説明

光電スキャナ

【課題】空間領域の走査において従来より大きな角度領域を捕らえられるスキャナの提供。
【解決手段】光線16を出射するための発光器12、第1の部分期間には前方の監視領域26を、また第2の部分期間にはスキャナ10の後方領域を交互に塗りつぶすように第1の偏向方向に光線を周期的に偏向させるための第1の偏向ユニット18、20、監視領域から拡散反射又は直反射された光線32から受光信号を発生させるための受光器38、及び受光信号に基づいて監視領域内の物体30を認識するように構成された評価ユニット40を備える光電スキャナを提供する。このスキャナには、光線を第2の偏向ユニット44へ向けて方向転換させるために後方領域に方向転換ユニット42が設けられ第2の偏向ユニットが光線を第1の偏向方向に対して横方向に延伸する第2の偏向方向に周期的に偏向させるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1又は12のプレアンブルに記載の光電スキャナ及び監視領域の監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナは監視や測定を目的とする様々な仕事で利用されている。そのために、ある領域を走査光により走査し、拡散反射光や直反射光を評価する。対象物の距離、輪郭又は形状に関する情報を得るために、多くの場合、対象物の存在だけでなく、同時にその距離も測定される。このような距離測定用レーザスキャナは光通過時間原理に基づいて作動する。これは、光がスキャナから監視対象空間へ向けて進んで折り返してくるまでの所要時間を測定し、光の速度に基づいて距離情報を計算する、というものである。
【0003】
光路長を測定する方法は2つ知られている。パルスに基づく方法は、ある特徴的なパターン(例えばわずか数ナノ秒の持続時間しかない幅の狭いパルス)を走査光に刻印し、そのパターンを基にして受光時点を決定する。位相に基づく方法では、発光器が走査光を正弦波状に変調し、基準光と受光された走査光との間の位相が求められる。
【0004】
公知のレーザスキャナは、監視平面又は監視平面の一部を周期的に走査するために、回転ミラーや多角形ホイールを備えている。しかし、多くの用途では、単なる平面ではなく3次元空間領域の走査が必要となる。ある従来の解決策は、レーザスキャナ全体を、内部のスキャン動作に対して横方向に延伸する軸を中心に回転させることにより、走査の次元を増やすというものである。しかし、この動作はかなり鈍重であり、スキャナに機械的な負荷をかけてしまう。
装置全体を動かす代わりに、内部におけるスキャナの回転方向に対して横方向に揺動する揺動ミラーを使用し、その揺動と回転ミラーの本来のスキャン動作の合成により3次元的な走査が行われるようにすることも可能である。これにより、少なくとも静止している物体の平面的な把握が可能となる。しかし、揺動ミラーには、構造上、開口角がどうしても小さくなるという短所がある。そのようなスキャナの視野はそれだけ狭くなるわけであり、もっと広い角度が必要な場合には別のスキャナを用意しなければならなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、空間領域の走査において従来より大きな角度領域を捕らえることができるようにスキャナを改良することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は請求項1に記載の光電スキャナ及び請求項12に記載の監視領域の監視方法により解決される。その解決策は、各走査期間の一部において本来の検出目的に利用されずに戻ってくるような走査光を有するスキャナから始まる。本発明では、このように十分に利用されずにケーシング内部へ戻ってくる走査光を監視領域へ向けて偏向させ、認識のために利用する。その際、第2の偏向ユニットが平面的な走査を行う。こうして、第1の部分期間においては従来のスキャナと同様に監視平面を走査し、さらに第2の部分期間においては3次元空間領域を監視する複合装置が得られる。前記空間領域は少なくとも一部の断片領域において前記監視平面と重なっている。
【0007】
以上のように本発明は3次元的な情報を得ることもできるため、平面的な監視領域しか持たない従来のスキャナよりも有利である。さらに、従来の3次元スキャナに比べて得られる情報がはるかに多い。これは、従来の3次元スキャナでは揺動ミラーにより視野範囲が限られているのに対し、本発明では監視平面が最大270度までの大きな角度範囲にわたるからである。2つの別個の装置を使用する場合に比べて、製造、組み立て及び運転にかかるコストが明らかに削減される上、構造も非常にコンパクトにできる。個々の従来の装置に比べて得られる情報が多いため、本発明では、3次元領域(ほとんどの場合、より小さい領域)だけでなく、大きな開口角にわたる平面の走査をも行うことにより、多くの用途に十分対応できる。
