説明

充電器、電子機器および充電システム

【課題】 伝送効率を向上させた充電器、電子機器および充電システムを提供することにある。
【解決手段】 充電器10および電子機器20は、平面状空芯コイル30と、平面状空芯コイル30の伝送面とは逆の面に配置された磁性シート40と、平面状空芯コイル30の伝送面と対向する位置に配置される筐体10a,20aと、を有する。筐体10a,20aは、内表面に形成され、平面状空芯コイル30を位置決めする位置決め突部18,28と、外表面により形成された位置決め突部14または位置決め凹部24と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルを用いた無接点電力伝送に係る充電器、電子機器および充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁誘導を利用し、金属部分の接点がなくても電力送信を可能にする無接点電力伝送が知られている。この無接点電力伝送の適用例として、携帯電話の充電や家庭用機器(たとえば電話機の子機)の充電などが提案されている。
【0003】
電磁誘導による電力伝送において、コイルの同軸線上のズレ量は、その伝送量に大きく影響を及ぼす。そこで、被充電器が充電器の適切な位置に設置されることは重要である。それを実現しようとする技術として、特許文献1〜3に開示された技術が提案されている。
【0004】
特許文献1は、被充電器と充電器との間に異物の挿入を防止し、適切な位置で充電するのを確保するための技術が開示されている。
【0005】
特許文献2は、凸状コアに空芯ソレノイドコイルをはめ合わせて電磁結合をする技術が開示されている。
【0006】
特許文献3は、1次側のコアを2次側コイルの空芯部に挿入し、1次/2次間の電磁結合をする技術が開示されている。
【特許文献1】特開平6−311659号公報
【特許文献2】特開平7−322534号公報
【特許文献3】特開平6−303726号公報 しかしながら、特許文献1〜3に開示された技術は、いずれもコイルにコアが設けられたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、伝送効率を向上させた充電器、電子機器および充電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る電子機器を充電する充電器は、空芯部を有する平面状空芯コイルと、前記平面状空芯コイルの伝送面とは逆の面に配置された磁性シートと、前記平面状空芯コイルの前記伝送面と対向する位置に配置される筐体と、を有し、前記筐体は、内表面に形成され、前記平面状空芯コイルを位置決めするコイル位置決め突部と、前記電子機器を位置決めする位置決め部と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る充電器によれば、平面状空芯コイルはコイル位置決め突部により筐体内部にて一義的に位置決めされる。一方、筐体に形成された位置決め部は、この充電器により充電される電子機器を位置決めして充電器に装着することができる。電子機器側にもコイルが設けられるが、充電器及び電子機器は、各コイル同士を適切な位置に案内されて装着することができ、伝送効率を向上させることができる。なお、平面状空芯コイルには、充電電力を伝送する伝送面とは逆側の面に磁性シートが設けられているため、インダクタンスを向上できる。
【0010】
本発明の一態様に係る充電器では、前記コイル位置決め突部は、前記平面状空芯コイルの前記空芯部に突入して位置決めするか、または、前記平面状空芯コイルの周縁部を位置決めすることができる。
【0011】
これによれば、平面状空芯コイルの形状を利用して位置決めを行い、平面状空芯コイルに別途位置決め部を設ける必要はない。よって、平面状空芯コイル自体に加工は不要であり、平面状空芯コイルの機能に悪影響を与えたり、平面状空芯コイルの設計自由度が少なくなってしまうことはない。
【0012】
本発明の一態様に係る充電器では、前記位置決め部を、前記平面状空芯コイルの前記空芯部の中心線と対向して前記筐体の外表面より突出して配置することができる。
【0013】
これにより、充電器と電子機器とが対向する面内での装着角度に依存せずに、充電器及び電子機器の各平面状空芯コイルの空芯部の中央を伝送中心軸上に揃えやすくなり、一定の伝送効率が確保できる。
【0014】
本発明の一態様に係る充電器では、前記位置決め部の突出部を、前記平面状空芯コイルの前記空芯部の内側に1つ以上設けることができる。
【0015】
こうすると、位置決め部の存在によって、充電器と電子機器との間に入り込む異物は、最も磁力線密度の大きい位置(空芯部と対向する位置)全てを覆い塞ぐように入り込む余地がなくなる。
【0016】
本発明の一態様に係る充電器では、前記位置決め部を、前記電子機器を所定の充電位置に案内する凹部とすることができる。この凹部により電子機器を所定の充電位置に案内することが可能となる。
【0017】
