説明

光源装置およびプロジェクタ

【課題】固体光源から放射状に射出される光を所定の方向に揃えて射出することのできる光源装置、およびこの光源装置を備えたプロジェクタを提供すること。
【解決手段】光源装置41Aにおける導光部材6において、固体光源5の第2面部52に接続される外周側導光部7の外周面6Bは、全反射面に形成され、この外周側導光部7と、固体光源5の第1面部52に接続される中心側導光部8との間には、反射層P1が設けられている。各導光部7,8の各射出面7A,8Aは、共に所定の方向を向いている。これにより、固体光源5の第2面部52から射出され、外周側導光部7によって導光されて当該外周側導光部7の射出面7Aから射出される光と、固体光源5の第1面部51から射出され、中心側導光部8によって導光されて当該中心側導光部8の射出面8Aから射出される光とを、所定の方向に揃えて射出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体光源を備えた光源装置、およびこの光源装置を備えたプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と、当該光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタが知られている。このようなプロジェクタの光源としては、高圧水銀ランプ等の放電光源が用いられてきたが、近年、環境問題の要請等から光電変換効率が高く、消費電力の少ないLED(Light Emitting Diode)等の固体光源を有する光源装置を用いたプロジェクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に記載のプロジェクタでは、LEDは、LEDパッケージに実装されるLEDチップと、LEDチップの側面および上面を覆うドーム状のレンズキャップとを備えている。このLEDから射出された光は、光路後段に配置されたレンズアレイ等の光学部品によって、それらの光学部品によって決められた所定の光軸方向に光の進行方向を揃えられるとともに、前記光軸方向に直交する面内の面内照度を均一化され、液晶パネルに照射されて光学像を形成する。
【0004】
【特許文献1】特開2006―54352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載のLEDでは、LEDチップがレンズキャップで覆われているとはいえ、LEDチップから射出された光は、レンズキャップから放射状に射出されるため、レンズアレイに入射しない光は、画像形成に利用されないという問題があった。このため、光の利用効率が低下し、投射画像の輝度の低下等が引き起こされるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、固体光源から放射状に射出される光を所定の方向に揃えて射出することのできる光源装置、およびこの光源装置を備えたプロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光源装置は、素子基板上に実装され、所定電圧の印加により光を射出する固体光源と、前記固体光源に接続され、前記固体光源から入射する光を導光する導光部材と、を備える光源装置であって、前記固体光源は、前記素子基板に沿い、かつ、前記素子基板に対向する側とは反対側の面である第1面部と、前記固体光源の前記第1面部に直交する第2面部とを備え、前記導光部材は、当該導光部材の最外周に配置され、かつ、前記固体光源の少なくとも前記第2面部と一方の端部が接続される略筒形状の外周側導光部と、 前記外周側導光部の内側に配置され、かつ、前記固体光源の少なくとも前記第1面部と一方の端部が接続される中心側導光部と、前記外周側導光部と前記中心側導光部との間に設けられた反射層とを備え、前記外周側導光部の外周面には、反射面が形成され、前記外周側導光部は、前記固体光源の少なくとも前記第2面部に接続された前記一方の端部から入射した光を他方の端部側に導光し、前記中心側導光部は、前記固体光源の少なくとも前記第1面部に接続された前記一方の端部から入射した光を他方の端部側に導光し、前記外周側導光部および前記中心側導光部の前記各他方の端部の端面は、導光された光が射出される射出面とされ、前記外周側導光部の射出面と、前記中心側導光部の射出面とは、共に所定の方向を向いていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、中心側導光部と外周側導光部との間には、反射層が設けられているため、固体光源の少なくとも第1面部から中心側導光部に入射した光は、外周側導光部内に進入することなく中心側導光部内を進行し、当該中心側導光部の射出面から射出される。また、固体光源の少なくとも第2面部から外周側導光部に入射した光は、中心側導光部と外周側導光部との間に設けられた反射層と、外周側導光部の外周面に形成された反射面との間で反射を繰り返しながら、外周側導光部内を進行し、当該外周側導光部の射出面から射出される。
ここで、各導光部の射出面は、共に所定の方向を向いているので、固体光源から各導光部に入射した光を、各導光部の各射出面から、所定の方向に揃えて射出することができる。従って、このような本発明の光源装置を、例えば、プロジェクタに利用した場合、固体光源から射出された光を所定の方向に揃えて射出することができるので、固体光源の側方から射出される光を容易に画像形成に利用することができる。
【0009】
本発明では、前記外周側導光部の外周面、および前記中心側導光部の外周面は、前記各導光部の射出面から射出される光が所定方向に沿うような曲面形状を有していることが好ましい。
