説明

光学用易接着性ポリエステルフィルム及び光学用積層ポリエステルフィルム

【課題】蛍光灯下での虹彩状色彩を抑制し、かつ、ハードコート層との密着性、高温高湿下での密着性(耐湿熱)に優れる光学用易接着性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有する光学用易接着性ポリエステルフィルムであって、前記塗布層が、水性ポリエステル樹脂と、水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物と、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子とを含有し、前記塗布層中の水性ポリエステル樹脂の含有量が20質量%以上70質量%未満であり、前記塗布層中の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物の含有量が10質量%以上70質量%未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学用易接着性ポリエステルフィルムに関する。例えば、タッチパネル、液晶表示板(LCD)、テレビやコンピューターのブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等の表示画面の前面に装着して、外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制する反射防止性を付与し、ハードコート層との密着性及び高温高湿処理後の密着性に優れる光学用易接着性ポリエステルフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル、コンピューター、テレビ、液晶表示装置等のディスプレイ、装飾材等の前面には、透明なハードコート層を積層させたハードコートフィルムが使用されている。また、基材の透明プラスティックフィルムとしては、透明な二軸配向ポリエステルフィルムが一般的に用いられ、基材のポリエステルフィルムとハードコート層との密着性を向上させるために、これらの中間層として易接性を有する塗布層を設ける場合が多い。
【0003】
前記のハードコートフィルムには、温度、湿度、光に対する耐久性、透明性、耐薬品性、耐擦傷性、防汚性等が求められている。また、ハードコートフィルムにはディスプレイや装飾材などの表面に用いられることが多いため、視認性や意匠性が要求されている。そのため、任意の角度から見たときの反射光によるぎらつきや虹彩状色彩等を抑えるため、ハードコート層の上層に、高屈折率層と低屈折率層を相互に積層した多層構造の反射防止層を設けることが行われている。
【0004】
しかしながら、ディスプレイや装飾材などの用途では、近年、さらなる大画面化(大面積化)及び高級性が求められ、それにともなって特に蛍光灯下での虹彩状色彩(干渉斑)の抑制に対する要求レベルが高くなってきている。また、蛍光灯は昼光色の再現性のため3波長形が主流となってきており、より干渉斑が出やすくなっている。さらに、反射防止層の簡素化によるコストダウン要求も高くなってきている。そのため、反射防止層を付加しないハードコートフィルムのみでも干渉斑をできるだけ抑制するものが求められている。
【0005】
ハードコートフィルムの虹彩状色彩(干渉斑)は、基材のポリエステルフィルムの屈折率(例えば1.62)とアクリル樹脂からなるハードコート層の屈折率(例えば1.49)との差が大きいため発生するといわれている。積層間の屈折率差を小さくして干渉斑の発生を防止するため、基材のポリエステルフィルム上に塗布層を設け、ポリエステルフィルムと塗布層との屈折率差、塗布層とハードコート層の屈折率差を小さくするように、塗布層を構成する樹脂と高屈折添加剤の含有量で塗布層の屈折率を制御する方法が開示されている。このような方法として、例えば、水溶性ポリエステル樹脂と水溶性金属キレート化合物または金属アシレート化合物を含むもの(特許文献1)、(2)高分子バインダーと高屈折率の金属酸化物を含むもの(特許文献2)等が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特許第3632044号明細書
【特許文献2】特開2004−54161号公報
【0007】
上記(1)、(2)の方法で干渉斑の発生を抑制する場合、塗布層の厚みを制御することが重要となる。塗布層を設けることで、ハードコート層−塗布層界面で生じる反射光と、塗布層−ポリエステルフィルム界面で生じる反射光とが生じるが、この2つの波長が打ち消しあって逆位相となる為には、光学設計上、特定の範囲内で塗布層厚みを制御する必要があるためである。そのため、塗布層の厚みが所定の範囲を超える場合は、これら反射光による干渉斑が発生することとなる。よって、上記(1)、(2)の方法では、生産管理上、極めて厳密に塗布層厚みを制御する必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、近年の生産効率の向上の点から、ハードコート層形成用塗布液の溶剤として速乾性やレベリングに優れた各種の溶剤が用いられるようになってきており、そのようなものの中には、ポリエステルフィルムに設けた塗布層を溶解するものも使用されるようになってきた。そのため、上記方法で特定の厚みを有する塗布層を設けても、ハードコート層形成用塗布液の溶剤によって塗布層厚みが変動し、干渉斑が抑制できない場合が生じてきた。そのため、各種の溶剤でも広範囲に適用可能な干渉斑の効果を有する塗布層の組成が切望された。
【0009】
すなわち、本発明は、蛍光灯下での虹彩状色彩を抑制し、かつ、ハードコート層との密着性、高温高湿下での密着性に優れる光学易接着性ポリエステルフィルム及び該フィルムにハードコート層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題に対し、本発明者は塗布層組成に関して鋭意検討を行った結果、所定の屈折率を有する塗布層に平均粒径200nm以上700nm以下という大きな粒子を加えた結果、厚み変動に対しても安定的に干渉斑を抑制できるという驚くべき効果を見いだし、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有する光学用易接着性ポリエステルフィルムであって、前記塗布層が、水性ポリエステル樹脂と、水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物と、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子とを含有し、前記塗布層中の水性ポリエステル樹脂の含有量が20質量%以上70質量%未満であり、前記塗布層中の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物の含有量が10質量%以上70質量%未満である、光学用易接着性ポリエステルフィルムである。
また、本発明は前記塗布層に架橋剤を含むことを特徴とした光学用易接着性ポリエステルフィルムである。
また、本発明は、前記架橋剤が尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤であることを特徴とする光学用易接着性ポリエステルフィルムである。
また、本発明は、前記光学用易接着性ポリエステルフィルムの前記塗布層面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂、またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光学用易接着ポリエステルフィルムは、該フィルムの易接着層にハードコート層を積層した際に、干渉斑抑制に優れ、かつハードコート層との密着性及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(ポリエステルフィルム)
