説明

光ヘッド、その駆動方法、発光装置および電子機器

【課題】各発光ラインにおける不良素子について対策を講じる。
【解決手段】駆動電流Idsを供給すべき発光素子104を指定可能な素子指定手段によって発光素子104が指定されない場合は、選択部108は選択信号SELに応じて発光素子104を選択し、その選択された発光素子104に駆動電流Idsが供給される。素子指定手段によって発光素子104が指定された場合は、選択部108は素子指定手段によって指定された発光素子104を選択信号SELとは無関係に選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を用いた光ヘッド、その駆動方法、発光装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラムなどの像担持体に静電潜像を形成するための光ヘッドとして、複数の発光素子を基板上に配置した発光装置が用いられる。特許文献1には、複数の発光素子を主走査方向に沿って配置した発光ラインを複数行設け、実際に像担持体の露光に使用する発光ラインを所定の条件により変更するという技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005―96259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の構成は、使用する発光ラインを切り替えるのみであり、例えば使用中の発光ラインにおいて発光不良の素子が存在する場合であっても、その発光不良の発光素子をそのまま使用するしかなかった。従って、その不良素子の存在によって起こる、発光ラインにおける発光強度の低下やバラツキなどを解消できないという問題があった。
このような事情に鑑みて、本発明は、各発光ラインにおける発光素子の不良の影響(発光強度の低下やバラツキ)を低減するという課題の解決を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、本発明に係る光ヘッドは、駆動電流に応じた輝度で発光する複数の発光素子を各々が含む複数の素子群と、異なる素子群に属する2以上の発光素子を各々が含む複数の単位回路と、を備え、何れかの素子群を選択する選択信号が各単位回路に共通に供給される光ヘッドであって、複数の単位回路の各々は、駆動電流を生成する電流生成手段と、当該単位回路に含まれる2以上の発光素子のうち何れかの発光素子を選択する選択手段と、選択手段によって選択された発光素子に駆動電流を供給する駆動電流供給手段と、当該単位回路に含まれる2以上の発光素子のうち何れかの発光素子を指定可能な素子指定手段と、を具備し、選択手段は、素子指定手段によって発光素子が指定されない場合は、選択信号に応じて発光素子を選択し、素子指定手段によって発光素子が指定された場合は、その指定された発光素子を選択信号とは無関係に選択する。
【0005】
以上の態様によれば、例えば製品出荷時の検査等において、1つの発光ラインを構成する素子群の各発光素子のうち発光不良の素子が検出された場合は、駆動電流を供給すべき発光素子として他の発光ラインの発光素子を素子指定手段によって指定することができる。これによって、選択信号の如何に拘わらず他の発光ラインの発光素子が選択されるから、不良素子の存在によって起こる、発光ラインにおける発光強度の低下やバラツキを抑制できる。
【0006】
本発明の好適な態様において、素子指定手段は、前記駆動電流を供給すべき前記発光素子を指定する素子指定データを書き換え可能に記憶する記憶部を有することが好ましい。この態様によれば、例えば光ヘッドの使用時において、ある単位回路に含まれる2以上の発光素子のうち何れかの発光素子において発光不良が検出された場合は、当該単位回路における素子指定手段の記憶部の内容を発光不良が検出されていない方の発光素子を指定する素子指定データに書き換えることができる。これによって、発光不良が検出されていない方の発光素子が選択信号とは無関係に選択される。従って、発光不良の発光素子の存在によって起こる、発光ラインにおける発光強度の低下やバラツキなどを抑制できる。
【0007】
また、本発明に係る発光装置は、光ヘッドと制御回路とを備えた発光装置であって、
光ヘッドは、駆動電流に応じた輝度で発光する複数の発光素子を各々が含む複数の素子群と、異なる前記素子群に属する2以上の発光素子を各々が含む複数の単位回路と、を備え、何れかの素子群を選択する選択信号が各単位回路に共通に供給され、複数の単位回路の各々は、駆動電流を生成する電流生成手段と、当該単位回路に含まれる2以上の発光素子のうち何れかの発光素子を選択する選択手段と、選択手段によって選択された発光素子に駆動電流を供給する駆動電流供給手段と、を具備し、制御回路は、複数の単位回路の各々について、当該単位回路に含まれる2以上の発光素子のうち何れかの発光素子を指定可能な素子指定データを選択手段に供給し、複数の単位回路の各々における選択手段は、素子指定データによって発光素子が指定されない場合は、選択信号に応じて発光素子を選択し、素子指定データによって発光素子が指定された場合は、その指定された発光素子を選択信号とは無関係に選択する。以上の態様においても、素子指定手段は、前記駆動電流を供給すべき前記発光素子を指定する素子指定データを書き換え可能に記憶する記憶部を有することが好ましい。
【0008】
次に、本発明に係る電子機器は、以上に例示した発光装置を備える。本発明に係る発光装置は各種の電子機器に利用される。本発明に係る電子機器の典型例は、以上の各態様に係る発光装置を感光体ドラムなどの像担持体の露光に利用した電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置は、露光によって潜像が形成される像担持体と、像担持体を露光する本発明の発光装置と、像担持体の潜像に対する現像材(例えばトナー)の付加によって顕像を形成する現像器とを含む。
