説明

備長炭または竹炭を用いた治療具、靴の中敷き、履物、枕ならびにベッド。

【課題】 備長炭または竹炭を用いた治療具を提供することを目的する。また、備長炭または竹炭を用いた靴の中敷き、履物、枕およびベッドを提供することを目的とする。
【解決手段】 所定形状に整形した備長炭の整形片10を、片面に粘着面11aを有する貼付材11の当該粘着面11a側に固定して形成される貼付式治療具1である。この構成によれば、貼付式治療具1を極めて小さく製することができ、患部に貼付しても違和感がなく、長期間貼付して継続治療することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血行促進などの治療を行う備長炭または竹炭を用いた治療具、ならびに、備長炭または竹炭を用いた靴の中敷き、履物、枕およびベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、血行を促進させてコリや痛みを取り除く治療具が普及している。
例えば、磁気治療具のように、磁石で生じる磁気によって血行を促進させ、筋肉のコリをほぐすと共に自律神経のバランスを回復させる治療具がある。
特許文献1には、このような磁気治療具が開示されている。
【0003】
また、チタンを用いた治療具のように、イオン化傾向の強いチタンによって体内の神経組織の微弱電流(生体電流)の流れを改善し、これによって血行を促進させて、関節や筋肉の運動機能を高めストレス解消を行う治療具もある。
特許文献2には、このようなチタンを用いた健康具が開示されている。
【0004】
ところで、このような磁気やチタンに加えて、近時、備長炭や竹炭の効能が注目されている。
備長炭は、木炭の一種であり高温下において原木を窯で蒸し焼きにして製される。また、竹炭は乾燥させた原竹材を燻蒸精製して製される。
備長炭や竹炭の表面には小さい孔が無数にあいており、この無数の孔によって脱臭効果を発現する。また、備長炭や竹炭はミネラルを豊富に含むので、水道水に入れることでカルキ臭が取り除かれ、ミネラルが溶け出しておいしいミネラル水を製することができる。
【0005】
また、備長炭や竹炭は均一に炭化されているために導電性が極めて高く、人体に有害な電磁波を遮蔽する性質を備えている。従って、コンピュータなどのOA機器から輻射される有害電磁波を吸収する研究も進められている。
【0006】
ところで、備長炭や竹炭は、前記した高吸着性や高導電性、ミネラル含有率が高い性質に加えて、マイナスイオンを発生する性質や遠赤外線を輻射する性質を有することが既に明らかになっている。
【特許文献1】特開2000−342698号公報
【特許文献2】特開2003−052837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、備長炭や竹炭の有する優れた性質、則ち、前記したマイナスイオンの発生や遠赤外線の輻射が科学的に解明されてから歴史が浅く、これらの性質を有効に利用した治療具や寝具などの開発が待たれていた。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みて提案されるもので、備長炭や竹炭の有する優れた性質を有効に利用した治療具を提供することを目的としている。また、同時に提案される本発明は、備長炭や竹炭を用いた靴の中敷き、履物、枕およびベッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために提案される請求項1に記載の発明は、所定形状に整形した備長炭または竹炭の整形片を、片面に粘着面を有する貼付材の当該粘着面側に固定して形成される貼付式治療具である。
【0010】
備長炭は原木を窯で蒸し焼きにして製される木炭である。則ち、備長炭は、最終焼き上げ温度を1000℃以上にして原木を窯で蒸し焼きにし、赤熱した原木を少しずつ取り出して、灰と土を水で練った消し粉をかけつつ冷却して製される木炭である。そのため、備長炭は白っぽく仕上がり、最終焼き上げ温度の低い黒炭に対して白炭と呼ばれる。備長炭は非常に硬く、表面に黒粉が付着することもない。
【0011】
また、竹炭は長期間乾燥させた原竹材を窯で徐々に昇温させつつ燻蒸して炭化させ、使用目的に応じて最終焼き上げ温度を1400℃程度まで上昇させ、この後、徐々に冷却させて製される炭である。
【0012】
このようにして製された備長炭や竹炭は炭素の塊であり、炭素にはマイナス電子(マイナスイオン)が多量に含まれる。従って、備長炭や竹炭は、周囲のものにマイナスイオンを供給する性質を有する。
【0013】
ここで、身体に吸収される酸素には、電子が不足した活性酸素と呼ばれるプラスイオンが存在する。活性酸素(プラスイオン)は身体を酸性に傾け、身体にとって様々な害を与える。則ち、活性酸素は、身体を酸化させることにより、シミの発生や老化を招く。また、活性酸素はがんをはじめとする病気の原因とも言われている。
【0014】
活性酸素量を低減させるには、不足する電子を補えば良い。マイナスイオンは電子を余分に保有するので、活性酸素にマイナスイオンを供給して中和させることにより、活性酸素の増加による弊害を阻止することが可能である。
また、マイナスイオンを供給することにより、副交換神経を刺激して気分を鎮静させる働きがある。
【0015】
また、身体を形成する細胞膜は、外側がマイナス、内側がプラスに帯電している。
この細胞にマイナスイオンを供給すると、細胞膜の内外に微少電流が流れ、内側から外側へ老廃物が排出されると共に、外側から内側へ栄養分が吸収されて新陳代謝が活発になる効果を奏する。
【0016】
備長炭や竹炭は、前記したマイナスイオンを発生する性質に加えて、遠赤外線を輻射する性質を有する。則ち、備長炭や竹炭は温度上昇に伴って遠赤外線を輻射することが実証されている。遠赤外線は、赤外線よりも波長の長い電磁波(非可視光線)であり、照射対象物を加熱する性質を有する。
【0017】
更に、備長炭や竹炭は、打撲や捻挫による痛み、あるいは、蚊などの虫さされによる痒みを素早く取り除く性質を有する。
【0018】
本発明の貼付式治療具によれば、貼付材の粘着面を患部に貼付することにより、当該患部に備長炭または竹炭の整形片が圧接される。従って、発生するマイナスイオンにより、活性酸素の増加による弊害が阻止され、副交換神経が刺激されて気分が鎮静化されると共に新陳代謝が活発になる効果を奏する。また、体温によって備長炭または竹炭が昇温し、輻射される遠赤外線が患部に照射されて当該患部が温められる。これにより、温熱効果によって副交感神経が刺激されて血行が促進される。
