細書で用いられるヘアトリートメント組成物は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンまたはそれらの組み合わせを含む組成物を指す。別の態様において、ヘアトリートメント組成物はビニルアセテート、ビニルアセテートコポリマー、アクリルエマルジョンまたはビニルアクリルエマルジョンを有するポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーで構成されていてよい。さらに別の態様において、そのヘアトリートメント組成物はエマルジョンを有するポリビニルアルコールコポリマーで構成されている。そのエマルジョンは次のものを含むグループから選択されてよい:ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアセテートエチレンエマルジョン、アクリルエマルジョン、および/またはそれらの組み合わせ。
【0014】
本発明の1態様において、そのヘアトリートメント組成物はさらに部分的に加水分解されたポリビニルアルコール、完全に加水分解されたポリビニルアルコールまたはそれらの組み合わせを含んでいてよい。
【0015】
ヘアケア製品に加え、本開示は様々なスキンケア製品にも向けられている。スキンケア製品は、スキンモイスチャライザー、サンスクリーン組成物、眼および顔用のメイクアップ製剤、他の局所用化粧用配合物、ネイルポリッシュ、シャンプーおよびコンディショナーを含む洗浄剤、シャワーゲルおよび入浴製品を含むことができるが、それらに限定されない。しかし、スキンケア製品について消費者が言う一般的な苦情は、その製品が皮膚にうまく付着せず、徐々になくなる(wear off)傾向を有することである。上記の点から見て、スキンケア製品の保持または他の特性を向上させることができるポリマーに関する需要も存在する。
【0016】
1態様において、スキンケア製品中に組み込まれた場合、そのポリマー添加剤はその組成物および皮膚の間の付着を向上させる役目を果たす。従って、そのポリマー添加剤は、皮膚に利益を与えることを意図したあらゆる組成物において用いることができる。例えば特定の態様において、そのポリマー添加剤はスキンモイスチャライザーおよびサンスクリーン組成物中に組み込まれてよい。
【0017】
本開示に従って配合されてよいさらに他のスキンケア製品には、皮膚を修復する組成物、顔用クリーム、薬剤またはスキンアクティブ(skin active)を含むあらゆるクリームまたはローション、アクネ用クリーム、抗老化組成物、リップスティック、液体および粉末のファンデーション、ルージュ、コンシーラー、眼および口唇用のライナー、まつ毛用マスカラ、アイシャドー、メイクアップペンシルおよび同様のものを含む眼および顔用のメイクアップ製剤、リラクサー(relaxers)、髭剃りクリーム、髭剃りローション、ネイルポリッシュ、屋内日焼け用組成物、ならびに同様のものが含まれる。本発明の別の態様において、スキンケア製品にはポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンおよび/またはそれらの組み合わせを含むスキンケア製品が含まれてよい。さらに別の態様において、そのスキンケア製品はスキンモイスチャライザーまたはサンスクリーン/サンプロテクト剤であってよい。
【0018】
本明細書で用いられるスキントリートメント組成物は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンまたはそれらの組み合わせを含む組成物を指す。別の態様において、スキントリートメント組成物はビニルアセテート、ビニルアセテートコポリマー、アクリルエマルジョンまたはビニルアクリルエマルジョンを有するポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーで構成されていてよい。さらに別の態様において、スキントリートメント組成物はエマルジョンを有するポリビニルアルコールコポリマーで構成されている。そのエマルジョンは次のものを含むグループから選択されてよい:ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアセテートエチレンエマルジョン、アクリルエマルジョン、および/またはそれらの組み合わせ。
【0019】
本開示に従って、そのスキントリートメント製品はポリビニルアルコールコポリマーを含んでいてよい。ポリビニルアルコールコポリマーはその組成物の皮膚への付着または1種類以上の他の特性を向上させることが分かっている。
【0020】
例えば、サンスクリーンローションの中に配合される場合、その組成物はサンスクリーン剤を含んでいてよい。用いられてよいサンスクリーン剤の例には、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、パラアミノベンゾエート、サリチレート、シンナメート(cinnamate)、ベンゾフェノン、メンチルアントラリネート(menthyl anthralinate)、ジガロイルトリレート(digalloyl trilleate)、またはそれらの混合物が含まれる。
【0021】
スキンモイスチャライザーとして配合される場合、あらゆる適切な構成要素および成分がその組成物中に含まれてよい。スキンモイスチャライザー中に含まれていてよい成分の、完全では無い(non−exhaustive)代表的なリストには、例えばグリセリン、ジメチコンもしくはその誘導体、プロピレングリコール、ラノリンもしくはその誘導体、ワセリン、またはそれらの混合物が含まれる。
【0022】
本発明の1態様において、スキントリートメント組成物はさらに部分的に加水分解されたポリビニルアルコール、完全に加水分解されたポリビニルアルコールまたはそれらの組み合わせを含んでいてよい。
【0023】
上記で言及されたポリマーは次の分子構造を有していてよい:
【0024】
【化1】

【0025】
ここで:R1−R6は次のものを含むグループから選択され:水素、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、アセテート、ヒドロキシル、炭素環、複素環またはそれらの組み合わせ);XおよびYは次のものを含むグループから選択される:ヒドロキシル、アセテート、アミン、アミド、スルホネート、カルボキシレート、複素環またはそれらの組み合わせ。
【0026】
本発明に関して、ポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコールコポリマー類を合成するためにあらゆる既知のプロセスを利用してよい。例えば、そのポリビニルアルコールコポリマー類はフリーラジカル重合、グラフト化またはレドックス開始(redox initiation)を含むプロセスにより形成されてよいが、それらに限定されない。ポリビニルアルコールコポリマー類は米国特許第5,300,566号および米国特許第5,632,977号において記述されており、その両方を本明細書に援用する。
【0027】
1態様において、ポリビニルアルコールはビニルアセテートモノマーから多段階プロセスを経て製造される。ビニルアセテートモノマーを重合させてポリビニルアセテートにし、次いでポリビニルアルコールに変換する。ポリビニルアルコールは、それが安全で生分解性の水溶性ポリマーであるため、特に色彩堅ろう性のために好都合である。上記のポリビニルアルコールは1,000〜1,000,000の範囲の、より好ましくは20,000〜150,000の範囲の分子量を有していてよい。上記のポリビニルアルコールは、水と混合された際にリットルあたり0.1から50グラム(g/L)までの範囲の濃度で用いられてよい。
【0028】
別の態様において、ポリビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーは、ビニルアセテートモノマーおよびN−ビニルホルムアミドモノマーを重合させ、次いでビニルアセテートおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーを鹸化することにより形成される。例えば、ビニルアセテートおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーは、反応器内でフリーラジカル開始剤およびアルコール、例えばメタノールの存在下でそのモノマーを化合させることにより形成することができる。結果として起こる反応は、ビニルホルムアミド基を約1モルパーセントから約50モルパーセントまでの量で含む中間体のビニルアセテートランダムコポリマーを生じる。
【0029】
次いで、得られたビニルアセテートおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーに鹸化を受けさせる。そのコポリマーをアルカリ金属の存在下で熱に晒すことにより、そのコポリマーを鹸化する。そのアルカリ金属は、あらゆる適切な塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはアルカリ金属アルコレート(alkolate)を含むグループから選択されてよいが、それらに限定されない。鹸化は連続方式、セミバッチ方式、またはバッチ方式で実施することができる。1態様において、アルカリは苛性モル比(CMR、ポリマー上のアセテート基に対する塩基の比率)で約0.01%から約0.1%までの量で上記のコポリマーの一方に添加されてよい。次いでそのコポリマーを、約20℃から約50℃までの温度に、約5分間から約24時間までの期間加熱する。鹸化の間に、ビニルアセテートがビニルアルコールに変換される。鹸化の程度は、鹸化の条件を制御することにより制御および調節することができる。しかし、95%以上の利用可能なビニルアセテート単位がビニルアルコールに変換されるのが一般的である。
【0030】
鹸化の後、あらゆるアセテート類または他の不純物を除去するために、得られた生成物に様々な洗浄工程を受けさせることができる。得られたポリビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーは、次の一般式を有することができる:
【0031】
【化2】

