説明

光ディスク記録再生装置のフォーカス制御方法

【課題】 光学式ピックアップに組み込まれているレーザーダイオードから照射されるレーザー光にて光ディスクに信号の記録動作を行う光ディスク記録再生装置のフォーカス制御方法を提供する。
【解決手段】 フォーカスサーボのデフォーカス値を変更する毎にRF信号のレベルを検出することにより信号トラック方向のスポット径を検出し、トラッキングエラー信号のレベルを検出することにより信号トラックに対して直角方向のスポット径を検出し、このようにして検出されたトラック方向のスポット径と直角方向のスポット径の比率が所定値内になるようにデフォーカス値を設定することによって記録動作に適したスポットにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式ピックアップに組み込まれているレーザーダイオードから照射されるレーザー光にて光ディスクに信号の記録動作を行う光ディスク記録再生装置のフォーカス制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーダイオードから照射されるレーザー光によって光ディスクへの信号の記録動作を行う光ディスク記録再生装置が普及している。光ディスク記録再生装置としては、CDと呼ばれる光ディスクを使用するものやDVDと呼ばれる光ディスクを使用するものが一般的である。
【0003】
光ディスクへの信号の記録動作は、レーザー光にてピットを光ディスクに設けられているトラック上に形成することによって行われるが、斯かるピットの長さは、CDディスクでは、3T、4T…11Tと規定され、DVDディスクでは、3T、4T…14Tと規定されている。
【0004】
そして、光ディスクへの記録動作は、レーザーダイオードに記録信号に対応した駆動パルス、即ち図3に示すようなパルス信号を供給することによって行われるが、斯かる駆動パルスの間隔等は、光ディスクの記録特性に応じて設定されている記録ストラテジに基いて設定される。
【0005】
斯かる記録ストラテジは、光学式ピックアップより照射されるレーザー光のスポットの形状が真円やトラックの接線方向、即ちタンジェンシャル方向の径が一定であるとして設定されている。しかしながら、レーザー光のスポットの方向は、一定ではなく光学式ピックアップ毎に相違するので、最適な記録動作が行われることにはならない。
【0006】
斯かる点を改良するためにレーザー光のスポット方向を光ディスク上のトラックに対して調整する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、光ディスクへの信号の記録動作を正確に行うためには、レーザーダイオードから照射されるレーザー光を信号面に合焦させる必要があり、斯かる合焦動作を行うためにフォーカスオフセット信号のレベルを設定する技術が開発されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
そして、光ディスク記録再生装置では、光学式ピックアップから照射されるレーザー光を信号トラックに追従させる動作を行う必要があり、斯かる制御動作は一般にトラッキングサーボと呼ばれる回路によって行われている。斯かるトラッキング制御動作を行うトラッキング制御方式は種々あるが、4分割光検出器の中の対角配置されている光検出器から得られる信号を加算して得られる信号間の位相差に基づいて生成されるトラッキングエラー信号を利用する方式、即ち位相差検出方式が一般的である(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平8−63777号公報
【特許文献2】特開2004−119013号公報
【特許文献3】特開2001−266373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されている技術は、光学式ピックアップの製造時に正確に調整する必要があるため、製造コストの高騰を招くという問題がある。また、このように調整された光学式ピックアップを使用しても光ディスク記録再生装置へ組み込まれた場合においては、取付位置のズレやフォーカス制御動作に伴うスポット形状の変化によりトラックに対するスポット形状との関係を一定にすることは困難である。
【0010】
このように光ディスク上のトラックとレーザー光のスポット形状との関係が一定でないため、光ディスクの記録特性に合わせて前もって設定されている記録ストラテジでは、該光ディスクへの記録動作を最適な状態にて行うことが出来ないという問題がある。
【0011】
また、特許文献2に記載されている技術は、フォーカスオフセット信号のレベル設定をトラッキングエラー信号を利用して行うようにされているが、スポットの形状を考慮したものでないため、記録動作に適したフォーカス制御動作を行うことが出来ないという問題がある。
【0012】
本発明は、斯かる問題を解決することが出来るフォーカス制御方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、フォーカスサーボのデフォーカス値を変更するに光ディスクに記録されている長さの異なるピットを再生して得られるRF信号のレベルを比較することによって信号トラック方向のスポット径を検出するとともにトラッキングサーボを不動作状態にさせた状態におけるトラッキングエラー信号のレベルを検出することによって信号トラックに対して直角方向のスポット径を検出し、トラック方向のスポット径と直角方向のスポット径の比率が所定値内になるようにデフォーカス値を設定するように構成されている。
【0014】
また、本発明は、信号トラック方向のスポット径の検出動作を行うためのRF信号のレベル比較動作を光ディスクに記録されている最短ピットと最長ピットを再生して得られるRF信号にて行うように構成されている。
