説明

光強度測定ユニット、及びそれを備えた顕微鏡

【課題】標本面の測定領域に照射される単位面積当たり光強度を正確に算出する技術を提供する。
【解決手段】顕微鏡から射出される光の強度を測定する光強度測定ユニット1は、開口絞り3と、視野絞り5と、開口絞り3と視野絞り5の間に配置される少なくとも1枚の測定レンズ4と、顕微鏡に装着するためのインターフェース部2aとを含んで構成される。開口絞り3は、少なくとも1枚の測定レンズ4の後側焦点面近傍に位置することで、対物レンズの瞳と同様に作用する。視野絞り5は、少なくとも1枚の測定レンズ4の前側焦点面近傍に位置することで、単位面積当たり光強度の算出に用いられる面積を確定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光強度測定ユニット、及びそれを備えた顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GFP(Green Fluorescent Protein)やYFP(Yellow Fluorescent Protein)などの蛍光蛋白質の実用化による観察対象の広がりもあり、生体観察の分野における蛍光観察の重要性は、ますます高まっている。
【0003】
生体標本を蛍光観察する場合には、生体標本に与えるダメージを可能な限り抑制することが重要であり、過剰な強度の励起光を照射することは望ましくない。また、観察の再現性や信頼性を確保するためには、標本に照射される単位面積当たりの励起光強度を認識する必要がある。
【0004】
このような要請に応えるために、顕微鏡の分野において、励起光や刺激光などの標本に照射される光強度(光量)を測定するさまざまな技術が提案されている。
特許文献1及び特許文献2では、レーザー光の光路中にビームスプリッタやハーフミラーなどの分岐光学素子を配置して、分岐光学素子に入射するレーザー光の一部を光検出器に導くことで、光検出器で検出されたレーザー光の光量から標本に照射されたレーザー光の光量を把握する技術が開示されている。
【0005】
特許文献3及び特許文献4では、ステージ上に置かれた光検出器により、対物レンズから射出された励起光強度を測定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−93988号公報
【特許文献2】特開2007−183111号公報
【特許文献3】特開2005−352146号公報
【特許文献4】特開2005−91701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2で開示される技術では、ビームスプリッタやハーフミラーから標本までの間での光量の損失は考慮されていない。このため、例えば、ビームスプリッタやハーフミラーから標本までの間の光学素子による照明光の吸収、瞳径の小さな対物レンズによるケラレなどが生じる場合には、標本に照射される光強度を正確に測定することはできない。
【0008】
また、特許文献3及び特許文献4に開示される技術では、光検出器を標本と同じ環境に置くことが光強度の正確な測定の前提となる。このため、液浸対物レンズを使用した観察の場合には、光検出器をオイルなどの浸液に浸す必要がある。しかしながら、光検出器は、通常、オイル等に浸した状態で使用することはできない。従って、浸液を除いた状態で光強度を測定せざるを得ず、浸液がある場合には射出されたであろう光の一部(具体的にはNAが1以上の光)が対物レンズから射出されないため、正確な光強度を測定することはできない。
【0009】
また、測定対象となる光が照射される標本面上の領域(以降、測定領域と記す)の面積を正確に把握することができない。
【0010】
このように、特許文献1から特許文献4に開示される技術では、標本に照射される光強度を正確に測定することはできない。
さらに、特許文献1から特許文献4で開示される技術では、光の全量が測定されるため、単位面積当たりの光強度を得るためには、測定領域の面積を正確に把握する必要がある。
【0011】
しかしながら、測定領域の面積を正確に把握するためには、測定領域に距離を測定するメモリを設けるなどする必要があり、その実現は容易でない。また、仮に正確な面積を算出できた場合であっても、標本に照射される全体の光強度(光量)が正確でないため、単位面積当たりの光強度も正確でない。
【0012】
以上のような実情を踏まえ、本発明では、標本面の測定領域に照射される単位面積当たりの光強度を正確に算出する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様は、顕微鏡から射出される光の強度を測定する光強度測定ユニットであって、開口絞りと、視野絞りと、開口絞りと視野絞りの間に配置される少なくとも1枚の測定レンズと、顕微鏡に装着するためのインターフェースと、を含み、開口絞りは、少なくとも1枚の測定レンズの後側焦点面近傍に位置し、視野絞りは、少なくとも1枚の測定レンズの前側焦点面近傍に位置する光強度測定ユニットを提供する。
【0014】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、光強度測定ユニットは、顕微鏡に含まれる光源ユニットと光強度測定ユニットとの間に顕微鏡に含まれる投光管が位置する位置で、顕微鏡に装着される光強度測定ユニットを提供する。
【0015】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、顕微鏡に装着されたときに、開口絞りは、顕微鏡に装着された対物レンズの後側焦点面と共役な面近傍に位置し、視野絞りは、対物レンズの前側焦点面と共役な面近傍に位置する光強度測定ユニットを提供する。
【0016】
