光コネクタおよび光コネクタの製造方法
【課題】光伝送路を好適に接続できる光コネクタを提供する。
【解決手段】光コネクタ3は、複数の光ファイバ23を並列に左右に配列した状態で保持するプラグ15と、複数の光導波路25を並列に左右に配列した状態で保持するレセプタクル21および基板17とを有する。プラグ15は、複数の光ファイバ23の配列方向に沿った下面15bを有し、レセプタクル21は、複数の光ファイバ23と複数の光導波路25とをそれぞれ突き合わせて接続するときに、前記第1保持部材側に張り出している部位に下面15bに対向して下面15bを位置決めする底面27baaを有する。そして、下面15bと底面27baaとの間には、複数の光ファイバ23の下方に位置する空間Sが形成されている。
【解決手段】光コネクタ3は、複数の光ファイバ23を並列に左右に配列した状態で保持するプラグ15と、複数の光導波路25を並列に左右に配列した状態で保持するレセプタクル21および基板17とを有する。プラグ15は、複数の光ファイバ23の配列方向に沿った下面15bを有し、レセプタクル21は、複数の光ファイバ23と複数の光導波路25とをそれぞれ突き合わせて接続するときに、前記第1保持部材側に張り出している部位に下面15bに対向して下面15bを位置決めする底面27baaを有する。そして、下面15bと底面27baaとの間には、複数の光ファイバ23の下方に位置する空間Sが形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の伝送路同士を接続する光コネクタおよび該光コネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ等によって構成された光伝送路同士を接続する光コネクタが知られている。例えば、特許文献1の光コネクタは、第1光伝送路を保持する第1保持部材と、第2光伝送路を保持する第2保持部材とを有している。第1光伝送路は、その端面が第1保持部材の端面から露出しており、第2光伝送路は、その端面が第2保持部材の端面から露出している。そして、第1光伝送路と第2光伝送路とは、保持部材の端面同士を突き合わせることによって接続されている。また、第1光伝送路と第2光伝送路とは、第1保持部材から突出するガイドピンが第2保持部材に対して上記の突き合わせの方向に挿入されることによって、光伝送路に直交する方向の位置決めがなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−84147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、種々の不都合が生じる。例えば、第1および第2保持部材の双方にガイドピンを挿通するための部位が必要となる。また、例えば、保持部材の端面間の隙間へノイズ、水もしくは塵が入り込むおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、光伝送路を好適に接続できる光コネクタおよび光コネクタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る光コネクタは、複数の第1光伝送路を並列に左右に配列した状態で保持しており、前記複数の第1光伝送路の配列方向に沿った下面を有する第1保持部材と、複数の第2光伝送路を並列に左右に配列した状態で保持しており、前記複数の第1光伝送路と前記複数の第2光伝送路とを突き合わせて接続するときに、前記第1保持部材側に張り出している部位に前記下面に対向して該下面を位置決めする底面を有する第2保持部材と、を有し、前記下面と前記底面との間には、前記複数の第1光伝送路の下方に位置する空間が形成されている。
【0007】
好適には、前記空間は、前記複数の第1光伝送路全体の幅以上の幅で形成されている。
【0008】
好適には、前記第1保持部材は、前記下面および該下面とは反対側の第1面を有する第1構成部材と、前記第1面との間に前記複数の第1光伝送路を挟み込む第2面を有する第2構成部材と、前記第1面と前記第2面との間に、前記複数の第1光伝送路全体の幅よりも広い幅の接着領域に亘って介在する接着剤と、を有し、前記空間は、前記接着領域の幅以上の幅で形成されている。
【0009】
好適には、前記下面は、前記空間を構成する凹部を有している。
【0010】
好適には、前記下面および前記底面の一方は、前記空間を構成する、前記複数の第1光伝送路全体の幅よりも広い幅の第1凹部を有し、前記下面は、前記空間を前記第1凹部とともに構成する、前記第1凹部の幅よりも狭く且つ前記複数の第1光伝送路全体の幅以上の幅の第2凹部を有している。
【0011】
好適には、前記下面は、前記複数の第1光伝送路の下方に位置して前記空間を構成する複数の凹部を有している。
【0012】
好適には、前記下面および前記底面の一方は、前記空間を構成する凹部を有し、前記下面および前記底面の他方は、前記凹部の内壁面に当接する位置決め部を有している。
【0013】
本発明の一態様に係る光コネクタの製造方法は、複数の光伝送路を並列に左右に配列された状態で保持する保持部材を含む光コネクタの製造方法であって、前記保持部材を構成する下側の構成部材となる第1構成部材と上側の構成部材となる第2構成部材との間に、並列に左右に配列した前記複数の光伝送路および接着剤を挟み込む工程と、前記第1構成部材と前記第2構成部材とを前記複数の光伝送路を挟み込む方向に押圧しつつ加熱し、前記接着剤を硬化させる工程と、を有し、前記第1構成部材の前記第2構成部材とは反対側の面には凹部を形成し、前記硬化させる工程では、前記凹部に加熱および加圧を行う治具を当接させる。
【発明の効果】
【0014】
上記の構成によれば、光伝送路を好適に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態に係る光コネクタを非接続状態で示す斜視図である。
【図2】図2は図1の光コネクタを接続状態で示す斜視図である。
【図3】図3は図1の光コネクタの基板および支持部材を示す斜視図である。
【図4】図4は図2のIV−IV線における断面図である。
【図5】図5(a)は図2のIVa−IVa線における断面図であり、図5(b)は図5(a)の領域IVbの拡大図である。
【図6】図6は図1の光コネクタのプラグの製造方法を説明する断面図である。
【図7】図7は第2の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図である。
【図8】図8は第3の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図である。
【図9】図9は第4の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図である。
【図10】図10は第5の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図である。
【図11】図11は第6の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図である。
【図12】図12(a)は第7の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図であり、図12(b)は、図12(a)の領域XIIbの拡大図である。
【図13】図13(a)は第8の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図であり、図13(b)は、図13(a)の領域XIIIbの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る光コネクタについて、図面を参照して説明する。なお、第2の実施形態以降において、既に説明された実施形態の構成と同様もしくは類似する構成については、既に説明された実施形態の構成と同様の符号を付し、また、説明を省略することがある。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光コネクタ3および該光コネクタ3を含む光伝送モジュール1を非接続状態で示す斜視図である。また、図2は、光コネクタ3を接続状態で示す斜視図である。
【0018】
なお、光コネクタ3は、いずれの方向が上方または下方とされて使用されてもよいものであるが、以下の説明では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面もしくは下面の語を用いるものとする。
【0019】
光伝送モジュール1は、プラグアセンブリ5と、該プラグアセンブリ5と接続されるレセプタクルアセンブリ7とを有している。
【0020】
また、光伝送モジュール1は、図1に示すように、プラグアセンブリ5に接続された発光素子9Aおよび受光素子11Aと、レセプタクルアセンブリ7に接続された発光素子9Bおよび受光素子11Bとを有している。
【0021】
発光素子9Aにおいて生成された光は、接続状態のプラグアセンブリ5およびレセプタクルアセンブリ7を介して受光素子11Bによって受光される。また、発光素子9Bにおいて生成された光は、接続状態のレセプタクルアセンブリ7およびプラグアセンブリ5を介して受光素子11Aによって受光される。なお、発光素子9Bおよび受光素子11Bは、基板17に実装されていてもよいし、基板17とは別個に設けられていてもよい。
【0022】
プラグアセンブリ5は、一端側が発光素子9Aおよび受光素子11Aに接続された光ケーブル13と、光ケーブル13の他端側に設けられたプラグ15とを有している。
【0023】
レセプタクルアセンブリ7は、基板17と、基板17に設けられ、一端側が発光素子9Bおよび受光素子11Bに接続された光導波路帯19と、光導波路帯19の他端側に設けられたレセプタクル21とを有している。
【0024】
プラグ15がレセプタクル21に挿入されることによって光ケーブル13と光導波路帯19とは接続される。なお、光コネクタ3は、プラグ15、基板17の一部およびレセプタクル21を含んで構成されている。
【0025】
光ケーブル13は、図1において透視して示すように、複数の光ファイバ23を有している。各光ファイバ23は、コア39(図5(b)参照)およびクラッド41(図5(b)参照)、ならびに必要に応じて被膜を有している。光ファイバ23の直径は適宜に設定されてよいが、例えば、直径が70μm以上200μm以下である。なお、複数の光ファイバ23は、プラグ15外において、シースによって覆われて束ねられていてもよいし、束ねられていなくてもよいが、本実施形態では束ねられている場合を例示している。
【0026】
複数の光ファイバ23は、例えば、少なくともプラグ15の内部において径方向に一列に配列されている(図5(a)参照)。具体的に、本実施形態では、図5(a)に示すように、光ファイバ23がy方向に一列に配列されている。複数の光ファイバ23は、それぞれの光ファイバ23同士が、例えば一定間隔を空けて配置されている。
【0027】