【0015】
そして、本発明は、トラッキングエラー信号の最大レベルと最小レベル間のレベル差に基づいてスポット径を検出するように構成されている。
【0016】
更に、本発明は、トラック方向のスポット径と直角方向のスポット径の比率に対応した記録ストラテジが複数記録された記録ストラテジメモリー回路を設け、該記録ストラテジメモリー回路に記憶されている記録ストラテジをスポット径の比率に基づいて選択することにより記録ストラテジを設定するように構成されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、フォーカスサーボのデフォーカス値を変更するに光ディスクに記録されている長さの異なるピットを再生して得られるRF信号のレベルを比較することによって信号トラック方向のスポット径を検出するとともにトラッキングサーボを不動作状態にさせた状態におけるトラッキングエラー信号のレベルを検出することによって信号トラックに対して直角方向のスポット径を検出し、トラック方向のスポット径と直角方向のスポット径の比率が所定値内になるようにデフォーカス値を設定するようにしたので、フォーカス制御動作を正確に行うことが出来る。
【0018】
また、本発明は、RF信号のレベル比較動作を光ディスクに記録されている最短ピットと最長ピットを再生して得られるRF信号にて行うようにしたので、即ち、比較するレベル差が最も大きくなるピットより得られるRF信号のレベルを比較するようにしたので、スポット形状の検出動作を正確に行うことが出来、その結果デフォーカス値の設定動作を正確に行うことが出来る。
【0019】
そして、本発明は、信号トラックにレーザー光のスポットを追従させるトラッキングサーボを不動作状態にさせた状態において、トラッキングエラー信号のレベルを検出することによって信号トラックに対して直角方向のスポット径の検出動作を行うようにしたので、該スポット径の検出動作を簡単に行うことが出来る。
【0020】
また、本発明は、トラック方向のスポット径と直角方向のスポット径の比率に対応した記録ストラテジが複数記録された記録ストラテジメモリー回路を設け、該記録ストラテジメモリー回路に記憶されている記録ストラテジをスポット径の比率に基づいて選択することにより記録ストラテジを設定するようにしたので、ディスクの記録特性に合った記録用パルス信号を生成させることが出来、正確な記録動作を行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、光ディスクに長さの異なるピットにて記録されている信号を再生することにより得られるRF信号のレベルを比較する動作及びトラッキングエラー信号のレベルを検出することによってレーザー光のスポット形状を検出するようにされている。
【実施例】
【0022】
図6は、本発明に係るトラッキングエラー信号を生成する回路、即ち位相差検出方式を説明するための回路図である。同図において、1は、光ディスクDから反射されるレーザー光を受ける4分割光検出器であり、A、B、C及びDの4つの光検出器にて構成されている。
【0023】
2は前記4分割光検出器1を構成する光検出器A及びCから得られる信号を加算する第1加算回路、3は前記4分割光検出器1を構成する光検出器B及びDから得られる信号を加算する第2加算回路である。4は前記第1加算回路2から出力される第1加算信号の周波数補正を行う第1イコライザ回路、5は前記第2加算回路3から出力される第2加算信号の周波数補正を行う第2イコライザ回路である。
【0024】
6は前記第1イコライザ回路4にて周波数補正された第1加算信号が入力される第1コンパレータ回路であり、入力される信号が所定レベル以上になるとその間H(高い)レベルとなる第1パルス信号を出力するように構成されている。7は前記第2イコライザ回路5にて周波数補正された第2加算信号が入力される第2コンパレータ回路であり、入力される信号が所定レベル以上になるとその間Hレベルとなる第2パルス信号を出力するように構成されている。
【0025】
8は前記第1コンパレータ回路6から出力される第1パルス信号と第2コンパレータ回路7から出力される第2パルス信号が入力されるとともに2つのパルス信号間の位相差を検出する位相差検出回路であり、第1パルス信号の位相が第2パルス信号の位相より進んでいるときその位相差に対応した幅の第1検出パルス信号を出力する第1出力端子8A及び第2パルス信号の位相が第1パルス信号の位相より進んでいるときその位相差に対応した幅の第2検出パルス信号を出力する第2出力端子8Bを備えている。
【0026】
9は前記位相差検出回路8に設けられている第1出力端子8Aから出力される信号が入力される第1ローパスフィルター回路、10は前記位相差検出回路8に設けられている第
2出力端子8Bから出力される信号が入力される第2ローパスフィルター回路、11は前記第1ローパスフィルター回路9及び第2ローパスフィルター回路10の出力信号が入力される減算回路であり、入力される信号の差信号をトラッキングエラー信号として出力端子11Aに出力するように構成されている。
【0027】
前述したように位相差検出方式のトラッキングエラー信号生成回路は構成されているが、次に検出動作について図7及び図8に示す波形図を参照して説明する。図7の(A)は第1イコライザ回路4から出力される第1加算信号及び第2イコライザ回路5から出力される第2加算信号の波形を示すものであり、実線が第1加算信号、破線が第2加算信号である。
【0028】