本発明によれば、外周側導光部、および中心側導光部の外周面は、各導光部の射出面から射出される光が所定方向に沿うような曲面形状を有しているので、固体光源から各導光部に入射した光を、各射出面から当該射出面に垂直な方向に沿って射出することができる。これにより、固体光源から各導光部に入射した光を、各導光部の射出面から、所定の方向に、より揃えて射出することができる。
【0010】
本発明では、前記外周側導光部および前記中心側導光部の外周面は、平面形状を有していることが好ましい。
本発明によれば、外周側導光部および中心側導光部の外周面は、平面形状を有しているので、各導光部の形状を容易にでき、それぞれの組み立てを簡単に行うことができる。従って、各導光部、ひいては、光源装置の製造を簡略化できる。
【0011】
本発明では、前記中心側導光部の射出面は、光の射出方向に膨出し、当該中心側導光部から射出される光を、前記導光部材の全体としての射出面の略法線方向に揃えるレンズ効果を有していることが好ましい。
本発明によれば、中心側導光部の射出面は、光の射出方向に膨出しているので、当該射出面から、中心側導光部の中心から外側に傾斜して光が射出されることを抑えることができ、中心側導光部の射出面から所定の方向に確実に光を射出できる。
【0012】
本発明では、前記外周側導光部の射出面と、前記中心側導光部の射出面との面積比は、前記外周側導光部に入射した光量と、前記中心側導光部に入射した光量の比と略等しくなっていることが好ましい。
本発明によれば、外周側導光部および中心側導光部の各射出面の面積比は、固体光源から各導光部に入射した光量の比と略等しくなっているので、各導光部の射出面から射出される光の所定方向に直交する面内の面内照度を均一化でき、ひいては、光源装置の射出光の所定方向に直交する面内の面内照度を均一化できる。
【0013】
本発明では、前記中心側導光部は、少なくとも第1中心導光部および第2中心導光部を備え、各導光部の間に反射層が介在配置された多層構造に構成され、当該中心側導光部を構成する各導光部の射出面の面積比は、各導光部に入射する光量の比と略等しくなっていることが好ましい。
本発明によれば、中心側導光部は、少なくとも第1中心導光部および第2中心導光部を備えた2層構造以上に構成され、中心側導光部を構成する各導光部の射出面の面積比は、各導光部に入射する光量の比と略等しくなっているので、各導光部の射出面から射出される光の所定方向に直交する面内の面内照度を均一化でき、ひいては、光源装置の射出光の所定方向に直交する面内の面内照度をより均一化できる。
【0014】
また、本発明のプロジェクタは、前述の光源装置と、前記光源装置から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、変調された光を投射する投射光学装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、前述の光源装置と同様の効果を奏することができる他、固体光源から射出された光の略全てを利用することができ、光の利用効率を向上させることができる。これにより、形成画像の輝度を向上することができる。
【0015】
本発明では、前記光源装置の光路後段には、入射光の偏光方向を揃える偏光変換装置が配置され、前記光源装置の射出面は、前記偏光変換装置の入射面と略相似形に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、前記偏光変換装置は、入射面を介して入射した光のうち、一方向の偏光光を透過し、他方の偏光光を反射する偏光分離層と、反射された他方の偏光光を、一方向の偏光光の透過方向に沿う方向に反射する反射層と、分離された一方向の偏光光および他方の偏光光のいずれかの光路上に配置され、入射光の偏光方向を変換する位相差層とを備えている。これにより、光源装置から射出されたランダムな偏光光束は、偏光変換装置によって、略1種類の偏光光からなる光束に変換され、光路後方へ向けて射出される。
ここで、本発明によれば、光源装置の射出面は、偏光変換装置の入射面と略相似形に形成されているので、光源装置の射出面と、偏光変換装置の入射面とが略同じ大きさの場合、互いの面を近接配置させることで、光源装置の射出面から射出された光を略全て偏光変換装置の入射面に入射させることができる。
また、源装置の射出面と、偏光変換装置の入射面とが異なる大きさの場合、光源装置の射出面から射出された光をレンズによって拡大、あるいは縮小することで、光源装置の射出面から射出された光を略全て偏光変換装置の入射面に入射させることができる。従って、光の利用効率をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態のプロジェクタ1を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタ1の構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1の構成を示す模式図である。
本実施形態のプロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、当該光学像を投射レンズ3により拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、画像情報に応じた光学像を形成する光学ユニット4と、形成された光学像を拡大投射する投射レンズ3と、これらを内部に収納する外装筺体2とを備えて構成されている。