【0009】
さらに、上述した発明は、光ヘッドの制御方法として捉えることもできる。すなわち、駆動電流に応じた輝度で発光する複数の発光素子を各々が含む複数の素子群と、異なる素子群に属する2以上の発光素子を各々が含む複数の単位回路と、を備え、何れかの素子群を選択する選択信号が各単位回路に共通に供給され、複数の単位回路の各々は、駆動電流を生成する電流生成手段と、当該単位回路に含まれる2以上の発光素子のうち何れかの発光素子を指定可能な素子指定手段と、を具備した光ヘッドの駆動方法であって、素子指定手段によって発光素子が指定されない場合は、選択信号に応じて発光素子を選択して当該発光素子に駆動電流を供給し、素子指定手段によって発光素子が指定された場合は、その指定された発光素子を選択信号とは無関係に選択して当該発光素子に駆動電流を供給することを特徴とする。以上の制御方法によっても本発明に係る光ヘッドと同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置10を利用した画像形成装置の部分的な構成を示す斜視図である。同図に示すように、画像形成装置は発光装置10と集光性レンズアレイ11と感光体ドラム(像担持体)12とを含む。発光装置10は、基板13の表面に直線状に配列された多数の発光素子(図1においては図示略)を含む。これらの発光素子は、用紙などの記録材に印刷されるべき画像の態様に応じて選択的に発光する。感光体ドラム12は、主走査方向に延在する回転軸に支持され、外周面を発光装置10に対向させた状態で記録材が搬送される副走査方向に回転する。
【0011】
集光性レンズアレイ11は発光装置10と感光体ドラム12との間隙に配置される。集光性レンズアレイ11は、各々の光軸を発光装置10に向けた姿勢でアレイ状に配列された多数の屈折率分布型レンズを含む。集光性レンズアレイ11としては、例えば日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォック・レンズ・アレイ)がある(セルフォック/SELFOCは日本板硝子株式会社の登録商標)。
【0012】
発光装置10の各発光素子からの出射光は集光性レンズアレイ11の各屈折率分布型レンズを透過したうえで感光体ドラム12の表面に到達する。この露光によって感光体ドラム12の表面には所望の画像に応じた潜像(静電潜像)が形成される。
【0013】
図2は、発光装置10の概略構成を示す図面である。発光装置10は、光ヘッド100と制御回路200とを含む。図2に示すように、光ヘッド100は、シフトレジスタ102と、n個の単位回路U(U〜U)とが基板13の表面に配置された構造となっている。シフトレジスタ102には開始パルスSPとクロック信号CLKが制御回路200から供給される。シフトレジスタ102は、開始パルスSPをクロック信号CLKに従って順次にシフトして各単位回路Uに転送する。このとき、シフトレジスタから各単位回路Uに転送される信号をラッチパルス信号LATi(i=1〜n)と呼ぶ。
【0014】
図2に示すように、各単位回路Uは、駆動電流に応じた輝度で発光する第1の発光素子104aおよび第2の発光素子104bと、駆動電流を生成する駆動部106と、第1の発光素子104aおよび第2の発光素子104bのうち駆動電流を供給すべき何れかの発光素子104を選択する選択部108と、駆動電流を供給すべき発光素子104を指定可能な素子指定データSDを記憶するメモリ110と、選択部108によって選択された発光素子104に駆動電流を供給する駆動電流供給部112とを含む。図2に示すように、各単位回路Uにおけるn個の第1の発光素子104aの集合が素子群G1(一方の発光ライン)を構成し、各単位回路Uにおけるn個の第2の発光素子104bの集合が素子群G2(他方の発光ライン)を構成する。
【0015】
各単位回路U(U〜U)における駆動部106には、各発光素子104の階調を指定する階調データDが階調データ線300を介して制御回路200からそれぞれ供給される。また、各単位回路U(U〜U)における選択部108には、素子群G1および素子群G2のうち何れかの一方の素子群G(発光ライン)を選択する選択信号SELが選択信号線400を介して制御回路200から共通に供給される。各単位回路U(U〜U)におけるメモリ110には、駆動電流を供給すべき発光素子104を指定可能な素子指定データSDがデータ線500を介して制御回路200から供給される。各単位回路U(U〜U)における選択部108は、メモリ110に記憶された素子指定データSDおよび選択信号SELに基づいて駆動電流を供給すべき発光素子104を選択する。
【0016】
図3は、単位回路Uの詳細な電気的構成を示すブロック図である。他の単位回路U〜Uも単位回路Uと同様に構成されており、ここでは単位回路Uを例として説明する。
図2および図3に示すように、単位回路Uは、第1の発光素子104aおよび第2の発光素子104bと、駆動部106と、選択部108と、メモリ110(110a,110b)と、駆動電流供給部112と、第1の選択回路114および第2の選択回路116と、を含む。
【0017】
