説明

光通信システム

【課題】子局装置が送信禁止期間にて任意の光信号を送信する場合にも、その子局装置が異常状態にあることを検出することが可能な光通信システムを提供すること。
【解決手段】光通信システム100は、親局装置110と親局装置に接続された光ファイバを経由してデータを送信する複数の子局装置120とを含む。複数の子局装置は、互いに異なる送信許可期間にて自装置を特定するための識別子を含むデータを送信する。光通信システムは、親局装置が受信したデータに含まれる識別子により特定される子局装置を送信元子局装置として特定する。光通信システムは、第1の子局装置がデータを送信するように設定された第1の送信許可期間にて送信元子局装置を特定不能であり且つ第2の子局装置がデータを送信するように設定された第2の送信許可期間にて送信元子局装置として第2の子局装置を特定した場合、第2の子局装置が異常状態にあることを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親局装置と、当該親局装置に接続された光ファイバを経由して当該親局装置へデータを送信する複数の子局装置と、を含む光通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
親局装置と、当該親局装置に接続された光ファイバを経由して当該親局装置へデータを送信する複数の子局装置と、を含む光通信システム(例えば、PON(Passive Optical Netowork)システム)が知られている。
【0003】
この光通信システムにおいて、複数の子局装置は、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含むデータを親局装置へ送信するように構成されている。また、各子局装置は、電気信号生成部と、光信号送信部と、光信号送信禁止部と、を備える。
【0004】
電気信号生成部は、この子局装置がデータを送信するように設定された送信許可期間において、データを表す電気信号を生成し、送信許可期間以外の期間(送信禁止期間)において、予め定められたアイドル信号(アイドルパターン)を生成する。
【0005】
また、光信号送信部は、電気信号生成部により生成された電気信号を光信号に変換し、当該変換後の光信号を親局装置へ送信する。光信号送信禁止部は、送信禁止期間における、光信号送信部による光信号の送信を禁止する。
【0006】
そして、上記光通信システムは、親局装置がある子局装置から所定の待機時間内にその子局装置を特定するための子局装置識別子を含むデータを受信しなかった場合、その子局装置と親局装置との間に確立されている通信リンクを解除する。
【0007】
ところで、ある子局装置(異常子局装置)の光信号送信禁止部が異常状態となることにより、その異常子局装置が送信禁止期間においても光信号を送信してしまう場合が生じる。この場合、異常子局装置は、アイドル信号に応じた光信号を送信する。
【0008】
これにより、親局装置は、異常子局装置以外の子局装置(許可子局装置)に対して設定された送信許可期間において、その許可子局装置が送信したデータに、異常子局装置が送信したデータが重畳されたデータを受信する。この結果、親局装置が許可子局装置を特定するための子局装置識別子を受信(認識)できない。従って、上記光通信システムは、上記待機時間が経過した後、異常子局装置以外の子局装置と親局装置との間に確立されている通信リンクを解除する。
【0009】
このような状況において、異常子局装置を特定するために、特許文献1に記載の光通信システムが提案されている。この光通信システムは、アイドル信号を受信している時間が所定の閾値時間よりも長い場合、いずれかの子局装置が異常状態にあることを検出する。更に、この光通信システムは、いずれかの子局装置が異常状態にあると検出した場合において、親局装置との間に通信リンクが確立されている子局装置が1つである場合、その子局装置が異常状態にあることを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−28451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、子局装置が異常状態にある場合、その子局装置が送信禁止期間にてアイドル信号に応じた光信号と異なる光信号を送信することがある。このような場合、上記光通信システムにおいては、異常状態にある子局装置を検出することができないという問題があった。
【0012】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「異常状態にある子局装置を検出することができない場合が生じること」を解決することが可能な光通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である光通信システムは、
親局装置と、当該親局装置に接続された光ファイバを経由して当該親局装置へデータを送信する複数の子局装置と、を含むとともに、
上記複数の子局装置は、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む上記データを送信するように構成され、
上記親局装置が受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定手段と、
上記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が上記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、上記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が上記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置として上記第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出手段と、
を備える。
【0014】
また、本発明の他の形態である親局装置は、複数の子局装置が接続された光ファイバに接続されるとともに、当該複数の子局装置のそれぞれから当該光ファイバを経由してデータを受信する装置である。
【0015】
更に、この親局装置は、
上記複数の子局装置が、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む上記データを送信するように構成されている場合において、当該複数の子局装置から受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定手段と、
上記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が上記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、上記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が上記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置として上記第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出手段と、
を備える。
【0016】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
複数の子局装置が接続された光ファイバに接続されるとともに、当該複数の子局装置のそれぞれから当該光ファイバを経由してデータを受信する親局装置に、
上記複数の子局装置が、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む上記データを送信するように構成されている場合において、当該複数の子局装置から受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定手段と、
上記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が上記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、上記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が上記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置として上記第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【0017】