プラグ15は、例えば、概ね、直方体状に形成されており、上面15a、下面15b、2つの側面15c、前面(第1接続部15d)および後面15eを有している。プラグ15の寸法は適宜に設定されてよいが、例えば、平面視における1辺が数mm程度である。光ケーブル13は、プラグ15に対して後面15eから第1接続部15dへの方向へ挿通されており、複数の光ファイバ23の端面は、第1接続部15dにおいて露出している(図4参照)。
【0028】
複数の光ファイバ23の端面(コア39の端面)は、プラグ15の第1接続部15dで同一面となるように配置されていてもよいし、プラグ15の第1接続部15dよりも内側のプラグ15内部に配置されていてもよいし、プラグ15の第1接続部15dよりも突出するように配置されていてもよい。
【0029】
光ファイバ23の端面(コア39の端面)をプラグ15の第1接続部15dよりも内側にプラグ15内部に配置した場合には、光導波路25との接続の際に、光ファイバ23の端面(コア39の端面)に傷をつきにくくすることができる。一方、光ファイバ23の端面(コア39の端面)をプラグ15の第1接続部15dよりも突出するように配置した場合には、光導波路25と光学的に接続しやすくすることができる。
【0030】
基板17は、例えば、リジッド式のプリント配線基板によって構成されている。基板17は、例えば、平板状に形成されており、第1主面17aと、その背面の第2主面(符号省略)と、これら主面の外周側に面する外周面(符号省略)とを有している。外周面のうち一部は、プラグ15側に面する対向面17cとなっている。対向面17cは、例えば、基板17の平面視において、レセプタクル21の配置範囲に亘って直線状に形成されている(対向面17cは平面状に形成されている)。
【0031】
光導波路帯19は、基板17の第1主面17aに設けられ、図1において透視して示すように、複数の光導波路25を有している。
【0032】
各光導波路25は、周知のように、光ファイバと同様の構成を有し、不図示のコアおよびクラッドを有している。なお、光導波路25は、スラブ型、埋め込み型、半埋め込み型等の適宜な方式のものとされてよい。光導波路25の端面は、対向面17cにおいて露出している(図4参照)。複数の光導波路25は、少なくとも対向面17cから露出する端面側において、対向面17cに沿う方向(y方向)において一列に配列されている。
【0033】
レセプタクル21は、基板17に取り付けられ、プラグ15を支持する支持部材27と、支持部材27に取り付けられ、プラグ15を覆う蓋部材29とを有している。支持部材27および蓋部材29は、樹脂、セラミックもしくは金属等の適宜な材料によって形成されてよい。
【0034】
図3は、蓋部材29を取り外した状態のレセプタクルアセンブリ7を示す斜視図である。
【0035】
支持部材27は、例えば、主として支持部材27の基板17への取り付けに寄与する取付部27aと、主としてプラグ15の保持に寄与する収容部27bとを有している。
【0036】
取付部27aは、例えば、概ね板状に形成されており、基板17の第1主面17a(光導波路帯19)に重ねられている。取付部27aと基板17との固定は、例えば、ネジ、はんだなどの固定部材、または無機材料もしくは有機材料などを含む接着材等の適宜な手段によってなされる。
【0037】
収容部27bは、例えば、概ね断面矩形の溝部を構成する形状に形成されており、底面部27baおよび2つの側面部27bbを有している。底面部27baおよび側面部27bbによって構成される凹部は、プラグ15が概ね嵌合する形状および大きさとされている。底面部27baは、プラグ15の下面15bの形状に合わせて、適宜設計することができる。本実施形態では、底面部27baが、平坦な平面となるように形成されている場合について説明する。
【0038】
側面部27bbには、収容部27bの内部側に突出する案内突部27bcが設けられていてもよい。本実施形態においては、案内突部27ccが設けられている場合について説明する。案内突部27bcは、例えば、一の側面部27bbにおいてプラグ15の挿入方向に沿って2つ設けられている。
【0039】
一方、図1に示すように、プラグ15においては、上面15aと側面15cとの角部が切り欠かれて、レセプタクル21への挿入方向に延びる案内溝15fが形成されている。別の観点では、プラグ15の側面には、側方に突出するとともにレセプタクル21の挿入方向に延びる被挟持部15gが形成されている。案内溝15fの位置は、案内突部27bcの位置に対応している。
【0040】
そして、プラグ15は、被挟持部15gを底面部27baと案内突部27bcとの間に挿入するようにレセプタクル21に挿入され、底面部27ba、側面部27bbおよび案内突部27bcに案内および位置決めされる。具体的には、プラグ15は、被挟持部15gが底面部27baと案内突部27bcとの間に嵌合することによってz方向の位置決めがなされ、2つの側面部27bb間に嵌合することによってy方向の位置決めがなされる。なお、y方向の位置決めは、側面部27bbに代えてもしくは加えて、案内突部27bcによって行うことも可能である。
【0041】
収容部27bのy方向の寸法は、例えば光導波路25のy方向のコア径と光ファイバ23のy方向のコア径との関係によって設計すればよい。すなわち、収容部27bとプラグ15の寸法差でできるy方向の隙間によって、光導波路25と光ファイバ23がずれることから、光導波路25と光ファイバ23との間でどれくらいの光の漏れを許容することができるかを考慮して、収容部27bのy方向の寸法を決めればよい。
【0042】
図3に戻って、取付部27aと収容部27bとの間には、基板17の対向面17cの一部(第2接続部17cc)を露出させるための開口27cが形成されている。第2接続部17ccにおいては、複数の光導波路25の端面が露出している(図4参照)。
【0043】
プラグ15がレセプタクル21に挿入されると、プラグ15の第1接続部15dは第2接続部17ccに当接する。これによって、第1接続部15dにおいて露出する複数の光ファイバ23の端面と、第2接続部17ccにおいて露出する複数の光導波路25の端面とが互いに対向し、複数の光ファイバ23と複数の光導波路25とが光学的に接続される(図4参照)。
【0044】
図4は、図2のIV−IV線における断面図である。
【0045】
蓋部材29は、例えば、樹脂もしくは金属等の弾性変形可能な材料からなり、概ね板状に形成されている。また、蓋部材29は、一端側は固定部31によって取付部27aに固定されており、他端側は自由端とされている。固定部31は、はんだもしくはねじ等の適宜な手段によって構成されてよい。蓋部材29の自由端には、プラグ15の後面15eに対してプラグ15の挿入方向に係合する係合部29bが形成されている。
【0046】
プラグ15は、蓋部材29を上方へ撓ませて収容部27bに挿入され、挿入後、係合部29bが後面15eに係合し、係合部29bおよび第2接続部17ccに挟まれることによって、x方向の位置決めがなされる。
【0047】
なお、プラグ15の挿入前における第2接続部17ccから係合部29bまでの距離は、プラグ15の挿入後に係合部29bによってプラグ15を第2接続部17cc側へ押圧できるように、プラグ15の後面15eから第1接続部15dまでの距離よりも若干短いことが好ましい。蓋部材29は、プラグ15の上面15aに当接する部分を有して、プラグ15のz方向の位置決めに寄与してもよい。
【0048】
図5(a)は、図2のVa−Va線における断面図である。
【0049】
プラグ15は、レセプタクル21の底面部27baの底面27baaに支持される第1構成部材33と、第1構成部材33に支持された第2構成部材35と、第1構成部材33と第2構成部材35とを接着する接着剤37とを有している。光ファイバ23は、第1構成部材33と第2構成部材35とによって挟まれてプラグ15に保持されている。
【0050】
第1構成部材33は、概略、板状に形成されており、平面視においては例えば矩形である。また、第1構成部材33の下面は、プラグ15の下面15bを構成している。下面15bには、凹部15hが形成されている。また、第1構成部材33の上面33aには第2構成部材35の下方側部分が概ね嵌合する凹部33hが形成されている。
【0051】
凹部15hが形成されることによって、プラグ15の下面15bとレセプタクル21の底面27baaとの間には空間Sが形成される。別の観点では、プラグ15は、凹部15hの両側に形成された支持突部15kにおいて底面27baaに当接して、底面27baaに位置決めされる。
【0052】
凹部15h(空間S)は、例えば、薄型の直方体状に形成され、プラグ15の第1接続部15dから後面15eに亘っている(深さ(z方向)および幅(y方向)が一定でx方向に延びる溝状に形成されている)。凹部15h(支持突部15k)の各種寸法は、後述する種々の効果が好適に得られるように適宜に設定されてよい。一例として、凹部15hの幅は、複数の光ファイバ23全体の幅よりも大きく、凹部15hの深さは、0.05mm程度であり、支持突部15kの幅は、0.5mm以上1mm以下である。
【0053】
凹部33hは、例えば、薄型の直方体状に形成され、プラグ15の第1接続部15dから後面15eに亘っている(深さ(z方向)および幅(y方向)が一定でx方向に延びる溝状に形成されている)。
【0054】
第2構成部材35は、例えば、薄型直方体状に形成され、その幅(y方向)および長さ(x方向)は凹部33hと同程度(厳密には、第2構成部材35の幅は、凹部33hの幅よりも若干小さい)である。
【0055】
第2構成部材35の厚み(z方向)は、凹部33hの深さよりも大きく設定されている。従って、第2構成部材35が凹部33hに配置されると、第2構成部材35の上方側部分は第1構成部材33から上方へ突出する。その結果、第2構成部材35の両側には案内溝15fが形成され、また、第1構成部材33の側方部分は被挟持部15gとして機能する。
【0056】
第1構成部材33および第2構成部材35は、同一材料もしくは熱膨張率が同等の材料により形成されていてもよい。このように第1構成部材33および第2構成部材35が、同じまたは同等の熱膨張率の材料によって構成されていることによって、両者の間で発生する熱応力を緩和することができる。第1構成部材33および第2構成部材35は、例えば、樹脂、セラミックもしくは金属によって形成されている。
【0057】
接着剤37は、例えば、第1構成部材33および第2構成部材35の間の全体に亘って介在している。なお、接着剤37は、光ファイバ23に対しても接着している。接着剤37は、例えば、熱硬化性樹脂によって構成されている。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂もしくはフェノール樹脂である。
【0058】
図5(b)は、図5(a)の領域Vbの拡大図である。
【0059】
第1構成部材33の上面33a(凹部33hの底面)および第2構成部材35の下面35aそれぞれには、光ファイバ23をy方向において位置決めするための溝部33cおよび35cが形成されている。溝部33cおよび35cそれぞれは、例えば、断面が三角形状とされており、2辺が光ファイバ23に対して当接している。なお、溝部は、レセプタクル21に対するプラグ15のy方向の位置決めに直接関わる第1構成部材33のみに形成されていてもよい。
【0060】