【0032】
ここで:
aは約0から約15モル%までであり、
bは約0.1モル%から約99モル%までであり、および
cは約0.1モル%から約99モル%までである。
【0033】
上記のコポリマーは、1,000〜1,000,000の範囲の、より好ましくは20,000〜250,000の範囲の分子量を有していてよい。
上記で示したように、そのコポリマーは遊離のヒドロキシル基および遊離のアミド基のみを含むように配合することができる。上記の式に従って作られたコポリマー類は本発明に従って用いられてよく、一部の態様において明確な利点をもたらすことが分かっている。例えば、上記のコポリマーは乳化剤との混合に十分に適している。
【0034】
別の態様において、上記のポリビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーは、アミン基をそのコポリマー中に組み込むために酸または塩基のどちらかによりさらに加水分解することができる。ポリビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーの加水分解は、触媒としての役目を果たす酸または塩基の存在下で、連続方式、セミバッチ方式、またはバッチ方式で行われてよい。加水分解は溶媒の存在下でスラリー中のコポリマーに対して行うことができる。その溶媒にはアルコール、例えばメタノールが含まれていてよい。特に好都合なことに、加水分解は個々の適用に合わせた特性を有するコポリマーを生成するように制御することができる。従って、加水分解は実質的に完全または部分的のどちらかであることができる。
【0035】
コポリマーの加水分解が塩基の存在下で起こる場合、その塩基はアルカリ水酸化物またはアルカリ土類水酸化物を含むグループから選択されてよいが、それらに限定されない。1態様において、加水分解は水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのどちらかの存在下で実行される。その塩基は、存在するN−ビニルホルムアミド基の化学量論的量の約0.5から約3倍までの量で存在する。加水分解は高い温度、例えば約50から約80℃までにおいて実行することもできる。得られた生成物は、濾過または溶媒の蒸発により回収することができる。別の態様において、その塩基は存在するN−ビニルホルムアミド基の化学量論的量の約1から約1.5倍までの量で存在する。
【0036】
ポリビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーの加水分解は、様々な酸の存在下で起こってもよく、それにはハロゲン酸、クエン酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸およびメタンスルホン酸が含まれるがそれらに限定されない。1態様において、加水分解は塩酸の存在下で行われる。酸加水分解は約15℃から約80℃までの温度で行われてよい。その酸は、存在するN−ビニルホルムアミド基の化学量論的量の約0.5から約3倍までの量で存在していてよい。別の態様において、その酸は存在するN−ビニルホルムアミド基の化学量論的量の約1から約1.5倍までの量で存在していてよい。酸加水分解はメタノール懸濁液中で行われてもよい。
【0037】
加水分解の後、次の式を有するコポリマーを形成することができる:
【0038】
【化3】

