説明

光電子集積回路、アレイアンテナ発信器、アレイアンテナ受信器、および発信器

【課題】回路構成の簡素化およびサイズ削減を実現する。
【解決手段】基板上に形成されて、入力光信号をN個(Nは2以上の整数)の光信号に分岐して出力する光スプリッタと、光スプリッタから出力された光信号ごとに基板上に形成されて、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性に基づいて、当該光信号の位相を調整して出力するN個の光位相変調器とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラヘルツ(THz)波の発生、信号伝送、また受信を目的として動作する複数個のOE変換デバイスに、位相を制御した光変調信号を分配する光信号処理回路技術に関する。
【背景技術】
【0002】
連続テラヘルツ波の発生手法として、その周波数範囲の広さから、光電導デバイスやフォトダイオードによるOE変換(光/電気変換)が、近年、注目されている。トランジスタアンプが到達できない高周波域(>300GHz)では、従来から、非線形ダイオード素子による逓倍器(Frequency Multiplier)が存在したが、一般に帯域が狭く、また、信号変調のデバイス構成が複雑である等の理由で、必ずしも広い応用には適さないことによる。
【0003】
その偏波を合わせて二つのレーザ光出力(光波長:λ1、λ2)を合成した2モードのビート信号をOE変換すると、それらの差周波としてテラヘルツ波を容易に取り出すことができる。光ビート信号を利用することができるため、上で述べたように、使用可能な波長範囲は極めて広い。
【0004】
ただし、一般に、一個のOE変換デバイス(光電導デバイスやフォトダイオードなど)で発生できる最大テラヘルツ波出力には、デバイスの周波数特性や発熱に伴う制約で限度がある、そのため、電力合成によって、より高いテラヘルツ波出力を発生する技術が、特に、信号伝送の応用では望まれている。テラヘルツ波イメージングの観測時間を短縮する上でも、テラヘルツ波光源の出力増大が基本的に重要性となる。電力合成は、個々のOE変換デバイスのテラヘルツ波出力を電気線路上で合成する手法と、OE変換デバイスに直接アンテナを接続する手法がある。後者は、いわゆるフェーズドアレイアンテナを構成できるので、放射パタンを制御することに、より様々な機能性を持たせることができる。
【0005】
また、OE変換デバイスの非線形性を利用したホモダイン受信、ヘテロダイン受信においても、ローカル信号を多数のOE変換デバイスに供給することにより、効率的なテラヘルツ波イメージングの受信を可能とし、また、フェーズドアレイアンテナによる無線システムを構築することができる。
いずれにしても、多数のOE変換デバイスを用いてテラヘルツ波信号の発生や受信を行う場合、制御された光ビート信号を、個々のOE変換デバイスに分配する技術が基本的に重要となる。
【0006】
通常、テラヘルツ波電力合成を行うには、光信号分配回路100を用い、複数に分岐された光ビート信号を複数のOE変換デバイスに供給し、発生したテラヘルツ波を合成する。図6は、PLC技術で製作された光信号分配回路の模式図である。入力導波路ポート101に、λ1信号とλ2信号を合波した光ビート信号入力を結合させ、それを、接続導波路102でシリーズ接続された2段の1×2光スプリッタ104,105,106で4分岐する。
【0007】
この後、1×2光スプリッタ105,106から出力導波路103を介して出力された光ビート信号は、光学レンズアレイ107を介してフォトダイオード108に結合される。フォトダイオード108からのテラヘルツ波出力は、電気線路109で回路的に電力合成される。PLC(Planar Lightwave Circuit)の光入力ポートから出力ポートまでの導波路長を等長化するのは、テラヘルツ波長レベルの精度では容易であり、フォトダイオードからのテラヘルツ波出力の位相は均一な状態に制御できる。
【0008】
フォトダイオードと電力合成回路は、同一の基板110上に集積化可能である。合成されたテラヘルツ波電力は、例えば、金属導波管に結合されて空間に放出される。図6に示した様な電気線路による電力合成に加え、個々のフォトダイオードのテラヘルツ波出力を、アレー状に配置した多数のアンテナの1つに直接結合し、アレーアンテナ出力として、電力を合成することもできる。個々のアンテナから出力されるテラヘルツ波の位相を固定する応用であれば、図6と同様の光信号分配回路を用いることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】N. Shimizu,T. Nagatsuma, "Photodiode-integrated microstrip antenna array for subterahertz radiation", IEEE Photonics Technology Letters, VOL. 18, NO. 6 ,March 15, 2006, pp. 743-745