図7の(B)は第1コンパレータ回路6から出力される第1パルス信号の波形を示すものであり、第1加算信号のレベルが図7の(A)に示す比較基準レベルVRを越えた期間がHレベルで示されている。図7の(C)は第2コンパレータ回路7から出力される第2パルス信号の波形を示すものであり、第2加算信号のレベルが図7の(A)に示す比較基準レベルVRを越えた期間がHレベルで示されている。
【0029】
図7の(D)は位相差検出回路8の第1出力端子8Aに出力される第1検出パルス信号の波形を示すものであり、第1パルス信号の位相が第2パルス信号の位相より進んでいる期間がHレベルで示されている。図7の(E)は位相差検出回路8の第2出力端子8Bに出力される第2検出パルス信号の波形を示すものであり、第2パルス信号の位相が第1パルス信号の位相より進んでいる期間がHレベルで示されている
図8は、前記減算回路11の出力端子11Aに出力されるトラッキングエラー信号のレベル変化を示す波形図であり、光ビームの信号トラックに対するズレ、即ちオフトラックに応じて位相差量が変化するので、トラッキングエラー信号のレベルがその位相差に応じて変化することになる。
【0030】
前述した回路によって得られるトラッキングエラー信号を利用することによって本発明に係る光ディスク記録再生装置におけるトラッキング制御動作は行われるが、次に図1に示す本発明に係る光ディスク記録再生装置について説明する。
【0031】
図1において、12はレーザー光を照射するレーザーダイオード13が組み込まれている光学式ピックアップであり、レーザーダイオード13から照射されるレーザー光を光ディスクDの信号面に合焦させる対物レンズ14、光ディスクDから反射されるレーザー光を受光し電気信号に変換するとともに図6に示した4分割光検出器1等にて構成される光検出器15、対物レンズ14を光ディスクDの径方向に変位させるトラッキングコイル16及び対物レンズ14を光ディスクDの信号面に対して垂直方向に変位させるフォーカシングコイル17が組み込まれている。
【0032】
斯かる構成において、光学式ピックアップ12の本体は、ピックアップ送り用モーター(図示せず)によって光ディスクDの径方向に変位せしめられるように構成されている。斯かる駆動機構は周知の機構を利用すればよいので、その説明は省略する。
【0033】
18は前記光検出器15から得られる電気信号が光信号として入力される光出力信号処理回路であり、図6に示したようなレーザー光の信号トラックに対するズレを示すトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成回路が組み込まれている。また、前記光出力信号処理回路18には、レーザー光の記録層に対するフォーカスのズレを示すフォーカスエラー信号を出力するフォーカスエラー信号生成回路(図示せず)が組み込まれている。
【0034】
そして、前記光出力信号処理回路18には光ディスクDに記録されている信号の再生信号を2値化した信号を生成する信号再生回路(図示せず)が組み込まれている。また、前記光出力信号処理回路18には光ディスクDから読み出される再生信号であるRF信号を出力するRF信号再生回路(図示せず)が組み込まれている。斯かる光出力信号処理回路18による各種信号の生成動作は周知の回路にて行われるので、その説明は省略する。
【0035】
19は前記光出力信号処理回路18に組み込まれているトラッキングエラー信号生成回路の出力端子11Aから出力されるトラッキングエラー信号が入力されるトラッキングサーボ回路であり、入力されるトラッキングエラー信号に基くトラッキングコイル駆動信号を前記トラッキングコイル16に供給することによってトラッキング制御動作を行うように構成されている。
【0036】
20は前記光出力信号処理回路18によって生成されて出力されるフォーカスエラー信号が入力されるフォーカスサーボ回路であり、入力されるフォーカスエラー信号に基くフォーカシングコイル駆動信号を前記フォーカシングコイル17に供給することによってフォーカス制御動作を行うように構成されている。
【0037】
前記フォーカスサーボ回路20からフォーカシングコイル17に供給されるフォーカシングコイル駆動信号は、対物レンズ14を光ディスクDの記録層に合焦させる位置である動作位置に変位させる直流電圧と光ディスクDの面振動に伴うフォーカスズレを補正するために対物レンズ14を高速で変位させる高周波信号とより構成されているが、斯かる信号は周知であるので説明は省略する。
【0038】
21は前記光出力信号処理回路18内に設けられている2値化回路によって2値化された再生信号が入力されるとともにデジタル信号処理を行うデジタル信号処理回路であり、光ディスクDに記録されている同期信号、位置情報データ及び記録信号等の各種の信号を復調するように構成されている。22は光ディスク記録再生装置の各動作を制御するシステム制御回路であり、前記デジタル信号処理回路21より生成される同期信号を利用してスピンドルモーターによる光ディスクDの回転制御動作や再生信号及び記録信号の処理動作、そして外部に設けられているパーソナルコンピューター等のホスト機器との信号の送受信動作を制御するように構成されている。
【0039】
斯かるシステム制御回路22は、マイクロコンピューターにて構成されており、内部に設けられているフラッシユROM等に記憶されているプログラムソフトに基いて各種の制御動作を行うように構成されている。
【0040】
23は前記光出力信号処理回路18から出力されるRF信号が入力されるとともに該信号のレベルを検出するRF信号レベル検出回路であり、光ディスクDに記録されている最短ピット、例えば3Tの信号及び最長ピット、例えば14Tの信号より得られるRF信号のレベルを検出するように構成されている。
【0041】
