説明

光学的なデータ記録媒体を製造する装置および方法

本発明は、光学的なデータ記憶媒体を製造する装置および方法に関する。特に最近開発された光学的なデータ記憶媒体(130)(たとえばブルーレイディスク)では、情報層および/またはカバー層(132,134)の厚みは、数十分の一ミリメートルの範囲で変動している。そのような層厚は、従来の射出成形法ではもはや容易に達成できない。したがって本発明の課題は、比較的小さな厚みを有する最近の光学的なデータ記憶媒体(130)を製造できる装置および方法を提供することである。さらに望ましくはそのような光学的なデータ記憶媒体(130)を提供することが挙げられる。この課題を解決するための方法および装置によれば、公知の流し込み技術を用いて、キャビティに配置されたエレメントに、カバー層または情報層を形成しつつ、低粘性材料で流し込むか、または層を製作して、該層を別の層と接着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1、9、21、39もしくは42の上位概念に記載の形式の、光学的なデータ記録媒体を製造する装置および方法に関する。
【0002】
情報を記憶させるための光学的なデータ記録媒体は、最近では日々の生活に欠かせないものとなっている。特別な形式で、CD(Compact Disc)およびDVD(Digital Versatile Disc)は、マスメモリとして構築されている。特にコンピュータなどの作業メモリのために使用される、短いアクセスメモリを備えたデータメモリに対して、光学的なデータ記録媒体は、増加するデータ流れを処理するために用いられるマスメモリとして使用される。
【0003】
光学的なデータ記録媒体の実際の使用開始は、1980年まで遡り、いわゆるレーザディスクが開発された。その後漸次1982年にオーディオCDが、1985年にCD−ROMが、1988年にMO−DISC(Magneto-Optische Disc)が、1989年にCD−Rが、1994/1995年にDVDが、1996年にDVD−RW、DVDビデオおよびDVD−ROMが、そして1997年〜2002年にDVDオーディオ、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWおよびDVD+Rが開発された。
【0004】
現在ではいわゆるブルーレイディスク(BluRay−Disc)の開発を終了する別の段階が迫っている。ブルーレイディスクの開発は、既に2003年に終了した。ブルーレイディスクは、使用されるレーザから名付けられ、レーザは、青色領域に位置する405nmの波長を有している。ブルーレイディスクに対して選択的に、ブルーDVDとも呼ばれるいわゆる高容量(High-Capacity)DVDが存在する。
【0005】
オーディオCDでは、44.1kHzの走査周波数、16Bitの解像度で約80分の音楽情報を記憶させることができた。CD−ROMでは、約700MBの記憶容量がみられた。DVDでは、比較的小さな構造に基づいて記憶容量が数倍高められた。たとえばいわゆる片面単層DVD(DVD−5)は4.7GBを有する。両面2層DVDでは約17GBになる。
【0006】
CDでもDVDでも、記憶される情報は、いわゆる「ピット」(pit)または「グルーブ」(groove)(書き込み可能な光学的なデータ記録媒体の場合)および「ランド」(land)(基面領域)の構成をした螺旋形のトラック(溝)に格納される。「ピット/グルーブ」および「ランド」を有する情報層は、全反射性または部分反射性に形成されている。この場合穴(ピット)は、弱い反射性を有している。「ランド」は、2つの「ピット」の間の面を表していて、かつ強い反射性を有している。これに対して「バンプ」は、レーザ側からみた「ピット」を表している。
【0007】
従来慣用の光学的なデータ記録媒体(CD/DVD)上の情報を走査する(読み取る)際の作動形式を、図1につき説明する。レーザダイオード10が、特定の波長(CD:780nm;DVD:650nm;ブルーレイ:405nm)のレーザ光を照射する。このレーザ光は、レンズ12を通って偏光ビームスプリッタ14にガイドされ、偏光ビームスプリッタ14を通っていわゆるλ/4板に到達し、λ/4板によって、レーザビームの偏光が変換される。レンズ18によって、ビームは、光学的なデータ記録媒体20のトラックに集束される。適当な位置に「ピット」が存在するか、または「ランド」が存在するかに応じて、レーザビームは、比較的強く(ランド)または比較的弱く(ピット)反射される。反射されたレーザビームは、再びレンズ18を通ってλ/4板に向けられ、そこで偏光が再度変換される。偏光の変換によって、ビームスプリッタ14は、レーザダイオード10に向かう入射を防止して、反射されたレーザビームを、レンズ22を介してフォトダイオード24に向け、フォトダイオード24は、レーザビームが反射されたものか、そうでないかを評価する。光学的なデータ記録媒体20の情報に応じて、フォトダイオードを介して適当な電気信号が形成される。
【0008】
従来慣用のCDおよびDVDの寸法全体は、原則として同じである。図2に示したように、両方の光学的なデータ記録媒体20は、120mmの直径と15mmの中心孔30とリング状のデータ領域26とを備えており、この場合リング厚みは約34mmである。CDとDVDとの間の違いは技術データにみられる。したがってCDでは、トラックピッチは1.6μmで、ピット幅は0.5μmで、最小ピット長さは0.83μmで、最大ピット長さは3.05μmである。読取速度は、CDでは1.2m/s〜1.4m/sである。
【0009】
DVD(たとえば単層片面DVD)では、トラックピッチは0.74μmで、ピット幅は0.32μmで、最小ピット長さは0.4μmで、最大ピット長さは1.87μmである。読取速度は、約3.49m/sである。開口数(NA)およびレーザの透過する厚み(T)に関する別のデータは、図7から看取することができる。
【0010】
図8には、CD(左側)における構造とブルーレイ(右側)における構造との違いについて拡大図で示した。CDは、実質的に基板70から形成されており、基板70の下面に、情報層(「ピット」および「ランド」の連続)が形成されている。情報層は、反射層72で被覆されている。次いで薄い保護層が、多くの場合クリアラッカ74として取り付けられている。クリアラッカ74に、一般的にさらにレーベルが取り付けられる。CDは、上方から基板70を通って透過される。基板70は、約1.1mmの厚みを有している。この場合開口数は0.45である。したがって表面に擦過傷が存在しても、傷は光信号に多大な影響を及ぼさない。
【0011】
これに対してブルーレイでは、透過されるカバー層は、0.1mmの厚みしか有していない。次いで反射層72’’が位置し、その下方に支持層74’’が位置する。ブルーレイでは、専ら上位の0.1mmの薄層が透過され、ここは0.85の開口数が存在する。したがって表面の擦過傷は、信号品質に不都合な影響を及ぼす恐れがある。
【0012】
DVD−5とブルーレイとの間の違いについて、図6に示した。両方の光学的なデータ記録媒体は、基板層50を備えており、基板層50は、DVD(左側)では0.6mmの範囲で、ブルーレイでは1.1mmの範囲に位置する。次いで「ピット」の配置された情報層52が配置されている。次いで(図6の下側)透過性のカバー兼保護層54が設けられており、カバー兼保護層54は、DVDでは、ここでも0.6mmの範囲に位置するが、ブルーレイでは0.1mmの範囲に位置する。DVDでは0.4μmの最小ピット長さは符号56で、0.74μmのトラックピッチは符号58で示した。ブルーレイでは、0.15μmの最小ピット長さは符号60で、0.32μmのトラックピッチは符号62で示した。DVDの別の部分断面図は、図3から看取される。
【0013】
DVDに関するさらなるデータフォーマットは、図5のa〜dから看取される。図5のaに示した概略図は、片面単層DVDであり、図5のbは片面2層DVDであり、図5のcは両面単層DVDであり、図5のdは両面2層DVDである。これに関して片面の意味するところによれば、情報がDVDの片面に取り付けられていて、かつ片面から読み取りが行われる。他方の面は、ダミー面である。両面の意味するところによれば、情報がDVDの両面に含まれていて、両面から読み取りを行う必要がある。再生時に、DVDは、別の面の情報を読み取るために裏返す必要がある。
【0014】