また、本発明の他の形態である光通信方法は、親局装置と、当該親局装置に接続された光ファイバを経由して当該親局装置へデータを送信する複数の子局装置と、を含む光通信システムに適用される方法である。
【0018】
更に、この光通信方法は、
上記複数の子局装置が、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む上記データを送信するように構成されている場合において、上記親局装置が受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定工程と、
上記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が上記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて上記子局装置特定工程により上記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、上記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が上記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて上記子局装置特定工程により上記送信元子局装置として上記第2の子局装置が特定された場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上のように構成されることにより、子局装置が送信禁止期間にて任意の光信号を送信する場合にも、その子局装置が異常状態にあることを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光通信システムの概略構成を表す図である。
【図2】図1に示した光通信システムの機能の概略を表すブロック図である。
【図3】図1に示した親局装置が記憶する送信許可期間情報を示したテーブルである。
【図4】図1に示した子局装置が送信するデータと、親局装置が特定する送信元子局装置と、を示したタイムチャートである。
【図5】図1に示した親局装置が実行する異常状態検出処理を示したフローチャートである。
【図6】図1に示した親局装置が記憶する特定結果情報を示したテーブルである。
【図7】図1に示した子局装置の1つが異常状態にある場合に、子局装置が送信するデータと、親局装置が特定する送信元子局装置と、を示したタイムチャートである。
【図8】図1に示した子局装置の1つが異常状態にある場合に、親局装置が記憶する特定結果情報を示したテーブルである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る親局装置が実行する送信元子局装置特定処理を示したフローチャートである。
【図10】本発明の各実施形態の変形例に係る光通信システムの機能の概略を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一形態である光通信システムは、
親局装置と、当該親局装置に接続された光ファイバを経由して当該親局装置へデータを送信する複数の子局装置と、を含むとともに、
上記複数の子局装置は、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む上記データを送信するように構成され、
上記親局装置が受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定手段と、
上記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が上記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、上記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が上記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置として上記第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出手段と、
を備える。
【0022】
これによれば、ある子局装置が異常状態となることにより、その子局装置(異常子局装置)が、データを送信するように設定された送信許可期間以外の期間(送信禁止期間)において、任意の光信号を送信する場合であっても、上記光通信システムは、その子局装置が異常状態にあることを検出することができる。
【0023】
また、上記光通信システムによれば、ある子局装置が異常状態となってから、その子局装置以外の子局装置と親局装置との間の通信リンクが解除される前であっても、異常状態にある子局装置を検出することができる。即ち、異常状態にある子局装置を迅速に検出することができる。
【0024】
この場合、上記子局装置特定手段は、上記親局装置が受信したデータに、いずれの子局装置識別子も含まれていない場合、上記送信元子局装置を特定不能とするように構成されることが好適である。
【0025】
この場合、
上記データは、複数のフレームからなり、
上記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、上記子局装置識別子と、を含み、
上記子局装置特定手段は、上記送信許可期間のそれぞれにおいて、上記親局装置が受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも少ない場合に、当該データ部の誤りが検出されなかったフレームに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を上記送信元子局装置として特定するように構成されることが好適である。
【0026】
ところで、子局装置から親局装置へ送信されるデータが複数のフレームからなる場合、親局装置が受信した複数のフレームの一部においてデータ部の誤りが検出されず、残余のフレームにおいてデータ部の誤りが検出されることがある。このような場合であっても、上記構成によれば、異常状態にある子局装置を適切に検出することができる。
【0027】
この場合、
上記データは、複数のフレームからなり、
上記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、上記子局装置識別子と、を含み、
上記子局装置特定手段は、上記送信許可期間のそれぞれにおいて、上記親局装置が受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも多い場合に、上記送信元子局装置を特定不能とするように構成されることが好適である。
【0028】
ところで、子局装置から親局装置へ送信されるデータが複数のフレームからなる場合、親局装置が受信した複数のフレームの一部においてデータ部の誤りが検出されず、残余のフレームにおいてデータ部の誤りが検出されることがある。このような場合であっても、上記構成によれば、異常状態にある子局装置を適切に検出することができる。
【0029】
この場合、上記光通信システムは、
上記送信許可期間を表す送信許可期間情報を記憶する送信許可期間情報記憶手段を備えるとともに、
上記異常状態検出手段は、上記記憶されている送信許可期間情報に基づいて上記子局装置が異常状態にあることを検出するように構成されることが好適である。
【0030】
この場合、上記子局装置は、
上記データを表す電気信号を生成する電気信号生成手段と、
上記電気信号生成手段により生成された電気信号を光信号に変換し、当該変換後の光信号を上記親局装置へ送信する光信号送信手段と、
当該子局装置が上記データを送信するように設定された送信許可期間以外の期間における、上記光信号送信手段による上記光信号の送信を禁止する光信号送信禁止手段と、
を備えることが好適である。
【0031】
この場合、上記光通信システムは、
上記異常状態検出手段により上記子局装置が異常状態にあることが検出された場合、当該子局装置による上記データの送信を停止させる送信停止手段を備えることが好適である。
【0032】
