説明

光出力を高めるLEDデバイス構造

基板10と、基板の上に形成され、透明又は半透明電極12と、反射電極16と、少なくとも1つが発光性であり、透明又は半透明電極と反射電極との間に形成された1つ又は複数の層14とを含むLED素子11であって、透明又は半透明電極及び反射電極は単一の制御可能な発光領域22を画定し、透明又は半透明電極、反射電極及び1つ又は複数の層によって画定される導波路13内に光を放出するLED素子11と、基板上の単一の制御可能な発光領域内に形成された、1つ又は複数の第1のトポグラフィ的特徴40及び該第1のトポグラフィ的特徴とは異なる1つ又は複数の第2のトポグラフィ的特徴42であって、単一の制御可能な発光領域内の光の導波を分断させることにより、少なくとも1つの方向において光の放出を増大させる、第1のトポグラフィ的特徴40及び第2のトポグラフィ的特徴42とを備える発光デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光デバイス(LED)からの光出力を高めることに関する。
【背景技術】
【0002】
有機及び無機両方の平面型面発光ダイオードデバイスは、フラットパネルディスプレイ及び面照明ランプに対して有望な技術である。この技術は、基板上の領域にコーティングされた材料の薄膜層に依存する。こうしたLEDデバイスには、たとえば、Tang他に対する特許文献1、Van Slyke他に対する特許文献2に記載されているような有機発光ダイオード(OLED)材料、又はKahenによる特許文献3に記載されているような多結晶半導体マトリックスの量子ドットがあり得る。
【0003】
しかしながら、既知であるように、LEDの発光層からの光出力の大部分は、デバイス内で吸収される。薄膜LEDからの発光はランバートの余弦則に従う傾向にあるため、光は全方向に均等に放出され、そのため、その光の一部は、デバイスから直接放出され、一部は、デバイス内に放出され、反射されて出るか又は吸収され、一部は横方向に放出され、デバイス内のさまざまな高屈折率層によって捕捉され、最終的に吸収される。一般に、光の最大80%がこのようにして失われ得る。
【0004】
薄膜発光デバイスからの光の外部取出し(out-coupling)を向上させる種々の技法が提案されている。たとえば、発光層内を横方向に案内される光のブラッグ散乱を誘発することにより、高分子膜からの発光の属性を制御する、回折格子が提案されている。非特許文献1及び非特許文献2を参照されたい。回折特性を有する輝度向上フィルム(brightness-enhancement film)並びに表面拡散体及び体積拡散体が、Chou他による特許文献4に記載されている。マイクロキャビティ及び散乱技法を使用することも知られている。たとえば、非特許文献3及び本発明の譲受人に譲渡されたCok他による特許文献5を参照されたい。しかしながら、これら手法では、捕捉された光の取り出される量が限られており、輝度又は色に対し許容できない角度依存性がもたらされる傾向があり、又は入射光の偏光が乱され円偏光子が作用しなくなり、それにより薄膜LEDディスプレイの性能が損なわれる。
【0005】
発光領域又は画素を包囲する反射構造体が、Bulovic他に対する特許文献6に記載されており、各画素の縁部に角度の付いたすなわち傾斜した反射壁を使用することが記載されている。同様に、特許文献7において、Forrest他は、傾斜した壁を備える画素について記載している。これら手法は、発光領域の縁部に配置された反射体を使用する。しかしながら、単一画素又は発光領域内において基板に対して平行な複数の層内を横方向に進行する光が吸収されることにより、多量の光が依然として喪失する。
【0006】
Cokによる特許文献8には、発光デバイスにおいて1つのタイプのトポグラフィ(表面形状、微細構成)的(topographical)特徴を使用することが記載されている。しかしながら、そこに記載されている設計でもまた、発光が周波数及び角度依存性を有することになり、たとえば、単一の白色発光層を採用するデバイスにおいて採用される広帯域発光体に対して問題がある可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,769,292号
【特許文献2】米国特許第5,061,569号
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0057263号
【特許文献4】国際公開第0237568号
【特許文献5】米国特許出願公開第2006/0186802号
【特許文献6】米国特許第5,834,893号
【特許文献7】米国特許第6,091,195号
【特許文献8】米国特許第6,831,407号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Safonov他、「Modification of polymer light emission by lateral microstructure」, Synthetic Metals 116, 2001, pp.145-148
【非特許文献2】Lupton他、「Bragg scattering from periodically microstructured light emitting diodes」, Applied Physics Letters, Vol.77, No.21, November 20, 2000, pp.3340-3342
【非特許文献3】Tsutsui他、「Sharply directed emission in organic electroluminescent diodes with an optical-microcavity structure」, Applied Physics Letters 65, No.15, October 10, 1994, pp.1868-1870
