説明

光導波路デバイス製造方法および光導波路デバイス

【課題】 精度のよいリッジ型構造の加工が可能な光導波路デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 (a)強誘電体材料からなる第一基体11に、リッジ型構造形成面16を加工する工程、(b)第一基体材料より屈折率の小さい材料が第一基体のリッジ型構造形成面16と接するようにして、第一基体11のリッジ型構造形成面側に固着される第二基体12を設ける工程、(c)第一基体のリッジ型構造形成面16とは反対側である裏面を薄片化処理して、薄片化処理面17を形成する工程、により、先にリッジ型構造を形成した後に、薄片化処理を行うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強誘電体材料を用いたリッジ型光導波路デバイスの製造方法、および、その方法により製造される光導波路デバイスに関し、さらに詳細には、強誘電体材料の第一基体と、これを支持する支持用の第二基体とを用いたリッジ型光導波路デバイスの製造方法およびリッジ型光導波路デバイスに関する。本発明は、例えば、光導波路を用いた光スイッチや強誘電体に周期構造を形成した波長変換素子、第2高調波発生素子などの光導波路デバイスに用いられる。
【背景技術】
【0002】
光情報通信システム、干渉計などの測定装置、光ディスク用のピックアップレーザ、印刷装置などの分野において、各種の光デバイスが使用されている。
これらの光デバイスのひとつとして、強誘電体材料に光導波路を形成することにより作られる光導波路デバイスが、光スイッチや波長変換素子として利用されている。例えば、波長変換素子として用いられる擬似位相整合素子は、LiNbOやLiTaOなどの強誘電体バルク結晶の内部に周期分極反転構造を形成し、さらに、周期分極反転構造を横断するように光導波路を形成することにより、この光導波路を通過する光に対して擬似的に位相整合を行うものである。擬似位相整合素子は、分極反転層の周期を調整することにより、所望の波長に対応した位相整合素子を作成することができる。
【0003】
強誘電体材料の基体に対して光導波路を形成する方法の従来例として、特許文献1が開示されている。この文献によれば、基体の加工面側からプロトン交換処理を施して交換処理部を形成し、この交換処理部の一部にリッジ型構造体を形成し、その次にプロトン交換処理部を熱拡散処理することにより、光導波路を形成する。
【0004】
強誘電体材料にリッジ型構造の光導波路を作る場合、光導波路層とその周囲の層との屈折率差が重要である。すなわち、光導波路層と周囲層との境界面での屈折率差が急峻であれば、光を導波路内に完全に閉じ込めることができるが、境界で屈折率が緩やかに変化する場合は、光導波路内を通過する光がしみ出し、減衰することになる。
【0005】
また、光導波路を通過する光の形状(導波光モード形状)は、デバイスへの応用面を考慮すると、できるだけ上下、左右の対称性のよい光にすることが望ましい。そのためには、光導波路層と周囲層との境界面(屈折率差が生じる境界面)の形状を、対称にする必要がある。理想的には、光ファイバーのコア層とクラッド層のように、光導波路層の断面形状を、円形にすることが望ましい。しかしながら、強誘電体結晶基体上に形成される光導波路は、平坦な基板上に作る必要があるため、半導体プロセスで用いるパターンエッチングなどのプロセスにより製造しなければならないことから、光導波路層の断面形状を円形にすることは困難である。
そのため、通常、特許文献1に記載されるように、光導波路層断面が山形に加工されたリッジ型構造体を形成している。
【0006】
特許文献1に記載されたリッジ型構造体の上面、左右の側面(斜面)は、空気層―リッジ型プロトン交換層の境界面が形成されており、層間で屈折率がステップ状に変化しており、光導波路内を伝播する光の外部しみ出しは少ない。
【0007】
一方、リッジ型構造体の下面について見ると、上面が空気層−プロトン交換層の境界面であるのに対し、下面ではプロトン交換層−プロトン非交換層の境界(明確な境界ではない)が形成されている。そのため、上面での屈折率差は急峻で屈折率差が大きいのに対し、下端面では上端面に比べて屈折率変化が急峻ではなくしかも屈折率差が小さく、上下方向での境界面の形状が異なり、光導波路としての対称性がよくない。
【0008】
そこで、対称性の問題を解決するため、張り合わせ型のリッジ型光導波路が考案され、開示されている(例えば特許文献2参照)。
特許文献2に記載された張り合わせ型のリッジ型光導波路素子では、強誘電体結晶基板自体に周期分極反転構造が形成され、基板を薄片化した上で、リッジ型に加工されるとともに、ベース基板上に接着層を介して固定されている。
【特許文献1】特開2003−365680号公報
【特許文献2】特開2003−107545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来の張り合わせ型のリッジ型光導波路は、以下の手順で作製される。
まず、光導波路が形成される強誘電材料を上部基板とし(擬似位相整合素子とする場合は上部基板に周期分極反転構造が形成される)、上部基板に対し、支持部材となる下部基板を接着あるいは直接接合する。
