説明

光学装置及びプロジェクタ

【課題】 周囲環境変化の大きな条件下で、接着剤が収縮する応力が発生しても、液晶パネルが固定されているブラケットに内部応力による歪が発生することもなく、液晶パネルの画素ずれを回避し、投影画像を向上することのできる光学装置及びプロジェクタを得る。
【解決手段】 ダイクロイックプリズム21の光入射面の三面に対峙し、液晶パネル22,23,24が保持手段を介して画素位置が調整された後、接着固定され一体に設けられる光学プリズムユニットにおいて、液晶パネル22,23,24の保持手段は、液晶パネルがブラケット30に固定され、ブラケット30がダイクロイックプリズム21の各光入射面外周部に複数設けられた被固定部に接着固定される構成であって、ブラケット30に液晶パネルの画素位置の調整後、接着固定時に発生する接着剤の収縮によるブラケット30に内部応力の影響を受けない応力吸収孔35を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する液晶パネルと、液晶パネルで変調された色光を合成するダイクロイックプリズムとが一体化された光学装置及び、この光学装置を採用したプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光源から射出された光束をダイクロイックミラー等を用いた色分離光学系によって三原色の赤、緑、青の色光に分離すると共に、液晶パネルにより色光毎に画像情報に応じて変調し、画像変調後の各色光をダイクロイックプリズムで合成し、投写レンズを介してカラー画像を拡大投写する、いわゆる三板式のプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上述したプロジェクタでは、各液晶パネルは投写レンズのバックフォーカスの位置になければならない。また、1個の表示画素は赤、緑、青の三原色の混色により形成されるので、より鮮明な画像を得るために各表示パネル間での画素ずれ、投写レンズからの距離のずれの発生を防止する必要がある。このため、プロジェクタの製造時において、各液晶パネルを投写レンズのバックフォーカスの位置に正確に配置するフォーカス調整、各液晶パネルの画素を一致させるレジストレーション調整を行わなければならない。
【0004】
従って、従来では液晶パネルのフォーカス調整やレジストレーション調整を行った後、ダイクロイックプリズムの光入射面に対峙するように液晶パネルを一体に固定する光学装置が採用されている。
【0005】
このようなダイクロイックプリズムと液晶パネルとを一体化した従来の光学装置としては、液晶パネルが収納される保持枠の四隅に孔を形成し、この孔4つの孔に対応してダイクロイックプリズム側の四隅に4つのピンが突設された保持部材を接着剤等により固定し、保持部材のピンに保持枠の孔を挿入すると共に、孔内に接着剤を充填した状態において、液晶パネルをバックフォーカス調整及びレジストレーション調整を行い、調整の後、接着剤を固化し液晶パネルを固定するようにしている。
【0006】
図6に上述した光学プリズムユニットの一例を示す。なお、ここではダイクロイックプリズムの一つの光入射面に対して赤色、緑色、青色いずれかの液晶パネルが対峙している様子を表している。ダイクロイックプリズム101の上下に対応する位置に、左右一対のピン102を一体化した支持部材103を設け、この支持部材103をダイクロイックプリズムの上下にそれぞれ固定している。
【0007】
液晶パネル104は保持部材である金属板からなるブラケット105にパネルの三つのねじ挿入孔106から挿入した図示しないねじにより固定されている。そして、液晶パネル104はブラケット105の四隅にバーリング等で形成したフランジを有する孔107をダイクロイックプリズム101側からの四つのピン103に挿入され、この孔107内に例えば、UV硬化型の接着剤を充填した後、接着剤を硬化させることでダイクロイックプリズム101と液晶パネル104とを一体化させるものである。
【特許文献1】特開2003−121931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した構成の光学装置は、接着剤の硬化時のそれ自身の収縮力によって、ブラケット105の孔107の周囲に接着部を中心に細い矢印で示すように金属の内部応力が発生する。特に、複数の接着箇所のうち、水平方向の位置関係にある接着箇所は各接着部それぞれに収縮方向の応力が発生し、この結果、ブラケット105は白抜き矢印で示すように水平方向に内部応力による歪が発生する。
【0009】
