説明

光半導体装置用粘着フィルム、光半導体装置用粘着フィルムシート、及び光半導体装置の製造方法

【課題】 本発明は、光半導体装置を効率よく製造でき、特にLED、LDをはじめとした光半導体素子を光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、光半導体装置の製造の生産性を高めることができる光半導体装置用粘着フィルム、光半導体装置用粘着フィルムシート、及び光半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を基材シート上からピックアップし、前記光半導体素子を光半導体装置内の素子取付部に搭載した後、前記光半導体素子を前記素子取付部に硬化せずに固定するために用いる光半導体装置用粘着フィルムであって、
フィルム状に成形されており、前記基材シート上に配置されており、前記基材シートから剥離できるものであることを特徴とする光半導体装置用粘着フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置用粘着フィルム、光半導体装置用粘着フィルムシート及びそれを用いた光半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光半導体装置の製造においては、光半導体素子を素子取付部に接着するための液状、ペースト状の硬化性接着剤(ダイボンド剤ともいう)と、光半導体素子を上から封止等する硬化性接着剤とが用いられてきた。青色LED(ライトエミッションダイオード)素子や、青色波長以下の発光波長を有するLED素子からの発光により波長変換を行うことで白色光を発するLED素子を有する光半導体装置の製造においては、光半導体素子を上から封止等する硬化性接着剤として液状、ペースト状のシリコーン系接着剤が用いられてきた。
【0003】
また、ダイボンド剤にも液状、ペースト状のシリコーン系のものが用いられており、シリコーン系ダイボンド剤は一般に内部応力が小さく、接着性に優れ、しかも光透過性に優れている(特許文献1、特許文献2)。具体的には、特許文献1ではエポキシ・シリコーン混成樹脂組成物をポッティングし、180℃で1時間硬化することで発光半導体装置を作製しており、また、特許文献2ではエポキシ・シリコーン混成樹脂組成物を底部に発光素子を配置させたカップ、キャビティ、パッケージ凹部等にディスペンサーその他の方法にて注入して加熱等により硬化させることで接着、封止している。
【0004】
このような、液状、ペースト状のシリコーン系ダイボンド剤の塗布方法としては、一般的にはスタンピングにより塗布する方法が用いられている。以下、ダイボンド剤をスタンピングすることにより光半導体装置を製造する方法について図3(B)を用いて説明する。まず、LED素子等の光半導体素子13’は1枚のウエーハ12’からダイサー11’により大量に切り出され(工程1’)、採取されるが、発光波長のばらつきが大きいため光半導体素子13’の1つ1つの発光波長を測定し、発光波長ごとに層別するソーティングという作業が行われる(工程2’)。次に、各層にソーティングされた光半導体素子13’は層ごとに1枚のシート21にまとめて貼り付けられる(工程3’)。その後、選択した発光波長層を有する光半導体素子13’が貼り付けられたシート21から光半導体素子13’を1個ずつ取り出すピックアップという作業を行う(工程4−1’)と同時に、別に配置された光半導体装置14’内の素子取付部15’に液状、ペースト状のダイボンド剤22をスタンピングにより塗布し(工程4−2’)、ピックアップした光半導体素子13’を素子取付部15’に置くという作業が行われ、加熱などによりダイボンド剤22が硬化され、光半導体素子13’と光半導体装置14’内の素子取付部15’が硬化接着させられる(工程5’)。
【0005】
しかし、上記光半導体装置の製造方法では、光半導体装置の素子取付部の一つ一つにダイボンド剤をスタンピングする必要があるため、時間がかかるという問題があった。この問題は液状、ペースト状のダイボンド剤を塗布等して使用する以上回避できない問題となっていた。その為、高効率生産性、生産コストダウンの観点から液状、ペースト状のダイボンド剤に代わるものが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4479883号公報
【特許文献2】特開平2004−266134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、光半導体装置を効率よく製造でき、特にライトエミッションダイオード(以下LEDという)、レーザーダイオード(以下LDという)をはじめとした光半導体素子(ダイ、ダイスまたはチップともいう)を光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、光半導体装置の製造の生産性を高めることができる光半導体装置用粘着フィルム、光半導体装置用粘着フィルムシート、及び光半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明では、ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を基材シート上からピックアップし、前記光半導体素子を光半導体装置内の素子取付部に搭載した後、前記光半導体素子を前記素子取付部に硬化せずに固定するために用いる光半導体装置用粘着フィルムであって、フィルム状に成形されており、前記基材シート上に配置されており、前記基材シートから剥離できるものであることを特徴とする光半導体装置用粘着フィルムを提供する。
