説明

光半導体装置及びその製造方法

【課題】高輝度及び良好な集光性を実現することができる光半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】基体11と、基体11上に離間して配置された複数の接合部材と、前記接合部材上に載置された複数の光半導体素子12とを備える光半導体装置10であって、少なくとも1つの接合部材において、光半導体素子12の一端側の高さhと、該一端と対向する他方端側の高さhとで異なり、かつ少なくとも2つの光半導体素子12から発光される光の光軸の方向が互いに異なる光半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化・軽量化に伴い、それらに搭載される光半導体装置(発光ダイオード)、受光装置(CCD)等の光半導体装置も小型化されたものが種々開発されている。特に、発光ダイオードは、他の光源と比べて消費電力が非常に少なく、また長寿命であることから、照明やディスプレイなどの種々の用途に使用されており、今後、さらに高輝度で集光性の良好な特性を示すものが求められている。
これに対して、例えば、複数の発光ダイオードを複数配列したパッケージが提案されている(例えば、特許文献1及び2等)。
これらのパッケージでは、リードフレームに折り曲げ部位を有し、実装する際に光軸を任意の方向に向けたり、基板上に、複数の発光ダイオードを配向形状に対応させて並べるなどの工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−4443号公報
【特許文献2】米国特許公開公報第2008/84694号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、さらなる小型化、均一配光性及び高光束化が求められていることから、より多くの発光ダイオードをより小型のパッケージ内に搭載することが必要となる。
また、集光性又は均一配向を実現するために、上述した従来のパッケージのリードフレームを任意の角度で折り曲げて、任意の光軸方向に調整することを、多数のパッケージに対して行うことは、実装工程を極めて煩雑にするため、現実的ではない。
さらに、発光ダイオードの載置形状を変更するのみでは、さらなる小型化、均一配光性及び高光束化には十分でない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、良好な均一配光性及び高光束化を実現することができる光半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光半導体装置は、
基体と、
前記基体上に離間して配置された複数の接合部材と、
前記接合部材上に載置された複数の光半導体素子とを備える光半導体装置であって、
少なくとも1つの接合部材において、光半導体素子の一端側の高さhと、該一端と対向する他方端側の高さhとで異なり、かつ
少なくとも2つの光半導体素子から発光される光の光軸の方向が互いに異なることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の別の光半導体装置は、
基体と、
前記基体上に離間して配置された複数の接合部材と、
前記接合部材上に載置された複数の光半導体素子とを備える光半導体装置であって、
前記光半導体素子が、前記基板の同一面上に載置され、かつ少なくとも2つの光半導体素子から発光される光の光軸の方向が互いに異なることを特徴とする。
【0008】
これらの光半導体装置では、光半導体素子がマトリクス状に搭載されており、光半導体装置の内側に配置する光半導体素子と外周に配置する光半導体素子との間で、光軸の方向が互いに異なることが好ましい。
また、光半導体素子がマトリクス状に搭載されており、光半導体装置の外周の一辺側に配置する少なくとも2つの光半導体素子の光軸の方向が互いに異なることが好ましい。
【0009】
さらに、光半導体素子がマトリクス状に搭載されており、光半導体装置の中心線に対して一方側に配置されている少なくとも1つの光半導体素子の光軸が、前記基体表面に対する法線に対して一方側に傾斜してなることが好ましい。
また、光半導体素子がマトリクス状に搭載されており、光半導体装置の外周の一辺側に配置する少なくとも1つの光半導体素子の光軸が、基体表面に対する法線に対して一辺側に傾斜し、かつ、光半導体装置の外周の一辺に対向する他辺側に配置する少なくとも1つの光半導体素子の光軸が、基体表面に対する法線に対して他辺側に傾斜してなることが好ましい。
前記基体が、表面に導電部材を備え、前記光半導体素子が前記導電部材に接合部材によって固定されていることが好ましい。
さらに、光半導体素子を封止する封止部材を備えることが好ましい。
【0010】
本発明の光半導体装置の製造方法では、
少なくとも2つの光半導体素子から発光される光の光軸の方向が互いに異なる方向を示すように、前記複数の光半導体素子を接合部材を用いて基体上に固定することを特徴とする。
【0011】
このような光半導体装置の製造方法では、
少なくとも1つの接合部材を、光半導体素子の一端側の高さhと、該一端と対向する他方端側の高さhとで異なるように配置して、光軸の方向を互いに異ならせることが好ましい。
光半導体素子を前記基板の同一面上に載置することが好ましい。
2つの光半導体素子の光軸を異ならせる方法を、光半導体素子直下の接合部材の配置又は量を変化させる方法、接合部材の導電部材に対する濡れ性を変化させる方法、2種以上の接合部材を用いて、部分的に接合部材の種類を変更する方法又はこれらを組み合わせた方法からなる群から選択される方法であることが好ましい。
【0012】
本発明の別の光半導体装置の製造方法では、
(a)基体をパッケージ部材で固定し、
(b)接合部材を用いて複数の光半導体素子を前記基体上に、複数の光半導体素子のうちの少なくとも2つの光半導体素子の光軸が異なる方向を示すように固定し、
(c)光半導体素子を透光性部材によって被覆し、
(d)パッケージ部材及び基体を所定の位置で切断する工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の光半導体装置によれば、より小型化・軽量化を実現しながら、高輝度及び良好な均一配光性及び高光束化を実現することができる。
また、本発明の光半導体装置の製造方法では、簡便かつ安価に、良好な均一配光性及び高光束化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の光半導体装置を示す平面図(A)、a−a’線断面図(B)、b−b’線断面図(C)である。
【図2】本発明の光半導体装置における光半導体素子の配列を説明するための平面図である。
【図3】光軸の法線に対する傾斜方向を説明するための光半導体装置の平面図である。
【図4】本発明の光半導体装置における発光素子の接合部材による配置形態を説明するために要部の断面図である。
【図5】本発明の光半導体装置の製造方法を説明するための概略断面工程図である。
【図6】本発明の別の光半導体装置を示す断面図である。
【図7】本発明のさらに別の光半導体装置を示す断面図である。
【図8】本発明のさらに別の光半導体装置を示す断面図である。
【図9】本発明のさらに別の光半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の光半導体装置及びその製造方法を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0016】
(光半導体装置)
