説明

光ディスク記録再生装置及び記録再生方法

【課題】複数枚の光ディスクの調整を効率よく行い、起動を短時間で行える光ディスク記録再生装置及びその記録再生方法を提供する。
【解決手段】複数の光ディスクの調整を複数の光ディスク記録再生部で分担して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク記録再生装置およびその動作方法に関し、特に複数枚の光ディスクの記録再生を行うのに有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
企業や官公庁、SOHO(Small Office/Home Office)及び個人なども、取り扱う電子データの情報量はますます増加する傾向にあり、大容量の情報を格納する媒体が必要不可欠になってきている。一方、「グリーンIT(Infoemation Technology)」をキーワードに掲げ地球環境保護のため、より消費電力が低い装置類を導入する傾向が強くなってきている。このような状況の中、光ディスクは情報を保持するための電力をほぼ必要とせず、ますます大容量化を目指した技術開発も盛んに行われており、前記大容量の情報を格納する媒体として注目を集めている。
【0003】
また、この光ディスクを複数枚使用したライブラリ装置や、電子データのバックアップなどを目的としたアーカイブ装置の課題を解決するための発明もなされている。
【0004】
例えば特許文献1では光ディスクライブラリ装置において、光ディスクの起動時間を短縮する発明がなされており、「あらかじめ搭載したドライブと収納した媒体の全ての組み合わせについてドライブの駆動制御系に必要な制御パラメータを自動調整しておきその値をオートチェンジャーのコントロール部に記憶しておく。媒体処理時はコントロール部から対応する制御パラメータを転送して制御するため自動調整にかかる時間が不要となって起動時間を著しく短縮することが可能となり、装置全体の稼働効率を向上させることができる。」とし、起動時間を短縮し、課題を解決している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−82072号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、ドライブと媒体の全ての組み合わせについて調整結果のパラメータを記憶しておかなければならず、必要なメモリ容量が大きくなる。また、最初の起動時はすべてのドライブで調整を行うため、起動時間の短縮はできない。
【0007】
本発明は上記のような課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、複数枚の光ディスクの調整を効率よく行い、起動を短時間で行える光ディスク記録再生装置及びその記録再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明では一例として特許請求の範囲記載の構成を用いる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数枚の光ディスクの調整を効率よく行い、起動を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の光ディスク記録再生装置におけるパラメータ設定値決定処理のフロー例を示した図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1乃至5による光ディスク記録再生装置の構成を示した図である。
【図3】図3は、本発明の実施例1乃至5による光ディスク記録再生装置の光ディスク記録再生部構成例を示した図である。
【図4】図4は、本発明のADIP情報の配置例を示した図である。
【図5】図5は、本発明のDisc Informationの例を示した図である。
【図6】図6は、本発明の実施例1乃至5による光ディスク記録再生装置の起動フロー例を示した図である。
【図7】図7は、本発明の実施例1による層数カウントの方法例を示した図である。
【図8】図8は、本発明の実施例1による層数判定の制御フローを示した図である。
【図9】図9は、本発明の実施例1によるOPCの制御フロー例を示した図であり、層毎にOPCを各光ディスク記録再生部で分担する場合の例について示している。
【図10】図10は、本発明の実施例1によるOPCの制御フロー例を示した図であり、記録倍速毎にOPCを各光ディスク記録再生部で分担する場合の例について示している。
【図11】図11は、本発明の実施例2によるOPCの制御フロー例を示した図であり、層毎にOPCを各光ディスク記録再生部で分担する場合の例について示している。
【図12】図12は、本発明の実施例2によるOPCの制御フロー例を示した図であり、記録倍速毎にOPCを各光ディスク記録再生部で分担する場合の例について示している。
【図13】図13は、本発明の実施例3による調整の制御フロー例を示した図であり、調整を各光ディスク記録再生部で分担する場合の例について示している。
【図14】図14は、本発明の実施例4による調整の制御フロー例を示した図であり、調整を各光ディスク記録再生部で分担する場合の例について示している。
【図15】図15は、本発明の実施例5によるOPCの制御フロー例を示した図であり、特性が異なる光ディスクを装着された場合に層毎にOPCを各光ディスク記録再生部で分担する場合の例について示している。
【図16】図16は、本発明の光ディスク記録再生装置におけるOPCの処理の分割の例について示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図2は本発明の実施形態としての光ディスク記録再生装置の構成例である。
【0012】
本発明に従う光ディスク記録再生装置は、ネットワーク1から記録または再生要求を受けて光ディスクに記録または再生を行うよう制御するチェンジャー制御装置2、及び該チェンジャー制御装置2からの制御を受けて光ディスクの記録または再生を行う光ディスク記録再生部A乃至D(以下、総称を光ディスク記録再生部3とする)を有する。なお、本実施例では光ディスク記録再生部3がA乃至Dの4台あるものとして説明するが、光ディスク記録再生部3の台数はこの限りではない。また、チェンジャー制御装置2はネットワーク1から記録または再生要求を受ける、としているが、記録または再生要求元はこの限りではない。例えば、チェンジャー制御装置2と1対1で接続されるホストコンピュータでも良い。
【0013】
また、本発明に従う光ディスク記録再生装置では、記録再生を行う光ディスクが複数枚あり、それぞれ光ディスク記録再生部A乃至Dに格納されているものとする。これら光ディスクは、光ディスク記録再生部A乃至Dから独立に着脱可能であっても良いし、複数枚(光ディスク記録再生部の数以上であっても良い)の光ディスクが1つの容器(例えばカートリッジ)に格納されており、必要に応じて該容器から光ディスク記録再生部A乃至Dにそれぞれ着脱を行っても良い。
【0014】
また、本発明に従う光ディスク記録再生装置では、記録再生を行う複数枚の光ディスクは互いに記録及び再生の特性が類似しているものとする。また、記録層数、対応倍速は同じであるものとする。記録及び再生の特性が類似しており、記録層数、対応倍速が同じであると見なす方法としては、例えば同一の前記容器に格納されている複数枚の光ディスクは全て記録及び再生の特性が類似していると見なす。 また、BCA(Burst Cutting Area)に記録されているディスク製造者ID(Disc Manufacturer Code)が互いに同じであれば記録及び再生の特性が類似している、としても良い。
【0015】
チェンジャー制御装置2は、ネットワーク1から記録または再生の要求を受けるネットワークインタフェース21、光ディスクに記録または再生を行うよう制御を行う制御回路22、該制御回路22が処理を行うための記憶手段であるメモリ23、及び前記制御回路22が光ディスク記録再生部3とコマンドやデータの収受を行うための光ディスク記録再生部インタフェース24を有する。光ディスク記録再生部インタフェース24と光ディスク記録再生部3は例えばATAPI(ATA Packet Interface)やUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394などの各種インタフェース規格に準じてコマンドやデータの収受を行う。
【0016】