【0039】
ここで:
aは約0モル%から約15モル%までであり;
bは約0.1モル%から約99モル%までであり;
cは約0モル%から約30モル%までであり;および
dは約0.1モル%から約50モル%までである。
【0040】
上記のコポリマーは、1,000〜1,000,000の範囲の、より好ましくは20,000〜250,000の範囲の分子量を有していてよい。
特に好都合なことに、加水分解は個々の適用に合わせた特性を有するコポリマーを生成するように制御することができる。従って、加水分解は実質的に完全であることができ、またはそれは部分的であることができる。
【0041】
一度生成されると、そのポリビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーは多数のヘアトリートメント組成物の中に組み込むことができる。そのコポリマーを含むヘアトリートメント組成物を配合する際、そのコポリマーは個々の適用および望まれる結果に依存して多数の異なる成分および添加剤と組み合わせることができる。N−ビニルホルムアミドコポリマーと組み合わせてよい添加剤の完全ではないリストには、レオロジー調節剤、増粘剤、界面活性剤、顔料、分散補助剤、水分保持剤、ワックス、油剤、顔料、封入剤(encapsulating agents)、ビタミン類、有効成分、タンパク質、保存剤、可塑剤、薄膜形成剤(film formers)、水和物質、シリコン類、UVフィルターおよび吸収剤、アルファ−ヒドロキシ酸、抗酸化剤、精油、乳化剤(emulsifiers)および乳化安定剤、乳化剤(emulsifying agents)、感覚調節剤(sensory modifiers)、湿潤剤、スリップ剤(slip agents)、溶解力(solvency)、ゲル化剤、芳香固定剤、発泡増強剤、沈着剤、毛髪保護剤、乳白剤、パーライザー(pearlizers)、植物抽出物、ポリクオタニウム類またはそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。
【0042】
上記のポリビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーは、得られる組成物の1種類以上の特性をさらに高めるために1種類以上の安定性または性能添加剤と混合することもできる。安定性または性能添加剤には、例えばポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマー、ビニルカプロラクタム(vinyl caprolactum)、ポリフッ化ビニルポリマー、スチレン無水マレイン酸コポリマー、アクリルポリマー、疎水性修飾されたポリビニルアルコール、第四級アミン、ポリクオタリウム(polyquaterium)、アミン除去剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそれらの混合物が含まれてよい。
【0043】
個々のN−ビニルホルムアミドコポリマーおよびそのポリマーと組み合わせられる1種類以上の添加剤は、個々の最終用途の適用に依存して、得られる組成物の様々な特性を高めるために選択することができる。例えば安定性または性能添加剤はその個人用ケア組成物の貯蔵安定性を増大させる可能性があり、曇り(haze)もしくは曇りの形成を減少させる可能性があり、またはその個人用ケア組成物の粘性、レオロジーおよび/またはpHを制御するために用いられる可能性がある。本開示に従ってヘアトリートメント組成物、例えばヘアスタイリングまたは毛髪固定組成物を製造する場合、そのポリマーの混合は、あらゆる実質的な関係のあるフレーク形成(flaking)をもたらすこと無く毛髪の外見およびカール記憶を向上させることができる。例えば、本開示に従う組成物を用いて扱われた毛髪は、望ましい程度の剛性を毛髪に与え、光沢/つやも向上させる可能性がある。最終的に、毛髪の保持および扱いやすさを劇的に向上させることができる。
【0044】
1態様において、上記のN−ビニルホルムアミドコポリマーはポリビニルピロリドンコポリマーと混合されてよい。ポリビニルピロリドンコポリマー類は水溶性の薄膜形成ポリマーであり、それは水蒸気を吸収するのに特によく適合している。従って、ポリビニルピロリドンコポリマー類は、N−ビニルホルムアミドコポリマー類と組み合わせた場合に、ヘアケア製品におけるカール保持性を、特に高湿度環境においてさらに向上させることができる。代表的なポリビニルピロリドンコポリマー類がEMD Chemicals Inc.から商品名OmniPur(登録商標)の下で入手可能である。ポリビニルピロリドンコポリマー類がヘアまたはスキンケア製品に含まれる場合、そのポリビニルピロリドンコポリマーは組成物の総重量により約0.5〜約10.0、好ましくは約1.0〜約6.0、より好ましくは約2.0〜約4.0の量で存在する。
【0045】
別の態様において、N−ビニルホルムアミドコポリマーはポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマーと組み合わせることができる。そのポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマーはビニルアセテートモノマーおよびN−ビニル−2−ピロリドンモノマーから形成され、ここでそのビニルアセテートモノマーはそのコポリマー中にそのコポリマーの重量により約30〜70%の量で存在する。そのポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマーは、特に高湿度環境においてカール保持性を向上させる役目を果たすことができる。ポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマーは薄膜形成剤である。そのコポリマー類は、企業(ISP,BASF)により“PVP/VA”の名前の下で、“PVP/VA−S”シリーズに関して粉末の形で、もしくは“PVP/VA−E”および“PVP/VA−I”シリーズに関してそれぞれエタノールもしくはイソプロパノール中での溶液で、またはBASF社によりKOLLIDON VAの名前の下で市販されている。ポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマーがヘアまたはスキンケア製品に含まれる場合、そのポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマーは組成物の総重量により約0.5〜約10.0、好ましくは約0.5〜約6.0、より好ましくは約1.0〜約4.0の量で存在する。
【0046】
別の態様において、N−ビニルホルムアミドコポリマーはビニルカプロラクタムと組み合わせることができる。ビニルカプロラクタムは非イオン性の水溶性ポリマーであり、得られる組成物または製品の疎水性の性質を向上させる役目を果たすことができる。N−ビニルホルムアミドコポリマーと組み合わせられてヘアトリートメント製品中に含まれた場合、ビニルカプロラクタムポリマー類は毛髪に適用された際にカール保持性をさらに向上させる役目を果たすことができる。ビニルカプロラクタムポリマー類がヘアまたはスキンケア製品に含まれる場合、そのビニルカプロラクタムポリマーは組成物の総重量により約0.1〜約5.0、好ましくは約0.1〜約3.0、より好ましくは約0.1〜約2.0の量で存在する。
【0047】
別の態様において、N−ビニルホルムアミドコポリマーはポリフッ化ビニルポリマーと組み合わせることができる。ビニルカプロラクタムと同様に、ポリフッ化ビニルポリマー類は疎水性の薬剤である。従って、N−ビニルホルムアミドコポリマーと組み合わせられた場合、ポリフッ化ビニルポリマーは得られた組成物を湿気に対してより耐性にする役目を果たすことができ、ヘアケア製品に含まれた際にカール保持性を増大させることができる。一方、スキンケア製品に含まれた場合、ポリフッ化ビニルポリマーは皮膚への付着および耐水性をさらに向上させることができる。ポリフッ化ビニルポリマー類がヘアまたはスキンケア製品に含まれる場合、そのポリフッ化ビニルポリマーは組成物の総重量により約0.1〜約5.0、好ましくは約0.1〜約3.0、より好ましくは約0.1〜約2.0の量で存在する。
【0048】
別の態様において、N−ビニルホルムアミドコポリマーはスチレン無水マレイン酸コポリマー類と組み合わせることができる。スチレン無水マレイン酸コポリマーは、スチレンおよび無水マレイン酸モノマーから構成される合成コポリマーである。スチレン無水マレイン酸コポリマー類は疎水性の薬剤である。従って、スチレン無水マレイン酸コポリマー類の添加は組成物または製品の疎水性の性質を向上させ、向上した耐湿性を提供する役目を果たすことができる。さらに、スチレン無水マレイン酸コポリマーは組成物の曇りを低下させる役目を果たすことができる。さらになお、スチレン無水マレイン酸コポリマーはその組成物の貯蔵寿命を向上する役目を果たすこともできる。適切なスチレン無水マレイン酸コポリマー類は、Polyscope Polymersから商品名Xiran(登録商標)、Sartomerから商品名SMA(登録商標)、Nova Chemicalsから商品名Dylark(登録商標)の下で入手することができる。スチレン無水マレイン酸コポリマー類がヘアまたはスキンケア製品に含まれる場合、そのスチレン無水マレイン酸コポリマーは組成物の総重量により約0.1〜約5.0、好ましくは約0.1〜約3.0、より好ましくは約0.5〜約2.5の量で存在する。
【0049】
別の態様において、N−ビニルホルムアミドコポリマーは疎水性修飾されたポリビニルアルコール類と組み合わせることができる。その疎水性修飾されたポリビニルアルコールは製品の耐水性を向上させ、特に高湿度環境においてカール保持性を向上させる役目を果たすことができる。一方、スキンケア製品に含まれた場合、その疎水性修飾されたポリビニルアルコールは皮膚への付着および耐水性をさらに向上させる役目を果たすことができる。疎水性修飾されたポリビニルアルコールポリマー類がヘアまたはスキンケア製品に含まれる場合、その疎水性修飾されたポリビニルアルコールポリマーは組成物の総重量により約0.5〜約5.0、好ましくは約0.5〜約3.0、より好ましくは約0.5〜約2.0の量で存在する。
【0050】
別の態様において、N−ビニルホルムアミドコポリマーは第四級アンモニウム塩類または第四級アミン類と組み合わせることができる。第四級アミン類は、第四級アンモニウム陽イオン類と陰イオンの塩類である。第四級アミンは、その組成物または製品の貯蔵寿命または曇りを向上する役目を果たすことができる。適切な第四級アミンはジアルキルアミドエチル ヒドロキシエチルモニウム メトサルフェート(dialklamidoethyl hydroxyethylmonium methosulfate)である。第四級アミン類が本発明のヘアまたはスキンケア製品に含まれる場合、その第四級アミンは組成物の総重量により約0.1〜約5.0、好ましくは約0.5〜約3.0、より好ましくは約0.5〜約2.0の量で存在する。
【0051】
別の態様において、N−ビニルホルムアミドコポリマーはポリクオタニウムポリマーと組み合わせることができる。ポリクオタニウムは、第四級アンモニウム官能基を有することにより定義されるポリマーの種類である。ポリクオタニウムポリマー類はその組成物の貯蔵寿命または曇りを向上する役目を果たすことができる。適切なポリクオタニウムポリマー類には次のものが含まれてよい:ポリクオタニウム3、ポリクオタニウム4、ポリクオタニウム10、ポリクオタニウム24、ポリクオタニウム2、ポリクオタニウム6、ポリクオタニウム7、ポリクオタニウム11、ポリクオタニウム16、ポリクオタニウム17、ポリクオタニウム18、ポリクオタニウム22、ポリクオタニウム24、ポリクオタニウム27、ポリクオタニウム28、ポリクオタニウム31、ポリクオタニウム32、ポリクオタニウム39、ポリクオタニウム41、ポリクオタニウム42、およびポリクオタニウム80。好ましいポリクオタニウムポリマーは、Amerchol CorporationからQuatrisoft(登録商標)ポリマーLM−200の名前の下で入手可能なポリクオタニウム−24である。ポリクオタニウムポリマーが本発明のヘアまたはスキンケア製品に含まれる場合、そのポリクオタニウムポリマーは組成物の総重量により約0.1〜約10、好ましくは約0.1〜約5.0、より好ましくは約0.5〜約3.0の量で存在する。
【0052】
別の態様において、N−ビニルホルムアミドコポリマーはアミン除去性添加剤、例えばグアニジンと組み合わせることができる。アミン除去性添加剤は、特に45℃を超える環境における向上した高温貯蔵安定性を提供することができる。本質的に、高温において他の成分が分解した際に、アミン除去性添加剤は遊離のアミン類および/またはアンモニアと結合および反応し、それらがN−ビニルホルムアミドコポリマーと反応してそれを分解しないようにする。他の適切なアミン除去性添加剤にはカルボン酸無水物およびカルボン酸無水物のコポリマー、芳香族無水物、イソシアネート類、ポリイソシアネート類、およびエポキシド類が含まれてよい。存在する場合、そのアミン除去性添加剤は一般にヘアトリートメントまたはスキントリートメント組成物の重量により約0.05%から約1.0%までの量で存在することができる。
【0053】
上記のポリビニルアルコールコポリマーエマルジョンは、下記のエマルジョンを利用する。本明細書で用いられるエマルジョンは、小さい百分率の乳化剤と呼ばれる物質により懸濁状態で保持される2種類以上の非混和性の液体の混合物を指す。エマルジョンは天然または合成化合物のどちらかであってよい。天然化合物には、タンパク質、炭水化物のポリマーおよび/または脂肪酸が含まれる。合成化合物には、長鎖アルコール類、アクリル類、ビニルアクリル類、ビニルアセテート類、およびビニルアセテートエチレン類が含まれる。エマルジョンには界面活性剤で安定化されたビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアセテートエチレンエマルジョン、またはそれらの組み合わせが含まれてよいが、それらに限定されない。本発明において、用いられるエマルジョンの濃度は0.5g/L〜100.0g/Lの範囲であってよい。
【0054】
本明細書で用いられる増粘剤は、混合物に添加された際にその他の特性を実質的に改変すること無くその粘性を増大させる化学物質を指す。増粘剤はポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョン、またはそれらの組み合わせと組み合わせられてよい。用いられてよい増粘剤には、例えば(Noveon, Lubrisol)により商品名CARBOPOLの下で売られている様々なアクリレートポリマー類が含まれる。増粘剤にはアクリル酸のホモポリマー類、アリルエーテルペンタエリスリトール、スクロースのアリルエーテル、またはプロピレンのアリルエーテルを用いてクロスリンクしたアクリル酸のホモポリマー類が含まれてよいが、それらに限定されない。1態様において、C10〜C30アクリレートクロスポリマーを増粘剤として用いてよい。本発明の1態様において、増粘剤は殺生物剤、保存剤、界面活性剤、またはそれらの組み合わせと共に用いられてよい。本発明において、用いられる増粘剤の量は0.05〜1重量%、好ましくは0.1〜0.8重量%;最も好ましくは0.15〜0.3重量%の範囲であってよい。
【0055】
本明細書で用いられる保存剤は、ヘアケア製品の貯蔵寿命を延長する助けとなる化学的添加剤を指す。保存剤はポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョン、またはそれらの組み合わせと組み合わせられてよい。保存剤にはクエン酸、酒石酸、リン酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチレンアミノ二酢酸およびエチレンジアミン四酢酸およびそれらの塩類;パラ−ヒドロキシベンゾエート類、例えばブチルパラベン、メチルパラベンおよびプロピルパラベン;イミダゾリン類(例えばイミダゾリル尿素)、トリクロサン、ヒダントイン類(例えばジメチロールジメチルヒダントイン)、イソチアゾリジノン化合物およびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。商業的に入手可能な保存剤にはKATHON CGおよびKATHON CGIIが含まれ、それはメチルクロロイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノンを含む(Rohm and Haas)。保存剤は一般に約5重量%より低い、例えば約0.01重量%から約2重量%までの量で存在することができる。本発明の1態様において、保存剤は殺生物剤、増粘剤、界面活性剤、またはそれらの組み合わせと共に用いられてよい。
【0056】
本明細書で用いられる殺生物剤は、1種類以上の生きた生物を殺すことができる化学物質を指す。殺生物剤は、ヘアケア製品を生物の加害(infestation)および増殖に対して保護するために利用することができる。1種類以上の殺生物剤を、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョン、またはそれらの組み合わせと組み合わせてよい。殺生物剤には酸化剤(例えば塩素、二酸化塩素、クロロイソシアヌレート類(chloroisocyanurates)、ヒポクロリット、オゾン)、酸化的では無い薬剤(アクロレイン、アミン類、塩化フェノール類、銅塩類、有機硫黄化合物、第四級アンモニウム塩類)またはそれらの組み合わせが含まれてよいが、それらに限定されない。本発明において、用いられる殺生物剤の量は0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜1.5重量%;最も好ましくは0.5〜1重量%の範囲であってよい。本発明の1態様において、殺生物剤は保存剤、増粘剤、界面活性剤、またはそれらの組み合わせと共に用いられてよい。
【0057】
本明細書で用いられる界面活性剤は、液体の表面張力を低下させ、より容易に広がることを可能にし、2種類の液体の間の界面張力を低下させる加湿剤である化学的添加剤を指す。界面活性剤はポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョン、またはそれらの組み合わせと組み合わせられてよい。本開示のN−ビニルホルムアミドコポリマーを1種類以上の界面活性剤と組み合わせてよい。界面活性剤には両性界面活性剤および陽イオン性界面活性剤が含まれるが、それらに限定されない。本発明において、用いられる界面活性剤は0.5〜10重量%、好ましくは1〜6重量%;最も好ましくは3〜5重量%の範囲であってよい。
【0058】
本明細書で用いられる用語“両性界面活性剤”は、双性イオン性界面活性剤も含むことを意図しており、それは当技術の熟練した配合者(formulators)には両性界面活性剤の亜集団として周知である。多種多様な両性起泡性(lathering)界面活性剤を、本発明の組成物中で用いることができる。特に有用なものは、脂肪族第二級および第三級アミン類の誘導体として広く記述される両性起泡性界面活性剤であり、好ましくはここでその窒素は陽イオン状態にあり、ここでその脂肪族基は直鎖または分枝鎖であることができ、ここでその基の内の1つはイオン化可能な水可溶化基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、またはホスホネートを含んでいる。両性または双性イオン性界面活性剤の例には、ベタイン類、スルタイン類(sultaines)、ヒドロキシスルタイン類、アルキルイミノアセテート類、イミノジアルカノエート類、アミノアルカノエート類またはそれらの組み合わせからなるグループから選択される両性または双性イオン性界面活性剤が含まれるが、それらに限定されない。ベタイン類の例には、高級アルキルベタイン類、例えばココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、セチルジメチルベタイン(Lonzaine 16SPとしてLonza Corp.から入手可能である)、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ−カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファ−カルボキシエチルベタイン、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、アミドベタイン類およびアミドスロホベタイン類(ここで、RCONH(CH基がベタインの窒素原子に結合している)、オレイルベタイン(両性Velvetex OLB−50としてHenkelから入手可能である)、ならびにコカミドプロピルベタイン(Velvetex BK−35およびBA−35としてHenkelから入手可能である)が含まれるが、それらに限定されない。スルタイン類およびヒドロキシスルタイン類の例には、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン(Mirataine CBSとしてRhone−Poulencから入手可能である)のような物質が含まれるが、それに限定されない。
【0059】
本発明の両性界面活性剤のさらなる例には、次の化合物が含まれる:セチルジメチルベタイン(この物質もCFTA名称セチルベタインを有する);コカミドプロピルベタイン;コカミドプロピルヒドロキシスルタイン。他の有用な両性界面活性剤の例は、式RN[(CH)COM]およびRNH(CH)..COMのアルキルイミノアセテート類、およびイミノジアルカノエート類およびアミノアルカノエート類であり、ここでmは1から4までであり、RはC〜C22アルキルまたはアルケニルであり、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属アンモニウム、またはアルカノアンモニウムである。イミダゾリニウムおよびアンモニウム誘導体も含まれる。適切な両性界面活性剤の具体的な例には、ナトリウム 3−ドデシル−アミノプロピオネート、ナトリウム 3−ドデシルアミノプロパンスルホネート、およびN−高級アルキルアスパラギン酸類が含まれる。有用な両性化合物の他の例には、両性ホスフェート類、例えばコアミドプロピル(coamidopropyl)PG−ジモニウムクロリドホスフェート(Monaquat PTCとしてMona Corp.から商業的に入手可能である)が含まれる。アンホアセテート類、例えばジナトリウム ラウロアンホジアセテート、ナトリウム ラウロアンホアセテートおよびそれらの混合物も有用である。
【0060】
別の態様において、N−ビニルホルムアミドコポリマーは少なくとも1種類の陽イオン性界面活性剤と組み合わせることができる。適切な陽イオン性界面活性剤には、脂肪アミン類(fatty amines)、ジ脂肪第四級アミン類(di−fatty quaternary amines)、トリ脂肪第四級アミン類(tri−fatty quaternary amines)、イミダゾリニウム第四級アミン類、およびそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。適切な脂肪アミン類には、モノアルキル第四級アミン類(monalkyl quaternary amines)、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミドが含まれる。適切な第四級アミンはジアルキルアミドエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート(dialklamidoethyl hydroxyethylmonium methosulfate)である。陽イオン性界面活性剤の追加の例には次のものが含まれる:ステアリルジメンチルベンジルアンモニウムクロリド;ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド;ノニルベンジルエチルジメチルアンモニウムニトレート;テトラデシルピリジニウムブロミド;ラウリルピリジニウムクロリド;セチルピリジニウムクロリド;ラウリルピリジニウムクロリド;ラウリルイソキノリウムブロミド(laurylisoquinolium bromide);ジタロウ(水素化)ジメチルアンモニウムクロリド(ditallow(Hydrogenated)dimethyl ammonium chloride);ジラルリルジメチルアンモニウムクロリド;およびステアラルコニウムクロリド。
【0061】
界面活性剤はヘアケア製品中に合計で約0.1〜約20%、または約0.1〜約10%、または約0.1〜約5%の量で存在していてよい。本発明の1態様において、界面活性剤は保存剤、増粘剤、殺生物剤、またはそれらの組み合わせと共に用いられてよい。
【0062】
本発明は多数の異なる態様で実現されてよい。本発明の1つの特定の態様は、水、キレート剤、コポリマー、1種類以上のpH調節剤、およびポリビニルアルコールコポリマーを含むヘアトリートメント組成物を含むヘアケア製品を含んでいてよい。そのヘアトリートメント組成物のポリビニルアルコールコポリマーは、10,000〜250,000の範囲の分子量を有するポリビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーで構成され、それは次の分子構造を有する:
【0063】
【化4】

