説明

光通信システム

【課題】 光信号のセキュリティを十分に確保することにある。
【解決手段】 符号化情報保持手段1と、符号化情報保持手段1から読み出した符号化情報を分割し、出力する分割手段3と、各分割符号化情報に従ってそれぞれスイッチング動作を行って所定レベルの駆動電圧を生成し出力する第1及び第2のスイッチング手段5a,5bと、各光信号の光軸が交差するような位置に配置され、各スイッチング手段5a,5bで生成された駆動電圧を受けて対応する分割符号化情報を光信号に変換し、空間上に伝送する第1及び第2の発光デバイス6a,6bと、第1及び第2の発光デバイスから伝送される光信号の重なり合う交差位置に配置され、両発光デバイスから伝送される光信号を同時に受信し、分割前の符号化情報に復号化する受光デバイス7とを設けた光通信システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信により伝送する情報のセキュリティを確保する光通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、赤色LEDなどのような発光デバイスの輝度が大幅に向上し、それに伴って道路標識用の表示装置、信号機、各種用途の表示ディスプレィなど、多くの機器に使用されている。
【0003】
ところで、近年、このような発光デバイスは、特定の情報を表示する表示機能だけでなく、この表示機能と同時に表示以外の機能、例えば特定の情報を伝送する通信機能を付加した多機能装置が提案されている。
【0004】
その1つの多機能装置としては、例えば「70」kmの制限速度を表示する発光デバイスを備えた道路標識に対し、その発光デバイスを高速点滅させることにより、例えば「ここの制限速度は時速70kmです」などの音声情報を伝送し、走行中の車両に通報する情報提供装置である(特許文献1)。
【0005】
他の多機能装置は、発光デバイスで構成される非常灯に対し、非常時に予め記憶されている所定の情報に従って当該発光デバイスを点滅させることにより、携帯端末所持者に向けて避難に関する案内メッセージなどの音声情報を伝送する情報伝送システムである(特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−202741号公報(図1,図2参照)。
【特許文献2】特開2004−185359号公報(図1参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、前述した2つの多機能装置は、何れも発光デバイスを用いて所定の情報を伝送する通信機能を持たせているが、故意に情報を取得しようとする者が発光デバイスから発する光線を視認できる視認可能領域に存在する場合、その発光デバイスから発する光線からなる情報を容易に取得することが可能である。このことは、発光デバイスを光通信の発生源とした場合、発光デバイスから発する光線の視認不可領域では、情報の秘匿が可能となり、視認可能領域では情報の秘匿が難しくなる。
【0007】
また、発光デバイスの前面にレンズなどを配置し、発光デバイスから発する光線の照射範囲を絞るような工夫を施せば、情報の秘匿性を向上させることが可能であるが、情報を取得しようとする者が光線の光軸近傍に居る限り、空間上のどの位置でも光線による情報を容易に入手することが可能である。
【0008】
例えば建物内の高い天井に発光デバイスの照明灯を設置し、或いは地上の遠方場所に発光デバイスの情報発生源を設置した場合、何れも発光デバイスからの距離が長くなり、それに伴って光線の視認可能領域が広くなり、多数の者が光線による情報を傍受し易くなる。その結果、発光デバイスに通信機能を持たせた場合、情報のセキュリティを維持できない問題がある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、光デバイスから発する光信号に関する空間の選択性を向上させ、かつ、光信号のセキュリティを十分に確保する光通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る光通信システムは、符号化情報を保持する符号化情報保持手段と、この符号化情報保持手段から読み出した符号化情報を時分割的に分割し、個別に出力する分割手段と、この分割手段で分割された各分割符号化情報に従ってそれぞれスイッチング動作を行って所定レベルの駆動電圧を生成し出力する第1及び第2のスイッチング手段と、各光信号の光軸が交差するような位置に配置され、各スイッチング手段で生成された駆動電圧を受けて対応する分割符号化情報を光信号に変換し、空間上に伝送する第1及び第2の発光デバイスと、前記第1及び第2の発光デバイスから伝送される光信号の重なり合う交差位置に配置され、当該両発光デバイスから伝送される光信号を同時に受信し、分割前の前記符号化情報に復号化する受光デバイスとを備えた構成である。
【0011】
