光学効果を変調して表示するためのシステム及び方法
本発明は、光源デバイス(BV)と、その外部に配置された少なくとも一つの表示オブジェクト(DO)とを有し、光学的効果の表示変調のためのシステムに関する。光源デバイス(BV)は、特に位置に依存して偏光に影響を与える少なくとも一つの入力偏光ユニット(POE)と、特に時間依存及び/又は位置依存して偏光及び/又は位相差に影響を与える少なくとも一つの変調ユニット(OME)を備え、表示オブジェクト(DO)は、少なくとも一つのオブジェクト位相差ユニット(POB)及び出力偏光ユニット(PE)を備える。変調ユニット(OME)は画像情報を可逆的又は不可逆的に印加するのに適し、特に位置に依存及び/又は時間に依存して位相差の影響を与える。光源デバイス(BV)からの変調光(Sout)が画像情報と相互作用するためにオブジェクト位相差ユニット(POB)に衝突し、出力偏光ユニット(PE)によって光学効果が視覚化される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の光学効果を変調して表示するためのシステム、及び請求項13の前文に記載の光学効果を変調して表示するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第0682782号から、光学効果を変調して表示するためのシステム及び方法が知られており、このシステム及び方法では、動画(アニメーション)が生成され、その動画の構造及び/又は色が様々な信号源によって変調される。しかしながら、このシステム及び方法における欠点は、そのシステム及び方法に含まれる原理のために、光源デバイスからの光が、表示される画像情報を既に視覚的に含んでいることである。もう一つの欠点は、このシステム及び方法が、起こりうる表示及び起こりうる変化のばらつきに対して比較的柔軟性がないことであり、これは、光源デバイス自体のみがそのような変化に適合するものであり、根底にある原理が光源デバイス外での変化を許容しないためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、光学効果を変調して表示するためのシステム又は方法を提案し、それによって、上記の欠点を回避し、光学効果を変調して表示するためのより取扱が容易でより柔軟に変更可能なシステム又は方法を構築し、更に、光源デバイスからの光が中性的に且つ可視画像情報を含むこと無く変調及び表示を行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1又は13の教示による本発明によって達成される。
【0005】
また、下位請求項の主題は、本発明の有益な実施形態に相当する。
【0006】
本発明によれば、前記問題点は、光学効果を変調して表示するための本システムが、光源デバイス、及び前記光源デバイスの外部に位置する少なくとも一つの表示オブジェクトを備え、本システムにおいて、前記光源デバイスは、特に位置に依存して偏光に影響を与える少なくとも一つの入力偏光ユニット及び、特に時間に依存及び/又は位置に依存して偏光及び/又は位相差に影響を与える少なくとも一つの変調ユニットを備え、本システムにおいて、前記表示オブジェクトは、画像情報を可逆的又は不可逆的に印加するのに適した、特に位置に依存及び/又は時間に依存して位相差に影響を与える少なくとも一つのオブジェクト位相差ユニット及び出力偏光ユニットを備え、本システムにおいて、前記光源デバイスからの変調光が前記画像情報と相互作用するためにオブジェクト位相差ユニットに衝突し、それによって、前記出力偏光ユニットによって光学効果が視覚化され得るという事実によって解決される。
【0007】
ここでは、基本的に、前記光源デバイスと前記表示オブジェクトとの距離は、任意の所望の距離が考えられる。例えば、前記距離は、数センチメートルでも、数メートルでもよい。前記光源デバイスの外部の前記出力偏光ユニットの空間的な分離(空間分離)及びその結果としての配置の利点は、前記光源デバイスと前記表示オブジェクトの間の光路が前記入力偏光ユニットと出力偏光ユニットの間に位置していることである。結果、可視画像情報は、前記光源デバイスと前記表示オブジェクトの間の光と区別することが出来ず、中性に見える。
【0008】
また、前記光源デバイスと表示オブジェクトの空間分離及び動作的及び/又は機能的配置は、光学効果の表示を変化させる能力を促進する。具体的には、それによって光学効果の表示を前記光源デバイス内と両方で変化させることが出来、この変化は前記表示オブジェクト自体内で生じることもできる。結果、技術的かつ厳格な位置的観点の両方から光学効果の表示を変化させる少なくとも2つの組み合わせ可能な方法がある。例えば、これによって、特に施釉タイル等人工構造物に固着されたオブジェクトを表示するのに特別な利益を提供する。
【0009】
前記光源デバイスにおける前記入力偏光ユニットは、初めに、使用光を入力偏光するように機能する。ここでは、入力偏光は、照明フィールド上の全部に一定、及び照明フィールド上の位置依存的の両方の場合があり、それによって、照明フィールドの幾つかの領域が多様に偏光され、及び/又は全く偏光されないことになる。その結果、前記光源デバイスを使用して、前記表示オブジェクト内の異なる領域の可視性又は不可視性を確保することができる。
【0010】
前記入力偏光ユニットを通って送られた光は、少なくとも一つの変調ユニットに導かれる。この変調ユニットは前述の変化の一部を開始することができる。例えば、時間に依存及び/又は位置に依存した方法で、変調ユニットを使用して前記照明フィールドの偏光及び/又は位相差(光路差)に影響を与えることができる。位置に依存した影響とは、ここでは、前記照明フィールドの異なる領域において位置によって変化する影響の形態であり、時間に依存した影響とは、ここでは、時間の経過とともにより強くなる又は弱くなる影響の形態である。この偏光の影響及び/又は位相差の影響を適切に選択することによって、前記光源デバイスからの光の性質を、位置に依存及び/又は時間に依存して偏光及び位相差に関して変調することが出来、前記表示オブジェクトでの様々な光学効果がもたらされる。
【0011】
前記表示オブジェクトは、少なくとも一つのオブジェクト位相差ユニットを備え、上記変化の他の一部の開始が可能になっている。オブジェクト位相差ユニットは、ここでは、上記変調ユニットと同じ前記光源デバイスにおける可能な影響を実現でき、前記オブジェクト位相差ユニットで行われる前記偏光及び位相差の影響が前記変調ユニットからの影響と相互作用、例えばオーバーラップすることができる。
【0012】
また、前記オブジェクト位相差ユニットは、画像情報を可逆的に又は不可逆的に付加するのに適しており、それによって、前述の変化に更に寄与する。例えば、オブジェクト位相差ユニットへの画像情報の可逆的又は不可逆的な付加は、液晶層の目的となる外部露出(暴露)、例えば、光又は機械的圧力、及び/又は制御され局所的に有効な材料変換、及び/又は構造的変換等のエネルギーに対する暴露を介して起こり得、追加の効果をもたらし得る。
【0013】
更に、表示オブジェクトは、出力偏光ユニットを含み、例えば、これは、アナライザとしての役割を果たし得る。結果、先に述べた以上の不可視光学効果が実現され得る。
【0014】
光源デバイス及びオブジェクト位相差ユニットに含まれるユニットは、特に、光学効果をより包括的且つ興味深いものにし、可能な変更をより一層提供するために、多段に設けることもできる。
【0015】
特に、照明フィールドにおける光の特性は下記事実を特徴とする。その事実とは、全体として肉眼に対し、永続的、不変的、一様であって、認識可能又は区別可能な構造又は明るさ及び/又は色のコントラスト無しに現れる一方で、特定の空間的及び/又は時間的に構造化されているが、幾つかの制御信号によって対応して制御可能なパラメトリック光変調をも発揮し、一定な不可視光の内部特性もなお生じる。そこでは、光の特性(状態)を変化させる間でさえ、内部構造それ自体もその中の変化も肉眼では知覚することができず、光学効果は、照明された他の夫々のオブジェクトの存在下で表示オブジェクトを照明すると共に全ての他のオブジェクトが処理中に視覚的に変化せずに現れる時、もっぱら表示オブジェクト内で生じる。
【0016】
この目的を達成するために、光は、肉眼で認識可能な特定の夫々定義された内部特性を備え、その内部特性は光の非偏光部分及び対応して偏光された部分の両方を備える。そこでは、定義されたスペクトル放射を備えた少なくとも一つの光源と、各々が定義された偏光方向を備える特定の異なるフィールドエリア及び非偏光構造を有する下流の偏光ユニットから進み、付加的に且つ対応して設計された偏光光学要素もまた光源デバイス内の光路に統合され、特に活動的に作動可能な変調ユニットの形態で存在し、そこでは、これらの要素が、夫々の偏光状態及び/又は夫々の光部分内の光路差(位相差)又は定義された方法で偏光された照明フィールド領域の目的の空間的及び/又は経時的変動や変調を開始するために使用され、それによって、これらの要素は、夫々の照明フィールドに組み込まれる表示オブジェクト内の前述の複雑な動的光学効果を達成するために使用され得る。
【0017】
また、表示オブジェクトを前述の照明フィールドに導入することによって、及び光の外から認識可能な特性がプロセス中に視覚的に変化することなく、その光の特性を内的に変化することによって、もっぱら写真・光学アプローチを取る受動要素よりなる表示オブジェクト内での潜像情報や対応する表示オブジェクトの選択的且つ特定の偏光可視化が有利である。
【0018】
また、前述の可視化画像情報や前述の光学効果を光学的に目標とされる方法で表示オブジェクト内において不可視にするプロセスが、表示オブジェクトが視覚的に変化されない方法で照明され続けられながら、光の特性を内的に変化することによって起こる方法で光源手段から制御可能であることは有利である。
【0019】
また、外的に認識可能又は識別可能な光の特性がプロセス中に照明フィールド内で視覚的に変化することなく、光源デバイスによって、写真・光学アプローチを取るDO内でパターン及び色の効果又は画像変調の複雑で且つ特に制御可能なマルチパラメトリック変動が有利である。
【0020】
また、例えば、実用的に制限されない数の色調を有し且つ対応する色パレットを有し、並びに変化する彩度と色コントラストを有するパターンやモチーフを発生し、特に、それらのパターンやモチーフをミリ秒内で極端に高速で変化させられることが有利である。
【0021】
また、表示オブジェクトが、望ましいように、例えば、様々な表面組成及び任意の形状変形を有する、層構造(例えば、平らな、湾曲した、又はレリーフプロファイルの表面要素)として、又は三次元構造(例えば、立体、中空体)として、形作られ得ることが有利である。
【0022】
また、もっぱら受動的な表示オブジェクトは、それら自体が一切能動的構造要素や移動可能機械的要素を含まないことが必要であるか又は電源や対応する電線を必要としないこと及び光学効果が要素自体を制御する代わりに、各照明要素を使用して不可視のままにする光変調を介してこれを達成することによって、受動的オブジェクトにおいてさえなお能動的に制御され得ることが有利である。
【0023】
また、表示オブジェクトが、コスト効率がよく且つ大量生産可能な容易に製造される受動要素よりなること及びこれらの表示オブジェクトが、単純さ、頑健さ、及び従来の処理と組み付け技術を使用する能力によって区別され得、それによって、実際、複数の材料、形状、プロファイルに、且つ種々の表面組成を有するように作られ得ることが有利である。
【0024】
また、オブジェクト位相差ユニット内の潜像情報は、オブジェクト自体に含まれ得、ここでは、実際の空間的構造を有する光学材料組成として存在し得、それによって、そうでない従来の画像投影からそれ自体を描写することができ、後者は、画像形成光学素子(imaging optics)を使用してその各画像平面においてスクリーン上で捕獲可能な画像を介してのみ各定義されたオブジェクト平面をはっきりと画像形成する。従って、投影距離を変化すると、対応する再焦点合わせが原理的に画像投影の場合必要になる。通常の投影プロセスとは対照的に、単純な光源デバイスや照明フィールドと共に、表示オブジェクトを使用することにおけるこの基本的な違いは、各画像形成光学素子が、全体的に省略可能であり、各画像を伴う画像形成エラーと共に不利な焦点合わせに先んずることができる追加の利点を提供し、それによって、各々が設計において変化し且つ各々が異なるように構成される潜像モチーフを有する材料表示オブジェクトが、例えば、単一の照明フィールド内に組み込まれることができ、且つ前述の照明フィールドとは異なる方法で且つそれからの種々の距離で、並びに互いに異なる深さでその中に望ましいように配置され、更に、中を自由に動き回れるような空間を有する。
【0025】
また、対応する制御コマンドに応答して、特に作動可能な光源デバイスは、特に、一方では、潜像情報が直接可視化される可視状態(作動状態)と、他方では、潜像情報も関連する光学効果も生じない不可視状態(中性状態)の間で表示オブジェクト内の表された状態の望ましい即座の切り替えを開始するために使用できるという点でも有利である。光学効果の望ましい各可視化に関する用途及び設計に関連する利点は、連続的な照明が行われても、使用されたオブジェクトの印象が、所望の作動が特定時間可能になるまで、中性発現のままであり得るという事実にある。透過で表示オブジェクトを使用する場合、そのオブジェクトは、それ自体、不可視状態中連続的に透明のままであり得、ここでは、可視構造を呈することはない。反射で表示オブジェクトを使用する場合、拡散的に散乱された反射層のみが、透明な光学機能層の背後で中性背景として光ることができる。更に、ここでは、照明が状態における変化と画像変調を有する可視化の両方の間有効であり続けることと照明自体が依然として肉眼に不変に現れ続けることが有利である。
【0026】
また、任意の形状と寸法を有する実際上制限のない数の表示オブジェクトは、大域的照明フィールド内の任意の位置に自由に配置又は移動可能であり、これらのオブジェクトは、単純に組み込まれ得、対応して自由に移動、又はもう一度除去され得ることが有利であり、それによって、様々なモチーフを有する、異なって構成された表示オブジェクトが、各照明デバイスにより光変調を介して互いに対して同時に及び同期してアニメーション化され得る。
【0027】
また、表示オブジェクト中の幾つかの画像キャリー透明要素は、結果として、空間的、三次元的に現れる半透明の光学効果を達成する方法で、重ね合され(オーバーラップ)、且つ配置され得ることが有利である。
【0028】
また、人工光を有する、好ましくは、白色光を有する複数の光源のみならず昼光源が使用可能であり、例えば、光変調を有する各照明フィールドを発生すること、及びここでは、光品質が光変調中でも各々が変化されずに現れることが有利であり、その結果、前述の光学効果がもっぱら光学要素自体に起こり、他方、全ての他の照明されたオブジェクトは、変化しないまま現われ、従って、装置からであって且つ動作中の光品質は、例えば、エリアやオブジェクトを照らしている時、永続的に保持され、ゆえに、例えば、従来の動的画像投影や色光ステージングの場合に起こるような、分裂的なちらつきや対応する色光効果が起こらない。
【0029】
また、複雑なダイナミック光学効果の瞬間のリアルタイム制御が可能である点で有利であり、それによって、種々のタイプのダイナミックプロセスの可視化(可視化プロセス)が可能になる。各工程は、対応するプロセス関連信号を伴うことが可能であり、あるいは、これらの信号と対応して関連することができ、その結果、例えば、幾つかの対応するセンサ信号や対応するプロセス制御パラメータに基づくあるプロセス動作の可視化や、又はオーディオ信号(audio signals)からの対応するアルゴリズムの助けを借りて評価され得る対応信号に基づく各光学効果の音楽可視化や音楽アニメーション化がおこる。
【0030】
有利な実施形態では、光源デバイスは、更に、位置に依存して及び/又は時間に依存して位相差に影響を及ぼす少なくとも一つの光源位相差ユニットを備える。結果、光の位相差は、例えば、照明フィールドの種々のエリアにおいて光源デバイス内で特に変化することが可能であり、光学効果により包括的でより興味深いデザインを付与することが可能となる。
【0031】
例えば、夫々の所定のモチーフを有する潜像情報を有する固定設置された表示オブジェクトを使用する場合、既存のモチーフの各現在使用可能な色パレット及びそれらのモチーフに関連する構成の両方に関して、オブジェクトにおける材料変換や構成変換がこの目的で必要とされることなく、何時でもこれらのすでに存在するモチーフの追加の且つ迅速に変化する変更を導入可能である点も、ここでは有利である。各望ましいある視覚性能及びその変更は、光源デバイスの光路に導入できる或いは画像に応じて構成された唯一つ又は幾つかの多様に設計されたオブジェクト位相差ユニットを変更できるため、照明手段によって単独で達成可能であることが特に有利である。この場合、定義された局所的にアドレス可能な遅延を示し、次に、照明自体がプロセス中に視覚的に変化することなくモチーフの各出現で望ましい効果を有する。
【0032】
他の有利な実施形態では、光源位相差ユニット及び/又はオブジェクト位相差ユニット及び/又は変調ユニットは、少なくとも一つの光学的異方性物質及び/又は光学的異方性物質特性を備える。例えば、光学的異方性物質は、複屈折特性を有し得、偏光と位相差に影響を及ぼし得る。
【0033】
他の有利な実施の形態では、光源位相差ユニット及び/又はオブジェクト位相差ユニット及び/又は変調ユニットは、位置に依存した光学異方性及び/又は位置に依存した層厚み及び/又は位置に依存した材料特性の配向性、及び/又は位置に依存したらせんピッチを備え得る。また、これらの光学は、光の偏光と位相差の変更を可能とする。
【0034】
他の有利な実施の形態では、入力偏光ユニット及び/又は出力偏光ユニットは、交換又は除去され得る。これは、入力偏光ユニットと出力偏光ユニットは、可視化のためにきわめて重要であるためである。これらのユニットの一方が存在しない場合、光学効果の可視化は起こり得ない。例えば、効果が見えない中性モードが結果として実現され得る。
【0035】
他の有利な実施の形態では、入力偏光ユニットは、偏光を開始しないエリアを含み、ここでは、これらのエリアは、非偏光光フィルタを備える。即ち、例えば、入力偏光ユニットにおける光の偏光エリアは、偏光されたエリアが一般的に非偏光エリアよりも少ない光の強度を示すため、照明フィールド内で強度変動を引き起こす可能性がある。結果、望ましい一様で中性の照明フィールドの形成中に、これらのエリア中に非偏光光フィルタによって妨害され得るという問題に直面する可能性がある。従って、非偏光エリアの強度は、偏光エリアの強度と一致させられる。
【0036】
他の有利な実施の形態では、変調ユニットは、少なくとも一つのメソゲン物質やメソゲンユニット、特に、液晶を、時間に依存して及び/又は位置に依存して偏光及び/又は位相差に影響を及ぼすために備える。メソゲン物質は、処理が容易であり、影響を発揮するための望ましい選択肢を提供する。
【0037】
他の有利な実施の形態では、変調ユニットにおいて時間に依存して及び/又は位置に依存して偏光及び/又は位相差に影響を及ぼすプロセスは、エネルギーへの暴露を介して制御され得る。エネルギーへの暴露は、一方では実施が容易であり、他方では、望ましい影響をもたらすよう柔軟に調節され得る。特に、メソゲン物質は、それらの偏光特性及び/又は位相差特性に関してエネルギーへの暴露を介して容易に影響を及ぼされ得る。
【0038】
他の有利な実施の形態では、エネルギーへの暴露は、機械的及び/又は音波の及び/又は熱的及び/又は電気的及び/又は磁気的及び/又は電磁的エネルギー発生器をメソゲン物質に対して使用することによって起こる。
【0039】
他の有利な実施の形態では、表示オブジェクトは、更に、反射ユニットを含む。この反射ユニットは、基本的に、いずれにしても望ましい構成を有し得る。このような反射ユニットは、表示オブジェクトへの入射光を表示オブジェクトの入射側へ反射する。結果、表示オブジェクトにおける光学効果は、光が表示オブジェクト上で光る側から見ることができる。特に、構造的制限があると、例えば、表示オブジェクトがタイルとして壁や床に固定される時に、裏から見られないため、顕著な利点を生じ得る。
【0040】
即ち、反射ユニットがない場合、表示オブジェクトは、透過で見ることができ、光は、表示オブジェクトの一方の側から表示オブジェクト上に光り、且つ表示オブジェクトにおける光学効果は表示オブジェクトの他方の側から見ることができる。このような表示オブジェクトは、使用された光に関して透過性であり、透過で見られる。
【0041】
表示オブジェクトは、透過及び反射の両方で使用可能であり、それによって、オブジェクトエリアやアーキテクチャエリアにおけるカウントレス及び変化したアプリケーションを使用可能とし、例えば、透明なオブジェクト(例えば、ウインドウ要素、パネル、光チューブ、照明器具、アニメーション化可能受動ディスプレイ等)又は反射オブジェクト(例えば、建物正面要素(facade element)、タイル要素、パネル、照明器具等)或いはそれらの組合せとして使用される。
【0042】
他の有利な実施の形態では、表示オブジェクトは、更に、音響信号(acoustic signals)を発生可能な少なくとも一つの屈曲共振器を含む。結果、表示オブジェクトは、可視化のためのみならず音調のためにも使用され得る。屈曲共振器の使用は、別途のラウドスピーカの必要性を排除し、それによって、非常にコンパクトな構造設計を達成する。
【0043】
他の有利な実施の形態では、この屈曲共振器は、オブジェクト位相差ユニットの中又はその上に設けられる。結果、コンパクトな構造設計が一層向上され、屈曲共振器がオブジェクト位相差ユニットに一体化される場合、更に、最大化される。
【0044】
本発明により、冒頭で述べた問題は、上述の種類のデバイスを使用する、光学効果を変調して表示する方法で更に解決され、そこでは、光の特性が、特に、時間に依存して及び/又は位置に依存して変調ユニットにおいてエネルギーへの暴露を介して偏光及び/又は位相差に関して変調され、及び/又は画像情報が、特に、時間に依存して及び/又は位置に依存してエネルギーへの暴露及び/又は材料変換及び/又は構造変化を介してオブジェクト位相差ユニットにおいてオブジェクト位相差ユニットに可逆的又は不可逆的に印加され、光の特性の変調は、オブジェクト位相差ユニットにおいて画像情報と相互作用し、結果、光学効果が、出力偏光ユニットによって可視化される。
