説明

光線式検知装置のヘテロダイン検波

【課題】光線式検知装置の変調光を確実に検波すること。
【解決手段】光線式検知装置のヘテロダイン検波方式ではCPUから局部発信器に異なる周波数毎に異なる矩形波を入力することにより混合器(ミキサー)の周波数変換を正確に行うミキサー部を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変調光を発する投光器と、この変調光を受ける受光器とで構成される光線式検知装置の検波方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光線式検知装置は、投光器と受光器を所定の距離だけ離して設置するものである。投光器から受光器に達する変調光は、複数設置するときには誤動作を防止する目的で異なる変調周波数の光線を使用するが、従来は異なる変調周波数の検波方式として、異なる周波数毎に同調用コンデンサとトランジスタを実装し、回路を切り替えて使用していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の光線式検知装置の異なる変調周波数の検波方式として、異なる周波数毎に同調用コンデンサとトランジスタを実装し、回路を切り替えて使用する為、異なる周波数分の回路が必要で、回路の規模が大きくなりコストアップになっていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では、投光器から受光器に達する変調光を、ヘテロダイン検波を用いることにより、局部発振周波数を変えるだけで複数の異なる変調周波数の光線を検波する回路を備えた。
【発明の効果】
【0005】
本発明の光線式検知装置のヘテロダイン検波方式は、従来の異なる周波数毎に同調用コンデンサとトランジスタを実装し、回路を切り替えて使用する構造とは異なり、ヘテロダイン検波方式を用いる事により、異なる周波数に対しても一つの回路で信号処理が可能となり、回路の規模を大きく縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明以前の従来方式の回路の概念を示した図である。
【図2】本発明の回路の概念を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、従来の光線式検知装置の検波方式のブロック図である。図2は、本発明の光線式検知装置のヘテロダイン検波方式のブロック図である。従来の検波方式では異なる周波数毎にコンデンサとトランジスタの組合せをCPU、もしくは選択スイッチで切り替えて検波していた。本発明のヘテロダイン検波方式ではCPUから局部発信器に異なる周波数毎に異なる矩形波を入力することにより混合器(ミキサー)の周波数変換を行う。
【0008】
図1は従来の回路であり、例として、4種類の周波数の電気信号が選択できる回路をあげている。
投光される変調光は、受光素子1にて電気信号に変換され、同調用コンデンサ2及び同調用コイル3と選択される周波数によりCPU11で選択された周波数選択用トランジスタ5と同調用コンデンサ4で、選択すべき周波数の電気信号として取り出される。
しかし、実用上は周波数選択がこの一段だけの回路では十分ではなく、2段目として、トランジスタ6に接続された同調用コンデンサ8及び同調用コイル7と選択される周波数によりCPU11で選択された周波数選択用トランジスタ10と同調用コンデンサ9で、選択すべき周波数の電気信号が取り出される。
したがって十分な性能を得ようとすれば同調用コイル3及び同調用コイル7は十分に調整されなければならない
【0009】
図2の回路は本発明の概念図である。
投光される変調光は、受光素子20にて電気信号に変換され、同調用コンデンサ21及び同調用コイル22で周波数が選択されるが、ここでは従来回路の様な選択度は必要なく、実用上無調整である。
周波数選択された電気信号と、CPU25に接続されている局部発信器24で作成された電気信号が、トランジスタ23で構成されるミキサー回路に入力され、ミキサー回路内部でそれぞれの信号の和と差の混ざり合った信号ができる。
その電気信号を中間周波数に同調するように調整された同調コイル29と同調コンデンサ30により、中間周波数の電気信号として取り出す。
しかし、このままでは、ゲイン、選択度が十分では無いのでトランジスタ28、同調コイル26、同調コンデンサ27で構成される中間周波数増幅器で周波数の選択度とゲインを得る。
【0010】
したがって、調整は同じ2カ所でも同調コイルの調整は中間周波数に調整すればよく、調整工程の簡略化が図れる。
周波数切り替えも局部発振周波数の変更だけでよく、多数のトランジスタで切り替えなくても所望の周波数選択が得られる。
【符号の説明】
【0011】
1・・・受光素子
2・・・同調用コンデンサ
3・・・同調用コイル
4・・・同調用コンデンサ
5・・・周波数選択用トランジスタ
6・・・トランジスタ
7・・・同調用コイル
8・・・同調用コンデンサ
9・・・同調用コンデンサ
10・・・周波数選択用トランジスタ
11・・・CPU
20・・・受光素子
21・・・同調用コンデンサ
22・・・同調用コイル
23・・・トランジスタ
24・・・局部発信器
25・・・CPU
26・・・同調用コイル
27・・・同調用コンデンサ
28・・・トランジスタ
29・・・同調用コイル
30・・・同調用コンデンサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線式検知装置において、投光器から受光器に達する変調光を、ヘテロダイン方式を用い、局部発振周波数を変えることにより、複数の異なる変調周波数の光線を検波する回路を備えたことを特徴とする光線式検知装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−145116(P2011−145116A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4481(P2010−4481)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000210403)竹中エンジニアリング株式会社 (20)
【Fターム(参考)】