説明

個別配分方法及び装置

【課題】配分仕分け作業の効率化と共に仕分け精度を高めることができる個別配分方法及び装置を提供する。
【解決手段】複数の商品Sが収納されたトートトレイ15から商品Sを取り出して、複数の空のコンテナ15に個別に配分仕分けする個別配分方法において、複数の空のコンテナ15が配置された上下複数段のアソーティングライン21,22の各段毎に、空のコンテナ15に商品Sを配分仕分けする処理と、商品Sの配分仕分けが終了した段のみを搬送移動させて、配分仕分け済みのコンテナ15を次の工程へと送り出すと共に、配分仕分け済みのコンテナ15に代えて新たに複数の空のコンテナ15を配置する処理とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、個別配分方法及び装置に関し、特に、個別配送のための仕分け配分を連続して効率良く行うことができる個別配分方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入荷した商品を複数の個人へ個別に配送するために仕分けする、個別配分方法が知られている。図10は、従来の個別配分方法による作業の流れを概略的に説明するブロック図である。図10に示すように、配送センタ(図示しない)等に入荷した商品は、仮置きされた後、ピッキングラックに補充される。ピッキングラックから、商品を個々の配送先である個人毎にピッキングする個人別集品(digital picking system:DPS)を行い、その後、区分けされた品物を袋に入れて配送先を示すラベルを貼る袋とじ・ラベル貼付を行う。ラベルが貼付された袋は、必要に応じて、例えば地域毎に設けられた班別に箱詰め(箱内整理)された後、ドーリー積み付けされ出荷横持ちとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の個別配分方法による作業は、作業行程が複雑で作業内容が多岐にわたることから、手間と時間が掛かることが避けられない上に、配分間違いの発生も多かった。そのため、配分仕分け作業の効率化と共に仕分け精度を高めることが望まれていた。
【0004】
この発明の目的は、配分仕分け作業の効率化と共に仕分け精度を高めることができる個別配分方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る個別配分方法は、複数の商品が収納された収納容器から商品を取り出して、複数の空の容器に個別に配分仕分けする個別配分方法において、複数の空の容器が配置された上下複数段の仕分けラインの各段毎に、前記空の容器に商品を配分仕分けする処理と、商品の配分仕分けが終了した段のみを搬送移動させて、配分仕分け済みの容器を次の工程へと送り出すと共に、前記配分仕分け済みの容器に代えて新たに複数の空の容器を配置する処理とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、配分仕分け作業の効率化と共に仕分け精度を高めることができるので、従来の個別配分方法と比較して、生産性の向上による人時の削減と仕分け精度の向上を共に実現することができ、また、商品カテゴリの違いにも容易に対応することができる。その上、取り扱い物量の規模に応じて、システムのモジュールを自由に組み合わせることが可能である。
【0007】
また、この発明に係る個別配分装置により、上記個別配分方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、この発明の一実施例に係る個別配分方法による作業の流れを概略的に説明するブロック図である。図1に示すように、例えば、各家庭等に各種商品を配送するホームデリバリーのための商品を受注すると、受注内容が作業バッチ単位に整理されて、作業バッチ単位毎の作業内容に基づき、無線通信により作業ゾーンA〜Cへピッキング指示が送られる。
【0010】
ピッキング指示を受け、各作業ゾーンA〜Cにおいて作業バッチ単位のトータルピッキング(シームレスピッキング)が行われる。ピッキングは、作業バッチ内をシークェンシング(SEQing)グループ単位に分割し、そのグループを括ってトータルピッキングを行う。トータルピッキングされた商品は、各作業ゾーンA〜C(ストレージ・ブロック)からダイレクトにアソーティングラインへ搬送され、その後、アソーティング&パッキングの後、ソーテーションを経て、ドーリー積み付けされ出荷横持ちとなる。
【0011】
この発明に係る、ホームデリバリーを行うために各種商品Sを配送先毎に個別に配分する個別配分方法は、次のような特徴を有している。
1.データの自動生成