【0019】
則ち、本発明の貼付式治療具によれば、備長炭や竹炭の有するマイナスイオン効果および温熱効果の相乗効果によって効果的に血行促進治療を行うことができ、こりや痛みを取り除くことができると共に、打撲や捻挫による痛みや虫さされによる痒みを素早く鎮静させることが可能となる。
【0020】
特に、備長炭や竹炭によるマイナスイオンの発生や遠赤外線の輻射は、時間の経過に拘わらず半永久的に持続する。則ち、備長炭や竹炭によるマイナスイオンの発生や遠赤外線を輻射する性質は、煮沸することによりその能力が回復する。従って、本発明の貼付式治療具は使い捨てではなく、特定の期間使用した後は煮沸することで再び初期の効果を発現させることができ、経済的である。
【0021】
本発明において、備長炭や竹炭の整形片は、患部に刺激を与えないような適宜の形状に整形するのが良い。例えば、整形片は、円板形(高さの低い円柱形)の一端面の周縁を全周に渡って面取りした形状とすることができる。この形状によれば、円板形の他端面を貼付材に強固に固定できるうえに、面取りを施した一端面が患部に当接するので、患部への刺激が少ない。
【0022】
また、整形片を円柱形に近い多角柱形状とすることもできる。例えば、整形片を高さの低い8角柱形状あるいはそれ以上の多角柱形状とすることもできる。整形片にこのような形状を採用し、一端面の周縁を面取りすることにより、前記円板形と同様に患部への刺激を低減することができる。
また、整形片を半球形とし、平面部を貼付材に固定する構成とすることもできる。この構成によれば、半球部が患部に当接するので患部への刺激が低減する。
【0023】
請求項2に記載の発明は、通気性および柔軟性を有する袋体の内部に備長炭または竹炭の粉砕粒を収納して形成される当接式治療具である。
【0024】
本発明の当接式治療具によれば、こりや痛みを伴う肩や手足あるいは関節などの患部に当接させることにより、前記貼付式治療具と同様に、備長炭または竹炭から発生するマイナスイオンにより、活性酸素の増加による弊害が阻止されると共に、副交換神経が刺激されて気分が鎮静化され新陳代謝が活発になる効果を奏する。また、袋体に収納された備長炭または竹炭から輻射される遠赤外線が患部に照射され、温熱効果によって副交感神経が刺激される。則ち、これらマイナスイオン効果および温熱効果の相乗効果によって血行が促進されてこりや痛みを取り除くことが可能となる。
【0025】
また、本発明の当接式治療具によれば、前記貼付式治療具に比べて、袋体に大量の備長炭や竹炭を収納することができ、マイナスイオンの供給量や遠赤外線の輻射量が増大する。従って、患部に短時間当接させるだけで治療効果を奏することが可能である。
【0026】
本発明において、袋体に固定ベルトを設けた構成を採ることができる。この構成によれば、当該固定ベルトによって当接式治療具を患部に固定することができ、使い勝手が向上する。また、当接式治療具とは別の固定ベルトを用意し、当接式治療具を患部に押し当てるように固定ベルトで固定する構成を採ることも可能である。
【0027】
請求項3に記載の発明は、棒形状の備長炭または竹炭の先端部を所定形状に整形して押圧部を形成した押圧式治療具である。
【0028】
本発明の押圧式治療具によれば、備長炭または竹炭の棒形状の一部を手で握り、押圧部を肩や手足などのツボに当てて押圧することにより、ツボを刺激して治療を行うことができる。
また、ツボを刺激すると同時に、備長炭または竹炭から発生するマイナスイオンによって活性酸素の増加を抑え、副交換神経を刺激して気分を鎮静化させると共に新陳代謝が活発になる。更に、備長炭または竹炭から輻射される遠赤外線がツボの近傍に照射されて当該ツボが温められる。
【0029】
これにより、ツボの刺激効果に加えて、マイナスイオン効果および温熱効果の相乗効果により、血行が促進されてこりや痛みを取り除くことが可能となる。
【0030】
本発明において、備長炭を手で握る部位は、備長炭をそのまま露出させても良く、握り易くするための把持部を設ける構成としても良い。
把持部は、例えば、備長炭の周囲に紐を巻き付けて固定する構成や、シート材を備長炭の周囲に巻き付けて固定する構成を採ることが可能である。
【0031】
請求項4に記載の発明は、所定形状に整形した複数の備長炭または竹炭の整形片を、その集合体が一対の足裏形状となるように互いに所定間隔をあけて基台に配列して形成される足踏み式治療具である。
【0032】
本発明によれば、足踏み式治療具を足で踏むことにより、各々の整形片が足裏の壺を刺激してツボマッサージ効果を奏する。また、備長炭または竹炭から発生するマイナスイオンによって活性酸素の増加を抑え、副交換神経を刺激して気分を鎮静化させると共に新陳代謝が活発になる。更に、備長炭または竹炭から輻射される遠赤外線がツボの近傍に照射されて当該ツボが温められる。
【0033】
これにより、足裏のツボの刺激効果に加えて、マイナスイオン発生効果および温熱効果の相乗効果により、体全体の血行が促進されてこりや痛みを取り除くことが可能となる。
【0034】
本発明において、備長炭または竹炭の整形片は適宜の形状とすることができるが、例えば、前記貼付式治療具の整形片と同様に、円板形(高さの低い円柱形)の一端面の周縁を全周に渡って面取りした形状を採ることができる。この形状によれば、円板形の他端面を基台に強固に固定でき、しかも、面取りを施した一端面が足裏に当接するので、足裏への刺激を低減しつつツボの刺激効果を奏することができる。
また、整形片を、円柱形に近い多角柱形状や半球形とすることも可能である。
【0035】
また、本発明において、足裏の凹凸に合わせて高低の高さの整形片を配列することができる。例えば、足裏の土踏まずに位置する整形片は高くし、他の部位はそれよりも低くすることにより、足踏み式治療具を踏んだときに、体重を全整形片に略均等に分散させることができる。これにより、足裏の全体に対して均等にツボ押圧効果を発現させることができる。
【0036】
請求項5に記載の発明は、所定形状に整形した複数の備長炭または竹炭の整形片を、一対の靴の中敷き材の一面に互いに所定間隔をあけて配列して形成される靴の中敷きである。
【0037】
備長炭や竹炭は、前記したマイナスイオンを発生する性質や遠赤外線を輻射する性質に加えて、調湿性、吸着性、浄化性を備えている。