【0009】
このように、上記光半導体装置用粘着フィルムであれば、フィルム状に成形されているものであり、基材シート上に配置されているものであるためソーティングされた光半導体素子に光半導体装置用粘着フィルムを貼り付けることができ、さらに基材シートから剥離できるためピックアップ時に光半導体素子と光半導体装置用粘着フィルムは共に一体となって剥離しピックアップされ、そのまま素子取付部に搭載され、光半導体装置用粘着フィルムを介して硬化せずに固定されることができる。この後に電気配線を行うことも可能であり、その後に行う封止剤による封止により、光半導体素子は確実に固定されるため、光半導体装置は充分な性能を発揮、維持することが可能である。そのため、前記素子取付部へのダイボンド剤のスタンピングが不要となり、光半導体装置を効率よく製造でき、特に、光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、また、ダイボンド剤を硬化して接着する作業が不要となり、さらに光半導体装置を効率よく製造できる光半導体装置用粘着フィルムとなる。
【0010】
また、前記光半導体素子の前記素子取付部に対する固定面の51%以上225%以下の面積を有する光半導体装置用粘着フィルムであることが好ましい。
【0011】
このように、前記光半導体素子の前記素子取付部に対する固定面の51%以上225%以下の面積を有する光半導体装置用粘着フィルムであれば、充分な固定強度を得ることができ、また素子取付部を不必要に覆うことを回避できる。
【0012】
さらに、JIS Z 3284に準拠した粘着強度が60kN/m以上300kN/m以下の光半導体装置用粘着フィルムであることが好ましい。
【0013】
このように、JIS Z 3284に準拠した粘着強度が60kN/m以上300kN/m以下の光半導体装置用粘着フィルムであれば、光半導体素子を基材シート上からピックアップする際に、光半導体素子と光半導体装置用粘着フィルムとが剥がれにくいため共に一体となってピックアップしやすく、また、ピックアップの際に光半導体装置用粘着フィルムが基材シートから剥離しやすいため、光半導体素子と光半導体装置用粘着フィルムとが共に一体となってピックアップされやすいものとなる。
【0014】
また、シリコーン組成物を51質量%以上含有する光半導体装置用粘着フィルムであることが好ましい。
【0015】
このように、光透過性に優れるシリコーン組成物を51質量%以上含有する光半導体装置用粘着フィルムであれば、該光半導体装置用粘着フィルムを用いて製造された光半導体装置が、光半導体素子からの光の取り出し効率の良好な光半導体装置となる。
【0016】
また、本発明では、前記基材シート上に、複数個の前記光半導体装置用粘着フィルムを配置したものであることを特徴とする光半導体装置用粘着フィルムシートを提供する。
【0017】
このように、上記光半導体装置用粘着フィルムシートであれば、基材シート上に複数個の光半導体装置用粘着フィルムが配置したものであるため、一枚の光半導体装置用粘着フィルムシート上に複数の光半導体素子を貼り付けることができる。さらに、ピックアップ時に光半導体素子と光半導体装置用粘着フィルムは共に一体となって剥離しピックアップされ、そのまま素子取付部に搭載され、光半導体装置用粘着フィルムを介して硬化せずに固定されることができるものとなる。そのため、前記素子取付部へのダイボンド剤のスタンピングが不要となり、光半導体装置を効率よく製造でき、特に、複数の光半導体素子を同時に光半導体装置の素子取付部に固定することも可能で、一層作業を効率よく行うことができ、また、ダイボンド剤を硬化して接着する作業が不要となり、さらに光半導体装置を効率よく製造できる光半導体装置用粘着フィルムシートとなる。
【0018】
また、本発明では、ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を光半導体装置内の素子取付部に固定させて光半導体装置を製造する方法であって、前記ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を基材シート上に配置されたフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムに貼り付ける貼り付け工程、前記貼り付けられた光半導体素子を前記フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムと共に前記基材シート上から剥離してピックアップするピックアップ工程、及び前記ピックアップされた光半導体素子を前記フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムが前記素子取付部と固定するように搭載し、前記光半導体装置用粘着フィルムは硬化しない固定工程を行い、その後、電気配線を行い、封止剤にて封止することを特徴とする光半導体装置の製造方法を提供する。
【0019】