【0045】
請求項13の方法の説明に関して、包括的な参照が請求項1のシステムに対して与えられた説明に対して最初になされる。本発明の方法において、光の特性は、初めに、時間に依存して及び/又は位置に依存して変調ユニットにおいてエネルギーへの暴露を介して偏光及び/又は位相差に関して変調される。これは、光学効果の表示を変化する方向への第1の寄与となる。
【0046】
その変調の別法として或いはその変調と組み合わせて、光学効果の表示を変化する方向への第2の寄与は、オブジェクト位相差ユニットにおいてエネルギーへの暴露及び/又は材料変換を介して行われ得、それは、時間に依存して及び/又は位置に依存して画像情報を可逆的又は不可逆的にオブジェクト位相差ユニットに印加することを可能にする。このタイプの印加プロセスは、すでに述べた。
【0047】
最後に、変調ユニットを介する光の特性の変調は、オブジェクト位相差ユニットにおいて可逆の又は不可逆的に印加された画像情報と相互作用し、結果、光学効果が、出力偏光ユニットによって可視化される。
【0048】
このような相互作用は、基本的に、例えば、加算又は減算による重畳として望ましい形態をとることができる。
【0049】
本方法の有利な実施の形態において、表示オブジェクトに起こる光学効果は、少なくとも局部的に偏光をキャンセルすることによって不可視にされる。局部的なキャンセルは、どこでも基本的に望ましい方法でもたらされ得る。例えば、局部的キャンセルは、入力偏光ユニットや出力偏光ユニットにおいて発生し得る。
【0050】
本方法の他の有利な実施の形態において、偏光は、少なくとも一つの偏光ユニットを除去することによってキャンセルされる。すでに述べたように、偏光は、入力偏光ユニット及び/又は出力偏光ユニットを除去することよって少なくとも一時的にキャンセルされ得、結果、例えば、光学効果が不可視のままである。
【0051】
本方法の他の有利な実施の形態において、少なくとも一つのメソゲン物質やメソゲンユニット、特に、液晶は、エネルギーに暴露される。これに関しては、上記を参照されたい。
【0052】
本方法の他の有利な実施の形態において、エネルギーへの暴露の制御は、ベース信号に対応している。このベース信号は、基本的に望ましい任意の方法で選択及び具体化され得る。例えば、後者は、変調信号、例えば、オーディオ信号(an audio signal)のみならず、センサ信号、例えば、圧力信号、又は信号発生器からの信号を含む。
【0053】
これは、光学効果と、例えば、相互作用、例えば、圧力センサを介する人の動き、並びに例えば、音響信号を介する音調との対応をもたらし得る。結果、視聴者、例えば、特別な体験へ導くことができる聞くこと/視野又は視野/感じることに対して二つのセンサが接続される。
【0054】
本方法の他の有利な実施の形態において、表示オブジェクトへ入射する光源デバイスからの光は、表示オブジェクトを通過し、それによって、表示オブジェクトの反対側で見られる。これは、透明な表示オブジェクトを見るために上述の透過オプションを表している。
【0055】
本方法の他の有利な実施の形態において、表示オブジェクトへ入射する光源デバイスからの光は、表示オブジェクト内で反射され、それによって、表示オブジェクトの入射側で見られる。上述の反射ユニットは、このため、上述のように、表示オブジェクトの入射側へ光を戻すよう案内するために必要である。
【0056】
幾つかの実施の形態が図面において例示される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】光源デバイスと表示オブジェクトの配置、及び前記表示オブジェクトの内部レイアウトを示す。
【図2】表示オブジェクトの他の内部レイアウトを示す。
【図3】光源デバイスの概略レイアウトを示す。
【図4a】変調ユニットの概略レイアウトを示す。
【図4b】変調ユニットの他のレイアウトを示す。
【図5a】直接背面投影を有する透過表示オブジェクトを示す。
【図5b】間接背面投影を有する他の透過表示オブジェクトを示す。
【図5c】直接背面投影を有する反射表示オブジェクトを示す。
【図5d】再方向付け背面投影を有する他の透過表示オブジェクトを示す。
【図5e】透明ホログラフィック光学要素(THO)を介する間接背面投影を有する他の透過表示オブジェクトを示す。
【図6a】反射表示オブジェクトを有するアーキテクチャ要素が与えられる場合の本発明の模範的用途を示す。
【図6b】透過表示オブジェクトを有するアーキテクチャ要素が与えられる場合の本発明の模範的用途を示す。
【図7】円筒状配置における本発明の模範的用途を示す。
【図8】二つの変形でのピラミッド配置における本発明の模範的用途を示す。
【図9】光学効果と共にオーディオ信号を同時に再生するための本発明の模範的用途を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、本発明の模範的な実施形態の概略図を示し、本実施形態は、図3に細部が描写される光源デバイス(BV)を備え、この光源デバイスは、制御信号Vsに対してそれぞれ所定数の入力を有し、これらの入力を使用して、光源デバイスBVに含まれる対応する光学変調要素(変調ユニット、OME)(図3に記載)を作動させる。光源デバイスBVから、直接背面投影された出力ビーム(Sout)が、本例では半透明の表示オブジェクト(TDO)として設計されている表示オブジェクト(DO)に衝突し、それによって対応する照明フィールド(LF)を生じ、TDO通過後、観察者(B)が視認可能で制御信号Vsに従って変調又は映写可能な対応する画像情報(BI)を含む。
【0059】
また、図1は、対応する層状構造を有するそのようなTDOの概略断面図を示し、この層状構造では、光ビームは、まず、透明な保護層(SS)を通過し、次に、少なくとも一つの光学的異方性層を通過する。この光学的異方性層は、偏光光学画像要素(オブジェクト位相差ユニット、POB)として機能し、画像アドレス可能な光路差Γi(x,y)として表わされる各潜像情報を備え、適した光屈折率を有する透明な光学的等方性フィラー層(FS)を任意で備え得る。所定数の、対応して構成されたPOBの次には、偏光要素(出力偏光ユニット、PE)があり、この偏光要素は、本例では、アナライザとして機能する。一つ以上の透明な保護層(SS)が終端層を構成することができる。
【0060】
この特別の例では、好適な本実施形態に記載の透過性表示オブジェクトTDOが、前後に層状に重なり合う2つの異なる偏光光学画像要素POBkとPOBlを備え、これらの要素は、局所的にアドレス指定可能な光路差Γi(x,y)及びΓj(x,y)の形式で印加される対応設計された潜像モチーフを夫々有する図2もまた、表示オブジェクトTDOを通過する光路を好適に図示しており、この表示オブジェクトTDOは、必ずしも平面でない要素として構成可能であって、自由に選択可能な形状及びそれに対応する寸法を有する。図2は、更にTDO(z方向、y=定数、x=変数)の断面、及び偏光光学画像要素POBkの層厚みプロファイルd(x,yj)を対応するグラフと共に模式的に示す。このグラフは、画像コンセプトに関して個々に又は共に光学的に相互作用し、且つそれに応じて画像的に構成された夫々の層厚みd(x,yj)を表すものであって、光学異方性Δn(x,yj)及び配向α(x,yj)のグラフである。
【0061】
図3の概略図は光源デバイスの好ましい実施形態を示しており、この光源デバイスは、モジュール設計により有利にもたらされる。光源Lからは、特定の好適なスペクトル放射I(λ)の光が放出され、制御信号VIを用いて光強度を対応して変化可能な手段を備える。また、その他の既知の手段(例えば、異なる光源のスペクトルの混合、スペクトルフィルタの組み合わせ等)を使用して、所望の方法で対応する制御信号Vλを介してスペクトル放射を変化させることも可能である。用途にもよるが、光源としては、幾つかの例を挙げると、白熱ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アークランプ、蛍光ランプ、金属蒸気ランプ、LEDシステム、及び有機発光ダイオード等の従来のランプが挙げられる。各表示オブジェクト内で潜像情報を可視化するため、光路には偏光光学要素(入力偏光ユニット、POE)が組み込まれており、この目的のために対応する手段(POE−IN)が備えられ、これによって、前記光路から前記偏光光学要素POEを再び任意で取り除く(POE−OUT)ことも可能になり、画像情報及び関連する光学効果をユーザの判断で再び完全に不可視にできる。
【0062】
組み込まれた各POEは個別に構成可能であり、全てのPOEは所望の置換が可能である。これにより、POEによって生成される全ての部分光線又は照明フィールドエリアの特異的な所望の特性がそれぞれ得られ、この特性は、ここでは基本的に非偏光又は対応して偏光されうる。POE内でそれぞれ構築された偏光領域は、更に、それらに関連する偏光方向によって区別される。結果、各POEは、特定数の局所ドメイン又はそれに対応するフィールドエリアを備え、局所ドメインは相互に表現され、そして各々確定されており、局所ドメインとフィールドエリアは2つの基本的に異なる光学機能を実行する。中性ドメインに分類され、図3では符号(N;So)で示されるこれらのフィールドエリアは、これらのエリア内の出射光が常に偏光されないことを特徴とする。
一方、偏光ドメインとして分類されたPOE(図3では(↑;Sp,α)で示す)内のフィールドエリアは、所定の偏光方向αを持ち、夫々対応して局所化され、かつ領域的に区別された入力偏光子として機能する。このフィールドエリアは、ここでは、表示オブジェクトDOの各照明フィールド内での前記光学効果の偏光可視化であって、結果として局所的に含有するようにされた偏光可視化のために用いられ、一方、前記中性ドメインは、各DOと共に、このように識別された照明フィールドエリア上に可視の光学効果が現れないことを意図的に確実にするよう機能する。
偏光ドメインは、一般的に使用される全ての偏光要素によって実現可能であり、偏光子は、夫々所望の形状及び配置を反映するように設計され位置決めされる。最も単純な例では、この目的に市販の偏光子フィルム(例えば、ポーラテック(Polatech)社製、日東電工社製、ショット(Schotto)社製、3M社製)を使用することが出来、これらのフィルムは、対応して形成されたセグメントとして所望の方法で配置され、また、各好適な偏光方向(偏光角α)に従って対応して整列される。また、ここでは、偏光角に対して各個別に設計された方向の勾配磁場を有する偏光要素も考えられ、一定の偏光方向及び/又は継続的に進行する方向勾配を有する離散フィールドエリアが生じ得る。また、夫々の偏光角を特定のドメイン内で回転可能な手段を備えることができる。従来の吸収偏光フィルムが使用される場合、偏光ドメインに対する光透過率は、従って、実質的に損なわれていない中性ドメインと比較して大幅に減少され、結果、関連する照明フィールドエリア間の対応する明度差がDOで発生する。必要であれば、中性ドメインを通過する間、光がある程度弱められることも出来、それによって、もはや、実際、中性ドメインを出発した非偏光光と偏光ドメインから発する偏光光の間に目に見える明度差は認識されない。結果、このような明度に関して偏光ドメインに対して調整された中性ドメインは、中性フィルタの更なる光学機能を具備する対応したフィールドエリアを有する。好適な各光透過率は、ここでは、偏光ドメイン内とできる限り同じ程度まで光が弱まるような方法で選択されなくてはならない。
【0063】
最も単純な例では、対応する光学密度を有する従来の中性フィルタをこの目的でフィルム材料として使用することが出来、偏光フィルムと共に、POEに対応して適用することができる。
【0064】
図3によれば、少なくとも2つの更なる光学機能要素が、光路又はビーム路の偏光光学要素POEよりも下流に、夫々好適な数、配置及び組み合わせで位置決めされている。これらは、一方ではいわゆる光学変調器要素(OME)であり、他方ではいわゆる構造化位相差要素(位相差ユニット、SRE)であり、それらの機能は上述の通りである。結果、OMEiは、前記DOにて画像を変調するための光変調器として機能し、光変調は対応するエネルギーEiへの暴露により各OMEにて開始される。この特定のエネルギー暴露は、制御信号VMiの助けを借りて作動されうる。しかしながら、関連する光変調は、もっぱら偏光ビームセグメント又は偏光照明フィールドエリアに対して選択的に作用し、非偏光ビームセグメント又は照明フィールドエリアはいかなる光変調も受けず、それによって、表示オブジェクトDOと共に、まさにこの目的で構築された各照明フィールド内のこれらの位置でいかなる光学効果も画像変調も観察できない。従って、光源デバイスは、並列及び/又は直列の数個のOMEを含むことが出来、これらのOMEは、夫々所望の配置及び必要な場合にいつでも、例えばモジュール形状で光路に導入することが出来、また必要であれば再び取り除くことができる。各個々のOMEが夫々の制御信号VMによって個別に作動されるため、対象を絞った数個の制御信号使用により、結果として極度に複雑な光変調又は画像変調を編成することが可能になる。このようなOMEは、実際、特に電子的に作動されるLCセル(所謂ECBセル、電界制御複屈折)として使用可能であり、様々な形及びモデルで市販されている。様々な製造業者のいわゆるねじれネマチックセル(TNC、ツイステッドネマチックセル)が好適に使用可能である(例えば、オプトレル社(Optrel)、オプトレックス社(Optrec))。
【0065】
図3によれば、POE及びOMEと共に、任意の数及び所望の配置で、関連するOMEに対応して割り当てるように、更なる所謂構造化位相差要素SREをBVの光路に組み込むことができる。これら前述のSRE各々は、ここでは、局所的にアドレスされた所定の位相差Γ(x,y)を有する単層、又は各々が光路差Γi(x,y)に対して個別のモチーフ及び特定の夫々に適した軸方向距離を備え得る複数のカスケード式層状構造体のいずれかから構成可能である。
【0066】
上述したように、組み合わせた偏光光学システムの前述した光学機能は、一方では素子POB、OME、及びSREを備える互いに空間的に離間した光源デバイスBVと、他方では要素POB及び関連する割当てられたアナライザPEが組み込まれた夫々の表示オブジェクトDOとの光の光学的相互作用から生じ、BV内のSRE及びDO内のPOBの両方が、画像に関して対応して構成された所定の光路差によって各々区別される。結果、まず各DOで夫々可視化された光学効果は、2つの異なる空間的且つ機能的に分離した貢献によって全体として決定される。この決定工程では、特に、BV内の光ビームがPOE及び特定の数の、対応して構成されたSRE及び各割り当てられたOMEを通過する間に第1の部分が生じ、光ビームがDO内の各POBを通過し続け、それによって最終的に画像を決定する結果を生じ、場合によっては夫々の個別の局部に対して前記光路差を加算又は減算することによって組み合わせる効果的な光路差を生じる間のみ対応する空隙又は別の透明な異方性媒体の後に第2の部分が生じる。DO及び関連する色パレットと共に実際に現れる各画像情報BIもまた夫々支配的な局所偏光状態、軸方向、及び光入射角に依存し、そのため、これらのパラメータはBVからの要求に応じて更に変化可能である。従って、各DOからのBVのこの空間的且つ機能的分離は、一連の利点と関連する。一方で、全光学効果は各偏光要素PEの助けを借りて、対応する特定のDOと光学顕微鏡に関して関連があり相互作用する場合のみ、及びこの目的で構築された対応する照明フィールドエリアにおいてもっぱら、選択的に可視化されるだけである。従って、透明なSRE及び/又はPOE及び/又はOMEを接続又は置換した場合、及び任意の変調条件下でも、BVから発せられる出力ビームSoutの光質は、実際、変化しないままである。結果、この機能分離によって、BVに対して画像変更及び画像変調のアクティブな機能の全てが与えられ、BVが発する光に対するそれらの光の光学効果は常に不可視なままである。
【0067】
夫々別々の部分から生じる光学効果は、主に受動光学要素として構成される前述のDOによって可視化される。最も高頻度で固定して取付けられる又はPOBの所定の潜像モチーフによってほぼ不変である表示オブジェクトからSRE及びOMEを空間的且つ機能的に分離する目的は、光源デバイスBV内に単独で位置され、更に寸法の小さい個別の容易に接触可能な光学コンポーネントが、容易に交換又は置換可能であり(ここでは、複数の異なる対応する既製のSREが、例えば交換装置で使用可能である)、結果、DOでの光学効果はDO自体を変更する必要がなくいつでも変更又は変化可能であるという、用途に関連した利益に関係がある。従って、SREを対応して選択して配置し、各OMEに対して後者を夫々割り当てることによって、対応するDOと併せて、夫々所望の画像モチーフとそれらに関連する色パレットを自由に形成するのはユーザ次第である。
【0068】
また、図3は、対応する光ガイダンス、対象光ビーム影響(バンドリング、偏向等)、画定した照明フィールド投影又は光学的画像形成の目的で使用可能な更なる光学的要素OEを各BVに提供するという選択肢を示す。この目的を達成するために、BVは、これに対応して、通常の光学要素、特に、例えば、光学ミラー(OE1)及び/又は集光レンズ(OE2)及び/又はレンズ(OE3)をビーム路に組み込むことができる。
【0069】
本発明の模範的な一実施形態は、光学変調器要素OME又は能動的に作動可能な構造化位相差要素SREを含む。
【0070】
説明する例は、対応して設計された液晶層又はLCセルが受ける前述のエネルギーが、液晶層又は対応するルーメンにおいて一つの画定した音場又は数個の相互に干渉し合う音場や超音波音場を生成する、以下では音響光学変調要素(AOME)と呼ばれる、夫々の制御信号によって作動される対応するアプリケータによって発生される音響エネルギーの形をとる場合に関する。例えば液晶では特定の音響光学効果が発生可能であること(Chatri Sripaipan et al., Physical Review, Vol.15, No.3, March 1977)、特に、ここでの各LC層が、各LCが特定の配向を取り、対応する超音波に曝された場合に複屈折特性を示すことが一般的に知られている。結果、これは、LC要素内に音響誘導且つ特定の調節可能又はダイナミックに作動可能光学的異方性パターンを導くことになる。従って、音響光学誘導相構造体は、OMEとして又は能動的に作動可能なSREとして使用され得、そこでは、特に音響光学的方法で発生可能な夫々の動的構造形成光学効果が対応する制御信号を介してダイナミックに変調されることもできる。アプリケータは、この目的に適する全ての電気音響変換器や超音波変換器よりなることができ、ここでは、夫々の音場は、対応して既知の手段及び連結媒体を使用してLC層へ連結され得る。
【0071】
一つ又は数個のいわゆる光音響アプリケータを、LC層の、対応して確立された局所エリアに対しても使用することができる。いわゆる光音響効果は、ここでは、各望ましい周波数の音波を励起するために、各周波数を有する関連し且つ各対応して変調された放射強度を介して対応してLC上で目標となる照射が起こるよう各LC層において使用される。各望ましい放射は、対応して変調可能な外部ラジエータを一つ以上使用して非接触方式で適用することができる。更に、光音響励起の目的のためにここでは、電磁放射が可視スペクトル外(例えば、数例をあげると、IR放射、電磁放射、UV放射)にあることが有利である。結果、対応するラジエータの組合せ及びビームガイダンスは、そのプロセスで眼に見える影響がBVから発される光Sout上に与えられないように各LCフィールドを適切に暴露するよう使用され得る。この分野の専門家にとっては、LC層の対応する光音響励起を可能にし、続いて前述の音響光学効果を発生させることに関する工程は周知である。
【0072】
図4Aは、AOMEの特別な好適実施形態を示す概略図であって、AOMEはいわゆる表面音波に曝されるLC要素の形態になっている。
【0073】
このデバイスでは、音響光学原理は、複屈折特性を有する構造形成光学現象の目的とする発生及び変調のために使用され、AOMEは、各々OMEやSREの代わりに、光源デバイスBV内で光路に組み込まれている。
【0074】
図4Aは、AOMEの原理を描いており、インターデジタル変換器(インターデジタル変換器IDT)は、圧電基板PS上のLC層(LC)に、LC内の上記音響光学効果を誘導する表面音波OFW発生のために使用される。OFWは、アブソーバ(吸収体、いわゆる音響井戸)によって対応して弱められ、あるいは必要に応じて、例えば、音響定在波フィールドを発生するよう反射器Rによって対応して反射される。
【0075】
表面音波OFWは、対応するインターデジタル変換器(インターデジタル変換器IDT)を使用して適切なベース周波数(例えば、メガヘルツ範囲内)を有する信号Siによって発生され、インターデジタル変換器は透過用途では半透明な且つ反射用途では光を反射する圧電キャリア材料(PS)上にある。適切な層厚(マイクロメータ範囲内)を有し、キャリアPSへ適用される液晶層(LC)は、ユーザによって要求された既知の手段(例えば、界面活性剤や配向層)を使用して事前に配向され得、それにより、LC層は、好適な各構造化光学異方性によって区別され、光源(L)から発され且つ対応して偏光された(Pol.)光が、各IDTによって励起された光学異方性構造体に関して対応して変調され、且つ信号Siによって制御され得る。パターン形成を励起且つ制御するために使用される信号Siは、可変の振幅及び周波数を有するHF発生器によって最初に発生される。下流の周波数変調器(FM MOD)は周波数変調信号を発生するために使用され、周波数変調信号は、例えば、500kHz〜10MHzの各所定のベース周波数によって低周波制御信号SS1を介して変調可能である。ベース周波数及び周波数スイングの各選択は、それぞれ誘導される音響波フィールドの各波長から生じ、かつ、再度の用途特定要求に依存し、各複屈折パターンドメイン(例えば、位相格子の格子定数)の動的に制御可能なターゲット(目標)空間周波数変動に関し、関連する音響周波数や波長はパターン形成の望ましいモードをそれぞれ決定する。下流の振幅変調(AM MOD)は、特に、追加の低周波制御信号が付加された音響強度(音響インテンシティ、acoustic intensity)を作動させ、また、夫々の好適音響強度と変調の度合いは、望ましい音響光学効果を達成するために用途特定要求によって決定される。
【0076】