光ファイバ23は、第1構成部材33および第2構成部材35によって挟持されるが、別の観点では、第1構成部材33と第2構成部材35とを離間させるスペーサとして機能している。そして、その隙間に接着剤37が充填されている。
【0061】
図6は、光コネクタ3の製造方法、より詳細には、プラグ15の製造方法を説明する、図5(a)に相当する断面図である。
【0062】
まず、プラグ15の下側の構成部材となる第1構成部材33とプラグ15の上側の構成部材となる第2構成部材35とで複数の光ファイバ23および接着剤37を挟み込む。次に、治具51および53によって第1構成部材33と第2構成部材35とをその挟み込む方向に押圧しつつ加熱し、熱硬化性樹脂等からなる接着剤37を硬化させる。これによって、凹部を有さない第1構成部材の場合と比較して、凹部15hの分だけ第1構成部材33を薄くすることができため、治具51と接着剤37との距離を短くすることができ、接着剤37を硬化しやすくすることができる。
【0063】
このとき、治具51を、第1構成部材33の凹部15hに嵌合(凹部15hの底面および側面に当接)させて、凹部15hの底面を押圧および加熱を行なってもよい。この場合、治具51は、第1構成部材33の薄くなった部分を介して接着剤37に熱を付与することになり、加熱の効率が向上する。また、治具51の凹部15hへの嵌合によって、第1構成部材33のy方向の位置ずれ抑制がなされる。治具51が、凹部15hに嵌合するような比較的大きな当接面積を有することによって、第1構成部材33の傾斜抑制や更なる加熱効率の向上が期待される。その結果、光ファイバ23に対して、第1構成部材33および第2構成部材35の傾斜を抑制した状態で、接着剤37を硬化させることができる。
【0064】
以上のとおり、本実施形態では、光コネクタ3は、複数の光ファイバ23を並列に左右に配列した状態で保持するプラグ15と、複数の光導波路25を並列に左右に配列した状態で保持するレセプタクル21および基板17とを有する。プラグ15は、複数の光ファイバ23の配列方向に沿った下面15bを有し、レセプタクル21は、複数の光ファイバ23と複数の光導波路25とを突き合わせて接続するときに、前記第1保持部材側に張り出している部位に下面15bに対向して下面15bを位置決めする底面27baaを有する。そして、下面15bと底面27baaとの間には、これらの面の平面視において複数の光ファイバ23と重なる空間Sが形成される。
【0065】
従って、プラグ15は、レセプタクル21に支持される(より好適には収容される)ので、例えば、プラグ15を簡素化もしくは小型化したり、レセプタクル21によって光ファイバ23および光導波路25の端面の保護を図ったりすることが容易化される。
【0066】
また、空間Sが構成されていることから、発光素子9Aまたは受光素子11Aなどの素子または周辺に配置された電気回路等からの熱がプラグ15に伝達された場合でもプラグ15の放熱性を向上させることができる。
【0067】
また、プラグ15において、光ファイバ23と下面15bとの間の部分(第1構成部材33)が熱膨張・熱収縮して第1構成部材33が変形した場合でも、空間Sによって底面27baaに当接しにくくすることができる。すなわち、第1構成部材33において熱膨張・熱収縮が生じたときに下面15bが底面27baaから反力を受けてプラグ15が浮き上がることを抑制することができる。その結果、光ファイバ23と光導波路25とが位置ずれまたは光軸がずれることを抑制することができる。特に、光ファイバ23が複数の場合には、配列方向(Y方向)に長くなるとともに平板状の部位が多くなることから、(特にリセプタクル21の底面が)単純な膨張・収縮の他に反り・捻れの影響を受けにくくすることができる。
【0068】
また、基板17を介して伝わる周辺の素子の熱や外乱による熱がコネクタ3に伝わった場合でも、空間Sによってコネクタ3の不要な蓄熱を抑制しやすくすることができ(放熱しやすくすることができ)、第1構成部材33の反り・捻じれの発生を抑制することができる。その結果、第1構成部材33が熱の影響を受けにくくなるとともに、仮に第1構成部材33が熱の影響を受けた場合でも光軸がずれにくくすることができる。
【0069】
さらに、第1構成部材33が空間Sを有していることから、リセプタクル21の底面27baと接触するプラグ15の下面15bの面積を少なくすることができるため、リセプタクル21とプラグ15との間の摺動抵抗を小さくすることができる。その結果、リセプタクル21の底面27ba上に微小な異物(例えば、ダストまたは基板繊維など)が存在した場合でも、空間Sが存在することによってプラグ15が異物に乗り上げにくくすることができ、光軸がずれるのを抑制することができる。
【0070】
また、このようにプラグ15がリセプタクル21との間に空間Sを有していることから、プラグ15の製造交差を緩和することができる。これによって、プラグ15(例えば、第1構成部材33)の成型時の反りまたは捻れ等の形状歩留りを向上させることができる。これに対して、プラグがリセプタクルとの間に空間を有していない場合には、プラグおよびリセプタクルの平坦性が悪く、反りまたは捻れによって歩留りの低下を招きやすかった。
【0071】
特に、空間Sが、複数の光ファイバ23全体の幅を含む幅を有する場合においては、上記の光ファイバ23の変位抑制の効果が顕著となる。また、下面15bが、空間Sを構成する凹部15hを有する場合においては、第1構成部材33が薄くなり、ひいては、第1構成部材33の熱膨張・熱収縮が縮小され、光ファイバ23の変位が一層抑制される。
【0072】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係るプラグ215を示す、図5(a)に相当する断面図である。
【0073】
第1の実施形態においては、凹部15hの幅は、複数の光ファイバ23全体の幅よりも大きく且つ接着剤37の接着領域の幅(第2構成部材35の幅)よりも狭かったが、本実施形態では、凹部215hの幅W21は、接着剤37の接着領域の幅W23よりも広くなっている。なお、その他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
【0074】
接着剤37も第1,第2構成部材と同様に熱膨張・熱収縮する。従って、寸法変化する構成(第1構成部材・接着剤)を含んだ凹部33hよりも凹部215hの幅W21を広くすることによって、より好適にプラグ15の熱膨張等が吸収・緩和され、光ファイバ23の位置ずれが抑制される。
【0075】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る光コネクタ303を示す、図5(a)に相当する断面図である。
【0076】
光コネクタ303においては、プラグ315(第1構成部材333)の下面315bには凹部が形成されていない。その一方で、レセプタクル321(支持部材327)の底面327baaに凹部327hが形成されている。そして、凹部327hによって空間Sが構成されている。
【0077】
このように、空間Sは、レセプタクル321側に形成されることも可能である。そして、空間Sは、第1の実施形態と同様に、プラグ315の熱膨張・熱収縮を吸収し、ひいては、光ファイバ23の位置ずれ抑制に寄与する。
【0078】
なお、凹部327hは、第2の実施形態と同様に、接着剤37の接着領域よりも広く形成されている。ただし、凹部337hは、第1の実施形態と同様の広さであってもよい。
【0079】
(第4の実施形態)
図9は、第4の実施形態に係る光コネクタ403を示す、図5(a)に相当する断面図である。
【0080】
プラグ15は、第1の実施形態と同様のものであり、レセプタクル321は、第3の実施形態と同様のものである。すなわち、プラグ15の下面15bには凹部15hが形成されており、レセプタクル321の底面327baaには凹部327hが形成されている。そして、凹部15hおよび凹部327hの双方によって、空間Sが構成されている。
【0081】
凹部15hの幅は、凹部327hの幅よりも狭くなっている。従って、空間Sは、幅方向において高さが変化している。具体的には、空間Sは、全体としては、接着剤37の接着領域の幅よりも広い幅を有しており、また、接着剤37の接着領域の幅よりも狭く且つ光ファイバ23全体の幅よりも広い範囲において高さが大きくなっている。
【0082】
このように、空間Sは、プラグ15およびレセプタクル321の双方の凹部によって構成されてよく、また、その高さも変化してよい。そして、光ファイバ23の下方に位置する領域、すなわち、光ファイバ23によって伝達される熱に起因する熱膨張が相対的に大きい領域において、空間Sの高さを相対的に大きくすることによって、光コネクタ3の強度を確保しつつ、空間Sによってプラグ15の熱膨張・熱収縮を効果的に吸収できる。
【0083】
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態に係る光コネクタ503を示す、図5(a)に相当する断面図である。
【0084】
光コネクタ503は、第3および第4の実施形態と同様のレセプタクル321を有し、また、第4の実施形態と同様に、高さが変化する空間Sを構成している。ただし、プラグ515(第2構成部材533)の下面515bに形成された凹部515hの大きさおよび配置位置が第4の実施形態と相違する。
【0085】
具体的には、凹部515hは、複数の光ファイバ23の下方に位置する領域に複数設けられている。なお、凹部515hは、複数の光ファイバ23に沿って(x方向に)延びており、凹溝状に形成されている。このように複数の光ファイバ23の下方に位置(各光ファイバ23と対応する位置)する領域に凹部515が形成されていることにより、プラグ15の放熱性を向上させることができるとともに、第1構成部材33の機械強度を維持することができる。また、凹部515hの間隔、寸法などを変化させることにより、第2構成部材533自体の成形時の反り・捻れ等を調整することを可能とすることができる。このような構成によっても、第4の実施形態と同様の効果が期待される。
【0086】
(第6の実施形態)
図11は、第6の実施形態に係る光コネクタ603を示す、図5(a)に相当する断面図である。
【0087】
プラグ15は、第1の実施形態と同様のものである。レセプタクル621(支持部材627)の底面627baaには、プラグ15の凹部15hの両側の支持突部15kが嵌合する凹溝627gが形成されている。別の観点では、レセプタクル621には、凹部15hの内壁面に当接する位置決め部627f(突部)が形成されている。ただし、凹溝627gは、凹部15hよりも浅く、プラグ15の下面15bと底面627baaとの間には、他の実施形態と同様に、空間Sが形成されている。
【0088】
本実施形態では、空間Sによるプラグ15の熱膨張・熱収縮の吸収の効果に加え、空間Sを形成するための凹部15hがプラグ15のy方向の位置決めに利用され、簡素な構成で光ファイバ23の位置決めを行うことができるという効果が奏される。
【0089】
(第7の実施形態)
図12(a)は、第7の実施形態に係る光コネクタ703を示す、図5(a)に相当する断面図である。図12(b)は、図12(a)の領域XIIbの拡大図である。