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、光出力を高め、色を改善し、デバイスの角度依存性を低減する構造を有する発光デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、
(a)基板と、
(b)基板の上に形成され、透明又は半透明電極と、反射電極と、少なくとも1つが発光性であり、透明又は半透明電極と反射電極との間に形成された1つ又は複数の層とを含むLED素子であって、透明又は半透明電極及び反射電極は単一の制御可能な発光領域を画定し、透明又は半透明電極、反射電極及び1つ又は複数の層によって画定される導波路内に光を放出するLED素子と、
(c)基板上の単一の制御可能な発光領域内に形成された、1つ又は複数の第1のトポグラフィ的特徴及び該第1のトポグラフィ的特徴とは異なる1つ又は複数の第2のトポグラフィ的特徴であって、単一の制御可能な発光領域内の光の導波を分断させることにより、少なくとも1つの方向において光の放出を増大させる、第1のトポグラフィ的特徴及び第2のトポグラフィ的特徴と、
を具備する発光デバイスが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明には、薄膜LEDデバイスからの光出力を増大させ、白色発光体の白色点を改善し、光出力の周波数及び角度依存性を低減するという利点がある。
【0012】
図面は必ずしも一定比例尺になっていないことが理解されよう。それは、個々の層は非常に薄く、さまざまな層の厚さの差は非常に大きいため、一定比例尺で描くことができないためである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態によるLEDデバイスの部分断面図である。
【図2A】本発明の実施形態によるLEDデバイスに対して有用なトポグラフィ的特徴の配置の平面図である。
【図2B】本発明の実施形態によるLEDデバイスに対して有用なトポグラフィ的特徴の配置の平面図である。
【図2C】本発明の実施形態によるLEDデバイスに対して有用なトポグラフィ的特徴の配置の平面図である。
【図2D】本発明の実施形態によるLEDデバイスに対して有用なトポグラフィ的特徴の配置の平面図である。
【図2E】本発明の実施形態によるLEDデバイスに対して有用なトポグラフィ的特徴の配置の平面図である。
【図2F】本発明の実施形態によるLEDデバイスに対して有用なトポグラフィ的特徴の配置の平面図である。
【図3】本発明の別の実施形態によるLEDデバイスに対して有用なトポグラフィ的特徴の分布の平面図である。
【図4A】本発明の実施形態による圧痕として構成されたトポグラフィ的特徴の断面図である。
【図4B】本発明の実施形態による圧痕として構成されたトポグラフィ的特徴の断面図である。
【図5A】本発明の実施形態による突出しとして構成されたトポグラフィ的特徴の断面図である。
【図5B】本発明の実施形態による突出しとして構成されたトポグラフィ的特徴の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態による複数の発光領域を有するLEDデバイスの部分断面図である。
【図7】本発明の別の実施形態による複数の発光領域を有するLEDデバイスの部分断面図である。
【図8】本発明による薄膜LEDデバイスからの光出力の色の角度依存性を示すグラフである。
【図9】本発明による薄膜LEDデバイスからの光出力の色を示すグラフである。
【図10】さまざまなトポグラフィ的特徴を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明によれば、たとえば有機LED又は無機LED等、薄膜平面型面発光ダイオードデバイスにおいて、構造の異なる複数のトポグラフィ的特徴が採用される。本明細書で使用する、薄膜平面型面発光ダイオードデバイスは、基板の上に形成された第1の平面電極と、第1の平面電極領域の上に形成された少なくとも1つの発光層と、発光層の上に形成された第2の平面電極とを有するものである。電極の間に適当な電圧差を印加すると、電流が発光層の中を流れ、電流が流れる領域にわたって光を放出する。
【0015】
本発明の種々のトポグラフィ的特徴は、薄膜LEDデバイスにおける捕捉された光を取り出し、組合せで、特に白色発光に対し、光出力の色を改善し、角度による色及び輝度の変化を低減するのに役立つ。図1を参照すると、本発明の1つの底面発光実施形態では、薄膜LED発光デバイスは、基板10と、基板10の上に形成され、透明又は半透明電極12、反射電極16、及び、少なくとも1つが発光性であり、透明又は半透明電極12と反射電極16との間に形成されている1つ又は複数の薄膜層14を含むLED素子11とを有する。透明又は半透明電極12及び反射電極16は、単一の制御可能な発光領域22を画定し、そこでLED素子11は、透明又は半透明電極12、反射電極16、1つ又は複数の層14、及び場合によっては基板10(又はカバー20)によって画定される導波路13内に光を放出する。基板10上の単一の制御可能な発光領域22内に、第1のトポグラフィ的特徴40と第1のトポグラフィ的特徴40とは異なる第2のトポグラフィ的特徴42とが形成され、それにより、第1のトポグラフィ的特徴40及び第2のトポグラフィ的特徴42は、単一の制御可能な発光領域22内の光の導波を分断させる。
【0016】
