光走査装置および画像形成装置
【課題】透過性防塵部材表面に付着した細かな付着物を除去することができ、かつ、透過性防塵部材の表面の傷つきを抑制することができる光走査装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】シャッター部材60の開閉動作のときは、各遮蔽部材66Y,C,M,Kの先端に設けられた不織布からなる第1清掃部材67Y,C,M,Kにより各防塵ガラス48Y,C,M,Kの表面に付着した付着物を除去する。書込み動作回数が所定回数以上となったときは、シャッター部材60を遮蔽位置からさらに移動させ、シャッター部材60を防塵ガラス側へ近接させて、各遮蔽部材66Y,C,M、Kの略中央部付近に設けられたブレード部材からなる第2清掃部材68Y,C,M,Kを各防塵ガラス48Y,C,M,Kに当接させる。そして、第2清掃部材68Y,C,M,Kで防塵ガラス表面の付着物を除去する。
【解決手段】シャッター部材60の開閉動作のときは、各遮蔽部材66Y,C,M,Kの先端に設けられた不織布からなる第1清掃部材67Y,C,M,Kにより各防塵ガラス48Y,C,M,Kの表面に付着した付着物を除去する。書込み動作回数が所定回数以上となったときは、シャッター部材60を遮蔽位置からさらに移動させ、シャッター部材60を防塵ガラス側へ近接させて、各遮蔽部材66Y,C,M、Kの略中央部付近に設けられたブレード部材からなる第2清掃部材68Y,C,M,Kを各防塵ガラス48Y,C,M,Kに当接させる。そして、第2清掃部材68Y,C,M,Kで防塵ガラス表面の付着物を除去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の中には、潜像担持体上に画像情報に応じた書込光を偏向走査することにより照射して潜像担持体上に潜像を形成し、この潜像を現像して画像を得るものが知られている。書込光を偏向走査する光走査装置は、一般に、レーザダイオード(LD)などの光源から照射された光が、シリンドリカルレンズなどの光学素子によって所定の形状に成形されて光変偏向装置たるポリゴンスキャナのポリゴンミラーに入射する。ポリゴンミラーに入射した光は、偏向走査され、走査レンズ、反射ミラー等の光学素子を通った後、光学ハウジングの開口部に取り付けられた透過性防塵部材たる防塵ガラスから潜像担持体に照射される。
【0003】
近年、画像形成装置の高画質化が要求され、光走査装置においては、防塵ガラスに塵・埃などの汚れが付着し、レーザ光を遮ることによって画像品質が低下するという問題も重大となってきた。特許文献1には、防塵ガラスを覆う被覆位置と防塵ガラスを開放する開放位置との間を移動するシャッター部材を設け、上記防塵ガラスに当接してシャッター部材の開閉動作に伴い防塵ガラス表面を移動して防塵ガラスに付着した埃・塵などの付着物を除去する清掃部材を上記シャッター部材に設けた光走査装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の光走査装置においては、清掃部材として不織布を用いているが、不織布では、防塵ガラス表面に付着した細かいゴミを十分に除去できないという課題があった。そこで、清掃部材として不織布よりも清掃能力の高いゴムブレードなどのブレード部材を用いることも考えられる。ブレード部材を用いることにより、不織布を用いた場合に比べて防塵ガラス表面との密着性を高めることができ、防塵ガラス表面上の細かな付着物を良好に掻き取って除去することができる。しかしながら、ブレード部材を用いた場合、例えば、ブレード部材の防塵ガラスとの当接部に比較的硬い付着物が挟まった場合に防塵ガラスを傷つけるおそれがあった。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、透過性防塵部材表面に付着した細かな付着物を除去することができ、かつ、透過性防塵部材の表面の傷つきを抑制することができる光走査装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光源と、前記光源から発射された光束を主走査方向に偏向走査せしめる偏向手段と、前記偏向手段によって偏向せしめられた光束を被走査面に導く複数の光学素子と、前記光源、前記偏向手段、前記光学素子が搭載される光学ハウジングと、前記ハウジングに前記光束が被走査面に入射されるように形成された開口部を、光束が透過可能なように塞ぐ透過性防塵部材と、前記透過性防塵部材を覆う被覆位置と、前記透過性防塵部材が開放される開放位置との間を移動可能に設けられたシャッター部材と、前記被走査面に光束を走査するとき、前記シャッター部材を前記被覆位置から開放位置へ移動させ、前記被走査面への光束の走査が終了したら前記シャッター部材を開放位置から前記被覆位置へ移動させる移動手段とを備えた光走査装置において、前記シャッター部材は、前記開放位置と前記被覆位置との間の開閉範囲を越えてに移動可能に構成されており、前記シャッター部材の前記開閉範囲の移動のときに前記透過性防塵部材表面を移動して前記透過性防塵部材に付着した付着物を除去する第1清掃部材と、前記シャッター部材の前記開閉範囲を越えた移動のときに、前記透過性防塵部材の表面を移動して前記透過性防塵部材に付着した付着物を除去する前記第1清掃部材よりも清掃能力の高い第2清掃部材と、所定のタイミングで、前記シャッター部材を、前記開閉範囲を越えて移動させ、前記第2清掃部材による前記透過性防塵部材の清掃を行う制御を実行する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の光走査装置において、前記第1清掃部材は、不織布であり、前記第2清掃部材は、ブレード部材であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の光走査装置において、前記第2清掃部材は、前記第1清掃部材よりも前記光学ハウジングの前記開口部が形成された面に対して離間した位置に形成されており、前記シャッター部材を、前記開閉範囲を越えて移動させたとき、前記シャッター部材を光学ハウジングへ接近させる接離手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の光走査装置において、前記接離手段は、前記シャッター部材から突出する突出部と、前記シャッター部材が前記開閉範囲を越えて移動したとき、前記突出部に当接して前記突出部を前記光学ハウジング側へ押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の光走査装置において、前記透過性防塵部材の一部は、前記光学ハウジングの開口部が形成された面から突出しており、前記接離手段は、前記突出部の前記シャッター部材の移動方向に傾斜面を有し、前記シャッター部材を前記開閉範囲以上移動させると、前記傾斜面に前記押圧部が当接し、前記シャッター部材の移動に伴い、前記シャッター部材を光学ハウジングへ近接させるものであり、前記接離手段により前記シャッター部材が前記光学ハウジングに近接するとき、前記第1清掃部材が、前記透過性防塵部材の稜線部を摺擦することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの光走査装置において、前記移動手段は、モータと、ウォームギヤと、前記シャッター部材をウォームギヤ側に付勢する付勢手段と、前記ウォームギヤのハスバ歯車に設けられ、前記シャッター部材と当接して、前記シャッター部材を前記付勢手段の付勢方向と反対方向に押し込むための突起部とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の光走査装置において、前記シャッター部材には、前記モータを正回転させたときに前記突起部と当接して前記シャッター部材を開閉範囲内で移動させるための第1当接部と、前記モータを逆回転させたとき前記突起部と当接して前記シャッター部材を、前記開放範囲を越えて移動させるための第2当接部とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の光走査装置において、前記第2当接部を前記第1当接部よりも前記ウォームギヤ側に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項6乃至8いずれかの光走査装置において、前記突起部は、カバー部材に覆われており、前記カバー部材を、前記突起部に対して回転自在に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの光走査装置において、前記第2清掃部材を、弾性の高い部材で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体の表面に潜像を書き込むための光書込手段とを備えた画像形成装置において、上記光書込手段として、請求項1乃至10いずれかの光走査装置を用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被走査面へ光走査を行うときのシャッター部材の開閉動作のときは、第1清掃部材が、透過性防塵部材表面を移動して、透過性防塵部材表面を清掃する。また、所定のタイミングでシャッター部材を、開閉範囲を越えて移動させ、第1清掃部材よりも清掃能力の高い第2清掃部材で、透過性防塵部材の表面を清掃する。これにより、第1清掃部材で除去できなかった細かな付着物を、第2清掃部材で除去することができる。また、被走査面へ光走査を行うときのシャッター部材の開閉動作のときは、第1清掃部材で透過性防塵部材の表面を清掃するので、被走査面へ光走査を行うときのシャッター部材の開閉動作のときも第2清掃部材で透過性防塵部材の表面を清掃する場合に比べて、透過性防塵部材表面の傷つきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタにおけるY用の作像ステーションを示す概略構成図。
【図3】同プリンタおける光書込ユニットを、4つの感光体とともに示す概略構成図。
【図4】同光書込ユニットの平面図。
【図5】駆動機構の概略斜視図。
【図6】シャッター部材のガイド孔の周辺を示す拡大構成図。
【図7】シャッター部材の移動の制御フロー図。
【図8】シャッター部材の開閉動作時の駆動機構の動作を説明する図。
【図9】クリーニング動作時の駆動機構の動作を説明する図。
【図10】シャッター部材が遮蔽位置にあるときの光書込ユニットの概略構成図。
【図11】クリーニング動作時における光書込ユニットの概略構成図。
【図12】防塵ガラス表面に付着した付着物を除去する様子を説明した図。
【図13】第1清掃部材の不織布に付着した紙粉を示す図。
【図14】トナーを示す図。
【図15】クリーニング動作時における防塵ガラスのクリーニングについて説明する図。
【図16】シャッター部材の当接部の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を、電子写真方式のカラーレーザープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、筐体1と、この筐体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。筐体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像(可視像)を形成するための作像ステーション3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
【0010】
図2は、イエロー(Y)用の作像ステーションを示す概略構成図である。なお、他の作像ステーションも同様の構成である。
図1及び図2に示すように、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、図中矢印A方向に回転する潜像担持体としてのドラム状の感光体10Y,10C,10M,10Kを備えている。感光体10Y,10C,10M,10Kは、直径40[mm]のアルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、それぞれ、感光体10Y,10C,10M,10Kの周囲に、感光体を帯電する帯電装置11Y,11C,11M,11Kを備えている。また、感光体に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置12Y,12C,12M,12K、感光体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13Y,13C,13M,13Kも感光体の周囲に備えている。
【0011】
各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの下方には、感光体10Y,10C,10M,10Kに対し、書込光Lによる光走査を行う光走査装置としての光書込ユニット4を備えている。また、各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの上方には、各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kによって形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト20を具備する中間転写ユニット5を備えている。また、中間転写ベルト20に転写されたトナー像を転写体としての記録紙Pに定着せしめる定着ユニット6を備えている。また、筐体1の上部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナーを収容するトナーボトル7Y,7C,7M,7Kが装填されている。このトナーボトル7Y,7C,7M,7Kは、筐体1の上部に形成される排紙トレイ8を開くことにより、筐体1から脱着可能になっている。