図3に示すように、シフトレジスタ102から単位回路Uに転送されるラッチパルス信号LAT1は、第1の選択回路114および第2の選択回路116に供給される。第1の選択回路114には制御回路200からライトイネーブル信号WE1が供給され、第2の選択回路116には制御回路200からライトイネーブル信号WE2が供給される。ライトイネーブル信号WE1がHレベルになると、第1の選択回路114は、ラッチパルス信号LAT1が供給された時点でデータ線500から素子指定データSD(SD1,SD2)を取り込み、その素子指定データSD(SD1,SD2)をメモリ110に供給する。メモリ110は第1のメモリ110aと第2のメモリ110bとを含む。本形態では、これらのメモリ110は書き換え可能な不揮発性メモリとして構成される。第1のメモリ110aには第1の素子指定データSD1が書き込まれ、第2のメモリ110bには第2の素子指定データSD2が書き込まれる。第1の素子指定データSD1および第2の素子指定データSD2はそれぞれ1ビットのデータである。一方、ライトイネーブル信号WE2がHレベルになると、第2の選択回路114はラッチパルス信号LAT1を駆動部106に供給する。
【0018】
駆動部106は、スイッチ用トランジスタTwと駆動トランジスタTdとを含む。第2の選択回路116からのラッチパルス信号LAT1がスイッチ用トランジスタTwのゲートに供給されると、スイッチ用トランジスタTwはオン状態となる。スイッチ用トランジスタTwがオン状態になると、階調データ線300からの階調データDに応じた電位が駆動トランジスタTdのゲートに供給される。駆動トランジスタTdでは、そのゲート・ソース間電圧に応じた駆動電流Idsが生成される。駆動トランジスタTdで生成された駆動電流Idsは駆動電流供給部112に供給される。
【0019】
駆動電流供給部112は、第1のトランジスタTe1と第2のトランジスタTe2とを含む。第1のトランジスタTe1がオン状態になると、駆動電流Idsは第1の発光素子104aに供給され、第2のトランジスタTe2がオン状態になると、駆動電流Idsは第2の発光素子104bに供給される。第1のトランジスタTe1および第2のトランジスタTe2のうち何れのトランジスタTeがオン状態となるかは、選択部108による選択動作に応じて決まる。この動作については後述する。
【0020】
選択部108は、第1のメモリ110aに記憶された第1の素子指定データSD1と、第2のメモリ110bに記憶された第2の素子指定データSD2と、選択信号SELと、に基づいて、第1の発光素子104aおよび第2の発光素子104bのうち駆動電流Idsを供給すべき発光素子104を選択する。図3に示すように、選択部108は、AND回路120と、第1〜第3のインバータINV1〜INV3と、第1のスイッチSW1および第2のスイッチSW2とを含む。AND回路120は第1のメモリ110aから供給される第1の素子指定データSD1の反転信号と、選択信号線400から供給される選択信号SELと、の論理積を出力する。第1のスイッチSW1は、第1のインバータINV1で反転したAND回路120の出力を図3に示すZ点に供給するか否かを決める手段である。また、第2のスイッチSW2は、図3に示すZ点に対するAND回路の出力の供給の可否を決める手段である。
【0021】
第1のスイッチSW1には、第2のメモリ110bから第2の素子指定データSD2が供給される。第2の素子指定データSD2がハイレベルの場合、第1のスイッチSW1はオン状態となり、第2の素子指定データSD2がローレベルの場合、第1のスイッチSW1はオフ状態となる。第2のスイッチSW2には、第2のインバータINV2で反転された第2の素子指定データSD2が供給される。第2の素子指定データSD2の反転信号がハイレベルの場合、第2のスイッチSW2はオン状態となり、第2の素子指定データSD2の反転信号がローレベルの場合、第2のスイッチSW2はオフ状態となる。すなわち、第2のメモリ110bから供給される第2の素子指定データSD2によって、第1のスイッチSW1および第2のスイッチSW2のうち何れか一方のスイッチSWがオン状態にされる。第1のスイッチSW1がオン状態にされると、第1のインバータINV1の出力はスイッチSW1を介して図3に示すZ点に供給される。一方、第2のスイッチSW2がオン状態にされると、AND回路120の出力はスイッチSW2を介して図3に示すZ点に供給される。
【0022】
図3に示すZ点に供給された信号は駆動電流供給部112の第1のトランジスタTe1のゲートに供給されるとともに、第3のインバータINV3で反転されて第2のトランジスタTe2のゲートに供給される。Z点に供給された信号がハイレベルであれば、第1のトランジスタTe1がオン状態となって、第2のトランジスタTe2がオフ状態となる。反対に、Z点に供給された信号がローレベルであれば、第1のトランジスタTe1がオフ状態となって、第2のトランジスタTe2がオン状態となる。
【0023】
各単位回路Uのメモリ110に格納される素子指定データSDは、第1の発光素子104aおよび第2の発光素子104bの何れも指定しない状態(以下「非指定状態」という)と、第1の発光素子104aおよび第2の発光素子104bの何れかを指定する状態とを選択的に選択部108に指示する。さらに詳述すると、第1の素子指定データSD1および第2の素子指定データSD2の双方がローレベル(「0」)に指定された場合には選択部108に非指定状態が指示される。一方、第1の素子指定データSD1および第2の素子指定データSD2の双方がハイレベル(「1」)に設定された場合には第1の発光素子104aの指定が選択部108に指示される。また、第1の素子指定データSD1がハイレベルに設定され、第2の素子指定データSD2がローレベルに設定された場合には第2の発光素子104bの指定が選択部108に指示される。
【0024】