本発明の光半導体装置は、少なくとも基体と、接合部材と、複数の光半導体素子を備えて構成されている。具体的には、図1に示すように、本発明の光半導体装置10では、複数の光半導体素子(以下、「発光素子」と記載する場合がある)12が、接合部材を介して基体11(例えば、導電部材)の上に固定されているが、複数の光半導体素子12のうち少なくとも2以上が、光半導体素子から発光される光の光軸(以下、単に「光軸」記載することがある)の方向を互いに異なる方向に向けて配置されている。
【0017】
実施形態1:光半導体装置
この実施形態の光半導体装置10は、図1に示すように、基体11である導電部材上に、複数、例えば、24個の発光素子12が、接合部材(図4中16)を介して配置されている。
少なくとも2つの発光素子12は、図4に示すように、その下の接合部材16の一端側の高さh1aが2μm程度、他方端側の高さh2aが20μm程度、あるいはαが93°程度に設定されており、別の発光素子12bにおいて、その下の接合部材16の一端側の高さh1bが1μm程度、他方端側の高さh2bが30μm程度、あるいはαが95°程度に設定されている。α≠αである。α又はαのいずれかは90°であってもよい。これによって、発光素子12及び12bは、互いに光軸を異なる方向に向けている。このような配置は、後述するように、図2におけるa〜e、ab、bc、cd、daのいずれの位置の発光素子であってもよい。
基体11は、複数の発光素子12が搭載される部材と、一対の電極として機能する部材とが、それぞれ分離して配置されている。これらの基体11は、発光素子12の載置領域と、電気的接続をとる領域とを露出させるように、パッケージ部材13である遮光性部材13bによって一体的に固定されている。
遮光性部材13bは、その一部は基体11間に配置し、別の一部は基体11上に配置され、さらに別の一部は基体11の外周領域において、光半導体装置の側壁部(リフレクタ)として配置されている。さらに発光素子12を被覆するように、透光性部材13aが形成されている。
発光素子12は、載置された基体11とは別個の一対の基体11に、導電性ワイヤ15で接続させている。
このような構成によって、各発光素子からの光の干渉を緩和し、集光性等のばらつきを抑えて、高光束を維持しながら、比較的広範囲に均一な光の配向を実現する。
【0018】
(光半導体素子12)
光半導体素子は、いわゆる発光ダイオードと呼ばれる素子であることが好ましい。
例えば、基板上に、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等の窒化物半導体、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体等、種々の半導体によって、p型半導体層と、活性層と、n型半導体層とを含む積層構造が形成されたものが挙げられる。発光素子の発光波長は、半導体の材料、混晶比、活性層のInGaNのIn含有量、活性層にドープする不純物の種類を変化させるなどによって、紫外領域から赤色までの波長域で任意に変化させることができる。
【0019】
発光素子12は、活性層の成長面に対して同じ成長面側の半導体層上に正負電極の双方を有するもの、活性層の成長面に対して同じ成長面側の半導体層上と異なる面側の半導体層上に正負電極をそれぞれ対向させて有するもの、のいずれであってもよい。例えば、GaN系半導体の材料を用い、絶縁性のサファイア基板の上に、n型半導体層、活性層、p型半導体層を順に積層することにより、活性層の成長面に対して同じ成長面側の半導体層上に正負電極の双方を有する発光素子とすることができる。
また、発光素子の他の構造としては、例えば、GaN系半導体の材料を用い、支持基板(例えば、Si、CuW等)と、その支持基板の一方の主面上に形成された接合層(例えば、Au、Sn等を材料とする共晶材からなる層等)と、その接合層の上に形成されたp型半導体層と、そのp型半導体層の上に形成された活性層と、その活性層の上に形成されたn型半導体層と、n型半導体層に形成されたn側電極とを有する積層体からなる構造であってもよい。
【0020】
発光素子12は、本発明の光半導体装置に複数搭載されている。ここで、複数とは、2以上であればよいが、さらに、2以上、4以上、6以上、9以上、12以上、21以上、24以上が適している。求められる輝度に対応した輝度を確保するためである。上限は特に限定されるものではなく、例えば、200程度以下が挙げられる。
発光素子は、後述する基体の上に、ランダムに配置されていてもよいが、配向性、集光性、照度、均一性等を考慮すると、マトリクス状又はサークル状など、規則的又は周期的に配置されていることが適しており、マトリクス状に配置されていることが好ましい。ここで、マトリスク状とは、列方向の配列及び行方向の配置が二次元的に広がった状態を指し、サークル状とは、1つ又は複数の点を中心として、1つ円形配列又は大小種々の大きさの円形配列を組み合わせた状態を指す。
また、発光素子の配置の一部、例えば、内部のみマトリクス状に配置し、その外周を不規則配置してもよい。この場合、各発光素子を接合するための接合部材の傾斜を異ならせることが好ましい。具体的には、マトリクス状に配置されている部位では、発光素子が真上に向く(つまり、法線方向に光軸が一致するように配置する)ように配置し、外周の部位では、発光素子がその内側の中心部を向くように配置するなどが挙げられる。
【0021】
特に、半導体素子の配列が、光半導体装置の外周又はそれよりも内側と、明確にその載置領域が区別されるような配置とすることが好ましい。ここで、発光素子の配列において、外周に配置されるとは、発光素子の側面が光半導体装置自体の側面に直接対向するように配置されていることを意味する。また、光半導体装置の外周の一辺に最も近接して配置されていると言い換えることもできる。さらに、光半導体装置自体の重心を中心とし、その中心から放射状に延長する方向を外側と称する場合、外周に配置されている素子とは、その素子よりも外側に他の素子が配置されていない状態、つまり、最も外側に配置されている素子を指す。
例えば、図2に示すように、24個の発光素子がマトリクス状に配置されている場合には、領域Xの外側に配置されているもの(a、b、c、d、ab、bc、cd、da)は、それらよりも外側に素子が配置されていないため、外周に配置されている発光素子と称する。
一方、内側に配置されている発光素子とは、最も外側に配置されているもの以外の発光素子(e)を指し、図2における領域Xに配置されているものを、内側に配置されている素子と称する。
なお、図2の内側又は外周における配置は、その他の配列状態においても同様に適用することができる。
【0022】
基体上に配列された複数の発光素子は、そのうちの少なくとも2つの光軸が異なる方向を示すように搭載されている。通常、発光素子は、その光軸が、光半導体装置の上面、例えば、光半導体装置又は基体表面の法線方向(以下、単に「法線方向」と記載することがある)に一致するように搭載されている。
本発明の光半導体装置においては、少なくとも1つの発光素子が、上述した法線方向に一致するように搭載されている場合には、他の少なくとも1つの発光素子の光軸が、その法線方向以外の方向を向いており、好ましくは、他の少なくとも2つの素子の光軸が、それぞれ、その法線方向以外の方向を向いている。
【0023】
ここで、発光素子の光軸が法線方向と異なる方向を示すとは、図4に示したように、1つの発光素子12を基体上に固定する接合部材16が、発光素子12の一端側の高さh1aと、この一端と対向する他方端側の高さh2aとが異なるように配置されていることを意味する。なお、他方端側とは、一端から最も距離が遠い端部であってもよい。また、少なくとも2つの発光素子の光軸の方向が互いに異なるとは、図4に示すように、1つの発光素子12を固定する接合部材16を、発光素子12の一端側の高さh1a、方端側の高さh2aとし、他の発光素子12bを固定する接合部材16bを、発光素子12bの一端側の高さh1b、方端側の高さh2bとなるように配置されている場合、(h1a−h2a)≠(h1b−h2b)又は(h2a−h1a)≠(h2b−h1b)であることを意味する。従って、結果的に、1つの発光素子12の光軸A1は、基体11表面に対してαの角度を有することになり、一方、発光素子12bの光軸A2は、基体11表面に対してαの角度を有することになる。
