説明

光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物及びそれを用いた光ディスク

【課題】太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に曝露された場合であっても、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜の反射率の極端な低下やPIエラーの発生を極力抑えることが可能な組成物及びそれを用いた光ディスクを提供する。特に、上記課題を解決し、更に、紫外線硬化後には黄色いが、経時的に色目が薄くなったり、太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に長時間曝露された場合に変色が発生するといった、光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物の硬化膜の変色を抑え、外観の変化やレーベル印刷との混色を引き起こすことのない組成物及びそれを用いた光ディスクを提供する。
【解決手段】光重合性化合物、光重合開始剤、及び
式(1)


式(1)
(式中、Xは-CH3、-C2H5又は-CH2OHを表し、Yは-(C2H4)n(nは1〜3の整数を表す)を表し、Zは水素原子又は-CH3を表す。)で表される化合物を含有する光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物、並びに基板上に情報読み取り用のレーザー光を反射するための反射膜を備え、更にその反射膜上に活性エネルギー線硬化型組成物の硬化膜からなる保護層を備えた光ディスク、及び少なくとも1枚の光ディスク用基板に情報読み取り用のレーザー光を反射するための反射膜を備えた2枚の基板を活性エネルギー線硬化型組成物の硬化膜により貼り合わせた貼り合わせ型の光ディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクには種々のタイプがある。例えば、基板上に形成された情報記録層上に該記録層を保護するための活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化膜が形成された光ディスクや、少なくとも1枚の光ディスク用基板に情報記録層が形成された2枚の基板を活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化膜により貼り合わせた貼り合わせ型の光ディスクがある。
【0003】
情報記録層とは、ポリカーボネート等の合成樹脂からなる光ディスク用基板上に形成した、ピットと称する凹凸、相変化材料又は色素等からなる層と、その上に形成された情報読み取り用のレーザー光を反射するための半透明反射膜又は完全反射膜とからなる積層体である。半透明反射膜及び完全反射膜は情報記録層の最上部に形成される層であり、一般的には金属又は金属合金の薄膜からなる層である。
【0004】
貼り合わせ型の光ディスクの代表例としては、DVD(ディジタルバーサタイルディスク又はディジタルビデオディスク)がある。中でも再生専用型のDVDにおいては、種々のタイプが存在する。例えば、「DVD−10」と称する光ディスクは、基板の片面に記録情報に対応するピットと称する凹凸を設け、その上に情報読み取り用のレーザー光を反射するための層として、例えばアルミニウムの層を形成した光ディスク用ポリカーボネート基板を2枚用意して、それらをアルミニウムの層を接着面として貼り合わせたものである。「DVD−5」は、「DVD−10」を製造するための前記基板と、情報記録層を設けていない通常の透明なポリカーボネート基板とを貼り合わせたものである。また、「DVD−9」は、基板の片面に設けたピット上にアルミニウムの反射膜を形成した基板と、基板の片面に設けたピット上に金又は金を主成分とする合金、銀又は銀を主成分とする合金或いはケイ素化合物等からなる半透明反射膜を形成した基板とを、反射膜同士を接着面として貼り合わせたものである。更に、「DVD−18」は、片面に2層の情報記録層を有する基板を2枚貼り合わせた構造のものである。現在では記録容量が大きく片面から2層の情報を読み取れる「DVD−9」が主流になっている。
【0005】
このDVD−9等の半透明反射膜としては、金またはケイ素化合物が主として使用されている。しかし、金は材料の値段が非常に高くコスト面で不利であり、またケイ素化合物は成膜が非常に困難であるという欠点がある。そこで、金と比較して低コストであり成膜も容易であることから銀または銀を主成分とする合金への置き換えが盛んに検討されている。
【0006】
さらに、DVDは再生専用型と記録型に大別でき、記録型のDVDにおいては、追記型のDVD−R、DVD+Rと呼ばれる方式と書き換え型のDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMと呼ばれる方式がある。これらのDVDの内、追記型のDVD−R、DVD+Rと呼ばれるDVDは、他のDVDとは異なり、記録層に有機色素を用いるという特徴を持つ。追記型光ディスクは、透明基板上に、レーザー光の照射によって不可逆的に光学特性が変化したり凹凸形状が形成されたりすることによって記録層が形成される。この記録層としては、例えばレーザー光の照射による加熱で分解し、その光学定数が変化すると共に、体積変化によって基板の変形を生じさせるシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系の有機色素等が用いられる。
【0007】