斯かる3T信号及び14T信号を再生して得られるRF信号レベルを検出する動作は、デジタル信号処理回路21によって得られる信号から3Tの信号及び14Tの信号が認識されたとき、該システム制御回路22から出力されるレベル検出制御信号に基づいて行うことが出来る。
【0042】
24は前記システム制御回路22によって動作が制御される第1レベルメモリー回路であり、前記RF信号レベル検出回路23によって検出される3Tに対応したRF信号のレベルL1が記憶されるように構成されている。25は前記システム制御回路22によって動作が制御される第2レベルメモリー回路であり、前記RF信号レベル検出回路23によ
って検出される14Tに対応したRF信号のレベルL2が記憶されるように構成されている。
【0043】
前記システム制御回路22は、前記第1レベルメモリー回路24及び第2レベルメモリー回路25にRF信号のレベルL1及びL2が記憶されると、その比率R1をL2/L1から演算するように構成されている。
【0044】
26はパーソナルコンピューター等から入力される記録信号やシステム制御回路22にて生成されるテスト信号が入力される信号記録用回路であり、光ディスクDの規格に合わせて記録信号をインターリーブ等のエンコード処理する作用を有している。斯かる信号記録用回路26によるエンコード処理は、周知であるのでその説明は省略する。
【0045】
27は前記信号記録用回路26によってエンコード処理された記録信号が入力されるレーザー駆動信号生成回路であり、記録信号に対応して3T、4T…14Tのピットを形成するために適した駆動信号、即ち図3に示すようなパルス信号を生成するように構成されている。28は前記レーザー駆動信号生成回路27より生成出力される駆動信号に応じてレーザーダイオード13を駆動する信号を出力するレーザー駆動回路である。
【0046】
29は前記システム制御回路22内に組み込まれているとともにデータの書き込み動作及び読み出し動作が制御されるべく接続されている第1スポット径メモリー回路であり、前記RF信号レベル検出回路23によって検出された3T及び14Tのピットに対応して得られたRF信号のレベルL1及びL2に基いて演算される比率R1の値に応じて信号トラック方向、即ちラジアル方向のスポット径S1がテーブルデータとして記憶されている。
【0047】
30は前記光出力信号処理回路18に設けられているトラッキングエラー信号出力端子11Aから出力されるトラッキングエラー信号のレベルを検出するトラッキングエラー信号レベル検出回路であり、トラッキングエラー信号の最大レベルであるピークレベルと最低レベルであるボトムレベルとの間のレベル、即ち図8においてEVで示すレベルを検出し、その検出されたレベルを2値化してシステム制御回路22に対して出力するように構成されている。
【0048】
31は前記フォーカスサーボ回路20からフォーカシングコイル17に供給する制御電圧であるデフォーカス値を設定するデフォーカス値設定回路であり、前記システム制御回路22による制御動作によって前記フォーカスサーボ回路20に設定するデフォーカス値の変更動作及び設定動作を行うように構成されている。32は前記システム制御回路22内に組み込まれているとともにデータの書き込み動作及び読み出し動作が制御されるべく接続されている第2スポット径メモリー回路であり、デフォーカス値とエラー信号のレベルEVとスポット径との関係を示すデータがテーブルデータとして記憶されている。
【0049】
33は前記システム制御回路22によって動作が制御されるレーザー駆動信号制御回路であり、前記レーザー駆動信号生成回路27による駆動信号のパルス生成動作を制御するように構成されている。34は前記システム制御回路22によって動作が制御される記録ストラテジメモリー回路であり、前記比率R1によって求められるスポット径S1、前記トラッキングエラー信号のレベルEVによって求められるスポット径S2、そしてS1及びS2の比率R2(S2/S1)に基づいて設定されているストラテジデータがテーブルデータとして記憶されている。
【0050】
前記レーザー駆動信号制御回路33によるレーザー駆動信号生成回路27に対する記録パルス信号の生成制御動作は、前記記録ストラテジメモリー回路34より得られるテーブ
ルデータに基いて行われる。即ち、レーザー駆動信号生成回路27からレーザー駆動回路28に供給される駆動信号は、図3に示すようなパルス信号であり、3Tのピットを形成する場合には、先頭パルスP1のみの信号、4Tのピットを形成する場合には、先頭パルスP1及びP2よりなる信号、そして5Tのピットを形成する場合には、先頭パルスP1、P2及びP3より成る駆動信号をレーザー駆動回路28に対して出力するように行われ、パルスP1、P2、P3の幅や各パルス間の間隔を前記記録ストラテジメモリー回路34より得られるテーブルデータに基いて変更設定するように構成されている。
【0051】
斯かる構成において、トラッキングサーボ回路19の動作不動作は、システム制御回路22によって選択制御可能に構成されており、トラッキングエラー信号レベル検出回路30によるトラッキングエラー信号のレベルEVの検出動作は、トラッキングサーボ回路19を不動作状態にさせた状態にて行うように構成されている。また、トラッキングエラー信号のレベル検出動作を行う信号は、例えば光ディスクDの内周側にレーザー出力の設定動作を行うために設けられている試し書き領域に記録されているテスト信号を利用するように構成されている。
【0052】
また、記録用の光ディスクDには、プリグルーブと呼ばれる溝が形成されており、このプリグルーブから得られるウォブル信号を復調して得られる同期信号や位置情報データに基いて光ディスクDの回転駆動動作や光学式ピックアップ12の変位動作等を制御するように構成されている。
【0053】