図3は前記光ディスク記録再生部3の構成例を示したものである。光ディスク記録再生部3は、光ディスク4を回転駆動するスピンドルモータ31と、光ピックアップ32と、光ディスク4の再生時に復号処理を行うデコード回路33と、記憶手段であるメモリ34と、記録時に符号処理を行うエンコード回路35と、チェンジャー制御装置2のコマンドやデータの収受を行うインタフェース回路36と、光ディスク記録再生部3全体の制御を行うマイコン37を有する。
【0017】
光ピックアップ32は、マイコン37から光ピックアップ制御信号S02を受け、光ディスク4の径方向に移動して記録または再生する位置に移動し、レーザ光のフォーカスを前記光ピックアップ制御S02で指示された位置に合わせ、記録または再生のためにレーザ光を光ディスク4に照射する。照射されたレーザ光は光ディスク4で反射し、光ピックアップ31が有する図示していない受光部が該反射光を受光する。受光部は該反射光を電気信号S03に変換し、デコード回路33に出力する。
【0018】
スピンドルモータ31は、マイコン37からモータ制御信号S01によりモータ回転制御を受け、光ディスク4を回転させる。
【0019】
デコード回路33は光ピックアップ31が出力した前記電気信号S03を増幅するなどのアナログ信号処理、デジタル化、2値データの生成、及び復号を行って復号結果S04をメモリ34に格納する。
【0020】
マイコン37は光ディスク記録再生部3内の各ブロックの制御を行う。マイコン37はソフトウェアで制御される。マイコン37は記録再生時には光ピックアップ31へ光ピックアップ制御信号S02を出し、光ピックアップを光ディスク4の径方向に移動させて記録または再生する位置に移動するよう制御し、レーザ光のフォーカスを合わせるよう制御し、記録または再生のためにレーザ光を光ディスク4に照射するよう制御する。また、スピンドルモータ32にモータ制御信号S01を出してモータ回転制御を行い、光ディスク4を回転させるよう制御する。またマイコン37は適宜メモリ手段34とデータの読み書きを行う。マイコン37は1つであるとは限らないし、例えば、モータ制御信号S01や光ピックアップ制御信号S02などのサーボ制御を行う回路を設け、サーボ制御処理をマイコン37から分離させても良い。
【0021】
メモリ34はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶手段であり、マイコン37での処理に関わるデータを格納する。
【0022】
インタフェース回路36はATAPIやUSB、IEEE1394などの各種インタフェース規格に準じてチェンジャー制御装置2と通信し、コマンドやデータの収受を行い、該データをメモリ34に格納する。
【0023】
エンコード手段35はメモリ34内の記録データの変調処理を行い、光ディスク4に格納する形式の2値データS05に変換する。
【0024】
図1は本発明の光ディスク記録再生装置における典型的なパラメータ設定値決定処理のフローを示したものである。後述する実施例1乃至5における処理は図1に示すフローを具体化したものである。実施例1乃至5の説明に先立ち、まず図1のフローについて説明する。
【0025】
制御回路22は処理分割C01において、パラメータ設定処理を細分化する。例えば、あるパラメータを倍速や記録層毎にそれぞれ決定する場合には、倍速や記録層で細分化する。
【0026】
制御回路22は処理分割C01を行った後、分割処理割り当てC02において、前記細分化した処理をどの光ディスク記録再生部で処理を行わせるかを割り当てる。
【0027】
制御回路22は分割処理割り当てC02を行った後、分割処理実行コマンドA乃至D送信C03において、前記割り当てを行った処理を実行させるためのコマンド(分割処理実行コマンドA乃至D)をそれぞれ光ディスク記録再生部A乃至Dに送信する。
【0028】
制御回路22が分割処理実行コマンドA乃至D送信C03を行った後、前記光ディスク記録再生部A乃至Dはそれぞれ分割処理実行コマンドA受信D01A、分割処理実行コマンドB受信D01B、分割処理実行コマンドC受信D01C、及び分割処理実行コマンドD受信D01Dにおいて、前記分割処理実行コマンドA乃至Dを受け取り、それぞれ分割処理1実行D02A、分割処理2実行D02B、分割処理3実行D02C、及び分割処理4実行D02Dを行い、前記細分化した処理をそれぞれ実行する。
【0029】
光ディスク記録再生部A乃至Dはそれぞれ前記細分化した処理を実行した後、それぞれ分割処理結果情報A送信D03A、分割処理結果情報B送信D03B、分割処理結果情報C送信D03C、及び分割処理結果情報D送信D03Dにおいて実行結果の情報を含む分割処理結果情報A乃至Dを送信する。
【0030】
制御回路22は分割処理結果情報A乃至D受信C04において前記分割処理結果情報A乃至Dを受信する。
【0031】
制御回路22は分割処理結果情報A乃至D受信C04を行った後、パラメータ設定値決定C05において、前記分割処理結果情報A乃至Dに基づき、パラメータ設定値を決定する。
【0032】
制御回路22はパラメータ設定値決定C05を行った後、パラメータ設定値設定コマンド送信C06において、前記パラメータ設定値決定C05で決定したパラメータ設定値を設定するよう光ディスク記録再生部A乃至Dにそれぞれパラメータ設定値設定コマンドを送信する。このとき、パラメータ設定値設定コマンドは、光ディスク記録再生部A乃至Dに同じ設定値を設定するコマンドである。ただし、後述の光ディスク記録再生部間ばらつき情報に基づいてパラメータを設定する場合や、実施例5のように記録及び再生の特性が類似している光ディスクが複数種類に分類可能な場合においてはこの限りではない。
【0033】
光ディスク記録再生部A乃至Dはそれぞれパラメータ設定値設定コマンド受信D04A、パラメータ設定値設定コマンド受信D04B、パラメータ設定値設定コマンド受信D04C、及びパラメータ設定値設定コマンド受信D04Dにおいて前記パラメータ設定値設定コマンドを受信する。光ディスク記録再生部A乃至Dはそれぞれ前記パラメータ設定値設定コマンドを受信した後、それぞれパラメータ設定値設定D05A、パラメータ設定値設定D05B、パラメータ設定値設定D05C、及びパラメータ設定値設定D05Dにおいて、前記パラメータ設定値設定コマンドに含まれるパラメータ設定値の設定を行う。
【0034】
以上でパラメータ設定値決定処理を終了する。
【0035】
下記に示す実施例1乃至5では、図1のフローの分割処理実行コマンドA乃至D送信C03からパラメータ設定処理終了まで具体化したフローを示している。
【0036】
実施例1における光ディスク記録再生装置の動作を図6乃至10を用いて説明する。
【0037】
図6は本実施例での光ディスク記録再生装置の起動におけるフローを示したものである。起動開始後、制御回路22は光ディスク記録再生部3のステイタスチェックS01を行うよう制御する。ステイタスチェックS01では、光ディスク記録再生部3の動作状況や光ディスク4が挿入されているかどうかなどを確認する。
【0038】
ステイタスチェックS01を行った後、制御回路22は光ディスク判別S02において光ディスク記録再生部3に挿入されている光ディスクの判別を行うよう制御する。光ディスク判別S02においては、光ディスク記録再生部3に挿入されている光ディスクが記録用光ディスクか再生用光ディスクか、記録用光ディスクであれば書き換え可能型か追記型か、層数は何層か、などの情報を確認する。
【0039】
光ディスク判別S02を行った後、制御回路22はフォーカス引込S03を行うよう制御する。フォーカス引込S03では、起動直後にトラッキングを行う層にフォーカスを合わせるよう制御を行う。
【0040】
フォーカス引込S03を行った後、レーザパワーの調整(OPC;Optimum Power Calibration)や信号振幅補正などの各種調整S04を行う。
【0041】
各種調整S04を行った後、制御回路22はDMA読込S05を行うよう制御する。DMA(Defect Management Area)は、光ディスク3の記録時に欠陥などにより交替領域にデータを記録した際の交替領域情報が記録されている光ディスク3に設けている領域である。DMA読込S05では光ディスク3を再生して該交替領域情報を読み出す。
【0042】
DMA読込S05を行った後、制御回路22は起動処理を終了し、ネットワーク1から記録または再生要求などの要求を受信可能な状態にする。
【0043】
図7に本実施例の光ディスク判別における層数の確認(層数カウント)の動作概念例を示す。層数カウントは、光ディスク記録再生部3の光ピックアップ32において、ビームエキスパンダのような球面収差補正光学系(図示せず)における集光位置をある位置に設定し、フォーカスを変えたときに得られるフォーカスエラー信号を取得し、その信号波形におけるS字特性の数に基づき層数を判断する。図7に示しているように、球面収差補正光学系における集光位置に近い層のS次特性は信号振幅が大きいが、層の位置が前記集光位置から遠ざかるにつれ、そのS次特性の信号振幅が小さくなり、層数の判定が難しくなる。