こうした多くの方式が開発されているが、次々に開発される種々の記録方式を用いた光ディスクには、情報記録層に記録された信号が安定して読み取れること、信号の読み取りエラーの発生が極力抑えられていることが共通して求められている。特に、最近では、例えば太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に長時間曝露された場合であっても、反射膜上に設けられた活性エネルギー線硬化型組成物の硬化膜からなる保護層や、2枚の基板を貼り合わせるための同組成物の硬化膜からなる接着層が変色したり、信号の読み取りエラーが増加したりすることがない、耐光性に優れた光ディスクの開発が求められている。反射膜として銀又は銀を主成分とする合金の反射膜を備えた光ディスクにおいては、太陽光や蛍光灯等に曝露されると反射率の低下やPIエラー(parity of inner-code error)の増加を引き起こし易く、極端な場合には情報の読み取りが不可能になる。光ディスクの実用特性を向上させる上では、この課題を克服することが非常に重要である。また、従来の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を使用した場合、太陽光や蛍光灯等に曝露されることにより硬化膜が変色し(変色の程度により、黄色、茶色、茶褐色、褐色、黒色に変化する)、外観上の変質が肉眼で確認できてしまい、光ディスク購入者の印象を極端に悪化させるという不具合が発生する。更に、硬化膜の上に情報記録層を備えないダミー基板を設け、このダミー基板上にタイトルや記録内容等を表示するためのレーベル印刷を施したDVD−R型の光ディスクの場合、硬化膜が変色するとレーベル印刷の色と混色して、印刷の色相が変化してしまうといった種々の問題があった。
【0008】
ところで、そのような光ディスクの特性は、情報記録層上に設けられる樹脂層を形成するための活性エネルギー線硬化型組成物の特性により大きく影響される。特に、化学的に周囲の状況により影響を受け易い銀又は銀を主成分とする合金の反射膜を用いた光ディスクにおいては、該反射膜に接する樹脂層を形成するための光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物に使用する原料は慎重に選択されなければならない。
【0009】
銀又は銀合金からなる全反射膜または半透明反射膜を有する光ディスクを貼り合せる為の紫外線硬化型樹脂組成物として、エポキシ(メタ)アクリレート、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを必須成分として含有する光ディスク貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物が知られている(特許文献1参照)。当該技術には、銀又は銀合金からなる半透明反射膜を備えた光ディスクを製造する際に当該紫外線硬化型樹脂組成物を使用すると、該光ディスクの耐久性を金の半透明反射膜を有する従来の光ディスクと同等にすることができ、更に、該光ディスクを太陽光下に長時間曝した場合における反射率の低下を抑制することができると記載されている。
【0010】
また、比較例1には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノンと共に使用した組成物が例示されており、太陽光下に長時間曝した場合に反射率が低下し不適であることが示されている。
【0011】
特許文献1に記載された実施例の組成物を使用した光ディスクでは、紫外線硬化後には黄色いが、経時的に色目が薄くなり、レーベル印刷の色相が変化するという問題があるとともに、太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に長時間曝露された場合には、更に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化膜の変色が増し、結果的に外観の変化やレーベル印刷との混色を防止することはできなかった。
【0012】
【特許文献1】特開2004−175866号公報(特許請求の範囲、第9段落、実施例及び比較例1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に曝露された場合であっても、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜の反射率の極端な低下やPIエラーの発生を極力抑えることが可能な光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物、及びそれを用いた光ディスクを提供することにある。
【0014】
特に、本発明の他の目的は、上記課題を解決し、更に、紫外線硬化後には黄色いが、経時的に色目が薄くなったり、太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に長時間曝露された場合に変色が発生するといった、光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物の硬化膜の変色を抑え、外観の変化やレーベル印刷との混色を引き起こすことのない光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物、及びそれを用いた光ディスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者等は、本発明の課題の解決を試みるにあたり、前記の各従来技術(特許文献1)の実施例に記載された紫外線硬化型組成物を使用した光ディスクを検討した。その結果、蛍光灯や太陽光を曝露した場合における銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜の反射率低下やPIエラーの増大に関して効果は認められるが、光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物の硬化膜の変色が発生して、更に改善を要することが判った。