備長炭や竹炭を電子顕微鏡で観察すると、数ミクロン(μm)から数百ミクロン(μm)の極めて小さな孔が無数に形成されていることが分かる。この孔は空気や水が通り易く、湿度が高い時は水分を吸収し、逆に、乾燥している時には水分を放出する調湿性を発現する。
【0038】
また、この多数の孔の表面積は、備長炭1グラム当たりで略300平方メートルにも達し、竹炭は備長炭の略2倍にも達する。これにより、空気中の臭いの元となる成分、則ち、タバコやペット、トイレの臭いをはじめ、住居材や家具材から発せられるシックハウス症候群の原因となる有毒ガス(ホルムアルデヒド)やホルマリン、アンモニア等を吸収する優れた吸着性を備えている。
更に、炭に付着する有用微生物が、吸着した不純物を分解して無害化する浄化性をも備えている。
【0039】
本発明によれば、靴の中に、複数の整形片を配列した靴の中敷きが装着されるので、歩行中に整形片によって足裏のツボを刺激することができ、前記足踏み式治療具と同様の効果を奏する。
また、備長炭や竹炭の調湿性によって足が蒸れることが抑制されるうえに、足が蒸れた場合でも、吸着性によって悪臭が吸着され、更に浄化性によって浄化されるので、靴の内部を常に清潔に保つことができ衛生的である。
【0040】
請求項6に記載の発明は、所定形状に整形した複数の備長炭または竹炭の整形片を、足裏が当接する部位に互いに所定間隔をあけて配列して形成される履物である。
【0041】
ここに本発明で言う履物とは、靴、スリッパ、下駄、突っ掛け、草履などを含む全ての履物を指す。
本発明によれば、足裏が当接する履物の部位に直接整形片を配列することにより、前記請求項5に記載した靴の中敷きを装着した靴を履く場合と同様の効果を奏することが可能となる。
【0042】
請求項7に記載の発明は、通気性および柔軟性を有する内袋体の内部に備長炭または竹炭の粉砕粒を収納し、当該内袋体を通気性および柔軟性を有する外袋体で覆って形成される枕である。
【0043】
本発明の枕によれば、前記した備長炭や竹炭の有する性質によって優れた効果を奏する。
則ち、本発明の枕によれば、前記した備長炭や竹炭の有する調湿性、吸着性および浄化性によって汗の水分や臭いを吸収することができる。また、前記した備長炭から輻射されるマイナスイオンにより、気分が鎮静化され新陳代謝を活性化させることができ、更に、遠赤外線を輻射する性質により、血行が促進され、手足の先まで身体全体を温めることができる。従って、これらの相乗効果により安眠することが可能となる。
また、粒状に砕いた備長炭を内袋体に収納するので、頭が枕に沈み込むことがなく、しかも、備長炭の粒状の感触が首筋を刺激してマッサージ効果をも奏する。
【0044】
また、本発明によれば、備長炭を収納した内袋体を更に外袋体で覆うので、仮に、備長炭の微粉末が内袋体から洩れ出した場合でも、外部に飛散することが防止される。
本発明において、外袋体を開閉自在な構造とすれば、内袋体を取り出して外袋体だけを洗濯することができ、清潔である。
【0045】
請求項8に記載の発明は、マットレスを支承する床板の下部に通気性を有する収納室を形成し、当該収納室に備長炭または竹炭を収納したベッドである。
【0046】
本発明によれば、収納室に大量の備長炭または竹炭が収納される。これにより、備長炭または竹炭の有する調湿性、吸着性、浄化性により、室内の湿度が適正に維持されると共に、脱臭され空気が浄化される。特に、前記したように、体臭やタバコ、トイレ、ペットの臭いを脱臭することができ、更に、住居材や家具材から発せられるシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドやホルマリン、アンモニア等が吸着されて室内を爽やかな状態に維持することができる。
【0047】
また、備長炭または竹炭から発生するマイナスイオンにより、気分が鎮静化され新陳代謝を活性化させることが可能となる。更に、備長炭または竹炭から輻射される遠赤外線により、副交感神経が刺激されて血行が促進され、温熱効果によって身体をリラックスさせる効果を奏する。これらの相乗効果により、安眠することができる。
【0048】
ここで、家電製品やコンピュータ、携帯電話などの電気機器から輻射される電磁波は人体に悪影響を与える。則ち、人体が電磁波に晒されると体内の水分温度が上昇して病気を誘発する要因となる。
【0049】
備長炭や竹炭は均一に炭化されているため、導線性が高く電磁波の吸収効果が大きい。従って、本発明のベッドを用いることにより、空間を飛び交う電磁波が吸収されて人体への悪影響を低減させることが可能となる。
【0050】
また、備長炭や竹炭の有するマイナスイオンの発生および遠赤外線の輻射、電磁波の吸収性は時間の経過に拘わらず半永久的に持続する。従って、本発明のベッドを用いることにより、これらの効果を長期間に渡って継続することが可能である。
【0051】
本発明において、収納室の通気性は、床板によって確保することも可能である。
例えば、床板を簀の子状のものとし、当該床板をベッドの下部に形成された収納室に被せることにより、収納室の通気性を維持しつつマットレスを支承する構成とすることができる。
また、ベッドの下部に通気性を有する収納室を別に形成することも可能である。
【発明の効果】
【0052】
請求項1に記載の発明によれば、患部に直接貼るだけでこりや痛みを取り除くことができ、違和感なく手軽に利用することのできる貼付式治療具を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、患部に短時間当接させるだけでこりや痛みを取り除くことができる当接式治療具を提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、ツボの刺激効果と温熱効果の相乗効果により、こりや痛みを効果的に取り除くことのできる押圧式治療具を提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、足裏のツボの刺激効果と温熱効果の相乗効果により、こりや痛みを効果的に取り除くことのできる足踏み式治療具を提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、靴に挿入するだけで足踏み式治療具の効果を奏すると共に、靴の中を清潔に維持することのできる靴の中敷きを提供できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の靴の中敷きを装着した靴と同様の効果を奏する履物を提供できる。
