説明

光源露出型看板

【課題】本発明は、複数に分割されたセグメントパネルを組み合わせて盤面が構成されることで、構成部品の取り外し及び取り付けを容易なものとする光源露出型看板を提案することを目的とする。
【解決手段】光源露出型看板は、盤複数の光源装置を表面から露出させた盤面1と、盤面1によって開口面が覆われた筐体2とを備える。又、盤面1が、複数枚のセグメントパネル10a〜10hに分割される。これにより、筐体2の開口面を覆うようにセグメントパネル10a〜10hを敷設することによって、1枚の盤面1が筐体2の開口面上に構成される。そして、盤面1上に配列された複数の光源装置が発光することにより、光源露出型看板自体が、盤面1の象った文字や図形形状に発光したように見える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面から露出させた光源を配置して文字や画像を表示する光源露出型看板に関するもので、特に、大型の盤面を構成する光源露出型看板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、夜間でも内容を確認できる看板として、画像や文字などが印刷された透明フィルムの背後に光源を配置する内照式電飾看板が、商品又は企業の宣伝を目的として、一般に広く利用されている。このような内照式電飾看板以外に、画像や文字の形状に蛍光管やネオン管などの光源を配置し、この光源からの光によって文字や画像をかたどった光源露出型看板がある。このような光源露出型看板において、近年では、蛍光管やネオン管に比べて、画像や文字の形状にあわせた配置が容易となるだけでなく、消費電力が低く且つ寿命が長いことから、光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられるようになっている。
【0003】
LEDを光源ユニットとして備えた光源露出型看板は、LEDの指向性が高いため、看板の盤面上において、LEDが配置された部分の発光量に対して、LEDの配置されていない部分の発光量が急激に低下する。よって、発光表示させる画像や文字の構成領域に、多くのLEDを敷き詰めて配置して、その明るさの均一化を図る必要があった。そのため、看板の盤面における発光させる領域に配置されるLEDの個数が多くなり、光源露出型看板の消費電力化及び軽量化の妨げとなる。
【0004】
このように盤面に配置するLEDの個数を低減させるために、光源露出型看板に利用する光源装置として、複数のLEDを組み合わせて照射領域を広げた光源装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の光源装置は、異なる方向に光軸を傾けた複数のLEDを筐体に載置して構成することで、複数のLEDそれぞれから異なる方向に光を照射する。よって、特許文献1の光源装置は、複数のLEDからの照射光が合成されて照射されるため、その光の照射領域を広げることができ、看板の盤面における明るさの均一化を図れる。そのため、この特許文献1による光源装置を光源露出型看板に採用した場合、光源露出型看板に用いる光源装置の個数が低減できる。
【特許文献1】特開2008−227011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の光源装置を盤面に配置して光源露出型看板を構成し、光源装置の個数の低減を図ったとしても、大型の光源露出型看板の場合、盤面を構成するパネル自体に重量がある。又、このような大型の光源露出型看板の多くは、高所などに設置されることが多く、重量のある大型の光源露出型看板の設置作業が困難であった。更に、一部の光源装置や電源装置に交換が必要となったとき、パネルを取り外す必要があるが、大型の光源露出型看板の場合、パネル自体が大きいため、その取り外し作業が困難なものとなってしまう。
【0006】
このような問題を鑑みて、本発明は、複数に分割されたセグメントパネルを組み合わせて盤面が構成されることで、構成部品の取り外し及び取り付けを容易なものとする光源露出型看板を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の光源露出看板は、表面より光源装置を露出させた盤面を備え、前記光源装置からの照射光によって文字又は画像を表示する光源露出型看板において、前記盤面が複数枚のセグメントパネルに分割されていることを特徴とする。