なお、UV硬化型の接着剤は、硬化時の収縮率の小さなものを使えば環境変化の影響による画素位置ずれを無くすことが可能になるが、硬化収縮率を下げたことによる副作用で接着強度が低下すれば、プリズムブロックの強度不足で画素位置ずれが発生する要因になる。また、他の副作用としてUV接着剤の未硬化時、粘度が低くサラサラの状態になると、現行の接着方式そのものが不可能になる。
【0010】
上述した歪は、液晶プロジェクタや光学プリズムユニットを低温から高温の周囲環境変化の大きな条件下で使用すると、UV接着剤の硬化収縮時に発生した歪が液晶パネルに微小な変化を起こす。例えば、赤色、緑色、青色の液晶パネルで合成されたときのひとつの画素を例にとると図7に示すように赤色、緑色、青色の画素が水平方向に画素ずれするという原因となり、液晶プロジェクタの投影画像を著しく悪化させるという問題が発生した。この問題への対策としては、液晶パネルを固定しているブラケット105を例えば、アルミ等のダイキャストで製造することで部品強度を高めることが考えられるが、この場合、板金部品と比較するとコスト高になるという問題もある。
【0011】
なお、部品単体の製造工程で発生する内部応力は、アニ−ル処理を行うことによって解消させることができるが、プリズムブロックの製造工程で発生する内部応力への対策を行うことは困難である。
【0012】
本発明は、かかる問題に鑑みなされたもので、低温から高温の周囲環境変化の大きな条件下で、接着剤が収縮する応力が発生した内部応力で液晶パネルが固定されているブラケットに内部応力の影響を与えない吸収作用を持たせ、これにより、ブラケットに歪が発生することもなく、液晶パネルの画素ずれを無くすことができ、投影画像を向上することのできる光学装置及びプロジェクタを得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明による請求項1に記載の光学装置は、複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の液晶パネルと、液晶パネルで変調された各色光を合成するダイクロイックプリズムとを有し、液晶パネルがダイクロイックプリズムの光入射面の三面に保持手段を介して対峙し、液晶パネルの画素位置が調整された後、保持手段が接着固定され一体に設けられる光学プリズムユニットからなる光学装置において、液晶パネルは固定枠体に固定され、固定枠体の複数箇所をダイクロイックプリズムの各光入射面外周部の被固定部に接着剤により接着固定される構成であって、固定枠体に接着固定時に発生する接着剤の収縮による内部応力の影響を受けない応力吸収手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明による請求項2に記載の光学装置は、応力吸収手段は、固定枠体の接着箇所の間の該固定枠体部分に形成された応力吸収用の孔であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明による請求項3に記載の光学装置は、応力吸収手段は、固定枠体の接着箇所の間の該固定枠体部分に形成された応力吸収用の切欠凹部であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明による請求項4に記載の光学装置は、応力吸収手段の大きさは固定枠体の接着箇所の間隔、接着剤の硬化収縮率で決定されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による請求項5に記載のプロジェクタは、複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の液晶パネルと、液晶パネルで変調された各色光を合成するダイクロイックプリズムとを有し、液晶パネルがダイクロイックプリズムの光入射面の三面に保持手段を介して対峙し、液晶パネルの画素位置が調整された後、保持手段が接着固定され一体に設けられる光学プリズムユニットと、ダイクロイックプリズムによって合成された画像を投写する投写レンズとを備えたプロジェクタにおいて、液晶パネルは固定枠体に固定され、固定枠体の複数箇所をダイクロイックプリズムの各光入射面外周部の被固定部に接着剤により接着固定される構成であって、固定枠体に、接着固定時に発生する接着剤の収縮による内部応力の影響を受けない応力吸収手段を設けた光学プリズムユニットを含む
ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明による請求項6に記載のプロジェクタは、応力吸収手段は、固定枠体の接着箇所の間の該固定枠体部分に形成された応力吸収用の孔であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明による請求項7に記載のプロジェクタは、応力吸収手段は、固定枠体の接着箇所の間の該固定枠体部分に形成された応力吸収用の切欠凹部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の光学装置及びプロジェクタによれば、周囲環境変化の大きな条件下にあっても液晶パネルが固定される固定枠体の内部応力による歪の発生が回避できることから、液晶パネルの画素ずれが生じることなく、プロジェクタの投影画像を著しく向上することができる。また、固定枠体自体、安価な材料を使用しての製造が可能になり、低コスト化が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明による光学装置及びプロジェクタの最良の形態を、液晶パネルが三板式の液晶プロジェクタを例にとって図面を参照して説明する。
【0022】
図1は液晶プロジェクタの光学系を模式的に示した全体図である。
液晶プロジェクタ1は光源2及びインテグレータレンズ3,4と、全反射ミラー6,7,10、赤色光及び緑色光を透過し青色光のみを反射するダイクロイックミラー8、緑色光のみを反射するダイクロイックミラー9、集光レンズ11,12,13,14,15,16で構成され、光源2からの白色光を赤色、青色、緑色に色分解し、色分解された各色を集光する照射光学ユニットと、青色、緑色及び赤色にそれぞれ対応し入射偏光板17a,17b,17cを透過して集光された光を画像情報に応じて変調する青色用の液晶パネル22,緑色用の液晶パネル23,赤色用の液晶パネル24及び、変調された各光を出射偏光板18a,18b,18cを透過し各光を色合成するダイクロイックプリズム21からなる光学プリズムユニット20と、色合成された光を拡大投影する投射レンズ19からなる投影光学ユニットで構成されている。
【0023】
上述した液晶プロジェクタ1によれば、光源2から出射された白色光は、照射光学ユニットにより青色、緑色及び赤色の三原色に色分解され、それぞれ対応する液晶パネル22,23,24で変調され、それぞれ青色用の画像、緑色用の画像及び赤色用の画像が形成される。そして、液晶パネル22,23,24により形成された各画像は、ダイクロイックプリズム21により合成され、合成されたカラー画像は投影レンズ16によりスクリーン17上へ投影されるようになっている。
【0024】
各液晶パネル22,23,24は、ダイクロイックプリズム21の三面の光入射面21a,21b,21cに本発明の特徴部分である応力吸収手段を備えた固定枠体であるブラケット30を介在し、それぞれ所定の間隔を隔てて対峙され、投射レンズのバックフォーカスに一致するように光軸方向にブラケット位置を調整すると共に、青色、緑色及び赤色の各液晶パネルの画素位置(レジストレーション調整)を一致させるように調整を行ったあと、ブラケット30をプリズム21に接着され一体に固定されるものである。
【0025】
図2にダイクロイックプリズム21と、各液晶パネル22,23,24と、液晶パネル22,23,24が固定されるブラケット30とをそれぞれ分離した外観斜視図を示し、図3はダイクロイックプリズム21に液晶パネル22,23,24を一体化したプリズムブロックの外観斜視図、図4は同じく平面図を示す。
【0026】
ここで、液晶パネル22はダイクロイックプリズム21の光入射面21aに対応し、液晶パネル23はダイクロイックプリズム21の光入射面21bに対応し、そして、液晶パネル24はダイクロイックプリズム21の光入射面21cに対応している。なお、ダイクロイックプリズム21の残りの一面21dはダイクロイックプリズム21により合成された各液晶パネル22,23,24からの各画像を射出する光射出面である。
【0027】
また、各液晶パネル22,23,24の構造は同一であるので、ここでは液晶パネル22を例にとって説明する。液晶パネル22は駆動基板(例えば、複数のライン上の電極と、画素を構成する電極と、これらの間に電気的に接続されたTFT素子とが形成されたガラス基板)と、対向基板(例えば、共通電極が形成されたガラス基板)との間に液晶が封入されたものであり、これらのガラス基板の間から図示しないが信号制御用のフレキ基板が引き出されているものである。
【0028】
以下にブラケット30の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
