説明

側溝ユニット及びそれに使用するグレーチング蓋

【課題】 透水性のアスファルトが敷設された道路に浸透した雨水等をグレーチング蓋を介してコンクリート側溝に導くことで排水を向上すること。
【解決手段】 透水性のアスファルト50が敷設された道路に浸透した雨水を、グレーチング蓋130の通水路としての丸孔137及び逆U字孔138を通して、コンクリート側溝110内に効率良く排水することができる。また、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112に載置されたグレーチング蓋130は、その位置決め穴が両立ち上がり部112に設けられたボルトに挿入され、ナットにて固定されている。このため、コンクリート側溝110に対してグレーチング蓋130が位置ずれを生じることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、U字型側溝等の道路側溝とこれに載置されるコンクリート蓋及びグレーチング蓋を配設するU字型側溝等の側溝ユニット及びそれに使用するグレーチング蓋に関するもので、特に、透水性のアスファルトが敷設された道路に設置されたコンクリート側溝における排水能力を向上可能な側溝ユニット及びそれに使用するグレーチング蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、グレーチング蓋を備えた道路側溝として、図18乃至図20に示すような構成からなるものが知られている。ここで、図18はグレーチング蓋を備えた側溝ユニットの全体構成、図19は道路側溝の全体構成図、図20はグレーチング蓋の全体構成を示す斜視図である。また、図21は従来の側溝ユニットでグレーチング蓋やコンクリート蓋に隙間ができ、位置ずれが生じた状態を示す説明図、図22は従来の側溝ユニットに対して道路からの雨水の流れ込み状態を示す断面斜視図である。なお、図中、左右対称な部位には同一符号を付して示すと共に、同様の構成または相当部分からなるものについては同一符号を付し、その重複する説明を省略する。
図に示すように、側溝ユニット1は、ベースとなるコンクリート側溝10に対して、例えば、1個以上のコンクリート蓋20と1個以上のグレーチング蓋30とが載置されて構成されている。この側溝ユニット1の道路への設置では、まず、道路に沿ってコンクリート側溝10の外形形状よりやや大きめで深めの溝が掘られ基礎となるコンクリートが打たれた後、その上に、コンクリート側溝10が内底面11における水の流れ方向を設定し、かつ、両立ち上がり部12の端面同士が当接するように据え置かれ、その当接面がモルタル等で固められて各コンクリート側溝10が接続される。
【0003】
ここで、コンクリート側溝10の両立ち上がり部12の内壁側の上部には、両立ち上がり部12の上面より低い段差からなる脚受面14が形成されている。このコンクリート側溝10の両立ち上がり部12の脚受面14に対して、図18に示すように、ほぼ同じ幅に形成されたコンクリート蓋20及びグレーチング蓋30が載置される。
この状態で、コンクリート側溝10の両立ち上がり部12の上面13は、コンクリート蓋20の上面及びグレーチング蓋30の上面と略同一平面となる。そして、コンクリート側溝10の両立ち上がり部12の上面13と略同一平面以上となるように、道路にアスファルトが敷設される。つまり、通常、道路面には多少傾斜が設けられているが、この道路面に対してコンクリート側溝10の両立ち上がり部12の上面13、コンクリート蓋20及びグレーチング蓋30の上面が略同一となるように施設される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述の側溝ユニット1は、コンクリート側溝10に対して、コンクリート蓋20と共に同じ幅寸法からなるグレーチング蓋30を単に並べただけの構成であるため、例えば、長年の使用によってコンクリート蓋20の一部が欠けて隙間ができたり、割れたりして側溝内に落下したり、また、車両等の踏みつけにより一部が跳ね上がったり、また、図21に示すように、コンクリート蓋20相互やコンクリート蓋20とグレーチング蓋30との間に隙間ができ、位置ずれが生じて道路側溝とその脚受面14の繋ぎ部が盛り上がってシーソー状態となり騒音が発生してしまうという不具合があった。更に、上方からの大きな力がグレーチング蓋30にかかると、脚部材35を介して脚受面14のみに集中的にかかり、コンクリート側溝10の両立ち上がり部12の脚受面14またはコンクリート側溝10が損傷することも考えられる。
【0005】
更に、近年、道路の基礎コンクリート上に透水性のアスファルトが敷設されることが多くなってきている。これは、雨が降った際に道路の水はけがよく、透水性のアスファルト表面に雨水が溜まらないこと、夜間における車両の運転者の前方視認性が向上すること等の利点を有している。
しかしながら、前述のような側溝ユニット1が道路に設置されている場合には、図22に道路からの雨水の流れ込み状態を示すように、喩え、道路に透水性のアスファルト50が敷設されたとしても、一旦、透水性のアスファルト50内に浸透した雨水は、透水性のアスファルト50内に溜まったままとなり、この状態ではコンクリート側溝10内に流れ込むことはできない。つまり、透水性のアスファルト50内に浸透した雨水は、結局、透水性のアスファルト50表面まで達した後にコンクリート側溝10の立ち上がり部12の上面13を乗り越えてコンクリート側溝10内に流れ込むこととなる。このため、道路に透水性のアスファルト50を敷設したとしても降雨量が多く所定量を越えたときには透水性のアスファルト50表面に水が浮いた状態となって、その効果が半減していた。
【0006】
そこで、本発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、透水性のアスファルトが敷設された道路に浸透した雨水等をコンクリート側溝に効率良く導くことができ、また、コンクリート側溝に配置されるグレーチング蓋の位置ずれを防止すると共に、騒音の発生をなくすことができ、かつ、コンクリート側溝におけるグレーチング蓋の載置面の損傷によるグレーチング蓋の脱落を防止できる側溝ユニット及びそれに使用するグレーチング蓋の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の側溝ユニットは、立ち上がり部の厚み方向の内壁と外壁に段差を設けてコンクリート蓋の収容空間を形成してなるコンクリート蓋対応部と、前記立ち上がり部の内壁と外壁が同一平面とし、前記コンクリート蓋対応部の両外壁の高さとの間にグレーチング蓋の厚みに相当する段差を形成し、かつ、前記グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めを配設してなるグレーチング蓋対応部とを連続して一体化されてなるコンクリート側溝を具備する側溝ユニットにおいて、前記グレーチング蓋は、前記移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の連結方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋対応部内に流入する構造としたものである。
【0008】
上記発明を実施する場合の側溝ユニットとは、コンクリート側溝と1個以上のコンクリート蓋及び/または1個以上のグレーチング蓋とによって構成されるものである。
ここで、道路側溝等のコンクリート側溝のグレーチング蓋対応部の両立ち上がり部の上面がグレーチング蓋の高さ寸法に合わせて、コンクリート蓋対応部よりも低く形成された載置面は、グレーチング蓋を載置したときに、その上面がコンクリート蓋対応部のコンクリート蓋の上面、また、そのコンクリート蓋対応部の両立ち上がり部の外壁側の上面に一致させるものである。
また、コンクリート側溝の載置面に設けられたグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めは、コンクリート側溝に設けられた移動止めの位置及び径寸法に応じて設定されるもので、コンクリート側溝とグレーチング蓋との相対移動を堅固に規制するものであればよい。
【0009】
そして、前記コンクリート側溝の連結する長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が、前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋対応部内に流入する構造は、透水性のアスファルトが敷設されるときに、透水性のアスファルト粒塊が詰まることなく、その側面から内側に向かって水を通すことができる構造であればよい。また、前記グレーチング蓋に透水性のアスファルト粒塊が入り込むのを絶対的に禁止するものではなく、水を通すことができる構造であればよい。必要によっては、専用の複数の通水路を形成してもよい。このグレーチング蓋は、道路に降った雨水等が、その道路に敷設されている透水性のアスファルト内に浸透し、アスファルト内からコンクリート側溝側に流れてきたときに、グレーチング蓋を通ってコンクリート側溝内に入り込むためのものである。
【0010】
請求項2の側溝ユニットは、立ち上がり部の厚み方向の段差を設けてコンクリート蓋の収容空間を形成してなるコンクリート蓋対応部と、前記立ち上がり部が同一高さ平面とし、前記コンクリート蓋対応部の両外壁の高さとの間にグレーチング蓋の厚みに相当する段差を形成し、かつ、前記グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めを配設してなるグレーチング蓋対応部とを連続して一体化されてなるコンクリート側溝を具備する側溝ユニットにおいて、前記コンクリート蓋対応部及びグレーチング蓋対応部には、前記グレーチング蓋対応部のグレーチング蓋の厚みに相当する段差より下の位置に前記コンクリート蓋対応部及びグレーチング蓋対応部に連続して脚受面を形成し、前記グレーチング蓋には、前記移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋対応部内に流入する構造とし、かつ、下面に前記脚受面に当接する面形状を形成したものである。