請求項7に記載の備長炭を用いた枕によれば、汗の臭いや水分が吸収されると共に血行が促進されて身体全体が温められ、気分が鎮静化され新陳代謝が活性化される。これにより、安眠することが可能となる。
請求項8に記載の備長炭を用いたベッドによれば、湿度が適正に維持されると共に空気が浄化され、血行が促進されると共に気分が鎮静化され新陳代謝を活性化させることができ、安眠することができる。また、有害電磁波を吸収することにより、人体への悪影響を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る備長炭を用いた貼付式治療具1を示す斜視図、図2は、図1に示す貼付式治療具1の製造手順を示す斜視図、図3は図1に示す貼付式治療具1の変形例を示す斜視図である。
【0054】
貼付式治療具1は、備長炭の整形片10を円形の貼付材11の中央部に固定して形成される。
整形片10は、高さの低い円板形(円柱形)であり、上端面10aの周縁は全周に渡って面取り加工が施されている。本実施形態では、整形片10は、備長炭の破砕片を研削加工により整形して製している。
【0055】
貼付材11は、円形の布材の一方の面に粘着剤12を塗布して粘着面11aを形成したものである。
貼付式治療具1は、整形片10の下端面を、貼付材11の粘着面11aの中央部に貼付固定して形成される。
【0056】
本実施形態の貼付式治療具1は、図2に示す工程によって製される。
まず、図2(a)の様に、貼付材11を剥離紙13に貼付する。
剥離紙13は、長方形状であり、整形片10の外径と略等しい円形の切り込み14が4カ所設けられている。また、各々の切り込み14には、当該切り込み14から剥離紙13の外縁に至る直線状の切り込み15が設けられている。
貼付材11を剥離紙13に貼付する際は、貼付材11の中央部を切り込み14の中央部に位置させ、貼付材11の粘着面11aを剥離紙13の下面側に貼付する。
【0057】
次いで、貼付材11の貼付された剥離紙13に整形片10を貼付する。
この工程では、まず、図2(b)の様に、切り込み14で囲まれる部位の剥離紙13aを切り込み14に沿って円形に剥がし、貼付材11の粘着面11aを露出させる。そして、露出した粘着面11aに、整形片10の下端面10bを圧接して固定する。
以上の手順により、図2(c)に示すように、剥離紙13に4つの貼付式治療具1が配列されて製造が完了する。
製された貼付式治療具1は、適宜の包装紙に収納して製品として供せられる。
尚、本実施形態では、一枚の剥離紙13に4個の貼付式治療具1を配列しているが、剥離紙13のサイズに応じて、一枚の剥離紙13に適宜の数の貼付式治療具1を配列することが可能である。
【0058】
貼付式治療具1を使用する際は、剥離紙13から必要な数の貼付式治療具1を取り外す。
則ち、図2(c)の様に、切り込み15に沿って剥離紙13を切断しつつ貼付材11の粘着面11aから剥離紙13の一部を剥がす。そして、露出した貼付材11の粘着面11aの端部に手を宛がって、整形片10の固定された貼付材11を剥離紙13から剥がして貼付式治療具1を取り外す。
【0059】
次いで、剥離紙13から取り外した貼付式治療具1(図1参照)を、整形片10が患部に当接するように宛がい、貼付材11の周部を押圧して粘着面11aを肌に固定する。これにより、貼付式治療具1が患部に固定される。
【0060】
本実施形態では、整形片10に用いる備長炭を、最終焼き上げ温度を略1000℃に設定して原木を窯で蒸し焼きし、焼き上げた原木に灰と土を水で練った消し粉をかけて冷却して製した。そして、製された備長炭を整形加工して整形片10を製した。製された備長炭(整形片)10は極めて硬く、表面に黒粉が付着することもなかった。
【0061】
本願発明者らは、寸法の異なる2種類の整形片10を用いて貼付式治療具1を試作した。
第1試作の貼付式治療具1は、貼付材11の直径を略22mmとし、整形片10の外径を略10mm、その高さを略3mmとした。
また、第2試作の貼付式治療具1は、第1試作に比べて整形片10を一回り小さい形状とした。則ち、第2試作の貼付式治療具1は、貼付材11の直径を第1試作と同一の略22mmとし、整形片10の外径を略5mm、その高さを略3mmとした。
【0062】
試作した貼付式治療具1を複数の被験者に貼付して試験を行った結果、概ね全員の被験者からこりや痛みが取り除かれたり軽減するという結果を得た。
これは、備長炭(整形片)10から発生するマイナスイオンにより、活性酸素の増加による弊害が阻止され、副交換神経が刺激されて気分が鎮静化されると共に新陳代謝が活発になるマイナスイオン効果と、備長炭(整形片)10から輻射される遠赤外線が患部に照射されて当該患部が温められ、副交感神経が刺激される温熱効果との相乗効果により、血行が促進されるためと考えられる。
【0063】
このように、本実施形態の貼付式治療具1によれば、形状が極めて小さいので、患部に長期間貼付しても違和感がなく、効果的に血行促進治療を行うことが可能である。
特に、備長炭によるマイナスイオンの発生や遠赤外線の輻射は、前記したように、煮沸することによってその能力を回復させることができる。従って、本実施形態の貼付式治療具1を特定の期間(例えば、10回程度貼付)使用した後に煮沸することにより、長期間に渡って血行促進治療を継続することができ、治療効果が高い上に経済的である。
【0064】
また、本発明の貼付式治療具1は、前記サイズのものを試作したが、必要に応じて適宜のサイズのものを製することが可能である。則ち、サイズの異なる整形片10を用いた貼付式治療具1を製することにより、患部のこりや痛みに応じて使い分けることが可能である。
【0065】
また、本実施形態の貼付式治療具1は、前記したように、円形の貼付材11に備長炭でなる整形片10を固定した小さい形状である。従って、例えば、貼付材11に肌色の布材を採用することにより、首筋などの衣服に覆われない露出部位に直接貼付しても目立たない。これにより、外出時などでも貼付式治療具1を気兼ねなく貼付して治療を継続することが可能となる。
【0066】
尚、本実施形態では、整形片10に備長炭を用いた構成として述べたが、備長炭に代えて竹炭を用いることにより、同様の優れた効果を奏する貼付式治療具1を提供可能である。
【0067】
ところで、本実施形態の貼付式治療具1は、図1の様に、整形片10に、上端面10aの全周に渡って面取り加工を施した高さの低い円板形(円柱形)を採用したが、整形片10はこのような形状に限定されるものではない。