これによれば、異常状態にある子局装置がデータ(即ち、光信号)を送信し続けることにより、他の子局装置と親局装置との間に通信リンクを確立できない状態が継続することを回避することができる。
【0033】
また、本発明の他の形態である親局装置は、複数の子局装置が接続された光ファイバに接続されるとともに、当該複数の子局装置のそれぞれから当該光ファイバを経由してデータを受信する装置である。
【0034】
更に、この親局装置は、
上記複数の子局装置が、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む上記データを送信するように構成されている場合において、当該複数の子局装置から受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定手段と、
上記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が上記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、上記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が上記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置として上記第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出手段と、
を備える。
【0035】
この場合、上記子局装置特定手段は、上記受信したデータに、いずれの子局装置識別子も含まれていない場合、上記送信元子局装置を特定不能とするように構成されることが好適である。
【0036】
この場合、
上記データは、複数のフレームからなり、
上記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、上記子局装置識別子と、を含み、
上記子局装置特定手段は、上記送信許可期間のそれぞれにおいて、受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも少ない場合に、当該データ部の誤りが検出されなかったフレームに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を上記送信元子局装置として特定するように構成されることが好適である。
【0037】
この場合、
上記データは、複数のフレームからなり、
上記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、上記子局装置識別子と、を含み、
上記子局装置特定手段は、上記送信許可期間のそれぞれにおいて、受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも多い場合に、上記送信元子局装置を特定不能とするように構成されることが好適である。
【0038】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
複数の子局装置が接続された光ファイバに接続されるとともに、当該複数の子局装置のそれぞれから当該光ファイバを経由してデータを受信する親局装置に、
上記複数の子局装置が、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む上記データを送信するように構成されている場合において、当該複数の子局装置から受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定手段と、
上記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が上記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、上記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が上記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて上記子局装置特定手段が上記送信元子局装置として上記第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【0039】
この場合、上記子局装置特定手段は、上記受信したデータに、いずれの子局装置識別子も含まれていない場合、上記送信元子局装置を特定不能とするように構成されることが好適である。
【0040】
この場合、
上記データは、複数のフレームからなり、
上記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、上記子局装置識別子と、を含み、
上記子局装置特定手段は、上記送信許可期間のそれぞれにおいて、受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも少ない場合に、当該データ部の誤りが検出されなかったフレームに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を上記送信元子局装置として特定するように構成されることが好適である。
【0041】
この場合、
上記データは、複数のフレームからなり、
上記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、上記子局装置識別子と、を含み、
上記子局装置特定手段は、上記送信許可期間のそれぞれにおいて、受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも多い場合に、上記送信元子局装置を特定不能とするように構成されることが好適である。
【0042】
また、本発明の他の形態である光通信方法は、親局装置と、当該親局装置に接続された光ファイバを経由して当該親局装置へデータを送信する複数の子局装置と、を含む光通信システムに適用される方法である。
【0043】
更に、この光通信方法は、
上記複数の子局装置が、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む上記データを送信するように構成されている場合において、上記親局装置が受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定工程と、
上記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が上記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて上記子局装置特定工程により上記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、上記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が上記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて上記子局装置特定工程により上記送信元子局装置として上記第2の子局装置が特定された場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出工程と、
を含む。
【0044】
この場合、上記子局装置特定工程は、上記親局装置が受信したデータに、いずれの子局装置識別子も含まれていない場合、上記送信元子局装置を特定不能とするように構成されることが好適である。
【0045】
この場合、
上記データは、複数のフレームからなり、
上記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、上記子局装置識別子と、を含み、
上記子局装置特定工程は、上記送信許可期間のそれぞれにおいて、上記親局装置が受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも少ない場合に、当該データ部の誤りが検出されなかったフレームに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を上記送信元子局装置として特定するように構成されることが好適である。
【0046】
この場合、
上記データは、複数のフレームからなり、
上記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、上記子局装置識別子と、を含み、