【0012】
光走査装置としての光書込ユニット4は、光源である半導体レーザを有しており、この半導体レーザから、回転駆動される正多角柱構造のポリゴンミラーに向けて光ビームとしての書込光Lを発射する。発射された書込光Lは、回転するポリゴンミラーの鏡面によって主走査方向に偏向せしめられながら反射する。そして、複数の反射鏡によって折り返された後、帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様帯電せしめられた感光体10Y,10C,10M,10Kの周面を走査する。これにより、潜像担持体としての感光体10Y,10C,10M,10Kの周面に、それぞれY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット4の詳しい説明は後述する。
【0013】
転写手段たる中間転写ユニット5の中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22及び従動ローラ23に掛け回されながら、所定タイミングで図中反時計回り方向に回転駆動される。また、中間転写ユニット5は、感光体10Y,10C,10M,10Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト20に1次転写する1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kを備えている。また、中間転写ベルト20上に1次転写されたトナー像を記録紙Pに転写する2次転写ローラ25、記録紙P上に転写されなかった中間転写ベルト20上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーニング装置26も備えている。
【0014】
次に、本プリンタにおいて、カラー画像を得る工程について説明する。
まず、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kにおいて、感光体10Y,10C,10M,10Kが帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様に帯電される。その後、画像情報に基づいて生成された書込光Lによって走査露光されて、感光体10Y,10C,10M,10Kの表面に静電潜像が形成される。これらの静電潜像は、現像装置12Y,12C,12M,12Kの現像ローラ15Y,15C,15M,15K上に担持された各色のトナーによって現像されて、Y,C,M,Kトナー像となる。感光体10Y,10C,10M,10K上のY,C,M,Kトナー像は、各1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kの作用によって反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト20上に順次重ねて1次転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
【0015】
1次転写終了後の感光体10Y,10C,10M,10Kは、クリーニング装置13Y,13C,13M,13Kのクリーニングブレード13aによってその表面がクリーニングされて、次の画像形成に備えられる。
【0016】
トナーボトル7Y,7C,7M,7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しない搬送経路によって各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの現像装置12Y,12C,12M,12Kに所定量補給される。
【0017】
一方、上記給紙カセット2内の記録紙Pは、給紙カセット2の近傍に配設された給紙ローラ27によって、筐体1内に搬送され、レジストローラ対28によって所定のタイミングで2次転写部に搬送される。そして、2次転写部において、中間転写ベルト20上に形成されたトナー像が記録紙Pに転写される。トナー像が転写された記録紙Pは、定着ユニット6を通過することでトナー像が定着せしめられた後、排出ローラ29によって排紙トレイ8に排出される。感光体10と同様に、中間転写ベルト20上に残った転写残のトナーは、中間転写ベルト20に接触するベルトクリーニング装置26によってクリーニングされる。
【0018】
次に、光書込ユニット4について説明する。
図3は、光書込ユニット4の構成を示す概略断面図である。
光書込ユニット4は、不図示の光源、偏向手段たるポリゴンスキャナ50、各種の反射ミラー、各種のレンズ等の光学素子を備えており、これらは、光学ハウジング131に収納されている。光学ハウジング131は、筐体部材131aと上カバー部材131bとで構成されており、筐体部材131aの上方の開口を覆うようにして上カバー部材131bが取り付けられている。上カバー部材131bは、書込光が通過するための開口部132Y,132C,132M,132Kが、感光体に対応して4つ設けられており、各開口部には、透過性防塵部材たる防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kが設けられている。
【0019】
偏向手段たるポリゴンスキャナ50は、ポリゴンモータ51と、ポリゴンモータ51の回転軸51aに固定された正多角柱形状からなる上段ポリゴンミラー52bと下段ポリゴンミラー52aとを有している。ポリゴンスキャナ50は、光書込ユニット4の略中央に配置され、その周囲が不図示の防音ガラスや防音壁によって囲まれている。
【0020】
ポリゴンスキャナ50の図中右側には、M用の光学系と、K用の光学系とが配設されている。ポリゴンスキャナ50の図中左側には、Y用の光学系と、C用の光学系とが配設されている。
【0021】
図4は、光書込ユニット4の概略平面図である。
図4に示すように、光書込ユニット4は、各感光体10K、10M、10C、10Yにそれぞれ対応する光ビームとしての書込光Lk、Lm、Lc、Lyを射出する光源たる半導体レーザ53K,53M,53C,53Yを備えている。なお、半導体レーザ53Kは、半導体レーザ53Mの真下に配置されており、図示されていない。また、半導体レーザ53Yは、半導体レーザ53Cの真下に配置されており、図示されていない。半導体レーザからポリゴンミラーまでの光路上には、コリメートレンズ、不図示のアパーチャ、シリンドリカルレンズが配置されている。なお、K色のコリメートレンズは、M色のコリメートレンズ54Mの真下にあり、K色シリンドリカルレンズは、M色のシリンドリカルレンズ55Mの真下にあるため、図示されていない。また、同様に、Y色のコリメートレンズは、C色のコリメートレンズ54Cの真下にあり、Y色シリンドリカルレンズは、C色のシリンドリカルレンズ55Cの真下にあるため、図示されていない。
【0022】
また、図3に示すように、光学素子たる、走査レンズ(fθレンズ)43a,43b、第1ミラー44K,44M,44C,44Y,第2ミラー45M,45Cは、ポリゴンスキャナ50から感光体10までの光路上に配置されている。
【0023】
不図示のK用の半導体レーザから発射された書込光Lkは、不図示のK用のコリメートレンズを透過した後、不図示のK用のアパーチャで一定の形状に成形される。次に、不図示のK用のシリンドリカルレンズを透過することで、副走査方向(感光体表面上における感光体表面移動方向に相当する方向)に集光せしめられ、下段ポリゴンミラー52aの側面に入射する。下段ポリゴンミラー52aの側面に書込光Lkが入射すると、この書込光Lkが主走査線方向に偏向走査される。下段ポリゴンミラー52aで偏向走査された書込光Lkは、走査レンズ43a(fθレンズ)によって集光される。走査レンズ43aによって集光されたK色の書込光Lkは、第1ミラー44Kを介して感光体10Kに照射される。
【0024】
M用の半導体レーザ53Mから発射された書込光Lmも、K色同様、M用のコリメートレンズ54M、不図示のM用のアパーチャ、M用のシリンドリカルレンズ55Mなどを通過して上段ポリゴンミラー52bに走査される。上段ポリゴンミラー52bに走査されたM色用の書込光Lmは、走査レンズ43a、第1ミラー44M、第2ミラ−45Mを通って、感光体10Mに照射される。
【0025】
C用の半導体レーザ53Cから発射された書込光Lcも、C用のコリメートレンズ54C、不図示のC用のアパーチャ、C用のシリンドリカルレンズ55Cなどを通過して上段ポリゴンミラー52bに走査される。上段ポリゴンミラー52bに走査されたC色用の書込光Lcは、走査レンズ43b、第1ミラー44C、第2ミラ−45Cを通って、感光体10Cに照射される。
【0026】
不図示のY用の半導体レーザから発射された書込光Lyも、不図示のY用のコリメートレンズ、不図示のY用のアパーチャ、不図示のY用のシリンドリカルレンズなどを通過して下段ポリゴンミラー52aに走査される。下段ポリゴンミラー52aに走査されたY色用の書込光Lyは、走査レンズ43b、第1ミラー44Yを通って、感光体10Yに照射される。
【0027】
また、先の図3に示すように、上カバー131bの上には、シャッター部材60がスライド可能に一体的に装着支持されている。シャッター部材60は、主走査方向と直交する方向(光書込ユニット4の長手方向)に延びる2つのガイド孔69を有している。その各ガイド孔69内に段付ネジ168を挿入して上カバー部材131bに設けられた取り付け台133の不図示のネジ穴にネジ止めすることによりシャッター部材60が上カバー131bに、往復移動可能に支持される。また、シャッター部材60は、不図示の付勢手段により、駆動機構200側(図3の右側)に付勢されており、シャッター部材60が開放位置にあるとき、各ガイド孔69に挿入された段付きネジ168が、各ガイド孔69の駆動機構200側と反対側の端部に突き当っている。
【0028】
図6は、シャッター部材60のガイド孔69の周辺を示す拡大構成図である。
図に示すように、ガイド孔69の周辺には、シャッター部材60から突出した突出部62が設けられている。この突出部62の駆動機構200側と反対側(図6の上側)には、傾斜面62aが設けられている。詳細は、後述するが、シャッター部材を被覆位置からさらに移動させたとき、この傾斜面62aが段付ネジ168の頭部に突き当たって、シャッター部材60の移動とともに、この傾斜面62aが段付ネジ168の頭部に押されて、シャッター部材60が、上カバー部材131bへ近接する。
【0029】
先の図3に示すように、シャッター部材60は、主走査方向と平行に延びる書込光を通過させるための4つの通過孔63Y,63C,63M,63Kが設けられている。各通過孔63Y,63C,63M,63Kの開口端部には、遮蔽板66Y,66C,66M,66Kの一端が取り付けられており、他端には、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kと摺擦して、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kの表面を清掃する第1清掃部材67Y,67C,67M,67Kが取り付けられている。また、遮蔽板66Y,66C,66M,66Kの略中央には、第2清掃部材68Y,68C,68M,68Kが取り付けられている。第1清掃部材67Y,67C,67M,67Kは、不織布であり、第2清掃部材は、ゴムなどの弾性の高い材質からなるブレード部材である。図3に示すように、シャッター部材60が開放位置にあるとき、各第1清掃部材67Y,67C,67M,67Kは、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kの図中右端と当接しており、第2清掃部材68Y,68C,68M,68Kは、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kから離間している。
【0030】
シャッター部材60の長手方向一端側(図中右側)には、移動手段たる駆動機構200が設けられている。
図5は、駆動機構200の概略斜視図である。
駆動機構200は、駆動モータ201と、ウォームギヤ202とを有しており、これらは、筐体部材131aの側面に固定されたブラケット204に保持されている。ウォームギヤ202のネジ歯車202aは、駆動モータ201のモータ軸に固定されており、ウォームギヤ202のハスバ歯車202bは、ブラケット204に回転自在に保持されている。ハスバ歯車202bには、突起部203が設けられており、突起部203は、金属製の筒状のカバー部材205に覆われている。カバー部材205は、突起部203に対して回転自在にハスバ歯車202bに保持されている。
【0031】