【0011】
ここで、コンクリート側溝のグレーチング蓋対応部の両立ち上がり部の上面がグレーチング蓋の高さ寸法に合わせてコンクリート蓋対応部よりも低く形成された載置面は、グレーチング蓋を載置したときに、その上面をコンクリート側溝のコンクリート蓋対応部の両立ち上がり部の上面に一致させるものである。
また、コンクリート側溝に設けられたグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めは、単に、円柱状の突起部材であってもよいが、その先端が略円錐状に形成されていれば、グレーチング蓋の位置決め穴をその突起部材に挿入することが容易となる。このグレーチング蓋の位置決めは、コンクリート側溝に設けられている移動止めによって設定される。
【0012】
そして、前記コンクリート側溝の連結長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記コンクリート側溝のグレーチング蓋対応部内に流入する構造は、透水性のアスファルトの施工によっても、また、長年の使用によっても、その側面から安定して水を通すことができる形状が必要となる。前記グレーチング蓋に透水性のアスファルトが入り込むのを絶対的に禁止するものではなく、水を通すことができる構造であればよい。
更に、グレーチング蓋の下面に固設された脚部材が有する面形状としては、グレーチング蓋がコンクリート側溝に載置された際、コンクリート側溝の脚受面にグレーチング蓋の接触面が面状のどこかの複数箇所で当接する面形状であればよく、円筒を軸方向に略1/4分割した形状を含む曲面形状、一辺を底辺とした三角形から想定される斜面形状、四角形から想定される平面形状等の種々の面形状が採用できる。
【0013】
請求項3の側溝ユニットは、所定の立ち上がり部の高さで、コンクリート蓋の収容空間を形成してなるコンクリート蓋対応部と、前記コンクリート蓋対応部の立ち上がり部が略同一高さ平面とし、前記グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めを配設してなるグレーチング蓋対応部とを連続して一体化されてなるコンクリート側溝を具備する側溝ユニットにおいて、前記グレーチング蓋は前記移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋下部内に流入する構造としたものである。
ここで、コンクリート蓋対応部とグレーチング蓋対応部との立ち上がり部が同一高さで、かつ、グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めを配設してなるコンクリート側溝は、コンクリート側溝に移動止めを配設するだけで、その移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋下部内に流入排出するグレーチング蓋の構造であればよい。勿論、コンクリート蓋の移動もコンクリート蓋対応部の収容空間で移動を止めることができる構造であればよく、ここでは、コンクリート蓋対応部の構造を問うものではない。
また、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋対応部内に流入する構造は、透水性のアスファルトが敷設されるときに、透水性のアスファルトが詰まることなく、その側面から内側に向かって安定して水を通すことができる構成であればよい。前記グレーチング蓋に透水性のアスファルト粒塊が入り込むのを絶対的に禁止するものではなく、水を通すことができる構造であればよい。
【0014】
請求項4の側溝ユニットは、前記グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めが、ボルトに前記グレーチング蓋をナット締めするものであり、前記ボルトに対してナットが螺合されることで、前記グレーチング蓋が前記コンクリート側溝の載置面に固定されるものである。
ここで、コンクリート側溝に設けられたボルトがアンカーボルト等のような雄ねじであることから、グレーチング蓋が載置されるまでに塵や埃等の異物が付いても落とし易い。
そして、コンクリート側溝の載置面に設けられたグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めは、単に、円柱状の突起部材であってもよいが、その先端が略円錐状に形成されていれば、グレーチング蓋の位置決め穴をその移動止めに挿入することが容易となる。このグレーチング蓋の前記移動止めに移動を拘束される構成は、コンクリート側溝に設けられた移動止めの位置及び径寸法に応じて設定される。
【0015】
請求項5の側溝ユニットは、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋対応部内に流入する構造は、道路に敷設されるアスファルト粒塊が入り込まないように設定したものである。但し、前記グレーチング蓋に透水性のアスファルト粒塊が入り込むのを絶対的に禁止するものではなく、水を通すことができる構造であればよい。
【0016】
また、グレーチング蓋の通水路は、道路に敷設される透水性のアスファルト粒塊と比べたときの形状や寸法を適切に設定することが必要となる。この通水路の形状や寸法としては、透水性のアスファルト粒塊が入り込まない程度の大きさからなる逆U字孔、四角孔を含む形状が好ましい。また、通水路の他の形状としては、喩え、透水性のアスファルト粒塊が多少入り込んだり、詰まっていたりしたとしても、グレーチング蓋を持ち上げる際に、透水性のアスファルト側に無理な力が加わることのない、例えば、下方に向かって開状態となる逆U字スリット形状、逆V字形状等が挙げられる。これら通水孔の径や幅の具体的な寸法としては、余り小さいと塵や埃等の異物によって詰まり易いため、透水性のアスファルト粒塊やその流動性等を考慮して最大値としては略20〔mm〕以下程度を適用すると良いことが発明者によって確認された。
【0017】
請求項6の立ち上がり部の高さが同一平面で、かつ、コンクリート側溝との相対移動を拘束する移動止めを配設してなるグレーチング蓋は、前記移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋下部内に流入し、前記コンクリート側溝内に排出する構造としたものである。
ここで、両立ち上がり部が同一高さで、かつ、グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めを配設してなるコンクリート側溝は、従来のU字型側溝等のコンクリート側溝に移動止めを配設するだけで、その移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の連結長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋下部の前記コンクリート側溝内に流入するグレーチング蓋の構造とすることができる。
【0018】
また、道路側溝等のコンクリート側溝の両立ち上がり部の上面がグレーチング蓋の高さ寸法に合わせて低く形成された載置面であれば、グレーチング蓋を載置したときに、その上面がコンクリート蓋対応部のコンクリート蓋の上面、また、そのコンクリート側溝の両立ち上がり部の外側の上面に一致させるものであればよい。
そして、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋対応部内に流入排出する構造は、透水性のアスファルトが敷設されるときに、透水性のアスファルト粒塊が詰まることなく、その側面から内側に向かって安定して水を通すことができる構成であればよい。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の側溝ユニットは、グレーチング蓋が載置されたコンクリート側溝が、透水性のアスファルトが敷設された道路に設置されることで、透水性のアスファルト内に浸透した雨水等が、グレーチング蓋を通過して、グレーチング蓋の側面から内側に流入、即ち、グレーチング蓋を介してコンクリート側溝内に排水される。また、コンクリート側溝のグレーチング蓋対応部によれば、コンクリート側溝の両立ち上がり部の上面が低く形成された載置面に対して同じ寸法からなるグレーチング蓋が載置され、前記コンクリート側溝の両立ち上がり部の上面とコンクリート蓋及びグレーチング蓋の上面とが同一平面となるから、歩行または自転車で通過しても、安全性が確保できる。また、載置面にグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めが配設されているため、コンクリート側溝に対してグレーチング蓋が位置ずれを生じることがない。そして、グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めによって、グレーチング蓋が位置ずれの抑制力が働き、仮に、グレーチング蓋の上面から大きな力がかかったとしても、コンクリート側溝側はその全体の厚みで受け止めることができ、損傷することがない。
【0020】
請求項2の側溝ユニットによれば、グレーチング蓋が載置されたコンクリート側溝が、透水性のアスファルトが敷設された道路に設置されることで、透水性のアスファルトに浸透した雨水等が、コンクリート側溝の両立ち上がり部の外壁側の上面より低く設定されることとなるグレーチング蓋の側面の通水路を通って、グレーチング蓋の側面から内側に良好に流入、即ち、グレーチング蓋を介してコンクリート側溝内に効率良く排水される。