なお、図1において、図示は省略するが、外装筺体2内において、投射レンズ3および光学ユニット4以外の空間には、プロジェクタ1内部を冷却する冷却ファン等で構成される冷却ユニット、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、およびプロジェクタ1全体を制御する制御ユニット等が配置されるものとする。
【0017】
〔外装筺体2および投射レンズ3の構成〕
外装筺体2は、合成樹脂から構成され、図1に示すように、投射レンズ3および光学ユニット4等を内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。この外装筺体2は、詳しい図示は省略するが、プロジェクタ1の天面、前面、背面、および左右両側面をそれぞれ構成するアッパーケースと、プロジェクタ1の底面、前面および背面をそれぞれ構成するロアーケースとで構成され、これらアッパーケースおよびロアーケースは互いにねじ等で固定されている。なお、外装筺体2は、合成樹脂等に限らず、そのほかの材料にて形成してもよく、たとえば、金属等により構成してもよい。
投射レンズ3は、光学ユニット4にて形成された光学像(カラー画像)を、図示しないスクリーン上に結像させるとともに、当該光学像を拡大投射する投射光学装置である。この投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
【0018】
〔光学ユニット4の構成〕
光学ユニット4は、制御ユニットによる制御の下、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して、光学像を形成するものである。この光学ユニット4は、図1に示すように、光源装置41A(41AR,41AG,41AB)と、均一照明光学装置42(42R,42G,42B)と、画像形成装置43とを備えて構成されている。
【0019】
光源装置41A(赤色光を射出する光源装置を41AR,緑色光を射出する光源装置を41AG,青色光を射出する光源装置を41ABとする)は、詳しくは後述するが、それぞれ、LED素子から構成されて各色光を射出する固体光源5と、この固体光源5に接続される導光部材6とを備えて構成されている。固体光源5から射出された各色光は、導光部材6により導光され、光路後段の均一照明光学装置42へ射出される。
【0020】
均一照明光学装置42は、後述する画像形成装置43を構成する液晶パネル431の画像形成領域を均一に照明する照明光学系である。図1に示すように、これら均一照明光学装置42(赤色光を射出する照明光学装置を42R,緑色光を射出する照明光学装置を42G,青色光を射出する照明光学装置を42Bとする)は、それぞれ、偏光変換装置421、およびロッドインテグレータ422を備えている。
【0021】
偏光変換装置421は、詳しくは後述するが、光源装置41Aから入射した光束を略一種類の偏光光束に変換して光路後段のロッドインテグレータ422に射出する。
ロッドインテグレータ422は、ガラス等の透光性材料から断面矩形状に構成され、偏光変換装置421から入射した光束を内部で反射を繰り返させることにより、光束の面内照度を均一化して射出端面より射出する。
【0022】
画像形成装置43は、入射した光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成する。この画像形成装置43は、光変調装置としての3つの液晶パネル431(赤色光用の液晶パネルを431R,緑色光用の液晶パネルを431G,青色光用の液晶パネルを431Bとする)と、これら各液晶パネル431の光束入射側にそれぞれ配置される3つの入射側偏光板432と、各液晶パネル431の光射出側にそれぞれ配置される3つの射出側偏光板433と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム434とを備えて構成されている。
【0023】
各入射側偏光板432には、偏光変換装置421で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射し、当該入射側偏光板432は、入射した光束のうち、偏光変換装置421で揃えられた光束の偏光方向と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板432は、例えば、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光層が貼付された構成を有している。
光変調装置としての液晶パネル431は、詳しい図示を省略するが、一対の透明なガラス基板間に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、前述の制御ユニットからの駆動信号に応じて、液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板432を透過した偏光光束の偏光方向を変調する。
【0024】
射出側偏光板433は、液晶パネル431から射出された光束のうち、入射側偏光板432における光束の透過軸と直交する偏光方向を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