次に、リッジ型構造部分の厚さ程度になるまで、上部基板を薄片化する。さらに、薄片化した上部基板を研磨した上で、機械切削加工、レーザ加工、エッチング加工などにより、リッジ型構造を形成し、リッジ型光導波路を形成する。
【0010】
しかしながら、上記手順によれば、薄片化した上部基板に対してリッジ型構造を加工する際に、薄片化した上部基板のすぐ下に、接着層、下部基板が存在しており、特に接着層は圧力や熱などによって変形しやすくなっている。そのため、リッジ型構造を加工する際に圧力、熱が発生すると、接着層や下部基板にストレスがかかり、接着層や下部基板からのストレスが薄片化した上部基板にかかることとなり、リッジ型構造を精度よく加工することが困難になっていた。
【0011】
そこで本発明は、リッジ型光導波路を有するデバイスの製造方法において、精度のよいリッジ型構造の加工が可能なデバイス製造方法、および、精度のよいリッジ型構造の加工が可能なデバイス構造を有するリッジ型光導波路デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた本発明のリッジ型光導波路デバイス製造方法は、(a)強誘電体材料からなる第一基体に、リッジ型構造形成面を加工する工程、(b)第一基体材料より屈折率の小さい材料が第一基体のリッジ型構造形成面と接するようにして、第一基体のリッジ型構造形成面側に固着される第二基体を設ける工程、(c)第一基体のリッジ型構造形成面とは反対側である裏面を薄片化処理して、薄片化処理面を形成する工程とからなる。そして、本発明のリッジ型光導波路デバイスは、この製造方法により製造される。
【0013】
ここで、第一基体に、LiNbO、LiTaO、KNbO、KTP(KTiOPO)、LiNb(1−x)Ta(ただし、0≦x≦1)などの強誘電体材料を用いることが好ましい。ただし、これらに限られず、他の強誘電体結晶でも適用できる。
第一基体にリッジ型構造を加工する方法は、特に限定されない。例えば、マスクを用いたエッチング加工、機械加工、レーザアブレーション、イオンミリングなどの加工方法を用いることができる。
【0014】
リッジ型構造形成面には、第一基体よりも屈折率が小さい材料からなる部材が接するように構成されるが、この材料からなる部材として、第二基体自体を用いてもよいし、第一基体と第二基体との間に、何らかの中間層を設け、中間層を第一基体よりも屈折率が小さい材料としてもよい。すなわち、第二基体が第一基体よりも屈折率が小さいときには、第二基体を直接第一基体に固着するようにしてもよい。また、第一基体よりも屈折率が小さい材料からなる何らかの中間層(例えば、接着剤による接着層、所望の屈折率を有する薄膜を形成した屈折率調整層)を介して、第一基体と第二基体とが固着するようにしてもよい。
【0015】
第一基体の薄片化処理方法についても、特に限定されな。例えば、研削加工や研磨加工などを適宜用いることができる。
【0016】
この発明のリッジ型光導波路デバイス製造方法によれば、強誘電体材料からなる第一基体に、先に、リッジ型構造形成面を形成しておき、続いて、リッジ型構造形成面側に向けて、第二基体を固着する。ただし、リッジ型構造形成面に対して、第一基体材料よりも屈折率が小さい材料が接するようにして、リッジ型構造部分から第二基体側に向かう光を全反射させ、第二基体側にしみ出しにくいようにする。そして、第二基体を固着した後に、リッジ型構造形成面の裏側となる裏面を薄片化処理し、平坦な薄片化処理面を形成する。このときの薄片化処理は、単に平坦な面を加工するだけであるので、加工が容易であり、精度のよい薄片化処理加工を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
この製造方法によれば、第一基体にリッジ型構造形成面を形成するときは、第一基体はまだ厚みを有する状態でリッジ型構造を形成することができるので、応力や熱によるストレスをあまり受けることがなく、精度のよいリッジ型構造の加工を容易に行うことができる。その結果、加工精度のよい光導波路デバイスを提供することができる。
【0018】
また、(b)工程で、第一基体のリッジ型構造形成面に対して、第一基体材料より屈折率の小さい接着剤からなる接着層を介して、第二基体が固着されるようにすれば、接着層により、光のしみ出しを抑制することができ、その結果、第二基体材料の屈折率についての材料選択の制限をなくすことができる。
【0019】
また、(b)工程で、第一基体材料より屈折率の小さい第二基体材料を用いて、直接、第一基体のリッジ型構造形成面に第二基体が固着されるようにすれば、接着層を形成することなく、第二基体を、直接固着することができるので、接着層の経時変化や熱劣化の影響を回避することができる。
【0020】
また、(b)工程で、第一基体のリッジ型構造形成面に対して、第一基体材料より屈折率の小さいリッジ側屈折率調整層を形成し、さらに、リッジ側屈折率調整層に対し、直接あるいは接着層を介して第二基体が固着されるようにすれば、リッジ側屈折率調整層により、リッジ型構造部分からの光のしみ出しを抑制することができ、その結果、第二基体材料の屈折率、あるいは、接着層の屈折率についての材料選択の制限をなくすことができる。
【0021】
また、(c)工程の後に、薄片化処理面上の少なくともリッジ型構造の裏側部分を覆うようにして、第一基体材料よりも屈折率の小さい裏側屈折率調整層を形成する工程を行うようにすれば、裏側屈折率調整層により、リッジ型構造の裏側部分からの光のしみ出しを抑制することができる。