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、開口絞りの径は、可変である光強度測定ユニットを提供する。
本発明の第5の態様は、第3の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、開口絞りは、異なる径を有する開口絞りと交換可能に配置される光強度測定ユニットを提供する。
【0017】
本発明の第6の態様は、第4の態様または第5の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、視野絞りの径は、可変である光強度測定ユニットを提供する。
本発明の第7の態様は、第4の態様または第5の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、視野絞りは、異なる径を有する視野絞りと交換可能に配置される光強度測定ユニットを提供する。
【0018】
本発明の第8の態様は、第6の態様または第7の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、φを視野絞りの径とし、Fを少なくとも1枚の測定レンズの総合焦点距離とするとき、以下の条件式1<F/φ<500を満たす光強度測定ユニットを提供する。
【0019】
本発明の第9の態様は、第1の態様乃至第8の態様のいずれか1つに記載の光強度測定ユニットにおいて、さらに、光の強度を測定する光検出器を含み、少なくとも1枚の測定用レンズと光検出器の間に、視野絞りが位置する光強度測定ユニットを提供する。
【0020】
本発明の第10の態様は、第9の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、さらに、光検出器で検出された光の強度を表示する表示装置を含む光強度測定ユニットを提供する。
本発明の第11の態様は、第9の態様または第10の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、さらに、光検出器で検出された光の強度を記録する記録装置を含む光強度測定ユニットを提供する。
【0021】
本発明の第12の態様は、第11の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、記録装置は、所定時間毎に、光検出器で検出された光の強度を記録する光強度測定ユニットを提供する。
【0022】
本発明の第13の態様は、第9の態様乃至第12の態様のいずれか1つに記載の光強度測定ユニットにおいて、さらに、開口絞りと視野絞りの少なくとも一方の径を制御する制御装置を含む光強度測定ユニットを提供する。
【0023】
本発明の第14の態様は、第13の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、制御装置は、開口絞りの径が対物レンズの瞳径と等しくなるように、開口絞りの径を制御する光強度測定ユニットを提供する。
【0024】
本発明の第15の態様は、第1の態様乃至第14の態様のいずれか1つに記載の光強度測定ユニットにおいて、光強度測定ユニットは、顕微鏡に含まれる対物レンズノーズピースに装着される光強度測定ユニットを提供する。
【0025】
本発明の第16の態様は、第1の態様乃至第14の態様のいずれか1つに記載の光強度測定ユニットにおいて、光強度測定ユニットは、顕微鏡に含まれる対物レンズノーズピースと光源ユニットとの間に配置されるミラーユニットターレットに装着される光強度測定ユニットを提供する。
【0026】
本発明の第17の態様は、第16の態様に記載の光強度測定ユニットにおいて、ミラーユニットターレットには、光源ユニットからの光を対物レンズノーズピースへ導く第1のミラーユニットと、光源ユニットからの光を光強度測定ユニットへ導く第2のミラーユニットと、が配置される光強度測定ユニットを提供する。
【0027】
本発明の第18の態様は、第1の態様乃至第14の態様のいずれか1つに記載の光強度測定ユニットにおいて、光強度測定ユニットは、顕微鏡に含まれる対物レンズノーズピースと光源ユニットとの間に配置されるミラーユニットに装着され、ミラーユニットは、光源ユニットからの光を分割して、分割された光の一方を対物レンズノーズピースへ導き、分割された光の他方を光強度測定ユニットへ導く光強度測定ユニットを提供する。
【0028】
本発明の第19の態様は、第1の態様乃至第14の態様のいずれか1つに記載の光強度測定ユニットにおいて、顕微鏡は、顕微鏡に含まれる対物レンズノーズピースと光源ユニットとの間に配置されるミラーユニットターレットを含み、光強度測定ユニットは、ミラーユニットターレットに配置されるミラーユニットと対物レンズノーズピースとの間に挿入されるミラーユニットに装着される光強度測定ユニットを提供する。
【0029】
本発明の第20の態様は、第1の態様乃至第14の態様のいずれか1つに記載の光強度測定ユニットにおいて、顕微鏡は、インターフェースと互換性のあるインターフェースを複数の位置に有する光強度測定ユニットを提供する。
【0030】
本発明の第21の態様は、第1の態様乃至第20の態様のいずれか1つに記載の光強度測定ユニットを含むことを特徴とする顕微鏡。
本発明の第22の態様は、対物レンズと、光強度測定ユニットと、を含み、光強度測定ユニットは、対物レンズの後側焦点面と共役な面近傍に配置される開口絞りと、対物レンズの前側焦点面と共役な面近傍に配置される視野絞りと、開口絞りと視野絞りの間に配置される少なくとも1枚の測定レンズと、を含み、開口絞りは、少なくとも1枚の測定レンズの後側焦点面近傍に位置し、視野絞りは、少なくとも1枚の測定レンズの前側焦点面近傍に位置することを特徴とする顕微鏡。
【0031】