【0008】
このとき、隣接する前記セグメントパネル同士を接続して固定する接続部材を更に備え、前記接続部材によって前記セグメントパネルを固定して、複数枚の前記セグメントパネルを組み合わせて設置することで、前記盤面を構成するものとしてもよい。
【0009】
このような構成の光源露出型看板において、前記盤面を構成する複数枚の前記セグメントパネルのうち、少なくとも1以上には、前記光源装置に電源供給する電源装置が設けられるものとしてもよい。又、前記盤面は、前記セグメントパネルで覆われる筐体を有し、前記光源装置に電源供給する電源装置が、前記筐体の内部に設置されるものとしてもよい。
【0010】
又、上述の光源露出型看板において、前記光源装置は、発光素子と光学系によって構成されるとともに、前記発光素子からの直射光と、前記発光素子からの直射光の一部を前記光学系で前記盤面に向かって反射させる反射光と、を照射し、前記盤面は、前記光源装置の周辺領域の表面で、前記光源装置からの反射光を反射させるものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、複数枚のセグメントパネルを組み合わせて1枚の盤面が構成されるため、盤面1枚分を構成する1枚のパネルに比べ、各セグメントパネルの重量を軽量化できる。このセグメントパネルの軽量化により、各セグメントパネルの取り付け作業及び取り外し作業における作業者への負担が軽減されるため、光源露出型看板の施工作業を簡単化できる。一部の光源装置を交換する場合において、交換が必要な光源装置を搭載したパネルのみを取り外せばよく、電源装置を交換する場合は、対象となる電源装置の交換作業を行うためのセグメントパネルのみを取り外せばよい。よって、光源露出型看板を構成する部品の交換時においても、作業者への負担が軽減され、その交換作業を簡単化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の光源露出型看板の実施の形態について、以下に図面を参照して説明する。図1は、本発明の光源露出型看板の構成を示す正面図である。
【0013】
1.光源露出型看板の外観構成
図1に示す光源露出型看板は、表示する文字又は図形の形状となるパネル状の盤面1と、この盤面1によって開口面が覆われる筐体2とによって構成される。即ち、光源露出型看板は、盤面1と筐体2とに覆われる閉空間を備え、この盤面1及び筐体2によって構成される閉空間内に、後述する光源装置11(図2参照)の一部や電源装置3が収容される。よって、後述するように、光源露出型看板は、外観上、盤面1から露出された光源装置11の光学レンズ41(図3参照)のみが現れた構成となる。
【0014】
又、盤面1は、複数枚のセグメントパネル10a〜10hに分割される。即ち、筐体2の開口面を覆うようにセグメントパネル10a〜10hを敷設することによって、1枚の盤面1が筐体2の開口面上に構成される。このように構成される光源露出型看板において、盤面1上に配列された複数の光源装置11が発光することにより、光源露出型看板自体が、盤面1の象った文字や図形形状に発光したように見える。図1の例では、盤面1が文字「C」の形状となっているため、光源装置11を発光させたとき、光源露出型看板が、文字「C」の形状に発光したように見える。
【0015】
2.セグメントパネル
セグメントパネル10a〜10hは、図2に示すように、光源装置11を表面から露出させるための複数の貫通穴をパネル全面に備え、この貫通穴に光源装置11が裏面側より挿入される。尚、図2には、セグメントパネル10a〜10hを代表して、セグメントパネル10dの正面図を示す。そして、このセグメントパネル10a〜10hに設けられる光源装置11挿入用の貫通穴は、上下左右に隣接する貫通穴と略等間隔となるように、パネル全面に形成される。これにより、セグメントパネル10a〜10hそれぞれに設置される光源装置11は、セグメントパネル10a〜10hの表面より露出させたとき、パネル全面に略等間隔に敷設されることとなる。
【0016】