【0090】
光コネクタ703のプラグ715は、複数の光ファイバ23を挟持する第1構成部材および第2構成部材に代えて、第1構成部材および第2構成部材が一体的に形成されたような構成部材733を有している。構成部材733には、複数の貫通孔733h(図12(b))が形成されており、複数の光ファイバ23は、複数の貫通孔733hに挿入されて保持されている。光ファイバ23と貫通孔733hの内周面との隙間には接着剤37(図12(b))が充填されている。なお、構成部材733の材料は、第1構成部材および第2構成部材と同様に、樹脂、セラミックもしくは金属等の適宜な材料により形成されてよい。
【0091】
このような構成においては、例えば、接着剤37の量を少なくできることから、光ファイバ23の位置を調整しやすくなる。また、例えば、光ファイバ23同士の間に位置する接着剤37の量が低減されることから、複数の光ファイバ23のピッチを小さくすることができる。また、例えば、第1構成部材および第2構成部材間に配置される接着剤層が無くなることから、プラグ715の薄型化も容易化される。熱膨張・熱収縮の要因の一つである接着剤37の量が少なくなることと空間Sによる変位抑制とが相俟って光ファイバ23の位置ずれがより抑制される。
【0092】
また、光コネクタ703は、第3の実施形態と同様に、底面327baaに凹部327hが形成されたレセプタクル321(支持部材327)を有している。一方、プラグ715の下面715bには、凹部327hに嵌合し、突出量が凹部327hの深さよりも小さい突状の位置決め部715mが形成されている。従って、凹部327hは、空間Sの形成だけでなく、プラグ715の位置決めにも利用されている。
【0093】
(第8の実施形態)
図13(a)は、第8の実施形態に係る光コネクタ803を示す、図5(a)に相当する断面図である。図13(b)は、図13(a)の領域XIIIbの拡大図である。
【0094】
光コネクタ803のプラグ815は、第7の実施形態と同様に、第1構成部材および第2構成部材が一体的に形成されたような構成部材833を有している。また、構成部材833は、第7の実施形態の構成部材733と同様に、突状の位置決め部815mをレセプタクル321の凹部327hに嵌合させている。
【0095】
ただし、構成部材833においては、複数の光ファイバ23が共に挿通される貫通孔833hが形成されている。複数の光ファイバ23と貫通孔833hとの隙間には、第7の実施形態と同様に、接着剤37が充填されている。なお、空間Sは、好ましくは、貫通孔833hの幅(y方向)に亘って形成されている。
【0096】
第8の実施形態においても、第7の実施形態と同様に、第1の実施形態等の第1構成部材および第2構成部材を接着する構成に比較して、接着剤37の量が低減され、プラグ815の小型化等の種々の効果が奏される。
【0097】
なお、以上の実施形態において、光ファイバ23は本発明の第1光伝送路の一例であり、プラグ15、215、315、515、715および815はそれぞれ本発明の第1保持部材の一例であり、これらプラグの下面(15b等)は本発明の第1保持部材の下面の一例であり、光導波路25は本発明の第2光伝送路の一例であり、基板17と、レセプタクル21、321もしくは621との組み合わせは本発明の第2保持部材の一例であり、これらレセプタクルの底面(27baa等)は本発明の第2保持部材の底面の一例である。
【0098】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0099】
光コネクタは、光ケーブルと基板に形成された光導波路とを接続するものに限定されず、例えば、光ケーブル同士を接続するものであってもよい。光伝送路は、光ファイバもしくは光導波路によって構成されるものに限定されない。例えば、光伝送路は、光ファイバとレンズとを含んで構成されてもよい。
【0100】
第1構成部材および第2構成部材は、接着剤によって固定されるものに限定されず、例えば、ねじによって固定されるものであってもよい。
【0101】
第2保持部材(レセプタクル)は、第1保持部材の全周(下面、上面および2つの側面)を覆わなくてもよい。例えば、実施形態において、蓋部材29を設けないようにしたり、側面部27bbおよび蓋部材29に代えて針金状の部材を設けたりしてもよい。また、実施形態では、支持部材27は、上面が開放される形状であったが、側面が開放される形状であってもよい。
【0102】
第1保持部材と第2保持部材との係合方法(接続維持方法)は、適宜に変更されてよい。例えば、実施形態において、蓋部材29を弾性変形可能なものとする代わりに、固定部31の位置にてy軸に平行な軸回りに回転可能なもの(開閉されるもの)としてもよいし、蓋部材29の係合部29bに代えて、側面部27bbにプラグ15の抜けを防止する係合部を設けてもよいし、案内突部27bcを設けずに蓋部材29によってプラグ15の浮き上がりを抑制してもよいし、磁石等の係合以外の方法によって接続を維持してもよい。
【0103】
空間は、第1保持部材の下面および/または第2保持部材の底面に凹部が形成されることによって形成されるものに限定されない。例えば、下面および/または内側面において、複数の突部が点在する、もしくは配列されることによって空間が形成されてもよい。また、空間は、複数の第1光伝送路の少なくとも一部に重なっていればよく、全体に重なっている必要は無い。
【0104】
凹部(空間)の形状は、直方体状に限定されない。例えば、凹部は、その底面が球面状に湾曲してもよい。この場合、アーチと同様に、プラグおよび/またはレセプタクルの強度が向上する。また、凹部は、平面視において台形もしくは三角に形成されるなど、平面視において幅が変化するように形成されていてもよい。また、凹部は、第1保持部材の全体に亘る溝状に形成されている必要はなく、例えば第1保持部材の前方(接続側)のみに設けられていてもよい。
【0105】
第4および第5の実施形態(図9、図10)のように、第1保持部材および第2保持部材の双方に凹部を形成して双方の凹部によって空間を構成する場合において、双方の凹部は、その幅等が互いに異なっている必要は無く、互いに同一の幅等であってもよい。
【0106】
また、第4および第5の実施形態のように、空間の高さが変化する場合において、当該空間は、第1保持部材および第2保持部材の双方の凹部によって構成されるものに限定されない。すなわち、第1保持部材および第2保持部材の一方のみに凹部が形成され、その一の凹部の深さが変化することによって空間の高さが変化してもよい。
【0107】
また、空間の高さの変化は、1段の変化だけでなく、2段以上の変化であってもよい。例えば、第4の実施形態(図9)において、凹部15hの底面に図10の凹部515hが形成されることによって、空間に2段の変化が生じてもよい。また、空間の高さの変化は、曲面もしくは傾斜面によって連続的なものとされてもよい。
【0108】
第6〜第8の実施形態(図11〜図13)に例示した位置決め部(627f、715m、815m)は、平面視において凹部と同様の形状および大きさを有している必要はなく、例えば、凹部の内壁面に当接するリブ状であってもよい。凹部は、上述のように、接続方向に延びる溝状である必要はなく、位置決め部も、幅方向の位置決めを行うもののみに限定されず、例えば、凹部の後方の内壁面に当接するものであってもよい。
【0109】
第7および第8の実施形態(図12、図13)に例示した、一体形成され、光ファイバが挿通される構成部材(第1保持部材、プラグ)、および、当該構成部材に組み合わされる支持部材(第2保持部材、レセプタクル)の形状は、適宜な形状とされてよく、例えば、第1〜第6の実施形態のプラグおよびレセプタクルの形状と同様とされてもよい。
【0110】
なお、課題の説明では、従来技術において生じる不都合として、ガイドピンを挿通する部位の形成の必要性、および保持部材の端面間へのノイズ等の侵入を例示したが、本発明において必ずしもこれらの課題が解決されている必要は無い。本願発明は、底面を有すること等によって従来技術とは構成が異なり、その結果、従来技術に比較して何らかの有利な効果が奏される。
【符号の説明】
【0111】
3…光コネクタ、15…プラグ(第1保持部材)、15b…下面、17…基板(第2保持部材)、21…レセプタクル(第2保持部材)、23…光ファイバ(第1光伝送路)、25…光導波路(第2光伝送路)、27baa…底面、S…空間。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の伝送路同士を接続する光コネクタおよび該光コネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ等によって構成された光伝送路同士を接続する光コネクタが知られている。例えば、特許文献1の光コネクタは、第1光伝送路を保持する第1保持部材と、第2光伝送路を保持する第2保持部材とを有している。第1光伝送路は、その端面が第1保持部材の端面から露出しており、第2光伝送路は、その端面が第2保持部材の端面から露出している。そして、第1光伝送路と第2光伝送路とは、保持部材の端面同士を突き合わせることによって接続されている。また、第1光伝送路と第2光伝送路とは、第1保持部材から突出するガイドピンが第2保持部材に対して上記の突き合わせの方向に挿入されることによって、光伝送路に直交する方向の位置決めがなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−84147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、種々の不都合が生じる。例えば、第1および第2保持部材の双方にガイドピンを挿通するための部位が必要となる。また、例えば、保持部材の端面間の隙間へノイズ、水もしくは塵が入り込むおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、光伝送路を好適に接続できる光コネクタおよび光コネクタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る光コネクタは、複数の第1光伝送路を並列に左右に配列した状態で保持しており、前記複数の第1光伝送路の配列方向に沿った下面を有する第1保持部材と、複数の第2光伝送路を並列に左右に配列した状態で保持しており、前記複数の第1光伝送路と前記複数の第2光伝送路とを突き合わせて接続するときに、前記第1保持部材側に張り出している部位に前記下面に対向して該下面を位置決めする底面を有する第2保持部材と、を有し、前記下面と前記底面との間には、前記複数の第1光伝送路の下方に位置する空間が形成されている。
【0007】
好適には、前記空間は、前記複数の第1光伝送路全体の幅以上の幅で形成されている。
【0008】
好適には、前記第1保持部材は、前記下面および該下面とは反対側の第1面を有する第1構成部材と、前記第1面との間に前記複数の第1光伝送路を挟み込む第2面を有する第2構成部材と、前記第1面と前記第2面との間に、前記複数の第1光伝送路全体の幅よりも広い幅の接着領域に亘って介在する接着剤と、を有し、前記空間は、前記接着領域の幅以上の幅で形成されている。
