説明

光レセプタクル

【課題】 フェルールの表面が受ける外部からの影響を低減する。
【解決手段】 光レセプタクル1は、フェルール2と、フェルール2の先端が挿入されたスリーブ7と、スリーブ7よりも後端側においてフェルール2を囲んで保持した金属製の第1ホルダ4と、第1ホルダ4よりも後端側においてフェルール2を囲んで保持した、第1ホルダ4から離れて位置している金属製の第2ホルダ5とを備え、フェルール2、第1ホルダ4および第2ホルダ5によって溝部9が形成されており、フェルール2の光軸を含む平面で切断した断面において、溝部9が、底面91から開口92までの間で屈曲している。これにより、フェルール2の表面が受ける外部からの影響を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光レセプタクルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ同士を光学的に接続するための部品として光レセプタクルが知られている。光レセプタクルとしては、例えば、特許文献1に記載の光レセプタクルが挙げられる。特許文献1に記載の光レセプタクルにおいては、光レセプタクルの先端側と後端側とを電気的に遮断することを目的として、互いに離して配置された2つの金属製のホルダによってフェルールが保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−133225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の光レセプタクルは、2つのホルダ同士が離れて配置されていることによって、フェルールのうち2つのホルダの間に位置する部分の表面が外部に露出している。このため、フェルールの表面が外部からの影響を受けやすくなっており、光レセプタクルの信頼性を向上させることが困難であった。
【0005】
具体的には、例えば、光レセプタクルを外部機器に取り付けるために、ホルダの表面にYAGレーザーを照射した場合に、ホルダの表面の金属粒子が飛散してフェルールの表面に被着する場合があった。YAGレーザーによって飛散させられた金属粒子は高温の状態になっているため、金属粒子の付着したフェルールの表面が部分的に熔融して、欠陥が生じる場合があった。この光レセプタクルに外圧が加わると、上記の欠陥に力が集中しやすくなる可能性があった。その結果、光レセプタクルの信頼性を向上させることが困難であった。
【0006】
本発明は、このような従来の技術における問題点を解決すべく案出されたものであり、その目的は、フェルールの表面が受ける外部からの影響を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る光レセプタクルは、フェルールと、フェルールの先端が挿入されたスリーブと、スリーブよりも後端側においてフェルールを囲んで保持した金属製の第1ホルダと、第1ホルダよりも後端側においてフェルールを囲んで保持した、第1ホルダから離れて位置している金属製の第2ホルダとを備え、フェルール、第1ホルダおよび第2ホルダによってフェルールの表面を底面とする溝部が形成された光レセプタクルであって、フェルールの光軸を含む平面で切断した断面において、溝部が、底面から開口までの間で屈曲している。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様に係る光レセプタクルによれば、溝部が屈曲していることによって、フェルールの表面が受ける外部からの影響を低減することができる。具体的には、例えば、前述したようにホルダの表面にYAGレーザーを照射する場合であれば、飛散させられた金属粒子が開口から溝部に進入したとしても、第1ホルダまたは第2ホルダに接触しやすくすることができる。このため、金属粒子が溝部の底面(フェルールの表面)に到達する可能
性を低減できる。その結果、光レセプタクルの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の光レセプタクルを光軸を含む断面で切った断面図である。
【図2】図1に示す光レセプタクルをA−A’線で切った断面図である。
【図3】図1に示す光レセプタクルにプラグフェルールを挿入して固定したときの断面図である。
【図4】図1に示す光レセプタクルの変形例1を示す断面図である。
【図5】図1に示す光レセプタクルの変形例2を示す断面図である。
【図6】図1に示す光レセプタクルの変形例3を示す断面図である。