クロスダイクロイックプリズム434は、射出側偏光板433を透過した色光毎に変調された変調光を合成して光学像(カラー画像)を形成する。このクロスダイクロイックプリズム434は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、投射レンズ3と対向する側(G色光側)に配置された射出側偏光板433を介した色光を透過し、残り2つの射出側偏光板433(R色光側およびB色光側)を介した色光を反射する。このようにして、各入射側偏光板432、各液晶パネル431、および各射出側偏光板433にて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
【0025】
〔偏光変換装置421の構成〕
以下、各偏光変換装置421の構成について説明する。
図2は、光源装置41Aおよび偏光変換装置421の構成を説明するための図である。なお、図2では、光源装置41Aの断面を図示した。
偏光変換装置421は、光源装置41Aとロッドインテグレータ422との間に配置され、光源装置41Aから射出された多種類のランダムな偏光光を有する光束を略一種類の直線偏光からなる光束に変換してロッドインテグレータ422に射出する。
【0026】
具体的に、偏光変換装置421は、図2に示すように、光源装置41Aの導光部材6の射出面6Aに対向配置される入射面421Aを備えた板ガラス4211と、板ガラス4211の内部に介在配置されるとともに、入射光束に対し略45度傾けられて配置され、S偏光光を透過しP偏光光を反射する偏光分離膜4212と、板ガラス4211の傾斜面に形成され、偏光分離膜4212に対し略平行に配置された反射膜4213と、板ガラス4211の光射出側、かつ、反射膜4213に対応する位置に設置された1/2位相差板4214とを備えている。偏光変換装置421の入射面421Aは、長手方向と短手方向との長さの比が16対9に形成された射出面421Bの長手方向の長さを半分にした形状に形成されており、入射面421Aにおける短手方向と長手方向との長さの比が8対9の比に形成されている。なお、本実施形態における射出面421Bの長手方向とは、図2における紙面上下方向に相当する。
【0027】
光源装置41Aから射出された光束が、入射面421Aに入射すると、まず、偏光分離膜4212にてP偏光光およびS偏光光に分離される。すなわち、S偏光光はそのまま偏光分離膜4212を透過し、板ガラス4211の射出面421Bのうち、1/2位相差板4214が設置されていない部分からロッドインテグレータ422へ向けて射出される。一方、P偏光光は、偏光分離膜4212で反射して光路が反射膜4213側に略90度回転される。偏光分離膜4212で反射し、反射膜4213に向かって進行したP偏光光は、当該反射膜4213で再度反射し、光路が1/2位相差板4214側に略90度回転される。1/2位相差板4214に入射したP偏光光は、位相を1/2πずらされてS偏光光に変換され、ロッドインテグレータ422へ向けて射出される。従って、光源装置41Aから射出されたランダムな偏光光束は、偏光変換装置421によって、略1種類のS偏光光からなる光束に変換され、ロッドインテグレータ422へ向けて射出される。
【0028】
ロッドインテグレータ422に入射され、面内照度を均一化された光束は、図1に示すように、液晶パネルを透過し、P偏光光に変換され、各色光に応じた色画像を形成する光束としてプリズム434に入射する。そして、当該プリズム434において、誘電体多層膜により反射した赤色光および青色光と、当該誘電体多層膜を透過した緑色光とが合成され、投射レンズ3から図示しないスクリーン上に拡大投射される。なお、本実施形態では、偏光変換装置421は、光源装置41Aからの入射光をS偏光光に変換したが、P偏光光に変換してもよい。
【0029】
〔光源装置41Aの構成〕
以下、各光源装置41Aの構成について説明する。
図3は、光源装置41Aを示す斜視図、図4は、光源装置41Aの正面図である。
光源装置41Aは、前述したように、固体光源5と、この固体光源5に接続される導光部材6とを備えて構成されている。
【0030】
固体光源5は、図2および図3に示すように、略直方体形状のLED素子から構成され、所定電圧の印加により、素子基板10に対向する側とは反対側の面である第1面部51、および第1面部51に直交する第2面部52から所定の色光を射出する。
導光部材6は、ガラスや透光性を有する樹脂等から構成され、図2および図3に示すように、一方の端部が固体光源5の第1面部51および第2面部52に接続され、固体光源5から入射した光を、他方の端部の端面である射出面6A側に導光する。
【0031】
導光部材6は、図3に示すように、導光部材6の最外周に配置されて一方の端部が固体光源5の第2面部52に接続される略筒形状の外周側導光部7と、外周側導光部7の内側に配置されて一方の端部が固体光源5の第1面部51に接続される略柱形状の中心側導光部8と、外周側導光部7と中心側導光部8との間に設けられた第1反射層P1とを備えて構成されている。
【0032】
中心側導光部8は、中心側導光部8の最外周に配置されて一方の端部が固体光源5の第1面部51の外側領域511に接続される略筒形状の第1中心側導光部81と、第1中心側導光部81の内側に配置されて一方の端部が固体光源5の内側領域512に接続される略柱形状の第2中心側導光部82と、第1中心側導光部81と第2中心側導光部82との間に設けられた第2反射層P2とを備えて構成されている。
【0033】
つまり、導光部材6は、外周側導光部7の内側に、第1反射層P1を介して第1中心側導光部81が配置され、第1中心側導光部81のさらに内側に、第2反射層P2を介して第2中心側導光部82が配置された多層構造になっている。