上記子局装置特定工程は、上記送信許可期間のそれぞれにおいて、上記親局装置が受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも多い場合に、上記送信元子局装置を特定不能とするように構成されることが好適である。
【0047】
上述した構成を有する、親局装置、プログラム、又は、光通信方法、の発明であっても、上記光通信システムと同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することができる。
【0048】
以下、本発明に係る、光通信システム、親局装置、プログラム、及び、光通信方法、の実施形態について図1〜図10を参照しながら説明する。
【0049】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、本発明の第1実施形態に係る光通信システム1は、PON(Passive Optical Netowork)システムである。PONシステムは、PDS(Passive Double Star)システムとも呼ばれる。
【0050】
光通信システム1は、親局装置11と、光スプリッタ12と、複数(本例では、3つ)の子局装置21〜23と、を含む。なお、親局装置11は、OLT(Optical Line Terminal)とも呼ばれ、光スプリッタ12は、光カプラとも呼ばれ、子局装置21〜23は、ONU(Optical Network Unit)とも呼ばれる。
【0051】
子局装置(ONU#1)21と光スプリッタ12とは、光ファイバC1により接続されている。同様に、子局装置(ONU#2)22と光スプリッタ12とは、光ファイバC2により接続されている。同様に、子局装置(ONU#3)23と光スプリッタ12とは、光ファイバC3により接続されている。また、親局装置11と光スプリッタ12とは、光ファイバC0により接続されている。
【0052】
また、子局装置21には、端末装置(端末装置#1)31が接続されている。同様に、子局装置22には、端末装置(端末装置#2)32が接続されている。同様に、子局装置23には、端末装置(端末装置#3)33が接続されている。
【0053】
光スプリッタ12は、光受動素子としての光合分波器である。具体的には、光スプリッタ12は、親局装置11から受信した信号(本例では、光信号)を子局装置21〜23のそれぞれへ送信する。また、光スプリッタ12は、子局装置21〜23のそれぞれから受信した信号を合成し(重畳させ)、合成した信号を親局装置11へ送信する。
【0054】
このような構成により、複数の子局装置21〜23は、端末装置31〜33のそれぞれから送信されたデータDA,DB,DCを受信し、受信したデータDA,DB,DC(を表す光信号)を、光スプリッタ12及び光ファイバC0を経由して親局装置11へ送信する。また、複数の子局装置21〜23は、親局装置11から送信されたデータを光スプリッタ12及び光ファイバC0を経由して受信し、受信したデータを端末装置31〜33のそれぞれへ送信する。
【0055】
図2は、上記のように構成された光通信システム1の機能のうちの本発明に係る機能を表すブロック図である。親局装置11の機能は、親局装置11が備える回路により実現されている。同様に、子局装置21の機能は、子局装置21が備える回路により実現されている。また、子局装置22及び子局装置23は、子局装置21と同様の機能を有する。
【0056】
この親局装置11の機能は、送信許可期間情報記憶部(送信許可期間情報記憶手段)41と、光信号受信部42と、データ監視部43と、作動停止指示送信部(送信停止手段)44と、を含む。また、子局装置21の機能は、電気信号生成部(電気信号生成手段)51と、光信号送信部(光信号送信手段)52と、光信号送信禁止部(光信号送信禁止手段)53と、を含む。
【0057】
送信許可期間情報記憶部41は、送信許可期間を表す送信許可期間情報を記憶する記憶装置(メモリ)を含む。ここで、送信許可期間は、各子局装置21〜23が親局装置11へデータを送信するための期間である。各子局装置21〜23に対して設定された送信許可期間は、互いに異なる期間である。即ち、子局装置21が親局装置11へデータを送信するように設定された第1の送信許可期間と、子局装置22が親局装置11へデータを送信するように設定された第2の送信許可期間と、子局装置23が親局装置11へデータを送信するように設定された第3の送信許可期間と、は互いに異なる期間である。
【0058】
送信許可期間情報は、図3に示したように、子局装置を特定するための子局装置識別子(ONU識別子)と、送信許可期間が開始する時刻(期間開始時刻)と、送信許可期間が終了する時刻(期間終了時刻)と、が対応付けられた情報である。
【0059】
本例では、図4に示したように、第1の送信許可期間が終了した時点Te1から所定のアイドル時間が経過した時点Ts2にて第2の送信許可期間が開始し、第2の送信許可期間が終了した時点Te2から所定のアイドル時間が経過した時点Ts3にて第3の送信許可期間が開始するように、送信許可期間が設定されている。
【0060】
なお、親局装置11は、子局装置21〜23からデータの送信を要求する送信要求を受信した場合に、その子局装置21〜23に対して送信許可期間を設定する(即ち、送信許可期間情報を記憶する)ように構成されている。また、親局装置11は、送信許可期間情報を予め記憶するように構成されていてもよい。
【0061】
更に、親局装置11は、ある子局装置から予め設定された待機時間内にその子局装置を特定するためのONU識別子を含むデータを受信しなかった場合、その子局装置と親局装置11との間に確立されている通信リンクを解除する。具体的には、親局装置11は、この場合、送信許可期間情報記憶部41から送信許可期間情報を消去する。
【0062】
親局装置11は、送信許可期間情報記憶部41に記憶されている送信許可情報を子局装置21〜23へ送信する。
【0063】
子局装置21は、親局装置11から送信許可期間情報を受信し、受信した送信許可期間情報を記憶装置(メモリ)に記憶させる。
【0064】
電気信号生成部51は、端末装置31から受信したデータを記憶装置に記憶させるとともに、上記記憶されている送信許可期間情報が表す送信許可期間(即ち、第1の送信許可期間)にて、記憶されているデータ及び子局装置21を特定するためのONU識別子を含むデータを表す電気信号を生成する。
【0065】
光信号送信部52は、電気信号生成部51により生成された電気信号を光信号に変換し、変換後の光信号を光ファイバC1、光スプリッタ12及び光ファイバC0を介して(経由させて)親局装置11へ送信する。
【0066】
光信号送信禁止部53は、上記記憶されている送信許可期間情報が表す送信許可期間以外の送信禁止期間における、光信号送信部52による光信号の送信を禁止する。
【0067】
具体的には、光信号送信禁止部53は、送信禁止期間が開始する時点にて、光信号の送信を禁止する旨を指示する制御信号を光信号送信部52へ送信し、送信許可期間が開始する時点にて、光信号を送信する旨を指示する制御信号を光信号送信部52へ送信する。
これにより、光信号送信部52は、送信許可期間にて光信号を送信し、一方、送信禁止期間にて光信号を送信しない。
【0068】
また、光信号受信部42は、子局装置21〜23により送信された光信号を受信する。光信号受信部42は、受信した光信号を電気信号に変換し、変換後の電気信号をデータ監視部43へ出力する。
【0069】
データ監視部43は、ONU特定部(子局装置特定手段)45と、異常状態検出部(異常状態検出手段)46と、を含む。
ONU特定部45は、光信号受信部42により出力された電気信号が表すデータにONU識別子が含まれている場合、そのONU識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置(送信元子局装置)として特定する。
【0070】
また、ONU特定部45は、光信号受信部42により出力された電気信号が表すデータにいずれのONU識別子も含まれていない(データからONU識別子を取得できない)場合、送信元子局装置を特定不能とする。
【0071】
異常状態検出部46は、送信許可期間情報記憶部41により記憶されている送信許可期間情報に基づいて子局装置21〜23が異常状態にあることを検出する。
