説明

光活性組成物中の発色団含有有機分子の電子的励起をクエンチする方法

【課題】
【解決手段】 UV吸収分子からの電子的励起状態エネルギー(特に、一重項状態エネルギー)の光安定化は、化学式(I)および(V)のα−シアノジフェニルアクリル酸化合物に容易に移動する(によって受け入れられる)ことが、分かっている。前記α−シアノジフェニルアクリル酸化合物はアルコキシラジカルを有し、前記アルコキシラジカルは好適には、前記フェニル環の1つまたは両方の上の4(パラ)位置(本明細書中以下メトキシクリレン)にある。(I)ここで、R1およびR2のうちの少なくとも1つは直鎖または分枝鎖C1−C12アルコキシラジカル、好適にはC1−C8、より好適にはC1−C4、および最も好適にはメトキシであり、任意の非アルコキシラジカルR1またはR2は水素であり、R3は直鎖または分枝鎖C1−C2,4アルキルラジカル、好適にはC12−C2,4、より好適にはC20(II)であり、AおよびBは同一であるかまたは異なり、酸素、アミノおよび硫黄からなる群から選択され、R1およびR3は同一であるかまたは異なり、C1−C3Oアルキル、C2−C30アルキレン、C2−C30アルキン、C3−C8シクロアルキル、C1−C3O置換アルキレン、C2−C30置換アルキン、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロアリールおよび置換ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、R2は、C1−C30アルキル、C2−C30アルキレン、C230アルキン、C3−C8シクロアルキル、C1−C30置換アルキル、C3−C8置換シクロアルキル、C1−C30置換アルキレン、C2−C30置換アルキンからなる群から選択され、R4、R5、R6およびR7は同一であるかまたは異なり、分岐上のC1−C30アルコキシ直鎖からなる群から選択され、a、b、cおよびdはそれぞれ、0または1のいずれかであり、a、b、cおよびdは合計で1、2、3、または4である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光活性組成物中の発色団含有UV吸収有機分子の電子的励起状態(単数または複数)をクエンチする方法に関する。より詳細には、アルコキシラジカル(好適には、(双方のフェニル環上に交互にある)フェニル環のうちの1つの上のもの)を有するα−シアノ−β,βジフェニルアクリル酸(クリレン)は、励起状態エネルギー(一重項および時には三重項状態)を受け入れることにより発色団の励起状態をクエンチし、これにより前記UV吸収分子をその基底状態へと戻し、これにより前記発色団が例えば紫外線(UV)光からより多くの光子を吸収できるようにし、これによりUV吸収発色団含有有機分子(特に、光活性組成物中のブチルメトキシジベンゾイルメタン(アヴォベンゾン)、メトキシケイ皮酸オクチル(オクチノキサート)、およびサリチル酸オクチル(オクチサレート))を光安定化させることが分かっている。
【背景技術】
【0002】
発色団含有有機分子によって紫外線光が吸収されると、発色団部分中の電子が励起して、初期に占有されている低エネルギー軌道から、以前は占有されていない軌道のより高いエネルギーへと変わる。前記吸収された光子のエネルギーにより、電子が活性化され、前記電子はより高いエネルギー軌道に「ジャンプ」する(Turro、Modern Molecular Photochemistry、1991を参照)。2個の励起電子状態は、UV光吸収によって生成される電子軌道構成から導出される。1つの状態においては、電子スピンが対をなし(逆平行)、他方の状態においては、電子スピンは不対化される(平行)。対を成したスピン状態ではスピン磁気モーメントは発生しないが、不対スピンの状態ではネットスピン磁気モーメントが発生する。対を成したスピン状態は、磁界の存在下で単一状態のままであり、これは一重項状態と呼ばれる。不対スピンの状態は磁界と相互作用して3つの量子化状態に分裂し、これは三重項状態と呼ばれる。
【0003】
このような電子的励起状態において、発色団含有有機分子は、多数の公知の経路を介して劣化し易く、そのため、これ以上UV光をほとんどあるいは全く吸収できなくなる。十分なUV保護を得るために、電子的に励起された発色団含有有機分子を光安定化するために、前記発色団含有有機分子がそのUV吸収能力に対して破壊的な光化学反応を受ける前に、前記発色団含有有機分子を基底状態に戻す必要がある。公知の光安定化日焼け止め添加剤がある(例えば、本譲受人の米国特許第6113931号、6284916号、6518451号、および6551605号(これら全てをここに参考のため援用する)のオクトクリレン、メチルベンジリデンカンファー、およびナフタレンジカルボン酸のエステルまたはポリエステル)。これらは、励起三重項状態エネルギーをクエンチすることができる。驚くべきことに、アルコキシクリレン(特にメトキシクリレン)は、発色団含有有機分子(特に、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(アヴォベンゾン)、メトキシケイ皮酸オクチル(オクチノキサート)およびサリチル酸オクチル(オクチサレート))を、電子励起一重項状態および励起三重項状態からその基底状態へと戻し、これにより前記UV吸収有機分子を光安定化させることが分かっている。
【0004】
Deflandreの米国第5576354号は、主にα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸を少なくとも1重量%含む化粧品用日焼け止め組成物を開示している。α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸は、ジベンゾイルメタン誘導体(例えば、Parsol1789(アヴォベンゾン))を光安定化させる(ただし、前記組成物が脂肪相(例えば、グリセロールステアレート、ミリスチン酸イソプロピル等)を含み、かつ、前記ジベンゾイルメタン誘導体に対する前記α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸のモ
ル比が少なくとも0.8である場合)。前記’354特許において好適でありかつ例中に開示されている化合物はオクトクリレンであり、オクトクリレンは、アルコキシラジカル(単数または複数)(UVINULN539);β,β−bis(4−メトキシフェニル)アクリレート(シアノラジカルは含まない);および前記α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸(これらは、アルコキシラジカル(単数または複数)を含まない)を含まない。
【0005】
本譲受人の係属中の出願(シリアル番号10/241388号、10/361223号および10/7865793号)中に記載されているように、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸化合物(例えば、オクトクリレン)は、励起光活性化合物の励起三重項状態エネルギーを、高速異性化の形態で前記エネルギーを動力学的に散逸させることによりクエンチする(受け入れる)ことが知られている。このプロセスを以下に示す。


前記α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸化合物(構造Aとして上記に示すオクトクリレン)は、光活性化合物からの三重項励起状態エネルギーを受け入れ、前記アクリレートのαおよびβ位置においてジラジカル(上記において構造A*として示す)を形成し、その結果二重結合が単一結合に変換され、フェニル基の自由回転が可能となる。この回転は高速に発生し、前記光活性化合物からの前記α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸化合物によって受け入れられた、励起三重項状態エネルギーを全て効率的に散逸させる。
【0006】
オクトクリレンは光活性化合物からの三重項励起状態エネルギーをクエンチする(受け入れる)ことで、ジベンゾイルメタン誘導体をある程度まで光安定化させる(Deflandreらの米国特許第5576354号の例1、4、6および8に示すような、ここに参考のため援用する)が、光活性組成物の分野において、光活性化合物からの一重項励起状態エネルギーをそして好適には三重項励起状態エネルギーもクエンチする(受け入れる)1つ以上の化合物を発見する必要が存在している。これは、オクトクリレンでは不可能である。
【0007】
極めて驚くべきことに、アルコキシ置換α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸(アルコキシクリレン)は、UV吸収化合物と比較してローディングが極めて低い場合でも、UV吸収有機分子(例えば、米国特許第5576354号のジベンゾイルメタン誘導体)の電子励起一重項状態エネルギーをクエンチすることが分かっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6113931号
【特許文献2】米国特許第6284916号
【特許文献3】米国特許第6518451号
【特許文献4】米国特許第6551605号
【特許文献5】米国特許第5576354号
【発明の概要】
【0009】
(要旨)
電子的励起状態エネルギー(特に、UV吸収分子からの一重項状態エネルギー)の光安定化は、化学式(I)を有するフェニル環のうちの1つまたは両方の上の4(パラ)位置にあるアルコキシラジカル(本明細書中以下「アルコキシクリレン」)を有するα−シアノジフェニルアクリル酸化合物に容易に移動される(によって受け入れられる)ことが分かっている。


式中、R1およびR2のうちの1つまたは両方は、直鎖または分枝鎖C1−C30アルコキシラジカル(好適にはC1−C8、より好適にはメトキシ)であり、任意の非アルコキシラジカルR1またはR2は水素であり、R3は直鎖または分枝鎖C1−C30アルキルラジカル(好適にはC2−C20)である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、例1〜3の日焼け止め組成物(35MEDのUV放射により照射)の光安定性を示すグラフである。これらの日焼け止め組成物は、4.5%のオクチルドデシルメトキシクリレン(C2OMC)および2.75%のオクトクリレン(OC)によって得られる。これらの日焼け止め組成物は、UV照射前の光安定性および光安定化剤を含まない組成物と比較されている。
【図2】図2は、35MEDのUV放射の照射前後の例4の日焼け止め組成物の光安定性を示すグラフである。
【図3】図3は、35MEDのUV放射の照射前後の例5の日焼け止め組成物の光安定性を示すグラフである。
【図4】図4は、35MEDのUV放射の照射前後の例6の日焼け止め組成物の光安定性を示すグラフである。
【図5】図5は、35MEDのUV放射の照射前後の例7の日焼け止め組成物の光安定性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(好適な実施形態の詳細な説明)
本明細書中、範囲については、「約」または「およそ」の1つの特定の値からおよび/または「約」または「およそ」の別の特定の値へとして表され得る。このような範囲が表される場合、別の実施形態は、前記1つの特定の値からおよび/または他方の特定の値への範囲を含む。同様に、値を「約」という先行詞によって近似として表す場合、その特定の値は別の実施形態を形成することが理解される。
【0012】
本明細書中、「アルコキシ」という用語は、化学式O−Rを有するフェニル環の1つまたは両方のパラ配位から延びたラジカルを指す。ここで、Rは、1〜30個の炭素原子を有するアルキルラジカルの直鎖または分枝鎖であり、好適にはR=C1〜C8であり、より好適にはC2−C20であり、最も好適には−O−CH3(メトキシ)である。アルコキシラジカルの酸素原子は、好適には化学式(II)または(III)を有するフェニル環の1つまたは両方(好適にはフェニルのうちの1つのみ)のパラ炭素原子に共有結合する。