そして、これら外周側導光部7の射出面7A、第1中心側導光部81の射出面81A、および第2中心側導光部82の射出面82Aから、導光部材6の射出面6Aが構成されている。この導光部材6の射出面6Aは、図4に示すように、短手方向の長さと長手方向の長さとの比が8対9の比になるように形成され、偏光変換装置421の入射面421Aと略相似形に形成されている(かつ、入射面421Aと略同じ大きさに形成されている)。また、導光部材6の射出面6Aは、偏光変換装置421の入射面421Aに近接配置されている。
【0034】
なお、外周側導光部7は、高屈折率部材で構成されており、外周側導光部7の外周面は、入射する光を全反射する全反射面に形成されている。また、各導光部7,81,82の外周面は、なだらかな曲面(小さい曲率)に形成され、詳しくは後述するが、固体光源5から各導光部7,81,82に入射した光を、各導光部7,81,82の射出面7A,81A,82Aから、当該射出面7A,81A,82Aに略垂直な方向に沿って射出させることができるようになっている。
【0035】
導光部材6は、図3に示すように、偏光変換装置421の入射面421Aと略相似形である射出面6Aと、射出面6Aの各辺と固体光源5の各辺とを接続する4つの曲面から構成された周面6Bとを備え、固体光源5と接続する基端側から射出面6Aが形成された先端側に向かうに従って拡がる末拡がり形状に形成されている。
【0036】
外周側導光部7、第1中心側導光部81、および第2中心側導光部82の射出面7A,81A,82Aは、共に所定の方向、すなわち偏光変換装置421の入射面421Aに対向する方向を向いている。また、第2中心側導光部82の射出面82Aは、図1に示すように、光の射出方向先端側に膨出しており、当該射出面82Aに入射する光を当該射出方向に揃えるレンズ効果を有している。
さらに、外周側導光部7、第1中心側導光部81、および第2中心側導光部82の各射出面7A,81A,82Aの面積比は、固体光源5の第2面部52から外周側導光部7に入射する光量と、固体光源5の外側領域511から第1中心側導光部81に入射する光量と、固体光源5の内側領域512から第2中心側導光部82に入射する光量との比と略等しくなっている。
【0037】
以上のような光源装置41Aにおいて、固体光源5に電圧が印加されると、固体光源5の第1面部51および第2面部52からは所定の色光が射出される。
固体光源5の第2面部52から射出された光は、外周側導光部7の外周面と第1反射層P1との間で反射を繰り返しながら、外周側導光部7内を進行し、射出面7Aから、当該射出面7Aに略垂直な方向に沿って外部へ射出される。
同様に、固体光源5の外側領域511から射出された光は、第1反射層P1と第2反射層P2との間で反射を繰り返しながら、第1中心側導光部81内を進行し、射出面81Aから、当該射出面81Aに略垂直な方向に沿って外部へ射出される。
固体光源5の内側領域512から射出された光は、第2反射層P2間で反射を繰り返しながら、第2中心側導光部82内を進行し、射出面82Aから、当該射出面82Aに略垂直な方向に沿って外部へ射出される。
【0038】
従って、固体光源5の第2面部52、外側領域511、および内側領域512から射出された光は、各導光部7,81,82内を進行した後、各射出面7A,81A,82Aから当該射出面7A,81A,82Aに略垂直な方向に沿って外部へ射出される。この際、各射出面7A,81A,82Aは、共に所定の方向、すなわち光路後段に配置された偏光変換装置421の入射面421Aに対向する方向を向いているので、固体光源5の第2面部52、外側領域511、および内側領域512から射出され、各導光部7,81,82によって導光された光を、所定の方向、すなわち偏光変換装置421の入射面421Aの方向に揃えて射出することができる。
【0039】
また、導光部材6の射出面6Aは、偏光変換装置421の入射面421Aに略相似形に形成されているとともに、偏光変換装置421の入射面421Aに近接配置されているので、光源装置41Aの射出面6Aから射出された光は、略全て偏光変換装置421の入射面421Aに入射する。これにより、従来、固体光源5の第2面部52等から射出された後に偏光変換装置421の入射面421Aへ入射せず、画像形成に利用されなかった光を利用することができ、光の利用効率を向上させることができる。
【0040】
なお、外周側導光部7、第1中心側導光部81、および第2中心側導光部82の外周面は、共になだらかな(曲率の小さい)曲面形状に形成されており、固体光源5からの光を、各導光部7,81,82の各射出面7A,81A,82Aから、効果的に当該各射出面7A,81A,82Aに略垂直な方向に沿って射出させることができる。これにより、各導光部7,81,82の各射出面7A,81A,82Aから射出される光を略平行光とすることができ、より所定の方向に揃えて射出することができる。また、射出光束の拡散を抑えることができる。
【0041】
また、第2中心側導光部82は、断面が射出面82Aに向かうに従って拡がる末拡がり形状に形成されており、固体光源5からの光を射出面82Aから所定の方向に射出しづらいが、第2中心側導光部82の射出面82Aは、光の射出方向先端側に膨出しており、レンズ効果を有しているため、当該射出面82Aから、第2中心側導光部82の中心から外側に傾斜して光が射出されることを抑えることができ、光を所定の方向に射出することができる。
また、各導光部7,81,82の射出面7A,81A,82Aの面積比は、固体光源5の各面52,511,512から各導光部7,81,82に入射する光量の比と略等しくなっているので、各導光部7,81,82の各射出面7A,81A,82Aから射出される光において、所定方向に直交する面内の面内照度を均一化でき、ひいては、光源装置41Aから射出される光束の所定方向に直交する面内の面内照度を均一化できる。