このように、上記光半導体装置の製造方法であれば、貼り付け工程において光半導体素子の素子取付部に固定される面にフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムが貼り付けられることができ、ピックアップ工程において光半導体素子と光半導体装置用粘着フィルムは共に一体となって剥離してピックアップされることができ、固定工程においてピックアップされた光半導体素子がそのまま素子取付部に搭載され、光半導体装置用粘着フィルムを硬化しないで固定することができる。そのため、前記素子取付部へのダイボンド剤のスタンピングが不要となり、光半導体装置を効率よく製造でき、特に、光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、また、ダイボンド剤を硬化して接着する作業が不要となり、さらに光半導体装置を効率よく製造できる光半導体装置の製造方法となる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、光半導体装置を効率よく製造でき、特に光半導体素子を光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、ダイボンド剤を素子取付部にスタンピングする時間、ダイボンド剤を硬化して接着する作業を削減することができる光半導体装置用粘着フィルム、光半導体装置用粘着フィルムシート、及び光半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の光半導体装置用粘着フィルムシートの上面図である。
【図2】本発明の光半導体装置用粘着フィルムシートの側面図である。
【図3】(A)本発明の光半導体装置用粘着フィルムを用いた光半導体装置の製造フローと、(B)従来の光半導体装置の製造フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の光半導体装置用粘着フィルム、光半導体装置用粘着フィルムシート、及び光半導体装置の製造方法について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前述のように、高効率生産性、生産コストダウンの観点から液状、ペースト状のダイボンド剤に代わる光半導体装置の粘着方法が望まれていた。
【0023】
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を基材シート上からピックアップし、前記光半導体素子を光半導体装置内の素子取付部に搭載した後、前記光半導体素子を前記素子取付部に硬化せずに固定するために用いる光半導体装置用粘着フィルムであって、フィルム状に成形されており、前記基材シート上に配置されており、前記基材シートから剥離できるものであることを特徴とする光半導体装置用粘着フィルムであれば、LED装置をはじめとした光半導体素子を有する光半導体装置の製造を効率よく行うことができ、特に光半導体素子を光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、ダイボンド剤を素子取付部にスタンピングする時間を削減することができ、また、ダイボンド剤を硬化して接着する作業を不要とすることができる光半導体装置用粘着フィルムとなることを見出し、本発明を完成させた。
【0024】
また、本発明者らは、ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を光半導体装置内の素子取付部に固定させて光半導体装置を製造する方法であって、前記ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を基材シート上に配置されたフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムに貼り付ける貼り付け工程、前記貼り付けられた光半導体素子を前記フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムと共に一体として前記基材シート上から剥離してピックアップするピックアップ工程、及び前記ピックアップされた光半導体素子を前記フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムが前記素子取付部と固定するように搭載し、前記光半導体装置用粘着フィルムは硬化しない固定工程を行い、その後、電気配線を行い、封止剤にて封止することを特徴とする光半導体装置の製造方法であれば、LED装置をはじめとした光半導体素子を有する光半導体装置の製造を効率よく行うことができ、特に光半導体素子を光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、ダイボンド剤を素子取付部にスタンピングする時間を削減することができ、また、ダイボンド剤を硬化して接着する作業が不要となり、さらに光半導体装置を効率よく製造できる光半導体装置の製造方法となることを見出し、本発明を完成させた。
【0025】
本発明は、ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を基材シート上からピックアップし、前記光半導体素子を光半導体装置内の素子取付部に搭載した後、前記光半導体素子を前記素子取付部に硬化せずに固定するために用いる光半導体装置用粘着フィルムであって、フィルム状に成形されており、前記基材シート上に配置されており、前記基材シートから剥離できるものであることを特徴とする光半導体装置用粘着フィルムを提供する。
【0026】
[光半導体素子]