単層の意味するところによれば、DVD(一般的な光学的なデータ記録媒体)の片面に1つの情報層が設けられている。2層の意味するところによれば、DVD(一般的な光学的なデータ記録媒体)の片面に、2つの情報層が配置されている。この場合上位の情報層は半透過性に形成されているので、上位の情報層に向けられたレーザは、適当な集束処理で、下位の情報層に向けることができ、そこから情報を読み取ることができる。
【0015】
CDは、従来通常射出成形プロセスで製造された。この場合先ず射出成形機の型のキャビティにスタンパが配置されており、スタンパに、CDに伝達しようとする情報が形成されている。キャビティにプラスチック材料を射出する際に、スタンパの構造がCD素材に型押しされ、これによってスタンパの情報がプラスチック材料に伝達される。次いで構造/情報を有する面に、反射層が取り付けられ、別のステップでラッカ付けが行われる。CDおよびピット構造では、1.1mmの範囲の基板プラスチック材料の厚みに基づいて、成形は、射出成形プロセスで簡単に行うことができる。適当な製造設備は、長年来問題なく機能している。
【0016】
比較的大きな問題は、DVD製造において生じる。なぜならばピット寸法が比較的小さいからである。しかもレーザの透過するカバー層を比較的薄く選択する必要がある。このことは特にレーザ光の波長および開口数の選択と関連する。CDでは一般的に780nmの波長を有する赤外レーザが用いられ、DVDでは635nm〜650nmの波長が用いられる。その結果として、光学的なデータ記録媒体の最終的な12mmの範囲の厚みでは、それぞれ約0.6mmの厚みで2つの部分ディスクを製作する必要があり、部分ディスクは互いに接着される。既に0.6mmの比較的薄いディスクを製造する際に製造上の問題が生じ、溶融状態でも比較的高い粘性で提供される熱可塑性プラスチック材料によるピットジオメトリは、もはや要求精度で形成することができない。さらに接着プロセスが問題となることが判った。DVD製造の当初においては、DVDの50%までが欠陥品として取り除かねばならなかった。なぜならば接着層に多くの場合気泡がみられたからである。今日でもDVDの欠陥品は、一部で依然として15〜20%程度存在する。
【0017】
さらに反射層もしくは部分反射層を取り付ける際に困難が生じる。もちろん反射層(鏡面層)は、その下に位置するピット−ランド−構造と同一に再現するのが望ましい。コーティング過程(たとえばいわゆるスパッタリングの際)に応じて、その下に位置するピット−ランド−構造ともはや同一でない層構造が形成される。
【0018】
前述の構成に関する記載から、ブルーレイの製造時に生じるような問題を理解することができる。この新たな光記憶媒体では、透過される透過性のカバー層は、たった0.1mmの範囲の厚みにする必要がある。さらにトラックピッチは、既に記載したように、0.32μmに低減され、最小ピット長さは、0.16μm〜0.138μmの範囲に低減される。図7〜9においてこれらの違いを説明した。0.1mmの層厚は、射出成形過程ではもはや製作することはできない。このような理由から、スピンコーティング法でカバー層をコーティングする最初の試みが行われた。この場合カバー層量が取り付けられ、データ記録媒体は高速回転され、これによってカバー層量は、遠心力によって均等に外向きに分配される。もちろん層厚は、一方では絶対的に均等ではない、ということが判っている。他方では、層厚みは、絶対的な精度で0.1mmを達成することはできない。接着性の箔を用いた別の試みが行われた。しかしながらこの試みでも満足できる結果は得られない。
【0019】
したがって本発明の課題は、従来のみならず将来的な光学的なデータ記録媒体、特に薄層と微細構造とを有する光学的なデータ記録媒体を極めて精確に、かつ問題なく製造することのできる装置および方法を提供することである。さらに本発明の課題は、適当な光学的なデータ記録媒体を提供することである。
【0020】
この課題は、請求項1、9、21、39および42に記載した特徴を有する方法技術もしくは装置技術によって解決される。
【0021】
従来慣用の製造では、基板もしくは情報層が、先ずポリカーボネートから射出成形される。ポリカーボネートは、透過性の熱可塑性材料であり、これは先ず射出成形機の可塑化装置内で溶融されて、次いで溶融状態でキャビティに導入される。既にDVDの製造において、顕著にはブルーレイディスクの製造において、溶融状態でもポリカーボネートの比較的高い粘性に基づいてもはや簡単に実現することのできない情報層の層厚が要求される。同時に射出成形プロセスでは重要な成形段階において、形状付与するポリカーボネートは、既に冷却され、したがって粘性によって、成形プロセスにとってネガティブな影響が生じる。
【0022】
発明者は、薄層を備えた最新の光学データ記録媒体を製造するための解決手段を求める過程で、別の技術分野から期待のもてる多くの適用例を見出しており、したがってたとえばインサートを、キャビティ内で、ポリウレタンもしくはクリアラッカで流し込みまたは流し込み被覆(Ueberfluten、Fluten)(型のキャビティ内で、インサート上に低粘性材料を流し込んで、キャビティ内のインサートを被覆すること)することが実現される。これに関してはドイツ連邦共和国特許公開第19650854号明細書ならびにドイツ連邦共和国特許公開第10309814号明細書を参照されたい。
【0023】
本発明の基本思想によれば、閉じられたキャビティにおける流し込みまたは閉じられたキャビティに配置された部分の流し込み被覆によって、光学的なデータ記録媒体の層に関して精確に規定された層厚を達成することができ、これによってピット構造の精確な型押しを含む、要求される薄い情報層の特に精確な製作が保証されている。流し込みの材料として、溶融状態または流動状態で導入する際に比較的低粘性の粘度で提供される材料が適しており、この場合材料は、導入後に架橋するか、または硬化することができ、架橋/硬化のあとで透過性または全反射性もしくは部分反射性になる。特にこのために、ポリウレタン材料、クリアラッカ(UV硬化性クリアラッカも)またはアクリルラッカが適している。溶媒を含有する材料も考えられる。ここでは比較的低い粘性とは、溶融されたポリカーボネートの粘性よりも明らかに下回り、適当な薄いギャップ(たとえば0.1mmの厚み)を、場合によっては特定の圧力を用いて、簡単に充填するのに適した粘性を意味している。
【0024】
キャビティにおける流し込み技術を前提として、光学的なデータ記憶媒体の多種多様な製造方法または多種多様なフォーマットが得られる。硬化可能で有利には光学的に透過性の流し込み材料の利点は、薄層を製作できるとういことのみならず、比較的小さな構造(ピット)を精確に成形できることにもある。したがって本発明を適用することによって、従来の熱可塑性ポリカーボネート材料を使用する場合に生じた問題を解消することができる。
【0025】
流し込みによる薄層の製造技術によって、特に薄い層を製作することができる。さらに流し込みに使用される材料に反射体を設けることができるので、このようにして全反射または部分反射性の薄層を実現することができる。これによって場合によって生じる個別的なコーティングによる反射層の取付の個別的なステップを省略することができる。カラーの材料、たとえば顔料を有する材料を使用することも考えられ、そのような材料は、硬化したあとで特定の光透過性または反射特性を有する。
【0026】
別の利点によれば、相互結合しようとする構成部分の間で流し込みするための中間室を形成することができる。このために製造しようとする光学的なデータ記録媒体の2つの構成部分は、型に挿入されて、そこで配置され、それも型を閉じたあとで両方の構成部分の間に精確に規定の厚みを有するギャップが残るように配置される。このギャップに流し込みが行われる。この場合流し込み材料は、硬化したあとでは接着剤として役立つ。そのような方法によって、極めてコンパクトで気泡のない接着層を形成することができる。従来慣用の接着技術による問題だけでも、多くの場合高い廃棄率につながる。このような廃棄率は、本発明では大幅に低減することができる。硬化したあとで反射性または部分反射性の状態を占める材料を導入することと、接着剤の方法ステップとを組み合わせることによって、同時に反射機能を満たす接着剤を簡単に形成することができ、その結果個別的なコーティングは不要となる。
【0027】