又、セグメントパネル10a〜10hに設置される光源装置11は、所定数毎(図2の例では、24個毎)に1群の光源装置群110とされ、1つの光源装置群110に対して、1つの直流電源30(直流電源30については後述する)が電力供給を行う。即ち、直流電源30と光源装置群110とが1対1の関係であり、この直流電源30と光源装置群110によって構成される電気回路が、直流電源30に電力供給を行う商用電源に対して並列接続される。よって、セグメントパネル10a〜10hそれぞれに構成される光源装置11挿入用の貫通穴の設置数は、光源装置群110を構成する光源装置11の個数の整数倍とすることが好ましい。
【0017】
3.光源装置
光源装置11は、図3に示すように、樹脂モールド成形によるパッケージカバー40と、パッケージカバー40によって光出射側と逆側の面が覆われる光学レンズ41と、光学レンズ41に向かって発光する発光ダイオード(LED)45と、LED45を搭載した基板46と、を備える。この光源装置11における光学レンズ41は、その光出射側が円筒形状となるとともに、この光出射側の端面は、円錐形状となる出射側凹部42が形成される。このとき、光学レンズ41の光出射側の円筒部分の中心軸と、円錐形状となる出射側凹部42の中心軸とは一致する。この光学レンズ41は、出射側凹部42が設けられ光出射側端面と逆側となる光源側端面に、LED45を収容する光源側凹部44を備える。
【0018】
そして、光源側凹部44は、その開口面が基板46によって覆われることで、基板46と光学レンズ41とによって封止された空間が形成され、この空間内にLED45が配置される。光源側凹部44内に設置されるLED45は、光を出射する出射端面が出射側凹部42の頂部に向くように、基板46上に配置される。即ち、LED45から出射される光の光軸が、円錐形状となる出射側凹部42の中心軸と一致するように、LED45が基板46上に搭載される。又、LED45を搭載した基板46によって光源側凹部44が覆われた光学レンズ41は、パッケージカバー40によって、その光源側凹部44側がLED45及び基板46と共に封止される。
【0019】
このように構成される光源装置11は、パッケージカバー40で覆われる部分の断面積が、パッケージカバー40で覆われていない部分の断面積に比べて広くなる。そのため、図3に示すように、光源装置11をセグメントパネル10(図1のセグメントパネル10a〜10hに相当する)の貫通穴にセグメントパネル10の裏面側から挿入したとき、パッケージカバー40がセグメントパネル10に当接する。よって、光学レンズ41のパッケージカバー40で覆われていない光出射側の円筒形状部分のみを、セグメントパネル10の表面から露出させることができる。
【0020】
そして、光源装置11は、弾性を備えた光源固定部材12によって、セグメントパネル10の裏面側に押圧されることで、パッケージカバー40がセグメントパネル10と光源固定部材12とによって挟持される。光源固定部材12は、2箇所で屈曲させた略「コ」字形状であり、その両端部分には、屈曲位置から端部に向かう方向と逆側に反った形状を有する。このような光源固定部材12の両端部分が挿入される固定部材挿入穴13が、セグメントパネル10を貫通して設けられる。この固定部材挿入穴13は、セグメントパネル10において、光源装置11の光学レンズ41が挿入される貫通穴の周囲に設けられる。
【0021】
よって、光源装置11は、セグメントパネル10の裏面側から貫通穴に挿入され、パッケージカバー40がセグメントパネル10の裏面に当接して、光学レンズ41がセグメントパネル10の表面より露出させた位置に設置される。そして、セグメントパネル10の裏面側から、弾性変形させた光源固定部材12の両端部分を、光源装置11の設置位置の周囲に設けられた固定部材挿入穴13に挿入する。このとき、光源固定部材12自身の弾性によって広がるため、固定部材挿入穴13に挿入された光源固定部材12の両端部分が、セグメントパネル10の固定部材挿入穴13の周辺部分で係止する。これにより、光源固定部材12が、光源装置11のパッケージカバー40に当接した状態で、セグメントパネル10に固定設置される。そのため、光源装置11は、セグメントパネル10の裏面と光源固定部材12とによってパッケージカバー40が挟持されることによって、セグメントパネル10に固定設置される。
【0022】