シャッター部材60の駆動機構側端部の主走査方向中央部には、駆動機構側に延設された延設部65cが設けられており、この延設部65cの主走査方向一端部には、ハスバ歯車202bが正回転したときカバー部材205を介して突起部203と当接する第1当接部65aが設けられている。また、この延設部65cの主走査方向他端部には、第1当接部65aよりも駆動機構側に延設され、ハスバ歯車202bが逆回転したときカバー部材205を介して突起部203と当接する第2当接部65bが設けられている。各当接部65a,65bは、突起部203のハスバ歯車202bの回転に伴う移動に沿うような曲面となっている。
突起部203を突起部203に対して回転自在なカバー部材205で覆うことで、当接部65a,65bの面を移動するとき、この金属製カバー部材205が回転しながら移動する。その結果、突起部203および当接部65a,65bの磨耗を抑制することができる。
【0032】
次に、シャッター部材60の開閉動作について説明する。
図7は、シャッター部材60の移動の制御フロー図であり、図8は、シャッター部材60の開閉動作時の駆動機構200の動作を説明する図であり、図9は、クリーニング動作時の駆動機構200の動作を説明する図である。また、図10は、シャッター部材が遮蔽位置にあるときの光書込ユニット4の概略構成図であり、図11は、クリーニング動作時における光書込ユニット4の概略構成図である。
光書込ユニット4が停止中のときは、図10に示すように、シャッター部材60は、遮蔽位置にあり、各遮蔽板66Y,66C,66M,66Kは、それぞれ対応する防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kと対向し、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kを遮蔽している。これにより、画像形成装置本体内を浮遊している埃・塵などの浮遊物が防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kに付着するのを抑制している。
シャッター部材60が遮蔽位置にあるとき、図8(a)に示すように、ハスバ歯車202bに設けられた突起部203は、第1当接部65aに当接して、最も光学ハウジング側に位置している(図10参照)。また、このとき、遮蔽板66Y,66C,66M,66Kの先端に設けられた第1清掃部材67Y,67C,67M,67Kが、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kの駆動機構200側と反対側の端部に当接している。
【0033】
図7に示すように、画像情報を受信(S1)したら、不図示の制御手段は、シャッター部材60を遮蔽位置から図3に示す開放位置へ移動させる(S2)。具体的には、図8に示すように、駆動機構200の駆動モータ201を逆回転させて、ハスバ歯車202bを図8中の時計回りに回転させる。すると、不図示の付勢手段の付勢力により、シャッター部材60が、駆動機構200側へ移動していく。そして、突起部203が、図8(b)の位置まで移動すると、図3に示すように、ガイド孔69の駆動機構200側と反対側の端部に段付ネジ168の段部が突き当たり、シャッター部材60が開放位置で停止する。シャッター部材60が開放位置で停止すると、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kを遮蔽していた遮蔽板66Y,66C,66M,66Kが退避し、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kが開放される。また、シャッター部材60の開放動作時は、遮蔽板66Y,66C,66M,66Kの先端に設けられた第1清掃部材67Y,67C,67M,67Kが防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kの表面を移動して、光書込ユニット4停止中に防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kに付着した紙粉などの付着物を除去する。駆動機構200は、シャッター部材60が開放位置に位置した後も駆動を続け、図8(c)に示すように、突起部203が最も光学ハウジングから離れた位置に来た時点で停止する。駆動モータ201がステッピングモータなどのパルスモータの場合は、パルス数をカウントすることで、突起部203を所定の位置にくるように停止することができる。また、駆動モータ201がDCモータなどの場合は、駆動モータ201の駆動時間を計測することにより、突起部203を所定の位置にくるように停止することができる。
【0034】
このように、シャッター部材60が、開放位置で停止したら、光書込ユニット4は、書込み動作を開始し(S3)、各感光体10Y,10C,10M,10Kに画像情報に基づく潜像を書込む。次に、書込み動作が終了したら、書込み動作回数が所定回数以上か否かチェックする(S4)。
【0035】
書込み動作が所定回数未満のときは、不図示の制御手段は、駆動モータ201を正回転させる。すると、ハスバ歯車202bの突起部203は、第1当接部65aに当接し、シャッター部材60を遮蔽位置へ向けて移動させる。そして、図8(a)の位置に突起部203が到達したら、駆動モータ201の駆動を停止する。
【0036】
図12は、防塵ガラス48M表面に付着した付着物を除去する様子を説明した図である。図12(a)、(b)に示すように、シャッター部材60を開放位置から遮蔽位置へ移動させると、第1清掃部材67Mが、防塵ガラス48M表面を移動して、書込み動作中に防塵ガラス48Mに付着した付着物を除去する。他の色の防塵ガラス48Y,48C,48Kについても、表面を第1清掃部材67Y,67C,67Kが移動して、書込み動作中に防塵ガラス48Mに付着した付着物を除去する。
【0037】
一方、書込み動作が所定回数以上(S4のYES)のときは、不図示の制御手段は、クリーニング動作を実行する(S5)。なお、本実施形態においては、書込み動作回数に基づいて、クリーニング動作を行うか否かを判定しているが、例えば、前回、クリーニング動作を行ってからの経過時間などでもよい。
【0038】
図13は、第1清掃部材67の不織布に付着した紙粉を示す図であり、図14は、トナーを示す図である。なお、図13の図中右下の表は、不織布に付着した紙粉の長さを測定したデータである。
図13に示すように紙粉は、約50μmと比較的大きいため、防塵ガラス48に付着した紙粉は、不織布からなる第1清掃部材67に絡まり、良好に除去できる。しかし、図14に示すように、大きさが約6.8μmと紙粉に比べて大幅に細かいトナーは、不織布に絡まり難く、第1清掃部材67では良好に除去できない場合がある。よって、第1清掃部材67のみで防塵ガラス48を清掃していると、経時でトナーのように細かい付着物が防塵ガラス48表面に堆積していき、画像に影響を及ぼしてしまう。そこで、第1清掃部材67を、不織布よりも除去能力の高いブレード部材にすることも考えられる。しかし、ブレード部材は、不織布のように、防塵ガラス48に付着した付着物を絡め取るものではなく、掻き取るものであるため、不織布の場合に比べて、ある程度高い当接圧で当接させる必要がある。その結果、ブレード部材を用いた場合、防塵ガラス48表面に傷が発生しやすいという難点がある。このようなことを鑑み、本実施形態においては、ブレード部材からなる第2清掃部材68を設けて、シャッター部材60の開閉動作のときは、不織布からなる第1清掃部材67で防塵ガラス48を清掃し、所定のタイミングで、クリーニング動作を実行し、第2清掃部材68による防塵ガラスの清掃を行うようにしている。これにより、防塵ガラス表面の傷つきを抑制して、防塵ガラス表面にトナーなどの細かな付着物が堆積するのを抑制することができる。
【0039】
クリーニング動作が実行されると、不図示の制御手段は、駆動機構200の駆動モータ201を逆回転させる。すると、図9(a)の位置にあった突起部203が、図中時計回りに移動し、図9(b)に示すように、突起部203が、第2当接部65bと当接して、不図示の付勢手段に抗してシャッター部材60を開放位置から遮蔽位置側へと移動させる。第2当接部65bは、第1当接部65aよりも長さL分、駆動機構側にあるため、図9(c)に示すように、突起部203が、最も光学ハウジング側に位置したとき、シャッター部材60は、遮蔽位置よりも、長さL分さらに駆動機構200側と反対側へ移動せしめられる。この長さLは、少なくとも、防塵ガラス48のシャッター部材60移動方向長さ以上に設定する。このように設定することにより、図11に示すように、第2清掃部材68Y,68C,68M,68Kが防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kの表面を一端から他端まで移動することができ、第2清掃部材68Y,68C,68M,68Kにより防塵ガラス48Y,48C,48M,48K全体を清掃することができる。
【0040】
図15は、クリーニング動作時におけるM色の防塵ガラス48Mのクリーニングについて説明する図である。なお、他の色の防塵ガラスにおいても同様である。
図15(a)に示すように、シャッター部材60が、遮蔽位置よりもさらに駆動機構200側と反対側へ移動すると、段付ネジ168の頭部に傾斜面62aが突き当る。このような状態から、さらにシャッター部材60が駆動機構側と反対側へ移動すると、段付ネジ168の頭部がこの傾斜面62aを上カバー部材131b側へ押圧して、傾斜面62aが段付ネジ168の頭部と取り付け台133との間に入り込み、シャッター部材60が除々に上カバー部材131b側へ移動する。シャッター部材60が上カバー部材131b側へ移動していくと、遮蔽板66Mが弾性変形していく。さらに、シャッター部材60を移動させていくと、シャッター部材60の突出部62が、段付ネジ168の頭部と取り付け台133との間に入り込む。図15(a)に示すように突出部62のシャッター部材60からの高さHよりも、防塵ガラス48M表面から第2清掃部材68Mまでの高さが低い。よって、シャッター部材60の突出部62が、段付ネジ168の頭部と取り付け台133との間に入り込み、シャッター部材60が、突出部62の高さH分、上カバー部材131bに近接すると、図15(b)に示すように、遮蔽板66Mの略中央部に設けられた第2清掃部材68Mが、所定の当接圧で、防塵ガラス48Mの駆動機構200側端部に当接する。このように、本実施形態においては、段付ネジ168が押圧手段として機能し、段付ネジ168と突出部62とで接離手段が構成されている。そして、シャッター部材60を駆動機構200側と反対側へさらに移動すると、第2清掃部材67Mが、図15(c)に示すように、防塵ガラス48M表面を移動して、防塵ガラス48Mに付着した付着物を掻き取り、除去する。
【0041】
第2清掃部材68Mは、不織布からなる第1清掃部材67Mよりもクリーニング能力の高いブレード部材であるため、第1清掃部材67Mで除去できず、防塵ガラス48Mに残ったトナーなどの細かな付着物を除去することができる。これにより、防塵ガラス48Mの表面にトナーなどの細かな付着物が堆積し、書込光を阻害するのを防止することができる。また、所定のタイミングでブレード部材による清掃を行うので、防塵ガラス48の傷つきを抑制することができる。
【0042】
また、シャッター部材60を遮蔽位置よりも駆動機構200と反対側へ移動させて、シャッター部材60を上カバー部材131b側へ移動させているとき、遮蔽板66Mの先端に設けられた第1清掃部材67Mは、防塵ガラス48Mの駆動機構200側と反対側の端部の稜線を摺動する。その結果、この防塵ガラス48Mの稜線により第1清掃部材67Mに付着した付着物が、掻き落とされる。これにより、第1清掃部材67Mのクリーニング能力を回復させることができる。
【0043】
図9(c)に示すように、突起部203が最も光学ハウジング側へ到達しても、駆動モータ201の駆動を停止せずに、そのまま逆回転を行う。その結果、シャッター部材60は、図15(c)の位置まで到達したら、駆動機構200側へ移動する。そして、シャッター部材60の突出部62が、段付ネジ168の頭部と取り付け台133との間を抜けると、傾斜面62aに案内されながら、除々にシャッター部材60が上カバー部材131bから離間する方向へと移動する。これは、シャッター部材60を上カバー部材131b側へ近接させているとき、遮蔽板66Mが弾性変形しており、この遮蔽板66Mがちょうど板バネのような働きをし、シャッター部材60を上カバー部材131bから離間する方向に付勢しているからである。そして、図15(a)に示すように、シャッター部材60が遮蔽位置まで戻ると、第2清掃部材68Mが防塵ガラス48Mから離間する。
【0044】
駆動モータ201をさらに逆回転させていくと、図9(d)に示す位置まで突起部203が移動し、段付ネジ168の段部が、ガイド孔69に突き当り、開放位置で停止する。そして、突起部203が、再び図9(a)の位置まできたら、駆動モータ201の駆動を停止する。
【0045】