【図7】図1に示す光レセプタクルの変形例4を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態の光レセプタクル1について図面を参照して説明する。なお、図面はいずれも模式的なものであって、実際の寸法を厳密に表したものではない。
【0011】
<光レセプタクルの構成>
図1〜3に示すように、本発明の一実施形態の光レセプタクル1は、フェルール2と、フェルール2の先端が挿入されたスリーブ7と、スリーブ7よりも後端側においてフェルール2を保持した第1ホルダ4と、スリーブ7を囲むとともに第1ホルダ4に圧入されたケース6と、第1ホルダ4よりも後端側においてフェルール2を保持した、第1ホルダ4から離れて位置している第2ホルダ5とを備えている。光レセプタクル1は、挿入されるプラグフェルール8の光軸と光レセプタクル1の内部の光ファイバ3の光軸とを位置合わせしつつ、プラグフェルール8を保持する機能を有している。
【0012】
フェルール2は、先端面から後端面にかけて貫通する貫通孔を有する円柱状の部材である。フェルール2の貫通孔にはフェルール2の全長にわたって光ファイバ3が挿入されている。フェルール2は光ファイバ3を保持するために設けられている。
【0013】
フェルール2は、後端面が光ファイバ3の光軸方向に対して傾斜するように形成されている。これにより、フェルール2の後端面に外部の発光素子(図示せず)から発せられた光が入射した際に、この光を発光素子に向かって反射する可能性を低減できる。
【0014】
フェルール2は、先端および後端のそれぞれに、端面と側面との間の角部を取るように面取りが施されている。これにより、フェルール2をスリーブ7に挿入した際に、スリーブ7の内周面とフェルール2の角部とが接触することによって、スリーブ7が損傷してしまう可能性を低減できる。
【0015】
フェルール2は、例えばアルミナまたはジルコニアのようなセラミックス材料を用いることができる。特に、ジルコニアで形成することが好ましい。具体的には、正方晶の結晶を主体とする部分安定化ジルコニアを用いることが好ましい。このような部分安定化ジルコニアを用いることで、フェルール2の耐摩耗性、耐湿性、耐温性および耐薬品性を向上させることができる。
【0016】
フェルール2の寸法は例えば外径を1.25〜2.5mmに設定することができる。
【0017】
第1ホルダ4は、略円筒状の部材である。第1ホルダ4は、第1ホルダ4の後端側に位置する第1領域41と、第1領域41に隣接する第2領域42を有している。第1領域41から第2領域42にかけて、内周面が連続して形成されている。第1領域41の外径は第2領域42の外径よりも小さく形成されている。第2領域42には、外径が後端付近お
よび先端付近において大きくなるように第1フランジ部421および第2フランジ部422が形成されている。第1フランジ部421および第2フランジ部422は、外部機器(図示せず)に固定するために用いられる。第2領域42の先端付近は、内径が大きく形成されており、ケース6が圧入されている。
【0018】
第1ホルダ4はスリーブ7よりも後端側においてフェルール2を保持している。詳しくは、第1ホルダ4は、フェルール2の中央付近を外側から囲んで保持している。ホルダには、例えば、ステンレス等の金属材料を用いることができる。
【0019】
ホルダの寸法は例えば、第1フランジ部421の外径および第2フランジ部422の外径を3.1〜6.2mm、第2領域42のうち第1フランジ部421および第2フランジ部422が設けられていない領域の外径を2.1〜4.2mmに設定することができる。第1領域41の外径を1.1〜2.2mmに設定することができる。
【0020】
ケース6は、略円筒状の部材であって、スリーブ7および第1ホルダ4を囲むように設けられている。ケース6の先端は、スリーブ7の先端よりも先端側に位置しており、内径がスリーブ7の外径よりも小さく形成されている。これにより、スリーブ7がフェルール2から抜け落ちてしまう可能性を低減できる。
【0021】
ケース6には、例えば、ステンレス等の金属材料を用いることができる。ケース6の寸法は例えば、外径を2.3〜4.6mmに設定することができる。
【0022】
第2ホルダ5は、略円筒状の部材である。第2ホルダ5は、第2ホルダ5の後端側に位置する第3領域53と、第3領域53の先端に隣接する第4領域54を有している。第3領域53から第4領域54にかけて、外周面が連続して形成されている。第4領域54の内径は第3領域53の内径よりも大きく形成されている。第2ホルダ5の外周面は、外部機器(図示せず)に取り付けられるための接合面として用いることができる。
【0023】