【0009】
好適には、前記下面は、前記空間を構成する凹部を有している。
【0010】
好適には、前記下面および前記底面の一方は、前記空間を構成する、前記複数の第1光伝送路全体の幅よりも広い幅の第1凹部を有し、前記下面は、前記空間を前記第1凹部とともに構成する、前記第1凹部の幅よりも狭く且つ前記複数の第1光伝送路全体の幅以上の幅の第2凹部を有している。
【0011】
好適には、前記下面は、前記複数の第1光伝送路の下方に位置して前記空間を構成する複数の凹部を有している。
【0012】
好適には、前記下面および前記底面の一方は、前記空間を構成する凹部を有し、前記下面および前記底面の他方は、前記凹部の内壁面に当接する位置決め部を有している。
【0013】
本発明の一態様に係る光コネクタの製造方法は、複数の光伝送路を並列に左右に配列された状態で保持する保持部材を含む光コネクタの製造方法であって、前記保持部材を構成する下側の構成部材となる第1構成部材と上側の構成部材となる第2構成部材との間に、並列に左右に配列した前記複数の光伝送路および接着剤を挟み込む工程と、前記第1構成部材と前記第2構成部材とを前記複数の光伝送路を挟み込む方向に押圧しつつ加熱し、前記接着剤を硬化させる工程と、を有し、前記第1構成部材の前記第2構成部材とは反対側の面には凹部を形成し、前記硬化させる工程では、前記凹部に加熱および加圧を行う治具を当接させる。
【発明の効果】
【0014】
上記の構成によれば、光伝送路を好適に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態に係る光コネクタを非接続状態で示す斜視図である。
【図2】図2は図1の光コネクタを接続状態で示す斜視図である。
【図3】図3は図1の光コネクタの基板および支持部材を示す斜視図である。
【図4】図4は図2のIV−IV線における断面図である。
【図5】図5(a)は図2のIVa−IVa線における断面図であり、図5(b)は図5(a)の領域IVbの拡大図である。
【図6】図6は図1の光コネクタのプラグの製造方法を説明する断面図である。
【図7】図7は第2の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図である。
【図8】図8は第3の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図である。
【図9】図9は第4の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図である。
【図10】図10は第5の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図である。
【図11】図11は第6の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図である。
【図12】図12(a)は第7の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図であり、図12(b)は、図12(a)の領域XIIbの拡大図である。
【図13】図13(a)は第8の実施形態に係る光コネクタの要部を示す断面図であり、図13(b)は、図13(a)の領域XIIIbの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る光コネクタについて、図面を参照して説明する。なお、第2の実施形態以降において、既に説明された実施形態の構成と同様もしくは類似する構成については、既に説明された実施形態の構成と同様の符号を付し、また、説明を省略することがある。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光コネクタ3および該光コネクタ3を含む光伝送モジュール1を非接続状態で示す斜視図である。また、図2は、光コネクタ3を接続状態で示す斜視図である。
【0018】
なお、光コネクタ3は、いずれの方向が上方または下方とされて使用されてもよいものであるが、以下の説明では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面もしくは下面の語を用いるものとする。
【0019】
光伝送モジュール1は、プラグアセンブリ5と、該プラグアセンブリ5と接続されるレセプタクルアセンブリ7とを有している。
【0020】
また、光伝送モジュール1は、図1に示すように、プラグアセンブリ5に接続された発光素子9Aおよび受光素子11Aと、レセプタクルアセンブリ7に接続された発光素子9Bおよび受光素子11Bとを有している。
【0021】
発光素子9Aにおいて生成された光は、接続状態のプラグアセンブリ5およびレセプタクルアセンブリ7を介して受光素子11Bによって受光される。また、発光素子9Bにおいて生成された光は、接続状態のレセプタクルアセンブリ7およびプラグアセンブリ5を介して受光素子11Aによって受光される。なお、発光素子9Bおよび受光素子11Bは、基板17に実装されていてもよいし、基板17とは別個に設けられていてもよい。
【0022】
プラグアセンブリ5は、一端側が発光素子9Aおよび受光素子11Aに接続された光ケーブル13と、光ケーブル13の他端側に設けられたプラグ15とを有している。
【0023】
レセプタクルアセンブリ7は、基板17と、基板17に設けられ、一端側が発光素子9Bおよび受光素子11Bに接続された光導波路帯19と、光導波路帯19の他端側に設けられたレセプタクル21とを有している。
【0024】
プラグ15がレセプタクル21に挿入されることによって光ケーブル13と光導波路帯19とは接続される。なお、光コネクタ3は、プラグ15、基板17の一部およびレセプタクル21を含んで構成されている。
【0025】
光ケーブル13は、図1において透視して示すように、複数の光ファイバ23を有している。各光ファイバ23は、コア39(図5(b)参照)およびクラッド41(図5(b)参照)、ならびに必要に応じて被膜を有している。光ファイバ23の直径は適宜に設定されてよいが、例えば、直径が70μm以上200μm以下である。なお、複数の光ファイバ23は、プラグ15外において、シースによって覆われて束ねられていてもよいし、束ねられていなくてもよいが、本実施形態では束ねられている場合を例示している。
【0026】
複数の光ファイバ23は、例えば、少なくともプラグ15の内部において径方向に一列に配列されている(図5(a)参照)。具体的に、本実施形態では、図5(a)に示すように、光ファイバ23がy方向に一列に配列されている。複数の光ファイバ23は、それぞれの光ファイバ23同士が、例えば一定間隔を空けて配置されている。
【0027】
プラグ15は、例えば、概ね、直方体状に形成されており、上面15a、下面15b、2つの側面15c、前面(第1接続部15d)および後面15eを有している。プラグ15の寸法は適宜に設定されてよいが、例えば、平面視における1辺が数mm程度である。光ケーブル13は、プラグ15に対して後面15eから第1接続部15dへの方向へ挿通されており、複数の光ファイバ23の端面は、第1接続部15dにおいて露出している(図4参照)。
【0028】
複数の光ファイバ23の端面(コア39の端面)は、プラグ15の第1接続部15dで同一面となるように配置されていてもよいし、プラグ15の第1接続部15dよりも内側のプラグ15内部に配置されていてもよいし、プラグ15の第1接続部15dよりも突出するように配置されていてもよい。
【0029】
光ファイバ23の端面(コア39の端面)をプラグ15の第1接続部15dよりも内側にプラグ15内部に配置した場合には、光導波路25との接続の際に、光ファイバ23の端面(コア39の端面)に傷をつきにくくすることができる。一方、光ファイバ23の端面(コア39の端面)をプラグ15の第1接続部15dよりも突出するように配置した場合には、光導波路25と光学的に接続しやすくすることができる。
【0030】
基板17は、例えば、リジッド式のプリント配線基板によって構成されている。基板17は、例えば、平板状に形成されており、第1主面17aと、その背面の第2主面(符号省略)と、これら主面の外周側に面する外周面(符号省略)とを有している。外周面のうち一部は、プラグ15側に面する対向面17cとなっている。対向面17cは、例えば、基板17の平面視において、レセプタクル21の配置範囲に亘って直線状に形成されている(対向面17cは平面状に形成されている)。
【0031】
光導波路帯19は、基板17の第1主面17aに設けられ、図1において透視して示すように、複数の光導波路25を有している。
【0032】
各光導波路25は、周知のように、光ファイバと同様の構成を有し、不図示のコアおよびクラッドを有している。なお、光導波路25は、スラブ型、埋め込み型、半埋め込み型等の適宜な方式のものとされてよい。光導波路25の端面は、対向面17cにおいて露出している(図4参照)。複数の光導波路25は、少なくとも対向面17cから露出する端面側において、対向面17cに沿う方向(y方向)において一列に配列されている。
【0033】
レセプタクル21は、基板17に取り付けられ、プラグ15を支持する支持部材27と、支持部材27に取り付けられ、プラグ15を覆う蓋部材29とを有している。支持部材27および蓋部材29は、樹脂、セラミックもしくは金属等の適宜な材料によって形成されてよい。
【0034】
図3は、蓋部材29を取り外した状態のレセプタクルアセンブリ7を示す斜視図である。
【0035】
支持部材27は、例えば、主として支持部材27の基板17への取り付けに寄与する取付部27aと、主としてプラグ15の保持に寄与する収容部27bとを有している。
【0036】
取付部27aは、例えば、概ね板状に形成されており、基板17の第1主面17a(光導波路帯19)に重ねられている。取付部27aと基板17との固定は、例えば、ネジ、はんだなどの固定部材、または無機材料もしくは有機材料などを含む接着材等の適宜な手段によってなされる。
【0037】
収容部27bは、例えば、概ね断面矩形の溝部を構成する形状に形成されており、底面部27baおよび2つの側面部27bbを有している。底面部27baおよび側面部27bbによって構成される凹部は、プラグ15が概ね嵌合する形状および大きさとされている。底面部27baは、プラグ15の下面15bの形状に合わせて、適宜設計することができる。本実施形態では、底面部27baが、平坦な平面となるように形成されている場合について説明する。
【0038】
側面部27bbには、収容部27bの内部側に突出する案内突部27bcが設けられていてもよい。本実施形態においては、案内突部27ccが設けられている場合について説明する。案内突部27bcは、例えば、一の側面部27bbにおいてプラグ15の挿入方向に沿って2つ設けられている。
【0039】
一方、図1に示すように、プラグ15においては、上面15aと側面15cとの角部が切り欠かれて、レセプタクル21への挿入方向に延びる案内溝15fが形成されている。別の観点では、プラグ15の側面には、側方に突出するとともにレセプタクル21の挿入方向に延びる被挟持部15gが形成されている。案内溝15fの位置は、案内突部27bcの位置に対応している。