また、本発明に係る光通信システムは、符号化情報を保持する符号化情報保持手段と、この符号化情報保持手段から読み出した符号化情報を暗号化した暗号化符号化情報と当該暗号化符号化情報の暗号を解読する暗号復号化鍵情報とを生成し、個別に出力する暗号化手段と、この暗号化手段から出力される暗号化符号化情報及び暗号復号化鍵情報に従ってそれぞれスイッチング動作を行って所定レベルの駆動電圧を生成し出力する第1及び第2のスイッチング手段と、各スイッチング手段で生成された駆動電圧を受け、それぞれ前記暗号化符号化情報及び前記暗号復号化鍵情報を光信号に変換し、空間上に伝送する第1及び第2の発光デバイスと、各発光デバイスから伝送される光信号の受光可能領域内に配置され、対応する発光デバイスから伝送される光信号をそれぞれ受信する第1及び第2の受光デバイスと、この第1の受光デバイスで受光された光信号である前記暗号化符号化情報に対し、前記第2の受光デバイスで受光された光信号である暗号復号化鍵情報を用いて、当該暗号化符号化情報の暗号を解読し、前記暗号化前の符号化情報に復号化する復号化手段とを備えた構成である。
【0012】
さらに、複数の符号化情報を論理的に多重化した符号化情報と何れかの一方の符号化情報とをそれぞれ対応する各スイッチング手段を介して発光デバイスから光信号とし、2つの発光デバイスの光信号の重なり合う位置に受光デバイスを配置し、受光した2つの多重化符号化情報と一方の符号化情報とを論理演算することにより他方の符号化情報を復号化することも可能である。
【0013】
また、前記複数の符号化情報としては、映像符号化情報及び音楽符号化情報であってもよい。また、発光デバイスは、可視光、赤外線光,紫外線光のいずれかを発光するものでもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光デバイスから発する光信号の空間選択性を高めることができ、光デバイスから発する光信号のセキュリティを十分に確保できる光通信システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態例について図面を参照して説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は本発明に係る光通信システムの一実施の形態を示す構成図である。
【0017】
この光通信システムは、符号化情報保持手段1、同期信号発生手段2、情報分割手段3、直流電圧電源4、第1及び第2のスイッチング手段5a,5b、これらスイッチング手段5a,5bの出力側に接続され、対応する各スイッチング手段5a,5bの出力信号に応じて点滅する発光デバイスである発光部6a,6b、受光デバイスである受光部7及び復号化情報保持手段8によって構成される。
【0018】
符号化情報保持手段1は、光通信により伝送する符号化情報を記憶する例えば不揮発性の半導体メモリであって、例えば情報配信装置の記憶装置、通常のパソコンの記憶装置その他情報出力機能を有する各種情報処理装置の記憶装置などに相当する。ここで、符号化情報とは、文字情報だけでなく、図形、記号、量子化された映像情報を含むものであって、2進数に符号化された情報の形式で符号化情報保持手段1に保持される。
【0019】
分割同期信号発生手段2は、例えば所定周期ごとのパルス信号を送出し、符号化情報保持手段1には情報読み出しタイミング信号とし、情報分割手段3には情報分割同期信号として送出する。
【0020】
情報分割手段3は、符号化情報保持手段1から読み出される符号化情報を、分割同期信号発生手段2から出力される情報分割同期信号に従って時分割により2つの情報に分割し、その分割された一方の情報を第1のスイッチング手段5aに送出し、分割された他方の情報を第2のスイッチング手段5bに送出する。
【0021】
各スイッチング手段5a,5bは、常時は直流電圧電源3から所定の直流電圧が印加され、前記情報分割手段3で分割された情報に従ってスイッチング動作し、所定の2値レベル信号を出力し発光部6a,6bに供給する。
【0022】
各発光部6a,6bは、LEDなどの発光ダイオードが用いられるが、可視光や赤外光を発光する他の半導体素子であっても構わない。各発光部6a,6bは、異なる方向(例えば光信号が交叉する方向)から光信号を発するような位置関係をもって配置され、対応する第1,第2のスイッチング手段5a,5bから入力される分割された符号化情報に対応して高速点滅を繰り返しつつ、伝送すべき情報を光信号に変換し、空間上に伝送する。
【0023】
受光部7は、発光部6a,6bから発する光線を同時に受光可能な位置に配置され、2つの発光部6a,6bから空間伝送されてくる2つの分割情報を自動的に合成して論理和信号とすれば、元の符号化情報に復号化できる。そして、この復号化情報を復号化情報保持手段8に保存する。
【0024】
復号化情報保持手段8は、ユーザエンドとなる端末機器(例えばパソコン,携帯端末、一般的な電子受信機器、映像受像機その他のコンピュータシステム等)の記憶装置などに相当する。
【0025】
次に、以上のような光通信システムの動作について図2を参照して説明する。図2は符号化情報の分割と復号化処理を説明するタイミング図である。
【0026】
分割同期信号発生手段2の情報読み出しタイミング信号(図2(a)参照)に従い、符号化情報保持手段1に保持される符号化情報を所定の順序で順次読み出し、情報分割手段3に送出する。
【0027】
この符号化情報は、図2(b)に示すように例えば12ビットの2進数の情報からなる。ここで、光通信の情報伝送速度を1000ビット/秒とした場合、符号化情報は1msごとに1ビットの情報が読み出され、情報分割手段3に送られる。
【0028】
そこで、情報分割手段3では、分割同期信号発生手段2から発する情報分割同期信号(図2(a)参照)に基づき、符号化情報保持手段1から読み出された符号化情報を1msごとの時分割により分割する。
【0029】
