説明

光ケーブル曲げ規制装置

【課題】なるべく簡易かつ無駄を抑制した構成で、光ケーブルの多様な曲げ規制に対応できるようにすること。
【解決手段】光ケーブルの曲げを規制する装置であり、光ケーブル収容本体部22と、連結部30、40とを備えている。光ケーブル収容本体部22は、円弧状に延在する収容溝24を有し、前記収容溝24内に光ケーブルを一定の曲げ半径に規制した状態で収容可能に構成されている。連結部30、40は、光ケーブル収容本体部22の両端部のうちの少なくとも一方に設けられており、光ケーブル収容本体部22を他の光ケーブル収容本体部22に連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光ケーブルの曲げを規制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ケーブルの曲げを規制する技術として、特許文献1及び特許文献2に開示のものがある。特許文献1及び2は、4分の1の円弧状のガイド溝によって光ケーブルの曲げを規制する技術を開示している。特許文献1の図4では、2つの曲率半径確保用具を曲率半径確保パネルに取付けて使用する例が示されている。
【0003】
また、特許文献3に開示のように、外周にU字溝を有する円環状本体によって、光ケーブルを保持する技術もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−231902号公報
【特許文献2】特開2002−207126号公報
【特許文献3】実開昭62−201703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に開示のように、4分のIの円弧状のガイド溝によって光ケーブルの曲げを規制する技術では、光ケーブルをU字状に折返す際に光ケーブルの曲げ規制をすることはできない。特許文献1の図4のように、2つの曲率半径確保用具を曲率半径確保パネルに取付けて使用するとしても、別途曲率半径確保パネルを準備する必要があるため、部品点数が増加し、製造コスト増を招く。
【0006】
また、特許文献3に開示の技術では、光ケーブルを90度に曲げた状態で保持する場合には、無駄部分が多くなってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、なるべく簡易かつ無駄を抑制した構成で、光ケーブルの多様な曲げ規制に対応できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1の態様は、円弧状に延在する収容溝を有し、前記収容溝内に光ケーブルを一定の曲げ半径に規制した状態で収容可能な光ケーブル収容本体部と、前記光ケーブル収容本体部の両端部のうちの少なくとも一方側に設けられ、前記光ケーブル収容本体部を他の光ケーブル収容本体部に連結する連結部と、を備える。
【0009】
第2の態様は、第1の態様に係る光ケーブル曲げ規制装置であって、前記光ケーブル収容本体部の両端部のそれぞれに、前記連結部が設けられている。
【0010】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る光ケーブル曲げ規制装置であって、前記収容溝は、4分の1円弧状の溝とされている。
【0011】
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係る光ケーブル曲げ規制装置であって、前記光ケーブル収容本体部の両端側のみに、前記光ケーブルを前記収容溝内に押え込む突起部が設けられている。
【0012】
第5の態様は、第1〜第4のいずれか1つの態様に係る光ケーブル曲げ規制装置であって、前記光ケーブル収容本体部の外周側に、前記収容溝が開口している。
【発明の効果】
【0013】
第1の態様に係る光ケーブル曲げ規制装置によると、必要となる光ケーブルの曲げ態様に応じて、光ケーブル曲げ規制装置を単独で使用したり、連結部を介して複数の光ケーブル曲げ規制装置を連結して使用したりすることができる。これにより、なるべく簡易かつ無駄を抑制した構成で、光ケーブルの多様な曲げ規制に対応できる。
【0014】
第2の態様によると、光ケーブル曲げ規制装置を3つ以上連結していることができるため、より光ケーブルの多様な曲げ規制に対応できる。
【0015】
第3の態様によると、光ケーブルを略90度で曲げる場合、及び、略180度で曲げる場合に容易に対応できる。
【0016】
第4の態様によると、前記光ケーブル収容本体部の両端側のみに、前記光ケーブルを前記収容溝内に押え込む突起部が設けられているため、光ケーブルを光ケーブル収容本体部内に収容する際に、光ケーブルの急激な曲げが抑制される。