図4Bは、基板PS上に二つのインターデジタル変換器IDT1、IDT2を備えるAOMEの特に好適な実施形態の原理を示す。
【0077】
この好適実施形態の利点は、この場合、二つの音響波フィールドがLC層内で互いに干渉し、それによって、信号Si,1とSi,2が、干渉の結果生じた各干渉フィールドのターゲット(目標)制御を可能にし、それゆえ発生する対応するLCドメインにおける光学的異方性構造形成への局所効果を可能とするために使用され得る。例えば、二つの音響強度に二つの関連する振幅変調器AM MODを介して相補動的制御を受けさせることによって、特に、2次元音響フィールドの局所干渉ベクトルを変え、それゆえ、同様に位置に依存して光学効果を変化させる又は励起位置に対応するダイナミック(励起位置ダイナミック)を有するパターン形成を達成することを可能とする。更に、また、パターン発生音響光学決定要因は、望ましい方法で互いに相関され得る夫々の音響周波数並びに二つの各IDTを作動するために使用されるそれらの周波数変調によって空間周波数指定パターン形成に関して静的又は動的な方法で影響され得る(空間周波数ダイナミック)。結果、極端に複雑なパターン形成プロセスと光学効果は、これに関して実施される夫々のHF発生器、振幅変調、及び周波数変調の対応する組合せと相互関係を介してユーザの各意図に基づいて実現され得る。すなわち、本公開に明示的に又は暗示的に含まれる示唆に基づいてAOMEのさらなる実施形態及び将来的な変更の発生及び使用は、使用者次第である。また、これに関連して、AOMEは、より多くの光音響アプリケータや種々のタイプの電気音響変換器やそれらの組合せを使用して構成することもありうる。
【0078】
図5Aから5Eは異なる5つの実施形態をそれぞれ示しており、これらの実施形態は、関連する表示オブジェクトDOに当り、場合により半透明(TDO)又は光反射(RDO)構成として設計される光源デバイスBVからの光の前面投影又は背面投影を介する直接又は間接照明を含む。
【0079】
図5Aは、半透明(透過性)表示オブジェクトTDOの模範的概略図であり、その構造的設計に関して、例えば、図1及び図2に対応する内部構造を設けることができ、とりわけ、対応して層化された偏光光学要素POBが複数組み合わされ、各々が潜像として個々に構成された画像情報を有する。TDOは、更に、任意の数、寸法及び更には望ましい形状変形(例えば、層状又は立体状、平面状又は湾曲状構造体として、及びまた中空体や中実体として)で任意の好適な空間的位置で光源デバイスBVから発される照明フィールドに組み込まれ、かつ各照明フィールド内を移動することができる。結果、BVから発される出力ビームSoutは、TDOを介して直接発光し、それによって、TDOの背後に位置する観察者Bは、偏光可視化の場合にのみ、それぞれ照明されたフィールドと併せてTDOで発生された画像情報BIを知覚することができる。これとは逆に、非可視画像情報は、BVに含まれる手段が与えられると出力ビームが全体として場合により非偏光化されるように意図された場合にも発生し、それによって、関連する光学効果さえ観察されず、TDO全体が完全に透明に現れる(いわゆる中性モード)。
【0080】
図5Bは、本発明の一の好適実施形態であって、半透明なTDOの使用による間接的透過背面投影の変形例を示す。図5Aとは反対に、この変形例は、BVとTDOの間にさらに導入された、いわゆる半透明投影要素TPEを備え、背面投影は対応する照明フィールドを生じさせる。当該照明フィールドは、各下流TDOに対して関連する背景照明として機能し、TDOと同様に、TPEも自由にアクセス可能な形状とサイズで設計され、かつ、好ましくは、各使用TDOにより予め決定された条件に応じて調節されることができる。しかしながら、その機能を確保するために、そのようなTPEは、TPEを実現するために使用される各材料が、特にその偏光保持特性により識別されるという本質的条件を満足しなければならず、それによって、背面投影を介するTPEを通過する各対応偏光並びに下流のTDOに対する各背景照明フィールドは、その偏光状態を大きな変化なしに保持する。あるいは、TPEは、半透明(透過及び散乱)と光ガイダンス(投影角度、観察角度)に関して望ましい各特性を備えるものであれば、あらゆる材料を使用して実現されることもできる。そして、観察者Bは、前述の画像情報BIや光学効果を、各背景照明フィールドLFの前で、TDO前方側で見ることができる。経験的に、例えば、LogoFilm製の光学的に不透明な背面投影フィルム材料は、TPE材料としてより好ましく適切に使用することができる。これらのフィルム材料は、十分な偏光保持性を有し、そして関連する特性により、TDOにおいて光学効果の非常に高いコントラストを観察でき、また、広い視野角度に亘って、昼光状態であっても周囲の迷光によって大きく影響されない。BVが偏光可視化から中性モードにスイッチされた後、主に白色光で均一照明された背景の前で、TDOは再度完全に透明になる。
【0081】
図5Cは、反射表示オブジェクトRDO上への直接前面投影を含む場合の好適な実施形態の概略図である。この変形実施形態おいて、BVから発された光Soutは、反射配置RDOの表示オブジェクトに当たる。そこでは、内部構造が、とりわけ、少なくとも一つ以上の、対応して設計され且つ対応して並列及び/又は直列に層化されたPOBを含み、各層は潜像情報を保持する。その結果、BVによって放射された光は、全ての関連するPOBを通過し、最終的には、光学的に対応して連結された偏光要素PEに当たる。ここでは、偏光要素PEは反射アナライザとして機能する。光はアナライザ表面で該アナライザの偏光方向に従い対応して反射され、その結果、ここでは観察者Bの傍で、手近に偏光可視化される画像情報BIを含む。その状態が選択的に中性モードで操作されると、光学効果が再びRDOに全く現れなくなり、PEの好適に均一な、そして拡散反射する表面はもっぱら上流の透明な層を通って光る。知見に基づき、拡散反射し且つ同時に偏光するフィルム材料であって、種々の製造業者(例えば、3M、ビキュイティ(Vikuiti)、ポーラテック(Polatech)、日東電工等)の一般的なフィルム材料を、各反射PEとして使用することができる。反射PEは特定の方法でその偏光及び反射特性の両方によって区別されるものである。また、これらのフィルム材料は、関連する光学要素に積層(貼付)することが容易である。従って、前述の光学効果は、広い範囲の投影角度と視野角度に亘って前面投影される間に前方から観察すると、鮮明な色再生を伴って高レベルの輝度とコントラストで観察され、他方、周囲の迷光に対しては十分に無反応である。
【0082】
図5Dは間接的かつ反射背面投影の形態における他の変形を示す概略図であり、少なくとも一つのいわゆる反射投影要素RPEと組合せた、少なくとも一つの半透明透過表示オブジェクトTDOが使用されている。ここで光源デバイスBVから発される光ビームSoutは、最初に、適切な投影角度で対応して構成されたRPEに当る。このRPEは、ここでは光反射器として機能し、当該光反射器は特定の表面を備え、且つ望ましい各反射特性を有する偏光を保持し且つ対応して配置されたことになる。それによって、RPEで対応して反射された光は、意図された方法で各TDOを通過し、TDOから放出される可視画像情報BIは、観察者Bによって認識される。RPEの各反射特性によってそれぞれ生じる反射角度又は視野角度の範囲と共に、選択した放射光投影角度に依存する結果、特定の空間距離がRPEとTDOの間に要求される。このように、RPEから発される反射器(リフレクター)照明フィールドは、各TDOを通して観察する時、前述の光学効果を観察するために背景照明フィールドとして機能する。偏光保持状態を満足するために、主に金属表面にRPEを設けることができる。特定の好ましい方向に沿った放射光を、反射及び/又は拡散性のより少ない散乱を意図する望ましい反射特性を達成する目的で、関連する表面を、特定の表面仕上げ及び表面構造(複数例挙げると、特定の反射及び/又は拡散軽減構造、マイクロプリズム構造、格子構造等)で仕上げることでもできる。これに関して、図5Dは好適な一実施形態の詳細な断面を示し、この実施形態は対応して設計された表面構造へ向けられた反射を介しての光ガイダンス(光誘導)を目的とする。その表面構造の端部に沿って線が引かれた(lined)半プリズムマイクロレリーフは、特定の浅い入射角度で放射された光がRPE表面に対して主に垂直に反射されるように配置される。反射に加えて、更に艶消し仕上げされた金属表面がこの表面に対して特定部分の散乱を与え、それによって光学効果の更に一層の可視性と視野角の可能な範囲を向上させることができる。
【0083】
RPEの製造には、複数の市販のプラスチックフィルム材料を用いることができ、これらの材料としては、例えば、LCDスクリーンや種々の電灯構造物における光ガイダンスのために使用される材料(例えば3M、Vikuiti等)がある。その場合、これらのポピュラーなフィルム材料は、ここで必要な偏光保持特性のみが欠けているため、これらのフィルムを、対応する金属表面に被覆することもできる。同様に、金属材料は、望ましい構造と表面仕上げを得るよう既知の方法を使用して機械加工されることができる。
【0084】
他の実施形態の変形例は図5Eに概略的に描かれており、先に示された図5Aから5Dとは反対に、二つの異なる画像源(いわゆるオーバーレイ機能)の視覚的オーバーラップを組み込んでいる。例えば、この更なる光学機能により、前後に配置される二つの各透明光学要素TDO、THOEを介して各現実シーンSzや画像媒体(例えば、ディスプレイ、ビデオ或いはフィルム投影等)からの他の関連する画像に基づく仮想シーンを見られるようになり、ここで同時に観察された各現実のシーンを、必要ならば、TDO内にBVを介して発生される前述の光学効果に光学的に重ねる特別の能力を生じさせる。その光学機能に関し、TDOと接続されるように対応配置された透過型ホログラフィック素子THOEは、この素子が、一方では、前から見た時に、背後にある情景に対して事実上透明な窓として機能し、他方では、定義された各入射角度βでBVを介してTHOEに向かって更に配向された背面投影によってこの観察された各情景(viewed scene)と特定の方法で重ねられるという事実によって一般に区別される。結果、光学的オーバーラップの各範囲は、二つの部分の関連する優勢な輝度レベル間の各相関関係に依存する。このために、オーバーラップの各範囲は、相互的な各方法でBVの部分上の輝度Hを介してシーンSzの各輝度Hszに対して望ましいように個々に適合され得る。シーンSzが暗いままである場合(a)又は関連する背面投影が起こらない(例えば、H=0)場合(b)の二つの特別な場合に関して、場合(a)における投影又は場合(b)におけるシーン自体のみが、THOEを通して観察する時に現れる。
【0085】
ホログラフィック格子の適用に基づくこのようなTHOEは、SAX3Dからいわゆるホログラフィック光学投影ディスク(Holographic optical projection discs、HOPS)として利用可能である。これらの光学的に透明なホログラフィック素子を使用する利点は、これらの素子が、一方では、原則要求される必要な偏光保持特性を備えること、及び他方では、偏光可視化中に生じる前述の光学効果が、通常非偏光周囲又は迷光によってほとんど影響を及ぼされず、それによって、高いレベルの輝度を有する環境においても極端に高いコントラストと鮮明な表示が可能だという事実にある。各適用の利点は、それらが、そのような投影に対して通常極端に好ましくない状態下でさえ、例えば、明るい昼光に暴露される、ヘッドライトが向けられる方向にTHOEがある場合でも、前述の光学効果の良好な再現を可能だという事実に起因する。後者の利点は、BVを出る出力ビームSoutが、各正確に定義され且つ制限された入射角度βでのみTHOEの後ろ側に投影され、そして、関連するTHOEのホログラフィック格子構造(特異的に形成され、この角度に正確それぞれ調整されたもの)の使用により、観察者Bの方向に向かってその表面に対し垂直に向きを変え、それによって、下流のTDOを通過した後、望ましい画像情報BIをもたらすという事実に主に起因する。専ら、BVから発する投影ビームSoutは、各TDOと一体となって上述した光学効果の発生において能動的であるので、BVから発されない全ての他の光源は、前述の光学効果の再生品質を相当に損なう。この欠点は、THOEの使用を介し、この特別な例において、通常非偏光である他のどのような角度で入射する迷光や周囲光でも素子自体において散乱も湾曲もされず、それによって、素子が透明なTHOEを介して光るという事実のおかげで大いに回避される。THOEとTDOの両方が夫々透明であり、従って、実際上可視の内部構造を備えないため、TDOから生じる画像情報BIと各シーンSzの両方が、光学効果の偏光可視化の間、対応する視覚的オーバーラップの形態で観察者Bに現れる。シーンの輝度Hszにそれぞれ関連してレギュレータHを介してBVからの投影光の輝度を対応して調節することによって、それぞれ生じる光学的オーバーラップの範囲が望ましいように調整され得る。シーンSzが実際のシーンを含む場合、各輝度Hszは、追加的に且つ対応して明暗調整可能な光によって望ましいように変化し得る。他の例では、例えば、仮想シーンが、関連するディスプレイ又はスクリーン上への各画像投影やビデオ投影に基づいて実際のシーンの代わりに発生されるべき場合、輝度Hszは、各使用された媒体に対して対応して調節され得る。結果、追加的でオプション的でインパクトのある設計可能性が、互いに関連する各輝度レベルH(t)、Hsz(t)の特定のダイナミック制御を介して生成され得、そこでは、このように達成可能な上記各光学効果に加え、この特別の実施の形態の変形は、この場合、各上演過程(staging process)中に透明性の範囲と夫々のコントラスト比をダイナミックに変化するために使用され得る。選択された中性モードの場合、例えば、BVから発せられ、それゆえ、完全非偏光の光を投影する時、関連する照明フィールドが、上述のように、いずれにしても、光学効果無しに現れ、各照明フィールドは、対応して調節された輝度レベル(例えば、シーンSzのHszと併せてBVから発生する光の投影のH)で光学的に重ね合わされ、結果的に幾分不透明で且つ照明されたディスクを介して見る時に引き起こされる視覚的印象を観察者Bに与える。二つの極端な場合(a)(H>>0;Hsz=0)又は(b)(H=0;Hsz>>0)に関して、完全に不透明な背景照明フィールドは、場合(a)では透明なTPOに対して可視になり、TPOの背後に位置する各シーンSzの精読が可能でない。他方、場合(b)では、二つの要素TPOとTHOHの両方が等しく且つ完全に透明に現れ、シーンSzの完全に明瞭な表示が可能である。
【0086】
図6A及び6Bは本発明の他の好適実施形態の模式図であって、アーキテクチャ要素(建物構造要素)として主に機能し、横断可能な床タイル又は床被膜、及び壁パネルや建物正面要素等の両方として使用可能な表示オブジェクトの形態を示す。図6Aに描かれるタイル要素は、外部光源デバイスBVから発する光Soutのビームによって反射構造RDOi中の表示要素として対応して照明され、それによって、観察者Bは、各RDOi内で発生した光学効果を観察することができる。この変形例は、図5C上に示される原理に対応するものである。このように、RDOとして指定される各アーキテクチャ要素は、対応して設計されたモチーフと共に、それぞれ特定数のPOBを含む。更に、各RDOは、対応するキャリア材料Tに適用することができ、且つRDOの表面は、同様に、例えば、保護層として機能する追加の透明層SSを備えることができるし、または、対応して構造化された表面プロファイル、対応する透明色モチーフ、もしくは特定のコントラストレベルを組み込むことができる。
【0087】
図6Bは、対応して設計されたTDOの形態でそれぞれ実現される、半透明のアーキテクチャ要素の使用を含む好適な実施形態を示し、間接的透過背面投影が図5Bに示した原理配置に従って発生する。この場合、各光のビームSoutは、関連する使用された光源デバイスBVi…BVkから放射されて、空気層LSを通過又は適切な透明なフィラー層FSを通過し、続く半透明な透過投影要素TPEに各照明フィールドが発生し、全ての関連する統合されたTDOに対して背景照明として機能する。同様に、また、TDOは、図6Aの場合におけるような、追加の層SSを備えることができる。偏光可視化中に、前述の光学効果が再び夫々のアーキテクチャ要素中に現れ、BVが中性モードに切り替えられた時には、潜像情報は観察者Bには不可視のままである。
【0088】
反射又は透過構成のアーキテクチャ要素に対し想定される追加の好適実施形態は、図5A〜図5Eで示された原理による種々の形状及び配置において実現されることができる。
【0089】
図7は、他のアーキテクチャ要素、ユーティリティオブジェクト又は照明要素の模範的な図であり、設計では、筒状であり得、とりわけ、共軸的な円筒配置において、BVとTDOをそれぞれ含む。この場合、図5Bによる間接的透過背面投影の原理は、本発明の環境に従って再び実現される。内側の透明なチューブ要素は、光源デバイスBVを含み、且つ放射方向へ光Soutを放射し、TPEにおいて、外側の円筒形チューブ要素の内側に対応する照明フィールドを発生し、それゆえ直後の共軸円筒形TDOのための背景照明として機能し、そこでは、あたり一面で観察可能な各画像情報BIは、TDOの外側から発せられる。一方、光源デバイスBVは、好ましくは軸心に位置する光源L、並びに層状の円筒形に構成され且つそれぞれ順次配置されたPOE、変調要素OME及び構造化位相差要素SREをそれぞれ望ましい数で含む。全ての関連するOMEは、更に、夫々の制御要素SEによって作動される。従って、外側の円筒(シリンダ)は、半透明で対応して層化された構造体によって形成され、その構造体は、透過投影要素TPEと、その直後に続く透過表示オブジェクトTDOと、対応して追加された透明SSとを内側から連続して含み、TDOは透明SSに沿って形成されている。幾つかの用途では、TDOとして設計されるかTDO内に1又は複数の各偏光光学画像要素POBを含む各円筒形チューブ要素が、容易に置換可能な構成として設けられることが有利であり、それによって、所望の各モチーフ(例えば、対応するフィルムとして設計された1又は複数のPOBの単純な変更を介して)の交換が容易に実施される。
【0090】
図8は、ピラミッドアーキテクチャ要素(角錐状建築要素)又はユーティリティオブジェクトの例に基づく本発明実施のための他の二つの変形例を示し、そこでは、一方は、図5bの原理による間接背面投影における透過構成及び内部BVを備え、他方は、図5Cの原理による直接前面投影における反射構成での同オブジェクト及び外部BVを備える。
【0091】
図9の模範的な実施の形態は、音響映像メディア用途における本発明の使用に関連し、特に、関連する生成された且つ対応してパラメータ化された音響特性と共にそれらの同時関連音響再生に基づいた、前述の表示オブジェクトを介した光学表現や聴覚現象の同期した同時可視化(real-time visualization)のための対応する装置と方法の助けを借りての各偏光光学システムの拡張と組合せに関する。
【0092】
これに関連して、まず何より一般的に知られているのが、コンピュータベースのシステムとプログラム及び/又はマルチメディアシステム(例えば、相互作用ビデオシステム)であり、これらは対応するコンピュータグラフィックスによる音楽可視化(所謂、音楽可視化装置)のために主に使用される。一般に、音響ベースの画像又はグラフィック効果はこれらの場合に発生し、且つアニメーションコンピュータグラフィックス又はビデオシーケンスの形態でスクリーンやビデオ投影に対応して表示される。この目的を達成するために、ユーザは、各コンピュータシステムに設置可能な可視化プラグイン(例えば、SoundJam、WinAmp、Geiss、Monkey等)を組み込むための対応するインターフェース及びプログラムから選択することができる。ここで、不利なことに、そのようなコンピュータグラフィック可視化は、多かれ少なかれオーディオデータの対応する所定のグラフィックオブジェクトや種々のタイプのグラフィック主要素の重ね合わせ(例えば、ポイント、ライン、基本幾何学形状、多角形等)への直接及び/又は概してランダムに割り当てられたグラフィック変換を最も頻繁に備え、主に均一で容易に予測可能な画一的な動きを有する、特定で且つ非常に類似する繰り返しパターンの変形が生じ、従って、それは、感覚に対して説得力を有する各記録された音楽の経験への言及にほとんど影響を及ぼすことはできない。これは、従来の解析アルゴリズム及びグラフィックプロセッサによる複雑なオーディオ信号のグラフィック変換に対して実際上生じる待ち時間が、現代のコンピュータ技術に関して合理的な支出を仮定しても、リアルタイム条件下で同期して聴覚事象と視覚事象とリンクするにはなお高過ぎるという原始的な関連事実によって起こされる。この方法に対する他の基本的に不利な点は、指示する媒体の層状設計がスクリーン又は画像投影の形態であると仮定すると、可視化は、本質的に所定のサイズを有する二次元に限定されなければならないという事実に起因し、解像度を制限された、対応するシステム関連画素構造が全ての例において不可避である。
【0093】
光源デバイスにおいて使用される他の従来の方法とデバイスは、オーディオ信号を介した光制御を含み、特定の数及び配置の対応する色光源を使用し、好ましくは、加色混合の原理を適用する。そのような光の設備とそれらの照明シナリオは、一定で繰り返し且つ画一的な照明光効果にのみ達することが多い。この光度変換の他の不利な点は、夫々の律動的な及び/又は連続する切り換えにおいて現れる定義され且つ概して単色の色表面エリアが、音楽に関して特に顕著である構造や形状における幾らかの変化を実施できずに、各照明オブジェクト上でいつでも発生し得ることである。従って、上記から明らかなように、光源に基づく光設備の単独の使用は、音楽属性の適切に見える表示形態への変換に対する複雑な要求を満足することはできない。
【0094】
光源デバイスやコンピュータグラフィックスを有する音楽の可視化のための上記システムに対し、各デバイスと共に請求項記載の方法は、基本的に異なる種類の概念的アプローチに基づいており、それは、視聴覚的及び審美的又は共感覚的受信状態についての現在及び将来の利用可能な知識を、関連し且つ対応して確立された理論的及び/又は実験的に導出された概念と併せて適用して、三次元表示オブジェクト内で対応する適切な視覚的現実化への、顕著な聴覚的及び/又は音楽用決定因子の変換を達成する。該三次元オブジェクトについては、本システムにおいて付加的に実施される音楽可視化インターフェースMVIに関連した請求項記載の偏光光学システムによって所望の形状及び寸法にすることができる。ここでは、異なる技術的手段の適用を伴い、各変換及び可視化プロセスの実施に対する種々のやり方の取り組みが基本可能であり、また常に新たな科学的知識及び審美的実験の取得により更新されるものである。