因みに、この実施の形態では、1msごとの単純2分割であり、分割前の符号化情報が12ビットであり、かつ、1ビットごとに交互に分割することから、各分割符号化情報a,bは、それぞれ6ビットの符号化情報となる(図2(c),(d)参照)。
【0030】
情報分割手段3で2分割された分割符号化情報a,bは対応するスイッチング手段5a、5bに送出する。ここで、スイッチング手段5a,5bは、分割された符号化情報a,bに従ってスイッチング動作を繰り返し、このスイッチング動作によって得られる所定のレベル信号を発光部6a,6bに送出する。
【0031】
ここで、発光部6a,6bは、スイッチング手段5a,5bのオン・オフ動作による所定のレベル信号に対応して点滅を繰り返しつつ、分割された符号化情報を光信号に変換し、それぞれ異なる2つの方向から空間上へ伝送する。
【0032】
このとき、受光部7は、2つの発光部6a,6bの光信号を同時に受光可能な位置に配置されているので、発光部6a及び発光部6bからの光信号の論理和の光信号を受光し出力する。よって、受光部7からは、発光部6a及び発光部6bから伝送されてきた2つの分割符号化情報の論理和信号を自動的に取得することできる。つまり、受光部7は、図2(e)に示すような分割前の元の符号化情報に復号化し、復号化情報保持手段8に保存する。
【0033】
従って、以上のような実施の形態によれば、光通信により伝送すべき情報を2つに分割し、各分割された情報をそれぞれ対応する発光部6a,6bで光信号に変換して空間上に伝送するので、2つの発光部6a,6bの光信号が互いに重なり合う領域だけで分割前の正しい符号化情報を取得することができる。このことは、1つの発光部6aまたは6bの光信号を受光できる視認可能領域では分割前の正しい符号化情報を取得できない。
【0034】
よって、情報の分割化による光通信システムにおいては、特定の空間のみで復号化できる空間選択性のある光通信が実現でき、情報セキュリティ機能を高めることができる。
【0035】
また、発光部6a,6bは、例えば可視光の光源を用いることにより、符号化情報を取得できる空間位置を明示できるので、特定の者が2つの光信号の重なり合う位置に容易に受光系を設置し、光通信システムを構築できる。
【0036】
なお、上記実施の形態では、情報分割手段3が符号化情報を時分割により2つの情報に分割したが、例えばN(Nは3個以上)の発光部を設けた場合には、符号化情報を時分割によってN分割にすることは言うまでもない。
【0037】
(実施の形態2)
図3は本発明に係る光通信システムの他の実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一ないし等価な構成部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0038】
この光通信システムは、符号化情報保持手段1、暗号化手段11、直流電圧電源4、第1及び第2のスイッチング手段5a,5b、これらスイッチング手段5a,5bの出力信号に応じて点滅する発光デバイスである発光部6a,6bが設けられ、これら発光部6a,6bから光信号を空間伝送する。
【0039】
光信号の受信系には、各発光部6a,6bとは空間を挟んでそれぞれ視認可能領域に配置される受光デバイスである受光部12a,12bと、これら受光部12a,12bで受光された情報を復号化する復号化手段13と、復号化情報保持手段8とが設けられている。
【0040】
この実施の形態では、符号化情報保持手段1の出力側に暗号化手段11を設けたこと、各発光部6a,6bにそれぞれ個別的に対応させて受光する受光部12a,12bを設けたこと、さらに、暗号化情報を解析する復号化手段13を設けたことにある。
【0041】
暗号化手段11は、符号化情報保持手段1から読み出した符号化情報を暗号化することにより、暗号化符号化情報を生成するとともに、当該暗号化された符号化情報の暗号を解読するための暗号復号化鍵情報を生成する機能を持っている。
【0042】
そして、暗号化手段11は、生成した暗号化符号化情報を第1のスイッチング手段5aに送出し、また、生成した暗号復号化鍵情報を第2のスイッチング手段5aに送出する。
【0043】
受光部12aは、発光部6aから発する光線の視認可能領域内の空間位置に配置され、当該発光部6aから空間伝送されてくる暗号化符号化情報の光信号を受光し、復号化手段13に送出する。他方の受光部12bは、発光部6bから発する光線の視認可能領域内の空間位置に配置され、当該発光部6bから空間伝送されてくる暗号復号化鍵情報の光信号を受光し、同様に復号化手段13に送出する。
【0044】
復号化手段13は、発光部6bから受けた暗号復号化鍵情報を用いて、発光部6aから受け取る暗号化符号化情報の暗号を解読し、元の情報である符号化情報に復号化する機能を持っている。
【0045】
次に、以上のような光通信システムの動作について説明する。
暗号化手段11は、符号化情報保持手段1に保持される符号化情報を所定の順序で順次読み出した後、その読み出した符号化情報に対し、情報の書替えや情報分割配置、隠語への置換え等の暗号化を実施し、暗号化符号化情報cを生成する一方、その暗号を解読するための暗号復号化鍵情dを生成し、情報のセキュリティを確保する観点から、暗号化符号化情報cと暗号復号化鍵情報dとを振り分け、第1のスイッチング手段5a及び第2のスイッチング手段5bに送出する。
【0046】