接合部材の高さは、後述する接合部材の種類、量等によって適宜調整することができるが、例えば、1μm〜500μm程度又は2μm〜500μm程度が適しており、1μm〜100μm程度又は3μm〜100μm程度が好ましく、1〜50μm程度がより好ましく、2μm〜40μm程度がさらに好ましい。別の観点から、接合部材の高さは、発光素子の厚みの1/100〜1/5程度が適している。
なお、2つの発光素子の配置場所が、発光素子の中心線又は重心に対して線対称又は点対称で配置する場合には、理想的には、(h1a−h2a)=(h2b−h1b)≠0であり、このような一対の発光素子が複数対配置されていることが好ましい。
【0024】
発光素子の光軸の変化の程度、つまり、α及びαの角度は、光半導体装置を光出射方向から見た場合の360°の任意の方向について、90°±45°程度が適しており、90°±30°程度が好ましく、90°±10°程度がより好ましい。具体的には、85°程度が挙げられる。α及びαの角度が大きすぎると、後述するパッケージ部材又は隣接する発光素子によって光半導体装置外に取り出すべき光が遮られることがあり、これらの角度が小さすぎると、光の干渉等の緩和が実現せず、配向性又は集光性等のムラを緩和することができないからである。従って、これらの角度α及びαを実現するように、高さh1a、h2a、h1b及びh2bを設定することが必要である。
【0025】
本発明の光半導体装置においては、上述した光軸の方向性を満足する限り、3個以上、4個以上など複数の発光素子が、種々の方向に傾斜していてもよく、全ての発光素子の光軸が異なっていてもよいし、任意の数で同じ方向を示していてもよい。光軸の異なる程度は、同じであってもよいし、一部又は全てが異なっていてもよい。
【0026】
このように、発光素子の光軸が、少なくとも2つの方向に向いていることにより、複数の発光素子からの光の干渉を緩和して、各発光素子からの光の強弱等に起因する配向性、集光性等のムラを防止することができる。
【0027】
特に、光半導体装置の内側に配置する発光素子と外周に配置する発光素子との間で、光軸の方向が異なることが好ましい。光軸が外側に向いたものが内側に配置される場合に、外周に配置する発光素子の光軸と交差させないためである。例えば、内側に配置する発光素子の光軸は法線方向を向いており、外周に配置する発光素子の光軸は外周方向に向いていることが適している。
あるいは、光半導体装置の外周の一辺側に配置する少なくとも2つの発光素子の光軸が異なる方向を向いていることが好ましい。例えば、図2における配置を例に説明すると、光半導体装置の外周の一辺側(図2中、(l)側)に配置する1以上の発光素子(a、ab又はda)が所定の角度で一辺側に傾斜しており、それ以外の素子(a、ab又はda)が、一辺側に、所定の角度よりも小さい角度で傾斜しているものが挙げられる。また、図2における配置を例に説明すると、光半導体装置の外周の一辺側(図2中、(l)側)に配置する1以上の発光素子(a、ab又はda)が一辺側を向いており、それ以外の素子(a、ab又はda)が、他辺側(図2中、(u)側)を向いていてもよい。
これによって、光の干渉を緩和しつつ、配向性を広範囲に広げることができる。
【0028】
また、光半導体装置の中心線から一方側に配置する少なくとも1つの発光素子の光軸が、法線方向に対して一方側に傾斜していることが好ましい。あるいは、光半導体装置の外周の一辺側に配置する少なくとも1つの発光素子の光軸が、法線方向に対して一辺側に傾斜し、かつ、光半導体装置の外周の一辺に対向する他辺側に配置する少なくとも1つの発光素子の光軸が、法線方向に対して他辺側に傾斜していてもよい。
具体的に、図2における配置を例に説明すると、光半導体装置の中心線(例えば、2×6の発光素子に分離する線)の一方側(図2中、(l)側)に配置する1以上の発光素子(a、ab、da又はe)は、その光軸が法線に対して(l)側に傾斜していることが好ましい。あるいは、光半導体装置の外周の一辺側(図2中、(l)側)に配置する1以上の発光素子(a、ab又はda)は、その光軸が法線に対して(l)側に傾斜し、光半導体装置の外周の他辺側(図2中、(r)側)に配置する1以上の発光素子(bc、c又はcd)は、その光軸が法線に対して(r)側に傾斜する例が挙げられる。
なお、法線に対する(l)側とは、図3の平面図に示したように、法線の位置をMとすると、法線Mを含む面(破線)に対して(l)側であればよく、半円矢印で示したように、(l)側の180°方向のいずれに傾斜していてもよい。
【0029】
発光素子の光軸の方向を変更する手段、つまり、少なくとも1つの接合部材において、一端側の高さhと、他方端側の高さhとを異ならせる手段としては、種々の方法が挙げられる。
例えば、後述する基体の表面にランダムに凹凸を形成する方法、上述した発光素子を基体に固定/接続させる際に用いる接合部材(後述する)の発光素子直下における配置を変化(偏在)させる方法、接合部材の基体に対する濡れ性を変化させる方法、2種以上の接合部材を用いて、部分的に接合部材の種類を変更する方法、これらの任意の2以上を組み合わせた方法等が挙げられる。
【0030】
基体表面にランダムな凹凸とは、基体表面としては1つの面を構成する程度の微細な凹凸を意味する。例えば、凹凸の高低差は、発光素子の厚みの2分の1程度以下が適しており、5分の1程度以下が好ましい。別の観点から、これらの高低差は50μm程度以下が適しており、1μm〜20μm程度以下が好ましい。基体表面の凹凸は、例えば、部分的なエッチング、プラズマ処理等によって変化させることができる。基体表面に、発光素子の厚みを超える段差を形成する場合には、発光素子を配置する位置に応じてあらかじめ段差を形成する必要があり、製造工程を煩雑にすることとなり、現実的でない。
また、接合部材を発光素子の中央に配置することにより光軸を上面に向けることができ、一辺側に偏在させることにより、光軸が他辺側に傾斜し、右側に偏在させることにより、光軸が左側に傾斜する。
導電部材の表面に対して、部分的な表面コーティング又は電気分解等を利用して、疎水化処理することにより、接合部材に対する濡れ性が小さくなり、法線方向からの光軸の傾きを大きくすることができる。一方、導電部材の表面に対して、部分的に酸洗浄又はプラズマクリーニング等を利用して、親水化処理することにより、接合部材に対する濡れ性が大きくなり、法線方向からの光軸の傾きを略ゼロにするか又は小さくすることができる。
2種以上の接合部材を用いる場合には、例えば、接合部材の融点(リフロー温度)が異なるもの、硬化温度が異なるもの等を適宜選択することが適している。
このような方法を採用することにより、発光素子の配置を三次元的に変更することができ、光軸方向の変更の有無のみならず、大小を、任意にかつ簡便に調整することができるために、多軸方向への種々の変更が可能となる。
【0031】
発光素子12は、通常、その電極と、後述する基体11とを電気的に接続するために、金、銅、白金、アルミニウム等の金属及びそれらの合金を用いた導電性ワイヤ(図1A中15参照)が用いられる。特に、熱抵抗等に優れた金を用いるのが好ましい。なお、発光素子12は、個々に、基体11に電気的に接続されてもよいが、2以上の又は全部の発光素子12が、直列又は並列等の形態で基体11に電気的に接続されていることが好ましい。
【0032】
(接合部材16)