【0016】
そこで、前記の各従来技術の実施例に記載された紫外線硬化型組成物の配合組成を種々検討した結果、光重合開始剤として使用している2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン及び2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノンは、紫外線硬化後の色目の経時変化及び蛍光灯や太陽光を曝露した場合の変色に悪影響を及ぼすが、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは、紫外線硬化後も太陽光による曝露によっても硬化膜の変色に影響を及ぼさないことが判った。しかしながら、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを用いると、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜の反射率の低下やPIエラーの増大が生じる。そこで、それぞれの長所を生かすべく、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン又は2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノンと、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを併用することを試みた。しかしながら、反射膜の反射率の低下やPIエラー、更に紫外線硬化後の色目の経時変化及び蛍光灯や太陽光を曝露した場合の変色の全てを満足しうる程度にまで改善することはできなかった。
【0017】
本発明者等は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンと併用し、同光重合開始剤の欠点である、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜の反射率の低下やPIエラーの増大を防止することが可能な化合物を種々検討した。その結果、下記式(1)で表される化合物を使用することで、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜の反射率の低下やPIエラーの増大を防止することが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0018】
即ち、本発明は、光重合性化合物、光重合開始剤、及び
式(1)
【0019】
【化1】

式(1)
(式中、Xは-CH3、-C2H5又は-CH2OHを表し、Yは-(C2H4)n(nは1〜3の整数を表す)を表し、Zは水素原子又は-CH3を表す。)で表される化合物を含有することを特徴とする光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物。
【0020】
また、本発明は、前記光重合開始剤が、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物を提供するものである。
【0021】
また、本発明は、基板1上に情報読み取り用のレーザー光を反射するための反射膜1を備え、更に前記反射膜1上に活性エネルギー線硬化型組成物の硬化皮膜からなる樹脂層を備えた光ディスクであって、
前記反射膜1が、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜であり、
前記活性エネルギー線硬化型組成物が請求項1又は2に記載の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物であることを特徴とする光ディスクを提供するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物を使用した光ディスクは、太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に曝露された場合であっても、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜の反射率の極端な低下やPIエラーの発生が極力抑えられている。したがって、本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物は、特に、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜を備えた光ディスクを製造するための組成物として優れている。
【0023】
中でも、本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物は、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを使用した場合、基板1上に有機色素を用いた記録層と、情報読み取り用のレーザー光を反射するための反射膜1と、反射膜1上に活性エネルギー線硬化型組成物の硬化皮膜からなる樹脂層と、その樹脂層の上に設けられた透明基板2と、透明基板2上に設けられた印刷層とを順に備えた構造のDVD−Rにおける前記樹脂層を形成するための材料として優れた適性を有している。DVD−Rにおける該樹脂層が変色すると、基板2が透明であるため外部から変色していることが容易に判り、またレーベル印刷との混色を引き起こし易い。