本発明の第23の態様は、第22の態様に記載の顕微鏡に含まれる光強度測定ユニットを提供する。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、標本面の測定領域に照射される単位面積当たりの光強度を正確に算出する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】各実施例に係る光強度測定ユニットの基本構成を例示した図である。
【図2】実施例1に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
【図3】実施例2に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
【図4】実施例3に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
【図5】実施例4に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
【図6】実施例5に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
【図7】実施例6に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
【図8】実施例7に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、本発明の各実施例に係る光強度測定ユニットの基本構成を例示した図である。まず、図1を参照しながら、本発明の各実施例に係る光強度測定ユニットの基本構成について説明する。
【0035】
図1に例示される光強度測定ユニット1は、顕微鏡から射出される照明光、励起光、刺激光などの強度を測定する光強度測定ユニットであって、顕微鏡に装着されて使用されるものである。
【0036】
光強度測定ユニット1は、開口絞り3と、視野絞り5と、開口絞り3と視野絞り5との間に配置される測定レンズ4と、を含んでいる。さらに、光強度測定ユニット1は、光の強度を測定する光検出器6を含んでもよい。
【0037】
開口絞り3、測定レンズ4、及び視野絞り5は、筐体である光強度測定ユニット本体2に納められている。光強度測定ユニット本体2の一端には、顕微鏡に装着するためのインターフェース部2aが、他端には、光検出器6を保持するための不図示の保持機構が設けられている。なお、インターフェース部2a及び保持機構は、それぞれ、測定レンズ4に対して、開口絞り3側の端部、視野絞り5側の端部に設けられている。このため、光検出器6が保持機構に保持されている状態では、測定レンズ4と光検出器6の間に視野絞り5が位置することになる。
【0038】
光強度測定ユニット本体2内では、開口絞り3は、測定レンズ4の後側焦点位置FBを含む後側焦点面近傍に位置し、視野絞り5は、測定レンズ4の前側焦点位置FFを含む前側焦点面近傍に位置している。
【0039】
測定レンズ4は、少なくとも1枚のレンズで構成されていれば良く、開口絞り3及び視野絞り5と上記の位置関係を満たしている限り、任意に構成することができる。なお、図1では、説明を簡略化するために単レンズで構成された測定レンズ4が例示されている。
【0040】
開口絞り3は、その径を可変することができるように構成されてもよい。または、開口絞り3は、異なる径を有する別の開口絞りと交換可能に光強度測定ユニット本体2に配置されてもよい。同様に、視野絞り5は、その径を可変することができるように構成されてもよい。または、視野絞り5は、異なる径を有する別の視野絞りと交換可能に光強度測定ユニット本体2に配置されてもよい。
【0041】
光検出器6としては、例えば、フォトダイオードタイプの光検出器や、サーモパイルタイプの光検出器を使用することができるが、光検出器6は、特にこれらに限られず、任意の光検出器を使用することができる。また、光検出器6は、図1では光強度測定ユニット本体2の外部に取り付けられているが、光強度測定ユニット本体2内部に配置されてもよい。
【0042】
以上のように構成された光強度測定ユニット1は、開口絞り3が顕微鏡に装着された対物レンズの後側焦点面と共役な面近傍に位置し、且つ、視野絞り5が対物レンズの前側焦点面と共役な面近傍に位置するように、顕微鏡に装着される。
【0043】
なお、開口絞り3、視野絞り5は、それぞれ、測定レンズ4の後側焦点面近傍、前側焦点面近傍に配置されているため、開口絞り3が対物レンズの後側焦点面と共役な面近傍に位置すれば、視野絞り5は当然に対物レンズの前側焦点面と共役な面近傍に位置することになる。従って、実際には、光強度測定ユニット1は、開口絞り3が対物レンズの後側焦点面と共役な面近傍に位置するように顕微鏡に装着されればよい。
【0044】
また、開口絞り3を対物レンズの後側焦点面と共役な面近傍に配置するために、光強度測定ユニット本体2は、その全長、特に、インターフェース部2aから開口絞り3までの長さを伸縮させる構造を有していることが望ましい。
【0045】
以下、図1を参照しながら、顕微鏡に装着された光強度測定ユニット1の作用について具体的に説明する。
まず、開口絞り3には、観察時に対物レンズに入射する光と同等の条件の光が入射する。これは、開口絞り3が対物レンズの後側焦点面と共役な面近傍に配置されているためである。具体的には、開口絞り3には、主光線が測定レンズ4の後側焦点位置FBを通過する略平行光が入射する。このため、開口絞り3の径を対物レンズの瞳径と等しくなるように設定することで、観察時に対物レンズの瞳でケラレてしまうことにより測定領域に入射しない光を、測定時には開口絞り3により排除することができる。即ち、開口絞り3は、対物レンズの瞳と同等に機能する。
【0046】
