説明

光学デバイス及び照明装置

【課題】 光源部からの照明光を効率よく導光して高精度に照明光を射出することができ、少ない部品点数、かつ、低コストで組立可能な光学デバイス及び照明装置を提供すること。
【解決手段】 光源部6からの照明光を導光する光学デバイス7であって、光源部6からの照明光が入射する入射面と、入射面よりも大きい面積を有して照明光が出射する出射面12と、入射面から入射した照明光の光線を全反射させながら出射面12まで導光する反射面13、15、16、17とを有する柱状導光部20と、柱状導光部20を光源部6に対して位置決め固定する保持部21とを備え、柱状導光部20と保持部21とが、柱状導光部20の出射面12側の反射面13、15でのみ連結して一体に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学デバイス及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
拡散光を出射するLEDを有する光源部に対してテーパ状に形成された導光部とされるテーパロッドを介して指向性の高い照明光を得ることができる照明装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。この際、テーパロッドを光源部に対して位置決めする必要がある。
このように光学部品を光源部に対してアライメント調整する際の調整方法が、光ファイバ分野においても各種提案されている(例えば、特許文献3、4、5参照。)。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、テーパロッドの反射面の複数箇所が保持されているので、その部分ではテーパロッドの全反射条件が崩れて光学的な損失が生じやすい。また、特許文献2に記載の技術では、光源部に対して直接位置決めされていない上にテーパロッドと別体とされているので、部品点数が多くコスト高となるとともに、光源部に対して位置精度にばらつきを生じやすい。
【0004】
さらに、上記特許文献3、4、5に記載の技術では、光ファイバのように入射面と出射面とが相当距離離間している場合には好適であっても、テーパロッドのように入射面と出射面との距離が比較的短い場合には、保持部との接触部分における上述のような光学的な損失の影響が大きい。
【特許文献1】特開2004−94115号公報
【特許文献2】特開2004−93623号公報
【特許文献3】特開平10−031138号公報
【特許文献4】特開2000−266965号公報
【特許文献5】特開2002−267893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、光源部からの照明光を効率よく導光して高精度に照明光を射出することができ、少ない部品点数、かつ、低コストで組立可能な光学デバイス及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る光学デバイスは、光源部からの照明光を導光する光学デバイスであって、前記光源部からの照明光が入射する入射面と、該入射面よりも大きい面積を有して前記照明光が出射する出射面と、前記入射面から入射した前記照明光の光線を全反射させながら前記出射面まで導光する反射面とを有する柱状導光部と、該柱状導光部を前記光源部に対して位置決め固定する保持部とを備え、前記柱状導光部と前記保持部とが、前記柱状導光部の前記出射面側の前記反射面でのみ連結して一体に接続されていることを特徴とする。
【0007】
この光学デバイスは、柱状導光部と保持部とが一体とされているので、部品点数や組立コストを低減することができる。また、出射面が入射面の面積よりも大きいために光反射密度が入射面よりも小さくされる出射面側でのみ保持部と柱状導光部とが連結され、かつ、入射面側では接触部分がないので、柱状導光部内での反射光の光学的な損失を抑制した状態で柱状導光部を保持することができる。
【0008】
また、本発明に係る光学デバイスは、前記光学デバイスであって、前記反射面が前記柱状導光部に複数配され、前記保持部が、前記反射面の二つにそれぞれ連結して形成されていることを特徴とする。
【0009】
この光学デバイスは、二箇所の連結部分で安定的に柱状導光部を支持することができる。また、直線上に連結部分が位置するように保持部と柱状導光部とを連結することによって、複数の光学デバイスを配列する際、柱状導光部を保持する方向を一方向に揃えることができ、互いの保持部を干渉させることなく密に隣接して並べることができる。
【0010】
また、本発明に係る光学デバイスは、前記光学デバイスであって、前記柱状導光部と前記保持部とは同一材料で一体成形されていることを特徴とする。
この光学デバイスは、加工誤差をより小さくすることができるとともに、製造コストをより低くすることができる。
【0011】
また、本発明に係る光学デバイスは、前記光学デバイスであって、前記保持部に前記光源部との接続部が配され、該接続部が、前記出射面側よりも前記入射面側に配されていることを特徴とする。
この光学デバイスは、接続部にて光源部へ取り付けられるので、光源部に対して入射面を容易に位置決めすることができる。
【0012】
また、本発明に係る光学デバイスは、前記光学デバイスであって、前記出射面と前記接続部との距離が、前記出射面と前記入射面との距離と略同一とされていることを特徴とする。
この光学デバイスは、入射面が接続部の近傍に配されることになるので、入射面の光源部に対する位置出しをより容易に行うことができる。
