説明

光コネクタ

【課題】光ファイバを光コネクタに装着する際の作業性を格段に向上しうる光コネクタを提供する。
【解決手段】光コネクタを、第1光ファイバと第2光ファイバを突き合せる光ファイバ接続部と、第2光ファイバが所定の押圧荷重で挿入されることに伴い当該第2光ファイバの被覆を除去する被覆除去部と、第2光ファイバを把持して固定するファイバ把持部と、ファイバ把持部に把持された前記第2光ファイバを前記被覆除去部に案内するファイバガイド部と、を備えた構成とする。また、ファイバガイド部を、ファイバ把持部を第2光ファイバの挿入方向にスライドさせることにより被覆除去部で第2光ファイバの被覆が除去されるときに、被覆除去部とファイバ把持部との間で第2光ファイバが撓むのを防止する撓み防止部を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続しようとする光ファイバが内蔵光ファイバに突き合せた状態で装着される光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FTTH(Fiber To The Home)等の普及によって光通信網が一般家庭などで多数用いられるに伴い、ユーザ宅などの接続現場で簡単に組み立て可能なメカニカルスプライス型の光ファイバコネクタ(以下、光コネクタ)が開発され、実用化されている(例えば特許文献1)。このメカニカルスプライス型の光コネクタは、フェルールに短尺の光ファイバ(以下、内蔵光ファイバ)を予め装着しておき、接続しようする光ファイバ(以下、接続光ファイバ)を内蔵光ファイバに突き当てて接続することで組み立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3515677号公報
【特許文献2】特開2010−96983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したメカニカルスプライス型の光コネクタに接続光ファイバを装着する際には、接続光ファイバと内蔵光ファイバとを高精度で調心させるために、接続光ファイバ(例えば、被覆外径250μmの光ファイバ心線)の先端部の被覆を除去する必要がある。従来は、光ファイバ取付用治具に接続光ファイバを把持させた状態で、作業者が専用の工具を用いて先端部の被覆を所定長除去し、アルコールなどで清拭していた。
しかしながら、被覆を除去された光ファイバ(裸光ファイバ)は損傷しやすいため、被覆を除去する作業や接続光ファイバを光コネクタに装着する作業において、熟練度が要求される。
【0005】
一方、特許文献2には、光コネクタに接続光ファイバを装着するときなどに用いられる光ファイバ取付用治具(光ファイバガイド)に、接続光ファイバの先端部の被覆を除去する被覆除去部を設けた技術が開示されている。かかる技術を利用すると、接続光ファイバの被覆を簡単に除去することができる。しかしながら、光コネクタに装着される部分の被覆がすべて除去されることとなるため、光コネクタに接続光ファイバを装着するときに損傷しやすくなる。つまり、光コネクタに接続光ファイバを装着する場合、被覆除去長はできるだけ短くすることが望ましいが、特許文献2に記載の技術ではこれに対応することができない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、光ファイバを光コネクタに装着する際の作業性を格段に向上しうる光コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、第1光ファイバと第2光ファイバを突き合せる光ファイバ接続部と、
前記第2光ファイバが所定の押圧荷重で挿入されることに伴い当該第2光ファイバの被覆を除去する被覆除去部と、
前記第2光ファイバを把持して固定するファイバ把持部と、
前記ファイバ把持部に把持された前記第2光ファイバを前記被覆除去部に案内するファ
イバガイド部と、を備え、
前記ファイバガイド部が、前記ファイバ把持部を前記第2光ファイバの挿入方向にスライドさせることにより前記被覆除去部で前記第2光ファイバの被覆が除去されるときに、前記被覆除去部と前記ファイバ把持部との間で前記第2光ファイバが撓むのを防止する撓み防止部を有することを特徴とする光コネクタである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光コネクタにおいて、前記撓み防止部が、前記第2光ファイバを挿通可能なファイバ挿通孔が形成されたファイバ保持部と、前記被覆除去部に連設され前記ファイバ保持部が移動可能なガイド挿入部と、を備えて構成され、
前記第2光ファイバを前記ファイバ挿通孔に挿通させた状態で、前記ファイバ把持部を前記第2光ファイバの挿入方向にスライドさせることに伴い、前記ファイバ保持部が前記ガイド挿入部に沿って内挿移動し、移動分だけ前記第2光ファイバの被覆が除去されることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の光コネクタにおいて、前記撓み防止部が、前記被覆除去部と前記ファイバ保持部との間で前記第2光ファイバを所定の間隔で支持する補助ガイド部材を備えて構成され、
前記ファイバ保持部が前記ガイド挿入部に沿って内挿移動することに伴い、前記補助ガイド部材が前記被覆除去部側に移動し、前記補助ガイド部材が前記被覆除去部に到達するまで前記第2光ファイバの被覆が除去されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の光コネクタにおいて、前記ファイバ保持部が、前記第2光ファイバを長手方向に所定長だけ囲繞した状態で保持するガイドパイプで構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の光コネクタにおいて、前記撓み防止部が、前記第2光ファイバを挿通可能なファイバ挿通孔を有し、前記第2光ファイバを前記ファイバ挿通孔に挿通させた状態で、前記ファイバ把持部を前記第2光ファイバの挿入方向にスライドさせることに伴い、前記第2光ファイバの挿入方向に圧縮されることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の光コネクタにおいて、前記第2光ファイバの被覆除去が完了した後、前記撓み防止部と前記ファイバ把持部との間で前記第2光ファイバを撓ませる撓み形成部を備え、
前記撓み形成部が、前記ファイバ把持部を前記第2光ファイバの挿入方向にスライドさせることにより前記被覆除去部で前記第2光ファイバの被覆が除去されるときに、前記第2光ファイバを把持する一方、前記第2光ファイバの被覆除去が完了した後に、前記第2光ファイバの把持状態を解放することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の光コネクタにおいて、前記被覆除去部材は、前記光ファイバ接続部と所定の離間距離で離間した状態で固定され、前記第2光ファイバの被覆除去が完了した後に、前記離間距離が縮まることにより前記第1光ファイバと前記第2光ファイバが突き当てられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光コネクタに接続光ファイバを装着する際に、接続光ファイバの挿入に伴い所定長の被覆が除去されるので、光コネクタに光ファイバを装着する際の作業性が格段に向上される。