【0008】
第1の偏向ユニットは、第1の部分期間においてと同様に第2の部分期間においても直反射光線又は拡散反射光線を受光器へ向けて方向転換させるように構成することが好ましい。つまり、監視領域から戻ってくる光線が、第1の部分期間においてと同様に第2の部分期間においても同一の光路で受光され、同一の電子機器で評価されるようにするのである。これにより、本発明による組み合わせが極めて低いコストで達成される。
【0009】
本スキャナを距離測定用レーザスキャナとして構成し、前記評価ユニットを位相又はパルスに基づいて測定された光通過時間に基づいて距離を測定するように構成することが好ましい。レーザ光は集束された走査光線として特に良好に利用できる。光通過時間原理で求められた距離データがあれば、形状及び輪郭の描画が可能である。また、例えば安全技術の分野では、走査角及び測定距離によって与えられる極座標において実際上任意の形状の防護領域を定義することが可能である。その場合、パルスに基づく方法では、例えばピーク、側部又は変曲点といった独特な推移を示す部分を持ち、それにより時間を正確に確定できるような、あらゆる信号形状が含まれる。
【0010】
第2の偏向方向の周期的な偏向動作は、第1の偏向方向よりも低い周波数で行われることが好ましい。しかも、この周波数の差は大きくすることが一層好ましく、例えば第1の偏向方向における走査周波数を他方の何倍もの値にする。第2の偏向ユニットはそれに合わせて同様にゆっくりと作動し、第1の偏向ユニットの高速な掃引の間に1行ずつ走査する。その際、第2の偏向ユニットの半周期にわたる複数の行により平面的な走査パターンが構成される。原理的には、周波数の関係を逆にして、第1の偏向方向における偏向動作により走査光が1回だけ通過する間に、第2の偏向ユニットにより垂直な走査線を作り出すことも可能である。ただし、第1の偏向ユニットによる走査光線の掃引を一般的な高速で行う場合、第2の偏向ユニットに前述のような高速な動作をさせることはほとんど不可能である。
【0011】
第1の偏向ユニットは回転ミラーとして構成することが好ましい。多角形ホイールは、単式ミラー装置に比べると本発明にはあまり適していない。なぜなら、それを使うと、光が戻ってくる第2の部分期間がはっきりと定まらなくなる上、その監視平面における開口角が明らかに限られてしまうからである。これに対して回転ミラーは、少なくとも原理的には360度の開口角を持っており、その開口角が第1及び第2の部分期間に区分けされ、第1の部分期間だけが監視平面の開口角として直接利用される。
【0012】
第1の偏向ユニットは、出射光線のための内側偏向領域と受光光線のための外側偏向領域を備えることが好ましい。ほとんどの場合、スキャナは自動照準原理に従って構成されるが、この場合、外側の光路が出射・受光光路と同一になる。従って、受光光路が受光器に達するように内部で切り離しが行われる。異なる部分領域を持つ偏向ユニットの代わりに半透明の分離ミラーを用いることも原理的には考えられるが、その場合、エネルギー損失と迷光が生じる。
【0013】
第2の偏向ユニットは揺動ミラーとして構成することが好ましい。このようにすると、簡単な方法で走査光を平面的な走査のために偏向させることができる。
【0014】
第1の部分期間を少なくとも第1の偏向ユニットの周期の半分とすることにより、前方の監視領域において第1の部分期間の間に少なくとも180度の視野範囲にわたって監視平面を監視できるようにすることが好ましい。監視平面に向けて、270度にも達するような広い開口角を達成することもできる。ただし、開口角はケーシングの構造形式による制限を受ける。また、前方の監視領域の開口角を広げれば、それに応じて残りの第2の部分期間が短くなり、それだけ3次元監視空間領域が小さくなる。
【0015】
第2の偏向ユニットは、20度から80度までの角度範囲、特に約60度の角度範囲で周期的な偏向動作を行うように構成することが好ましい。揺動ミラーを用いる場合、これは光学的な揺動範囲である。角度範囲が大きいほど3次元監視空間領域の第2の偏向方向への広がりが大きくなるが、その場合、電子機器の動作速度が同じであれば解像度が犠牲になる。
【0016】
方向転換ユニット及び第2の偏向ユニットは、第2の部分期間のうち少なくとも20度から160度までの下位期間、特に50度から100度までの下位期間又は約60度の期間に光線が方向転換ユニット及び第2の偏向ユニットを介して監視領域へ向けて偏向されるように構成することが好ましい。第2の部分期間の長さは、第1の部分期間により、従って監視平面の所望の開口角により制限される。方向転換ユニット及び第2の偏向ユニットの構成により、第2の部分期間内に所望の部分範囲を3次元走査の下位期間として設けることができる。