以上のようなクリーニング動作を行った後、駆動モータ201を正回転させ、ハスバ歯車202bの突起部203を第1当接部65aに当接させて、シャッター部材60を遮蔽位置へ向けて移動させる。そして、図8(a)の位置に突起部203が到達したら、駆動モータ201の駆動を停止する。これにより、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kが遮蔽板66Y,66C,66M,66Kに覆われ、光書込ユニット4の停止時に、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kに付着物が付着するのを抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態では、第1当接部65aと、第2当接部65bとを設けているが、第2当接部65bのみ設ければよい。この場合は、シャッター部材60を遮蔽位置に位置させる場合は、突起部203が、図16(a)に示すような位置で停止するよう駆動モータ201の駆動を制御し、クリーニング動作のときは、図16(a)の状態からさらに、駆動モータ201を回転させて、突起部203を図16(b)に位置させる。そして、次の書込動作がある場合は、図16(c)に示す位置に突起部203が来るように駆動モータ201を駆動してシャッター部材60を開放位置に位置させ、次の書込み動作がない場合は、駆動モータ201を上記とは逆方向に回転させて、図16(a)に示す位置で突起部203を停止する。
【0047】
また、本実施形態においては、ウォームギヤ202と突起部203とで、シャッター部材60を往復移動させているが、例えば、ラックアンドピニオン機構によりシャッター部材を往復移動させてもよい。
【0048】
以上、本実施形態の光走査装置たる光書込ユニット4によれば、光源たる半導体レーザ53と、半導体レーザ53から発射された光束を主走査方向に偏向走査せしめる偏向手段たるポリゴンスキャナ50と、ポリゴンスキャナ50によって偏向せしめられた光束を被走査面たる感光体10の表面に導く複数の光学素子(コリメートレンズ54、シリンドリカルレンズ55、走査レンズ43、反射ミラー44、45)とが光学ハウジング131(筐体131aと上カバー部材131bとで構成)に搭載されている。また、光学ハウジング131に光束が感光体10に入射されるように形成された開口部132を、光束が透過可能なように塞ぐ透過性防塵部材たる防塵ガラス48と、防塵ガラス48を覆う被覆位置たる遮蔽位置と、防塵ガラス48が開放される開放位置との間を移動可能に設けられたシャッター部材60とを有している。また、感光体10に光束を走査するとき、シャッター部材60を遮蔽位置から開放位置へ移動させ、感光体への光束の走査が終了したらシャッター部材60を開放位置から遮蔽位置へ移動させる移動手段たる駆動機構200を有している。シャッター部材60は、開放位置と遮蔽位置との間の開閉範囲以上に移動可能に構成されており、シャッター部材60の遮蔽位置と開放位置との間の開閉移動のときに防塵ガラス表面を移動して防塵ガラス48に付着した付着物を除去する第1清掃部材67と、シャッター部材60を開閉範囲以上移動させたとき、防塵ガラス48の表面を移動して防塵ガラス48に付着した付着物を除去する第1清掃部材67よりも清掃能力の高い第2清掃部材68とを備えている。
かかる構成を有することにより、上述したように、防塵ガラスの傷つきを抑制し、防塵ガラスにトナーのような細かな付着物が堆積するのを抑制することができる。
【0049】
また、第1清掃部材67は、不織布であり、第2清掃部材68は、ブレード部材である。これにより、第1清掃部材67での清掃においては、柔らかい不織布が防塵gラスの表面を移動するので、防塵ガラス48が第1清掃部材67との摺動によって傷つくのを抑制することができる。また、第2清掃部材68をブレード部材とすることにより、防塵ガラスに付着したトナーなどの細かな付着物を良好に除去することができる。
【0050】
また、第2清掃部材68は、第1清掃部材67よりも光学ハウジング131の開口部132が形成された面に対して離間した位置に形成されており、シャッター部材60を開閉範囲以上移動させたとき、シャッター部材60を光学ハウジング131へ接近させる接離手段を設けた。これにより、シャッター部材60を開閉範囲以上移動させたときシャッター部材が光学ハウジング131に近接して、防塵ガラス表面から離間する位置にあった第2清掃部材68を、防塵ガラス表面に当接させることができる。その結果、第2清掃部材68が、シャッター部材60を開閉範囲以上移動させたときのみ防塵ガラス表面と摺動させることができ、防塵ガラス表面が傷つくのを抑制することができる。
【0051】
また、接離手段は、シャッター部材60から突出する突出部62と、シャッター部材60が開閉範囲以上移動したとき、突出部62に当接して突出部62を光学ハウジング側へ押圧する押圧手段としての段付ネジ168とを設けた。これにより、シャッター部材60が開閉範囲以上移動したとき段付ネジ168の頭部により突出部62が押され、突出部62のシャッター部材60からの高さ分、シャッター部材60を光学ハウジングに近接させることができる。その結果、所定の当接圧で第2清掃部材68を防塵ガラス表面に当接させることができ、良好に防塵ガラス表面の細かなゴミを除去することができる。
【0052】
また、防塵ガラス48の一部は、光学ハウジングの開口部132が形成された面から突出しており、接離手段は、突出部62のシャッター部材60の移動方向に傾斜面62aを有し、シャッター部材60を開閉範囲以上移動させると、傾斜面62aに段付きネジの頭部が当接し、シャッター部材60の移動に伴い、シャッター部材60を光学ハウジングへ近接させるものである。そして、接離手段によりシャッター部材60を光学ハウジングに近接するとき、第1清掃部材67が、防塵ガラス48の稜線部を摺擦する。これにより、第1清掃部材67に付着した付着物が、防塵ガラス48の稜線部によって掻き落とされ、第1清掃部材67の清掃能力を復活させることができる。その結果、経時にわたり第1清掃部材67により良好に防塵ガラス表面を清掃することができる。
【0053】
また、駆動機構200は、駆動モータ201とウォームギヤ202と、シャッター部材60をウォームギヤ202側に付勢する不図示の付勢手段とを有している。また、ウォームギヤ202のハスバ歯車202bに設けられ、シャッター部材60と当接して、シャッター部材60を付勢手段の付勢方向と反対方向に押し込むための突起部203を有している。これにより、駆動モータの駆動量を制御して、ハスバ歯車の回転角度を制御すれば、シャッター部材60を、開放位置や遮蔽位置で停止できる。また、ハスバ歯車202bの回転運動によりシャッター部材60を往復運動させることができる。
【0054】
また、シャッター部材60には、駆動モータ201を正回転させたときに突起部203と当接してシャッター部材60を開閉範囲内で移動させるための第1当接部65aと、駆動モータ201を逆回転させたとき突起部203と当接してシャッター部材60を開放範囲以上移動させるための第2当接部65bとを備えた。これにより、駆動モータの回転方向を変えるだけで、シャッター部材60の移動範囲を異ならせることができる。
【0055】
また、第2当接部65bを第1当接部65aよりもウォームギヤ側に配置することにより、突起部203が第1当接部65aに当接したときのシャッター部材60の移動範囲、第2当接部65bに当接したときのシャッター部材60の移動範囲とを異ならせることができる。
【0056】
また、突起部203をカバー部材205で覆い、カバー部材205を、突起部203に対して回転自在に設けることにより、突起部203は、回転自在なカバー部材205を介して当接部65a,65bに当接する。これにより、突起部203は、カバー部材205を介して、当接部65a,65bを移動するが、このとき、カバー部材205が回転するので、当接部65a,65bや突起部203が磨耗するのを抑制することができる。
【0057】
また、第2清掃部材68を弾性の高い部材で構成することで、第2清掃部材68を防塵ガラス表面に弾性変形させて当接させることができ、防塵ガラスとの当接が良好になり、第2清掃部材68により防塵ガラス表面の細かな付着物を良好に清掃することができる。
【0058】
また、本実施形態の画像形成装置においては、上述した光書込ユニット4を備えることにより、経時にわたり感光体表面に良好な潜像を書込むことができ、経時にわたり良好な画像を得ることができる。
【符号の説明】
【0059】
4:光書込ユニット
10:感光体
48:防塵ガラス
50:ポリゴンスキャナ
53:半導体レーザ
60:シャッター部材
62:突出部
62a:傾斜面
63:通過孔
65a:第1当接部
65b:第2当接部
65c:延設部
66:遮蔽板
67:第1清掃部材
68:第2清掃部材
69:ガイド孔
131:光学ハウジング
131a:筐体部材
131b:上カバー部材
132:開口部
168:段付ネジ
200:駆動機構
201:駆動モータ
202:ウォームギヤ
202a:ネジ歯車
202b:ハスバ歯車
203:突起部
204:ブラケット
205:カバー部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2005−329622号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の中には、潜像担持体上に画像情報に応じた書込光を偏向走査することにより照射して潜像担持体上に潜像を形成し、この潜像を現像して画像を得るものが知られている。書込光を偏向走査する光走査装置は、一般に、レーザダイオード(LD)などの光源から照射された光が、シリンドリカルレンズなどの光学素子によって所定の形状に成形されて光変偏向装置たるポリゴンスキャナのポリゴンミラーに入射する。ポリゴンミラーに入射した光は、偏向走査され、走査レンズ、反射ミラー等の光学素子を通った後、光学ハウジングの開口部に取り付けられた透過性防塵部材たる防塵ガラスから潜像担持体に照射される。
【0003】
近年、画像形成装置の高画質化が要求され、光走査装置においては、防塵ガラスに塵・埃などの汚れが付着し、レーザ光を遮ることによって画像品質が低下するという問題も重大となってきた。特許文献1には、防塵ガラスを覆う被覆位置と防塵ガラスを開放する開放位置との間を移動するシャッター部材を設け、上記防塵ガラスに当接してシャッター部材の開閉動作に伴い防塵ガラス表面を移動して防塵ガラスに付着した埃・塵などの付着物を除去する清掃部材を上記シャッター部材に設けた光走査装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の光走査装置においては、清掃部材として不織布を用いているが、不織布では、防塵ガラス表面に付着した細かいゴミを十分に除去できないという課題があった。そこで、清掃部材として不織布よりも清掃能力の高いゴムブレードなどのブレード部材を用いることも考えられる。ブレード部材を用いることにより、不織布を用いた場合に比べて防塵ガラス表面との密着性を高めることができ、防塵ガラス表面上の細かな付着物を良好に掻き取って除去することができる。しかしながら、ブレード部材を用いた場合、例えば、ブレード部材の防塵ガラスとの当接部に比較的硬い付着物が挟まった場合に防塵ガラスを傷つけるおそれがあった。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、透過性防塵部材表面に付着した細かな付着物を除去することができ、かつ、透過性防塵部材の表面の傷つきを抑制することができる光走査装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光源と、前記光源から発射された光束を主走査方向に偏向走査せしめる偏向手段と、前記偏向手段によって偏向せしめられた光束を被走査面に導く複数の光学素子と、前記光源、前記偏向手段、前記光学素子が搭載される光学ハウジングと、前記ハウジングに前記光束が被走査面に入射されるように形成された開口部を、光束が透過可能なように塞ぐ透過性防塵部材と、前記透過性防塵部材を覆う被覆位置と、前記透過性防塵部材が開放される開放位置との間を移動可能に設けられたシャッター部材と、前記被走査面に光束を走査するとき、前記シャッター部材を前記被覆位置から開放位置へ移動させ、前記被走査面への光束の走査が終了したら前記シャッター部材を開放位置から前記被覆位置へ移動させる移動手段とを備えた光走査装置において、前記シャッター部材は、前記開放位置と前記被覆位置との間の開閉範囲を越えてに移動可能に構成されており、前記シャッター部材の前記開閉範囲の移動のときに前記透過性防塵部材表面を移動して前記透過性防塵部材に付着した付着物を除去する第1清掃部材と、前記シャッター部材の前記開閉範囲を越えた移動のときに、前記透過性防塵部材の表面を移動して前記透過性防塵部材に付着した付着物を除去する前記第1清掃部材よりも清掃能力の高い第2清掃部材と、所定のタイミングで、前記シャッター部材を、前記開閉範囲を越えて移動させ、前記第2清掃部材による前記透過性防塵部材の清掃を行う制御を実行する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の光走査装置において、前記第1清掃部材は、不織布であり、前記第2清掃部材は、ブレード部材であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の光走査装置において、前記第2清掃部材は、前記第1清掃部材よりも前記光学ハウジングの前記開口部が形成された面に対して離間した位置に形成されており、前記シャッター部材を、前記開閉範囲を越