流し込みプロセス技術は、その都度の要求に応じて特別なオプティカルフォーマットにアレンジすることのできる公知の多くの装置と組み合わせることができる。したがっていわゆるターニングプレート−、ターンテーブル−またはスライドテーブル−閉鎖ユニットを備えたプラスチック機械を使用することができる。閉鎖ユニットの様々な構成要素に、異なる型部分が配置されており、型部分は、協働して所望のキャビティを形成することができる。このキャビティ内で、製造しようとするデータ記録媒体の様々な層を製作することができる。たとえば第1のキャビティ内で、支持層を製作することができる。この支持層は、従来慣用の熱可塑性材料から形成することができる。硬化したあとで、支持層は、別のキャビティにもたらされ、このキャビティでは、支持層を導入したあとで、片側に薄いディスク状のキャビティが形成される。薄いディスク状のキャビティに前述の低粘性の材料を充填することによって、支持層は、流し込み被覆することができる。キャビティ内で支持層に対向して一般的なスタンパ(Stamper)が存在する場合、薄層に情報が形成され、これによってこの層は情報層を成す。さらに反射性の粒子がこの層に設けられている場合、同時に反射層が形成される。その時点で形成された製品は、別のキャビティにもたらすことができ、この場合同様に情報面に薄いディスク状のキャビティが形成される。再度の流し込み被覆によって、別の層を形成することができる。このようにして光学的なデータ記録媒体の、層構造が実現され、ここでは極めて薄い層を形成することもできる。この場合もちろんキャビティからの離型プロセスのまえに、形成された層の硬化または少なくとも部分硬化を行う必要がある。
【0028】
別の側でそのように形成された製品は、型の一部に留まるので、別のキャビティを形成するための別の型部分だけを交換すればよい。層の形成される型インサートだけを取り扱うようにすることもできる。これによって光学的なデータ記録媒体の、その都度形成される構成部分の取扱が簡単になる。なぜならば比較的小さなユニットを取り出すか、もしくは搬送する必要がないからである。特に様々な層のためのサイクルタイムが異なる場合、個別的に取扱可能な型インサートによって、サイクルタイムの差を補償することができる。これによってターニングプレート−、ターンテーブル−またはスライドテーブル−閉鎖ユニットと同様に製品に使用することができる。
【0029】
書き込み可能な光学的なデータ記録媒体(CD−R、DVD−R)で一般的なように、生産方法に応じて、2つの層の間に色層を簡単に配置することもできる。この場合そのような色層は、後続処理(流し込み被覆、接着)のまえに情報層に取り付ける必要がある。
【0030】
その都度新たな層を形成しつつ、歩進的に行われる流し込みによる、前述の漸次形成される層構造に対して選択的に、層の個別的な形成を行うこともでき、層は、前述の形式でキャビティ内で互いに接着される。これについて詳しく述べると、たとえば次のように行われ、先ずキャビティに、第1の層が形成され、別個の第2のキャビティに、場合によっては極めて薄い第2の層が形成される(たとえばブルーレイディスクの最上位のカバー層では0.1mmの層)。次いで両方の層が型に導入され、型内で、閉鎖によって、両方の層の間に薄い中間室が形成され、中間室に、既に記載したように、接着材料が導入される。0.1mmの薄い層を破損しないようにするために、層は、層の形成された型の一部に留まり、この場合この型部分は、あとの型の一部を成す。これによってこの型自体が、操作部分として役立つ。もちろん操作部分は、個別的に操作することのできる型のインサートであってよい。
【0031】
次に図面につき本発明の実施例を詳しく説明する。
【0032】
以下に特に図10a〜g、図12a、b、図13a、bおよび図14a〜cにつき、様々なデータ記録媒体を製造する種々異なる実施例を説明する。ここでは特に種々異なる製造法および種々異なる製造装置に関して述べるが、製造装置においては、射出ユニットと閉鎖ユニットとを備えた設備全体は示していない。設備全体の説明は、本発明を述べるに当たり不要である。
【0033】
既に説明したように、本発明の主な特徴は、基板を流し込み被覆するために、硬化するまえにできるだけ低粘性の材料を使用することであり、この場合低粘性の材料は、硬化したあとでは均等に透過性であり、かつレーザの透過を実現する高い光学等級を有する。
【0034】
図10のaには、CDを概略的に示しており、CDは約1.2mmの厚みを有している。CDは、従来の形式で、主に約1.1mmの厚みを有する基板100から成っている。この基板に、公知の射出成形プロセスの間に、情報構造(図面で上側)が取り付けられる。この情報構造に、反射層102が形成(スパッタ層)されるので、レーザによる照射に際して、「ピット」または「ランド」の存在に応じて適当な反射が生ぜしめられる。次いで反射層102の取付のあとで、さらに約0.1mmの保護層が設けられるので、総じて1.2mmの厚みが得られる。従来慣用の形式で、基板層は、射出成形プロセスで製造され、ここでは溶融されたポリカーボネート材料が、スタンパの配置されたキャビティに導入される。保護層104として反射性の保護層が用いられると、反射性のスパッタ層102を省略することができる。
【0035】
もちろん基板として、反応性ポリウレタン材料を選択することができ、反応性ポリウレタン材料は、適当なキャビティに導入される。キャビティにスタンパが存在する場合、ここでも情報が適当に形成される。情報を有する表面に、同時に反射層および保護層として、別のポリウレタン層またはクリアラッカを、流し込み被覆によって取り付けることができる。この場合反射性粒子を有する材料が使用されるので、硬化した状態で、反射層102が形成される。このような反射層は、同時に保護層104の機能も担う。このようにして本発明によって、反射性の表面を取り付けるための個別的な層形成ステップが省略される。
【0036】
本発明を用いた別の実施例を、図10のbに示した。図10のbには、DVD−5(片面単層)を示した。DVD−5は、第1の(ここでは上位の)層を有しており、第1の層は、単に支持機能しか有しておらず、したがって「ダミー層」108と呼ばれる。この層は、通常射出成形によって製作され、かつ約0.6mmの層厚みを有している。もちろんこの層も、主にポリウレタン材料から製造することができる。
【0037】
この光学的なデータ記録媒体自体の情報は、情報層110に取り付けられており、情報層110もまた約0.6mmの厚みを有している。情報層は、同時にカバー層を成す。要求される耐傷性は、特に耐傷性の層を取り付けることによって、たとえばTDK社によって開発された(層厚2μm)形式で製作することができる。この情報層110は、従来の形式で、個別的な射出成形によって製造することもできる。この層がポリウレタンから製作される場合、既に耐傷性が所与され、耐傷性層の個別的な形成は不要である。
【0038】
前述の両方の層108,110、つまりダミー層108および情報層110が提供されると、層108,110は型に収容され、精確に規定された形式で(たとえば0.1mmの幅のギャップを有して)相互間隔を有して配置することができる。周囲に対しても閉じられた型に、流動性の接着剤を導入することができる。これにはポリウレタンだけでなく、UV硬化性の接着剤または別の溶媒を含有する接着液が適している。UV硬化性材料から成るか、またはポリウレタンから成るかに関係なく、このような接着剤層が反射性の粒子を有している場合、必要な、反射層112を省略することができる。このことはコスト削減だけでなく、効率化ももたらす。
【0039】
図10のbに示したように、DVD−5を実現する別の実施例も存在する。たとえば先ずダミー層108が形成される(射出成形または注型)。このダミー層108は、片側でキャビティのギャップが解放したまま、キャビティに挿入することができる。このキャビティギャップに、ダミー層108を流し込み被覆する際に層114を形成するためのポリウレタン材料またはクリアラッカ接着剤が導入される。この場合キャビティの、ダミー層とは反対側に、スタンパが配置されており、スタンパの構造は、注入したあとで層114に再現される。層114が硬化したあとで、ダミー層108と層114との組み合わせは、別のキャビティに挿入され、そこでもまた寸法設定で精確に製作しようとする情報層に対応するキャビティのギャップが維持される。そこで情報層は、カバー層として形成される。なぜならば情報が、既に層114の表面に存在するからである。層110の材料もまた、硬化性で高透過性のポリウレタン材料から形成することができる。
【0040】
そのような方法は、特に最新のターニングプレート−またはターンテーブル−機械で実現される。これに関して述べておくと、特に流し込み技術では大きな閉鎖力を吸収する必要がないので、比較的小さな閉鎖力を有する閉鎖装置を用いることができる。