本発明の一態様に係る充電器では、前記凹部は、底面に向かうにしたがって幅が狭くなる案内面を有することができる。これにより、電子機器が自重等により所定の充電位置に案内される。
【0018】
本発明の他の態様に係る充電器により充電される電子機器は、空芯部を有する平面状空芯コイルと、前記平面状空芯コイルの伝送面とは逆の面に配置された磁性シートと、前記平面状空芯コイルの前記伝送面と対向する位置に配置される筐体と、前記筐体は、内表面に形成され、前記平面状空芯コイルを位置決めするコイル位置決め突部と、前記充電器により位置決めされる被位置決め部と、を有することを特徴とする。
【0019】
本発明の他の態様に係る電子機器によれば、平面状空芯コイルはコイル位置決め突部により筐体内部にて一義的に位置決めされる。一方、電子機器は、その筐体の被位置決め部が、この電子機器を充電する充電器に位置決めされて充電器に装着される。充電器側にもコイルが設けられるが、充電器及び電子機器は、各コイル同士を適切な位置に案内されて装着することができ、伝送効率を向上させることができる。なお、平面状空芯コイルには、充電電力が伝送される伝送面とは逆側の面に磁性シートが設けられているため、インダクタンスを向上できる。
【0020】
本発明の他の態様に係る電子機器でも、前記コイル位置決め突部は、前記平面状空芯コイルの前記空芯部に突入して位置決めするか、または、前記平面状空芯コイルの周縁部を位置決めすることができる。これにより、上述した充電器と同様に平面状空芯コイルの形状を利用して位置決めを行うことができる。
【0021】
本発明の他の態様に係る電子機器では、前記被位置決め部は、前記充電器に載置される前記筐体の載置面に形成された位置決め凹部とすることができる。電子機器は、位置決め凹部により充電器に位置決めされることになる。しかも、電子機器の位置決め凹部は、外表面より突出させる必要がないので、たとえ電子機器が携帯用であったとしても、ポータビリティは確保できる。
【0022】
本発明の他の態様に係る電子機器でも、前記位置決め凹部は、前記平面状空芯コイルの前記空芯部の中心線と対向して配置されていることができ、上述した充電器と同様に伝送効率をより向上させることができる。
【0023】
本発明の他の態様に係る電子機器では、前記被位置決め部は、前記充電器に装着される前記筐体の一部の形状にて兼用され、前記筐体の一部が前記充電器に位置決めされてもよい。
【0024】
本発明の他の態様に係る電子機器では、前記磁性シートが前記平面状空芯コイルと重ね合わされる面とは逆の面に、磁気シールドシートをさらに有することができる。これにより、磁性シートが捕捉しきれなかった磁束や磁性シートの周りから漏れた磁束を吸収することができ、磁性シートより筐体内部側にある基板の金属部分などに誘導加熱が生じるのを抑えることができる。
【0025】
本発明のさらに他の一態様に係る充電システムは、上記に記載の充電器と、上記に記載の電子機器とを含み、前記電子機器と前記充電器との位置決めは、前記充電器の位置決め部と前記電子機器の被位置決め部とが係合することにより行われる。このように位置決めして電子機器を充電器に装着するため、コイル同士を適切な位置に設定して電子機器を充電器に装着することができ、伝送効率を向上させることができる。
【0026】
本発明に係る充電システムでは、前記電子機器の磁性シートは、前記充電器の平面状空芯コイルの外形以上の大きさを有することができる。これにより、電子機器内に設けられた金属に渦電流損が生じるのを防止して、電力伝送効率の向上や渦電流に基づく誤動作を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0028】
1.第1の実施形態
図1及び図2は、充電器10と、この充電器10に電子機器例えば携帯電話機20とを模式的に示す図である。図1は、充電器10Aに横置きされる携帯電話機20Aを示している。充電器10Aから携帯電話機20Aへの充電は、充電器10Aのコイルユニット12のコイルと携帯電話機20Aのコイルユニット22のコイルとの間に生じる電磁誘導作用を利用し、無接点電力伝送により行われる。
【0029】
携帯電話機20Aは、図1では図示が省略されている位置決め凹部(広義には被位置決め部)24(図3参照)が、充電器10Aの位置決め突部(広義には位置決め部)14により位置決めされて装着される。このように位置決めして携帯電話機20Aを充電器10Aに装着するため、適切な位置に携帯電話機20Aを充電器10Aに装着することができ、伝送効率を向上させることができる。
【0030】
図2は、充電器10Bに縦置きされる携帯電話機20Bとの位置決め構造の一例を示している。充電器10Bには、その筐体10aの外表面より外方に突出する位置決め突部14(広義には位置決め部)が設けられている。一方、携帯電話機20には、その筐体20aの外表面に形成された位置決め凹部(広義には被位置決め部)24が設けられている。位置決め凹部24と位置決め突部14とが嵌め合わされて、充電器10に対する携帯電話機20の位置決めが行われる。この位置決めにより、携帯電話機20のコイルユニット22は、充電器10のコイルユニット12と対向する位置に少なくとも配置される。