式中、R3は、上記において定義した通りである。
【0013】
「クリレン」という用語は、本明細書中用いられるように、α−シアノ−β,β−ジフェニルプロパン酸エステルを含む発色部分を指す。
【0014】
「シアノ」という用語は、本明細書中用いられるように、−C=N基(「−CN」とも示す)を指す。
【0015】
光活性組成物(例えば、日焼け止め組成物)は一般的には、化粧品用として受け入れることが可能なキャリア中のUV−AおよびUV−B光活性化合物を含み、必要に応じて添加剤(例えば、皮膚軟化剤、安定剤、乳化剤およびその組み合わせ)を含む。これらの添加剤を用いて、1つ以上の光活性化合物を含む組成物および1つ以上の有機溶媒および水を含む溶媒または溶媒の組み合わせとからエマルジョン(水中油型または油中水型)形態のUVフィルタ組成物を調製することができる。出来上がり時において、前記エマルジョンは好適には水中油型エマルジョンであり、その油相は主に前記UVフィルタ化合物(単数または複数)および1つ以上の有機溶媒の混合物から形成される。
【0016】
典型的な光活性組成物は、1つ以上の光活性化合物を含む。これらの光活性化合物において、光活性化合物(単数または複数)は、UV放射を吸収することで、基質(例えば、
ヒトの皮膚、樹脂、膜)をUV放射の有害な影響から保護するよう機能する。この吸収プロセスに起因して、光活性化合物は励起状態となる。前記励起状態は、前記光活性化合物の基底状態と比較したとき、励起電子エネルギー(例えば、一重項状態エネルギーまたは三重項状態エネルギー)が存在することによって特徴付けられる。光活性化合物が励起状態に達すると、前記励起光活性化合物がその過剰なエネルギー(例えば、一重項および/または三重項エネルギー)を散逸させることが可能な複数の経路が存在する。しかし、これらの経路のうちの多くは、前記光活性化合物がさらにUV放射を吸収する能力に対して悪影響を与える。本明細書中記載のアルコキシクリレン分子は、UV吸収剤(特にアヴォベンゾン、メトキシケイ皮酸オクチル(オクチノキサート)、およびサリチル酸オクチル(オクチサレート))からの電子的一重項励起状態エネルギーを受け入れる。アルコキシクリレンはまた、日焼け止め組成物中の他のUV吸収化合物をクエンチする電子的一重項状態エネルギーを提供するだけではなく、極めて効果的なUVA吸収剤でもある。本明細書中記載されるアルコキシクリレン分子は、オキシベンゾンなどの1つ以上のさらなる電子的一重項励起状態クエンチ化合物と組み合わされた場合、特に効果的である。本明細書中記載されるアルコキシクリレン分子を含む日焼け止め組成物がメトキシケイ皮酸オクチルおよびアヴォベンゾンと共に用いられた場合、特に驚くべき光安定化が達成される。
【0017】
光活性化合物は、光に対して光電的に反応するものである。本明細書中開示される組成物および光安定化方法において、光活性化合物は、UV放射に光電的に反応するものである。例えば、光活性化合物の光分解性によりUV放射に光電的に応答する光活性化合物含有組成物は全て、本明細書中に記載されるアルコキシクリレン分子を含むことにより、大きな恩恵を受ける。本明細書中記載されるアルコキシクリレンは、Shaath,Nadim,Encyclopedia of UV filters、c2007(ここに参考のため援用する)中に記載されている任意の単一のまたは組み合わされた光活性化合物と組み合わされると、有用な光安定化剤および/または光活性化合物となる。全てのUVフィルタはUV放射に露出されると電子的一重項励起状態となるため、光安定性は全てのUVフィルタにとって問題となる。
【0018】
以下のUVフィルタは、本明細書中記載されるアルコキシクリレン分子によって光安定化されると理論化され、以下のもの全てを含み(以下のうち任意の2つ以上の組み合わせを含む)、以下のカテゴリから(具体例と共に)選択された化合物を含む:p−アミノ安息香酸、その塩およびその誘導体(エチル、イソブチル、グリセリルエステル;p−ジメチルアミノ安息香酸);アントラニル酸塩(o−アミノ安息香酸エステル;メチル、メンチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、リナリル、テルピニル、およびシクロヘキセニルエステル);サリチル酸塩(オクチル、アミル、フェニル、ベンジル、メンチル(ホモサレート)、グリセリル、およびジプロピルエネグリコールエステル);ケイ皮酸誘導体(メンチルおよびベンジルエステル、アルファ−フェニルケイ皮酸ニトリル;ブチルシンナモイルピルベート);ジヒドロキシケイ皮酸誘導体(ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、メチルアセト−ウンベリフェロン);カンファー誘導体(3ベンジルイデン、4メチルベンジルイデン、ポリアクリルアミドメチルベンジルイデン、ベンザルコニウムメトサルフェート、ベンジルイデンカンファースルホン酸、およびテレフタリルイデンジカンフルスルホン酸);トリヒドロキシケイ皮酸誘導体(エスクレチン、メチルエスクレチン、ダフネチン、およびグルコシド、エスクリンおよびダフニン);炭化水素(ジフェニルブタジエン、スチルベン);ジベンザールアセトン;ベンザルアセトフェノン;ナフトールスルホネート(2−ナフトール−3,6−ジスルホンのナトリウム塩および2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸のナトリウム塩);ジヒドロキシ−ナフトエ酸およびその塩;o−およびp−ヒドロキシジフェニルジスルホネート;クマリン誘導体(7−ヒドロキシ、7−メチル、3−フェニル);ジアゾール(2−アセチル−3−ブロモインダゾール、フェニルベンゾオキサゾール、メチルナフトオキサゾール、多様なアリールベンゾチアゾール);キニーネ塩(重硫酸塩、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩、およびタ
ンニン酸塩);キノリン誘導体(8−ヒドロキシキノリン塩、2−フェニルキノリン);ヒドロキシ−またはメトキシ−置換ベンゾフェノン;尿酸誘導体;ビロ尿酸誘導体;タンニン酸およびその誘導体;ハイドロキノン;およびベンゾフェノン(オキシベンゾン、スリソベンゾン、ジオキシベンゾン、ベンゾレソルシノール、オクタベンゾン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エトクリレン、および4−イソプロピルジベンゾイルメタン)。
【0019】
以下のUVフィルタは、本明細書中記載されるアルコキシクリレン分子によって特に光安定化されるべきである:2−エチルヘキシルp−メトキシケイ皮酸、4,4’−t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルジメチルp−アミノ安息香酸エステル、ジガロイルトリオレエート、エチル4−[bis(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エステル、2−エチルヘキシルサリチル酸塩、グリセロールp−アミノ安息香酸エステル、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルサリチル酸塩、およびその組み合わせ。
【0020】
本明細書中開示される光活性組成物は、多様な光活性化合物を含み得、好適には1つ以上のUV−A光活性化合物および1つ以上のUV−B光活性化合物を含み得る。好適には、日焼け止め組成物は、P−アミノ安息香酸および塩およびその誘導体;アントラニル酸塩およびその誘導体;ジベンゾイルメタンおよびその誘導体;サリチル酸塩およびその誘導体;ケイ皮酸およびその誘導体;ジヒドロキシケイ皮酸およびその誘導体;カンファーおよび塩およびその誘導体;トリヒドロキシケイ皮酸およびその誘導体;ジベンザールアセトンナフトールスルホネートおよび塩およびその誘導体;ベンザルアセトフェノンナフトールスルホネートおよび塩およびその誘導体;ジヒドロキシ−ナフトエ酸およびその塩;o−ヒドロキシジフェニルジスルホネートおよび塩およびその誘導体;p−ヒドロキシジフェニルジスルホネートおよび塩およびその誘導体;クマリンおよびその誘導体;ジアゾール誘導体;キニーネ誘導体およびその塩;キノリン誘導体;尿酸誘導体;ビロ尿酸誘導体;タンニン酸およびその誘導体;ハイドロキノン;ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシル安息香酸エステルおよび塩およびその誘導体;および上記の組み合わせからなる群から選択された光活性化合物を含む。
【0021】
UVA放射(約320nm〜約400nm)は、皮膚(特に色白の皮膚または敏感な皮膚)へのダメージを引き起こす一因として認識されている。本明細書中開示される日焼け止め組成物は好適には、UV−A光活性化合物を含む。好適には、本明細書中開示される日焼け止め組成物は、ジベンゾイルメタン誘導体UV−A光活性化合物を含む。好適なジベンゾイルメタン誘導体を挙げると、2−メチルジベンゾイルメタン;4−メチルジベンゾイルメタン;4−イソプロピルジベンゾイルメタン;4−tert−ブチルジベンゾイルメタン;2,4−ジメチルジベンゾイルメタン;2,5−ジメチルジベンゾイルメタン;4,4’−ジイソプロピルジベンゾイルメタン;4,4’−ジメトキシジベンゾイルメタン;4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン;2−メチル−5−イソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン;2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン;2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン;2、6−ジメチル−4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、およびその組み合わせがある。
【0022】
米国において市販されている製品の場合、好適な化粧品用として受け入れることが可能な光活性化合物および濃度(これは、化粧品用日焼け止め組成物全量に対する重量パーセントとして報告される)を以下に挙げる:アミノ安息香酸(パラアミノ安息香酸およびPABAとも呼ばれる;15%以下)、アヴォベンゾン(ブチルメトキシジベンゾイルメタンとも呼ばれる;3%以下)、シノキサート(2エトキシエチルpメトキシケイ皮酸とも呼ばれる;3%以下)、ジオキシベンゾン(ベンゾフェノン8とも呼ばれる;3%以下)、ホモサレート((3,3,5−トリメチルシクロヘキシルサリチル酸塩とも呼ばれる、
15%以下)、メンチルアントラニル酸塩(メンチル2アミノ安息香酸エステルとも呼ばれる;5%以下)、オクトクリレン(2エチルヘキシル2シアノ3,3ジフェニルアクリル酸とも呼ばれる;10%以下)、メトキシケイ皮酸オクチル(7.5%以下)、サリチル酸オクチル(2エチルヘキシルサリチル酸塩とも呼ばれる;5%以下)、オキシベンゾン(ベンゾフェノン3とも呼ばれる;6%以下)、パジマートO(オクチルジメチルPABAとも呼ばれる;8%以下)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(水溶性;4%以下)、スリソベンゾン(ベンゾフェノン4とも呼ばれる;10%以下)、二酸化チタン(25%以下)、トロラミンサリチル酸塩(トリエタノールアミンサリチル酸塩とも呼ばれる;12%以下)、および酸化亜鉛(25%以下)。
【0023】
他の好適な化粧品用として受け入れることが可能な光活性化合物および好適な濃度(化粧品用日焼け止め組成物全量に対する重量パーセント)を挙げると、ジエタノールアミンメトキシケイ皮酸(10%以下)、エチル−[bis(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エステル(5%以下)、グリセリルアミノ安息香酸エステル(3%以下)、4イソプロピルジベンゾイルメタン(5%以下)、4メチルベンジルイデンカンファー(6%以下)、テレフタリルイデンジカンフルスルホン酸(10%以下)、およびスリソベンゾン(ベンゾフェノン4とも呼ばれる、10%以下)がある。
【0024】
欧州連合において市販されている製品の場合、好適な化粧品用として受け入れることが可能な光活性化合物および好適な濃度(これは、化粧品用日焼け止め組成物全量に対する重量パーセントとして報告される)を以下に挙げる:PABA(5%以下)、カンファーベンザルコニウムメトサルフェート(6%以下)、ホモサレート(10%以下)、ベンゾフェノン3(10%以下)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(8%以下、酸として表される)、テレフタルイデンジカンフルスルホン酸(10%以下、酸として表される)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(5%以下)、ベンジルイデンカンファースルホン酸(6%以下、酸として表される)、オクトクリレン(10%以下、酸として表される)、ポリアクリルアミドメチルベンジルイデンカンファー(6%以下)、エチルヘキシルメトキシケイ皮酸(10%以下)、PEG25PABA(10%以下)、イソアミルpメトキシケイ皮酸(10%以下)、エチルヘキシルトリアゾン(5%以下)、ドロメトリゾールトリシロキサン(15%以下)、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(10%以下)、4メチルベンジルイデンカンファー(4%以下)、3ベンジルイデンカンファー(2%以下)、エチルヘキシルサリチル酸塩(5%以下)、エチルヘキシルジメチルPABA(8%以下)、ベンゾフェノン4(5%、酸として表される)、メチレンbisベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(10%以下)、2ナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸塩(10%以下、酸として表される)、bisエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン(10%以下)、メチレンbisベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(10%以下、TINOSORB Mまたはビソクトリゾールとも呼ばれる)、bisエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(10%以下、TINOSORB Sまたはベモトリジノールとも呼ばれる)。
【0025】
上記したUVフィルタは全て、市販されている。例えば、適切な市販されている有機UVフィルタの商標名および供給業者を以下の表I中に示す。