【0013】
本発明に係る照明装置は、本発明に係る光学デバイスと、照明光を出射する発光素子と、該発光素子を保持する基板部とを有する光源部とを備え、前記光学素子に前記入射面が対向して配されるように前記保持部が前記基板部に位置決め固定されていることを特徴とする。
【0014】
この照明装置は、本発明に係る光学デバイスを備えているので、部品点数や組立コストを低減することができる。また、柱状導光部内の反射光の光学的な損失を抑制した状態で柱状導光部を保持することができ、効率の高い照明光を得ることができる。
【0015】
また、本発明に係る照明装置は、前記照明装置であって、前記基板部に、前記入射面との位置合わせ部が配されていることを特徴とする。
この照明装置は、光学デバイスを光源部に接続する際、位置合わせ部にて入射面の基板部に対する位置を調整しながら接続することができ、光学素子に対して入射面をより精度よく、かつ、より容易に位置決めすることができる。
【0016】
また、本発明に係る照明装置は、前記照明装置であって、前記保持部が、前記基板部に前記接続部を介して接着固定されていることを特徴とする。
この照明装置は、接着によって光学デバイスをより強固に光源部に接続することができる。
【0017】
また、本発明に係る照明装置は、前記照明装置であって、前記接続部を前記基板部に固定する固定部を備えていることを特徴とする。
この照明装置は、固定部によって光学デバイスをより強固に光源部に接続することができる。
【0018】
また、本発明に係る照明装置は、前記照明装置であって、前記接続部が、前記基板部に向かって突出して設けられ、前記固定部が、前記基板部に配された前記接続部と係合可能な係合溝と、該係合溝に前記接続部を係合した状態で固定する挟持片とを備えていることを特徴とする。
この照明装置は、接続部を係合溝に係合させるとともに挟持片によってこれを押圧することにより、光学デバイスをより強固に光源部に接続することができる。
【0019】
また、本発明に係る照明装置は、前記照明装置であって、前記基板部の方向に突出して前記接続部に配される凸部と、前記基板部に配され、前記凸部を挿入可能な凹部とを備えていることを特徴とする。
この照明装置は、凸部と凹部とを係合することによって、固定部のみの場合よりも容易に位置決めすることができ、かつ、より高精度で光学デバイスを光源部に接続することができる。
【0020】
また、本発明に係る照明装置は、前記照明装置であって、前記固定部が、前記基板部側に向かって前記接続部に配された保持部側貫通孔と、該保持部側貫通孔と連通可能に前記基板部に配された基板部側貫通孔と、前記保持部側貫通孔及び前記基板部側貫通孔とに挿入される先細状のピンとを備えていることを特徴とする。
【0021】
この照明装置は、保持部側貫通孔と基板部側貫通孔とを連通するように光学デバイスを基板部に載置した状態でピンをこれらの孔に挿通することによって、光学デバイスを基板部に位置決めした状態で強固に固定することができる。
【0022】
また、本発明に係る照明装置は、前記照明装置であって、前記固定部が、前記基板部の方向に突出して前記接続部と一体に配された先細状のピンと、該ピンが挿入可能に前記基板部に配された基板部側貫通孔とを備えていることを特徴とする。
この照明装置は、ピンを基板部側貫通孔に挿通することによって、光学デバイスを基板部に容易に位置決めするとともに強固に固定することができる。
【0023】
また、本発明に係る照明装置は、前記照明装置であって、前記ピンが、前記ピンの挿入時に前記基板部側貫通孔を貫通して突出する長さに形成され、前記突出部分が、前記基板部に熱カシメされていることを特徴とする。
この照明装置は、ピンを基板部に熱カシメすることによって、光学デバイスを光源部により強固に固定することができる。
【0024】
また、本発明に係る照明装置は、前記照明装置であって、前記固定部が、前記基板部に向かって前記接続部に配された保持部側貫通孔と、該保持部側貫通孔に挿通可能なおねじ部と、前記基板部に配され、前記保持部側貫通孔を挿通した前記おねじ部と螺合可能なめねじ部とを備えていることを特徴とする。
【0025】
この照明装置は、保持部側貫通孔とめねじ部との中心軸が同一となるように光学デバイスを基板部に載置した状態で、おねじ部を保持部側貫通孔に挿通してめねじ部と螺合することによって、光学デバイスを基板部に位置決めした状態で強固に固定することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、光源部からの照明光を効率よく導光して高精度に照明光を射出することができ、少ない部品点数、かつ、低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
本実施形態に係る照明装置1は、図1に示すように、後述する光学デバイス7の出射面12の法線が略1点で交差するように、この交差領域を中心点とする円周上に複数並べられ、これら照明装置1から出射される照明光を集光して射出するL字状の角型導光ロッド2とともに、図示しないプロジェクタ等の照明源として使用される。
【0028】
照明装置1は、図2及び図3に示すように、照明光を出射する二つのLED(発光素子)3と、LED3を保持する直方体状の基板部5とを有する光源部6と、光源部6からの照明光を導光する光学デバイス7とを備えている。
【0029】
基板部5の長手方向には、LED3を個別に内部に収納する開口部8が配されている。この開口部8は、後述する二つのテーパロッド18A、18Bの各入射面11が挿入可能な大きさとされている。