【0042】
以上のようなプロジェクタによれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)光源装置41Aにおける導光部材6において、固体光源5の第2面部52に接続される外周側導光部7の外周面6Bは、全反射面に形成され、この外周側導光部7と、外周側導光部7の内側に設けられて固体光源5の外側領域511に接続される第1中心側導光部81との間には、第1反射層P1が設けられ、第1中心側導光部81と、第1中心側導光部81の内側に設けられて固体光源5の内側領域512に接続される第2中心側導光部82との間には、第2反射層P2が設けられている。
この際、各導光部7,81,82の各射出面7A,81A,82Aは、共に所定の方向(各射出面7A,81A,82Aと偏光変換装置421の入射面421Aとが対向する方向)を向いているので、固体光源5の第2面部52から射出され、外周側導光部7によって導光されて当該外周側導光部7の射出面7Aから射出される光と、固体光源5の第1面部51から射出され、第1,第2中心側導光部81,82によって導光されて当該第1,第2中心側導光部81,82の射出面81A,82Aから射出される光とを、所定の方向に揃えて射出することができる。
【0043】
(2)各導光部7,81,82の外周面は、共になだらかな曲面により構成され、固体光源5からの光を、各射出面7A,81A,82Aから、当該各射出面7A,81A,82Aに垂直な方向に沿って効果的に射出させることができる。これにより、各射出面7A,81A,82Aから射出される光を略平行な光とすることができ、より所定の方向に揃えて射出することができる。
【0044】
(3)第2中心側導光部82は、断面が射出面82Aに向かうに従って拡がる末拡がり形状に形成されており、固体光源5からの光を射出面82Aから所定の方向に射出しづらいが、第2中心側導光部82の射出面82Aは、光の射出方向先端側に膨出しており、レンズ効果を有しているため、当該射出面82Aから、第2中心側導光部82の中心軸に対して外側に傾斜して光が射出されることを抑えることができ、光を所定の方向に射出することができる。
【0045】
(4)各導光部7,81,82の各射出面7A,81A,82Aの面積比は、各導光部7,81,82が接続される固体光源5の面(第2面部52、外側領域511、内側領域512)から各導光部7,81,82に入射する光量の比と略等しくなっているので、各導光部7,81,82の各射出面7A,81A,82Aから射出される光の所定方向に直交する面内の面内照度を均一化でき、ひいては、光源装置41Aの射出光束の所定方向に直交する面内の面内照度を均一化できる。
この際、本実施形態では、中心側導光部8を第1中心側導光部81および第2中心側導光部82の2層で構成したが、中心側導光部8をさらに多層構造とし、当該中心側導光部8を構成する各導光部の射出面の面積比を、各導光部に入射する光量の比と略等しくすることで、中心側導光部8から射出される光束の所定方向に直交する面内の面内照度をより均一化することができる。
【0046】
(5)本実施形態のプロジェクタ1では、光源装置41Aの射出面6Aは、偏光変換装置421の入射面421Aに略相似形に形成されているとともに、偏光変換装置421の入射面421Aに近接配置されているので、光源装置41Aの射出面6Aから射出された光は、略全て偏光変換装置421の入射面421Aに入射する。これにより、従来、固体光源5の第2面部52等から射出された後に偏光変換装置421の入射面421Aへ入射せず、画像形成に利用されなかった光を利用することができ、光の利用効率を向上させることができる。また、光源装置41Aの射出面6Aと、偏光変換装置421の入射面421Aとが異なる大きさの場合であっても、光源装置41の射出面6Aが偏光変換装置421の入射面421Aに略相似形に形成されていれば、光源装置41Aの射出面6Aから射出された光をレンズによって拡大、あるいは縮小させることで、光源装置41Aの射出面6Aから射出された光を略全て偏光変換装置421の入射面421Aに入射させることができる。
【0047】
(6)本実施形態のプロジェクタ1は、光源として、前述の効果を奏する固体光源5を用いたので、射出光束の所定方向に直交する面内の面内照度を均一化することができ、スクリーン等に投射される投射画像の照度ムラを低減することができて投射画像の劣化を抑制できる。
【0048】
〔第2実施形態〕
本実施形態のプロジェクタは、前述のプロジェクタ1と同様の構成を備えるが、前述の光源装置41Aでは、中心側導光部8は、第1,第2中心側導光部81,82を備えて2層構造に構成されていたが、本実施形態の光源装置41Bでは、中心側導光部18は、多層構造には構成されていない点が前述の光源装置41Aと相違する。また、前述の光源装置41Aでは、各導光部7,81,82の外周面は曲面で構成されていたが、本実施形態の光源装置41Bでは、各導光部17,18の外周面は、平面で構成されている点が前述の光源装置41Aと相違する。なお、以下の説明では、すでに説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
図5は、本実施形態に係る光源装置41Bを示す斜視図である。
光源装置41Bは、図5に示すように、素子基板110上に実装された固体光源15と、この固体光源15に接続される導光部材16とを備えて構成されている。導光部材16は、先端に向かうに従って拡がる略逆四角錐台形状に形成されている。そして、導光部材16は、導光部材16の最外周に配置されて固体光源15の第2面部152と接続する略四角筒形状の外周側導光部17と、外周側導光部17の内側に配置されて固体光源15の第1面部151と接続する略柱形状の中心側導光部18と、外周側導光部17と中心側導光部18との間に設けられた反射層P11とを備えて構成されている。