そして、RF信号レベル検出回路23によるRF信号のレベル検出動作は、例えば光ディスクDの内周側にレーザー出力の設定動作を行うために設けられている試し書き領域に例えば3T及び14Tのテスト信号を記録し、その記録された信号を再生することによって行うように構成されている。
【0054】
また、システム制御回路22によるデフォーカス値設定回路31に対する制御動作によってフォーカスサーボ回路20に対して設定されるデフォーカス値を段階的に変更することが出来るように構成されている。
【0055】
以上に説明したように本発明に係る光ディスク記録再生装置は構成されているが、次に動作について説明する。光ディスクDに記録されている信号の再生動作を行う場合には、スピンドルモーターの回転制御動作が行われ、光ディスクDは所定の線速度一定の状態にて回転駆動されることになる。斯かる線速度を一定にするための制御動作は、光ディスクDから読み出される同期信号とシステム制御回路22により制御されるべく接続されている同期信号生成回路(図示せず)から生成される同期信号とを同期させることによって行われるが、斯かる動作は周知であるのでその説明は省略する。
【0056】
光ディスクDに記録されている信号を再生するためにレーザー駆動回路28からレーザーダイオード13に供給される駆動信号は、再生動作を行うために必要なレーザー出力が得られる値になるように設定されている。前記レーザーダイオード13から照射されるレーザー光は、対物レンズ14によって集光されて光ディスクDの信号面に合焦されることになるが、斯かる合焦動作は、フォーカスサーボ回路20によるサーボ動作によって行われる。
【0057】
前記フォーカスサーボ回路20によるフォーカス制御動作は、光ディスクDの信号面から反射されるレーザー光が照射される光検出器15より得られる信号を利用して行われる。前記光検出器15より得られる信号は、光出力信号処理回路18に入力され、その信号に基いてフォーカスエラー信号が生成され、そのフォーカスエラー信号はフォーカスサーボ回路20に入力される。斯かるフォーカスエラー信号がフォーカスサーボ回路20に入
力されると、該フォーカスサーボ回路20からフォーカシングコイル17に対してフォーカスエラー信号のレベルを小さくする方向に対物レンズ14を変位させる駆動信号が供給される。斯かる駆動信号がフォーカシングコイル17に供給される結果、レーザー光を光ディスクDの信号面に合焦させる動作、即ちフォーカス制御動作を行うことが出来る。
【0058】
前述したようにフォーカス制御動作は行われるが、トラッキング制御動作も同様に行うことが出来る。即ち、レーザーダイオード13から照射されるレーザー光のスポットが光ディスクD上の信号トラックより外れると、その外れの大きさに対応したレベルのトラッキングエラー信号が光出力信号処理回路18のトラッキングエラー信号出力端子11Aから出力される。
【0059】
斯かるトラッキングエラー信号がトラッキングサーボ回路19に入力されると、該トラッキングサーボ回路19からトラッキングコイル16に対してトラッキングエラー信号のレベルを小さくする方向に対物レンズ14を変位させる駆動信号が供給される。斯かる駆動信号がトラッキングコイル16に供給される結果、レーザー光を光ディスクDの信号面に設けられている信号トラックに追従させる動作、即ちトラッキング制御動作を行うことが出来る。
【0060】
前述したフォーカス制御動作及びトラッキング制御動作が行われる結果、光ディスクDの信号トラック上に記録されている信号の読み取り動作を行うことが出来る。光ディスクDの信号トラックには、長さの異なる複数のピットにより信号が記録されており、斯かるピットの長さに応じたRF信号が光出力信号処理回路18にて生成されるとともに2値化された信号が出力される。
【0061】
前記光出力信号処理回路18より出力される2値化信号は、デジタル信号処理回路21に入力され、該デジタル信号処理回路21によって復調動作が行われる。前記デジタル信号処理回路21によって復調されたデータ信号は、システム制御回路22を介してパーソナルコンピューター等へ出力されることになる。
【0062】
以上に説明したように本実施例における再生動作は行われるが、次に記録動作について説明する。記録動作時におけるスピンドルモーターによる光ディスクDの回転制御動作、トラッキングサーボ回路19によるトラッキング制御動作及びフォーカスサーボ回路20によるフォーカス制御動作は前述した再生動作時と同様に行われる。
【0063】
パーソナルコンピューターより出力される記録信号は、信号記録用回路26に入力されるとともに該信号記録用回路26によってエンコード処理される。前記信号記録用回路26によってエンコード処理された記録信号は、レーザー駆動信号生成回路27に入力されるので、該レーザー駆動信号生成回路27は、入力される記録信号に応じた長さのピットを光ディスクDの信号トラックに形成するための駆動信号をレーザー駆動回路28に対して出力する。
【0064】
斯かる場合にレーザー駆動回路28に供給される駆動信号のパルス波形は、記録ストラテジメモリー回路34から選択されたストラテジデータに基いて生成されることになる。このようにして生成制御されたパルス波形の駆動信号がレーザー駆動回路28に供給されると、そのパルス波形に対応した駆動信号が該レーザー駆動回路28からレーザーダイオード13に対して供給される。
【0065】
斯かる駆動信号がレーザーダイオード13に供給されると、該レーザーダイオード13からパルスに応じたレーザー光が照射され、光ディスクDの信号トラックにピットが形成されることになる。斯かる動作によって形成されるピットの長さは、光ディスクDの信号
規格に対応した3T、4T…14Tとなる。
【0066】
以上に説明したように本実施例における再生及び記録動作は行われるが、次に本発明の要旨について説明する。