基板部5の一方の端部側には電極9が配されており、LED3と電極9とが、ボンディングワイヤ10によって電気的に接続されている。
【0030】
光学デバイス7は、光源部6からの照明光が入射する入射面11と、入射面11よりも大きい面積を有して照明光が出射する出射面12と、入射面11から入射した照明光の光線を全反射させながら出射面12まで導光する複数の反射面13、15、16、17とをそれぞれ有する同一形状の二つのテーパロッド18A、18Bが出射面12側で一体とされた柱状導光部20と、各テーパロッド18A、18Bの入射面11をLED3毎に対向させた状態で光源部6に対して位置決め固定する保持部21とを備えている。
【0031】
テーパロッド18A、18Bは、出射面12側から入射面11側に向かって先細にテーパ状に形成されている。
柱状導光部20と保持部21とは同一の、例えば、ポリカーボネート等の透明材料で一体成形されており、基板部5の長手方向となる一方のテーパロッド18Aの出射面12側の反射面13と他方のテーパロッド18Bの出射面12側の反射面15の二箇所でのみそれぞれ連結して一体に接続されている。
【0032】
保持部21は、柱状導光部20の出射面12側両端から入射面11方向に延びる二つの支柱部22と、支柱部22の先端にそれぞれ配された光源部6との接続部23、25とを備えている。
保持部21は、接続部23、25を介して光源部6の基板部5に接着固定されている。
接続部23、25は、支柱部22の端部を含むとともにそれぞれ基板部5の長手方向に向かって突出する部分として設けられている。
【0033】
即ち、保持部21は、二つのテーパロッド18A、18Bが並設される方向に柱状導光部20を間に挟んで出射面12側を支持するように門型に形成されている。そして接続部23、25は、テーパロッド18A、18Bの入射面11側に配され、支柱部22の長さは、出射面12と接続部23、25との距離が、出射面12と入射面11との距離と略同一となるように調整されて、接続部23、25が入射面11の近傍の略同一平面上に位置されている。
【0034】
次に、本実施形態に係る光学デバイス7を含む照明装置1の製造方法、及び、作用・効果について説明する。
まず、基板部5の開口部8に二つのLED3を一列に載置した後、各LED3と電極9とをボンディングワイヤ10にて結線して実装する。
【0035】
次に、テーパロッド18A、18Bの入射面11を開口部8内に挿入するようにして基板部5上に光学デバイス7を載置する。
この際、接続部23、25と基板部5との間を接着剤にて接着固定する。
そして、開口部8内に、封止樹脂26を、入射面11上に空気層を残さず、かつ、テーパロッド18A、18Bの各反射面13、15、16、17にシリコン樹脂等の封止樹脂26を付着させないように充填する。
こうして、照明装置1が得られる。
或いは、先に開口部8内に封止樹脂26を充填した後に、テーパロッド18A、18Bの入射面11を充填した封止樹脂26に密着させながら、接続部23、25を基板部5に固定してもよい。
【0036】
この光学デバイス7によれば、柱状導光部20と保持部21とが一体とされているので、部品点数や組立コストを低減することができる。また、出射面12が入射面11の面積よりも大きいために光反射密度が入射面11よりも小さくされる出射面12側でのみ保持部21と柱状導光部20とが連結され、かつ、入射面11側では接触部分がないので、テーパロッド18A、18B内での反射光の光学的な損失を抑制した状態で、かつ、二箇所の連結部分で安定的に柱状導光部20を保持することができる。
【0037】
また、この光学デバイス7は、柱状導光部20と保持部21とが一体に形成されているので、加工誤差をより小さくすることができるとともに、製造コストをより低くすることができる。
また、保持部21の接続部23、25にて光源部6へ取り付けられるので、光源部6に対して入射面11を容易に、かつ、安定した状態で位置決めすることができる。この際、入射面11が接続部23、25の近傍に配されることになるので、入射面11の光源部6に対する位置出しをより容易に行うことができる。
【0038】
また、この照明装置1によれば、本発明に係る光学デバイス7を備えているので、例えば、図1に示すように、複数の光学デバイス7を配列する際、保持部21が連結された反射面13、15を結ぶ方向を同一方向として、柱状導光部20を保持する方向を揃えることができ、互いの保持部21を干渉させることなく密に隣接して並べることができる。
【0039】
また、光学デバイス7と光源部6とを接着固定しているので、光学デバイス7をより強固に光源部6に接続することができ、部品点数や組立コストを低減することができる。そして、テーパロッド18A、18B内の反射光の光学的な損失を抑制した状態で柱状導光部20を保持することができ、効率の高い照明光を得ることができる。
【0040】
なお、図4に示すように、光学デバイス7が載置される基板部27上に、接続部23、25を収納可能な溝部28が配された照明装置30としても構わない。
この場合、光学デバイス7と光源部31とを接着する際、接続部23、25を溝部28内にそれぞれ収納した上で接着固定することによって、上述と同様の作用・効果を奏することができるとともに、接続部23、25を基板部27上でより安定して位置決めすることができ、基板部27と接続部23、25とをより高精度に接着固定することができる。
【0041】