えて移動させたとき、前記シャッター部材を光学ハウジングへ接近させる接離手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の光走査装置において、前記接離手段は、前記シャッター部材から突出する突出部と、前記シャッター部材が前記開閉範囲を越えて移動したとき、前記突出部に当接して前記突出部を前記光学ハウジング側へ押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の光走査装置において、前記透過性防塵部材の一部は、前記光学ハウジングの開口部が形成された面から突出しており、前記接離手段は、前記突出部の前記シャッター部材の移動方向に傾斜面を有し、前記シャッター部材を前記開閉範囲以上移動させると、前記傾斜面に前記押圧部が当接し、前記シャッター部材の移動に伴い、前記シャッター部材を光学ハウジングへ近接させるものであり、前記接離手段により前記シャッター部材が前記光学ハウジングに近接するとき、前記第1清掃部材が、前記透過性防塵部材の稜線部を摺擦することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの光走査装置において、前記移動手段は、モータと、ウォームギヤと、前記シャッター部材をウォームギヤ側に付勢する付勢手段と、前記ウォームギヤのハスバ歯車に設けられ、前記シャッター部材と当接して、前記シャッター部材を前記付勢手段の付勢方向と反対方向に押し込むための突起部とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の光走査装置において、前記シャッター部材には、前記モータを正回転させたときに前記突起部と当接して前記シャッター部材を開閉範囲内で移動させるための第1当接部と、前記モータを逆回転させたとき前記突起部と当接して前記シャッター部材を、前記開放範囲を越えて移動させるための第2当接部とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の光走査装置において、前記第2当接部を前記第1当接部よりも前記ウォームギヤ側に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項6乃至8いずれかの光走査装置において、前記突起部は、カバー部材に覆われており、前記カバー部材を、前記突起部に対して回転自在に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの光走査装置において、前記第2清掃部材を、弾性の高い部材で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体の表面に潜像を書き込むための光書込手段とを備えた画像形成装置において、上記光書込手段として、請求項1乃至10いずれかの光走査装置を用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被走査面へ光走査を行うときのシャッター部材の開閉動作のときは、第1清掃部材が、透過性防塵部材表面を移動して、透過性防塵部材表面を清掃する。また、所定のタイミングでシャッター部材を、開閉範囲を越えて移動させ、第1清掃部材よりも清掃能力の高い第2清掃部材で、透過性防塵部材の表面を清掃する。これにより、第1清掃部材で除去できなかった細かな付着物を、第2清掃部材で除去することができる。また、被走査面へ光走査を行うときのシャッター部材の開閉動作のときは、第1清掃部材で透過性防塵部材の表面を清掃するので、被走査面へ光走査を行うときのシャッター部材の開閉動作のときも第2清掃部材で透過性防塵部材の表面を清掃する場合に比べて、透過性防塵部材表面の傷つきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタにおけるY用の作像ステーションを示す概略構成図。
【図3】同プリンタおける光書込ユニットを、4つの感光体とともに示す概略構成図。
【図4】同光書込ユニットの平面図。
【図5】駆動機構の概略斜視図。
【図6】シャッター部材のガイド孔の周辺を示す拡大構成図。
【図7】シャッター部材の移動の制御フロー図。
【図8】シャッター部材の開閉動作時の駆動機構の動作を説明する図。
【図9】クリーニング動作時の駆動機構の動作を説明する図。
【図10】シャッター部材が遮蔽位置にあるときの光書込ユニットの概略構成図。
【図11】クリーニング動作時における光書込ユニットの概略構成図。
【図12】防塵ガラス表面に付着した付着物を除去する様子を説明した図。
【図13】第1清掃部材の不織布に付着した紙粉を示す図。
【図14】トナーを示す図。
【図15】クリーニング動作時における防塵ガラスのクリーニングについて説明する図。
【図16】シャッター部材の当接部の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を、電子写真方式のカラーレーザープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、筐体1と、この筐体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。筐体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像(可視像)を形成するための作像ステーション3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
【0010】
図2は、イエロー(Y)用の作像ステーションを示す概略構成図である。なお、他の作像ステーションも同様の構成である。
図1及び図2に示すように、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、図中矢印A方向に回転する潜像担持体としてのドラム状の感光体10Y,10C,10M,10Kを備えている。感光体10Y,10C,10M,10Kは、直径40[mm]のアルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、それぞれ、感光体10Y,10C,10M,10Kの周囲に、感光体を帯電する帯電装置11Y,11C,11M,11Kを備えている。また、感光体に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置12Y,12C,12M,12K、感光体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13Y,13C,13M,13Kも感光体の周囲に備えている。
【0011】
各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの下方には、感光体10Y,10C,10M,10Kに対し、書込光Lによる光走査を行う光走査装置としての光書込ユニット4を備えている。また、各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの上方には、各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kによって形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト20を具備する中間転写ユニット5を備えている。また、中間転写ベルト20に転写されたトナー像を転写体としての記録紙Pに定着せしめる定着ユニット6を備えている。また、筐体1の上部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナーを収容するトナーボトル7Y,7C,7M,7Kが装填されている。このトナーボトル7Y,7C,7M,7Kは、筐体1の上部に形成される排紙トレイ8を開くことにより、筐体1から脱着可能になっている。
【0012】
光走査装置としての光書込ユニット4は、光源である半導体レーザを有しており、この半導体レーザから、回転駆動される正多角柱構造のポリゴンミラーに向けて光ビームとしての書込光Lを発射する。発射された書込光Lは、回転するポリゴンミラーの鏡面によって主走査方向に偏向せしめられながら反射する。そして、複数の反射鏡によって折り返された後、帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様帯電せしめられた感光体10Y,10C,10M,10Kの周面を走査する。これにより、潜像担持体としての感光体10Y,10C,10M,10Kの周面に、それぞれY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット4の詳しい説明は後述する。
【0013】
転写手段たる中間転写ユニット5の中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22及び従動ローラ23に掛け回されながら、所定タイミングで図中反時計回り方向に回転駆動される。また、中間転写ユニット5は、感光体10Y,10C,10M,10Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト20に1次転写する1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kを備えている。また、中間転写ベルト20上に1次転写されたトナー像を記録紙Pに転写する2次転写ローラ25、記録紙P上に転写されなかった中間転写ベルト20上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーニング装置26も備えている。
【0014】
次に、本プリンタにおいて、カラー画像を得る工程について説明する。
まず、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kにおいて、感光体10Y,10C,10M,10Kが帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様に帯電される。その後、画像情報に基づいて生成された書込光Lによって走査露光されて、感光体10Y,10C,10M,10Kの表面に静電潜像が形成される。これらの静電潜像は、現像装置12Y,12C,12M,12Kの現像ローラ15Y,15C,15M,15K上に担持された各色のトナーによって現像されて、Y,C,M,Kトナー像となる。感光体10Y,10C,10M,10K上のY,C,M,Kトナー像は、各1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kの作用によって反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト20上に順次重ねて1次転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
【0015】
1次転写終了後の感光体10Y,10C,10M,10Kは、クリーニング装置13Y,13C,13M,13Kのクリーニングブレード13aによってその表面がクリーニングされて、次の画像形成に備えられる。
【0016】
トナーボトル7Y,7C,7M,7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しない搬送経路によって各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの現像装置12Y,12C,12M,12Kに所定量補給される。
【0017】
一方、上記給紙カセット2内の記録紙Pは、給紙カセット2の近傍に配設された給紙ローラ27によって、筐体1内に搬送され、レジストローラ対28によって所定のタイミングで2次転写部に搬送される。そして、2次転写部において、中間転写ベルト20上に形成されたトナー像が記録紙Pに転写される。トナー像が転写された記録紙Pは、定着ユニット6を通過することでトナー像が定着せしめられた後、排出ローラ29によって排紙トレイ8に排出される。感光体10と同様に、中間転写ベルト20上に残った転写残のトナーは、中間転写ベルト20に接触するベルトクリーニング装置26によってクリーニングされる。
【0018】
次に、光書込ユニット4について説明する。
図3は、光書込ユニット4の構成を示す概略断面図である。
光書込ユニット4は、不図示の光源、偏向手段たるポリゴンスキャナ50、各種の反射ミラー、各種のレンズ等の光学素子を備えており、これらは、光学ハウジング131に収納されている。光学ハウジング131は、筐体部材131aと上カバー部材131bとで構成されており、筐体部材131aの上方の開口を覆うようにして上カバー部材131bが取り付けられている。上カバー部材131bは、書込光が通過するための開口部132Y,132C,132M,132Kが、感光体に対応して4つ設けられており、各開口部には、透過性防塵部材たる防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kが設けられている。
【0019】
偏向手段たるポリゴンスキャナ50は、ポリゴンモータ51と、ポリゴンモータ51の回転軸51aに固定された正多角柱形状からなる上段ポリゴンミラー52bと下段ポリゴンミラー52aとを有している。ポリゴンスキャナ50は、光書込ユニット4の略中央に配置され、その周囲が不図示の防音ガラスや防音壁によって囲まれている。