第1及び第2のスイッチング手段5a,5bは、常時,直流電圧電源4から所定の電源電圧が印加されてスイッチング動作可能な状態にある。その結果、第1及び第2のスイッチング手段5a,5bはそれぞれ入力される暗号化符号化情報c、暗号復号化鍵情報dに従ってそれぞれスイッチング動作を繰り返し、このスイッチング動作によって得られる所定のレベル信号を発光部6a,6bに送出する。
【0047】
ここで、発光部6aは、スイッチング手段5aのスイッチング動作よって得られた暗号化符号化情報cに対応する所定レベル信号に応じて点滅を繰り返しつつ、暗号化符号化情報cを光信号に変換し、所定方向に向けて空間伝送する。
【0048】
同様に、発光部6bは、スイッチング手段5bのスイッチング動作よって得られた暗号復号化鍵情報dに対応する所定レベル信号に応じて点滅を繰り返しつつ、暗号復号化鍵情報dを光信号に変換し、空間伝送する。
【0049】
発光部6aから空間伝送された光信号は、当該発光部6aに対して視認可能領域に配置される受光部12aで受光され、電気的な暗号化符号化情報cに変換した後、復号化手段13に送出する。一方、発光部6bから空間伝送された光信号は、当該発光部6bに対して視認可能領域に配置される受光部12bで受光され、電気的な暗号復号化鍵情報dに変換した後、復号化手段13に送出する。
【0050】
そこで、復号化手段13は、受光部12bから暗号復号化鍵情報dを受け取っているので、この暗号復号化鍵情報dを用いて、受光部12aから受け取った暗号化符号化情報cの暗号を解読し、暗号化を解除することにより、暗号化前の符号化情報を復号化し、復号化情報保持手段8に保持する。
【0051】
従って、以上のような実施の形態によれば、暗号化符号化情報cと暗号復号化鍵情報dとが全く異なる場所で受け取った後、復号化手段13が受け取った暗号復号化鍵情報dを用いて、暗号化符号化情報cを復号化するので、光信号による符号化情報のセキュリティを大幅に向上できる。つまり、通信情報の秘匿性を高めることができる。
【0052】
(実施の形態3)
図4は本発明に係る光通信システムのさらに他の実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一ないし等価な構成部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0053】
この光通信システムは、第1及び第2の符号化情報保持手段1a,1b、情報多重化手段21、直流電圧電源4、第1及び第2のスイッチング手段5a,5b、発光部6a,6b、受光部22a,22b、第1及び第2の復号化情報保持手段23a,23bによって構成される。
【0054】
この実施の形態では、2つの符号化情報の異同によって2通りの多重化処理例が考えられる。
【0055】
(1) 2つの同種の符号化情報の多重化処理について。
【0056】
第1の符号化情報保持手段1aには第1の符号化情報が保持され、第2の符号化情報保持手段1aには第2の符号化情報が保持されている。
【0057】
情報多重化手段21は、第1の符号化情報保持手段1aに保持される第1の符号化情報と第2の符号化情報保持手段1bに保持される第2の符号化情報とを読み出して排他的論理和の多重化符号化情報eを生成し、第1のスイッチング手段5aに送出し、また、第2の符号化情報保持手段1bから取り込んだ第2の符号化情報を第2のスイッチング手段5bに送出する。
【0058】
第1のスイッチング手段5aは、多重化された符号化情報eに従ってスイッチング動作を行い、発光部6aを介して光信号に変換され、当該光信号による多重化符号化情報が空間上に伝送される。
【0059】
一方、第2のスイッチング手段5bは、第2の符号化情報に従ってスイッチング動作を行い、発光部6bを介して光信号に変換され、当該光信号による第2の符号化情報が空間上に伝送される。
【0060】
その結果、受光部22aを視認可能領域内の適宜な場所に配置した場合には、発光部6aから多重化された符号化情報である光信号を受光できるが、この受光された光信号を復号化したとき、何ら意味のない情報となる。
【0061】
しかし、受光部22aが発光部6aから発する光線と発光部6bから発する光線との重なり合う領域に配置すれば、発光部6aから伝送される多重化符号化情報eと発光部6bから伝送される第2の符号化情報とを同時に受光し、排他的論理和演算を行うことにより、自動的に多重化前の第1の符号化情報を取り出すことができ、よって、復号化情報手段23aに送出すれば、復号化情報手段23ちでは排他的論理和演算によって、自動的に多重化前の第1の符号化情報を取り出すことができ、第1の復号化情報保持手段23aに保持できる。
【0062】
一方、受光部22bは、発光部6aからの第2の符号化情報である光信号を受光し、電気的な第2の符号化情報に変換し、第2の復号化情報保持手段23bに保持する。
【0063】
従って、この実施の形態によれば、発光部6aから発する光線の可視可能領域の適当な場所に受光部22aを配置しても、無意味な多重化情報しか取得できないが、発光部6aから発する光線と発光部6bから発する光線との重なり合う領域に受光部22aを配置した場合、第1の符号化情報保持手段1aで保持される第1の符号化情報を復号化でき、また、受光部22bでは、発光部6aからの光信号を受光することにより、そのまま第2の符号化情報とし、第2の復号化情報保持手段23bに保持できる。
【0064】
よって、この光通信システムにおいては、重要度の高い情報を第1の符号化情報とし、重要度の低い情報を第2の符号化情報とする場合に有効であり、重要度の高い情報のセキュリティを十分に確保することができる。