受注データに基づき、複数のアソーティングラインの各個別に作業順位のバッチナンバーを自動生成する。即ち、出荷マスターによる出荷順メンテナンスによって作業の括りのシークェンシング・グループ(SEQ/G)が自動的に生成される。図2は、各アソーティングライン別に自動生成された作業バッチナンバーを示す説明図である。図2に示すように、例えば、上下2段に形成された各アソーティングライン(No.1ライン及びNo.2ライン)それぞれにおいて、作業順1番が上段、作業順2番が下段、作業順3番が上段というように、上段と下段で交互に作業順位が決められる。
2.作業のシームレス化
自動SEQ/Gの生成により、上段のアソーティングラインと下段のアソーティングラインで交互に間断なく作業することができるように配分指示をシームレス化して通信制御する。
3.作業の視認性の向上
商品は、配分作業を行う作業者の手前に連続して搬送され、配分先は、表示装置に配分ヒット間口の方向と数量が同時表示されるので、作業生産性が向上する。
4.配分ミス防止チェック
配分作業における配分ミスは、表示装置と配分ヒット間口に設置したラインセンサとの連動によって自動的にチェックする。
5.自動化レベルのフレキシビリティ
入荷におけるマルチインダクションシステム、立体倉庫(Automatic Strage/Retrieval System:AS/RS)との自動インテグレイション、AS/RSでのインターリービング制御、シームレス・アソーティングのためのオートコンテナサプライ制御、RFID(Radio Frequency IDentification)によるデータマネジメント、サーキューソートによる高速出荷順位制御、コンテナオートスタッキング等、これら各要素による自動化のレベルが全てモジュール化されているので自由な組合せが可能である。
6.トレーサビリティとビジビリティネットワークの実現
コンテナRFIDを用いたトラック&トレーシング管理によるビジビリティネットワークとのインテグレイション。
【0012】
図3は、この発明に係る個別配分方法の具体的な例となる個配業務フローの説明図である。図3に示すように、ベンダーの商品搬入により、先ず、マルチインダクションによる商品の入荷処理が行われる。また、殻の容器であるコンテナの返却が行われる。次に、ピッキングエリア区分の判断とそれに続くエリア別搬送により、商品の搬送処理が行われる。返却されたコンテナは自動搬送される。エリア別搬送の後、商品の保管エリアへの自動格納とそれに続く自動補充を経て、或いはエリア別搬送から直接、ピッキングエリアへの自動格納により、格納・保管処理が行われる。自動搬送されたコンテナは所定の場所に保管される。
【0013】
次に、ピッキングエリアに格納された商品のトータルピッキングとそれに続くアソーティングにより、集品・仕分け処理が行われる。アソーティングに際しては、保管場所から自動供給された空の容器であるコンテナにラベルが貼付されて用いられる。このとき、必要に応じ、ピッキングする商品が梱包されている段ボール箱等の破材処理が行われる。
【0014】
次に、冷蔵商品は蓄冷剤投入とそれに続くドーリー積み付けを経て、冷凍グロサリー商品はカゴ車自動積載を経て、それぞれ一時保管され、その後、冷凍商品のスノー(保冷材)充填とそれに続くドーリー自動スタッキングを経て、或いは直接、配送車積載により、積載処理が行われる。これら各処理の後に出荷され、個別配送先(例えば、組織化された組合の組合員等)に配送納品される。
【0015】
以下、上述した個配業務フローの各処理における具体的な業務内容とその基本機能の概要について、図4〜図9を参照して説明する。
【0016】
図4は、図3の個配業務フローにおける入荷〜入荷搬送を示し、(a)は入荷作業の説明図、(b)はインダクションラインでの作業の説明図である。図4に示すように、入荷〜入荷搬送において、先ず、ベンダーの配送車10から、ベルトコンベアを用いたインダクションライン11に商品Sが投入されて入荷ローディングインダクションが行われ((a)参照)、商品Sが入荷する。
【0017】
続いて、インダクションライン11上を搬送される商品Sに対し、作業者Pが無線端末12を用いてITF(Interleaved−2of5code)又はJAN(Japanese Article Number)コードのスキャニングを行う((b)参照)。このコードスキャニングにより得られた情報に基づいて、鮮度管理作業(賞味期限、数量入力等)を行い、カートID(IDentification)と商品Sを紐付けする。このとき、ITF又はJANコードの無い商品Sは、商品ラベルを貼付する。なお、パレタイズ品は、自動的にパレタイズライン(図示しない)に搬送される。
【0018】