特に、リッジ型構造形成面と接する材料の屈折率に対応させて、裏側屈折率調整層の屈折率を調整することにより、リッジ型構造形成面と裏面との屈折率の対称性を改善することができ、対称性のよい光導波モードを実現することができる。さらに、リッジ側屈折率調整層と裏側屈折率調整層との双方を同時に設け、これらを同じ材料で構成すれば、さらに対称性のよい光導波モードを実現することができる。
【0022】
また、(a)工程の後に、(a1)リッジ型構造部分に周期分極反転構造を形成する工程を含めるようにすれば、リッジ型構造部分に周期反転分極層を形成することにより、波長変換素子、第二高調波素子として利用することができる擬似位相整合型光導波路デバイスを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の光導波路デバイスおよび光導波路製造方法について図面を用いて説明する。なお、本発明は以下に説明する実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適用しうるものである。
【0024】
(実施例1)
図1は、本発明の一実施形態である光導波路デバイスの構成図である。この光導波路デバイス10は、第一基体11、第二基体12、接着層13、屈折率調整層14により構成される。
【0025】
第一基体11は、光導波路層となるリッジ型構造15が形成される領域であり、強誘電体材料により構成される。強誘電体材料としては、例えばLiNbO、LiTaO、KNbO系の非線形結晶光学効果を有する結晶を使用することができる。ただし、材料はこれらに限られるのではなく、光導波路デバイスとして応用可能な強誘電体材料であれば使用できる。
【0026】
第一基体11は、リッジ型構造15が形成されたリッジ型構造形成面16と、反対側面である薄片化処理面17とを有している。後述するデバイス製造工程の説明(図2、図3)において詳述するが、第一基体11の薄片化処理前の厚みのある状態で、先に、リッジ型構造形成面16が加工してある。
【0027】
第二基体12は、第一基体11を支持するために用いられる部材であり、第一基体11を支持することが可能な堅牢性を有し、かつ、接着層13に対して接着性を有する材料であればよい。具体的には、ガラス基板、プラスチック基板、金属基板、半導体基板などを用いることができる。
第一基体11と第二基体12とを、同一材料にしてもよい。同一材料とすることにより、温度変化に対する膨張率が等しくなるとともに、接着層13に対する付着力が等しくなり、剥離しにくくなるとともに、歪が生じにくい構造となる。
【0028】
接着層13は、UV硬化剤、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の接着剤(例えば屈折率が1.3〜1.7)が使用される。ただし、接着層13の材料としては、第一基体11の材料よりも屈折率が小さい材料を用いるようにして、第一基体11を通過する光を、第一基体11と接着層13との境界で全反射させるようにしてある。すなわち、接着層13は、第一基体11と第二基体12とを接着させるとともに、第一基体11内を通過する光を閉じ込めることができるようにしてある。
【0029】
屈折率調整層14は、第一基体11の薄片化処理面17上に形成され、第一基体11のリッジ型構造15を挟んで上下の界面での屈折率が近い値、より好ましくは、同一となるように、接着層12と同一材料、あるいは、屈折率が近似する材料を用いるようにしている。
【0030】
ただし、光導波モード形状の対称性(特に基本波モード形状の対称性)に対する要求仕様を厳しくしない場合は、屈折率調整層14は必ずしも必要というものではない。すなわち、屈折率調整層14を設けないで、図4に示すように、上側界面を空気層(屈折率が1)に接するようにした場合には、接着層13(例えば屈折率が1.3〜1.7)と接する下側界面との屈折率差が多少存在することになる。そのため、光導波モード形状は多少劣化するが、それでも用途によっては十分に許容できる範囲となる。
【0031】
次に、この光導波路デバイスの製造方法について説明する。図2は、光導波路デバイス10の製造工程を説明するフロー図である。図3は、製造工程中のデバイス断面の模式図である。
まず、第一基体11に、リッジ型構造形成面を加工する(s101)。
図3(a)に示すように、第一基体11と、第二基体12とを準備する。例えば、これらの材料としてLiNbOを用いる。これらの基体は、加工しやすいように平板形状に切り出してある。
図3(b)に示すように、第一基体11の面上で導波路幅とする領域の上に、フォトリソグラフィーにより、マスク材21としての金属膜(Cr、Niなど)をパターニングする。
図3(c)に示すように、例えばドライエッチングにより、リッジ型構造15を形成する。加工手法は、ドライエッチングに限らず、直接機械加工、イオンミリング、レーザアブレーション、ウェットエッチングなどでもよい。
リッジ型構造15が形成されたらマスク材21を除去する。
【0032】
なお、擬似位相整合素子とするために、周期分極反転構造を形成する場合には、図3(c)の後で、リッジ型構造部分に、周期反転分極構造を形成する処理を施す。