【0065】
(2) 2つの異種の符号化情報の多重化処理について。
【0066】
第1の符号化情報保持手段1aには例えば量子化された映像符号化情報が保持され、第2の符号化情報保持手段1bには前記映像符号化情報と連携関係にある例えば音声情報(例えば人間の会話、音楽等の情報)が保持される。すなわち、第1及び第2の符号化情報保持手段1a,1bには相互に連携関係を有し、かつ、異なる符号化情報が保持される。
【0067】
情報多重化手段21は、第1の符号化情報保持手段1aに保持される映像符号化情報と第2の符号化情報保持手段1bに保持される音声符号化情報とを取り込み、映像符号化情報を第1のスイッチング手段5aに送出し、音声符号化情報を第2のスイッチング手段5bに送出する。
【0068】
従って、第1のスイッチング手段5aは、映像符号化情報に従ってスイッチング動作を行い、発光部6aを介して光信号に変換され、当該光信号による映像符号化情報が空間上に伝送される。
【0069】
第2のスイッチング手段5bは、音声符号化情報に従ってスイッチング動作を行い、発光部6bを介して光信号に変換され、当該光信号による音声符号化情報が空間上に伝送される。
【0070】
受光部22a,22bとしては、それぞれ一般的な受光デバイスであってもよいが、受光デバイスを備えた音声付き映像を同時に視聴可能な例えば携帯形映像受信機であっても構わない。
【0071】
第1の復号化情報保持手段23aは、受光部22aで受光し復号化された電気的な映像符号化情報を保持する。第2の復号化情報保持手段23bは、受光部22bで受光し復号化された電気的な音声符号化情報を保持する。
【0072】
次に、以上のような光通信システムの具体的な動作例について、図5を参照して説明する。
【0073】
情報多重化手段21は、第1及び第2の符号化情報保持手段1a,1bからそれぞれ映像符号化情報及び音声符号化情報を取り込んだ後、第1のスイッチング手段5a及び発光部6aを介して光信号による映像符号化情報を空間上に伝送し、また、第2のスイッチング手段5b及び発光部6bを介して光信号による音声符号化情報を空間上に伝送する。
【0074】
このとき、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末が発光部6aから発する光信号の視認可能領域内のある場所(イ),(イ´)に存在する場合には映像符号化情報を受信できるが、他の領域内場所(ロ),(ロ´)に存在する場合には映像符号化情報を受信できない。また、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末が発光部6bから発する光信号の視認可能領域内のある場所(ロ),(ロ´)に存在する場合には音声符号化情報(音楽情報)を受信できるが、他の領域内場所(イ),(イ´)に存在する場合には他の領域内場所(イ),(イ´)では音声符号化情報を聴くことができない。
【0075】
結局、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末は、発光部6a,6bから発する光信号の視認可能領域場所(ハ)に存在しない限り、音楽付き映像を視聴できない。すなわち、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末が視認可能領域場所(ハ)に存在するとき、音楽付き映像を視聴できる。
【0076】
なお、受光部22aで受光されて復号化された映像復号化情報は第1の複合化情報保持手段23aに保持され、受光部22bで受光されて復号化された音楽復号化情報は第2の複合化情報保持手段23aに保持され、必要なときにこれら第1及び第2の複合化情報保持手段23a,23bから読み出して音楽付き映像を視聴してもよい。
【0077】
従って、以上のような実施の形態によれば、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末としては、2つの発光部6a,6bから発する光信号が重なり合う視認可能領域以外の領域でき、音楽付き映像を視聴することができない。すなわち、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末としては、2つの発光部6a,6bから発する光信号の重なり合う狭い領域内だけが音楽付き映像を傍受できるが、事実上両情報を同時に受信することが難しい。特に、送信領域を絞って映像符号化情報を送信すれば、益々両情報の受信が難しくなる。
【0078】
(実施の形態4)
図6は本発明に係る光通信システムのさらに他の実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図1,図4と同一ないし等価な構成部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0079】
この実施の形態は、図4に示す情報多重化手段21に代えて、暗号多重化手段24を設けた構成であり、その他の構成は図4とほぼ同様な構成である。
【0080】
すなわち、この光通信システムは、第1及び第2の符号化情報保持手段1a,1b、暗号多重化手段24、直流電圧電源4、第1及び第2のスイッチング手段5a,5b、発光部6a,6b、受光部22a,22b、復号化手段手段25、復号化手段26、第1及び第2の復号化情報保持手段23a,23bによって構成される。