【0041】
図10のcには、DVD(両面単層)の場合の、本発明の使用例を示した。ここでもDVDは、1.2mmの層厚を有していて、かつ主に約0.59mmの厚みを有する2つの情報層を備えている。図10のbに示したDVD−5に対して、図10のcに示したDVDは、2つの情報層118,120から成っており、情報層118,120は、互いに接着されている。ここで述べておくと、情報の読み取りは、両側から行われる。
【0042】
製造時に通常のポリカーボネート材料で上位の情報層118を射出成形することができる。したがって情報層はキャビティに挿入することができ、この場合ポリウレタン材料の注入されるキャビティのギャップは維持される。たとえばポリウレタン材料は、両面で反射が得られるように形成することができる。さらにまた第2の層の表面に別の情報を形成することができるので、その時点で別の情報層が形成されている。層120は、ここでもまた第1の情報層118と第2の情報層126とから成る組み合わせを、別のキャビティギャップを形成しつつ別のキャビティに挿入することによって、流し込み被覆によって製作することができる。もちろんここでも離型のまえに、各層を硬化するか、または少なくとも部分的に硬化することができる。したがって光学的なデータ記録媒体を製造したあとで、第1の透過層118および第2の透過層120が提供され、第1の透過層118は、同時に第1のカバー層として役立ち、第2の透過層は、同時に第2のカバー層として役立つ。その間に反射層が配置されている。情報面は、一方では層118と層126との間の移行部に、他方では層120と層126との間の移行部に配置されている。完成品では、どの層を情報層と呼ぶかについては、もはや容易に確認することはできない。図10のcに示した光学的なデータ記録媒体では、層に形成された情報は、概略的にレンズおよびレーザビームで示唆したように、両側から読み取られる。
【0043】
選択的に両方の情報層118,120は、個別的な射出成形プロセスで製造することができ、次いで規定のギャップ/間隔を有してキャビティ内で互いに方向調整することができる。次いでキャビティに配置された両方の情報層118,120の間のギャップに、反射性でUV硬化性の材料または反射性のポリウレタン材料が導入され、この材料は、硬化する際に両方の情報層118,120を互いに接着する。両方の実施例では、各情報層のコーティングが残る。なぜならば反射層122,124は、反射性の接着剤層122によって実現されるからである。
【0044】
図10のdには、本発明の別の適用例を示した。図10のdには、最新のブルーレイディスクを概略的に示しており、ここでは基板厚は約1.1mmであり、カバー層は0.1mmの範囲である。本発明によるブルーレイディスクの製造は、極めて簡単である。
【0045】
先ず従来慣用の形式でも行われるように、情報層を有する基板130が射出成形で製作される。このためにポリカーボネート材料が、スタンパを備えたキャビティに射出される。次いで表面に金属層132が設けられ、金属層132はたとえばスパッタリングによって取り付けることができる。続いて基板層130は、比較的小さなキャビティギャップを形成しつつキャビティに挿入される。さらに情報面の流し込み被覆が行われ、その厚みは、適当に調節されたギャップに基づいて精確に0.1mmである。カバー層としてポリウレタンを使用することによって、比較的高い耐傷性が達成される。もちろんここでもカバー層に、硬化するまえに比較的低粘性の別の材料を用いることができ、この材料は、硬化したあとで透過性であり、かつ所望の屈折率を有する比較的高い光学品質を有する。これに関して述べておくと、屈折率の選択は、層の材料厚に影響を及ぼすことになる。なぜならば屈折率によってレーザビームの集束が変化するからである。
【0046】
もちろん射出成形プロセスによるブルーレイの情報構造の製作に際して問題の発生する恐れがあるので、射出成形プロセスの代わりに、ポリウレタン(または特に硬化するまえに低粘性の別の材料)をキャビティに注入することによって、第1のステップを行うことができる。これに関しては、図10のaに示した方法とは逆である。ここでも層130の材料として硬化したあとに反射性の材料を使用すると、反射層による個別的な層(たとえばスパッタ層)を省略することができる。
【0047】
個別的なコーティング法を省略できる別の実施例を、図10のfに示した。図10のbに示した実施例と同様に、ブルーレイディスクの製造でも、先ずダミー基板層150を製作することができる(たとえば射出成形によって)。このダミー基板層は、既に記載した形式で、ポリウレタン材料または同等の流動性材料152で情報を形成しつつキャビティ内で流し込み被覆され、この場合この層は、硬化したとで反射性である。ダミー層150と反射層152とから成る組み合わせは、次いで再度キャビティ内で精確に0.1mmのカバー層で流し込み被覆されるので、光学的な要求が満たされる。
【0048】
上述の方法は、極めて簡単な形式で、ターニングプレート−、ターンテーブル−またはスライドテーブル−配置構造で実現される。最初の射出成形過程のまえに、レーベルがキャビティに導入(In-Mold-Labeling;イン−モールド−ラベリング)されるので、ブルーレイディスクは、たとえばターニングプレート機械で、3ステップを有する1つのサイクルで製造することができ、この場合第3ステップが終了すると完成したディスクが提供される。これに関してターニングプレート機械を用いた製造方法を短く説明する。
【0049】
図15には、ターニングプレート−閉鎖ユニット300の、本発明を説明するのに必要な構成部分だけを概略的に示した(平面図)。本発明を説明するのに重要でない構成部分は、理解を容易にするために省略した。図15に示したように、閉鎖ユニット300の中央に、回動可能に配置されたキューブ(Wuerfel)が設けられている。キューブの4面に、それぞれ型部分304が配置されており、全ての型部分304は同一に形成されている。さらに3つの緊締板309,310,311が設けられており、緊締板309.310,311は、互いに90°づつ変位して配置されていて、かつそれぞれ直線的に前進運動および後退運動可能である(矢印参照)。各型緊締板に、別の型部分306,307,308が配置されており、型部分306,307,308は、それぞれ異なって形成されている。型部分306と型部分304とを閉鎖することによって、第1のキャビティが形成され、型部分307と型部分304とを閉鎖することによって、第2のキャビティが形成され、型部分308と型部分304とを閉鎖することによって、第3のキャビティが形成される。緊締板310とは反対側に、取出のためのロボット装置312が設けられている。上述したように、図10のfに示したブルーレイディスクを製造する際に、先ず第1のキャビティの閉鎖状態で、層150が製作される(可塑化装置および射出装置はここでは図示していない)。この場合第1のキャビティを閉鎖するまえに、レーベルが挿入される。第1のキャビティを閉鎖したあとで、溶融されたポリカーボネート材料またはポリウレタン材料が注入される。層150が硬化したあとで、第1のキャビティが開かれ、この場合層150は、型部分304に留まり、専ら型部分306から離型される。次いでキューブは、図示していない駆動装置によって、反時計回り方向で90°回動される(図15)。型部分307の移動によって、第2のキャビティが形成され、第2のキャビティには層150が収容されている。この場合上述した薄いキャビティギャップが形成される。さらに型部分307にスタンパ(図示していない)が嵌め込まれている。反射性粒子を含有するポリウレタン材料の充填/注入によって、層150の流し込み被覆に際して層152を製作することができる。層152が硬化したあとで、第2のキャビティが開かれ、この場合層152の流し込み被覆された層150から成る組み合わせは、型部分304に留まり、専ら型部分307から離型される。次いでキューブは、駆動装置によって反時計回り方向でさらに90°回動される。型部分308の移動によって、第3のキャビティが形成され、第3のキャビティ内で、UV硬化性のクリアラッカまたはポリウレタン材料による層152の流し込みによって層154が形成される。この層154が硬化したあとで、型が開かれて、次いでキューブ302がさらに90°回動される。この時点で完成したブルーレイディスクがロボットアーム312によって取り出される。もちろん第1のキャビティ、第2のキャビティ、第3のキャビティにおける製造ステップならびにロボットアームによる取り出しは、同時に進行できるので、90°回動する度にキューブの各面で作業ステップが行われ、90°回動する度に完成したディスクを取り出すことができる。従来慣用のDVD設備に対して、反射層のための取付装置だけでなく、ボンディングステーションを含んだ後続の装置全体を省略することができる。