また、接続光ファイバが内蔵光ファイバに突き当たるまでは接続光ファイバに撓みが形成されないので、接続光ファイバの被覆を効率よく除去することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係るメカニカルスプライス型の光コネクタの概略構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図3】第1実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図4】第1実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図5】第1実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図6】第1実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図7】第1実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図8】第2実施形態に係るメカニカルスプライス型の光コネクタの概略構成を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図10】第2実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図11】第2実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図12】第2実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図13】第2実施形態に係る光コネクタの組立工程の一例について示す図である。
【図14】撓み防止部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るメカニカルスプライス型の光コネクタ(例えばSCコネクタ)の概略構成を示す図である。図1では、光コネクタ1の本体(図1(a))と、接続光ファイバF2を把持するファイバ把持部13(図1(b))を分離して示している。光コネクタ1は、光コネクタ1の本体に、接続光ファイバF2を把持したファイバ把持部13を装着することにより構成される。
本実施形態では、接続光ファイバF2として、外径125μmの裸光ファイバに、一次被覆(例えばUV樹脂被覆、被覆外径250μm)を施し、さらに二次被覆(例えばポリオレフィン被覆、被覆外径2mm×3mm)を施した単心光ファイバコードを用いることとする。
【0017】
第1実施形態の光コネクタ1は、図1に示すように、内蔵光ファイバF1と接続光ファイバF2を突き合せる光ファイバ接続部11と、接続光ファイバF2が所定の押圧荷重で挿入されることに伴い当該接続光ファイバF2の被覆(一次被覆)を除去する被覆除去部12と、接続光ファイバF2を把持して固定するファイバ把持部13と、ファイバ把持部13に把持された接続光ファイバF2を被覆除去部12に案内するファイバガイド部14とを備えている。
【0018】
光ファイバ接続部11は、フェルール101、ベース部材102、ファイバ押え部材103及びクランプ部材104等により構成されている。
フェルール101は、例えばジルコニア等のセラミック材料で構成された略円柱状の部材であり、中心軸に沿って細孔101aが形成されている。この細孔101aには裸光ファイバ等の内蔵光ファイバF1が挿入され、固定される。
内蔵光ファイバF1の先端はフェルール101の先端面から露出され、フェルール端面とともに鏡面研磨されている。内蔵光ファイバF1の後端は、フェルール101の後端側から所定長だけ突出し、ベース部材102等で保持される。なお、内蔵光ファイバF1の後端面は、長手方向に対して垂直又は8°程度傾斜して切断されていてもよいし、凸球面状に研磨されていてもよい。
【0019】
ベース部材102は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)又はPEI(ポリエーテルイミド)等の樹脂材料で構成された略半円筒状の部材である。ベース部材102は、内蔵光ファイバF1を予め装着したフェルール101を保持する鍔部102aと、接続光ファイバ(裸光ファイバ部分)F2を保持するファイバ固定溝(例えばV字溝)102bを有している。ファイバ固定溝102bは、断面U字状又は断面台形状でもよく、内蔵光ファイバF1及び接続光ファイバF2をファイバ押え部材103との間で狭持して固定できる形状であれば特に制限されない。
【0020】
ファイバ押え部材103は、例えばPPS又はPEI等の樹脂材料で構成された蓋部材であり、ベース部材102のファイバ固定溝102bに対向して配置される。ファイバ押え部材103の内面と、ベース部材102のファイバ固定溝102bにより挟まれた空間が、内蔵光ファイバF1と接続光ファイバF2を突き合わせた状態で保持するファイバ挿入路となる。
【0021】
クランプ部材104は、例えばステンレス等の金属材料で構成された断面C字状(コ字状)の部材であり、側面の一部が解放されている。クランプ部材104は、ベース部材102にファイバ押え部材103を対向配置させた状態で、これらを押圧狭持する。このとき、ベース部材102とファイバ押え部材103の接合面は、クランプ部材104の開口から外部に露呈され、クサビ(図示略)を挿入できる状態となる。
【0022】
上述した構成を有する光ファイバ接続部11は、コイルばね107により一定の荷重で押圧された状態でフレーム106に固定される。具体的には、ベース部材102の後端にコイルばね107及びストップリング105が配置され、ストップリング105を前方(フェルール101側)に移動させることによりコイルばね107が圧縮される。そして、ストップリング105の係止片をフレーム106の係止孔に係止させることにより、光ファイバ接続部11は押圧された状態でフレーム106に固定される。
フレーム106とストップリング105でいわゆるハウジングが構成され、フレーム106の先端部が接続先(例えば光コネクタ)とのインターフェースとなる。また、フレーム106及びストップリング105の外側にはスライダ108が摺動可能に配設され、いわゆるスライドロック構造が構成されている。
【0023】
被覆除去部12は、ストップリング105、被覆除去部材109及び固定部材113等により構成されている。
ストップリング105は、前部でハウジングの一部を構成する一方、中部〜後部には被覆除去部材109を収容する被覆除去部材収容部105a、主ガイド部材110を挿入するガイド挿入部105b及びファイバ把持部13をスライド可能に支持するスライド部105cが連設されている。
【0024】
被覆除去部材109は、例えばステンレス等の金属材料又はジルコニア等のセラミック材料又はPPS等の合成樹脂材料で構成されており、中心軸に沿って接続光ファイバF2の裸光ファイバを挿通可能な裸光ファイバ挿通孔109aが形成されている。
裸光ファイバ挿通孔109aは、接続光ファイバF2のクラッド外径(裸光ファイバの外径)よりも大きく、接続光ファイバF2の被覆外径よりも小さく形成されている。つまり、接続光ファイバF2を被覆除去部材109に挿入しようとすると、接続光ファイバF2の被覆(一次被覆)が裸光ファイバ挿通孔109aの挿入口の周縁に当接し、さらに押圧すると被覆が剥離、除去されるようになっている。
なお、被覆除去部材109の詳細な構成については、本出願人が先に出願した特願2010−127235号に開示されている。
【0025】
被覆除去部12では、接続光ファイバF2の被覆(一次被覆)を除去する被覆除去部材109が、ストップリング105に形成された被覆除去部材収容部105aに、固定部材113を介して固定されている。具体的には、被覆除去部材109は、接続光ファイバF2の被覆を除去する際には移動せず、所定長の被覆が除去された後、すなわち補助ガイド部材112が移動して被覆除去部材109に到達した後、移動可能となるように固定されている。つまり、被覆除去部材109は、接続光ファイバF2の被覆を除去するときの押圧荷重(例えば6N)では移動せず、それよりもさらに大きな押圧荷重(例えば10N)が付加されたときに移動するようになっている。