【0020】
ポリゴンスキャナ50の図中右側には、M用の光学系と、K用の光学系とが配設されている。ポリゴンスキャナ50の図中左側には、Y用の光学系と、C用の光学系とが配設されている。
【0021】
図4は、光書込ユニット4の概略平面図である。
図4に示すように、光書込ユニット4は、各感光体10K、10M、10C、10Yにそれぞれ対応する光ビームとしての書込光Lk、Lm、Lc、Lyを射出する光源たる半導体レーザ53K,53M,53C,53Yを備えている。なお、半導体レーザ53Kは、半導体レーザ53Mの真下に配置されており、図示されていない。また、半導体レーザ53Yは、半導体レーザ53Cの真下に配置されており、図示されていない。半導体レーザからポリゴンミラーまでの光路上には、コリメートレンズ、不図示のアパーチャ、シリンドリカルレンズが配置されている。なお、K色のコリメートレンズは、M色のコリメートレンズ54Mの真下にあり、K色シリンドリカルレンズは、M色のシリンドリカルレンズ55Mの真下にあるため、図示されていない。また、同様に、Y色のコリメートレンズは、C色のコリメートレンズ54Cの真下にあり、Y色シリンドリカルレンズは、C色のシリンドリカルレンズ55Cの真下にあるため、図示されていない。
【0022】
また、図3に示すように、光学素子たる、走査レンズ(fθレンズ)43a,43b、第1ミラー44K,44M,44C,44Y,第2ミラー45M,45Cは、ポリゴンスキャナ50から感光体10までの光路上に配置されている。
【0023】
不図示のK用の半導体レーザから発射された書込光Lkは、不図示のK用のコリメートレンズを透過した後、不図示のK用のアパーチャで一定の形状に成形される。次に、不図示のK用のシリンドリカルレンズを透過することで、副走査方向(感光体表面上における感光体表面移動方向に相当する方向)に集光せしめられ、下段ポリゴンミラー52aの側面に入射する。下段ポリゴンミラー52aの側面に書込光Lkが入射すると、この書込光Lkが主走査線方向に偏向走査される。下段ポリゴンミラー52aで偏向走査された書込光Lkは、走査レンズ43a(fθレンズ)によって集光される。走査レンズ43aによって集光されたK色の書込光Lkは、第1ミラー44Kを介して感光体10Kに照射される。
【0024】
M用の半導体レーザ53Mから発射された書込光Lmも、K色同様、M用のコリメートレンズ54M、不図示のM用のアパーチャ、M用のシリンドリカルレンズ55Mなどを通過して上段ポリゴンミラー52bに走査される。上段ポリゴンミラー52bに走査されたM色用の書込光Lmは、走査レンズ43a、第1ミラー44M、第2ミラ−45Mを通って、感光体10Mに照射される。
【0025】
C用の半導体レーザ53Cから発射された書込光Lcも、C用のコリメートレンズ54C、不図示のC用のアパーチャ、C用のシリンドリカルレンズ55Cなどを通過して上段ポリゴンミラー52bに走査される。上段ポリゴンミラー52bに走査されたC色用の書込光Lcは、走査レンズ43b、第1ミラー44C、第2ミラ−45Cを通って、感光体10Cに照射される。
【0026】
不図示のY用の半導体レーザから発射された書込光Lyも、不図示のY用のコリメートレンズ、不図示のY用のアパーチャ、不図示のY用のシリンドリカルレンズなどを通過して下段ポリゴンミラー52aに走査される。下段ポリゴンミラー52aに走査されたY色用の書込光Lyは、走査レンズ43b、第1ミラー44Yを通って、感光体10Yに照射される。
【0027】
また、先の図3に示すように、上カバー131bの上には、シャッター部材60がスライド可能に一体的に装着支持されている。シャッター部材60は、主走査方向と直交する方向(光書込ユニット4の長手方向)に延びる2つのガイド孔69を有している。その各ガイド孔69内に段付ネジ168を挿入して上カバー部材131bに設けられた取り付け台133の不図示のネジ穴にネジ止めすることによりシャッター部材60が上カバー131bに、往復移動可能に支持される。また、シャッター部材60は、不図示の付勢手段により、駆動機構200側(図3の右側)に付勢されており、シャッター部材60が開放位置にあるとき、各ガイド孔69に挿入された段付きネジ168が、各ガイド孔69の駆動機構200側と反対側の端部に突き当っている。
【0028】
図6は、シャッター部材60のガイド孔69の周辺を示す拡大構成図である。
図に示すように、ガイド孔69の周辺には、シャッター部材60から突出した突出部62が設けられている。この突出部62の駆動機構200側と反対側(図6の上側)には、傾斜面62aが設けられている。詳細は、後述するが、シャッター部材を被覆位置からさらに移動させたとき、この傾斜面62aが段付ネジ168の頭部に突き当たって、シャッター部材60の移動とともに、この傾斜面62aが段付ネジ168の頭部に押されて、シャッター部材60が、上カバー部材131bへ近接する。
【0029】
先の図3に示すように、シャッター部材60は、主走査方向と平行に延びる書込光を通過させるための4つの通過孔63Y,63C,63M,63Kが設けられている。各通過孔63Y,63C,63M,63Kの開口端部には、遮蔽板66Y,66C,66M,66Kの一端が取り付けられており、他端には、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kと摺擦して、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kの表面を清掃する第1清掃部材67Y,67C,67M,67Kが取り付けられている。また、遮蔽板66Y,66C,66M,66Kの略中央には、第2清掃部材68Y,68C,68M,68Kが取り付けられている。第1清掃部材67Y,67C,67M,67Kは、不織布であり、第2清掃部材は、ゴムなどの弾性の高い材質からなるブレード部材である。図3に示すように、シャッター部材60が開放位置にあるとき、各第1清掃部材67Y,67C,67M,67Kは、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kの図中右端と当接しており、第2清掃部材68Y,68C,68M,68Kは、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kから離間している。
【0030】
シャッター部材60の長手方向一端側(図中右側)には、移動手段たる駆動機構200が設けられている。
図5は、駆動機構200の概略斜視図である。
駆動機構200は、駆動モータ201と、ウォームギヤ202とを有しており、これらは、筐体部材131aの側面に固定されたブラケット204に保持されている。ウォームギヤ202のネジ歯車202aは、駆動モータ201のモータ軸に固定されており、ウォームギヤ202のハスバ歯車202bは、ブラケット204に回転自在に保持されている。ハスバ歯車202bには、突起部203が設けられており、突起部203は、金属製の筒状のカバー部材205に覆われている。カバー部材205は、突起部203に対して回転自在にハスバ歯車202bに保持されている。
【0031】
シャッター部材60の駆動機構側端部の主走査方向中央部には、駆動機構側に延設された延設部65cが設けられており、この延設部65cの主走査方向一端部には、ハスバ歯車202bが正回転したときカバー部材205を介して突起部203と当接する第1当接部65aが設けられている。また、この延設部65cの主走査方向他端部には、第1当接部65aよりも駆動機構側に延設され、ハスバ歯車202bが逆回転したときカバー部材205を介して突起部203と当接する第2当接部65bが設けられている。各当接部65a,65bは、突起部203のハスバ歯車202bの回転に伴う移動に沿うような曲面となっている。
突起部203を突起部203に対して回転自在なカバー部材205で覆うことで、当接部65a,65bの面を移動するとき、この金属製カバー部材205が回転しながら移動する。その結果、突起部203および当接部65a,65bの磨耗を抑制することができる。
【0032】
次に、シャッター部材60の開閉動作について説明する。
図7は、シャッター部材60の移動の制御フロー図であり、図8は、シャッター部材60の開閉動作時の駆動機構200の動作を説明する図であり、図9は、クリーニング動作時の駆動機構200の動作を説明する図である。また、図10は、シャッター部材が遮蔽位置にあるときの光書込ユニット4の概略構成図であり、図11は、クリーニング動作時における光書込ユニット4の概略構成図である。
光書込ユニット4が停止中のときは、図10に示すように、シャッター部材60は、遮蔽位置にあり、各遮蔽板66Y,66C,66M,66Kは、それぞれ対応する防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kと対向し、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kを遮蔽している。これにより、画像形成装置本体内を浮遊している埃・塵などの浮遊物が防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kに付着するのを抑制している。
シャッター部材60が遮蔽位置にあるとき、図8(a)に示すように、ハスバ歯車202bに設けられた突起部203は、第1当接部65aに当接して、最も光学ハウジング側に位置している(図10参照)。また、このとき、遮蔽板66Y,66C,66M,66Kの先端に設けられた第1清掃部材67Y,67C,67M,67Kが、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kの駆動機構200側と反対側の端部に当接している。
【0033】
図7に示すように、画像情報を受信(S1)したら、不図示の制御手段は、シャッター部材60を遮蔽位置から図3に示す開放位置へ移動させる(S2)。具体的には、図8に示すように、駆動機構200の駆動モータ201を逆回転させて、ハスバ歯車202bを図8中の時計回りに回転させる。すると、不図示の付勢手段の付勢力により、シャッター部材60が、駆動機構200側へ移動していく。そして、突起部203が、図8(b)の位置まで移動すると、図3に示すように、ガイド孔69の駆動機構200側と反対側の端部に段付ネジ168の段部が突き当たり、シャッター部材60が開放位置で停止する。シャッター部材60が開放位置で停止すると、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kを遮蔽していた遮蔽板66Y,66C,66M,66Kが退避し、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kが開放される。また、シャッター部材60の開放動作時は、遮蔽板66Y,66C,66M,66Kの先端に設けられた第1清掃部材67Y,67C,67M,67Kが防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kの表面を移動して、光書込ユニット4停止中に防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kに付着した紙粉などの付着物を除去する。駆動機構200は、シャッター部材60が開放位置に位置した後も駆動を続け、図8(c)に示すように、突起部203が最も光学ハウジングから離れた位置に来た時点で停止する。駆動モータ201がステッピングモータなどのパルスモータの場合は、パルス数をカウントすることで、突起部203を所定の位置にくるように停止することができる。また、駆動モータ201がDCモータなどの場合は、駆動モータ201の駆動時間を計測することにより、突起部203を所定の位置にくるように停止することができる。
【0034】
このように、シャッター部材60が、開放位置で停止したら、光書込ユニット4は、書込み動作を開始し(S3)、各感光体10Y,10C,10M,10Kに画像情報に基づく潜像を書込む。次に、書込み動作が終了したら、書込み動作回数が所定回数以上か否かチェックする(S4)。
【0035】
書込み動作が所定回数未満のときは、不図示の制御手段は、駆動モータ201を正回転させる。すると、ハスバ歯車202bの突起部203は、第1当接部65aに当接し、シャッター部材60を遮蔽位置へ向けて移動させる。そして、図8(a)の位置に突起部203が到達したら、駆動モータ201の駆動を停止する。
【0036】
図12は、防塵ガラス48M表面に付着した付着物を除去する様子を説明した図である。図12(a)、(b)に示すように、シャッター部材60を開放位置から遮蔽位置へ移動させると、第1清掃部材67Mが、防塵ガラス48M表面を移動して、書込み動作中に防塵ガラス48Mに付着した付着物を除去する。他の色の防塵ガラス48Y,48C,48Kについても、表面を第1清掃部材67Y,67C,67Kが移動して、書込み動作中に防塵ガラス48Mに付着した付着物を除去する。
【0037】
一方、書込み動作が所定回数以上(S4のYES)のときは、不図示の制御手段は、クリーニング動作を実行する(S5)。なお、本実施形態においては、書込み動作回数に基づいて、クリーニング動作を行うか否かを判定しているが、例えば、前回、クリーニング動作を行ってからの経過時間などでもよい。