本発明で基材として用いるポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂より構成されるフィルムであり、主に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とする。これらのポリエステル樹脂の中でも、物性とコストのバランスからポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。また、これらのポリエステルフィルムは二軸延伸することで耐薬品性、耐熱性、機械的強度などを向上させることができる。
【0014】
また、前記の二軸延伸ポリエステルフィルムは、単層であっても複層であってもかまわない。また、本発明の効果を奏する範囲内であれば、これらの各層には、必要に応じて、ポリエステル樹脂中に各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、有機湿潤剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などが挙げられる。
【0015】
また、フィルムの滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性や、耐摩耗性、耐スクラッチ性などの摩耗特性を改善するために、基材のポリエステルフィルム中に不活性粒子を含有させる場合がある。しかしながら、本発明のフィルムは光学用部材の基材フィルムとして用いるため、高度な透明性を維持しながらハンドリング性に優れていることが要求される。具体的には、光学用部材として使用する場合、透明性は易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上が特に好ましい。
【0016】
また、高い鮮明度のためには、基材フィルム中への不活性粒子の含有量はできるだけ少ないほうが好ましい。したがって、フィルムの表層のみに粒子を含有させた多層構成にするか、あるいは、フィルム中に実質的に粒子を含有させず、塗布層にのみ微粒子を含有させることが好ましい。
【0017】
特に、透明性の点から、ポリエステルフィルム中に不活性粒子を事実上含有させない場合は、フィルムのハンドリング性を向上させるために、無機及び/または耐熱性高分子粒子を水系塗布液中に含有させ、塗布層表面に凹凸を形成させることが重要である。
【0018】
なお、「不活性粒子が実質上含有されていない」とは、例えば、無機粒子の場合、蛍光X線分析で粒子に由来する元素を定量分析した際に、50ppm以下、好ましくは10ppm以下、最も好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。これは積極的に粒子を基材フィルム中に添加させなくても、外来異物由来のコンタミ成分や、原料樹脂あるいはフィルムの製造工程におけるラインや装置に付着した汚れが剥離して、フィルム中に混入する場合があるためである。
【0019】
(塗布層)
本発明の光学用易接着性フィルムには、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水性ポリエステル樹脂と水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物と平均粒径200nm以上700nm以下の粒子を含有する塗布層に設けることが重要である。すなわち、本発明の以下のような達成手段による。
【0020】
(1)塗布層の屈折率制御
本願発明の光学易接着性フィルムは、塗布層の屈折率をハードコート層と基材ポリエステルフィルムとの中間付近に調整する必要がある。ハードコート層に使用する樹脂の組成によって、ハードコート層の屈折率は変動するため、塗布層の屈折率はそれに対応して調整することが望ましく、具体的には塗布層の屈折率を1.60〜1.65の範囲に調整する必要がある。このようにすることで各界面屈折率差を小さくし、干渉斑を抑制する。ポリエステル樹脂などからなる易接着性を有する塗布層ではそれ単独では屈折率が低い(1.50前後)。そのため本願では、塗布層の屈折率を上記範囲に制御する為に、塗布層にさらに金属性有機化合物、なかでも高い屈折性が得られる水溶性有機チタン化合物または有機ジルコニウム化合物を添加することを特徴とする。塗布層の屈折率を高くすることは、金属微粒子を含有させることでも達成することができるが、金属微粒子を含有させることにより塗布層の延伸性およびハードコート層と基材フィルム間の密着性は低下する場合がある。これに対し、本願発明では屈性率を制御する化合物として水溶性有機チタン化合物または有機ジルコニウム化合物を用いることにより密着性を有しながら、屈折率の高い塗布層にすることができる。
【0021】
(2)平均粒径200nm以上700nm以下の粒子(粒子A)
本願発明者は塗布層組成を鋭意検討した結果、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子(粒子A)を塗布層に添加することで干渉斑抑制効果を見いだし本願発明に至った。粒子Aがこのような効果を奏する理由として、本願発明者は以下のように考えている。塗布層に平均粒径の比較的大きい粒子を添加することで、塗布層とハードコート層との界面に凹凸が形成される。このような凹凸構造によって、塗布層とハードコート層との界面で光の散乱が生じる。このようなランダムな光散乱により塗布層と基材ポリエステルフィルムとの界面で生じる反射光との位相の乱れが生じ、その結果、干渉斑の抑制効果が生じると考えられる。本願の光学易接着性フィルムの塗布層はかかる構成を有するため、従来技術のように塗布厚みを高度に制御する必要もなく、各種の溶剤からなるハードコート層形成用塗布液でも広範囲に適用可能となった。
【0022】
また、粒子Aを塗布層に添加した効果として、ハードコート層との密着性が向上することを見いだした。これは、塗布層とハードコート層との界面に凹凸が形成されることによって、塗布層とハードコート層との界面面積が増加し、密着性に有利に作用したものと考えている。
【0023】
粒子Aが上記の効果を奏するために、塗布層の厚みは粒子Aの平均粒径より小さいことが好ましく、塗布層の厚みは粒子Aの平均粒径の1/1未満が好ましく、1/2以下がより好ましい。また、塗布層の厚みは粒子Aの平均粒径の1/15以上が好ましく、1/10以上がより好ましく、1/7以上がさらに好ましい。塗布層の厚みが粒子Aの平均粒径の1/15未満であると、粒子の粉落ちにより密着性が低下する場合がある。
【0024】
(3)塗布層組成
本発明の塗布層は水性ポリエステル樹脂と、水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物を有することを特徴とする。本発明の塗布層は生産性の点からインラインコートによる付与することが望ましく、上記水溶性組成物は係るインラインコート法に好適である。
【0025】
塗布層中の水溶性の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物の含有量は、20質量%以上70質量%以下が好ましい。ハードコート層の屈折率によって、前記範囲内で水溶性の水溶性有機チタン化合物または/および水溶性有機ジルコニウム化合物を添加し、塗布層の屈折率1.60〜1.65の範囲で調整する。用いるハードコート層の屈折率により異なるが、塗布層の屈折率をより高くするためには、上記化合物の含有量は30質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましい。上記化合物の含有量が20質量%未満であれば塗布層の屈折率を上記範囲に調整することが困難になる場合がある。また、水溶性の有機チタンまたはジルコニウム化合物の含有量が80質量%を越えると塗布層の密着性が低下する場合があるので好ましくない。