また、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを前記式(1)で表される化合物と共に使用することにより、本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物は、太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に曝露された場合であっても、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜の反射率の極端な低下やPIエラーの発生を極力抑えることが可能となるばかりではなく、更に、紫外線硬化後には黄色いが、経時的に色目が薄くなったり、太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に長時間曝露された場合に変色が発生するといった硬化膜の変色を抑え、外観の変化やレーベル印刷との混色を引き起こすことのない光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物となる。したがって、本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物の中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを含有する組成物はDVD−R用の樹脂層を形成するための組成物として適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物は、光重合性化合物、光重合開始剤、前記式(1)で表される化合物を含有する。なお、本明細書中で反射膜とは、情報読み取り用のレーザー光を反射するための半透明反射膜又は該レーザー光を実質的に透過しない完全反射膜のことであり、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸のことであり、アクリル酸又はメタクリル酸の誘導体についても同様である。
【0025】
前記式(1)中、Xは-CH3、-C2H5又は-CH2OHを表し、-CH3が好ましく、X-S-の置換基はp位にあることが好ましい。また、Yは-(C2H4)n、ここでnは1〜3の整数を表し、-C2H4が好ましい。さらに、Zは水素原子又は-CH3を表し、水素原子が好ましい。前記式(1)で表される化合物としては、4−メチルチオベンジルアルコールが特に好ましい。
【0026】
本発明で使用する光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であれば、特に制限無く使用できるが、特に(メタ)アクリル酸或いはその誘導体が好ましい。具体的には、例えば、単官能(メタ)アクリレートとして、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキルエーテル(メタ)ポリアクリレート類、ノルボルナンジメタノールジアクリレート、ノルボルナンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート等の脂環構造を有するモノマー類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート構造を有するモノマー類、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、ビニルエーテルモノマー等を挙げることができ、前記ラジカル重合性化合物の1種もしくは2種以上を用いることができる。
【0028】
また、オリゴマーとしては、例えば、ポリエーテル骨格のウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル骨格のウレタン(メタ)アクリレート、ポリカーボネート骨格のウレタン(メタ)アクリレートなどのポリウレタン(メタ)アクリレート或いは、ポリエステル骨格のポリオールに(メタ)アクリル酸をエステル化したポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル骨格のポリオールに(メタ)アクリル酸をエステル化したポリエーテル(メタ)アクリレート等の活性エネルギー線硬化性オリゴマーの1種もしくは2種以上を用いる事が出来る。
【0029】
また、オリゴマーとしては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させることで得られたエポキシアクリレートを用いることができる。グリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加ジグリシジルエーテル、ビスフェノールFあるいはそのアルキレンオキサイド付加ジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加ジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールFあるいはそのアルキレンオキサイド付加ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等を挙げることができ、これらのエポキシ(メタ)アクリレート等の活性エネルギー線硬化性オリゴマーの1種もしくは2種以上を用いる事が出来る。これらオリゴマーの中でも、耐久性の面から、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0030】
本発明に使用する光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン及び2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート等の分子開裂型や、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等の水素引き抜き型の光重合開始剤等がある。