発光素子12は、通常、接合部材(例えば、図4中16)によって、基体11の上に固定/接続されている。接合部材16は、導電性接合部材及び絶縁性接合部材のいずれでもよい。例えば、発光素子の基板が絶縁基板である場合、具体的には、サファイア上に窒化物半導体層を積層させた発光素子の場合、接合部材は絶縁性及び導電性のいずれでもよい。半導体層の成長用基板又は半導体層を載置する支持基板(後述する)がSiC、Si、GaN基板等の導電性基板である場合は、導電性接合部材を用いることで発光素子と外部電極との導通を図ることができる。
【0033】
絶縁性接合部材としては、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物及びその変性樹脂、ハイブリッド樹脂等を用いることができる。これらの樹脂を用いる場合は、発光素子からの光や熱による劣化を考慮して、発光素子裏面にAlやAg膜等の反射率の高い金属層及び/又は誘電体反射膜を設けることが好ましい。
導電性接合部材としては、銀、金、パラジウム、Au−Sn等の導電性ペースト、Au−Sn共晶等のはんだ、低融点金属等のろう材等を用いることができる。
【0034】
(基体11)
基体11は、発光素子12を載置する及び/又は発光素子12と接続され、通電させるための一対の電極等として機能するもの又は機能し得る部材を含むものである。よって、基体11は、その一部材が、単に発光素子12が載置されるのみで通電に寄与しなくてもよいし、他の部材が、発光素子12及び/又は任意に保護素子等への通電に寄与、つまり、内外部端子として機能させるものであってもよい。
例えば、基体としては、それ自体が導電部材であり、少なくとも2つの離間した導電部材として機能させてもよいし(図1C参照)、支持体(いわゆるサブマウント)であってもよいし、例えば、セラミックスを用いた支持体は、所定の形状を形成した後、焼成を行い、形成される。支持体の上面側には、発光素子と接続される導体配線が設けられている。導体配線は、通常、例えば、蒸着又はスパッタ法とフォトリソグラフィー工程、印刷法、電解めっき等により形成されている。導体配線は、支持体内に設けられていてもよい。導体配線は、例えば、タングステンやモリブデンなど高融点金属を樹脂バインダーに含有させたペースト状の材料から形成される。スクリーン印刷などの方法により、ペースト状の材料をグリーンシートに設けたスルーホールを介して所望の形状とし、焼成することによって、セラミックスの支持体及びその表面又は内部に配置された導体配線が形成される。また、支持体は、正負一対のリード電極を導電部材として、樹脂にてインサート成形されていてもよい。このような支持体が、基体上に載置されていてもよいし、導電性の基体上に電気的に接続された支持体が載置され、この支持体の上面に発光素子が載置され、支持体導体配線と電気的に接続されていてもよい。
なお、複数の基体が、発光素子を載置又は発光素子と接続される場合には、そのグループに応じて、基体の数は任意とすることができる。この場合、導電部材の具体的なグループ形状としては、三角形、四角形などの略多角形、及び、略円形である。
【0035】
複数の発光素子を載置する基体は、発光素子が載置可能な面積以上の大きさ及び/又は外部からの電力を供給させることができる大きさを有していればよい。その形状は、例えば、上面視が略四角形、多角形、これらの形状に切り欠きを有する形状等、種々のものとすることができる。また、基体における発光素子を載置させる領域は、平坦な面であることが好ましいが、この領域を上述したような微細な凹凸、溝、孔等を有する面としてもよい。
【0036】
基体の他の少なくとも一つは、発光素子と、導電ワイヤを用いて又はバンプ等を用いて電気的に接続され、外部から電力を供給させることができる大きさ及び形状であればよい。
【0037】
複数の基体は、互いに異なる材料によって形成されていてもよいが、同じ材料によって形成されていることが好ましい。これにより、光半導体装置をより簡便に製造することができる。
例えば、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン等の金属又は合金(例えば、鉄−ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅、Au−Sn等の共晶はんだ、SnAgCu、SnAgCuIn等のはんだ等)、酸化物導電体(例えば、ITO等)等の導電部材を含んだ材料が挙げられる。これらの導電部材は、単層及び積層のいずれでもよい。
例えば、発光素子を搭載する場合、最上面(発光素子の載置面)には、発光素子からの光を反射可能又は高反射率、高光沢であるものが好ましい。具体的には可視域の反射率が70%程度以上であるものが好ましい。このために、金、銀、銅、Pt、Pd、Al、W、Mo、Ru、Rh等が適しており、なかでもAg、Ru、Rh、Pt、Pd等が好ましい。
基体自体又は基体に含まれる少なくとも導電部材の膜厚は、例えば、1μm〜2mm程度適しており、30〜1.5mm程度が好ましい。
例えば、導電性接合部材をSnAgCuやSnBiにすることで発光素子の接合温度を200〜260℃程度に低くすることができる。これにより、発光素子の傾斜角を大きく調整することが可能となる。例えば、90°にプラス7°以上の傾斜を持たせることができる。これにより、さらに高輝度及び良好な均一配光性及び高光束化を実現することができる。
【0038】
なお、基体、特に導電部材は、後述するパッケージ部材とともに光半導体装置の外形を構成するように配置されていることが好ましい。つまり、図1A〜1Cに示すように、基体11間に、後述するパッケージ部材が配置されて基体11等を固定し、その上部又は側部の外形を形成し、基体11の下面が光半導体装置の底面を形成するように配置されていることが好ましい。特に、基体における導電部材が光半導体装置の底面を形成するように配置されていることが好ましい。このような構成により、光半導体装置のより小型、軽量化を実現することができる。
【0039】
(パッケージ部材13)
光半導体装置では、通常、発光素子12と基体11とを一体的に封止する封止部材によって、所定の形状に成形されている(図1A〜1C参照)。パッケージ部材13は、発光素子12の光出射面に配置される透光性部材(図1A中、13a参照)と、基体を固定するための遮光性部材(図1A中、13b参照)とのいずれをも含む。
【0040】
(透光性部材13a)
透光性部材13aは、基体11上面において、発光素子12を被覆する。また、発光素子12の他に、例えば、受光素子、保護素子等の素子を被覆する。このように透光性部材は、これら素子、導電性ワイヤ15等の電子部品等を、塵芥、水分、外力等から保護する部材として機能する。
透光性部材としては、発光素子からの光に対して透光性で、かつ、耐光性及び絶縁性を有するものが好ましい。具体的には、シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物、アクリル樹脂組成物等、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂及びこれらの樹脂を少なくとも1種以上含むハイブリッド樹脂、ガラス、シリカゾル等の無機物等が挙げられる。
【0041】
透光性部材には、その一部又は全部に、発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する波長変換部材(蛍光体)、着色剤、光拡散剤、光反射材、各種フィラー等を含有していてもよい。
蛍光体としては、半導体発光素子からの光を、それより短波長に変換させるものでもよいが、光取り出し効率の観点から長波長に変換させるものが好ましい。
