説明

光電変換モジュール

【課題】光電変換モジュールの上ケース部と下ケース部とを組み合わせる際、両者間に設ける封止材の取扱いを容易にして、組み立て工数を削減する。
【解決手段】上ケース部10の側板12には、底板21側から天板11側へ凹み、導電性ガスケット30の幅広面33が側板12とほぼ平行な状態で、この導電性ガスケット30の一部が入り込めるガスケット溝15が形成されている。下ケース部20の側板22には、ガスケット溝15内の導電性ガスケット30を押す傾斜した押付け面25が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換回路と、第1ケース部及び第2ケース部を有し、該光電変換回路を覆うケースと、該第1ケース部と該第2ケース部との間に挟まれる封止部材と、を備えている光電変換モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光電変換モジュールとしては、例えば、以下の特許文献1に開示されているものがある。
【0003】
この光電変換モジュールは、光電変換回路と、上ケース部及び下ケース部を有し、該光電変換回路を覆うケースと、上ケース部と下ケース部との間に挟まれる導電性ガスケットと、を備えている。
【0004】
近年、光通信での光伝送速度は、2.5Gbit/sから10Gbit/sへ、さらには40Gbit/sへと移行しているため、光通信等で使用される光電変換回路の内部クロック周波数も、数100MHz〜数10GHzと高周波化してきている。このため、光電変換回路で発生した電磁波がケース外部へ漏れ出るのを防ぐために、上ケース部と下ケース部との間に、導電性ガスケットを配置する構造が一般的になってきている。
【0005】
上記特許文献1に記載の技術では、上ケース部の側板の平端面と、下ケースの側板の平端面との間に、平板上の導電性ガスケットを配し、両平端面でこの導電性ガスケットを挟み込んでいる。この技術では、光電変換モジュールを組み立てる際、以下のように組み立てていると考えられる。図14に示すように、上ケース部10bの側板12bの平端面14b上、又は下ケース部20bの側板22bの平端面24b上に、平板状の導電性ガスケット30bを配置する過程で、この導電性ガスケット30bがズレないように仮固定するために、この平端面14b又は24b上に接着テープ等39を施す。その後、この粘着テープ等39上に、導電性ガスケット30bを貼り付けてから、上ケース部10bと下ケース部20bとを組み合わせる。
【0006】
また、従来の他の光電変換モジュールとしては、以下の特許文献2に開示されているものがある。この光電変換モジュールにおける、ファイバー保護部材は高分子材料に各種の電波吸収材料を配合することが述べられている。この技術では、高分子材料の弾力性によって上記光ファイバーの破損が免れることは期待できる。また、ファイバー保護部材が隣接する発光モジュールおよび受光モジュールが発生および受信する電磁界ノイズによる特性への悪影響が抑制されるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−247700号公報
【特許文献2】特開2002−365491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、光電変換モジュールを組み立てる際、前述したように、この導電性ガスケットがズレないように仮固定するために、組み立て工数が嵩むという問題点がある。さらに、光ファイバー貫通部については、上述の特許文献1では、内部部品の形状に合わせて上ケースおよび下ケースの一部を変形させて光ファイバー貫通穴を設ける形になっている。この技術では、光ファイバーが横方向に引っ張られた場合に十分な曲げ半径が確保されずに光ファイバーが光ファイバー貫通穴付近で折れる、あるいは金属性のケースに接触して光ファイバーの外皮が破損する問題がある。
【0009】
また、上記特許文献2に記載の技術では、ケース内部に配置された他の回路部品が発生する放射電磁界の遮蔽が十分でないという問題がある。また、電気コネクタ接続のための下ケース部底面の開口部について、上述の特許文献1では、電気コネクタを通過する高周波信号が発生させる放射電磁界の積極的な遮蔽手段は述べられていない。
【0010】
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされもので、放射電磁界の遮蔽が十分で、かつ組み立て工数を少なくすることができる光電変換モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記問題点を解決するための光電変換モジュールに係る発明は、
光電変換回路と、第1ケース部及び第2ケース部を有し、該光電変換回路を覆うケースと、該第1ケース部と該第2ケース部とで挟み込まれる導電性封止材と、を備えている光電変換モジュールにおいて、
前記第1ケース部は、天板と、該天板の縁に設けられている側板と、を有し、該側板は、該天板の縁側の天板側縁部と、該天板側縁部と反対側の第2ケース側縁部とを有し、該側板には、該第2ケース側縁部から該天板側縁部の方向へ凹み、前記導電性封止材の一部が挿入可能な封止材溝が形成され、