【0031】
位置決め突部14の横断面形状は、円柱状であっても、方形状、多角形状などいずれでも良く、要は位置決め凹部24に係合される突起形状であればよい。位置決め突部14が円柱状や正多角形などである場合には、充電器10に対して携帯電話機20は各種の角度で装着される可能性がある。しかし、後述する通り、コイルユニット12,22内のコイルは円形であり、かつ、位置決め凹部24と位置決め突部14との各中心が伝送中心軸A10(図3参照)に一致していれば、装着角度に依存せず一定の伝送効率が確保できる。また位置決め凹部と突部の組合せ機構により、携帯電話などのバイブレータ振動による位置ズレ防止をも図ることができる。
【0032】
なお、位置決め突部14および位置決め凹部24の形状を電力伝送規格に応じて変えることで、規格の異なる充電器10及び携帯電話機20同士の装着を禁止することができる。例えば、5V500mAを二次出力する規格と、5V200mAを二次出力する規格とを、位置決め突部14および位置決め凹部24の形状により区別することができる。仮に、5v200mAの二次出力にしか対応していない電子機器を5V500mAの二次出力対応の充電器に装着すると、電流リミット回路がなければ想定外の電流が流れしてしまう。この点、本実施形態では規格外の電子機器が装着されることは、位置決め突部14および位置決め凹部24の形状の組み合わせによって禁止できる。
【0033】
図3は、コイルユニット12,22を示している。コイルユニット12,22は、平面状空芯コイル30A,30Bを有している。なお、これらコイル30A,30Bを総称してコイル30と称する。この平面状空芯コイル30A,30Bは、空芯部31A,31Bを有する平面的な空芯コイルであれば特に限定されないが、たとえば、単芯または多芯の被覆コイル線を平面上で巻回した空芯コイルを適用することができる。なお、充電器10側の平面状空芯コイル30Aの直径は、携帯電話機20側の平面状空芯コイル30Bの直径よりも大きく形成されている。また、平面状空芯コイル30Aの空芯部31Aの径は、平面状空芯コイル30Bの空芯部31Bの径よりも小さくなっている。
【0034】
コイルユニット12,22の筐体10a,20aの内部側には、コイル位置決め突部18,28が設けられている。平面状空芯コイル30A,30Bは、その空芯部31A,31Bがコイル用位置決め突部18,28に突入して位置決めされる。本実施形態では、位置決め突部14および位置決め凹部24の各中心位置は、平面状空芯コイル30A,30Bの空芯部31A,31Bの各中心位置と一致し、装着時には伝送中心軸A10上に位置する。こうすると、上述したように、充電器10の載置面内での充電器10に対する携帯電話機の載置角度に依存せず一定の伝送効率が確保できる。
【0035】
また、位置決め突部14および位置決め凹部24の各径を、平面状空芯コイル30Aの空芯部31Aの径と実質的に同等、あるいはそれ以下の径とすることができる。もし、位置決め凹部24と対向する位置に金属などの異物が混入すれば、充電器10に対して携帯電話機20を正常に装着できない。よって、そのような場合には異物は除去されるはずである。よって、充電器10と携帯電話機20間に異物が存在するとすれば、少なくとも位置決め凹部24を避けた位置である。コイル空芯部31Aは磁束密度が高いため、仮に金属製異物がコイル空芯部31Aを覆い隠すように存在すると異物への鎖交磁束が多くなり渦電流による金属製異物の発熱が発生する。コイル空芯部31Aと同等或いはそれ以下の位置決め凸部14を1ヵ所以上設けることにより、前述金属製異物の渦電流発熱は大幅に低減できる。
【0036】
なお、コイル用位置決め突部18,28は、平面状空芯コイル30A,30Bの周縁部32A,32Bを位置決めする形態をとってもよい(図4参照)。この場合、コイル位置決め突部18,28は、リング形状か、あるいは平面状空芯コイル30A,30Bの周縁部32A,32Bの円周上に3つ以上配置される突起形状となる。
【0037】
図3に示すように、平面状空芯コイル30A,30Bの伝送面側(筐体10a,20a側)の逆側には、磁性シート40A,40Bが設けられている。磁性シート40A,40Bは、平面状空芯コイル30A,30Bからの磁束を受ける働きをし、平面状空芯コイル30A,30Bのインダクタンスを上げる機能を有する。磁性シート40A,40Bの材質としては、軟磁性材が好ましく、フェライト軟磁性材や金属軟磁性材を適用することができる。
【0038】
また、携帯電話機20のコイルユニット22では、磁性シート40Bが平面状空芯コイル30Bに面する側の逆側には、必要に応じて磁束漏れ防止部材50を設けることができる。磁束漏れ防止部材50は、磁性シート40Bが捕捉しきれなかった磁束や、磁性シート40Bの周りから漏れた磁束を吸収する役割を有する。これにより、携帯電話機20内の部品への磁束の悪影響を回避できる。磁束漏れ防止部材50の材質は、磁束を吸収できる材質であれば特に限定されず、非磁性体たとえば、アルミニウムを挙げることができる。伝送特性は、磁性シート40Bに近接または接触した部材(金属等)の影響を受ける。したがって、磁束漏れ防止部材50は、求める伝送特性に応じて、その材質や大きさを規定するのが好ましい。