第i番目の単位回路Ui(i=1〜n)における第1の発光素子104aおよび第2の発光素子104bの何れか一方に不良が検出された場合は、当該単位回路Uiの素子指定データSDは、他方の発光素子104を指定するように設定される。例えば、素子指定データSDは、発光装置10の製造の過程において各発光素子104の輝度を測定した結果に応じて予め設定されたうえで記憶装置(図示略)に格納される。すなわち、素子群G1および素子群G2の一方に属する第i番目の発光素子104の輝度の測定値が所定の基準値を下回る場合、素子群G1および素子群G2の他方に属する第i番目の発光素子104を指定するように第i番目の単位回路Uiの素子指定データSDが作成される。また、単位回路Uiの何れの発光素子104の輝度も基準値を上回る場合には非指定状態を指示するように当該単位回路Uiの素子指定データSDが設定される。
【0025】
制御回路200は、所定の時期(例えば発光装置10の電源投入時)に、ライトイネーブル信号WE1をハイレベルに設定したうえで、記憶装置に格納された素子指定データSDを読み出してシリアルにデータ線500に出力する。各単位回路Uに対応する素子指定データSDは、ラッチ信号LAT1〜LATnに応じて順次に単位回路Uに取り込まれてメモリ110に格納される。
【0026】
次に単位回路U(特に選択部108および駆動電流供給部112)の具体的な動作を説明する。図4は、素子指定データSDが非指定状態を示す(第1の素子指定データSD1および第2の素子指定データSD2の双方がローレベル)とともに選択信号SELがハイレベルに設定された場合の単位回路Uの状態を模式的に示す図である。図4に示すように、AND回路120には、ローレベルの第1の素子指定データSD1の反転信号(すなわちハイレベル)と、選択信号線400から供給されるハイレベルの選択信号SELと、が供給され、AND回路120の出力はハイレベルとなる。第1のスイッチSW1は、第2のメモリ110bからローレベルの第2の素子指定データSD2が供給されてオフ状態となる。第2のスイッチSW2は、第2のインバータINV2からローレベルの第2の素子指定データSD2の反転信号、すなわちハイレベルの信号が供給されてオン状態となる。従って、AND回路120のハイレベルの出力がスイッチSW2を介してZ点に供給される。これによって、第1のトランジスタTe1がオン状態となって、第2のトランジスタTe2がオフ状態となる。従って、駆動電流Idsは、第1のトランジスタTe1を介して第1の発光素子104aに供給される。
【0027】
図5は、素子指定データSDが非指定状態を示す(第1の素子指定データSD1および第2の素子指定データSD2の双方がローレベル)とともに選択信号SELがローレベルに設定された場合の単位回路Uの状態を模式的に示す図である。図5に示すように、第1のメモリ110aに書き込まれる第1の素子指定データSD1、および、第2のメモリ110bに書き込まれる第2の素子指定データSD2はともにローレベルに設定され、選択信号SELはローレベルに設定される。この場合は、図5に示すように、第1のトランジスタTe1のゲートにはローレベルの信号が供給されてオフ状態となり、第2のトランジスタTe2のゲートにはハイレベルの信号が供給されてオン状態となる。従って、駆動電流Idsは、第2のトランジスタTe2を介して第2の発光素子104bに供給される。
【0028】
以上のように、選択部108は、素子指定データSDによって発光素子104が指定されない場合は、図4および図5に示したように、選択信号SELに応じて発光素子104を選択する。すなわち、選択信号SELがハイレベルの場合は第1の発光素子104aが選択され、選択信号SELがローレベルの場合は第2の発光素子104bが選択される。
【0029】
図6は、素子指定データSDによって第1の発光素子104aが指定された場合(第1の素子指定データSD1および第2の素子指定データSD2の双方がハイレベル)の単位回路Uの状態を模式的に示す図である。この場合は、図6に示すように、AND回路120には第1の素子指定データSD1を反転したローレベルの信号が供給されるから、AND回路120の出力は、選択信号SELがハイレベルであるかローレベルであるかに拘わらずローレベルとなる。
【0030】
第1のスイッチSW1は、第2のメモリ110bからハイレベルの第2の素子指定データSD2が供給されてオン状態となる。第2のスイッチSW2は、第2のインバータINVから第2の素子指定データSD2を反転した信号、すなわちローレベルの信号が供給されてオフ状態となる。従って、第1のインバータINV1で反転されたAND回路120の出力(ハイレベルの信号)がZ点に供給される。これによって、第1のトランジスタTe1がオン状態となって、第2のトランジスタTe2がオフ状態となる。従って、駆動電流Idsは、第1のトランジスタTe1を介して第1の発光素子104aに供給される。
【0031】
図7は、素子指定データSDによって第2の発光素子104bが指定された場合(第1の素子指定データSD1がハイレベル、第2の素子指定データSD2がローレベル)の単位回路Uの状態を模式的に示す図である。この場合は、図7に示すように、選択信号SELに拘わらず、第1のトランジスタTe1のゲートにはローレベルの信号が供給されてオフ状態となり、第2のトランジスタTe2のゲートにはハイレベルの信号が供給されてオン状態となる。従って、駆動電流Idsは、第2のトランジスタTe2を介して第2の発光素子104bに供給される。
【0032】
以上のように、選択部108は、素子指定データSDによって発光素子104が指定された場合は、図6および図7に示したように、その指定された発光素子104を選択信号SELとは無関係に選択する。本実施形態の構成によれば、一方の素子群Gの発光素子104に発光不良の素子が含まれる場合は、他方の素子群Gの発光素子104を指定するように素子指定データSDを設定することができる。これによって、不良素子が選択信号SELに応じて選択されることはなく、指定された発光素子104が選択信号SELとは無関係に選択されるから、不良素子の影響(発光強度の低下やバラツキ)を軽減できる。