前記第2ケース部は、前記第1ケース部と組み合わせた際に前記天板と対向する底板と、該底板の縁に設けられている側板と、を有し、該側板には、前記第1ケース部の前記封止材溝に挿入された前記導電性封止材を、該封止材溝を形成する面に押し付ける封止材押付け面が形成されている、ことを特徴とする。
【0012】
また、前記第2の問題点を解決するための光電変換モジュールに係る発明は、
光電変換回路と、第1ケース部および第2ケース部を有し、該光電変換回路を覆うケースと該ケースの側面に位置する少なくともひとつの導電性光ファイバー保護部材と、少なくともひとつの光ファイバーとを備えている光電変換モジュールにおいて、
前記第1ケース部は、天板と、該天板の縁に設けられている側板と、を有し、該側板は、該天板の縁側の天板側縁部と、該天板側縁部と反対側の第2ケース側縁部とを有し、該側板のうち少なくともひとつの該側板には、該第2ケース側縁部から該天板側縁部の方向へ凹み、前記導電性光ファイバー保護部材の一部が挿入可能な嵌合溝が形成され、
前記第2ケース部は、前記第1ケースと組み合わせた際に前記天板と対向する底板と、該底板の縁に設けられている側板と、を有し、該側板は、該底板の縁側の底板側縁部と、該底板側縁部と反対側の第1ケース側縁部とを有し、該側板のうち少なくとも一つの該側板には、該第1ケース側縁部から該天板側縁部の方向へ凹み、前記導電性光ファイバー保護部材の一部が挿入可能な嵌合溝が形成されている、ことを特徴とする。
【0013】
さらに、前記第3の問題点を解決するための光電変換モジュールに係る発明は、
光電変換回路と、第1ケース部および第2ケース部を有し、前記光電変換回路の電気信号を外部に伝達するための電気コネクタと、前記電気コネクタとの干渉を避けるために前記第2ケース部底部に開けられたケース開口部とを有する、光電変換モジュールで、前記電気コネクタに対向し勘合するための対向コネクタが実装された対向基板上に対して接触固定して使用するように意図された光電変換モジュールにおいて、
前記ケース開口部の開口端周囲に導電性弾性体を配置し、前記ケース開口部の開口端周囲と、前期対向基板上の前期対向コネクタの外周部分とを加圧密着接触させた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、導電性封止材の一部が挿入可能な封止材溝15を第1ケース部に形成したので、第1ケース部と下ケース部とを連結固定する際に、導電性封止材を仮固定する必要が無くなり、組み立て工数を減らすことができる
また、導電性光ファイバー保護部材が第1ケース部および第2ケース部に密着するので、ファイバー貫通部から漏洩する、ケース内部に配置された他の回路部品が発生する放射電磁界を遮蔽することができる。
【0015】
さらに、電気コネクタ部の第2ケース底部の開口端に設けた導電性弾性体が、第2ケース底部の開口端と対向基板面の対向コネクタ外周部分に密着するので、電気コネクタを通過する高周波信号が発生させる放射電磁界を遮蔽することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る第1の実施形態における光電変換モジュールの上方斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態における光電変換モジュールの組み立て過程での断面図である。
【図4】下カバー部を外した状態での図1におけるIV矢視図である。
【図5】本発明に係る第1の実施形態における導電性ガスケットの要部切欠き斜視図である。
【図6】導電性ガスケットの隙間長さと放射電解強度との関係を示すグラフである。
【図7】図1におけるVII-VII線断面図である。
【図8】本発明に係る第1の実施形態におけるファイバ保護部材を示す図である。
【図9】本発明に係る第1の実施形態における変形例としてのファイバ保護部材を示す図である。
【図10】本発明に係る第1の実施形態における光電変換モジュールの下方斜視図である。
【図11】図10におけるXI-XI線断面図である。
【図12】本発明に係る第1の実施形態における光電変換モジュールと通信交換装置とを組み合わせた状態でのそれぞれの断面図である。
【図13】本発明に係る第2の実施形態における光電変換モジュールの断面図である。
【図14】従来技術の光電変換モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る光電変換モジュールの各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
まず、図1〜図12を用いて、光電変換モジュールの第1の実施形態について説明する。
【0019】
本実施形態の光電変換モジュールは、図1に示すように、導電性の金属で形成されている上ケース部(第1ケース部)10及び下ケース部(第2ケース部)20を有するケース1を備えている。このケース1の外側には、光ファイバー2及びファイバ保護部材3とが設けられている。
【0020】