【0044】
このため、本実施例では図7のように光ディスク記録再生部A乃至Dについて、層数カウントの際の球面収差補正光学系における集光位置を各々異ならせた状態でフォーカスエラー信号を取得し、取得した各々のフォーカスエラー信号を時刻毎に加算し、総和をとった信号波形におけるS字特性の数に基づいて層数を判定する。以下では、球面収差補正光学系における集光位置を球面収差補正位置と呼び、制御回路22が指定した球面収差補正位置に集光位置を合わせることを球面収差調整と呼ぶ。
【0045】
図8に層数カウントの制御フローの例を示す。制御回路22はFE取得コマンドA乃至D送信LYCC01において光ディスク記録再生部A乃至DにそれぞれFE(フォーカスエラー信号)取得コマンドA乃至Dを送信する。FE取得コマンドA乃至Dはそれぞれ球面収差補正位置を指定する情報を含み、それぞれ異なる球面収差補正位置を指定する。
【0046】
光ディスク記録再生部AはFE取得コマンドA受信LYCD01AでFE取得コマンドAを受信する。光ディスク記録再生部Aは該コマンドから球面収差補正位置情報を取得し、該球面収差補正位置情報に基づき球面収差調整A実行LYCD02Aを行う。
【0047】
球面収差調整A実行LYCD02Aでは前記球面収差補正位置情報で指定された球面収差補正位置に、前記球面収差補正光学系における集光位置を調整する。
【0048】
球面収差調整A実行LYCD02Aが完了したら、光ディスク記録再生部AはFE取得実行LYCD03Aを行いFE信号もしくはFE信号に基づく情報の取得を行い、FE取得結果情報を生成する。
【0049】
FE取得実行LYCD03Aの後、光ディスク記録再生部AはFE取得結果情報A送信LYCD04AにおいてFE取得結果情報を制御回路22に送信する。
【0050】
光ディスク記録再生部B乃至Dは、光ディスク記録再生部Aとは前記球面収差補正位置情報が異なる点を除き、同様の動作を行う。つまり、前述の動作を光ディスク記録再生部B乃至DでそれぞれFE取得コマンドA受信LYCD01AをFE取得結果情報B送信LYCD04B、FE取得結果情報C送信LYCD04C、及びFE取得結果情報D送信LYCD04Dに読み替えることで動作を説明できる。また、球面収差調整A実行LYCD02Aを球面収差調整B実行LYCD02B、球面収差調整C実行LYCD02C、及び球面収差調整D実行LYCD02Dに読み替えることで動作を説明できる。また、FE取得実行LYCD03AをFE取得実行LYCD03B、FE取得実行LYCD03C、及びFE取得実行LYCD03Dに読み替えることで動作を説明できる。また、FE取得結果情報A送信LYCD04AをFE取得結果情報B送信LYCD04B、FE取得結果情報C送信LYCD04C、FE取得結果情報D送信LYCD04Dに読み替えることで動作を説明できる。なお、FE取得実行LYCD02A乃至Dは光ディスク記録再生部A乃至Dで略同時に実行する。
【0051】
制御回路22はFE取得結果情報A乃至D受信LYCC02において光ディスク記録再生部A乃至Dから送信されたFE取得結果情報を受信し、層数判定LYCC03において前記FE取得結果情報から図7で示したフォーカスエラー信号の総和を算出し、その結果に基づき層数を判定する。層数の判定結果は制御回路22が層数判定結果設定コマンド送信LYCC04において光ディスク記録再生部A乃至Dに送信する。
【0052】
光ディスク記録再生部A乃至Dは層数判定結果設定コマンド受信LYCD05A乃至Dにおいて前記判定結果を受信する。光ディスク記録再生部A乃至Dは前記判定結果に基づき、それぞれ層数判定結果設定LYCD06A乃至Dにて層数情報をメモリ34に保持する。該層数情報は、図6のフォーカス引き込みにおいてトラッキングを行う層にフォーカスを合わせるために参照する。
【0053】
図9に本実施例の各種調整におけるOPCの制御フローの例を示す。制御回路22はOPCコマンドA乃至D送信OPCLC001において光ディスク記録再生部A乃至DにそれぞれOPCコマンドA乃至Dを送信する。OPCコマンドA乃至DはそれぞれOPCを行う層を指定する層情報を含み、それぞれ異なる層を指定する。図9ではOPCコマンドA乃至DはそれぞれL0層、L1層、L2層、及びL3層を指定する層情報を含む場合について示す。
【0054】
OPCコマンドA受信OPCLD001AでOPCコマンドAを受信した光ディスク記録再生部Aは該コマンドから前記層情報を取得し、L0層OPC実行OPCLD002Aで該層情報に基づきL0層でOPCを行う。光ディスク記録再生部AはOPCを実行後、OPC結果情報A送信OPCLD003Aでレーザパワー情報を含むOPC結果情報Aを生成し制御回路22に送信する。
【0055】
光ディスク記録再生部B乃至Dは、光ディスク記録再生部AとはOPCを行う層が異なる点を除き、同様の動作を行う。つまり、前述の動作を光ディスク記録再生部B乃至DでそれぞれOPCコマンドA受信OPCLD001AをOPCコマンドB受信OPCLD001B、OPCコマンドC受信OPCLD001C、及びOPCコマンドD受信OPCLD001Dに読み替えることで動作を説明できる。また、L0層OPC実行OPCLD002AをL1層OPC実行OPCLD002B、L2層OPC実行OPCLD002C、及びL3層OPC実行OPCLD002Dに読み替えることで動作を説明できる。また、OPC結果情報A送信OPCLD003AをOPC結果情報B送信OPCLD003B、OPC結果情報C送信OPCLD003C、OPC結果情報D送信OPCLD003Dに読み替えることで動作を説明できる。
【0056】
制御回路22はOPC結果情報A乃至D受信OPCLC002で光ディスク記録再生部A乃至Dから送信されたOPC結果情報A乃至Dを受信し、パワー決定OPCLC003で該OPC結果情報A乃至Dから各層におけるレーザパワーを決定する。制御回路22は該決定結果に基づきパワー設定コマンド送信OPCLC004で光ディスク記録再生部A乃至Dにそれぞれパワー設定コマンドを送信する。
【0057】
光ディスク記録再生部A乃至Dはパワー設定コマンド受信OPCLD004A乃至Dで該パワー設定コマンドを受信し、パワー設定OPCLD005A乃至Dで全層のレーザパワーを設定する。
【0058】
なおOPCの制御は、光ディスク記録再生部A乃至Dで記録倍速を異ならせて行わせても良い。図10に記録倍速を異ならせた場合のOPCの制御フローの例を示す。制御回路22はOPCコマンドA乃至D送信OPCVC001で光ディスク記録再生部A乃至DにそれぞれOPCコマンドA乃至Dを送信する。OPCコマンドA乃至DはそれぞれOPCを行う記録倍速を指定する記録倍速情報を含み、それぞれ異なる記録倍速を指定する。図10ではOPCコマンドA乃至Dはそれぞれ倍速1、倍速2、倍速3、及び倍速4を指定する記録倍速情報を含む場合について示す。なお、OPCを行う層については、各光ディスク記録再生部A乃至Dで全層について行うものとする。
【0059】
OPCコマンドA受信OPCVD001AでOPCコマンドAを受信した光ディスク記録再生部Aは該コマンドから前記記録倍速情報を取得し、倍速1OPC実行OPCVD002Aで該記録倍速情報に基づきOPCを行う。光ディスク記録再生部AはOPCを実行後、OPC結果情報A送信OPCVD003Aでレーザパワー情報を含むOPC結果情報Aを生成し制御回路22に送信する。
【0060】
光ディスク記録再生部B乃至Dは、光ディスク記録再生部AとはOPCを行う記録倍速が異なる点を除き、同様の動作を行う。つまり、前述の動作を光ディスク記録再生部B乃至DでそれぞれOPCコマンドA受信OPCVD001AをOPCコマンドB受信OPCVD001B、OPCコマンドC受信OPCVD001C、及びOPCコマンドD受信OPCVD001Dに読み替えることで動作を説明できる。また、L0層OPC実行OPCVD002AをL1層OPC実行OPCVD002B、L2層OPC実行OPCVD002C、及びL3層OPC実行OPCVD002Dに読み替えることで動作を説明できる。また、OPC結果情報A送信OPCVD003AをOPC結果情報B送信OPCVD003B、OPC結果情報C送信OPCVD003C、OPC結果情報D送信OPCVD003Dに読み替えることで動作を説明できる。
【0061】
制御回路22はOPC結果情報A乃至D受信OPCVC002で光ディスク記録再生部A乃至Dから送信されたOPC結果情報を受信し、パワー決定OPCVC003で該OPC結果情報から各記録倍速におけるレーザパワーを決定する。制御回路22は該決定結果に基づきパワー設定コマンド送信OPCVC004で光ディスク記録再生部A乃至Dにパワー設定コマンドを送信する。