【0033】
また、本実施形態においては、メモリ110は書き換え可能に構成されるから、例えば発光装置10の動作時に、単位回路Uiにおいて何れか一方の発光素子104の発光不良が検出された場合は、発光不良が検出されていない他方の発光素子104を指定する素子指定データSDを当該単位回路Uiにおけるメモリ110に供給して、メモリ110が保持する内容を当該素子指定データSDに書き換えることができる。これによって、当該素子指定データSDによって指定された発光素子104が選択信号SELとは無関係に選択される。従って、発光不良の発光素子の影響(発光強度の低下やバラツキなど)を軽減できる。
【0034】
<B:第2実施形態>
本実施形態は、発光素子104の指定にメモリ110を使用しない点で第1の実施形態と相違する。図8(a)は、第1のメモリ110aの代わりに用いられる第1の電位設定部600aの概略構成図である。第1の電位設定部600aは、基準電源VDDから接地電位GNDへ延びる配線C1を備える。配線C1は、配線C1の途中に設けられた接続点Y1を介してAND回路120の入力側に接続される。図8(a)に示すように、接続点Y1から接地電位GNDに至るまでの経路には抵抗r1が設けられる。また、図8(b)は、第2のメモリ110bに代わりに用いられる第2の電位設定部600bの概略構成図である。第2の電位設定部600bは、基準電源VDDから接地電位GNDへ延びる配線C2を備える。配線C2は、配線C2の途中に設けられた接続点Y2を介して第1のスイッチSW1および第2のインバータINV2へ接続される。接続点Y2から接地電位GNDに至るまでの経路には抵抗r2が設けられる。
【0035】
第1の電位設定部600aおよび第2の電位設定部600bは、非指定状態と、第1の発光素子104aおよび第2の発光素子104bの何れかを指定する状態とを選択的に選択部108に指示する。さらに詳述すると、第1の電位設定部600aの出力および第2の電位設定部600bの出力の双方がローレベル(接続点Y1および接続点Y2における電位が0)に設定された場合には選択部108に非指定状態が指示される。一方、第1の電位設定部600aの出力および第2の電位設定部600bの出力の双方がハイレベル(接続点Y1および接続点Y2における電位がVDD)に設定された場合には第1の発光素子104aの指定が選択部108に指示される。また、第1の電位設定部600aの出力がハイレベルに設定され、第2の電位設定部600bの出力がローレベルに設定された場合には第2の発光素子104bの指定が選択部108に指示される。
【0036】
非指定状態を指示する場合、第1の電位設定部600aにおいては、図8(c)に示すように、配線C1における基準電源VDDから接続点Y1に至るまでの経路がレーザーカットされる。これにより、接続点Y1における電位は0Vとなり、AND回路120に供給される電位も0Vとなる。従って、ローレベルの信号がAND回路120aに供給される。第2の電位設定部600bにおいては、図8(d)に示すように、配線C2における基準電源VDDから接続点Y2に至るまでの経路がレーザーカットされる。これにより、接続点Y2における電位は0Vとなり、第1のスイッチSW1および第2のインバータINV2に供給される電位も0Vとなる。従って、ローレベルの信号が第1のスイッチSW1および第2のインバータINV2に供給される。そして、図4および図5に示したように、選択信号SELに応じて発光素子104が選択される。
【0037】
次に、第1の発光素子104aが指定される場合について説明する。この場合、第1の電位設定部600aは図8(a)に示す構成とされ、接続点Y1における電位は基準電源VDDから供給される電位VDDとなり、当該電位VDDがAND回路120に供給される。これにより、AND回路120にはハイレベルの信号が供給される。また、第2の電位設定部600bは図8(b)に示す構成とされ、接続点Y2における電位は基準電源VDDから供給される電位VDDとなり、当該電位VDDが第1のスイッチSW1および第2のインバータINV2に供給される。これにより、第1のスイッチSW1および第2のインバータINV2にはハイレベルの信号が供給される。そして、図6に示したように、選択信号SELとは無関係に第1の発光素子104aが選択される。
【0038】
次に、第2の発光素子104bが指定される場合について説明する。この場合、第1の電位設定部600aは図8(a)に示す構成とされ、AND回路120にはハイレベルの信号が供給される。また、第2の電位設定部600bは図8(d)に示す構成とされ、ローレベルの信号が第1のスイッチSW1および第2のインバータINV2に供給される。そして、図7に示したように、選択信号SELとは無関係に第2の発光素子104bが選択される。
【0039】
本実施形態の構成によれば、メモリ110を設けない構成で、非指定状態と、第1の発光素子104aおよび第2の発光素子104bの何れかを指定する状態とを選択的に選択部108に指示できる。第1実施形態および第2実施形態の説明から理解されるように、本発明の具体的な態様において、駆動電流Idsを供給すべき発光素子104を指定する手段(素子指定手段)の構成は任意である。
【0040】
<C:変形例>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、以下に示す変形例のうちの2以上の変形例を組み合わせることもできる。
【0041】
(1) 変形例1