また、載置面にグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めが設けられており、このグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めによって、コンクリート側溝に対してグレーチング蓋の位置ずれが生じることがない。そして、コンクリート側溝のグレーチング蓋対応部にグレーチング蓋が載置され、コンクリート蓋対応部の両立ち上がり部の上面が同一平面となる構造であるため、歩行または自転車で通過しても、安全性が確保できる。更に、載置面にグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めが配設されているため、コンクリート側溝に対してグレーチング蓋が位置ずれを生じることがない。仮に、グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めによって、グレーチング蓋が位置ずれの抑制力が働き、グレーチング蓋の上面から大きな力がかかったとしても、コンクリート側溝側はその全体の厚みで受け止めることができ、かつ、損傷することがない。そして、グレーチング蓋の下面に固設された脚部材が、コンクリート側溝の両立ち上がり部の内壁側で載置面より低い位置に形成された脚受面にほぼ添った面形状を含んで形成されており、その脚部材が脚受面に載置されると、コンクリート側溝とグレーチング蓋とが安定した固着状態が維持できる。
【0021】
請求項3の側溝ユニットは、所定の立ち上がり部の高さで、コンクリート蓋の収容空間を形成してなるコンクリート蓋対応部と、前記コンクリート蓋対応部の立ち上がり部が略同一高さ平面とし、前記グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めを配設してなるグレーチング蓋対応部とを連続して一体化されてなるコンクリート側溝を具備する側溝ユニットにおいて、前記グレーチング蓋は、前記移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋下部内に流入排出することができる。また、前記グレーチング蓋は、コンクリート側溝に移動止めを配設するだけで、その移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋下部内に流入することができる。
また、道路側溝等のコンクリート側溝の両立ち上がり部の上面の一部がグレーチング蓋の高さ寸法に合わせて低く形成された載置面であれば、グレーチング蓋を載置したときに、その上面がコンクリート蓋対応部のコンクリート蓋の上面、また、そのコンクリート側溝の両外立ち上がり部の上面に一致させることができ、歩行または自転車で通過しても、安全性が確保できる。
更に、載置面にグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めが配設されているため、コンクリート側溝に対してグレーチング蓋が位置ずれを生じることがない。仮に、グレーチング蓋の上面から大きな力がかかったとしても、グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めによって、グレーチング蓋が位置ずれの抑制力が働き、コンクリート側溝側はその全体の厚みで受け止めることができ、損傷することがない。
【0022】
請求項4の側溝ユニットの前記グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めは、グレーチング蓋対応部に配設されたボルトに前記グレーチング蓋をナット締めするものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つの効果に加えて、前記ボルトに対してナットが螺合されるものであるから、グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めとしてのボルト、ナットは、堅固にグレーチング蓋の移動を拘束するから、コンクリート側溝の開口側を堅固に一体化し、グレーチング蓋とコンクリート側溝との相対移動が拘束され、コンクリート側溝の開口側を広げる方向の力に対抗する構造となるから、グレーチング蓋の上面から大きな力が加わったとしても、コンクリート側溝側はその立ち上がり部の全体の厚みで受け止めることができ、コンクリート側溝の開口側を広げる方向の外力を発生させないから、コンクリート側溝に亀裂が入ったり損傷したりすることがない。
また、グレーチング蓋が載置されるまでに塵や埃等の異物が付いても落とし易く、取り付けが簡単である。また、堅固にグレーチング蓋の移動を拘束するから、浮き上がりもなくなることで、がたつき音の発生も防止されるという効果が得られる。
【0023】
請求項5の側溝ユニットの前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋対応部内に流入する構造は、道路に敷設されるアスファルト粒塊が入り込んで取り外しが困難になったり、目詰まりすることのない形状及び寸法に設定したものであるから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、透水性のアスファルトが邪魔をして通水路から雨水等をコンクリート側溝内へ通過させる効果が薄れたり、また、施工後にグレーチング蓋をコンクリート側溝から取り外すとしても、透水性のアスファルトを損傷させることがないため、グレーチング蓋を元に戻すことが容易であり、通水孔から雨水等をコンクリート側溝内へ通過させる効果を維持することができる。
【0024】
請求項6の立ち上がり部の高さが同一平面で、かつ、コンクリート側溝との相対移動を拘束する移動止めを配設してなるコンクリート側溝に取り付けるグレーチング蓋は、前記移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋下部内に流入し、前記コンクリート側溝内に排出する構造としたものである。
したがって、前記コンクリート側溝の連結方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋対応部内に流入する構造は、透水性のアスファルトが敷設されるときに、透水性のアスファルト粒塊が詰まることなく、その側面から内側に向かって安定して水を通すことができる。また、載置面にグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めが設けられており、このグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めによって、コンクリート側溝に対してグレーチング蓋の位置ずれが生じることがない。そして、載置面にグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めが配設されているため、コンクリート側溝に対してグレーチング蓋が位置ずれを生じることがない。グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めによって、グレーチング蓋に位置ずれの抑制力が働き、グレーチング蓋の上面から大きな力が加わったとしても、コンクリート側溝側はその全体の厚みで受け止めることができ、損傷することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、以下の図中、実施の形態において、左右対称な部位には同一符号を付して示すと共に、実施の形態2以降の共通する構成または相当部分からなるものについては同一符号を付し、その重複する説明を省略する。
[実施の形態1]
【0026】
図1は本発明の実施の形態1にかかる側溝ユニットの全体構成を示す斜視図である。また、図2は図1のコンクリート側溝の全体構成を示す斜視図、図3は図1のグレーチング蓋の全体構成を示す斜視図である。そして、図4は図1の側溝ユニットのコンクリート側溝に対応するグレーチング蓋及びコンクリート蓋を示す分解斜視図である。更に、図5は図1の側溝ユニットを上方から見た平面図である。
図に示すように、本実施の形態の側溝ユニット100は、コンクリート側溝110に対して、例えば、1以上、例えば、本実施の形態では3つのコンクリート蓋120と、1以上、例えば、本実施の形態では1つのグレーチング蓋130とが載置されて構成されている。即ち、本発明の実施の形態の側溝ユニット100は、コンクリート側溝110及び1以上のコンクリート蓋120と1以上のグレーチング蓋130とによって構成される。
本発明を実施する場合の側溝ユニット100は、コンクリート側溝110と、1以上のコンクリート蓋120または1以上のグレーチング蓋130とによって構成される。
【0027】
この側溝ユニット100の道路への設置については、従来の施工と同様、まず、道路に沿ってコンクリート側溝110の外形形状よりやや大きめで深めの溝が掘られ、基礎となるコンクリートが打たれた後、その上に、コンクリート側溝110が水の流れ方向を一致させ、かつ、両立ち上がり部112の端面同士が当接するように連続して配設され、その当接面がモルタル等で固められて各コンクリート側溝110が接続される。
ここで、図2に示すように、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上部開口の内壁面には、その両立ち上がり部112に所定の半径からなる凹曲面を有する脚受面114がコンクリート側溝110の長さ方向に形成されている。また、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113に隣接して、図2の手前部分には、グレーチング蓋130の高さ寸法に合わせた載置面115が形成されている。即ち、脚受面114は、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113より低く形成された載置面115より、更に、低い位置に形成されている。両立ち上がり部112の載置面115には、各2箇所にボルト116が埋設されている。なお、この載置面115のボルト116に対応させ、後述するように、グレーチング蓋130に4箇所に位置決め穴134が穿設されている。このボルト116はグレーチング蓋130を拘束し、コンクリート蓋120の移動を防止する移動止めとして作用するものである。