【0017】
後方の領域に、スキャナの機能を検査するための参照用目標物を、第2の部分期間内であって前記下位期間外の期間に光線がそこに当たるように、配置することが好ましい。このようにすると、第2の部分期間の一部が測定のためではなく機能検査のために用いられる。この検査は下位期間外の期間に実行されるので、3次元走査を妨げることはない。従って、参照用目標物は第1の部分期間と第2の部分期間の間の移行期間内に配置することが好ましい。
【0018】
本発明に係る方法は同様のやり方で発展させることが可能であり、それにより同様の利点を示す。このような有利な特徴は、例えば本願の独立請求項に続く従属請求項に記載されているが、それらに限定されるものではない。
【0019】
以下では、本発明の模範的形態について、更なる特徴及び利点をも考慮しつつ、実施形態に基づき、添付の図面を参照ながら詳しく説明する。図面の内容は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るスキャナの一実施形態の概略断面図であって、光線が前方の監視平面を走査する、第1の部分期間における走査プロセスを示す図。
【図2】図1に対応する断面図であって、光線が後方へ方向転換された後、3次元監視空間領域を走査する、第2の部分期間における走査プロセスを示す図。
【図3】本発明に係るスキャナの概略断面図であって、前方の監視平面及び3次元監視空間領域を説明するための図。
【図4】スキャナの平面図であって、図3に示した前方の監視平面及び3次元監視空間領域を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明に係るスキャナ10の一実施形態を概略断面図にて示している。半導体光源12(例えば赤外線、可視光線又は紫外線領域のレーザ)は光束を出射する。出射光学系14は出射光から走査光線又は出射光線16を生成し、この光線は回転ミラー20の内側部分領域18に入射する。回転ミラー20は軸22を中心に回転し、それにより出射光線16を360度の回転角度範囲にわたって周期的に偏向させる。このミラーの回転位置が図1に示すように回転の第1の部分期間内にある場合、出射光線16はスキャナ10の第1の前面ガラス24を通過して監視対象又は測定対象の空間領域26へ向かうように偏向させられる。図2は回転の第2の部分期間内の回転位置を示しており、この位置では、回転ミラー20は出射光線16をスキャナ10の内部に向けて後方へと偏向させる。
【0022】
出射光線16は、図1に示された第1の部分期間の間、監視平面28を塗りつぶすように進む。物体30に当たると、出射光線16は直反射又は拡散反射され、受光光線32としてスキャナ10まで戻ってくる。受光光線32はそこで再び回転ミラー20に当たり、その大部分が回転ミラー20の外側部分領域34から受光光学系36を介して受光器38へと投射される。受光器38は、例えばフォトダイオード、若しくはCCD又はCMOSチップで使われるような直線状又はマトリックス状の受光素子で構成されている。受光光線のごく一部は回転ミラーの内側部分領域18に当たり、検出されずに失われる。2つの部分領域18、34を備える回転ミラー20とは異なる構成も知られている。例えば、出射路と受光路の切り離しを分離ウェブで行うもの、複数の方向転換ミラーで行うもの、あるいは半透明ミラーにより行うものがある。
【0023】
評価ユニット40は、受光器の中で電気信号に変換された受光信号を受け取り、回転ミラー20の回転位置及び光線の通過時間から物体30の有無、輪郭及び/又は座標を決定する。さらに評価ユニット40は発光器12の制御も行う。このようにして、第1の部分期間においては監視平面28の測定もしくは監視が行われる。
【0024】
図2は第2の部分期間におけるスキャナ10を示している。同じ符号はそれぞれ同一又は対応する特徴を示している。この図に描かれている第2の部分期間においては、回転ミラー20が180度回転しているが、この角度は第2の部分期間内にある1つの代表的な点に過ぎない。従って、出射光16は後方へと偏向させられてスキャナ10の内部に入る。内部に入った出射光16は、まず方向転換ミラー42により上方へと偏向させられ、揺動ミラー44に当たる。揺動ミラー44は、破線で描かれた外側の揺動位置の間で周期的に揺動する。なお、図2に描いた光線の進路は、揺動ミラー44が実線で描かれた中心位置にあるときの進路である。出射光16は、図1を参照して説明した第1の部分期間の場合と同様に、第2の前面ガラス46を通過した後、物体30により拡散反射又は直反射され、受光路に入ってから再び揺動ミラー44及び方向転換ミラー42を介して、全く同じように受光器38に投射され、評価ユニット40において評価される。
