説明

充填包装機における液排除シール装置

【課題】液体を含む内容物を充填包装する場合において、ヒートシール部分に悪影響を及ぼす液体が実質的に残留しないようにする。
【解決手段】
充填包装機において、筒状体を挟持するためにその一面を加圧する加圧ローラーと、上記加圧力を受け止めるために筒状体の他面に配置され、内部にヒーターを備えた受け止め部材と、加圧ローラーを前後方向及び上下方向へ移動可能に設けるために、加圧アームの先端に加圧ローラーを取り付けるとともに、加圧ローラーを前進方向へ付勢する弾性体を装備し、上記加圧アームには、所定長さを有する支持軸を一体として回転可能に接続し、その加圧アームの基端部の中心と受け止め部材の中心部を結ぶ中心線の片側に上記加圧アーム及び支持軸を配置し、加圧アームの前進により弾性体が受け止め部材の反力を受けて圧縮され、加圧ローラーが中心線の片側から他側へ移動して筒状体をしごくようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続供給されるシート材から筒状体を形成し、その筒状体に対して横方向のシールと筒状体内部への液体を含む内容物の充填を繰り返すとともに、シール部分にて分断し内容物が充填された製品を製造する充填包装機において、液体の浸出を防止してシールを行なうための液排除シール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の先行技術には、本発明者の発明に係るシール装置の発明があり、それらの内、例えば特公平7−71964号は液体を含む内容物を充填包装する場合に、シール部分から液体を効果的に排除することができ、発泡現象を生じさせない、という目的を有している。また、特公平8−581号のものは、液体を含む内容物の充填包装が清潔かつ衛生的に行われ、カット手段を汚さず切れ味を良好に保つことができるという効果を期待することができる。
【0003】
一方この種の装置では図2に示されているように、連続的に供給されるシート材S1の両側を接着して筒状体S2を形成し、その筒状体に対して横方向のシールと筒状体内部への内容物の充填を繰り返し、シール部分にて切断し内容物が充填された最終製品を製造する。その際に問題となるのは、送りローラー16によって密着状態にある筒状体S3の両面のシート材の間に毛細管現象によって僅かながらも液体が残留することに伴う問題である。毛細管現象は一般に糊のように粘性の高いものでは起き難く、麺つゆのように粘性の低いもので多く見られるが、間に液体が残留しているシート材の部分にヒートシールを行なうと、閉じ込められている液体が水蒸気となって膨張し、発泡状態を生じたり、シール部分が剥れたりするという現象を生じる。
【0004】
具体的には図9に示された充填包装製品の左右の部位a、縦シール部分b及び横シール部分cに上記の問題が生じる。そのために図10Aに示したような線状シール面dを有する受け止め部材eを使用し加圧部材hとの間にてヒートシールするに当たり、予め残留液の影響を予測して線状シール形状とし、残留液が水蒸気化しても線状シール部分の容量によって圧力の緩和を図りシール剥れを防止し、シール強度を保つ工夫がなされている。ところがこの構造では、濃色の内容物の場合線状シール間の残留液が鮮明に見られ、商品価値を低下させることがある。また、図10Bに示したように凸状シール面fを有する受け止め部材gを使用した場合には、残留液が水蒸気化してシール剥れを生じ易くなる。このような問題が発生した後では、残留液が滲み出して腐敗や臭気などの問題を起こす恐れがあるので、加熱殺菌したり、洗い落としたりする作業すら必要になり、大変厄介である。
【0005】
【特許文献1】特公平7−71964号
【特許文献2】特公平8−581号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、液体を含む内容物を充填包装する場合において、ヒートシール部分に悪影響を及ぼす液体が実質的に残留しないようにした液排除シール装置を提供することである。また、本発明の他の課題は、充填包装におけるヒートシール部分に強力な横シールが形成できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するため、本発明は、連続的に供給されるシート材の両側を接着して筒状体を形成し、その筒状体に対する横方向のシールと筒状体内部への液体を含む内容物の充填を繰り返すとともに、シール部分にてカットし内容物が充填された製品を製造する充填包装機において、