【0067】
図2は、光ディスクDの信号トラックに形成されているピットPとレーザー光のスポットSとの関係を示すものである。図2(A)は、スポットSの形状が楕円であり、トラック方向に対して長径方向が直角にある場合、図2(B)は、スポットSの形状が楕円であり、トラック方向に対して長径方向が45度程度傾いた状態にある場合、図2(C)は、スポットSの形状が楕円であり、トラック方向と長径方向が一致している場合である。
【0068】
光ディスクDにピットPを形成するために作用するレーザー光のスポットSは、図2において、ピットPと重なっている部分であり、各状態より明らかなようにピットPの長さ方向、即ちタンジェンシャル方向の長さである有効長が相違することになる。
【0069】
また、光ディスクDに記録されている信号の読み出し動作を行う場合や該光ディスクDに信号を記録する場合には、光ディスクDに形成されているプリグルーブからウォブル信号を読み出す動作が行われるが、斯かる動作を行う場合のスポットSとしては、信号トラックに対して直角方向、即ち光ディスクDの径方向であるラジアル方向の長さが重要になる。
【0070】
そして、斯かる構成において、フォーカスサーボのデフォーカス値を変化させるとスポットSの形状が変化する。即ち、図2において、信号トラック方向のスポット径S1と信号トラックに対して直角方向であるラジアル方向のスポット径S2の値及びその比率が変化する。
【0071】
本発明は、スポットSの形状の相違に起因する有効長の相違による記録特性の変化とディスクの径方向、即ちラジアル方向のスポットSの大きさによるウォブル信号の再生特性を改善するものであり、特にフォーカス制御動作を行うデフォーカス値を変更することによって記録再生動作を行うために適したスポット形状になるように設定するとともにスポット形状に応じて記録ストラテジを変更するようにしたものである。
【0072】
次に記録動作を行う場合における有効長を相違させる原因となるスポットSの形状を検出する動作について説明する。光ディスクDに設けられている試し書き領域にレーザー出力の調整時に記録されるテスト信号を再生する動作を行うと、前述したように光出力信号処理回路18からRF信号及び2値化信号が出力される。
【0073】
前記光出力信号処理回路18から出力されるRF信号は、RF信号レベル検出回路23に入力された状態にあり、該RF信号レベル検出回路23は、入力されるRF信号のレベルを検出する動作を行う状態にある。また、斯かる状態にあるとき、前記光出力信号処理回路18から出力される2値化信号は、デジタル信号処理回路21に入力されるので、入力される信号の中から3T信号及び14T信号の検出動作を行うことが出来る。
【0074】
3T信号が検出されると、システム制御回路22による制御動作が行われ、そのときRF信号レベル検出回路23にて検出されたRF信号のレベルL1を第1レベルメモリー回路24に記憶させる動作が行われる。同様に14T信号が検出されると、システム制御回路22による制御動作が行われ、そのときRF信号レベル検出回路23にて検出されたRF信号のレベルL2を第2レベルメモリー回路25に記憶させる動作が行われる。
【0075】
前記第1レベルメモリー回路24へのレベルL1の記憶動作及び第2レベルメモリー回
路25へのレベルL2の記憶動作が行われると、システム制御回路22による演算処理動作によってRF信号のレベル比R1がL2/L1にて求められる。
【0076】
光出力信号処理回路18から出力されるRF信号のレベルは、最短ピット長である3T信号から得られるレベルL1が最も小さく、最長ピット長である14Tから得られるレベルL2が最も大きくなる。また、RF信号のレベルは、スポットSのピットPに対する有効長に対応して変化することになる。即ち、有効長の長さが短くなるほど大きな反射光の変化を得ることが出来るので、RF信号のレベルは大きくなる。
【0077】
一方、ピットPの長さに対するスポットSの有効長の比率は、有効長の大きさに応じて変化するが、ピットの長さは、光ディスクDの記録規格によって規定されているので、3T及び14Tの長さは一定となる。その結果、3T及び14Tのピットから得られるRF信号のレベルは、スポットSの有効長によって変化することになるとともにその変化率も相違することになる。
【0078】
スポットSの有効長の長さがSAの場合におけるL1の値をLA1、L2の値をLA2とすると、比率RAはLA2/LA1となり、スポットSの有効長の長さがSBの場合におけるL1の値をLB1、L2の値をLB2とすると、比率RBはLB2/LB1となる。そして、このようにして得られる比率RA及びRBは、スポットSの有効長の相違に伴って相違することになる。
【0079】
従って、レベル比R1と有効長との関係を前もって設定しておけば、ピットの長さが一定で3T及び14Tから得られるRF信号のレベルの比が求められると、ピットに対するレーザー光のスポットSの有効長を検出することが出来る。また、光学式ピックアップ12におけるレーザー光のスポットSの形状は、光学式ピックアップ12の製造時に決定されているので、前記有効長を検出することによってレーザー光の信号トラックに対するスポットSの信号トラック方向のスポット径S1を第1スポット径メモリー回路29に記憶されているテーブルデータから求めることが出来る。尚、斯かる第1スポット径メモリー回路29に記憶されているテーブルデータは、RF信号のレベル比R1とスポット径との関係を実験的に測定して得られたデータである。
【0080】
以上に説明したようにスポットSの信号トラック方向のスポット径S1を検出する動作は行われるが、次にスポットSの信号トラックに対して直角方向のスポット径S2を検出する動作について説明する。