【0038】
図13は、第1清掃部材67の不織布に付着した紙粉を示す図であり、図14は、トナーを示す図である。なお、図13の図中右下の表は、不織布に付着した紙粉の長さを測定したデータである。
図13に示すように紙粉は、約50μmと比較的大きいため、防塵ガラス48に付着した紙粉は、不織布からなる第1清掃部材67に絡まり、良好に除去できる。しかし、図14に示すように、大きさが約6.8μmと紙粉に比べて大幅に細かいトナーは、不織布に絡まり難く、第1清掃部材67では良好に除去できない場合がある。よって、第1清掃部材67のみで防塵ガラス48を清掃していると、経時でトナーのように細かい付着物が防塵ガラス48表面に堆積していき、画像に影響を及ぼしてしまう。そこで、第1清掃部材67を、不織布よりも除去能力の高いブレード部材にすることも考えられる。しかし、ブレード部材は、不織布のように、防塵ガラス48に付着した付着物を絡め取るものではなく、掻き取るものであるため、不織布の場合に比べて、ある程度高い当接圧で当接させる必要がある。その結果、ブレード部材を用いた場合、防塵ガラス48表面に傷が発生しやすいという難点がある。このようなことを鑑み、本実施形態においては、ブレード部材からなる第2清掃部材68を設けて、シャッター部材60の開閉動作のときは、不織布からなる第1清掃部材67で防塵ガラス48を清掃し、所定のタイミングで、クリーニング動作を実行し、第2清掃部材68による防塵ガラスの清掃を行うようにしている。これにより、防塵ガラス表面の傷つきを抑制して、防塵ガラス表面にトナーなどの細かな付着物が堆積するのを抑制することができる。
【0039】
クリーニング動作が実行されると、不図示の制御手段は、駆動機構200の駆動モータ201を逆回転させる。すると、図9(a)の位置にあった突起部203が、図中時計回りに移動し、図9(b)に示すように、突起部203が、第2当接部65bと当接して、不図示の付勢手段に抗してシャッター部材60を開放位置から遮蔽位置側へと移動させる。第2当接部65bは、第1当接部65aよりも長さL分、駆動機構側にあるため、図9(c)に示すように、突起部203が、最も光学ハウジング側に位置したとき、シャッター部材60は、遮蔽位置よりも、長さL分さらに駆動機構200側と反対側へ移動せしめられる。この長さLは、少なくとも、防塵ガラス48のシャッター部材60移動方向長さ以上に設定する。このように設定することにより、図11に示すように、第2清掃部材68Y,68C,68M,68Kが防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kの表面を一端から他端まで移動することができ、第2清掃部材68Y,68C,68M,68Kにより防塵ガラス48Y,48C,48M,48K全体を清掃することができる。
【0040】
図15は、クリーニング動作時におけるM色の防塵ガラス48Mのクリーニングについて説明する図である。なお、他の色の防塵ガラスにおいても同様である。
図15(a)に示すように、シャッター部材60が、遮蔽位置よりもさらに駆動機構200側と反対側へ移動すると、段付ネジ168の頭部に傾斜面62aが突き当る。このような状態から、さらにシャッター部材60が駆動機構側と反対側へ移動すると、段付ネジ168の頭部がこの傾斜面62aを上カバー部材131b側へ押圧して、傾斜面62aが段付ネジ168の頭部と取り付け台133との間に入り込み、シャッター部材60が除々に上カバー部材131b側へ移動する。シャッター部材60が上カバー部材131b側へ移動していくと、遮蔽板66Mが弾性変形していく。さらに、シャッター部材60を移動させていくと、シャッター部材60の突出部62が、段付ネジ168の頭部と取り付け台133との間に入り込む。図15(a)に示すように突出部62のシャッター部材60からの高さHよりも、防塵ガラス48M表面から第2清掃部材68Mまでの高さが低い。よって、シャッター部材60の突出部62が、段付ネジ168の頭部と取り付け台133との間に入り込み、シャッター部材60が、突出部62の高さH分、上カバー部材131bに近接すると、図15(b)に示すように、遮蔽板66Mの略中央部に設けられた第2清掃部材68Mが、所定の当接圧で、防塵ガラス48Mの駆動機構200側端部に当接する。このように、本実施形態においては、段付ネジ168が押圧手段として機能し、段付ネジ168と突出部62とで接離手段が構成されている。そして、シャッター部材60を駆動機構200側と反対側へさらに移動すると、第2清掃部材67Mが、図15(c)に示すように、防塵ガラス48M表面を移動して、防塵ガラス48Mに付着した付着物を掻き取り、除去する。
【0041】
第2清掃部材68Mは、不織布からなる第1清掃部材67Mよりもクリーニング能力の高いブレード部材であるため、第1清掃部材67Mで除去できず、防塵ガラス48Mに残ったトナーなどの細かな付着物を除去することができる。これにより、防塵ガラス48Mの表面にトナーなどの細かな付着物が堆積し、書込光を阻害するのを防止することができる。また、所定のタイミングでブレード部材による清掃を行うので、防塵ガラス48の傷つきを抑制することができる。
【0042】
また、シャッター部材60を遮蔽位置よりも駆動機構200と反対側へ移動させて、シャッター部材60を上カバー部材131b側へ移動させているとき、遮蔽板66Mの先端に設けられた第1清掃部材67Mは、防塵ガラス48Mの駆動機構200側と反対側の端部の稜線を摺動する。その結果、この防塵ガラス48Mの稜線により第1清掃部材67Mに付着した付着物が、掻き落とされる。これにより、第1清掃部材67Mのクリーニング能力を回復させることができる。
【0043】
図9(c)に示すように、突起部203が最も光学ハウジング側へ到達しても、駆動モータ201の駆動を停止せずに、そのまま逆回転を行う。その結果、シャッター部材60は、図15(c)の位置まで到達したら、駆動機構200側へ移動する。そして、シャッター部材60の突出部62が、段付ネジ168の頭部と取り付け台133との間を抜けると、傾斜面62aに案内されながら、除々にシャッター部材60が上カバー部材131bから離間する方向へと移動する。これは、シャッター部材60を上カバー部材131b側へ近接させているとき、遮蔽板66Mが弾性変形しており、この遮蔽板66Mがちょうど板バネのような働きをし、シャッター部材60を上カバー部材131bから離間する方向に付勢しているからである。そして、図15(a)に示すように、シャッター部材60が遮蔽位置まで戻ると、第2清掃部材68Mが防塵ガラス48Mから離間する。
【0044】
駆動モータ201をさらに逆回転させていくと、図9(d)に示す位置まで突起部203が移動し、段付ネジ168の段部が、ガイド孔69に突き当り、開放位置で停止する。そして、突起部203が、再び図9(a)の位置まできたら、駆動モータ201の駆動を停止する。
【0045】
以上のようなクリーニング動作を行った後、駆動モータ201を正回転させ、ハスバ歯車202bの突起部203を第1当接部65aに当接させて、シャッター部材60を遮蔽位置へ向けて移動させる。そして、図8(a)の位置に突起部203が到達したら、駆動モータ201の駆動を停止する。これにより、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kが遮蔽板66Y,66C,66M,66Kに覆われ、光書込ユニット4の停止時に、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kに付着物が付着するのを抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態では、第1当接部65aと、第2当接部65bとを設けているが、第2当接部65bのみ設ければよい。この場合は、シャッター部材60を遮蔽位置に位置させる場合は、突起部203が、図16(a)に示すような位置で停止するよう駆動モータ201の駆動を制御し、クリーニング動作のときは、図16(a)の状態からさらに、駆動モータ201を回転させて、突起部203を図16(b)に位置させる。そして、次の書込動作がある場合は、図16(c)に示す位置に突起部203が来るように駆動モータ201を駆動してシャッター部材60を開放位置に位置させ、次の書込み動作がない場合は、駆動モータ201を上記とは逆方向に回転させて、図16(a)に示す位置で突起部203を停止する。
【0047】
また、本実施形態においては、ウォームギヤ202と突起部203とで、シャッター部材60を往復移動させているが、例えば、ラックアンドピニオン機構によりシャッター部材を往復移動させてもよい。
【0048】
以上、本実施形態の光走査装置たる光書込ユニット4によれば、光源たる半導体レーザ53と、半導体レーザ53から発射された光束を主走査方向に偏向走査せしめる偏向手段たるポリゴンスキャナ50と、ポリゴンスキャナ50によって偏向せしめられた光束を被走査面たる感光体10の表面に導く複数の光学素子(コリメートレンズ54、シリンドリカルレンズ55、走査レンズ43、反射ミラー44、45)とが光学ハウジング131(筐体131aと上カバー部材131bとで構成)に搭載されている。また、光学ハウジング131に光束が感光体10に入射されるように形成された開口部132を、光束が透過可能なように塞ぐ透過性防塵部材たる防塵ガラス48と、防塵ガラス48を覆う被覆位置たる遮蔽位置と、防塵ガラス48が開放される開放位置との間を移動可能に設けられたシャッター部材60とを有している。また、感光体10に光束を走査するとき、シャッター部材60を遮蔽位置から開放位置へ移動させ、感光体への光束の走査が終了したらシャッター部材60を開放位置から遮蔽位置へ移動させる移動手段たる駆動機構200を有している。シャッター部材60は、開放位置と遮蔽位置との間の開閉範囲以上に移動可能に構成されており、シャッター部材60の遮蔽位置と開放位置との間の開閉移動のときに防塵ガラス表面を移動して防塵ガラス48に付着した付着物を除去する第1清掃部材67と、シャッター部材60を開閉範囲以上移動させたとき、防塵ガラス48の表面を移動して防塵ガラス48に付着した付着物を除去する第1清掃部材67よりも清掃能力の高い第2清掃部材68とを備えている。
かかる構成を有することにより、上述したように、防塵ガラスの傷つきを抑制し、防塵ガラスにトナーのような細かな付着物が堆積するのを抑制することができる。
【0049】
また、第1清掃部材67は、不織布であり、第2清掃部材68は、ブレード部材である。これにより、第1清掃部材67での清掃においては、柔らかい不織布が防塵gラスの表面を移動するので、防塵ガラス48が第1清掃部材67との摺動によって傷つくのを抑制することができる。また、第2清掃部材68をブレード部材とすることにより、防塵ガラスに付着したトナーなどの細かな付着物を良好に除去することができる。
【0050】
また、第2清掃部材68は、第1清掃部材67よりも光学ハウジング131の開口部132が形成された面に対して離間した位置に形成されており、シャッター部材60を開閉範囲以上移動させたとき、シャッター部材60を光学ハウジング131へ接近させる接離手段を設けた。これにより、シャッター部材60を開閉範囲以上移動させたときシャッター部材が光学ハウジング131に近接して、防塵ガラス表面から離間する位置にあった第2清掃部材68を、防塵ガラス表面に当接させることができる。その結果、第2清掃部材68が、シャッター部材60を開閉範囲以上移動させたときのみ防塵ガラス表面と摺動させることができ、防塵ガラス表面が傷つくのを抑制することができる。
【0051】
また、接離手段は、シャッター部材60から突出する突出部62と、シャッター部材60が開閉範囲以上移動したとき、突出部62に当接して突出部62を光学ハウジング側へ押圧する押圧手段としての段付ネジ168とを設けた。これにより、シャッター部材60が開閉範囲以上移動したとき段付ネジ168の頭部により突出部62が押され、突出部62のシャッター部材60からの高さ分、シャッター部材60を光学ハウジングに近接させることができる。その結果、所定の当接圧で第2清掃部材68を防塵ガラス表面に当接させることができ、良好に防塵ガラス表面の細かなゴミを除去することができる。
【0052】
また、防塵ガラス48の一部は、光学ハウジングの開口部132が形成された面から突出しており、接離手段は、突出部62のシャッター部材60の移動方向に傾斜面62aを有し、シャッター部材60を開閉範囲以上移動させると、傾斜面62aに段付きネジの頭部が当接し、シャッター部材60の移動に伴い、シャッター部材60を光学ハウジングへ近接させるものである。そして、接離手段によりシャッター部材60を光学ハウジングに近接するとき、第1清掃部材67が、防塵ガラス48の稜線部を摺擦する。これにより、第1清掃部材67に付着した付着物が、防塵ガラス48の稜線部によって掻き落とされ、第1清掃部材67の清掃能力を復活させることができる。その結果、経時にわたり第1清掃部材67により良好に防塵ガラス表面を清掃することができる。
【0053】