例えば、被覆除去部材109と固定部材113との間で所定の摩擦力が生じるように互いの材質や形状を決定したり、被覆除去部材109と固定部材113を所定の接着力を発揮する接着剤で接着したりすることにより、所望の固定状態とすることができる。
【0026】
被覆除去部材109は、光ファイバ接続部11(ベース部材102)の後端からの間隔が例えば2mmとなるように、被覆除去部材収容部105aに配置される。このとき、被覆除去部材109の裸光ファイバ挿通孔109aと、ベース部材102とファイバ押え部材103で形成された光ファイバ挿入路の中心軸は一致する。また、このときの残余空間(被覆除去部材109と補助ガイド部材112との間の空間)に、接続光ファイバF2の除去された被覆(被覆屑)が収容されることとなる。裸光ファイバ挿通孔109aを接続光ファイバF2が挿通可能な範囲で狭く形成しておくことにより(例えば126μm〜127μm)、被覆屑が光ファイバ接続部11側に抜け出ていくことを防止できる。
【0027】
被覆除去部12においては、接続光ファイバF2の挿入作業に伴い被覆除去部材109に接続光ファイバF2が圧入されると、接続光ファイバF2の被覆が自動的に除去される。したがって、光コネクタ1の組み立て作業が格段に容易化される。
【0028】
ファイバガイド部14は、ストップリング105、主ガイド部材110、補助ガイド部材111、112及び固定部材113等により構成されている。
主ガイド部材110は、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、POM(ポリアセタール)等の合成樹脂材料で構成された円筒体であり、中心軸に沿って接続光ファイバF2の被覆部を挿通可能なファイバ挿通孔110aが形成されている。主ガイド部材110の後部にはファイバ把持部13(被覆把持部材115)の先端が嵌合するように円錐凹部が形成され、前部には補助ガイド部材111の挿入口に嵌合する円錐凸部が形成されている。
【0029】
補助ガイド部材111、112は、主ガイド部材110と同様に、例えば合成樹脂材料で構成された円筒体であり、中心軸に沿って接続光ファイバF2の被覆部を挿通可能なファイバ挿通孔111a、112aが形成されている。補助ガイド部材111の後部には主ガイド部材110の先端が嵌合するように円錐凹部が形成され、前部には補助ガイド部材112の挿入口に嵌合する円錐凸部が形成されている。同様に、補助ガイド部材112の後部には円錐凹部が形成され、前部には円錐凸部が形成されている。つまり、補助ガイド部材111、112は、主ガイド部材110を長手方向に圧縮した形状となっている。
本実施形態では、主ガイド部材110及び補助ガイド部材111、112を、各部材の挿入性を考慮して断面略「く」の字状としているが、これに限定されるものではない。
【0030】
ファイバガイド部14では、主ガイド部材110と補助ガイド部材111、112が、ストップリング105に形成されたガイド挿入部105bに、固定部材113を介して固定されている。また、ストップリング105に形成されたスライド部105cには、ファイバ把持部13がスライド可能に装着される。
具体的には、主ガイド部材110は、ファイバ把持部13がスライド部105cに沿っ
てスライドされることに伴い押圧されたときに移動可能となるように固定されている。また、補助ガイド部材111、112は、主ガイド部材110が移動することに伴い押圧されたときに移動可能となるように固定されている。つまり、主ガイド部材110及び補助ガイド部材111、112は、搬送時の振動で動かず、0.5N程度の力で容易に動くように軽く固定されている。
例えば、主ガイド部材110及び補助ガイド部材111、112と固定部材113との間で所定の摩擦力が生じるように互いの材質や形状を決定したり、主ガイド部材110又は補助ガイド部材111、112と固定部材113を所定の接着力を発揮する接着剤で接着したりすることにより、所望の固定状態とすることができる。
【0031】
主ガイド部材110及び補助ガイド部材111、112は、ファイバ支持間隔が例えば2mmとなるようにガイド挿入部105bに配置される。このとき、主ガイド部材110のファイバ挿通孔110a及び補助ガイド部材111、112のファイバ挿通孔111a、112aと、被覆除去部材109の裸光ファイバ挿通孔109aの中心軸は一致する。
【0032】
ここで、ファイバ支持間隔とは、接続光ファイバF2が他の要素により支持されておらずフリーとなっている部分の長さである。具体的には、被覆除去部材109のファイバ挿入端から補助ガイド部材112のファイバ挿出端(円錐凸部の頂部)までの間隔、補助ガイド部材112のファイバ挿入端(円錐凹部の頂部)から補助ガイド部材111のファイバ挿出端(円錐凸部の頂部)までの間隔、補助ガイド部材111のファイバ挿入端(円錐凹部の頂部)から主ガイド部材110のファイバ挿出端(円錐凸部の頂部)までの間隔である。
ファイバ支持間隔を所定長(例えば2mm)以下とすることにより、接続光ファイバF2に撓みが形成されるのを防止できる。また、ファイバ支持間隔を併せた長さが、主ガイド部材110の移動可能長(ファイバ把持部13のスライド可能長)となり、接続光ファイバF2の被覆除去長となる。
【0033】
ファイバ把持部13は、外被把持部材114、被覆把持部材115及び締付リング116等により構成されている。なお、外被把持部材114と被覆把持部材115は一体的に成型されていてもよい。
外被把持部材114は、例えば合成樹脂材料により構成され、接続光ファイバF2の外被(二次被覆)に突出片(図示略)が食い込んで把持する構造を有している。
【0034】
被覆把持部材115は、例えば合成樹脂材料により構成され、二つ割れ又は三つ割れの部材により接続光ファイバF2を把持するチャック機構を有している。被覆把持部材115に設けられた膨出部115aに締付リング116が装着されると接続光ファイバF2が移動不能に把持され、膨出部115aから締付リング116が脱着されると接続光ファイバF2が移動可能に解放される。また、被覆除去部12において、接続光ファイバF2の被覆除去が完了した時点で接続光ファイバF2が撓み可能となるように、つまり膨出部115aから締付リング116が自動的に脱着されるように、締付リング116には突出片116aが形成されている。
締付リング116が被覆把持部材115の膨出部115aに装着されているときは接続光ファイバF2に撓みが形成されないが、締付リング116が膨出部115aから脱着されると撓みスペースが形成され、接続光ファイバF2に撓みを形成可能となる。なお、被覆把持部材115のチャック機構の隙間が撓みスペースとなる。
【0035】
図2〜7は、第1実施形態に係る光コネクタ1の組立工程の一例について示す図である。ここでは、接続光ファイバF2の被覆を被覆除去部12において6mm除去し、被覆除去後に2mm分の撓みを形成させる場合について説明する。
【0036】
光コネクタ1を組み立てる場合、まず、接続光ファイバF2の先端から所定長(40mm〜50mm)だけ外被を除去する。先端部の外被が除去された接続光ファイバF2を、図2(a)に示すように、外被把持部材114及び被覆把持部材115に挿入し、外被把持部材114で接続光ファイバF2の外被部を把持して固定する。このとき、被覆把持部材115の膨出部115aに締付リング116は装着されておらず、接続光ファイバF2を挿入可能な状態となっている。次いで、図2(b)に示すように、締付リング116を被覆把持部材115の膨出部115aに装着し、接続光ファイバF2の被覆部をチャック機構で把持して固定することにより、ファイバ把持部13が構成される。そして、図3に示すように、このファイバ把持部13を専用のホルダ15にセットし、被覆把持部材115の先端から突出する部分の長さ(突出長)が所定長となるように、クリーバを使用して被覆ごと切断する。