(表I)

【0026】
本出願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6485713号および6537529号(本明細書中、同文献の開示内容を参考のため援用する)において、(例えば組成物の油相への極性溶媒の付加により)日焼け止め組成物中の光活性化合物の光安定性を増加させ
る組成物および方法についての記載がある。本明細書中記載されるアルコキシクリレン(例えば、メトキシクリレン)を含む日焼け止め組成物の油相の極性を増加させることにより、当該日焼け止め組成物の安定性は、オクトクリレンと比較して、驚くほど増加する。本明細書中開示される日焼け止め組成物において、好適には、1つ以上の極性の高い溶媒が組成物の油相中に存在する。好適には、十分な量の極性溶媒を前記日焼け止め組成物中に存在させて、前記組成物の油相の誘電率を少なくとも約7(好適には少なくとも約8)まで上昇させる。油相中に極性の高い溶媒が有る場合も無い場合も、本明細書中に記載のメトキシクリレン分子は、オクトクリレンと比較して予期しないほどの光安定性を示す。
【0027】
光活性化合物が安定しているとみなすことができるのは、例えば、30MED照射後に当該光活性化合物が、対象となる波長または波長範囲(例えば、光活性化合物がピーク吸光度(例えば、アヴォベンゾンの場合は350〜370nm)を持つ波長)においてその元々の吸光度のうち少なくとも約90%を保持している状態を指す。同様に、日焼け止め組成物は、複数の光活性化合物を含み得、日焼け止め組成物は、以下の場合において、全体として安定しているとみなすことができる。すなわち、例えば、30MED照射後に当該日焼け止め組成物がその1つ以上の対象波長において(例えば、主要光活性化合物のピーク吸光度波長またはその近隣において)元々の吸光度のうちの少なくとも約90%を保持している場合、当該組成物が安定しているとみなすことができる。
【0028】
1つの重要な実施形態によれば、化学式(I)のアルコキシクリレンは、日焼け止めまたは皮膚用処方中において水溶性UVフィルタ化合物および/または広帯域フィルタ化合物と共に組み合わされ、必要に応じてそして好適には、ジベンゾイルメタン誘導体および/またはジアルキルナフタレートと共に用いられる。
【0029】
本発明の目的のための有利な水溶性UVフィルタ物質はスルホン化UVフィルタであり、詳細には以下のものである。
フェニレン−1,4−bis(2−ベンゾイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸。これは、以下の構造と、


その塩(特に、対応するナトリウム、カリウムまたはトリエタノールアンモニウム塩、詳細には、フェニレン−1,4−bis(2−ベンゾイミダジル)−−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸bisナトリウム塩)


INCI名は、2ナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸塩(CAS
No.:180898−37−7)。これは、例えば、Haarmann&Reimerから商標名Neo Heliopan A Pとして入手可能である。
【0030】
本発明の目的のためのさらなる有利なスルホン化UVフィルタは、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸の塩(例えば、そのナトリウム、カリウムまたはそのトリエタノールアンモニウム塩およびスルホン酸そのもの)である。

【0031】
INCI名はフェニルベンズイミダゾールスルホン酸(CASNo.27503−81−7)であり、例えば、Merckからの商標名Eusolex232またはHaarmann&ReimerからのNeo Heliopan Hydroとして入手可能である。
【0032】
本発明の目的のためのさらなる有利な水溶性UV−Bおよび/または広帯域フィルタ物質として、例えば3−ベンジルイデンカンファーのスルホン酸誘導体(例えば、4−(2−オキソ−3−ボルニルイデンメチル)ベンゼン−スルホン酸、2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニルイデンメチル)スルホン酸およびその塩)がある。
【0033】
最終的な化粧品用または皮膚用の調製物における1つ以上の水溶性UVフィルタ物質の総量は有利には、各場合において調製物の総重量に基づいて、0.01重量%〜20重量%の範囲、好適には0.1〜10重量%の範囲から選択される。
【0034】
別の重要な実施形態によれば、化学式(I)のアルコキシクリレンは、日焼け止めまたは皮膚用処方においてヒドロキシベンゾフェノン化合物および/または広帯域フィルタ化合物と組み合わされ、必要に応じてそして好適には、ジベンゾイルメタン誘導体および/またはジアルキルナフタレートと共に用いられる。
【0035】
アルコキシクリレンの使用により、他のUV安定剤の使用(詳細には、エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸(オクトクリレン)または4−メチルベンジルイデンカンファーの使用)を不要にすることができる。
【0036】
ヒドロキシベンゾフェノンは、以下の構造化学式によって特徴付けられる。


式中、互いに独立したR1およびR2は、水素、C120−アルキル、C3−C10−シクロアルキルまたはC3−C10−シクロアルケニルであり、式中、置換基R1およびR2ならびに置換基R1およびR2が結合する窒素原子は、5環または6環を形成し得、R3はC1−C20アルキルラジカルである。
【0037】
特に有利なヒドロキシベンゾフェノンは、2−(4’−ジエチルアミノ−2’−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(またはアミノベンゾフェノン)であり、これは、以下の構造によって特徴付けられる。


また、これは、Uvinul A Plusの名称でBASFから入手可能である。
【0038】
本発明によれば、化粧品用または皮膚用の調製物は、0.1〜20重量%(有利には0.1〜15重量%、特別に好適には0.1〜10重量%)の1つ以上のヒドロキシベンゾフェノンを含む。
【0039】
本発明の範囲内において、R1および/またはR2が6〜10個の炭素原子を有する分岐アルキル基を表すジアルキルナフタレートが有利である。本発明の範囲内において、ジエチルヘキシルナフタレートが特別に好適であり、例えばCP Hallからの商標名Hallbrite TQ(登録商標)またはH&RからのCorapan TQ(登録商標)として入手可能である。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、化粧品用または皮膚用の調製物は有利には、1つ以上のジアルキルナフタレートを0.001〜30重量%、好適には0.01〜20重量%、特別に好適には0.5〜15重量%含む。
【0041】
本発明による化粧品用または皮膚用の遮光処方物は、通常通りに構成することができ、化粧品用または皮膚用の遮光に用いることができ、さらには皮膚および/または髪の治療、ケアおよびクレンジング用途にならびに美装目的の化粧品用の化粧品用生成物として用いることができる。
【0042】
別の重要な実施形態によれば、化学式(I)のアルコキシクリレンは、日焼け止めまたは皮膚用処方において、ベンゾトリアゾール誘導体化合物および/または広帯域フィルタ化合物と組み合わされ、必要に応じてそして好適には、ジベンゾイルメタン誘導体および/またはジアルキルナフタレートと共に用いられる。
【0043】
有利なベンゾトリアゾール誘導体は、2,2’−メチレンbis(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(l,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)であり、以下の化学構造の化学式を有する。

【0044】
(INCl:bisオクチルトリアゾール)。これは、CIBA−Chemikalien GmbHから商標名Tinosorb(登録商標)として入手可能であり、良好なUV吸収特性が際立っている。この物質の不利点は、触覚的に不快感を生じさせる、認識できないほど薄い膜を皮膚上に形成する特性である。
【0045】
別の不利点として、このようなベンゾトリアゾール誘導体は、従来の油成分中において、もしあれば、不適切な溶解度しか示さないという点がある。周知の溶媒は、これらの化合物の最大15重量%までしか溶解できず、これは、一般的には、完成した化粧品用または皮膚用の調製物中の溶解した(=活性の)フィルタ物質の約1〜1.5重量%の濃度に相当する。
【0046】
従って、先行技術の1つの不利点として、これらのフィルタ物質を用いた場合、一般的に比較的低い日焼け止め係数しか達成できない点がある。なぜならば、これらのフィルタ物質の処方中での溶解度または分散性が低すぎる(すなわち、これらのフィルタ物質をこのような処方と十分に均質混合させるのは困難か不可能である)からである。
【0047】
溶解度が限定されている場合に特定のUV保護を原則的に達成することができたとしても、別の問題(すなわち、再結晶化)が発生することが多い。
【0048】
特に、溶解度が低い物質の場合、比較的高速で再結晶する。このような再結晶化は、温度変動または他の影響によって誘発され得る。しかし、UVフィルタなどの調製物の実質的成分の再結晶化が制御できない場合、所与の調製物の特性に対して極めて不利な影響が発生し、特に所望の遮光に対して極めて不利な影響が発生する。
【0049】
別の実施形態によれば、本明細書中記載されるアルコキシクリレン含有組成物は、化学式(I)のアルコキシクリレンと組み合わされた場合、より多くの含量の非対称置換型のトリアジン誘導体を含むことができ、これにより高い日焼け止め係数を得ることができる。
【0050】
しかし、前記先行技術の不利点は遮光に効果的な活性成分の組み合わせにより改善され、これは、当業者にとって驚くべきことであり、また予測不可能でもある。この活性成分の組み合わせは、以下から構成される。
(a)ベンゾトリアゾール誘導体の群から選択された1つ以上のUVフィルタ物質、
(b)化学式(I)のアルコキシクリレン、および必要に応じて
(c)以下の構造化学式を有する1つ以上のジアルキルナフタレート。


1およびR2は、互いに独立しており、6〜2,4個の炭素原子を有する分岐および非分岐アルキル基の群から選択される。
【0051】
本発明のこの実施形態の目的のための特に有利な遮光フィルタを挙げると、以下の構造化学式を有するベンゾトリアゾール化合物がある。


式中、R1およびR2は、互いに独立しており、C5−C12−シクロアルキルまたはアリールラジカルの分岐または非分岐C1−C18−アルキルラジカルの群から選択される。C5−C12−シクロアルキルまたはアリールラジカルは、必要に応じて1つ以上のC1−C4アルキル基と置換される。
【0052】
好適なベンゾトリアゾール誘導体は、2,2’−メチレンbis(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(l,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)であり、以下の化学構造化学式によって特徴付けられる。