開口絞り3を通過した光は、略平行光として測定レンズ4に入射するため、視野絞り5が配置されている測定レンズ4の前側焦点面近傍に集光する。なお、測定レンズ4の前側焦点面は、観察時における対物レンズの前側焦点面に相当する面であり、標本面に相当する。このため、視野絞り5の開口の面積に対応する視野数(測定レンズ4の倍率×視野絞り5の径、ただし、測定レンズ4の倍率は、対物レンズ倍率×対物レンズ焦点距離/測定レンズ焦点距離で求められる。)と、観察時の標本面の測定領域の面積に対応する視野数を一致するように視野絞り5の径を調整することで、測定領域外の光や、測定対象外となる回折光や迷光などの光を、視野絞り5により排除することができる。視野絞り5を通過した光は、その後、光検出器6により検出される。
【0047】
なお、視野絞り5を通過した光は発散光となるため、光検出器6は視野絞り5の近くに配置することが望ましい。視野絞り5の近くに配置するほど、小さな光検出器6で漏れなく光を検出することができるからである。
【0048】
以上、光強度測定ユニット1によれば、開口絞り3の径を対物レンズの瞳径に一致させて、さらに、視野絞り5の開口の面積に対応する視野数を測定領域の面積に対応する視野数に一致させることで、観察時に測定領域に照射される全光量と同等の光量を正確に測定することができる。また、光強度測定ユニット1によれば、測定された全光量を観察時の標本面の測定領域の面積で割ることで、観察時に標本面の測定領域に照射される単位面積当たりの光強度を正確且つ容易に算出することができる。
【0049】
なお、測定時の視野数と観察時の視野数が一致していることから、観察時の標本面の測定領域の面積は、視野絞り5の径と、測定レンズ4の焦点距離と、観察時における対物レンズの焦点距離と、から下記計算式によって求められる。ここで、Sは標本面の測定面積であり、φは視野絞り5の径であり、Fは測定レンズ4の焦点距離、Fobは観察時における対物レンズの焦点距離である。
S=π×(φ×Fob/F)
【0050】
なお、ケーラー照明が行われたとしても光源の配光分布や照明光学系内の開口蝕などによって、標本面の測定領域の強度分布は一様とは限らない。そのため、視野絞り5の開口の面積を可変にして測定領域中の一部の領域を測定対象としてもよい。これにより、局所的な測定領域における単位面積当たりの光強度を正確に算出することができる。また、この視野絞りはXY方向に移動可能であってもかまわない。
【0051】
具体的には、視野絞り5の径は、以下の条件式を満たすことが望ましい。ここで、φは視野絞り5の径であり、Fは測定レンズ4の焦点距離である。なお、測定レンズ4が複数のレンズから構成されている場合には、Fは測定レンズ4の総合焦点距離である。
1<F/φ<500 ・・・(1)
【0052】
光強度測定ユニット1は、条件式(1)を満たすことで、標本面の測定領域に照射される単位面積当たりの光強度を正確に算出することができる。
【0053】
条件式(1)の下限値を下回ると、即ち、測定レンズ4の焦点距離Fに対して視野絞り5の径が大きすぎると、視野絞り5の径が視野絞り5を通過する光の光束径に対して大きくなりすぎる。このため、単位面積当たりの光強度を算出する際に用いられる視野絞り5の開口の面積に光が通過しない部分の面積が含まれることになり、単位面積当たりの光強度の正確性が損なわれてしまう。
【0054】
一方、条件式(1)の上限値を上回ると、即ち、測定レンズ4の焦点距離Fに対して視野絞り5の径が小さすぎると、視野絞り5に入射した光が視野絞り5で回折を起してしまう。このため、視野絞り5の開口の面積に対応する光量を光検出器6で正しく検出することができず、算出される単位面積当たりの光強度の正確性が損なわれてしまう。
【0055】
以下、各実施例について、具体的に説明する。
【実施例1】
【0056】
図2は、本実施例に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。図2に例示される顕微鏡10は、倒立顕微鏡であり、光強度測定ユニット11と、光源12aを有する光源ユニット12と、投光管13と、照明光路と検出光路を合成するミラーユニット14と、対物レンズノーズピース15と、対物レンズ16と、接眼レンズ17とを含んでいる。なお、光強度測定ユニット11は、対物レンズノーズピース15に装着されている。ミラーユニット14としては、例えば、ダイクロイックミラーなどを用いることができる。
【0057】
本実施例に係る光強度測定ユニット11は、光強度測定ユニット本体2及び光検出器6に加えて、光検出器6で検出された光の強度を表示する表示装置7を含む点が、図1に例示される光強度測定ユニット1と異なっている。その他の構成は、図1に例示される光強度測定ユニット1と同様である。従って、同様の構成要素には、図1に例示される光強度測定ユニット1と同様の符号を付して、説明を省略する。
【0058】
なお、光強度測定ユニット11は、開口絞り3が対物レンズ16の後側焦点面(即ち瞳面)と共役な面近傍に位置するように配置されている。また、開口絞り3の径は、対物レンズ16の瞳径と一致するように設定されている。
【0059】
顕微鏡10の作用について説明する。
光源12aから射出された光は、不図示のコレクタレンズにより略平行光に変換されて、投光管13を介してミラーユニット14に入射する。ミラーユニット14に入射した光は、その後、ミラーユニット14を反射して、対物レンズノーズピース15に装着された光強度測定ユニット11に略平行光として入射する。光強度測定ユニット11に入射した光は、まず光強度測定ユニット本体2内の開口絞り3に入射する。
【0060】