【0050】
図15につき説明した方法に対して、第1の流し込み過程のあとで型が0.1mm開かれて、第2の流し込み過程が行われる場合、キャビティの1つを省略することができる。もちろんこの表面にもピット構造を形成することができる。ピット構造は、あとから行われるラッカ付けによって「充填」することができる。この場合最上位のラッカ層の光学特性とその下に位置する層の光学特性とは、できるだけ同一にするのが望ましく、その結果として不都合な形式で形成されたピット構造による障害がみられることになる。
【0051】
同様に本発明によって、図10のeに示したような、将来的にさらに開発が予想されるブルーレイ2層ディスクを製造することができ、この場合基板層140は、熱可塑性プラスチックで射出成形されるか、またはPUR材料で製造することができる。
【0052】
さらに情報層144は、別個にたとえば独自のキャビティ内で、クリアラッカまたはポリウレタン材料から製作することができる。両方の構成部分は、別のキャビティに、特定の相互間隔を有して収容して、たとえば真空を介して保持することができる。両方の層140と層144との間の間隔は、接着材料で充填される。その光学作用から、層140は、全反射性に形成され、層148は部分反射性に形成されるので、移行部142,146に適当なレーザ反射が生じる。
【0053】
特に0.1mmの範囲の層厚を有する層の取扱は、従来極めて困難であった。これに関して、あとで図14につき説明するが、薄層を個別的に製造する際に、薄層が、完成品を製造するまで型に留まると、有利である。
【0054】
図10のgには、本発明の適用される将来的な実施例を示した。ここでは情報を有する4層160,162,164,166は、互いに上下に接合されている。各層は、生産ステップで段階的に新たに追加される。先ず第1の情報層160がキャビティに形成される。第1の情報層160は、別のキャビティ内で、低粘性の材料、たとえばポリウレタンを流し込み被覆することによって、第2の情報層を有するディスクに形成することができる。この製品を別のキャビティに挿入することによって、新たな流し込み被覆によって、別の情報層164を形成することができ、再度の流し込み過程によって、別のキャビティに第4の情報層166を形成することができる。もちろん取り出して新たに流し込み被覆するまえに、望ましくは、それまでに形成された層は、望ましくは少なくとも部分的に硬化される。最後の情報層166は、クリアラッカまたは透過性のポリウレタンで流し込み被覆される。
【0055】
新たな情報層を形成する際に、もちろんキャビティに、その都度の情報内容を有するスタンパが配置されるので、表面構造は、その都度の情報層によって、所望の形式で成形される。ここで留意しておくと、内側の情報層162〜166は、部分透過性にする必要があるので、下側に位置する層への集束が可能である。このことは、たとえば各情報層を形成したあとでその都度コーティングすることによって達成され、この場合第1の情報層160は、反射性に形成することができるので、この層160と情報層162との間に独自の反射層は不要である。選択的にもちろん内側の情報層自体は、硬化したあとで部分反射性であるように選択することもできる。
【0056】
いずれにせよ本発明によるこの実施例(図10のg)から判るように、規定のキャビティ内で流し込み被覆することによって段階的に高品質の光学的なデータ記録媒体を実現することができる。したがって図10に示した多層ブルーレイディスクは、100GBの記憶容量を有することができる。
【0057】
図11のaには、特別な構成の問題点を示した。反射層を実現するために、基板170は、従来一般的な形式でスパッタリング過程によってコーティングされる。理想的には、スパッタ層は、特に図11のaで示したように(概略的に示した、集束されたレーザビーム参照)、読み取りの行われる場合に、望ましくは幾何学的に精確に、基板に形成された構造に設置される。所望される理想的な層は、符号172で示した。層172は、通常特に極めて小さな構造では達成されない。むしろ符号174を付して波線で示したような層が形成される。この現象は、構造が小さいほど大きく生じるので、この現象は、特に0.15μmの範囲のピットサイズが提供されるようなブルーレイディスクで特に問題である。
【0058】
不精確なジオメトリ形成の欠点は、既に多くの実施例で説明して、図11のbにおいて再度正確に示したように、層自体が反射層として形成されると、回避することができる。この場合反射境界は、幾何学的に精確に層境界に相当する。これによって簡単な形式で不精確なジオメトリ形成の問題を解決することができる。さらにスパッタ設備および追加的な方法ステップに関する投資を節約することができる。
【0059】
図10のa〜gに、様々な光学的なデータ記録媒体、つまりCD(図10のa)、DVD(図10のb)、DVD両面(図10のc)、ブルーレイ(図10のd)、ブルーレイ2層(図10のe)などに関する本発明の適用例を示したが、図16のa〜gに関して、簡単なブルーレイディスクにつき本発明の適用例を説明する。
【0060】
図16のaに概略的に示した方法では、第1のステップで、第1の層は、熱可塑性材料で、従来の形式で射出成型プロセスによって製作され、この場合データ構造が表面に形成される。第2のステップで、データ構造を有する表面に、スパッタリング過程によって、反射層がコーティングされる。第3のステップで、既に説明したようにPUR流し込み過程によって、透過性の(アクティブな)読取層の形成が行われる。
【0061】
図16のbに示した方法では、第1のステップで、ダミー層が、射出成形ステップまたは注型ステップで製作され、ダミー層は単に支持機能を有している。第2のステップで、情報層は、PUR材料によるダミー層の流し込み被覆によって取り付けられ、この場合データ構造が表面に形成される。第3のステップで、表面に、スパッタリング過程によって反射層が設けられる。第4のステップで、図16のaに示した方法と同様に、流し込み過程によってアクティブな読取層が取り付けられる。
【0062】
図16のcに示した方法は、図16のbに示した方法とほぼ同等のものであるが、第2のステップでダミー層が、硬化したあとで全反射性になるPUR材料で流し込み被覆される点で異なっている。このようにすると反射層のためのコーティングステップが省略される。
【0063】
図16のdに示した方法は、図16のaに示した方法に対応するが、その違いによれば、既に第1のステップで、注型過程によってPUR材料を備えた第1の層が製作される。
【0064】
図16のeに示した方法では、図16のdに示した方法に対して、反射層によるコーティングステップが省略される。図16のeで示した方法の第1のステップで、既に第1の層は反射性に形成されるので、第2のステップでは、流し込み過程によってアクティブな読取層を取り付けるだけでよい。
【0065】
図16のfに示した方法では、先ず射出成形法または注型法によって、熱可塑性材料で透過性のダミー層が製作される。したがって第2のステップで、逆順印刷でレーベルが取り付けられ、レーベルは、透過性のダミー層を通って認識することができる。第3のステップで、情報層が、逆順印刷物の流し込み被覆によって製作され、この場合情報構造は、表面に形成される。この情報層は、第4のステップで、アクティブな読取面を形成するために、PUR層で流し込み被覆される。
【0066】
図16のa〜fに示した方法では、光学的なデータ記録媒体の組立は層ごとに行われるが、この方法とは異なって、図16のgに示した方法では、第1のステップで、先ずあとで透過性でアクティブな読取層を形成する層が製作される。読取層には、既に情報構造が形成されている。個別的にダミー層が製作され、ダミー層は、第2のステップで、第1の層に対して間隔を有して位置決めされる。間隔を有して位置決めしたことによって形成された中間室は、次いで反射性のPUR材料で流し込まれ、この場合外側の両方の層が相互結合される。
【0067】