【0037】
ここで、接続光ファイバF2の突出長は、ファイバ把持部13を光コネクタ1の本体に装着したときに、接続光ファイバF2が内蔵光ファイバF1と突き当たり、さらに所定量の撓みが形成される長さとされる。例えば、接続光ファイバF2の先端が被覆除去部材109に到達したときに、主ガイド部材110のファイバ挿入端(円錐凹部の頂部)にファイバ把持部13(被覆把持部材115)の先端が嵌合する長さとされる。
【0038】
一方、光コネクタ1の本体においては、フェルール101が固定されたベース部材102のファイバ固定溝102bに、ファイバ押え部材103を対向させて配置する。また、ベース部材102とファイバ押え部材103の周囲にクランプ部材104を嵌め込んで、光ファイバ接続部11を組み立てる。この光ファイバ接続部11をフレーム106に挿入し、コイルばね107を介してストップリング105で固定する。そして、外部に露呈されているベース部材102とファイバ押え部材103の接合面にクサビ(図示略)を押入し、接合面をわずかに離間させ、接続光ファイバ(裸光ファイバ部分)F2を挿入可能な状態とする。
【0039】
ここで、ストップリング105には、被覆除去部材109、主ガイド部材110、補助ガイド部材111、112が、固定部材113により予め所定の配置で固定されている。具体的には、被覆除去部材109は、ベース部材102の後端との間隔が2mmとなるようにストップリング105の被覆除去部材収容部105aに配置される。また、主ガイド部材110及び補助ガイド部材111、112は、ファイバ支持間隔が2mmとなるようにストップリング105のガイド挿入部105bに配置される(図1(a)参照)。
【0040】
図4に示すように、ストップリング105にファイバ把持部13を挿入してスライド部105cに沿ってスライドさせることにより、接続光ファイバF2を主ガイド部材110及び補助ガイド部材111、112に挿入する。接続光ファイバF2の先端が被覆除去部材109に到達するまで、すなわちファイバ把持部13(被覆把持部材115)の先端が主ガイド部材110のファイバ挿入端に嵌合するまでは滑らかに挿入される。
なお、接続光ファイバF2の先端が被覆除去部材109に到達したときに、主ガイド部材110のファイバ挿入端とファイバ把持部13(被覆把持部材115)の先端が離間していてもよい。この場合、被覆除去部12において接続光ファイバF2の被覆を除去する際に、主ガイド部材110とファイバ把持部13との間で接続光ファイバF2が撓まないように、離間距離を2mm以下とするのが望ましい。
【0041】
図4において、ファイバ把持部13をストップリング105のスライド部105cに沿ってスライドさせると、主ガイド部材110、補助ガイド部材111、112が順に押され、最終的に、補助ガイド部材112が被覆除去部材109に到達するまで移動する(図5参照)。このとき、接続光ファイバF2は、被覆除去部材109によりファイバ把持部13のスライド分(主ガイド部材110の移動分)だけ被覆を除去され、裸光ファイバが
被覆除去部材109を通してベース部材102とファイバ押え部材103で形成された光ファイバ挿入路に挿入される。
被覆除去部材109と主ガイド部材110との間において、ファイバ支持間隔は2mmとされているので、ファイバ把持部13は6mmスライドする。つまり、接続光ファイバF2の先端から6mmの部分の被覆が、被覆除去部12において除去され、裸光ファイバが光ファイバ挿入路に挿入されることとなる。
【0042】
被覆除去部材109において接続光ファイバF2の被覆を除去する際、接続光ファイバF2を被覆除去部材109に所定の押圧荷重で押し当てる必要があるが、接続光ファイバF2に撓みが形成されると、接続光ファイバF2を所定の押圧荷重で被覆除去部材109に押し当てることができなくなる。
本実施形態では、接続光ファイバF2の他の要素に支持されていないフリーな部分(ファイバ支持間隔)は2mm以下となるので、この部分で撓みが形成されることはない。したがって、接続光ファイバF2を所定の押圧荷重(例えば6N)で被覆除去部材109に押し付けることができるので、効率よく被覆を除去することができる。
【0043】
また、補助ガイド部材112が被覆除去部材109に到達したときに、除去された被覆屑が補助ガイド部材112と被覆除去部材109に挟まれて切断されるように構成するのが望ましい。例えば、補助ガイド部材112の先端を鋭利な形状としておくことで、除去された被覆屑を容易に切断することができる。これにより、接続光ファイバF2に撓みを形成する際、被覆屑が補助ガイド部材112のファイバ挿通孔112aに入り込み、撓みの形成が阻害されるのを防止できる。
【0044】
図5に示す状態で接続光ファイバF2の被覆除去が完了となる。このとき、接続光ファイバF2の先端は内蔵光ファイバF1まで到達しておらず、若干離間している。以下の工程により、内蔵光ファイバF1に接続光ファイバF2を突き当て、撓みを形成することにより所定の押圧荷重で両者を突き合わせた状態で固定する。
【0045】
すなわち、図5において、ファイバ把持部13をストップリング105のスライド部105cに沿ってさらにスライドさせる。すると、主ガイド部材110及び補助ガイド部材111、112とともに被覆除去部材109が所定の押圧荷重(例えば10N)で押されて移動し始め、接続光ファイバF2の先端が内蔵光ファイバF1に突き当たる。このとき、締付リング116は、突出片116aがストップリング105の段部105dに当接することにより、前方への移動を規制される。したがって、被覆把持部材115の膨出部115aから締付リング116が脱着され、被覆把持部材115における接続光ファイバF2の把持状態が解放され、撓み可能となる。
【0046】
図6に示すように、被覆除去部材109は光ファイバ接続部(ベース部材102)に到達するまで移動する。これに伴い内蔵光ファイバF1の後端から外被把持部材114までの長さが短くなるので、被覆除去部材109の移動分(約2mm)に相当する撓みが接続光ファイバF2に形成される。そして、所定量の撓みが形成されていることを確認した上で、ベース部材102とファイバ押え部材103の接合面に押入していたクサビを抜去すると、接続光ファイバ(裸光ファイバ部分)F2はベース部材102とファイバ押え部材103によって押圧狭持された状態で固定される。
【0047】
図7に示すように、ストップリング105の後端側を蓋部材(図示略)で閉塞した後、ファイバ把持部13の押圧状態を解放すると、ファイバ把持部13が後方に押し戻され、接続光ファイバF2の撓みが緩和される。ファイバ把持部13(被覆把持部材115)は主ガイド部材110と離間した状態となる。光コネクタ1を接続相手(例えば光コネクタ)に突き合せて接続する際、ファイバ把持部13と主ガイド部材110との隙間の範囲で
、光ファイバ接続部11がプッシュバックすることとなる。以上のようにして光コネクタ1が組み立てられる。
【0048】
このように、第1実施形態の光コネクタ1において、ファイバガイド部14は、ファイバ把持部13(外被把持部材114)を接続光ファイバ(第2光ファイバ)F2の挿入方向にスライドさせることにより被覆除去部12で接続光ファイバF2の被覆が除去されるときに、被覆除去部12とファイバ把持部13(外被把持部材114)との間で接続光ファイバF2が撓むのを防止する撓み防止部を有している。
【0049】
具体的には、撓み防止部は、接続光ファイバF2を挿通可能なファイバ挿通孔110aが形成された主ガイド部材(ファイバ保持部)110と、被覆除去部12に連設され主ガイド部材110が移動可能なガイド挿入部105bにより構成されている。そして、接続光ファイバF2を主ガイド部材110のファイバ挿通孔110aに挿通させた状態で、ファイバ把持部13を接続光ファイバF2の挿入方向にスライドさせることに伴い、主ガイド部材110がガイド挿入部105bに沿って内挿移動し、移動分だけ接続光ファイバF2の被覆が除去されるようになっている。