蛍光体としては、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、より具体的には、Eu賦活されたα又はβサイアロン型蛍光体、各種アルカリ土類金属窒化シリケート蛍光体、Eu等のランタノイド系の元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類のハロシリケート蛍光体、アルカリ土類金属シリケート蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸塩、アルカリ土類金属硫化物、アルカリ土類金属チオガレート、アルカリ土類金属窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等が挙げられる。
具体的な形態としては、例えば、ガラス、樹脂組成物等他の成形体に蛍光体を塗布したもの;蛍光体含有ガラス、YAG焼結体、YAGとAl、SiO、B等の焼結体、無機融液中でYAGを析出させた結晶化無機バルク体等の蛍光体含有成形体が挙げられる。
蛍光体は、1種の蛍光体を含有する単層、2種以上の蛍光体が混合された単層、2種以上の蛍光体が別々の層に含有された2層以上の積層、2種以上の蛍光物質等がそれぞれ混合された単層の2層以上の積層のいずれであってもよい。
つまり、透光性部材は、単層構造でもよいし、パッケージ部材の材料又は添加剤の種類又は量等が異なる積層構造でもよい。
【0042】
透光性部材の形状は、特に限定されるものではなく、上記素子及び電子部品を完全に被覆する形状であればよい。また、配光特性等を考慮して、例えば、板状、上面を凸状レンズ形状、凹状レンズ形状、フレネルレンズ形状等としてもよいし、別個にレンズ形状の部材を併設してもよい。
【0043】
(遮光性部材13b)
遮光性部材13bは、発光素子からの光を遮光可能な樹脂を含んでなり、基体11間及び基体13上に配置されている。このような位置に遮光性部材13bを設けることにより、発光素子12からの光が、光半導体装置の下面側から外部に漏れ出すのを防止することができ、上面方向への光の取り出し効率を向上させることができる。また、光半導体装置の下面において、導電部材をその外表面として露出させることができ、より小型化・軽量化を図りながら、発光素子から発生する熱を効果的に外部に放出することができる。
【0044】
遮光性部材を構成する樹脂は、特に限定されるものではなく、発光素子からの光が遮光可能なものであればよく、発光素子からの光を反射するものがより好ましい。また、基体又は上述した支持基板等の線膨張係数との差が小さいものが好ましい。
遮光性部材としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂を用いることができる。具体的にはエポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂等の変性シリコーン樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物等が挙げられる。これらの樹脂には、所定の機能を持たせるため、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質等、また、必要に応じて各種の添加剤を混合してもよい。
特に、特開2006−156704の段落73〜81に記載されている樹脂、例えば、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂等)が好ましく、具体的には、トリグリシジルイソシアヌレート、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルからなるエポキシ樹脂と、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸からなる酸無水物とを、エポキシ樹脂へ当量となるよう溶解混合した無色透明な混合物を含む固形状エポキシ樹脂組成物が好ましい。
【0045】
また、WO2007/015426の段落23〜52に記載されているトリアジン誘導体エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂を必須成分とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物が好ましい。
トリアジン誘導体エポキシ樹脂としては、1,3,5−トリアジン核誘導体エポキシ樹脂、特にイソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂が適している。このトリアジン誘導体エポキシ樹脂には、水素添加エポキシ樹脂や、その他のエポキシ樹脂等を併用してもよい。
【0046】
熱硬化性樹脂は、150〜190℃(樹脂を成形する際の温度)にて、粘度が5〜500Pa・sのものが適している。
これら樹脂には、充填材(フィラー)としてTiO、SiO、Al、MgO、MgCO、CaCO、Mg(OH)、Ca(OH)等の微粒子等を添加してもよい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。このような充填材を用いることにより、光の透過率を調整することができ、例えば、発光素子からの光の約60%以上を遮光するように調節することができる。
【0047】
遮光性部材に充填材を組み合わせることにより、光の透過率及び/又は反射率を調整することができるだけではなく、後述するように、樹脂の線膨張係数を調整することが可能となる。つまり、このような樹脂は、導電部材の線膨張係数との差が小さくなるような線膨張係数に制御されていることが好ましい。例えば、5〜30×10−6/℃の線膨張係数を有することが挙げられる。このような線膨張係数を選択することにより、後述する支持基板、導電部材等の種類にかかわらず、通常、当該分野で使用される材料を利用することが可能となる。
【0048】
遮光性部材が光半導体装置の底面に配置される場合には、その厚さは、例えば、基体、特に、導電部材の厚みと同等以上の厚みとすることが好ましい。光半導体装置の下面側への光の漏れを確実に防止するためである。
遮光性部材の光半導体装置における側面の高さ(基体上の高さ)は、発光素子の厚さ及びワイヤの高さ等を考慮して適宜調整することができる。
基体、特に導電部材の上面の一部において、つまり、発光素子が載置される領域以外の領域が、遮光性部材によって被覆されていてもよい。これにより、導電部材の上面での発光素子からの光の吸収を最小限に止めて、より反射しやすくすることができる。また、透光性部材からの酸素又は水分等の透過による導電部材の劣化に起因する光の吸収の増加を防止することもできる。
このように遮光性部材を成形又は配置するためには、例えば、基体を所定の金型に導入して固定し、その金型内に遮光性部材を射出する射出成形法、トランスファーモールド法、さらに、特開2010−40791号公報等に記載されている方法等を用いることができる。
【0049】
(光半導体装置)
本発明の光半導体装置は、少なくとも2つの発光素子から発光される光の光軸の方向が互いに異なる方向を示すように、複数の発光素子を接合部材を用いて基体上に搭載することにより、製造することができる。
上述した光半導体装置は、より具体的には、以下のように製造することができる。
(a)基体をパッケージ部材で固定する。
なお、この固定方法としては、例えば、特開2010−40791号公報等に記載されているような、支持基板上に、マスクを利用して所定の形状で導電部材を形成し、導電部材の間及び導電部材上の一部にパッケージ部材を成形することにより、導電部材をパッケージ部材で固定する工程等を利用してもよい。
(b)接合部材を用いて複数の発光素子を前記導電部材上に、複数の発光素子のうちの少なくとも2つの発光素子の光軸が異なる方向を示すように、具体的には、