即ち、入荷〜入荷搬送処理において、ITF又はJANコードを利用して入荷検品を行うことにより、入荷業務の簡素化及び効率化に貢献することができる。また、賞味期限入力による鮮度管理を行うことにより、鮮度管理と在庫管理の仕組みを融合して管理データをリアルタイムに更新することができる。
【0019】
図5は、図3の個配業務フローにおける格納・保管を示し、(a)は保管エリアの説明図、(b)はピッキングエリアの説明図である。図5に示すように、格納・保管において、入荷した商品Sは、パレット単位で保管されるパレット在庫とケース単位で保管されるケース在庫に自動的に区分されて、保管エリア13((a)参照)に格納保管される。保管エリア13からピッキングエリア14((b)参照)への補充も自動的に行われ、補充用ピッキングの自動化も可能である。
【0020】
即ち、格納・保管処理において、ロケーション別在庫管理システムにより、1アイテム複数ロケーション在庫を可能とし、しかもロケーション単位の鮮度管理を可能とする。また、鮮度日付別のロケーション管理により、鮮度逆転現象を防止することができる。
【0021】
図6は、図3の個配業務フローにおけるピッキングを示す説明図である。図6に示すように、ピッキングエリア14において、先ず、作業者Pは、表示装置(図示しない)にデジタル表示されたピッキング指示により、指示ロケーションへ移動し指示数量の商品Sをトータルピッキングする。次に、作業者Pは、トート配分指示に従って商品Sを商品収納容器であるトートトレイ(通い箱)15に配分する作業を行った後、搬送手段を用いたピッキング商品搬送ライン16にトートトレイ15を投入する。ピッキングされた商品Sが収納されたトートトレイ15は、ピッキング商品搬送ライン16によりアソーティングエリアへ自動搬送される。搬送手段としては、ベルトコンベヤやロールコンベヤ等が用いられる。
【0022】
ピッキング商品搬送ライン16は、作業者Pの作業効率を考慮した高さに配置されており、その上には、空のトートトレイ15を返送する搬送手段を用いた空トートトレイ返送ライン17が、更にその上には、商品Sを取り出した後の破材処理によって出たラビッシュ(破材)を搬送する搬送手段を用いたラビッシュ搬送ライン18が、それぞれ配置されている。
【0023】
即ち、ピッキングにおいて、作業単位の自動的組合せと連続化(バッチングとシークェンシング)するための面倒な作業計画を自動的に生成し、しかも最適化することにより、各作業エリアの生産性を最大化、且つ、連続化(シームレス化)することができる。また、リレーショナルピッキングシステムにより、ピッキング作業とアソーティング作業がリアルタイムにリンクするので、作業バランスの効率化を図ることができる。また、トータルピッキングシステムにより、該当バッチ(SEQ/G単位)におけるトータルピッキング、及び作業進捗の自動管理による作業者単位へのピッキングデータの自動配信ができる。
【0024】
図7は、図3の個配業務フローにおけるアソーティングを示す説明図である。図7に示すように、ピッキングエリア14から、ピッキングされた商品Sが収納されたトートトレイ15がアソーティングエリア19に送られて来ると、トートトレイ15の中の商品Sを配送先毎に個別に配分仕分けするアソーティングが行われる。
【0025】
アソーティングエリア19には、ピッキング商品搬送ライン16に連続する、例えばベルトコンベヤを用いたアソーティング商品搬送ライン20を真ん中にしてその両側に1列ずつ、例えばベルトコンベヤを用いたアソーティングライン21,22が配置されている。各アソーティングライン21,22は、作業者Pの作業効率を考慮した高さで、それぞれ上下2段に形成されており、上段のアソーティングライン21a,22aの上には、更に、ピッキングエリア14に配置された空トートトレイ返送ライン17が延長配置されている。
【0026】
アソーティング商品搬送ライン20の搬送方向途中の複数箇所には、アソーティング商品搬送ライン20にほぼ直交して分岐し下段の両アソーティングライン21b,22bに商品Sを送り出すことができる、例えばベルトコンベヤを用いた分岐ライン23が設けられている。分岐ライン23が位置する各アソーティングライン21,22の外側には、各アソーティングライン21,22に対向して、即ち、分岐ライン23の延長上に、作業者Pが位置している(図8においては、4箇所で対向する8本の分岐ライン23と、8人の作業者Pを示す)。
【0027】