【0050】
第1実施形態の光コネクタ1によれば、光コネクタ1に接続光ファイバF2を装着する際に、接続光ファイバF2の挿入に伴い所定長の被覆が除去されるので、光コネクタ1に接続光ファイバF2を装着する際の作業性が格段に向上される。また、接続光ファイバF2の被覆除去が完了するまでは接続光ファイバF2に撓みが形成されないので、接続光ファイバF2の被覆を効率よく除去することができる。
【0051】
また、撓み防止部は、被覆除去部12と主ガイド部材110との間で接続光ファイバF2を所定の間隔で支持する補助ガイド部材111、112を有している。そして、主ガイド部材110がガイド挿入部105bに沿って内挿移動することに伴い、補助ガイド部材111、112が被覆除去部12側に移動し、補助ガイド部材112が被覆除去部12に到達するまで接続光ファイバF2の被覆が除去されるようになっている。
第1実施形態では、比較的外形の大きい円筒体からなる主ガイド部材110を移動させることにより被覆除去部12で被覆を除去するため、被覆除去部12と主ガイド部材110との間に、接続光ファイバF2が撓み可能な空間が形成されることとなるが、上述したように補助ガイド部材111、112を設けることにより、接続光ファイバF2に撓みが形成されるのを防止できる。したがって、接続光ファイバF2の被覆を効率よく除去することができる。
また、被覆除去部12と主ガイド部材110との間隔、補助ガイド部材111、112の長さ、又は補助ガイド部材の個数を適宜設定することにより、所望する被覆除去長に容易に対応することができる。
【0052】
また、光コネクタ1は、接続光ファイバF2の被覆除去が完了した後、主ガイド部材(撓み防止部)110とファイバ把持部13(外被把持部材114)との間で接続光ファイバを撓ませる被覆把持部材(撓み形成部)115を備えている。そして、被覆把持部材115は、ファイバ把持部13を接続光ファイバF2の挿入方向にスライドさせることにより被覆除去部12で接続光ファイバF2の被覆が除去されるときに、接続光ファイバF2を把持する一方、接続光ファイバF2の被覆除去が完了した後に、接続光ファイバF2の把持状態を解放するようになっている。
これにより、接続光ファイバF2の被覆除去が完了し、把持状態を解放した後に、内蔵光ファイバF1に接続光ファイバF2を突き当てることができるため、内蔵光ファイバF1に接続光ファイバF2を所定の押圧荷重で突き合わせた状態で固定することができる。したがって、光コネクタにおいて所望の接続特性を実現できるとともに、過剰な押圧荷重が加わることにより内蔵光ファイバF1が破損するのを防止できる。
【0053】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係るメカニカルスプライス型の光コネクタ(例えばSCコネクタ)の概略構成を示す図である。図8では、光コネクタ2の本体(図8(a))と、接続光ファイバF2を把持するファイバ把持部23(図8(b))を分離して示している。光コネクタ2は、光コネクタ2の本体に、接続光ファイバF2を把持したファイバ把持部23を装着することにより構成される。
本実施形態では、接続光ファイバF2として、外径125μmの裸光ファイバに、一次被覆(例えばUV樹脂被覆、被覆外径250μm)を施し、さらに二次被覆(例えばポリオレフィン被覆、被覆外径2mm×3mm)を施した単心光ファイバコードを用いることとする。
【0054】
第2実施形態の光コネクタ2は、図8に示すように、内蔵光ファイバF1と接続光ファイバF2を突き合せる光ファイバ接続部21と、接続光ファイバF2が所定の押圧荷重で挿入されることに伴い当該接続光ファイバF2の被覆(一次被覆)を除去する被覆除去部22と、接続光ファイバF2を把持して固定するファイバ把持部23と、ファイバ把持部23に把持された接続光ファイバF2を被覆除去部22に案内するファイバガイド部24とを備えている。
【0055】
光ファイバ接続部21は、フェルール201、ベース部材202、ファイバ押え部材203及びクランプ部材204等により構成されている。
フェルール201は、例えばジルコニア等のセラミック材料で構成された略円柱状の部材であり、中心軸に沿って細孔201aが形成されている。この細孔201aには裸光ファイバ等の内蔵光ファイバF1が挿入され、固定されている。
内蔵光ファイバF1の先端はフェルール201の先端面から露出され、フェルール端面とともに鏡面研磨されている。内蔵光ファイバF1の後端は、フェルール201の後端側から所定長だけ突出し、ベース部材202等で保持される。なお、内蔵光ファイバF1の後端面は、長手方向に対して垂直又は8°程度傾斜して切断されていてもよいし、凸球面状に研磨されていてもよい。
【0056】
ベース部材202は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)又はPEI(ポリエーテルイミド)等の樹脂材料で構成された略半円筒状の部材である。ベース部材202は、内蔵光ファイバF1を予め装着したフェルール201を保持する鍔部202aと、接続光ファイバ(裸光ファイバ部分)F2を保持するファイバ固定溝(例えばV字溝)202bを有している。ファイバ固定溝202bは、断面U字状又は断面台形状でもよく、内蔵光ファイバF1及び接続光ファイバF2をファイバ押え部材203との間で狭持して固定できる形状であれば特に制限されない。
【0057】
ファイバ押え部材203は、例えばPPS又はPEI等の樹脂材料で構成された蓋部材であり、ベース部材202のファイバ固定溝202bに対向して配置される。ファイバ押え部材203の内面と、ベース部材202のファイバ固定溝202bにより挟まれた空間が、内蔵光ファイバF1と接続光ファイバF2を突き合わせた状態で保持するファイバ挿入路となる。
【0058】
クランプ部材204は、例えばステンレス等の金属材料で構成された断面C字状(コ字状)の部材であり、側面の一部が解放されている。クランプ部材204は、ベース部材202にファイバ押え部材203を対向配置させた状態で、これらを押圧狭持する。このとき、ベース部材202とファイバ押え部材203の接合面は、クランプ部材204の開口から外部に露呈され、クサビ(図示略)を挿入できる状態となる。
【0059】
上述した構成を有する光ファイバ接続部21は、コイルばね207により一定の荷重で押圧された状態でフレーム206に固定される。具体的には、ベース部材202の後端にコイルばね207及びストップリング205が配置され、ストップリング205を前方(フェルール201側)に移動させることによりコイルばね207が圧縮される。そして、ストップリング205の係止片をフレーム206の係止孔に係止させることにより、光ファイバ接続部21は押圧された状態でフレーム206に固定される。
フレーム206とストップリング205でいわゆるハウジングが構成され、フレーム206の先端部が接続先(例えば光コネクタ)とのインターフェースとなる。また、フレーム206及びストップリング205の外側にはスライダ208が摺動可能に配設され、いわゆるスライドロック構造が構成されている。
【0060】
被覆除去部22は、ガイドベース部材213及び被覆除去部材209等により構成されている。
ガイドベース部材213には、被覆除去部材209を収容する被覆除去部材収容部213a、ガイドパイプ210を挿入するガイド挿入部213b、ファイバ把持部23をスライド可能に支持するスライド部213cが連設されている。ガイドベース部材213は、ストップリング205の係止片205a又は205bを係止孔213dに係止させることにより固定されている。ストップリング205の係止片205a、205bは長手方向に2段に形成されており、ガイドベース部材213を2段階の位置で固定できるようになっている。