筒状体を挟持するために当該筒状体の一面を加圧する加圧ローラーと、その加圧力を受け止めるために筒状体の他面に配置され、内部にヒーターを備えた受け止め部材を具備し、
上記加圧ローラーを前後方向及び上下方向へ移動可能に設けるために、基端部にて機体に取り付けられている加圧アームの先端に加圧ローラーを取り付けるとともに、加圧ローラーを前進方向へ付勢する弾性体を装備し、
上記加圧アームには、所定長さを有し基端部にて機体に軸支された支持軸を一体として回転可能に先端部にて接続し、その加圧アームの基端部の中心と受け止め部材の中心部を結ぶ中心線の片側に上記加圧アーム及び支持軸を配置し、
機体に装備した駆動機構により加圧アームを前進可能に設け、加圧アームの前進により、加圧ローラーを付勢している弾性体が受け止め部材からの反力を受けて圧縮されたときに加圧アームの基端部との距離が収縮し、加圧ローラーが中心線の片側から他側へ移動して筒状体をしごくように構成するという手段を講じたものである(請求項1記載の発明)。
【0008】
本発明を適用する充填包装機は、連続的に供給されるシート材の両側を接着し、つまり縦方向のシールを行って筒状体を形成し、その筒状体に対する横方向のシールと筒状体内部への液体を含む内容物の充填を繰り返して行ない、最後に横シール部分にてカットを行なうもので、現状の充填包装機と基本的に同様の構成を有している。この充填包装機は液体を含む内容物を充填するものであり、本発明の液排除シール装置は、そのために液体の残留が不可避であった問題を解決するものである。充填対象の内容物としては、前述したように粘性の高い糊状の物体から麺つゆのように粘性の低い物体までのあらゆる液状のもの及び液体と固体の混合している物体などを含む。
【0009】
本発明の装置は、上記筒状体を挟持するために当該筒状体の一面を加圧する加圧ローラーと、その加圧力を受け止めるために筒状体の他面に配置され、内部にヒーターを備えた受け止め部材を具備する。上記加圧ローラーは、強力な加圧力により筒状体のシート材同士を密着させるために、必要十分な硬度を有する物質、例えば厚過ぎないシリコンゴムを被覆した剛体から成るローラーを使用し、受け止め部材も同様の目的から必要十分な硬度を有する物質によって加圧ローラーの強力な加圧力を受け止める面を形成する。本発明の装置は、シート材間に残存する液体分をほぼ無視できる程度の極少量にまで排除するために、加圧ローラーと受け止め部材により加圧力を筒状体のシート材に加えてしごき、目的を達成するものであり、従って加圧ローラーと受け止め部材はシート材に損傷を及ぼさない程度の硬度を有し、かつ密着可能な形態を有している必要がある。
【0010】
本発明の装置では、筒状体のシート材に強い加圧力を加えてしごくために、加圧ローラーを前後方向及び上下方向へ移動可能に設ける。さらに、基端部にて機体に装備された部材に取り付けられている加圧アームの先端に加圧ローラーを取り付けるとともに、加圧ローラーを前進方向へ付勢する弾性体を装備する。加圧ローラーを前後方向へ移動可能に設けることにより、筒状体を受け止め部材との間にて従来と同程度の強度にまで加圧し、さらに、上下方向へ移動可能に設けることにより、従来の程度を超える高強度の加圧を実現するとともに、その高強度の加圧力で弾性体をしごき、密着度を一段と向上させるものである。従って弾性体は強力な加圧力に寄与する要素であり、加圧力を緩和するものではない。
【0011】
上記加圧アームには、所定長さを有し基端部にて機体に軸支された支持軸を一体として回転可能に先端部にて接続し、その加圧アームの基端部と受け止め部材の中心部を結ぶ中心線の片側に上記加圧アーム及び支持軸を配置する。この支持軸は、前後方向へ移動可能であることにより長さが変化することになる加圧アームの長さに対して、一定の長さを有している。支持軸の長さは、加圧アームの長さが変化したときに回転モーメントを生じて後述の回転を生じさせる条件となる。支持軸は所定長さを有し、その長さは一つの液排除装置において一定であるが、その一定の長さを変更するために長さ調節が可能であるような構造を備えることができる(請求項2記載の発明)。