具体的には、異常状態検出部46は、下記第1の条件及び第2の条件の両方が成立しているか否かを判定する。
【0072】
第1の条件は、複数の子局装置21〜23の1つがデータを送信するように設定された送信許可期間にて、その子局装置がONU特定部45により送信元子局装置として特定されたという条件である。
【0073】
第2の条件は、上記特定された子局装置以外の子局装置がデータを送信するように設定された送信許可期間にて、ONU特定部45により送信元子局装置を特定不能であるという条件である。
【0074】
異常状態検出部46は、上記第1の条件及び第2の条件の両方が成立していると判定した場合、ONU特定部45により送信元子局装置として特定された子局装置が異常状態にあることを検出する。
【0075】
即ち、異常状態検出部46は、複数の子局装置21〜23の1つである第1の子局装置がデータを送信するように設定された第1の送信許可期間にてONU特定部45が送信元子局装置を特定不能であり、且つ、複数の子局装置21〜23の他の1つである第2の子局装置がデータを送信するように設定された第2の送信許可期間にてONU特定部45が送信元子局装置として第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する。
【0076】
作動停止指示送信部44は、異常状態検出部46により、ある子局装置が異常状態にあることが検出された場合、その子局装置へ、作動を停止する旨を指示する作動停止指示を送信する。
【0077】
子局装置21は、親局装置11により送信された作動停止指示を受信すると、自装置の作動を停止(シャットダウン)する。
【0078】
(作動)
次に、上述した光通信システム1の作動について具体的に述べる。
先ず、複数の子局装置21〜23のそれぞれが正常に作動している(即ち、各子局装置21〜23に対して設定された送信許可期間にて各子局装置21〜23がデータを送信している)場合を想定して説明を続ける。
【0079】
親局装置11は、図5にフローチャートにより示した異常状態検出処理を実行するようになっている。
具体的に述べると、親局装置11は、受信した光信号のレベル(大きさ)が予め設定された閾値レベル以上であるか否かを判定する(ステップ505)。親局装置11が各子局装置21〜23からデータを受信している場合、受信した光信号のレベルは閾値レベルよりも大きくなる。
【0080】
従って、親局装置11は、「Yes」と判定してステップ510に進み、受信したデータに含まれるONU識別子に基づいて送信元子局装置を特定する特定処理を実行する。上記仮定に従えば、親局装置11が受信したデータにはONU識別子が含まれている。従って、親局装置11は、受信したデータに含まれるONU識別子を取得し、取得したONU識別子により特定される子局装置を送信元子局装置として特定する(即ち、送信元子局装置を特定する)。なお、ステップ510の処理は、子局装置特定工程に対応している。
【0081】
次いで、親局装置11は、図6に示したように、特定処理を実行した時刻(受信時刻)と、送信元子局装置として特定された子局装置を特定するためのONU識別子と、を対応付けた特定結果情報を記憶装置に記憶させる(ステップ515)。
【0082】
そして、親局装置11は、すべての送信許可期間(第1の送信許可期間、第2の送信許可期間及び第3の送信許可期間)において上記特定処理を実行したか否かを判定する(ステップ520)。いま、現時点が図4に示した時刻t1である場合を想定して説明を続ける。この場合、親局装置11は、ステップ520にて「No」と判定してステップ505へ戻り、ステップ505〜ステップ520の処理を繰り返し実行する。
【0083】
そして、現時点が図4に示した時刻t9になると、記憶装置に記憶されている特定結果情報が図6に示した状態となる。
この時点においては、親局装置11は、ステップ520にて「Yes」と判定してステップ525へ進む。
【0084】
そして、親局装置11は、記憶装置に記憶されている送信許可期間情報及び特定結果情報に基づいて、上記第1の条件及び第2の条件の両方が成立している(即ち、1つの子局装置に対する送信許可期間のみにて送信元子局装置が特定された)か否かを判定する。
【0085】
上記仮定に従えば、この時点では、複数の子局装置21〜23のそれぞれがデータを送信するように設定された3つの送信許可期間のすべてにて、送信元子局装置が特定されている。即ち、上記第2の条件が成立していない。
【0086】
従って、親局装置11は、ステップ525にて「No」と判定してステップ505へ戻る。なお、ステップ525の処理は、異常状態検出工程に対応している。
【0087】
次に、子局装置22が備える光信号送信禁止部53が異常状態となることにより、子局装置22が第2の送信許可期間以外の期間においても光信号(電気信号生成部51の構成に応じた任意のデータを表す光信号)を送信している場合を想定して説明を続ける。
【0088】
この場合、第1の送信許可期間においては、親局装置11は、子局装置21により送信された光信号に、子局装置22により送信された光信号が重畳した光信号を受信する。従って、親局装置11は、この受信した光信号から、子局装置21が送信したデータ(即ち、ONU識別子)を取得することができない。
【0089】
同様に、第3の送信許可期間においては、親局装置11は、子局装置23により送信された光信号に、子局装置22により送信された光信号が重畳した光信号を受信する。従って、親局装置11は、この受信した光信号から、子局装置23が送信したデータ(即ち、ONU識別子)を取得することができない。
【0090】
いま、現時点が図7に示した時刻t1である場合を想定して説明を続ける。この場合、親局装置11が受信したデータには、いずれのONU識別子も含まれていない。従って、親局装置11は、ステップ510にて送信元子局装置を特定不能とする。
【0091】
次いで、親局装置11は、図8に示したように、特定処理を実行した時刻(受信時刻)と、送信元子局装置を特定不能である旨を表す情報(ここでは、「特定不能」)と、を対応付けた特定結果情報を記憶装置に記憶させる(ステップ515)。
【0092】
そして、親局装置11は、すべての送信許可期間において上記特定処理を実行したか否かを判定する(ステップ520)。この時点では、親局装置11は、ステップ520にて「No」と判定してステップ505へ戻り、ステップ505〜ステップ520の処理を繰り返し実行する。
【0093】
そして、現時点が図7に示した時刻t4になると(即ち、第2の送信許可期間においては)、親局装置11は、子局装置22により送信された光信号のみを受信する。従って、親局装置11が受信したデータには、子局装置22を特定するためのONU識別子が含まれる。従って、親局装置11は、受信したデータに含まれるONU識別子を取得し、取得したONU識別子により特定される子局装置を送信元子局装置として特定する(即ち、送信元子局装置を特定する)。
【0094】
次いで、親局装置11は、図8に示したように、特定処理を実行した時刻と、送信元子局装置として特定された子局装置を特定するためのONU識別子と、を対応付けた特定結果情報を記憶装置に記憶させる(ステップ515)。
【0095】
そして、親局装置11は、ステップ520に進むと、「No」と判定してステップ505へ戻り、ステップ505〜ステップ520の処理を繰り返し実行する。
【0096】
そして、現時点が図7に示した時刻t8になると(即ち、第3の送信許可期間においては)、再び、親局装置11が受信したデータにいずれのONU識別子も含まれていない状態となる。従って、親局装置11は、ステップ510にて送信元子局装置を特定不能とする。
【0097】
次いで、親局装置11は、図8に示したように、特定処理を実行した時刻と、送信元子局装置を特定不能である旨を表す情報(ここでは、「特定不能」)と、を対応付けた特定結果情報を記憶装置に記憶させる(ステップ515)。
【0098】
そして、親局装置11は、ステップ520に進むと、「No」と判定してステップ505へ戻り、ステップ505〜ステップ520の処理を繰り返し実行する。
【0099】
そして、現時点が図7に示した時刻t9になると、記憶装置に記憶されている特定結果情報が図8に示した状態となる。
この時点においては、親局装置11は、ステップ520にて「Yes」と判定してステップ525へ進む。
【0100】