【0068】
例えば、図3(a)の様に、整形片10を正10角柱形状とし、その上端面10aの全周に渡って面取り加工を施したものを用いることもできる。
また、図3(b)の様に、整形片10を正16角柱形状とし、その上端面10aの全周に渡って面取り加工を施したものを用いることもできる。
また、このような、正10角柱形状や正16角柱形状の他にも、図には示していないが整形片10として円柱形に近似した正8角柱以上の多角柱形状を採用することができる。
【0069】
整形片10にこのような多角柱形状を採用することにより、硬度の高い整形片(備長炭や竹炭)を円柱形に加工する場合に比べて、研削加工が容易となり製造性を向上させることが可能である。
【0070】
次に、本発明の実施形態に係る備長炭を用いた当接式治療具2を説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る当接式治療具2を示す斜視図、および、その変形例を示す斜視図である。
【0071】
本実施形態の当接式治療具2は、図4(a)の様に、袋体20の内部に備長炭の粉砕粒22を収納した構造を有する。
袋体20は、柔軟性および通気性を有する布材21を用いて製される。則ち、袋体20は、長方形状の布材21を折り重ねて三方を縫製したものである。
尚、本実施形態では、袋体20に柔軟性および通気性を有する布材21を用いているが、布材21に代えて、通気性シート材を用いることが可能である。
【0072】
本実施形態の当接式治療具2の製造に際しては、まず、長方形状の布材21を折り重ねて、一方の長手端部20cを側縁に沿って縫製すると共に、長手側縁20bに沿って縫製する。そして、袋状とされた布材21の内部に、開放された他方の長手端部20aから備長炭の粉砕粒22を適量収納し、この後、長手端部20aを側縁に沿って縫製して製される。
【0073】
このようにして製された当接式治療具2は、柔軟性および通気性を有する布材21で成る袋体20の内部に、備長炭の粉砕粒22が多数収納した構造を有する。
従って、当接式治療具2を患部に宛がうことにより、備長炭22から輻射されるマイナスイオンによって気分が鎮静化され新陳代謝を活性化させることが可能となる。また、備長炭の粉砕粒22から輻射される遠赤外線が患部に照射されて当該患部が温められ、副交感神経が刺激されて血行が促進される。これらのマイナスイオン効果および温熱効果の相乗効果により、患部のこりや痛みを緩和したり取り除くことが可能となる。
【0074】
特に、本実施形態の当接式治療具2は、前記貼付式治療具1に比べて備長炭(粉砕粒)22の量が多い。これにより、発生するマイナスイオン量および輻射される遠赤外線の光量が増大して治療効果が高い。
また、袋体20に通気性を有する布材21を用いるので、備長炭22の吸着性、浄化性によって脱臭効果をも奏する。
【0075】
本実施形態の当接式治療具2は、備長炭の粉砕粒22として平均最大径が略5mm近傍のものを用いた。また、備長炭(粉砕粒)22を収納した袋体20を、長さ略120mm、幅略50mm、厚さ(備長炭22を収納した状態の最大厚さ)略20mmとした。しかし、必要に応じて適宜のサイズのものを製することが可能である。
【0076】
ここで、本実施形態の当接式治療具2にベルトを設けた構成を採ることも可能である。
則ち、図4(b)の様に、当接式治療具2の長手両端部に、各々、ベルト25およびベルト26を設けた構成としても良い。ベルト25,26の先端部には、各々、面ファスナ25a,26aが設けられている。
【0077】
この構成によれば、患部に袋体20を当接し、ベルト25,26を腕や足に巻回して面ファスナ25a,26aを圧接して固定することができ、当接式治療具2を患部に容易に当接固定することが可能である。
【0078】
尚、図4(b)に示した例では、袋体20の長手両端部21a,21cにベルト25,26を取り付けたが、袋体20の長手側縁にベルトを取り付けることも可能である。
また、図4(a)示した当接式治療具2と別体の一本のベルトとを組み合わせた構成とし、患部に当接させた当接式治療具2をベルトで押さえて固定する構成とすることもできる。
また、本実施形態では、袋体20に備長炭22を収納した構成として述べたが、備長炭に代えて竹炭を収納することにより、同様の優れた効果を奏する当接式治療具2を提供可能である。
【0079】
次に、本発明の実施形態に係る備長炭を用いた押圧式治療具3を説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る押圧式治療具3を示す斜視図、および、その変形例を示す斜視図である。
本実施形態の押圧式治療具3は、図5(a)の様に、棒形状の備長炭30の先端部を円錐形状に尖らせて押圧部31を形成したものである。
押圧部31は、備長炭30に研削加工を施して円錐形状としており、押圧部31の先端部31aは略半球形とされている。
【0080】
本実施形態の押圧式治療具3は、棒形状の備長炭30の長手略中央部を手で握り、押圧部31を肩や手足のツボに当てて押圧することにより、ツボを刺激して治療を行うことができる。また、ツボの刺激と同時に、備長炭30から輻射されるマイナスイオンによって気分が鎮静化され新陳代謝を活性化させることが可能となる。更に、備長炭から輻射される遠赤外線がツボの近傍に照射されて温熱効果を生じる。従って、これらのツボの刺激効果、マイナスイオン効果および温熱効果の相乗効果により、血行が促進されてこりや痛みを取り除くことが可能となる。
【0081】
本実施形態では、外径が略12mmの備長炭30を長さ略115mmに切断して用いたが、必要に応じて適宜のサイズの備長炭30を用いることが可能である。
【0082】
本発明において、備長炭を握る部位は、備長炭をそのまま露出させても良く、握り易くするための把持部を設けた構成としても良い。
例えば、図5(b)の様に、押圧部31を除く備長炭30の外周部に接着剤を塗布し、紐材32を密着して巻き付けて固定した把持部33を形成することができる。
この構成によれば、備長炭30を直接手で握るのではなく、把持部33を握って押圧することができ、巻き付けた紐材32の凹凸によって滑りが防止されて握り易い。また、装飾を兼ねた適宜の色の紐材32を用いることにより、見た目にも綺麗である。
【0083】
尚、本実施形態では、備長炭30を用いた構成として述べたが、備長炭に代えて竹炭を用いることにより、同様の優れた効果を奏する押圧式治療具3を提供可能である。