本発明に係る光半導体素子は、ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子であり、一般的に光半導体素子として扱われているものであれば特に制限されず、LED、LDを例示することができる。このような光半導体素子は、特有の問題として、一般に光量や発光波長等のばらつきが大きい。そのため、光半導体装置に固着される前に発光波長等ごとに層別するソーティング作業が行われる。ソーティングは一つ一つの光半導体素子の発光波長を測定して行うため、ソーティングされた後の光半導体素子は、通常、シートなどに層ごとに貼り付けておく必要がある。その点、本発明においては光半導体素子は、ウエーハから切り出されソーティングされた後、素子取付部に固定される面に本発明の光半導体装置用粘着フィルムが貼り付けられるものであり、光半導体装置内の素子取付部に搭載された後、本発明の光半導体装置用粘着フィルムにより前記素子取付部に硬化せずに固定されるものである。従って、ソーティングされた光半導体素子が基材シート上の光半導体装置用粘着フィルムに貼り付けられる工程において、ソーティングされた光半導体素子を層ごとに貼り付けておくことと、光半導体装置用粘着フィルムを光半導体素子に圧着し貼り付けることが同時に達せられることとなる。
【0027】
[基材シート]
本発明に係る基材シートは、その上に本発明の光半導体装置用粘着フィルムが配置されるものであり、かつ本発明の光半導体装置用粘着フィルムがその上から剥離できるものであれば特に制限はされない。このような基材シートとしては、例えばPETフィルム上に離型剤がコートされたPETセパレーターを使用することができる。前記ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子は、前記基材シート上に配置された光半導体装置用粘着フィルムに貼り付けられ、前記基材シート上からピックアップされ、光半導体装置内の素子取付部に搭載される。この際に、前記基材シートは、本発明の光半導体装置用粘着フィルムが剥離できるものであるため、光半導体装置用粘着フィルムはピックアップされた光半導体素子と共に一体となって基材シート上から剥離してピックアップされる。
【0028】
[光半導体装置内の素子取付部]
本発明の光半導体装置内の素子取付部は、前記光半導体素子が搭載される部分である。
【0029】
[光半導体装置用粘着フィルム]
本発明の光半導体装置用粘着フィルムは、硬化せずに、前記光半導体素子を前記光半導体装置内の素子取付部に固定するために用いる光半導体装置用粘着フィルムであって、フィルム状に成形されており、前記基材シート上に配置されており、前記基材シートから剥離できるものである。そのため、まず、前記ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子は、前記基材シート上に配置されフィルム状に成形された光半導体装置用粘着フィルムに貼り付けられる(貼り付け工程)。さらに、光半導体装置用粘着フィルムはピックアップされた光半導体素子と共に一体となって基材シート上から剥離してピックアップされる(ピックアップ工程)。その後、光半導体素子が素子取付部に搭載され、固定される工程において、本発明の光半導体装置用粘着フィルムを介して前記光半導体素子が素子取付部に搭載され、光半導体装置用粘着フィルムを硬化しないで固定される(固定工程)。これにより、本発明の光半導体装置用粘着フィルムによれば、前記素子取付部にダイボンド剤をスタンピングせずに前記光半導体素子を固定でき、光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、また、ダイボンド剤を硬化して接着する作業を不要とすることができ、光半導体装置の製造の生産性を高めることができる。
【0030】
・フィルム状の光半導体装置用粘着フィルム
本発明の光半導体装置用粘着フィルムは、フィルム状に成形されているものである。そのため、基材シート上に成形しやすく、また剥離しやすい。その上、前記光半導体素子には均一な形状、面積及び厚みの光半導体装置用粘着フィルムが貼り付けられることができるため、固定後の光半導体装置の品質は一定のものに保たれる。
【0031】
本発明の光半導体装置用粘着フィルムは、フィルム状に成形されており、その面積は前記光半導体素子の前記素子取付部に対する固定面の51%以上225%以下の面積であることが好ましく、より好ましくは71%以上200%以下の面積である。フィルム面積が51%以上であれば、充分な固定強度を得ることができるため好ましく、225%以下であれば、素子取付部を不必要に覆うことを回避できるため好ましい。
【0032】
また、本発明の光半導体装置用粘着フィルムは、フィルム状に成形されており、その厚さは1μm以上150μm以下の範囲が好ましく、特に3μm以上100μm以下であることが好ましい。厚さが1μm以上であれば、電気配線を作製するときに充分な固定強度を得ることができるため好ましく、150μm以下であれば、光半導体素子が固定された光半導体装置が厚くなりすぎること等を回避できるため好ましい。
【0033】
・前記基材シート上に配置された光半導体装置用粘着フィルム
本発明の光半導体装置用粘着フィルムは、前記基材シート上に配置されているものである。そのため、ウエーハから切り出された後、光量や発光波長等に応じてソーティングされた光半導体素子は、層ごとに基材シート上に配置された光半導体装置用粘着フィルムに個々貼り付けられることができる。
【0034】
・前記基材シートから剥離できる光半導体装置用粘着フィルム