【非特許文献2】H. Ito, T. Furuta, Y. Muramoto, T. Ito, T. Ishibashi, "Photonic millimetre- and sub-millimetrewave generation using J-band rectangularwaveguide-output uni-travelling-carrier photodiode module", Electronics Letters(2005), 23rd November 2006 Vol. 42 No. 24, pp. 1424-1425
【非特許文献3】Shigetaka Itakura, Kiyohide Sakai, Tsutomu Nagatsuka, Eitaro Ishimura, Masaharu Nakaji, Hiroshi Otsuka, Kazutomi Mori, and Yoshihito Hirano, "High-Current Backside-Illuminated Photodiode Array Module for Optical Analog Links", Journal of Lightwave Technology, Vol. 28, Issue 6, pp. 965-971 (2010)
【非特許文献4】Yang Fu, Huapu Pan, Campbell, J.C., "Photodiodes With Monolithically Integrated Wilkinson Power Combiner", IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol. 46, NO. 4, April 2010, pp. 541-545
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような従来技術では、光信号分配回路を用いて、テラヘルツ波の発生、信号伝送、また受信を目的として動作する複数個のデバイスに、位相を制御した光ビート信号を分配する場合、従来の技術では光信号分配回路が複雑となったり、ファイバアンプの使用に伴い、光ビート状態が劣化するという問題が生じた。
【0011】
前述した従来技術では、個々のアンテナのテラヘルツ波信号位相を変えて、放射方向を制御するフェーズドアレイアンテナを構成するには、光位相変調器を加えた光信号分配回路が必要となる。すなわち、光位相変調器を用いてλ1信号、λ2信号の位相を調整することにより光ビート信号の位相を変える。ここで、従来の典型的な光信号分配回路では、λ1信号とλ2信号の光信号を独立に変調してから合成し、光ビートの状態にする必要があった。
【0012】
具体的には、4つの独立した光ビート信号を得るには、図7のような光信号分配回路が光電子集積回路で用いられる。図7は、従来の光電子集積回路を示す回路図である。
まず、光ビート信号入力ポート111,112からそれぞれ導入したλ1信号、λ2信号を、接続導波路113で接続された2段の1×2光スプリッタ115,116で4分岐する。さらに、接続導波路114を介して、8個の位相変調器117を通すことにより、λ1信号、λ2信号の合計8波の位相が独立に調整される。最後に、λ1、λ2信号を、4台の3dBカプラ118で合波し、8個の光ビート信号を得る。
【0013】
各3dBカプラは2つの光ビート信号が出力される。ただし、それらの光ビート信号の位相は、光電力振幅で見ると、λ1信号、λ2信号の位相関係にかかわらず、互いに逆位相の状態で固定される。
図8は、3dBカプラを示す説明図である、図9は、3dBカプラでの位相関係を示す説明図である。3dBカプラ118に対して、λ1信号がポートAから、λ2信号がポートBから導入されるとする。3dBカプラの特性から、ポートAからポートCを経由するλ1信号出力121に対して、ポートDのλ1信号出力122は光位相がπ/2遅れる。同様に、ポートDのλ2信号出力123に対して、ポートCのλ2信号出力124は光位相がπ/2遅れる。
【0014】
このため、Cポート、Dポートで合波されたλ1+λ2の電界125,126にしたがって、光ビート信号の振幅は互いに反転した関係となってしまう。Cポート、Dポート出力のビート位相が独立していないので、独立なアンテナへのビート電力の供給源とはできない。この例に示した光信号分配回路では、多数のスプリッタ、変調器、3dBカプラを使いながら、8個の光ビート信号のうち同相となる4波の光ビート信号しか得られず、広い光集積回路面積が必要となるので効率が良いとは言いがたい。
【0015】
また、分岐数が多く、λ1信号、λ2信号の各光電力を予めファイバアンプなどを用いて増幅する場合、従来の光信号分配回路を使用するかぎり2台のアンプが必要になる。独立のファイバアンプを用いると、相対的な光偏波状態の不安定性により、光ビート状態が劣化する、という問題も生じる。偏波の調整機能を光信号分配回路上に搭載すると、回路のサイズがさらに大きくなってしまう。
【0016】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、回路構成の簡素化およびサイズ削減を実現する光信号処理回路技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するために、本発明にかかる光電子集積回路は、基板上に形成されて、入力光信号をN個(Nは2以上の整数)の光信号に分岐して出力する光スプリッタと、光スプリッタから出力された光信号ごとに基板上に形成されて、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性に基づいて、当該光信号の位相を調整して出力するN個の光位相変調器とを備えている。