【0028】
ここで、両立ち上がり部112の厚み方向に段差を設けてコンクリート蓋120の収容空間を形成し、コンクリート蓋対応部110Aを構成している。また、両立ち上がり部112の厚み方向が略同一高さ平面とし、コンクリート蓋対応部110Aの両立ち上がり部112の高さとの間にグレーチング蓋130の厚みに相当する段差を形成し、かつ、グレーチング蓋130の移動を拘束するボルト116からなる移動止めを配設し、グレーチング蓋対応部110Bを構成している。コンクリート蓋対応部110Aとグレーチング蓋対応部110Bは、一体化され、コンクリート側溝110を構成している。
【0029】
そこで、図4に示すように、グレーチング蓋対応部110Bの載置面115のボルト116に対して、グレーチング蓋130の位置決め穴134が嵌め込まれることにより、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の載置面115にグレーチング蓋130が載置され、同時に、脚受面114に対してコンクリート側溝110の連結方向に形成され、溶接されたグレーチング蓋130の脚部材135が載置される。そして、図4及び図5に示すように、グレーチング蓋130をコンクリート側溝110の載置面115に固定してがたつきを防止するため、載置面115のボルト116に対してナット119が螺合される。この状態で、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113は、グレーチング蓋130の上面と、コンクリート蓋120の上面とは略同一平面となる。
【0030】
そして、コンクリート蓋対応部110Aには、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の内壁面の上部に形成された脚受面114に対して、図4に示すように、ほぼ同じ幅で、所定の曲率からなる凹曲面にほぼ添うように、下面の両端縁が凸曲面に形成された3つのコンクリート蓋120が載置される。この状態で、コンクリート蓋対応部110Aのコンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113は、コンクリート蓋120の上面と同一平面となる。この後、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113と同一平面またはそれ以上の高さとなるように、道路に対して、前述した透水性のアスファルト50が敷設される。これにより、道路面に設けられた多少の傾斜を除けば、道路面に対してコンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113、コンクリート蓋120及びグレーチング蓋130の上面が略同一となるように設置されることとなる。
【0031】
次に、本実施の形態におけるグレーチング蓋130の構成について、上記図1乃至図5及び図6を参照して詳細に説明する。
図6は本実施の形態における側溝ユニットに使用するグレーチング蓋の詳細を示す構成図である。ここで、図6(a)はグレーチング蓋を上方から見た平面図、図6(b)はコンクリート側溝に固定されるグレーチング蓋を道路側から見た側面図である。
コンクリート側溝110の脚受面114(図2及び図4等参照)に対応して、グレーチング蓋130の下面には脚部材135が固設されている。また、コンクリート側溝110の載置面115に設けられたボルト116(図2及び図4等参照)に対応して、グレーチング蓋130の下面には位置決め穴134が穿設されたプレート133が4箇所に固設されている。
【0032】
そして、グレーチング蓋130の枠体131の通水孔付き鉄板136において、コンクリート側溝110の連結方向に対し、その直角方向には、その内側に向かって水が通過自在となるように、所定の配列からなる丸孔137及び下側に逆U字形スリット形状で所定の配列からなる逆U字孔138が、通水路として設けられている。この丸孔137の直径、逆U字孔138のスリット幅径は、水が通過自在であり、道路に敷設される透水性のアスファルト50のアスファルト粒塊が入り込んだり、詰まったりすることのない寸法として、例えば、略5〜15〔mm〕程度に穿設されている。なお、通水孔の他の形状としては、喩え、透水性のアスファルト50が多少入り込んだり、詰まっていたりしたとしても、グレーチング蓋130を持ち上げる際に、透水性のアスファルト50側に無理な力のかかることのない、グレーチング蓋130の枠体131の通水孔付き鉄板136の下方に向かって開状態となる逆V字形状、逆U字形状等を適用することができる。
なお、グレーチング蓋130の枠体131は、2面の通水孔付き鉄板136と、2枚の通水孔付き鉄板136に対する直角方向の2枚の板材によって構成される。
【0033】
次に、道路に透水性のアスファルト50の敷設状況について、本実施の形態の側溝ユニット100が道路に設置されている場合を示す図7と、従来の側溝ユニット1が道路に設置されている場合を示す図22とを比較して説明する。ここで、図7は図1の側溝ユニットに対して道路からの雨水の流れ込み状態を示す一部断面斜視図である。また、本願発明の実施の形態の説明のために示した図22は、従来の側溝ユニットに対して道路からの雨水の流れ込み状態を示す一部断面斜視図である。
【0034】
図22において、前述したように、道路面上に降った雨は、一旦、透水性のアスファルト50内に浸透する。しかしながら、透水性のアスファルト50内に浸透した雨水は、打設コンクリート層50Aに阻まれ、透水性のアスファルト50内を側溝ユニット1側に移動したとしても、そのままコンクリート側溝10内に流れ込むことができないため、透水性のアスファルト50表面まで達して溢れた後、コンクリート側溝10の立ち上がり部12の上面13を乗り越えてコンクリート側溝10内に流れ込むことになる。
これに対して、図7の実施の形態においては、道路面上に降った雨は、透水性のアスファルト50内に浸透し、下部の打設コンクリート層50Aに浸透を阻まれ、透水性のアスファルト50内を側溝ユニット100側に移動する。すると、側溝ユニット100のコンクリート側溝110の両立ち上がり部112の載置面115に固定されているグレーチング蓋130の枠体131の通水孔付き鉄板136に穿設されている丸孔137及び逆U字孔138を通って、側面から内側に向かって雨水が通過し、コンクリート側溝110の内底面111にまで流れ込む。これにより、道路に側溝ユニット100を設置し、透水性のアスファルト50を敷設した場合には、大量の雨が降った際にも水はけがよく、透水性のアスファルト50表面に水が浮いた状態とはならず、特に、夜間における車両の運転者の前方視認性が向上する。
【0035】
このように、本実施の形態の側溝ユニット100は、コンクリート側溝110に対してコンクリート蓋120とグレーチング蓋130とを載置して構成したものであって、コンクリート側溝110のグレーチング蓋対応部110Bは、両立ち上がり部112の載置面115に対して同じ幅寸法からなるグレーチング蓋130が載置されたとき、コンクリート蓋対応部110Aの両立ち上がり部112の上面113とが同一平面となる。載置面115に設けられたボルト116と、両立ち上がり部112の内壁側で、その上面113に平行な方向で載置面115より低い位置に形成された脚受面114とを具備し、グレーチング蓋130は、コンクリート側溝110のボルト116に対応して穿設された位置決め穴134と、コンクリート側溝110の長さ方向に対して直角方向にグレーチング蓋130の外部の水がグレーチング蓋130を通過してグレーチング蓋対応部110B内に流入する構造と、グレーチング蓋130の下面に固設され、コンクリート側溝110に載置された際、その両立ち上がり部112の脚受面114にほぼ添って当接する面形状を有して形成された脚部材135を具備するものである。
【0036】
即ち、グレーチング蓋130が載置されたコンクリート側溝110が、透水性のアスファルト50が敷設された道路に設置されることで、透水性のアスファルト50内に浸透した雨水等を、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113より低く設定されることとなるグレーチング蓋130の枠体131の通水孔付き鉄板136に穿設された丸孔137及び逆U字孔138を通って、グレーチング蓋130の通水孔付き鉄板136の側面から内側に良好に流入、即ち、グレーチング蓋130の枠体131の通水孔付き鉄板136を介してコンクリート側溝110内に効率良く排水することができる。
また、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113よりも低く形成された載置面115に、この両立ち上がり部112の厚み方向に対して同じ幅寸法からなるグレーチング蓋130が載置され、両立ち上がり部112の上面113とグレーチング蓋130の上面とコンクリート蓋120が略同一平面となる構造であるため、歩行または自転車で通過しても、安全性が確保できる。
そして、載置面115にボルト116が設けられており、このボルト116にグレーチング蓋130に穿設された位置決め穴134が挿入されているため、コンクリート側溝110に対してグレーチング蓋130が位置ずれを生じることがない。そして、ボルト116にグレーチング蓋130が固着されているので、コンクリート側溝110を拡張する方向の耐力が強くなり、グレーチング蓋130の上面から大きな力がかかったとしても、コンクリート側溝110はその力を両立ち上がり部112の載置面115及び脚受面114の全面にて受けることで力が分散され、コンクリート側溝110は損傷し難くなり、当然、グレーチング蓋130の脱落を防止することもできる。
