説明

充電スタンド

【課題】二酸化炭素発生量を抑えて効率よく充電を行うことができる充電スタンドを提供する。
【解決手段】電気自動車1に接続される複数の充電器2と、該充電器2に供給する電力を蓄える蓄電池3と、該蓄電池3に充電する電力及び前記充電器2に供給する電力を得るための新エネルギー利用発電機4及び商用電源受電部5とを備えている。夜間に商用電源受電部5で安価な夜間電力を受電し、充電装置6を介して蓄電池3への充電を行い、また、太陽光発電のような新エネルギー利用発電機4で発電を行い、蓄電池3に蓄えられた電力とともに、前記充電器2を介して電気自動車1のバッテリーへの充電を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電スタンドに関し、詳しくは、電気自動車(ハイブリッド車を含む)に搭載されているバッテリーを充電するための充電スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車に搭載されているバッテリーを充電するための電力を供給する充電装置として、不特定多数の電気自動車への充電を行うための充電スタンドが設置されつつあるが、未だ十分には整備されていない。そのため近年は、家庭用電源から充電可能な、いわゆるプラグイン方式のハイブリッド車や電気自動車が開発されるようになってきている。しかし、一般家庭での充電は、操作ミスによる感電や漏電などの事故に十分な配慮が必要であり、また、自宅の敷地内に駐車場を備えていることが大前提となる。さらに、一般家庭で夜間電力を利用する場合、昼間の電力料金が一般の従量電灯の料金に比べて高くなるため、電気自動車の走行距離が少なく、充電回数が少ない一般家庭では、支払う電力料金がかえって高くなってしまうという問題もある。このため、充電スタンドの整備が望まれており、充電スタンドのシステム構成についても種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−20438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、充電スタンド全体としてのシステム構成については,未だ十分な検討がなされていないのが実情であり、効率よく充電することができるシステム構成の開発が望まれている。
【0005】
そこで本発明は、二酸化炭素発生量を抑えて効率よく充電を行うことができる充電スタンドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の充電スタンドは、電気自動車に接続される複数の充電器と、該充電器に供給する電力を蓄える蓄電池と、該蓄電池に充電する電力及び前記充電器に供給する電力を得るための新エネルギー利用発電機及び商用電源受電部とを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の充電スタンドによれば、新エネルギー及び商用電源における夜間電力を利用して蓄電池に充電し、該蓄電池から電気自動車に搭載されているバッテリーに充電するようにしているので、二酸化炭素発生量を抑えることができるとともに、電力の負荷平準化にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の充電スタンドにおけるシステム構成の一形態例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本形態例に示す充電スタンドは、電気自動車1に接続される複数の充電器2と、該充電器2に供給する電力を蓄える蓄電池3と、該蓄電池3に充電する電力及び前記充電器2に供給する電力を得るための新エネルギー利用発電機4及び商用電源受電部5とを備えている。
【0010】
新エネルギー利用発電機4は、「新エネルギーの利用等の促進に関する特別措置法」(平成九年四月十八日法律第三十七号、平成一七年七月二六日改正・法律第八七号)に記載された「バイオマス、太陽熱利用、雪氷熱利用、地熱発電、風力発電、太陽光発電など」の各種エネルギーを利用することが可能であるが、充電スタンドの機能や設置場所を考慮すると、太陽光発電が最適であり、風力発電も好適である。また、商用電源受電部5は、主として夜間電力を用いて蓄電池3に充電するためのものであって、商用電源を直流に変換して充電用電力とする充電装置6を介して蓄電池3に充電する。夜間電力が利用できない時間帯は、電気自動車1への充電量が多くて蓄電池3の蓄電容量が不足した場合に、補助的に蓄電池3への充電や電気自動車1への充電を行うための電力を得るようにしている。
【0011】
通常、昼間の営業時間帯は、太陽光発電のような新エネルギー利用発電機4で発電を行い、蓄電池3に蓄えられた電力とともに、前記充電器2を介して電気自動車1のバッテリーへの充電を行う。また、新エネルギー利用発電機4での発電量が、電気自動車1のバッテリーへの充電量を上回る場合は、余剰電力を蓄電池3への充電に利用する。
【0012】
夜間の非営業時間帯は、商用電源受電部5にて安価な夜間電力を受電し、充電装置6を介して蓄電池3への充電を行う。また、新エネルギー利用発電機4として風力発電を利用している場合には、風力発電で得た電力も利用して蓄電池3への充電を行う。
【0013】
一方、電気自動車1への充電量があらかじめ設定した充電量より多く、蓄電池3の蓄電容量が不足する場合には、商用電源受電部5にて商用の時間帯別昼間電力を受電することにより、充電装置6を介して蓄電池3に充電する。
【0014】
このように、主として夜間電力を用いて充電スタンドの蓄電池3を回復充電し、翌日の昼間に新エネルギー利用発電機4で発電した電力とともに蓄電池3に蓄えた電力を、電気自動車1のバッテリーへの充電を行う電力として用いることにより、二酸化炭素発生量を抑えて電気自動車1のバッテリーへの充電を効率よく行うことができるとともに、電力の負荷平準化にも寄与することができる。
【0015】
また、充電スタンドでは、基本的に専門のスタンドマンが電気自動車1への充電を行うため、操作ミスによる感電や漏電などの事故の発生も防止することができ、一般家庭での充電に比べて安全性を大幅に向上させることができる。さらに、電気自動車1における充電不良などの充電系統やバッテリーの故障も、専門のスタンドマンによって早期に発見することができる。
【0016】
なお、充電器2の設置数、蓄電池3の充電容量、新エネルギー利用発電機4として太陽光発電を利用した場合の太陽電池(ソーラーパネル)の設置面積などは、充電スタンドの設置場所、バッテリーへの充電を行う電気自動車の1日当たりの台数、充電量などの条件に応じて適宜設定することができる。
【0017】
例えば、電気自動車1のバッテリーに充電するための充電器2が50kW×10台の場合、蓄電池3には1000Ahrのポケット式ニッケル水素電池を264セル使用し、新エネルギー利用発電機4としての太陽電池の発電能力を300〜500kW、充電装置6の充電能力を400V、400Aとし、さらに、蓄電池3及び充電装置6を、予備を有する二重系としておくことにより、一般的なガソリンスタンドの給油能力と同等の充電能力を得ることができる。
【符号の説明】
【0018】
1 電気自動車
2 充電器
3 蓄電池
4 新エネルギー利用発電機
5 商用電源受電部
6 充電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車に搭載されているバッテリーの充電を行う充電スタンドにおいて、前記電気自動車に接続される複数の充電器と、該充電器に供給する電力を蓄える蓄電池と、該蓄電池に充電する電力及び前記充電器に供給する電力を得るための新エネルギー利用発電機及び商用電源受電部とを備えていることを特徴とする充電スタンド。

【図1】
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【公開番号】特開2010−252587(P2010−252587A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101601(P2009−101601)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000144108)株式会社三英社製作所 (35)
【Fターム(参考)】