そして、親局装置11は、記憶装置に記憶されている送信許可期間情報及び特定結果情報に基づいて、上記第1の条件及び第2の条件の両方が成立しているか否かを判定する。
【0101】
上記仮定に従えば、この時点では、複数の子局装置21〜23の1つとしての子局装置22がデータを送信するように設定された送信許可期間(第2の送信許可期間)にて、その子局装置22がONU特定部45により送信元子局装置として特定されている。即ち、第1の条件が成立している。
【0102】
更に、上記特定された子局装置22以外の子局装置21,23がデータを送信するように設定された送信許可期間(第1の送信許可期間及び第3の送信許可期間)にて、ONU特定部45により送信元子局装置を特定不能である。即ち、第2の条件が成立している。
このように、上記第1の条件及び第2の条件の両方が成立している。
【0103】
従って、親局装置11は、ステップ525にて「Yes」と判定してステップ530へ進み、作動停止指示を送信元子局装置として特定された子局装置22へ送信する。
これにより、子局装置22は、作動停止指示を受信する。そして、子局装置22は、作動を停止する(即ち、データの送信を停止する)。
【0104】
従って、その後、子局装置21及び子局装置23が、親局装置11へデータの送信を要求する送信要求を送信した場合、親局装置11は、子局装置21及び子局装置23により送信されたデータを正常に受信することができる。
【0105】
即ち、異常状態にある子局装置22がデータ(即ち、光信号)を送信し続けることにより、他の子局装置21,23と親局装置11との間に通信リンクを確立できない状態が継続することを回避することができる。
【0106】
以上、説明したように、本発明による光通信システムの第1実施形態によれば、ある子局装置が異常状態となることにより、その子局装置(異常子局装置)が、データを送信するように設定された送信許可期間以外の期間(送信禁止期間)において、任意の光信号を送信する場合であっても、上記光通信システム1は、その子局装置が異常状態にあることを検出することができる。
【0107】
また、上記光通信システム1によれば、ある子局装置が異常状態となってから、その子局装置以外の子局装置と親局装置との間の通信リンクが解除される前であっても、異常状態にある子局装置を検出することができる。即ち、異常状態にある子局装置を迅速に検出することができる。
【0108】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る光通信システムについて説明する。第2実施形態に係る光通信システムは、上記第1実施形態に係る光通信システムに対して、親局装置11が受信したデータのうちの、誤りが検出されたフレームの数に基づいて送信元子局装置を特定可能か否かを決定する点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0109】
この第2実施形態に係る各子局装置21〜23は、その子局装置21〜23に対して設定された送信許可期間にて、複数のフレームからなるデータを親局装置11へ送信する。各フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部(FCS;Frame Check Sequence)と、ONU識別子と、を含む。本例では、冗長部は、データ部を予め定められたアルゴリズムに従って処理することにより取得されるデータからなる。
【0110】
また、親局装置11は、図9にフローチャートにより示した送信元子局装置特定処理を、各送信許可期間が開始する毎に、実行するようになっている。なお、この送信元子局装置特定処理は、子局装置特定工程に対応している。
【0111】
具体的に述べると、親局装置11は、カウンタ値を初期化(「0」に設定)する(ステップ905)。次いで、親局装置11は、子局装置21〜23からフレームを受信するまで待機する(ステップ910)。
【0112】
そして、親局装置11がフレームを受信すると、親局装置11は、「Yes」と判定してステップ915に進み、受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出する。
【0113】
そして、親局装置11は、データ部の誤りが検出されたか否かを判定する。データ部の誤りが検出された場合、親局装置11は、ステップ915にて「Yes」と判定してステップ920に進み、カウンタ値に1を加算する。即ち、カウンタ値は、誤りが検出されたフレームの数を表す値である。
【0114】
一方、データ部の誤りが検出されなかった場合、親局装置11は、ステップ915にて「No」と判定してステップ925に進み、受信したフレームに含まれるONU識別子を取得する。
【0115】
次いで、親局装置11は、この送信元子局装置特定処理を開始した際に開始した送信許可期間が終了したか否かを判定する。送信許可期間が終了していない場合、親局装置11は、ステップ910へ戻り、ステップ910〜ステップ930の処理を繰り返し実行する。
【0116】
そして、送信許可期間が終了すると、親局装置11は、ステップ930にて「Yes」と判定してステップ935へ進み、カウンタ値が予め設定されたカウンタ閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0117】
カウンタ値がカウンタ閾値よりも小さい場合、親局装置11は、ステップ935にて「Yes」と判定してステップ940へ進み、上記ステップ925にて取得されたONU識別子により特定される子局装置を送信元子局装置として特定する(即ち、送信元子局装置を特定する)。即ち、親局装置11は、データ部の誤りが検出されたフレームの数(即ち、カウンタ値)が所定の閾値数(本例では、カウンタ閾値)よりも少ない場合に、データ部の誤りが検出されなかったフレームに含まれるONU識別子により特定される子局装置を送信元子局装置として特定している、と言うことができる。
【0118】
そして、親局装置11は、送信許可期間を特定するための情報と、送信元子局装置として特定された子局装置を特定するためのONU識別子と、を対応付けた特定結果情報を記憶装置に記憶させる。
【0119】
一方、カウンタ値がカウンタ閾値以上である場合、親局装置11は、ステップ935にて「No」と判定してステップ945へ進み、送信元子局装置を特定不能とする。即ち、親局装置11は、データ部の誤りが検出されたフレームの数(即ち、カウンタ値)が所定の閾値数(本例では、カウンタ閾値)よりも多い場合に、送信元子局装置を特定不能としている、と言うことができる。
【0120】
そして、親局装置11は、送信許可期間を特定するための情報と、送信元子局装置を特定不能である旨を表す情報と、を対応付けた特定結果情報を記憶装置に記憶させる。
そして、親局装置11は、この送信元子局装置特定処理を終了する。
【0121】
更に、親局装置11は、図5のステップ520〜ステップ530と同様の処理を、上記送信元子局装置特定処理が終了する毎に実行するようになっている。
具体的には、親局装置11は、すべての送信許可期間(第1の送信許可期間、第2の送信許可期間及び第3の送信許可期間)において上記送信元子局装置特定処理を実行したか否かを判定する。
【0122】
そして、すべての送信許可期間において上記送信元子局装置特定処理を実行した場合、親局装置11は、記憶装置に記憶されている送信許可期間情報及び特定結果情報に基づいて、上記第1の条件及び第2の条件の両方が成立している(即ち、1つの子局装置に対する送信許可期間のみにて送信元子局装置が特定された)か否かを判定する。
【0123】
そして、上記第1の条件及び第2の条件の両方が成立している場合、親局装置11は、作動停止指示を送信元子局装置として特定された子局装置へ送信する。これにより、異常状態にある子局装置は、作動を停止する。
【0124】
以上、説明したように、本発明による光通信システムの第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0125】
更に、上記第2実施形態によれば、親局装置11が受信した複数のフレームの一部においてデータ部の誤りが検出されず、残余のフレームにおいてデータ部の誤りが検出される場合であっても、異常状態にある子局装置を適切に検出することができる。