【0095】
特に、視聴覚変換を達成するための方法は勿論、従来のデジタルメディアとは別に適切で且つ有利な方法で設定され、同様に、非常に個別的な表示媒体がこの目的で使用される。コンピュータグラフィック可視化プログラムは、対応するグラフィックスプログラムによって特定の視覚グラフィックオブジェクトを生成し、かつ、動画化(アニメーション)可能であるに過ぎず、スクリーン又は対応する画像投影は、それらの二次元光学表示のための表示媒体として使用されるが、可視化は、この場合もっぱら受動的光学要素よりなる各半透明化キャリア媒体の材料組成と光学材料特性と併せて偏光光学原理の利用を介して発生し、これらの要素は、いづれにしても望ましい寸法と形状において半透明な(TDO)又は光を反射する(RDO)構成を有する三次元表示オブジェクト(DO)として任意の方法で設計され得、更に、対応する望ましい全体的な調和で配置され得る。また、各々が潜像情報を保持する光学効果は、それら自体、純粋に物理的方法で各DO内に発生される方法が異なり、それらは夫々別個で個別的に構成された方法で発生され、光−光学方法で外部光源デバイスによってパラメータに関して制御され且つアニメーション化が可能であり、この目的での画像投影や対応スクリーンの使用を必要としない。また、他の特性は、それぞれ支配的な聴覚現象のための視覚的表現の、対応する、かつ、とりわけ適切な形態への音楽特定決定要因の変換のタイプを含む。
【0096】
図9に示すように、幾つかの並列のオーディオ信号源AQ1・・・AQnを、ここでは、使用可能であり(例えば、数例あげると、従来のオーディオデバイス、マイクロホン、サウンドカード等)、それらは各々、マルチチャネルオーディオプロセッサAPへの入力信号INとして送信される。このAPは、一方では、音響再生の目的で対応する信号準備を行い、それによって、オーディオ出力信号OUT A(AS1・・・ASn)が対応する音響変換器SWへ送信され得る。音響変換は、二つの異なる方法(a、b)で発生することができ:(a)の場合、電気音響変換器は、例えば、フラットパネルラウドスピーカ(フラットパネル拡声器)としてのそれら音響変換器(SWDO)等が可視化目的で使用されるDOを利用し、DOにおいて屈曲振動BSを介して対応する音響モード(配信波)を励起し、それがDOから直接に発生する音響フィールドSFを発生し、それによって、後者が聴取者Hによって知覚され得るよう各表示オブジェクトDOへ直接連結される。(フラットパネル要素において曲げ振動を発生するための対応する電気音響変換器は、例えば、NXTによって製造される)。
【0097】
(b)の場合、通常且つ外部に位置するラウドスピーカシステムSW extもまた、音響再生のために使用することができる。
【0098】
また、APは、対応する機能を有し、そこでは、音響入力信号AQ1・・・AQnが、音楽可視化のためのシステムコンポーネントに対する調節目的で電子信号処理を受け、いわゆる音楽可視化インターフェースMVIの各入力INへ最初に送信される。この目的を達成するために第2の出力OUT vで必要とされる信号VS1・・・VSmを配信する。次に、特定の数の並列信号トラックMSSoutは、MVIの出力で利用され、MVIの助けを借りて形成される夫々の時間ライン関連パラメータストリングP1(t)、・・・Pi(t)、Pm(t)の特定の及び/又は代表的なダイナミックプロファイルを含み、各表示オブジェクトDO内で光学効果をパラメータに関して制御するために提供される。下流の信号プロセッサSPは、それぞれの望ましい信号トラック又はデータストリームを対応して選択し、既知のアナログ的又はデジタル的方法(例えば、DSP)でそれらを電子的に処理するために使用され、それによって、後者を関連する制御信号VS、iを介して図3に模範的に描かれている光源デバイスの対応した作動に適応させる。この用途の目的は、再生された音響事象と各DOで可視化された現象とを各々一方では同時に知覚させ、関連する視聴覚表現の受信者に、見たり聞いたりしたばかりのものの間で、の知覚及び/又は意味のある相関(視聴覚の一致)をかわるがわる認識させることである。例えば、複合モダール間類似形態と共感覚のような、両感覚様相(感覚モダリティ、sensory modalities)間の関係で、受信者によって経験される類似の下層にある一般的に有効なルールは、概して未知であり、将来の感覚的生理学的且つ精神物理学的研究の主題であり続ける。この事実にも拘らず、実現に関して(例えば、選択された解析方法,パラメータ化方法、及び光源デバイスBVを介して夫々使用された表示オブジェクトDO及び夫々の制御機能に関して)異なる可能な変形は、夫々の個別の好適な審美的決定基準によってそれらのテスト及び評価を可能とし、プロセスで実験的に見つけられたパラメータとルールがMVIの夫々の処理の決定要因において実施され得、それによって、前述の音楽の可視化は、また科学的調査と共感覚現象の主観的研究の両方のための実験プラットフォームの意味で適切なオープンシステムとして機能することができる。
【0099】
より一般的な事項で見ると、MVIの単一の基本的な目的と機能は、見聞きしたこととの、即時かつ可能な限り強力な感覚的相関を、幾つかの異なる種類の手順ステップと種々の概念と戦略に従って達成することである。
【0100】
第1の手順ステップは、記録されたばかりのオーディオ材料から、そしてその場合概してそれと同時のオーディオ信号VS1・・・VSmからそれぞれ決定された表現及び/又は顕著な音楽指定又は精神物理学的属性及び/又は特徴を、自動的に評価することを含む(いわゆる特徴抽出)。一般に、これは、既知の技術的手段の使用によって達成される。そのような手段としては、例えば、各MVIでそれぞれ実施されるこの目的に適したアルゴリズム(例えば、神経回路網、線形及び/又は非線形システム理論等)により、自動化パターン認識及び/又は音解析及び/又はダイナミック解析のために使用される種類のものがあり、それにより、必要に応じて様々な平行実行解析処理に基づき、かつ、所定の基準に従って対応して分類された特徴は、それら自体が、関連して提供された音楽の特定選択特徴を表す。その結果、ユーザの意図に従って、ある数の異なる特定の特徴が同時に得られ、そこでは、単一の選択された特定の特徴又は指定のグループから夫々編集された特徴(例えば、特定の多次元特徴ベクトルの形態のメタ表現における又は関連する特徴ベクトルを介して広がったn次元特徴空間−空間における)は、各々、夫々の適用可能な方法で本音楽構成の特定の聴覚態様を特徴付ける。
【0101】
次の第2の手順ステップは、MVIの他の基本的機能に関し、特に、一の表示オブジェクトDO内、または、それぞれ空間的に配置され、かつ対応して構成された複数の表示オブジェクトDOのアンサンブル内での対応する相同視覚の発現において、光学的表示のための幾つかの音楽特定属性や特徴の自動的翻訳又は解釈(interpretation)、いわゆるアルゴリズム解釈、に関する。特に、この目的は、第1に、それぞれ記録された同一のオーディオ信号から、又は、又は関連するデータストリームから、第1のステップで導出された変化する特徴をパラメータ化することを含み、各特徴は、この目的のために可能な限り適切な方法において異なる聴覚特徴を表し、それによって、対応して適合する並列且つ経時的に相関される記号トラックMSSoutの関連する数は、これから導出され、そこでは、各時点の各個別信号トラックの各即時出力変数は、関連する特徴、特に、信号振幅アナログの形態のための各強度値を表す。
【0102】
以下の第3の手順ステップは、ユーザ評価と決定を含み、それは、対応する入力機能を伴う対応して設計されたユーザインターフェース(図9中、UI)介して実行されることができ、他の信号経路に関連する異なるプロセスとパラメータへの目的のアクセスに達する。一方、これは、複数の可能なパラメータ信号トラックからの特定の選択をユーザに可能とし、これらのトラックは、各用途において、BV内でそれぞれ使用されたOMEを作動するようにされている。他方、幾つかの信号トラックは、必要ならば、更に、これに関して準備又はリンクされ得、そこでは、既知の電子手段が使用され、それによって、例えば、夫々に含まれる信号部分の追加の重み付け及び/又は混合及び/又は変調及び/又は変換が可能とされる。結果、ユーザは、ユーザの審美的又は機能的好みに基づいてそれぞれ適切な可視化を行うことができる。このようにMVIを適用することによって聴覚特徴に関してパラメータ的に制御されるかアニメーション化される対応して構成された視覚表示の各変化する翻訳(解釈、translation)に対して偏光光学システムを使用することが可能となる。
【0103】
その一般化された機能性に関して、各MVIは、全ての用途において自動化又は半自動化及び対応して開発された解釈プロセス(所謂アルゴリズム解釈)の動作化の各形態を表す。例えば、同じ音楽材料に関するこれらの変化する態様は、ダイナミックス(フォルテ、ピアノ、アクセント)及び/又は周波数(ピッチ、調性、ハーモニー等)を共に関連する時間的推移(例えば、数例あげると、テンポ、ポーズ、アッチェレランド、リタルダンド)を含み得る。このように、適切な方法での幾つかのアナログ出力信号MSSoutのパラメータ化は、MVIの出力OUTに並列に存在し、それらの関連する信号の進行は、各々音楽の属性の幾つかの特徴指定細部を反映し、BVを作動するために下流の信号プロセッサSPによって夫々の制御信号Vsiへ変換される。結果、各ユーザは、夫々設定され且つ対応して配置された表示オブジェクト及びそれに含まれる潜像情報並びにMVIによって夫々支持されるアルゴリズム解釈プロセスと併せて夫々の好ましい色パレットに基づき適切な可視化を達成する責務があり、そこでは、音楽合成の、対応して目に見え且つ直感的に理解できるメタファーが処理感覚で伝わり、それによって、聞いたことと見たことに関して聴覚的感覚体験と視覚的感覚体験との直接的相互の感覚的且つ意味のある相関を与える。従って、適切な音楽の可視化に関してユーザによって意図されている知覚と期待に関して一般的に有効な解決策はなく、それは、大概各受信者の主観的審美的且つ精神物理学的基準によって決定され、そのため、問題のMVI内で夫々実施される機能を決定するための単一の拘束された方法(binding approach)がない。
【0104】
以下の模範的な実施の形態は、基準点として機能するようにされたものであって、既に試され、且つ適切な音楽可視化のための疑似最小構成として、比較的に低い費用でセットアップされうるものである。
【0105】
ここでは、各偏光光学システムは、図5Aから5Eに示される変形例に従って設計され、そこでは、図3による各光源デバイスBVは、二つの光学変調ユニットOME1、OME2、並びに対応して構成された2つの構造化位相差要素SRE1、SRE2を含む。ここでは、標準のねじれネマチックセルTNCがOMEとして使用されること効果的であり、これらのセルは、各々振幅変調信号(例えば、200Hz〜1KHzの選択可能キャリア周波数)を介して作動され、変調は、各低周波制御信号VS1又はVS2を使用して発生する。TNCの各特性ラインに対して作動を調節するために、一方では、変調器が変調される度合いが対応して変化させられ、他方では、関連する信号レベルに対して非常に大きな差が生じる場合、使用可能ダイナミックレンジが、対応するダイナミック圧縮を介して調節され得、または、上記光学効果の色ダイナミック及び/又は変動範囲は、望ましい方法で特定レベルまで制限されるべきである。対応して構成された偏光光学画像要素POBを有する各表示オブジェクトDOを設計するか否かは、ここでは、ユーザの意向による。図6A、6B、7及び8は、この目的のために関連する実施例となることができる。図9により、信号AQ1、AQ2を有する二つのオーディオ信号源は、例えば、ステレオ信号として、オーディオ信号AS1、AS2を夫々の音響変換器SWへ中継するオーディオプロセッサAPへ送る。APの出力OUTvで、アナログ信号は、対応するレベル調節に続きまたデジタル形態で存在する音楽可視化インターフェースMVIのアナログ入力へ送られ、それによって、関連するデータストリームは、対応するインターフェースによってMVIへ中継される。この領域の専門家(expert)は、対応する手段(例えば、アナログ又はデジタル信号処理及び信号解析等)に詳しく、それによって、以下に記述される基本処理ステップが異なる方法で実現され得る。例えば、第1の信号VS1は、MVI内に実行される解析プロセスに送られ、例えば,そこで、各信号は、FFT(高速フーリエ変換)、ウェーブレット解析又は他の手順を受け、各音声スペクトルが、例えば、離散時間窓(discrete time windows)や周波数帯において計算される。夫々のスペクトルは、更に、適切な観点から処理されて、顕著な音響特徴を評価し、そこにおいて、一つ以上の夫々選択された所定の周波数バンド内におけるスペクトル振幅の時間的推移が、例えば、関連する特徴ベクトルを形成できる。各音響スペクトルの、対応して重み付けされたスペクトル強度部分(例えば、フォルマント)に加えて、スペクトル差が、また、場合により、音調(調波)又は雑音部分に関して得られる。第1の信号VS1に関して導出されたこれらの特徴は、本質的に、音楽指定属性として音調態様の時間的推移に関連することができる。
【0106】
次に、異なる信号処理機能(数例あげると、フィルタ機能、同期機能、変換器機能、変調機能、制御及びリンク機能、時間遅延、周波数シフト、並びに、様々な数学的又は論理的演算)が使用されて、望ましい方法で、それらの時間の関係に従ってこれらのダイナミックに変化するパラメータストリングを組み合わせて、信号P1(t)のための関連する信号振幅の代表的なアナログプロファイルを生成し、その連続するダイナミックな推移に関して丁度聞いたものと同期して動作する。必要であれば、また、オーディオ信号は、MVIの内部処理がある処理時間妨害されるので、可視化とオーディオ信号との十分な同期を達成するために補償によってある遅延(待ち時間)で再生され得る。信号プロセッサSPは、制御信号VS1を介してBV内でOME1を作動するための要求に信号SP1(t)を対応して調整するために使用される。表示オブジェクトDO内で関連するモチーフに関して前述の光学効果を可視化すると共に、ここでは、制御信号VS1が書く望ましい色パレットと併せて対応するダイナミック色変動において音楽の表示の特定の音調特徴をアニメ化にするために使用され得る。
【0107】
そのアニメーション(動画)が、関連する制御信号VS2を介して作動され、ここでは、VS1のように、異なる音楽指定特徴から導出される他の光学変調要素OME2によって時間に関して制御を受けたときに、可視化は、強調された印象と複雑さをもって発生し、それによって、DOにおいて生じる結果としての移動と色発展は、複雑で更に決定的な方法で浸透する。この目的を達成するために、対応する包絡線(例えば、包絡フォロア)は、MVIによって信号VS2から形成され、その信号は、更に、音量発展を表し、従って、ダイナミックスとリズムに関して他の音楽の態様を反映する。この場合、同様に、望ましい結果を達成するように更なる信号処理の他の追加で且つ既知の手段を使用することができる。
【0108】
産業的に利用可能なことが証明されたモジュールシステム(例えば、DSP)、プログラミング環境及び関連するシステム周辺部は、リアルタイムオーディオ処理(例えば、数例あげると、MAX、REAKTOR)に特に適合される実用上の実現のために効果的に使用され、そして、対応するツールを使用する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の光学効果を変調して表示するためのシステム、及び請求項13の前文に記載の光学効果を変調して表示するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第0682782号から、光学効果を変調して表示するためのシステム及び方法が知られており、このシステム及び方法では、動画(アニメーション)が生成され、その動画の構造及び/又は色が様々な信号源によって変調される。しかしながら、このシステム及び方法における欠点は、そのシステム及び方法に含まれる原理のために、光源デバイスからの光が、表示される画像情報を既に視覚的に含んでいることである。もう一つの欠点は、このシステム及び方法が、起こりうる表示及び起こりうる変化のばらつきに対して比較的柔軟性がないことであり、これは、光源デバイス自体のみがそのような変化に適合するものであり、根底にある原理が光源デバイス外での変化を許容しないためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、光学効果を変調して表示するためのシステム又は方法を提案し、それによって、上記の欠点を回避し、光学効果を変調して表示するためのより取扱が容易でより柔軟に変更可能なシステム又は方法を構築し、更に、光源デバイスからの光が中性的に且つ可視画像情報を含むこと無く変調及び表示を行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1又は13の教示による本発明によって達成される。
【0005】
また、下位請求項の主題は、本発明の有益な実施形態に相当する。
【0006】
本発明によれば、前記問題点は、光学効果を変調して表示するための本システムが、光源デバイス、及び前記光源デバイスの外部に位置する少なくとも一つの表示オブジェクトを備え、本システムにおいて、前記光源デバイスは、特に位置に依存して偏光に影響を与える少なくとも一つの入力偏光ユニット及び、特に時間に依存及び/又は位置に依存して偏光及び/又は位相差に影響を与える少なくとも一つの変調ユニットを備え、本システムにおいて、前記表示オブジェクトは、画像情報を可逆的又は不可逆的に印加するのに適した、特に位置に依存及び/又は時間に依存して位相差に影響を与える少なくとも一つのオブジェクト位相差ユニット及び出力偏光ユニットを備え、本システムにおいて、前記光源デバイスからの変調光が前記画像情報と相互作用するためにオブジェクト位相差ユニットに衝突し、それによって、前記出力偏光ユニットによって光学効果が視覚化され得るという事実によって解決される。
【0007】
ここでは、基本的に、前記光源デバイスと前記表示オブジェクトとの距離は、任意の所望の距離が考えられる。例えば、前記距離は、数センチメートルでも、数メートルでもよい。前記光源デバイスの外部の前記出力偏光ユニットの空間的な分離(空間分離)及びその結果としての配置の利点は、前記光源デバイスと前記表示オブジェクトの間の光路が前記入力偏光ユニットと出力偏光ユニットの間に位置していることである。結果、可視画像情報は、前記光源デバイスと前記表示オブジェクトの間の光と区別することが出来ず、中性に見える。
【0008】
また、前記光源デバイスと表示オブジェクトの空間分離及び動作的及び/又は機能的配置は、光学効果の表示を変化させる能力を促進する。具体的には、それによって光学効果の表示を前記光源デバイス内と両方で変化させることが出来、この変化は前記表示オブジェクト自体内で生じることもできる。結果、技術的かつ厳格な位置的観点の両方から光学効果の表示を変化させる少なくとも2つの組み合わせ可能な方法がある。例えば、これによって、特に施釉タイル等人工構造物に固着されたオブジェクトを表示するのに特別な利益を提供する。
【0009】
前記光源デバイスにおける前記入力偏光ユニットは、初めに、使用光を入力偏光するように機能する。ここでは、入力偏光は、照明フィールド上の全部に一定、及び照明フィールド上の位置依存的の両方の場合があり、それによって、照明フィールドの幾つかの領域が多様に偏光され、及び/又は全く偏光されないことになる。その結果、前記光源デバイスを使用して、前記表示オブジェクト内の異なる領域の可視性又は不可視性を確保することができる。
【0010】
前記入力偏光ユニットを通って送られた光は、少なくとも一つの変調ユニットに導かれる。この変調ユニットは前述の変化の一部を開始することができる。例えば、時間に依存及び/又は位置に依存した方法で、変調ユニットを使用して前記照明フィールドの偏光及び/又は位相差(光路差)に影響を与えることができる。位置に依存した影響とは、ここでは、前記照明フィールドの異なる領域において位置によって変化する影響の形態であり、時間に依存した影響とは、ここでは、時間の経過とともにより強くなる又は弱くなる影響の形態である。この偏光の影響及び/又は位相差の影響を適切に選択することによって、前記光源デバイスからの光の性質を、位置に依存及び/又は時間に依存して偏光及び位相差に関して変調することが出来、前記表示オブジェクトでの様々な光学効果がもたらされる。
【0011】
前記表示オブジェクトは、少なくとも一つのオブジェクト位相差ユニットを備え、上記変化の他の一部の開始が可能になっている。オブジェクト位相差ユニットは、ここでは、上記変調ユニットと同じ前記光源デバイスにおける可能な影響を実現でき、前記オブジェクト位相差ユニットで行われる前記偏光及び位相差の影響が前記変調ユニットからの影響と相互作用、例えばオーバーラップすることができる。
【0012】
また、前記オブジェクト位相差ユニットは、画像情報を可逆的に又は不可逆的に付加するのに適しており、それによって、前述の変化に更に寄与する。例えば、オブジェクト位相差ユニットへの画像情報の可逆的又は不可逆的な付加は、液晶層の目的となる外部露出(暴露)、例えば、光又は機械的圧力、及び/又は制御され局所的に有効な材料変換、及び/又は構造的変換等のエネルギーに対する暴露を介して起こり得、追加の効果をもたらし得る。
【0013】
更に、表示オブジェクトは、出力偏光ユニットを含み、例えば、これは、アナライザとしての役割を果たし得る。結果、先に述べた以上の不可視光学効果が実現され得る。
【0014】
光源デバイス及びオブジェクト位相差ユニットに含まれるユニットは、特に、光学効果をより包括的且つ興味深いものにし、可能な変更をより一層提供するために、多段に設けることもできる。
【0015】