それら特徴は、光が捕捉される層のうちの1つ又は複数の中に広がることができる。通常、下にある層、たとえば基板、他の平坦化層、又はガラス、二酸化ケイ素、窒化ケイ素又は樹脂等の少なくとも部分的に透明な材料からなる絶縁層は、層内に構造が形成され得る。そして、後続する薄膜層、たとえば有機発光層又は電荷制御層は、対応する構造を有することになる。さまざまな層及び下にある構造が、トポグラフィ的特徴を形成する。これらトポグラフィ的特徴は、種々の形状、たとえば三角形、台形又は半球形を有することができる。しかしながら、本発明によれば、単一の制御可能な領域に、少なくとも2つの異なる特徴か又は特徴の少なくとも2つの異なる配置を採用しなければならない。層内に導波される、捕捉された光は、トポグラフィ的特徴に出会うと、基板に対し異なる角度で反射され、屈折し、又は回折し、それにより少なくとも1つの方向において光の放出を増大させる。単一の制御可能な発光領域とは、一部のみにわたって光を放出するように制御することができない発光領域であって、すべてが光を放出するか又はいずれも光を放出しない領域を意味する。LED素子11を保護するために、基板10の上方にカバー20を配置することができる。導波路13はまた、透明であり且つ光が内部に捕捉されるものであれば、基板10若しくはカバー20又はLEDデバイス内の他の任意の層も含むことができる。
【0017】
基板10の上に、薄膜電子部品30(たとえばトランジスタ、コンデンサ)を、絶縁層32とともにアクティブマトリクス構成で形成することができる。別個の絶縁層34を形成することにより、パターン電極(たとえば12)を互いから電気的に絶縁することができる。別法として、制御信号を用いるトランジスタではなく、電流を提供するバスラインを使用するパッシブマトリクス構成を採用することができる。アクティブマトリクス設計及びパッシブマトリクス構成は、ディスプレイの技術分野では既知であり、本発明ではいずれの実施形態も使用することができる。
【0018】
本明細書で使用するトポグラフィ的特徴(たとえば40、42)とは、LEDデバイスの単一の制御可能な薄膜発光領域(たとえば22)内の光学的構造であり、その上に電極12、16及び薄膜層14を形成することにより、発光素子11内の光の導波を分断する非平面を形成することができ、それによって、導波路が漏れやすくなり、導波光が放出される。好ましくは、トポグラフィ的特徴40、42は、回折効果をもたらさない。一実施形態では、絶縁層(たとえば32)を、(たとえばフォトリソグラフィエッチング又はマスク蒸着により)構造化することにより、電極12、16及び薄膜層14をコンフォーマルコーティングすることができる表面を形成することができる。絶縁素子34等の構造的特徴は、本明細書で採用するトポグラフィ的特徴ではない。なぜなら、それらが発光領域22間にあり且つそれらを互いから分離し、発光領域22内に存在しないためである。
【0019】
本発明の一実施形態では、発光素子11は(図1に示すような)ボトムエミッタであり、その場合、基板10は透明であり、光は、透明又は半透明電極12及び基板10を通って放出され、一方、透明又は半透明電極12の基板10とは反対側に、反射電極16が形成される。本発明の別の実施形態では、発光素子11はトップエミッタであってもよく、その場合、カバー20は透明であり、透明又は半透明電極12と反射電極16との位置が入れ替わる。この実施形態では、光はカバー20を通って放出される。本発明の別の実施形態(図示せず)では、反射電極16を代りに透明又は半透明とすることができ、光は、電極12と同様に電極16を通って放出され得るか又は放出され得ない。一方の電極が半透明(たとえば電極12)であり、他方が反射性(たとえば電極16)である場合、発光デバイスにおける薄膜層は、マイクロキャビティを形成することができる。たとえば、半透明電極は、薄い金属層、たとえば蒸着された銀を含むことができる。一方の電極が透明(たとえば電極12)である場合、光干渉は、依然として、LEDデバイスからの光出力の周波数及び分布に著しい影響を与えることが分かった。この干渉効果は、カバー20と透明又は半透明電極12(その位置は、このトップエミッタ実施形態では図1に示す反射電極16と入れ替わる)との間に低屈折率層(たとえば気体)が存在する可能性のあるトップエミッタ構成において特に顕著である。
【0020】
本発明のさまざまな実施形態において、LEDデバイスは、複数の個々にアドレス指定可能な発光画素を有するディスプレイデバイスであり、単一の制御可能な発光領域22はサブピクセルである。別法として、本発明のLEDデバイスは、面照明デバイス又はランプであってもよい。こうした実施形態によっては、単一の制御可能な発光領域22から放出される光は、黒体軌跡近くに位置する、広帯域、たとえば白色、白色に近い色であるか、又は少なくとも2つの異なる色からなる光を含む。
【0021】
薄膜層14は、1つ又は複数の有機発光層を含むことができるか、或いは、発光層14の1つ又は複数が、多結晶半導体マトリクス内に量子ドットを有する1つ又は複数の無機層を含む。別法として、薄膜層14は、有機材料及び無機材料をともに有することができる。薄膜層14はまた、複数の発光層、又は正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層若しくは電荷阻止層等の電荷制御層を有することができる。
【0022】
