説明

光学観察補助装置

【課題】従来、カメラ.望遠鏡、双眼鏡等の光学機器を使用する場合、例えば三脚に載設した双眼鏡を水平以上の仰角に上げて対象物を見ようとする時、直立した三脚に設けた双眼鏡の接眼レンズを中腰で覗くことが苦痛であり、三脚の上部に顔が当たり観察等に支障をきたすことがあった。従来の三脚の使用で撮影・観測等を行なう場合に生じる不都合を解決できる光学観察補助装置を提供する。
【解決手段】アーチ状のマスト1の湾曲した内面に繊細なラックギア2を刻設し、該ラックギア2に仰角調整ダイヤル4に刻設したギア5を咬合させ、又は、アーチ状のマスト1の湾曲した内面と、仰角調整ダイヤル4先端部の外面を密着させ、アーチ状のマスト1にはブラケット3に刻設したラチェット8を経てブラケット3に一端を保持されたU字状のアーム7を摺回自在に設けた。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】
【0001】
この発明は、カメラ.望遠鏡.双眼鏡等の光学機器を載設する光学観察補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、カメラ.望遠鏡.双眼鏡等の光学機器を使用する場合三脚が使用されている。これらの場合、例えば双眼鏡を例にとれば三脚に載設した双眼鏡を水平以上の仰角に上げて対象物を見ようとする時、直立した三脚のポール上部に載設した双眼鏡の接眼レンズを中腰で覗くことが長時間の観察では苦痛であったり、又、仰角を極端に上方に向けた場合には三脚の上部に顔が当たり観察等に支障をきたすことがあった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記のように従来の三脚の使用で撮影.観察等を行なう場合に生じる不都合を解決できる光学観察補助装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この手段は、アーチ状のマストの湾曲した内面に繊細なラックギアを刻設し、該ラックギアに仰角調整ダイヤルに刻設したギアを咬合させ、又は、アーチ状のマストの湾曲した内面と仰角調整ダイヤルの先端部外面とを密着させ、アーチ状のマストにはブラケットに刻設したラチェットを経てブラケットに一端を保持されたU字状のアームを摺回自在に設けた、カメラ.望遠鏡.双眼鏡等光学機器を載設する光学観察補助装置を提供することで課題を解決することができる。
【実施例】
【0005】
本発明の請求項1の実施例を図面に基づき記述する。アーチ状のマスト1の湾曲した内面に繊細なラックギア2を刻設し、該ラックギア2に仰角調整ダイヤル4に刻設したギア5を咬合させ、アーチ状のマスト1にはブラケット3に刻設したラチェット8を経てブラケット3に一端を保持されたU字状のアーム7を摺回自在に設けた、カメラ.望遠鏡.双眼鏡等の光学機器を載設する光学観察補助装置である。
【0006】
U字状のアーム7は一端をブラケット3に保持されており、もう一端には双眼鏡の中央部を挟持するクランプ9が設けられている。双眼鏡の中央部を挟持したクランプ9は固定ボルト10によって締着される。
【0007】
アーチ状のマスト1の湾曲した内面には繊細なラックギア2が刻設されており、このラックギア2は仰角調整ダイヤル4に刻設されたギア5と咬合している。
【0008】
仰角調整ダイヤル4はブラケット3とU字状のアーム7と共にピン13で連接されており仰角調整ダイヤル4の回転を受けて咬合した双方のギアが作用し、ブラケット3はアーチ状のマスト1を昇降する。又、ブラケット3の両端には2個のガイドローラー6が回転自在に設けられており、アーチ状のマスト1の外面を支持している。更にブラケット3にはラチェット8が刻設してあり、このラチェット8を経てU字状アーム7の一端を摺回自在に保持している。
【0009】
アーチ状のマスト1の下部はアーチ状のマストのブラケット11に固定され、このアーチ状のマストのブラケット11は水平回転部12に螺着されている。水平回転部12の底部中央は凹状に螺刻されており三脚上部のボルトと螺合できる。
【0010】
本実施例は双眼鏡を載設した状態を示すものであるが、カメラを載設する場合には上記
【0006】
に述べたクランプ9に図4のようなカメラ用のアダプター14を挟持させればカメラ底部の凹状の螺刻と螺合できる。
【0011】
更に請求項2では、アーチ状のマスト1の湾曲した内面と仰角調整ダイヤル4の先端部外面とを密着させることで双方の摩擦により、U字状のアーム7を保持したブラケット3がアーチ状のマスト1を摩擦駆動で昇降する方式をとっている。
【発明の効果】
【0012】
以上に説明したように本発明は、アーチ状のマストを特徴とするもので、このアーチの形状は写真撮影.天体地上観察等の際の、カメラ.双眼鏡.望遠鏡等の使用者の頭部と顔面の曲線に近似したアーチであり、本発明の実施例のU字状アームのクランプに双眼鏡を載設して観察等を行なう場合、仰角調整ダイヤルを回転させるだけで双眼鏡は観察者の頭部と顔面の曲線に沿ってアーチ状に昇降する為(図5参照)、観察者は従来の三脚使用時のように中腰になる必要はなく、又、三脚の上部に顔面を接近.接触させることもなく極めて快適で有効な観察等ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の見取図
【図2】アーチ状のマストと仰角調整ダイヤルの取付け関係を示す見取図
【図3】仰角調整ダイヤルの見取図
【図4】カメラ用アダプターの見取図
【図5】仰角と目の位置を示す説明図
【図6】双眼鏡を取付けた場合の見取図
【符号の説明】
1.アーチ状のマスト
2.ラックギア
3.ブラケット
4.仰角調整ダイヤル
5.ギア
6.ガイドローラー
7.U字状のアーム
8.ラチェット
9.クランプ
10.固定ボルト
11.アーチ状のマストのブラケット
12.水平回転部
13.ピン
14.カメラ用アダプター
15.双眼鏡
16.カメラ固定ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーチ状のマスト1の湾曲した内面に繊細なラックギア2を刻設し、該ラックギア2に仰角調整ダイヤル4に刻設したギア5を咬合させ、更にアーチ状のマスト1にはブラケット3に刻設したラチェット8を経てブラケット3に一端を保持されたU字状のアーム7を摺回自在に設けた、カメラ.望遠鏡.双眼鏡等の光学機器を載設する、光学観察補助装置。
【請求項2】
アーチ状のマスト1の湾曲した内面と、仰角調整ダイヤル4先端部の外面を密着させ、アーチ状のマスト1にはブラケット3に刻設したラチェット8を経てブラケット3に一端を保持されたU字状のアーム7を摺回自在に設けた、カメラ.望遠鏡.双眼鏡等の光学機器を載設する、光学観察補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−30930(P2006−30930A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236862(P2004−236862)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(501343466)ユーハン工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】