【0012】
機体は駆動機構を装備し、それにより加圧アームを前進可能に設け、加圧アームの前進により、加圧ローラーを付勢している弾性体が受け止め部材からの反力を受けて圧縮されたときに加圧アームの基端部との距離が収縮し、加圧ローラーが中心線の片側から他側へ移動し、その動作にて筒状体を上下方向へしごくように構成されている。このしごきによる加圧力は、加圧アームが前進する結果、弾性体が圧縮することに伴って収縮することによるので、非常に強力であり、液体は事実上残存できないかそれに近い極微少量になり、加熱されても問題となる蒸気発生などは起こらない。加圧アームの前進とともに、受け止め部材も前進し、筒状体を相互に挟み付ける動作を行なうものであることが望ましい。
【0013】
加圧アーム及び受け止め部材を駆動するためには、各種の機構装置を使用することができる。機体に装備する駆動機構の一例としては、加圧アーム及び受け止め部材の前進後退方向へ移動可能かつ平行に設けられた少なくとも一対のガイドシャフトと、上記ガイドシャフトの一端に、ガイドシャフトに沿って移動可能に設けられた第1ガイドプレートと、上記ガイドシャフトの他端に、同様に移動可能に設けられた第2ガイドプレートと、上記ガイドシャフトと直交するように第2ガイドプレート寄りの位置に設置されたカム軸と、上記カム軸に設けられたローラー用カムと接触してガイドシャフトを前進させるカムフォロワーと、上記カム軸に設けられた受け止め部材用カムと接触して受け止め部材との連絡軸を前進させるカムフォロワーとを具備し、第1ガイドプレートに加圧ローラーを取り付ける一方、上記連絡軸に受け止め部材を直接又は部材を介して受け止め部材を取り付けて構成したものを適用することができる(請求項3記載の発明)。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、液体を含む内容物を筒状体に充填包装する場合において、筒状体を受け止め部材との間にて従来と同程度の強度に加圧した上、さらに加圧ローラーを上下方向へ移動可能に設けることにより、従来の程度を超える高強度の加圧を実現するとともに、その高強度の加圧力で弾性体をしごき、密着度を一段と向上させ、ヒートシール部分に悪影響を及ぼす液体が実質的に残留しないようにすることができる。また、本発明によれば、充填包装におけるヒートシール部分として強力な横シールを形成できるので、より完全に近く安全性の優れた充填包装による製品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図示の実施形態を参照し、本発明に係る充填包装機における液排除シール装置について、より詳細に説明する。図1は本発明の対象である充填包装機10の外観を示しており、その基本的構成は図2に示されている。図において、11はシート材S1を連続的に供給するためのシートロール、12は襟首型の整形板を示しており、シート材を折り返して、内部に配置された筒型の整形体13に巻き付けるように誘導する。14はシート材S1の供給方向の両側をヒートシールにより接着して筒状体S2を形成する縦シール装置、15は注入管を示しており、注入管15は筒型の整形体13の内部に配置され筒状体内に内容物を充填する。
【0016】
充填包装機10は図2に示すように、成型された筒状体S2を送りローラー16、17とその直ぐ下方にて筒状体の両側に配置された規制板18、19により、製品一袋分の内容量を規制しながら下方へ送るように構成されている。すなわち、下方の横シール部Hにて横方向のシールがなされるとそのシール部分を次の製品の底として筒状体S2の内部に内容物を充填し、その後、製品一袋分を送り次の横方向シールをするが、その際、規制板18、19により内容物を上方へ押し上げながら、液体が充填されている部分に対して送りローラー16、17により筒状体S2を加圧し、筒状体S2の構成シート材がほぼ密着した扁平状態を作り、この扁平筒状体S3に対して横シールをするものである。
【0017】