(i)光半導体装置の内側に配置する発光素子と外周に配置する発光素子との間で、光軸の方向が異なるように、発光素子をマトリクス状に、
(ii)光半導体装置の外周の一辺側に配置する少なくとも2つの発光素子の光軸が異なる方向を示すように、発光素子をマトリクス状に、
(iii)光半導体装置の中心線に対して一方側に配置されている少なくとも1つの発光素子の光軸が、導電部材表面に対する法線に対して一方側に傾斜してなるように、発光素子をマトリクス状に、及び/又は
(iv)光半導体装置の外周の一辺側に配置する少なくとも1つの発光素子の光軸が、導電部材表面に対する法線に対して一辺側に傾斜し、かつ、光半導体装置の外周の一辺に対向する他辺側に配置する少なくとも1つの発光素子の光軸が、導電部材表面に対する法線に対して他辺側に傾斜するように、発光素子をマトリクス状に搭載し、
(c)発光素子を透光性部材によって被覆し、
(d)パッケージ部材及び導電部材を所定の位置で切断する工程を含んで製造することができる。
ここでのパッケージ部材は、上述したように、透光性部材又は遮光性部材のいずれでもよい。
【0050】
実施形態2:光半導体装置の製造方法
具体的には、図5(a)に示すように、基体11間及び基体11上に、発光素子12からの光を反射可能な遮光性部材13bを配置して、基体11をパッケージ部材13で固定する。
遮光性部材13bの形成は、遮光性の熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂に酸化チタン及び酸化シリコンのフィラーを混合したもの等)を加熱して粘度を低下させ、基体11を金型等に導入、固定して、トランスファモールド、圧縮成形、射出成形等により形成することができる。加熱温度及び加熱時間は、適宜調整することができる。
なお、基体11の側面を、図5(a)に示すように、平坦ではなく、突出部を有する形状又は湾曲を有する形状とすることにより、基体11がパッケージ部材13から脱落することを有効に防止することができる。
このような工程により、熱硬化性樹脂の特性を利用して、遮光性部材13bと強固に密着した基体11を、簡便にかつ精度よく形成することができる。
なお、基体11上において、光半導体装置の傾斜側面を構成する遮光性部材13bは、金型を用いたトランスファモールド等によって形成することができる。
この後、任意に、樹脂のバリ取りを行うことが好ましい。
また、露出している基体11の表面を洗浄するために、上述した酸洗浄(例えば、硫酸処理)等を行うことが好ましい。
【0051】
図5(b)に示すように、遮光性部材13bに囲まれた領域の基体11上に、接合部材16を介して発光素子12を載置し、接合する。
ここでの接合は、実質的には当該分野で公知の材料及び方法を利用して行うことができる。ただし、ここでの接合は、図5(b)に示すように、複数の発光素子12のうちの少なくとも2つの光軸を異なる方向に向かせるために、例えば、AuSnペーストを、直径300μm〜400μm程度に、配置場所によって適宜その量(直径)を調整して、導電部材11上に、複数(搭載する発光素子の数)塗布する。続いて、例えば、チップサイズが500×290μm程度の発光素子を、例えば、図1Aに示すように配置する。
その後、窒素雰囲気下、300℃程度の温度にて30秒間程度のリフロー加熱を行う。
このリフロー加熱によって、接合部材の量による違いによって、固定される発光素子の光軸の向きがシフトし、例えば、図4に示したように、発光素子12のうちの任意の1つにおいて、その下の接合部材16の一端側の高さh1aが2μm程度、他方端側の高さh2aが20μm程度、αaが93°程度となる。また、別の発光素子12bにおいて、その下の接合部材16の一端側の高さh1bが1μm程度、他方端側の高さh2bが30μm程度、αbが95°程度となる。
【0052】
その後、発光素子12の電極を、金からなる導電性ワイヤ15を用いて連結し、導電部材11に接続する。
【0053】
図5(c)に示すように、発光素子11及び導電性ワイヤ15を被覆するように、例えば、蛍光体を含有する透光性部材13aをトランスファモールド、ポッティング、印刷等の公知の方法によって形成する。これによって、透光性部材13a及び遮光性部材13bからなるパッケージ部材13を形成することができる。
【0054】
次いで、図5(d)に示す破線部、つまり、パッケージ部材13bを切断するような位置で切断することで個片化し、図1Aに示すような光半導体装置10を形成する。
個片化の方法としては、ブレードによるダイシング、レーザ光によるダイシング等種々の公知の方法を用いることができる。
【0055】
このような方法によって、容易かつ簡便に、個々の発光素子を任意の光軸方向に向くように、光半導体装置を形成することができ、より高輝度、高集光性及び均一配向等を実現することができる。
【0056】
実施形態3:光半導体装置の製造方法
この実施形態3の方法では、以下の工程以外は、実質的に実施形態2と同様である。
図5(b)に示すように、遮光性部材13bに囲まれた領域の基体11上に、接合部材16を介して発光素子12を載置し、接合条件を調整しながら接合する。
例えば、AuSnペースト及びSnAgCuペーストを、直径300μm〜400μm程度に、配置場所によって適宜その量(直径)を調整して、導電部材11上に、複数塗布する。続いて、チップサイズが500×290μm程度の発光素子を、図1Aに示すように配置する。その後、窒素雰囲気下、300℃程度の温度にて30秒間程度のリフロー加熱を行う。
このリフロー加熱により、接合部材の量及び種類による違いによって、固定される発光素子の光軸の向きがシフトし、図4に示したように、複数の発光素子12のうちの少なくとも2つの光軸を異なる方向に向く。
このような方法によっても、容易かつ簡便に、個々の発光素子を任意の光軸方向に向くように、光半導体装置を形成することができ、より高輝度、高集光性及び均一配向等を実現することができる。
【0057】
実施形態4:光半導体装置の製造方法
この実施形態4の方法では、図6に示すように、基体として、セラミックスからなる基体21の表面に導体配線27の一部を露出させるととともに、その内部に導体配線28を備え、さらに発光素子12が載置された領域の外周部位に、傾斜した光反射機能を有する部位(遮光性部材21a)が成形されたものを用い、さらに以下の工程以外は、実質的に実施形態2と同様である。
図6に示すように、遮光性部材21aに囲まれた領域の基体21表面の導体配線27上に、接合部材23としてAuSnペースト及びSnAgCuペーストを、直径300μm〜400μm程度に、配置場所によって適宜その量(直径)を調整して塗布し、その上に発光素子12を載置する。その後、リフロー加熱を行って、図6に示すように配置する。
このリフロー加熱により、接合部材の量及び種類による違いによって、固定される発光素子の光軸の向きがシフトし、図6に示したように、複数の発光素子12のうちの少なくとも2つの光軸を異なる方向に向く。なお、この実施形態での発光素子の傾斜各は、88〜92°の範囲に調性されていることが好ましい。
このような方法によっても、容易かつ簡便に、個々の発光素子を任意の光軸方向に向くように、光半導体装置を形成することができ、より高輝度、高集光性及び均一配向等を実現することができる。
【0058】
実施形態5:光半導体装置の製造方法
この実施形態5の方法では、図7に示すように、基体31として、正負一対のリード電極を導電部材37として、樹脂にてインサート成形され、さらに、基体31の表面の導電部材37の一部の露出した領域に発光素子載置領域を有し、その外周部位に、傾斜した光反射機能を有する部位(遮光性部材31a)が成形されたものを用い、さらに以下の工程以外は、実質的に実施形態2と同様である。