【0084】
次に、本発明の実施形態に係る備長炭を用いた足踏み式治療具5を説明する。
図6(a)は、本発明の実施形態に係る足踏み式治療具5を示す斜視図、図6(b)は(a)の治療具5に採用する整形片の拡大斜視図、図6(c)は(a)の治療具5に採用する緩衝材51を示す斜視図である。
【0085】
本実施形態の足踏み式治療具5は、円柱形状に整形した複数の備長炭の整形片52を、その集合体53が一対の足裏形状となるように互いに所定間隔をあけて基台50に配列して形成される治療具である。
【0086】
整形片52は、図6(b)の様に、高さの低い円板形(円柱形)であり、上端面52aの周縁は全周に渡って面取り加工が施されている。本実施形態では、整形片52は、備長炭の破砕片を研削加工により整形して製しており、高、中、低の3種類の異なる高さを有するものが製される。
【0087】
緩衝材51は、図6(c)の様に、一対の布材を足裏形状に裁断したもので、整形片52を固定する部位に対応させて、整形片52の外径と略等しい開口径を有する複数の開口51aが開けられている。本実施形態では、緩衝材51に厚手のフェルト材を用いている。また、基台50は方形の薄板材であり、木材や合成樹脂材などで製される。
【0088】
本実施形態の治療具5は、次の手順で製される。まず、基台50に一対の緩衝材51,51を接着剤を用いて接合する。次いで、各々の整形片52の下端面52bに接着剤を塗布し、各緩衝材51,51の各々の開口51aに嵌入させて整形片52の下端面52bを基台50に押圧して接合する。
【0089】
この際、前記したように、土踏まず54に位置する部位には最も高い整形片52を配列して接合固定し、土踏まず54以外の部位には最も低い整形片52を配列固定する。また、土踏まず54と他の部位の境界部位には中の高さの整形片52を配列固定する。
以上の手順により、図6(a)の様に、整形片52の集合体53が一対の足裏形状となるように配列された足踏み式治療具5が完成する。
【0090】
本実施形態の足踏み式治療具5は、足裏形状に配列された整形片52の集合体53,53を素足で踏みつけるようにして使用する。足踏み式治療具5を踏むと、体重による反作用によって各整形片52が足裏を押圧することとなり、足裏のツボを刺激して治療を行うことができる。
特に、本実施形態では、土踏まず54に位置する部位の整形片52を高くすることにより、各整形片52が足裏全体を略均等に押圧する構成としている。これにより、足裏のツボを均等に刺激して治療を行うことが可能である。
【0091】
また、ツボの刺激と同時に、備長炭(整形片)52から輻射されるマイナスイオンによって気分が鎮静化され新陳代謝を活性化させることが可能となる。更に、備長炭(整形片)52から輻射される遠赤外線がツボの近傍に照射されて温熱効果を生じる。従って、これらのツボの刺激効果、マイナスイオン効果および温熱効果の相乗効果により、血行促進治療を行うことが可能となる。
更に、本実施形態の治療具5は、整形片52の集合体53の形状に合わせた緩衝材51,51を配しているので、素足で踏んだときの感触が良い。
【0092】
本実施形態では、整形片52の外径を10mm、高さを15mm,12mm,9mmの3種類とし、緩衝材51の寸法を足サイズ略25cmとして製した。しかし、必要に応じて、整形片52の外径や高さ、整形片52の配置個数、および緩衝材51のサイズを適宜に設定することが可能である。
【0093】
尚、本実施形態では、円柱形状の整形片52を直接基台50に接合する構造としたが、例えば、整形片52の固定位置に対応する基台50に予め円柱形の凸部を配列形成し、当該凸部の上端面に各整形片(備長炭)52を接合する構成を採ることも可能である。
この構成によれば、備長炭の高さを確保しつつ備長炭の使用量を削減することができ、省コスト化を図ることができる。
【0094】
また、本実施形態では、一つの基台50に整形片52の一対の集合体53,53を設けた構成を採用したが、別々の基台50,50に整形片52の集合体53を各々設ける構成とすることも可能である。この構成によれば、使用者の開脚に応じて基台50,50を適宜の間隔を開けて配置することができ、しかも、不使用時にはコンパクトに収納可能となる。
【0095】
また、本実施形態では、整形片52に備長炭を用いた構成として述べたが、備長炭に代えて竹炭を用いることにより、同様の優れた効果を奏する足踏み式治療具5を提供可能である。
【0096】
次に、本発明の実施形態に係る備長炭を用いた靴の中敷き6を説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る靴の中敷き6を示す斜視図である。
本実施形態の靴の中敷き6は、円柱形状に整形した複数の備長炭の整形片62を、靴の中敷き材61の一面に互いに所定間隔をあけて配列して形成される。
【0097】
整形片52は、前記足踏み式治療具5(図6参照)に用いた整形片52と同様に、高さの低い円板形(円柱形)であり、上端面62aの周縁は全周に渡って面取り加工が施されている。但し、本実施形態で用いる整形片62は、前記した整形片52に比べて高さが低い。
具体的には、本実施形態で使用する整形片62は、外径が略10mm、その高さが8mm,5mm,2mmの3種類のものを用いている。
【0098】
靴の中敷き材61は、通常の中敷き材と同等のものであり、その一面に接着剤を用いて整形片62を所定間隔を開けて配列固定している。
整形片62の配列に際しては、土踏まず63に位置する部位に最も高い整形片62を配列すると共に、土踏まず63以外の部位には最も低い整形片62を配列固定し、土踏まず63と他の部位の境界部位には中の高さの整形片62を配列固定する。
【0099】
本実施形態の靴の中敷き6は、整形片62の固定面が上面になるように靴の内部に装着して使用する。
靴の中敷き6を装着した靴を使用することにより、体重による反作用によって各整形片62が足裏を押圧することとなり、歩行と同時に足裏のツボを刺激して治療を行うことができる。特に、本実施形態においても、土踏まず63に位置する部位の整形片62を高くしているので、足裏のツボを均等に刺激して治療を行うことが可能である。
【0100】
また、備長炭(整形片)62の調湿性によって足が蒸れにくいうえに、足が蒸れた場合でも、備長炭(整形片)62の有する吸着性によって悪臭が吸着され、更に浄化性によって浄化されるので、足を常に清潔に保つことができ衛生的である。