横シール部Hには、そこへ送られてくる筒状体S2の横方向、つまり供給方向に対してほぼ直交する方向へのヒートシールを実施するために、以下に説明する液排除シール装置20が設けられている。液排除シール装置20は、扁平筒状体S3を挟持するために当該筒状体S3の一面を加圧する加圧ローラー21と、その加圧力を受け止めるため扁平筒状体S3の他面に配置された受け止め部材22を具備している。加圧ローラー21は扁平筒状体S3の横幅を超える程度の長さを有し、かつまた強力な加圧力により扁平筒状体S3のシート材同士を完全に密着させるために、シリコンゴムを被覆した剛体から成るローラーを使用して構成されている。受け止め部材22は上記と同様の目的のために加圧ローラー21と同程度の長さを有しており、かつ内部に横方向のヒートシールのためのヒーター23を備えている。
【0018】
上記加圧ローラー21を前後方向及び上下方向へ移動可能に設けるために、加圧ローラー21は、基端部24aにて機体に装備された部材に取り付けられている加圧アーム24の先端に回転可能に軸支され、かつ弾性体25により前進方向へ付勢されている。例示されている弾性体25は圧縮状態で加圧アーム24に巻装されている。上記加圧アーム24には、所定長さを有し基端部26aにて機体に装備された部材に軸支された支持軸26を一体として回転可能に先端部材26bにて接続し、加圧アーム24の基端部24aの中心と受け止め部材22の中心部を結ぶ中心線CLの片側に上記加圧アーム24及び支持軸26を配置している。
【0019】
例示された加圧アーム24は、基端受け部24cと弾性体25の間に、自在継手27を構成する球面部材27aを有しており、機体に装備された部材28には球面継手27bを設けているので、加圧ローラー21は前進後退方向へ移動可能及び上下方向へ回転移動可能に設けられていることになる。支持軸26は先端部材26bと軸26cにより接続されており、またターンバックルより成る長さ調節部材26dを備えている。
【0020】
上記の加圧ローラー21を有する加圧アーム24及び支持軸26は図4に示す関係によって機体に装備された部材28に取り付けられ、また受け止め部材22に接触するように構成されている。図4中の実線は、加圧ローラー21が受け止め部材22を加圧し、従来とほぼ同様の加圧力を扁平筒状体S3に対して加えている状態を示しており、また二点鎖線は、機体に装備された部材28の前進による弾性体25の圧縮状態を示している。加圧アーム24の後退に伴ってそのモーメントアーム長さが支持軸側のモーメントアームを著しく下回ることになるその結果、加圧ローラー21が下方から上方へ移動し、弾性体25の付勢力を受けながら受け止め部材22を距離Rに亘ってしごくこととなる。
【0021】
上記の加圧アーム24を前進可能に設けるために機体に装備する駆動機構には様々なものがあるので、その一例を図5、図6に示す。例示した駆動機構30は機体に装備される部材として、加圧アーム24及び受け止め部材22の前進後退方向へ移動可能かつ平行に設けられた少なくとも一対のガイドシャフト29、29と、上記ガイドシャフト29、29の一端に、ガイドシャフト29、29に沿って移動可能に設けられた第1ガイドプレート31と、上記ガイドプレート31の他端に同様に移動可能に設けられた第2ガイドプレート32とを備えている。第1ガイドプレート31と第2ガイドプレート32は、前記の機体に装備された部材28と考えて良い。
【0022】
さらに上記ガイドシャフト29と直交するように、第2ガイドプレート寄りの位置にカム軸33と、それと平行な前後2本の軸34a、34bが設置されている。2本の軸34a、34bにはレバー34c、34dが揺動可能に取り付けられガイドシャフト29及び受け止め部材側に連絡している。カム軸33には加圧ローラー用カム35が設けられており、加圧ローラー用カム35と接触してガイドシャフト29を前進させるカムフォロワー36が第2ガイドプレート32側に設けられている。なお第1ガイドプレート31は弾性体25の付勢力によって後退する。またカム軸33には受け止め部材用カム37が設けられており、受け止め部材用カム37と接触して受け止め部材22との連絡軸38を前進させるカムフォロワー39が連絡軸38側に設けられている。加圧ローラー用カム35と受け止め部材用カム37は、相互に扁平筒状体S3に向かって前進するように180度に近い位相差を持っており、さらに加圧ローラー用カム35は1工程の最後にて第1ガイドプレート31を前進させるカム形状を有している。なお第1ガイドプレート31には前述の如く加圧ローラー21が取り付けられ、一方、上記連絡軸38には受け止め部材22が部材を介して取り付けられている。