【0031】
本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物では、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを使用することが好ましい。これを前記式(1)で表される化合物と共に使用することにより、本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物は、太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に曝露された場合であっても、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜の反射率の極端な低下やPIエラーの発生を極力抑えることが可能となるばかりではなく、更に、紫外線硬化後には黄色いが、経時的に色目が薄くなったり、太陽光等の自然光や蛍光灯等の室内光に長時間曝露された場合に変色が発生するといった硬化膜の変色を抑え、外観の変化やレーベル印刷との混色を引き起こすことのない光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物となる。
【0032】
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、添加剤として、界面活性剤、レベリング剤、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ホスファイト等の酸化防止剤、ヒンダードアミン等の光安定剤を使用することもできる。酸化防止剤としては、没食子酸及びその誘導体、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールが好ましい。また、増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が使用でき、更に、前記の光重合性化合物と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
【0033】
本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物を使用した光ディスクは、銀又は銀を主成分とする合金の薄膜を光反射層として備えた光ディスクであり、例えば、第1の基板上に情報読み取り用のレーザー光を反射するための第1の反射膜を備え、更に該第1の反射膜上に上記活性エネルギー線硬化型組成物の硬化膜からなる樹脂層を備えた構造を有する光ディスクである。本発明の光ディスクは、このような構造の光ディスク、或いはこのような構造を部分的に有する光ディスクである。そのような光ディスクとしては、例えば、銀又は銀を主成分とする合金の薄膜を光反射層とし、該光反射層上に保護層として活性エネルギー線硬化型組成物の硬化膜からなる樹脂層を備えたCD−ROM又はCD−R等がある。また、例えば、銀又は銀を主成分とする合金の薄膜からなる光反射層を有する基板を、該光反射層を接着面として活性エネルギー線硬化型組成物により他の基板と貼り合わせたDVD−5がある。
【0034】
また、本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物を使用した光ディスクは、前記第1の反射膜上に設けた上記活性エネルギー線硬化型組成物の硬化膜からなる樹脂層上に、更に、情報読み取り用のレーザー光を反射するための第2の反射膜を備えた第2の基板が、前記樹脂層と前記第2の反射膜とが接するように、前記樹脂層上に設けられた構造の光ディスクであっても良い。このような構造の光ディスクとしては、情報読み取り用のレーザー光を反射するための反射膜を備えた2枚の光ディスク用基板の少なくとも一方の基板が、その表面に、例えば銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜を有し、2枚の基板の反射膜同士を接着面として前記2枚の光ディスク用基板を貼り合わせたDVD−9、DVD−18、DVD−10等の貼り合わせ型の光ディスクがある。
【0035】
光ディスク用基板としては、光ディスク用基板として通常用いられるものが使用でき、特にポリカーボネート基板を好適に用いることができる。また、情報読み取り用のレーザー光を反射するための反射膜としては、種々の材料を使用することができる。例えば、アルミニウム、金、金合金、銀、銀合金、ケイ素化合物、等が使用可能である。中でも、本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物を使用した光ディスクとしては銀又は銀を主成分とする合金を使用することが好ましい。光ディスクに用いられる「銀を主成分とする合金」としては、例えば、米国特許第6007889号公報に記載されている銀と金の比率(AgAu)が以下の比率である銀合金があげられる。
0.9<x<0.999
0.001≦≦0.10
【0036】
光ディスクのタイプは、好ましくは再生専用型DVDである「DVD−5」、「DVD−10」、「DVD−9」及び「DVD−18」、書き込み可能型のDVD−R、DVD+R、書き換え可能型のDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAM等のDVDであり、特に好ましくは「DVD−R」及び「DVD+R」である。
【0037】