【0062】
光ディスク記録再生部A乃至Dはパワー設定コマンド受信OPCVD004A乃至Dで該パワー設定コマンドを受信し、パワー設定OPCVD005A乃至Dで全記録倍速のレーザパワーを設定する。
【0063】
以上のように、本発明では複数の光ディスクの調整を複数の光ディスク記録再生部A乃至Dで分担して行うようにすることで、複数枚の光ディスクの調整を効率よく行い、光ディスク記録再生装置の起動を短時間で行うことができる。
【0064】
実施例2を図11乃至12を用いて説明する。実施例2が実施例1と異なるのは、光ディスク記録再生部A乃至Dで分担させて行わせていた処理について、少なくとも1つの処理は複数台の光ディスク記録再生部で同じ処理を行う点である。
【0065】
図11に本実施例の各種調整におけるOPCの制御フローの例を示す。制御回路22はOPCコマンドA乃至D送信OPCLC101で光ディスク記録再生部A乃至DにそれぞれOPCコマンドA乃至Dを送信する。OPCコマンドA乃至DはそれぞれOPCを行う層を指定する層情報を含み、それぞれ層を指定する。該指定する層は、少なくとも1つの層について複数台に指定する。図11ではOPCコマンドA及びBはL0層とL1層、OPCコマンドC及びDはL2層とL3層を指定する層情報を含む場合について示す。
【0066】
OPCコマンドA受信OPCLD101AでOPCコマンドAを受信した光ディスク記録再生部Aは該コマンドから前記層情報を取得し、L0層OPC実行OPCLD102A、及びL1層OPC実行OPCLD103Aで該層情報に基づきそれぞれL0層、L1層のOPCを行う。光ディスク記録再生部AはOPCを実行後、OPC結果情報A送信OPCLD104Aでレーザパワー情報を含むOPC結果情報を制御回路22に送信する。
【0067】
光ディスク記録再生部B乃至Dは、光ディスク記録再生部AとはOPCを行う層が一部異なる点を除き、同様の動作を行う。つまり、前述の動作を光ディスク記録再生部B乃至DでそれぞれOPCコマンドA受信OPCLD101AをOPCコマンドB受信OPCLD101B、OPCコマンドC受信OPCLD101C、及びOPCコマンドD受信OPCLD101Dに読み替えることで動作を説明できる。また、L0層OPC実行OPCLD102AをL0層OPC実行OPCLD102B、L2層OPC実行OPCLD102C、及びL2層OPC実行OPCLD102Dに読み替えることで動作を説明できる。また、L1層OPC実行OPCLD103AをL1層OPC実行OPCLD103B、L3層OPC実行OPCLD103C、及びL3層OPC実行OPCLD103Dに読み替えることで動作を説明できる。また、OPC結果情報A送信OPCLD104AをOPC結果情報B送信OPCLD104B、OPC結果情報C送信OPCLD104C、OPC結果情報D送信OPCLD104Dに読み替えることで動作を説明できる。なお、光ディスク記録再生部BはOPCを行う層が光ディスク記録再生部Aと同じであるので、同様の動作を行う。また、光ディスク記録再生部C及びDは互いにOPCを行う層が同じであるので、同様の動作を行う。
【0068】
制御回路22はOPC結果情報A乃至D受信OPCLC102で光ディスク記録再生部A乃至Dから送信されたOPC結果情報A乃至Dを受信し、パワー決定OPCLC103で該OPC結果情報A乃至Dから各層におけるレーザパワーを決定する。このとき、制御回路22はある1つの層に対する複数台からのOPC結果情報に基づき、例えば平均を採用する、3台以上のデータがあれば中央値を採用するなどしてレーザパワーを決定する。制御回路22は該決定結果に基づきパワー設定コマンド送信OPCLC104で光ディスク記録再生部A乃至Dにそれぞれパワー設定コマンドを送信する。
【0069】
光ディスク記録再生部A乃至Dはパワー設定コマンド受信OPCLD105A乃至Dで該パワー設定コマンドを受信し、パワー設定OPCLD106A乃至Dで全層のレーザパワーを設定する。
【0070】
なおOPCの制御は、光ディスク記録再生部A乃至Dで記録倍速を異ならせて行わせても良い。図12に記録倍速を異ならせた場合のOPCの制御フローの例を示す。制御回路22はOPCコマンドA乃至D送信OPCVC101で光ディスク記録再生部A乃至DにそれぞれOPCコマンドA乃至Dを送信する。OPCコマンドA乃至DはそれぞれOPCを行う記録倍速を指定する記録倍速情報を含み、それぞれ記録倍速を指定する。該指定する記録倍速は、少なくとも1つの倍速を複数台に指定する。図12ではOPCコマンドA及びBは倍速1及び倍速2、OPCコマンドC及びDは倍速3及び倍速4を指定する記録倍速情報を含む場合について示す。なお、OPCを行う層については、各光ディスク記録再生部A乃至Dで全層について行うものとする。
【0071】
OPCコマンドA受信OPCVD101AでOPCコマンドAを受信した光ディスク記録再生部Aは該コマンドから前記記録倍速情報を取得し、倍速1OPC実行OPCVD102A、及び倍速2OPC実行OPCVD103Aで該記録倍速情報に基づきそれぞれ倍速1、倍速2のOPCを行う。光ディスク記録再生部AはOPCを実行後、OPC結果情報A送信OPCVD104Aでレーザパワー情報を含むOPC結果情報を制御回路22に送信する。
【0072】
光ディスク記録再生部B乃至Dは、光ディスク記録再生部AとはOPCを行う記録倍速が一部異なる点を除き、同様の動作を行う。つまり、前述の動作を光ディスク記録再生部B乃至DでそれぞれOPCコマンドA受信OPCVD101AをOPCコマンドB受信OPCVD101B、OPCコマンドC受信OPCVD101C、及びOPCコマンドD受信OPCVD101Dに読み替えることで動作を説明できる。また、倍速1OPC実行OPCVD102Aを倍速1OPC実行OPCVD102B、倍速3OPC実行OPCVD102C、及び倍速3OPC実行OPCVD102Dに読み替えることで動作を説明できる。また、倍速2OPC実行OPCVD103Aを倍速2OPC実行OPCVD103B、倍速4OPC実行OPCVD103C、及び倍速4OPC実行OPCVD103Dに読み替えることで動作を説明できる。また、OPC結果情報A送信OPCVD104AをOPC結果情報B送信OPCVD104B、OPC結果情報C送信OPCVD104C、OPC結果情報D送信OPCVD104Dに読み替えることで動作を説明できる。なお、光ディスク記録再生部BはOPCを行う層が光ディスク記録再生部Aと同じであるので、同様の動作を行う。また、光ディスク記録再生部C及びDは互いにOPCを行う層が同じであるので、同様の動作を行う。
【0073】
制御回路22はOPC結果情報A乃至D受信OPCVC102で光ディスク記録再生部A乃至Dから送信されたOPC結果情報A乃至Dを受信し、パワー決定OPCVC103で該OPC結果情報乃至Dから各記録倍速におけるレーザパワーを決定する。このとき、制御回路22はある1つの記録倍速に対する複数台からのOPC結果情報に基づき、例えば平均を採用する、3台以上のデータがあれば中央値を採用するなどしてレーザパワーを決定する。制御回路22は該決定結果に基づきパワー設定コマンド送信OPCVC104で光ディスク記録再生部A乃至Dにそれぞれパワー設定コマンドを送信する。
【0074】
光ディスク記録再生部A乃至Dはパワー設定コマンド受信OPCVD105A乃至Dで該パワー設定コマンドを受信し、パワー設定OPCVD106A乃至Dで全記録倍速のレーザパワーを設定する。
【0075】
以上のように、本発明では複数の光ディスクの調整を複数の光ディスク記録再生部A乃至Dで分担して行うようにすることで、複数枚の光ディスクの調整を効率よく行い、光ディスク記録再生装置の起動を短時間で行うことができる。また、少なくとも1つの処理は複数台の光ディスク記録再生部で同じ処理を行い、平均や中央値採用などの統計的処理を行うことにより、光ディスク記録再生部間や光ディスク間のばらつきによる調整への影響を小さくすることができる。
【0076】
実施例3を、図13を用いて説明する。実施例3が実施例1と異なるのは、一つの調整処理を光ディスク記録再生部A乃至Dで分担させて行わせていた処理について、複数の処理を、それぞれ光ディスク記録再生部を異ならせて調整処理を行う点である。例えば、OPC処理を光ディスク記録再生部Aで、光ディスク判別を光ディスク記録再生部Bで、フォーカスエラー信号振幅調整を光ディスク記録再生部Cで、チルト調整を光ディスク記録再生部Dで、などと分担させる点である。そのほかの調整処理として、例えばトラッキングエラー信号振幅調整や球面収差調整などが挙げられる。