ケース1内には、図2及び図4に示すように、光電変換回路を含む各種回路部品41と、これら各種回路部品41が搭載されている基板40とが設けられている。また、上ケース部10と下ケース部20との間には、導電性ガスケット(導電性封止材)30が配置されている。なお、図2は、図1におけるII−II線断面図で、図4は、下ケース部20が外されている状態での図1におけるIV矢視図である。
【0021】
導電性ガスケット30は、図5に示すように、断面がほぼ矩形のウレタン31と、その周りを覆う導電性布32とを有している。導電性布32の表面には、導電材であるカーボンがコーティングされている。この導電性ガスケット30は、断面がほぼ矩形のウレタンを芯材としている関係で、この導電性ガスケット30の断面も、ほぼ矩形を成している。この導電性ガスケット30は、矩形断面の一対の長辺をそれぞれ一辺とする一対の幅広面(第1面)33と、矩形断面の一対の短辺をそれぞれ一辺とする一対の幅狭面(第2面)34と、を有する。一対の幅狭面34の相互間隔は、当然、一対の幅広面33の相互間隔よりも大きい。この導電性ガスケット30は、弾性を有するウレタン31を芯材にしているため、ガスケット自身も弾性を有する。しかしながら、ウレタン31の外周を導電性布で覆っている関係で、この導電性ガスケット30を折り曲げて、例えば、90°に屈曲させて使用することは好ましくない。
【0022】
図2及び図3に示すように、上ケース部10は、矩形状の天板11と、天板11の各辺から伸びる4枚の側板12と、を有している。側板12は、天板11側の天板側縁部13と、天板側縁部13と反対側の下ケース側縁部14とを有している。各側板12には、下ケース側縁部14から天板側縁部13の方向へ凹んだガスケット溝15が形成されている。このガスケット溝15は、天板11とほぼ平行な底面16と、側板12の外面側の外側側面17oと、側板12の内面側の内側側面17iとで形成されている。この外側側面17oとこの内側側面17iとの間隔は、導電性ガスケット30の一対の幅広面33の間隔に合わせて、この一対の幅広面33の相互間隔より若干狭く、且つ一対の幅狭面34の相互間隔よりも狭い。従って、導電性ガスケット30は、このガスケット溝15に対して、ガスケット溝15の各側面17o,17iと導電性ガスケット30の一対の幅広面33,33とがそれぞれ対向した状態で、ガスケット溝15に挿入されることになる。
【0023】
ガスケット溝15の外側溝側面17oは、その天板側縁部13から下ケース側縁部14への長さが、内側溝側面17iの対応長さよりも長い。この外側溝側面17oを有する部分は、側板12の垂れ下り部18を形成している。この垂れ下り部18の一部は、上ケース部10と下ケース部20とを組み合わせた際、下ケース部20の後述の側板22の外面と対向する。すなわち、上ケース部10の側板12の垂れ下り部18と、下ケース部20の側板22とは、両ケース部10,20を組み合わせた際に、重なり合う。ガスケット溝15の内側溝側面17iの縁から側板12の内面の縁へ伸びる面は、天板11とほぼ平行で、基板接触面19を成している。
【0024】
下ケース部20は、矩形状の底板21と、底板21の各辺から伸びる4枚の側板22と、を有している。底板21は、上ケース部10と下ケース部20とを組み合わせた際に、上ケース部10の天板11と対向する。側板22は、底板21側の底板側縁部23と、底板側縁部23と反対側の上ケース側縁部24とを有している。各側板22には、側板22の外面から内面に向うに連れて次第に底板側縁部23から上ケース側縁部24へ向う傾斜面25が形成されている。この傾斜面25の縁から側板22の内面の縁へ伸びる面は、底板21とほぼ平行で、基板接触面29を成している。
【0025】
光電変換モジュールを組み立てる際には、図3に示すように、まず、上ケース部10の基板接触面19上に、各種回路部品41が搭載されている基板40を置く。その後、導電性ガスケット30を上ケース部10のガスケット溝15内に挿入する。この際、導電性ガスケット30の幅狭面34側から、この導電性ガスケット30をガスケット溝15内に挿入する。この結果、導電性ガスケット30の幅狭面34は、ガスケット溝15の内側溝側面17i、外側溝側面17o及び溝底面16と接触する。なお、導電性ガスケット30は、前述したように、折り曲げて使用することが好ましくないため、図4に示すように、導電性ガスケット30を上ケース部10のガスケット溝15に挿入した際、上ケース部10の隣り合う側板12,12相互間の角で折れ曲がることがないよう、予め適当な寸法に加工しておく必要がある。このため、上ケース部10の隣り合う側板12,12相互間の角では、2つの導電性ガスケット30,30の相互間に僅かな隙間51が形成される。また、光ファイバー2及びファイバ保護部材3を通す隙間を確保するためにも、導電性ガスケット30を予め適当な寸法に加工しておく必要がある。このため、各ケーブル2,3と導電性ガスケット30との間にも僅かな隙間52が形成される。
【0026】