周期分極反転構造は、リッジ型構造15部分の表面に電極パターニングを行い、電圧を印加して周期分極反転層を形成する。強誘電体材料に周期分極反転層を形成する方法については、周知の技術であるので説明を省略する。
【0033】
続いて、第一基体11を、第二基体12に接着する(s102)。
図3(d)に示すように、第一基体11のリッジ型構造形成面16を、第二基体12に向けて接着層13により、接着する。
【0034】
続いて、第一基体11に薄片化処理を施す(s103)。
図3(e)に示すように、基板11のリッジ型構造形成面16とは反対側の裏面に、粗研削加工処理、精密ラップ加工処理、研磨処理をこの順で施し、第一基体11を2〜5μmに薄片化する。このときの薄片化処理面17は、平坦面を薄片化しただけの簡単な加工であるので、ストレスなどの影響が小さく、精度よい加工が行える。
【0035】
続いて、屈折率調整層14を形成する(s104)。
図3(f)に示すように、薄片化処理面17の上を覆うように、接着層13を形成するときに用いた接着剤(あるいは接着剤と屈折率が近似する材料)を用いて、屈折率調整層14を形成する。屈折率調整層14を、リッジ型構造15の裏側部分だけでなく、薄片化処理面17の全面を覆うようにすることで、薄片化処理面17の保護層として働かせることもできる。
【0036】
以上の工程により作製された光導波路デバイス10は、図1に示されるように、リッジ型構造15の上下、左右面ともに、同一材料あるいは屈折率が近似する材料の接着層13、屈折率調整層14で覆われており、しかも、リッジ型構造15の部分よりも屈折率が小さい材料が用いられているので、十分に光が閉じ込められている。また、リッジ型構造15が精度よく加工され、屈折率の対称性のよい光導波路となっている。
【0037】
なお、s104の工程まで実行して屈折率調整層14を形成することが、より好ましいが、上述したように、屈折率調整層14を省略した図4に示すような構造にしても、光導波モード形状に対する要求仕様を厳しくしない限り、十分に利用することができる。
【0038】
また、図5は、図3(c)の後で、リッジ型構造15部分に周期反転分極構造を形成する処理を施したときの光導波路デバイスを示す図である。交互に分極極性が変化する周期分極反転構造が、リッジ型構造部分の表面に形成されており、擬似位相整合素子として機能する。
【0039】
(実施例2)
図6は、本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの構成図である。図において、図1、図4と同じものについては同符号を付し、説明を一部省略する。この光導波路デバイス30は、第一基体11、第二基体31により構成される。
【0040】
第一基体11は、光導波路層となるリッジ型構造15が形成される領域であり、図1で説明したものと同様の強誘電体材料が用いられる。第一基体11は、リッジ型構造15が形成されたリッジ型構造形成面16と、反対側面である薄片化処理面17とを有している。後述するデバイス製造工程の説明(図7、図8)において詳述するが、第一基体11の薄片化処理前の厚みのある状態で、先に、リッジ型構造形成面16が加工してある。
【0041】
第二基体31は、第一基体11を支持するために用いられる部材であり、第一基体11よりも屈折率が小さく、かつ、第一基体11を支持することが可能な堅牢性を有し、かつ、第一基体11に接着性できる材料が用いられる。例えば、プラスチックや合成樹脂などの高分子材料を溶融した状態で第一基体11に接触させ、その後、固化させて成型することにより、第二基体31を形成することができる。具体的には、第二基体31として、UV硬化樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂など(接着剤の主成分材料であり屈折率が1.3〜1.7))が使用される。
【0042】
さらに、図1に示した場合と同様に、第一基体11の上側に、屈折率調整層14をさらに形成して、図9に示すような構造にしてもよい。この場合、屈折率調整層14には、第2基体と同じか、屈折率が近似する材料を用いる。これにより、光導波モード形状の対称性を改善することができる。
【0043】
次に、図6、図9に示した光導波路デバイス30の製造方法について説明する。図7は、光導波路デバイス30の製造工程を説明するフロー図である。図8は製造工程中のデバイス断面の模式図である。
まず、第一基体11に、リッジ型構造形成面16を加工する(s201)。
図8(a)に示すように、第一基体11を準備する。例えば、第一基体11の材料としてLiNbOを用いる。基体11は、加工しやすいように、平板形状に切り出してある。
図8(b)に示すように、第一基体11の面上で、導波路幅とする領域の上に、フォトリソグラフィーにより、マスク材21としての金属膜(Cr、Niなど)をパターニングする。
図8(c)に示すように、例えばドライエッチングにより、リッジ型構造15を形成する。加工手法は、ドライエッチングに限らず、直接機械加工、イオンミリング、レーザアブレーション、ウェットエッチングなどでもよい。
リッジ型構造15が形成されたら、マスク材21を除去する。
【0044】
なお、擬似位相整合素子とするために、周期分極反転構造を形成する場合には、図8(c)の後で、リッジ型構造15部分に周期反転分極構造を形成する処理を施す。