【0081】
斯かる検出動作は、光ディスクDに設けられている試し書き領域にレーザー出力の調整時に記録されているテスト信号を再生することにより行われるが、斯かる再生動作は、トラッキングサーボ回路19を不動作状態にさせた状態にて行われる。
【0082】
光学式ピックアップ12の試し書き領域への移動動作は、周知のサーチと呼ばれる動作によって行うことが出来る。即ち、光ディスクDの信号トラックに記録されている位置情報を光学式ピックアップ12のトラックジャンプ動作を繰り返し行うことによって読み取り、該光学式ピックアップ12を所望のトラック、即ちテスト信号が記録されている位置に移動させることが出来る。
【0083】
斯かる動作によって光学式ピックアップ12が所望の位置まで移動したことが認識されると、フォーカスサーボ回路20によるフォーカス制御動作を行った状態のままで、トラッキングサーボ回路19を不動作状態にする制御動作がシステム制御回路22によって行われる。
【0084】
斯かる状態にあるとき光ディスクDの試し書き領域に記録されているテスト信号の読み出し動作が行われるが、トラッキングサーボ回路19が不動状態にあるためテスト信号を正常に読み出すことは出来ない。また、斯かる状態では、レーザー光のスポットSと信号トラックとのズレが大きくなるため、トラッキングエラー信号出力端子11Aに出力されるトラッキングエラー信号のレベルが大きく変動することになる。
【0085】
本発明では、トラッキングエラー信号出力端子11Aから出力されるトラッキングエラー信号のレベルEVをトラッキングエラー信号レベル検出回路30が検出し、その検出されたレベル値をシステム制御回路22に対して出力する動作を行っている。従って、システム制御回路22は、トラッキングエラー信号のレベルEVを認識することが出来る。
【0086】
次に、このトラッキングエラー信号のレベルEVとレーザー光の照射形状であるスポットSのラジアル方向のスポット長L、即ちラジアル方向のスポット径との関係について図4及び図5を参照して説明する。
【0087】
図4は光学式ピックアップ12の光学系に非点収差がない場合におけるデフォーカス値、トラッキングエラー信号EVとスポット長Lとの関係を示すものである。同図において、実線Tは、フォーカスサーボ回路20のデフォーカス値の変化に対するトラッキングエラー信号のレベルEVの変化を示し、実線Lは、フォーカスサーボ回路20のデフォーカス値の変化に対するスポット長Lの変化を示すものである。
【0088】
図5は光学式ピックアップ12の光学系に非点収差がある場合におけるデフォーカス値、トラッキングエラー信号EVとスポット長Lとの関係を示すものである。同図において、実線Tは、フォーカスサーボ回路20のデフォーカス値の変化に対するトラッキングエラー信号のレベルEVの変化を示し、実線Lは、フォーカスサーボ回路20のデフォーカス値の変化に対するスポット長Lの変化を示すものである。
【0089】
図4及び図5に示すトラッキングエラー信号のレベルEVの変化とスポット長Lの変化から明らかなようにトラッキングエラー信号のレベルEVとスポット長Lとの間には、対照的に変化するという関係がある。従って、各デフォーカス値に対するトラッキングエラー信号のレベルEVとスポット長Lとの関係を示すデータをテーブルデータとして第2スポット径メモリー回路32に記憶させておけば、トラッキングエラー信号レベル検出回路30によってトラッキングエラー信号のレベルEVを検出することによってスポット長L、即ちレーザー光の信号トラックに対するスポットSの信号トラックに対して直角方向のスポット径S2をテーブルデータから求めることが出来る。尚、斯かる第2スポット径メモリー回路32に記憶されているテーブルデータは、デフォーカス値に対するトラッキングエラー信号のレベルEVとスポット長Lとの関係を実験的に測定して得られたデータである。
【0090】
前述したように信号トラック方向のスポット径S1及び信号トラックに対して直角方向のスポット径S2の検出動作は行われるが、本発明では、斯かる検出動作をフォーカスサーボ回路20のデフォーカス値を変更させる毎に行うように構成されている。即ち、フォーカスサーボのデフォーカス値を変更させると、トラック上のスポットSの大きさが大から小へ、また小から大へと変化する。
【0091】
例えば、デフォーカス値を基準値に対して+15%から−15%まで変化させると、スポットSの大きさが大から小へ、また小から大へと変化するが、デフォーカス値の値を基準値に対して、例えば5%ずつ段階的に変更しながら前述したスポット径S1及びS2の検出動作を行う。
【0092】
フォーカスサーボのデフォーカス値を変更すると、スポットSの形状が変化するので、スポット径S1及びS2が変化することになる。デフォーカス値設定回路31を制御することによってデフォーカス値を変更する毎に前記スポット径S1及びS2の値が求められると、その求められたスポット径S1及びS2から比率R2を演算によって求める動作が行われる。
【0093】
このように求められた比率R2によってスポットSの形状を認識することが出来るとともにスポット径S1及びS2とによってスポットSの大きさを判断することが出来ることになる。
【0094】
前述したようにスポット径S1及びS2から得られる比率R2の値が求められると、その比率R2が所定値内、即ちスポットSの形状が記録動作及び再生動作を行うために適した形状であるか否かを判定するために前もって設定されている値の範囲にあるか否かを判定し、所定範囲内のスポット形状が得られるデフォーカス値をシステム制御回路22に設けられているメモリー回路(図示せず)に記憶させる動作が行われる。そして、斯かる動作によって設定されるデフォーカス値は、段階的に変更される複数のデフォーカス値で得られた比率R2が所定値内であった場合には、例えば中間値の値に設定する制御動作が行われる。