【0053】
本発明の目的のための有利な広帯域フィルタは、さらに、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチル−シリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]フェノール(CASNo.:155633−54−8)(INCl名はドロメトリゾールトリシロキサン)であり、以下の化学構造化学式によって特徴付けられる。

【0054】
1つ以上のベンゾトリアゾール誘導体(詳細には、2,2’−メチレンbis(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(l,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)および/または2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]フェノール)の最終化粧品用または皮膚用の調製物中における総量は、調製物の総重量に基づいて、有利には0.1〜15.0重量%、好適には0.5〜10.0重量%の範囲から選択される。
【0055】
本発明の化粧品用または皮膚用遮光処方は、従来の組成物を有し得、化粧品用または皮膚用遮光用途として、また、皮膚および/または髪の治療、ケアおよびクレンジング用途として、および美装目的の化粧品用におけるメークアップ製品として、用いることができる。
【0056】
使用時には、当該化粧品用および皮膚用調製物を十分な量で通常の化粧品と同様の様式で皮膚および/または髪に塗布する。
【0057】
本発明による化粧品用および皮膚用調製物は、化粧品用助剤(例えば、このような調製物において従来から用いられてきたもの)を含み得、そのようなものとして、例えば、防腐剤、殺菌剤、香料、消泡剤、染料、着色効果のある色素、増粘剤、湿潤剤および/または保湿剤、脂肪、油、ワックスまたは他の従来の化粧品用または皮膚用処方の構成物質(例えば、アルコール、ポリオール、ポリマー、泡安定剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体)がある。
【0058】
さらなる含量の酸化防止剤が一般的に好適である。本発明によれば、用いることが可能な好ましい酸化防止剤は、化粧品用および/または皮膚用用途において適切なまたは従来から用いられている任意の酸化防止剤である。
【0059】
酸化防止剤は、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド(例えば、D,L−カモシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびその誘導体(例えば、アンセリン))、カロテノイド、カロチン(例えば、.アルファ.−カロチン、.ベータ.−カロチン、リコピン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、.ガンマ.−リノレイル、コレステリルおよびそのグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオン酸、ジステアリルチオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)およびスルホキシミ
ン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオミンスルホキシミン)を極めて低い耐量(例えば、pmol〜.mu.mol/kg)で用いた物、ならびに(金属)キレート剤(例えば、.アルファ.−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、.アルファ.−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、胆緑素、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えば、.ガンマ.−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、Mgアスコルビン酸リン酸、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミチン酸)およびガムベンゾインのコニフェリル安息香酸エステル、レチノイン酸およびその誘導体、.アルファ.−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリルイデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロ−フェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレニウムおよびその誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)および本発明に従って適切な上記活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)からなる群から特に有利に選択される。
【0060】
別の重要な実施形態によれば、化学式(I)のアルコキシクリレンは、日焼け止めまたは皮膚用処方において親水性スキンケア活性成分および/または広帯域フィルタ化合物と組み合わされ、必要に応じてそして好適には、ジベンゾイルメタン誘導体と共に用いられる。
【0061】
本発明によるアルコキシクリレンと共に用いられると安定化される(個別に用いられるかまたは任意に相互に組み合わされる)有利な親水性活性成分を以下に挙げる。
ビオチン;カルニチンおよび誘導体;クレアチンおよび誘導体;葉酸;ピリドキシン;ナイアシンアミド;ポリフェノール(特にフラボノイド、とりわけアルファ−グルコシルルチン);アスコルビン酸および誘導体;マンサク;アロエベラ;パンテノール;アミノ酸。
【0062】
本発明の目的のために特に有利な親水性の活性成分として、例えばビタミンなどの水溶性酸化防止剤もある。
【0063】
調製物中の親水性活性成分量(1つ以上の化合物)は、前記調製物の総重量に基づいて、好適には0.0001〜10重量%、特に好適には0.001〜5重量%である。
【0064】
酸化防止剤を添加剤または活性成分として用いた場合、特に有利な調製物も得られる。本発明によれば、前記調製物は有利には、1つ以上の酸化防止剤を含む。好ましいがそれでも必要に応じて用いられる酸化防止剤として使用され得るものは、化粧品用および/または皮膚用用途において通常用いられるかまたは適切である全ての酸化防止剤がある。
【0065】
調製物中の酸化防止剤(1つ以上の化合物)の量は、当該調製物の総重量に基づいて、好適には0.001〜30重量%、特に好適には0.05〜20重量%、詳細には0.1〜10重量%である。
【0066】
ビタミンEおよび/またはその誘導体が酸化防止剤である場合、そのそれぞれの濃度を当該処方物の総重量に基づいて0.001〜10重量%の範囲から選択すると有利である

【0067】
ビタミンAまたはビタミンA誘導体、またはカロチンまたはその誘導体が酸化防止剤である場合、そのそれぞれの濃度を当該処方物の総重量に基づいて0.001〜10重量%の範囲から選択すると有利である。
【0068】
本発明による化粧品用調製物がさらなる化粧品用または皮膚用活性成分を含むと特に有利であり、好適な活性成分として、皮膚を酸化的ストレスから保護する酸化防止剤がある。
【0069】
有利なさらなる活性成分として、天然の活性成分および/またはその誘導体(例えば、ユビキノン、レチノイド、カロテノイド、クレアチン、タウリンおよび/または.ベータ.−アラニン)がある。
【0070】
本発明による処方は、例えば、公知の抗しわ活性成分(例えば、フラボングリコシド(詳細には、.アルファ.−グリコシルルチン)、コエンザイムQ10、ビタミンEおよび/または誘導体など)を含み、これらは、例えば皮膚老化(例えば、乾燥、荒れおよび乾燥しわの形成、かゆみ、(例えば洗浄後の)再脂肪化の低減、可視的血管拡張(毛細血管拡張性、キュペロシス)、弛緩およびしわ線の形成、局所的色素過剰、低色素沈着および異常色素沈着(例えば、染み)、機械的ストレスに対する感受性の増大(例えば、亀裂))などにおいて発生するような皮膚における美容観点または皮膚の変化の予防および治療のために特に有利に適している。さらに、これらは、有利なことに皮膚の乾燥または荒れの発生に対しても適している。
【0071】
さらに別の重要な実施形態によれば、化学式(I)のアルコキシクリレンは、日焼け止めまたは皮膚用処方中において粒状UVフィルタ物質および/または広帯域フィルタ化合物と組み合わされ、必要に応じてそして好適には、ジベンゾイルメタン誘導体および/またはジアルキルナフタレートと共に用いられる。
【0072】
本発明の目的のための好適な粒状UVフィルタ物質として、無機色素(特に、水中に若干可溶性または不溶性である金属酸化物および/または他の金属化合物)があり、特にチタン(TiO2)、亜鉛(ZnO)、鉄(例えば、Fe23)、ジルコニウム(ZrO2)、シリコン(SiO2)、マンガン(例えば、MnO)、アルミニウム(Al23)、セリウム(例えば、Ce23)、対応する金属の混合酸化物、およびこのような酸化物の混合物、およびバリウムの硫酸塩(BaSO4)がある。
【0073】
本発明の目的のための酸化亜鉛は、市販されている油性または水性プレディスパージョンの形態でも用いられ得る。本発明に従って適切な酸化亜鉛粒子および酸化亜鉛粒子のプレディスパージョンは、一次粒径が<300nmである点によって区別され、以下の商標名で以下表の企業から入手することができる。


【0074】
本発明の目的のために特に好適な酸化亜鉛は、BASFからのZ−CoteHPlおよびZ−CoteおよびHaarmann&Reimerからの酸化亜鉛NDMである。
【0075】
本発明の二酸化チタン色素は、ルチルおよびアナターゼ結晶変態の双方の形態であり得、本発明の目的のために有利には表面処理(「コート」)され、その意図は、例えば親水性、両親媒性または疎水性特性を形成または維持することである。この表面処理は、それ自体が公知のプロセスによって薄肉の親水性および/または疎水性の無機かつ/または有機層に色素を提供する工程からなる。本発明の目的のための多様な表面コーティングは、水も含む。
【0076】
本発明の目的のための無機表面コーティングは、酸化アルミニウム(Al.sub.2O.sub.3)、水酸化アルミニウムAl(OH).sub.3または酸化アルミニウム水和物(またはアルミナ、CASNo.:1333−84−2)、ナトリウムヘキサメタホスフェート(NaPO.sub.3).sub.6、メタリン酸ナトリウム(NaPO.sub.3).sub.n、二酸化ケイ素(SiO.sub.2)(またはシリカ、CASNo.:7631−86−9)、または酸化鉄(Fe.sub.2O.sub.3)からなり得る。これらの無機表面コーティングは、単独で、組み合わせて、かつ/または有機コーティング材料と組み合わせて用いてもよい。
【0077】
本発明の目的のための有機表面コーティングは、植物または動物アルミニウムステアレート、植物または動物ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン(またはジメチコーン)、メチルポリシロキサン(メチコーン)、シメチコン(ジメチルポリシロキサンと、平均鎖長が200〜350のジメチルシロキサン単位およびシリカゲルとの混合物)またはアルギン酸から成り得る。これらの有機表面コーティングは、単独で、組み合わせてかつ/または無機コーティング材料と組み合わせて用いられ得る。
【0078】
本発明のコートされた二酸化チタンおよびコートされていない二酸化チタンは、市販されている油性または水性プレディスパージョンの形態で用いられ得る。分散助剤および/または可溶性メディエーターを付加すると有利であり得る。
【0079】
本発明の目的のための適切な二酸化チタン粒子および二酸化チタン粒子のプレディスパージョンは、以下の商標名で以下表の企業から入手可能である。