図2A〜図2Fを参照すると、さまざまな発明の実施形態により、本発明の種々のトポグラフィ的特徴を種々の方法で配置するか又は分布させることができる。図2Aに示すように、第1のトポグラフィ的特徴40は、第2のトポグラフィ的特徴42とは構造的に異なり、単一の発光領域22において、第2のトポグラフィ的特徴42と等しい数及び同様の分布で混合配置されている。図2Bに示すように、第1のトポグラフィ的特徴40は、第2のトポグラフィ的特徴42と構造が異なり、単一の発光領域22において第2のトポグラフィ的特徴42と異なる数及び異なる分布で混合配置されている。図2Cに示すように、第1のトポグラフィ的特徴40は、第2のトポグラフィ的特徴42と構造が異なり、単一の発光領域22内ではあるが第2のトポグラフィ的特徴42の部分22Bとは異なる部分22Aに配置されている。この実施形態がたとえばディスプレイデバイスで採用される場合、発光部分22A及び22Bは、視覚的に識別することができないように十分小さいか又は十分な距離で見ることが好ましい。図2Dに示すように、第1のトポグラフィ的特徴40は、第2のトポグラフィ的特徴42と構造的に類似している。しかしながら、第1のトポグラフィ的特徴40は、単一の発光領域22における第2のトポグラフィ的特徴42の部分22Bとは異なる部分22Aに配置され、分布が異なっている。この開示で意図するように、単一の制御可能な発光領域22内における構造的に類似する特徴の異なる分布により、異なるトポグラフィ的特徴が与えられる。図2Eに示すように、トポグラフィ的特徴40、42は、異なる形状、たとえば(図2Eに示すような)球状の部分、(図2A〜図2D)角錐の部分、又は四面体の部分(図示せず)を有することができる。これらの図に示すように、第1のトポグラフィ的特徴40又は第2のトポグラフィ的特徴42は、制御可能な発光領域の平面において円対称であるか、制御可能な発光領域の平面の2つの直交する次元において対称であるか、角度の付いた壁を有するか、湾曲した壁を有するか、発光領域の平面において矩形断面を有するか、又は発光領域の平面において楕円形断面(たとえば円形)を有することができる。図2Eに示すように、トポグラフィ的特徴40、42は、規則的な分布を有することができ、又は図2Fに示すように、不規則な又はランダムな分布を有することができる。図3に示すように、両トポグラフィ的特徴40、42が発光部分22A、22B内に、異なる相対量又は分布で存在することができる。トポグラフィ的特徴40、42は、異なる分布、形状、サイズ、厚さ、平面の上方の突出、又は平面内への突出の任意の組合せを有することができる。
【0023】
図4A及び図4Bを参照すると、トポグラフィ的特徴、たとえば40、44を押し下げることができる。すなわち、この構造は、たとえば絶縁層32に薄くなった層を形成し、その上に電極12、16及び薄膜層14が形成される。別法として、図5A及び図5Bを参照すると、トポグラフィ的特徴、たとえば46、48は突出することができる。すなわち、この構造は、たとえば絶縁又は平坦層32に厚くなった層を形成し、その上に電極12、16及び薄膜層14が形成される。これら実施形態のいずれにおいても、トポグラフィ的特徴の構造は、一直線の縁部(たとえば図4A及び図5A)か又は湾曲した縁部(たとえば図4B及び図5B)を有することができる。しかしながら、好ましくは、トポグラフィ的特徴40、42は、発光領域22の平面に対して60度未満の角度の表面を有し、より好ましくは、発光領域22の平面に対して45度未満の角度の表面を有する。こうした角度に対する制限は、電極12、16が電気的短絡を形成しないことを確実にするのに役立つ。なぜなら、電極12、16間に堆積する材料が、鋭利な点において非常に薄いか又はまったく存在しない可能性が生じるためである。
【0024】
本発明の一実施形態における図6を参照すると、LEDデバイスは、複数の発光領域22を有することができる。異なる発光領域22内のトポグラフィ的特徴40、42は、異なっていても同じであってもよい。図7を参照すると、薄膜発光層(たとえば14A、14B、14C)は、異なる材料(たとえばスペクトルの異なる光を放出する)を採用することができ、異なる厚さ(たとえば14C)を採用することにより、異なる光学的効果を提供することも可能である。電極12、16はまた、発光領域22によって厚さが異なることも可能であり(図示せず)、それにより発光素子11は、発光領域22によって厚さが異なる。本発明は、特に、広帯域光を放出する発光領域において有用であり得る。ここで、トポグラフィ的特徴40、42及び発光デバイスの光学的構造は、発光領域22にわたって広帯域光を集合体で放出することができ、それにより、発光領域22を見ている人は、単一色の広帯域光を感知する。
【0025】
本発明の薄膜LED発光デバイスを、基板を用意し、且つ基板の上にLED素子を形成することによって構成することができる。LED素子は、透明又は半透明電極と、反射電極と、少なくとも1つが発光性であり、透明又は半透明電極と反射電極との間に形成される、1つ又は複数の層とを含む。透明又は半透明電極及び反射電極は、単一の制御可能な発光領域と、LED素子が光を放出する導波路とを画定する。第1のトポグラフィ的特徴と第1のトポグラフィ的特徴とは異なる第2のトポグラフィ的特徴とが、基板上の単一の制御可能な発光領域内に形成され、単一の制御可能な発光領域内の光の導波を分断することにより、本来は捕捉される導波光を放出する。
【0026】
第1のトポグラフィ的特徴及び第2のトポグラフィ的特徴を、本技術分野において既知である方法を採用することによって構成することができる。たとえば、シリコーンモールドを使用して基板上に構造体を形成することが、基板上に感光液をモールド内でコーティングし、モールド内の液体を硬化させ、モールドを取り除き、その後、硬化した構造体の上に有機材料及びスパッタリングされた無機材料を蒸着して、上述した特許文献8に記載されているような薄膜LED発光デバイスを形成することにより、実証されている。同様に、マスクを用いて感光層をパターン露光し、パターンを現像し、層をエッチングして構造体を形成する従来のフォトリソグラフィプロセスは、IMID '07 Digestのp.245のLee他による「Optical Structure of White OLED for 100% Color Gamut」と題する論文に記載されている。別法として、シャドウマスク法を採用することができる。
【0027】