【0017】
第5の態様によると、前記光ケーブル収容本体部の外周側に、前記収容溝が開口しているため、光ケーブルを光ケーブル収容本体部内に収容する際に、光ケーブルの急激な曲げが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態に係る光ケーブル曲げ規制装置を示す斜視図である。
【図2】光ケーブル曲げ規制装置を示す側面図である。
【図3】光ケーブル曲げ規制装置を示す底面図である。
【図4】光ケーブル曲げ規制装置を示す正面図である。
【図5】光ケーブル曲げ規制装置の使用例を示す説明図である。
【図6】光ケーブル曲げ規制装置の他の使用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施形態に係る光ケーブル曲げ規制装置について説明する。図1は光ケーブル曲げ規制装置20を示す斜視図であり、図2は光ケーブル曲げ規制装置20を示す側面図であり、図3は光ケーブル曲げ規制装置20を示す底面図であり、図4は光ケーブル曲げ規制装置20を示す正面図である。なお、図3及び図4では突起部50或は突起部52が設けられた部分で光ケーブル10の外形を示している。
【0020】
この光ケーブル曲げ規制装置20は、光ケーブル10の曲げ状態を規制した状態で当該光ケーブル10の経路案内等を行う部材である。すなわち、本光ケーブル曲げ規制装置20は、車両における車体の各種部位、車体に沿って配設されるワイヤーハーネス等に取付けられる。なお、ワイヤーハーネスは、複数の電線が適宜分岐しつつ結束されたものであり、車体に沿って配設されることで当該車体に搭載された電装品等を電気的に接続するものである。そして、光ケーブル10が車体等に沿って配設される際に、光ケーブル曲げ規制装置20は、光ケーブル10が一定の曲げ半径(曲率半径)よりも小さくならないように曲げ状態を規制しつつ、当該光ケーブル10をガイドする役割を有する。
【0021】
ここで、光ケーブル10は、光ファイバに樹脂被覆等を施した線状部材である。光ファイバは、ガラス又は透明プラスチック等により形成されており、光信号は光ファイバ内で反射を繰返して伝搬される。かかる光ファイバを含む光ケーブル10が急激に曲げられると、光信号の伝送損失が増えたり、光ファイバが破断してしまうといった事態が生じ得る。そこで、一般的に、光ケーブル10には、伝送損失の抑制及び曲げ破断抑制のため、最小許容曲げ半径が規定されている。ここで、最小曲げ半径は、一例として、曲げ半径が小さくなるのに伴って大きくなる光ファイバの伝送損失及び破断確率が光ケーブルの使用に耐え得ると想定される限界の曲げ半径として設定することができる。より具体的には、伝送損失(曲げ損失)は、例えば、ある曲げ半径でn周巻かれた光ケーブルに対して、ある波長Lの光信号を入射させたときの損失の度合い(dB)で評価される。また、破断確率は、例えば、ある曲げ半径でm周巻かれた光ケーブルのt年後の破断する確率で評価される(例えば、過酷な環境下で意図的に劣化を進める加速劣化試験等で評価するとよい)。そして、最小許容曲げ半径は、伝送損失及び破断確率の両評価値が、実際の使用状況に応じて決定される基準を満たすように設定されとよい。なお、曲げ半径とは、光ケーブル10の中心軸の曲げ半径で規定することができる。ガラス製光ファイバを含む光ケーブル10では、例えば、曲げ半径7.5mmとして規定されている。
【0022】
この光ケーブル曲げ規制装置20は、樹脂等により形成されており、光ケーブル収容本体部22と、連結部30、40とを備えている。
【0023】
光ケーブル収容本体部22は、円弧状に延在する収容溝24を有し、収容溝24内に光ケーブル10を一定の曲げ半径に規制した状態で収容可能に構成されている。
【0024】
より具体的には、光ケーブル収容本体部22は、円弧状に延びる長尺形状に形成されている。より具体的には、光ケーブル収容本体部22は、その延在方向に対して直交する断面形状が略U字状をなす形状に形成されている。
【0025】
収容溝24は、光ケーブル収容本体部22に、その延在方向に沿って延びる溝として形成されている。収容溝24の両端部は、光ケーブル収容本体部22の両端側に開口しており、また、収容溝24のスリット状開口は、光ケーブル収容本体部22の外周側に開口している。そして、光ケーブル10を、光ケーブル収容本体部22の外周側開口より、収容溝24内に挿入できるようになっている。また、この挿入状態で、光ケーブル10の両端部が収容溝24の両端側開口より外方に延出するようになっている。
【0026】