導電性ガスケット30を上ケース部10のガスケット溝15に挿入すると、上ケース部10の天板11と下ケース部20の底板21とが対向するよう、下ケース部20を上ケース部10の上に重ね、下ケース部20の基板接触面29が上ケース部10上の基板40と接触するまで、下ケース部20を上ケース部10側へ押し付ける。
【0027】
この下ケース部20を上ケース部10側へ押し付ける過程で、下ケース部20の傾斜面25と、上ケース部10のガスケット溝15内に挿入されている導電性ガスケット30の幅狭面34とが接し、この導電性ガスケット30は弾性変形する。この導電性ガスケット30は、下ケース部20の傾斜面、言い換えると押付け面25からの抗力で、その幅狭面34がガスケット溝15の底面16に押し付けられつつ、その幅広面33がガスケット溝15の外側溝側面17oに押し付けられる。
【0028】
下ケース部20の基板接触面29が基板40に接触すると、下ケース部20の図示されていないネジ孔、及び上ケース部10の図示されていないネジ孔に、ネジを通して、両ケース部10,20を連結固定する。
【0029】
以上のように、本実施形態では、導電性ガスケット30の一部が挿入可能なガスケット溝15を上ケース部10に形成したので、上ケース部10と下ケース部20とを連結固定する際に、導電性ガスケット30を仮固定する必要が無くなり、組み立て工数を減らすことができる。
【0030】
また、本実施形態では、各ケース部10,20の側板12,22に対して、導電性ガスケット30の幅広面33がほぼ平行になるよう導電性ガスケット30を配置したので、図8に示すように、側板12b,22bに対して導電性ガスケット30bの幅広面がほぼ垂直になるよう導電性ガスケット30bを配置する従来技術よりも、側板12,22の厚さを薄くでき、光電変換モジュール1の小型化、及び基板40への部品搭載面積の拡大を図ることができる。
【0031】
また、本実施形態では、基板40を基準として上ケース部10側に複数の回路部品41が配置されている。このため、上ケース部10は、下ケース部20よりも放熱効果を高める必要がある。そこで、本実施形態では、上ケース部10の側板12に、下ケース部20の側板22と重なり合う垂れ下り部18を形成し、上ケース部10の表面積を大きくして、上ケース部10の放熱効果を高めている。しかも、上ケース部10の側板12と下ケース部20の側板22とが相互に重なり合っているため、ケース1内で発生した電磁波の漏れをより少なくすることができる。
【0032】
ところで、本実施形態では、図4を用いて前述したように、導電性ガスケット30を屈曲させた状態で使用することが好ましくない等の関係で、上ケース部10のガスケット溝15内に、ガスケット溝15の角部を避けるように、複数の導電性ガスケット30を配置している。このため、2つの導電性ガスケット30,30の相互間や、各ケーブル2,3と導電性ガスケット30との間に僅かな隙間51,52が形成される。
【0033】
ここで、この隙間51,52について考察する。
【0034】
導電性ガスケット30の隙間長さに対する放射電解強度の関係について、各種周波数(2,49GHz、9.95GHz、39.81GHz)の電磁波で実験を行ったので、この結果を図6のグラフに示す。なお、同図に示すグラフの横軸は導電性ガスケットの隙間長さ(mm)、縦軸は放射電解強度(dBμV/m)である。同グラフに示すように、いずれの周波数(2,49GHz、9.95GHz、39.81GHz)の電磁波でも、隙間の長さが長くなるにつれて放射電解強度が増加し、ある隙間長さになると放射電解強度は、増加しなくなる。
【0035】
米国のEMI(Electro Magnetic Interference)規格であるFCC(Federal Communications Commission) Standard Part15 SubpartB ClassB規格(3m測定法)では、1Gbit/sから40Gbit/sまでのAverage測定時の放射電界強度限界値として53.9dBμV/mが示されている。そこで、本実施形態では、この限界値に対して6dBのマージンを持った47.9dBμV/mを、当該装置における放射電界強度の目標上限値とし、各種周波数でも、この目標上限値(47.9dBμV/m)以下に放射電界強度を抑えるため、隙間51,52の長さを2.5mm以下にしている。
【0036】
さらに、図7を用いて、光電変換モジュールの光ファイバー貫通部分ついて説明する。なお、図7は、図1におけるVII-VII断面図である。
【0037】
本実施形態の光電変換モジュールは、導電性の金属で形成されている上ケース部(第1ケース部)10cおよび下ケース部(第2ケース部)20cを有するケース1を備えている。このケース1には、導電性弾性ファイバー保護部材3が接続されており、導電性弾性ファイバー保護部材3の内部を貫通する光ファイバー2が存在する。ケース1内には、光電変換回路を含む各種回路部品41と、これら各種回路部品41が搭載されている基板40とが設けられている。
【0038】