【0077】
図13に本実施例の調整における制御フローの例を示す。制御回路22は調整コマンドA乃至D送信ADJC001において光ディスク記録再生部A乃至Dにそれぞれ調整コマンドA乃至Dを送信する。調整コマンドA乃至Dはそれぞれどの調整を行うかを指定する調整情報を含み、それぞれ異なる調整を指定する。図13では調整コマンドA乃至Dはそれぞれ調整1、調整2、調整3、及び調整4を指定する調整情報を含む場合について示す。
【0078】
調整コマンドA受信ADJD001Aで調整コマンドAを受信した光ディスク記録再生部Aは該コマンドから前記調整情報を取得し、調整1実行ADJD002Aで該調整情報に基づき調整1を行う。光ディスク記録再生部Aは調整1を実行後、調整結果情報A送信ADJD003Aで調整結果情報Aを生成し、制御回路22に送信する。
【0079】
光ディスク記録再生部B乃至Dは、光ディスク記録再生部Aとは調整の種類が異なる点を除き、同様の動作を行う。つまり、前述の動作を光ディスク記録再生部B乃至Dでそれぞれ調整コマンドA受信ADJD001Aを調整コマンドB受信ADJD001B、調整コマンドC受信ADJD001C、及び調整コマンドD受信ADJD001Dに読み替えることで動作を説明できる。また、調整1実行ADJD002Aを調整2実行ADJD002B、調整3実行ADJD002C、及び調整4実行ADJD002Dに読み替えることで動作を説明できる。また、調整結果情報A送信ADJD003Aを調整結果情報B送信ADJD003B、調整結果情報C送信ADJD003C、調整結果情報D送信ADJD003Dに読み替えることで動作を説明できる。
【0080】
制御回路22は調整結果情報A乃至D受信ADJC002で光ディスク記録再生部A乃至Dから送信された調整結果情報を受信し、調整結果決定ADJC003で該調整結果情報A乃至Dから調整値を決定する。制御回路22は該調整値に基づき調整結果設定コマンド送信ADJC004で光ディスク記録再生部A乃至Dにそれぞれ調整結果設定コマンドを送信する。
【0081】
光ディスク記録再生部A乃至Dは調整結果設定コマンド受信ADJD004A乃至Dで該調整結果設定コマンドを受信し、調整結果設定ADJ005A乃至Dで各調整の調整結果に基づきパラメータを設定する。
【0082】
以上のように、本発明では複数の光ディスクの調整を複数の光ディスク記録再生部A乃至Dで分担して行うようにすることで、複数枚の光ディスクの調整を効率よく行い、光ディスク記録再生装置の起動を短時間で行うことができる。また、調整の種類が光ディスク記録再生部の台数より多く、調整の内容により調整時間が異なる場合には、制御回路22がスケジューリングを行うことで略最適に装置の起動時間を短くすることができる。例えば、さらに調整5を行う場合に、調整1乃至調整3は要する時間が長く、調整4は要する時間が短い場合には、調整4と調整5を行う光ディスク記録再生部を同一にすることで、装置の起動時間を短くすることができる。
【0083】
実施例4を、図14を用いて説明する。実施例4が実施例3と異なるのは、実施例3では複数の処理をそれぞれ光ディスク記録再生部を異ならせて調整処理を行っていたところを、少なくとも1つの処理は複数台の光ディスク記録再生部で同じ処理を行う点である。
【0084】
図14に本実施例の調整における制御フローの例を示す。制御回路22は調整コマンドA乃至D送信ADJC101で光ディスク記録再生部A乃至Dにそれぞれ調整コマンドA乃至Dを送信する。調整コマンドA乃至Dはそれぞれどの調整を行うかを指定する調整情報を含む。該指定する調整は、少なくとも1つの調整について複数台に指定する。図14では調整コマンドA及びBは調整1及び調整2、調整コマンドC及びDは調整3及び調整4を指定する調整情報を含む場合について示す。
【0085】
調整コマンドA受信ADJD101Aで調整コマンドAを受信した光ディスク記録再生部Aは該コマンドから前記調整情報を取得し、調整1実行ADJD102A、及び調整2実行ADJD102Aで該調整情報に基づきそれぞれ調整1、調整2を行う。光ディスク記録再生部Aは調整を実行後、調整結果情報A送信ADJD104Aで調整結果情報Aを制御回路22に送信する。
【0086】
光ディスク記録再生部B乃至Dは、光ディスク記録再生部Aとは調整の種類が一部異なる点を除き、同様の動作を行う。つまり、前述の動作を光ディスク記録再生部B乃至Dでそれぞれ調整コマンドA受信ADJD101Aを調整コマンドB受信ADJD101B、調整コマンドC受信ADJD101C、及び調整コマンドD受信ADJD101Dに読み替えることで動作を説明できる。また、調整1実行ADJD102Aを調整1実行ADJD102B、調整3実行ADJD102C、及び調整3実行ADJD102Dに読み替えることで動作を説明できる。また、調整2実行ADJD103Aを調整2実行ADJD103B、調整4実行ADJD103C、及び調整4実行ADJD103Dに読み替えることで動作を説明できる。また、調整結果情報A送信ADJD104Aを調整結果情報B送信ADJD104B、調整結果情報C送信ADJD104C、調整結果情報D送信ADJD104Dに読み替えることで動作を説明できる。なお、光ディスク記録再生部Bは調整を行う種類が光ディスク記録再生部Aと同じであるので、同様の動作を行う。また、光ディスク記録再生部C及びDは互いに調整を行う種類が同じであるので、同様の動作を行う。
【0087】
制御回路22は調整結果情報A乃至D受信ADJC102で光ディスク記録再生部A乃至Dから送信された調整結果情報A乃至Dを受信し、調整結果決定ADJC103で該調整結果情報から調整値を決定する。このとき、制御回路22はある1つの調整に対する複数台からの調整結果情報に基づき、例えば平均を採用する、3台以上のデータがあれば中央値を採用するなどして光ディスク記録再生部A乃至Dに設定する調整結果を決定する。制御回路22は該調整結果に基づき調整結果設定コマンド送信ADJC104で光ディスク記録再生部A乃至Dに調整結果設定コマンドを送信する。
【0088】
光ディスク記録再生部A乃至Dは調整結果設定コマンド受信ADJD105A乃至Dで該調整結果設定コマンドを受信し、調整結果設定ADJ106A乃至Dで各調整の調整結果に基づきパラメータを設定する。
【0089】
以上のように、本発明では複数の光ディスクの調整を複数の光ディスク記録再生部A乃至Dで分担して行うようにすることで、複数枚の光ディスクの調整を効率よく行い、光ディスク記録再生装置の起動を短時間で行うことができる。また、少なくとも1つの処理は複数台の光ディスク記録再生部で同じ処理を行い、平均や中央値採用などの統計的処理を行うことにより、光ディスク記録再生部間や光ディスク間のばらつきによる調整への影響を小さくすることができる。また、調整の種類が光ディスク記録再生部の台数より多く、調整の内容により調整時間が異なる場合には、制御回路22がスケジューリングを行うことで略最適に装置の起動時間を短くすることができる。例えば、さらに調整5を行う場合に、調整1乃至調整3は要する時間が長く、調整4は要する時間が短い場合には、調整4と調整5を行う光ディスク記録再生部を同一にすることで、装置の起動時間を短くすることができる。
【0090】
実施例5を、図15を用いて説明する。実施例5が実施例1のOPCを行う場合と異なるのは、記録及び再生の特性が類似しており、記録層数、対応倍速が一致している光ディスクが複数種類に分類可能な点である。図15では、特性1と特性2の2種類に光ディスクが分類でき、光ディスク記録再生部A及びBに特性1の光ディスクが、光ディスク記録再生部C及びDに特性2の光ディスクがそれぞれ装着されている場合について示している。
【0091】
図15に本実施例の各種調整におけるOPCの制御フローの例を示す。制御回路22はOPCコマンドA乃至D送信OPCMC001で光ディスク記録再生部A乃至DにそれぞれOPCコマンドA乃至Dを送信する。OPCコマンドA乃至DはそれぞれOPCを行う層を指定する層情報を含み、それぞれ層を指定する。図15ではOPCコマンドA及びCはL0層及びL2層、OPCコマンドB及びDはL1層及びL3層を指定する層情報を含む場合について示す。
【0092】
OPCコマンドA受信OPCMD001AでOPCコマンドAを受信した光ディスク記録再生部Aは該コマンドから前記層情報を取得し、L0層OPC実行OPCMD002A及びL2層OPC実行OPCM003Aで前記層情報に基づきそれぞれL0層、L2層でOPCを行う。光ディスク記録再生部AはOPCを実行後、OPC結果情報A送信OPCMD004Aでレーザパワー情報を含むOPC結果情報Aを生成し制御回路22に送信する。