本発明の光半導体装置用粘着フィルムは、前記基材シートから剥離できるものである。そのため、光半導体装置用粘着フィルムはピックアップされた光半導体素子と共に一体となって基材シート上から剥離してピックアップされる。その後、固定工程において、本発明の光半導体装置用粘着フィルムを介して前記光半導体素子が素子取付部に搭載され、光半導体装置用粘着フィルムを硬化しないで固定される。以上により、本発明の光半導体装置用粘着フィルムによれば、前記素子取付部にダイボンド剤をスタンピングせずに前記光半導体素子を固定でき、光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、また、ダイボンド剤を硬化して接着する作業が不要となり、さらに光半導体装置を効率よく製造でき、光半導体装置の製造の生産性を高めることができる。
【0035】
本発明の光半導体装置用粘着フィルムは、前記基材シートから剥離できるものであり、JIS Z 3284に準拠した粘着強度が60kN/m以上300kN/m以下であることが好ましく、70kN/m以上300kN/m以下であることがより好ましい。この粘着強度はJIS Z 3284「ソルダーペースト」の粘着性試験における粘着強度である。60kN/m以上であれば、基材シート上からのピックアップの際に光半導体素子とフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムとが共に一体となってピックアップされやすいため好ましく、また、300kN/m以下であれば、ピックアップの際に光半導体装置用粘着フィルムが基材シートから剥離しやすいため好ましい。
【0036】
その他、本発明の光半導体装置用粘着フィルムはシリコーン組成物を51質量%以上含有するものであることが好ましい。シリコーン組成物を51質量%以上含有することで、光半導体装置用粘着フィルムを用いて光半導体素子が固定された光半導体装置は、光の取り出し効率の良好な光半導体装置となる。
【0037】
上記のような光半導体装置用粘着フィルムとしては、特に制限されないがシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、合成ゴム系樹脂などが例示される。また、これらの樹脂に酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミニウム、ベンガラ、粘土鉱物などの熱伝導性付与剤や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムなどの光を反射する白色剤や、必要に応じて耐熱剤、酸化防止剤、光劣化防止剤、シランカップリング剤、変性剤、可塑剤、希釈剤などを含んでも良い。
【0038】
[光半導体装置用粘着フィルムシート]
また、本発明は前記基材シート上に、複数個の前記光半導体装置用粘着フィルムを配置したものであることを特徴とする光半導体装置用粘着フィルムシートを提供する。図1に、本発明の光半導体装置用粘着フィルムシートの上面図を例示し、図2に側面図を例示する。このように、本発明の光半導体装置用粘着フィルムシート3は基材シート2上に、複数個のフィルム状の前記光半導体装置用粘着フィルム1を配置したものである。
【0039】
ウエーハから切り出されソーティングされた前記光半導体素子は、光半導体装置用粘着フィルムシートの複数個の光半導体装置用粘着フィルムに個々貼り付けられる(貼り付け工程)。よって、一枚の光半導体装置用粘着フィルムシート上に複数の光半導体素子が貼り付けられることとなる。さらに、光半導体素子のピックアップ時において、光半導体装置用粘着フィルムは光半導体素子と共に一体となって基材シート上から剥離してピックアップされる(ピックアップ工程)。その後、光半導体素子が素子取付部に搭載され、固定される工程において、本発明の光半導体装置用粘着フィルムを介して前記光半導体素子が素子取付部に搭載され、光半導体装置用粘着フィルムは硬化しないで固定される(固定工程)。これにより、本発明の光半導体装置用粘着フィルムシートによれば、前記素子取付部にダイボンド剤をスタンピングしたり、硬化接着したりせずに前記光半導体素子を固定でき、光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、また、ダイボンド剤を硬化して接着する作業が不要となり、光半導体装置の製造の生産性を高めることができる。
【0040】
また、この際、ウエーハから切り出された後、光半導体素子を光量や発光波長等に応じてソーティング(層別)したときに、特定の層を有する光半導体素子を同一の光半導体装置用粘着フィルムシートに貼り付け、特定の層と異なる層を有する光半導体素子を異なる光半導体装置用粘着フィルムシートに貼り付ける使用形態とすることもできる。結果、層ごとの光半導体素子が貼り付けられた光半導体装置用粘着フィルムシートができる。これにより、特定の層の光半導体素子が接着された光半導体装置用粘着フィルムシートをそのままダイボンダーに設置して、特定の層を有する光半導体素子をまとめて素子取付部にダイボンドすることができる。このような使用形態であれば、生産性の観点から好ましい。
【0041】
[光半導体装置用粘着フィルムシートの製造方法]