【0037】
また、本実施の形態の側溝ユニット100におけるコンクリート側溝110の突起部材としては、ねじ部を有するボルト116であり、グレーチング蓋130の位置決め穴134が挿入された後、ボルト116に対してナット119が螺合されることで、グレーチング蓋130がコンクリート側溝110の載置面115に固定されるものである。
これにより、コンクリート側溝110に対するグレーチング蓋130は位置ずれのみならず、がたつきも完全に防止されることとなる。この場合、グレーチング蓋130の枠体131は、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の載置面115にて支えられ、同時に、グレーチング蓋130の脚部材135は、コンクリート側溝110の脚受面114にて支えられることとなるため、縦方向の荷重に対して十分な強度を有しており、かつ、ボルト116にグレーチング蓋130が固着されているので、コンクリート側溝110を拡張する方向の耐力がグレーチング蓋130によって強くなる。即ち、グレーチング蓋130は、位置決め穴134を介してコンクリート側溝110のボルト116に固着されているので、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112が外側に開くような外力に対しても強度を増すことができ、結果、コンクリート側溝110のひび割れ防止に有効である。
【0038】
そして、本実施の形態の側溝ユニット100におけるグレーチング蓋130の通水路としての丸孔137及び逆U字孔138は、グレーチング蓋130がコンクリート側溝110と共に道路設置された後、道路に敷設される透水性のアスファルト50が入り込んで詰まることのない形状及び寸法に設定されるものである。
つまり、側溝ユニット100が道路に設置された後に、透水性のアスファルト50が道路に敷設されることとなるが、この際に、透水性のアスファルト50が入り込んだり、詰まったりすることのないように、グレーチング蓋130の丸孔137及び逆U字孔138が所定の形状及び所定の寸法に設定される。これにより、道路への透水性のアスファルト50の敷設後において、側溝ユニット100のコンクリート側溝110内の清掃等のためグレーチング蓋130を取り外したりしたとしても、グレーチング蓋130の枠体131の通水孔付き鉄板136に隣接する透水性のアスファルト50の一部を持ち上げて損傷させたりすることがなくなる。そして、清掃等の後、グレーチング蓋130を側溝ユニット100のコンクリート側溝110の元の位置に何ら問題なく戻すことができる。
また、本実施の形態の側溝ユニット100におけるグレーチング蓋130の通水路としての丸孔137及び逆U字孔138は、グレーチング蓋130の枠体131の通水孔付き鉄板136に形成したものであるが、本発明を実施する場合には、必ずしも枠体131または通水孔付き鉄板136を必要とするものではなく、グレーチング蓋130の端部が、コンクリート側溝110と共に道路設置された後、道路に敷設される透水性のアスファルト50が入り込んだり、詰まったりすることのない形状及び寸法に設定されるものであればよい。
【0039】
次に、上述の実施の形態における側溝ユニットのコンクリート側溝の脚受面の変形例について、図8及び図9を参照して説明する。
図8は本発明の実施の形態1にかかる側溝ユニットのコンクリート側溝の脚受面の第1の変形例とそれに対応するグレーチング蓋及びコンクリート蓋を示す分解斜視図、図9は本発明の実施の形態1にかかる側溝ユニットのコンクリート側溝の脚受面の第2の変形例とそれに対応するグレーチング蓋及びコンクリート蓋を示す分解斜視図である。
なお、本実施の形態の側溝ユニット100では、上述したように、コンクリート側溝110の脚受面114が、所定の曲率からなる凹曲面にて形成され、コンクリート蓋対応部110Aには、脚受面114の凹曲面にほぼ添って当接する凸曲面が形成されたコンクリート蓋120が載置されて構成されている。この場合、上記脚受面114に対応するコンクリート蓋120の下面の両端縁は凸曲面に形成されている。また、コンクリート側溝110のグレーチング蓋対応部110Bには、脚受面114の凹曲面にほぼ添って当接する凸曲面が形成されたグレーチング蓋130の脚部材135が載置されて構成されている。この場合、上記脚受面114に対応するコンクリート蓋120の下面の両端縁は凸曲面に形成されている。
【0040】
これに対して、図8に第1の変形例を示すように、コンクリート側溝110の脚受面114aが所定の角度を有する傾斜面からなる構造とすることもできる。この場合のコンクリート蓋対応部110Aは、がたつきによる音の発生を抑制するため、上記脚受面114aに対応した下面の両端縁が所定の角度を有する傾斜面からなるコンクリート蓋120aが採用される。また、グレーチング蓋対応部110Bは、上記脚受面114aに対応して、下面が所定の角度を有する傾斜面からなる脚部材135aが固設されたグレーチング蓋130aが採用される。このとき、コンクリート側溝110のボルト116に対してナット119が螺合されることで、グレーチング蓋130aがコンクリート側溝110の載置面115に固定され、がたつきによる音の発生を抑制できる。
また、図9に第2の変形例を示すように、コンクリート側溝110の脚受面114bが平面からなる構造であってもよい。この場合には、グレーチング蓋対応部110Bは、上記脚受面114bに対応して、下面が平面からなる脚部材135bが固設されたグレーチング蓋130bが採用され、同様に、コンクリート蓋対応部110Aでは、上記脚受面114bに対応して、下面の両端縁が平面からなるコンクリート蓋120bが採用される。
【0041】
[実施の形態2]
図10は本発明の実施の形態2にかかる側溝ユニットの全体構成で、グレーチング蓋を取り外した状態を示す分解斜視図である。
図10に示すように、本実施の形態における側溝ユニット200では、グレーチング蓋230及びコンクリート側溝110の構成以外は上記実施の形態1における側溝ユニット100と同様である。即ち、本実施の形態の側溝ユニット200では、上記実施の形態1におけるグレーチング蓋130から脚部材をなくしたグレーチング蓋230が、コンクリート側溝110に対して載置されている。このグレーチング蓋230の下面には、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の載置面115に設けられたボルト116に対応して、図6に示す位置決め穴134と同様、4箇所に固定されたプレートに位置決め穴が穿設されている。
【0042】
そこで、グレーチング蓋230の位置決め穴がコンクリート側溝110のボルト116に挿入された後、このボルト116に対してナット119が螺合されることにより、コンクリート側溝110にグレーチング蓋230が完全に固定され、がたつきが防止される。この場合、グレーチング蓋230は、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の載置面115のみで支えられることとなるから、この載置面115は両立ち上がり部112の鉛直上に位置しているから、縦方向の荷重に対して十分な強度を有している。また、グレーチング蓋230は、位置決め穴を介してコンクリート側溝110のボルト116に挿入され、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112が左右外側に開くような荷重が加わらないから、機械的強度を増すことができ、ひび割れ防止に有効である。
【0043】
ここで、本実施の形態におけるグレーチング蓋230の特徴的な構成については、上述の実施の形態1のグレーチング蓋130における脚部材135を取り外したものと同じであるため、その詳細な説明を省略する。
このように、本実施の形態の側溝ユニット200は、コンクリート側溝110に対してコンクリート蓋120とグレーチング蓋230とを載置して構成したものであって、立ち上がり部112の厚み方向に段差を設けてコンクリート蓋120の収容空間を形成してなるコンクリート蓋対応部110Aと、立ち上がり部112が略同一高さ平面とし、コンクリート蓋対応部110Aの立ち上がり部112の高さとの間にグレーチング蓋230の厚みに相当する段差を形成し、かつ、グレーチング蓋230の移動を拘束する移動止めとしてのボルト116を配設してなるグレーチング蓋対応部110Bとを連続して一体化されてなるコンクリート側溝110を具備する側溝ユニット200において、グレーチング蓋230は、移動止めに移動を拘束され、コンクリート側溝110の長さ方向に対して直角方向にグレーチング蓋230の外部の水がグレーチング蓋230を通過してグレーチング蓋対応部110B内に流入排出する構造とし、グレーチング蓋230は、コンクリート側溝110のボルト116に対応して穿設された位置決め穴と、グレーチング蓋230の長さ方向の側面から内側に向かって水が通過自在となるように、枠体131の通水孔付き鉄板136に形成された通水路としての通水口の丸孔137及び逆U字孔138とを具備するものである。
【0044】
したがって、グレーチング蓋230が載置されたコンクリート側溝110が、透水性のアスファルト50が敷設された道路に設置されることで、透水性のアスファルト50内に浸透した雨水等を、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113より低く設定されることとなるグレーチング蓋230の枠体131の通水孔付き鉄板136に穿設された丸孔137及び逆U字孔138を通って、グレーチング蓋230の枠体131の通水孔付き鉄板136から内側に良好に流入、即ち、グレーチング蓋230の枠体131を介してコンクリート側溝110内に効率良く排水することができる。また、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113が低く形成されたグレーチング蓋対応部110Bの載置面115にグレーチング蓋230が載置され、両立ち上がり部112の上面113と通水孔付き鉄板136を含む枠体131の上面とが略同一平面となり、歩行または自転車で通過しても、安全性が確保できる。また、載置面115にボルト116が設けられており、このボルト116にグレーチング蓋230に穿設された位置決め穴が挿入されているため、コンクリート側溝110に対してグレーチング蓋230が位置ずれを生じることがない。そして、仮に、グレーチング蓋230の移動を拘束する移動止めによって、グレーチング蓋230によって位置ずれの抑制力が働き、グレーチング蓋230の上面から大きな力がかかったとしても、コンクリート側溝110はその力を両立ち上がり部112の載置面115の全面にて受けることで損傷し難くなり、また、グレーチング蓋230の脱落を防止することができる。