【0039】
図5は、コイルユニットの変形例を示している。同図において、図3と同一の記号は図3と同一のものを表している。51は空芯部31Aに配置したサーミスタである。サーミスタ51は、電力伝送中に位置決め凸部14と位置決め凹部24の間に誤挿入された金属の電磁誘導によって発生する熱を検知する。サーミスタ51は電力伝送を制御する回路に接続され、前記金属が発熱している場合に当該回路は電力伝送を停止する。サーミスタ51への回路接続パターン、又はリードは、コイル30A、30Bから発する磁束の影響を受けにくくするため、コイルの径方向に平行に、かつ短い間隔で2本平行に配線することが望ましい。
【0040】
なお、以上の実施例における充電器の位置決め凸部は位置決め凹部であってもよく、前記位置決め凹部の表面にサーミスタを配置しても良い。この場合電子機器側の位置決め部は位置決め凸部となる。また、サーミスタを位置決め凸部等の、筐体の外表面に配置してよい。この場合、前記金属の発熱を正確に検知することができる。また、電子機器側の位置決め部やその近傍にサーミスタを配置し、温度検知を行ってよい。
【0041】
図6(a)及び図6(b)は、コイルユニットの別の変形例を示している。図6(b)は図6(a)の筐体10aを上部から見た部分図である。同図において、図3と同一の記号は図3と同一のものを表している。このような位置決め機構により、リング状の金属製異物も除去できるはずである。
【0042】
2.第2の実施形態
図7は、本発明の第2の実施形態を説明するための図である。
【0043】
第2の実施形態では、充電器10Cの筐体10aに携帯電話機20Cを縦置き収容する位置決め凹部(広義には位置決め部)16が設けられている。
【0044】
位置決め凹部16の側面16aは、携帯電話機20Cを所定の充電位置に案内する案内面として構成され、底面に向かうにしたがって幅が狭くなっている。これにより、携帯電話機20が自重により所定の充電位置に案内され易くなる。
【0045】
第2の実施形態であっても、第1の実施形態で説明したコイルユニット12,22の構成を適用することができる。ただし、コイルユニット22は、携帯電話機20Cが操作面や表示部を有する表面21Aとは逆の裏面21B側に面して配置される。また、コイルユニット12は、充電器10Cの位置決め凹部16の案内面16aとは異なる側面16bに面して配置される。
【0046】
第2の実施形態では、携帯電話機20Cの筐体20aには、図2及び図3に示すような位置決め凹部24を設ける必要がない。携帯電話機20Cの筐体20a自体が被位置決め部となる。また、充電器10Cには、第1の実施形態における位置決め突部14に代えて、位置決め凹部16が設けられることになる。したがって、電子機器20の筐体20aに設けられる被位置決め部の形状としては、充電器10の位置決め部の形状、つまり位置決め突部14(第1の実施形態)または位置決め凹部16(第2の実施形態)の形状に応じたものであればよい。
【0047】
3.電子機器の適用例
本実施の形態は、電力伝送や信号伝送を行うすべての電子機器に適用可能であり、たとえば、腕時計、電動歯ブラシ、電動ひげ剃り、コードレス電話、パーソナルハンディフォン、モバイルパソコン、PDA(Personal Digital Assistants)、電動自転車などの二次電池を備える被充電機器と充電機器とに適用可能である。
【0048】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【0049】
本実施の形態は、無接点電力伝送に係るものであったが、電磁誘導原理を用いた無接点信号伝送にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】充電器とそれに横置きされる携帯電話機とを有する第1の実施形態を示す図である。
【図2】充電器とそれに縦置きされる携帯電話機とを有する第1の実施形態の変形例を示す図である。
【図3】位置決め突部および位置決め凹部を拡大した図である。
【図4】位置決め突部および位置決め凹部の変形例に係る図である。
【図5】コイルユニットの変形例に係る図である。
【図6】コイルユニットの別の変形例に係る図である。
【図7】第2の実施形態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0051】
10,10A,10B,10C 充電器、10a 筐体、12 コイルユニット、14 位置決め部(位置決め突部)、16 位置決め部(位置決め凹部)、16a 案内面、16b 側面、18 コイル位置決め突部、20,20A,20B,20C 電子機器(携帯電話機)、20a 筐体、22 コイルユニット、24 被位置決め部(位置決め凹部)、28 コイル用位置決め突部、30,30A,30B 平面状空芯コイル、30a 空芯部、40A,40B 磁性シート、50 磁束漏れ防止部材、51 サーミスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を充電する充電器であって、