薄膜発光領域は、通常、たとえばディスプレイのサブピクセル素子に対応し、面積が50平方ミクロン(マイクロメートル)以上である。対照的に、本技術分野では、そのサイズの1/10又はさらには1/100未満の解像度を達成するフォトリソグラフィ技法が既知である。構造体は、サイズがおよそ1ミクロンの寸法で構成されてきた。有機発光材料と同様に、たとえば多結晶半導体マトリクスにおける量子ドット等、OLEDデバイス又は無機材料で使用されるように、無機電極材料(たとえばITO、銀、アルミニウム又は金属合金)が知られている。
【0028】
従来技術において既知であるように、薄膜LEDデバイスの高屈折率層内から放出される光は、第1の反射、透明又は半透明電極と、第2の透明又は半透明電極と、それら電極間に配置された発光又は電荷制御層のうちの1つ又は複数の層との間に且つその中に捕捉される可能性がある。光はまた、基板又はカバーが透明な場合は、それらの中でも捕捉される可能性がある。Cokによる特許文献8に記載されているように、発光領域内に位置するトポグラフィ的特徴は、回折効果をもたらすことなく捕捉された光の望ましくない導波を分断させることができ、それにより捕捉された光を取り出し、デバイスの効率を向上させることができる。しかしながら、こうしたトポグラフィ的特徴を採用することによって捕捉された光を取り出し放出させることは、さまざまな因子に依存する。第1に、導波路内を電極に対して平行な方向に進行する捕捉された光は、電極と発光層又は電荷制御層とによって吸収される。第2に、こうしたトポグラフィ的特徴から放出される光の輝度は、角度依存である傾向がある。第3にこうしたトポグラフィ的特徴から放出される光の周波数は、角度依存である傾向がある。
【0029】
第1の光学モデルでは、透明な基板の上に、有機正孔注入及び輸送層、発光層、電子注入及び輸送層(たとえばAlq、NPB)でコーティングされた任意の厚さの銀の反射電極と、100nmの厚さの透明なITO電極とを有するOLEDデバイスを、市販のSim3D有限差分時間領域法光学モデリングツールを用いてモデル化した。このモデリングツールは、導波路構造に対してマックスウェルの方程式を直接解く。MgAgを含む薄い200Åの半透明電極もまた、ITOの代りにモデル化した。電荷管理層及びITO層を、n=1.7の屈折率でモデル化し、基板を、屈折率が1.5であるように仮定した。これらの値は、OLED業界において用いられる市販の材料で典型的なものである。モデルを、(図1、図4A、図5Aに示すような)三角形、台形、及び、(図4B、図5Bに示すような)凹形及び凸形両方のさまざまな球状部分を含む、種々の物理的なトポグラフィ的構造に対して、550nmの波長で試験した。トポグラフィ的構造に関連する対象となる角度領域にわたり、法線方向のポインティングベクトル成分を積分することにより、全体の反射パワー、透過パワー及び吸収パワーを得た。
【0030】
モデルによって実証されるように、導波光に対する主な損失メカニズムは吸収である。種々の発光周波数で(種々の測定された吸収特性を有する種々の発光材料を採用することにより)試験した場合、吸収距離をモデル化することができる。表1は、種々の周波数の発光が、その光の1/2が導波路によって吸収される前に導波路を進行する距離を列挙している。
【0031】
【表1】

【0032】
さらに、光導波路モデリングは、トポグラフィ的特徴の構造と光の周波数とが、取り出される光の量に影響することを実証する。表2は、550nmの波長でのいくつかのトポグラフィ的特徴の相対的な取出し効率を列挙している。45度三角形は、図4A、図5A及び図10(要素50)に示すように側辺が導波路平面に対して45度である三角形であり、45度台形は、側辺が導波路平面に対して45度であり、上辺が導波路平面に対して平行である台形であり(図10、要素52)、平面化三角形は、側辺が導波路平面に対して45度であるが、平坦な上部電極を有する三角形であり(図10、要素54)、50度球形は、縁部が導波路平面に対して50度である球状部分である(図10、要素56)。これらの特徴は、高さがおよそ1ミクロンであり、各単一構造を、およそ3.5ミクロン長の導波路内でモデル化した。
【0033】
【表2】

【0034】
トポグラフィ的特徴の光導波路モデリングにより、取り出された光の放出が角度的に均一ではなく、周波数依存であることが観察された。取り出された光は、通常、ランバートの余弦則に従わず、特に、実質的に、導波路平面に対する法線で放出されない。このため、これらの理由で、トポグラフィ的特徴によって取り出される光の量及び分布は、材料依存、波長依存、構造依存及び分布依存である。
【0035】
列挙された取出し及び放出依存性に加えて、LEDデバイスから放出される光は、LEDデバイスを形成する要素の光学的構造に依存する。特に、発光材料及び電荷制御材料、電極、基板、並びにLEDデバイスが形成される他の層(ボトムエミッタの場合)、又はカバー及びLEDデバイスの上方の重なる層(トップエミッタの場合)、特にLEDデバイスと封止層との間の任意の低屈折率層の屈折率により、発光の周波数の角度依存性、輝度及びピーク発光波長に影響を与える光学的影響がもたらされる。これら影響は、たとえば白色光を放出するために2つ以上のタイプの発光材料(たとえば青色及び黄色)を採用する広帯域発光体の場合に特に問題である。この場合、光学的影響及びトポグラフィ的特徴の影響は、ピーク発光及び画角の両方に対して問題のある周波数依存性をもたらす傾向がある。これらの影響は、光を着色して白色ではなくなるようにし、輝度及び周波数の両方に対して角度依存性をもたらす傾向がある。
【0036】