【0026】
前記水性ポリエステル樹脂は塗布層中に20質量%以上70質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは30%質量%以上60質量%以下である。水性ポリエステル樹脂の含有量が多い場合には、塗布層の屈折率が低下し、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となる。また、含有量が少ない場合には、常温、高温高湿下のポリエステルフィルムとの密着性が低下する。
【0027】
上記構成を有する塗布層は、好ましくはインラインコート法により付与される。ポリエステルフィルムの延伸工程中の熱で過熱することにより、水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物が、ポリエステル樹脂との架橋反応および化合物同士の自己架橋により均一な膜を生成する。これにより、高い屈折率を得ながら、密着性の優れた塗布層を好適に形成することができる。
【0028】
なお、前記の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物は加熱処理することにより塗布液中に存在する化合物は塗布層において分解物として存在する場合があるが、これら分解物も本願発明の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物に含まれる。よって、分解物の場合は、塗布液に添加した状態では存在しないが、熱処理後の塗布層中の金属元素(TiまたはZr)の含有量から、塗布層中の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物の含有量は、以下のように算出することができる。
(1)まず、塗布層中の有機物の残渣から塗布液中の前記水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物の有機物の種類を同定する。
(2)次いで、塗布層中の金属元素(TiまたはZr)の含有量から、塗布液中の前記の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物の含有量を算出する。
【0029】
本発明は、上記態様により、ハードコート層との密着性、及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)を維持しながら、蛍光灯下での虹彩状色彩を制御できる。さらに、本発明の構成を以下に詳細する。
【0030】
本発明において、易接着層中に水性ポリエステル樹脂を含有させる必要がある。水性ポリエステル樹脂を含有させることで、耐湿熱性を向上させることができる。
【0031】
水性ポリエステル樹脂は水、または、水溶性の有機溶剤(例えば、アルコール、アルキルセルソルブ、ケトン系、エーテル系を50質量%未満含む水溶液)または、有機溶剤(例えば、トルエン、酢酸エチル等)に対して溶解または分散したものが使用できる。
【0032】
ポリエステル樹脂は酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸等を使用しても良い。ジオール成分としては、エチレングリコール、プロパングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0033】
上記ポリエステル樹脂に親水基を導入することにより水性ポリエステル樹脂を得ることができる。導入する水酸基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基などがあるが、中でもスルホン酸基を導入したスルホン酸基含有ポリエステルが望ましい。水性塗布液を長時間混合する用途では、カルボキシル基を有する場合は有機金属化合物と架橋を形成し粘度が挙がることがあり、この場合は粘性の点からスルホン酸基含有ポリエステルが好適である。スルホン酸基をポリエステルに導入する場合、スルホン酸化合物は、ポリエステルの全酸成分中のうち、1〜10モル%とすることがより好ましい。スルホン酸基量が1モル%未満の場合、ポリエステル樹脂の水性が低下する場合がある。
【0034】
本発明において、塗布層中に架橋剤を含有させても良い。架橋剤を含有させることにより、インク受容層の高温高湿下での密着性を更に向上させることが可能になる。架橋剤としては、尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系、オキサゾリン系等が挙げられる。これらの中で、塗液の経時安定性向上効果からイソシアネート系が好ましい。また、架橋反応を促進させるため、触媒等を必要に応じて適宜使用される。
【0035】
架橋剤の含有量としては、5質量%以上50質量%以下が好ましい。より好ましくは
10質量%以上30質量%以下である。少ない場合には、塗布層の樹脂の強度が低下し、高温高湿下での密着性が低下し、多い場合には、塗布層の樹脂の柔軟性が低下し、常温、高温高湿下での密着性が低下する。
【0036】
本発明において、塗布層中に水溶性の水溶性有機チタン化合物または水溶性の有機ジルコニウム化合物を含有させる必要がある。本発明の水溶性とは、水または水溶性の有機溶剤の50重量%未満の水溶液に対する溶解性を意味する。
【0037】
水溶性の有機チタン化合物としては、水溶性のチタンキレート化合物や水溶性のチタンアシレート化合物などがあり、具体的にはジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンのアンモニウム塩、チタンベロキソクエン酸アンモニウム塩、オキソチタンビス(モノアンモニウムオキサレート)等がある。また水溶性の有機ジルコニウム化合物としては、水溶性のジルコニウムキレート化合物や水溶性のジルコニウムアシレート化合物などがあり、具体的にはジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムアセテート等が挙げられる。
【0038】
本発明において、塗布層には水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物のいずれか一種以上含むが、2種以上の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物を組み合わせて使用することも好ましい。例えば、塗布液のpH調製の点から、pHの異なる2種の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物を組み合わせて用いるのも好ましい実施態様である。これにより塗布外観が良好になる場合がある。2種以上の化合物を組み合わせて用いる場合、塗布層中のこれら2種以上の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物の合計濃度が、本願発明に規定する水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物の濃度を意味する。また、水溶性有機チタン化合物および水溶性有機ジルコニウム化合物を組み合わせてもよい。この場合は、水溶性有機チタン化合物および水溶性有機ジルコニウム化合物の合計濃度が20質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