空芯部を有する平面状空芯コイルと、
前記平面状空芯コイルの伝送面とは逆の面に配置された磁性シートと、
前記平面状空芯コイルの前記伝送面と対向する位置に配置される筐体と、
を有し、
前記筐体は、
内表面に形成され、前記平面状空芯コイルを位置決めするコイル位置決め突部と、
前記電子機器を位置決めする位置決め部と、
を有することを特徴とする充電器。
【請求項2】
請求項1において、
前記コイル位置決め突部は、前記平面状空芯コイルの前記空芯部に突入して位置決めすることを特徴とする充電器。
【請求項3】
請求項1において、
前記コイル位置決め突部は、前記平面状空芯コイルの周縁部を位置決めすることを特徴とする充電器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記位置決め部は、前記平面状空芯コイルの前記空芯部の中心位置と対向して前記筐体の外表面より突出して配置されていることを特徴とする充電器。
【請求項5】
請求項4において、
前記位置決め部の突出部は、前記平面状空芯コイルの前記空芯部の内側に1つ以上あることを特徴とする充電器。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記位置決め部は、前記電子機器を所定の充電位置に案内する凹部であることを特徴とする充電器。
【請求項7】
請求項6において、
前記凹部は、底面に向かうにしたがって幅が狭くなる案内面を有することを特徴とする充電器。
【請求項8】
請求項1において、
前記空芯部にサーミスタを配置したことを特徴とする充電器。
【請求項9】
請求項1において、
前記位置決め部の表面にサーミスタを配置したことを特徴とする充電器。
【請求項10】
請求項8乃至9のいずれかにおいて、
前記サーミスタと回路との接続線はコイルの径方向に平行に、かつ2本平行に配線することを特徴とする充電器。
【請求項11】
充電器により充電される電子機器であって、
空芯部を有する平面状空芯コイルと、
前記平面状空芯コイルの伝送面とは逆の面に配置された磁性シートと、
前記平面状空芯コイルの前記伝送面と対向する位置に配置される筐体と、
前記筐体は、
内表面に形成され、前記平面状空芯コイルを位置決めするコイル位置決め突部と、
前記充電器により前記電子機器が位置決めされる被位置決め部と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項11において、
前記コイル位置決め突部は、前記平面状空芯コイルの前記空芯部に突入して位置決めすることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項11において、
前記コイル位置決め突部は、前記平面状空芯コイルの周縁部を位置決めすることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれかにおいて、
前記被位置決め部は、前記充電器に載置される前記筐体の載置面に形成された位置決め凹部であり、前記位置決め凹部により前記充電器に位置決めされることを特徴とする電子機器。
【請求項15】
請求項14において、
前記位置決め凹部は、前記平面状空芯コイルの前記空芯部の中心位置と対向して配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項16】
請求項11乃至13のいずれかにおいて、
前記被位置決め部は、前記充電器に装着される前記筐体の一部の形状にて兼用され、前記筐体の一部が前記充電器に位置決めされることを特徴とする電子機器。
【請求項17】
請求項11乃至16のいずれかにおいて、
前記磁性シートが前記平面状空芯コイルと重ね合わされる面とは逆の面に、磁気シールドシートをさらに有することを特徴とする電子機器。
【請求項18】
請求項1乃至10のいずれかに記載の充電器と、請求項11乃至17のいずれかに記載の電子機器とを含み、
前記電子機器と前記充電器との位置決めは、前記充電器の位置決め部と前記電子機器の被位置決め部とが係合することにより行われることを特徴とする充電システム。
【請求項19】
請求項18において、
前記電子機器の磁性シートは、前記充電器の平面状空芯コイルの外形以上の大きさを有することを特徴とする充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−206234(P2008−206234A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36747(P2007−36747)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】