特に、照明フィールドにおける光の特性は下記事実を特徴とする。その事実とは、全体として肉眼に対し、永続的、不変的、一様であって、認識可能又は区別可能な構造又は明るさ及び/又は色のコントラスト無しに現れる一方で、特定の空間的及び/又は時間的に構造化されているが、幾つかの制御信号によって対応して制御可能なパラメトリック光変調をも発揮し、一定な不可視光の内部特性もなお生じる。そこでは、光の特性(状態)を変化させる間でさえ、内部構造それ自体もその中の変化も肉眼では知覚することができず、光学効果は、照明された他の夫々のオブジェクトの存在下で表示オブジェクトを照明すると共に全ての他のオブジェクトが処理中に視覚的に変化せずに現れる時、もっぱら表示オブジェクト内で生じる。
【0016】
この目的を達成するために、光は、肉眼で認識可能な特定の夫々定義された内部特性を備え、その内部特性は光の非偏光部分及び対応して偏光された部分の両方を備える。そこでは、定義されたスペクトル放射を備えた少なくとも一つの光源と、各々が定義された偏光方向を備える特定の異なるフィールドエリア及び非偏光構造を有する下流の偏光ユニットから進み、付加的に且つ対応して設計された偏光光学要素もまた光源デバイス内の光路に統合され、特に活動的に作動可能な変調ユニットの形態で存在し、そこでは、これらの要素が、夫々の偏光状態及び/又は夫々の光部分内の光路差(位相差)又は定義された方法で偏光された照明フィールド領域の目的の空間的及び/又は経時的変動や変調を開始するために使用され、それによって、これらの要素は、夫々の照明フィールドに組み込まれる表示オブジェクト内の前述の複雑な動的光学効果を達成するために使用され得る。
【0017】
また、表示オブジェクトを前述の照明フィールドに導入することによって、及び光の外から認識可能な特性がプロセス中に視覚的に変化することなく、その光の特性を内的に変化することによって、もっぱら写真・光学アプローチを取る受動要素よりなる表示オブジェクト内での潜像情報や対応する表示オブジェクトの選択的且つ特定の偏光可視化が有利である。
【0018】
また、前述の可視化画像情報や前述の光学効果を光学的に目標とされる方法で表示オブジェクト内において不可視にするプロセスが、表示オブジェクトが視覚的に変化されない方法で照明され続けられながら、光の特性を内的に変化することによって起こる方法で光源手段から制御可能であることは有利である。
【0019】
また、外的に認識可能又は識別可能な光の特性がプロセス中に照明フィールド内で視覚的に変化することなく、光源デバイスによって、写真・光学アプローチを取るDO内でパターン及び色の効果又は画像変調の複雑で且つ特に制御可能なマルチパラメトリック変動が有利である。
【0020】
また、例えば、実用的に制限されない数の色調を有し且つ対応する色パレットを有し、並びに変化する彩度と色コントラストを有するパターンやモチーフを発生し、特に、それらのパターンやモチーフをミリ秒内で極端に高速で変化させられることが有利である。
【0021】
また、表示オブジェクトが、望ましいように、例えば、様々な表面組成及び任意の形状変形を有する、層構造(例えば、平らな、湾曲した、又はレリーフプロファイルの表面要素)として、又は三次元構造(例えば、立体、中空体)として、形作られ得ることが有利である。
【0022】
また、もっぱら受動的な表示オブジェクトは、それら自体が一切能動的構造要素や移動可能機械的要素を含まないことが必要であるか又は電源や対応する電線を必要としないこと及び光学効果が要素自体を制御する代わりに、各照明要素を使用して不可視のままにする光変調を介してこれを達成することによって、受動的オブジェクトにおいてさえなお能動的に制御され得ることが有利である。
【0023】
また、表示オブジェクトが、コスト効率がよく且つ大量生産可能な容易に製造される受動要素よりなること及びこれらの表示オブジェクトが、単純さ、頑健さ、及び従来の処理と組み付け技術を使用する能力によって区別され得、それによって、実際、複数の材料、形状、プロファイルに、且つ種々の表面組成を有するように作られ得ることが有利である。
【0024】
また、オブジェクト位相差ユニット内の潜像情報は、オブジェクト自体に含まれ得、ここでは、実際の空間的構造を有する光学材料組成として存在し得、それによって、そうでない従来の画像投影からそれ自体を描写することができ、後者は、画像形成光学素子(imaging optics)を使用してその各画像平面においてスクリーン上で捕獲可能な画像を介してのみ各定義されたオブジェクト平面をはっきりと画像形成する。従って、投影距離を変化すると、対応する再焦点合わせが原理的に画像投影の場合必要になる。通常の投影プロセスとは対照的に、単純な光源デバイスや照明フィールドと共に、表示オブジェクトを使用することにおけるこの基本的な違いは、各画像形成光学素子が、全体的に省略可能であり、各画像を伴う画像形成エラーと共に不利な焦点合わせに先んずることができる追加の利点を提供し、それによって、各々が設計において変化し且つ各々が異なるように構成される潜像モチーフを有する材料表示オブジェクトが、例えば、単一の照明フィールド内に組み込まれることができ、且つ前述の照明フィールドとは異なる方法で且つそれからの種々の距離で、並びに互いに異なる深さでその中に望ましいように配置され、更に、中を自由に動き回れるような空間を有する。
【0025】
また、対応する制御コマンドに応答して、特に作動可能な光源デバイスは、特に、一方では、潜像情報が直接可視化される可視状態(作動状態)と、他方では、潜像情報も関連する光学効果も生じない不可視状態(中性状態)の間で表示オブジェクト内の表された状態の望ましい即座の切り替えを開始するために使用できるという点でも有利である。光学効果の望ましい各可視化に関する用途及び設計に関連する利点は、連続的な照明が行われても、使用されたオブジェクトの印象が、所望の作動が特定時間可能になるまで、中性発現のままであり得るという事実にある。透過で表示オブジェクトを使用する場合、そのオブジェクトは、それ自体、不可視状態中連続的に透明のままであり得、ここでは、可視構造を呈することはない。反射で表示オブジェクトを使用する場合、拡散的に散乱された反射層のみが、透明な光学機能層の背後で中性背景として光ることができる。更に、ここでは、照明が状態における変化と画像変調を有する可視化の両方の間有効であり続けることと照明自体が依然として肉眼に不変に現れ続けることが有利である。
【0026】
また、任意の形状と寸法を有する実際上制限のない数の表示オブジェクトは、大域的照明フィールド内の任意の位置に自由に配置又は移動可能であり、これらのオブジェクトは、単純に組み込まれ得、対応して自由に移動、又はもう一度除去され得ることが有利であり、それによって、様々なモチーフを有する、異なって構成された表示オブジェクトが、各照明デバイスにより光変調を介して互いに対して同時に及び同期してアニメーション化され得る。
【0027】
また、表示オブジェクト中の幾つかの画像キャリー透明要素は、結果として、空間的、三次元的に現れる半透明の光学効果を達成する方法で、重ね合され(オーバーラップ)、且つ配置され得ることが有利である。
【0028】
また、人工光を有する、好ましくは、白色光を有する複数の光源のみならず昼光源が使用可能であり、例えば、光変調を有する各照明フィールドを発生すること、及びここでは、光品質が光変調中でも各々が変化されずに現れることが有利であり、その結果、前述の光学効果がもっぱら光学要素自体に起こり、他方、全ての他の照明されたオブジェクトは、変化しないまま現われ、従って、装置からであって且つ動作中の光品質は、例えば、エリアやオブジェクトを照らしている時、永続的に保持され、ゆえに、例えば、従来の動的画像投影や色光ステージングの場合に起こるような、分裂的なちらつきや対応する色光効果が起こらない。
【0029】
また、複雑なダイナミック光学効果の瞬間のリアルタイム制御が可能である点で有利であり、それによって、種々のタイプのダイナミックプロセスの可視化(可視化プロセス)が可能になる。各工程は、対応するプロセス関連信号を伴うことが可能であり、あるいは、これらの信号と対応して関連することができ、その結果、例えば、幾つかの対応するセンサ信号や対応するプロセス制御パラメータに基づくあるプロセス動作の可視化や、又はオーディオ信号(audio signals)からの対応するアルゴリズムの助けを借りて評価され得る対応信号に基づく各光学効果の音楽可視化や音楽アニメーション化がおこる。
【0030】
有利な実施形態では、光源デバイスは、更に、位置に依存して及び/又は時間に依存して位相差に影響を及ぼす少なくとも一つの光源位相差ユニットを備える。結果、光の位相差は、例えば、照明フィールドの種々のエリアにおいて光源デバイス内で特に変化することが可能であり、光学効果により包括的でより興味深いデザインを付与することが可能となる。
【0031】
例えば、夫々の所定のモチーフを有する潜像情報を有する固定設置された表示オブジェクトを使用する場合、既存のモチーフの各現在使用可能な色パレット及びそれらのモチーフに関連する構成の両方に関して、オブジェクトにおける材料変換や構成変換がこの目的で必要とされることなく、何時でもこれらのすでに存在するモチーフの追加の且つ迅速に変化する変更を導入可能である点も、ここでは有利である。各望ましいある視覚性能及びその変更は、光源デバイスの光路に導入できる或いは画像に応じて構成された唯一つ又は幾つかの多様に設計されたオブジェクト位相差ユニットを変更できるため、照明手段によって単独で達成可能であることが特に有利である。この場合、定義された局所的にアドレス可能な遅延を示し、次に、照明自体がプロセス中に視覚的に変化することなくモチーフの各出現で望ましい効果を有する。
【0032】
他の有利な実施形態では、光源位相差ユニット及び/又はオブジェクト位相差ユニット及び/又は変調ユニットは、少なくとも一つの光学的異方性物質及び/又は光学的異方性物質特性を備える。例えば、光学的異方性物質は、複屈折特性を有し得、偏光と位相差に影響を及ぼし得る。
【0033】
他の有利な実施の形態では、光源位相差ユニット及び/又はオブジェクト位相差ユニット及び/又は変調ユニットは、位置に依存した光学異方性及び/又は位置に依存した層厚み及び/又は位置に依存した材料特性の配向性、及び/又は位置に依存したらせんピッチを備え得る。また、これらの光学は、光の偏光と位相差の変更を可能とする。
【0034】
他の有利な実施の形態では、入力偏光ユニット及び/又は出力偏光ユニットは、交換又は除去され得る。これは、入力偏光ユニットと出力偏光ユニットは、可視化のためにきわめて重要であるためである。これらのユニットの一方が存在しない場合、光学効果の可視化は起こり得ない。例えば、効果が見えない中性モードが結果として実現され得る。
【0035】
他の有利な実施の形態では、入力偏光ユニットは、偏光を開始しないエリアを含み、ここでは、これらのエリアは、非偏光光フィルタを備える。即ち、例えば、入力偏光ユニットにおける光の偏光エリアは、偏光されたエリアが一般的に非偏光エリアよりも少ない光の強度を示すため、照明フィールド内で強度変動を引き起こす可能性がある。結果、望ましい一様で中性の照明フィールドの形成中に、これらのエリア中に非偏光光フィルタによって妨害され得るという問題に直面する可能性がある。従って、非偏光エリアの強度は、偏光エリアの強度と一致させられる。
【0036】
他の有利な実施の形態では、変調ユニットは、少なくとも一つのメソゲン物質やメソゲンユニット、特に、液晶を、時間に依存して及び/又は位置に依存して偏光及び/又は位相差に影響を及ぼすために備える。メソゲン物質は、処理が容易であり、影響を発揮するための望ましい選択肢を提供する。
【0037】
他の有利な実施の形態では、変調ユニットにおいて時間に依存して及び/又は位置に依存して偏光及び/又は位相差に影響を及ぼすプロセスは、エネルギーへの暴露を介して制御され得る。エネルギーへの暴露は、一方では実施が容易であり、他方では、望ましい影響をもたらすよう柔軟に調節され得る。特に、メソゲン物質は、それらの偏光特性及び/又は位相差特性に関してエネルギーへの暴露を介して容易に影響を及ぼされ得る。
【0038】
他の有利な実施の形態では、エネルギーへの暴露は、機械的及び/又は音波の及び/又は熱的及び/又は電気的及び/又は磁気的及び/又は電磁的エネルギー発生器をメソゲン物質に対して使用することによって起こる。
【0039】
他の有利な実施の形態では、表示オブジェクトは、更に、反射ユニットを含む。この反射ユニットは、基本的に、いずれにしても望ましい構成を有し得る。このような反射ユニットは、表示オブジェクトへの入射光を表示オブジェクトの入射側へ反射する。結果、表示オブジェクトにおける光学効果は、光が表示オブジェクト上で光る側から見ることができる。特に、構造的制限があると、例えば、表示オブジェクトがタイルとして壁や床に固定される時に、裏から見られないため、顕著な利点を生じ得る。
【0040】
即ち、反射ユニットがない場合、表示オブジェクトは、透過で見ることができ、光は、表示オブジェクトの一方の側から表示オブジェクト上に光り、且つ表示オブジェクトにおける光学効果は表示オブジェクトの他方の側から見ることができる。このような表示オブジェクトは、使用された光に関して透過性であり、透過で見られる。
【0041】
表示オブジェクトは、透過及び反射の両方で使用可能であり、それによって、オブジェクトエリアやアーキテクチャエリアにおけるカウントレス及び変化したアプリケーションを使用可能とし、例えば、透明なオブジェクト(例えば、ウインドウ要素、パネル、光チューブ、照明器具、アニメーション化可能受動ディスプレイ等)又は反射オブジェクト(例えば、建物正面要素(facade element)、タイル要素、パネル、照明器具等)或いはそれらの組合せとして使用される。
【0042】
他の有利な実施の形態では、表示オブジェクトは、更に、音響信号(acoustic signals)を発生可能な少なくとも一つの屈曲共振器を含む。結果、表示オブジェクトは、可視化のためのみならず音調のためにも使用され得る。屈曲共振器の使用は、別途のラウドスピーカの必要性を排除し、それによって、非常にコンパクトな構造設計を達成する。
【0043】
他の有利な実施の形態では、この屈曲共振器は、オブジェクト位相差ユニットの中又はその上に設けられる。結果、コンパクトな構造設計が一層向上され、屈曲共振器がオブジェクト位相差ユニットに一体化される場合、更に、最大化される。
【0044】
本発明により、冒頭で述べた問題は、上述の種類のデバイスを使用する、光学効果を変調して表示する方法で更に解決され、そこでは、光の特性が、特に、時間に依存して及び/又は位置に依存して変調ユニットにおいてエネルギーへの暴露を介して偏光及び/又は位相差に関して変調され、及び/又は画像情報が、特に、時間に依存して及び/又は位置に依存してエネルギーへの暴露及び/又は材料変換及び/又は構造変化を介してオブジェクト位相差ユニットにおいてオブジェクト位相差ユニットに可逆的又は不可逆的に印加され、光の特性の変調は、オブジェクト位相差ユニットにおいて画像情報と相互作用し、結果、光学効果が、出力偏光ユニットによって可視化される。
【0045】
請求項13の方法の説明に関して、包括的な参照が請求項1のシステムに対して与えられた説明に対して最初になされる。本発明の方法において、光の特性は、初めに、時間に依存して及び/又は位置に依存して変調ユニットにおいてエネルギーへの暴露を介して偏光及び/又は位相差に関して変調される。これは、光学効果の表示を変化する方向への第1の寄与となる。
【0046】
その変調の別法として或いはその変調と組み合わせて、光学効果の表示を変化する方向への第2の寄与は、オブジェクト位相差ユニットにおいてエネルギーへの暴露及び/又は材料変換を介して行われ得、それは、時間に依存して及び/又は位置に依存して画像情報を可逆的又は不可逆的にオブジェクト位相差ユニットに印加することを可能にする。このタイプの印加プロセスは、すでに述べた。
【0047】
最後に、変調ユニットを介する光の特性の変調は、オブジェクト位相差ユニットにおいて可逆の又は不可逆的に印加された画像情報と相互作用し、結果、光学効果が、出力偏光ユニットによって可視化される。
【0048】
このような相互作用は、基本的に、例えば、加算又は減算による重畳として望ましい形態をとることができる。
【0049】
本方法の有利な実施の形態において、表示オブジェクトに起こる光学効果は、少なくとも局部的に偏光をキャンセルすることによって不可視にされる。局部的なキャンセルは、どこでも基本的に望ましい方法でもたらされ得る。例えば、局部的キャンセルは、入力偏光ユニットや出力偏光ユニットにおいて発生し得る。
【0050】
本方法の他の有利な実施の形態において、偏光は、少なくとも一つの偏光ユニットを除去することによってキャンセルされる。すでに述べたように、偏光は、入力偏光ユニット及び/又は出力偏光ユニットを除去することよって少なくとも一時的にキャンセルされ得、結果、例えば、光学効果が不可視のままである。
【0051】
本方法の他の有利な実施の形態において、少なくとも一つのメソゲン物質やメソゲンユニット、特に、液晶は、エネルギーに暴露される。これに関しては、上記を参照されたい。
【0052】
本方法の他の有利な実施の形態において、エネルギーへの暴露の制御は、ベース信号に対応している。このベース信号は、基本的に望ましい任意の方法で選択及び具体化され得る。例えば、後者は、変調信号、例えば、オーディオ信号(an audio signal)のみならず、センサ信号、例えば、圧力信号、又は信号発生器からの信号を含む。
【0053】
これは、光学効果と、例えば、相互作用、例えば、圧力センサを介する人の動き、並びに例えば、音響信号を介する音調との対応をもたらし得る。結果、視聴者、例えば、特別な体験へ導くことができる聞くこと/視野又は視野/感じることに対して二つのセンサが接続される。
【0054】
本方法の他の有利な実施の形態において、表示オブジェクトへ入射する光源デバイスからの光は、表示オブジェクトを通過し、それによって、表示オブジェクトの反対側で見られる。これは、透明な表示オブジェクトを見るために上述の透過オプションを表している。
【0055】
本方法の他の有利な実施の形態において、表示オブジェクトへ入射する光源デバイスからの光は、表示オブジェクト内で反射され、それによって、表示オブジェクトの入射側で見られる。上述の反射ユニットは、このため、上述のように、表示オブジェクトの入射側へ光を戻すよう案内するために必要である。
【0056】
幾つかの実施の形態が図面において例示される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】光源デバイスと表示オブジェクトの配置、及び前記表示オブジェクトの内部レイアウトを示す。
【図2】表示オブジェクトの他の内部レイアウトを示す。
【図3】光源デバイスの概略レイアウトを示す。
【図4a】変調ユニットの概略レイアウトを示す。
【図4b】変調ユニットの他のレイアウトを示す。
【図5a】直接背面投影を有する透過表示オブジェクトを示す。
【図5b】間接背面投影を有する他の透過表示オブジェクトを示す。
【図5c】直接背面投影を有する反射表示オブジェクトを示す。
【図5d】再方向付け背面投影を有する他の透過表示オブジェクトを示す。
【図5e】透明ホログラフィック光学要素(THO)を介する間接背面投影を有する他の透過表示オブジェクトを示す。
【図6a】反射表示オブジェクトを有するアーキテクチャ要素が与えられる場合の本発明の模範的用途を示す。
【図6b】透過表示オブジェクトを有するアーキテクチャ要素が与えられる場合の本発明の模範的用途を示す。
【図7】円筒状配置における本発明の模範的用途を示す。
【図8】二つの変形でのピラミッド配置における本発明の模範的用途を示す。
【図9】光学効果と共にオーディオ信号を同時に再生するための本発明の模範的用途を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、本発明の模範的な実施形態の概略図を示し、本実施形態は、図3に細部が描写される光源デバイス(BV)を備え、この光源デバイスは、制御信号Vsに対してそれぞれ所定数の入力を有し、これらの入力を使用して、光源デバイスBVに含まれる対応する光学変調要素(変調ユニット、OME)(図3に記載)を作動させる。光源デバイスBVから、直接背面投影された出力ビーム(Sout)が、本例では半透明の表示オブジェクト(TDO)として設計されている表示オブジェクト(DO)に衝突し、それによって対応する照明フィールド(LF)を生じ、TDO通過後、観察者(B)が視認可能で制御信号Vsに従って変調又は映写可能な対応する画像情報(BI)を含む。
【0059】
また、図1は、対応する層状構造を有するそのようなTDOの概略断面図を示し、この層状構造では、光ビームは、まず、透明な保護層(SS)を通過し、次に、少なくとも一つの光学的異方性層を通過する。この光学的異方性層は、偏光光学画像要素(オブジェクト位相差ユニット、POB)として機能し、画像アドレス可能な光路差Γi(x,y)として表わされる各潜像情報を備え、適した光屈折率を有する透明な光学的等方性フィラー層(FS)を任意で備え得る。所定数の、対応して構成されたPOBの次には、偏光要素(出力偏光ユニット、PE)があり、この偏光要素は、本例では、アナライザとして機能する。一つ以上の透明な保護層(SS)が終端層を構成することができる。
【0060】
この特別の例では、好適な本実施形態に記載の透過性表示オブジェクトTDOが、前後に層状に重なり合う2つの異なる偏光光学画像要素POBkとPOBlを備え、これらの要素は、局所的にアドレス指定可能な光路差Γi(x,y)及びΓj(x,y)の形式で印加される対応設計された潜像モチーフを夫々有する図2もまた、表示オブジェクトTDOを通過する光路を好適に図示しており、この表示オブジェクトTDOは、必ずしも平面でない要素として構成可能であって、自由に選択可能な形状及びそれに対応する寸法を有する。図2は、更にTDO(z方向、y=定数、x=変数)の断面、及び偏光光学画像要素POBkの層厚みプロファイルd(x,yj)を対応するグラフと共に模式的に示す。このグラフは、画像コンセプトに関して個々に又は共に光学的に相互作用し、且つそれに応じて画像的に構成された夫々の層厚みd(x,yj)を表すものであって、光学異方性Δn(x,yj)及び配向α(x,yj)のグラフである。
【0061】