【0126】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、図10に示したように、上記各実施形態の変形例に係る光通信システム100は、親局装置110と、親局装置110に接続された光ファイバを経由して親局装置110へデータを送信する複数の子局装置120と、を含む。
【0127】
複数の子局装置120は、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含むデータを送信するように構成される。
【0128】
光通信システム100は、子局装置特定部(子局装置特定手段)130と、異常状態検出部(異常状態検出手段)140と、を備える。
子局装置特定部130は、親局装置110が受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置120を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する。
【0129】
異常状態検出部140は、複数の子局装置120の1つである第1の子局装置がデータを送信するように設定された第1の送信許可期間にて子局装置特定部130が送信元子局装置を特定不能であり、且つ、複数の子局装置120の他の1つである第2の子局装置がデータを送信するように設定された第2の送信許可期間にて子局装置特定部130が送信元子局装置として第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する。
この変形例によっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0130】
なお、上記各実施形態において親局装置11の各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、親局装置11は、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。
【0131】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、親局装置と、親局装置に接続された光ファイバを経由して親局装置へデータを送信する複数の子局装置と、を含む光通信システム(例えば、PONシステム)等に適用可能である。
【符号の説明】
【0133】
1 光通信システム
11 親局装置
12 光スプリッタ
21〜23 子局装置
31〜33 端末装置
41 送信許可期間情報記憶部
42 光信号受信部
43 データ監視部
44 作動停止指示送信部
45 ONU特定部
46 異常状態検出部
51 電気信号生成部
52 光信号送信部
53 光信号送信禁止部
100 光通信システム
110 親局装置
120 子局装置
130 子局装置特定部
140 異常状態検出部
C0〜C3 光ファイバ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
親局装置と、当該親局装置に接続された光ファイバを経由して当該親局装置へデータを送信する複数の子局装置と、を含むとともに、
前記複数の子局装置は、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む前記データを送信するように構成され、
前記親局装置が受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定手段と、
前記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が前記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて前記子局装置特定手段が前記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、前記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が前記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて前記子局装置特定手段が前記送信元子局装置として前記第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出手段と、
を備える光通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の光通信システムであって、
前記子局装置特定手段は、前記親局装置が受信したデータに、いずれの子局装置識別子も含まれていない場合、前記送信元子局装置を特定不能とするように構成された光通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光通信システムであって、
前記データは、複数のフレームからなり、
前記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、前記子局装置識別子と、を含み、
前記子局装置特定手段は、前記送信許可期間のそれぞれにおいて、前記親局装置が受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも少ない場合に、当該データ部の誤りが検出されなかったフレームに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を前記送信元子局装置として特定するように構成された光通信システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光通信システムであって、
前記データは、複数のフレームからなり、
前記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、前記子局装置識別子と、を含み、
前記子局装置特定手段は、前記送信許可期間のそれぞれにおいて、前記親局装置が受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも多い場合に、前記送信元子局装置を特定不能とするように構成された光通信システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光通信システムであって、
前記送信許可期間を表す送信許可期間情報を記憶する送信許可期間情報記憶手段を備えるとともに、
前記異常状態検出手段は、前記記憶されている送信許可期間情報に基づいて前記子局装置が異常状態にあることを検出するように構成された光通信システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光通信システムであって、
前記子局装置は、
前記データを表す電気信号を生成する電気信号生成手段と、
前記電気信号生成手段により生成された電気信号を光信号に変換し、当該変換後の光信号を前記親局装置へ送信する光信号送信手段と、
当該子局装置が前記データを送信するように設定された送信許可期間以外の期間における、前記光信号送信手段による前記光信号の送信を禁止する光信号送信禁止手段と、
を備える光通信システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光通信システムであって、
前記異常状態検出手段により前記子局装置が異常状態にあることが検出された場合、当該子局装置による前記データの送信を停止させる送信停止手段を備える光通信システム。
【請求項8】
複数の子局装置が接続された光ファイバに接続されるとともに、当該複数の子局装置のそれぞれから当該光ファイバを経由してデータを受信する親局装置であって、
前記複数の子局装置が、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む前記データを送信するように構成されている場合において、当該複数の子局装置から受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定手段と、