【0101】
また、備長炭(整形片)62から輻射されるマイナスイオンによって気分が鎮静化され新陳代謝を活性化させることが可能となる。更に、備長炭52から輻射される遠赤外線がツボの近傍に照射されて温熱効果を生じる。
【0102】
尚、本実施形態の靴の中敷き6は、靴のサイズに応じた複数のサイズを製することができ、サイズに応じて整形片62の配列数や外径、高さを適宜に調整することが可能である。
また、本実施形態では、整形片62に備長炭を用いた構成として述べたが、備長炭に代えて竹炭を用いることにより、同様の優れた効果を奏する靴の中敷き6を提供できる。
【0103】
ところで、本実施形態は、靴に装着される靴の中敷き6として示したが、備長炭や竹炭の整形片62を、履物の足裏が当接する部位に直接配列固定することも可能である。
例えば、図には示していないが、スリッパや下駄、突っ掛け、草履などの履物において、足裏が当接する部位に互いに所定間隔をあけて備長炭や竹炭の整形片を配列した構成を採ることができる。
この構成の履物によれば、履物を履くだけで前記靴の中敷き6(図7参照)を装着した靴と同様の優れた効果を奏することが可能となる。
【0104】
続いて、本発明の実施形態に係る備長炭を用いた枕7を説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る枕7の構造を示す分解斜視図である。
本実施形態の枕7は、図8の様に、備長炭73を収納した内袋体70と外袋体75とを組み合わせて構成される。
【0105】
本実施形態の枕7の製造は次の手順で行う。
まず、備長炭の粉砕粒73を収納した内袋体70を製する。則ち、長方形状の2枚の布材71,72を重ね合わせて三方の側縁70b,70c,70dを縫製する。そして、開放された残る側縁70aから内袋体70の内部に備長炭の粉砕粒73を挿入し、この後、残る側縁70aを縫製する。これにより、内部に備長炭の粉砕粒73を収納した内袋体70となる。
本実施形態では、布材71,72として柔軟性および通気性を有する素材を用いている。尚、内袋体に用いる布材71,72に代えて、通気性シート材を用いることも可能である。
【0106】
一方、内袋体70とは別に、内袋体70を覆う外袋体75を製する。
外袋体75は、長方形状の2枚の布材76,77を重ね合わせて三方の側縁75b,75c,75dを縫製する。また、残る側縁75aの内面側に、側縁に沿って面ファスナ78,78を縫製によって固定する。
これにより、面ファスナ78によって側縁75aが開閉自在の外袋体75が製される。
本実施形態では、布材76,77にも柔軟性および通気性を有する素材を用いている。
【0107】
このようにして製された外袋体75に内袋体70を挿入して枕7となる。
則ち、外袋体75の面ファスナ78,78を引き離して側縁75aを開放し、内袋体70を開放された側縁75aから内部に挿入する。そして、面ファスナ78,78を圧接して側縁75aを閉じる。これにより、枕7として使用に供される。
【0108】
このような本実施形態の枕7は、柔軟性および通気性を有する内袋体70の内部に備長炭の粉砕粒73が多数収納され、当該内袋体70が更に外袋体75で覆われた構造である。
【0109】
従って、枕7を使用することにより、備長炭73の調湿性、吸着性および浄化性によって汗の水分や臭いを吸収することができる。また、備長炭73から輻射されるマイナスイオンにより、気分が鎮静化され新陳代謝を活性化させ、更に、遠赤外線を輻射する性質により、血行が促進され、手足の先まで身体全体を温めることができる。これらの相乗効果により、安眠することができる。
また、備長炭73を粒状に砕いた形で収納するので、頭が枕に沈み込むことがなく、しかも、備長炭73の粒状の感触が首筋を刺激してマッサージ効果を奏する。
【0110】
また、本実施形態の枕7は、内袋体70を更に外袋体75で覆うので、内袋体70から洩れ出した備長炭73の微粉末が外部に飛散することが防止される。また、外袋体75に設けた面ファスナ78を開閉することにより、内袋体70を出し入れ可能であるので、外袋体75だけを洗濯することができ、清潔である。
【0111】
本実施形態の枕7は、備長炭の粉砕粒73として平均最大径が略5mm近傍のものを用いた。また、内袋体70を、長さ略300mm、幅略170mm、厚さ(備長炭73を収納した状態の最大厚さ)略50mmとした。更に、外袋体75を、長さ略390mm、幅略200mmとし、厚手の布材を用いて形成した。しかし、本発明の枕7は、必要に応じて適宜のサイズとすることが可能である。
【0112】
尚、本実施形態では、内袋体70に備長炭73を収納した構成として述べたが、備長炭に代えて竹炭を収納することにより、同様の優れた効果を奏する枕7を提供可能である。
【0113】
次に、本発明の実施形態に係る備長炭を用いたベッド8を説明する。
図9は、本実施形態のベッド8を示す斜視図である。
本実施形態のベッド8は、複数の部材を組み合わせて構成され、組み立ておよび分解自在である。
【0114】
ベッド8は、側板80,81、側板82,82、底板83および床板86,86で構成される。
側板80はベッド8の幅を規定するもので、長方形状の板材の両端部に下方へ延びる脚80a,80aを設けた部材である。側板81もベッド8の幅を規定するもので、側板80よりも低い長方形状の板材の両端部に下方へ延びる脚81a,81aを設けた部材である。
側板82は、ベッド8の長さを規定するもので、長尺板材の一方の面に、長手方向へ向けて角材82aを固定した部材である。
【0115】
底板83は、側板80,81の長さと略同一の幅を有し、側板82の長さと略同一の長さを有する大きな平板材である。
また、床板86は、底板83と略同一の幅で略半分の長さを有する簀の子状の部材であり、幅の狭い複数の板材86bを細い支持材86aに隙間をあけて配列固定したものである。
【0116】
ベッド8は、次の手順によって組み立てられる。
まず、側板80と側板81を長手方向に対向させて配し、この側板80,81の対向する端部同士の間に側板82,82を橋渡して固定する。次いで、側板82,82の下端面に底板83を当接させて固定する。そして、床板86,86を、その板材86bの長手端部が側板82の角材82aに当接するように載置する。
以上の手順により、図9に示すベッド8が組み立てられる。
【0117】