周期分極反転構造は、リッジ型構造15部分の表面に電極パターニングを行い、電圧を印加して周期分極反転層を形成する。
【0045】
続いて、第一基体11のリッジ型構造形成面を、UV硬化樹脂などの溶融樹脂層(第二基体12の原料)に接触する(s202)。
続いて、溶融樹脂層を固化して、リッジ型構造形成面に第二基体を固着する(s203)。
すなわち、図8(d)に示すように、第一基体11のリッジ型構造形成面16を第二基体31に向け、第二基体31を、直接、固着する。
【0046】
続いて、第一基体11に薄片化処理を施す(s204)。
図8(e)に示すように、基体11のリッジ型構造形成面16とは反対側の裏面に、粗研削加工処理、精密ラップ加工処理、研磨処理をこの順で施し、第一基体11を2〜5μmに薄片化する。このときの薄片化処理面17は、平坦面を薄片化しただけの簡単な加工であるので、ストレスなどの影響が小さく、精度よい加工が行える。
【0047】
続いて、図9に示した構造にする場合は、屈折率調整層14を形成する(s205)。
図9に示すように、屈折率調整層14を形成する場合は、薄片化処理面17の上を覆うように、第二基体31を形成するときに用いた溶融樹脂を用いて、屈折率調整層14を形成する。屈折率調整層14を、リッジ型構造15の裏側部分だけでなく、薄片化処理面17の全面を覆うようにすることで、薄片化処理面17の保護層として働かせることもできる。
【0048】
以上の工程により作製された光導波路デバイス30は、図9に示すように、リッジ型構造15の上下、左右面ともに、同一材料(第二基体31、屈折率調整層14)で覆われており、しかもリッジ型構造15の部分よりも屈折率が小さい材料が用いられているので、十分に光が閉じ込められている。また、リッジ型構造15部分が精度よく加工され、屈折率の対称性もよい光導波路となっている。
【0049】
なお、s205の工程まで実行して屈折率調整層14を形成することが、より好ましいのであるが、上述したように屈折率調整層14を省略し、図6に示すような屈折率調整層を形成しない構造にしても、光導波モード形状に対する要求仕様を厳しくしない限り、十分に利用することができる。
【0050】
また、図10は、図8(c)の後で、リッジ型構造15部分に周期反転分極構造を形成する処理を施したときの光導波路デバイスを示す図である。交互に分極極性が変化する周期分極反転構造が、リッジ型構造15部分の表面に形成されており、擬似位相整合素子として機能する。
【0051】
(実施例3)
図11は、本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの構成図である。図において、図1、図4、図6、図9と同じものについては同符号を付し、説明を一部省略する。この光導波路デバイス40は、第一基体11、第二基体31、リッジ側屈折率調整層41、裏側屈折率調整層42により構成される。
【0052】
第一基体11は、光導波路層となるリッジ型構造15が形成される領域であり、図1と同様の強誘電体材料が用いられる。第一基体11は、リッジ型構造15が形成されたリッジ型構造形成面16と、反対側面である薄片化処理面17とを有している。後述するデバイス製造工程の説明(図12、図13)において詳述するが、第一基体11の薄片化処理前の厚みのある状態で、先に、リッジ型構造形成面16が加工してある。
【0053】
第一基体11のリッジ型構造形成面16には、第一基体11よりも屈折率が小さい材料からなるリッジ側屈折率調整層41が形成されている。リッジ側屈折率調整層41には、例えばSiO膜(屈折率1.5)、SiON膜などが用いられる。これらの膜は、スパッタリングや蒸着などの膜形成法を用いて形成することができる。
【0054】
そして、リッジ側屈折率調整層41に接するようにして、支持部材としての第二気体31が固着される。この第二基体31は、第一基体11を支持することが可能な堅牢性を有し、かつ、リッジ側屈折率調整層41に接着できる材料が用いられる。ただし、リッジ側屈折率調整層41を設けているので、屈折率についての制限はない。この場合も、具体的には、図6の場合と同様に、UV硬化樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂など(接着剤の主成分材料であり屈折率が1.3〜1.7))を、第二基体31として使用することができる。
【0055】
さらに、第一基体11の上側に、裏側屈折率調整層42を形成して、図14に示すような構造にしてもよい。裏側屈折率調整層42には、リッジ側屈折率調整層41と同じ材料か、屈折率が近似する材料を用いるのが好ましい。これにより、光導波モード形状の対称性を改善することができる。
【0056】
次に、図11、図14に示した光導波路デバイス40の製造方法について説明する。図12は、光導波路デバイス40の製造工程を説明するフロー図である。図13は製造工程中のデバイス断面の模式図である。
まず、第一基体11に、リッジ型構造形成面を加工する(s301)。
図13(a)に示すように、第一基体11を準備する。例えば、第一基体11の材料としてLiNbOを用いる。基体11は、加工しやすいように平板形状に切り出してある。