第2ホルダ5には、例えば、ステンレス等の金属材料を用いることができる。
【0024】
第2ホルダ5の寸法は例えば、第3領域53のおよび第4領域54の外径を2.1〜4.2mmに設定することができる。また、第4領域54の内径を1.7〜3.4mmに設定することができる。
【0025】
第2ホルダ5は、第1ホルダ4よりも後端側においてフェルール2を外側から囲んで保持している。具体的には、第2ホルダ5の第3領域53に、フェルール2の後端付近が圧入されている。第2ホルダ5は、第1ホルダ4と離れて位置しており、フェルール2、第1ホルダ4および第2ホルダ5によってフェルール2の表面を底面91とする溝部9が形成されている。これにより、第1ホルダ4と第2ホルダ5とが電気的に絶縁されている。第2ホルダ5の第4領域54に囲まれた空間の内部に第1ホルダ4の第1領域41が位置している。
【0026】
溝部9は、底面91から開口92までの間で屈曲している。具体的には、溝部9は底面91から第3領域53の先端面および第1領域41の後端面に沿って光軸に対して垂直方向に延びる部分と、第4領域54の内周面および第1領域41の外周面に沿って光軸方向に延びる部分と、第4領域54の先端面および第2領域42の後端面に沿って光軸に対して垂直に延びる部分とを有している。このように溝部9がそれぞれ異なる方向に延びる部分を有することによって、底面91から開口92までの間で屈曲させることができる。
【0027】
なお、ここでいう「開口」とは、例えば、第4領域54の外周面の先端部と、第2領域
42の後端面とを最短距離で結ぶ仮想線によって規定することができる。
【0028】
溝部9が底面91から開口92までの間で屈曲した構成を有していることにより、フェルール2の表面に対して、外部が及ぼす影響を低減することができる。具体的には、例えば、前述したようにホルダの表面にYAGレーザーを照射する場合であれば、飛散させられた金属粒子が開口92から溝部9に進入したとしても、途中で第1ホルダ4または第2ホルダ5に接触し、そこに付着する可能性が高い。このため、金属粒子が溝部9の底面91(フェルール2の表面)に到達する可能性を低減できる。その結果、高温の金属粒子によるダメージを低減させて、光レセプタクル1の信頼性を向上させることができる。
【0029】
本実施形態における溝部9は、開口92から溝部9を見たときに底面91の少なくとも一部が見えるように屈曲している。これにより、第1ホルダ4と第2ホルダ5との間に異物が入り込んでいる場合に、この異物を確認および除去することができる。
【0030】
また、第1ホルダ4の第1領域41が第2ホルダ5の第4領域54に囲まれた空間の内部に位置しているとともに、第2ホルダ5の第3領域53および第4領域54の外周面が連続して形成されていることによって、外部機器との接合面を広く確保するとともに、第1ホルダ4がフェルール2を保持する領域を広く確保することができる。これにより、第2ホルダ5と外部機器との接合時の信頼性を向上させつつ、第1ホルダ4によってフェルール2を強固に保持することができる。
【0031】
溝部9の寸法は例えば底面91の光軸方向の幅を0.2〜0.4mm、第1領域41と第4領域54との光軸に垂直な方向の間隔を0.2〜0.4mm、第4領域54の光軸方向の幅を0.3〜0.6mm、第2領域42と第4領域54との光軸方向の間隔を0.3〜0.6mmに設定することができる。
【0032】
スリーブ7は、スリットを有する略円筒状の部材である。スリーブ7の後端側にはフェルール2の先端部が挿入されて固定されている。スリーブ7は、ケース6と離間して設けられている。これにより、スリーブ7にプラグフェルール8が挿入されたときにスリーブ7の外径を拡げやすくすることができる。
【0033】
スリーブ7は、フェルール2が挿入されて固定されることにより先端側に空洞部72が構成されている。空洞部72には、先端側からプラグフェルール8が挿入される。スリーブ7は、先端部から後端部にかけて形成され、スリーブ7の内周面および外周面に開口するスリットを有している。スリーブ7は、このようなスリットを有していることから、プラグフェルール8を挿入して固定する際に内径を拡げることができる。これにより、プラグフェルール8の挿入を容易に行なうことができる。スリットは例えば、幅を0.2〜0.4mmに設定することができる。
【0034】