【0080】
本発明の二酸化チタンは、一次粒径が10nm〜150nmである点によって、区別される。
【0081】
本発明の目的のために特に好適な二酸化チタンはTayca CorporationからのMT−100ZおよびMT−100TV、MerckからのEusolex T−2000およびDegussaからの二酸化チタンT805である。
【0082】
さらなる有利な色素は、ラテックス粒子である。本発明において有利なラテックス粒子について、以下の公開文献中に記載がある:米国特許第5,663,213号およびEP0761201号。特に有利なラテックス粒子としては、水およびスチレン/アクリレートコポリマーから形成されたものがあり、例えば「Alliance SunSphere」という商標名でRohm&Haasから入手可能である。
【0083】
本発明の目的のために有利な有機色素は、2,2’−メチレンbis(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(l,1,3,3−テトラメチルブチル−)フェノール)(INCI:bis−オクチルトリアゾール)であり、Tinosorb(登録商標)Mという商標名でCIBA−Chemikalien GmbHから入手可能である。
【0084】
既にプレディスパージョンの形態になっていない粒状UVフィルタ物質を先ず本発明の1つ以上のジアルキルナフタレート中に分散させて、この基本分散物をさらに処理すると、本発明の目的のために特に有利である。市販のプレディスパージョンには、化粧品用または皮膚用処方物の他の物質との不要な相互作用を持ち得る助剤が安定化のために通常付加される。しかし、驚くべきことに、本発明の基本分散物を調製する場合、このような安定剤の付加が不要になる。
【0085】
最終化粧品用または皮膚用調製物中の1つ以上の水溶性UVフィルタ物質の総量は、各場合において当該調製物の総重量に基づいて、有利には0.01重量%〜20重量%、好適には0.1〜10重量%から選択される。
【0086】
さらに別の重要な実施形態によれば、化学式(I)のアルコキシクリレンは、日焼け止めまたは皮膚用処方中において、非対称置換型トリアジンUVフィルタ化合物および/または広帯域フィルタ化合物と組み合わされ、必要に応じてそして好適には、ジベンゾイルメタン誘導体と共に用いられる。
【0087】
非対称置換型トリアジン誘導体は、良好な遮光効果を示す。しかし、その主な不利点として、その溶解度が従来の油成分中において低い点がある。周知の溶媒は、これらの化合物の最大15重量%までしか溶解できず、これは、一般的には、完成した化粧品用または皮膚用の調製物中の溶解した(=活性の)フィルタ物質の約1〜1.5重量%の濃度に相当する。
【0088】
従って、先行技術の1つの不利点として、これらのフィルタ物質を用いた場合、一般的に比較的低い日焼け止め係数しか達成できない点がある。なぜならば、これらのフィルタ物質の処方中での溶解度または分散性は低すぎる(すなわち、これらのフィルタ物質をこのような処方と十分に均質混合させるのは困難か不可能である)からである。
【0089】
溶解度が限定されている場合に特定のUV保護を達成することが原則的にできたとしても、別の問題(すなわち、再結晶化)が発生することが多い。特に、溶解度が低い物質の場合、比較的高速で再結晶する。このような再結晶化は、温度変動または他の影響によって誘発され得る。しかし、UVフィルタなどの調製物の実質的成分の再結晶化が制御できない場合、所与の調製物の特性に対して極めて不利な影響が発生し、特に所望の遮光に対して極めて不利な影響が発生する。
【0090】
本発明の目的は、より多くの含量の非対称置換型トリアジン誘導体およびそれに対応する高い日焼け止め係数によって区別される調製物を簡潔な様態で得ることであった。
【0091】
前記先行技術の不利点は、遮光に効果的な活性成分の組み合わせにより改善される。前記組み合わせは、以下から構成される。
(a)非対称置換型トリアジン誘導体の群から選択された1つ以上のUVフィルタ物質
(b)構造化学式(I)を有する1つ以上のアルコキシクリレン、および
(c)必要に応じてジベンゾイルメタン誘導体および/またはジアルキルナフタレート。
【0092】
本発明のこの実施形態の意図内の有利な非対称置換型s−トリアジン誘導体としては、例えばEP−A−570838中に記載されているものがあり、同文献の化学構造は、以下の一般化学式によって表される。


式中、Rは、分岐または非分岐C1−C18−アルキルラジカル、C5−C12−シクロアルキルラジカルであり、必要に応じて1つ以上のC1−C4−アルキル基と置換され、
Xは、酸素原子またはNH基であり、
1は、分岐または非分岐C1−C18−アルキルラジカル、C5−C12−シクロアルキルラジカルであり、必要に応じて1つ以上のC1−C4−アルキル基、または水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基または以下の化学式の基と置換される。


式中、Aは、分岐または非分岐C1−C18−アルキルラジカル、C5−C12−シクロアルキルまたはアリールラジカルであり、必要に応じて1つ以上のC1−C4−アルキル基と置換される。
3は、水素原子またはメチル基であり、
nは1〜10の数であり、
2は、分岐または非分岐C1−C18−アルキルラジカル、C5−C12−シクロアルキルラジカルであり、必要に応じて1つ以上のC1−C4−アルキル基と置換され、
Xが前記NH基で有る場合、
分岐または非分岐C1−C18−アルキルラジカル、C5−C12−シクロアルキルラジカルであり、必要に応じて、1つ以上のC1−C4−アルキル基、または水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基または以下の化学式の基と置換される。


式中、Aは、分岐または非分岐C1−C18−アルキルラジカル、C5−C12−シクロアルキルまたはアリールラジカルであり、1つ以上のC1−C4−アルキル基と必要に応じて置換され、
3は水素原子またはメチル基であり、
Xが酸素原子である場合、nは1〜10の数である。
【0093】
好適な形態のこのトリアジン実施形態において、前記組成物は日焼け止め用、化粧品用または皮膚用処方物であり、ある含量の少なくとも1つの非対称置換型s−トリアジンを含む。この非対称置換型s−トリアジンは、以下の構造化学式を有する物質の群から選択される。

【0094】
全てのbisレソルシノールトリアジンは、本発明の目的のためのこの実施形態のために有利である。R4およびR5は、1〜18個の炭素原子の分岐または非分岐アルキル基の群から選択されると特に有利である。アルキル基はここでも有利にはシリルオキシ基と置換され得る。
【0095】
1は、有利には、置換ホモ環状またはヘテロ環状芳香5員環または6員環である。
【0096】
以下の化合物がとりわけ有利である。


式中、R6は、水素原子または1〜10個の炭素原子を有する分岐または非分岐アルキル基であり、詳細には、2,4−bis{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(INCI:アニイソトリアジン)であり、これは、Tinosorb(登録商標)Sという商標名でCIBA−Chemikalien GmbHから入手可能であり、以下の構造によって特徴付けられる。

【0097】
他の有利点として、2,4−bis{[4−(3−スルホナート−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンナトリウム塩があり、これは以下の構造によって特徴付けられる。

【0098】
他の有利点として、2,4−bis{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンがあり、これは以下の構造によって特徴付けられる。

【0099】
他の有利点として、2,4−bis{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[4−(2−メトキシエトキシカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジンがあり、これは以下の構造によって特徴付けられる。

【0100】
他の有利点として、2,4−bis{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[4−(エトキシカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジンがあり、これは以下の構造によって特徴付けられる。

【0101】
他の有利点として、2,4−bis{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(l−メチルピロール−2−イル)1,3,5−トリアジンがあり、これは以下の構造によって特徴付けられる。

【0102】
他の有利点として、2,4−bis{[4−トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンがあり、これは以下の構造によって特徴付けられる。

【0103】
他の有利点として、2,4−bis{[4−(2−メチルプロペニルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンがあり、これは以下の構造によって特徴付けられる。

【0104】
他の有利点として、2,4−bis{[4−(l’,l’,l’,3’,5’,5’,5’−ヘプタメチルシロキシ−2−メチルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンがあり、これは以下の構造によって特徴付けられる。

【0105】
特に好適な実施形態において、本発明は、ある含量の非対称置換型s−トリアジンを含む化粧品用または皮膚用処方に関する。この非対称置換型s−トリアジンの化学構造は、以下の化学式によって表される。


これを本明細書中以下ジオクチルブチルアミドトリアゾン(INCI)とも呼び、これは、UVASORB HEBという商標名でSigma3Vから入手可能である。
【0106】
本発明の非対称置換型s−トリアジン誘導体(単数または複数)は、有利には、化粧品用または皮膚用処方の油相中に均質混合される。
【0107】
1つ以上の非対称置換型s−トリアジン誘導体(詳細には、ジオクチルブチルアミドトリアゾン)の最終化粧品用または皮膚用の調製物中における総量は、有利には、当該調製物の総重量に基づいて、0.1〜15.0重量%、好適には0.5〜10.0重量%から選択される。
【0108】
本発明の化粧品用または皮膚用の遮光処方物は、化粧品用または皮膚用遮光に、および皮膚および/または髪の治療、ケアおよびクレンジングのために、および美装目的の化粧
品用のメークアップ製品として用いられる場合、従来の組成物を持ち得る。
【0109】
重要な実施形態によれば、化学式(I)のアルコキシクリレンは、日焼け止めまたは皮膚用処方物において、脂溶性酸化または紫外線感受性のある活性成分(例えば、レチノイン酸およびその誘導体(例えば、トレチノインまたはイソトレチノイン))および/または広帯域フィルタ化合物と組み合わされ、必要に応じてそして好適にはジベンゾイルメタン誘導体と共に用いられる。
【0110】
本発明によって使用した場合、優れた様態で安定化される有利な脂溶性活性成分は、logP計算値が3.5よりも高いものである。Pは分配係数であり、これは、実質的に相互に不混和性である2つの溶媒からなる二相系中の溶解物質の平衡濃度の比として定義される。これら2つの溶媒は、この場合、n−オクタノールおよび水であり、すなわち以下のようになる。

【0111】
本発明の目的のために、ユビキノンおよびプラストキノンからなる群から脂溶性活性成分を選択すると有利である。本発明の目的のため、logP計算値が約15であるコエンザイムQ10がとりわけ有利である。
【0112】
活性成分(単数または複数)をユビキノンの群のみから選択することにより本発明によるとりわけ有利な調製物を得ることができるという点は、特に驚くべきことである。
【0113】
本発明に従って有利なさらなる脂溶性活性成分として、レチノイド(ビタミンA酸および/またはその誘導体)またはビタミンAおよび/またはその誘導体がある。本発明に従って有利なレチノイドの群は、化粧品用としておよび/または薬学的に受け入れることが可能なレチノイド全て(例えば、レチノールおよびそのエステル、レチナールおよびレチノイン酸(ビタミンA酸)およびそのエステルを含む)を含むものとして定義される。本発明の目的のため、レチノール(logP計算値は約7)およびレチニルパルミチン酸(logP計算値は約13)が特に有利である。
【0114】
前記活性成分(単数または複数)をレチノイドの群のみから選択すると、とりわけ有利な調製物を本発明に従って得ることができるという点は、特に驚くべきであった。
【0115】
さらなる本発明による有利な脂溶性酸成分として、カロテノイドがある。本発明の目的のため、例えばlogP計算値が15である.ベータ.−カロチンが特に有利である。
【0116】
本発明に従って有利なさらなる脂溶性活性成分として、リポ酸および誘導体、ビタミンEおよび誘導体、ビタミンF、二酸[8−ヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸(CAS登録番号20701−68−2)]がある。
【0117】
調製物中の脂溶性活性成分(1つ以上の化合物)の量は、当該調製物の総重量に基づいて、好適には0.0001〜10重量%、特に好適には0.001〜5重量%である。
【0118】
メチルまたはエチル2−シアノ−3−(4’−メトキシフェニル)−3−フェニルプロペノアート(メチルまたはエチルメトキシクリレンまたはメチルまたはエチルMeOクリレン)の合成