また、収容溝24は、断面略U字状の溝形状に形成されている。収容溝24の底部の曲げ半径は、収容対象となる光ケーブル10の半径と略同じであり、また、収容溝24の幅寸法は光ケーブル10の直径と略同じであることが好ましい。これにより、光ケーブル10をがたつきなく収容できるからである。もっとも、収容溝24は、断面略U字状の溝形状である必要はなく、断面方形状の溝形状に形成されていてもよい。すなわち、収容溝24は、光ケーブル10のある長さ部分を収容可能な形状であればよい。
【0027】
収容溝24の底部は、光ケーブル収容本体部22に沿って円弧状に延びるように形成されており、上記収容状態で、光ケーブル10が収容溝24の底部に当接することで、光ケーブル10が一定の曲げ半径に規制される。より具体的には、収容溝24の底部は、光ケーブル10が最小曲げ半径よりも小さい半径で曲らないように規制可能な形状、ここでは、光ケーブル10の最小曲げ半径から光ケーブル10の断面の半径を減算した半径よりも大きな半径の円弧状を描く要I形成されている。これにより、光ケーブル10が収容溝24内に収容されてその底部に押付けられることで、光ケーブル10が所定の最小曲げ半径以上で曲るように規制されるようになっている。なお、収容溝24の底部は、その長手方向全体で同じ曲げ半径である必要はなく、光ケーブル10が最小曲げ半径よりも小さい半径で曲らないように規制可能な範囲内で曲げ半径が変化していたり、或は、部分的に直線部分が存在していてもよい。
【0028】
また、ここでは、光ケーブル収容本体部22及び収容溝24は、4分の1円弧状(換言すれば、中心角が90度である円弧状)を描くように形成されている。これにより、収容溝24内に収容された光ケーブル10を、90度に曲げた状態で保持できるようになっている。また、光ケーブル収容本体部22を2つ連結することにより、連続する2つの収容溝24内に収容された光ケーブル10を、180度に曲げた状態、即ち、U字状に曲げた状態で保持できるようになっている。これらの各保持状態については、後でもさらに説明する。
【0029】
また、光ケーブル収容本体部22の一端部に連結部30が設けられ、光ケーブル収容本体部22の他端部に連結部40が設けられている。
【0030】
連結部30は、光ケーブル収容本体部22の一端部から延出する連結オス部材32と、連結突起部34とを有している。
【0031】
連結オス部材32は、光ケーブル収容本体部22の一端部から直線状に延出する断面略U字状の部材に形成されている。連結オス部材32の内周面は、光ケーブル収容本体部22の収容溝24内周面と連続している。これにより、収容溝24から延出する光ケーブル10は、連結オス部材32の内周面によっても収容保持される。
【0032】
また、連結オス部材32の外周面は、光ケーブル収容本体部22の外周面よりも段部32aを介して凹むように形成されている。この連結オス部材32の外周面の底部の幅方向中央部及び当該邸部の延在方向中間部に、連結突起部34が形成されている。連結突起部34は、連結オス部材32の外側端部に向けて順次高さ寸法が小さくなると共に、連結オス部材32の基端側に向く係止面34aを有する突起形状に形成されている。そして、この連結突起部34が連結部40側の連結凹部42h2に係止することで、2つの光ケーブル収容本体部22同士が連結されるようになっている。
【0033】
連結部40は、光ケーブル収容本体部22の他端部から延出する連結メス部材42を有している。連結メス部材42は、光ケーブル収容本体部22の一端部から直線状に延出する断面略U字状の部材に形成されている。連結メス部材42の内周面は、光ケーブル収容本体部22の収容溝24内周面よりも段部42aを介して凹む形状に形成されている。そして、この連結メス部材42の内周面側に上記連結オス部材32を挿入接続でき、また、この挿入接続状態で、挿入接続された2つの光ケーブル曲げ規制装置20間で、上記連結オス部材32の内周面と光ケーブル収容本体部22の内周面とが連続して配設されるようになっている。なお、連結メス部材42の内周面は、光ケーブル収容本体部22の外周面と連続している。
【0034】
また、連結メス部材42の底部のうち光ケーブル収容本体部22よりの部分の幅方向中央部に孔部42h1が形成されると共に、当該孔部42h1の幅方向中央部であって連結メス部材42の端部よりの位置に上記連結突起部34を係止可能な連結凹部42h2が形成されている。
【0035】
そして、連結オス部材32を連結メス部材42内に挿入する際に、連結突起部34が連結メス部材42の底部に摺接する。これにより、連結オス部材32の底部が内向きに弾性変形すると共に、連結メス部材42の底部が外向きに弾性変形し、連結突起部34が連結メス部材42の底部を乗越えて、連結凹部42h2内に嵌り込むと、連結オス部材32及び連結オス部材32が原形に弾性復帰する。これにより、連結突起部34が連結メス部材42の連結凹部42h2内に嵌り込んで係止した状態が維持され、連結部30と連結部40との連結状態が維持されるようになっている。