スリーブ7は、フェルール2と同様に、例えばアルミナまたはジルコニアのようなセラミックス材料を用いることができる。特に、上述の部分安定化ジルコニアを用いることで、スリーブ7の耐摩耗性、耐湿性、耐温性および耐薬品性を向上させることができる。また、スリットが設けられていることにより、プラグフェルール8が挿入された際に、適度に弾性変形することによってこれらを保持することができる。スリーブ7の内径は、例えば挿入されるフェルール2およびプラグフェルール8の外径が1.25mmの場合であれば、フェルール2およびプラグフェルール8が挿入される前の内径は1.2mmに設定することができる。そして、スリーブ7にフェルール2およびプラグフェルール8が挿入されることによって、内径を例えば1.25mmに変化させることができ、スリーブ7でフェルール2およびプラグフェルール8を確実に保持することができる。なお、本実施形態においては、スリーブ7にスリットが設けられているが、スリットが設けられていない、
いわゆる精密スリーブ7を用いてもよい。
【0035】
スリーブ7の寸法は例えば、内径を1.2〜2.4mm、外径を1.6〜3.2mmに設定することができる。
【0036】
図3に示すように、プラグフェルール8は、先端部から後端部にかけて貫通する貫通孔を有する円柱状の部材である。プラグフェルール8の貫通孔にはプラグフェルール8の全長にわたって光ファイバ3が挿入されている。フェルール2の先端面とプラグフェルール8の後端面とが突き合わされることによって、フェルール2とプラグフェルール8との光ファイバ3同士が光学的に接続される。
【0037】
プラグフェルール8は、フェルール2およびスリーブ7と同様に、例えばアルミナまたはジルコニアのようなセラミックス材料を用いることができる。特に、上述の部分安定化ジルコニアを用いることで、プラグフェルール8の耐摩耗性、耐湿性、耐温性および耐薬品性を向上させることができる。
【0038】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、本実施形態においては、フェルール2、スリーブ7およびプラグフェルール8はセラミックス材料によって構成されているが、金属材料またはプラスチック材料であってもよい。金属材料としては、ステンレスまたはりん青銅等を用いることができる。プラスチック材料としては、エポキシまたは液晶ポリマー等を用いることができる。また、本実施形態においては、スリーブ7の形状は略円筒状であるが、楕円筒状であってもよい。また、本実施形態においては、第1領域41の内周面および第2領域42の内周面が連続して形成されているが、第1領域41の内周面と第2領域42の内周面との間に段差があってもよい。言い換えれば、第1領域41がフェルール2を保持していなくてもよい。また、本実施形態においては、第3領域53の外周面および第4領域54の外周面が連続して形成されているが、第3領域53の内周面と第4領域54の内周面との間に段差があってもよい。
【0039】
<変形例1>
光レセプタクル1の変形例1について説明する。なお、本例の各構成において、上述の光レセプタクル1と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0040】
上述した実施形態に係る光レセプタクル1は、溝部9の開口92から底面91が見えるように溝部9が形成されていたが、これに限られない。例えば、図4に示すように第1ホルダ4を第2ホルダ5に深く差しこむことによって溝部9を形成してもよい。第1ホルダ4を第2ホルダ5に深く差しこむことによって、第4領域54が第1領域41を囲む領域を広く形成することができる。このように、開口92から溝部9を見たときに底面91が見えないように溝部9が屈曲している構成であってもよい。
【0041】
本変形例では、第1ホルダ4を第2ホルダ5に深く差しこまれており、開口92から溝部9を見たときに底面91が見えないように溝部9が屈曲している。これにより、フェルール2の表面が受ける外部からの影響をさらに低減することができる。具体的には、例えば、前述したようにホルダの表面にYAGレーザーを照射する場合であれば、飛散させられた金属粒子が開口92から溝部9に進入したとしても、途中で第1ホルダ4または第2ホルダ5に接触し、そこに付着する可能性が高めることができる。このため、金属粒子が溝部9の底面91(フェルール2の表面)に到達する可能性を低減できる。その結果、高温の金属粒子によるダメージを低減させて、光レセプタクル1の信頼性を向上させることができる。
【0042】
<変形例2>
光レセプタクル1の変形例2について説明する。なお、本例の各構成において、上述の光レセプタクル1と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0043】