あらかじめ、導電部材37の表面の発光素子の載置が予定された領域の一部に、適当なマスクを用いてプラズマを照射して、接合部材の濡れ性を部分的に変更しておく。
その後、図7に示すように、遮光性部材31aに囲まれた領域の基体31表面の導電部材37上に、接合部材33としてAuSnペースト及びSnAgCuペーストを介して発光素子12を載置する。
その後、窒素雰囲気下、300℃程度の温度にて30秒間程度のリフロー加熱を行う。
このリフロー加熱により、接合部材の導電部材37に対する濡れ性の差異によって、固定される発光素子の光軸の向きがシフトし、図7に示したように、複数の発光素子12のうちの少なくとも2つの光軸を異なる方向に向く。なお、この実施形態での発光素子の傾斜各は、88〜92°の範囲に調性されていることが好ましい。
このような方法によっても、容易かつ簡便に、個々の発光素子を任意の光軸方向に向くように、光半導体装置を形成することができ、より高輝度、高集光性及び均一配向等を実現することができる。
【0059】
実施形態6:光半導体装置の製造方法
この実施形態6の方法では、図8に示すように、基体として、実施形態5と同様に、基体51として、正負一対のリード電極を導電部材57として、樹脂にてインサート成形され、さらに、基体31の表面の導電部材57の一部の露出した領域に発光素子載置領域を有し、その外周部位に、傾斜した光反射機能を有する部位(遮光性部材51a)が成形されたものを用い、導電部材57を、樹脂表面に沿って発光装置の底面次いでその内側に屈曲させた以外は実質的に実施形態5と同様である。
実施形態5と同様に、リフロー加熱により、接合部材の導電部材37に対する濡れ性の差異によって、固定される発光素子の光軸の向きがシフトし、図8に示したように、複数の発光素子12のうちの少なくとも2つの光軸を異なる方向に向く。なお、この実施形態での発光素子の傾斜各は、88〜92°の範囲に調性されていることが好ましい。
このような方法によっても、容易かつ簡便に、個々の発光素子を任意の光軸方向に向くように、光半導体装置を形成することができ、より高輝度、高集光性及び均一配向等を実現することができる。
【0060】
実施形態7:光半導体装置の製造方法
この実施形態7の方法では、図9に示すように、基体として、表面に導電部材47が所望の平面形状に形成されたガラスエポキシからなる基体41を用いる以外、実質的に実施形態2と同様である。
実施形態2と同様に、リフロー加熱により、接合部材の量及び種類による違いによって、固定される発光素子の光軸の向きがシフトし、図9に示したように、複数の発光素子12のうちの少なくとも2つの光軸を異なる方向に向く。なお、この実施形態での発光素子の傾斜各は、86〜94°の範囲に調性されていることが好ましい。
このような方法によっても、容易かつ簡便に、個々の発光素子を任意の光軸方向に向くように、光半導体装置を形成することができ、より高輝度、高集光性及び均一配向等を実現することができる。
【0061】
実施形態8:光半導体装置の製造方法
まず、支持基板を準備する。
支持基板は、導電部材を形成するために用いられる板状又はシート状の部材であり、光半導体装置を個片化する前に除去されるため、光半導体装置には具備されない部材である。支持基板としては、特に限定されず、導電性を有する基板であることが好ましい。例えば、SUS、鉄、銅、銀、コバール、ニッケル板等の金属板、これらに親水又は疎水化処理を行ったもの、ポリイミド等の絶縁性基板にスパッタ法及び蒸着法等によって導電膜を形成したもの、導電膜等を貼り付け可能な絶縁性基板等が挙げられる。
【0062】
支持基板は、工程の最終段階において除去するため、屈曲が容易な材料を用いることが好ましい。支持基板としてステンレスを用いる場合は、SUS302等の結晶粒界の比較的小さなSUS300番台のステンレスを用いることが適している。寸法精度が要求される場合には、線膨張係数の低いSUS400番台を使用することが適している。膜厚は、例えば、10μm〜300μm程度が挙げられる。
また、後述するパッケージ部材による成形後の反りを緩和するためにスリット、溝、波形状の加工が施されていてもよい。
【0063】
支持基板上にレジストを塗布する。このレジストの厚みによって後に形成される導電部材の厚みを調整することができる。例えば、レジストの厚みは、10〜200μm程度、例えば、100μmとすることができる。塗布したレジストを乾燥し、その上方に、互いに離間する開口部を複数有するマスク22を直接又は間接的に配置し、図中の矢印のように紫外線を照射して露光する。その後、エッチング剤で処理し、開口部を有するレジストを形成する。
【0064】
次いで、レジストの開口部内に、導電部材(つまり、基体)を形成する。ここでの導電部材は、レジストの厚みと同じか、それよりも薄い又は厚い厚みのいずれで形成してもよい。
導電部材は、鍍金によって形成することが好ましい。鍍金の材料、積層構造、条件等は、当該分野で公知の方法によって適宜調整することができる。
例えば、まず、保護膜の濡れ性の改善及び支持基板表面の活性化のために、酸性クリーナ等を用いて前処理を行い、任意に、さらに水洗、酸洗浄等を行い、支持基板上に積層めっきを行う方法が挙げられる。
ここでの酸性クリーナ、後述する酸洗浄等によって、支持基板表面をエッチング粗化、つまり、支持基板表面に凹凸等を形成することができ、めっき密着性の向上が期待できる。条件等を調節して、任意の粗さ又は高さの表面凹凸を導入することが適している。ここでの凹凸は、例えば、数μmから数十μm程度が挙げられる。凹凸は均一であってもよいし、ランダムであってもよい。
前処理は、室温〜50℃程度の範囲で行うことが好ましい。酸性クリーナは、市販品を用いることができる。酸溶液としては、希硫酸、希塩酸、希硝酸等が挙げられる。
次いで、支持基板上に鍍金を行う。この際の鍍金の材料及び積層順序等は適宜調整することができ、例えば、Au−Ni−Au−Agの順にめっきを行う。
Auは、支持基板の剥離後に電極として接合面になることから、実装の容易を考慮して形成する。膜厚は、例えば、0.1〜1.0μm程度、例えば、0.3μm程度が適している。なお、Auめっき前にストライク浴にて処理することで、密着性をコントロールすることができる。
Niめっきは、低応力・厚膜電鋳形成に優れるスルファミン酸浴を用いて形成することができる。膜厚は、例えば、5〜100μm程度、例えば、70μm程度で形成することがより好ましい。
任意にストライク浴によって、Auを形成してもよい。
Agめっきは、無光沢〜高光沢まで形成可能な浴によって、短時間で行うことが好ましい。膜厚は、2〜5μm程度、例えば、3μm程度が適している。
上記の鍍金膜以外に、例えば、Cu等の鍍金を行ってもよい。Cuは、プリント配線板向けに市販されている硫酸銅めっき浴を用いて鍍金することができる。支持基板の表面状態に左右されずレベリング剤効果により平坦で光沢ある表面形成できる。膜厚は、30〜100μm程度が適している。
めっき後に、支持基板及びめっき膜を水洗することが好ましく、支持基板及びめっき膜を乾燥してもよい。
【0065】
導電部材11は、鍍金のみならず、蒸着、スパッタ法によって形成してもよい。また、上記めっきを組み合わせて積層してもよい。
【0066】
続いて、レジストを、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液によって洗浄して除去する。これにより、互いに離間する導電部材11を形成する。
【0067】
次いで、任意に、導電部材の側面を湾曲又は突出部を有するように加工する。この際の加工は、当該分野で公知の方法、例えば、異方性ドライエッチング、ウェットエッチング等を用いて行うことができる。なかでも、積層構造の鍍金のうちの一部のみをエッチングし得るエッチャントを用いたウェットエッチングを行うことが好ましい。