ブラケット30はステンレス等の金属材の板金から構成され、このブラケット30の中央部には液晶パネル22の画素領域が対応する窓孔31が開口している。ブラケット30には液晶パネル22が三つのねじ挿通孔33を通じブラケット30のねじ孔34に図示しないねじでねじ止めされ固定される。また、ブラケット30には上,下方向にフランジ30a, 30aが張り出し、フランジ30a, 30aの四隅にそれぞれ円筒状の孔32が形成されている。
【0029】
ここで、フランジ30aの四つの円筒状の孔32のうち、上方の二つの孔32と、下方の二つの孔32の間の中央のフランジ30a部分には応力吸収手段としてこの例では、縦方向にやや長い長孔状の応力吸収孔35が形成されている。なお、下方のフランジ30aの応力吸収孔35は図では見えない。
【0030】
上述したブラケット30は、液晶パネル22が固定された状態において、四つの各孔32がダイクロイックプリズム21側に接着等により固定されたピン一体型のフレーム36(フレーム36はダイクロイックプリズム21の各光入射面21a,21b,21cの上下面にそれぞれ一体に形成されている)から突出した四つのピン37に挿入され、そして、各孔32内に例えば、UV硬化型の接着剤が充填され、前述で説明したように液晶パネル22をバックフォーカス調整や、赤色、青色、緑色の各色の画素調整が行われる。
【0031】
かくして、液晶パネルのバックフォーカス調整、画素調整後、各孔32内に充填された接着剤はUV照射により硬化され、プリズムブロックが構成されるものであるが、接着剤は硬化時にそれ自身の収縮力によって、図6の細い矢印で示すように中心方向に引っ張られることになる。ここで、接着部A、Bについて着目すると、接着部A、Bはそれぞれの方向に対しては、ブラケット30の外形エッジや窓孔31のエッジに近いため、接着剤の硬化収縮力が作用しても影響を及ぼすことはない。しかし、接着部A、Bが水平方向に連設されるブラケット30には接着剤の硬化収縮によって対向する内部応力が白抜き矢印で示すように水平方向に発生するが、この内部応力はブラケット30のフランジ30aに形成した応力吸収孔35で吸収される。詳しくは、応力吸収孔35の形状を変形させることで内部応力が吸収されることになり、液晶パネルが固定されているブラケット30部分に歪が発生するのを回避することができる。
【0032】
すなわち、本発明は、低温から高温の周囲環境変化の大きな条件下でのプリズムブロックの製造工程において、ダイクロイックプリズム21に液晶パネルが固定されたブラケット30の接着時、接着剤の硬化時の収縮力によりブラケット30自体に内部応力による歪が生じたとしても、液晶パネルにはブラケット30の内部応力による影響を受けることもなく、したがって、液晶パネルに水平方向の画素ずれが生じることなくプロジェクタの投影画像を著しく向上することができるというものである。
【0033】
また、ブラケット30は上記応力対策を施した形状にすれば、安価な金属材を使用しての部品製造が可能になることから、プリズムブロックの低コスト化が図れる。
【0034】
応力吸収孔35は、上述したような縦長状の形状に限定するものではなく、横長状の形状であってもよい。さらに、丸孔形状等、孔の数は任意である。
【0035】
しかし、応力吸収孔35の大きさは、ブラケット30が接着固定される円筒状の孔32の間隔(ピッチ)や接着剤の硬化収縮率によって決められる。例えば、孔32の間隔が狭くなれば、接着部の硬化収縮量は変わらないので、接着剤硬化時に発生する対向内部応力による歪は大きくなる。その場合は、応力吸収孔の径を大きくすればよい。または、応力吸収孔の数を増やすことでも同様の効果を得ることができる。
【0036】
ブラケット30に開けられる応力吸収孔35は、図2で示したフランジ30aの位置に限らず、上側と下側の円筒状の孔32の間のブラケット30bの部分に仮想線で示すように所定形状及び大きさの応力吸収孔35aを開けるようにしてもよい。これによって、ブラケット30bの部分に生じる内部応力による歪を応力吸収孔35aによって吸収し、液晶パネルの垂直方向の画素ずれを回避することができる。
【0037】
また、応力吸収手段は、孔形状に限らず図5に示すようにブラケット30が接着固定される円筒状の孔32,32の間のフランジ30a部分を切り欠いた応力吸収切欠凹部38に形成するようにしてもよい。このような形状の場合であっても接着剤の硬化時に生じるブラケット30の内部応力による歪が応力吸収切欠凹部38によって吸収することができ、液晶パネルの画素ずれの影響を回避できる。
【0038】
本発明は、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0039】