さらに、前記基材シート上に、スクリーン印刷により前記複数個の光半導体装置用粘着フィルムを配置することで前記光半導体装置用粘着フィルムシートを製造することができる。これにより、光半導体装置用粘着フィルムシートの製造のハイスループット化が可能となり、また素子取付部に固定される光半導体素子の固定面積に合わせて適当なパターンのスクリーン版を用いることで均一な形状、面積及び厚さを有するフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムを成形することができる。
【0042】
[光半導体装置の製造方法]
また、本発明は、ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を光半導体装置内の素子取付部に固定させて光半導体装置を製造する方法であって、前記ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を基材シート上に配置されたフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムに貼り付ける貼り付け工程、前記貼り付けられた光半導体素子を前記フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムと共に前記基材シート上から剥離してピックアップするピックアップ工程、及び前記ピックアップされた光半導体素子を前記フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムが前記素子取付部と固定するように搭載し、光半導体装置用粘着フィルムを硬化しない固定工程を行い、その後、電気配線を行い、封止材にて封止することを特徴とする光半導体装置の製造方法を提供する。
【0043】
上記本発明の光半導体装置の製造方法の一実施態様について、図3(A)を用いて説明する。図3(A)には、本発明の光半導体装置の製造方法のフロー図が示してある。まず、LED素子等の光半導体素子13がダイサー11によりウエーハ12から切り出される(工程1)。切り出された光半導体素子13は光量や発光波長等のばらつきが大きいため発光波長などを測定し、ソーティングされる(工程2)。この際、ソーティング(層別)したときに、特定の層を有する光半導体素子を同一の光半導体装置用粘着フィルムシートに貼り付け、特定の層と異なる層を有する光半導体素子を異なる光半導体装置用粘着フィルムシートに貼り付けることもできる。その場合は続く工程において、特定の層の光半導体素子が接着された光半導体装置用粘着フィルムシートをそのままダイボンダーに設置して、特定の層を有する光半導体素子をまとめて素子取付部にダイボンドすることができるため好ましい。
【0044】
(貼り付け工程)
各層にソーティングされた光半導体素子13は、層ごとに基材シート2上に配置されたフィルム状の光半導体装置用粘着フィルム1に貼り付けられる貼り付け工程(工程3)がされる。この貼り付け工程により、ソーティングされた光半導体素子を一時貼り付けておくことと、光半導体素子に本発明の光半導体装置用粘着フィルムを圧着し貼り付けることが同時に達せられることとなる。
【0045】
(ピックアップ工程)
続いて、選択した発光波長層の光半導体装置用粘着フィルムシート3において、前記貼り付けられた光半導体素子13を前記フィルム状の光半導体装置用粘着フィルム1と共に前記基材シート2上から剥離してピックアップするピックアップ工程(工程4)をし、これによりフィルム状の光半導体装置用粘着フィルム1が貼りついた光半導体素子13がピックアップされる。
【0046】
(固定工程)
前記ピックアップされた光半導体素子13を前記フィルム状の光半導体装置用粘着フィルム1が光半導体装置14の素子取付部15と固定するように搭載し、光半導体装置用粘着フィルムは硬化しない固定工程(工程5)を行う。これにより、ダイボンド剤をスタンピングすることなく、光半導体素子を光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、また、ダイボンド剤を硬化して接着する作業が不要となり、光半導体装置の製造の生産性を高めることができる光半導体装置の製造方法となる。
【0047】
固定工程後、電気配線を行い、封止剤にて封止することで光半導体装置を製造することができる。
【実施例】
【0048】
以下、本発明の光半導体装置用粘着フィルム、光半導体装置用粘着フィルムシート及び光半導体装置の製造方法の実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
[光半導体装置用粘着フィルム、光半導体装置用粘着フィルムシート及びその製造方法]
(実施例1)
粘着剤として粘着シリコーンゴム組成物であるX−34−632T(信越化学工業株式会社製)、基材シートとしてPETセパレーター、FL2−01、38μm(株式会社タカラインコーポレーション製)、スクリーン版として1mm×1mmの四角開口部が10個並んだ行を10行、合計100個の開口部を間隔0.5mmで規則的に配列したスクリーン版、スクリーン印刷機としてミノグループ製のスクリーン印刷機を用いた。
【0050】
これらを用い、スキージ角度70°、スキージ速度300mm/sec、クリアランス量1mmにて、基材シート上にスクリーン印刷により100個の粘着剤を配置した。その後、120℃の熱風循環式オーブン中でPETセパレーターごと印刷された粘着剤を120秒間乾燥することにより、PETセパレーター上に光半導体装置用粘着フィルムが配置された光半導体装置用粘着フィルムシートを得た。この光半導体装置用粘着フィルムは1mm×1mm(実施例において固定される光半導体素子との面積割合100%)の四角形状で厚さ10μmであった。