4−メトキシベンゾフェノン(MW=182.22g/モル;500g;2.74モル;1モル当量)およびメチルシアノアセテート(MW=99.09g/モル;367.06g;3.70モル;1,3,5モル当量)を、メカニカルスターラーおよび窒素注入口を取り付けた1−L三ツ口フラスコ内に配置した。窒素注入口は、反応混合物を通じて窒素の連続流を提供する(窒素が反応混合物を通じてバブリングされる)。次に、トルエン(1200ml)および酢酸(2,40ml;トルエン/酢酸比=5/1)を前記フラスコに付加し、その後アンモニウムアセテートを付加した(MW=77.09g/モル;21.12g;0.274モル、0.1モル当量;反応時間中、触媒をこの量だけ4回付加する)。その後、前記フラスコにディーン−スタルク受器を取り付ける。このディーン−スタルク受器を通じて、反応水を連続的に除去する。
コメント:
1.アリコートの反応混合物を取り出して、反応完了率を確認する。
2.この反応から予測される水の量は49.5mlである。しかし、120mlの水相が収集された。これは、前記水が水/酢酸/トルエンの混合物として蒸留されたからである。
3.前記反応混合物から前記メチルアセテートが失われるのを回避するために、ディーン−スタルク受器と前記フラスコとの間に短尺充填カラムを設けると有用である。
【0119】
ワークアップ:
前記反応混合物を室温まで冷却し、エチルアセテートを付加して全ての固体を溶解させた後、粗混合物を水で数回洗浄して、酢酸および塩を除去する。その後、蒸留によって前記反応混合物から溶媒を除去する。前記粗固体生成物を熱メタノール(またはトルエン/メタノール混合物(ただし、これが好適な場合))から再結晶させる。
【0120】
コメント:
最終生成物は、冷却される反応混合物から結晶化し始め、よってフィルタリング除去することができるものの、未だに極めて酸性であり、そのため、前記結晶を水/メタノール混合物で洗浄して、酢酸および塩残留物を全て洗い落とすべきである。よって、得られた生成物を再結晶させることができ、母液を水で洗浄し、乾燥させ、第2の収穫物の生成物を得ることができる。
【0121】
アルキル2−シアノ−3−(4’−メトキシフェニル)−3−フェニルプロペノアートの合成

【0122】
反応手順:
メチル(またはエチル)2−シアノ−3−(4’−メトキシフェニル)−3−フェニルプロペノアート(900g、3.06モル;MW=293.32)、アルキルアルコール(3.84モル;1.25モル当量)、およびテゴカット250(全バッチ重量の0.03%)を2Lの三ツ口丸底フラスコ内に配置し、185℃(365°F)に設定された温度まで加熱した。その際、充填カラムによる簡単な蒸留セットを介してこれを窒素でパージして、メタノール(またはエタノール)の形成を除去した。
3時間後、GCによれば、メチル2−シアノ−3−(4’−メトキシフェニル)−3−フェニルプロペノアートは全て、所望の生成物に変換された。
【0123】
ワークアップ:
未反応のアルキルアルコールを真空蒸留により完全に除去した。反応温度を110℃(230F)まで下げ、計算量(全バッチ重量の2%)のSSP(スズ除去剤)を付加した。この生成物をこの温度で2時間撹拌し、その後熱フィルタリングした。濾過直前に少量のセリットを付加して、前記濾過を向上させた。セリットにより、前記濾過の効率および速度が向上した。
【0124】
結果
生成物の収率:化学量論量の94%
最終生成物の純度:99.81%(面積カウント、GC)。
【0125】

以下の組成物(表1)は、本明細書中に記載のアルコキシクリレンのアヴォベ
ンゾン(4.5wt.%)に対し、等モル量(2.75wt.%)のオクトクリレンと比較して驚くほど優れた光安定化効果を付与するように、記載の手順に従って調製した。「メトキシクリレン」として示すこの化合物は、以下の化学式(IV)を有した。

(表1)

【0126】
例1、表1の日焼け止め組成物(メトキシクリレンを含む)を先行技術のオクトクリレンと比較したときの驚くべき光安定性を図1中に示す。図1は、上記例1〜例3のデータおよび以下の例4〜6についてSPFレポートのデータのグラフである。

(表2)

【0127】
さらなるアルコキシクリレン分子について、表2中に示す手順に従って試験した。、式中、化学式(I)のアルコキシクリレンのラジカルR3はR3=エチルヘキシル(化学式IV)である。


例4の日焼け止め組成物のデータを図2のグラフに示し、例5の組成物のデータを図3のグラフに示す。例4〜6について、例6のデータ(図4としてグラフに示す)は、7%のエチルヘキシルメトキシクリレン(化学式V)および1.8%のオクトクリレン(例4)と、アルコキシクリレンが無い8.8%のオクトクリレンとを比較している。図4のグラフおよび以下の例4〜6に関するSPFレポートに示すように、本明細書中記載される
アルコキシクリレンは、オクトクリレンよりも予期しないほど良好な光安定化剤である。





【0128】
例4〜6の前記した処方およびデータに示すように、アヴォベンゾン(UVA)およびメトキシケイ皮酸オクチル(UVB)の組み合わせは、安定量の化学式Iのアルコキシクリレンと組み合わされた際、特に驚くべき結果を示す。オクトクリレンはUVBフィルタであるメトキシケイ皮酸オクチル(OMC)を安定させるが、UVAフィルタであるアヴォベンゾンは光安定化させないことは周知である。本明細書中記載の組成物および方法によれば、化学式Iのアルコキシクリレンは、OMCよりもずっと良好にメトキシケイ皮酸オクチル(OMC)を光安定化させ、アヴォベンゾンも光安定化させることが分かっている。そのため、アルコキシクリレンは、日焼け止め組成物を光安定化させることができる。従って、アルコキシクリレンを付加することにより、アヴォベンゾンおよびOMC双方を前記アルコキシクリレンによって光安定化させることができる。
【0129】
例4(7%のアルコキシクリレンおよび1.8%のオクトクリレン)の場合、35MED照射に露出された場合において、UVAの18.26%、UVBの6.46%およびそのSPMの7.43%しか損失が無い。同一処方でアルコキシクリレンを含まない処方(例5)の場合、UVAの80.47%、UVBの52.01%、およびそのSPFの70.42%が損失する。例6、8.8%のオクトクリレンを含みかつアルコキシクリレンを含まない場合、UVAの55.96%、UVBの4.51%(オクトクリレンはOMCを光安定化させるがアヴォベンゾンは光安定化させない)、およびそのSPFの16%を損失し、例4、5および6を図2、図3および図4中にグラフにより示す。
【0130】
2−エチルヘキシルメトキシクリレンを0wt.%、3wt.%および5wt.%含むさらなる日焼け止め組成物を、表3の例7〜例10中に示すように調製した。

(表3)

【0131】
結果は以下の通りであり、日焼け止め処方物へのアルコキシクリレンの付加量が多いほ
ど、UVAフィルタおよびUVBフィルタの光安定化が向上することが明らかに分かる。例7、MOC量が最大(5%)でありかつOC量が最小(5%)である場合、最も良好な結果が得られた。

【0132】
2−エチルヘキシルメトキシクリレンを0、2,4および6wt.%含むさらなる日焼け止め組成物を調製して、アヴォベンゾンおよび他の光分解性UV吸収剤を光安定化させるメトキシクリレンの光安定化能力について試験した。詳細を表4中の例11〜14に示す。

(表4)

【0133】
結果は以下のようになった。

【0134】
例11〜例14の日焼け止め処方物中には、オクチルメトキシシンナマートまたは他の光安定化剤は含まれない点に留意されたい。例11〜例14のデータから、化学式Iのアルコキシクリレンは、アヴォベンゾンおよび他のジベンゾイルメタン誘導体を驚くほど有効に光安定化させることが明らかである。
【0135】
表5中の例15および例16に示すように、2−エチルヘキシルメトキシクリレンを5wt.%含みかつTinosorb SまたはTinosorb Mを1.5wt.%含むかまたは含まないさらなる日焼け止め組成物を調製した。

(表5)

【0136】
結果は以下のようになった。

【0137】
例15および例16のTinsorb Sは、アヴォベンゾンおよびメトキシケイ皮酸オクチル双方の光安定化のための(UVA範囲においてより効果的な)公知のUVAおよびUVB光安定化剤である。驚くべきことに、例15および例16(これらの例はどちらとも、MOCを5%含む)のデータに示すように、例16からTinsorb Sを省いた場合、アヴォベンゾンおよびOMCの組み合わせの光安定化にほとんど差が無い。
【0138】
ブチルオクチルメトキシクリレンを5wt.%およびトリアジン誘導体(Uvinul
T−150)、ベンゾフェノン誘導体(Uvinul A Plus)、および3種類の水溶性UVフィルタ(Mexonylsx、Neo Heliopan AP、およびNeo Heliopan Hydro)を含むさらなる日焼け止め処方について試験した。その詳細を表6の例17〜例21に示す。

(表6)

【0139】
さらに2種類の日焼け止め処方物(例22および例23)を調製した。これらの日焼け止め処方物はそれぞれブチルオクチルメトキシクリレンを含む。例23は、Tinosorb(登録商標)SおよびTinosorb(登録商標)Mも含む。結果に示すように、アルコキシクリレンと、ジベンゾイルメタン誘導体、ケイ皮酸エステル、Tinasorb(登録商標)SおよびTinasorb(登録商標)M、アヴォベンゾンおよびメトキシケイ皮酸オクチルとの組み合わせは、特に光安定性が高い。


【0140】
化学式(I)〜(V)の簡単なエステルアルコキシクリレン化合物に加えて、前記アルコキシクリレン成分は、1つ以上の末端成分としてポリエステル分子上に取り付けること
ができ、このようなポリエステル分子として、例えば、化学式(VI)に示すような本譲受人の米国特許第7,235,587号(‘587)(ここに参考のため援用する)に開示されたDiのアルコキシ誘導体(NPGクリレン)フマル酸エステルポリエステルがある。


式中、AおよびBは同一であるかまたは異なり、酸素、アミノおよび硫黄からなる群から選択され、R1およびR3は同一であるかまたは異なり、C1−C30アルキル、C2−C30アルキレン、C2−C30アルキン、C3−C8シクロアルキル、C1−C30置換アルキレン、C2−C30置換アルキン、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロアリールおよび置換ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、R2は、C1−C30アルキル、C2−C30アルキレン、C2−C30アルキン、C3−C8シクロアルキル、C1−C30置換アルキル、C3−C8置換シクロアルキル、C1−C30置換アルキレン、C2−C30置換アルキンからなる群から選択され、R4、R5、R6およびR7は同一であるかまたは異なり、分岐上のC1−C30アルコキシ直鎖からなる群から選択され、a、b、cおよびdはそれぞれ、0または1のいずれかであり、a、b、cおよびdは合計1、2、3、または4となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
UV放射に晒された際に、一重項励起状態を発展させるか、または蛍光を発する光活性化合物と、一重項励起状態をクエンチする有効量の化学式(I)の化合物との混合物を含む光安定化された光活性組成物であって、