【0061】
被覆除去部材209は、例えばステンレス等の金属材料又はジルコニア等のセラミック材料又はPPS等の合成樹脂材料で構成されており、中心軸に沿って接続光ファイバF2の裸光ファイバを挿通可能な裸光ファイバ挿通孔209aが形成されている。
裸光ファイバ挿通孔209aは、接続光ファイバF2のクラッド外径(裸光ファイバの外径)よりも大きく、接続光ファイバF2の被覆外径よりも小さく形成されている。つまり、接続光ファイバF2を被覆除去部材209に挿入しようとすると、接続光ファイバF2の被覆(一次被覆)が裸光ファイバ挿通孔209aの挿入口の周縁に当接し、さらに押圧すると被覆が剥離、除去されるようになっている。
なお、被覆除去部材209の詳細な構成については、本出願人が先に出願した特願2010−127235号に開示されている。
【0062】
被覆除去部22では、接続光ファイバF2の被覆(一次被覆)を除去する被覆除去部材209が、ガイドベース部材213に形成された被覆除去部材収容部213aに移動不能に固着されている。このとき、被覆除去部材209の裸光ファイバ挿通孔209aと、ベース部材202とファイバ押え部材203で形成された光ファイバ挿入路の中心軸は一致する。また、このときの残余空間(被覆除去部材209と補助ガイド部材211との間の空間)に、接続光ファイバF2の除去された被覆が収容されることとなる。
【0063】
被覆除去部22においては、接続光ファイバF2の挿入作業に伴い被覆除去部材209に接続光ファイバF2が圧入されると、接続光ファイバF2の被覆が自動的に除去される。したがって、光コネクタ2の組み立て作業が格段に容易化される。
【0064】
ファイバガイド部24は、ガイドベース部材213、ガイドパイプ210、補助ガイド部材211等により構成されている。
ガイドパイプ210は、例えばSUSパイプをインサート成形した合成樹脂材料(例えば、PBT、PC,PPS、ABS、POM等)で構成された漏斗状の部材(例えばパイプ部の内径0.3mm、外径0.5mm)であり、中心軸に沿って接続光ファイバF2の被覆部を挿通可能なファイバ挿通孔210aが形成されている。ガイドベース部材213に形成されたガイド挿入部213bは、ガイドパイプ210を挿入可能な挿入孔であり、
内面形状がガイドパイプ210の外形とほぼ一致するように形成されている。ガイドパイプ210は所定長(例えば6mm)だけ移動したときに、ガイド挿入部213bに嵌合され移動不能となる。
補助ガイド部材211は、例えば合成樹脂材料で構成されており、中心軸に沿って接続光ファイバF2の被覆部を挿通可能なファイバ挿通孔211aが形成されている。この補助ガイド部材211は、ガイド挿入部213bと被覆除去部材209との間隔が2mm以上となる場合に設けられる。つまり、補助ガイド部材211を設けることにより、接続光ファイバF2の他の要素に支持されないフリーな部分が2mm以下となっている。また、ガイドパイプ210の後端、ガイド挿入部213bの後端、及び補助ガイド部材211の後端側には、接続光ファイバF2の挿入性を考慮してそれぞれ円錐凹部が形成されている。また、被覆除去部材209と補助ガイド部材211は、樹脂成形等により一体に形成しても良い。この場合、調心しなくても良いというメリットがある。
【0065】
ファイバガイド部24では、ガイドベース部材213に形成されたスライド部213cにガイドパイプ210が固定されている。具体的には、ガイドパイプ210は、接続光ファイバF2の挿入方向に6mm移動したときにガイド挿入部213bに嵌合するように配置される。また、スライド部213cには、ファイバ把持部23がスライド可能に装着される。
ガイドパイプ210は、ファイバ把持部23がスライド部213cに沿ってスライドされることに伴い押圧されたときに移動する。つまり、ガイドパイプ210は、搬送時の振動で動かず、0.5N程度の力で容易に動くように軽く固定されている。
【0066】
ファイバ把持部23は、外被把持部材214、被覆把持部材215、締付スリーブ216及びスリーブ受け217等により構成されている。なお、外被把持部材214、被覆把持部材215及びスリーブ受け217は一体的に成型されていてもよい。
外被把持部材214は、例えば合成樹脂材料により構成され、接続光ファイバF2の外被(二次被覆)に突出片(図示略)が食い込んで把持する構造を有している。
【0067】
被覆把持部材215は、例えば合成樹脂材料により構成され、二つ割れ又は三つ割れの部材により接続光ファイバF2を把持するチャック機構を有している。また、被覆把持部材215は先端に向けて拡径されており(拡径部215a)、この拡径部215aに締付スリーブ216が装着されると接続光ファイバF2が移動不能に把持され、拡径部215aから締付スリーブ216が脱着されると接続光ファイバF2が移動可能に解放される。締付スリーブ216は、スリーブ受け217に支持され、長手方向にスライド可能となっている。
また、被覆除去部22において、接続光ファイバF2の被覆除去が完了した時点で接続光ファイバF2が撓み可能となるように、つまり拡径部215aから締付スリーブ216が自動的に脱着されるように、締付スリーブ216の先端には突出片216aが形成されている。
【0068】
締付スリーブ216が被覆把持部材215の拡径部215aに装着されているときは接続光ファイバF2に撓みが形成されないが、締付スリーブ216が拡径部215aから脱着されると撓みスペースが形成され、接続光ファイバF2に撓みを形成可能となる。なお、被覆把持部材215のチャック機構の隙間が撓みスペースとなる。
【0069】
図9〜13は、第2実施形態に係る光コネクタ2の組立工程の一例について示す図である。ここでは、接続光ファイバF2の被覆を被覆除去部22において6mm除去し、被覆除去後に2mm分の撓みを形成させる場合について説明する。
【0070】
光コネクタ2を組み立てる場合、まず、接続光ファイバF2の先端から所定長(40m
m〜50mm)だけ外被を除去する。先端部の外被が除去された接続光ファイバF2を、図9(a)に示すように、外被把持部材214及び被覆把持部材215に挿入し、外被把持部材214で接続光ファイバF2の外被部を把持して固定する。このとき、被覆把持部材215の拡径部215aに締付スリーブ216は装着されておらず、接続光ファイバF2を挿入可能な状態となっている。次いで、図9(b)に示すように、締付スリーブ216を被覆把持部材215の拡径部215aに装着し、接続光ファイバF2の被覆部をチャック機構で把持して固定することにより、ファイバ把持部23が構成される。そして、このファイバ把持部23を専用のホルダ(図示略)にセットし、被覆把持部材215の先端から突出する部分の長さ(突出長)が所定長となるように、クリーバを使用して被覆ごと切断する。
【0071】
ここで、接続光ファイバF2の突出長は、ファイバ把持部23を光コネクタ2の本体に装着したときに、接続光ファイバF2が内蔵光ファイバF1と突き当たり、さらに所定量の撓みが形成される長さとされる。例えば、接続光ファイバF2の先端が被覆除去部材209に到達したときに、主ガイド部材210のファイバ挿入端(円錐凹部の頂部)にファイバ把持部23(被覆把持部材215)の先端が嵌合する長さとされる。
【0072】
一方、光コネクタ2の本体においては、フェルール201が固定されたベース部材202のファイバ固定溝202bに、ファイバ押え部材203を対向させて配置する。また、ベース部材202とファイバ押え部材203の周囲にクランプ部材204を嵌め込んで、光ファイバ接続部21を組み立てる。この光ファイバ接続部21をフレーム206に挿入し、コイルばね207を介してストップリング205で固定する。そして、外部に露呈されているベース部材202とファイバ押え部材203の接合面にクサビ(図示略)を押入し、接合面をわずかに離間させ、接続光ファイバ(裸光ファイバ部分)F2を挿入可能な状態とする。