図13(b)に示すように、第一基体11の面上で導波路幅とする領域の上に、フォトリソグラフィーにより、マスク材21としての金属膜(Cr、Niなど)をパターニングする。
図13(c)に示すように、例えばドライエッチングにより、リッジ型構造15を形成する。加工手法は、ドライエッチングに限らず、直接機械加工、イオンミリング、レーザアブレーション、ウェットエッチングなどでもよい。
リッジ型構造15が形成されたら、マスク材21を除去する。
【0057】
なお、擬似位相整合素子とするために、周期分極反転構造を形成する場合には、図13(c)の後で、リッジ型構造15部分に、周期反転分極構造を形成する処理を施す。
周期分極反転構造は、リッジ型構造15部分の表面に電極パターニングを行い、電圧を印加して周期分極反転層を形成する。
【0058】
続いて、リッジ型構造形成面16に、リッジ側屈折率調整層を形成する(S302)。
図13(d)に示すように、スパッタリング(その他の膜形成法でもよい)により、リッジ型構造形成面16に、リッジ側屈折率調整層41としてSiO膜を形成する。
【0059】
続いて、リッジ側屈折率調整層41が積層されたリッジ型構造形成面16を、UV硬化樹脂などの溶融樹脂層(第二基体31の原料)に接触する(s303)。
続いて、溶融樹脂層を固化して、リッジ型構造形成面に第二基体を固着する(s304)。
すなわち、図13(e)に示すように、第一基体11のリッジ型構造形成面16を第二基体31に向け、リッジ側屈折率調整層41に、第二基体31を固着する。
【0060】
続いて、第一基体11に薄片化処理を施す(s305)。
図13(f)に示すように、基体11のリッジ型構造形成面16とは反対側の裏面に、粗研削加工処理、精密ラップ加工処理、研磨処理をこの順で施し、第一基体11を2〜5μmに薄片化する。このときの薄片化処理面17は、平坦面を薄片化しただけの簡単な加工であるので、ストレスなどの影響が小さく、精度よい加工が行える。
【0061】
続いて、裏側屈折率調整層42を形成する(s306)。
裏側屈折率調整層42は、薄片化処理面17の上を覆うように、リッジ側屈折率調整層41と同材料、あるいは屈折率が近似する材料を用いて、裏側屈折率調整層42を形成する。
裏側屈折率調整層42を、リッジ型構造15の裏側部分だけでなく、薄片化処理面17の全面を覆うようにすることで、薄片化処理面17の保護層として働かせることもできる。
【0062】
以上の工程により作製された光導波路デバイス40は、図14に見られるように、リッジ型構造15の上下、左右面ともに、同一材料(リッジ側屈折率調整層41、裏側屈折率調整層42)で覆われており、しかもリッジ型構造15の部分よりも屈折率が小さい材料が用いられているので、十分に光が閉じ込められている。また、リッジ型構造15部分が精度よく加工され、屈折率の対称性のよい光導波路となっている。
【0063】
なお、s306の工程まで実行して裏側屈折率調整層42を形成することが、より好ましいのであるが、上述したように裏側屈折率調整層42を省略し、図14に示したような裏側屈折率調整層を形成しない構造にしても、光導波モード形状に対する要求仕様を厳しくしない限り、十分に利用することができる。
【0064】
また、図8(c)の後で、リッジ型構造15部分に周期反転分極構造を形成する処理を施した場合については図示を省略するが、図5、図10に示した構造と同様、交互に分極極性が変化する周期分極反転構造が、リッジ型構造15部分の表面に形成されており、擬似位相整合素子として機能する。
【0065】
また、上記説明では、第二基体31に溶融樹脂を固化させた材料を用いたが、リッジ側屈折率調整層41へ固着することができるのであれば、他の材料を用いてもよい。
例えば、リッジ側屈折率調整層41にSiO膜を使用する場合に、リッジ型構造形成面16のリッジ構造部分15に対応する溝が形成されたSiOガラス基板を用意し、これをリッジ側屈折率調整層41に接触させて接合することで、第二基体31としてもよい。
この場合の接合には、リッジ側屈折率調整層41であるSiO膜に、フッ酸を塗布して接合するフッ酸接合、あるいは、両側の接合面を、非常に滑らかに仕上げて密着させるオプティカルコンタクトなどの接合方法を用いることができる。
【0066】
(実施例4)
図15は、本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの構成図である。図において、図1、図4、図6、図9、図11、図14と同じものについては同符号を付し、説明を一部省略する。この光導波路デバイス50は、第一基体11、第二基体12、接着層13、リッジ側屈折率調整層41、裏側屈折率調整層42により構成される。
【0067】
第一基体11は、光導波路層となるリッジ型構造15が形成される領域であり、図1に示したものと同様の強誘電体材料が用いられる。第一基体11は、リッジ型構造15が形成されたリッジ型構造形成面16、および、反対側面である薄片化処理面17を有している。後述するデバイス製造工程の説明(図16、図17)において詳述するが、第一基体11の薄片化処理前の厚みのある状態で、先に、リッジ型構造形成面16が加工してある。
【0068】
第一基体11のリッジ型構造形成面16には、第一基体11よりも屈折率が小さい材料からなるリッジ側屈折率調整層41が形成される。具体的には、SiO膜など、図11に示したものと同様の材料による層が、同様の膜形成法により形成される。