【0051】
上記実施例1のようにして製造された光半導体装置用粘着フィルムシートは、複数個の光半導体装置用粘着フィルムを配置したものとなる。また、基材シート上の光半導体装置用粘着フィルムは、フィルム状に成形されており、前記基材シート上に配置されており、前記基材シートから剥離できるものとなる。
【0052】
(実施例2)
また、使用するスクリーン版の四角開口部を100mm×100mmとした以外は実施例1と同様にして、厚さ10μmのフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムが配置された光半導体装置用粘着フィルムシートを得た。続いて、以下の方法で基材シート上の光半導体装置用粘着フィルムの粘着強度の評価を行った。
【0053】
[粘着強度の評価]
実施例2で得られた光半導体装置用粘着フィルムシートのフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムを用いて、タッキネステスター(株式会社マルコム製)にて評価した。評価方法は定圧浸入方式(JIS規格準拠)にて行った。結果、粘着強度は60kN/mであった。
【0054】
以下、前記実施例1と同様にして、スクリーン版の四角開口部の大きさ(光半導体素子との面積割合)だけを変化させて、フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムが配置された光半導体装置用粘着フィルムシートを得、それを用いた光半導体装置の製造方法の実施例3〜8について説明する。なお、各実施例中のスクリーン版の四角開口部の大きさ(粘着フィルム面積)、素子との面積割合(光半導体装置の素子取付部に対する固定面積)、粘着強度、光半導体装置の製造効率についてまとめた結果を表1に示す。
【0055】
(実施例3)
使用するスクリーン版の四角開口部を0.7mm×0.7mm(光半導体素子との面積割合49%)とした以外は実施例1と同様に行い光半導体装置用粘着フィルムシートを得た。その後、ウエーハから切り出されソーティングされた1mm×1mmの青色LED素子100個を基材シート上に配置されたフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムに貼り付けて、貼り付けられた青色LED素子をフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムと共に基材シート上から剥離してピックアップし、ピックアップされた青色LED素子をフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムが素子取付部と固定するように搭載して、青色LED素子を有する光半導体装置を製造した。フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムの粘着強度は60kN/mであった。製造効率は下記の比較例1に要した時間を製造効率1としたとき、1/7であった。
【0056】
(実施例4)
使用するスクリーン版の四角開口部を1.5mm×1.5mm(光半導体素子との面積割合225%)とした以外は実施例1と同様に行い光半導体装置用粘着フィルムシートを得た。また、実施例3と同様にして青色LED素子を有する光半導体装置を製造した。フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムの粘着強度は60kN/mであった。製造効率は1/7であった。
【0057】
(実施例5)
使用するスクリーン版の四角開口部を0.6mm×0.6mm(光半導体素子との面積割合36%)とした以外は実施例1と同様に行い光半導体装置用粘着フィルムシートを得た。また、実施例3と同様にして青色LED素子を有する光半導体装置を製造した。フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムの粘着強度は60kN/mであった。製造効率は1/7であった。
【0058】
(実施例6)
使用するスクリーン版の四角開口部を1.6mm×1.6mm(光半導体素子との面積割合256%)とした以外は実施例1と同様に行い光半導体装置用粘着フィルムシートを得た。また、実施例3と同様にして青色LED素子を有する光半導体装置を製造した。この際に、1mm×1mmの青色LED素子を圧着した後にピンセットで素子をつかみながら持ち上げたところ、PETセパレーターから光半導体装置用粘着フィルムを剥す際に外周部分が折れ曲がり、きれいに剥離できないものが10%あった。フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムの粘着強度は60kN/mであった。製造効率は1/7であった。
【0059】
(実施例7)
120℃の熱風循環式オーブン中でPETセパレーターごと印刷された光半導体装置用粘着フィルムを60秒間乾燥した以外は実施例1(四角開口部1mm×1mm、光半導体素子との面積割合100%)と同様に行い光半導体装置用粘着フィルムシートを得た。また、実施例3と同様にして青色LED素子を有する光半導体装置を製造した。フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムの粘着力は120kN/mであった。製造効率は1/7であった。