【0040】
そして、プラグ15は、被挟持部15gを底面部27baと案内突部27bcとの間に挿入するようにレセプタクル21に挿入され、底面部27ba、側面部27bbおよび案内突部27bcに案内および位置決めされる。具体的には、プラグ15は、被挟持部15gが底面部27baと案内突部27bcとの間に嵌合することによってz方向の位置決めがなされ、2つの側面部27bb間に嵌合することによってy方向の位置決めがなされる。なお、y方向の位置決めは、側面部27bbに代えてもしくは加えて、案内突部27bcによって行うことも可能である。
【0041】
収容部27bのy方向の寸法は、例えば光導波路25のy方向のコア径と光ファイバ23のy方向のコア径との関係によって設計すればよい。すなわち、収容部27bとプラグ15の寸法差でできるy方向の隙間によって、光導波路25と光ファイバ23がずれることから、光導波路25と光ファイバ23との間でどれくらいの光の漏れを許容することができるかを考慮して、収容部27bのy方向の寸法を決めればよい。
【0042】
図3に戻って、取付部27aと収容部27bとの間には、基板17の対向面17cの一部(第2接続部17cc)を露出させるための開口27cが形成されている。第2接続部17ccにおいては、複数の光導波路25の端面が露出している(図4参照)。
【0043】
プラグ15がレセプタクル21に挿入されると、プラグ15の第1接続部15dは第2接続部17ccに当接する。これによって、第1接続部15dにおいて露出する複数の光ファイバ23の端面と、第2接続部17ccにおいて露出する複数の光導波路25の端面とが互いに対向し、複数の光ファイバ23と複数の光導波路25とが光学的に接続される(図4参照)。
【0044】
図4は、図2のIV−IV線における断面図である。
【0045】
蓋部材29は、例えば、樹脂もしくは金属等の弾性変形可能な材料からなり、概ね板状に形成されている。また、蓋部材29は、一端側は固定部31によって取付部27aに固定されており、他端側は自由端とされている。固定部31は、はんだもしくはねじ等の適宜な手段によって構成されてよい。蓋部材29の自由端には、プラグ15の後面15eに対してプラグ15の挿入方向に係合する係合部29bが形成されている。
【0046】
プラグ15は、蓋部材29を上方へ撓ませて収容部27bに挿入され、挿入後、係合部29bが後面15eに係合し、係合部29bおよび第2接続部17ccに挟まれることによって、x方向の位置決めがなされる。
【0047】
なお、プラグ15の挿入前における第2接続部17ccから係合部29bまでの距離は、プラグ15の挿入後に係合部29bによってプラグ15を第2接続部17cc側へ押圧できるように、プラグ15の後面15eから第1接続部15dまでの距離よりも若干短いことが好ましい。蓋部材29は、プラグ15の上面15aに当接する部分を有して、プラグ15のz方向の位置決めに寄与してもよい。
【0048】
図5(a)は、図2のVa−Va線における断面図である。
【0049】
プラグ15は、レセプタクル21の底面部27baの底面27baaに支持される第1構成部材33と、第1構成部材33に支持された第2構成部材35と、第1構成部材33と第2構成部材35とを接着する接着剤37とを有している。光ファイバ23は、第1構成部材33と第2構成部材35とによって挟まれてプラグ15に保持されている。
【0050】
第1構成部材33は、概略、板状に形成されており、平面視においては例えば矩形である。また、第1構成部材33の下面は、プラグ15の下面15bを構成している。下面15bには、凹部15hが形成されている。また、第1構成部材33の上面33aには第2構成部材35の下方側部分が概ね嵌合する凹部33hが形成されている。
【0051】
凹部15hが形成されることによって、プラグ15の下面15bとレセプタクル21の底面27baaとの間には空間Sが形成される。別の観点では、プラグ15は、凹部15hの両側に形成された支持突部15kにおいて底面27baaに当接して、底面27baaに位置決めされる。
【0052】
凹部15h(空間S)は、例えば、薄型の直方体状に形成され、プラグ15の第1接続部15dから後面15eに亘っている(深さ(z方向)および幅(y方向)が一定でx方向に延びる溝状に形成されている)。凹部15h(支持突部15k)の各種寸法は、後述する種々の効果が好適に得られるように適宜に設定されてよい。一例として、凹部15hの幅は、複数の光ファイバ23全体の幅よりも大きく、凹部15hの深さは、0.05mm程度であり、支持突部15kの幅は、0.5mm以上1mm以下である。
【0053】
凹部33hは、例えば、薄型の直方体状に形成され、プラグ15の第1接続部15dから後面15eに亘っている(深さ(z方向)および幅(y方向)が一定でx方向に延びる溝状に形成されている)。
【0054】
第2構成部材35は、例えば、薄型直方体状に形成され、その幅(y方向)および長さ(x方向)は凹部33hと同程度(厳密には、第2構成部材35の幅は、凹部33hの幅よりも若干小さい)である。
【0055】
第2構成部材35の厚み(z方向)は、凹部33hの深さよりも大きく設定されている。従って、第2構成部材35が凹部33hに配置されると、第2構成部材35の上方側部分は第1構成部材33から上方へ突出する。その結果、第2構成部材35の両側には案内溝15fが形成され、また、第1構成部材33の側方部分は被挟持部15gとして機能する。
【0056】
第1構成部材33および第2構成部材35は、同一材料もしくは熱膨張率が同等の材料により形成されていてもよい。このように第1構成部材33および第2構成部材35が、同じまたは同等の熱膨張率の材料によって構成されていることによって、両者の間で発生する熱応力を緩和することができる。第1構成部材33および第2構成部材35は、例えば、樹脂、セラミックもしくは金属によって形成されている。
【0057】
接着剤37は、例えば、第1構成部材33および第2構成部材35の間の全体に亘って介在している。なお、接着剤37は、光ファイバ23に対しても接着している。接着剤37は、例えば、熱硬化性樹脂によって構成されている。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂もしくはフェノール樹脂である。
【0058】
図5(b)は、図5(a)の領域Vbの拡大図である。
【0059】
第1構成部材33の上面33a(凹部33hの底面)および第2構成部材35の下面35aそれぞれには、光ファイバ23をy方向において位置決めするための溝部33cおよび35cが形成されている。溝部33cおよび35cそれぞれは、例えば、断面が三角形状とされており、2辺が光ファイバ23に対して当接している。なお、溝部は、レセプタクル21に対するプラグ15のy方向の位置決めに直接関わる第1構成部材33のみに形成されていてもよい。
【0060】
光ファイバ23は、第1構成部材33および第2構成部材35によって挟持されるが、別の観点では、第1構成部材33と第2構成部材35とを離間させるスペーサとして機能している。そして、その隙間に接着剤37が充填されている。
【0061】
図6は、光コネクタ3の製造方法、より詳細には、プラグ15の製造方法を説明する、図5(a)に相当する断面図である。
【0062】
まず、プラグ15の下側の構成部材となる第1構成部材33とプラグ15の上側の構成部材となる第2構成部材35とで複数の光ファイバ23および接着剤37を挟み込む。次に、治具51および53によって第1構成部材33と第2構成部材35とをその挟み込む方向に押圧しつつ加熱し、熱硬化性樹脂等からなる接着剤37を硬化させる。これによって、凹部を有さない第1構成部材の場合と比較して、凹部15hの分だけ第1構成部材33を薄くすることができため、治具51と接着剤37との距離を短くすることができ、接着剤37を硬化しやすくすることができる。
【0063】
このとき、治具51を、第1構成部材33の凹部15hに嵌合(凹部15hの底面および側面に当接)させて、凹部15hの底面を押圧および加熱を行なってもよい。この場合、治具51は、第1構成部材33の薄くなった部分を介して接着剤37に熱を付与することになり、加熱の効率が向上する。また、治具51の凹部15hへの嵌合によって、第1構成部材33のy方向の位置ずれ抑制がなされる。治具51が、凹部15hに嵌合するような比較的大きな当接面積を有することによって、第1構成部材33の傾斜抑制や更なる加熱効率の向上が期待される。その結果、光ファイバ23に対して、第1構成部材33および第2構成部材35の傾斜を抑制した状態で、接着剤37を硬化させることができる。
【0064】
以上のとおり、本実施形態では、光コネクタ3は、複数の光ファイバ23を並列に左右に配列した状態で保持するプラグ15と、複数の光導波路25を並列に左右に配列した状態で保持するレセプタクル21および基板17とを有する。プラグ15は、複数の光ファイバ23の配列方向に沿った下面15bを有し、レセプタクル21は、複数の光ファイバ23と複数の光導波路25とを突き合わせて接続するときに、前記第1保持部材側に張り出している部位に下面15bに対向して下面15bを位置決めする底面27baaを有する。そして、下面15bと底面27baaとの間には、これらの面の平面視において複数の光ファイバ23と重なる空間Sが形成される。
【0065】
従って、プラグ15は、レセプタクル21に支持される(より好適には収容される)ので、例えば、プラグ15を簡素化もしくは小型化したり、レセプタクル21によって光ファイバ23および光導波路25の端面の保護を図ったりすることが容易化される。
【0066】
また、空間Sが構成されていることから、発光素子9Aまたは受光素子11Aなどの素子または周辺に配置された電気回路等からの熱がプラグ15に伝達された場合でもプラグ15の放熱性を向上させることができる。
【0067】
また、プラグ15において、光ファイバ23と下面15bとの間の部分(第1構成部材33)が熱膨張・熱収縮して第1構成部材33が変形した場合でも、空間Sによって底面27baaに当接しにくくすることができる。すなわち、第1構成部材33において熱膨張・熱収縮が生じたときに下面15bが底面27baaから反力を受けてプラグ15が浮き上がることを抑制することができる。その結果、光ファイバ23と光導波路25とが位置ずれまたは光軸がずれることを抑制することができる。特に、光ファイバ23が複数の場合には、配列方向(Y方向)に長くなるとともに平板状の部位が多くなることから、(特にリセプタクル21の底面が)単純な膨張・収縮の他に反り・捻れの影響を受けにくくすることができる。
【0068】
また、基板17を介して伝わる周辺の素子の熱や外乱による熱がコネクタ3に伝わった場合でも、空間Sによってコネクタ3の不要な蓄熱を抑制しやすくすることができ(放熱しやすくすることができ)、第1構成部材33の反り・捻じれの発生を抑制することができる。その結果、第1構成部材33が熱の影響を受けにくくなるとともに、仮に第1構成部材33が熱の影響を受けた場合でも光軸がずれにくくすることができる。
【0069】