導電性弾性ファイバー保護部材3は、導電性の弾性体で形成されており、図8のように、ファイバー保持部60と、ファイバー保持部60の一方に形成された平面端60aに隣接するはめ込み細径部62と、はめ込み細径部62に隣接しはめ込み細径部62のファイバー保持部60側に対し反対側に位置するはめ込み太径平坦部61と、を有している。はめ込み太径平坦部61のはめ込み細径部62に隣接する平面端61aは、ファイバー保持部60の平面端60aに対しほぼ平行に形成されている。はめ込み太径平坦部61の平面端61aの反対側には平面端61bが形成され、平面端61aの外周端および平面端61bの外周端は、外周端面61cを形成している。はめ込み太径平坦部61は平面端61aと平面端61bと外周端面61cとで形成された凸形外周部61dを備えている。ファイバー保持部60は平坦面61を底面とした、円柱外形をしており、さらに平坦面と反対側の天面側は、中心部が平坦面61に向かって窪んだ、ラッパ状の曲面60fとなっている。導電性弾性ファイバー保護部材3には、ファイバー保持部60の局面60fの中心部60bを起点とし、ファイバー保持部60の平坦面61の中心線を通り、はめ込み細径部62を貫通し、はめ込み太径平坦部61を貫通し、はめ込み太径平坦部61の平面端61bに達する、はめ込み太径平坦部61の平面端61bにほぼ垂直な、ファイバー貫通円坑63を備えている。さらにファイバー貫通円坑63の円筒状の外周上の、円筒面に平行な1直線から導電性弾性ファイバー保護部材3の外周に向かって、切れ込み面が存在し、前記切れ込み面はファイバー貫通円坑63の円筒状の外周に対して、前記の円筒面に平行な1直線上で前記円筒面に接するように形成されている。この前記切れ込み面は、導電性弾性ファイバー保護部材3に光ファイバー2を挿入するときの挿入口となっている。
【0039】
上ケース部10cは、矩形状の天板11と、天板11の側縁部13から伸びる側板12cとを有している。側板12cは、天板側縁部13と反対側の側縁端部14を有しており、側縁端部14には側縁端部14から天板側縁部13の方向へ凹んだ嵌合溝15cが形成されている。この嵌合溝15cは、天板11とほぼ平行な底面16cと、側板12cの外面側の外側側面17ocと、側板12cの内面側の内側側面17icとで形成されている。この外側側面170ocとこの内側側面170cとの間隔は、導電性弾性ファイバー保護部材3の凸形外周部61dの対向する平面端61aおよび平面端61bの相互間隔に合わせて、この平面端61aと平面端61bの相互間隔よりも若干狭い。したがって導電性弾性ファイバー保護部材3の凸形外周部61dは、上ケース部10cの嵌合溝15cに対して、導電性弾性ファイバー保護部材3の平面端61aと平面端61bの相互間隔が狭められる方向に変形しながら嵌合溝15cに挿入されることになり、導電性弾性ファイバー保護部材3の凸形外周部61dは上ケース部10cの嵌合溝15cに密着することになる。
【0040】
下ケース部20cは、矩形状の底板21と、底板21の側縁23から伸びる側板22cとを有している。側板22cは、底板側縁部23と反対側の側縁端部24を有しており、側縁端部24には、側縁端部24から底板側縁部23の方向へ凹んだ嵌合溝25cが形成されている。この嵌合溝25cは、底板21とほぼ平行な底面26cと、側板22cの外面側の外側側面27ocと、側板22cの内面側の内側側面27icとで形成されている。この外側側面27ocとこの内側側面27icとの間隔は、導電性弾性ファイバー保護部材3の凸形外周部61dの対向する平面端61aと平面端61bの相互間隔に合わせて、この平面端61aと平面端61bの相互間隔よりも若干狭い。したがって、導電性弾性ファイバー保護部材3の凸形外周部61dは、下ケース部20cの嵌合溝25cに対して、導電性弾性ファイバー保護部材3の平面端61aおよび平面端61bの相互間隔が狭められる方向に変形しながら嵌合溝15cに挿入されることになり、導電性弾性ファイバー保護部材3の凸形外周部61dは、下ケース部20cの嵌合溝25cに密着することになる。
【0041】
上記のように、導電性弾性ファイバー保護部材3を該ケース部に接触させることで、上ケース部10及び下ケース部20に、光ファイバー2及びファイバー保護部材3を通すための隙間から漏れる電磁波を低減することができる。導電性弾性ファイバー保護部材3に用いる導電性弾性体の材料としては、例えば、導電性ミラブル型シリコーンゴムなどが好適であり、既存のものでは白金加硫型の導電性ミラブル型シリコーンゴム(体積抵抗率:5Ω・cm、タイプA硬さ:60)などが特に適している。上述の導電ゴム部材を用いると、体積抵抗率5Ω・cm、すなわち導電率は20S/mであり、電波の浸透の深さはたとえば40GHzでは0.56mm、10GHzでは1。13mmとなるため、導電性弾性ファイバー保護部材3の厚さが、例えば、2mm程度でも40GHzで30dB以上、10GH:zで15dB以上のシールド効果が得られる。
【0042】
また、導電性弾性ファイバー保護部材3は、前記切れ込み面が、ファイバー貫通円坑63の円筒状の外周に対して、前記円筒面に接するように形成されているため、光ファイバー2に対し横方向の引っ張り加重が加わった場合でも、光ファイバー2が導電性弾性ファイバー保護部材3から脱落することがない。さらに導電性弾性ファイバー保護部材3の曲面60fの曲率半径は、予め光ファイバー2の最小曲げ半径以上の曲率半径に設計されているため、光ファイバー2の破損、および光強度の劣化を防止することができる。