【0039】
本発明において、塗布層中に少なくとも平均粒径200nm以上700nm以下の粒子(粒子A)を含有させる必要がある。粒子Aは(1)シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、等の無機粒子、(2)アクリルあるいはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系等の有機粒子が挙げられる。
【0040】
前記粒子(粒子A)は、平均粒径が200〜700nmのものが好適である。粒径が小さい場合は塗布層とハードコート層の界面の凹凸形成が小さく、散乱効果が減少し、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなる。大きい場合は、塗布層の透明性が悪くなる場合がある。
【0041】
前記粒子(粒子A)は凝集しにくい、真球状のものが好ましい。粒子が凝集すると、散乱の効果が減少し、灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなるだけでなく、光学欠点となる場合がある。また、粒子による光の散乱効果を発揮する点でも、真球状の粒子は好ましいと考える。また、フィルムの透明性を維持する点から、粒子Aは無色透明であることが好ましい。
【0042】
本発明の塗布層中の粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、倍率12万倍で積層フィルムの断面を撮影し、塗布層の断面に存在する10ヶ以上の粒子の最大径を測定し、それらの平均値を求めることができる。電顕微鏡写真から粒径が約100nm以上の粒子を10個以上選別し、それらの粒子の最大径を測定し、その平均値を求めることができる。これは、粒子Bや異物など明らかに本願の粒子Aでない粒径の小さい粒子を除くためである。
【0043】
粒子Aの含有量としては、塗布層中に0.05質量%以上5質量%以下であることが好ましい。粒子Aの含有量の下限は、0.08質量%以上がより好ましく、0.10質量%以上がさらに好ましい。少ない場合は、散乱効果が減少し、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなる。多い場合は、塗布層の透明性が悪くなるだけでなく、膜強度が低下する。
【0044】
塗布層には、前記粒子(粒子A)と異なる平均粒径の粒子(粒子B)も、塗膜の強度向上のために添加することができる。
【0045】
塗布層には、コート時のレベリング性の向上、コート液の脱泡を目的に界面活性剤を含有させることもできる。界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などいずれのものでも構わないが、シリコン系、アセチレングリコール系又はフッ素系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果や密着性を損なわない程度の範囲で塗布層に含有させることが好ましい。
【0046】
塗布層に他の機能性を付与するために、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果や密着性を損なわない程度の範囲で、各種の添加剤を含有させても構わない。前記添加剤としては、例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐剤、等が挙げられる。
【0047】
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を設ける方法としては、溶媒、粒子、樹脂を含有する塗布液をポリエステルフィルムに塗布、乾燥する方法が挙げられる。溶媒として、トルエン等の有機溶剤、水、あるいは水と水溶性の有機溶剤の混合系が挙げられるが、好ましくは、環境問題の点から水単独あるいは水に水溶性の有機溶剤を混合したものが好ましい。
【0048】
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムは、前述のポリエステルフィルムの塗布層面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を設けることにより得られる。
【0049】
電子線または紫外線により硬化する樹脂として、アクリレート系の官能基を有するものであり、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を含有するものが使用できる。
【0050】
但し、紫外線硬化型樹脂の場合には、前述の樹脂中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチラウムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
【0051】
(光学用易接着性ポリエステルフィルムの製造)
本発明の光学用易接着性ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)フィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
【0052】
PET樹脂を十分に真空乾燥した後、押出し機に供給し、Tダイから約280℃の溶融PET樹脂を回転冷却ロールにシート状に溶融押出しし、静電印加法により冷却固化せしめて未延伸PETシートを得る。前記未延伸PETシートは、単層構成でもよいし、共押出し法による複層構成であってもよい。また、PET樹脂中に不活性粒子を実質的に含有させないことが好ましい。
【0053】
得られた未延伸PETシートを、80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍に延伸して、一軸延伸PETフィルムを得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して、70〜140℃に加熱された熱風ゾーンに導き、幅方向に2.5〜5.0倍に延伸する。引き続き、160〜240℃の熱処理ゾーンに導き、1〜60秒間の熱処理を行ない、結晶配向を完了させる。
【0054】
このフィルム製造工程の任意の段階で、PETフィルムの少なくとも片面に、塗布液を塗布し、前記塗布層を形成する。塗布層はPETフィルムの両面に形成させても特に問題はない。塗布液中の樹脂組成物の固形分濃度は、2〜35重量%であることが好ましく、特に好ましくは4〜15重量%である。
【0055】
この塗布液をPETフィルムに塗布するための方法は、公知の任意の方法を用いることができる。例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、などが挙げられる。これらの方法を単独で、あるいは組み合わせて塗工する。
【0056】
本発明においては、塗布層は未延伸あるいは一軸延伸後のPETフィルムに前記塗布液を塗布、乾燥した後、少なくとも一軸方向に延伸し、次いで熱処理を行って形成させる。
【0057】
本発明において、最終的に得られる塗布層の厚みは20〜350nm、乾燥後の塗布量は、0.02〜0.5g/mであることが好ましい。塗布層の塗布量が0.02g/m未満であると、接着性に対する効果がほとんどなくなるばかりではなく、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制性が不十分となりやすくなる。一方、塗布量が0.5g/mを越えると、同様に蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなる。