【0095】
このようにして設定されたデフォーカス値に基づくフォーカス制御動作が行われて記録動作を行うことが出来る状態に設定されるが、このように設定されると、スポットSの形状、スポット径S1及びS2に基づいて記録ストラテジメモリー回路34にテーブルデータとして記憶されているデータを選択して記録動作が行われることになる。
【0096】
即ち、前記記録ストラテジメモリー34から選択して読み出されるデータは、スポットSの形状、スポット径S1及びS2のレーザー光を使用して光ディスクDに信号を記録する場合に適したパルス波形のレーザー駆動信号をレーザー駆動信号生成回路27から生成させることが出来るデータであるので、光ディスクDへの信号の記録動作を正確に行うことが出来る。
【0097】
尚、本実施例では、光ディスクDに設けられている試し書き領域に記録されている信号を再生して得られるRF信号のレベルを検出するようにしたが、信号の記録領域に記録されている信号を再生して得られるRF信号のレベルを検出するようにすることも出来る。また、光ディスクDに記録されている最短ピットと最長ピットを再生して得られるRF信号のレベルを検出するようにしたが、その他のピットを利用することは勿論可能である。
【0098】
また、試し書き領域に記録されている信号から得られるRF信号のレベルを検出する場合には、該試し書き領域に検出対象となる最短ピット及び最長ピットの信号のみを記録するようにすると、検出動作を容易に行うことが出来る。更に、斯かる検出対象となるピットの信号を繰り返し記録するようにすると、レベル検出動作を正確に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る光ディスク記録再生装置の一実施例を示すブロック回路図である。
【図2】光ディスクの信号トラックに形成されているピットとレーザー光のスポットとの関係を示す説明図である。
【図3】本発明の動作を説明するための信号波形図である。
【図4】本発明の動作を説明するための特性図である。
【図5】本発明の動作を説明するための特性図である。
【図6】本発明に使用されるトラッキングエラー信号生成回路の一実施例を示すブロック回路図である。
【図7】本発明の動作を説明するための信号波形図である。
【図8】本発明の動作を説明するための信号波形図である。
【符号の説明】
【0100】
D 光ディスク
12 光学式ピックアップ
13 レーザーダイオード
15 光検出器
16 トラッキングコイル
17 フォーカシングコイル
18 光出力信号処理回路
19 トラッキングサーボ回路
20 フォーカスサーボ回路
22 システム制御回路
23 RF信号レベル検出回路
24 第1レベルメモリー回路
25 第2レベルメモリー回路
26 信号記録用回路
27 レーザー駆動信号生成回路
28 レーザー駆動回路
29 第1スポット径メモリー回路
30 トラッキングエラー信号レベル検出回路
31 デフォーカス値設定回路
32 第2スポット径メモリー回路
33 レーザー駆動信号制御回路
34 記録ストラテジメモリー回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4分割光検出器から得られる信号の位相差に基づいて生成されるトラッキングエラー信号によりトラッキング制御動作を行うように構成された光学式ピックアップを使用するとともにレーザー光により長さの異なる複数のピットを光ディスクに形成することによって光ディスクに信号を記録するように構成された光ディスク記録再生装置のフォーカス制御方法であり、フォーカスサーボのデフォーカス値を変更するに光ディスクに記録されている長さの異なるピットを再生して得られるRF信号のレベルを比較することによって信号トラック方向のスポット径を検出するとともにトラッキングサーボを不動作状態にさせた状態におけるトラッキングエラー信号のレベルを検出することによって信号トラックに対して直角方向のスポット径を検出し、トラック方向のスポット径と直角方向のスポット径の比率が所定値内になるようにデフォーカス値を設定するようにしたことを特徴とする光ディスク記録再生装置のフォーカス制御方法。
【請求項2】
レベル比較動作を光ディスクに記録されている最短ピットと最長ピットを再生して得られるRF信号にて行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のフォーカス制御方法。
【請求項3】
トラッキングエラー信号の最大レベルと最小レベル間のレベル差に基づいてスポット径を検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のフォーカス制御方法。
【請求項4】
トラック方向のスポット径と直角方向のスポット径の比率に対応した記録ストラテジが複数記録された記録ストラテジメモリー回路を設け、該記録ストラテジメモリー回路に記憶されている記録ストラテジをスポット径の比率に基づいて選択することにより記録ストラテジを設定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のフォーカス制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−164412(P2006−164412A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355027(P2004−355027)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】