前記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が前記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて前記子局装置特定手段が前記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、前記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が前記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて前記子局装置特定手段が前記送信元子局装置として前記第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出手段と、
を備える親局装置。
【請求項9】
請求項8に記載の親局装置であって、
前記子局装置特定手段は、前記受信したデータに、いずれの子局装置識別子も含まれていない場合、前記送信元子局装置を特定不能とするように構成された親局装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の親局装置であって、
前記データは、複数のフレームからなり、
前記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、前記子局装置識別子と、を含み、
前記子局装置特定手段は、前記送信許可期間のそれぞれにおいて、受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも少ない場合に、当該データ部の誤りが検出されなかったフレームに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を前記送信元子局装置として特定するように構成された親局装置。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の親局装置であって、
前記データは、複数のフレームからなり、
前記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、前記子局装置識別子と、を含み、
前記子局装置特定手段は、前記送信許可期間のそれぞれにおいて、受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも多い場合に、前記送信元子局装置を特定不能とするように構成された親局装置。
【請求項12】
複数の子局装置が接続された光ファイバに接続されるとともに、当該複数の子局装置のそれぞれから当該光ファイバを経由してデータを受信する親局装置に、
前記複数の子局装置が、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む前記データを送信するように構成されている場合において、当該複数の子局装置から受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定手段と、
前記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が前記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて前記子局装置特定手段が前記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、前記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が前記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて前記子局装置特定手段が前記送信元子局装置として前記第2の子局装置を特定した場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出手段と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムであって、
前記子局装置特定手段は、前記受信したデータに、いずれの子局装置識別子も含まれていない場合、前記送信元子局装置を特定不能とするように構成されたプログラム。
【請求項14】
請求項12又は請求項13に記載のプログラムであって、
前記データは、複数のフレームからなり、
前記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、前記子局装置識別子と、を含み、
前記子局装置特定手段は、前記送信許可期間のそれぞれにおいて、受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも少ない場合に、当該データ部の誤りが検出されなかったフレームに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を前記送信元子局装置として特定するように構成されたプログラム。
【請求項15】
請求項12乃至請求項14のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記データは、複数のフレームからなり、
前記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、前記子局装置識別子と、を含み、
前記子局装置特定手段は、前記送信許可期間のそれぞれにおいて、受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも多い場合に、前記送信元子局装置を特定不能とするように構成されたプログラム。
【請求項16】
親局装置と、当該親局装置に接続された光ファイバを経由して当該親局装置へデータを送信する複数の子局装置と、を含む光通信システムに適用される光通信方法であって、
前記複数の子局装置が、互いに異なる送信許可期間にて、自装置を特定するための子局装置識別子を含む前記データを送信するように構成されている場合において、前記親局装置が受信したデータに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を当該データの送信元の子局装置である送信元子局装置として特定する子局装置特定工程と、
前記複数の子局装置の1つである第1の子局装置が前記データを送信するように設定された第1の送信許可期間にて前記子局装置特定工程により前記送信元子局装置を特定不能であり、且つ、前記複数の子局装置の他の1つである第2の子局装置が前記データを送信するように設定された第2の送信許可期間にて前記子局装置特定工程により前記送信元子局装置として前記第2の子局装置が特定された場合、当該第2の子局装置が異常状態にあることを検出する異常状態検出工程と、
を含む光通信方法。
【請求項17】
請求項16に記載の光通信方法であって、
前記子局装置特定工程は、前記親局装置が受信したデータに、いずれの子局装置識別子も含まれていない場合、前記送信元子局装置を特定不能とするように構成された光通信方法。
【請求項18】
請求項16又は請求項17に記載の光通信方法であって、
前記データは、複数のフレームからなり、
前記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、前記子局装置識別子と、を含み、
前記子局装置特定工程は、前記送信許可期間のそれぞれにおいて、前記親局装置が受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも少ない場合に、当該データ部の誤りが検出されなかったフレームに含まれる子局装置識別子により特定される子局装置を前記送信元子局装置として特定するように構成された光通信方法。
【請求項19】
請求項16乃至請求項18のいずれか一項に記載の光通信方法であって、
前記データは、複数のフレームからなり、
前記フレームは、データ部と、当該データ部の誤りを検出するための情報を含む冗長部と、前記子局装置識別子と、を含み、
前記子局装置特定工程は、前記送信許可期間のそれぞれにおいて、前記親局装置が受信したフレームに含まれるデータ部及び冗長部に基づいて当該データ部の誤りを検出し、当該誤りが検出されたフレームの数が所定の閾値数よりも多い場合に、前記送信元子局装置を特定不能とするように構成された光通信方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−193023(P2010−193023A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33439(P2009−33439)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】