各アソーティングライン21,22は、上段と下段がそれぞれ独立して動作し、上段のアソーティングライン21aと下段のアソーティングライン21bが交互に搬送動作を行うことができる。同様に、上段のアソーティングライン22aと下段のアソーティングライン22bも、交互に搬送動作を行う。これら各アソーティングライン21a,22a,21b,22bには、各作業者Pの両側一定範囲に、各作業者Pがアソーティングを行うための複数の配分間口が設定されており、各配分間口には、空のコンテナ24が配置される。
【0028】
このようなアソーティングライン21,22を備えたアソーティングエリア19において、作業者Pによるアソーティングが行われ、商品Sが配送先毎に個別に配分される。商品Sが収納されたトートトレイ15は、ピッキング商品搬送ライン16からアソーティング商品搬送ライン20に随時搬送されており、アソーティング商品搬送ライン20から更に分岐ライン23を介して、各作業者Pの前に送り込まれる。このトートトレイ15には、各作業者Pがアソーティングを行うために必要、且つ、適切な量の商品Sが収納されている。
【0029】
なお、図示しないが、トートトレイ15を作業者Pの前に送り込む分岐ライン23は、アソーティングライン21,22の搬送移動には影響を与えず、且つ影響を受けないように、アソーティングライン21,22とは異なった高さに独立して配置されている。
【0030】
各作業者Pは、それぞれ自分の前のトートトレイ15から商品Sを取り出して、自分の周囲に並置された複数のコンテナ24のそれぞれ異なった配送先となる各コンテナ24毎に、指定された商品Sを指定された数ずつ配分仕分けを行う。
【0031】
各コンテナ24毎に必要な量の商品Sの配分仕分けが終了すると、各アソーティングライン21,22の搬送動作により各アソーティングライン21,22上のコンテナ24が搬送移動し、配分仕分けが終了したコンテナ24が出荷エリアへと送り出される。なお、商品Sの配分仕分けによって空になったトートトレイ15は、作業者Pによって空トートトレイ返送ライン17に載せられ、返送される。
【0032】
図8は、図7のアソーティングラインの一部を拡大した説明図である。図8に示すように、各アソーティングライン21,22において、商品Sが収納されたトートトレイ15が作業者Pの前に搬送されると、作業者Pは、トートトレイ15に付されているバーコード(図示しない)をスキャナ(図示しない)でスキャニングする。
【0033】
バーコードをスキャニングにすることにより、作業者Pの前に配置された表示器(図示しない)には、スキャニングによって得られた情報に基づき、作業者Pに知らせるための商品Sの配分指示情報が表示される。作業者Pは、表示器の配分指示情報を見て、指定された各コンテナ24に商品Sを配分仕分けする間口配分作業を行う。この間口配分作業を行うに際し、作業者Pは、上段と下段で交互に、即ち、上段のアソーティングライン21aと下段のアソーティングライン21b、或いは上段のアソーティングライン22aと下段のアソーティングライン22bで交互に作業する。
【0034】
つまり、トートトレイ15により商品Sが送られて来ると、作業者Pは、先ず、下段のアソーティングライン21b(或いは、22b)の間口配分作業を行う。下段のアソーティングライン21b(或いは、22b)での配分作業が終了した作業者Pは、次に、上段のアソーティングライン21a(或いは、22a)の間口配分作業を行う。
【0035】
下段のアソーティングライン21b(或いは、22b)における1バッチ分の配分作業が終了すると、終了と共に下段のアソーティングライン21b(或いは、22b)が搬送作動し、商品Sのアソーティングが行われた商品積み込み済みのコンテナ24を出荷エリアへと送り出す。同時に、下段のアソーティングライン21b(或いは、22b)の搬送作動によって、各作業者Pの前には空のコンテナ24が運ばれてくる。
【0036】
続いて、上段のアソーティングライン21a(或いは、22a)の間口配分作業を終えた作業者Pは、既に、新たな空のコンテナ24が運ばれている下段のアソーティングライン21b(或いは、22b)の間口配分作業を行う。
【0037】
上段のアソーティングライン21a(或いは、22a)における1バッチ分の配分作業が終了すると、終了と共に上段のアソーティングライン21a(或いは、22a)が搬送作動し、商品積み込み済みのコンテナ24を出荷エリアへと送り出す。同時に、上段のアソーティングライン21a(或いは、22a)の搬送作動によって、各作業者Pの前に空のコンテナ24が運ばれてくる。
【0038】