本発明の利点を、図8及び図9のグラフで実証する。図8のグラフを参照すると、屈折率1.5のガラス基板の上に、正孔電荷制御層及び電子電荷制御層とともに青色発光層及び黄色発光層を有する、2ピークスペクトルを有する底面発光型白色発光OLEDデバイスを構成した。発光層及び電荷制御層を、D65白色点に一致するように選択した。基板の上に600nmのITO吸収低減層を堆積させ、ITOの上に20nmの半透明銀電極をスパッタリングした。Agの上に10nmのNPBを蒸着した。NPBの上に、ホスト及びドーパントを含む14nmの青色発光有機層を蒸着し、異なるドーパントと同じホストとを含む第2の38nmの黄色発光有機層を蒸着した。BphenホストにAlqを含む30nmの有機電子制御層を蒸着し、7nmのLi層を形成した。最上部に100nmのAl電極を蒸着することにより、第2の反射電極を形成した。
【0037】
デバイスの角度性能を測定し、図1の構造を、測定された角度データを用いてデバイス全体の性能を確定することによってモデル化した。第1のトポグラフィ的特徴は、第1の部分において基板に対して20度の角度である三角形状を有し、電極間の厚さが235nmであった。第2のトポグラフィ的特徴は、第2の部分において基板に対して20度の角度である三角形形状を有し、電極間の厚さが147nmであった。それら特徴の高さは重大ではないが、1ミクロン〜2ミクロンであり得る。両部分が、トポグラフィ的特徴で覆われ、第1の部分は、サイズが第2の部分の2倍であった。図8を参照すると、各別個のトポグラフィ的特徴のCIE座標における平均からの変化が、本発明を用いてもたらされる組合せでプロットされている。グラフから分かるように、CIE座標の変化は、本発明が最小である。さらに、表3に示すように、本発明では、白色が目標のD65白色点に最も近い。
【0038】
【表3】

【0039】
本発明の第2の実証では、2つの他のトポグラフィ的構造に対して同じ材料を採用した。両トポグラフィ的特徴は、三角形構造を有し、且つ電極間の厚さが127nmであった。第1のトポグラフィ的特徴は基板に対する角度が31度であり、第2のトポグラフィ的特徴は、基板に対する角度が57度であった。両トポグラフィ的特徴がそれらのそれぞれの部分を覆ったが、第2の部分は第1の部分の面積の3.5倍であった。図9を参照すると、法線での光出力のCIE座標がプロットされている。グラフから分かるように、本発明の色は、所望のD65白色点に正確に一致しているが、個々の特徴は印を付けた色(それぞれ黄色及び青色)を有している。
【0040】
半透明電極の反射率を(たとえばITOを採用することによって)低減することにより、トポグラフィ的特徴間の色変動の大きさを或る程度制御することができる。同様に、こうした構造の性能を測定しており、その性能は、本発明による改善された性能を実証する。さらに、より透明な電極を使用するLED構造体の場合、法線における光出力が低減する。ボトムエミッタ構造では、電極自体を、透明領域(たとえば、所望の白色発光領域にある)及び半透明領域(たとえば所望の着色発光領域にある)を含むように従来のフォトリソグラフィ技法を用いてパターン化することができる。しかしながら、トップエミッタ構造の場合、発光材料の上に形成される電極をパターン化しなければならず、こうしたパターニングは、従来のフォトリソグラフィ技法は精巧なOLED材料を破壊することになるため困難である。別の電極パターニング法(たとえばシャドウマスク法)を採用することができるが、それらはサイズが限られており、且つ比較的コストがかかる。このため、本発明は、白色発光を用いるトップエミッタOLED構造体(たとえば、1つの画素に赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子及び白色発光素子を有するRGBW設計)において特に有益である。
【0041】
動作時、TFT層30における薄膜トランジスタは、一方の電極(たとえば12)から薄膜層14を通って他方の電極(たとえば16)まで電流を通し、それにより薄膜層14のうちの1つ又は複数が発光する。光の一部は、デバイスから放出される。光の別の部分は、電極12、16、薄膜層14及び場合によっては基板10又はカバー20によって形成される導波路に捕捉される。捕捉された光が第1のトポグラフィ的特徴40に出会うと、その光を、第1の周波数分布及び角度依存性でデバイスから出るように方向を変えることができる。捕捉された光が第2のトポグラフィ的特徴42に出会うと、その光を、第1の周波数及び角度依存性とは異なる第2の周波数分布及び角度依存性で、デバイスから出るように方向を変えることができる。第1の周波数分布及び角度依存性並びに第2の周波数分布及び角度依存性の組合せにより、特に広帯域光を放出する薄膜層14の場合、より安定し且つ均一な出力が可能になる。したがって、本発明は、原色を形成するためにカラーフィルタを備えた単一の広帯域発光体を採用するディスプレイ構成において特に有用であり得る。
【0042】
トポグラフィ的特徴の幾何学的形状は、電極16及び12の層又は発光薄膜層14における導波とカバー20又は基板10に存在する任意の導波とを分断するのに有効であるように設計される。層12、14及び16は、合わせて、典型的な厚さが0.1ミクロン〜0.4ミクロンであり、好ましくは、トポグラフィ的特徴は高さが0.5ミクロン以上、好ましくは1ミクロン以上である。従来のリソグラフィプロセスを用いて、たとえば本技術分野で既知であるフォトレジスト、マスク露光及びエッチングを使用してトポグラフィ的特徴を生成することができる。たとえば、既知のフォトリソグラフィプロセスを使用して、基板10の上に、二酸化ケイ素、窒化物又はフォトレジストのパターン化層を形成することができる。この層の上にフォトレジストのパターンを、各トポグラフィ的特徴の位置を画定するように形成する。エッチングプロセスを採用して、層にトポグラフィ的特徴を生成する。そして、フォトレジストパターンを除去し、電極及び発光層を構造化層の上に堆積させる。後続して堆積される層は、それらトポグラフィ的特徴40、42に従う。
【0043】