【0045】
また、本実施の形態の側溝ユニット200におけるコンクリート側溝110のグレーチング蓋230の移動を拘束する移動止めとしては、ボルト116を使用し、グレーチング蓋230の位置決め穴が挿入された後、ボルト116に対してナット119が螺合されることで、グレーチング蓋230がコンクリート側溝110の載置面115に固定されるものである。これにより、コンクリート側溝110に対するグレーチング蓋230は位置ずれのみならず、がたつきも完全に防止される。
【0046】
[実施の形態3]
図11は本発明の実施の形態3にかかる側溝ユニットの全体構成を示す斜視図である。また、図12は図11のコンクリート側溝の全体構成を示す斜視図である。
図11及び図12に示すように、本実施の形態における側溝ユニット300では、コンクリート側溝110の連結方向に対して垂直な方向の断面形状が、上記実施の形態1における側溝ユニット100のコンクリート側溝110の連結方向に対して垂直な方向の断面形状と異なるのみである。具体的には、上記実施の形態1における側溝ユニット100では、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の外壁側が、下方に対して上方で幅方向に広がった構造であり、本実施の形態における側溝ユニット300では、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の外壁側が、下方から上方まで平面的で幅方向に変化しない構造である。
そこで、本実施の形態における側溝ユニット300には、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の内壁側の上方で、対向して突出するように形成された部位の上面に対して脚受面114が形成されている。そして、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の載置面115及び脚受面114に対して、上記実施の形態1と同様のグレーチング蓋130が載置されることとなる。
【0047】
このように、本実施の形態のグレーチング蓋を備えたコンクリート側溝としての側溝ユニット300は、立ち上がり部112の厚み方向に段差を設けてコンクリート蓋120の収容空間を形成してなるコンクリート蓋対応部110Aと、立ち上がり部112が略同一高さ平面とし、コンクリート蓋対応部110Aの立ち上がり部112の高さとの間にグレーチング蓋130の厚みに相当する段差を形成し、かつ、グレーチング蓋130の移動を拘束する移動止めとしてのボルト116を配設してなるグレーチング蓋対応部110Bとを連続して一体化されてなるコンクリート側溝110を具備する側溝ユニットにおいて、
コンクリート蓋対応部110A及びグレーチング蓋対応部110Bには、グレーチング蓋対応部110Bのグレーチング蓋130の厚みに相当する段差より下の位置にコンクリート蓋対応部110A及びグレーチング蓋対応部110Bに連続して脚受面114を形成し、グレーチング蓋130には、移動止めに移動を拘束され、コンクリート側溝110の長さ方向に対して直角方向にグレーチング蓋130の外部の水がグレーチング蓋130を通過してグレーチング蓋対応部110B内に流入する構造とし、かつ、下面に脚受面114に当接する面形状を形成した脚部材135を有するものである。
【0048】
そして、グレーチング蓋130は、コンクリート側溝110のボルト116に対応して穿設された位置決め穴134と、枠体131の通水孔付き鉄板136から内側に向かって水が通過自在となるように、枠体131の通水孔付き鉄板136に穿設された通水路としての丸孔137及び逆U字孔138と、枠体131の通水孔付き鉄板136の下面に固設され、コンクリート側溝110に載置された際、その両立ち上がり部112の脚受面114にほぼ添って当接する面形状を有して形成された脚部材135とを具備するものである。
本実施の形態におけるグレーチング蓋230については、上述の実施の形態1または実施の形態2と同じであるため、その詳細な説明を省略する。
なお、上記実施の形態1で、側溝ユニットのコンクリート側溝の脚受面の変形例とそれに対応するグレーチング蓋及びコンクリート蓋として、図8及び図9で述べたような構成については、本実施の形態においても、同様に採用することができ、同様の作用効果が得られるため、詳細な図面及び説明を省略する。
【0049】
[実施の形態4]
図13は本発明の実施の形態4にかかる側溝ユニットの全体構成で、グレーチング蓋を取り外した状態を示す分解斜視図である。
本実施の形態における側溝ユニット400では、グレーチング蓋230の構成以外は上記実施の形態3における側溝ユニット300と同様であり、このグレーチング蓋230は上記実施の形態2で説明したように、上記実施の形態1におけるグレーチング蓋130から脚部材135をなくしたものと同様である。即ち、本実施の形態の側溝ユニット400では、脚部材をなくしたグレーチング蓋230が、上記実施の形態3と同様のコンクリート側溝110に対して載置されている。このグレーチング蓋230には、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の載置面115に設けられているボルト116に対応して、図6に示す位置決め穴134と同様、4箇所に固定されたプレートに位置決め穴(図示略)が穿設されている。
【0050】
そこで、グレーチング蓋230の位置決め穴がコンクリート側溝110のボルト116に挿入された後、このボルト116に対してナット119が螺合されることにより、コンクリート側溝110にグレーチング蓋230が完全に固定され、がたつきが防止される。この場合、グレーチング蓋230は、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の載置面115のみで支えられることとなるが、この載置面115は両立ち上がり部112の鉛直上に位置していることから、縦方向の荷重に対して十分な強度を有している。また、グレーチング蓋230は、位置決め穴を介してコンクリート側溝110のボルト116に挿入されていることで、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112が左右外側に開くような荷重に対してもグレーチング蓋230の固着によって強度を増すことができ、ひび割れ防止に有効である。
【0051】
また、本実施の形態の側溝ユニット400が道路に設置された後に、道路に透水性のアスファルト50が敷設された状況についても、上述の実施の形態3の側溝ユニット300と同様、多量の雨が降った際にも水はけがよく、透水性のアスファルト50表面に水が浮いた状態とはならず、特に、夜間における車両の運転者の前方視認性が向上する。
【0052】
このように、本実施の形態の立ち上がり部112の厚み方向に段差を設けてコンクリート蓋120の収容空間を形成してなるコンクリート蓋対応部110Aと、立ち上がり部112が略同一高さとし、コンクリート蓋対応部110Aの立ち上がり部112の高さとの間にグレーチング蓋230の厚みに相当する段差を形成し、かつ、グレーチング蓋230の移動を拘束する移動止めとしてのボルト116を配設してなるグレーチング蓋対応部110Bとを連続して一体化されてなるコンクリート側溝110を具備する側溝ユニット400において、グレーチング蓋230は、移動止めとしてのボルト116に移動を拘束され、コンクリート側溝110の長さ方向に対して直角方向にグレーチング蓋230の外部の水がグレーチング蓋230を通過してグレーチング蓋対応部110B内に流入する構造としたものである。
【0053】
また、側溝ユニット400は、コンクリート側溝110に対してコンクリート蓋120とグレーチング蓋230とを載置して構成したものであって、コンクリート側溝110のグレーチング蓋対応部110Bには、コンクリート蓋対応部110Bの両立ち上がり部112の上部開口の外壁間の幅寸法に対して同じ幅寸法からなり、グレーチング蓋230が載置されたとき、両立ち上がり部112の上面113と通水孔付き鉄板136を含む枠体131の上面とが略同一平面となり、かつ、両立ち上がり部112の上面113の一部がグレーチング蓋230の高さ寸法に合わせて低く形成された載置面115と、載置面115に設けられたグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めとしてのボルト116とを具備し、グレーチング蓋230は、コンクリート側溝110のボルト116に対応して穿設された位置決め穴(図示略)と、グレーチング蓋230の側面から内側に向かって水が通過自在となるように、枠体131の通水孔付き鉄板136に穿設された通水孔としての丸孔137及び逆U字孔138とを具備するものである。
【0054】
そして、本実施の形態の側溝ユニット400におけるコンクリート側溝110のグレーチング蓋の移動を拘束する移動止めは、ボルト116であり、グレーチング蓋230の位置決め穴(図示略)が挿入された後、ボルト116に対してナット119が螺合されることで、グレーチング蓋230がコンクリート側溝110の載置面115に固定されるものであるから、コンクリート側溝110に対するグレーチング蓋230は位置ずれのみならず、がたつきも完全に防止されることとなる。