【0060】
(実施例8)
90℃の熱風循環式オーブン中でPETセパレーターごと印刷された光半導体装置用粘着フィルムを20分間乾燥した以外は実施例1(四角開口部1mm×1mm、光半導体素子との面積割合100%)と同様に行い光半導体装置用粘着フィルムシートを得た。また、実施例3と同様にして青色LED素子を有する光半導体装置を製造した。フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムの粘着強度は250kN/mであった。製造効率は1/7であった。
【0061】
(比較例1)
ペースト状のダイボンド剤を用いた従来の光半導体装置の製造方法の製造効率を実施例と同じダイボンダー(エーエスエム・アッセンブリー・テクノロジー株式会社製)にて評価した。1mm×1mmの青色LED素子100個を粘着フィルムELP V−8S(日東電工株式会社製)の上に圧着固定してダイボンダーに設置してダイボンドを行った。ダイボンド剤のスタンピングと硬化接着に時間がかかり、光半導体装置用粘着フィルムシートを使用する時間よりも7倍の製造時間(製造効率1)がかかった。
【0062】
【表1】

【0063】
以上、本発明の光半導体装置用粘着フィルムを用いず、従来法により光半導体装置を製造した比較例1は、ダイボンド剤のスタンピングと硬化接着が必要であり、本発明の光半導体装置用粘着フィルムを使用した光半導体装置の製造時間よりも7倍の製造時間(製造効率1)がかかった。一方で、本発明の光半導体装置用粘着フィルムを用いて光半導体装置を製造した実施例3〜8によれば、ダイボンド剤のスタンピングと硬化接着を省略することができ、比較例1に比べて1/7の製造時間(製造効率1/7)で光半導体装置を製造できることが明らかとなった。これにより、本発明の光半導体装置用粘着フィルム、光半導体装置用粘着フィルムシート及び光半導体装置の製造方法により、光半導体素子を光半導体装置の素子取付部に固定するまでの作業を効率よく行うことができ、光半導体装置の製造の生産性を高めることができることが明らかとなった。
【0064】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0065】
1…光半導体装置用粘着フィルム、 2…基材シート、 3…光半導体装置用粘着フィルムシート、 11、11’…ダイサー、 12、12’…ウエーハ、 13、13’…光半導体素子、 14、14’…光半導体装置、 15、15’…、素子取付部、 21…シート、 22…ダイボンド剤




【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を基材シート上からピックアップし、前記光半導体素子を光半導体装置内の素子取付部に搭載した後、前記光半導体素子を前記素子取付部に硬化せずに固定するために用いる光半導体装置用粘着フィルムであって、
フィルム状に成形されており、前記基材シート上に配置されており、前記基材シートから剥離できるものであることを特徴とする光半導体装置用粘着フィルム。
【請求項2】
前記光半導体素子の前記素子取付部に対する固定面の51%以上225%以下の面積を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置用粘着フィルム。
【請求項3】
JIS Z 3284に準拠した粘着強度が60kN/m以上300kN/m以下のものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光半導体装置用粘着フィルム。
【請求項4】
シリコーン組成物を51質量%以上含有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光半導体装置用粘着フィルム。
【請求項5】
前記基材シート上に、複数個の請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の前記光半導体装置用粘着フィルムを配置したものであることを特徴とする光半導体装置用粘着フィルムシート。
【請求項6】
ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を光半導体装置内の素子取付部に固定させて光半導体装置を製造する方法であって、
前記ウエーハから切り出されソーティングされた光半導体素子を基材シート上に配置されたフィルム状の光半導体装置用粘着フィルムに貼り付ける貼り付け工程、
前記貼り付けられた光半導体素子を前記フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムと共に前記基材シート上から剥離してピックアップするピックアップ工程、及び
前記ピックアップされた光半導体素子を前記フィルム状の光半導体装置用粘着フィルムが前記素子取付部と固定するように搭載し、前記光半導体装置用粘着フィルムは硬化しない固定工程を行い、その後、電気配線を行い、封止剤にて封止することを特徴とする光半導体装置の製造方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−89750(P2013−89750A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228620(P2011−228620)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】