上述の各実施形態においては、選択部108は図3に示す構成であるが、これに限らず、選択部108の構成は任意である。要するに、選択部108は、素子指定手段(例えばメモリ110や電位設定部600等)によって発光素子104が指定されない場合は、選択信号SELに応じて発光素子104を選択し、素子指定手段によって発光素子104が指定された場合は、その指定された発光素子104を選択信号SELとは無関係に選択するという機能を有するものであればよい。
【0042】
(2)変形例2
上述の第1実施形態においては、メモリ110は不揮発性メモリで構成される態様であるが、これに限らず、例えば揮発性メモリで構成することもできる。ただし、メモリ110が不揮発性メモリで構成される態様であれば、発光装置10の動作中においてメモリ110に対する素子指定データSDの書き込み(リフレッシュ)を反復する必要は無いという利点がある。
【0043】
(3)変形例3
発光素子104は、OLED素子であってもよいし、無機発光ダイオードやLED(Light Emitting Diode)であってもよい。要は、電気エネルギーの供給(電界の印加や電流の供給)に応じて発光する総ての素子を本発明の発光素子104として利用できる。
【0044】
<D:電子機器>
次に、図9を参照して、本発明に係る電子機器のひとつの態様である画像形成装置について説明する。この画像形成装置は、ベルト中間転写体方式を利用したタンデム型のフルカラー画像形成装置である。
【0045】
この画像形成装置では、各々が同様の構成である4個の発光装置10K,10C,10M,10Yが、各々の構成が同様である4個の感光体ドラム(像担持体)110K,110C,110M,110Yの像形成面110に対向する位置にそれぞれ配置されている。発光装置10K,10C,10M,10Yは、上記の各形態に係る発光装置10と同様の構成である。
【0046】
図9に示すように、この画像形成装置には、駆動ローラ121と従動ローラ122とが設けられており、これらのローラ121,122には無端の中間転写ベルト120が巻回されて、矢印に示すようにローラ121,122の周囲を回転させられる。図示しないが、中間転写ベルト120に張力を与えるテンションローラなどの張力付与手段を設けてもよい。
【0047】
この中間転写ベルト120の周囲には、外周面に感光層を有する4個の感光体ドラム110K,110C,110M,110Yが互いに所定の間隔をおいて配置される。添字「K」,「C」,「M」,「Y」はそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの顕像を形成するために使用されることを意味している。他の部材についても同様である。感光体ドラム110K,110C,110M,110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0048】
各感光体ドラム110(K,C,M,Y)の周囲には、コロナ帯電器111(K,C,M,Y)と、発光装置10(K,C,M,Y)と、現像器114(K,C,M,Y)とが配置されている。コロナ帯電器111(K,C,M,Y)は、これに対応する感光体ドラム110(K,C,M,Y)の像形成面110A(外周面)を一様に帯電させる。発光装置10(K,C,M,Y)は、各感光体ドラムの帯電した像形成面110Aに静電潜像を書き込む。各発光装置10(K,C,M,Y)においては、感光体ドラム110(K,C,M,Y)の母線(主走査方向)に沿って複数の発光素子20が配列する。静電潜像の書き込みは、複数の発光素子20によって感光体ドラム110(K,C,M,Y)に光を照射することにより行う。現像器114(K,C,M,Y)は、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム110(K,C,M,Y)に顕像(すなわち可視像)を形成する。
【0049】
このような4色の単色顕像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各顕像は、中間転写ベルト120上に順次に一次転写されることによって中間転写ベルト120上で重ね合わされ、この結果としてフルカラーの顕像が形成される。中間転写ベルト120の内側には、4つの一次転写コロトロン(転写器)112(K,C,M,Y)が配置されている。一次転写コロトロン112(K,C,M,Y)は、感光体ドラム110(K,C,M,Y)の近傍にそれぞれ配置されており、感光体ドラム110(K,C,M,Y)から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写コロトロンの間を通過する中間転写ベルト120に顕像を転写する。
【0050】
最終的に画像を形成する対象(記録材)としてのシート102は、ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送されて、駆動ローラ121に接した中間転写ベルト120と二次転写ローラ126の間のニップに送られる。中間転写ベルト120上のフルカラーの顕像は、二次転写ローラ126によってシート102の片面に一括して二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることでシート102上に定着される。この後、シート102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙カセット上へ排出される。
【0051】
次に、図10を参照して、本発明に係る画像形成装置の他の形態について説明する。この画像形成装置は、ベルト中間転写体方式を利用したロータリ現像式のフルカラー画像形成装置である。図10に示すように、感光体ドラム110の周囲には、コロナ帯電器168と、ロータリ式の現像ユニット161と、上記の実施形態に係る発光装置10と、中間転写ベルト169とが設けられている。