次に、第2の実施形態について図5を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る照明装置33の光源部35における基板部36に、テーパロッド18A、18Bの入射面11との位置合わせ部37が配されているとした点である。
【0042】
位置合わせ部37は、光学デバイス7が取り付けられる基板部36上から突出するとともに基板部36の開口部8における開口端に沿って複数配された突状部38を備えている。
これら突状部38は、テーパロッド18A、18Bの入射面11近傍の各反射面13、15、16、17に点接触するように形成されている。
【0043】
この照明装置33によれば、テーパロッド18A、18Bに歪みが生じていても、光学デバイス7を光源部35に接続する際、突状部38にテーパロッド18A、18Bの反射面13、15、16、17を当てながら入射面11の基板部36に対する位置を調整して接続することができ、LED3に対してテーパロッド18A、18Bの入射面11をより精度よく、かつ、より容易に位置決めすることができる。
【0044】
次に、第3の実施形態について図6を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る照明装置40の光学デバイス41における接続部42、43を光源部45の基板部46に固定する固定部47を備えているとした点である。
【0045】
固定部47は、基板部46側に向かって接続部42、43にそれぞれ配された保持部側貫通孔48、50と、保持部側貫通孔48、50と連通可能に基板部46に配された基板部側貫通孔51と、保持部側貫通孔48、50及び基板部側貫通孔51とに挿入される金属製の先細状のピン52とを備えている。なお、このピン52は金属製に限られず、例えば、ポリカーボネート等の樹脂製でも構わない。
【0046】
基板部側貫通孔51は保持部側貫通孔48、50よりも小径とされている。なお、保持部側貫通孔48、50は、何れか一方が長孔形状とされている。
ピン52は、先端側がそれぞれの貫通孔48、50、51に挿入可能な大きさとされ、基端側がそれぞれの貫通孔48、50、51よりも大径とされており、ピン52の先端側が基板部46内に埋設されるように挿入されたときにピン52が基板部側貫通孔51と嵌合される大きさとされている。
【0047】
この照明装置40を製造する際、まず、上記第1の実施形態と同様にテーパロッド18A、18Bの入射面11を、LED3がそれぞれ実装された開口部8内に挿入するようにして基板部46上に光学デバイス41を載置する。
【0048】
このとき、保持部側貫通孔48、50と基板部側貫通孔51との中心軸線C1が一致するように、光学デバイス41を基板部46上に載置する。そして、ピン52を光学デバイス41側から保持部側貫通孔48、50内に挿入し、ピン52が基板部側貫通孔51に係止されるまで圧入する。
こうして、開口部8内に封止樹脂26を充填して照明装置40を得る。
或いは、先に開口部8内に封止樹脂26を充填した後に、テーパロッド18A、18Bの入射面11を充填した封止樹脂26に密着させながら、接続部23、25を基板部5に固定してもよい。
【0049】
この照明装置40によれば、保持部側貫通孔48、50と基板部側貫通孔51とが連通するように光学デバイス41を基板部46に載置した状態でピン52をこれらの孔に挿通するので、光学デバイス41を基板部46に位置決めした状態で強固に固定することができる。
【0050】
次に、第4の実施形態について図7を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第4の実施形態と第3の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る照明装置60の固定部61が、保持部側貫通孔48、50の代わりに基板部46の方向に突出して接続部62、63と一体に配された先細状のピン65を備えているとした点である。
【0051】
即ち、第3の実施形態では、ピン52が光学デバイス41と別体とされているが、本実施形態では、ピン65が光学デバイス66に一体とされている。
本実施形態に係るピン65の形状は、先端側が基板部側貫通孔51に挿入可能な大きさとされ、基端側が基板部側貫通孔51よりも大径とされており、ピン65の先端側が基板部46内に埋設されるように挿入されたときに基板部側貫通孔51と嵌合される大きさとされている。
【0052】
この照明装置60によれば、上記第3の実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。特に、ピン65が光学デバイス66と一体とされているので、部品点数を少なくすることができ、より低コストで組立てることができる。
【0053】
次に、第5の実施形態について図8を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第5の実施形態と第4の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る照明装置70の固定部71に係るピン72が、ピン72の挿入時に基板部側貫通孔51を貫通して突出する長さに形成され、この突出部分が基板部46に熱カシメされているとした点である。
【0054】
この照明装置70によれば、ピン72を基板部46に熱カシメすることによって、光学デバイス66を光源部45により強固に固定することができるとともに、接着剤を不要にすることができる。
【0055】