上述したように、開口絞り3は、対物レンズ16の瞳面と共役な面近傍に配置されていて、且つ、その径は対物レンズ16の瞳径に一致している。このため、対物レンズ16を用いた標本観察時に、対物レンズ16の瞳でケラレてしまう光は、開口絞り3で排除される。
【0061】
開口絞り3を通過して測定レンズ4により集光された光は、視野絞り5を通過して光検出器6に入射する。光検出器6に入射した光は、光電変換により電気信号に変換されて、その光強度が表示装置7に表示される。
【0062】
観察者は、表示装置7に表示される光強度を、視野絞り5の径から算出される視野絞り5の開口の面積と測定レンズおよび観察時における対物レンズの焦点距離とから計算によって求められた観察時の標本面の測定領域の面積で割ることで、標本面の測定領域に照射される単位面積当たりの光強度を正確且つ容易に算出することができる。
【0063】
なお、視野絞り5の径は、上述した条件式(1)を満たすことが望ましい。これにより、局所的な測定領域の単位面積当たりの光強度をより良好な精度で算出することができる。
【0064】
以上、本実施例に係る光強度測定ユニット11または顕微鏡10によれば、観察時に標本面の測定領域に照射される単位面積当たりの光強度を正確に算出することができる。
【実施例2】
【0065】
図3は、本実施例に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。図3に例示される顕微鏡20は、光強度測定ユニット11の代わりに、光強度測定ユニット21を含む点が、図2に例示される顕微鏡10と異なっている。その他の構成は、図2に例示される顕微鏡10と同様である。従って、同様の構成要素には、図2に例示される顕微鏡10と同様の符号を付して、説明を省略する。
【0066】
本実施例に係る光強度測定ユニット21は、光強度測定ユニット本体2、光検出器6、及び表示装置7に加えて、光検出器6で検出された光の強度を記録する記録装置8を含む点が、実施例1に係る光強度測定ユニット11と異なっている。
【0067】
以上、本実施例に係る光強度測定ユニット21または顕微鏡20によっても、実施例1と同様に、観察時に標本面の測定領域に照射される単位面積当たりの光強度を正確に算出することができる。
【実施例3】
【0068】
図4は、本実施例に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。図4に例示される顕微鏡30は、光強度測定ユニット21の代わりに、光強度測定ユニット31を含む点が、図3に例示される顕微鏡20と異なっている。その他の構成は、図3に例示される顕微鏡20と同様である。従って、同様の構成要素には、図3に例示される顕微鏡20と同様の符号を付して、説明を省略する。
【0069】
本実施例に係る光強度測定ユニット31は、光強度測定ユニット本体2、光検出器6、表示装置7、及び記録装置8に加えて、開口絞り3と視野絞り5の少なくとも一方の径を制御する制御装置9を含む点が、実施例2に係る光強度測定ユニット21と異なっている。
【0070】
また、記録装置8には、使用可能な対物レンズの情報が予め入力されており、どの対物レンズを使うか検出、または入力し、その情報を基に開口絞りの径、視野絞りの径を算出して制御装置が制御するようにしても良い。
【0071】
具体的には、制御装置9は、開口絞り3の径が対物レンズ16の瞳径と等しくなるように、開口絞り3の径を制御する。これにより、光強度測定ユニット31を用いた測定時に、観察者が行う設定作業の負担を軽減することができる。
【0072】
また、制御装置9は、視野絞り5の径、記録装置8に記憶された光の強度、測定レンズの焦点距離、および観察時の対物レンズの焦点距離から、単位面積当たりの光強度を算出する演算装置として機能してもよく、算出結果を表示装置7及び記録装置8に送信してもよい。これにより、観察者は、視野絞り5の設定を意識することなく、標本面の測定領域に照射される単位面積当たりの光強度を容易に把握することができる。さらに、制御装置9は、上記算出結果に基づいて、光源12aのパワーを制御してもよい。これにより標本への過剰な光の照射を自動的に抑制することができる。
【0073】
なお、制御装置9が演算装置として機能する場合には、記録装置8には、対物レンズ16の透過率と測定レンズ4の透過率の情報が記録されていることが望ましい。制御装置9が記録装置8に記録されているこれらの透過率情報を考慮して単位面積当たりの光強度を算出することで、観察者はより正確な光強度を把握することができるからである。
【0074】
以上、本実施例に係る光強度測定ユニット31または顕微鏡30によっても、実施例2と同様に、観察時に標本面の測定領域に照射される単位面積当たりの光強度を正確に算出することができる。また、長時間にわたる観察における観察者の負担を軽減することができる点も、実施例2と同様である。
【0075】
さらに、本実施例に係る光強度測定ユニット31または顕微鏡30によれば、制御装置9により、開口絞り3と視野絞り5の径が制御されるため、測定前の光強度測定ユニット31の設定作業の負担を軽減することが可能であり、設定の誤りを抑制することもできる。このため、瞳径の異なる複数の対物レンズの各々で得られる光強度を算出する場合などに、特に好適である。
【0076】
また、本実施例に係る光強度測定ユニット31または顕微鏡30によれば、観察時に標本面の測定領域に照射される単位面積当たりの光強度の算出を自動化することができる。
【実施例4】
【0077】
図5は、本実施例に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
図5に例示される顕微鏡40は、ミラーユニット14の代わりにミラーユニット42を含む点、光強度測定ユニット41が対物レンズノーズピース15でなくミラーユニット42に装着される点が、図2から図4に例示される顕微鏡と異なっている。