さらに、第1構成部材33が空間Sを有していることから、リセプタクル21の底面27baと接触するプラグ15の下面15bの面積を少なくすることができるため、リセプタクル21とプラグ15との間の摺動抵抗を小さくすることができる。その結果、リセプタクル21の底面27ba上に微小な異物(例えば、ダストまたは基板繊維など)が存在した場合でも、空間Sが存在することによってプラグ15が異物に乗り上げにくくすることができ、光軸がずれるのを抑制することができる。
【0070】
また、このようにプラグ15がリセプタクル21との間に空間Sを有していることから、プラグ15の製造交差を緩和することができる。これによって、プラグ15(例えば、第1構成部材33)の成型時の反りまたは捻れ等の形状歩留りを向上させることができる。これに対して、プラグがリセプタクルとの間に空間を有していない場合には、プラグおよびリセプタクルの平坦性が悪く、反りまたは捻れによって歩留りの低下を招きやすかった。
【0071】
特に、空間Sが、複数の光ファイバ23全体の幅を含む幅を有する場合においては、上記の光ファイバ23の変位抑制の効果が顕著となる。また、下面15bが、空間Sを構成する凹部15hを有する場合においては、第1構成部材33が薄くなり、ひいては、第1構成部材33の熱膨張・熱収縮が縮小され、光ファイバ23の変位が一層抑制される。
【0072】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係るプラグ215を示す、図5(a)に相当する断面図である。
【0073】
第1の実施形態においては、凹部15hの幅は、複数の光ファイバ23全体の幅よりも大きく且つ接着剤37の接着領域の幅(第2構成部材35の幅)よりも狭かったが、本実施形態では、凹部215hの幅W21は、接着剤37の接着領域の幅W23よりも広くなっている。なお、その他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
【0074】
接着剤37も第1,第2構成部材と同様に熱膨張・熱収縮する。従って、寸法変化する構成(第1構成部材・接着剤)を含んだ凹部33hよりも凹部215hの幅W21を広くすることによって、より好適にプラグ15の熱膨張等が吸収・緩和され、光ファイバ23の位置ずれが抑制される。
【0075】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る光コネクタ303を示す、図5(a)に相当する断面図である。
【0076】
光コネクタ303においては、プラグ315(第1構成部材333)の下面315bには凹部が形成されていない。その一方で、レセプタクル321(支持部材327)の底面327baaに凹部327hが形成されている。そして、凹部327hによって空間Sが構成されている。
【0077】
このように、空間Sは、レセプタクル321側に形成されることも可能である。そして、空間Sは、第1の実施形態と同様に、プラグ315の熱膨張・熱収縮を吸収し、ひいては、光ファイバ23の位置ずれ抑制に寄与する。
【0078】
なお、凹部327hは、第2の実施形態と同様に、接着剤37の接着領域よりも広く形成されている。ただし、凹部337hは、第1の実施形態と同様の広さであってもよい。
【0079】
(第4の実施形態)
図9は、第4の実施形態に係る光コネクタ403を示す、図5(a)に相当する断面図である。
【0080】
プラグ15は、第1の実施形態と同様のものであり、レセプタクル321は、第3の実施形態と同様のものである。すなわち、プラグ15の下面15bには凹部15hが形成されており、レセプタクル321の底面327baaには凹部327hが形成されている。そして、凹部15hおよび凹部327hの双方によって、空間Sが構成されている。
【0081】
凹部15hの幅は、凹部327hの幅よりも狭くなっている。従って、空間Sは、幅方向において高さが変化している。具体的には、空間Sは、全体としては、接着剤37の接着領域の幅よりも広い幅を有しており、また、接着剤37の接着領域の幅よりも狭く且つ光ファイバ23全体の幅よりも広い範囲において高さが大きくなっている。
【0082】
このように、空間Sは、プラグ15およびレセプタクル321の双方の凹部によって構成されてよく、また、その高さも変化してよい。そして、光ファイバ23の下方に位置する領域、すなわち、光ファイバ23によって伝達される熱に起因する熱膨張が相対的に大きい領域において、空間Sの高さを相対的に大きくすることによって、光コネクタ3の強度を確保しつつ、空間Sによってプラグ15の熱膨張・熱収縮を効果的に吸収できる。
【0083】
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態に係る光コネクタ503を示す、図5(a)に相当する断面図である。
【0084】
光コネクタ503は、第3および第4の実施形態と同様のレセプタクル321を有し、また、第4の実施形態と同様に、高さが変化する空間Sを構成している。ただし、プラグ515(第2構成部材533)の下面515bに形成された凹部515hの大きさおよび配置位置が第4の実施形態と相違する。
【0085】
具体的には、凹部515hは、複数の光ファイバ23の下方に位置する領域に複数設けられている。なお、凹部515hは、複数の光ファイバ23に沿って(x方向に)延びており、凹溝状に形成されている。このように複数の光ファイバ23の下方に位置(各光ファイバ23と対応する位置)する領域に凹部515が形成されていることにより、プラグ15の放熱性を向上させることができるとともに、第1構成部材33の機械強度を維持することができる。また、凹部515hの間隔、寸法などを変化させることにより、第2構成部材533自体の成形時の反り・捻れ等を調整することを可能とすることができる。このような構成によっても、第4の実施形態と同様の効果が期待される。
【0086】
(第6の実施形態)
図11は、第6の実施形態に係る光コネクタ603を示す、図5(a)に相当する断面図である。
【0087】
プラグ15は、第1の実施形態と同様のものである。レセプタクル621(支持部材627)の底面627baaには、プラグ15の凹部15hの両側の支持突部15kが嵌合する凹溝627gが形成されている。別の観点では、レセプタクル621には、凹部15hの内壁面に当接する位置決め部627f(突部)が形成されている。ただし、凹溝627gは、凹部15hよりも浅く、プラグ15の下面15bと底面627baaとの間には、他の実施形態と同様に、空間Sが形成されている。
【0088】
本実施形態では、空間Sによるプラグ15の熱膨張・熱収縮の吸収の効果に加え、空間Sを形成するための凹部15hがプラグ15のy方向の位置決めに利用され、簡素な構成で光ファイバ23の位置決めを行うことができるという効果が奏される。
【0089】
(第7の実施形態)
図12(a)は、第7の実施形態に係る光コネクタ703を示す、図5(a)に相当する断面図である。図12(b)は、図12(a)の領域XIIbの拡大図である。
【0090】
光コネクタ703のプラグ715は、複数の光ファイバ23を挟持する第1構成部材および第2構成部材に代えて、第1構成部材および第2構成部材が一体的に形成されたような構成部材733を有している。構成部材733には、複数の貫通孔733h(図12(b))が形成されており、複数の光ファイバ23は、複数の貫通孔733hに挿入されて保持されている。光ファイバ23と貫通孔733hの内周面との隙間には接着剤37(図12(b))が充填されている。なお、構成部材733の材料は、第1構成部材および第2構成部材と同様に、樹脂、セラミックもしくは金属等の適宜な材料により形成されてよい。
【0091】
このような構成においては、例えば、接着剤37の量を少なくできることから、光ファイバ23の位置を調整しやすくなる。また、例えば、光ファイバ23同士の間に位置する接着剤37の量が低減されることから、複数の光ファイバ23のピッチを小さくすることができる。また、例えば、第1構成部材および第2構成部材間に配置される接着剤層が無くなることから、プラグ715の薄型化も容易化される。熱膨張・熱収縮の要因の一つである接着剤37の量が少なくなることと空間Sによる変位抑制とが相俟って光ファイバ23の位置ずれがより抑制される。
【0092】
また、光コネクタ703は、第3の実施形態と同様に、底面327baaに凹部327hが形成されたレセプタクル321(支持部材327)を有している。一方、プラグ715の下面715bには、凹部327hに嵌合し、突出量が凹部327hの深さよりも小さい突状の位置決め部715mが形成されている。従って、凹部327hは、空間Sの形成だけでなく、プラグ715の位置決めにも利用されている。
【0093】
(第8の実施形態)
図13(a)は、第8の実施形態に係る光コネクタ803を示す、図5(a)に相当する断面図である。図13(b)は、図13(a)の領域XIIIbの拡大図である。
【0094】
光コネクタ803のプラグ815は、第7の実施形態と同様に、第1構成部材および第2構成部材が一体的に形成されたような構成部材833を有している。また、構成部材833は、第7の実施形態の構成部材733と同様に、突状の位置決め部815mをレセプタクル321の凹部327hに嵌合させている。
【0095】
ただし、構成部材833においては、複数の光ファイバ23が共に挿通される貫通孔833hが形成されている。複数の光ファイバ23と貫通孔833hとの隙間には、第7の実施形態と同様に、接着剤37が充填されている。なお、空間Sは、好ましくは、貫通孔833hの幅(y方向)に亘って形成されている。
【0096】
第8の実施形態においても、第7の実施形態と同様に、第1の実施形態等の第1構成部材および第2構成部材を接着する構成に比較して、接着剤37の量が低減され、プラグ815の小型化等の種々の効果が奏される。
【0097】
なお、以上の実施形態において、光ファイバ23は本発明の第1光伝送路の一例であり、プラグ15、215、315、515、715および815はそれぞれ本発明の第1保持部材の一例であり、これらプラグの下面(15b等)は本発明の第1保持部材の下面の一例であり、光導波路25は本発明の第2光伝送路の一例であり、基板17と、レセプタクル21、321もしくは621との組み合わせは本発明の第2保持部材の一例であり、これらレセプタクルの底面(27baa等)は本発明の第2保持部材の底面の一例である。
【0098】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0099】
光コネクタは、光ケーブルと基板に形成された光導波路とを接続するものに限定されず、例えば、光ケーブル同士を接続するものであってもよい。光伝送路は、光ファイバもしくは光導波路によって構成されるものに限定されない。例えば、光伝送路は、光ファイバとレンズとを含んで構成されてもよい。
【0100】
第1構成部材および第2構成部材は、接着剤によって固定されるものに限定されず、例えば、ねじによって固定されるものであってもよい。
【0101】
第2保持部材(レセプタクル)は、第1保持部材の全周(下面、上面および2つの側面)を覆わなくてもよい。例えば、実施形態において、蓋部材29を設けないようにしたり、側面部27bbおよび蓋部材29に代えて針金状の部材を設けたりしてもよい。また、実施形態では、支持部材27は、上面が開放される形状であったが、側面が開放される形状であってもよい。