本発明に記載した光学装置及びプロジェクタは透過型の液晶パネルの場合について説明したが、透過型の液晶パネルに限るものでなく、反射型の液晶パネルを使用した光学装置及びプロジェクタにも広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態におけるプロジェクタの光学系を模式的に示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるダイクロイックプリズムとブラケットと液晶パネルとを分離した状態の外観斜視図である。
【図3】ダイクロイックプリズムに液晶パネルを一体化したプリズムブロックの外観斜視図である。
【図4】同じくプリズムブロックの平面図である。
【図5】応力吸収手段の別の例のブラケットの斜視図である。
【図6】従来例のプリズムブロックの問題点を説明するための外観斜視図である。
【図7】液晶パネルの画素ずれを説明するための図である。
【符号の説明】
【0041】
1…プロジェクタ、21…ダイクロイックプリズム、21a,21b,21c…光入射面、22,23,24…液晶パネル、30,30b…ブラケット、30a…ブラケットのフランジ、32…円筒状の孔、35,35a…応力吸収孔、37…プリズム側のピン、38…応力吸収切欠凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の液晶パネルと、上記液晶パネルで変調された各色光を合成するダイクロイックプリズムとを有し、上記液晶パネルが上記ダイクロイックプリズムの光入射面の三面に保持手段を介して対峙し、上記液晶パネルの画素位置が調整された後、上記保持手段が接着固定され一体に設けられる光学プリズムユニットからなる光学装置において、
上記液晶パネルは固定枠体に固定され、上記固定枠体の複数箇所を上記ダイクロイックプリズムの各光入射面外周部の被固定部に接着剤により接着固定される構成であって、上記固定枠体に、接着固定時に発生する接着剤の収縮による内部応力の影響を受けない応力吸収手段を設けたことを特徴とする光学装置。
【請求項2】
上記応力吸収手段は、上記固定枠体の接着箇所の間の該固定枠体部分に形成された応力吸収用の孔であることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
上記応力吸収手段は、上記固定枠体の接着箇所の間の該固定枠体部分に形成された応力吸収用の切欠凹部であることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
上記応力吸収手段の大きさは、上記固定枠体の接着箇所の間隔、接着剤の硬化収縮率で決定されることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項5】
複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の液晶パネルと、上記液晶パネルで変調された各色光を合成するダイクロイックプリズムとを有し、上記液晶パネルが上記ダイクロイックプリズムの光入射面の三面に保持手段を介して対峙し、上記液晶パネルの画素位置が調整された後、上記保持手段が接着固定され一体に設けられる光学プリズムユニットと、
上記ダイクロイックプリズムによって合成された画像を投写する投写レンズと、
を備えたプロジェクタにおいて、
上記液晶パネルは固定枠体に固定され、上記固定枠体の複数箇所を上記ダイクロイックプリズムの各光入射面外周部の被固定部に接着剤により接着固定される構成であって、上記固定枠体に、接着固定時に発生する接着剤の収縮による内部応力の影響を受けない応力吸収手段を設けた光学プリズムユニットを含む
ことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項6】
上記応力吸収手段は、上記固定枠体の接着箇所の間の該固定枠体部分に形成された応力吸収用の孔であることを特徴とする請求項5に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
上記応力吸収手段は、上記固定枠体の接着箇所の間の該固定枠体部分に形成された応力吸収用の切欠凹部であることを特徴とする請求項5に記載のプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−3826(P2006−3826A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182779(P2004−182779)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】