【0058】
本発明で得られた光学用易接着性ポリエステルフィルムの塗布層は、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層に対して良好な接着性を有する。また、光学用途以外でも良好な接着強度が得られる。具体的には、写真感光層、ジアゾ感光層、マット層、磁性層、インクジェットインキ受容層、ハードコート層、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、印刷インキやUVインキ、ドライラミネートや押し出しラミネート等の接着剤、金属あるいは無機物またはそれらの酸化物の真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD、プラズマ重合等で得られる薄膜層、有機バリアー層等が挙げられる。
【0059】
(光学用積層ポリエステルフィルムの製造)
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムの製造方法について、PETフィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
【0060】
前述の光学用易接着性ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、前記の電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂を塗布する。塗布液は特に希釈する必要はないが、塗布液の粘度、濡れ性、塗膜厚等の必要に応じて有機溶剤により希釈しても特に問題はない。塗布層は、前述のフィルムに前記塗布液を塗布後、必要に応じて乾燥させた後、塗布液の硬化条件に合わせて、電子線または紫外線照射及び加熱することにより塗布層を硬化させることにより、ハードコート層を形成する。
【0061】
本発明において、ハードコート層の厚みは、1〜15μmであることが好ましい。ハードコート層の厚みが1μm未満であると、ハードコート層としての耐薬品性、耐擦傷性、防汚性等に対する効果がほとんどなくなる。一方、厚みが15μmを越えるとハードコート層のフレキシブル性が低下し、亀裂等が発生する可能性が増加する。
【0062】
本発明で得られた光学用積層ポリエステルフィルムは、広範囲の用途に使用できるが、特にさらに上層に反射防止層を形成することにより、良好な反射防止フィルムとすることができる。このような反射防止層の形成には、高屈折率のZnO、TiO、CeO、SnO、ZrO等または低屈折率のMgF、SiO等の無機質材料や、金属材料を単層または多層設けることにより行われる。これらの層は、蒸着、スパッタリング、プラズマCVD等か、高屈折率または低屈折率の無機質材料や金属材料等を含有する樹脂組成物からなる塗布層を単層または多層で形成される。
【実施例】
【0063】
次に、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は当然以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
【0064】
(1)固有粘度
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
【0065】
(2)ガラス転移温度
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ製、DSC6200)を使用して、25〜300℃の温度範囲にわたって20℃/minで昇温させ、DSC曲線から得られた補外ガラス転移開始温度をガラス転移温度とした。
【0066】
(3)光学用易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率
得られた光学用易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率はJIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して測定した。
【0067】
(4)平均粒径
光学用積層ポリエステルフィルムの試料を可視光硬化型樹脂(日本電子データム社製、D−800)に包埋し、室温で可視光にさらして硬化させた。得られた包埋ブロックから、ダイアモンドナイフを装着したウルトラミクロトームを用いて70〜100nm程度の厚みの超薄切片を作製し、四酸化ルテニウム蒸気中で30分間染色した。この染色された超薄切片を、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、TEM2010)を用いて、ハードコート層の断面を観察し、写真を撮影した。10個以上の粒子の最大径を測定し、その平均値を求めた。なお、写真の拡大倍率は、10,000〜100,000倍の範囲で適宜設定する。なお、本実施例では、拡大倍率を80,000倍(加速電圧200kv)とした。電顕微鏡写真から粒径が約100nm以上の粒子を10個以上選別し、それらの粒子の最大径を測定し、その平均値を求めた。これは、粒子Bや異物など明らかに本願の粒子Aでない粒径の小さい粒子を除くためである。
【0068】
(5)干渉斑改善性(虹彩状色彩)
光学用積層ポリエステルフィルムを10cm(フィルム幅方向)×15cm(フィルム長手方向)の面積に切り出し、試料フィルムを作成した。得られた試料フィルムのハードコート層とは反対面に、黒色光沢テープ(日東電工製、ビニルテープNo21;黒)を張り合わせた。この試料フィルムのハードコート面を上面にして3波長形昼白色(ナショナル パルック、F.L 15EX−N 15W)を光源として斜め上から目視でもっとも反射が強く見える位置関係(光源からの距離40〜60cm、フィルム面に対して15〜45°の角度)で観察した。
【0069】
目視で観察した結果を、下記の基準でランク分けをする。なお、観察は該評価に精通した5名で行ない、最も多いランクを評価ランクとする。仮に、2つのランクで同数となった場合には、3つに分かれたランクの中心を採用した。例えば、◎と○が各2名で△が1名の場合は○を、◎が1名で○と△が各2名の場合には○を、◎と△が各2名で○が1名の場合には○を、それぞれ採用する。
◎:あらゆる角度からの観察でも虹彩状色彩が見られない
○:ある角度によっては僅かに虹彩状色彩が見られる
△:僅かに虹彩状色彩が観察される
×:はっきりとした虹彩状色彩が観察される
【0070】
(6)接着性
具体的には、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて、ハードコート層を貫通して基材フィルムに達する100個のマス目状の切り傷をハードコート層面につける。次たで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製、405番;24mm幅)をマス目状の切り傷面に貼り付け、消しゴムでこすって完全に密着させた。その後、垂直にセロハン粘着テープを光学用積層ポリエステルフィルムのハードコート層面から引き剥がして、光学用積層ポリエステルフィルムのハードコート層面から剥がれたマス目の数を目視で数え、下記の式からハードコート層と基材フィルムとの密着性を求めた。なお、マス目の中で部分的に剥離しているものも剥がれたマス目として数え、下記の基準でランク分けをした。
密着性(%)=(1−剥がれたマス目の数/100)×100
◎:100%
○:99〜90%
△:90〜70%
×:69〜0%
【0071】
(7)耐湿熱性