もちろん図16のa〜gに示した、別の光学的なデータ記録媒体を製造するための方法ステップは、場合によっては任意に組み合わせることができ、これによってたとえば複数の情報層を有する光学的なデータ記録媒体を製造することができる。これに関して異なる材料、たとえば異なるPUR層の組み合わせも考えられ、異なる特性、たとえば屈折率、色、反射、透過性は、互いに結合することができ、これによってたとえばレーザの反射もしくは集束を改善することができ、このことは特に多層の情報層構造で極めて有意義である。
【0068】
図12〜14には、既に図15に関して説明したように、製造順序を簡単に示しており、図10のa〜gに説明した光学的なデータ記録媒体を製造法に関して、さらに正確に理解することができる。
【0069】
図12のaおよびbにつき、ブルーレイディスクの製造を説明する。このために型半部200,202から成る型に、スタンパ208が挿入され、スタンパ208に、データ記録媒体に取り付けようとする情報がマスタフォーム(Masterform)で含まれている。型の閉鎖状態で、図12のaに示したように、たとえばポリカーボネート材料が注入され、この場合右側の表面に情報構造が形成される。ポリカーボネート材料206が硬化したあとで、型は開かれ、別の型半部204の当接によって、情報表面に隣接して0.1mmの厚みを有する薄いギャップ210が形成される。ギャップ210は、クリアラッカまたはポリウレタン材料で流し込むことができる。流し込み被覆および硬化のあとで、ディスクは、型から取り出すことができる。図12のaおよびbには、反射層による情報面208の必要なコーティングは図示していない。コーティングは、たとえば一般的にスパッタリングによって達成することができる。選択的に層206は予め反射性に形成することができる。この場合個別的なコーティングは省略される。
【0070】
追加的なコーティングを省略できる選択的な実施例は、図13のa,bに示した。ここでは型半部220,222を備えた型に、予め個別的に製作されたダミー層224が挿入されている。ダミー層224の右側表面と型222との間に、薄いギャップの構成をしたキャビティ領域226が露出しており、キャビティ領域226に、スタンパ228に記憶された情報を形成しつつ、低粘性で硬化した状態で反射性の材料が導入され、この材料は、ダミー224に流し込み被覆される。この場合スタンパ228の構造は、この層に成形される。
【0071】
図13のbには、型半部222は、別の型半部230に置き換えられており、これによって別のキャビティギャップ232が反射性の情報層226’の右側に形成される。このキャビティギャップに、硬化した状態で透過性であり、レーザによる透過を情報層226’もしくはその表面228’まで許容する材料を導入することができる。適当に形成された型半部220,230の使用によって、キャビティギャップ232は、要求されるように精確に0.1mmの厚みに調節することができるので、極めて精確に光学的なデータ記録媒体、ここではブルーレイを形成することができる。
【0072】
図14のa〜cには、2倍のデータ記録媒体層を備えたブルーレイディスク別の製造方法を示した。図14のaには、予め図12のaで説明したように、比較的厚い情報層254を示した。特に両方の型半部250,252から成る型に、先ず基板層が形成され、基板層に、スタンパ256を介して適当な情報が成形される。
【0073】
並行して、または個別的に、型半部258,260から成る別の型に、硬化するまえに低粘性の材料を注入することによって、0.1mmの厚みを有する情報層が形成され、情報層は、左側に同様に成形された情報264を有している。両方の層254,262は、規定の相互間隔を有して別の型に配置される。別の型は、ここでは型半部270.271を備えており、この場合有利には、型半部260,271は同一であるので、0.1mmの厚みを有する層は、型から剥離する必要はない。両方の型半部270,271を接合すると、両方の情報層の間に規定の間隔が提供される。周囲に対して閉じられたキャビティ容量に、流動性の接着材料が導入され、接着材料は、部分反射性のポリウレタン材料または硬化性で硬化した状態で部分反射性の層の一部である。第1の層254が全反射性に形成されると、2層ブルーレイディスクは最終的に取り出すことができ、この場合別の処理ステップはもはや不要である。
【0074】
製造方法のバリエーションは、多種多様の形式で発展させることができる。したがって簡単な形式で、図12のaに示した製造ステップに際して、基板層206を製作するまえに、レーベルを型に挿入することができ、レーベルは、次いで後方から射出成形される。この場合ディスクは、最後の層を製作したあとで最終的に(コーティングも)型から取り出すことができ、しかも後から印刷する必要がない。
【0075】
レーベルは、必ずしも表面に取り付ける必要がなく、したがってたとえば基板層224(図13のa)の右側の面に、レーベルを(ホログラムとしても)反射性に逆順印刷して、基板224自体を透過性に形成することもできる。印刷されたレーベルに、次いで前述のように、別の層226’ならびにカバー層が配置される。この場合ガラス絵と同様の効果が得られ、この場合レーベルは、透過性の基板を通ってみられる。このような方法でも、あとで行われる印刷は省略される。
【0076】
総じて流し込み技術によって(この場合層はキャビティ内で規定の厚みに流し込み被覆されるか、または薄層が個別に形成されて、次いでキャビティ内で接着される)、有利な形式で、流通しているあらゆる光学的なデータ記録媒体および将来的な光学的なデータ記録媒体を、高品質で製造することができる。部分的に従来必要とされた追加ステップ(スパッタ)が省略されるので、後続の装置の省略によってコスト削減が達成され、また一部で生産効率化も簡単に実現される。
【0077】
総じて本発明によって、従来公知のデータ記録媒体および新たなデータ記録媒体を製造する際に多様性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】光学的なデータ記録媒体に記憶された情報を読み取るための読取装置を概略的に示す図である。
【図2】光学的なデータ記録媒体半部の寸法設定を概略的に示す図である。
【図3】DVD−5(片面単層)の構造を示す図である。
【図4】DVDの表面(半面)を概略的に示す図である。
【図5】a,は、片面単層DVDの構造を概略的に示す図であり、bは、片面2層DVDの構造を概略的に示す図であり、cは、両面単層DVDの構造を概略的に示す図であり、dは、両面2層DVDの構造を概略的に示す図である。
【図6】ブルーレイディスクとDVD−5との間の異なる寸法設定と異なる構造とを示す図である。
【図7】CDとDVDとブルーレイディスクとの間の様々なデータを示す図である。
【図8】ブルーレイディスクの障害発生を概略的に示す図である。
【図9】CDとDVDとブルーレイディスクとの比較を示す図である。
【図10】a〜gは、本発明による光学的なデータ記録媒体の様々な実施例を概略的に示す図である。
【図11】a、bは、スパッタ層を取り付ける際ならびにスパッタ層を剥離する際に生じる問題を示す図である。
【図12】a、bは、第1の製造方法によるブルーレイディスクの製造ステップを概略的に示す図である。
【図13】a、bは、別の製造方法によるブルーレイディスクの製造ステップを概略的に示す図である。
【図14】a〜cは、2層ブルーレイディスクの製造を概略的に示す図である。
【図15】本発明による製造方法を実施するためのターニングプレート閉鎖ユニットの使用を概略的に示す図である。
【図16】ブルーレイディスクを製造するための様々な製造方法工程を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0079】
10 レーザダイオード
12 レンズ
14 ビームスプリッタ
16 λ/4板
18 レンズ
20 光学的なデータ記録媒体
22 レンズ
24 フォトダイオード
26 データ領域
28 非データ領域
30 中心孔
32 ポリカーボネートからの視点
34 接着剤層
36 アルミニウム
38 ランド
40 ピット
42 ピット−トラックのピッチ
50 基板
52 情報層
54 光透過性の層および保護層
56 DVDにおける最小ピット長さ(0.4mm)
58 DVDにおけるトラックピッチ(0.74mm)
60 ブルーレイにおける最小ピット長さ(0.15mm)
62 ブルーレイにおけるトラックピッチ(0.32mm)
70,70’,70’’ 光透過性のカバー層
72,72’,72’’ 情報層
74,74’,74’’ 基板
100 光透過性の基板層
102 反射層
104 カバー層(たとえば印刷される)
108 基板層
110 光透過性の層
112 反射層