【0036】
また、この光ケーブル曲げ規制装置20は、光ケーブル収容本体部22の両端側に光ケーブル10を収容溝24内に押え込む突起部50、52を有している。突起部50、52は、光ケーブル収容本体部22の両端側のみに設けられていることが好ましいが、必ずしもその必要はなく、光ケーブル収容本体部22の長手方向中間部に設けられていてもよい。
【0037】
より具体的には、上記連結オス部材32の両側部の基端部側に、連結オス部材32の内側に突出する一対の突起部50が形成されている。収容溝24内に収容された光ケーブル10を当該収容溝24内に押え込むため、一対の突起部50の先端部の間隔寸法は、光ケーブル10の直径よりも小さい。好ましくは、一対の突起部50の突出寸法は、収容溝24内に収容された光ケーブル10にその外周面から圧接可能な程度であることが好ましい。
【0038】
また、一対の突起部50のうち光ケーブル収容本体部22の外周側の端縁部50aは、外方に順次拡開するガイド形状に形成され、光ケーブル10を一対の突起部50に押し当てることで、円滑に収容溝24を広げることができるようになっている。
【0039】
また、連結メス部材42の両側部の先端部側に、連結メス部材42の内側に突出する一対の突起部52が形成されている。収容溝24内に収容された光ケーブル10を当該収容溝24内に押え込むため、一対の突起部52の先端部の間隔寸法も、光ケーブル10の直径よりも小さい。好ましくは、一対の突起部52の突出寸法は、収容溝24内に収容された光ケーブル10にその外周面から圧接可能な程度であることが好ましい。
【0040】
また、一対の突起部52のうち光ケーブル収容本体部22の外周側の端縁部52aも、外方に順次拡開するガイド形状に形成され、光ケーブル10を一対の突起部50に押し当てることで、円滑に収容溝24を広げることができるようになっている。
【0041】
なお、ここでは、連結メス部材42内に連結オス部材32を挿入すると、一対の突起部52が連結オス部材32の両側部に当接するようになっている。これにより、連結オス部材32を連結メス部材42の底部に向けて押込み、連結オス部材32の脱落を抑制できるようになっている。
【0042】
なお、上記一対の突起部50及び一対の突起部52のいずれかが、光ケーブル収容本体部22自体に設けられていてもよい。すなわち、上記一対の突起部50及び一対の突起部52は、収容溝24内に収容された光ケーブル10をその内部に押え付けることが可能な位置に設けられていればよい。
【0043】
上記光ケーブル曲げ規制装置20の使用例について説明する。
【0044】
まず、光ケーブル10を略90度に曲げた状態でガイドする場合には、図5に示すように、光ケーブル曲げ規制装置20を1つだけ用いる。すなわち、1つの光ケーブル曲げ規制装置20を、敷設対象箇所等に取付固定すると共に、光ケーブル10を収容溝24内に収容保持する。これにより、光ケーブル10が所定の曲げ半径で約90度に曲げられた状態で保持される。
【0045】
また、例えば、光ケーブル10を略180度に曲げた状態(U字状に曲げた状態)でガイドする場合には、図6に示すように、光ケーブル曲げ規制装置20を2つ用いる。すなわち、2つの光ケーブル曲げ規制装置20を、連結部30、40を介して半円状に連結して敷設対象箇所等に取付固定すると共に、光ケーブル10を収容溝24内に収容保持する。これにより、光ケーブル10が所定の曲げ半径で約180度に曲げられた状態で保持される。
【0046】
光ケーブル10を270度に曲げた状態で保持する場合には、本光ケーブル曲げ規制装置20を3つ連結し、また、余長処理等の都合で光ケーブル10を1周以上巻付けた状態で保持する場合には、本光ケーブル曲げ規制装置20を4つ、円状に連結するとよい。
【0047】
以上のように構成された、光ケーブル曲げ規制装置20によると、必要となる光ケーブル10の曲げ態様(略90度曲げ、略180度曲げ等)に応じて、光ケーブル曲げ規制装置20を単独で使用したり、連結部30、40を介して複数の光ケーブル曲げ規制装置20を連結して使用したりすることができる。これにより、1つの部品で多様な曲げ態様に対応でき、なるべく簡易かつ無駄を抑制した構成で、光ケーブル10の多様な曲げ規制に対応できる。しかも、光ケーブル曲げ規制装置20自体が連結部30、40を有する構成であるため、他の部材等を用いることなく、光ケーブル曲げ規制装置20同士を連結することができる。
【0048】