光学用積層ポリエステルフィルムを、高温高湿槽中で60℃、95RH%の環境下500時間放置し、次いで、光学用積層ポリエステルフィルムを取りだし、室温常湿で12時間放置した。その後、前記(6)と同様の方法でハードコート層と基材フィルムの接密着性を求め、下記の基準でランク分けをした。
◎:100%
○:99〜90%
△:90〜70%
×:69〜0%
【0072】
(水性ポリエステル樹脂の重合)
攪拌機、温度計、および部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート271.9質量部、ジメチルイソフタレート89.3質量部、ジメチルー5−ナトリウムスルホイソフタレート41.5質量部、ジエチレングリコール46.7質量部、エチレングリコール245.8質量部、およびテトラーnーブチルチタネート0.5質量部を仕込み、160℃から220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行なった。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、30Paの減圧下で1時間30分反応させ、水性ポリエステル樹脂(A)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は、淡黄色透明であった。得られた水性ポリエステル樹脂に対し、H−NMRで測定した組成及び重量平均分子量の結果を表1に示す。
【0073】
【表1】

【0074】
(ポリエステル水分散液の調整)
攪拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、水性ポリエステル樹脂(A)20質量部、エチレングリコールt−ブチルエーテル15質量部を入れ、110℃で加熱、攪拌し樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水65質量部をポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分20質量%の乳白色のポリエステル水分散液(B)を作製した。
【0075】
実施例1
(1)塗布液の調整
下記の塗剤を混合し、塗布液を作成した。粒子Aの平均1次粒径は約500nmである。
水 53.68質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 18.04質量%
イソシアネート樹脂 1.21質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 5.74質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
粒子A 0.06質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
粒子B 1.26質量%
(日産化学製スノーテックスOL、固形分濃度20質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0076】
(2)光学用易接着性ポリエステルの製造
フィルム原料ポリマーとして、固有粘度が0.62dl/gで、かつ粒子を実質上含有していないPET樹脂ペレットを、133Paの減圧下、135℃で6時間乾燥した。その後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った回転冷却金属ロール上で静電印加法により急冷密着固化させ、未延伸PETシートを得た。
【0077】
この未延伸PETシートを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して、一軸延伸PETフィルムを得た。
【0078】
次いで、前記塗布液をロールコート法でPETフィルムの片面に塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。なお、最終(二軸延伸後)の乾燥後の塗布量が0.15g/mになるように調整した。引続いてテンターで、120℃で幅方向に4.0倍に延伸し、フィルムの幅方向の長さを固定した状態で、230℃で0.5秒間加熱し、さらに230℃で10秒間3%の幅方向の弛緩処理を行ない、厚さ100μmの光学用易接着性ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
【0079】
(3)光学用積層ポリエステルフィルムの製造
前記の光学用易接着性ポリエステルフィルムの塗布層面に、下記組成のハードコート層形成用塗布液(C−1)を#10ワイヤーバーを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムに高圧水銀灯を用いて300mJ/cmの紫外線を照射し、厚み5μmのハードコート層を有する光学用積層ポリエステルフィルムを得た。ハードコート層の屈折率は1.55であった。
ハードコート層形成用塗布液(C−1)
イソプロパノール 48.47質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21.25質量%
(新中村化学製A−DPH)
ポリエチレンジアクリレート 5.67質量%
(新中村化学製A−400)
ZrOゾル 23.61質量%
(日産化学工業製OZ−30M、固形分濃度30質量%)
光重合開始剤 1.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
【0080】
比較例1
粒子Aを除いた以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0081】
比較例2
粒子Aを除き、ハードコート層形成用塗布液(C−2)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ハードコート層形成用塗布液(C−2)
メチルエチルケトン 45.00質量%
トルエン 2.45質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20.09質量%
(新中村化学製A−DPH)
ポリエチレンジアクリレート 5.57質量%
(新中村化学製A−400)
SnOゾル 25.08質量%
(石原産業製FSS−10T、固形分濃度30質量%)
光重合開始剤 1.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
【0082】
比較例3
粒子Aを平均粒径2μm(日本触媒製エポスターMS)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0083】
比較例4
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 49.55質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 25.60質量%
イソシアネート樹脂 1.22質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 2.30質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
粒子A 0.06質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
粒子B 1.26質量%
(日産化学製スノーテックスOL、固形分濃度20質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0084】
比較例5
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 59.96質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 6.23質量%