また、ストップリング205の後端には、被覆除去部材209、ガイドパイプ210及び補助ガイド部材211が固定されたガイドベース部材213が取り付けられる。組み立て初期の段階では、ガイドベース部材213の係止孔213dにストップリング205の一段目の係止片205aを係止させた状態とされる。
【0073】
図10に示すように、ガイドベース部材213にファイバ把持部23を挿入してスライド部213cに沿ってスライドさせることにより、接続光ファイバF2をガイドパイプ210、ガイド挿入部213b及び補助ガイド部材211に挿入する。接続光ファイバF2の先端が被覆除去部材209に到達するまで、すなわちファイバ把持部23(被覆把持部材215)の先端がガイドパイプ210のファイバ挿入端に当接するまでは滑らかに挿入される。
なお、接続光ファイバF2の先端が被覆除去部材209に到達したときに、ガイドパイプ210のファイバ挿入端とファイバ把持部23(被覆把持部材215)の先端が離間していてもよい。この場合、被覆除去部22において接続光ファイバF2の被覆を除去する際に、ガイドパイプ210とファイバ把持部23との間で接続光ファイバF2が撓まないように、離間距離を2mm以下とするのが望ましい。
【0074】
図10において、ファイバ把持部23をガイドベース部材213のスライド部213cに沿ってスライドさせると、ガイドパイプ210が押されてガイド挿入部213bに挿入される(図11参照)。このとき、接続光ファイバF2は、被覆除去部材209によりファイバ把持部23のスライド分(ガイドパイプ210の移動分)だけ被覆を除去され、裸光ファイバが被覆除去部材209を通してベース部材202とファイバ押え部材203で形成された光ファイバ挿入路に挿入される。
また、図11に示す状態では、締付スリーブ216の突出片216aがガイドベース部材213の段部213dに当接している。したがって、この後ファイバ把持部23をスラ
イドさせても、締付スリーブ216の前方への移動は規制され、徐々に被覆把持部材215の拡径部215aから脱着されることとなる。
【0075】
図11において、ファイバ把持部23をガイドベース部材213のスライド部213cに沿ってさらにスライドさせると、最終的に、ガイドパイプ210がガイド挿入部213bに嵌合するまで移動する(図12参照)。なお、図12には、ガイド挿入部213bとガイドパイプ210がわかりやすいように両者を離して示している。
ファイバ把持部23は6mmスライドするようになっているので、接続光ファイバF2の先端から6mmの部分の被覆が、被覆除去部22において除去され、裸光ファイバが光ファイバ挿入路に挿入されることとなる。
【0076】
被覆除去部材209において接続光ファイバF2の被覆を除去する際、接続光ファイバF2を被覆除去部材209に所定の押圧荷重で押し当てる必要があるが、接続光ファイバF2に撓みが形成されると、接続光ファイバF2を所定の押圧荷重で被覆除去部材209に押し当てることができなくなる。
本実施形態では、接続光ファイバF2がガイドパイプ210及びガイド挿入部213bにより長手方向に所定長だけ囲繞した状態で保持されているので、撓みが形成されることはない。したがって、接続光ファイバF2を所定の押圧加重(例えば6N)で被覆除去部材209に押し付けることができるので、効率よく被覆を除去することができる。
【0077】
図12に示す状態で接続光ファイバF2の被覆除去が完了となる。このとき、接続光ファイバF2の先端は内蔵光ファイバF1まで到達しておらず、若干離間している。また、被覆把持部材215の拡径部215aから締付スリーブ216が完全に脱着され、被覆把持部材215における接続光ファイバF2の把持状態が解放され、撓み可能となっている。以下の工程により、内蔵光ファイバF1に接続光ファイバF2を突き当て、撓みを形成することにより所定の押圧荷重で両者を突き合わせた状態で固定する。
【0078】
すなわち、図12において、ガイドベース部材213を前方に移動させると、接続光ファイバF2の先端が内蔵光ファイバF1に突き当たる。そして、図13に示すように、ガイドベース部材213は、係止孔213dにストップリング205の二段目の係止片205bが係止されるまで、すなわち前方に2mmだけ移動する。これに伴い内蔵光ファイバF1の先端から外被把持部材214までの長さが短くなるので、ガイドベース部材213の移動分(約2mm)に相当する撓みが接続光ファイバF2に形成される。そして、所定量の撓みが形成されていることを確認した上で、ベース部材202とファイバ押え部材203の接合面に押入していたクサビを抜去すると、接続光ファイバ(裸光ファイバ部分)F2はベース部材202とファイバ押え部材203によって押圧狭持された状態で固定される。以上のようにして光コネクタ2が組み立てられる。
【0079】
このように、第2実施形の光コネクタ2において、ファイバガイド部24は、ファイバ把持部23(外被把持部材214)を接続光ファイバ(第2光ファイバ)F2の挿入方向にスライドさせることにより被覆除去部22で接続光ファイバ(第2光ファイバ)F2の被覆が除去されるときに、被覆除去部22とファイバ把持部23(外被把持部材214)との間で接続光ファイバF2が撓むのを防止する撓み防止部を有している。
【0080】
具体的には、撓み防止部は、接続光ファイバF2を挿通可能なファイバ挿通孔210aが形成されたガイドパイプ(ファイバ保持部)210と、被覆除去部22に連設されガイドパイプ210が移動可能なガイド挿入部213bにより構成されている。そして、接続光ファイバF2をガイドパイプ210のファイバ挿通孔210aに挿通させた状態で、ファイバ把持部23(外被把持部材214)を接続光ファイバF2の挿入方向にスライドさせることに伴い、ガイドパイプ210がガイド挿入部213bに沿って内挿移動し、移動
分だけ接続光ファイバF2の被覆が除去されるようになっている。
【0081】
第2実施形態の光コネクタ2によれば、光コネクタ2に接続光ファイバF2を装着する際に、接続光ファイバF2の挿入に伴い所定長の被覆が除去されるので、光コネクタ2に接続光ファイバF2を装着する際の作業性が格段に向上される。
また、接続光ファイバF2が内蔵光ファイバF1に突き当たるまでは接続光ファイバF2に撓みが形成されないので、接続光ファイバF2の被覆を効率よく除去することができる。
【0082】
また、光コネクタ2は、接続光ファイバF2が内蔵光ファイバF1に突き当てられた後、ガイドパイプ(撓み防止部)210とファイバ把持部23(外被把持部材214)との間で接続光ファイバを撓ませる被覆把持部材(撓み形成部)215を備えている。そして、被覆把持部材215は、ファイバ把持部23を接続光ファイバF2の挿入方向にスライドさせることにより被覆除去部22で接続光ファイバF2の被覆が除去されるときに、接続光ファイバF2を把持する一方、接続光ファイバF2が内蔵光ファイバF1に突き当てられた後に、接続光ファイバF2の把持状態を解放するようになっている。
これにより、接続光ファイバF2には、内蔵光ファイバF1に突き当たった後で撓みが形成されるので、内蔵光ファイバF1に接続光ファイバF2を所定の押圧荷重で突き合わせた状態で固定することができる。したがって、光コネクタにおいて所望の接続特性を実現できる。
【0083】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0084】