次に、第6の実施形態について図9を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第6の実施形態と第3の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る照明装置80の固定部81が、ピン52の代わりとなって保持部側貫通孔48、50に挿通可能なおねじ部82と、基板部側貫通孔51の代わりに基板部83に配されて保持部側貫通孔48、50を挿通したおねじ部82と螺合可能なめねじ部85とを備えているとした点である。
【0056】
この照明装置80を製造する際には、テーパロッド18A、18Bの入射面11を、LED3がそれぞれ実装された開口部8内に挿入するようにして基板部83上に光学デバイス41を載置する。
【0057】
この際、保持部側貫通孔48、50とめねじ部85との中心軸線C2が一致するように、光学デバイス41を基板部83上に載置する。そして、おねじ部82を光学デバイス41側から保持部側貫通孔48、50内に挿入し、先端がめねじ部85に到達した後は係止するまで螺合する。
こうして、開口部8内に封止樹脂26を充填して照明装置80を得る。
【0058】
この照明装置80によれば、第3の実施形態に係るピン52を基板部側貫通孔51に圧入する代わりに、おねじ部82とめねじ部85とを螺合させることによって、同様の作用・効果を奏することができる。特に、ねじによる結合であるので、ピンを嵌入する場合よりも強固に固定することができ、高精度の位置決めを維持することができる。
【0059】
次に、第7の実施形態について図10を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第7の実施形態と第3の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る照明装置90が、固定部47とともに、基板部91の方向に突出して接続部92、93に配される第二ピン(凸部)95と、基板部93に配され、第二ピン95を挿入可能な位置決め孔(凹部)96とを備えているとした点である。
【0060】
この照明装置90によれば、第二ピン95と位置決め孔96とを係合することによって、固定部47のみによる結合よりも光学デバイス97と光源部98とを容易に位置決めすることができ、かつ、より高精度で接続することができる。
【0061】
次に、第8の実施形態について図11を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第8の実施形態と第3の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る照明装置100の固定部101が、基板部102に配された接続部23、25と係合可能な係合溝103と、係合溝103に接続部23、25を係合した状態で固定する挟持片105とを備えているとした点である。
【0062】
この際、テーパロッド18A、18Bの入射面11とLED3との相対距離が他の実施形態と同様の距離となるように、固定部101が、基板部102の開口部8の開口端よりも光学デバイス7側に突出して配されている。
挟持片105は、係合溝103の開口端を拡開可能な弾性を有しており、接続部23、25を係合溝103に挿入する際に湾曲可能とされている。
【0063】
この照明装置100によれば、製造する際に、接続部23、25を係合溝103に係合させるとともに挟持片105によってこれを押圧することにより、固定部101として新たな部品を用意しなくても光学デバイス7をより強固に、かつ、より容易に光源部106に接続することができる。
【0064】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第2実施形態に係る位置合わせ部37を第1実施形態に係る形状の照明装置1に配しているが、他の実施形態に係る固定部とともに配しても構わない。
【0065】
また、光学デバイスを固定部とともに基板部に接着固定しても構わない。
さらに、ピン52等に接着剤を付して接着固定しても構わない。
また、第7の実施形態にて第二ピン95と位置決め孔96とを第3の実施形態に係る照明装置に配することとしているが、この際の固定部はピンを有するものに限らず、ねじによるものに配しても構わず、さらには固定部ではなく接着のみによるものに配しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明装置を並べた使用例を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る照明装置を示す断面側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る照明装置における接続部を異なるものとした場合を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る照明装置の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る照明装置の構成を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る照明装置を示す正面図である。
【図9】本発明の第6の実施形態に係る照明装置の構成を示す正面図である。