又、上述したように、セグメントパネル10において、電気的に接続された所定数の光源装置11によって、1つの光源装置群110(図2参照)が構成される。このとき、セグメントパネル10に固定された光源装置11は、セグメントパネル10の裏面側において、図4又は図5に示すように、光源装置群110毎に配線ケーブル15によって電気的に接続される。このとき、隣接して配置される光源装置11間を接続する配線ケーブル15は、図4(a)、図4(b)、又は、図5に示すような状態で設置することで、光源装置11をセグメントパネル10において効率的に設置できる。
【0023】
図4(a)においては、配線ケーブル15が「U」字形状となるように設置されて、隣接する光源装置11同士を接続して、光源装置11間を電気的に接続する。このとき、図4(a)に示すように、紙面上に左右に隣接する光源装置11に対して上下となる位置に、配線ケーブル15が設置される。即ち、光源装置11の上側で接続される配線ケーブル15は、左側に隣接する光源装置11の上側で接続され、光源装置11の下側で接続される配線ケーブル15は、右側に隣接する光源装置11の下側で接続される。尚、配線ケーブル15の光源装置11に対する上下位置については、図4(a)と逆となってもよい。
【0024】
図4(b)においては、「S」字形状となるように設置され配線ケーブル15により隣接する光源装置11同士が接続されて、光源装置11が電気的に接続される。このとき、図4(b)に示すように、光源装置11は、光源装置11同士の隣接方向に対して斜めに傾斜して設置され、紙面上に左右に隣接する光源装置11の間に「S」字形状の配線ケーブル15が設置される。即ち、配線ケーブル15の左端が、左側の光源装置11の右上側に接続され、配線ケーブル15の右端が、右側の光源装置11の左下側に接続される。尚、光源装置11及び配線ケーブル15それぞれの傾斜については、図4(b)と逆となってもよい。
【0025】
図5においては、隣接する光源装置11の間で1回巻いた状態で設置された配線ケーブル15が、隣接する光源装置11それぞれに接続されて、光源装置11が電気的に接続される。このとき、配線ケーブル15で接続される2つの光源装置11は、配線ケーブル15との接続部分が対向するように配置される。又、この光源装置11は、セグメントパネル10の端辺に対して平行に並ぶように設置される。そして、配線ケーブル15は、その光源装置11との接続部分が、巻かれることで形成されたリング状の部分よりも、セグメントパネル10の端辺に近い位置とされる。これにより、セグメントパネル10を筐体2に設置して盤面1を形成する際、配線ケーブル15がセグメントパネル10同士の接続部分で干渉することがない。即ち、配線ケーブル15がセグメントパネル10を設置する際の障害となることを防ぐことができる。
【0026】
このようにセグメントパネル10に固定設置される光源装置11による光の照射について、図3に模式的に示した光の経路を参照して以下に説明する。LED45より出射される光は、その光軸が光学レンズ41の中心軸と一致する。そのため、この光学レンズ41中心軸に沿って出射するLED45からの光の一部である、光学レンズ41の出射側凹部42の頂部近傍を照射する光は、そのまま光学レンズ41を透過して、直射光51として外部に出射される。
【0027】
又、LED45から出射される光は、直射光51を中心に広がりを有するため、光学レンズ41の出射側凹部42の頂部近傍よりも広い領域を照射する。この直射光51よりも広がった領域を照射するLED45の光は、その大部分が、光学レンズ41の出射側凹部42における境界面43で反射する。この光学レンズ41の境界面43で反射した反射光52は、光学レンズ41を透過して、セグメントパネル10の表面に向かって照射される。そして、光学レンズ41を透過して出射した反射光52は、セグメントパネル10の表面に到達すると、セグメントパネル10の表面で反射して、直射光51の出射方向に向かって照射される。
【0028】
このとき、セグメントパネル10は、艶消し塗装やエンボス処理やブラスト処理などが施されて、凹凸を有した層が表面に形成されることで、反射光52が反射する方向が無作為となる。これにより、光学レンズ41を透過して出射した反射光52は、セグメントパネル10の表面で無作為に反射することで、直射光51の出射方向に向かって拡散光53が照射される。これにより、セグメントパネル10からは、光源装置11からの直接照射される直射光51と、この直射光51の周辺領域を反射して照射される拡散光53とが照射される。よって、光源装置11から光を出射しているセグメントパネル10からの発光量を、セグメントパネル10全面でほぼ均一化でき、セグメントパネル10全面の明るさを均一化できる。