【0064】
ここで:a=0;b=90〜98;c=0.1〜15;およびd=0〜15である。
本発明の別の態様は、水、キレート剤、コポリマー、1種類以上のpH調節剤、保存剤、およびポリビニルアルコールコポリマーを含むヘアトリートメント組成物を含むヘアケア製品を含んでいてよい。そのヘアトリートメント組成物のポリビニルアルコールコポリマーは、10,000〜250,000の範囲の分子量を有するポリビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーで構成され、それは次の分子構造を有する:
【0065】
【化5】

【0066】
ここで:a=0;b=90〜98;c=0.1〜15;およびd=0〜15である。
本発明の別の態様は、水、キレート剤、コポリマー、pH調節剤、およびポリビニルアルコールコポリマーを含むヘアトリートメント組成物を含むヘアケア製品を含んでいてよい。その色彩堅ろう組成物のポリビニルアルコールは10,000〜250,000の範囲の分子量を有し、次の分子構造を有する:
【0067】
【化6】

【0068】
ここで:a=0〜13;b=87〜99.9;c=0;およびd=0である。そのビニルアセテートコポリマーエマルジョンは界面活性剤で安定化されたエマルジョンである。
本発明のさらに別の態様は、水、キレート剤、コポリマー、1種類以上のpH調節剤、保存剤、およびポリビニルアルコールコポリマーを含むヘアケアトリートメント組成物を含むヘアケア製品を含んでいてよい。
【0069】
本発明のさらにまた別の態様は、水、キレート剤、コポリマー、1種類以上のpH調節剤、殺生物剤、加水分解されたポリビニルアルコール、およびポリビニルアルコールコポリマーを含むヘアケアトリートメント組成物を含むヘアケア製品を含んでいてよい。
【0070】
本発明のさらに別の態様は、水、キレート剤、コポリマー、1種類以上のpH調節剤、殺生物剤、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール、およびポリビニルアルコールコポリマーを含むヘアケアトリートメント組成物を含むヘアケア製品を含んでいてよい。
【0071】
本発明のさらにまた別の態様は、水、キレート剤、コポリマー、1種類以上のpH調節剤、増粘剤、およびポリビニルアルコールコポリマーを含むヘアケアトリートメント組成物を含むヘアケア製品を含んでいてよい。
【0072】
本発明は、毛髪のカール保持性を向上させるための方法であって、水、キレート剤、コポリマー、pH調節剤、およびポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンまたはそれらの組み合わせを含むヘアトリートメント組成物を含むヘアケア製品を提供する;ならびに前記のヘアケア製品を個人の毛髪の一部または全部に適用する;ならびに前記の個人の毛髪の一部または全部をカールさせる工程を含む方法も含む。
【0073】
上記の方法において記述されているポリマーは、次の分子構造を有していてよい:
【0074】
【化7】