114 接着剤層
118 基板層
120 光透過性の層
122 第1の反射層
124 第2の反射層
126 接着剤層
130 基板層
132 反射層
134 光透過性のカバー層
140 基板層
142 第1の反射層
144 光透過性のカバー層
146 第2の反射層
148 接着剤層
150 基板層
152 情報支持層(反射性PURから成る)
154 光透過性のカバー層(光透過性PURから成る)
160 ベース層
162 中間層1
164 中間層2
166 中間層3
168 カバー層
170 基板
172 理論的に所望される反射層
174 実際に達成される反射層
176 光透過性のカバー層
180 反射性の基板
182 光透過性のカバー層
200 第1の型半部
202 第2の型半部
206 基板層
208 マスタ−スタンパ
210 透過性の表面層
220 第1の型半部
222 第2の型半部
224 ダミー層
226 薄いキャビティギャップ
226’ 情報層
228 スタンパ
228’ ピット構造
230 第3の型半部
232 薄いキャビティギャップ
250 第1の型半部
252 第2の型半部
254 基板層
256 第1のスタンパ
258 第3の型半部
260 第4の型半部
262 情報層
264 第2のスタンパ
270 第5の型半部
272 部分反射性の接着剤層
300 ターニングプレート−閉鎖ユニット
302 ターニングプレート−キューブ
304 第1の型半部(それぞれ同一)
306 第2の型半部
307 第3の型半部
308 第4の型半部
309 第1の緊締板
310 第2の緊締板
311 第3の緊締板
312 ロボット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶させるための光学的なデータ記録媒体を製造する方法であって、
少なくとも部分的に反射性の層を有する少なくとも1つの情報層が設けられており、情報層の情報が、交互に位置するピット/グルーブおよびランドの連続によって1トラックに保持されており、有利には最も外側の情報層に、光透過性のカバー層が取り付けられている方式のものにおいて、
情報層またはカバー層を、硬化前に低粘性の材料をキャビティに導入することによって製作し、次いで情報層またはカバー層を、光学的なデータ記録媒体の別の構成部分と結合することを特徴とする、光学的なデータ記録媒体を製造する方法。
【請求項2】
情報層またはカバー層が、0.5mmより小さな厚み、特に0.3mmより小さな厚み、特に0.2mmより小さな厚みを有している、請求項1記載の方法。
【請求項3】
先ず支持層を成形し、
硬化前に低粘性の材料で、少なくとも1つの情報層またはカバー層を形成し、
支持層と少なくとも1つの情報層とを、直接的または間接的に接着剤で接着する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
接着剤が、UV硬化性接着剤、ポリウレタン材料、アクリルラッカ、クリアラッカまたは溶媒含有材料である、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
支持層と、少なくとも情報層とを、キャビティ内で、規定の相互間隔を有して位置決めして、保持し、
硬化性接着剤を、中間室に充填する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
硬化後に光透過性または反射性または部分反射性になる接着材料を選択する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
接着材料が周囲に流出せずに、中間層を形成するように、周囲に対して中間室をシールする、請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
複数の情報層またはカバー層を、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法に従って、段階的に支持層に接着する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
情報を記憶させるための光学的なデータ記録媒体を製造する方法であって、
少なくとも部分的に反射性の層を有する少なくとも1つの情報層が設けられており、情報層の情報が、交互に位置するピット/グルーブおよびランドの連続によって保持されており、有利には少なくとも1つの情報層に、光透過性のカバー層が取り付けられている方式のものにおいて、
少なくとも2つの情報層を成形し、少なくとも1つの情報層を、硬化前に低粘性の材料、特にポリウレタンをキャビティに導入することによって製作し、
少なくとも2つの情報層を接着材料で接着することを特徴とする、光学的なデータ記録媒体を製造する方法。
【請求項10】
接着材料が、UV硬化性接着材料、ポリウレタン材料、クリアラッカ、アクリルラッカなどである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
情報層またはカバー層が、0.5mmより小さな厚み、特に0.3mmより小さな厚み、特に0.2mmより小さな厚みを有している、請求項9または10記載の方法。
【請求項12】
先ず第1の情報層を備えた部分を成形し、
硬化前に低粘性の材料で、少なくとも1つの第2の情報層を形成し、
第1の情報層を備えた部分と、少なくとも1つの別の情報層またはカバー層とを、直接的または間接的に接着材料で接着する、請求項9から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
硬化後に光透過性または反射性または部分反射性になる接着材料を選択する、請求項9から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
少なくとも2つの情報層を、キャビティ内で、規定の相互間隔を有して互いに位置決めして、保持し、
接着材料を、相互間隔によって規定された中間室に充填する、請求項9から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
接着剤が周囲に流出せずに、中間層を形成するように、周囲に対して中間室をシールする、請求項14記載の方法。
【請求項16】
接着前に、情報層の、情報を有する表面に、全反射性または部分反射性の薄い反射層をコーティングする、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
支持層、情報層または接着剤層から成る層の少なくとも1つを、カラーに形成し、特に着色し、有利には該層に顔料を付ける、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
支持層、情報層または接着剤層から成る層の少なくとも2つの間に、記録可能な光学的なデータ記録媒体のための着色剤層を取り付ける、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
2つの層を接合するまえに、または1層を別の1層に取り付けるまえに、スパッタリングによるコーティングを行う、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
あとで透過する方向でみて最上位のカバー層を、光透過性材料、特にポリウレタン材料から形成する、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
情報を記憶させるための光学的なデータ記録媒体を製造する方法であって、
少なくとも部分的に反射性の層を有する少なくとも1つの情報層が設けられており、情報層の情報が、交互に位置するピット/グルーブおよびランドの連続によって保持されており、有利には少なくとも1つの情報層に、光透過性のカバー層が取り付けられている方式のものにおいて、
光学的なデータ記録媒体の、キャビティに配置された構成部分を、情報層および/またはカバー層を形成しつつ、低粘性で硬化性の材料で流し込み被覆することを特徴とする、光学的なデータ記録媒体を製造する方法。
【請求項22】
キャビティに配置された構成部分が、支持層、情報層、支持層と情報層との組み合わせ、または様々な情報層の組み合わせである、請求項21記載の方法。
【請求項23】
先ず支持層または情報層を形成し、
支持層または情報層を、支持層または情報層の少なくとも片側でギャップを形成しつつ、第1のキャビティ内で位置決めし、
支持層または情報層を、第2のキャビティのギャップに低粘性材料を導入することによって流し込み被覆する、請求項21記載の方法。