【0078】
本実施例に係る光強度測定ユニット41においても、開口絞り3は、対物レンズ16の後側焦点面と共役な面近傍に配置されている。図5では、光強度測定ユニット41に含まれる開口絞り3を対物レンズ16の後側焦点面と共役な面近傍に配置するために光強度測定ユニット本体2の全長が調整された状態が示されている。
【0079】
なお、図5で例示される光強度測定ユニット41は、図1に例示される光強度測定ユニット1と同様の構成要素から構成されているが、特にこれに限られない。図2、図3、図4に例示される光強度測定ユニットと同様の構成要素から構成されても良い。
【0080】
ミラーユニット42は、ミラーユニット14と異なり、光源ユニット12からの光を分割して、分割された光の一方を対物レンズノーズピース15へ導き、分割された光の他方を光強度測定ユニット41へ導くように構成されている。ミラーユニット42としては、例えば、ハーフミラーなどを用いることができる。
【0081】
以上、本実施例に係る光強度測定ユニット41または顕微鏡40によっても、ミラーユニット42の透過率(反射率)の特性が既知であれば、実施例1から実施例3と同様の効果を得ることができる。光強度測定ユニット41が実施例3に係る光強度測定ユニット31と同様の構成要素から構成されている場合には、記録装置8には、ミラーユニット42の透過率(反射率)特性が記録されていることが望ましい。
【0082】
さらに、本実施例に係る光強度測定ユニット41または顕微鏡40によれば、ミラーユニット42により対物レンズ16と光強度測定ユニット41の両方に同時に光を導くことができるため、標本の観察と光強度の測定を同時に実施することができる。
【0083】
本実施例で示されるように、光強度測定ユニットの装着位置は、対物レンズノーズピース15に限られない。光強度測定ユニットに含まれる開口絞り3が対物レンズの後側焦点面と共役な面近傍に配置されていれば、任意の場所に配置することができる。
【0084】
ただし、対物レンズ16へ至る光路と光強度測定ユニットに至る光路とで、光路上に配置されている光学素子が大きく異なることは望ましくない。光路上の光学素子での光の吸収等により、対物レンズ16へ入射する光の強度と光強度測定ユニットへ入射する光の強度との間で差が生じてしまうからである。
【0085】
従って、光強度測定ユニットは、光源ユニット12と光強度測定ユニットとの間に投光管13が位置する位置で、顕微鏡に装着されることが望ましい。さらに、光強度測定ユニットは、光源ユニット12と光強度測定ユニットとの間に照明光路と検出光路を合成するミラーユニットが位置する位置で、顕微鏡に装着されることがより望ましい。ミラーユニットの光源側に配置される励起フィルタが、対物レンズ16へ至る光路と光強度測定ユニットに至る光路のいずれにも作用することになるからである。
【実施例5】
【0086】
図6は、本実施例に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
図6に例示される顕微鏡50は、ミラーユニット42の代わりにミラーユニットターレット52を含む点と、光強度測定ユニット51がミラーユニット42でなくミラーユニットターレット52に装着されている点が、図5に例示される顕微鏡40と異なっている。
【0087】
なお、図6は、顕微鏡50を正面(接眼レンズ17側)から見た図であり、ミラーユニットターレット52の背面に光源ユニット12及び投光管13が配置されている。
本実施例に係る光強度測定ユニット51の構成は、実施例4に係る光強度測定ユニット41と同様であり、開口絞り3が対物レンズ16の後側焦点面と共役な面近傍に配置されている点、図2、図3、図4に例示される光強度測定ユニットと同様の構成要素から構成されている点についても、同様である。
【0088】
ミラーユニットターレット52は、光源ユニット12からの光を対物レンズ16へ導くミラーユニット14(第1のミラーユニット)と、光源ユニット12からの光を光強度測定ユニット51へ導くミラーユニット53(第2のミラーユニット)とが配置されている。なお、ミラーユニット14は、実施例1から実施例3に例示されるミラーユニット14と同様である。ミラーユニット14及びミラーユニット53としては、例えば、ダイクロイックミラーなどを用いることができる。
【0089】
照明光路と検出光路を合成するミラーユニットは、図6に例示されるようなミラーユニットを切り換えるためのターレット上に配置されることが多いため、ターレットに光強度測定ユニットが装着されても良い。ただし、この場合、光強度の測定精度を確保するためには、ミラーユニット14から対物レンズ16へ導かれる光とミラーユニット53から光強度測定ユニット51へ導かれる光とがほぼ同等の光量となることが必要である。
【0090】
従って、ミラーユニット14の反射率特性とミラーユニット53の透過率特性が略等しいことが望ましい。また、同様の理由から、例えば、励起フィルタなどのフィルタがミラーユニット14に含まれている場合には、ミラーユニット53にも同様の特性のフィルタが含まれることが望ましい。
【0091】
以上、本実施例に係る光強度測定ユニット51または顕微鏡50によっても、実施例1から実施例3と同様の効果を得ることができる。
【実施例6】
【0092】
図7は、本実施例に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
図7に例示される顕微鏡60は、ミラーユニットターレット52上に配置されたミラーユニット53の代わりに、ミラーユニット14と対物レンズ16の間に配置されたミラーユニット62を含む点と、光強度測定ユニット61がミラーユニットターレット52でなくミラーユニット62に装着されている点が、図6に例示される顕微鏡50と異なっている。