イソシアネート樹脂 1.99質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 10.49質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
粒子A 0.06質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
粒子B 1.26質量%
(日産化学製スノーテックスOL、固形分濃度20質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0085】
比較例6
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 50.13質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 23.60質量%
イソシアネート樹脂 3.91質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 1.09質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
粒子A 0.05質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
粒子B 1.20質量%
(日産化学製スノーテックスOL、固形分濃度20質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0086】
比較例7
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 59.88質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 6.74質量%
イソシアネート樹脂 1.02質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 11.03質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
粒子A 0.06質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
粒子B 1.26質量%
(日産化学製スノーテックスOL、固形分濃度20質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0087】
実施例2
粒子Aを平均粒径230nm(扶桑化学工業製クォートロンPL−20、固形分濃度24%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0088】
実施例3
粒子Aを平均粒径300nm(ガンツ化成製ガンツパールPM−030、固形分濃度41%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0089】
実施例4
粒子Aを平均粒径450nm(日産化学工業製MP4540M、固形分濃度40%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0090】
実施例5
粒子Aを平均粒径700nm(三井化学製グロスデール207−S、固形分濃度53%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0091】
実施例6
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 53.21質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 17.65質量%
イソシアネート樹脂 1.22質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 5.78質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
粒子A 2.12質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0092】
実施例7
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 57.35質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 11.32質量%
イソシアネート樹脂 1.02質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 8.79質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
粒子A 0.06質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
粒子B 1.26質量%
(日産化学製スノーテックスOL、固形分濃度20質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0093】
実施例8
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 59.18質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 7.95質量%
イソシアネート樹脂 1.21質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 10.32質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
粒子A 0.06質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
粒子B 1.26質量%
(日産化学製スノーテックスOL、固形分濃度20質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0094】
実施例9
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 50.93質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 23.09質量%
イソシアネート樹脂 1.21質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 3.45質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
粒子A 0.06質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
粒子B 1.26質量%
(日産化学製スノーテックスOL、固形分濃度20質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0095】
実施例10
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 54.55質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 18.04質量%
イソシアネート樹脂 1.21質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 3.79質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