【0102】
第1保持部材と第2保持部材との係合方法(接続維持方法)は、適宜に変更されてよい。例えば、実施形態において、蓋部材29を弾性変形可能なものとする代わりに、固定部31の位置にてy軸に平行な軸回りに回転可能なもの(開閉されるもの)としてもよいし、蓋部材29の係合部29bに代えて、側面部27bbにプラグ15の抜けを防止する係合部を設けてもよいし、案内突部27bcを設けずに蓋部材29によってプラグ15の浮き上がりを抑制してもよいし、磁石等の係合以外の方法によって接続を維持してもよい。
【0103】
空間は、第1保持部材の下面および/または第2保持部材の底面に凹部が形成されることによって形成されるものに限定されない。例えば、下面および/または内側面において、複数の突部が点在する、もしくは配列されることによって空間が形成されてもよい。また、空間は、複数の第1光伝送路の少なくとも一部に重なっていればよく、全体に重なっている必要は無い。
【0104】
凹部(空間)の形状は、直方体状に限定されない。例えば、凹部は、その底面が球面状に湾曲してもよい。この場合、アーチと同様に、プラグおよび/またはレセプタクルの強度が向上する。また、凹部は、平面視において台形もしくは三角に形成されるなど、平面視において幅が変化するように形成されていてもよい。また、凹部は、第1保持部材の全体に亘る溝状に形成されている必要はなく、例えば第1保持部材の前方(接続側)のみに設けられていてもよい。
【0105】
第4および第5の実施形態(図9、図10)のように、第1保持部材および第2保持部材の双方に凹部を形成して双方の凹部によって空間を構成する場合において、双方の凹部は、その幅等が互いに異なっている必要は無く、互いに同一の幅等であってもよい。
【0106】
また、第4および第5の実施形態のように、空間の高さが変化する場合において、当該空間は、第1保持部材および第2保持部材の双方の凹部によって構成されるものに限定されない。すなわち、第1保持部材および第2保持部材の一方のみに凹部が形成され、その一の凹部の深さが変化することによって空間の高さが変化してもよい。
【0107】
また、空間の高さの変化は、1段の変化だけでなく、2段以上の変化であってもよい。例えば、第4の実施形態(図9)において、凹部15hの底面に図10の凹部515hが形成されることによって、空間に2段の変化が生じてもよい。また、空間の高さの変化は、曲面もしくは傾斜面によって連続的なものとされてもよい。
【0108】
第6〜第8の実施形態(図11〜図13)に例示した位置決め部(627f、715m、815m)は、平面視において凹部と同様の形状および大きさを有している必要はなく、例えば、凹部の内壁面に当接するリブ状であってもよい。凹部は、上述のように、接続方向に延びる溝状である必要はなく、位置決め部も、幅方向の位置決めを行うもののみに限定されず、例えば、凹部の後方の内壁面に当接するものであってもよい。
【0109】
第7および第8の実施形態(図12、図13)に例示した、一体形成され、光ファイバが挿通される構成部材(第1保持部材、プラグ)、および、当該構成部材に組み合わされる支持部材(第2保持部材、レセプタクル)の形状は、適宜な形状とされてよく、例えば、第1〜第6の実施形態のプラグおよびレセプタクルの形状と同様とされてもよい。
【0110】
なお、課題の説明では、従来技術において生じる不都合として、ガイドピンを挿通する部位の形成の必要性、および保持部材の端面間へのノイズ等の侵入を例示したが、本発明において必ずしもこれらの課題が解決されている必要は無い。本願発明は、底面を有すること等によって従来技術とは構成が異なり、その結果、従来技術に比較して何らかの有利な効果が奏される。
【符号の説明】
【0111】
3…光コネクタ、15…プラグ(第1保持部材)、15b…下面、17…基板(第2保持部材)、21…レセプタクル(第2保持部材)、23…光ファイバ(第1光伝送路)、25…光導波路(第2光伝送路)、27baa…底面、S…空間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1光伝送路を並列に左右に配列した状態で保持しており、前記複数の第1光伝送路の配列方向に沿った下面を有する第1保持部材と、
複数の第2光伝送路を並列に左右に配列した状態で保持しており、前記複数の第1光伝送路と前記複数の第2光伝送路とをそれぞれ突き合わせて接続するときに、前記第1保持部材側に張り出している部位に前記下面に対向して該下面を位置決めする底面を有する第2保持部材と、
を有し、
前記下面と前記底面との間には、前記複数の第1光伝送路の下方に位置する空間が形成されている
光コネクタ。
【請求項2】
前記空間は、前記複数の第1光伝送路全体の幅以上の幅で形成されている
請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記第1保持部材は、
前記下面および該下面とは反対側の第1面を有する第1構成部材と、
前記第1面との間に前記複数の第1光伝送路を挟み込む第2面を有する第2構成部材と、
前記第1面と前記第2面との間に、前記複数の第1光伝送路全体の幅よりも広い幅の接着領域に亘って介在する接着剤と、
を有し、
前記空間は、前記接着領域の幅以上の幅で形成されている
請求項1または2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記下面は、前記空間を構成する凹部を有している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記下面および前記底面の一方は、前記空間を構成する、前記複数の第1光伝送路全体の幅よりも広い幅の第1凹部を有し、
前記下面は、前記空間を前記第1凹部とともに構成する、前記第1凹部の幅よりも狭く且つ前記複数の第1光伝送路全体の幅以上の幅の第2凹部を有している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記下面は、前記複数の第1光伝送路の下方に位置して前記空間を構成する複数の凹部を有している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記下面および前記底面の一方は、前記空間を構成する凹部を有し、
前記下面および前記底面の他方は、前記凹部の内壁面に当接する位置決め部を有している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項8】
複数の光伝送路を並列に左右に配列された状態で保持する保持部材を含む光コネクタの製造方法であって、
前記保持部材を構成する下側の構成部材となる第1構成部材と上側の構成部材となる第2構成部材との間に、並列に左右に配列した前記複数の光伝送路および接着剤を挟み込む工程と、
前記第1構成部材と前記第2構成部材とを前記複数の光伝送路を挟み込む方向に押圧しつつ加熱し、前記接着剤を硬化させる工程と、
を有し、
前記第1構成部材の前記第2構成部材とは反対側の面には凹部を形成し、前記硬化させる工程では、前記凹部に加熱および加圧を行う治具を当接させる
光コネクタの製造方法。
【請求項1】
複数の第1光伝送路を並列に左右に配列した状態で保持しており、前記複数の第1光伝送路の配列方向に沿った下面を有する第1保持部材と、
複数の第2光伝送路を並列に左右に配列した状態で保持しており、前記複数の第1光伝送路と前記複数の第2光伝送路とをそれぞれ突き合わせて接続するときに、前記第1保持部材側に張り出している部位に前記下面に対向して該下面を位置決めする底面を有する第2保持部材と、
を有し、
前記下面と前記底面との間には、前記複数の第1光伝送路の下方に位置する空間が形成されている
光コネクタ。
【請求項2】
前記空間は、前記複数の第1光伝送路全体の幅以上の幅で形成されている
請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記第1保持部材は、
前記下面および該下面とは反対側の第1面を有する第1構成部材と、
前記第1面との間に前記複数の第1光伝送路を挟み込む第2面を有する第2構成部材と、
前記第1面と前記第2面との間に、前記複数の第1光伝送路全体の幅よりも広い幅の接着領域に亘って介在する接着剤と、
を有し、
前記空間は、前記接着領域の幅以上の幅で形成されている
請求項1または2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記下面は、前記空間を構成する凹部を有している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記下面および前記底面の一方は、前記空間を構成する、前記複数の第1光伝送路全体の幅よりも広い幅の第1凹部を有し、
前記下面は、前記空間を前記第1凹部とともに構成する、前記第1凹部の幅よりも狭く且つ前記複数の第1光伝送路全体の幅以上の幅の第2凹部を有している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記下面は、前記複数の第1光伝送路の下方に位置して前記空間を構成する複数の凹部を有している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記下面および前記底面の一方は、前記空間を構成する凹部を有し、
前記下面および前記底面の他方は、前記凹部の内壁面に当接する位置決め部を有している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項8】
複数の光伝送路を並列に左右に配列された状態で保持する保持部材を含む光コネクタの製造方法であって、
前記保持部材を構成する下側の構成部材となる第1構成部材と上側の構成部材となる第2構成部材との間に、並列に左右に配列した前記複数の光伝送路および接着剤を挟み込む工程と、
前記第1構成部材と前記第2構成部材とを前記複数の光伝送路を挟み込む方向に押圧しつつ加熱し、前記接着剤を硬化させる工程と、
を有し、
前記第1構成部材の前記第2構成部材とは反対側の面には凹部を形成し、前記硬化させる工程では、前記凹部に加熱および加圧を行う治具を当接させる
光コネクタの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−97064(P2013−97064A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237845(P2011−237845)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【出願人】(000128407)京セラコネクタプロダクツ株式会社 (77)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【出願人】(000128407)京セラコネクタプロダクツ株式会社 (77)
【Fターム(参考)】
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