上述した実施形態に係る光レセプタクル1は、第4領域54に囲まれた空間に第1領域41が位置しているが、これに限られない。例えば、図5に示すように第1領域41に囲まれた空間に第4領域54が位置している構成であってもよい。
【0044】
本変形例では、第1領域41の内径が第4領域54の外径よりも大きく形成されているとともに、第1領域41に囲まれた空間に第4領域54が位置している。このような形状にすることによっても、フェルール2の表面が受ける外部からの影響を低減することができる。
【0045】
本変形例においては、第1領域41の外周面が第2領域42の外周面と連続して形成されている。これにより、第1ホルダ4の外周面を広くすることができるので、第1ホルダ4と外部機器との接合性を向上させることができる。
【0046】
<変形例3>
光レセプタクル1の変形例3について説明する。なお、本例の各構成において、上述の光レセプタクル1と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0047】
上述した実施形態に係る光レセプタクル1は、溝部9がフェルール2、第1領域41、第2領域42、第3領域53および第4領域54のみによって形成されていたがこれに限られない。例えば、図6に示すように第1ホルダ4がさらに第5領域45を有するとともに、第5領域45、フェルール2、第1領域41、第2領域42、第3領域53および第4領域54によって溝部9が形成されていてもよい。
【0048】
第5領域45は、第1ホルダ4の後端部において第1領域41を囲むように位置しており、内径が第1領域41の外径よりも大きく形成されている。このように第1ホルダ4が第5領域45を有することによって、フェルール2の表面が受ける外部からの影響をさらに低減することができる。
【0049】
さらに、第5領域45の後端面を第4領域54の先端面よりも後端側に位置させることによって、フェルール2の表面が受ける外部からの影響をさらに低減することができる。
【0050】
また、本例においては、第5領域45が、外周面が第2領域42の外周面と連続するように第1ホルダ4の後端部に形成されている。これにより、第1ホルダ4の外周面を広くすることができるので、第1ホルダ4と外部機器との接合性を向上させることができる。
【0051】
<変形例4>
光レセプタクル1の変形例4について説明する。なお、本例の各構成において、上述の光レセプタクル1と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0052】
上述した実施形態に係る光レセプタクル1は、第3領域53の外周面と第4領域54の外周面とが連続して形成されていたがこれに限られない。例えば、図7に示すように第4領域54の外径が第3領域53の外径よりも小さく形成されている構成であってもよい。
このような構成にすることによっても、フェルール2の表面が受ける外部からの影響を低減することができる。
【符号の説明】
【0053】
1:光レセプタクル
2:フェルール
3:光ファイバ
4:第1ホルダ
41:第1領域
42:第2領域
421:第1フランジ部
422:第2フランジ部
45:第5領域
5:第2ホルダ
53:第3領域
54:第4領域
6:ケース
7:スリーブ
72:空洞部
8:プラグフェルール
9:溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェルールと、
該フェルールの先端が挿入されたスリーブと、
該スリーブよりも後端側において前記フェルールを囲んで保持した金属製の第1ホルダと、
該第1ホルダよりも後端側において前記フェルールを囲んで保持した、前記第1ホルダから離れて位置している金属製の第2ホルダとを備え、
前記フェルール、前記第1ホルダおよび前記第2ホルダによって前記フェルールの表面を底面とする溝部が形成された光レセプタクルであって、
前記フェルールの光軸を含む平面で切断した断面において、前記溝部が、前記底面から開口までの間で屈曲していることを特徴とする光レセプタクル。
【請求項2】
前記開口から前記溝部を見たときに前記底面が見えないように前記溝部が屈曲していることを特徴とする請求項1に記載の光レセプタクル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−92641(P2013−92641A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234542(P2011−234542)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】