図3の概略図は光源デバイスの好ましい実施形態を示しており、この光源デバイスは、モジュール設計により有利にもたらされる。光源Lからは、特定の好適なスペクトル放射I(λ)の光が放出され、制御信号VIを用いて光強度を対応して変化可能な手段を備える。また、その他の既知の手段(例えば、異なる光源のスペクトルの混合、スペクトルフィルタの組み合わせ等)を使用して、所望の方法で対応する制御信号Vλを介してスペクトル放射を変化させることも可能である。用途にもよるが、光源としては、幾つかの例を挙げると、白熱ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アークランプ、蛍光ランプ、金属蒸気ランプ、LEDシステム、及び有機発光ダイオード等の従来のランプが挙げられる。各表示オブジェクト内で潜像情報を可視化するため、光路には偏光光学要素(入力偏光ユニット、POE)が組み込まれており、この目的のために対応する手段(POE−IN)が備えられ、これによって、前記光路から前記偏光光学要素POEを再び任意で取り除く(POE−OUT)ことも可能になり、画像情報及び関連する光学効果をユーザの判断で再び完全に不可視にできる。
【0062】
組み込まれた各POEは個別に構成可能であり、全てのPOEは所望の置換が可能である。これにより、POEによって生成される全ての部分光線又は照明フィールドエリアの特異的な所望の特性がそれぞれ得られ、この特性は、ここでは基本的に非偏光又は対応して偏光されうる。POE内でそれぞれ構築された偏光領域は、更に、それらに関連する偏光方向によって区別される。結果、各POEは、特定数の局所ドメイン又はそれに対応するフィールドエリアを備え、局所ドメインは相互に表現され、そして各々確定されており、局所ドメインとフィールドエリアは2つの基本的に異なる光学機能を実行する。中性ドメインに分類され、図3では符号(N;So)で示されるこれらのフィールドエリアは、これらのエリア内の出射光が常に偏光されないことを特徴とする。
一方、偏光ドメインとして分類されたPOE(図3では(↑;Sp,α)で示す)内のフィールドエリアは、所定の偏光方向αを持ち、夫々対応して局所化され、かつ領域的に区別された入力偏光子として機能する。このフィールドエリアは、ここでは、表示オブジェクトDOの各照明フィールド内での前記光学効果の偏光可視化であって、結果として局所的に含有するようにされた偏光可視化のために用いられ、一方、前記中性ドメインは、各DOと共に、このように識別された照明フィールドエリア上に可視の光学効果が現れないことを意図的に確実にするよう機能する。
偏光ドメインは、一般的に使用される全ての偏光要素によって実現可能であり、偏光子は、夫々所望の形状及び配置を反映するように設計され位置決めされる。最も単純な例では、この目的に市販の偏光子フィルム(例えば、ポーラテック(Polatech)社製、日東電工社製、ショット(Schotto)社製、3M社製)を使用することが出来、これらのフィルムは、対応して形成されたセグメントとして所望の方法で配置され、また、各好適な偏光方向(偏光角α)に従って対応して整列される。また、ここでは、偏光角に対して各個別に設計された方向の勾配磁場を有する偏光要素も考えられ、一定の偏光方向及び/又は継続的に進行する方向勾配を有する離散フィールドエリアが生じ得る。また、夫々の偏光角を特定のドメイン内で回転可能な手段を備えることができる。従来の吸収偏光フィルムが使用される場合、偏光ドメインに対する光透過率は、従って、実質的に損なわれていない中性ドメインと比較して大幅に減少され、結果、関連する照明フィールドエリア間の対応する明度差がDOで発生する。必要であれば、中性ドメインを通過する間、光がある程度弱められることも出来、それによって、もはや、実際、中性ドメインを出発した非偏光光と偏光ドメインから発する偏光光の間に目に見える明度差は認識されない。結果、このような明度に関して偏光ドメインに対して調整された中性ドメインは、中性フィルタの更なる光学機能を具備する対応したフィールドエリアを有する。好適な各光透過率は、ここでは、偏光ドメイン内とできる限り同じ程度まで光が弱まるような方法で選択されなくてはならない。
【0063】
最も単純な例では、対応する光学密度を有する従来の中性フィルタをこの目的でフィルム材料として使用することが出来、偏光フィルムと共に、POEに対応して適用することができる。
【0064】
図3によれば、少なくとも2つの更なる光学機能要素が、光路又はビーム路の偏光光学要素POEよりも下流に、夫々好適な数、配置及び組み合わせで位置決めされている。これらは、一方ではいわゆる光学変調器要素(OME)であり、他方ではいわゆる構造化位相差要素(位相差ユニット、SRE)であり、それらの機能は上述の通りである。結果、OMEiは、前記DOにて画像を変調するための光変調器として機能し、光変調は対応するエネルギーEiへの暴露により各OMEにて開始される。この特定のエネルギー暴露は、制御信号VMiの助けを借りて作動されうる。しかしながら、関連する光変調は、もっぱら偏光ビームセグメント又は偏光照明フィールドエリアに対して選択的に作用し、非偏光ビームセグメント又は照明フィールドエリアはいかなる光変調も受けず、それによって、表示オブジェクトDOと共に、まさにこの目的で構築された各照明フィールド内のこれらの位置でいかなる光学効果も画像変調も観察できない。従って、光源デバイスは、並列及び/又は直列の数個のOMEを含むことが出来、これらのOMEは、夫々所望の配置及び必要な場合にいつでも、例えばモジュール形状で光路に導入することが出来、また必要であれば再び取り除くことができる。各個々のOMEが夫々の制御信号VMによって個別に作動されるため、対象を絞った数個の制御信号使用により、結果として極度に複雑な光変調又は画像変調を編成することが可能になる。このようなOMEは、実際、特に電子的に作動されるLCセル(所謂ECBセル、電界制御複屈折)として使用可能であり、様々な形及びモデルで市販されている。様々な製造業者のいわゆるねじれネマチックセル(TNC、ツイステッドネマチックセル)が好適に使用可能である(例えば、オプトレル社(Optrel)、オプトレックス社(Optrec))。
【0065】
図3によれば、POE及びOMEと共に、任意の数及び所望の配置で、関連するOMEに対応して割り当てるように、更なる所謂構造化位相差要素SREをBVの光路に組み込むことができる。これら前述のSRE各々は、ここでは、局所的にアドレスされた所定の位相差Γ(x,y)を有する単層、又は各々が光路差Γi(x,y)に対して個別のモチーフ及び特定の夫々に適した軸方向距離を備え得る複数のカスケード式層状構造体のいずれかから構成可能である。
【0066】
上述したように、組み合わせた偏光光学システムの前述した光学機能は、一方では素子POB、OME、及びSREを備える互いに空間的に離間した光源デバイスBVと、他方では要素POB及び関連する割当てられたアナライザPEが組み込まれた夫々の表示オブジェクトDOとの光の光学的相互作用から生じ、BV内のSRE及びDO内のPOBの両方が、画像に関して対応して構成された所定の光路差によって各々区別される。結果、まず各DOで夫々可視化された光学効果は、2つの異なる空間的且つ機能的に分離した貢献によって全体として決定される。この決定工程では、特に、BV内の光ビームがPOE及び特定の数の、対応して構成されたSRE及び各割り当てられたOMEを通過する間に第1の部分が生じ、光ビームがDO内の各POBを通過し続け、それによって最終的に画像を決定する結果を生じ、場合によっては夫々の個別の局部に対して前記光路差を加算又は減算することによって組み合わせる効果的な光路差を生じる間のみ対応する空隙又は別の透明な異方性媒体の後に第2の部分が生じる。DO及び関連する色パレットと共に実際に現れる各画像情報BIもまた夫々支配的な局所偏光状態、軸方向、及び光入射角に依存し、そのため、これらのパラメータはBVからの要求に応じて更に変化可能である。従って、各DOからのBVのこの空間的且つ機能的分離は、一連の利点と関連する。一方で、全光学効果は各偏光要素PEの助けを借りて、対応する特定のDOと光学顕微鏡に関して関連があり相互作用する場合のみ、及びこの目的で構築された対応する照明フィールドエリアにおいてもっぱら、選択的に可視化されるだけである。従って、透明なSRE及び/又はPOE及び/又はOMEを接続又は置換した場合、及び任意の変調条件下でも、BVから発せられる出力ビームSoutの光質は、実際、変化しないままである。結果、この機能分離によって、BVに対して画像変更及び画像変調のアクティブな機能の全てが与えられ、BVが発する光に対するそれらの光の光学効果は常に不可視なままである。
【0067】
夫々別々の部分から生じる光学効果は、主に受動光学要素として構成される前述のDOによって可視化される。最も高頻度で固定して取付けられる又はPOBの所定の潜像モチーフによってほぼ不変である表示オブジェクトからSRE及びOMEを空間的且つ機能的に分離する目的は、光源デバイスBV内に単独で位置され、更に寸法の小さい個別の容易に接触可能な光学コンポーネントが、容易に交換又は置換可能であり(ここでは、複数の異なる対応する既製のSREが、例えば交換装置で使用可能である)、結果、DOでの光学効果はDO自体を変更する必要がなくいつでも変更又は変化可能であるという、用途に関連した利益に関係がある。従って、SREを対応して選択して配置し、各OMEに対して後者を夫々割り当てることによって、対応するDOと併せて、夫々所望の画像モチーフとそれらに関連する色パレットを自由に形成するのはユーザ次第である。
【0068】
また、図3は、対応する光ガイダンス、対象光ビーム影響(バンドリング、偏向等)、画定した照明フィールド投影又は光学的画像形成の目的で使用可能な更なる光学的要素OEを各BVに提供するという選択肢を示す。この目的を達成するために、BVは、これに対応して、通常の光学要素、特に、例えば、光学ミラー(OE1)及び/又は集光レンズ(OE2)及び/又はレンズ(OE3)をビーム路に組み込むことができる。
【0069】
本発明の模範的な一実施形態は、光学変調器要素OME又は能動的に作動可能な構造化位相差要素SREを含む。
【0070】
説明する例は、対応して設計された液晶層又はLCセルが受ける前述のエネルギーが、液晶層又は対応するルーメンにおいて一つの画定した音場又は数個の相互に干渉し合う音場や超音波音場を生成する、以下では音響光学変調要素(AOME)と呼ばれる、夫々の制御信号によって作動される対応するアプリケータによって発生される音響エネルギーの形をとる場合に関する。例えば液晶では特定の音響光学効果が発生可能であること(Chatri Sripaipan et al., Physical Review, Vol.15, No.3, March 1977)、特に、ここでの各LC層が、各LCが特定の配向を取り、対応する超音波に曝された場合に複屈折特性を示すことが一般的に知られている。結果、これは、LC要素内に音響誘導且つ特定の調節可能又はダイナミックに作動可能光学的異方性パターンを導くことになる。従って、音響光学誘導相構造体は、OMEとして又は能動的に作動可能なSREとして使用され得、そこでは、特に音響光学的方法で発生可能な夫々の動的構造形成光学効果が対応する制御信号を介してダイナミックに変調されることもできる。アプリケータは、この目的に適する全ての電気音響変換器や超音波変換器よりなることができ、ここでは、夫々の音場は、対応して既知の手段及び連結媒体を使用してLC層へ連結され得る。
【0071】
一つ又は数個のいわゆる光音響アプリケータを、LC層の、対応して確立された局所エリアに対しても使用することができる。いわゆる光音響効果は、ここでは、各望ましい周波数の音波を励起するために、各周波数を有する関連し且つ各対応して変調された放射強度を介して対応してLC上で目標となる照射が起こるよう各LC層において使用される。各望ましい放射は、対応して変調可能な外部ラジエータを一つ以上使用して非接触方式で適用することができる。更に、光音響励起の目的のためにここでは、電磁放射が可視スペクトル外(例えば、数例をあげると、IR放射、電磁放射、UV放射)にあることが有利である。結果、対応するラジエータの組合せ及びビームガイダンスは、そのプロセスで眼に見える影響がBVから発される光Sout上に与えられないように各LCフィールドを適切に暴露するよう使用され得る。この分野の専門家にとっては、LC層の対応する光音響励起を可能にし、続いて前述の音響光学効果を発生させることに関する工程は周知である。
【0072】
図4Aは、AOMEの特別な好適実施形態を示す概略図であって、AOMEはいわゆる表面音波に曝されるLC要素の形態になっている。
【0073】
このデバイスでは、音響光学原理は、複屈折特性を有する構造形成光学現象の目的とする発生及び変調のために使用され、AOMEは、各々OMEやSREの代わりに、光源デバイスBV内で光路に組み込まれている。
【0074】
図4Aは、AOMEの原理を描いており、インターデジタル変換器(インターデジタル変換器IDT)は、圧電基板PS上のLC層(LC)に、LC内の上記音響光学効果を誘導する表面音波OFW発生のために使用される。OFWは、アブソーバ(吸収体、いわゆる音響井戸)によって対応して弱められ、あるいは必要に応じて、例えば、音響定在波フィールドを発生するよう反射器Rによって対応して反射される。
【0075】
表面音波OFWは、対応するインターデジタル変換器(インターデジタル変換器IDT)を使用して適切なベース周波数(例えば、メガヘルツ範囲内)を有する信号Siによって発生され、インターデジタル変換器は透過用途では半透明な且つ反射用途では光を反射する圧電キャリア材料(PS)上にある。適切な層厚(マイクロメータ範囲内)を有し、キャリアPSへ適用される液晶層(LC)は、ユーザによって要求された既知の手段(例えば、界面活性剤や配向層)を使用して事前に配向され得、それにより、LC層は、好適な各構造化光学異方性によって区別され、光源(L)から発され且つ対応して偏光された(Pol.)光が、各IDTによって励起された光学異方性構造体に関して対応して変調され、且つ信号Siによって制御され得る。パターン形成を励起且つ制御するために使用される信号Siは、可変の振幅及び周波数を有するHF発生器によって最初に発生される。下流の周波数変調器(FM MOD)は周波数変調信号を発生するために使用され、周波数変調信号は、例えば、500kHz〜10MHzの各所定のベース周波数によって低周波制御信号SS1を介して変調可能である。ベース周波数及び周波数スイングの各選択は、それぞれ誘導される音響波フィールドの各波長から生じ、かつ、再度の用途特定要求に依存し、各複屈折パターンドメイン(例えば、位相格子の格子定数)の動的に制御可能なターゲット(目標)空間周波数変動に関し、関連する音響周波数や波長はパターン形成の望ましいモードをそれぞれ決定する。下流の振幅変調(AM MOD)は、特に、追加の低周波制御信号が付加された音響強度(音響インテンシティ、acoustic intensity)を作動させ、また、夫々の好適音響強度と変調の度合いは、望ましい音響光学効果を達成するために用途特定要求によって決定される。
【0076】
図4Bは、基板PS上に二つのインターデジタル変換器IDT1、IDT2を備えるAOMEの特に好適な実施形態の原理を示す。
【0077】
この好適実施形態の利点は、この場合、二つの音響波フィールドがLC層内で互いに干渉し、それによって、信号Si,1とSi,2が、干渉の結果生じた各干渉フィールドのターゲット(目標)制御を可能にし、それゆえ発生する対応するLCドメインにおける光学的異方性構造形成への局所効果を可能とするために使用され得る。例えば、二つの音響強度に二つの関連する振幅変調器AM MODを介して相補動的制御を受けさせることによって、特に、2次元音響フィールドの局所干渉ベクトルを変え、それゆえ、同様に位置に依存して光学効果を変化させる又は励起位置に対応するダイナミック(励起位置ダイナミック)を有するパターン形成を達成することを可能とする。更に、また、パターン発生音響光学決定要因は、望ましい方法で互いに相関され得る夫々の音響周波数並びに二つの各IDTを作動するために使用されるそれらの周波数変調によって空間周波数指定パターン形成に関して静的又は動的な方法で影響され得る(空間周波数ダイナミック)。結果、極端に複雑なパターン形成プロセスと光学効果は、これに関して実施される夫々のHF発生器、振幅変調、及び周波数変調の対応する組合せと相互関係を介してユーザの各意図に基づいて実現され得る。すなわち、本公開に明示的に又は暗示的に含まれる示唆に基づいてAOMEのさらなる実施形態及び将来的な変更の発生及び使用は、使用者次第である。また、これに関連して、AOMEは、より多くの光音響アプリケータや種々のタイプの電気音響変換器やそれらの組合せを使用して構成することもありうる。
【0078】
図5Aから5Eは異なる5つの実施形態をそれぞれ示しており、これらの実施形態は、関連する表示オブジェクトDOに当り、場合により半透明(TDO)又は光反射(RDO)構成として設計される光源デバイスBVからの光の前面投影又は背面投影を介する直接又は間接照明を含む。
【0079】
図5Aは、半透明(透過性)表示オブジェクトTDOの模範的概略図であり、その構造的設計に関して、例えば、図1及び図2に対応する内部構造を設けることができ、とりわけ、対応して層化された偏光光学要素POBが複数組み合わされ、各々が潜像として個々に構成された画像情報を有する。TDOは、更に、任意の数、寸法及び更には望ましい形状変形(例えば、層状又は立体状、平面状又は湾曲状構造体として、及びまた中空体や中実体として)で任意の好適な空間的位置で光源デバイスBVから発される照明フィールドに組み込まれ、かつ各照明フィールド内を移動することができる。結果、BVから発される出力ビームSoutは、TDOを介して直接発光し、それによって、TDOの背後に位置する観察者Bは、偏光可視化の場合にのみ、それぞれ照明されたフィールドと併せてTDOで発生された画像情報BIを知覚することができる。これとは逆に、非可視画像情報は、BVに含まれる手段が与えられると出力ビームが全体として場合により非偏光化されるように意図された場合にも発生し、それによって、関連する光学効果さえ観察されず、TDO全体が完全に透明に現れる(いわゆる中性モード)。
【0080】
図5Bは、本発明の一の好適実施形態であって、半透明なTDOの使用による間接的透過背面投影の変形例を示す。図5Aとは反対に、この変形例は、BVとTDOの間にさらに導入された、いわゆる半透明投影要素TPEを備え、背面投影は対応する照明フィールドを生じさせる。当該照明フィールドは、各下流TDOに対して関連する背景照明として機能し、TDOと同様に、TPEも自由にアクセス可能な形状とサイズで設計され、かつ、好ましくは、各使用TDOにより予め決定された条件に応じて調節されることができる。しかしながら、その機能を確保するために、そのようなTPEは、TPEを実現するために使用される各材料が、特にその偏光保持特性により識別されるという本質的条件を満足しなければならず、それによって、背面投影を介するTPEを通過する各対応偏光並びに下流のTDOに対する各背景照明フィールドは、その偏光状態を大きな変化なしに保持する。あるいは、TPEは、半透明(透過及び散乱)と光ガイダンス(投影角度、観察角度)に関して望ましい各特性を備えるものであれば、あらゆる材料を使用して実現されることもできる。そして、観察者Bは、前述の画像情報BIや光学効果を、各背景照明フィールドLFの前で、TDO前方側で見ることができる。経験的に、例えば、LogoFilm製の光学的に不透明な背面投影フィルム材料は、TPE材料としてより好ましく適切に使用することができる。これらのフィルム材料は、十分な偏光保持性を有し、そして関連する特性により、TDOにおいて光学効果の非常に高いコントラストを観察でき、また、広い視野角度に亘って、昼光状態であっても周囲の迷光によって大きく影響されない。BVが偏光可視化から中性モードにスイッチされた後、主に白色光で均一照明された背景の前で、TDOは再度完全に透明になる。
【0081】
図5Cは、反射表示オブジェクトRDO上への直接前面投影を含む場合の好適な実施形態の概略図である。この変形実施形態おいて、BVから発された光Soutは、反射配置RDOの表示オブジェクトに当たる。そこでは、内部構造が、とりわけ、少なくとも一つ以上の、対応して設計され且つ対応して並列及び/又は直列に層化されたPOBを含み、各層は潜像情報を保持する。その結果、BVによって放射された光は、全ての関連するPOBを通過し、最終的には、光学的に対応して連結された偏光要素PEに当たる。ここでは、偏光要素PEは反射アナライザとして機能する。光はアナライザ表面で該アナライザの偏光方向に従い対応して反射され、その結果、ここでは観察者Bの傍で、手近に偏光可視化される画像情報BIを含む。その状態が選択的に中性モードで操作されると、光学効果が再びRDOに全く現れなくなり、PEの好適に均一な、そして拡散反射する表面はもっぱら上流の透明な層を通って光る。知見に基づき、拡散反射し且つ同時に偏光するフィルム材料であって、種々の製造業者(例えば、3M、ビキュイティ(Vikuiti)、ポーラテック(Polatech)、日東電工等)の一般的なフィルム材料を、各反射PEとして使用することができる。反射PEは特定の方法でその偏光及び反射特性の両方によって区別されるものである。また、これらのフィルム材料は、関連する光学要素に積層(貼付)することが容易である。従って、前述の光学効果は、広い範囲の投影角度と視野角度に亘って前面投影される間に前方から観察すると、鮮明な色再生を伴って高レベルの輝度とコントラストで観察され、他方、周囲の迷光に対しては十分に無反応である。
【0082】
図5Dは間接的かつ反射背面投影の形態における他の変形を示す概略図であり、少なくとも一つのいわゆる反射投影要素RPEと組合せた、少なくとも一つの半透明透過表示オブジェクトTDOが使用されている。ここで光源デバイスBVから発される光ビームSoutは、最初に、適切な投影角度で対応して構成されたRPEに当る。このRPEは、ここでは光反射器として機能し、当該光反射器は特定の表面を備え、且つ望ましい各反射特性を有する偏光を保持し且つ対応して配置されたことになる。それによって、RPEで対応して反射された光は、意図された方法で各TDOを通過し、TDOから放出される可視画像情報BIは、観察者Bによって認識される。RPEの各反射特性によってそれぞれ生じる反射角度又は視野角度の範囲と共に、選択した放射光投影角度に依存する結果、特定の空間距離がRPEとTDOの間に要求される。このように、RPEから発される反射器(リフレクター)照明フィールドは、各TDOを通して観察する時、前述の光学効果を観察するために背景照明フィールドとして機能する。偏光保持状態を満足するために、主に金属表面にRPEを設けることができる。特定の好ましい方向に沿った放射光を、反射及び/又は拡散性のより少ない散乱を意図する望ましい反射特性を達成する目的で、関連する表面を、特定の表面仕上げ及び表面構造(複数例挙げると、特定の反射及び/又は拡散軽減構造、マイクロプリズム構造、格子構造等)で仕上げることでもできる。これに関して、図5Dは好適な一実施形態の詳細な断面を示し、この実施形態は対応して設計された表面構造へ向けられた反射を介しての光ガイダンス(光誘導)を目的とする。その表面構造の端部に沿って線が引かれた(lined)半プリズムマイクロレリーフは、特定の浅い入射角度で放射された光がRPE表面に対して主に垂直に反射されるように配置される。反射に加えて、更に艶消し仕上げされた金属表面がこの表面に対して特定部分の散乱を与え、それによって光学効果の更に一層の可視性と視野角の可能な範囲を向上させることができる。