また、本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物を使用した光ディスクはこれらには限定されず、例えば、厚さ約1.1mmの光ディスク用基板の、例えば銀又は銀を主成分とする合金の薄膜上に、該組成物の硬化膜による、厚さ約0.1mm程度の保護層又はカバー層又は光透過層を形成したもの、すなわち、情報読み書き用のレーザー光として青紫色レーザー光に適したタイプのものであっても良いし、DVDと同様の厚さ0.6mmの基板を2枚貼り合わせた構造を有するSACD(スーパーオーディオCD)であっても良い。
【0038】
以下に、DVD−R及びDVD+Rを製造する場合の例を記載する。本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物を使用した光ディスクの例としてはこれらに限定されるものではない。また、下記製造例で使用する活性エネルギー線硬化型組成物は、本発明で使用する上記式(1)で表される化合物を含有した活性エネルギー線硬化型組成物を意味する。
【0039】
紫外線照射にあたっては、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀灯などを用いた連続光照射方式で行うこともできるし、米国特許第5904795号公報記載の閃光照射方式で行うこともできる。効率よく硬化出来る点で閃光照射方式がより好ましい。
【0040】
(DVD−Rの製造)
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、表面に有機色素からなる記録層と銀の光反射層が順に積層された構造を有する光ディスク用基板1同士を銀の反射層を貼り合わせ面としてとして貼り合わせた貼り合わせ型の光ディスク、または前記光ディスク用基板1と記録層及び反射層を有しない透明な光ディスク用基板2を銀の反射層を貼り合わせ面としてとして貼り合わせた貼り合わせ型の光ディスクを製造するための接着剤として使用される。この場合、2枚の光ディスク用基板1及び光ディスク用基板1と光ディスク用基板2は、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物の硬化皮膜からなる樹脂層を介して接着される。このような光ディスクとしては追記型のDVD−R及びDVD+Rがあり、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物はそれらを製造するための組成物として好適である。特に、表面に有機色素からなる記録層と純銀の光反射層が順に積層された構造を有する光ディスク用基板1と記録層及び反射層を有しない透明な光ディスク用基板2を貼り合わせた追記型のDVD−R及びDVD+Rを製造する用途に好適である。
【0041】
しかし、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は上記の用途のみに限定されず、例えば、書き換え可能型のDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAM等のDVD、或いは再生専用型DVDである「DVD−5」、「DVD−10」、「DVD−9」および「DVD−18」、あるいは、光ディスク基板の上に、紫外線硬化型組成物の硬化被膜を積層することにより光透過層を形成した光ディスク、例えば、情報読み書き用のレーザー光として青紫色レーザー光を用いた次世代タイプの光ディスク(商品名「Blu−ray」ソニー製)等の製造においても使用することができる。
【0042】
また、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、有機色素からなる記録層と銀の反射層を有し、且つ該反射層上に該光ディスク用紫外線硬化型組成物の硬化皮膜からなる樹脂層を有する光ディスク、つまり、有機色素からなる記録層と銀の薄膜を光反射層とするCD−Rの保護コート剤としても好適に使用することができ、優れた耐久性を付与することができる。更に、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は有機色素からなる記録層を有しないCD−ROMを製造する際にも使用可能である。
【実施例】
【0043】
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
【0044】
<実施例1>
ビスフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディックV−5530(大日本インキ化学工業(株)製)31部、下記式(2)で表されるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(4モル)のジアクリレート20部、下記式(3)で表されるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート14.8部、ネオペンチルグリコールジアクリレート(A-NPG-S)24部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)2.3部、下記式(4)で表されるエチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート0.08部、メチルアミノ安息香酸エチル(DMAEB)0.04部、メトキノン0.04部、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ社製)7部、没食子酸0.23部(大日本製薬)、式(1)の化合物として4−メチルチオベンジルアルコール(MTBA)0.5部を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
【0045】
【化2】

式(2)
(式中、m及びnは1〜3の整数であり、m+n=4である。)
【0046】
【化3】

式(3)
【0047】
【化4】

式(4)
【0048】
<実施例2>及び<比較例1>〜<比較例3>