1およびR2のうち少なくとも1つは直鎖または分枝鎖C1−C30アルコキシラジカルであり、任意の非アルコキシR1またはR2は水素であり、R3は直鎖または分枝鎖C1−C30アルキルラジカルである、
光安定化された光活性組成物。
【請求項2】
1はメトキシであり、R2は水素である、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項3】
2はメトキシであり、R1は水素である、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項4】
3はC12−C30直鎖または分枝鎖アルキルである、請求項2に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項5】
前記化学式(I)の化合物は、前記組成物の総重量に基づいて0.1%〜30%の重量範囲で存在する、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項6】
前記化学式(I)の化合物は、前記組成物の総重量に基づいて0.5%〜20%の重量範囲で存在する、請求項5に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項7】
前記化学式(I)の化合物は、前記組成物の総重量に基づいて0.1%〜10%の重量範囲で存在する、請求項6に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項8】
前記化学式(I)の化合物は、前記組成物の総重量に基づいて3%〜10%の重量範囲で存在する、請求項7に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項9】
前記光活性化合物は、p−アミノ安息香酸および塩およびその誘導体;アントラニル酸塩およびその誘導体;ジベンゾイルメタンおよびその誘導体;サリチル酸塩およびその誘導体;ケイ皮酸およびその誘導体;ジヒドロキシケイ皮酸およびその誘導体;カンファーおよび塩およびその誘導体;トリヒドロキシケイ皮酸およびその誘導体;ジベンザールアセトンナフトールスルホン酸塩および塩およびその誘導体;ベンザルアセトフェノンナフトールスルホネートおよび塩およびその誘導体;ジヒドロキシ−ナフトエ酸およびその塩;o−ヒドロキシジフェニルジスルホネートおよび塩およびその誘導体;p−ヒドロキシジフェニルジスルホネートおよび塩およびその誘導体;クマリンおよびその誘導体;ジアゾール誘導体;キニーネ誘導体およびその塩;キノリン誘導体;ヒドロキシル−置換ベンゾフェノン誘導体;ナフタレート誘導体;メトキシ−置換ベンゾフェノン誘導体;尿酸誘導体;ビロ尿酸誘導体;タンニン酸およびその誘導体;ハイドロキノン;ベンゾフェノン
誘導体;1,3,5−トリアジン誘導体;2ナトリウムフェニルジベンズイミダゾールおよびその塩;テレフタリリデンジカンフルスルホン酸および塩およびその誘導体;メチレンbis−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールおよび塩およびその誘導体;bis−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンおよび塩、ジエチルアミノヒドロキシルベンゾイルおよびその誘導体;フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩;テレフタリルイデンジカンフルスルホン酸およびその塩;および上記の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項10】
前記光活性化合物はジベンゾイルメタン誘導体を含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項11】
ケイ皮酸エステルをさらに含む、請求項10に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項12】
前記ケイ皮酸エステルはアルコキシケイ皮酸のエステルである、請求項11に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項13】
前記アルコキシケイ皮酸エステルはメトキシケイ皮酸エステルである、請求項12に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項14】
前記ケイ皮酸エステルは、2−エチルヘキシルp−メトキシケイ皮酸、イソアミルp−メトキシケイ皮酸、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項15】
前記ケイ皮酸エステルは2−エチルヘキシルp−メトキシケイ皮酸である、請求項12に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項16】
前記ジベンゾイルメタン誘導体はブチルメトキシジベンゾイルメタンを含む、請求項13に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項17】
ナフタレンジカルボン酸エステルを0.1〜10wt.%さらに含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項18】
前記ナフタレンジカルボン酸エステルは、ジエチルヘキシル2,6−ナフタレンジカルボン酸エステルを含む、請求項15に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項19】
サリチル酸塩またはその誘導体を0.1〜10wt.%さらに含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項20】
サリチル酸塩またはその誘導体を0.1〜10wt.%さらに含む、請求項14に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項21】
ベンゾフェノンまたはその誘導体を0.1〜10wt.%さらに含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項22】
前記ベンゾフェノンはベンゾフェノン−3を0.1〜10wt.%含む、請求項19に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項23】
bis−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンを0.1〜10wt.%さらに含む、請求項13に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項24】
ジエチルヘキシルシリンギルイデンマロン酸を0.1〜10wt.%さらに含む、請求項13に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項25】
前記光活性化合物は、1,3,5−トリアジン誘導体を含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項26】
メチレンbis−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールを0.1〜10wt.%さらに含む、請求項13に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項27】
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシル安息香酸エステルを0.1〜10wt.%さらに含む、請求項13に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項28】
2ナトリウムフェニルジベンジルイミダゾールスルホン酸を0.1〜10wt.%さらに含む、請求項13に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項29】
2−(メチルベンジリデン−カンファーをさらに含む、請求項13に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項30】
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸またはその塩を0.1〜10wt.%さらに含む請求項13に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項31】
前記光活性化合物は、2−メチルジベンゾイルメタン;4−メチルジベンゾイルメタン;4−イソプロピルジベンゾイルメタン;4−tert−ブチルジベンゾイルメタン;2,4−ジメチルジベンゾイルメタン;2−5−ジメチルジベンゾイルメタン;4,4−ジイソプロピルジベンゾイルメタン;4,4−ジメトキシジベンゾイルメタン;4−tert−ブチル−4−メトキシジベンゾイルメタン;2−メチル−5−イソプロピル−4−メトキシジベンゾイルメタン;2−メチル−5−tert−ブチル−4−メトキシジベンゾイルメタン;2,4−ジメチル−4−メトキシジベンゾイルメタン;2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−4−メトキシジベンゾイルメタン、およびその組み合わせからなる群から選択されたジベンゾイルメタン誘導体を含む、請求項10に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項32】
オクトクリレン、メチルベンジルイデンカンファー、ジエチルヘキシル2,6−ナフタレート、ジエチルヘキシルシリンギルイデンマロン酸、およびその組み合わせからなる群から選択される三重項クエンチャーを0.1〜10wt.%さらに含む、
請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項33】
ベンゾフェノン−3を0.1〜10wt.%さらに含む、請求項15に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項34】
サリチル酸オクチルを0.1〜10wt.%さらに含む、請求項15に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項35】
前記光活性化合物はケイ皮酸の誘導体を含む、請求項9に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項36】
前記光活性化合物は2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸を含む、請求項14に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項37】
前記光活性化合物はイソアミルメトキシケイ皮酸を含む、請求項13に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項38】
シアノジフェニルプロペン酸のエステルを含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項39】
前記混合物はメチルベンジルイデンカンファーを含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項40】
前記組成物は、メチレンbis−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、塩およびその誘導体、bis−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンおよび塩およびその誘導体からなる群から選択された化合物を含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項41】
前記組成物は、ヒドロキシル−置換ベンゾフェノン誘導体またはメトキシ−置換ベンゾフェノン誘導体、またはその組み合わせを含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項42】
化学式(II)および(III)の化合物ならびにその組み合わせからなる群から選択されたナフタレンジカルボン酸のジエステルまたはポリエステルをさらに含み、

1およびR2は同一であるかまたは異なり、C1−C22アルキル基、構造HO−R4−OHを有するジオール、および構造HO−R3−(−O−R4−)n−OHを有するポリグリコールからなる群から選択され、R3およびR4はそれぞれ同一であるかまたは異なり、C1−C6直鎖または分枝鎖アルキル基からなる群から選択され、mおよびnはそれぞれ1〜100の範囲にある、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項43】
化学式(III)のジエステルを含み、R1およびR2は2−エチルヘキシルである、請求項42に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項44】
前記混合物は、化粧品用として受け入れることが可能なキャリアを含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項45】
前記混合物は、誘電率が少なくとも約8である油相を含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項46】
(a)ジベンゾイルメタン誘導体および(b)ケイ皮酸エステルを含む組成物のUV吸
収寿命を長くする方法であって、(a)と(b)との反応を回避するためにまたは(a)および/または(b)を光安定化させるようにするために有効な量の化学式(I)の化合物を付加する工程を含む、方法。
【請求項47】
前記光活性化合物は水溶性UV吸収化合物である、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項48】
前記光活性化合物はスルホン化UV吸収化合物である、請求項47に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項49】
前記スルホン化UV吸収化合物は、フェニレン−1,4−bis(2−ベンゾイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸およびその対応する塩、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびその対応する塩およびその混合物からなる群から選択される、請求項48に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項50】
前記光活性化合物は、以下の構造化学式のヒドロキシベンゾフェノンであり、

1およびR2は、互いに独立しており、水素、C1−C20−アルキル、C3−C10−シクロアルキルまたはC3−C10−シクロアルケニルであり、前記置換基R1およびR2は前記置換基R1およびR2が結合する前記窒素原子とともに、5環または6環を形成することができ、R3はC1−C20−アルキルラジカルである、
請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項51】
以下の構造化学式を含む少なくとも1つのジアルキルナフタレートをさらに含み、

1およびR2は、独立して、6〜2,4個の炭素原子を有する分岐および非分岐アルキル基のうちの1つである、
請求項50に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項52】
ジベンゾイルメタン誘導体および2,4−bis{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンのうちの少なくとも1つを含むさらなるUVAフィルタ物質および/または広帯域フィルタを少なくとも1つ含む、請求項50に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項53】
UV−Aフィルタ、UV−Bフィルタ、広帯域フィルタ、トリアジン、ベンゾトリアゾール、有機色素、無機色素およびその混合物からなる群から選択されるUVフィルタ物質を少なくとも1つさらに含む、請求項50に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項54】
前記光活性化合物は、以下の構造を有するベンゾトリアゾール化合物を含み、

1およびR2は、互いに独立しており、分岐および非分岐の
(a)C1−C18−アルキルラジカル;
(b)C5−C12−シクロアルキルまたはアリールラジカル
からなる群から選択され、
前記R1およびR2は、1つ以上のC1−C4−アルキル基と必要に応じて置換される、
請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項55】
前記ベンゾトリアゾールUVフィルタ化合物は以下の構造を有する、

請求項54に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項56】
前記ベンゾトリアゾール化合物は以下の構造を有する、

請求項54に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項57】
ベンゾトリアゾール化合物を可溶化または安定化させる方法であって、可溶化または安定化させるために有効量の化学式Iのアルコキシクリレンを1つ以上付加する工程を含み


1およびR2のうち少なくとも1つは直鎖または分枝鎖C1−C30アルコキシラジカルであり、任意の非アルコキシR1またはR2は水素であり、R3は直鎖または分枝鎖C1−C30アルキルラジカルである、方法。
【請求項58】
前記光活性化合物は粒状UV吸収物質である、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項59】
少なくとも1つの粒状UVフィルタ物質は、微粉末化無機色素である、請求項58に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項60】
前記微粉末化無機色素は、微粉末化金属酸化物である、請求項59に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項61】
前記微粉末化金属酸化物は、チタン、亜鉛、鉄、ジルコニウム、シリコン、マンガン、アルミニウム、セリウム、およびその混合物からなる群から選択された金属の酸化物である、請求項60に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項62】
前記微粉末化金属酸化物は、バリウム硫酸塩をさらに含む、請求項60に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項63】
前記微粉末化金属酸化物の一次粒径は300nm未満である、請求項60に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項64】
前記微粉末化金属酸化物の一次粒径は10〜150nmである、請求項63に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項65】
前記微粉末化金属酸化物は、表面処理された金属酸化物である、請求項60に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項66】
前記粒状UV吸収物質は、前記組成物の総重量に基づいて、0.01〜20重量%の量存在する、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項67】
トリアジン、ベンゾトリアゾール、有機、無機色素、およびその混合物からなる群から選択されたさらなるUVフィルタ物質を少なくとも1つさらに含む、請求項54に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項68】
UV−Aフィルタ物質または広帯域フィルタ物質を少なくとも1つさらに含む、請求項54に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項69】
前記少なくとも1つのUV−Aフィルタ物質または広帯域フィルタ物質は、少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体を含む、請求項68に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項70】
前記ジベンゾイルメタン誘導体は、4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4−bis{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、およびその混合物からなる群から選択される、請求項69に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項71】
前記光活性化合物は、
(a)非対称置換型トリアジンUVフィルタ化合物、および
(b)以下の構造化学式を有する1つ以上のジアルキルナフタレート
を含み、