また、駆動機構200は、駆動モータ201とウォームギヤ202と、シャッター部材60をウォームギヤ202側に付勢する不図示の付勢手段とを有している。また、ウォームギヤ202のハスバ歯車202bに設けられ、シャッター部材60と当接して、シャッター部材60を付勢手段の付勢方向と反対方向に押し込むための突起部203を有している。これにより、駆動モータの駆動量を制御して、ハスバ歯車の回転角度を制御すれば、シャッター部材60を、開放位置や遮蔽位置で停止できる。また、ハスバ歯車202bの回転運動によりシャッター部材60を往復運動させることができる。
【0054】
また、シャッター部材60には、駆動モータ201を正回転させたときに突起部203と当接してシャッター部材60を開閉範囲内で移動させるための第1当接部65aと、駆動モータ201を逆回転させたとき突起部203と当接してシャッター部材60を開放範囲以上移動させるための第2当接部65bとを備えた。これにより、駆動モータの回転方向を変えるだけで、シャッター部材60の移動範囲を異ならせることができる。
【0055】
また、第2当接部65bを第1当接部65aよりもウォームギヤ側に配置することにより、突起部203が第1当接部65aに当接したときのシャッター部材60の移動範囲、第2当接部65bに当接したときのシャッター部材60の移動範囲とを異ならせることができる。
【0056】
また、突起部203をカバー部材205で覆い、カバー部材205を、突起部203に対して回転自在に設けることにより、突起部203は、回転自在なカバー部材205を介して当接部65a,65bに当接する。これにより、突起部203は、カバー部材205を介して、当接部65a,65bを移動するが、このとき、カバー部材205が回転するので、当接部65a,65bや突起部203が磨耗するのを抑制することができる。
【0057】
また、第2清掃部材68を弾性の高い部材で構成することで、第2清掃部材68を防塵ガラス表面に弾性変形させて当接させることができ、防塵ガラスとの当接が良好になり、第2清掃部材68により防塵ガラス表面の細かな付着物を良好に清掃することができる。
【0058】
また、本実施形態の画像形成装置においては、上述した光書込ユニット4を備えることにより、経時にわたり感光体表面に良好な潜像を書込むことができ、経時にわたり良好な画像を得ることができる。
【符号の説明】
【0059】
4:光書込ユニット
10:感光体
48:防塵ガラス
50:ポリゴンスキャナ
53:半導体レーザ
60:シャッター部材
62:突出部
62a:傾斜面
63:通過孔
65a:第1当接部
65b:第2当接部
65c:延設部
66:遮蔽板
67:第1清掃部材
68:第2清掃部材
69:ガイド孔
131:光学ハウジング
131a:筐体部材
131b:上カバー部材
132:開口部
168:段付ネジ
200:駆動機構
201:駆動モータ
202:ウォームギヤ
202a:ネジ歯車
202b:ハスバ歯車
203:突起部
204:ブラケット
205:カバー部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2005−329622号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から発射された光束を主走査方向に偏向走査せしめる偏向手段と、
前記偏向手段によって偏向せしめられた光束を被走査面に導く複数の光学素子と、
前記光源、前記偏向手段、前記光学素子が搭載される光学ハウジングと、
前記ハウジングに前記光束が被走査面に入射されるように形成された開口部を、光束が透過可能なように塞ぐ透過性防塵部材と、
前記透過性防塵部材を覆う被覆位置と、前記透過性防塵部材が開放される開放位置との間を移動可能に設けられたシャッター部材と、
前記被走査面に光束を走査するとき、前記シャッター部材を前記被覆位置から開放位置へ移動させ、前記被走査面への光束の走査が終了したら前記シャッター部材を開放位置から前記被覆位置へ移動させる移動手段とを備えた光走査装置において、
前記シャッター部材は、前記開放位置と前記被覆位置との間の開閉範囲を越えてに移動可能に構成されており、
前記シャッター部材の前記開閉範囲の移動のときに前記透過性防塵部材表面を移動して前記透過性防塵部材に付着した付着物を除去する第1清掃部材と、
前記シャッター部材の前記開閉範囲を越えた移動のときに、前記透過性防塵部材の表面を移動して前記透過性防塵部材に付着した付着物を除去する前記第1清掃部材よりも清掃能力の高い第2清掃部材と、
所定のタイミングで、前記シャッター部材を、前記開閉範囲を越えて移動させ、前記第2清掃部材による前記透過性防塵部材の清掃を行う制御を実行する制御手段とを備えたことを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
請求項1の光走査装置において、
前記第1清掃部材は、不織布であり、前記第2清掃部材は、ブレード部材であることを特徴とする光走査装置。
【請求項3】
請求項1または2の光走査装置において、
前記第2清掃部材は、前記第1清掃部材よりも前記光学ハウジングの前記開口部が形成された面に対して離間した位置に形成されており、
前記シャッター部材を、前記開閉範囲を越えて移動させたとき、前記シャッター部材を光学ハウジングへ接近させる接離手段を設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項4】
請求項3の光走査装置において、
前記接離手段は、前記シャッター部材から突出する突出部と、
前記シャッター部材が前記開閉範囲を越えて移動したとき、前記突出部に当接して前記突出部を前記光学ハウジング側へ押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とする光走査装置。
【請求項5】
請求項4の光走査装置において、
前記透過性防塵部材の一部は、前記光学ハウジングの開口部が形成された面から突出しており、
前記接離手段は、前記突出部の前記シャッター部材の移動方向に傾斜面を有し、前記シャッター部材を前記開閉範囲以上移動させると、前記傾斜面に前記押圧部が当接し、前記シャッター部材の移動に伴い、前記シャッター部材を光学ハウジングへ近接させるものであり、
前記接離手段により前記シャッター部材が前記光学ハウジングに近接するとき、前記第1清掃部材が、前記透過性防塵部材の稜線部を摺擦することを特徴とする光走査装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかの光走査装置において、
前記移動手段は、モータと、
ウォームギヤと、
前記シャッター部材をウォームギヤ側に付勢する付勢手段と、
前記ウォームギヤのハスバ歯車に設けられ、前記シャッター部材と当接して、前記シャッター部材を前記付勢手段の付勢方向と反対方向に押し込むための突起部とを備えたことを特徴とする光走査装置。
【請求項7】
請求項6の光走査装置において、
前記シャッター部材には、前記モータを正回転させたときに前記突起部と当接して前記シャッター部材を開閉範囲内で移動させるための第1当接部と、前記モータを逆回転させたとき前記突起部と当接して前記シャッター部材を、前記開放範囲を越えて移動させるための第2当接部とを備えたことを特徴とする光走査装置。
【請求項8】
請求項7の光走査装置において、
前記第2当接部を前記第1当接部よりも前記ウォームギヤ側に配置したことを特徴とする光走査装置。
【請求項9】
請求項6乃至8いずれかの光走査装置において、
前記突起部は、カバー部材に覆われており、
前記カバー部材を、前記突起部に対して回転自在に設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれかの光走査装置において、
前記第2清掃部材を、弾性の高い部材で構成したことを特徴とする光走査装置。
【請求項11】
潜像を担持する潜像担持体と、
該潜像担持体の表面に潜像を書き込むための光書込手段とを備えた画像形成装置において、
上記光書込手段として、請求項1乃至10いずれかの光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
光源と、
前記光源から発射された光束を主走査方向に偏向走査せしめる偏向手段と、
前記偏向手段によって偏向せしめられた光束を被走査面に導く複数の光学素子と、
前記光源、前記偏向手段、前記光学素子が搭載される光学ハウジングと、
前記ハウジングに前記光束が被走査面に入射されるように形成された開口部を、光束が透過可能なように塞ぐ透過性防塵部材と、
前記透過性防塵部材を覆う被覆位置と、前記透過性防塵部材が開放される開放位置との間を移動可能に設けられたシャッター部材と、
前記被走査面に光束を走査するとき、前記シャッター部材を前記被覆位置から開放位置へ移動させ、前記被走査面への光束の走査が終了したら前記シャッター部材を開放位置から前記被覆位置へ移動させる移動手段とを備えた光走査装置において、
前記シャッター部材は、前記開放位置と前記被覆位置との間の開閉範囲を越えてに移動可能に構成されており、
前記シャッター部材の前記開閉範囲の移動のときに前記透過性防塵部材表面を移動して前記透過性防塵部材に付着した付着物を除去する第1清掃部材と、
前記シャッター部材の前記開閉範囲を越えた移動のときに、前記透過性防塵部材の表面を移動して前記透過性防塵部材に付着した付着物を除去する前記第1清掃部材よりも清掃能力の高い第2清掃部材と、
所定のタイミングで、前記シャッター部材を、前記開閉範囲を越えて移動させ、前記第2清掃部材による前記透過性防塵部材の清掃を行う制御を実行する制御手段とを備えたことを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
請求項1の光走査装置において、
前記第1清掃部材は、不織布であり、前記第2清掃部材は、ブレード部材であることを特徴とする光走査装置。
【請求項3】
請求項1または2の光走査装置において、
前記第2清掃部材は、前記第1清掃部材よりも前記光学ハウジングの前記開口部が形成された面に対して離間した位置に形成されており、
前記シャッター部材を、前記開閉範囲を越えて移動させたとき、前記シャッター部材を光学ハウジングへ接近させる接離手段を設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項4】
請求項3の光走査装置において、
前記接離手段は、前記シャッター部材から突出する突出部と、
前記シャッター部材が前記開閉範囲を越えて移動したとき、前記突出部に当接して前記突出部を前記光学ハウジング側へ押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とする光走査装置。
【請求項5】
請求項4の光走査装置において、
前記透過性防塵部材の一部は、前記光学ハウジングの開口部が形成された面から突出しており、
前記接離手段は、前記突出部の前記シャッター部材の移動方向に傾斜面を有し、前記シャッター部材を前記開閉範囲以上移動させると、前記傾斜面に前記押圧部が当接し、前記シャッター部材の移動に伴い、前記シャッター部材を光学ハウジングへ近接させるものであり、
前記接離手段により前記シャッター部材が前記光学ハウジングに近接するとき、前記第1清掃部材が、前記透過性防塵部材の稜線部を摺擦することを特徴とする光走査装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかの光走査装置において、
前記移動手段は、モータと、
ウォームギヤと、
前記シャッター部材をウォームギヤ側に付勢する付勢手段と、
前記ウォームギヤのハスバ歯車に設けられ、前記シャッター部材と当接して、前記シャッター部材を前記付勢手段の付勢方向と反対方向に押し込むための突起部とを備えたことを特徴とする光走査装置。
【請求項7】
請求項6の光走査装置において、
前記シャッター部材には、前記モータを正回転させたときに前記突起部と当接して前記シャッター部材を開閉範囲内で移動させるための第1当接部と、前記モータを逆回転させたとき前記突起部と当接して前記シャッター部材を、前記開放範囲を越えて移動させるための第2当接部とを備えたことを特徴とする光走査装置。
【請求項8】
請求項7の光走査装置において、
前記第2当接部を前記第1当接部よりも前記ウォームギヤ側に配置したことを特徴とする光走査装置。
【請求項9】
請求項6乃至8いずれかの光走査装置において、
前記突起部は、カバー部材に覆われており、
前記カバー部材を、前記突起部に対して回転自在に設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれかの光走査装置において、
前記第2清掃部材を、弾性の高い部材で構成したことを特徴とする光走査装置。
【請求項11】
潜像を担持する潜像担持体と、
該潜像担持体の表面に潜像を書き込むための光書込手段とを備えた画像形成装置において、
上記光書込手段として、請求項1乃至10いずれかの光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−242760(P2012−242760A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115125(P2011−115125)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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