【0093】
なお、図7は、顕微鏡60を正面(接眼レンズ17側)から見た図であり、ミラーユニットターレット52の背面に光源ユニット12及び投光管13が配置されている。
本実施例に係る光強度測定ユニット61の構成は、実施例4及び実施例5に係る光強度測定ユニットと同様であり、開口絞り3が対物レンズ16の後側焦点面と共役な面近傍に配置されている点、図2、図3、図4に例示される光強度測定ユニットと同様の構成要素から構成されても良い点についても、同様である。
【0094】
以上、本実施例に係る光強度測定ユニット61または顕微鏡60によっても、実施例1から実施例3と同様の効果を得ることができる。
なお、光強度測定ユニットが装着される顕微鏡は、光強度測定ユニットのインターフェース部2aと互換性のあるインターフェースを複数の位置に有することが望ましい。例えば、顕微鏡は、実施例1から実施例6で示された光強度測定ユニットの装着位置のすべてにインターフェース部2aと互換性のあるインターフェースを有してもよい。
【0095】
さらに、本実施例に係る光強度測定ユニット61または顕微鏡60によれば、記録装置8を含む構成では、記録装置8により光検出器6で検出された光の強度が記録されるため、タイムラプス観察など長時間にわたる標本の経時的な変化を観察する場合に、観察者が顕微鏡40の付近に常駐する必要がない。このため、観察に要する観察者の負担を大幅に軽減することができる。
【0096】
なお、この場合、記録装置8は、ライムラプス観察の撮像時にのみ、光検出器6で検出された光の強度を記録すればよい。従って、記録装置8は、例えば、所定時間毎に、光検出器6で検出された光の強度を記録するように構成されていてもよい。
【実施例7】
【0097】
図8は、本実施例に係る光強度測定ユニットを含む顕微鏡の構成を例示した図である。
図8に例示される顕微鏡70は、光強度測定ユニット71を装着した正立顕微鏡である。上述した実施例1から実施例6では、光強度測定ユニットを装着する顕微鏡として倒立顕微鏡を例示したが、光強度測定ユニットを装着する顕微鏡は、倒立顕微鏡に限られず、正立顕微鏡であってもよい。
【0098】
なお、光強度測定ユニット71の構成は、実施例3に係る光強度測定ユニット31と同様である。また、顕微鏡70の構成は、正立顕微鏡として構成されている点を除いて、図4に例示される顕微鏡30と同様である。
【0099】
以上、本実施例に係る光強度測定ユニット71または顕微鏡70によっても、実施例3と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0100】
1、11、21、31、41、51、61、71・・・光強度測定ユニット、2・・・光強度測定ユニット本体、2a・・・インターフェース部、3・・・開口絞り、4・・・測定レンズ、5・・・視野絞り、6・・・光検出器、7・・・表示装置、8・・・記録装置、9・・・制御装置、10、20、30、40、50、60、70・・・顕微鏡、12・・・光源ユニット、12a・・・光源、13・・・投光管、14、42、53、62・・・ミラーユニット、15・・・対物レンズノーズピース、16・・・対物レンズ、17・・・接眼レンズ、52・・・ミラーユニットターレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡から射出される光の強度を測定する光強度測定ユニットであって、
開口絞りと、
視野絞りと、
前記開口絞りと前記視野絞りの間に配置される少なくとも1枚の測定レンズと、
前記顕微鏡に装着するためのインターフェースと、
を含み、
前記開口絞りは、前記少なくとも1枚の測定レンズの後側焦点面近傍に位置し
前記視野絞りは、前記少なくとも1枚の測定レンズの前側焦点面近傍に位置する
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記光強度測定ユニットは、前記顕微鏡に含まれる光源ユニットと前記光強度測定ユニットとの間に前記顕微鏡に含まれる投光管が位置する位置で、前記顕微鏡に装着される
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記顕微鏡に装着されたときに、
前記開口絞りは、前記顕微鏡に装着された対物レンズの後側焦点面と共役な面近傍に位置し、
前記視野絞りは、前記対物レンズの前側焦点面と共役な面近傍に位置する
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記開口絞りの径は、可変である
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項5】
請求項3に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記開口絞りは、異なる径を有する開口絞りと交換可能に配置される
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記視野絞りの径は、可変である
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項7】
請求項4または請求項5に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記視野絞りは、異なる径を有する視野絞りと交換可能に配置される
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の光強度測定ユニットにおいて、
φを前記視野絞りの径とし、Fを前記少なくとも1枚の測定レンズの総合焦点距離とするとき、以下の条件式