【請求項24】
支持層および情報層を、流し込み被覆するまえに、第2の型の別のキャビティに形成し、
支持層または情報層を、第1のキャビティ内で位置決めするまえに、別のキャビティから少なくとも部分的に離型する、請求項21から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
ギャップを形成しつつ、少なくとも部分的に離型し、かつその時点までに形成された製品をキャビティ内に配置するステップ、ならびに低粘性材料による流し込み被覆を少なくとも一度繰り返し、複数の層を形成する、請求項24記載の方法。
【請求項26】
キャビティを形成する際に、ギャップの、支持層または情報層とは反対側に、情報を有するスタンパを配置し、低粘性材料を導入することによって情報層を形成する、請求項21から25までのいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
情報層またはカバー層として、硬化後に光透過性、反射性または部分反射性になる材料を選択する、請求項21から26までのいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
キャビティに形成されたギャップを周囲に対してシールして、流し込みのために導入される材料が周囲に流出しないようにする、請求項21から27までのいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
流し込み被覆のまえに、情報層の、情報を有する表面に、全反射性または部分反射性の薄い反射層をコーティングする、請求項21から28までのいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
支持層、情報層または中間層から成る層の少なくとも1つを、カラーに形成し、特に着色し、有利には該層に顔料を付ける、請求項21から29までのいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
支持層、情報層またはカバー層から成る層の少なくとも2つの間に、記録可能な光学的なデータ記録媒体のための着色剤層を取り付ける、請求項21から30までのいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
2つの層を接合するまえに、または1層を別の1層に取り付けるまえに、スパッタによるコーティングを行う、請求項21から31までのいずれか1項記載の方法。
【請求項33】
あとで透過する方向でみて最上位のカバー層を、光透過性材料、特にポリウレタン材料から形成する、請求項1から32までのいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
支持層または第1の情報層を形成するまえに、レーベルを、第1のキャビティに挿入し、次いで支持層または情報層の材料を、第1のキャビティに導入する、請求項1から33までのいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
透過性の支持層または情報層の片側に、印刷物またはレーベルを設け、次いでこの片側に、少なくとも別の層、特に情報層を配置する、請求項1から34までのいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
流し込み被覆ために、硬化後に透過性、部分反射性、全反射性または色透過性になる低粘性材料を使用する、請求項1から35までのいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
カバー層または情報層が、0.4mmより小さい、特に0.3mmより小さい、有利には0.2mmより小さい、請求項21から36までのいずれか1項記載の方法。
【請求項38】
低粘性材料が、ポリウレタン材料、UV硬化性材料、クリアラッカ、アクリルラッカまたは溶媒含有材料である、請求項21から37までのいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
請求項1から38までのいずれか1項記載の方法に従って光学的なデータ記録媒体を製造する装置において、
キャビティを備えた型が設けられており、該キャビティに、薄いディスク状の中空室を形成しつつ、光学的なデータ記録媒体のディスク状の構成部分が挿入可能または配置可能になっており、充填ユニットが設けられており、該充填ユニットによって、硬化性で、硬化状態で透過性かつ硬化前に低粘性の材料が、中空室に充填可能であり、充填時にディスク状の構成部分が流し込み被覆されるようになっていることを特徴とする、光学的なデータ記録媒体を製造する装置。
【請求項40】
ディスク状の構成部分を形成するために、別の型が設けられており、該型に、硬化性材料が導入可能になっている、請求項39記載の装置。
【請求項41】
第1のキャビティおよび/または第2のキャビティにスタンパが設けられており、該スタンパが、光学的なデータ記録媒体に記憶可能な情報を有しており、該情報が、キャビティに材料を導入する際に表面に形成されるようになっている、請求項39または40記載の装置。
【請求項42】
請求項1から38までのいずれか1項記載の方法に従って光学的なデータ記録媒体を製造する装置において、
キャビティが設けられており、該キャビティに、支持層および情報層、または2つの情報層を規定の相互間隔を有して配置して保持することができるようになっており、規定の相互間隔を有する配置および保持により形成された中間室が、周囲に対してシールされており、充填ユニットが設けられており、該充填ユニットによって、接着材料が中間室に充填可能になっていることを特徴とする、光学的なデータ記録媒体を製造する装置。
【請求項43】
キャビティを備えた型が形成されており、キャビティ内で形成されるキャビティギャップが、光学的なデータ記録媒体のディスク状の構成部分に隣接するか、または光学的なデータ記録媒体の、キャビティに収容された2つの構成部分の間で、0.5mmより小さな厚み、特に0.3mmより小さな厚み、特に0.2mmより小さな厚みを有している、請求項39から42までのいずれか1項記載の装置。
【請求項44】
閉鎖装置が設けられており、該閉鎖装置に、光学的なデータ記録媒体の少なくとも2つの異なる層を形成するための少なくとも2つの型が設けられており、両方の型が、周期的に充填可能になっている、請求項39から43までのいずれか1項記載の装置。
【請求項45】
キャビティ室が、周囲に対してシールされている、請求項39から44までのいずれか1項記載の装置。
【請求項46】
支持層または情報層に部分反射性または全反射性の層をコーティングするための装置が設けられている、請求項39から45までのいずれか1項記載の装置。
【請求項47】
色層を支持層または情報層にコーティングするための装置が設けられており、該色層に、あとで情報が取付可能になっている、請求項39から46までのいずれか1項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【図10f】
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【図10g】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図16d】
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【図16e】
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【図16f】
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【図16g】
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【公表番号】特表2008−535132(P2008−535132A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503459(P2008−503459)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050927
【国際公開番号】WO2006/103140
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】