1およびR2は、互いに独立しており、6〜2,4個の炭素原子を有する分岐または非分岐アルキル基である、
請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項72】
前記ジアルキルナフタレートはジエチルヘキシルナフタレートである、
請求項1に記載の組成物。
【請求項73】
前記非対称置換型トリアジン化合物は、
2,4−bis{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;
2,4−bis{[4−(3−スルホナート−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンナトリウム塩;
2,4−bis{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;
2,4−bis{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[(4−2−メトキシエトキシカルボニル)−フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン;
2,4−bis{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[(4−エトキシカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン;
2,4−bis{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(1−メチルピロール−2−イル)−1,3,5−トリアジン;
2,4−bis{[4−tris(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;
2,4−bis{[4−(2−メチルプロペニルオキシ)−2−ヒドロキシル]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;
2,4−bis{[4−(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’−ヘプタメチルシロキシ−2−メチルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;および
ジオクチルブチルアミドトリアゾン、
からなる群から選択される、請求項71に記載の組成物。
【請求項74】
非対称置換型トリアジン化合物を可溶化または安定化させる方法であって、化学式Iのアルコキシクリレンを、可溶化または安定化させるために有効な量付加する工程を含み、

1およびR2のうち少なくとも1つは直鎖または分枝鎖C1−C30アルコキシラジカルであり、任意の非アルコキシR1またはR2は水素であり、R3は直鎖または分枝鎖C1−C30アルキルラジカルである、方法。
【請求項75】
前記組成物は、コエンザイムQ10、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、リポ酸およびその誘導体およびカロテノイドからなる群から選択される酸化感受性のあるかまたは紫外線感受性のある成分を含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項76】
前記少なくとも1つの酸化感受性のあるまたは紫外線感受性のある活性成分は、ビタミンEまたはその誘導体を含む、請求項75に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項77】
トリアジン、ベンゾトリアゾール、室温において液状であるUVフィルタ、有機色素および無機色素からなる群から選択されるUVフィルタ物質を少なくとも1つさらに含む、請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項78】
2,4−bis{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシ−フェニル)−1,3,5−トリアジン、フェニレン−1、4−bis(2−ベンゾイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸bis−ナトリウム塩、ベンゼン−1,4−ジ(2−オキソ−3−ボルニルイデンメチル−10−スルホン酸、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]フェノール、およびその混合物からなる群から選択されるUV−Aフィルタ物質または広帯域フィルタを少なくとも1つさらに含む、
請求項1に記載の光安定化された光活性組成物。
【請求項79】
光子励起された光活性化合物からの一重項励起状態エネルギーを吸収することによって電子一重項状態励起エネルギーを受け入れて、前記光活性化合物を光安定化させる方法であって、前記光活性化合物を化学式(I)の化合物と混合する工程を含み、

1およびR2の1つまたは両方は直鎖または分枝鎖C1−C12アルコキシラジカルであり、R3は直鎖または分枝鎖C1−C2,4アルキルラジカルであり、前記光活性化合物が電子一重項励起状態に達するのに十分な量だけ前記混合物をUV放射に晒して、前記化学式(I)の化合物が前記励起された光活性化合物からの前記一重項励起状態エネルギーを受け
入れ、これにより前記光活性化合物をその基底状態に戻して、前記光活性化合物がさらなるUV放射を吸収できるようにする工程を含む、方法。
【請求項80】
1はメトキシであり、R2は水素である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
2はメトキシであり、R1は水素である、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
3はC6−C2,4直鎖または分枝鎖アルキルである、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記化学式(I)の化合物は、前記組成物の総重量に基づいて、0.1%〜20%の重量範囲内の量存在する、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
前記化学式(I)の化合物は、前記組成物の総重量に基づいて、0.1%〜10%の重量範囲内の量存在する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記化学式(I)の化合物、前記組成物の総重量に基づいて、0.1%〜5%の重量範囲内の量存在する、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記化学式(I)の化合物の前記光活性化合物に対するモル比は0.8未満である、請求項79に記載の方法。
【請求項87】
前記化学式(I)の化合物の前記光活性化合物に対する前記モル比は約0.1〜約0.6である、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記化学式(I)の化合物は、前記組成物の総重量に基づいて、3%〜8%の重量範囲内の量存在する、請求項84に記載の方法。
【請求項89】
前記光活性化合物は、p−アミノ安息香酸および塩およびその誘導体;アントラニル酸塩およびその誘導体;ジベンゾイルメタンおよびその誘導体;サリチル酸塩およびその誘導体;ケイ皮酸およびその誘導体;ジヒドロキシケイ皮酸およびその誘導体;カンファーおよび塩およびその誘導体;トリヒドロキシケイ皮酸およびその誘導体;ジベンザールアセトンナフトールスルホン酸塩および塩およびその誘導体;ベンザルアセトフェノンナフトールスルホネートおよび塩およびその誘導体;ジヒドロキシ−ナフトエ酸およびその塩;o−ヒドロキシジフェニルジスルホネートおよび塩およびその誘導体;p−ヒドロキシジフェニルジスルホネートおよび塩およびその誘導体;クマリンおよびその誘導体;ジアゾール誘導体;キニーネ誘導体およびその塩;キノリン誘導体;ヒドロキシル−置換ベンゾフェノン誘導体;メトキシ−置換ベンゾフェノン誘導体;尿酸誘導体;ビロ尿酸誘導体;タンニン酸およびその誘導体;ハイドロキノン;ベンゾフェノン誘導体;1,3,5−トリアジン誘導体;フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸塩および塩およびその誘導体;テレフタリリデンジカンフルスルホン酸および塩およびその誘導体;メチレンbis−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールおよび塩およびその誘導体;bis−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンおよび塩およびその誘導体;および上記の組み合わせからなる群から選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項90】
前記光活性化合物はジベンゾイルメタン誘導体を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項91】
前記光活性化合物はジベンゾイルメタン誘導体を含み、前記ジベンゾイルメタン誘導体は、2−メチルジベンゾイルメタン;4−メチルジベンゾイルメタン;4−イソプロピルジベンゾイルメタン;4−tert−ブチルジベンゾイルメタン;2,4−ジメチルジベ
ンゾイルメタン;2−5−ジメチルジベンゾイルメタン;4、4−ジイソプロピルジベンゾイルメタン;4,4−ジメトキシジベンゾイルメタン;4−tert−ブチル−4−メトキシジベンゾイルメタン;2−メチル−5−イソプロピル−4−メトキシジベンゾイルメタン;2−メチル−5−tert−ブチル−4−メトキシジベンゾイルメタン;2,4−ジメチル−4−メトキシジベンゾイルメタン;2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−4−メトキシジベンゾイルメタン、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記光活性化合物は、ケイ皮酸の誘導体およびジベンゾイルメタン誘導体の組み合わせを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項93】
前記ケイ皮酸の誘導体は、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
化学式(II)および(III)の化合物ならびにその組み合わせからなる群から選択さるナフタレンジカルボン酸のジエステルまたはポリエステルをさらに含み、

1およびR2は同一であるかまたは異なり、C1−C22アルキル基、構造HO−R4−OHを有するジオール、および構造HO−R3−(−O−R4−)n−OHを有するポリグリコールからなる群から選択され、R3およびR4はそれぞれ同一であるかまたは異なり、C1−C6直鎖または分枝鎖アルキル基からなる群から選択され、mおよびnはそれぞれ1〜100の範囲である、
請求項79に記載の方法。
【請求項95】
化学式(III)のジエステルを含み、R1およびR2は2−エチルヘキサンである、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記混合物は、化粧品用として受け入れることが可能なキャリアを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項97】
前記混合物は、誘電率が少なくとも約8である油相を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項98】
光活性化合物および化学式(V)の化合物の混合物を含む光安定化された光活性組成物であって、

AおよびBは同一であるかまたは異なり、酸素、アミノおよび硫黄からなる群から選択され、R1およびR3は同一であるかまたは異なり、C1−C30アルキル、C2−C30アルキレン、C2−C30アルキン、C3−C8シクロアルキル、C1−C30置換アルキレン、C2−C30置換アルキン、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロアリールおよび置換ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、R2は、C1−C30アルキル、C2−C30アルキレン、C2−C30アルキン、C3−C8シクロアルキル、C1−C30置換アルキル、C3−C8置換シクロアルキル、C1−C30置換アルキレン、C2−C30置換アルキンからなる群から選択され、R4、R5、R6およびR7は同一であるかまたは異なり、分岐上のC1−C30アルコキシ直鎖からなる群から選択され、a、b、cおよびdはそれぞれ、0または1のいずれかであり、a、b、cおよびdは合計で1、2、3または4である、組成物。
【請求項99】
前記光活性化合物は、ジベンゾイルメタン誘導体、ケイ皮酸エステルおよびその組み合わせから選択される、請求項98に記載の組成物。
【請求項100】
前記光活性化合物はサリチル酸オクチルを含む、請求項99に記載の組成物。
【請求項101】
光子励起された光活性化合物からの電子一重項状態の励起エネルギー受け入れ、これにより前記光活性化合物を光安定化させる方法であって、前記光活性化合物を化学式(VI)の化合物と混合する工程を含み、

AおよびBは同一であるかまたは異なり、酸素、アミノおよび硫黄からなる群から選択され、R1およびR3は同一であるかまたは異なり、C1−C30アルキル、C2−C30アルキレン、C2−C30アルキン、C3−C8シクロアルキル、C1−C30置換アルキレン、C2−C30置換アルキン、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロアリールおよび置換ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、R2は、C1−C30アルキル、C2−C30アルキレン、C230アルキン、C3−C8シクロアルキル、C
1−C30置換アルキル、C3−C8置換シクロアルキル、C1−C30置換アルキレン、C2−C30置換アルキンからなる群から選択され、R4、R5、R6およびR7は同一であるかまたは異なり、分岐上のC1−C30アルコキシ直鎖からなる群から選択され、a、b、cおよびdはそれぞれ、0または1のいずれかであり、a、b、cおよびdは合計で1、2、3または4であり、
前記光活性化合物が電子一重項励起状態に達するのに十分なだけの量の前記混合物をUV放射に晒し、これにより前記化学式(V)の化合物が前記励起された光活性化合物からの前記一重項励起状態エネルギーを受け入れ、これにより前記光活性化合物をその基底状態に戻して、これにより前記光活性化合物がさらなるUV放射を吸収できるようにする工程を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−535779(P2010−535779A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520005(P2010−520005)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/058458
【国際公開番号】WO2009/020676
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(305048082)ホールスター イノベーションズ コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】