また、光ケーブル収容本体部22の両端部に連結部30、40を設けているため、光ケーブル曲げ規制装置20を3つ以上連結することができ、光ケーブル10のより多様な曲げ態様に対応できる。
【0049】
また、光ケーブル収容本体部22及び収容溝24が4分の1円弧状を描くため、光ケーブルを略90度で曲げる場合、及び、略180度で曲げる場合等、通常想定される多くの場合の曲げ態様に容易に対応できる。
【0050】
また、上記光ケーブル曲げ規制装置20によると、光ケーブル収容本体部22の両端側のみに、一対の突起部50、一対の突起部52が設けられている。このため、例えば、光ケーブル収容本体部22の一端部側で、光ケーブル10を収容溝24内に収容させて一対の突起部52で押え込み保持した後、光ケーブル収容本体部22の一端部側で、光ケーブル10を収容溝24内に収容させて一対の突起部50で押え込み保持するとよい(図5参照)。これにより、光ケーブル10をなるべく大きな曲げ半径に保ったまま、光ケーブル10を収容溝24内に収容することができる。これにより、光ケーブル10の急激な曲げが抑制される。また、光ケーブル10を2箇所で押込めば、光ケーブル10の収容保持が完了するため、その作業も容易である。
【0051】
また、光ケーブル収容本体部22の外周側に、収容溝24が開口しているため、光ケーブル収容本体部22の外周側から光ケーブル10を収容溝24内に押込めばよい。このため、光ケーブル10を、収容溝24が描く円弧よりも小さい曲げ半径で曲げる必要はなく、光ケーブル10の急激な曲げが抑制される。
【0052】
{変形例}
なお、上記実施形態では、収容溝24は光ケーブル収容本体部22の外周側に開口しているが、必ずしもその必要はなく、光ケーブル収容本体部22の側方或は開口していてもよい。
【0053】
また、光ケーブル収容本体部22及び収容溝24は、4分の1円弧状を描く必要はなく、6分の1円弧状、8分の1円弧状等、他の円弧状を描く構成であってもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、連結部30、40を光ケーブル収容本体部22の両端部に設けているが、光ケーブル収容本体部22の一端部のみに設けてもよい。また、連結部の構成は上記例に限られず、他の各種凹凸構造、各種ロック構造等を用いて連結部を構成することができる。
【0055】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0056】
以上のようにこの光ケーブル曲げ規制装置は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0057】
10 光ケーブル
20 光ケーブル曲げ規制装置
22 光ケーブル収容本体部
24 収容溝
30、40 連結部
50、52 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧状に延在する収容溝を有し、前記収容溝内に光ケーブルを一定の曲げ半径に規制した状態で収容可能な光ケーブル収容本体部と、
前記光ケーブル収容本体部の両端部のうちの少なくとも一方側に設けられ、前記光ケーブル収容本体部を他の光ケーブル収容本体部に連結する連結部と、
を備える光ケーブル曲げ規制装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ケーブル曲げ規制装置であって、
前記光ケーブル収容本体部の両端部のそれぞれに、前記連結部が設けられている、光ケーブル曲げ規制装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の光ケーブル曲げ規制装置であって、
前記収容溝は、4分の1円弧状の溝である、光ケーブル曲げ規制装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光ケーブル曲げ規制装置であって、
前記光ケーブル収容本体部の両端側のみに、前記光ケーブルを前記収容溝内に押え込む突起部が設けられている、光ケーブル曲げ規制装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光ケーブル曲げ規制装置であって、
前記光ケーブル収容本体部の外周側に、前記収容溝が開口している、光ケーブル曲げ規制装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−53383(P2012−53383A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197502(P2010−197502)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】