【0093】
光ディスク記録再生部B乃至Dは、光ディスク記録再生部AとはOPCを行う層が異なる点、及び一部の光ディスクの特性が異なる点を除き、同様の動作を行う。つまり、前述の動作を光ディスク記録再生部B乃至DでそれぞれOPCコマンドA受信OPCMD001AをOPCコマンドB受信OPCMD001B、OPCコマンドC受信OPCMD001C、及びOPCコマンドD受信OPCMD001Dに読み替えることで動作を説明できる。また、L0層OPC実行OPCMD002AをL1層OPC実行OPCMD002B、L0層OPC実行OPCMD002C、及びL1層OPC実行OPCMD002Dに読み替えることで動作を説明できる。また、L2層OPC実行OPCMD003AをL3層OPC実行OPCMD003B、L2層OPC実行OPCMD003C、及びL3層OPC実行OPCMD003Dに読み替えることで動作を説明できる。また、OPC結果情報A送信OPCMD004AをOPC結果情報B送信OPCMD004B、OPC結果情報C送信OPCMD004C、OPC結果情報D送信OPCMD004Dに読み替えることで動作を説明できる。
【0094】
制御回路22はOPC結果情報A乃至D受信OPCMC002で光ディスク記録再生部A乃至Dから送信されたOPC結果情報A乃至Dを受信し、パワー決定OPCMC003で該OPC結果情報A乃至Dから各光ディスク、各層におけるレーザパワーを決定する。制御回路22は該決定結果に基づき、パワー設定コマンドOPCMC004で光ディスク記録再生部A乃至Dにそれぞれパワー設定コマンドを送信する。
【0095】
光ディスク記録再生部A乃至Dはパワー設定コマンド受信OPCMD005A乃至Dで該パワー設定コマンドを受信し、パワー設定OPCMD006A乃至Dで全層のレーザパワーを設定する。
【0096】
なお、OPCの制御は、実施例1と同様、光ディスク記録再生部A乃至Dで記録倍速を異ならせて行わせても良い。
【0097】
なお、本実施例ではOPCの制御について説明したが、層数判定や各種調整についても、記録及び再生の特性が類似しており、記録層数、対応倍速が一致している光ディスクが複数種類に分類可能である場合に光ディスクを複数種類に分類してそれぞれの分類で複数台の光ディスク記録再生部で処理を分担しても良い。
【0098】
また、本実施例では複数台の光ディスク記録再生部で処理を分担する際に1つの処理を1台の光ディスク記録再生部で行うとしたが、さらに光ディスク記録再生部の台数がある場合には、実施例2及び4と同様に、少なくとも1つの処理を複数台の光ディスク記録再生部で同じ処理を行っても良い。例えば、光ディスク記録再生部がA乃至Hの8台あり、光ディスク記録再生部A乃至Dの4台に特性1の光ディスクが、光ディスク記録再生部E乃至Hの4台に特性2の光ディスクが装着されている場合には次のように行う。光ディスク記録再生部A及びBでは特性1の光ディスクのL0層及びL2層のOPCを実行し、光ディスク記録再生部C及びDでは特性1の光ディスクのL1層及びL3層のOPCを実行し、光ディスク記録再生部E及びFでは特性2の光ディスクのL0層及びL2層のOPCを実行し、光ディスク記録再生部G及びHでは特性1の光ディスクのL1層及びL3層のOPCを実行し、特性1の光ディスクのL0層及びL2層におけるレーザパワーを求める場合には光ディスク記録再生部A及びBでのOPC結果情報に基づき求め、特性1の光ディスクのL1層及びL3層におけるレーザパワーを求める場合には光ディスク記録再生部C及びDでのOPC結果情報に基づき求め、特性2の光ディスクのL0層及びL2層におけるレーザパワーを求める場合には光ディスク記録再生部E及びFでのOPC結果情報に基づき求め、特性2の光ディスクのL1層及びL3層におけるレーザパワーを求める場合には光ディスク記録再生部G及びHでのOPC結果情報に基づき求めることで実施例2及び4と同様に光ディスク記録再生部間や光ディスク間のばらつきによる調整への影響を小さくすることができる。
【0099】
以上のように、本発明では複数の光ディスクの調整を複数の光ディスク記録再生部A乃至Dで分担して行うようにすることで、複数枚の光ディスクの調整を効率よく行い、光ディスク記録再生装置の起動を短時間で行うことができる。また、記録及び再生の特性が類似しており、記録層数、対応倍速が一致している光ディスクが複数種類ある場合にも光ディスク記録再生部に装着している光ディスクの特性を分類し、該分類ごとに光ディスク記録再生部をグループ分けして光ディスクの調整を前記グループ内で分担して行うことで、光ディスク記録再生装置の起動を短時間で行うことができる。
【0100】
なお、実施例1乃至5において、起動時の各種調整でOPCを行うとしたが、起動後、実際に記録要求を受けてからOPCを行っても良い。このことにより記録要求が来ないまま装置の動作が終了する場合などに、OPCのための記録領域を節約することができる。また、光ディスク記録再生部3の温度変化などによる特性変化が生じても、適したレーザパワーでの記録を行うことができる。
【0101】
また、実施例1乃至5において、光ディスク記録再生装置の起動は図6のように行うとしたが、各処理の順番は入れ替わっても良いし、一部省略しても良い。
【0102】
また、実施例1乃至5においてチェンジャー制御装置及び光ディスク記録再生部の構成を回路で実現しているが、一部をソフトウェアで実現しても良い。この場合にも回路で実現した場合と同様の効果を得ることができる。
【0103】
また、実施例5において、光ディスクが複数種類に分類可能であるが、光ディスクが1枚の種類が存在する場合には、1つの光ディスク記録再生部で全ての調整を行う必要があるので、その光ディスクの調整を行う時間で装置の起動時間短縮が制約される。この場合にはそれぞれの光ディスク記録再生部で全ての調整を行わせるよう動作を切り替えても良い。
【0104】
また、実施例5において、光ディスクが複数種類に分類可能であるが、光ディスクが1枚の種類が存在する場合には、その光ディスクを複数枚存在する種類の光ディスクと交換するようユーザに促しても良い。ユーザに促す手段としては、制御回路22が図示していない表示装置に光ディスク交換を促すよう表示を行うように制御しても良いし、交換させたい光ディスクのみを排出するよう制御しても良いし、電子メールなどの手段を利用してネットワーク1を介してステータス情報として情報を送信しても良い。なお、複数枚存在する種類の光ディスクと交換するようユーザに促しても良いとしたが、光ディスクが1枚の種類が複数種類存在する場合には、交換すれば複数枚になる光ディスクと交換するようユーザに促しても良い。前記のようにユーザに光ディスク交換を促すことで、ユーザが光ディスクの種類を意識せずに複数枚の光ディスクを装着させた場合でも装置の起動時間の短縮を図ることができる。
【0105】
また、実施例1乃至5では全ての光ディスク記録再生部に光ディスクが装着されている場合について説明したが、全ての光ディスク記録再生部に光ディスクが装着されていない場合でも、光ディスクが装着されている光ディスク記録再生部のみで実施例1乃至5の処理を行っても良い。
【0106】
また、実施例1乃至5において、光ディスク記録再生装置の出荷時に、光ディスク記録再生装置が有する全ての光ディスク記録再生部について、OPC結果やチルト調整値などの光ディスク記録再生部間のばらつきを測定し、チェンジャー制御装置2が有する不揮発性メモリ(メモリ23が不揮発性で無い場合は別途不揮発性のメモリを有する)に光ディスク記録再生部間ばらつき情報を保持しても良い。この場合には、出荷後、ユーザが本発明の光ディスク記録再生装置を使用する場合に、制御回路22によるパワー設定や調整結果設定において、制御回路22は前記光ディスク記録再生部間ばらつき情報に基づいて各光ディスク記録再生部3への設定値を決定する。前記処理によれば、例えば光ディスク記録再生部3の各構成部品の取り付け誤差や性能ばらつきが生じていても設定値を補正することが可能であるので、精度の良い設定が可能となる。
【0107】
なお、前記光ディスク記録再生部間ばらつき情報をチェンジャー制御装置2が有する不揮発性メモリに保持するとしたが、ネットワーク1などを介して接続されたサーバの記憶装置に保持し、光ディスク記録再生装置の出荷後、ユーザが装置を使用する際に、制御回路22が前記サーバにアクセスし、光ディスク記録再生部間ばらつき情報を参照しても良く、前記同様の効果を得ることができる。
【0108】