【0069】
そして、リッジ側屈折率調整層41に接するようにして、支持部材としての第二基体12が、接着層13により固着される。この第二基体12には、第一基体11を支持することができるように堅牢性を有し、かつ、リッジ側屈折率調整層14に接着することができる材料が用いられる。ただし、リッジ側屈折率調整層41を設けているので、屈折率についての制限はない。具体的には、図1の場合と同様に、ガラス基板、プラスチック基板、金属基板、半導体基板、あるいは図6の場合と同様に、UV硬化樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを、第二基体12として使用することができる。
【0070】
さらに、第一基体11の上側に、裏側屈折率調整層42を形成する。裏側屈折率調整層42には、リッジ側屈折率調整層41と同じ材料か、屈折率が近似する材料を用いるのが好ましい。これにより、光導波モード形状の対称性を改善することができる。
ただし、図11と図14との関係の場合と同様に、裏側の屈折率調整層42を省略した図18に示すような構造にしてもよい。
【0071】
次に、図15、図18に示した光導波路デバイス50の製造方法について説明する。図16は、光導波路デバイス50の製造工程を説明するフロー図である。図17は製造工程中のデバイス断面の模式図である。
まず、第一基体11に、リッジ型構造形成面を加工する(s401)。
図17(a)に示すように、第一基体11と第二基体12とを準備する。例えば、第一基体11の材料としてLiNbOを用いる。基体11は、加工しやすいように平板形状に切り出してある。基体12には、例えばガラス基板を用いる。
図17(b)に示すように、第一基体11の面上で導波路幅とする領域の上に、フォトリソグラフィーにより、マスク材21としての金属膜(Cr、Niなど)をパターニングする。
図17(c)に示すように、例えばドライエッチングにより、リッジ型構造15を形成する。加工手法は、ドライエッチングに限らず、直接機械加工、イオンミリング、レーザアブレーション、ウェットエッチングなどでもよい。
リッジ型構造15が形成されたら、マスク材21を除去する。
【0072】
なお、擬似位相整合素子とするために、周期分極反転構造を形成する場合には、図17(c)の後で、リッジ型構造15部分に周期反転分極構造を形成する処理を施す。
周期分極反転構造は、リッジ型構造15部分の表面に電極パターニングを行い、電圧を印加して周期分極反転層を形成する。
【0073】
続いて、リッジ型構造形成面16に、リッジ側屈折率調整層41を形成する(S402)。
図17(d)に示すように、スパッタリング(その他の膜形成法でもよい)により、リッジ型構造形成面16に、リッジ側屈折率調整層41としてSiO膜を形成する。
【0074】
続いて、リッジ側屈折率調整層41に第二基体12を接着する(s403)。
図17(e)に示すように、第一基体11のリッジ型構造形成面16を、第二基体12に向けて接着層13により接着する。
【0075】
続いて、第一基体11に薄片化処理を施す(s404)。
図17(f)に示すように、基板11のリッジ型構造形成面16とは反対側の裏面に、粗研削加工処理、精密ラップ加工処理、研磨処理をこの順で施し、第一基体11を2〜5μmに薄片化する。このときの薄片化処理面17は、平坦面を薄片化しただけの簡単な加工であるので、ストレスなどの影響が小さく、精度よい加工が行える。
【0076】
続いて、裏側屈折率調整層42を形成する(s405)。
裏側屈折率調整層42を形成する場合は、薄片化処理面17の上を覆うように、リッジ側屈折率調整層41と同材料、あるいは屈折率が近似する材料を用いて、裏側屈折率調整層42を形成する。
裏側屈折率調整層42を、リッジ型構造15の裏側部分だけでなく、薄片化処理面17の全面を覆うようにすることで、薄片化処理面17の保護層として働かせることもできる。
【0077】
以上の工程により作製された光導波路デバイス50は、図15に見られるように、リッジ型構造15の上下、左右面ともに、同一材料(リッジ側屈折率調整層41、裏側屈折率調整層42)で覆われており、しかもリッジ型構造15の部分よりも屈折率が小さい材料が用いられているので、十分に光が閉じ込められている。また、リッジ型構造15部分が精度よく加工され、屈折率の対称性のよい光導波路となっている。さらに、第二基体12や接着剤については屈折率に関する制限がないので、接着剤13によりリッジ側屈折率調整層41に接着できる堅牢な材料であれば、いろいろな材料を第二基体として利用することができる。
【0078】
なお、s405の工程まで実行して裏側屈折率調整層42を形成することが、より好ましいのであるが、上述したように裏側屈折率調整層42を省略し、図18に示したような裏側屈折率調整層を形成しない構造にしても、光導波モード形状に対する要求仕様を厳しくしない限り、十分に利用することができる。
【0079】
また、図17(c)の後で、リッジ型構造15部分に周期反転分極構造を形成する処理を施した場合は、図5、図10に示した構造と同様、交互に分極極性が変化する周期分極反転構造が、リッジ型構造15部分の表面に形成されており、擬似位相整合素子として機能する。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、光導波路、およびこれを用いた光導波路デバイスの作製に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態である光導波路デバイスの構成を示す図。