【図10】本発明の第7の実施形態に係る照明装置の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の第8の実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1、30、33、40、60、70、80、90、100 照明装置
3 LED(発光素子)
5、27、36、46、83、91、102 基板部
6、31、35、45、98、106 光源部
7、41、66、97 光学デバイス
11 入射面
12 出射面
13、15、16、17 反射面
20 柱状導光部
21 保持部
23、25、42、43、62、63、92、93 接続部
37 位置合わせ部
47、61、71、81、101 固定部
48、50 保持部側貫通孔
51 基板部側貫通孔
52、65、72 ピン
82 おねじ部
85 めねじ部
95 第二ピン(凸部)
96 位置決め孔(凹部)
103 係合溝
105 挟持片


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部からの照明光を導光する光学デバイスであって、
前記光源部からの照明光が入射する入射面と、該入射面よりも大きい面積を有して前記照明光が出射する出射面と、前記入射面から入射した前記照明光の光線を全反射させながら前記出射面まで導光する反射面とを有する柱状導光部と、
該柱状導光部を前記光源部に対して位置決め固定する保持部とを備え、
前記柱状導光部と前記保持部とが、前記柱状導光部の前記出射面側の前記反射面でのみ連結して一体に接続されていることを特徴とする光学デバイス。
【請求項2】
前記反射面が前記柱状導光部に複数配され、
前記保持部が、前記反射面の二つにそれぞれ連結して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項3】
前記柱状導光部と前記保持部とは同一材料で一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項4】
前記保持部に前記光源部との接続部が配され、
該接続部が、前記出射面側よりも前記入射面側に配されていることを特徴とする請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項5】
前記出射面と前記接続部との距離が、前記出射面と前記入射面との距離と略同一とされていることを特徴とする請求項4に記載の光学デバイス。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一つに記載の光学デバイスと、
照明光を出射する発光素子と、該発光素子を保持する基板部とを有する光源部とを備え、
前記光学素子に前記入射面が対向して配されるように前記保持部が前記基板部に位置決め固定されていることを特徴とする照明装置。
【請求項7】
前記基板部に、前記入射面との位置合わせ部が配されていることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記保持部が、前記基板部に前記接続部を介して接着固定されていることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項9】
前記接続部を前記基板部に固定する固定部を備えていることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項10】
前記接続部が、前記基板部に向かって突出して設けられ、
前記固定部が、前記基板部に配された前記接続部と係合可能な係合溝と、該係合溝に前記接続部を係合した状態で固定する挟持片とを備えていることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記基板部の方向に突出して前記接続部に配される凸部と、
前記基板部に配され、前記凸部を挿入可能な凹部とを備えていることを特徴とする請求項8又は9に記載の照明装置。
【請求項12】
前記固定部が、前記基板部側に向かって前記接続部に配された保持部側貫通孔と、
該保持部側貫通孔と連通可能に前記基板部に配された基板部側貫通孔と、
前記保持部側貫通孔及び前記基板部側貫通孔とに挿入される先細状のピンとを備えていることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項13】
前記固定部が、前記基板部の方向に突出して前記接続部と一体に配された先細状のピンと、
該ピンが挿入可能に前記基板部に配された基板部側貫通孔とを備えていることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項14】
前記ピンが、前記ピンの挿入時に前記基板部側貫通孔を貫通して突出する長さに形成され、
前記突出部分が、前記基板部に熱カシメされていることを特徴とする請求項12又は13に記載の照明装置。
【請求項15】
前記固定部が、前記基板部に向かって前記接続部に配された保持部側貫通孔と、
該保持部側貫通孔に挿通可能なおねじ部と、
前記基板部に配され、前記保持部側貫通孔を挿通した前記おねじ部と螺合可能なめねじ部とを備えていることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−162654(P2006−162654A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−349612(P2004−349612)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】