実施例1の組成物と同様に、表1に記される実施例2及び比較例1〜比較例3の組成物を調製した。
【0049】
以上、実施例1〜実施例2及び比較例1〜比較例3での紫外線硬化型組成物を用いて、下記試験方法により純銀の反射膜を備えた「DVD+R」型貼り合わせ光ディスクの硬化後の変色評価と耐光性試験(太陽光暴露試験)を行った。評価結果を表1に示した。
【0050】
ランド・グルーブが形成され、有機色素の記録層、純銀の反射膜が順次積層されたポリカーボネート円盤に上記各実施例および各比較例の紫外線硬化型組成物をディスペンサで塗布し、透明ポリカーボネート円盤を重ね合わせた。次いでスピンコーターで硬化塗膜の膜厚が約40〜50μmになるよう回転させた。次いで、ウシオ電機株式会社製「キセノンフラッシュ照射装置 SBC−17型」を用い、設定電圧1450Vで、透明基板側から空気中で7ショット紫外線を照射して、各組成物を使用したDVD+RサンプルAを作製した。また、アイグラフィックス社製メタルハライドランプ「M03−L31」を用い、硬化照射量0.5J/cmの紫外線を照射して、各組成物を使用したDVD+RサンプルBを作製した。
【0051】
<硬化後の変色>
上記Bの各サンプルについて硬化直後及び硬化48時間経過後の黄色度YIを測定した。
【0052】
<太陽光曝露試験(耐光性試験)>
上記Aの各サンプルについて太陽光下における曝露試験を実施し、耐光性を評価した。光ディスクの透明ポリカーボネート板が太陽光に対向するように窓に貼り付け、太陽光の曝露試験を行った。2週間の曝露試験を行い、その前後の各サンプルの、PIエラー、反射率及び黄色度を測定し耐光性を評価した。
【0053】
<PIエラー及び反射率の測定>
パイオニア社製DVD+/−Rドライブ「DVR−108」を用いて16倍速で4.3GBのデータの書き込みを行った。
PIエラーは、Audio Development 社製 「SA−300」により曝露試験後の光ディスクについてPIエラー及び反射率を測定した。
PIエラーは小さいほど、耐光性に優れることを示す。
PIエラーが100以下である場合を○
PIエラーが100を越える場合を×とした。
反射率の判定の欄は
反射率が45%以上である場合を○
反射率が45%以下である場合を×とした。
【0054】
<黄色度の測定>
コニカミノルタ株式会社製「分光測色計 CM-2600d」により硬化直後及び硬化1日経過後、曝露試験前後の各黄色度YIを測定した。測定は透明ポリカーボネート円盤側(銀合金半透明反射膜側)から行った。硬化直後と48時間経過後の黄色度の数値差ΔYI(1)、曝露試験前後の黄色度の数値差ΔYI(2)が小さければ小さいほどディスクの変色も小さく、ディスクの耐変色性が優れることを示す。
ΔYI(1)=(48時間経過後の黄色度YI)−(硬化直後の黄色度YI)
ΔYI(2)=(曝露試験後の黄色度YI)−(曝露試験前の黄色度YI)
【0055】
ΔYI(1)又はΔYI(2)の絶対値が3.5以下である場合には外観上の黄変も少なく○とし、ΔYI(1)又はΔYI(2)の絶対値が3.5を越え、4以下である場合は外観上やや黄変があり△とし、ΔYI(1)又はΔYI(2)の絶対値が4を越えた場合は外観上の黄変も顕著であり×とした。
【0056】
【表1】

【0057】
*ΔYI(1)がマイナスの値となっているのは、(48時間経過後の黄色度YI)<(硬化直後の黄色度YI)であるためであり、48時間経過後に硬化膜の黄色度が薄くなっていることを示している。
*ΔYI(2)がプラスの値となっているのは、(曝露試験前の黄色度YI)<(曝露試験後の黄色度YI)であるためであり、曝露試験により硬化膜の黄色度が濃くなっていることを示している。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
光重合性化合物、光重合開始剤、及び
式(1)
【化1】

式(1)
(式中、Xは-CH3、-C2H5又は-CH2OHを表し、Yは-(C2H4)n(nは1〜3の整数を表す)を表し、Zは水素原子又は-CH3を表す。)で表される化合物を含有することを特徴とする光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項2】
前記光重合開始剤が、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである請求項1記載の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項3】
基板1上に情報読み取り用のレーザー光を反射するための反射膜1を備え、更に前記反射膜1上に活性エネルギー線硬化型組成物の硬化皮膜からなる樹脂層を備えた光ディスクであって、
前記反射膜1が、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射膜であり、
前記活性エネルギー線硬化型組成物が請求項1又は2に記載の光ディスク用活性エネルギー線硬化型組成物であることを特徴とする光ディスク。
【請求項4】
更に、情報読み取り用のレーザー光を反射するための反射膜2を備えた基板2が、前記樹脂層と前記反射膜2とが接するように、前記樹脂層上に設けられた請求項3記載の光ディスク。
【請求項5】
更に、前記基板1と前記反射膜1との間に有機色素を用いた記録層を備え、前記樹脂層の上に透明基板2を設けた請求項3又は4記載の光ディスク。

【公開番号】特開2007−95183(P2007−95183A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−284100(P2005−284100)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】