【0055】
[実施の形態5]
図14は本発明の実施の形態5にかかるグレーチング蓋をコンクリート側溝に使用した全体構成で、グレーチング蓋を取り外した状態を示す分解斜視図である。
本実施の形態の側溝ユニット500では、上述したように、コンクリート側溝110の脚受面114が、所定の曲率からなる凹曲面にて形成され、コンクリート蓋対応部110Aには、コンクリート蓋120Aが一体に形成されている。この場合、上記コンクリート蓋120Aの下面の両端縁は両立ち上がり部112と一体化されている。
また、コンクリート側溝110のグレーチング蓋対応部110Bには、脚受面114の凹曲面にほぼ添って当接する凸曲面が形成されたグレーチング蓋130の脚部材135が載置されるように構成されている。このとき、コンクリート側溝110のボルト116に対してナット119が螺合されることで、グレーチング蓋230がコンクリート側溝110の載置面115に固定され、がたつきによる音の発生を抑制できる。
この場合、上記脚受面114に対応するコンクリート蓋120Aの下面の両端縁は、強度を増すようにその面を厚く形成している。
【0056】
この場合、グレーチング蓋230は、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の脚受面114及び載置面115で支えられ、かつ、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の最上面で堅固に一体化されて支えられ、この載置面115は両立ち上がり部112の鉛直上に位置しているから、縦方向の荷重に対して十分な強度を有している。また、グレーチング蓋230は、位置決め穴を介してコンクリート側溝110のボルト116に挿入され、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112が左右外側に開くような荷重が加わらないから、機械的強度を増すことができ、ひび割れ防止に有効である。
【0057】
このように、本実施の形態の立ち上がり部112の高さが同一平面で、かつ、コンクリート側溝110との相対移動を拘束する移動止めとしてのボルト116を配設してなるコンクリート側溝110に取り付けるグレーチング蓋230において、グレーチング蓋230は、移動止めとしてのボルト116に移動を拘束され、コンクリート側溝110の長さ方向に対して直角方向にグレーチング蓋230の外部の水がグレーチング蓋230を通過して下部のコンクリート側溝110内に流入する構造としたものである。
【0058】
したがって、グレーチング蓋230が載置されたコンクリート側溝110が、透水性のアスファルト50が敷設された道路に設置されることで、透水性のアスファルト50内に浸透した雨水等を、コンクリート側溝110のグレーチング蓋130の側面である通水孔付き鉄板136から内側に流入し、コンクリート側溝110内に排水することができる。また、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の最上面が載置面115となり、
グレーチング蓋230が載置され、従来からの道路側溝の上面とグレーチング蓋230の上面とコンクリート蓋120Aの上面が略同一平面となり、歩行または自転車で通過しても、安全性が確保できる。また、載置面115にボルト116が設けられており、このボルト116にグレーチング蓋230に穿設された位置決め穴が挿入されているため、コンクリート側溝110に対してグレーチング蓋230が位置ずれを生じることがない。そして、仮に、グレーチング蓋230の上面から大きな力がかかったとしても、コンクリート側溝110側はその全体の厚みで受け止めることができ、かつ、グレーチング蓋230の移動を拘束する移動止めによって、グレーチング蓋230によって位置ずれの抑制力が働き、グレーチング蓋130の上面から大きな力がかかったとしても、コンクリート側溝110はその力を両立ち上がり部112の全面にて受けることで損傷し難くなり、また、グレーチング蓋130の脱落を防止することができる。特に、本実施の形態では、コンクリート蓋120A及びグレーチング蓋230が両立ち上がり部112を開口する方向の外力を加えないから、破壊に強いコンクリート側溝110となる。
【0059】
[実施の形態6]
図15は本発明の実施の形態6にかかるグレーチング蓋をコンクリート側溝に使用した全体構成で、グレーチング蓋を取り外した状態を示す分解斜視図である。
本実施の形態のグレーチング蓋130は、上記実施の形態で説明した脚部材135よりも高い脚部材を有している。そして、グレーチング蓋130が、コンクリート側溝110に対して載置されている。このグレーチング蓋130の脚部材135の下面には、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の脚受面114(載置面115)に設けられたボルト116に対応して、図6に示す位置決め穴134と同様、脚部材135の4箇所に固定されたプレートに位置決め穴(図示略)が穿設されている。
【0060】
そこで、グレーチング蓋130の位置決め穴がコンクリート側溝110のボルト116に挿入された後、このボルト116に対してナット119が螺合されることにより、コンクリート側溝110にグレーチング蓋130が固定されてがたつきが防止される。この場合、グレーチング蓋130は、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の脚受面114及び載置面115で支えられ、かつ、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の最上面でも支えられることとなるから、この載置面115及び両立ち上がり部112の最上面は両立ち上がり部112の鉛直上に位置しているから、縦方向の荷重に対して十分な強度を有している。また、グレーチング蓋130は、位置決め穴を介してコンクリート側溝110のボルト116に挿入され、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112が左右外側に開くような荷重が加わらないから、機械的強度を増すことができ、ひび割れ防止に有効である。
【0061】
このように、本実施の形態の立ち上がり部112の高さが同一平面で、かつ、コンクリート側溝110との相対移動を拘束する移動止めとしてのボルト116を配設してなるコンクリート側溝110に取り付けるグレーチング蓋130において、グレーチング蓋130は、移動止めとしてのボルト116に移動を拘束され、コンクリート側溝110の長さ方向に対して直角方向にグレーチング蓋130の外部の水がグレーチング蓋130を通過してグレーチング蓋130下部のコンクリート側溝110内に流入する構造としたものである。
【0062】
したがって、グレーチング蓋130が載置されたコンクリート側溝110が、透水性のアスファルト50が敷設された道路に設置されることで、透水性のアスファルト50内に浸透した雨水等を、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の上面113より低く設定されることとなるグレーチング蓋130の側面である通水孔付き鉄板136から内側に流入し、コンクリート側溝110内に排水することができる。また、コンクリート側溝110の両立ち上がり部112の最上面が低く形成されたグレーチング蓋対応部110Bの脚受面114兼用載置面115にグレーチング蓋230が載置され、従来からの道路側溝の上面とグレーチング蓋130の上面とが略同一平面となり、歩行または自転車で通過しても、安全性が確保できる。また、載置面115にボルト116が設けられており、このボルト116にグレーチング蓋130に穿設された位置決め穴が挿入されているため、コンクリート側溝110に対してグレーチング蓋130が位置ずれを生じることがない。そして、仮に、グレーチング蓋130の上面から大きな力がかかったとしても、コンクリート側溝110側はその全体の厚みで受け止めることができ、かつ、グレーチング蓋130の移動を拘束する移動止めによって、グレーチング蓋130によって位置ずれの抑制力が働き、グレーチング蓋130の上面から大きな力がかかったとしても、コンクリート側溝110はその力を両立ち上がり部112の全面にて受けることで損傷し難くなり、また、グレーチング蓋130の脱落を防止することができる。
【0063】
図16は本発明の各実施の形態で使用するグレーチング蓋に設ける通水路となる通水口の説明図である。
グレーチング蓋130の枠体131の通水孔付き鉄板136からなる板材に対して、図16(a)は丸61及び逆U字形状62を形成したものである。特に、下部位置にある逆U字形状62は透水性のアスファルト50が入り込んでも、垂直方向に持ち上げるとき、容易に持ち上げができる。また、図16(b)は長丸63及び一辺を水平とした三角形状64を形成したものである。特に、下部位置にある三角形状64は透水性のアスファルト50が入り込んでも、垂直方向に持ち上げるとき、容易に持ち上げができる。図16(c)は鉛筆形シルエット65を形成したものである。特に、鉛筆形シルエット65は透水性のアスファルト50が入り込んでも、垂直方向に持ち上げるとき、容易に持ち上げができる。図16(d)はグレーチング蓋130の桟部材の端辺を折曲して形成したもので、折曲部66は、水路口を形成するために切り欠き67を有している。この場合も、切り欠き67に透水性のアスファルト50が入り込んでも、垂直方向に持ち上げるとき、容易に持ち上げができる。図16(e)は長辺を底辺とした四角台形68を形成したものである。特に、四角台形68は透水性のアスファルト50が入り込んでも、垂直方向に持ち上げるとき、容易に持ち上げができる。なお、このように示した通水口61〜68を通過した水は、グレーチング蓋130,230の桟の隙間からコンクリート側溝110内に流入することとなる。