【0025】
揺動ミラー44の揺動動作(これも同様に評価ユニット40により制御されている)により、第2の部分期間の間に3次元空間領域48を走査することができる。回転ミラー20の動きに重ねられながら、揺動ミラー44は比較的ゆっくりと揺動し、それにより、該回転ミラー20により予め定められた方向に伸びる線を、回転ミラー20の各回転動作のたびに1本ずつ端から端まで走査する。この動作が複数の第2の部分期間において回転ミラー20の複数の角度位置にわたって実行されることにより、平面的な走査が実現する。評価ユニットはこの走査に対して、回転ミラー20の角度位置、揺動ミラー44の角度位置、及び光通過時間から測定された距離から成る3次元極座標を割り当てることができる。
【0026】
スキャナ10のケーシング50を2枚の前面ガラス24及び46を備える構造形式としたのは単なる例に過ぎないと理解すべきである。この構造形式は両方の走査方向における視野角を限定するものであるから、適切に選択すべきである。例えば、前面ガラス24及び46の傾斜配置を変化させる、又は傾斜をなくす、若しくは共通の前面ガラスを用いる等の形態が含まれる。さらに言えば、より大きな開口角が得られるように、前面ガラス24及び46をケーシングの周囲に巡らせることも可能である。
【0027】
図3は監視平面28と3次元監視空間領域48の組み合わせを断面図にて示しており、図4はそれに付属する平面図を示している。3次元監視空間領域48は少なくとも一部の領域で監視平面28と重なっている。必要であれば、揺動ミラー44の基本位置を変えることにより両者が重ならないようにすることも可能である。
【0028】
監視平面28は、最大180度以上という大きな角度範囲を包含する。3次元監視空間領域48は2種類の角度により定まる。一方の角度は、第2の部分期間のうち、出射光線が方向転換ミラー42及び揺動ミラー44に当たる一部の期間に対応する。これにより、監視平面28の面内において最大60度以上の開口角を達成することができる。この角度は、方向転換ミラー42及び揺動ミラー44の構造形式及び配置を適切に選ぶ(例えば回転ミラー20を取り囲むような輪郭にする)ことにより、第1の部分期間の補集合にほぼ等しい角度まで拡大可能である。もう一方の角度は、揺動ミラー44の揺動範囲により予め決まっており、その光学的な揺動範囲も同様に最大60度以上とすることができる。
【0029】
こうして、例えば、開口角が180度の監視領域28と60度×60度の3次元監視空間領域48を組み合わせて成る監視領域が形成される。後方空間の防護や衝突防止など、多くの用途では、スキャナ10の後方への戻り光は利用されないか、あるいは参照用目標物を用いたスキャナの機能検査のために利用されるだけであり、しかもこの機能検査でも第2の部分期間を完全に満たすにはほど遠い。本発明によれば、このように従来はあまり利用されていなかった戻り光を有効に活用し、一般の平面スキャナを3次元揺動ミラー型スキャナと組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線(16)を出射するための発光器(12)、
第1の部分期間には前方の監視領域(26)を、また第2の部分期間にはスキャナ(10)の後方領域を、交互に塗りつぶすように第1の偏向方向に前記光線(16)を周期的に偏向させるための第1の偏向ユニット(18、20)、
前記監視領域から拡散反射又は直反射された前記光線(32)から受光信号を発生させるための受光器(38)、及び
前記受光信号に基づいて前記監視領域内の物体(30)を認識するように構成された評価ユニット(40)
を備える光電スキャナ(10)において、
前記光線を第2の偏向ユニット(44)へ向けて方向転換させるために、前記後方領域に方向転換ユニット(42)が設けられ、前記第2の偏向ユニット(44)が前記光線(16、32)を前記第1の偏向方向に対して横方向に延伸する第2の偏向方向に周期的に偏向させるように構成されていることを特徴とする光電スキャナ。
【請求項2】
第1の偏向ユニット(20)が、前記第1の部分期間においてと同様に前記第2の部分期間においても前記直反射又は拡散反射された光線(32)を前記受光器(38)へ向けて方向転換させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスキャナ(10)。
【請求項3】
距離測定用レーザスキャナとして構成され、前記評価ユニット(40)が位相又はパルスに基づいて決定された光通過時間に基づいて距離を求めるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスキャナ(10)。