【0043】
また、導電性弾性ファイバー保護部材3の形状は、図9に示すように、ファイバ保持部60の形状が円錐状の形状でもよく、また、光ファイバー2を挿入する切れ込み面を持たない形状でもよい。
【0044】
さらに、図10〜14を用いて、光電変換モジュールの電気コネクタ周辺部分ついて説明する。
【0045】
図10は、図1の光電変換モジュールを底面方向から斜視図である。光電変換モジュールの底面には、電気コネクタ70があり、下ケース部20には、開口部28を設け、電気コネクタ周辺用導電性弾性体80を配置している。
【0046】
図11は、図10におけるXI-XI断面図である。上ケース部(第1ケース部)10及び下ケース部(第2ケース部)20の内部には、光電変換回路を含む各種回路部品41と、これら各種回路部品41が搭載されている基板40とが設けられている。また、この基板70には、基板40上の信号を外部に伝達するための電気コネクタ70が設けられている。下ケース部20には電気コネクタ70を光電変換モジュール外部に接続させるための開口部28があり、さらに開口部28の開口端の周囲には、下ケース20の底面20eに対し内側に窪んだ平面20fが形成されている。この平面20fの下面には、電気コネクタ周辺用導電性弾性体80が設けられている。電気コネクタ周辺用導電性弾性80の底面80aは、下ケース20の底面20eに対しわずかに外側に飛び出すよう設計されている。図11中に記載した対向基板90および対向電気コネクタは、光電変換モジュールの一部ではなく、光電変換モジュールが通常的に使用される場合に用いられる、光電変換モジュールを搭載する通信交換装置である。
【0047】
図12は、図11における光電変換モジュールと通信交換装置とを組み合わせた状態を示す。光電変換モジュール側の電気コネクタ70と、通信交換装置側の対向電気コネクタ71を勘合させることで、電気信号および電源等が光電変換モジュールと通信交換装置との間を伝達され供給される。また、同時に前期電気コネクタ周辺用導電性弾性体80の底面80aが対向基板90の表面に密着する。
【0048】
上記のように、電気コネクタ周辺用導電性弾性体80を対向基板90に接触させることで、電気コネクタを通過する高周波信号が発生させる放射電磁界の漏洩を低減することができる。電気コネクタ周辺用導電性弾性体80に用いる導電性弾性体の材料としては、例えば、銀などの金属粒子を充填したエラストマーや、前期導電性弾性ファイバー保護部材3の材質同様に導電性ミラブル型シリコーンゴムなどが好適である。上述の銀粒子を充填したエラストマーシートを用いてシールド効果の実験を行った結果、厚み0.8mmのシートを幅2.5mmの口の字型に整形し、電気コネクタ周辺用導電性弾性体80として用いた場合、約16dBのシールド効果が得られた。
【0049】
次に、図13を用いて、本発明に係る光電変換モジュールの第2の実施形態について説明する。
【0050】
本実施形態の光電変換モジュールも第1の実施形態と同様に、上ケース部10aと下ケース部20bとを有し、両ケース部10a,10bの間に、第1の実施形態と同様の導電性ガスケット30が配置されている。
【0051】
上ケース部10aは、矩形状の天板11と、天板11の各辺から伸びる4枚の側板12aと、を有している。側板12aには、第1の実施形態と同様に、下ケース側縁部14から天板側縁部13の方向へ凹んだガスケット溝15aが形成されている。但し、このガスケット溝15aの外側溝側面17oaは、第1の実施形態と同様に、その天板側縁部13から下ケース側縁部14への長さが、内側溝側面17iの対応長さよりも長いものの、第1の実施形態の外側溝側面17oの対応長さよりも短く、上ケース部10と下ケース部20とを組み合わせた際、下ケース部20の後述の側板22aの外面と対向しない。また、ガスケット溝15aの内側溝側面17iの縁から側板12aの内面の縁へ伸びる面は、第1の実施形態と同様、天板11とほぼ平行で、基板接触面19を成している。
【0052】
下ケース部20aは、矩形状の底板21と、底板21の各辺から伸びる4枚の側板22aと、を有している。側板22aの上ケース側縁部24は、第1の実施形態と異なり、底板21と平行な平坦面を形成し、この平坦面のケース内部側の部分が基板接触面29aを成し、この平坦面のケース外部側の部分がガスケット押付け面25aを成している。
【0053】
本実施形態で、光電変換モジュールを組み立てる際も、第1の実施形態と同様に、まず、上ケース部10aの基板接触面19上に、各種回路部品41が搭載されている基板40を置く。その後、導電性ガスケット30を上ケース部10aのガスケット溝15a内に挿入する。
【0054】
導電性ガスケット30を上ケース部10aのガスケット溝15aに挿入すると、上ケース部10aの天板11と下ケース部20aの底板21とが対向するよう、下ケース部20aを上ケース部10aの上に重ね、下ケース部20aの基板接触面29aが上ケース部10a上の基板40と接触するまで、下ケース部20aを上ケース部10a側へ押し付ける。