第3の実施の形態で説明したように、第1の符号化情報保持手段1aには映像符号化情報、第2の符号化情報保持手段1bには音声符号化情報が保持されている。
【0081】
暗号多重化手段24は、第1の符号化情報保持手段1aから読み出した映像符号化情報に鍵情報を埋め込んだ暗号化映像符号化情報とし、第1のスイッチング手段5aに送出する。また、暗号多重化手段24は、第2の符号化情報保持手段1bから読み出した音声符号化情報に鍵情報をプラスし、音声符号化情報+鍵情報とし、第2のスイッチング手段5bに送出する。
【0082】
そして、暗号多重化手段24から受け取る暗号化映像符号化情報を用いて、第1のスイッチング手段5aのスイッチング動作を行い、発光部6aで光信号に変換し、空間上に伝送する。同様に、暗号多重化手段24から受け取る音声符号化情報+鍵情報を用いて、第2のスイッチング手段5bのスイッチング動作を行い、発光部6bで光信号に変換し、空間上に伝送する。
【0083】
このとき、受光部22a,22bとしては、それぞれ一般的な受光デバイスであってもよいが、受光デバイスを備えた音声付き映像を同時に視聴可能な例えば携帯形映像受信機であっても構わない。
【0084】
その結果、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末が発光部6aから発する光信号の視認可能領域内のある図5に示す場所(イ),(ハ),(イ´)に存在する場合でも映像符号化情報は暗号化されているので、映像符号化情報を受信できない。
【0085】
一方、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末が発光部6bから発する光信号の視認可能領域内のある図5に示す場所(ロ),(ロ´)に存在する場合には発光部6bから音声符号化情報+鍵情報を受信するので、少なくとも音声符号化情報(音楽)を視聴することが可能であるが、映像符号化情報を受信できない。
【0086】
結局、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末が発光部6a,6bから発する光信号の重なり合う図5に示す場所(ハ)に存在する場合のみ、復号化手段25が音声符号化情報+鍵情報のうち、鍵情報を用いて、受信した暗号化映像符号化情報を映像符号化情報に復号し、音声付き映像情報が視聴可能となる。
【0087】
なお、受光部22bで受信された音声符号化情報+鍵情報は復号化手段26にて鍵情報のみ除去されて音声符号化情報に復号化し、第2の復号化情報保持手段23bに保持される。
【0088】
従って、以上のような実施の形態によれば、映像情報を視聴するためには、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末が暗号化映像符号化情報と音声符号化情報+鍵情報とを同時に受信できる場所に存在しない限り、映像情報をみることができない。よって、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末としては、2つの発光部6a,6bから発する光信号の重なり合う狭い領域内だけが音楽付き映像を傍受できるが、事実上両情報を同時に受信することが難しい。特に、送信領域を絞って映像符号化情報を送信すれば、益々両情報の受信が難しくなる。
【0089】
さらに、時間と共に鍵情報を変更しつつ暗号化映像符号化情報を伝送するようにすれば、受光部22aないし受光機能付き携帯形映像受信端末が図5に示す場所(イ),(イ´)で暗号化映像符号化情報を受信し、ハードディスク等の記憶手段に格納した後、例えば所定の場所(ロ),(ハ),(ロ´)に移動し、音声符号化情報に付加される鍵情報を手に入れて当該暗号化映像符号化情報を復号化しようとしても、既に鍵情報が変更させているので、暗号化映像符号化情報を映像符号化情報に復号化して映像情報を見ることができない。
【0090】
図6は本発明に係る光通信システムのさらに他の実施の形態を示す構成図であって、さらに詳しくは実施の形態4に類似する他の実施の形態である。なお、同図において、図1,図6と同一ないし等価な構成部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0091】
この光通信システムにおいては、第1の符号化情報保持手段1aから映像符号化情報を読み出す側に暗号符号化手段27を設け、また、第2の符号化情報保持手段1bから音声符号化情報を読み出す側に暗号化手段28を設けた構成である。
【0092】
暗号化手段28は、時々刻々暗号化する鍵情報を変更しつつ、音声符号化情報に鍵情報をプラスし、音声符号化情報+鍵情報をスイッチング手段5bに印加する。
【0093】
一方、暗号符号化手段27は、第1の符号化情報保持手段1aの映像符号化情報に暗号化手段28で使用された鍵情報を埋め込んで暗号化映像符号化情報とし、第1のスイッチング手段5aに送出する。
【0094】
第1のスイッチング手段5aは、暗号符号化手段27から受け取る暗号化映像符号化情報に従ってスイッチング動作を行い、発光部6aで光信号に変換し、空間上に伝送する。第2のスイッチング手段5bは、暗号化手段28から受け取る音声符号化情報+鍵情報に従ってスイッチング動作を行い、発光部6bで光信号に変換し、空間上に伝送する。
【0095】
受光部22a,22bを含む受光系統の一連の処理動作は図6と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0096】