このウェットエッチングのエッチャント、エッチング条件等は、鍍金の材料等によって適宜調整することができる。特に、浸漬処理、スプレー等が有利である。
例えば、エッチャントとして、過硫酸塩又は過酸化水素と無機酸、塩化鉄又は塩化銅と無機酸、アンモニア銅錯塩とアンモニウム塩等からなるエッチング液を用いることができる。エッチングの処理の条件は、過硫酸塩又は過酸化水素と無機酸では25〜35℃で5〜20分、塩化鉄又は塩化銅と無機酸では40〜50℃で3〜20分、アンモニア銅錯塩とアンモニウム塩では25〜50℃で10〜50分などである。
【0068】
その後、実施形態2と同様の方法により、得られた導電部材間又はその上に、パッケージ部材13を形成し、その後、実施形態2と同様の工程を行い、光半導体装置を得る。
なお、ステンレス製の支持基板は、例えば、図5(c)の工程の前後等に剥離除去することが適している。
【0069】
このように、支持基板を用いて導電部材を形成し、その後、導電部材の側面を加工するという簡便な方法を用いることにより、極薄膜状の導電部材と封止樹脂とを強固に密着させることができる。これによって、より小型化・軽量化した精度の高い光半導体装置を、歩留まりよく製造することができる。
また、このような方法により得られた導電部材は、その表面において、上述した支持基板の表面処理に起因する凹凸が転写されていることから、その上に載置する個々の発光素子の光軸方向を変化させることができる。その結果、配向性及び集光性が良好で、光の干渉及びムラのない光半導体装置を得ることができる。
また、支持基板を用いて導電部材を形成し、その後、支持基板を除去するという一連の工程によって光半導体装置を製造する場合には、従来のようなリードフレームを用いたり、リードとして、水平方向からリードを突出させたり、屈曲させたりする構成のリード形状に加工したりするものと比較して、飛躍的に歩留まりを向上させることができる。つまり、通常、1単位の光半導体装置を製造するためのリードとして、突出及び/又は屈曲させる長さを確保して、リード上に発光素子が配置されるが、本発明では、光半導体装置の製造の初期段階から、1単位の光半導体装置が占有する面積を、上述した突出及び/又は屈曲等の長さを確保することなく、最小限に設定することができる。そのため、1つの所定の大きさの支持基板での光半導体装置の製造数を飛躍的に増大させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の光半導体装置の製造方法は、小型で軽量であって、且つ、光取り出し効率の高い光半導体装置や、コントラストに優れた光半導体装置を容易に得ることができる。これらの光半導体装置は、各種表示装置、照明器具、ディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライト光源、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ、コピー機、スキャナ等における画像読取装置、プロジェクタ装置等の種々の装置に広範に利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
10 光半導体装置
11、21、31、41、51 基体(導電部材)
12、12b 発光素子(光半導体素子)
13 パッケージ部材
13a 透光性部材
13b、21a、31a、51a 遮光性部材
15 導電性ワイヤ
16、23、33、43、53 接合部材
27、28 導体配線
37、47、57 導電部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体上に離間して配置された複数の接合部材と、
前記接合部材上に載置された複数の光半導体素子とを備える光半導体装置であって、
少なくとも1つの接合部材において、光半導体素子の一端側の高さhと、該一端と対向する他方端側の高さhとで異なり、かつ
少なくとも2つの光半導体素子から発光される光の光軸の方向が互いに異なることを特徴とする光半導体装置。
【請求項2】
基体と、
前記基体上に離間して配置された複数の接合部材と、
前記接合部材上に載置された複数の光半導体素子とを備える光半導体装置であって、
前記光半導体素子が、前記基板の同一面上に載置され、かつ少なくとも2つの光半導体素子から発光される光の光軸の方向が互いに異なることを特徴とする光半導体装置。
【請求項3】
光半導体素子がマトリクス状に搭載されており、光半導体装置の内側に配置する光半導体素子と外周に配置する光半導体素子との間で、光軸の方向が互いに異なる請求項1又は2に記載の光半導体装置。
【請求項4】
光半導体素子がマトリクス状に搭載されており、光半導体装置の外周の一辺側に配置する少なくとも2つの光半導体素子の光軸の方向が互いに異なる請求項1から3のいずれか1つに記載の光半導体装置。
【請求項5】
光半導体素子がマトリクス状に搭載されており、光半導体装置の中心線に対して一方側に配置されている少なくとも1つの光半導体素子の光軸が、前記基体表面に対する法線に対して一方側に傾斜してなる請求項1から4のいずれか1つに記載の光半導体装置。
【請求項6】
光半導体素子がマトリクス状に搭載されており、光半導体装置の外周の一辺側に配置する少なくとも1つの光半導体素子の光軸が、基体表面に対する法線に対して一辺側に傾斜し、かつ、光半導体装置の外周の一辺に対向する他辺側に配置する少なくとも1つの光半導体素子の光軸が、基体表面に対する法線に対して他辺側に傾斜してなる請求項1から5のいずれか1つに記載の光半導体装置。
【請求項7】
前記基体が、表面に導電部材を備え、前記光半導体素子が前記導電部材に接合部材によって固定されている請求項1から6のいずれか1つに記載の光半導体装置。
【請求項8】
さらに、光半導体素子を封止する封止部材を備える請求項1から7のいずれか1つに記載の光半導体装置。
【請求項9】
少なくとも2つの光半導体素子から発光される光の光軸の方向が互いに異なる方向を示すように、前記複数の光半導体素子を接合部材を用いて基体上に固定することを特徴とする光半導体装置の製造方法。
【請求項10】
少なくとも1つの接合部材を、光半導体素子の一端側の高さhと、該一端と対向する他方端側の高さhとで異なるように配置して、光軸の方向を互いに異ならせる請求項9に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項11】
光半導体素子を前記基板の同一面上に載置する請求項9又は10に記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項12】
2つの光半導体素子の光軸を異ならせる方法を、光半導体素子直下の接合部材の配置又は量を変化させる方法、接合部材の導電部材に対する濡れ性を変化させる方法、2種以上の接合部材を用いて、部分的に接合部材の種類を変更する方法又はこれらを組み合わせた方法からなる群から選択される方法である請求項9から11のいずれか1つに記載の光半導体装置の製造方法。
【請求項13】
(a)基体をパッケージ部材で固定し、
(b)接合部材を用いて複数の光半導体素子を前記基体上に、複数の光半導体素子のうちの少なくとも2つの光半導体素子の光軸が異なる方向を示すように固定し、
(c)光半導体素子を透光性部材によって被覆し、
(d)パッケージ部材及び基体を所定の位置で切断する工程を含む光半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−9723(P2012−9723A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145811(P2010−145811)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】