発光領域内のトポグラフィ的特徴40、42の間隔を、電極12、16及び薄膜層14による導波光の吸収に応じて調整することができる。たとえば、青色光が最も容易に吸収され得るため、光が吸収される前に導波層から確実に放出されるように、トポグラフィ的特徴の出現率を、青色発光領域においてより高くすることが可能である。概して、トポグラフィ的特徴は、回折効果及び結果としての発光の周波数に関連する角度変動とを回避するように十分大きく且つ十分離れているべきである。
【0044】
トポグラフィ的特徴の配置の、周期及び形状を調整することも可能である。図2A〜図2Eは、2次元矩形格子を示す。別法として、たとえば六角形配置を使用することができ、それには、特に球状構造の場合、より広い領域を、より少ないトポグラフィ的特徴で包囲することができ、より高い被覆率を提供することができるという利点がある。トポグラフィ的特徴は連続していてもよいが、必ずしもそうである必要はない。
【0045】
概して、トポグラフィ的特徴は、電極12、薄膜発光材料14及び電極16の後続する層が堆積される際に非平面構造を維持するのに十分大きくなければならない。上部電極層16の上面が、下にある構造の正確な形状を維持することは必要ではない。このため、電極層16は、他の層より厚くてもよく、(底面発光構造体において)デバイスの平坦化層として機能することも可能である。
【0046】
本発明のOLEDデバイスは、望ましい場合はその特性を強化するためにさまざまな既知の光学的効果を採用することができる。これには、最大光透過率をもたらすように層の厚さを最適化すること、誘電鏡構造体を設けること、反射電極の代りに光吸収電極を用いること、ディスプレイの上に防眩コーティング又は反射防止コーティングを設けること、ディスプレイの上に偏光媒体を設けること、又はディスプレイの上に着色フィルタ、減光フィルタ又は色変換フィルタを設けることが含まれる。フィルタ、偏光子及び防眩コーティング又は反射防止コーティングを、特に、カバーの上に、又はカバーの一部として設けることができる。
【0047】
本発明を、アクティブマトリクスOLEDデバイス又はパッシブマトリクスOLEDデバイスのいずれで実施することも可能であり、本発明は情報表示デバイスにおいて特に有用である。好ましい実施形態では、本発明は、限定されないがTang他に対する特許文献1及びVan Slyke他に対する特許文献2に開示されているような、小分子OLED又は高分子OLEDから構成されるフラットパネルOLEDデバイスで採用される。たとえば多結晶半導体マトリクスに形成された量子ドットを採用し(たとえば、Kahenによる特許文献3に教示されている)、有機若しくは無機電荷制御層又は混成有機/無機デバイスを採用する無機デバイスも採用することができる。トップエミッタアーキテクチャ又はボトムエミッタアーキテクチャのいずれかを有するアクティブマトリクスディスプレイ及びパッシブマトリクスディスプレイを含む、有機又は無機発光ディスプレイの多くの組合せ及び変形を使用して、こうしたデバイスを製造することができる。
【0048】
本発明を、特にそのいくつかの好ましい実施形態を参照して詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲内で変形及び変更を行うことができることが理解されよう。
【符号の説明】
【0049】
10 基板
11 LED素子
12 電極
13 導波路
14 薄膜発光層
14A 薄膜発光層
14B 薄膜発光層
14C 薄膜発光層
16 電極
20 カバー
22 単一の制御可能な発光領域
22A 単一の制御可能な発光領域の部分
22B 単一の制御可能な発光領域の部分
30 薄膜電子部品
32 絶縁層
34 絶縁層
40 トポグラフィ的特徴
42 トポグラフィ的特徴
44 トポグラフィ的特徴
46 トポグラフィ的特徴
48 トポグラフィ的特徴
50 三角形
52 台形
54 平面化三角形
56 50度の半球

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)基板と、
(b)前記基板の上に形成され、透明又は半透明電極と、反射電極と、少なくとも1つが発光性であり、該透明又は半透明電極と該反射電極との間に形成された1つ又は複数の層とを含むLED素子であって、該透明又は半透明電極及び該反射電極は単一の制御可能な発光領域を画定し、該透明又は半透明電極、該反射電極及び前記1つ又は複数の層によって画定される導波路内に光を放出するLED素子と、
(c)前記基板上の前記単一の制御可能な発光領域内に形成された、1つ又は複数の第1のトポグラフィ的特徴及び該第1のトポグラフィ的特徴とは異なる1つ又は複数の第2のトポグラフィ的特徴であって、前記単一の制御可能な発光領域内の光の導波を分断させることにより、少なくとも1つの方向において光の放出を増大させる、第1のトポグラフィ的特徴及び第2のトポグラフィ的特徴と、
を具備する発光デバイス。
【請求項2】
複数の個々にアドレス指定可能な発光画素を有するディスプレイデバイスであり、前記単一の制御可能な発光領域はサブピクセルである、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記発光層は、1つ又は複数の有機発光層、又は多結晶半導体マトリクス内の量子ドットを有する1つ又は複数の無機層を有する1つ又は複数の発光層を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記LED素子はマイクロキャビティを形成する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記単一の制御可能な発光領域は、少なくとも第1の部分及び第2の部分に分割され、前記第1のトポグラフィ的特徴は前記第1の部分内に形成され、前記第2のトポグラフィ的特徴は前記第2の部分内に形成される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記第