【0029】
4.光源露出型看板の内部構成
光源露出型看板の内部構成について、図6を参照して説明する。図6は、図1の光源露出型看板の一部の断面図である。図6に示すように、筐体2は、底板21と、底板21に対して垂直な方向に立設した側壁22とによって構成され、底板21に対向する面が開口面とされる。そして、側壁22には、セグメントパネル10の端辺側が接続される盤面固定用枠23が、筐体2の開口面側において、筐体2の内側に向かって凸設される。又、底板21には、隣接するセグメントパネル10同士を接続して設置するための盤面固定用支柱24が、筐体2の開口面に向かって延びるように設置される。
【0030】
このような構成の筐体2は、その開口面が、複数の光源装置11が光源固定部材12により固定設置されたセグメントパネル10で覆われる。このとき、セグメントパネル10の裏面の端辺側部分が、筐体2の盤面固定用枠23及び盤面固定用支柱24それぞれに当接する。そして、セグメントパネル10は、盤面固定用ボルト14によって、盤面固定用枠23及び盤面固定用支柱24と締結されることで、筐体2の開口面上に固定設置される。即ち、盤面固定用枠23、盤面固定用支柱24、及び盤面固定用ボルト14は、セグメントパネル10を接続して盤面1を形成するための接続部材として機能する。
【0031】
又、光源装置11におけるLED45(図3参照)に直流電流を供給する直流電源30が、電源固定用ボルト31によって、筐体2の底板21に固定設置される。この直流電源30は、電気的に接続される所定数の光源装置11により構成される光源装置群110(図2参照)毎に設置される。即ち、光源装置群110の数と同数の直流電源30が、筐体2の底板21に固定設置される。よって、セグメントパネル10が盤面固定用枠23及び盤面固定用支柱24に固定される前に、筐体2に設置された複数の直流電源30に対して、各直流電源30に対応したセグメントパネル10に設置された光源装置11が電気的に接続される。このとき、セグメントパネル10の裏面側に配置される光源装置11のパッケージカバー40や固定部材12は、直流電源30と共に、セグメントパネル10に覆われた筐体2の内部に設置されることとなる。
【0032】
この直流電源30と光源装置11の電気的な関係について、図7の回路図を参照して説明する。図7に示すように、光源装置群110を構成する所定数の光源装置11におけるLED45は、直列に接続される。そして、このLED45が直列に接続された直列回路による光源装置群110に対して、直流電源30より直流電流が供給される。即ち、光源装置群110毎に、LED45が直列に接続されるとともに直流電源30が接続された直列回路が形成される。又、複数の直流電源30によって電源装置3が構成され、この電源装置3に対して商用電源4より交流電流が供給される。即ち、商用電源4に対して、電源装置3内の直流電源30が並列に接続される。この商用電源4に入力側が接続された直流電源30は、商用電源4からの交流電流を、一定値となる直流電流に変換して、所定数のLED45の直列回路となる光源装置群110に出力する。
【0033】
光源装置11及び直流電源30の接続関係が上述のような関係とされるとき、セグメントパネル10に設けられた光源装置11と、筐体2に設けられた直流電源30とを電気的に接続するために、盤面側端子61と筐体側端子62とが、光源装置群110毎に設けられる。即ち、セグメントパネル10は、光源装置群110毎に、直列に接続された光源装置11のLED45のうちの最端部に位置するLED45のアノードに接続された盤面側端子61を備える。一方、筐体2は、直流電源30の出力側に接続された筐体側端子62を備える。よって、セグメントパネル10には、光源装置群110の群数と同数の盤面側端子61が設けられ、筐体2には、直流電源30の個数と同数の筐体側端子62が設けられる。
【0034】
そして、セグメントパネル10が筐体2に固定設置されるとき、盤面側端子61と筐体側端子62とが接続されることによって、各光源装置群110におけるLED45による直列回路が、電源装置3の直流電源30と電気的に接続される。これにより、電源装置3に対して、各光源装置群110におけるLED45の直列回路が並列に接続されることとなる。換言すれば、商用電源4に対して、直流電源30及び光源装置群110を構成する複数のLED45による直列回路が並列に接続されることとなる。