【0075】
ここで:R1〜R6は次のものを含むグループから選択され:水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、アセテート、ヒドロキシル、炭素環、複素環またはそれらの組み合わせ);XおよびYは次のものを含むグループから選択される:ヒドロキシル、アセテート、アミン、アミド、スルホネート、カルボキシレート、複素環またはそれらの組み合わせ。
【0076】
本発明の1態様は、毛髪のカール保持性を向上させるための方法であって、水、キレート剤、コポリマー、pH調節剤、およびポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンおよび/またはそれらの組み合わせを含むヘアトリートメント組成物を含むヘアケア製品を提供し;そのヘアケア製品を個人の毛髪の一部または全部に適用した後、その個人の毛髪の一部または全部をカールさせる工程を含む方法を記述する。
【0077】
上記の方法のヘアケア製品は、ヘアスプレー、ヘアゲル、ヘアムースまたはそれらの組み合わせであってよい。上記の方法におけるポリビニルアルコールは、1,000〜1,000,000の範囲の分子量およびリットルあたり0.1〜100グラム(g/L)の範囲の濃度を有していてよい。
【0078】
別の態様において、上記の方法はさらに増粘剤、保存剤、殺生物剤、界面活性剤および/またはそれらの組み合わせを含んでいてよい(前の記述を参照)。さらに別の態様において、上記の方法のヘアケア製品は水溶性である。さらにまた別の態様における、毛髪のカール保持性を向上させるための方法、ここで、そのヘアトリートメント組成物はさらに部分的に加水分解されたポリビニルアルコール、完全に加水分解されたポリビニルアルコール、またはそれらの組み合わせを含む。
【0079】
さらに別の態様における、上記の毛髪のカール保持性を向上させるための方法、ここで、そのポリビニルアルコールコポリマーは次の分子構造を有する:
【0080】
【化8】

【0081】
ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約0.1〜約99モル%であり;
c=約0.1〜約99モル%であり;
ここで、そのポリビニルアルコールコポリマーは1,000〜1,000,000の範囲の分子量を有する。
【0082】
さらに別の態様における、上記の毛髪のカール保持性を向上させるための方法、ここで、そのポリビニルアルコールコポリマーは次の分子構造を有する:
【0083】
【化9】

【0084】
ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約0.1から約99モル%までであり;
c=約0.1から約99モル%までであり;
d=約0.1から約99モル%までであり;
ここで、そのポリビニルアルコールコポリマーは1,000〜1,000,000の範囲の分子量を有する。
【0085】
さらにまた別の態様における、上記の毛髪のカール保持性を向上させるための方法、ここで、そのポリビニルアルコールコポリマーエマルジョンはビニルエマルジョンを有するポリビニルアルコールコポリマーで構成されている。そのビニルエマルジョンは次のものを含むグループから選択されてよい:界面活性剤で安定化されたビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアセテートエチレンエマルジョン、またはそれらの組み合わせ。
【0086】
1態様において、例えば、本開示は1種類以上の添加剤と混合されたポリビニルアルコールコポリマーを含むスキンケア製品またはヘアケア製品に向けられている。コポリマーと混合される1種類以上の添加剤は、あらゆる適切な安定性または性能添加剤を含んでいてよい。例えば、その安定性または性能添加剤には、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマー、ビニルカプロラクタム、ポリフッ化ビニルポリマー、スチレン無水マレイン酸コポリマー、アクリルポリマー、疎水性修飾されたポリビニルアルコール、第四級アミン、ポリクオタリウム(polyquaterium)、アミン除去剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそれらの混合物が含まれてよい。
【0087】
上記の添加剤は、ポリビニルアルコールコポリマーと混合された際に、様々な利点および利益を提供することができる。例えば、1態様において、ポリビニルアルコールコポリマーの付着特性を向上させる添加剤を選択してよい。例えば、ヘアトリートメント組成物中で用いられる場合、その添加剤は光沢/つや、保持、扱いやすさ、およびカール保持性を向上させるためにポリビニルアルコールコポリマーと共に働いてよい。一方、個人用ケア組成物中で用いられる場合、その添加剤は皮膚への付着を向上させる、耐水性を向上させる、潤滑性および感触を向上させる、および/または紫外線保護を与える役目を果たしてよい。
【0088】
貯蔵安定性を増大させるためにその添加剤をポリビニルアルコールコポリマーと共に用いることもできる。例えば、その添加剤はN−ビニルホルムアミドのその組成物の透明性または曇りに悪影響を及ぼす可能性がある組成物中の他の成分との相互作用を妨げることができる。
【0089】
例えばスキンモイスチャライザー中に含まれた場合、上記のコポリマーは約0.01重量%から約50.0重量%までの量で存在していてよい。そのスキンモイスチャライザーはあらゆる適切な保湿剤、例えば湿潤剤または皮膚軟化薬(emollient)を含んでいてよい。スキンモイスチャライザー中に含まれてよい成分の例には、例えば乳酸および他のヒドロキシ酸およびそれらの塩類、グリセリン、プロピレングリコール類、ブチレングリコール類、ナトリウムPCA、ポリエチレングリコール類、メトキシポリエチレングリコール類ならびに同様のものが含まれる。本開示の配合物中での使用に適した皮膚軟化薬には、RPG−15ステアリルエーテル、ラノリンアルコール、ラノリン、ラノリン誘導体、コレステロール、ワセリン、イソステアリルネオペンタノエート、オクチルステアレート、鉱油、イソセチルステアレート、ミリスチルミリスチレート、オクチルドデカノール、ジメチコン、フェニルトリメチコン、シクロメチコン、ジメチコノール(dimethiconol)、およびプロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート(propylene glycol dicaprylate/dicaprate)が含まれるが、それらに限定されない。スキンモイスチャライザー中に含まれてよいさらに他の成分には、ウロカニン酸(urocanic acid)、N−アセチルエタノールアミン、アロエベラゲル(aloe vera gel)、キトサンおよびその誘導体、グリセリド類、イミダゾリジノン、フルクトース、グルカミン(glucamine)、グルコース、グルコースグルタメート、グルクロン酸、ハチミツ、水素化デンプン加水分解物、グリセレス類(glycereths)、メチルグルセス(methylgluceth)、尿素、キシリトール、ピロリドンカルボン酸類、シリコングリコール、エトキシ化グリセリン、および同様のものが含まれる。
【0090】
スキンケア製品は乳化剤を含んでいてもよい。乳化剤は水および油構成要素と相互作用してエマルジョンを形成する。本開示の組成物中での使用に適した乳化剤には、ベヘントリモニウムメトサルフェート(behentrimonium methosulfate)、セテアリルアルコール(cetearyl alcohol)、非イオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル、PEG−40ステアレート、セテアレス−12(ceteareth−12)、セテアレス−20、セテアレス−30、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、ステアレス−2(steareth−2)およびステアレス−20、またはそれらの組み合わせ/混合物、さらに、陽イオン性乳化剤、例えばステアラミドプロピルジメチルアミン(stearamidopropyl dimethylamine)およびベヘントリモニウムメトサルフェート、またはそれらの組み合わせ/混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0091】
スキンケア製品中に含まれていてよい追加の成分には、本明細書で記述されている他の水溶性ポリマー類、陽イオン性ポリマー類、抗酸化剤、保存剤、芳香剤および同様のものが含まれる。他の成分には抗酸化剤が含まれる。抗酸化剤は、配合物にそれを空気中の酸素との反応による腐食または劣化から保護するために添加される天然または合成物質である。抗酸化剤は酸敗および非酵素的褐変反応生成物の生成につながる可能性のある劣化を予防する。適切な抗酸化剤には、例えば没食子酸のプロピル、オクチルおよびドデシルエステル類、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアヤレト酸(nordihydroguaiaretic acid)、ビタミンE,ビタミンEアセテート、ビタミンC、リポ酸、ユビキノン、リンゴ緑茶、アルニカスペシャル(Arnica Special)、アボカドGW、ピーマンの実、ブラックカラントB(Black Currant B)、ブラックカラント緑茶、ブルーベリーの果実、キャベツローズ抽出物、カメリアシネンシス(Camellia sinensis)、カナディアンウィロウハーブ、ニンジンの根、カメリアオレイフェラ(Camellia Oleifera)抽出物、コモンタイム、クランベリー緑茶、エキナセア(Echinacea)乾燥水性抽出物、ウイキョウの実、イチョウ(Ginkgo Biloba)、ダイズ(Glycine Max)(大豆種子)、ゴールデンシール(Goldenseal)、グレープフルーツ、ブドウ種子抽出物およびそれらの成分(プロアントシアニジン類)、グレープフルーツ緑茶、緑茶、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレートを含む緑茶のカテキン成分、緑茶エクストラ(Green Tea Extra)、緑茶HS、ライムブラッサム、オレンジ緑茶、ローズマリー植物、シーパセリ(Sea Parsley)、セントジョーンズワートW/S(St. John’s Wort W/S)、イチゴの果実、トマトの根、トルコオレガノ、小麦種子、ホワイトミスルトー(White Mistle Toe)、白茶、ノコギリソウ、ユッカ70(Yucca 70)、ユッカ抽出物粉末、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0092】
芳香剤も本明細書で記述されているスキンケア製品に添加することができる。芳香剤は、組成物に審美的に心地よい芳香を与えることができる芳香性化合物である。典型的な芳香剤には、例えば植物源、例えばバラの花弁、クチナシの花、およびジャスミンの花から抽出された芳香性物質が含まれ、それは精油を作るために単独で、またはあらゆる組み合わせで用いることができる。加えて、芳香剤のためにアルコール性抽出物を調製してもよい。
【0093】
スキンモイスチャライザーに加えて、本開示のコポリマーはサンスクリーンおよびサンプロテクト組成物中での使用にも十分に適している。そのコポリマーはサンスクリーン組成物中に約0.01重量%から約75重量%までの量で存在していてよい。上記のように、ポリビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーは皮膚への付着を向上させ、そうしてサンスクリーン組成物の寿命を増大させる。当技術で既知の、または当業者に明らかであるあらゆるサンスクリーン剤およびサンプロテクト剤を、サンスクリーンおよびサンプロテクト組成物中で用いてよい。
【0094】
具体的な適切なサンスクリーン剤には、例えば次のものが含まれる:p−アミノ安息香酸、その塩類およびその誘導体(エチル、イソブチル、グリセリルエステル類;p−ジメチルアミノ安息香酸);アントラニレート類(すなわち、o−アミノベンゾエート類;メチル、メンチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、リナリル、テルピニル、およびシクロヘキセニルエステル類);サリチレート類(アミル、フェニル、ベンジル、メンチル、グリセリル、およびジプロピレングリコールエステル類);ケイ皮酸誘導体(メチルおよびベンジルエステル類、アルファ−フェニルシンナモニトリル;ブチルシンナモイルピルベート);ジヒドロキシケイ皮酸誘導体(ウンベリフェロン(umbelliferone)、メチルウンベリフェロン、メチルアセト−ウンベリフェロン);トリヒドロキシケイ皮酸誘導体(エスクレチン(esculetin)、メチルエスクレチン、ダフネチン(daphnetin)、およびそのグルコシド類、エスクリンおよびダフニン(daphnin);炭化水素(ジフェニルブタジエン、スチルベン);ジベンザルアセトン(Dibenzalacetone)およびベンザルアセトフェノン(benzalacetophenone);ナフトールスルホネート類(2−ナフトール−3,3−ジスルホン酸類の、および2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸類のナトリウム塩類);ジヒドロキシナフトエ酸およびその塩類;o−およびp−ヒドロキシビフェニルジスルホネート類;クマリン誘導体(7−ヒドロキシ、7−メチル、3−フェニル);ジアゾール類(2−アセチル−3−ブロモインダゾール、フェニルベンゾオキサゾール、メチルナフトキサロール(methyl naphthoxalole)、様々なアリールベンゾチアゾール類);キニーネ塩類(重硫酸塩、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩、およびタンニン酸塩);キノリン誘導体(8−ヒドロキシキノリン塩類、2−フェニルキノリン);ヒドロキシまたはメトキシで置換されたベンゾフェノン類;尿酸およびビロ尿酸類(vilouric acid);タンニン酸(Tannnic acid)およびその誘導体(例えば、ヘキサエチルエーテル);(ブチルカルビチル(carbityl))(6−プロピルピペロニル)エーテル;ヒドロキノン;ベンゾフェノン類(オキシベンゼン、スルイソベンゾン、ジオキシベンゾン、ベンゾレゾルシノール、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、オクタベンゾン;4−イソプロピルジベンゾイルメタン(4−Isopropyhldibenzoylmethane);ブチルメトキシジベンゾイルメタン;エトクリレン(Etocrylene);および4−イソプロピル−ジ−ベンゾイルメタン;二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、ならびにそれらの混合物。他の化粧用に許容できるサンスクリーン剤および濃度(全化粧用サンスクリーン組成物の重量によるパーセント)には、ジエタノールアミンメトキシシンナメート(10%以下)、エチル−[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノベンゾエート(5%以下)、グリセリルアミノベンゾエート(3%以下)、4−イソプロピルジベンゾイルメタン(5%以下)、4−メチルベンジリデンカンファー(camphor)(6%以下)、テレフタリリデンジカンファースルホン酸(10%以下)、およびスルイソベンゾン(ベンゾフェノン−4とも呼ばれる、10%以下)が含まれる。
【0095】
本開示に従って作られたサンスクリーン組成物は、スキンモイスチャライザーに関して上記でリストした成分のいずれかも含んでいてよい。
本発明の1態様において、スキンケア製品はスキンモイスチャライザーまたはサンスクリーン/サンプロテクト剤およびポリビニルアルコールポリマーを含むスキントリートメント組成物を含み、ここでそのポリビニルアルコールコポリマーは次の分子構造を有する:
【0096】
【化10】