【図2】本発明の一実施形態である光導波路デバイスの製造工程を説明するフロー図。
【図3】本発明の一実施形態である光導波路の製造工程を説明する模式図。
【図4】本発明の一実施形態である光導波路デバイスの一部を変形した構成を示す図。
【図5】本発明の一実施形態である周期分極反転構造を有する光導波路デバイスの構成を示す図。
【図6】本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの構成を示す図。
【図7】本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの製造工程を説明するフロー図。
【図8】本発明の他の一実施形態である光導波路の製造工程を説明する模式図。
【図9】本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの一部を変形した構成を示す図。
【図10】本発明の他の一実施形態である周期分極反転構造を有する光導波路デバイスの構成を示す図。
【図11】本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの構成を示す図。
【図12】本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの製造工程を説明するフロー図。
【図13】本発明の他の一実施形態である光導波路の製造工程を説明する模式図。
【図14】本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの一部を変形した構成を示す図。
【図15】本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの構成を示す図。
【図16】本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの製造工程を説明するフロー図。
【図17】本発明の他の一実施形態である光導波路の製造工程を説明する模式図。
【図18】本発明の他の一実施形態である光導波路デバイスの一部を変形した構成を示す図。
【符号の説明】
【0082】
10、20、30、40 光導波路デバイス
11 第一基体
12 第二基体
13 接着層
14 屈折率調整層
15 リッジ型構造
16 リッジ型構造形成面
17 薄片化処理面
31 第二基体(樹脂)
41 リッジ側屈折率調整層
42 裏側屈折率調整層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)強誘電体材料からなる第一基体に、リッジ型構造形成面を加工する工程、
(b)第一基体材料より屈折率の小さい材料が第一基体のリッジ型構造形成面と接するようにして、第一基体のリッジ型構造形成面側に固着される第二基体を設ける工程、
(c)第一基体のリッジ型構造形成面とは反対側である裏面を薄片化処理して、薄片化処理面を形成する工程、とからなる光導波路デバイスの製造方法。
【請求項2】
(b)工程で、第一基体のリッジ型構造形成面に対して、第一基体材料より屈折率の小さい接着剤からなる接着層を介して、第二基体が固着されることを特徴とする請求項1に記載の光導波路デバイスの製造方法。
【請求項3】
(b)工程で、第一基体材料より屈折率の小さい第二基体材料を用いて、直接、第一基体のリッジ型構造形成面に第二基体が固着されることを特徴とする請求項1に記載の光導波路デバイスの製造方法。
【請求項4】
(b)工程で、第一基体のリッジ型構造形成面に対して、第一基体材料より屈折率の小さいリッジ側屈折率調整層を形成し、さらに、リッジ側屈折率調整層に対し、直接あるいは接着層を介して第二基体が固着されることを特徴とする請求項1に記載の光導波路デバイスの製造方法。
【請求項5】
(c)工程の後に、(c1)薄片化処理面上で少なくともリッジ型構造の裏側部分を覆うようにして、第一基体材料よりも屈折率の小さい裏側屈折率調整層を形成する工程を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路デバイスの製造方法。
【請求項6】
(a)工程の後に、(a1)リッジ型構造部分に周期分極反転構造を形成する工程を含めることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光導波路デバイスの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の光導波路デバイス製造方法により形成されてなることを特徴とする光導波路デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−65046(P2006−65046A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248315(P2004−248315)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】