1<F/φ<500
を満たすことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の光強度測定ユニットにおいて、さらに、
光の強度を測定する光検出器を含み、
前記少なくとも1枚の測定用レンズと前記光検出器の間に、前記視野絞りが位置する
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項10】
請求項9に記載の光強度測定ユニットにおいて、さらに、
前記光検出器で検出された光の強度を表示する表示装置を含む
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の光強度測定ユニットにおいて、さらに、
前記光検出器で検出された光の強度を記録する記録装置を含む
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項12】
請求項11に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記記録装置は、所定時間毎に、前記光検出器で検出された光の強度を記録する
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の高強度測定ユニットにおいて、さらに、
前記開口絞りと前記視野絞りの少なくとも一方の径を制御する制御装置を含む
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項14】
請求項13に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記制御装置は、前記開口絞りの径が前記対物レンズの瞳径と等しくなるように、前記開口絞りの径を制御する
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記光強度測定ユニットは、前記顕微鏡に含まれる対物レンズノーズピースに装着される
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項16】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記光強度測定ユニットは、前記顕微鏡に含まれる対物レンズノーズピースと前記光源ユニットとの間に配置されるミラーユニットターレットに装着される
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項17】
請求項16に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記ミラーユニットターレットには、
前記光源ユニットからの光を前記対物レンズノーズピースへ導く第1のミラーユニットと、
前記光源ユニットからの光を前記光強度測定ユニットへ導く第2のミラーユニットと、が配置される
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項18】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記光強度測定ユニットは、前記顕微鏡に含まれる対物レンズノーズピースと前記光源ユニットとの間に配置されるミラーユニットに装着され、
前記ミラーユニットは、前記光源ユニットからの光を分割して、分割された光の一方を前記対物レンズノーズピースへ導き、分割された光の他方を前記光強度測定ユニットへ導く
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項19】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記顕微鏡は、前記顕微鏡に含まれる対物レンズノーズピースと前記光源ユニットとの間に配置されるミラーユニットターレットを含み、
前記光強度測定ユニットは、前記ミラーユニットターレットに配置されるミラーユニットと前記対物レンズノーズピースとの間に挿入されるミラーユニットに装着される
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項20】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光強度測定ユニットにおいて、
前記顕微鏡は、前記インターフェースと互換性のあるインターフェースを複数の位置に有する
ことを特徴とする光強度測定ユニット。
【請求項21】
請求項1乃至請求項20のいずれか1項に記載の光強度測定ユニットを含む
ことを特徴とする顕微鏡。
【請求項22】
対物レンズと、
光強度測定ユニットと、を含み、
前記光強度測定ユニットは、
前記対物レンズの後側焦点面と共役な面近傍に配置される開口絞りと、
前記対物レンズの前側焦点面と共役な面近傍に配置される視野絞りと、
前記開口絞りと前記視野絞りの間に配置される少なくとも1枚の測定レンズと、を含み、
前記開口絞りは、前記少なくとも1枚の測定レンズの後側焦点面近傍に位置し、
前記視野絞りは、前記少なくとも1枚の測定レンズの前側焦点面近傍に位置する
ことを特徴とする顕微鏡。
【請求項23】
請求項22に記載の顕微鏡に含まれることを特徴とする前記光強度測定ユニット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−113188(P2012−113188A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263184(P2010−263184)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】