【0097】
ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約5〜約99モル%であり;および
c=約1〜約99モル%である。
【0098】
本発明の別の態様において、スキンケア製品はスキンモイスチャライザーまたはサンスクリーン/サンプロテクト剤およびポリビニルアルコールポリマーを含むスキントリートメント組成物を含み、ここでそのポリビニルアルコールコポリマーは次の分子構造を有する:
【0099】
【化11】

【0100】
ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約5から約99モル%までであり;
c=約5から約95モル%までであり;
d=約1から約95モル%までである。
【0101】
本発明のさらに別の態様において、スキンケア製品はスキンモイスチャライザーまたはサンスクリーン/サンプロテクト剤およびスキントリートメント組成物を含み、ここでそのスキンケア組成物はキレート剤、スキンコンディショニング剤、保存剤、塩耐性剤、ゲル化剤(gellant)、薄膜形成剤、固定化剤(firming agent)、皮膚保護剤、光沢/つや増強剤、調色剤、モイスチャライザー、皮膚軟化薬、抗しわ剤、撥水性増強剤、キャリヤーおよび/または潤滑剤またはそれらの組み合わせの役目を果たす。
【0102】
本発明のさらにまた別の態様において、スキンケア製品またはヘアケア製品はポリビニルアルコールコポリマー;および/またはポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマー、ビニルカプロラクタム、ポリフッ化ビニルポリマー、スチレン無水マレイン酸コポリマー、アクリルポリマー、疎水性修飾されたポリビニルアルコール、第四級アミン、ポリクオタリウム(polyquaterium)、アミン除去剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそれらの混合物を含む安定性または性能添加剤を含む。
【0103】
1態様における、前の段落で定義されたスキンケア製品またはヘアケア製品、ここで、そのポリビニルアルコールコポリマーは次の分子構造を有する:
【0104】
【化12】

【0105】
ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約5〜約99モル%であり;および
c=約1〜約95モル%である。
【0106】
別の態様における、上記で定義されたスキンケア製品またはヘアケア製品、ここで、そのポリビニルアルコールコポリマーは次の分子構造を有する:
【0107】
【化13】

【0108】
ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約5から約99モル%までであり;
c=約5から約95モル%までであり;
d=約1から約95モル%までである。
【0109】
さらに別の態様における、上記で定義されたスキンケア製品またはヘアケア製品、ここで、その製品はさらにキレート剤、保存剤、およびpH調節剤を含む。
さらにまた別の態様における、上記で定義されたスキンケア製品またはヘアケア製品、ここで、その製品はカール保持のためのヘアスプレーまたはヘアゲルであり、そのヘアケア製品は90%の相対湿度において少なくとも約70%のカール保持性を0.75時間有する。
【0110】
別の態様における、上記で定義されたスキンケア製品またはヘアケア製品、ここで、その製品はサンスクリーンローションであり、その製品はさらにサンスクリーン剤を含んでおり、そのサンスクリーン剤は酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、パラアミノベンゾエート、サリチレート、シンナメート、ベンゾフェノン、メンチルアントラリネート(menthyl anthralinate)、ジガロイルトリレート(digalloyl trilleate)、またはそれらの混合物を含む。
【0111】
さらに別の態様における、上記で定義されたスキンケア製品またはヘアケア製品、ここで、その製品はスキンモイスチャライザーであり、ここでその製品はさらにグリセリン、ジメチコンもしくはその誘導体、プロピレングリコール、ラノリンもしくはその誘導体、ワセリン、またはそれらの混合物を含む。
【0112】
さらにまた別の態様における、上記で定義されたスキンケア製品またはヘアケア製品、ここで、そのコポリマーは添加剤として用いられ、ここでその製品はさらにレオロジー調節剤、染毛剤、噴射剤、殺生物剤、増粘剤、粘度増強剤、界面活性剤、顔料、分散補助剤、水分保持剤、ワックス、油剤、顔料、封入剤、日焼け補助剤、ビタミン類、有効成分、タンパク質、保存剤、可塑剤、薄膜形成剤、水和物質、シリコン類、UVフィルターおよび吸収剤、スキンホワイトニング剤(skin whiteners)、アルファ−ヒドロキシ酸、抗酸化剤、精油、抗老化製品、皮膚軟化薬、乳化剤および乳化安定剤、混合補助剤(mixing aide)、懸濁剤、乳化剤、感覚調節剤、湿潤剤、スリップ剤、溶解力、ゲル化剤、芳香固定剤、発泡増強剤、沈着剤、防水剤、毛髪保護剤、乳白剤、パーライザー、植物抽出物、ポリクオタニウム類、様々なシリコン誘導体、テルペン類炭化水素、炭化水素または他の油構成要素、防腐剤、様々なアミノ酸、活性化剤、フレークカッティング(flake cutting)、顔料または他の一般的な既知のそれらの添加剤、抗脂漏剤、希釈剤、芳香剤、着色剤、それらの誘導体、またはそれらの混合物を含む。
【0113】
26. アクリレートポリマーがクロスポリマーを含む、請求項25に記載のスキンケア製品。
27. ポリビニルアルコールコポリマーが次の分子構造を有する、請求項22に記載のスキンケア製品:
【0114】
【化14】