組み立てられたベッド8には、図9の様に、側板80,81,82,82、底板83および床板86で囲まれる空間84が形成され、当該空間84が備長炭85を収納する収納室84として機能する。収納室84は、床板86,86の隙間を通して通気性を有する。
【0118】
本実施形態のベッド8は、床板86を装着する前に、収納室84の内部に多数の備長炭85を均等に配置し、配置した備長炭85を覆うように床板86,86を装着する。
そして、装着した床板86,86の上にマットレス87が配され更に寝具(不図示)が敷かれる。
【0119】
本実施形態のベッド8は前記構成である。従って、外見は通常のベッドと相違ないが、収納室84に大量の備長炭85が収納されており、室内に大量の備長炭85を配設した状態と等価である。言い換えれば、本実施形態のベッド8は、室内に大量の備長炭85を無造作に配置する代わりに、ベッド8の下部空間を利用して大量の備長炭85を配置している。
【0120】
この構成のベッド8によれば、備長炭85の有する調湿性、吸着性、浄化性により、室内の湿度が適正に維持されると共に、室内の空気が脱臭され浄化される。
特に、室内でペットを飼っている場合は、ペットの放つ臭いが吸収される。また、タバコの臭いや人体から発せられる体臭も吸収・浄化することができる。更に、住居材や家具材から発せられるシックハウス症候群の原因のホルムアルデヒドやホルマリン、アンモニア等を吸収、浄化される。これにより、室内を爽やかな状態に維持することができる。
【0121】
また、備長炭から発生するマイナスイオンにより、気分が鎮静化されると共に新陳代謝を活性化され、備長炭85から輻射される遠赤外線により、副交感神経が刺激されて血行が促進され、温熱効果によって身体をリラックスさせる。これらの相乗効果により安眠することが可能となる。
【0122】
更に、備長炭85の有する電磁波吸収効果により、室内を飛び交う電磁波が吸収されて人体への悪影響を低減させることが可能となる。
【0123】
特に、備長炭85の有するマイナスイオンの発生および遠赤外線の輻射、電磁波の吸収性は時間の経過に拘わらず半永久的に持続するので、本実施形態のベッド8を用いることにより、これらの効果を長期間に渡って継続することが可能である。
【0124】
尚、本実施形態では、収納室84の上部に簀の子状の床板86を配置して通気性を確保する構造としたが、このような構成に限らず、ベッド8の下部に通気性を有する収納室を別に設ける構成を採ることも可能である。
また、本実施形態では、収納室84に備長炭85を収納した構成として述べたが、備長炭に代えて竹炭を収納することにより、同様の優れた効果を奏するベッド8を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施形態に係る備長炭を用いた貼付式治療具を示す斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は、図1に示す貼付式治療具の製造手順を示す斜視図である。
【図3】図1に示す貼付式治療具1の変形例を示す斜視図である
【図4】(a)は、本発明の実施形態に係る備長炭を用いた当接式治療具を示す斜視図、(b)は(a)の変形例を示す斜視図である。
【図5】(a)は、本発明の実施形態に係る備長炭を用いた押圧式治療具を示す斜視図、(b)は、(a)の変形例を示す斜視図である。
【図6】(a)は、本発明の実施形態に係る足踏み式治療具を示す斜視図、(b)は(a)の治療具に採用する整形片の拡大斜視図、(c)は(a)の治療具に採用する緩衝材を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る靴の中敷きを示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る備長炭を用いた枕の構造を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る備長炭を用いたベッドを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0126】
1 貼付式治療具
10 備長炭(整形片)
11 貼付材
11a 粘着面
2 当接式治療具
20 袋体
22 備長炭(粉砕粒)
3 押圧式治療具
30 備長炭(棒形状の備長炭)
31 押圧部
5 足踏み式治療具
50 基台
52 整形片(備長炭)
53 集合体(整形片の集合体)
6 靴の中敷き
61 靴の中敷き材
62 整形片(備長炭または竹炭の整形片)
7 枕
70 内袋体
73 備長炭(粉砕粒)
75 外袋体
8 ベッド
84 収納室
85 備長炭
86 床板
87 マットレス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状に整形した備長炭または竹炭の整形片を、片面に粘着面を有する貼付材の当該粘着面側に固定して形成される貼付式治療具。
【請求項2】
通気性および柔軟性を有する袋体の内部に備長炭または竹炭の粉砕粒を収納して形成される当接式治療具。
【請求項3】
棒形状の備長炭または竹炭の先端部を所定形状に整形して押圧部を形成した押圧式治療具。
【請求項4】
所定形状に整形した複数の備長炭または竹炭の整形片を、その集合体が一対の足裏形状となるように互いに所定間隔をあけて基台に配列して形成される足踏み式治療具。
【請求項5】
所定形状に整形した複数の備長炭または竹炭の整形片を、一対の靴の中敷き材の一面に互いに所定間隔をあけて配列して形成される靴の中敷き。
【請求項6】
所定形状に整形した複数の備長炭または竹炭の整形片を、足裏が当接する部位に互いに所定間隔をあけて配列して形成される履物。
【請求項7】
通気性および柔軟性を有する内袋体の内部に備長炭または竹炭の粉砕粒を収納し、当該内袋体を通気性および柔軟性を有する外袋体で覆って形成される枕。
【請求項8】
マットレスを支承する床板の下部に通気性を有する収納室を形成し、当該収納室に備長炭または竹炭を収納したベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−43158(P2006−43158A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−228777(P2004−228777)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(504300055)
【Fターム(参考)】