【0050】
外周側導光部17、および中心側導光部18の外周面は、共に4つの平面から形成されている。また、外周側導光部17、および中心側導光部18の射出面17A,18Aは、共に偏光変換装置421の入射面421Aと対向し、入射面421Aの方向を向いている。なお、中心側導光部18の射出面18Aは、光の射出方向先端側に膨出しており、レンズ効果を有している。外周側導光部17および中心側導光部18の射出面17A,18Aの面積比は、固体光源15の第2面部152から外周側導光部17に入射する光量と、第1面部151から中心側導光部18に入射する光量との比と略等しくなるように調整されている。
【0051】
このような光源装置41Bでも、各導光部17,18の射出面17A,18Aは、共に所定の方向(各射出面17A,18Aと偏光変換装置421の入射面421Aとが対向する方向)を向いているので、固体光源15の第2面部152から射出され、外周側導光部17によって導光されて当該外周側導光部17の射出面17Aから射出される光と、固体光源15の第1面部151から射出され、中心側導光部18によって導光されて当該中心側導光部18の射出面から射出される光とを、所定の方向に揃えて射出することができる。
以上のような本実施形態のプロジェクタは、前述のプロジェクタ1が奏することのできる効果(1)〜(6)のうち、(1),(3)〜(6)と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
(7)外周側導光部7および中心側導光部18の外周面は、平面によって構成されているので、各導光部17,18の形状を容易にでき、それぞれの組み立てを簡単に行うことができる。従って、各導光部17,18、ひいては、光源装置41Bの製造を簡略化できる。
【0052】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0053】
すなわち、前記各実施形態では、導光部材6の射出面6Aは、素子基板10の略法線方向を向いていたが、導光部材6の射出面6Aは、素子基板10に対して傾いていてもよく、素子基板10の略法線方向を向いていることに限定されない。この導光部材6、射出面6A及び素子基板10に関する構成は、第2実施形態における導光部材16、射出面16A及び素子基板110に対しても適用可能である。
前記各実施形態では、外周側導光部7は、固体光源5の第2面部52に接続されていたが、外周側導光部7は、少なくとも固体光源5の第2面部52に接続されていればよく、固体光源5の第1面部51の一部と接続していてもよい。
前記各実施形態では、中心側導光部8は、固体光源5の第1面部51に接続されていたが、中心側導光部8は、少なくとも固体光源5の第1面部51に接続されていればよく、固体光源5の第2面部52の一部と接続していてもよい。これらの外周側導光部7、中心側導光部8、固体光源5、第1面部51及び第2面部52に関する構成は、第2実施形態における外周側導光部17、中心側導光部18、固体光源15、第1面部151及び第2面部152に対しても適用可能である。
【0054】
前記各実施形態では、外周側導光部7は、高屈折率部材により構成され、その外周面は、全反射面に形成されていたが、外周面に反射膜を設けたり、外周面を反射部材で覆うことにより、外周側導光部7の外周面に反射面を形成してもよい。
前記各実施形態では、外周側導光部7と中心側導光部8との間には、隙間が設けられていなかったが、外周側導光部7と中心側導光部8との間に反射層が設けられているならば、外周側導光部7と中心側導光部8との間に隙間が設けられていてもよい。また、各第1,第2中心側導光部81,82の間に隙間が設けられていてもよい。この外周側導光部7及び中心側導光部8に関する構成は、第2実施形態における外周側導光部17及び中心側導光部18に対しても適用可能である。
前記各実施形態では、固体光源5及び15は、直方体形状に構成されていたが、正六面体形状や、円柱形状に形成されていてもよく、直方体形状に構成されることに限定されない。
【0055】
固体光源5及び15は、赤、青、緑の色光を射出するLED素子から構成されていたが、白色光を射出するLED素子から構成されていてもよい。さらに、固体光源5及び15は、LED素子以外にも、有機EL(Electroluminescence)素子等の他の発光素子から構成されていてもよい。
前記各実施形態では、3つの光変調装置(液晶パネル)431を用いたプロジェクタの例のみを挙げたが、2つ以下、および4つ以上の光変調装置431を用いたプロジェクタにも、本発明の光源装置は適用可能である。
【0056】
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置431を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
前記各実施形態では、本発明の光源装置41A,41Bを、液晶タイプのプロジェクタ1の光源に用いたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど液晶以外の光変調装置を用いたプロジェクタにも用いることができる。