【0115】
ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約5〜約99モル%であり;および
c=約1〜約99モル%である。
【0116】
28. ポリビニルアルコールコポリマーが次の分子構造を有する、請求項22に記載のスキンケア製品:
【0117】
【化15】

【0118】
ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約5から約99モル%までであり;
c=約5から約95モル%までであり;
d=約1から約95モル%までである。
【0119】
29. スキントリートメント組成物がキレート剤、スキンコンディショニング剤、保存剤、塩耐性剤、ゲル化剤、薄膜形成剤、固定化剤、皮膚保護剤、光沢/つや増強剤、調色剤、モイスチャライザー、皮膚軟化薬、抗しわ剤、撥水性増強剤、キャリヤーおよび/または潤滑剤またはそれらの組み合わせの役目を果たす、請求項22に記載のスキンケア製品。
【0120】
30. 次のものを含むスキンケア製品またはヘアケア製品:
ポリビニルアルコールコポリマー;および/または
ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマー、ビニルカプロラクタム、ポリフッ化ビニルポリマー、スチレン無水マレイン酸コポリマー、アクリルポリマー、疎水性修飾されたポリビニルアルコール、第四級アミン、ポリクオタリウム(polyquaterium)、アミン除去剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそれらの混合物を含む、安定性または性能添加剤。
【0121】
31. 安定性または性能添加剤がポリビニルピロリドンを含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
32. 安定性または性能添加剤がポリ(ビニルアセテート−コ−N−ビニル−2−ピロリドン)コポリマーを含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
【0122】
33. 安定性または性能添加剤がビニルカプロラクタムを含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
34. 安定性または性能添加剤がポリフッ化ビニルポリマーを含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
【0123】
35. 安定性または性能添加剤がスチレン無水マレイン酸コポリマーを含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
36. 安定性または性能添加剤がアクリルポリマーを含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
【0124】
37. 安定性または性能添加剤が疎水性修飾されたポリビニルアルコールを含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
38. ポリビニルアルコールコポリマーが次の分子構造を有する、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品:
【0125】
【化16】

【0126】
ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約5〜約99モル%であり;および
c=約1〜約95モル%である。
【0127】
39. ポリビニルアルコールコポリマーが次の分子構造を有する、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品:
【0128】
【化17】

【0129】
ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約5から約99モル%までであり;
c=約5から約95モル%までであり;
d=約1から約95モル%までである。
【0130】
40. さらに増粘剤を含み、その増粘剤がアクリレートポリマーを含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
41. 安定性または性能添加剤が第四級アミンを含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
【0131】
42. 安定性または性能添加剤がポリクオタリウム(polyquaterium)を含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
43. 安定性または性能添加剤がアミン除去剤を含み、そのアミン除去剤がグアニジン(guanadine)を含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
【0132】
44. 安定性または性能添加剤が陽イオン性界面活性剤を含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
45. 安定性または性能添加剤が両性界面活性剤を含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
【0133】
46. 製品がさらにキレート剤、保存剤、およびpH調節剤を含む、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
47. 製品がカール保持のためのヘアスプレーまたはヘアゲルであり、そのヘアケア製品が90%の相対湿度において少なくとも約70%のカール保持性を0.75時間有する、請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品。
【0134】
48. 請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品であって、その製品がサンスクリーンローションであり、その製品がさらにサンスクリーン剤を含み、そのサンスクリーン剤が酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、パラアミノベンゾエート、サリチレート、シンナメート、ベンゾフェノン、メンチルアントラリネート(menthyl anthralinate)、ジガロイルトリレート(digalloyl trilleate)、またはそれらの混合物を含む、スキンケア製品またはヘアケア製品。
【0135】
49. 請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品であって、その製品がスキンモイスチャライザーであり、その製品がさらにグリセリン、ジメチコンもしくはその誘導体、プロピレングリコール、ラノリンもしくはその誘導体、ワセリン、またはそれらの混合物を含む、スキンケア製品またはヘアケア製品。
【0136】
50. 請求項30に記載のスキンケア製品またはヘアケア製品であって、そのコポリマーが添加剤として用いられており、その製品がさらにレオロジー調節剤、染毛剤、噴射剤、殺生物剤、増粘剤、粘度増強剤、界面活性剤、顔料、分散補助剤、水分保持剤、ワックス、油剤、顔料、封入剤、日焼け補助剤、ビタミン類、有効成分、タンパク質、保存剤、可塑剤、薄膜形成剤、水和物質、シリコン類、UVフィルターおよび吸収剤、スキンホワイトニング剤、アルファヒドロキシ酸、抗酸化剤、精油、抗老化製品、皮膚軟化薬、乳化剤および乳化安定剤、混合補助剤、懸濁剤、乳化剤、感覚調節剤、湿潤剤、スリップ剤、溶解剤、ゲル化剤、芳香固定剤、発泡増強剤、沈着剤、防水剤、毛髪保護剤、乳白剤、パーライザー、植物抽出物、ポリクオタニウム類、様々なシリコン誘導体、テルペン類炭化水素、炭化水素または他の油構成要素、防腐剤、様々なアミノ酸、活性化剤、フレークカッティング、顔料または他の一般的な既知のそれらの添加剤、抗脂漏剤、希釈剤、芳香剤、着色剤、それらの誘導体、またはそれらの混合物を含む、スキンケア製品またはヘアケア製品。
【実施例】
【0137】
下記の実施例は本発明をさらに説明する。表1で示したヘアケア配合物を、1ミリリットルのシリンジを用いて1インチ×7インチの毛髪の房に適用した。その後、処理した房に、Nor−Lake Scientific Temperature Test Chamberを用いて下記で概説する試験に従って試験を行った(取り扱い説明書5/08 132574 Rev. Cを利用した)。これらの実験的試験の結果を表1に示す。
【0138】
耐湿性−パーセントカール保持。組成物の毛髪をセットする効能は、約90%の相対湿度(RH)の高い湿度における毛髪のセットの保持により評価することができる。適用された組成物からの、および周囲の大気からの水の吸収の後に、毛髪上にセットされたカールを保持する能力は、一般に高湿度カール保持(HHCR)と呼ばれる周知の技法を用いて測定することができる。HHCRの方法論の記述は、化粧品の文献においてすぐに見つけられる。例えば、Ch. 30, Harry's Cosmeticology,第8版, M. J. Rieger, Ph.D. (編集), 666 667, Chemical Publishing Co., Inc., ニューヨーク州ニューヨーク(2000)、およびDiaz et al., J. Soc. Cosmet. Chem., 34, 205 212 (July 1983)を参照、それぞれの関係のある開示を本明細書に援用する。
【0139】
商業的に混合された白色人種の未処理の(未使用の(virgin))ヒトの毛髪の房を、International Hair Importers and Products Inc.、ニューヨークにより供給された天然の茶色または黒色のヨーロッパ人の毛髪を用いて用意する。それぞれの毛髪の房(重量約3グラム)は長さ約7インチ(約18cm)であり、それを接着剤を用いて頭皮(根)末端部分でしっかりと固定する。使用の前に、それぞれの毛髪の房を周囲室温においてラウリル硫酸ナトリウムの希釈水溶液(10%SLS)で洗浄することによりあらかじめ汚れを落とし、脱イオン水で完全にすすぎ、タオルで吸い取って乾かす。毛髪の最初の伸ばした長さ(L)を測定する。約0.8グラムの評価されるポリマーを含む組成物をその毛髪の房に適用し、頭皮部分から末端部分へと広げる(distributed)。次いで、処理した毛髪の房を、約3cmの外径を有するヘアカーラーの周りに巻きつけ、約21〜23℃の周囲室温においてカーラー上で一夜乾燥させる。乾燥させた後、カーラーを注意深く外し、毛髪を単一のカールへと整え、その毛髪のカールの最初の長さ(L)を測定し、そのカールした毛髪の房を、約26〜27℃の周囲温度および約90%RHの周囲高湿度に設定された湿度チャンバー中で垂直に吊るす。
【0140】
高湿度カール保持(HHCR)は、選択された間隔の湿度への露出の後にそのカールが緩んだ際にその毛髪のカールの長さ(L)を測定することにより決定される。次の等式を用いて、最初のカールの長さ(L)およびその毛髪の最初の伸ばした長さ(L)に関してパーセントカール保持を計算する。
【0141】
【数1】