【0055】
この下ケース部20aを上ケース部10a側へ押し付ける過程で、下ケース部20aのガスケット押付け面25aと、上ケース部10aのガスケット溝15a内に挿入されている導電性ガスケット30の幅狭面とが接し、この導電性ガスケット30は弾性変形する。この導電性ガスケット30は、下ケース部20aの押付け面25aからの抗力で、その幅狭面34がガスケット溝15の底面16に押し付けられる。
【0056】
下ケース部20aの基板接触面29aが基板40に接触すると、下ケース部20aの図示されていないネジ孔、及び上ケース部10aの図示されていないネジ孔に、ネジを通して、両ケース部10a,20aを連結固定する。
【0057】
以上のように、本実施形態でも、導電性ガスケット30の一部が挿入可能なガスケット溝15aを上ケース部10aに形成したので、上ケース部10aと下ケース部20aとを連結固定する際に、導電性ガスケット30を仮固定する必要が無くなり、組み立て工数を減らすことができる。さらに、本実施形態でも、各ケース部10a,20aの側板12a,22aに対して、導電性ガスケット30の幅広面がほぼ平行になるよう導電性ガスケット30を配置したので、側板12a,22aの厚さを薄くでき、光電変換モジュールの小型化、及び基板40の部品搭載面積の拡大を図ることができる。
【0058】
すなわち、導電性ガスケット30を押し付ける押付け面は、第1の実施形態のように、傾斜面25である必要はなく、本実施形態のように、下ケース部20bの底板21と平行な平坦面でもよいし、また、断面がU字、V字型のものでもよい。
【0059】
但し、以下の点(1)(2)で、本実施形態よりも、第1の実施形態の方が好ましい。
(1)本実施形態では、上ケース部10aのガスケット溝15aに挿入されている導電性ガスケット30を下ケース20aの押付け面25aで押し付ける際に、導電性ガスケット30の一部が下ケース部20aの基板接触面29aと基板40との間に入り込み、上ケース部10aと下ケース部10aとを合わせたケース全体の高さが目的の高さにならない場合や、上ケース部10aに対して下ケース部20bがしっかりと固定できない場合がある。なお、このような不具合は、図14に示すものでも同様に起こり得る。これに対して、第1の実施形態では、押付け面としての傾斜面25が導電性ガスケット30をガスケット溝15の外側溝側面17oへ押し付けるので、導電性ガスケット30の一部が下ケース部20の基板接触面29と基板40との間に入り込みことはない。
(2)本実施形態では、上ケース部10aのガスケット溝15aに挿入されている導電性ガスケット30を下ケース20aの押付け面25aで押し付ける過程で、押付け面25aからの効力が導電性ガスケット30の幅広面と平行な方向に作用するため、この導電性ガスケット30がこの方向に押し潰され、導電性ガスケット30のこの方向の幅が狭まる。この結果、導電性ガスケット30と上カバー部の外側溝側面17oaとの接触面積が小さくなってしまう。これに対して、第1の実施形態では、押付け面としての傾斜面25が導電性ガスケット30をガスケット溝15の外側溝側面17oへ押し付けるので、導電性ガスケット30の幅広面のうち、外側溝側面17oと接触している側の幅広面の長さは変わらず、導電性ガスケット30と上カバー部の外側溝側面17oとの接触面積が小さくなることはない。
【0060】
以上のように、本実施形態よりも、第1の実施形態の方が好ましい点があるものの、本実施形態の下カバー部20aは、第1の実施形態の下カバー部20よりも加工が容易であるため、本実施形態と第1の実施形態とのうちのどちらを採用するかは、以上の(1)(2)の第1の実施形態の優位性と、第2の実施形態の加工優位性とを比較考量して決める必要がある。
【符号の説明】
【0061】
1:光電変換モジュール、2:光ファイバケーブル、3:ファイバ保護部材、10,10a,10b:上ケース部、11:天板、12,12a,12b:側板、15,15a:ガスケット溝、17i:内側溝側面、17o,17oa:外側溝側面、19,29,29a:基板接触面、20,20a,20b:下ケース部、21:底板、22,22a,22b:側板、25,25a:押付け面、30:導電性ガスケット、33:幅広面、34:幅狭面、40:基板、41:回路部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換回路と、第1ケース部及び第2ケース部を有し、該光電変換回路を覆うケースと、該第1ケース部と該第2ケース部とで挟み込まれる導電性封止材と、を備えている光電変換モジュールにおいて、
前記第1ケース部は、天板と、該天板の縁に設けられている側板と、を有し、該側板は、該天板の縁側の天板側縁部と、該天板側縁部と反対側の第2ケース側縁部とを有し、該側板には、該第2ケース側縁部から該天板側縁部の方向へ凹み、前記導電性封止材の一部が挿入可能な封止材溝が形成され、
前記第2ケース部は、前記第1ケース部と組み合わせた際に前記天板と対向する底板と、該底板の縁に設けられている側板と、を有し、該側板には、前記第1ケース部の前記封止材溝に挿入された前記導電性封止材を、該封止材溝を形成する面に押し付ける封止材押付け面が形成されている、