【0083】
RPEの製造には、複数の市販のプラスチックフィルム材料を用いることができ、これらの材料としては、例えば、LCDスクリーンや種々の電灯構造物における光ガイダンスのために使用される材料(例えば3M、Vikuiti等)がある。その場合、これらのポピュラーなフィルム材料は、ここで必要な偏光保持特性のみが欠けているため、これらのフィルムを、対応する金属表面に被覆することもできる。同様に、金属材料は、望ましい構造と表面仕上げを得るよう既知の方法を使用して機械加工されることができる。
【0084】
他の実施形態の変形例は図5Eに概略的に描かれており、先に示された図5Aから5Dとは反対に、二つの異なる画像源(いわゆるオーバーレイ機能)の視覚的オーバーラップを組み込んでいる。例えば、この更なる光学機能により、前後に配置される二つの各透明光学要素TDO、THOEを介して各現実シーンSzや画像媒体(例えば、ディスプレイ、ビデオ或いはフィルム投影等)からの他の関連する画像に基づく仮想シーンを見られるようになり、ここで同時に観察された各現実のシーンを、必要ならば、TDO内にBVを介して発生される前述の光学効果に光学的に重ねる特別の能力を生じさせる。その光学機能に関し、TDOと接続されるように対応配置された透過型ホログラフィック素子THOEは、この素子が、一方では、前から見た時に、背後にある情景に対して事実上透明な窓として機能し、他方では、定義された各入射角度βでBVを介してTHOEに向かって更に配向された背面投影によってこの観察された各情景(viewed scene)と特定の方法で重ねられるという事実によって一般に区別される。結果、光学的オーバーラップの各範囲は、二つの部分の関連する優勢な輝度レベル間の各相関関係に依存する。このために、オーバーラップの各範囲は、相互的な各方法でBVの部分上の輝度Hを介してシーンSzの各輝度Hszに対して望ましいように個々に適合され得る。シーンSzが暗いままである場合(a)又は関連する背面投影が起こらない(例えば、H=0)場合(b)の二つの特別な場合に関して、場合(a)における投影又は場合(b)におけるシーン自体のみが、THOEを通して観察する時に現れる。
【0085】
ホログラフィック格子の適用に基づくこのようなTHOEは、SAX3Dからいわゆるホログラフィック光学投影ディスク(Holographic optical projection discs、HOPS)として利用可能である。これらの光学的に透明なホログラフィック素子を使用する利点は、これらの素子が、一方では、原則要求される必要な偏光保持特性を備えること、及び他方では、偏光可視化中に生じる前述の光学効果が、通常非偏光周囲又は迷光によってほとんど影響を及ぼされず、それによって、高いレベルの輝度を有する環境においても極端に高いコントラストと鮮明な表示が可能だという事実にある。各適用の利点は、それらが、そのような投影に対して通常極端に好ましくない状態下でさえ、例えば、明るい昼光に暴露される、ヘッドライトが向けられる方向にTHOEがある場合でも、前述の光学効果の良好な再現を可能だという事実に起因する。後者の利点は、BVを出る出力ビームSoutが、各正確に定義され且つ制限された入射角度βでのみTHOEの後ろ側に投影され、そして、関連するTHOEのホログラフィック格子構造(特異的に形成され、この角度に正確それぞれ調整されたもの)の使用により、観察者Bの方向に向かってその表面に対し垂直に向きを変え、それによって、下流のTDOを通過した後、望ましい画像情報BIをもたらすという事実に主に起因する。専ら、BVから発する投影ビームSoutは、各TDOと一体となって上述した光学効果の発生において能動的であるので、BVから発されない全ての他の光源は、前述の光学効果の再生品質を相当に損なう。この欠点は、THOEの使用を介し、この特別な例において、通常非偏光である他のどのような角度で入射する迷光や周囲光でも素子自体において散乱も湾曲もされず、それによって、素子が透明なTHOEを介して光るという事実のおかげで大いに回避される。THOEとTDOの両方が夫々透明であり、従って、実際上可視の内部構造を備えないため、TDOから生じる画像情報BIと各シーンSzの両方が、光学効果の偏光可視化の間、対応する視覚的オーバーラップの形態で観察者Bに現れる。シーンの輝度Hszにそれぞれ関連してレギュレータHを介してBVからの投影光の輝度を対応して調節することによって、それぞれ生じる光学的オーバーラップの範囲が望ましいように調整され得る。シーンSzが実際のシーンを含む場合、各輝度Hszは、追加的に且つ対応して明暗調整可能な光によって望ましいように変化し得る。他の例では、例えば、仮想シーンが、関連するディスプレイ又はスクリーン上への各画像投影やビデオ投影に基づいて実際のシーンの代わりに発生されるべき場合、輝度Hszは、各使用された媒体に対して対応して調節され得る。結果、追加的でオプション的でインパクトのある設計可能性が、互いに関連する各輝度レベルH(t)、Hsz(t)の特定のダイナミック制御を介して生成され得、そこでは、このように達成可能な上記各光学効果に加え、この特別の実施の形態の変形は、この場合、各上演過程(staging process)中に透明性の範囲と夫々のコントラスト比をダイナミックに変化するために使用され得る。選択された中性モードの場合、例えば、BVから発せられ、それゆえ、完全非偏光の光を投影する時、関連する照明フィールドが、上述のように、いずれにしても、光学効果無しに現れ、各照明フィールドは、対応して調節された輝度レベル(例えば、シーンSzのHszと併せてBVから発生する光の投影のH)で光学的に重ね合わされ、結果的に幾分不透明で且つ照明されたディスクを介して見る時に引き起こされる視覚的印象を観察者Bに与える。二つの極端な場合(a)(H>>0;Hsz=0)又は(b)(H=0;Hsz>>0)に関して、完全に不透明な背景照明フィールドは、場合(a)では透明なTPOに対して可視になり、TPOの背後に位置する各シーンSzの精読が可能でない。他方、場合(b)では、二つの要素TPOとTHOHの両方が等しく且つ完全に透明に現れ、シーンSzの完全に明瞭な表示が可能である。
【0086】
図6A及び6Bは本発明の他の好適実施形態の模式図であって、アーキテクチャ要素(建物構造要素)として主に機能し、横断可能な床タイル又は床被膜、及び壁パネルや建物正面要素等の両方として使用可能な表示オブジェクトの形態を示す。図6Aに描かれるタイル要素は、外部光源デバイスBVから発する光Soutのビームによって反射構造RDOi中の表示要素として対応して照明され、それによって、観察者Bは、各RDOi内で発生した光学効果を観察することができる。この変形例は、図5C上に示される原理に対応するものである。このように、RDOとして指定される各アーキテクチャ要素は、対応して設計されたモチーフと共に、それぞれ特定数のPOBを含む。更に、各RDOは、対応するキャリア材料Tに適用することができ、且つRDOの表面は、同様に、例えば、保護層として機能する追加の透明層SSを備えることができるし、または、対応して構造化された表面プロファイル、対応する透明色モチーフ、もしくは特定のコントラストレベルを組み込むことができる。
【0087】
図6Bは、対応して設計されたTDOの形態でそれぞれ実現される、半透明のアーキテクチャ要素の使用を含む好適な実施形態を示し、間接的透過背面投影が図5Bに示した原理配置に従って発生する。この場合、各光のビームSoutは、関連する使用された光源デバイスBVi…BVkから放射されて、空気層LSを通過又は適切な透明なフィラー層FSを通過し、続く半透明な透過投影要素TPEに各照明フィールドが発生し、全ての関連する統合されたTDOに対して背景照明として機能する。同様に、また、TDOは、図6Aの場合におけるような、追加の層SSを備えることができる。偏光可視化中に、前述の光学効果が再び夫々のアーキテクチャ要素中に現れ、BVが中性モードに切り替えられた時には、潜像情報は観察者Bには不可視のままである。
【0088】
反射又は透過構成のアーキテクチャ要素に対し想定される追加の好適実施形態は、図5A〜図5Eで示された原理による種々の形状及び配置において実現されることができる。
【0089】
図7は、他のアーキテクチャ要素、ユーティリティオブジェクト又は照明要素の模範的な図であり、設計では、筒状であり得、とりわけ、共軸的な円筒配置において、BVとTDOをそれぞれ含む。この場合、図5Bによる間接的透過背面投影の原理は、本発明の環境に従って再び実現される。内側の透明なチューブ要素は、光源デバイスBVを含み、且つ放射方向へ光Soutを放射し、TPEにおいて、外側の円筒形チューブ要素の内側に対応する照明フィールドを発生し、それゆえ直後の共軸円筒形TDOのための背景照明として機能し、そこでは、あたり一面で観察可能な各画像情報BIは、TDOの外側から発せられる。一方、光源デバイスBVは、好ましくは軸心に位置する光源L、並びに層状の円筒形に構成され且つそれぞれ順次配置されたPOE、変調要素OME及び構造化位相差要素SREをそれぞれ望ましい数で含む。全ての関連するOMEは、更に、夫々の制御要素SEによって作動される。従って、外側の円筒(シリンダ)は、半透明で対応して層化された構造体によって形成され、その構造体は、透過投影要素TPEと、その直後に続く透過表示オブジェクトTDOと、対応して追加された透明SSとを内側から連続して含み、TDOは透明SSに沿って形成されている。幾つかの用途では、TDOとして設計されるかTDO内に1又は複数の各偏光光学画像要素POBを含む各円筒形チューブ要素が、容易に置換可能な構成として設けられることが有利であり、それによって、所望の各モチーフ(例えば、対応するフィルムとして設計された1又は複数のPOBの単純な変更を介して)の交換が容易に実施される。
【0090】
図8は、ピラミッドアーキテクチャ要素(角錐状建築要素)又はユーティリティオブジェクトの例に基づく本発明実施のための他の二つの変形例を示し、そこでは、一方は、図5bの原理による間接背面投影における透過構成及び内部BVを備え、他方は、図5Cの原理による直接前面投影における反射構成での同オブジェクト及び外部BVを備える。
【0091】
図9の模範的な実施の形態は、音響映像メディア用途における本発明の使用に関連し、特に、関連する生成された且つ対応してパラメータ化された音響特性と共にそれらの同時関連音響再生に基づいた、前述の表示オブジェクトを介した光学表現や聴覚現象の同期した同時可視化(real-time visualization)のための対応する装置と方法の助けを借りての各偏光光学システムの拡張と組合せに関する。
【0092】
これに関連して、まず何より一般的に知られているのが、コンピュータベースのシステムとプログラム及び/又はマルチメディアシステム(例えば、相互作用ビデオシステム)であり、これらは対応するコンピュータグラフィックスによる音楽可視化(所謂、音楽可視化装置)のために主に使用される。一般に、音響ベースの画像又はグラフィック効果はこれらの場合に発生し、且つアニメーションコンピュータグラフィックス又はビデオシーケンスの形態でスクリーンやビデオ投影に対応して表示される。この目的を達成するために、ユーザは、各コンピュータシステムに設置可能な可視化プラグイン(例えば、SoundJam、WinAmp、Geiss、Monkey等)を組み込むための対応するインターフェース及びプログラムから選択することができる。ここで、不利なことに、そのようなコンピュータグラフィック可視化は、多かれ少なかれオーディオデータの対応する所定のグラフィックオブジェクトや種々のタイプのグラフィック主要素の重ね合わせ(例えば、ポイント、ライン、基本幾何学形状、多角形等)への直接及び/又は概してランダムに割り当てられたグラフィック変換を最も頻繁に備え、主に均一で容易に予測可能な画一的な動きを有する、特定で且つ非常に類似する繰り返しパターンの変形が生じ、従って、それは、感覚に対して説得力を有する各記録された音楽の経験への言及にほとんど影響を及ぼすことはできない。これは、従来の解析アルゴリズム及びグラフィックプロセッサによる複雑なオーディオ信号のグラフィック変換に対して実際上生じる待ち時間が、現代のコンピュータ技術に関して合理的な支出を仮定しても、リアルタイム条件下で同期して聴覚事象と視覚事象とリンクするにはなお高過ぎるという原始的な関連事実によって起こされる。この方法に対する他の基本的に不利な点は、指示する媒体の層状設計がスクリーン又は画像投影の形態であると仮定すると、可視化は、本質的に所定のサイズを有する二次元に限定されなければならないという事実に起因し、解像度を制限された、対応するシステム関連画素構造が全ての例において不可避である。
【0093】
光源デバイスにおいて使用される他の従来の方法とデバイスは、オーディオ信号を介した光制御を含み、特定の数及び配置の対応する色光源を使用し、好ましくは、加色混合の原理を適用する。そのような光の設備とそれらの照明シナリオは、一定で繰り返し且つ画一的な照明光効果にのみ達することが多い。この光度変換の他の不利な点は、夫々の律動的な及び/又は連続する切り換えにおいて現れる定義され且つ概して単色の色表面エリアが、音楽に関して特に顕著である構造や形状における幾らかの変化を実施できずに、各照明オブジェクト上でいつでも発生し得ることである。従って、上記から明らかなように、光源に基づく光設備の単独の使用は、音楽属性の適切に見える表示形態への変換に対する複雑な要求を満足することはできない。
【0094】
光源デバイスやコンピュータグラフィックスを有する音楽の可視化のための上記システムに対し、各デバイスと共に請求項記載の方法は、基本的に異なる種類の概念的アプローチに基づいており、それは、視聴覚的及び審美的又は共感覚的受信状態についての現在及び将来の利用可能な知識を、関連し且つ対応して確立された理論的及び/又は実験的に導出された概念と併せて適用して、三次元表示オブジェクト内で対応する適切な視覚的現実化への、顕著な聴覚的及び/又は音楽用決定因子の変換を達成する。該三次元オブジェクトについては、本システムにおいて付加的に実施される音楽可視化インターフェースMVIに関連した請求項記載の偏光光学システムによって所望の形状及び寸法にすることができる。ここでは、異なる技術的手段の適用を伴い、各変換及び可視化プロセスの実施に対する種々のやり方の取り組みが基本可能であり、また常に新たな科学的知識及び審美的実験の取得により更新されるものである。
【0095】
特に、視聴覚変換を達成するための方法は勿論、従来のデジタルメディアとは別に適切で且つ有利な方法で設定され、同様に、非常に個別的な表示媒体がこの目的で使用される。コンピュータグラフィック可視化プログラムは、対応するグラフィックスプログラムによって特定の視覚グラフィックオブジェクトを生成し、かつ、動画化(アニメーション)可能であるに過ぎず、スクリーン又は対応する画像投影は、それらの二次元光学表示のための表示媒体として使用されるが、可視化は、この場合もっぱら受動的光学要素よりなる各半透明化キャリア媒体の材料組成と光学材料特性と併せて偏光光学原理の利用を介して発生し、これらの要素は、いづれにしても望ましい寸法と形状において半透明な(TDO)又は光を反射する(RDO)構成を有する三次元表示オブジェクト(DO)として任意の方法で設計され得、更に、対応する望ましい全体的な調和で配置され得る。また、各々が潜像情報を保持する光学効果は、それら自体、純粋に物理的方法で各DO内に発生される方法が異なり、それらは夫々別個で個別的に構成された方法で発生され、光−光学方法で外部光源デバイスによってパラメータに関して制御され且つアニメーション化が可能であり、この目的での画像投影や対応スクリーンの使用を必要としない。また、他の特性は、それぞれ支配的な聴覚現象のための視覚的表現の、対応する、かつ、とりわけ適切な形態への音楽特定決定要因の変換のタイプを含む。
【0096】
図9に示すように、幾つかの並列のオーディオ信号源AQ1・・・AQnを、ここでは、使用可能であり(例えば、数例あげると、従来のオーディオデバイス、マイクロホン、サウンドカード等)、それらは各々、マルチチャネルオーディオプロセッサAPへの入力信号INとして送信される。このAPは、一方では、音響再生の目的で対応する信号準備を行い、それによって、オーディオ出力信号OUT A(AS1・・・ASn)が対応する音響変換器SWへ送信され得る。音響変換は、二つの異なる方法(a、b)で発生することができ:(a)の場合、電気音響変換器は、例えば、フラットパネルラウドスピーカ(フラットパネル拡声器)としてのそれら音響変換器(SWDO)等が可視化目的で使用されるDOを利用し、DOにおいて屈曲振動BSを介して対応する音響モード(配信波)を励起し、それがDOから直接に発生する音響フィールドSFを発生し、それによって、後者が聴取者Hによって知覚され得るよう各表示オブジェクトDOへ直接連結される。(フラットパネル要素において曲げ振動を発生するための対応する電気音響変換器は、例えば、NXTによって製造される)。
【0097】
(b)の場合、通常且つ外部に位置するラウドスピーカシステムSW extもまた、音響再生のために使用することができる。
【0098】
また、APは、対応する機能を有し、そこでは、音響入力信号AQ1・・・AQnが、音楽可視化のためのシステムコンポーネントに対する調節目的で電子信号処理を受け、いわゆる音楽可視化インターフェースMVIの各入力INへ最初に送信される。この目的を達成するために第2の出力OUT vで必要とされる信号VS1・・・VSmを配信する。次に、特定の数の並列信号トラックMSSoutは、MVIの出力で利用され、MVIの助けを借りて形成される夫々の時間ライン関連パラメータストリングP1(t)、・・・Pi(t)、Pm(t)の特定の及び/又は代表的なダイナミックプロファイルを含み、各表示オブジェクトDO内で光学効果をパラメータに関して制御するために提供される。下流の信号プロセッサSPは、それぞれの望ましい信号トラック又はデータストリームを対応して選択し、既知のアナログ的又はデジタル的方法(例えば、DSP)でそれらを電子的に処理するために使用され、それによって、後者を関連する制御信号VS、iを介して図3に模範的に描かれている光源デバイスの対応した作動に適応させる。この用途の目的は、再生された音響事象と各DOで可視化された現象とを各々一方では同時に知覚させ、関連する視聴覚表現の受信者に、見たり聞いたりしたばかりのものの間で、の知覚及び/又は意味のある相関(視聴覚の一致)をかわるがわる認識させることである。例えば、複合モダール間類似形態と共感覚のような、両感覚様相(感覚モダリティ、sensory modalities)間の関係で、受信者によって経験される類似の下層にある一般的に有効なルールは、概して未知であり、将来の感覚的生理学的且つ精神物理学的研究の主題であり続ける。この事実にも拘らず、実現に関して(例えば、選択された解析方法,パラメータ化方法、及び光源デバイスBVを介して夫々使用された表示オブジェクトDO及び夫々の制御機能に関して)異なる可能な変形は、夫々の個別の好適な審美的決定基準によってそれらのテスト及び評価を可能とし、プロセスで実験的に見つけられたパラメータとルールがMVIの夫々の処理の決定要因において実施され得、それによって、前述の音楽の可視化は、また科学的調査と共感覚現象の主観的研究の両方のための実験プラットフォームの意味で適切なオープンシステムとして機能することができる。
【0099】
より一般的な事項で見ると、MVIの単一の基本的な目的と機能は、見聞きしたこととの、即時かつ可能な限り強力な感覚的相関を、幾つかの異なる種類の手順ステップと種々の概念と戦略に従って達成することである。
【0100】
第1の手順ステップは、記録されたばかりのオーディオ材料から、そしてその場合概してそれと同時のオーディオ信号VS1・・・VSmからそれぞれ決定された表現及び/又は顕著な音楽指定又は精神物理学的属性及び/又は特徴を、自動的に評価することを含む(いわゆる特徴抽出)。一般に、これは、既知の技術的手段の使用によって達成される。そのような手段としては、例えば、各MVIでそれぞれ実施されるこの目的に適したアルゴリズム(例えば、神経回路網、線形及び/又は非線形システム理論等)により、自動化パターン認識及び/又は音解析及び/又はダイナミック解析のために使用される種類のものがあり、それにより、必要に応じて様々な平行実行解析処理に基づき、かつ、所定の基準に従って対応して分類された特徴は、それら自体が、関連して提供された音楽の特定選択特徴を表す。その結果、ユーザの意図に従って、ある数の異なる特定の特徴が同時に得られ、そこでは、単一の選択された特定の特徴又は指定のグループから夫々編集された特徴(例えば、特定の多次元特徴ベクトルの形態のメタ表現における又は関連する特徴ベクトルを介して広がったn次元特徴空間−空間における)は、各々、夫々の適用可能な方法で本音楽構成の特定の聴覚態様を特徴付ける。
【0101】
次の第2の手順ステップは、MVIの他の基本的機能に関し、特に、一の表示オブジェクトDO内、または、それぞれ空間的に配置され、かつ対応して構成された複数の表示オブジェクトDOのアンサンブル内での対応する相同視覚の発現において、光学的表示のための幾つかの音楽特定属性や特徴の自動的翻訳又は解釈(interpretation)、いわゆるアルゴリズム解釈、に関する。特に、この目的は、第1に、それぞれ記録された同一のオーディオ信号から、又は、又は関連するデータストリームから、第1のステップで導出された変化する特徴をパラメータ化することを含み、各特徴は、この目的のために可能な限り適切な方法において異なる聴覚特徴を表し、それによって、対応して適合する並列且つ経時的に相関される記号トラックMSSoutの関連する数は、これから導出され、そこでは、各時点の各個別信号トラックの各即時出力変数は、関連する特徴、特に、信号振幅アナログの形態のための各強度値を表す。