従って、この実施の形態においても、暗号化映像符号化情報と音声符号化情報+鍵情報とを同時に受光しない限り、音声付映像を受信できない。また、時間と共に鍵情報を変更しつつ暗号化映像符号化情報を伝送するようにすれば、暗号化映像符号化情報を受信し、記憶手段に格納した後、音声受信可能領域に移動して音声符号化情報に付加される鍵情報を手に入れ、暗号化映像符号化情報を復号化しようとしても、既に鍵情報が変更させているので、映像情報を復号化して見ることができない。
【0097】
(その他の実施の形態)
(1) 上記実施の形態は、発光部6a、6bは可視光を発光することを前提として説明したが、例えば発光部6a及び受光部12aには赤外線光を利用し、発光部6b及び受光部12bには可視光を用いるようにすれば、情報を取得しようとする者が単一の受光デバイスを用いて両方の通信情報を傍受できなくなり、通信情報の秘匿性をさらに向上させることができる。
【0098】
また、発光部6a、6bには適宜選択的に可視光、赤外線光、紫外線光の何れかを用いて、光通信する構成であってもよい。
【0099】
これにより、通信情報の秘匿性を高めることができる。
【0100】
(2) 上記実施の形態では、単一のスイッチング手段5a,5b、単一の発光デバイス6a,6b及び受光デバイス12b,12b、22a,22bを用いたが、例えば複数のスイッチング手段5a,…、5b,…を用い、かつ、各発光デバイス6a,6b及び前記各受光デバイス12b,12b、22a,22bを、それぞれ二次元的に配列された発光アレイ及び受光アレイとし、そのうち最初のスイッチング素子、対応関係にある1組の発光・受光アレイの先頭の発光・受光素子をそれぞれ同期用発光・受光素子とする。
【0101】
以上のような構成とした後、前記符号化情報保持手段1,1a,から所定の順序で符号化情報を読み取って、情報分割、暗号化する際、最初に同期信号に従って最初の同期用スイッチング素子及び同期用発光素子を動作し、発光・受光素子を利用して同期信号を送出する。以後、発光系及び受光系は、最初の同期信号を受け取ると、それぞれ所定の周期に従ってスイッチング素子、発光アレイ及び受光アレイの各素子を所定の順序で順次切替えつつ発光及び受光するように制御すれば、受光系では二次元的な復号化情報を取得することができる。なお、同期信号の受信後、所定の周期でスイッチング素子、発光アレイ及び受光アレイの各素子を所定の順序で切替え駆動する手段は、液晶表示装置の駆動手段などで既に周知の技術であり、これらの周知技術を活用することにより、容易に実現できる。
【0102】
これにより、符号化情報の秘匿性を確保しつつ、特定の領域において、符号化情報を高速に受光し二次元的に配列表示し、特定の者が符号化情報を適切に把握することができる。
【0103】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明に係る光通信システムの一実施の形態を示す全体構成図。
【図2】符号化情報を時分割的に分割するためのタイミングを説明する図。
【図3】本発明に係る光通信システムの他の実施の形態を示す全体構成図。
【図4】本発明に係る光通信システムのさらに他の実施の形態を示す全体構成図。
【図5】映像符号化情報と音声符号化情報との受信可能領域を説明する図。
【図6】本発明に係る光通信システムのさらに他の実施の形態を示す全体構成図。
【図7】本発明に係る光通信システムのさらに他の実施の形態を示す全体構成図。
【符号の説明】
【0105】
1,1a,1b…符号化情報保持手段、2…同期信号発生手段、3…情報分割手段、5a,5b…スイッチング手段、6a,6b…発光デバイス、7,12a,12b,22a,22b…受光デバイス、8,23a,23b…復号化情報保持手段、11…暗号化手段、13…復号化手段、21…情報多重化手段、24…暗号多重化手段、25,26…復号化手段、27…暗号符号化手段、28…暗号化手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化情報を保持する符号化情報保持手段と、
この符号化情報保持手段から読み出した符号化情報を時分割的に分割し、個別に出力する分割手段と、
この分割手段で分割された各分割符号化情報に従ってそれぞれスイッチング動作を行って所定レベルの駆動電圧を生成し出力する第1及び第2のスイッチング手段と、
各光信号の光軸が交差するような位置に配置され、各スイッチング手段で生成された駆動電圧を受けて対応する分割符号化情報を光信号に変換し、空間上に伝送する第1及び第2の発光デバイスと、
前記第1及び第2の発光デバイスから伝送される光信号の重なり合う交差位置に配置され、当該両発光デバイスから伝送される光信号を同時に受信し、分割前の前記符号化情報に復号化する受光デバイスとを備えたことを特徴とする光通信システム。
【請求項2】
符号化情報を保持する符号化情報保持手段と、
この符号化情報保持手段から読み出した符号化情報を暗号化した暗号化符号化情報と当該暗号化符号化情報の暗号を解読する暗号復号化鍵情報とを生成し、個別に出力する暗号化手段と、
この暗号化手段から出力される暗号化符号化情報及び暗号復号化鍵情報に従ってそれぞれスイッチング動作を行って所定レベルの駆動電圧を生成し出力する第1及び第2のスイッチング手段と、
各スイッチング手段で生成された駆動電圧を受け、それぞれ前記暗号化符号化情報及び前記暗号復号化鍵情報を光信号に変換し、空間上に伝送する第1及び第2の発光デバイスと、