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光電変換モジュールにおいて、
前記導電性封止材は、互いに対向している一対の第1面と、一対の該第1面のそれぞれに隣接し互いに対向している一対の第2面とを有し、該一対の第1面の相互間隔よりも、該一対の第2面の相互間隔の方が大きく、
前記封止材溝の開口幅は、前記導電性封止材の前記一対の第1面の相互間隔に合わせた幅であり、
前記導電性封止材を前記第1ケース部の前記封止材溝に挿入し、前記第1ケースと前記第2ケースとを組み合わせると、該導電性封止材の該一対の第2面のうちの一方の第2面が該封止材溝の底面に接し、他方の第2面が前記第2ケース部の封止材押付け面に接する、
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか一項に記載の光電変換モジュールにおいて、
前記封止材溝を形成する溝側面のうち、該封止材溝が形成されている側板の外面側の外側溝側面は、その前記天板側縁部から前記第2ケース側縁部への方向の長さが、該側板の内面側の内側溝側面の対応方向の長さよりも長く、
前記第1ケース部と前記第2ケース部とを組み合わせると、該第1ケース部の前記外側溝側面の一部と、該第2ケース部の前記側板の外面の一部とが対向する、
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の光電変換モジュールにおいて、
前記第2ケース部の前記側板は、該第2ケース部の前記底板の縁側の底板側縁部と、該底板側縁部と反対側の第1ケース側縁部とを有し、該側板には、該側板の外面から内面に向うに連れて次第に該底板側縁部から該第1ケース側縁部へ向う傾斜面が形成され、該傾斜面が前記封止材押付け面を成す、
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の光電変換モジュールにおいて、
前記導電性封止材は、弾性材と、該弾性材のまわりを囲む導電材とを有する導電性ガスケットである、
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の光電変換モジュールにおいて、
前記導電性ガスケットを複数備え、複数の該導電性ガスケットは、互いに重なり合わないように配置され、該導電性ガスケットの切れ目に生じる隙間が、2.5mm以下である、
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項7】
請求項5に記載の光電変換モジュールにおいて、
前記導電性ガスケットを一辺当たり1個以上備え、導電性ガスケットは互いに重なり合わないように配置され、導電性ガスケットの切れ目に生じる隙間が、2.5mm以下である、
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項8】
光電変換回路と、該光電変換回路を覆うケース部と、該ケース部内部から外部に貫通する光ファイバーと、該光ファイバーとケース部との問に配置され該光ファイバーを屈曲等から保護するファイバー保護部材とを有する光電変換モジュールにおいて、
前記ファイバー保護部材を導電性弾性体とし、該ケース部に密着接触させた、
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載の光電変換モジュールにおいて、
前記ファイバー保護部材に光ファイバーを挿入する切れ込み部分を、該光ファイバーを挿入する筒型穴の円周の接線上に形成した、
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項10】
光電変換回路と、該光電変換回路を覆うケース部と、該光電変換回路の電気信号を外部に伝達するための電気コネクタと、該電気コネクタとの干渉を避けるために該ケース部底部に開けられたケース開口部とを有する、光電変換モジュールで、前記電気コネクタに対向し勘合するための対向コネクタが実装された対向基板上に対して接触固定して使用するように意図された光電変換モジュールにおいて、
前記ケース開口部の開口端周囲に導電性弾性体を配置し、前記ケース開口部の開口端周囲と、前期対向基板上の前期対向コネクタの外周部分とを加圧密着接触させた、
ことを特徴とする光電変換モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−221541(P2011−221541A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112123(P2011−112123)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【分割の表示】特願2007−45142(P2007−45142)の分割
【原出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(301005371)日本オプネクスト株式会社 (311)
【Fターム(参考)】