【0035】
5.光源露出型看板の内部構成の別例
又、光源露出型看板の内部構成の別例について、図8を参照して説明する。図8は、図1の光源露出型看板の一部の断面図である。本例における構成は、図8に示すように、図6の構成と異なり、直流電源30をセグメントパネル10に固定設置する。その他の構成については、図6の構成例と同様となる。よって、セグメントパネル10に固定設置される直流電源30以外の構成については、図6による構成における説明を参照するものとして、その詳細な説明は省略する。
【0036】
図8に示すように、2箇所を屈曲させた「コ」字形状の断面を備える電源固定用架台32は、その脚部が架台固定用ナット33で締結されることで、セグメントパネル10の裏面側に固定設置される。この電源固定用架台32は、筐体2の底板21に対向する面に直流電源30が搭載される。そして、直流電源30は、電源固定用ボルト31で締結されることで、電源固定用架台32に固定設置される。又、セグメントパネル10の裏面側には、光源装置11の設置領域の間となる領域に、架台固定用ナット33が締結される架台固定用ボルト34が筐体2の底板21に向かって凸設される。よって、直流電源30が電源固定用ボルト31によって固定された電源固定用架台32は、その脚部を貫通させたセグメントパネル10の架台固定用ボルト34に架台固定用ナット33が螺合されることで、セグメントパネル10に固定設置される。
【0037】
このように電源固定用架台32を介して直流電源30が設置されたセグメントパネル10は、図6の構成と同様、筐体2の開口面を覆うように設置される。このとき、光源装置11と直流電源30とは、セグメントパネル10において既に電気的に接続されているため、まず、筐体2内部の商用電源4からの配線と直流電源30とを電気的に接続する。その後、盤面固定用ボルト14が締結されることで、セグメントパネル10が、盤面固定用枠23及び盤面固定用支柱24に固定される。このとき、セグメントパネル10の裏面側に配置される光源装置11のパッケージカバー40、固定部材12、直流電源30、及び、電源固定用架台32は、セグメントパネル10に覆われた筐体2の内部に設置されることとなる。
【0038】
この直流電源30と光源装置11の電気的な関係について、図9の回路図を参照して説明する。本構成例においても、図9に示すように、光源装置群110を構成する所定数の光源装置11におけるLED45が、直列に接続され、光源装置群110毎にLED45による直列回路が形成される。又、商用電源4に対して並列に接続された直流電源30の出力側が、直列に接続された光源装置11のLED45のうちの最端部に位置するLED45のアノードに直接接続される。即ち、セグメントパネル10には、セグメントパネル10に構成される光源装置群110の群数と同数の直流電源30によって、電源装置3が構成される。
【0039】
このように、セグメントパネル10毎に電源装置3が構成される本構成例では、電源装置3を構成する直流電源30の入力側が並列に接続された盤面側端子63が、セグメントパネル10に設けられる。そして、筐体2には、商用電源4と接続される筐体側端子64が設けられる。よって、セグメントパネル10それぞれが、上述の直流電源30を備える場合、1つの盤面側端子63が、各セグメントパネル10に設けられるとともに、盤面1を構成するセグメントパネル10の枚数と同数の筐体側端子64が、筐体2に設けられる。これにより、セグメントパネル10を筐体2に設置する際、図6及び図7の構成と比べて、盤面側端子63と筐体側端子64との接続回数が少なくなるため、セグメントパネル10の取り付け作業や交換作業にかかる負担を低減できる。
【0040】