各発光デバイスから伝送される光信号の受光可能領域内に配置され、対応する発光デバイスから伝送される光信号をそれぞれ受信する第1及び第2の受光デバイスと、
この第1の受光デバイスで受光された光信号である前記暗号化符号化情報に対し、前記第2の受光デバイスで受光された光信号である暗号復号化鍵情報を用いて、当該暗号化符号化情報の暗号を解読し、前記暗号化前の符号化情報に復号化する復号化手段とを備えたことを特徴とする光通信システム。
【請求項3】
第1の符号化情報を保持する第1の符号化情報保持手段及び第2の符号化情報を保持する第2の符号化情報保持手段と、
両符号化情報保持手段から読み出した第1の符号化情報と第2の符号化情報とを多重化した多重化符号化情報と、前記読み出した前記第2の符号化情報とを個別に出力する情報多重化手段と、
この情報多重化手段からそれぞれ出力される多重化符号化情報及び第2の符号化情報に従ってそれぞれスイッチング動作を行って所定レベルの駆動電圧を生成し出力する第1及び第2のスイッチング手段と、
各光信号の光軸が交差するような位置に配置され、各スイッチング手段で生成された駆動電圧を受けて対応する前記多重化符号化情報及び前記第2の符号化情報を個別に光信号に変換し、空間上に伝送する第1及び第2の発光デバイスと、
前記第1及び第2の発光デバイスから伝送される光信号の重なり合う交差位置に配置され、当該両発光デバイスから伝送される光信号を同時に受信し、多重化前の第1の符号化情報に復号化する第1の受光デバイス及び前記第2の発光デバイスから伝送される光信号の受光可能領域内に配置され、当該第2の発光デバイスから伝送される光信号である第2の符号化情報を受光する第2の受光デバイスとを備えたことを特徴とする光通信システム。
【請求項4】
前記第1の符号化情報保持手段には映像符号化情報が保持され、前記第2の符号化情報保持手段には音声符号化情報が保持され、
前記第1の受光デバイスは、前記複数の発光デバイスから伝送される光信号の重なり合う受光可能領域内だけで音声付き映像符号化情報を受光可能とすることを特徴とする請求項3に記載の光通信システム。
【請求項5】
第1の符号化情報を保持する第1の符号化情報保持手段及び第2の符号化情報を保持する第2の符号化情報保持手段と、
前記第1の符号化情報保持手段から読み出した第1の符号化情報に鍵情報を埋め込んだ暗号化符号化情報とし、また前記第2の符号化情報保持手段から読み出した第2の符号化情報に前記鍵情報を付加し、それぞれ個別に出力する暗号多重化手段と、
この暗号多重化手段から出力される暗号化符号化情報に従ってスイッチング動作を行って所定レベルの駆動電圧を生成し出力する第1のスイッチング手段及び第2の符号化情報+前記鍵情報に従ってスイッチング動作を行って所定レベルの駆動電圧を生成し出力する第2のスイッチング手段と、
各光信号の光軸が交差するような位置に配置され、各スイッチング手段で生成された駆動電圧を受けて対応する前記暗号化符号化情報及び前記第2の符号化情報+鍵情報を個別に光信号に変換し、空間上に伝送する第1及び第2の発光デバイスと、
両発光デバイスから伝送される光信号の重なり合う交差位置に配置され、当該両発光デバイスから伝送される光信号を同時に受信し、前記暗号化符号化情報を前記鍵情報を用いて暗号化前の第1の符号化情報に復号化する第1の受光系及び前記第2の発光デバイスから伝送される光信号の受光可能領域内に配置され、当該第2の発光デバイスから伝送される光信号である第2の符号化情報+鍵情報を受光し、当該鍵情報を除去して第2の符号化情報を取得する第2の受光系とを備えたことを特徴とする光通信システム。
【請求項6】
請求項5に記載の光通信システムにおいて、
前記暗号多重化手段に代えて、前記第2の符号化情報保持手段から読み出した第2の符号化情報に前記鍵情報を付加して出力する暗号化手段と、前記第1の符号化情報保持手段から読み出した第2の符号化情報に対し、前記暗号化手段から受け取る前記鍵情報を埋め込んで暗号化符号化情報として出力する暗号符号化手段とを設けたことを特徴とする光通信システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6の何れか一項に記載の光通信システムにおいて、
複数の発光デバイス(第1及び第2の発光デバイスを含む)の何れか一方または両方は、可視光,赤外線光または紫外線光のいずれかを発光するものであることを特徴とする光通信システム。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7の何れか一項に記載の光通信システムにおいて、
前記各発光デバイス及び前記各受光デバイスは、それぞれ二次元的に配列された発光アレイ及び受光アレイを用い、前記符号化情報保持手段から所定の順序で符号化情報を読み出す読み取り同期信号に従って順次発光アレイ及び受光アレイを所定の順序で切替えつつ同期を取りながら発光及び受光するように制御することを特徴とする光通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−236049(P2008−236049A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69220(P2007−69220)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】