以後、各アソーティングライン21,22の上段と下段が、1バッチ分の配分作業の終了毎、交互に搬送移動することにより、空のコンテナ24が随時供給され、作業者Pは、上段と下段で交互に間口配分作業(アソーティング)を行うことができる(図2参照)。よって、各アソーティングライン21,22における各段毎の商品Sのアソーティングは、トートトレイ15に商品Sがある限りアソーティング終了後の段から次の段へと連続して行われることになり、各作業者Pは、他の作業者Pの作業終了まで待つことなく、一つの段の作業終了と同時に別の段のアソーティングを行うことができる。
【0039】
つまり、各作業者Pは、先ず、下段のアソーティングライン21b(或いは、22b)のアソーティングを行うが、作業が早く終わった作業者Pは、続けて、上段のアソーティングライン21a(或いは、22a)のアソーティングを行うことができる。ここで、各作業者P毎にばらつきが出るが、その内に、下段における1バッチ分のアソーティングが終わり、商品積み込み済みのコンテナ24が送り出され、下段に次の空のコンテナが来る。次に、上段におけるアソーティングを終えた作業者Pは、下段におけるアソーティングへと移るが、その内に、上段における1バッチ分のアソーティングが終わり、商品積み込み済みのコンテナ24が送り出され、上段に次の空のコンテナが来る。
【0040】
このように、上段のアソーティングライン21a(或いは、22a)と下段のアソーティングライン21b(或いは、22b)が交互に搬送移動することにより、アソーティングが終わった商品積み込み済みのコンテナ24が、上段のアソーティングライン21a(或いは、22a)と下段のアソーティングライン21b(或いは、22b)から順番に送り出されるので、商品積み込み済みのコンテナ24の送り出しが、出荷時にトラックに積み込む順番で連続化して行く。また、作業者Pは、他の作業者Pの作業進捗状況に関わらず、連続してアソーティングを行うことができる。
【0041】
即ち、このアソーティングにおいて、配分間口は、作業者P個人別の作業が平準化されるように自動設定されている。また、商品Sの誤投入を防止するためのセンサ監視とアラーム処理により、誤投入の無い精度100%の配分を実現することが可能となる。また、納品店舗別個口実績管理により内容明細ラベルの出力も可能である。また、作業者Pの前には、アソーティングを行う商品Sが間断なくシュートされるので、作業のアイドリング(待機時間)を無くすことができ、高い作業生産性を実現することができる。
【0042】
図9は、図3の個配業務フローにおける積載〜出荷を示す説明図である。図9に示すように、積み付け順に商品積み込み済みのコンテナ24が、アソーティングエリア19のアソーティングライン21,22から出荷搬送ライン25を経て、出荷エリア26にコンベヤ搬送されてくる。出荷エリア26に搬送された商品積み込み済みのコンテナ24は、作業者Pの監視のもと、出荷搬送ライン25からドーリー27に自動的にスタッキングされる。
【0043】
ドーリー27にスタッキングされた商品積み込み済みのコンテナ24は、出荷待機ライン28を移動するトランスファビークル29に載せられた後、トランスファビークル29により出荷待機エリア30へ自動的に横持ちされる。
【0044】
このように、この発明によれば、入荷業務の簡素化及び効率化に貢献することができ、鮮度管理と在庫管理の仕組みを融合して管理データをリアルタイムに更新することができる。また、1アイテム複数ロケーション在庫を可能とし、しかもロケーション単位の鮮度管理を可能とし、鮮度逆転現象を防止することができる。また、各作業エリアの生産性を最大化、且つ、連続化(シームレス化)することができ、作業バランスの効率化を図ることができる。また、該当バッチ(SEQ/G単位)におけるトータルピッキング、及び作業進捗の自動管理による作業者単位へのピッキングデータの自動配信ができる。また、配分間口は、作業者P個人別の作業が平準化されるように自動設定されており、誤投入の無い精度100%の配分を実現することが可能となり、内容明細ラベルの出力も可能であり、作業のアイドリング(待機時間)を無くすことができ、高い作業生産性を実現することができる。
【0045】
この結果、従来の個別配分方法と比較して、生産性の向上による人時の削減と仕分け精度の向上を実現することができ、また、商品カテゴリの違いにも容易に対応することができる。その上、取り扱い物量の規模に応じて、システムのモジュールを自由に組み合わせることが可能である。
【0046】
なお、上記実施の形態において、アソーティングライン21,22は、上下2段に限るものではなく、上下3段以上の複数段としても良い。また、アソーティングにおいては、8人の作業者Pによる場合を示したが(図7参照)、作業者Pの数は、必要に応じ7人以下或いは9人以上でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の一実施例に係る個別配分方法による作業の流れを概略的に説明するブロック図である。