また、実施例1乃至5において、光ディスク記録再生装置の出荷時に、OPC結果やチルト調整値などの光ディスク記録再生部における温度に代表されるような周囲環境に依存する特性(周囲環境依存特性)を測定し、チェンジャー制御装置2が有する不揮発性メモリ(メモリ23が不揮発性で無い場合は別途不揮発性のメモリを有する)に該周囲環境依存特性情報を保持しても良い。この場合には、出荷後、ユーザが本発明の光ディスク記録再生装置を使用する場合に、制御回路22によるパワー設定や調整結果設定において、制御回路22は各光ディスク記録再生部3の前記周囲環境依存特性情報に基づいて各光ディスク記録再生部3への設定値を決定する。前記処理によれば、例えば光ディスク記録再生部3の周囲環境にばらつきが生じていても設定値を補正することが可能であるので、精度の良い設定が可能となる。
【0109】
なお、前記周囲環境依存特性情報をチェンジャー制御装置2が有する不揮発性メモリに保持するとしたが、ネットワーク1などを介して接続されたサーバの記憶装置に保持し、光ディスク記録再生装置の出荷後、ユーザが装置を使用する際に、制御回路22が前記サーバにアクセスし、周囲環境依存特性情報を参照しても良いし、制御回路22が各光ディスク記録再生部3の周囲環境測定と各種調整結果から学習を行い、前記周囲環境依存特性情報を作成して前記不揮発性メモリに保持してもよく、前記同様の効果を得ることができる。
【0110】
また、図1に示す光ディスク記録再生装置における典型的なパラメータ設定値決定処理のフローにおいて、分割処理結果A乃至D受信を行った後、パラメータ設定値決定を行うとしている。このパラメータ設定値を決定する過程を2段階に分け、第1段階では大まかな概算の設定値を決定し、第2段階では設定値の微妙な調整を行うとし、図1におけるパラメータ設定値決定では前記第一段階の決定を行い、パラメータ設定値設定コマンドでは大まかな概算の設定値を各光ディスク記録再生部に通知し、前記第2段階の決定は各光ディスク記録再生部が前記大まかな概算の設定値に基づいて前記第2段階での設定値の微妙な調整を行う、としても良い。この場合には、光ディスクの個体差による特性のずれがある場合においても適したパラメータ設定値の設定を行うことができる。
【0111】
また、実施例1乃至5において、光ディスク記録再生部A乃至Dに分担させる処理を記録倍速毎もしくは層毎で分担させたが、必ずしも記録倍速や層で処理を分割しなくても良い。例えば、図16のように光ディスク記録再生部毎に記録倍速と層を混在させて割り当てを行っても良い。割り当て方は図16に示す割り当て方に限らないことは言うまでもない。
【0112】
また、実施例1乃至5では、光ディスク記録再生装置の起動時に行う処理について説明したが、起動時に限定するものではない。例えば、OPCやチルト調整などのように光ディスクやその周囲の温度や湿度などの環境条件によりパラメータ設定値を変えたほうが良いと制御回路が判断した場合には起動後に行っても良い。
【0113】
また、実施例1乃至5において、図6の光ディスク判別における層数カウントを、図7のように光ディスク記録再生部A乃至Dについて、層数カウントの際の球面収差補正位置を各々異ならせた状態でフォーカスエラー信号を取得し、取得した各々のフォーカスエラー信号を時刻毎に加算し、総和をとった信号波形におけるS字特性の数に基づいて層数を判定する、としたが、ウォブルに記録されているADIP(ADress In Pre−groove)情報(図4)のDisc Information(図5)を読み出せるまでは光ディスク記録再生部A乃至Dで各々独立に処理を行わせ、その後前記ADIPのDisc Information(図5)にあるディスク製造者ID(Disc Manufacturer ID)、メディアタイプ(Media Type ID)、製造日(Time Stamp)、もしくはリビジョン番号(Product Revision Number)などから記録再生を行う複数枚の光ディスクは互いに記録及び再生の特性が類似しているものとする判断しても良い。この場合、前記判断を行った時点以降で複数の光ディスクの調整を複数の光ディスク記録再生部A乃至Dで分担して行う。
【0114】
本発明では、前記BCAに記録されているディスク製造者ID及び前記ADIPにあるディスク製造者IDを総称して光ディスク製造者情報と呼ぶ。また、前記ADIPのメディアタイプ、製造日、リビジョン番号を総称してディスクID情報と呼ぶ。なお、ここではディスクの特性が分かる情報として、ADIPのDisc Informationのディスク製造者情報や、BCAのディスクID情報を例にしたが、ディスクの特性が分かるディスク特性情報であれば良く、ADIPのDisc Informationのディスク製造者情報や、BCAのディスクID情報に限定されることはない。
【0115】
また、実施例1において、FE取得実行LYCD02A乃至Dは光ディスク記録再生部A乃至Dで略同時に実行するとしたが、各光ディスク記録再生部におけるFE信号において、信号取得の開始時刻に基づく情報をFE取得結果情報に含めてFE取得結果情報送信において送信したり、制御回路22においてパターンマッチング手法のような信号処理を行ってFE信号の取得時刻合わせを行うことが可能である場合には、必ずしも略同時に実行しなくても良い。
【0116】
また、実施例1乃至5において、全層についてOPCを行うとしたが、一部の層でOPCを行い、OPCを行わなかった層については制御回路22が他の層のOPC結果情報に基づいてレーザパワーを決定しても良い。この場合には、より光ディスク記録再生装置の起動を短時間で行うことができる。
【0117】
また、実施例2、4、及び5において、図11におけるOPCコマンドA乃至D送信OPCLC101、図12におけるOPCコマンドA乃至D送信OPCVC101、図14における調整コマンドA乃至D送信ADJC101、図15におけるOPCコマンドA乃至D送信OPCMC101で送信するコマンドの層情報、記録倍速情報、調整情報は複数の層、記録倍速、調整の種類を指定するとしたが、1回のコマンドでは1つの層、記録倍速、調整の種類を指定してもよく、この場合には複数回のコマンド送信を行うことで各光ディスク記録再生部で複数の層、記録倍速、調整を行うよう制御する。
【0118】
また、実施例1乃至5において、図6に示すフローのうち光ディスク判別における層数カウント、各種調整におけるOPCやその他の調整について、複数の光ディスク記録再生部A乃至Dで分担して行うとしたが、一部の処理は複数の光ディスク記録再生部A乃至Dで分担して行わなくても、少なくとも1つの調整について分担して行ってもよく、その場合にも装置の起動時間は短縮できる。
【符号の説明】
【0119】
1…ネットワーク
2…チェンジャー制御装置
21…ネットワークインタフェース
22…制御回路
23…メモリ
23…光ディスク記録再生部インタフェース
3…光ディスク記録再生部
31…スピンドルモータ
32…光ピックアップ
33…デコード回路
34…メモリ
35…エンコード回路
36…インタフェース回路
37…マイコン
4…光ディスク
S01…モータ制御信号
S02…光ピックアップ制御信号
S03…電気信号
S04…復号結果
S05…2値データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク媒体にデータを記録し、記録されたデータを読み出す光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスク記録再生装置はn個(n≧2の自然数)の光ディスク記録再生部と、
前記複数の光ディスク記録再生部に命令を出す制御回路を有し、
前記制御回路は、光ディスク記録再生部で行う調整処理を分割し、前記複数の光ディスク記録再生部に分割した調整命令を出すことを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ディスク記録再生装置であって、
前記制御回路は、光ディスク記録再生部で行う調整処理を分割し、前記複数の光ディスク記録再生部に分割した調整命令を出し、該分割した調整命令に対する前記複数の光ディスク記録再生部の応答に基づき調整値を決定し、前記複数の光ディスク記録再生部に調整値を設定するよう命令を出すことを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の前記制御回路は、ディスク特性情報に基づいて複数の前記光ディスク媒体の特性が略等しいと判定された場合に前記複数の光ディスク記録再生部に前記分割した調整命令を出すことを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項4】
請求項2に記載の前記制御回路は、前記光ディスク媒体が同一容器に格納されていることに基づいて複数の前記光ディスク媒体の特性が略等しい特性を有すると判定することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項5】