【0052】
コロナ帯電器168は、感光体ドラム110の外周面を一様に帯電させる。発光装置10は、感光体ドラム110の帯電させられた像形成面(外周面)に静電潜像を書き込む。この発光装置10においては、感光体ドラム110の母線(主走査方向)に沿って複数の発光素子32が配列する。静電潜像の書き込みは、これらの発光素子32から感光体ドラム110に光を照射することにより行う。
【0053】
現像ユニット161は、4つの現像器163Y,163C,163M,163Kが90°の角間隔をおいて配置されたドラムであり、軸161aを中心にして反時計回りに回転可能である。現像器163Y,163C,163M,163Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーを感光体ドラム110に供給して、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム110に顕像(すなわち可視像)を形成する。
【0054】
無端の中間転写ベルト169は、駆動ローラ170a、従動ローラ170b、一次転写ローラ166およびテンションローラに巻回されて、これらのローラの周囲を矢印に示す向きに回転させられる。一次転写ローラ166は、感光体ドラム110から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラム110と一次転写ローラ166の間を通過する中間転写ベルト169に顕像を転写する。
【0055】
具体的には、感光体ドラム110の最初の1回転で、発光装置10によりイエロー(Y)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Yにより同色の顕像が形成され、さらに中間転写ベルト169に転写される。また、次の1回転で、発光装置10Aによりシアン(C)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Cにより同色の顕像が形成され、イエローの顕像に重なり合うように中間転写ベルト169に転写される。そして、このようにして感光体ドラム110が4回転する間に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の顕像が中間転写ベルト169に順次に重ね合わせられ、この結果としてフルカラーの顕像が転写ベルト169上に形成される。最終的に画像を形成する対象としてのシートの両面に画像を形成する場合には、中間転写ベルト169に表面と裏面の同色の顕像を転写し、次に中間転写ベルト169に表面と裏面の次の色の顕像を転写する形式で、フルカラーの顕像を中間転写ベルト169上に形成する。
【0056】
画像形成装置には、シートが通過させられるシート搬送路174が設けられている。シートは、給紙カセット178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラによってシート搬送路174を進行させられ、駆動ローラ170aに接した中間転写ベルト169と二次転写ローラ171の間のニップを通過する。二次転写ローラ171は、中間転写ベルト169からフルカラーの顕像を一括して静電的に吸引することにより、シートの片面に顕像を転写する。二次転写ローラ171は、図示しないクラッチにより中間転写ベルト169に接近および離間させられるようになっている。そして、シートにフルカラーの顕像を転写する時に二次転写ローラ171は中間転写ベルト169に当接させられ、中間転写ベルト169に顕像を重ねている間は二次転写ローラ171から離される。
【0057】
以上のようにして画像が転写されたシートは定着器172に搬送され、定着器172の加熱ローラ172aと加圧ローラ172bの間を通過させられることにより、シート上の顕像が定着する。定着処理後のシートは、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印Fの向きに進行する。両面印刷の場合には、シートの大部分が排紙ローラ対176を通過した後、排紙ローラ対176が逆方向に回転させられ、矢印Gで示すように両面印刷用搬送路175に導入される。そして、二次転写ローラ171により顕像がシートの他面に転写され、再び定着器172で定着処理が行われた後、排紙ローラ対176でシートが排出される。
【0058】
図9および図10に例示した画像形成装置は、OLED素子を発光素子20として採用した光源(露光手段)を利用しているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも装置が小型化される。なお、以上に例示した以外の電子写真方式の画像形成装置にも本発明の発光装置10を採用することができる。例えば、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラムからシートに対して直接的に顕像を転写するタイプの画像形成装置や、モノクロの画像を形成する画像形成装置にも本発明に係る発光装置10を応用することが可能である。
【0059】
本発明に係る発光装置の用途は感光体の露光に限定されない。例えば、本発明の発光装置は、原稿などの読取対象に光を照射するライン型の光ヘッド(照明装置)としてスキャナなどの画像読取装置に採用される。この種の画像読取装置としては、スキャナ、複写機やファクシミリの読取部分、バーコードリーダ、あるいはQRコード(登録商標)のような二次元画像コードを読む二次元画像コードリーダがある。また、複数の発光素子(特に発光素子)を面状に配列した発光装置は、液晶パネルの背面側に配置されるバックライトユニットとしても採用される。また、複数の発光素子を行列状に配列した発光装置は各種の電子機器の表示装置として採用される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1実施形態に係る画像形成装置の部分的な構成を示す斜視図である。