さらに、前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行なうフロントタイプのプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の光源装置は、固体光源から放射状に射出される光を所定の方向に揃えて射出することができるため、ホームシアタやプレゼンテーションで利用されるプロジェクタの光源として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの構成を示す模式図。
【図2】前記実施形態の光源装置および偏光変換装置の構成を説明するための図。
【図3】前記実施形態の光源装置を示す斜視図。
【図4】前記実施形態の光源装置を示す正面図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る光源装置を示す斜視図。
【符号の説明】
【0059】
1…プロジェクタ、3…投射レンズ(投射光学装置)、5、15…固体光源、6、16…導光部材、6A、16A…光源装置の射出面、7、17…外周側導光部、8、18…中心側導光部、7A、17A…外周側導光部の射出面、8A、18A…中心側導光部の射出面、10、110…素子基板、41A,41B…光源装置、51、151…第1面部、52、152…第2面部、421…偏光変換装置、421A…入射面、431…液晶パネル(光変調装置)、P1、P11…第1反射層(反射層)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子基板上に実装され、所定電圧の印加により光を射出する固体光源と、前記固体光源に接続され、前記固体光源から入射する光を導光する導光部材と、を備える光源装置であって、
前記固体光源は、前記素子基板に沿い、かつ、前記素子基板に対向する側とは反対側の面である第1面部と、前記固体光源の前記第1面部に直交する第2面部とを備え、
前記導光部材は、当該導光部材の最外周に配置され、かつ、前記固体光源の少なくとも前記第2面部と一方の端部が接続される略筒形状の外周側導光部と、
前記外周側導光部の内側に配置され、かつ、前記固体光源の少なくとも前記第1面部と一方の端部が接続される中心側導光部と、
前記外周側導光部と前記中心側導光部との間に設けられた反射層とを備え、
前記外周側導光部の外周面には、反射面が形成され、
前記外周側導光部は、前記固体光源の少なくとも前記第2面部に接続された前記一方の端部から入射した光を他方の端部側に導光し、
前記中心側導光部は、前記固体光源の少なくとも前記第1面部に接続された前記一方の端部から入射した光を他方の端部側に導光し、
前記外周側導光部および前記中心側導光部の前記各他方の端部の端面は、導光された光が射出される射出面とされ、
前記外周側導光部の射出面と、前記中心側導光部の射出面とは、共に所定の方向を向いていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光源装置において、
前記外周側導光部の外周面、および前記中心側導光部の外周面は、前記各導光部の射出面から射出される光が所定方向に沿うような曲面形状を有していることを特徴とする光源装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光源装置において、
前記外周側導光部および前記中心側導光部の外周面は、平面形状を有していることを特徴とする光源装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光源装置において、
前記中心側導光部の射出面は、光の射出方向に膨出し、当該中心側導光部から射出される光を、前記導光部材の全体としての射出面の略法線方向に揃えるレンズ効果を有していることを特徴とする光源装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の光源装置において、
前記外周側導光部の射出面と、前記中心側導光部の射出面との面積比は、前記外周側導光部に入射した光量と、前記中心側導光部に入射した光量の比と略等しくなっていることを特徴とする光源装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光源装置において、
前記中心側導光部は、少なくとも第1中心導光部および第2中心導光部を備え、各導光部の間に反射層が介在配置された多層構造に構成され、当該中心側導光部を構成する各導光部の射出面の面積比は、各導光部に入射する光量の比と略等しくなっていることを特徴とする光源装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の光源装置と、前記光源装置から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、変調された光を投射する投射光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項8】
請求項7に記載のプロジェクタにおいて、
前記光源装置の光路後段には、入射光の偏光方向を揃える偏光変換装置が配置され、
前記光源装置の射出面は、前記偏光変換装置の入射面と略相似形に形成されていることを特徴とするプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−91143(P2008−91143A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269166(P2006−269166)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】