例えば、第1実施形態の光コネクタ1において、ファイバガイド部14が、接続光ファイバF2を挿通可能なファイバ挿通孔を有し、接続光ファイバF2をファイバ挿通孔に挿通させた状態で、ファイバ把持部13(外被把持部材114)を接続光ファイバF2の挿入方向にスライドさせることに伴い、接続光ファイバの挿入方向に圧縮される撓み防止部を有する構成としてもよい。
例えば、硬質発泡ウレタンのように所定の押圧荷重で容易に破壊される材料からなる緩衝部材や、山折りと谷折りの繰り返し構造を有する蛇腹部材を撓み防止部に適用することができる。また例えば、図14に示すように、径の異なるパイプを入子構造とした伸縮パイプ120を撓み防止部に適用することができる。
この場合、ファイバ把持部13(被覆把持部材115)に押圧されて撓み防止部(例えば伸縮パイプ120)が圧縮された分だけ接続光ファイバF2の被覆が除去されることとなる。接続光ファイバF2の被覆除去が完了するまでは接続光ファイバF2に撓みが形成されないので、接続光ファイバF2の被覆を効率よく除去することができる。
なお、第2実施形態の光コネクタ2においても上述した撓み防止部を適用することができる。
【0085】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、接続光ファイバF2の被覆除去が完了した後、接続光ファイバF2の被覆部の把持状態が自動的に解放され、撓みを形成できる状態に移行するようになっているが、接続光ファイバF2の被覆部を押え蓋等により把持しておき、接続光ファイバF2の被覆除去が完了した後、押え蓋等を脱着して接続光ファイバF2の被覆部の把持状態を手動で解放するようにしてもよい。
なお、第1実施形態の光コネクタ1においては、被覆除去部材109に補助ガイド部材112が当接するとファイバ把持部13が一端停止し、この時点で接続光ファイバF2の被覆除去が完了となるので、作業者は被覆除去が完了したことを容易に知得できる。また、第2実施形態の光コネクタ2においても、ガイドパイプ210がガイド挿入部213b
に嵌合してファイバ把持部23が移動不能となった時点で接続光ファイバF2の被覆除去が完了となるので、作業者は被覆除去が完了したことを容易に知得できる。
【0086】
また、第1実施形態では、接続光ファイバF2の被覆除去が完了した後、さらにファイバ把持部13を接続光ファイバF2の挿入方向にスライドさせることにより接続光ファイバF2に撓みが形成されるようにしているが、被覆除去が完了した後、フェルール101を接続光ファイバF2の挿入方向と逆方向に移動させ、接続光ファイバF2を押し戻すことにより接続光ファイバF2に撓みが形成されるようにしてもよい。この場合、被覆除去が完了した時点で接続光ファイバF2の先端が内蔵光ファイバF1との突き当て位置より前方に位置することとなる。なお、第2実施形態の光コネクタ2においても上述した撓み防止部を適用することができる。
【0087】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
1 光コネクタ
11 光ファイバ接続部
12 被覆除去部
13 ファイバ把持部
14 ファイバガイド部
15 ホルダ
101 フェルール
101a 細孔
102 ベース部材
102a 鍔部
102b ファイバ固定溝
103 ファイバ押え部材
104 クランプ部材
105 ストップリング
105a 被覆除去部材収容部
105b ガイド挿入部
105c スライド部
105d 段部
106 フレーム
107 コイルばね
108 スライダ
109 被覆除去部材
109a 裸光ファイバ挿通孔
110 主ガイド部材
110a ファイバ挿通孔
111 補助ガイド部材
111a ファイバ挿通孔
112 補助ガイド部材
112a ファイバ挿通孔
113 固定部材
114 外被把持部材
115 被覆把持部材
115a 膨出部
116 締付リング
116a 突出片
F1 内蔵光ファイバ
F2 接続光ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光ファイバと第2光ファイバを突き合せる光ファイバ接続部と、
前記第2光ファイバが所定の押圧荷重で挿入されることに伴い当該第2光ファイバの被覆を除去する被覆除去部と、
前記第2光ファイバを把持して固定するファイバ把持部と、
前記ファイバ把持部に把持された前記第2光ファイバを前記被覆除去部に案内するファイバガイド部と、を備え、
前記ファイバガイド部が、前記ファイバ把持部を前記第2光ファイバの挿入方向にスライドさせることにより前記被覆除去部で前記第2光ファイバの被覆が除去されるときに、前記被覆除去部と前記ファイバ把持部との間で前記第2光ファイバが撓むのを防止する撓み防止部を有することを特徴とする光コネクタ。
【請求項2】
前記撓み防止部が、前記第2光ファイバを挿通可能なファイバ挿通孔が形成されたファイバ保持部と、前記被覆除去部に連設され前記ファイバ保持部が移動可能なガイド挿入部と、を備えて構成され、
前記第2光ファイバを前記ファイバ挿通孔に挿通させた状態で、前記ファイバ把持部を前記第2光ファイバの挿入方向にスライドさせることに伴い、前記ファイバ保持部が前記ガイド挿入部に沿って内挿移動し、移動分だけ前記第2光ファイバの被覆が除去されることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記撓み防止部が、前記被覆除去部と前記ファイバ保持部との間で前記第2光ファイバを所定の間隔で支持する補助ガイド部材を備えて構成され、
前記ファイバ保持部が前記ガイド挿入部に沿って内挿移動することに伴い、前記補助ガイド部材が前記被覆除去部側に移動し、前記補助ガイド部材が前記被覆除去部に到達するまで前記第2光ファイバの被覆が除去されることを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記ファイバ保持部が、前記第2光ファイバを長手方向に所定長だけ囲繞した状態で保持するガイドパイプで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記撓み防止部が、前記第2光ファイバを挿通可能なファイバ挿通孔を有し、前記第2光ファイバを前記ファイバ挿通孔に挿通させた状態で、前記ファイバ把持部を前記第2光ファイバの挿入方向にスライドさせることに伴い、前記第2光ファイバの挿入方向に圧縮されることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記第2光ファイバの被覆除去が完了した後、前記撓み防止部と前記ファイバ把持部との間で前記第2光ファイバを撓ませる撓み形成部を備え、
前記撓み形成部が、前記ファイバ把持部を前記第2光ファイバの挿入方向にスライドさせることにより前記被覆除去部で前記第2光ファイバの被覆が除去されるときに、前記第2光ファイバを把持する一方、前記第2光ファイバの被覆除去が完了した後に、前記第2光ファイバの把持状態を解放することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記被覆除去部材は、前記光ファイバ接続部と所定の離間距離で離間した状態で固定され、前記第2光ファイバの被覆除去が完了した後に、前記離間距離が縮まることにより前記第1光ファイバと前記第2光ファイバが突き当てられることを特徴とする請求項6に記載の光コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−123226(P2012−123226A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274354(P2010−274354)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(593200593)株式会社成和技研 (15)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】