【図2】各搬送ライン別に自動生成された作業バッチナンバーを示す説明図である。
【図3】この発明に係る個別配分方法の具体的な例となる個配業務フローの説明図である。
【図4】図3の個配業務フローにおける入荷〜入荷搬送を示し、(a)は入荷作業の説明図、(b)はインダクションラインでの作業の説明図である。
【図5】図3の個配業務フローにおける格納・保管を示し、(a)は保管エリアの説明図、(b)はピッキングエリアの説明図である。
【図6】図3の個配業務フローにおけるピッキングを示す説明図である。
【図7】図3の個配業務フローにおけるアソーティングを示す説明図である。
【図8】図7のアソーティングラインの一部を拡大した説明図である。
【図9】図3の個配業務フローにおける積載〜出荷を示す説明図である。
【図10】従来の個別配分方法による作業の流れを概略的に説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0048】
10 配送車
11 インダクションライン
12 無線端末
13 保管エリア
14 ピッキングエリア
15 トートトレイ
16 ピッキング商品搬送ライン
17 空トートトレイ返送ライン
18 ラビッシュ搬送ライン
19 アソーティングエリア
20 アソーティング商品搬送ライン
21,22 アソーティングライン
21a,22a 上段のアソーティングライン
21b,22b 下段のアソーティングライン
23 分岐ライン
24 コンテナ
25 出荷搬送ライン
26 出荷エリア
27 ドーリー
28 出荷待機ライン
29 トランスファビーグル
30 出荷待機エリア
P 作業者
S 商品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品が収納された収納容器から商品を取り出して、複数の空の容器に個別に配分仕分けする個別配分方法において、
複数の空の容器が配置された上下複数段の仕分けラインの各段毎に、前記空の容器に商品を配分仕分けする処理と、
商品の配分仕分けが終了した段のみを搬送移動させて、配分仕分け済みの容器を次の工程へと送り出すと共に、前記配分仕分け済みの容器に代えて新たに複数の空の容器を配置する処理と
を有することを特徴とする個別配分方法。
【請求項2】
前記商品は、
作業バッチ内をシークェンシング(SEQing)グループ単位に分割し、そのグループを括ってトータルピッキングを行って前記収納容器に収納され、その後、複数の作業ゾーンの各々からダイレクトに前記仕分けラインに搬送されてくることを特徴とする請求項1に記載の個別配分方法。
【請求項3】
前記仕分けラインは上下2段に構成され、
先ず、下段で商品の配分仕分けを行い、配分仕分け終了後に下段を搬送移動させて、配分仕分け済み容器の送り出しと新たな空の容器の配置を行い、
次に、上段で商品の配分仕分けを行い、配分仕分け終了後に上段を搬送移動させて、配分仕分け済み容器の送り出しと新たな空の容器の配置を行い、
以後、下段での商品の配分仕分けと上段での商品の配分仕分けを繰り返すことを特徴とする請求項1または2に記載の個別配分方法。
【請求項4】
前記各段毎の商品の配分仕分けは、前記収納容器に商品がある限り仕分け終了後の段から次の段へ連続して行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の個別配分方法。
【請求項5】
複数の商品が収納された収納容器をアソーティングエリアへ搬送するアソーティング商品搬送ラインと、
前記アソーティング商品搬送ラインの両側に1列ずつそれぞれ上下複数段に形成されて各段に複数の空の容器が載置され、各段毎個別に載置した容器を次の工程へと搬送移動することができるアソーティングラインと、
前記アソーティング商品搬送ラインの搬送方向途中の複数箇所から分岐し、商品を前記収納容器から取り出して空の容器に配分仕分けを行う作業者の前に位置するように、前記アソーティングラインに前記収納容器を送り出す分岐ラインと
を有することを特徴とする個別配分装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−36407(P2006−36407A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215924(P2004−215924)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(503367941)株式会社VELOCITI ALLIANCE INTERNATIONAL (2)
【Fターム(参考)】