【0142】
カールの長さの変化(垂れ下がり、らせんの形成)を定期的に測定し、視覚により観察する。測定は最初に、および約1.25〜1.75時間の総露出期間にわたって0.25時間間隔で、次いでその後約8時間までの総露出期間にわたって1時間ごとの間隔で行い、約24時間の総露出期間の後に最後の読みを行う。約90%RHにおける少なくとも約0.75時間の最小期間での約70%以上のカール保持(CR)のHHCR効能を、本明細書において”T@70%CR”と表し、これは優れた高湿度耐性に関する一般的に用いられる基準であり、本明細書ではこれを優れた毛髪をセットする効能であると呼ぶ。選択された時間間隔に関して本明細書で報告されるHHCR効能は”%CR@T--x”であると確認され、ここでxは1時間ごとの間隔またはその分数である。70%CR@T--1.25時間以上の毛髪をセットする効能は非常に優れていると判定され、70%CR@T--3時間以上は優秀であると判定される。%カール保持が約50%よりも大きくない場合、毛髪をセットする効能は弱いと判定される。
【0143】
表1
【0144】
【表1】

【0145】
【表2】

【0146】
【表3】

【0147】
【表4】

【0148】
【表5】

【0149】
【表6】

【0150】
表1は、摂氏32度および90パーセントの相対湿度における毛髪のカール保持における本発明の態様の有効性を説明するデータを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次のものを含むヘアケア製品:
水;
キレート剤;
コポリマー;
pH調節剤;および
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンおよび/またはそれらの組み合わせを含むヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
前記のポリビニルアルコールが1,000〜1,000,000の範囲の分子量を有し、リットルあたり0.1〜100グラム(g/L)の範囲の濃度を有する、請求項1に記載のヘアケア製品。
【請求項3】
ヘアトリートメント組成物がさらに増粘剤、保存剤、殺生物剤、界面活性剤および/またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のヘアケア製品。
【請求項4】
ヘアケア製品が水溶性である、請求項1に記載のヘアケア製品。
【請求項5】
ヘアトリートメント組成物がさらに部分的に加水分解されたポリビニルアルコール、完全に加水分解されたポリビニルアルコール、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のヘアケア製品。
【請求項6】
ポリビニルアルコールコポリマーが次の分子構造を有する、請求項1に記載のヘアケア製品:
【化1】

ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約0.1〜約99モル%であり;
c=約0.1〜約99モル%であり;
ここで、前記のポリビニルアルコールコポリマーは1,000〜1,000,000の範囲の分子量を有する。
【請求項7】
ポリビニルアルコールコポリマーが次の分子構造を有する、請求項1に記載のヘアケア製品:
【化2】

ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約0.1から約99モル%までであり;
c=約0.1から約99モル%までであり;
d=約0.1から約99モル%までであり;
ここで、前記のポリビニルアルコールコポリマーは1,000〜1,000,000の範囲の分子量を有する。
【請求項8】
前記のヘアトリートメント組成物が、ポリビニルアルコール、ビニルアセテートを有するポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートコポリマー、アクリルエマルジョンまたはビニルアクリルエマルジョンで構成されている、請求項1に記載のヘアケア製品。
【請求項9】
前記のエマルジョンが次のものを含むグループから選択される、請求項8に記載のヘアケア製品:ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアセテートエチレンエマルジョン、アクリルエマルジョンおよび/またはそれらの組み合わせ。
【請求項10】
前記のヘアケア製品がヘアスプレー、ヘアゲル、ヘアムースまたはそれらの組み合わせである、請求項1に記載のヘアケア製品。
【請求項11】
前記のヘアトリートメント組成物がキレート剤、コンディショニング剤、保存剤、カール保持剤、塩耐性剤、ゲル化剤、薄膜形成剤、保持剤、フレーク低減剤、リラクサー増強剤、補強剤(fortifying agent)、光沢/つや増強剤、強化剤(strengthener)、耐湿剤、キャリヤーおよび/または潤滑剤またはそれらの組み合わせの役目を果たす、請求項1に記載のヘアケア製品。
【請求項12】
次の工程を含む、毛髪のカール保持性を向上させるための方法:
次のものを含むヘアケア製品を提供する:
水;
キレート剤;
コポリマー;
pH調節剤;および
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンおよび/またはそれらの組み合わせを含むヘアトリートメント組成物;
前記のヘアケア製品を、個人の毛髪の一部または全部に適用する;
前記の個人の毛髪の一部または全部をカールさせる。
【請求項13】
前記のポリビニルアルコールが1,000〜1,000,000の範囲の分子量を有し、リットルあたり0.1〜100グラム(g/L)の範囲の濃度を有する、請求項12に記載の毛髪のカール保持性を向上させるための方法。
【請求項14】
ヘアトリートメント組成物がさらに増粘剤、保存剤、殺生物剤、界面活性剤および/またはそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の毛髪のカール保持性を向上させるための方法。
【請求項15】
ヘアケア製品が水溶性である、請求項12に記載の毛髪のカール保持性を向上させるための方法。
【請求項16】
ヘアトリートメント組成物がさらに部分的に加水分解されたポリビニルアルコール、完全に加水分解されたポリビニルアルコール、またはそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の毛髪のカール保持性を向上させるための方法。
【請求項17】
ポリビニルアルコールコポリマーが次の分子構造を有する、請求項12に記載の毛髪のカール保持性を向上させるための方法:
【化3】

ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約0.1〜約99モル%であり;
c=約0.1〜約99モル%であり;
ここで、前記のポリビニルアルコールコポリマーは1,000〜1,000,000の範囲の分子量を有する。
【請求項18】
ポリビニルアルコールコポリマーが次の分子構造を有する、請求項12に記載の毛髪のカール保持性を向上させるための方法:
【化4】

ここで:
a=約0から約15モル%までであり;
b=約0.1から約99モル%までであり;
c=約0.1から約99モル%までであり;
d=約0.1から約99モル%までであり;
ここで、前記のポリビニルアルコールコポリマーは1,000〜1,000,000の範囲の分子量を有する。
【請求項19】
前記のポリビニルアルコールコポリマーエマルジョンがビニルエマルジョンを有するポリビニルアルコールコポリマーで構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記のビニルエマルジョンが次のものを含むグループから選択される、請求項19に記載の方法:界面活性剤で安定化されたビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートエマルジョン、ビニルアセテートエチレンエマルジョン、またはそれらの組み合わせ。
【請求項21】
前記のヘアケア製品がヘアスプレー、ヘアゲル、ヘアムースまたはそれらの組み合わせである、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
次のものを含むスキンケア製品:
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ビニルアセテートエマルジョン、アクリルエマルジョン、ビニルアクリルエマルジョン、ビニルアセテートコポリマーエマルジョンおよび/またはそれらの組み合わせを含むスキントリートメント組成物;および
スキンモイスチャライザーまたはサンスクリーン/サンプロテクト剤。
【請求項23】
請求項22に記載のスキンケア製品であって、そのスキンケア製品がサンスクリーン剤を含み、そのサンスクリーン剤が酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、パラアミノベンゾエート、サリチレート、シンナメート、ベンゾフェノン、メンチルアントラリネート(menthyl anthralinate)、ジガロイルトリレート(digalloyl trilleate)、またはそれらの混合物を含むスキンケア製品。
【請求項24】
請求項22に記載のスキンケア製品であって、そのスキンケア製品がスキンモイスチャライザーを含み、そのスキンモイスチャライザーがグリセリン、ジメチコンもしくはその誘導体、プロピレングリコール、ラノリンもしくはその誘導体、ワセリン、またはそれらの混合物を含むスキンケア製品。
【請求項25】
さらに増粘剤を含み、その増粘剤がアクリレートポリマーを含む、請求項22に記載のスキンケア製品。

【公表番号】特表2012−500210(P2012−500210A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523165(P2011−523165)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/053704
【国際公開番号】WO2010/019766
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(511040573)セキスイ・スペシャルティ・ケミカルズ・アメリカ・エルエルシー (4)
【Fターム(参考)】