このように、本発明の実施の形態で使用するグレーチング蓋130,230に設ける通水路は、グレーチング蓋130,230に設置した通水孔付き鉄板136の各通水口61〜68を通して外部の水がグレーチング蓋130,230を通過してコンクリート側溝110内に流入する構造であればよい。
【0064】
図17は本発明の各実施の形態で使用するグレーチング蓋に設ける移動止めの説明図である。
上記実施の形態では、図17(a)に示すように、グレーチング蓋130,230の位置決め穴がコンクリート側溝110のボルト116に挿入された後、ボルト116に対してナット119が螺合されることにより、コンクリート側溝110にグレーチング蓋130,230が固定される事例で説明した。しかし、本発明を実施する場合には、コンクリート側溝110の両外壁面に併設される移動止め材130Aによって、グレーチング蓋130,230移動を拘束することができる。
また、図17(b)に示すように、コンクリート側溝110にボルト取付部材416を配設し、ボルト頭部をその挿入口416aに挿入し、その挿入されたボルト416cに対してナット119が螺合されることにより、コンクリート側溝110にグレーチング蓋130,230が固定され、グレーチング蓋130,230移動を拘束することができる。このように、本発明を実施する場合のグレーチング蓋130,230の移動止めは、コンクリート側溝110とグレーチング蓋130,230とが相対的に移動しないようにする構造であればよい。
【0065】
なお、グレーチング蓋130の枠体131は、2面の通水孔付き鉄板136と、その2枚の通水孔付き鉄板136に対する直角方向の2枚の板材によって構成されているが、本発明を実施する場合には、必ずしも、枠体131を構成する必要性はない。図16(d)のように、グレーチング蓋130の端部を切曲することによって構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は本発明の実施の形態1にかかる側溝ユニットの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図2は図1のコンクリート側溝の構成を示す斜視図である。
【図3】図3は図1のグレーチング蓋の構成を示す斜視図である。
【図4】図4は図1の側溝ユニットのコンクリート側溝に対応するグレーチング蓋及びコンクリート蓋を示す分解斜視図である。
【図5】図5は図1の側溝ユニットを上方から見た上面図である。
【図6】図6は図1のグレーチング蓋の詳細を示す構成図である。
【図7】図7は図1の側溝ユニットに対して道路からの雨水の流れ込み状態を示す一部断面斜視図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態1にかかる側溝ユニットのコンクリート側溝の脚受面の第1の変形例とそれに対応するグレーチング蓋及びコンクリート蓋を示す分解斜視図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態1にかかる側溝ユニットのコンクリート側溝の脚受面の第2の変形例とそれに対応するグレーチング蓋及びコンクリート蓋を示す分解斜視図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態2にかかる側溝ユニットの全体構成を示す分解斜視図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態3にかかる側溝ユニットの全体構成を示す斜視図である。
【図12】図12は図11のコンクリート側溝の構成を示す斜視図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態4にかかる側溝ユニットの全体構成を示す分解斜視図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態5にかかる側溝ユニットの全体構成を示す分解斜視図である。
【図15】図15は本発明の実施の形態6にかかるグレーチング蓋をコンクリート側溝に使用した全体構成で、グレーチング蓋を取り外した状態を示す分解斜視図である。
【図16】図16は本発明の各実施の形態で使用するグレーチング蓋に設ける通水路となる通水口の説明図である。
【図17】図17は本発明の各実施の形態で使用するグレーチング蓋に設ける移動止めの説明図である。
【図18】図18は従来の側溝ユニットの全体構成を示す斜視図である。
【図19】図19は従来のコンクリート側溝を示す斜視図である。
【図20】図20は従来のグレーチング蓋を示す斜視図である。
【図21】図21は従来の側溝ユニットでグレーチング蓋やコンクリート蓋に隙間ができ、位置ずれが生じた状態を示す説明図である。
【図22】図22は従来の側溝ユニットに対して道路からの雨水の流れ込み状態を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
50 透水性のアスファルト
100,200,300,400,500 側溝ユニット
110 コンクリート側溝
112 立ち上がり部
113 上面
114,114a,114b 脚受面
115 載置面
116 ボルト
119 ナット
120,120a,120b コンクリート蓋
130,130a,130b,230 グレーチング蓋
135,135a,135b 脚部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立ち上がり部の厚み方向に段差を設けてコンクリート蓋の収容空間を形成してなるコンクリート蓋対応部と、前記立ち上がり部が略同一平面とし、前記コンクリート蓋対応部の立ち上がり部の高さとの間にグレーチング蓋の厚みに相当する段差を形成し、かつ、前記グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めを配設してなるグレーチング蓋対応部とを連続して一体化されてなるコンクリート側溝を具備する側溝ユニットにおいて、
前記グレーチング蓋は、前記移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋対応部内に流入する構造としたことを特徴とする側溝ユニット。
【請求項2】
立ち上がり部の厚み方向に段差を設けてコンクリート蓋の収容空間を形成してなるコンクリート蓋対応部と、前記立ち上がり部が略同一平面とし、前記コンクリート蓋対応部の立ち上がり部の高さとの間にグレーチング蓋の厚みに相当する段差を形成し、かつ、前記グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めを配設してなるグレーチング蓋対応部とを連続して一体化されてなるコンクリート側溝を具備する側溝ユニットにおいて、
前記コンクリート蓋対応部及びグレーチング蓋対応部には、前記グレーチング蓋対応部のグレーチング蓋の厚みに相当する段差より下の位置に前記コンクリート蓋対応部及びグレーチング蓋対応部に連続して脚受面を形成し、
前記グレーチング蓋には、前記移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋対応部内に流入する構造とし、かつ、下面に前記脚受面に当接する面形状を形成した脚部材を有することを特徴とする側溝ユニット。
【請求項3】
所定の立ち上がり部の高さで、コンクリート蓋の収容空間を形成してなるコンクリート蓋対応部と、前記コンクリート蓋対応部の立ち上がり部が略同一高さ平面とし、前記グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めを配設してなるグレーチング蓋対応部とを連続して一体化されてなるコンクリート側溝を具備する側溝ユニットにおいて、
前記グレーチング蓋は、前記移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋下部のコンクリート側溝内に流入する構造としたことを特徴とする側溝ユニット。
【請求項4】
前記グレーチング蓋の移動を拘束する移動止めは、コンクリート側溝側に配設されたボルトに前記グレーチング蓋をナット締めすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の側溝ユニット。
【請求項5】
前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して、前記グレーチング蓋下部のコンクリート側溝内に流入する構造は、道路に敷設されるアスファルト粒塊が殆ど入り込むことのない形状及び寸法としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の側溝ユニット。
【請求項6】
立ち上がり部の高さが同一平面で、かつ、コンクリート側溝との相対移動を拘束する移動止めを配設してなるコンクリート側溝に取り付けるグレーチング蓋において、
前記グレーチング蓋は、前記移動止めに移動を拘束され、前記コンクリート側溝の長さ方向に対して直角方向に前記グレーチング蓋の外部の水が前記グレーチング蓋を通過して前記グレーチング蓋下部のコンクリート側溝内に流入する構造としたことを特徴とするグレーチング蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−92315(P2007−92315A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280208(P2005−280208)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(399094844)有限会社リタッグ (3)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】