1のトポグラフィ的特徴及び前記第2のトポグラフィ的特徴は、前記単一の制御可能な発光領域内で混合配置される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記第1のトポグラフィ的特徴及び前記第2のトポグラフィ的特徴は、形状は同じであるが或る領域にわたって分布が異なるか、形状が異なるか、又は形状が異なり且つ或る領域にわたって分布が異なる、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記第1のトポグラフィ的特徴又は前記第2のトポグラフィ的特徴は、前記基板内に形成された圧痕であるか、又は前記基板上に形成された層である、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記第1のトポグラフィ的特徴又は前記第2のトポグラフィ的特徴は、前記制御可能な発光領域の平面において円対称であるか、前記制御可能な発光領域の平面において2つの直交する次元において対称であるか、角度の付いた壁を有するか、湾曲した壁を有するか、前記発光領域の平面において矩形断面を有するか、又は前記発光領域の平面において楕円形断面を有する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記第1のトポグラフィ的特徴又は前記第2のトポグラフィ的特徴は、不規則なパターンで配置される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項11】
複数の発光領域をさらに具備する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項12】
第1の発光領域における前記第1のトポグラフィ的特徴又は前記第2のトポグラフィ的特徴は、第2の発光領域における前記第1のトポグラフィ的特徴又は前記第2のトポグラフィ的特徴と、形状、分布、又は形状及び分布が異なる、請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項13】
第1発光領域における前記1つ又は複数の層の材料は、第2発光領域における前記1つ又は複数の層の材料と異なる、請求項112に記載の発光デバイス。
【請求項14】
第1の発光領域における前記LED素子は、厚さが、第2の発光領域におけるLED素子の厚さと異なる、請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項15】
前記トポグラフィ的特徴は、前記光発光領域において矩形状に又は六角形状に分布する、請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項16】
前記1つ又は複数の層は広帯域光を放出する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項17】
前記LEDデバイスは面照明ランプ又はディスプレイである、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項18】
前記トポグラフィ的特徴は、前記発光層の下に位置する絶縁層の特徴によって画定される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項19】
前記トポグラフィ的特徴は、前記発光領域の平面に対して45度未満の角度の表面を有する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項20】
(a)基板を設けること、
(b)前記基板の上にLED素子を形成することであって、該LED素子は、透明又は半透明電極と、反射電極と、少なくとも1つが発光性であり、該透明又は半透明電極と該反射電極との間に形成された1つ又は複数の層とを含み、該透明又は半透明電極及び該反射電極は単一の制御可能な発光領域を画定し、該LED素子は、該透明又は半透明電極、該反射電極及び前記1つ又は複数の層によって画定される導波路内に光を放出する、LED素子を形成すること、及び
(c)前記基板上の前記単一の制御可能な発光領域内に第1のトポグラフィ的特徴及び該第1のトポグラフィ的特徴とは異なる第2のトポグラフィ的特徴を形成することであって、該第1のトポグラフィ的特徴及び該第2のトポグラフィ的特徴は、前記単一の制御可能な発光領域内の光の導波を分断させることにより、導波光を放出する、第1のトポグラフィ的特徴及び第2のトポグラフィ的特徴を形成すること、
を含む、発光デバイスの形成方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図2F】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2011−524067(P2011−524067A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511620(P2011−511620)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/003153
【国際公開番号】WO2009/148516
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(510048417)グローバル・オーエルイーディー・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (95)
【氏名又は名称原語表記】GLOBAL OLED TECHNOLOGY LLC.
【住所又は居所原語表記】1209 Orange Street, Wilmington, Delaware 19801, United States of America
【Fターム(参考)】