【0023】
横シール部Hの直下には、扁平筒状体S3をシール部分にてカットする切断部Kが設けられている。なお、扁平筒状体S3は、内容物を充填した充填製品S4となり、次いで横シール部Hに置いて横シールされた連続製品S5となり(図7A)、最終的に個々の製品S6に切り離されることになる(図8A)。切断部Kは、切刃40と刃受け41を有し、切刃40と刃受け41は、横シール部Hにおいて形成された本発明による横シール部において前進後退動作を行う。この切刃40と刃受け41の前進後退動作は、横シール部Hにおけるのと同様な駆動装置によって行なわれる。
【0024】
このように構成された本発明の装置20を適用した充填包装機10おいて、構成シート材がほぼ密着した扁平状態を作っている扁平筒状体S3が、加圧ローラー21と受け止め部材22の間に移動して来ると(図6A、図7A)、図示していない制御装置により本発明の装置20が起動し、加圧ローラー用カム35と受け止め部材用カム37が回転して、加圧ローラー21と受け止め部材22が接近して扁平筒状体S3を密着状態とする(図6B、図7B)。この密着状態は背景技術において説明したレベルであり、シート材の間に毛細管現象によって僅かながらも液体が残留することは避けられない。本発明の装置20では、この段階よりさらに加圧ローラー用カム35が回転することにより、図3に詳細に説明しまた図6C、図8Aに示すように、第1ガイドプレート31が距離Lだけ前進し、それによって加圧アーム24が圧縮することに伴い、加圧ローラー21が下方から上方へ移動し、弾性体25の付勢力を受けながら受け止め部材22との間で挟持している扁平筒状体S3を距離Rに亘ってしごくこととなる。
【0025】
その結果、本発明の装置20によりしごかれた部分では残留していた液体がほぼ完全に排除され、扁平筒状体S3を構成しているシート材同士が直接接触する状態になる。このように高度の密着状態を得るしごき工程において、本発明の装置20を構成している受け止め部材22が発熱し、上記シート材同士をヒートシールすることとなる。本発明の装置20によりヒートシールされたシール部分において、シート材の間では液体が排除されているので、着色液体であっても外部に観察されず、商品価値を下げることがなく、次工程において切断し(図8B)、ヒートシール部分の切断面が露出されても、残留液が滲み出したり、洗い落としたりする必要もないし、加熱されても膨張することはない。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明において、筒状体に充填包装する液体を含む内容物としては、前述した糊のように粘性の高いものから、麺つゆのように粘性の低いものまで、或いは食品から工業用原料までの、あらゆる物品が対象になる。また、液体と固体も混合物については、例えば蒟蒻のように大きく、柔軟であるが壊れにくいものから、例えばスープのように柔らかくつぶれやすい具を含むものなど、様々なものがあるが、本発明によればこれまでは難しいとされていた物品を含むものでも包装対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る液排除シール装置を適用した充填包装機の例を示す側面説明図である。
【図2】同上の機器、装置による工程を示す説明図である。
【図3】同じく本発明に係る液排除シール装置の工程を示すもので、Aは加圧前の状態、Bは加圧時の状態、Cはしごき状態の各説明図である。
【図4】本発明の装置における加圧ローラー、加圧アーム及び支持軸の関係を示す機構図である。
【図5】本発明の装置における駆動機構の例を示す説明図である。
【図6】駆動機構を含む本発明の装置の作動を示すもので、Aは加圧前の状態、Bは加圧時の状態、Cはしごき状態の各説明図である。