尚、盤面1を構成するセグメントパネル10の一部について、光源装置11のみが構成され、この光源装置11それぞれに直流電流を供給する直流電源30が、別のセグメントパネル10に搭載されるものとしてもよい。このとき、光源装置11のみを搭載したセグメントパネル10は、図6及び図7に示す構成となり、光源装置群110毎に盤面側端子61を有した構成となる。そして、他のセグメントパネル10の光源装置11に直流電流を供給する直流電源30を備えたセグメントパネル10には、盤面側端子63に加えて、他のセグメントパネル10の光源装置11に直流電流を供給する直流電源30に接続された筐体側端子61と同様の形状の電源側端子が設けられる。又、図6及び図7に示す構成のセグメントパネル10と、図8及び図9に示す構成のセグメントパネル10とを混在させるものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、LEDやネオン管や蛍光管などの光源を盤面上に露出させた光源露出型看板に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】は、本発明の光源露出型看板の構成を示す概略正面図である。
【図2】は、図1に示す光源露出型看板のセグメントパネルの構成を示す概略正面図である。
【図3】は、光源装置の内部構成を示す概略断面図である。
【図4】は、図1の光源露出型看板に設けられた光源装置の配置と接続関係の一例を示すもので、(a)、(b)それぞれは、盤面の裏面側からの外観図である。
【図5】は、図1の光源露出型看板に設けられた光源装置の配置と接続関係の一例を示す、盤面の裏面側からの外観図である。
【図6】は、図1の光源露出型看板の内部の構成を示す断面図である。
【図7】は、図6に示す断面構造を備えた光源露出型看板における、電源装置と光源装置との接続関係を示す回路図である。
【図8】は、図1の光源露出型看板の別例となる内部の構成を示す断面図である。
【図9】は、図8に示す断面構造を備えた光源露出型看板における、電源装置と光源装置との接続関係を示す回路図である。
【符号の説明】
【0043】
1 盤面
2 筐体
3 電源装置
4 商用電源
10 セグメントパネル
10a〜10h セグメントパネル
11 光源装置
12 光源固定部材
13 固定部材挿入穴
14 盤面固定用ボルト
15 配線ケーブル
21 底板
22 側壁
23 盤面固定用枠
24 盤面固定用支柱
30 直流電源
31 電源固定用ボルト
32 電源固定用架台
33 架台固定用ナット
34 架台固定用ボルト
40 パッケージカバー
41 光学レンズ
42 出射側凹部
43 境界面
44 光源側凹部
45 発光ダイオード(LED)
46 基板
51 直射光
52 反射光
53 拡散光
61,63 盤面側端子
62,64 筐体側端子
110 光源装置群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面より光源装置を露出させた盤面を備え、前記光源装置からの照射光によって文字又は画像を表示する光源露出型看板において、
前記盤面が複数枚のセグメントパネルに分割されていることを特徴とする光源露出型看板。
【請求項2】
請求項1において、
前記盤面を構成する複数枚の前記セグメントパネルのうち、少なくとも1以上には、前記光源装置に電源供給する電源装置が設けられることを特徴とする光源露出型看板。
【請求項3】
請求項1において、
前記盤面は、前記セグメントパネルで覆われる筐体を有し、
前記光源装置に電源供給する電源装置が、前記筐体の内部に設置されることを特徴とする光源露出型看板。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記光源装置は、発光素子と光学系によって構成されるとともに、前記発光素子からの直射光と、前記発光素子からの直射光の一部を前記光学系で前記盤面に向かって反射させる反射光と、を照射し、
前記盤面は、前記光源装置の周辺領域の表面で、前記光源装置からの反射光を反射させることを特徴とする光源露出型看板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−113047(P2010−113047A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283951(P2008−283951)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(596127635)パナソニック電工エンジニアリング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】