【0102】
以下の第3の手順ステップは、ユーザ評価と決定を含み、それは、対応する入力機能を伴う対応して設計されたユーザインターフェース(図9中、UI)介して実行されることができ、他の信号経路に関連する異なるプロセスとパラメータへの目的のアクセスに達する。一方、これは、複数の可能なパラメータ信号トラックからの特定の選択をユーザに可能とし、これらのトラックは、各用途において、BV内でそれぞれ使用されたOMEを作動するようにされている。他方、幾つかの信号トラックは、必要ならば、更に、これに関して準備又はリンクされ得、そこでは、既知の電子手段が使用され、それによって、例えば、夫々に含まれる信号部分の追加の重み付け及び/又は混合及び/又は変調及び/又は変換が可能とされる。結果、ユーザは、ユーザの審美的又は機能的好みに基づいてそれぞれ適切な可視化を行うことができる。このようにMVIを適用することによって聴覚特徴に関してパラメータ的に制御されるかアニメーション化される対応して構成された視覚表示の各変化する翻訳(解釈、translation)に対して偏光光学システムを使用することが可能となる。
【0103】
その一般化された機能性に関して、各MVIは、全ての用途において自動化又は半自動化及び対応して開発された解釈プロセス(所謂アルゴリズム解釈)の動作化の各形態を表す。例えば、同じ音楽材料に関するこれらの変化する態様は、ダイナミックス(フォルテ、ピアノ、アクセント)及び/又は周波数(ピッチ、調性、ハーモニー等)を共に関連する時間的推移(例えば、数例あげると、テンポ、ポーズ、アッチェレランド、リタルダンド)を含み得る。このように、適切な方法での幾つかのアナログ出力信号MSSoutのパラメータ化は、MVIの出力OUTに並列に存在し、それらの関連する信号の進行は、各々音楽の属性の幾つかの特徴指定細部を反映し、BVを作動するために下流の信号プロセッサSPによって夫々の制御信号Vsiへ変換される。結果、各ユーザは、夫々設定され且つ対応して配置された表示オブジェクト及びそれに含まれる潜像情報並びにMVIによって夫々支持されるアルゴリズム解釈プロセスと併せて夫々の好ましい色パレットに基づき適切な可視化を達成する責務があり、そこでは、音楽合成の、対応して目に見え且つ直感的に理解できるメタファーが処理感覚で伝わり、それによって、聞いたことと見たことに関して聴覚的感覚体験と視覚的感覚体験との直接的相互の感覚的且つ意味のある相関を与える。従って、適切な音楽の可視化に関してユーザによって意図されている知覚と期待に関して一般的に有効な解決策はなく、それは、大概各受信者の主観的審美的且つ精神物理学的基準によって決定され、そのため、問題のMVI内で夫々実施される機能を決定するための単一の拘束された方法(binding approach)がない。
【0104】
以下の模範的な実施の形態は、基準点として機能するようにされたものであって、既に試され、且つ適切な音楽可視化のための疑似最小構成として、比較的に低い費用でセットアップされうるものである。
【0105】
ここでは、各偏光光学システムは、図5Aから5Eに示される変形例に従って設計され、そこでは、図3による各光源デバイスBVは、二つの光学変調ユニットOME1、OME2、並びに対応して構成された2つの構造化位相差要素SRE1、SRE2を含む。ここでは、標準のねじれネマチックセルTNCがOMEとして使用されること効果的であり、これらのセルは、各々振幅変調信号(例えば、200Hz〜1KHzの選択可能キャリア周波数)を介して作動され、変調は、各低周波制御信号VS1又はVS2を使用して発生する。TNCの各特性ラインに対して作動を調節するために、一方では、変調器が変調される度合いが対応して変化させられ、他方では、関連する信号レベルに対して非常に大きな差が生じる場合、使用可能ダイナミックレンジが、対応するダイナミック圧縮を介して調節され得、または、上記光学効果の色ダイナミック及び/又は変動範囲は、望ましい方法で特定レベルまで制限されるべきである。対応して構成された偏光光学画像要素POBを有する各表示オブジェクトDOを設計するか否かは、ここでは、ユーザの意向による。図6A、6B、7及び8は、この目的のために関連する実施例となることができる。図9により、信号AQ1、AQ2を有する二つのオーディオ信号源は、例えば、ステレオ信号として、オーディオ信号AS1、AS2を夫々の音響変換器SWへ中継するオーディオプロセッサAPへ送る。APの出力OUTvで、アナログ信号は、対応するレベル調節に続きまたデジタル形態で存在する音楽可視化インターフェースMVIのアナログ入力へ送られ、それによって、関連するデータストリームは、対応するインターフェースによってMVIへ中継される。この領域の専門家(expert)は、対応する手段(例えば、アナログ又はデジタル信号処理及び信号解析等)に詳しく、それによって、以下に記述される基本処理ステップが異なる方法で実現され得る。例えば、第1の信号VS1は、MVI内に実行される解析プロセスに送られ、例えば,そこで、各信号は、FFT(高速フーリエ変換)、ウェーブレット解析又は他の手順を受け、各音声スペクトルが、例えば、離散時間窓(discrete time windows)や周波数帯において計算される。夫々のスペクトルは、更に、適切な観点から処理されて、顕著な音響特徴を評価し、そこにおいて、一つ以上の夫々選択された所定の周波数バンド内におけるスペクトル振幅の時間的推移が、例えば、関連する特徴ベクトルを形成できる。各音響スペクトルの、対応して重み付けされたスペクトル強度部分(例えば、フォルマント)に加えて、スペクトル差が、また、場合により、音調(調波)又は雑音部分に関して得られる。第1の信号VS1に関して導出されたこれらの特徴は、本質的に、音楽指定属性として音調態様の時間的推移に関連することができる。
【0106】
次に、異なる信号処理機能(数例あげると、フィルタ機能、同期機能、変換器機能、変調機能、制御及びリンク機能、時間遅延、周波数シフト、並びに、様々な数学的又は論理的演算)が使用されて、望ましい方法で、それらの時間の関係に従ってこれらのダイナミックに変化するパラメータストリングを組み合わせて、信号P1(t)のための関連する信号振幅の代表的なアナログプロファイルを生成し、その連続するダイナミックな推移に関して丁度聞いたものと同期して動作する。必要であれば、また、オーディオ信号は、MVIの内部処理がある処理時間妨害されるので、可視化とオーディオ信号との十分な同期を達成するために補償によってある遅延(待ち時間)で再生され得る。信号プロセッサSPは、制御信号VS1を介してBV内でOME1を作動するための要求に信号SP1(t)を対応して調整するために使用される。表示オブジェクトDO内で関連するモチーフに関して前述の光学効果を可視化すると共に、ここでは、制御信号VS1が書く望ましい色パレットと併せて対応するダイナミック色変動において音楽の表示の特定の音調特徴をアニメ化にするために使用され得る。
【0107】
そのアニメーション(動画)が、関連する制御信号VS2を介して作動され、ここでは、VS1のように、異なる音楽指定特徴から導出される他の光学変調要素OME2によって時間に関して制御を受けたときに、可視化は、強調された印象と複雑さをもって発生し、それによって、DOにおいて生じる結果としての移動と色発展は、複雑で更に決定的な方法で浸透する。この目的を達成するために、対応する包絡線(例えば、包絡フォロア)は、MVIによって信号VS2から形成され、その信号は、更に、音量発展を表し、従って、ダイナミックスとリズムに関して他の音楽の態様を反映する。この場合、同様に、望ましい結果を達成するように更なる信号処理の他の追加で且つ既知の手段を使用することができる。
【0108】
産業的に利用可能なことが証明されたモジュールシステム(例えば、DSP)、プログラミング環境及び関連するシステム周辺部は、リアルタイムオーディオ処理(例えば、数例あげると、MAX、REAKTOR)に特に適合される実用上の実現のために効果的に使用され、そして、対応するツールを使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源デバイス(BV)と、前記光源デバイスの外部に配置された少なくとも一つの表示オブジェクト(DO)を備える、光学効果の変調と表示のためのシステムであって、
前記光源デバイス(BV)は、特に位置に依存して偏光に影響を与える少なくとも一つの入力偏光ユニット(POE)及び、特に時間に依存及び/又は位置に依存して偏光及び/又は位相差に影響を与える少なくとも一つの変調ユニット(OME)を備え、
前記表示オブジェクト(DO)は、特に位置に依存及び/又は時間に依存して位相差に影響を与える少なくとも一つのオブジェクト位相差ユニット(POB)と、出力偏光ユニット(PE)と、を備え、
前記オブジェクト位相差ユニット(POB)は、画像情報を可逆的又は不可逆的に印加するのに適しており、
前記光源デバイス(BV)からの変調光(Sout)が前記画像情報と相互作用するためにオブジェクト位相差ユニット(POB)に衝突し、前記出力偏光ユニット(PE)によって光学効果が視覚化されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記光源デバイス(BV)は、更に、位置に依存して及び/又は時間に依存して位相差に影響を与える少なくとも一つの光源位相差ユニット(SRE)を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光源位相差ユニット(SRE)及び/又は前記オブジェクト位相差ユニット(POB)及び/又は前記変調ユニット(OME)は、少なくとも一つの異方性物質及び/又は光学的に異方性材料特性を備える請求項1又は2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記光源位相差ユニット(SRE)及び/又は前記オブジェクト位相差ユニット(POB)及び/又は前記変調ユニット(OME)は、位置依存性らせんピッチ及び/又は材料特性の位置依存性配向性及び/又は位置依存性層厚み及び/又は位置依存性光学的異方性を備える請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記入力偏光ユニット(POE)及び/又は出力偏光ユニット(PE)は、交換また除去され得る請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記入力偏光ユニット(POE)は、非偏光を起こすエリアを含み、且つこれらのエリアは、非偏光光フィルタを備える請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記変調ユニット(OME)は、時間に依存及び/又は位置に依存する方法で偏光及び/又は位相差に影響を与える、少なくとも一つのメソゲン物質、特に液晶を備える請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
変調ユニット(OME)において時間に依存及び/又は位置に依存する方法で、偏光及び/又は位相差に影響を与えるプロセスが、エネルギーへの暴露を介して制御され得る請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記エネルギーへの暴露は、前記メソゲン物質上で機械的及び/又は音波的及び/又は熱的及び/又は電気的及び/又は磁気的及び/又は電磁的エネルギー発生器を使用することで起こる請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記表示オブジェクト(DO)は、更に反射ユニットを備える請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
前記表示オブジェクト(DO)は、更に音響信号を発生することができる少なくとも一つの屈曲振動器(BS)を含む請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載のシステム。
【請求項12】
前記屈曲振動器(BS)は、オブジェクト位相差ユニット(POB)内に又はオブジェクト位相差ユニット(POB)上に設けられる請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の装置で、光学効果の変調と表示を行うための方法であって、
光の特性の変調と画像情報の印加のいずれか一方又は両方の工程を有し、
前記光の特性は、特に、時間依存及び/又は位置依存の方法で変調ユニット(OME)においてエネルギーへの暴露を介して偏光及び/又は位相差に関して変調され、
前記画像情報は、特に時間依存及び/又は位置依存の方法で、エネルギーへの暴露及び/又は材料変換及び/又は構造変化を介し、オブジェクト位相差ユニット(POB)においてオブジェクト位相差ユニット(POB)に可逆的又は不可逆的に印加され、
光の特性の変調は、オブジェクト位相差ユニット(POB)において画像情報と相互作用し、結果、光学効果が、出力偏光ユニット(PE)によって可視化される方法。
【請求項14】
前記表示オブジェクト(DO)において生じる光学効果は、偏光を少なくとも局所的に解消することにより不可視化される、請求項13に記載の光学効果を変調して表示するための方法。
【請求項15】
前記偏光は、少なくとも一つの偏光ユニット(POE、PE)を除去することによって解消される、請求項14に記載の光学効果を変調して表示するための方法。
【請求項16】
少なくとも一つのメソゲン物質、特に液晶を、エネルギーに暴露する請求項13乃至請求項15のいずれか1項記載の光学効果を変調して表示するための方法。
【請求項17】
前記エネルギーへの暴露の制御は、ベース信号(Si)に対応する請求項13乃至請求項16のいずれか1項記載の光学効果を変調して表示するための方法。
【請求項18】
前記ベース信号(Si)は、少なくとも一つの変調された信号、特に、オーディオ信号(SS1、SS2)に従う請求項17に記載の光学効果を変調して表示するための方法。
【請求項19】
前記表示オブジェクト(DO)に入射する、光源デバイス(BV)からの光(Sout)は、前記表示デバイス(DO)を通過し、表示オブジェクト(DO)の反対側から見られる請求項13乃至請求項18のいずれか1項記載の画像を変調するための方法。
【請求項20】
前記表示オブジェクト(DO)に入射する、光源デバイス(BV)からの光(Sout)は、前記表示オブジェクト(DO)内で反射され、前記表示オブジェクト(DO)の入射側から見られる請求項13乃至請求項18のいずれか1項記載の画像を変調するための方法。
【請求項1】
光源デバイス(BV)と、前記光源デバイスの外部に配置された少なくとも一つの表示オブジェクト(DO)を備える、光学効果の変調と表示のためのシステムであって、
前記光源デバイス(BV)は、特に位置に依存して偏光に影響を与える少なくとも一つの入力偏光ユニット(POE)及び、特に時間に依存及び/又は位置に依存して偏光及び/又は位相差に影響を与える少なくとも一つの変調ユニット(OME)を備え、
前記表示オブジェクト(DO)は、特に位置に依存及び/又は時間に依存して位相差に影響を与える少なくとも一つのオブジェクト位相差ユニット(POB)と、出力偏光ユニット(PE)と、を備え、
前記オブジェクト位相差ユニット(POB)は、画像情報を可逆的又は不可逆的に印加するのに適しており、
前記光源デバイス(BV)からの変調光(Sout)が前記画像情報と相互作用するためにオブジェクト位相差ユニット(POB)に衝突し、前記出力偏光ユニット(PE)によって光学効果が視覚化されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記光源デバイス(BV)は、更に、位置に依存して及び/又は時間に依存して位相差に影響を与える少なくとも一つの光源位相差ユニット(SRE)を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光源位相差ユニット(SRE)及び/又は前記オブジェクト位相差ユニット(POB)及び/又は前記変調ユニット(OME)は、少なくとも一つの異方性物質及び/又は光学的に異方性材料特性を備える請求項1又は2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記光源位相差ユニット(SRE)及び/又は前記オブジェクト位相差ユニット(POB)及び/又は前記変調ユニット(OME)は、位置依存性らせんピッチ及び/又は材料特性の位置依存性配向性及び/又は位置依存性層厚み及び/又は位置依存性光学的異方性を備える請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記入力偏光ユニット(POE)及び/又は出力偏光ユニット(PE)は、交換また除去され得る請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記入力偏光ユニット(POE)は、非偏光を起こすエリアを含み、且つこれらのエリアは、非偏光光フィルタを備える請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記変調ユニット(OME)は、時間に依存及び/又は位置に依存する方法で偏光及び/又は位相差に影響を与える、少なくとも一つのメソゲン物質、特に液晶を備える請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
変調ユニット(OME)において時間に依存及び/又は位置に依存する方法で、偏光及び/又は位相差に影響を与えるプロセスが、エネルギーへの暴露を介して制御され得る請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記エネルギーへの暴露は、前記メソゲン物質上で機械的及び/又は音波的及び/又は熱的及び/又は電気的及び/又は磁気的及び/又は電磁的エネルギー発生器を使用することで起こる請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記表示オブジェクト(DO)は、更に反射ユニットを備える請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
前記表示オブジェクト(DO)は、更に音響信号を発生することができる少なくとも一つの屈曲振動器(BS)を含む請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載のシステム。
【請求項12】
前記屈曲振動器(BS)は、オブジェクト位相差ユニット(POB)内に又はオブジェクト位相差ユニット(POB)上に設けられる請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の装置で、光学効果の変調と表示を行うための方法であって、
光の特性の変調と画像情報の印加のいずれか一方又は両方の工程を有し、
前記光の特性は、特に、時間依存及び/又は位置依存の方法で変調ユニット(OME)においてエネルギーへの暴露を介して偏光及び/又は位相差に関して変調され、
前記画像情報は、特に時間依存及び/又は位置依存の方法で、エネルギーへの暴露及び/又は材料変換及び/又は構造変化を介し、オブジェクト位相差ユニット(POB)においてオブジェクト位相差ユニット(POB)に可逆的又は不可逆的に印加され、
光の特性の変調は、オブジェクト位相差ユニット(POB)において画像情報と相互作用し、結果、光学効果が、出力偏光ユニット(PE)によって可視化される方法。
【請求項14】
前記表示オブジェクト(DO)において生じる光学効果は、偏光を少なくとも局所的に解消することにより不可視化される、請求項13に記載の光学効果を変調して表示するための方法。
【請求項15】
前記偏光は、少なくとも一つの偏光ユニット(POE、PE)を除去することによって解消される、請求項14に記載の光学効果を変調して表示するための方法。
【請求項16】
少なくとも一つのメソゲン物質、特に液晶を、エネルギーに暴露する請求項13乃至請求項15のいずれか1項記載の光学効果を変調して表示するための方法。
【請求項17】
前記エネルギーへの暴露の制御は、ベース信号(Si)に対応する請求項13乃至請求項16のいずれか1項記載の光学効果を変調して表示するための方法。
【請求項18】
前記ベース信号(Si)は、少なくとも一つの変調された信号、特に、オーディオ信号(SS1、SS2)に従う請求項17に記載の光学効果を変調して表示するための方法。
【請求項19】
前記表示オブジェクト(DO)に入射する、光源デバイス(BV)からの光(Sout)は、前記表示デバイス(DO)を通過し、表示オブジェクト(DO)の反対側から見られる請求項13乃至請求項18のいずれか1項記載の画像を変調するための方法。
【請求項20】
前記表示オブジェクト(DO)に入射する、光源デバイス(BV)からの光(Sout)は、前記表示オブジェクト(DO)内で反射され、前記表示オブジェクト(DO)の入射側から見られる請求項13乃至請求項18のいずれか1項記載の画像を変調するための方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2013−511055(P2013−511055A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538203(P2012−538203)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065159
【国際公開番号】WO2011/057671
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512123307)コマンディートゲゼルシャフト ズュノプトリクス リッヒテッヒニク ゲーエムベーハー ウント コー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065159
【国際公開番号】WO2011/057671
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512123307)コマンディートゲゼルシャフト ズュノプトリクス リッヒテッヒニク ゲーエムベーハー ウント コー (1)
【Fターム(参考)】
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