【図7】同じく本発明の装置の作動と製品の関係を示すもので、Aは加圧前の状態、Bは加圧時の状態の各説明図である。
【図8】図7に続くもので、Aはしごき状態、Bは切断状態の各説明図である。
【図9】従来の充填包装製品に生じた問題の説明図である。
【図10】加圧部材に対する従来の受け止め部材を示すもので、Aは線状シール面を有する受け止め部材とその拡大図、Bは凸状シール面fを有する受け止め部材とその拡大図である。
【符号の説明】
【0028】
10 充填包装機
11 シートロール
12 襟首型成形板
13 筒型成形板
14 縦シール装置
15 注入管
16、17 送りローラー
18、19 規制板
20 液排除シール装置
21 加圧ローラー
22 受け止め部材
23 ヒーター
24 加圧アーム
25 弾性体
26 支持軸
27 自在継手
28 機体側に装備された部材
29 ガイドシャフト
30 駆動装置
31 第1ガイドプレート
32 第2ガイドプレート
33 第1カム軸
34 第2カム軸
35 加圧ローラー用カム
36、39 カムフォロワー
37 受け止め部材用カム
38 連絡軸
40 切刃
41 刃受け

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に供給されるシート材の両側を接着して筒状体を形成し、その筒状体に対する横方向のシールと筒状体内部への液体を含む内容物の充填を繰り返すとともに、シール部分にてカットし内容物が充填された製品を製造する充填包装機において、
筒状体を挟持するために当該筒状体の一面を加圧する加圧ローラーと、その加圧力を受け止めるために筒状体の他面に配置され、内部にヒーターを備えた受け止め部材を具備し、
上記加圧ローラーを前後方向及び上下方向へ移動可能に設けるために、基端部にて機体に装備された部材に取り付けられている加圧アームの先端に加圧ローラーを取り付けるとともに、加圧ローラーを前進方向へ付勢する弾性体を装備し、
上記加圧アームには、所定長さを有し基端部にて機体に軸支された支持軸を一体として回転可能に先端部にて接続し、その加圧アームの基端部の中心と受け止め部材の中心部を結ぶ中心線の片側に上記加圧アーム及び支持軸を配置し、
機体に装備した駆動機構により加圧アームを前進可能に設け、加圧アームの前進により、加圧ローラーを付勢している弾性体が受け止め部材からの反力を受けて圧縮されたときに加圧アームの基端部との距離が収縮し、加圧ローラーが中心線の片側から他側へ移動して筒状体をしごくように構成された
充填包装機における液排除シール装置。
【請求項2】
支持軸は所定長さを有し、その長さは一つの液排除装置において一定であるが、その一定の長さを得るために長さ調節が可能であるように構成されている請求項1記載の充填包装機における液排除シール装置。
【請求項3】
機体に装備される駆動機構として、加圧アーム及び受け止め部材の前進後退方向へ移動可能かつ平行に設けられた少なくとも一対のガイドシャフトと、上記ガイドシャフトの一端に、ガイドシャフトに沿って移動可能に設けられた第1ガイドプレートと、上記ガイドシャフトの他端に、同様に移動可能に設けられた第2ガイドプレートと、上記ガイドシャフトと直交するように第2ガイドプレート寄りの位置に設置されたカム軸と、上記カム軸に設けられたローラー用カムと接触してガイドシャフトを前進させるカムフォロワーと、上記カム軸に設けられた受け止め部材用カムと接触して受け止め部材との連絡軸を前進させるカムフォロワーとを具備し、第1ガイドプレートに加圧ローラーを取り付ける一方、上記連絡軸に受け止め部材を直接又は部材を介して受け止め部材を取り付けて構成された請求項1記載の充填包装機における液排除シール装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−91002(P2009−91002A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262641(P2007−262641)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(307036801)株式会社 ダイケン (2)
【Fターム(参考)】