有機チタン化合物 1.07質量%
(ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、固形分濃度80質量%)
粒子A 0.06質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
粒子B 1.26質量%
(日産化学製スノーテックスOL、固形分濃度20質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0096】
実施例11
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 54.90質量%
イソプロパノール 20.00質量%
ポリエステル水分散液(B) 18.04質量%
イソシアネート樹脂 1.21質量%
(第一工業製薬製エラストロンBN11、固形分濃度35質量%)
有機チタン化合物 3.03質量%
(ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、固形分濃度44質量%)
有機チタン化合物 1.49質量%
(ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、固形分濃度80質量%)
粒子A 0.06質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
粒子B 1.26質量%
(日産化学製スノーテックスOL、固形分濃度20質量%)
界面活性剤 0.01質量%
(ネオス製フタージェント400PR、固形分濃度100質量%)
【0097】
実施例12
有機チタン化合物を有機ジルコニウム化合物(ジルコニウムアセテート、固形分濃度27%)に変更し、塗布層中の含有量を表2のように調製した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0098】
実施例13
ハードコート層形成用塗布液(C−2)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0099】
比較例1の光学用積層ポリエステルフィルムは、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子Aが含まれていない。よって、ハードコート層/塗布層界面での光散乱効果がないため、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が劣る。さらに、粒子Aによる界面凹凸形成がないため、ハードコート層との接触面積が低下し、接着性、耐湿熱性が劣る。
【0100】
比較例2の光学用積層ポリエステルフィルムは、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子Aが含まれていない。また、ハードコート層形成用塗布液(C−2)に変更している。C−2によって、塗布界面の一部が溶解または膨潤し、ハードコート層/塗布層界面の設計を乱すだけでなく、ハードコート層/塗布層界面での光散乱効果がないため、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が劣る。さらに、粒子Aによる界面凹凸形成がないため、ハードコート層との接触面積が低下し、接着性、耐湿熱性が劣る。
【0101】
比較例3の光学用積層ポリエステルフィルムは、粒子Aとして平均粒径2000nmの粒子が含まれている。粒子径が大きすぎるため、密着性が低下した。
【0102】
比較例4の光学用積層ポリエステルフィルムは、水性ポリエステル樹脂の含有量が75質量%になっている。よって、塗布層のポリエステル樹脂の比率が増加するため、屈折率が低下し、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分である。
【0103】
比較例5の光学用積層ポリエステルフィルムは、水性ポリエステル樹脂の含有量が18質量%になっている。よって、塗布層のポリエステル樹脂の比率が低下するため、常温、高温高湿下のポリエステルフィルムとの密着性が低下する。
【0104】
比較例6の光学用積層ポリエステルフィルムは、有機チタン化合物の含有量が7質量%になっている。よって、塗布層の有機チタン化合物の比率が低下するため、屈折率が低下し、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分である。
【0105】
比較例7の光学用積層ポリエステルフィルムは、有機チタン化合物の含有量が71質量%になっている。よって、塗布層の有機チタン化合物の比率が増加するため、常温、高温高湿下のポリエステルフィルムとの密着性が低下する。
【0106】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の光学用易接着ポリエステルフィルムは、該フィルムの塗布層にハードコート層を積層した際に、外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制する反射防止性にすぐれ、かつハードコート層との密着性及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れるため、タッチパネル、液晶ディスプレイ(LCD)、テレビやコンピューターのブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等の表示画面の前面に装着して、外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制する反射防止性を付与する反射防止フィルムの基材フィルムとして好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有する光学用易接着性ポリエステルフィルムであって、
前記塗布層が、水性ポリエステル樹脂と、水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物と、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子とを含有し、
前記塗布層中の水性ポリエステル樹脂の含有量が20質量%以上70質量%未満であり、
前記塗布層中の水溶性有機チタン化合物または水溶性有機ジルコニウム化合物の含有量が10質量%以上70質量%未満である、
光学用易接着性ポリエステルフィルム。
【請求項2】
前記塗布層に架橋剤を含むことを特徴とした請求項1に記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
【請求項3】
前記架橋剤が尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤であることを特徴とする請求項2に記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルムの前記塗布層面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂、またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルム。

【公開番号】特開2009−300658(P2009−300658A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153971(P2008−153971)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】