【請求項4】
第2の偏向方向(44)の周期的な偏向動作が第1の偏向方向(20)よりも低い周波数で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスキャナ(10)。
【請求項5】
前記第1の偏向ユニット(20)が回転ミラーとして構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスキャナ(10)。
【請求項6】
前記第1の偏向ユニットが、出射光線(16)のための内側偏向領域(18)と受光光線(32)のための外側偏向領域(34)を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスキャナ(10)。
【請求項7】
前記第2の偏向ユニット(44)が揺動ミラーとして構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスキャナ(10)。
【請求項8】
前記第1の部分期間を少なくとも第1の偏向ユニット(20)の周期の半分とすることにより、前方の監視領域(26)において第1の部分期間の間に少なくとも180度の視野範囲にわたって監視平面(28)を監視できるようにしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のスキャナ(10)。
【請求項9】
前記第2の偏向ユニット(44)が、20度から80度までの角度範囲、特に約60度の角度範囲で周期的な偏向動作を行うように構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のスキャナ(10)。
【請求項10】
前記第2の部分期間のうち少なくとも20度から160度までの下位期間、特に50度から100度までの下位期間又は約60度の期間に光線が前記方向転換ユニット(42)及び第2の偏向ユニット(44)を介して監視領域へ向けて偏向されるように、該方向転換ユニット(42)及び第2の偏向ユニット(44)が構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のスキャナ(10)。
【請求項11】
前記後方の領域に、スキャナ(10)の機能を検査するための参照用目標物が、第2の部分期間内であって前記下位期間外の期間に光線(16)がそこに当たるように、配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のスキャナ(10)。
【請求項12】
光線(16)を出射し、第1の部分期間には前方の監視領域(26)を、また第2の部分期間にはスキャナ(10)の後方領域を、交互に塗りつぶすように第1の偏向方向に前記光線(16)を周期的に偏向させ、その際に前記監視領域から拡散反射又は直反射された前記光線(32)から受光信号を発生させ、該受光信号に基づいて前記監視領域内の物体(30)を認識する、監視領域(26)の監視方法において、
前記後方の領域において方向転換ユニット(42)により前記光線を第2の偏向ユニット(44)へ向けて方向転換させ、該第2の偏向ユニット(44)により前記光線を前記第1の偏向方向に対して横方向に延伸する第2の偏向方向に周期的に偏向させること
を特徴とする監視領域の監視方法。
【請求項13】
位相又はパルスに基づいて測定された光通過時間に基づいて前記物体(30)までの距離を求めることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第2の偏向方向(44)の周期的な偏向動作を第1の偏向方向(20)よりも低い周波数で行うことを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の部分期間を少なくとも第1の偏向ユニット(20)の周期の半分とすることにより、前方の監視領域(26)において第1の部分期間の間に少なくとも180度の視野範囲にわたって監視平面(28)を監視できるようにしたこと、及び/又は、前記第2の偏向ユニット(44)により前記光線を20度から80度までの角度範囲、特に約60度の角度範囲で周期的に偏向させること、を特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−59111(P2011−59111A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195670(P2010−195670)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(591005615)ジック アーゲー (34)
【Fターム(参考)】