請求項2に記載の前記記録媒体は2層以上であって、前記制御回路は、前記複数の光ディスク記録再生部に球面収差補正光学系における集光位置がそれぞれ異なるよう制御を行ってフォーカスエラー信号を取得するよう前記調整命令を出し、前記複数の光ディスク記録再生部が取得したフォーカスエラー信号を集約した結果に基づいて光ディスク媒体の層数を判定することを特徴とする、光ディスク記録再生装置。
【請求項6】
請求項2に記載の前記制御回路は、前記複数の光ディスク記録再生部にそれぞれ異なる層のレーザパワー調整を行うよう前記調整命令を出し、前記複数の光ディスク記録再生部の各レーザパワー調整結果情報を集約した結果に基づいて前記光ディスク記録媒体の各層のレーザパワーを決定することを特徴とする、光ディスク記録再生装置。
【請求項7】
請求項2に記載の前記制御回路は、前記複数の光ディスク記録再生部にそれぞれ異なる倍速のレーザパワー調整を行うよう前記調整命令を出し、前記複数の光ディスク記録再生部の各レーザパワー調整結果情報を集約した結果に基づいて前記光ディスク記録媒体の各倍速のレーザパワーを決定することを特徴とする、光ディスク記録再生装置。
【請求項8】
請求項2に記載の前記制御回路は、少なくとも1つの調整命令は2台以上の前記光ディスク記録再生部に共通に出されることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項9】
請求項8に記載の前記制御回路は、少なくとも1つの調整命令に対する前記2台以上の前記光ディスク記録再生部の応答に基づき、調整値の平均または中央値を算出することで調整値を決定することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項10】
請求項2に記載の前記制御回路は、複数の前記光ディスク媒体において略等しい特性を持つ光ディスク媒体同士でグループを構成し、該略等しい特性のグループをmグループ(mはnより小さい自然数)で構成された場合、前記複数の光ディスク記録再生部を最大mのグループに分け、各々のグループで、前記光ディスク記録再生部に調整命令を出し、該調整命令に対する前記光ディスク記録再生部の応答に基づき調整値を決定し、前記複数の光ディスク記録再生部に調整値を設定するよう命令を出すことを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項11】
請求項2に記載の前記制御回路は、複数の前記光ディスク媒体が略等しい特性を有し、該略等しい特性が複数種類に分類可能な場合で、かつ前記光ディスク媒体が複数枚無い種類が存在する場合には、該複数枚無い種類の光ディスク媒体を複数枚存在する種類の光ディスク媒体、もしくは交換すれば複数枚になる光ディスク媒体と交換するようユーザに促す手段を有することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項12】
請求項2に記載の前記制御回路は、前記調整値を設定する命令を出す際に、前記複数の光ディスク記録再生部間の特性ばらつき情報に基づいて各光ディスク記録再生部への調整値を決定することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項13】
光ディスク媒体にデータを記録し、記録されたデータを読み出す光ディスク記録再生装置における記録再生方法において、
前記光ディスク記録再生方法はn個(n≧2の自然数)の光ディスク記録再生部で行う調整処理を分割し、
前記複数の光ディスク記録再生部に分割した調整命令を出すことを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項14】
請求項13記載の記録再生方法であって、
前記光ディスク記録再生方法はn個(n≧2の自然数)の光ディスク記録再生部で行う調整処理を分割し、
前記複数の光ディスク記録再生部に分割した調整命令を出し、該分割した調整命令に対する前記複数の光ディスク記録再生部の応答に基づき調整値を決定し、前記複数の光ディスク記録再生部に調整値を設定するよう命令を出すことを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項15】
請求項14に記載の前記制御方法は、ディスク特性情報に基づいて複数の前記光ディスク媒体の特性が略等しいと判定された場合に前記複数の光ディスク記録再生部に前記分割した調整命令を出すことを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項16】
請求項14に記載の前記制御方法は、前記光ディスク媒体が同一容器に格納されていることに基づいて複数の前記光ディスク媒体の特性が略等しい特性を有すると判定することを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項17】
請求項14に記載の前記記録媒体は2層以上であって、前記制御方法は、前記複数の光ディスク記録再生部に球面収差補正光学系における集光位置がそれぞれ異なるよう制御を行ってフォーカスエラー信号を取得するよう前記調整命令を出し、前記複数の光ディスク記録再生部が取得したフォーカスエラー信号を集約した結果に基づいて光ディスク媒体の層数を判定することを特徴とする、光ディスク記録再生方法。
【請求項18】
請求項14に記載の前記制御方法は、前記複数の光ディスク記録再生部にそれぞれ異なる層のレーザパワー調整を行うよう前記調整命令を出し、前記複数の光ディスク記録再生部の各レーザパワー調整結果情報を集約した結果に基づいて前記光ディスク記録媒体の各層のレーザパワーを決定することを特徴とする、光ディスク記録再生方法。
【請求項19】
請求項14に記載の前記制御方法は、前記複数の光ディスク記録再生部にそれぞれ異なる倍速のレーザパワー調整を行うよう前記調整命令を出し、前記複数の光ディスク記録再生部の各レーザパワー調整結果情報を集約した結果に基づいて前記光ディスク記録媒体の各倍速のレーザパワーを決定することを特徴とする、光ディスク記録再生方法。
【請求項20】
請求項14に記載の前記制御方法は、少なくとも1つの調整命令は2台以上の前記光ディスク記録再生部に共通に出されることを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項21】
請求項20に記載の前記制御方法は、少なくとも1つの調整命令に対する前記2台以上の前記光ディスク記録再生部の応答に基づき、調整値の平均または中央値を算出することで調整値を決定することを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項22】
請求項14に記載の前記制御方法は、複数の前記光ディスク媒体において略等しい特性を光ディスク媒体同士でグループを構成し、該略等しい特性のグループをmグループ(mはnより小さい自然数)で構成された場合、前記複数の光ディスク記録再生部を最大mのグループに分け、各々のグループで、前記光ディスク記録再生部に調整命令を出し、該調整命令に対する前記光ディスク記録再生部の応答に基づき調整値を決定し、前記複数の光ディスク記録再生部に調整値を設定するよう命令を出すことを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項23】
請求項14に記載の前記制御方法は、複数の前記光ディスク媒体が略等しい特性を有し、該略等しい特性が複数種類に分類可能な場合で、かつ前記光ディスク媒体が複数枚無い種類が存在する場合には、該複数枚無い種類の光ディスク媒体を複数枚存在する種類の光ディスク媒体、もしくは交換すれば複数枚になる光ディスク媒体と交換するようユーザに促す手段を有することを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項24】
請求項14に記載の前記制御方法は、前記調整値を設定する命令を出す際に、前記複数の光ディスク記録再生部間の特性ばらつき情報に基づいて各光ディスク記録再生部への調整値を決定することを特徴とする光ディスク記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−104167(P2012−104167A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249269(P2010−249269)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】