【図2】同実施形態に係る発光装置の概略構成を示す図である。
【図3】同実施形態に係る単位回路Uの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態に係る選択部の動作を示すブロック図である。
【図5】同実施形態に係る選択部の動作を示すブロック図である。
【図6】同実施形態に係る選択部の動作を示すブロック図である。
【図7】同実施形態に係る選択部の動作を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態の具体的な態様を示す説明図である。
【図9】本発明に係る電子機器の具体例(画像形成装置)を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る電子機器の具体例(画像形成装置)を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
10……発光装置、100……光ヘッド、104……発光素子、106……駆動部、108……選択部、110……メモリ、112……駆動電流供給部、200……制御回路、U〜U……単位回路、SD……素子指定データ、SEL……選択信号、Td……駆動トランジスタ、Ids……駆動電流。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動電流に応じた輝度で発光する複数の発光素子を各々が含む複数の素子群と、
異なる前記素子群に属する2以上の前記発光素子を各々が含む複数の単位回路と、を備え、
何れかの前記素子群を選択する選択信号が前記各単位回路に共通に供給される光ヘッドであって、
前記複数の単位回路の各々は、
前記駆動電流を生成する電流生成手段と、
当該単位回路に含まれる前記2以上の前記発光素子のうち何れかの前記発光素子を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記発光素子に前記駆動電流を供給する駆動電流供給手段と、
当該単位回路に含まれる前記2以上の前記発光素子のうち何れかの前記発光素子を指定可能な素子指定手段と、を具備し、
前記選択手段は、
前記素子指定手段によって前記発光素子が指定されない場合は、前記選択信号に応じて前記発光素子を選択し、
前記素子指定手段によって前記発光素子が指定された場合は、その指定された発光素子を前記選択信号とは無関係に選択する
光ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の光ヘッドであって、
前記素子指定手段は、前記2以上の前記発光素子のうちの何れかを指定する素子指定データを書き換え可能に記憶する記憶部を有する
光ヘッド。
【請求項3】
光ヘッドと制御回路とを備えた発光装置であって、
前記光ヘッドは、
駆動電流に応じた輝度で発光する複数の発光素子を各々が含む複数の素子群と、
異なる前記素子群に属する2以上の前記発光素子を各々が含む複数の単位回路と、を備え、
何れかの前記素子群を選択する選択信号が前記各単位回路に共通に供給され、
前記複数の単位回路の各々は、
前記駆動電流を生成する電流生成手段と、
当該単位回路に含まれる前記2以上の前記発光素子のうち何れかの前記発光素子を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記発光素子に前記駆動電流を供給する駆動電流供給手段と、を具備し、
前記制御回路は、
前記複数の単位回路の各々について、
当該単位回路に含まれる前記2以上の前記発光素子のうち何れかの前記発光素子を指定可能な素子指定データを前記選択手段に供給し、
前記複数の単位回路の各々における前記選択手段は、
前記素子指定データによって前記発光素子が指定されない場合は、前記選択信号に応じて前記発光素子を選択し、
前記素子指定データによって前記発光素子が指定された場合は、その指定された前記発光素子を前記選択信号とは無関係に選択する
発光装置。
【請求項4】
請求項3に記載の発光装置を具備する電子機器。
【請求項5】
駆動電流に応じた輝度で発光する複数の発光素子を各々が含む複数の素子群と、
異なる前記素子群に属する2以上の前記発光素子を各々が含む複数の単位回路と、を備え、
前記単位回路に含まれる素子群のうち何れかの前記素子群を選択する選択信号が前記各単位回路に共通に供給され、
前記複数の単位回路の各々は、
前記駆動電流を生成する電流生成手段と、
当該単位回路に含まれる前記2以上の前記発光素子のうち何れかの前記発光素子を指定可能な素子指定手段と、を具備した光ヘッドの駆動方法であって、
前記素子指定手段によって前記発光素子が指定されない場合は、前記選択信号に応じて前記発光素子を選択して当該発光素子に前記駆動電流を供給し、
前記素子指定手段によって前記発光素子が指定された場合は、その指定された発光素子を前記選択信号とは無関係に選択して当該発光素子に前記駆動電流を供給する
光ヘッドの駆動方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−148919(P2009−148919A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326862(P2007−326862)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】