【0018】
この際、光位相変調器ごとに基板上に形成されて、当該光位相変調器から出力された個別の位相を持つ光信号をOE変換して得られた電気信号を出力するN個のOE変換デバイスをさらに備えてもよい。
【0019】
また、OE変換デバイスごとに基板上に形成されて、当該OE変換デバイスから出力された個別の位相を持つ電気信号を無線送信することにより、全体としてフェーズドアレイアンテナとして動作するN個のアンテナデバイスをさらに備えてもよい。
【0020】
また、OE変換デバイスごとに基板上に形成されて、全体としてフェーズドアレイアンテナとして動作するN個のアンテナデバイスと、OE変換デバイスごとに基板上に形成されて、当該アンテナデバイスで無線受信した受信信号を、当該OE変換デバイスから出力された個別の位相を持つ電気信号で復調し、得られた復調信号を出力するN個の電気入出力回路とをさらに備えてもよい。
【0021】
また、OE変換デバイスごとに基板上に形成されて、当該OE変換デバイスから出力された個別の位相を持つ電気信号を、入力された変調信号で変調し、得られた送信信号を出力するN個の電気入出力回路と、基板上に形成されて、電気入出力回路から出力されたN個の送信信号を電力合成して出力する電力合成線路とをさらに備えてもよい。
【0022】
また、本発明にかかるアレイアンテナ発信器は、基板上に形成されて、入力光信号をN個(Nは2以上の整数)の光信号に分岐して出力する光スプリッタと、光スプリッタから出力された光信号ごとに基板上に形成されて、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性に基づいて、当該光信号の位相を調整して出力するN個の光位相変調器と、光位相変調器ごとに基板上に形成されて、当該光位相変調器から出力された個別の位相を持つ光信号をOE変換して得られた電気信号を出力するN個のフォトダイオードと、フォトダイオードごとに基板上に形成されて、当該フォトダイオードから出力された個別の位相を持つ電気信号を無線送信することにより、全体としてフェーズドアレイアンテナとして動作するN個のアンテナデバイスとを備えている。
【0023】
また、本発明にかかるアレイアンテナ受信器は、基板上に形成されて、入力光信号をN個(Nは2以上の整数)の光信号に分岐して出力する光スプリッタと、光スプリッタから出力された光信号ごとに基板上に形成されて、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性に基づいて、当該光信号の位相を調整して出力するN個の光位相変調器と、光位相変調器ごとに基板上に形成されて、当該光位相変調器から出力された個別の位相を持つ光信号をOE変換して得られた電気信号を出力するN個のフォトダイオードと、フォトダイオードごとに基板上に形成されて、全体としてフェーズドアレイアンテナとして動作するN個のアンテナデバイスと、フォトダイオードごとに基板上に形成されて、当該アンテナデバイスで無線受信した受信信号を、当該フォトダイオードから出力された個別の位相を持つ電気信号で復調し、得られた復調信号を出力するN個の電気入出力回路とを備えている。
【0024】
また、本発明にかかる発信器は、基板上に形成されて、入力光信号をN個(Nは2以上の整数)の光信号に分岐して出力する光スプリッタと、光スプリッタから出力された光信号ごとに基板上に形成されて、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性に基づいて、当該光信号の位相を調整して出力するN個の光位相変調器と、光位相変調器ごとに基板上に形成されて、当該光位相変調器から出力された個別の位相を持つ光信号をOE変換して得られた電気信号を出力するN個のフォトダイオードと、フォトダイオードごとに基板上に形成されて、当該フォトダイオードから出力された個別の位相を持つ電気信号を、入力された変調信号で変調し、得られた送信信号を出力するN個の電気入出力回路と、基板上に形成されて、電気入出力回路から出力されたN個の送信信号を電力合成して出力する電力合成線路とを備えている。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、光電子集積回路において、入力された光ビート信号に含まれる、波長が異なる2つの光信号同士の相対位相差を制御することができ、これら光信号が合波された光ビート状態で入力する構成が可能となる。したがって、光信号を増幅する際にファイバアンプが1台で済むため、偏波調整器を不要とすることができる。
【0026】
このため、ファイバアンプに伴う光ビート状態の劣化を抑制でき、安定した光ビート信号を発生させることが可能となる。また、光スプリッタや3dBカプラ、位相変調器などの回路数を、ほぼ半数まで削減でき、光信号分配回路を簡素化できる。これにより、チップサイズを削減でき、フォトダイオードやアレーアンテナを共通の基板に集積化することもできる。この結果、小形で安定な通信用高出力信号源、テラヘルツ波アレーアンテナ装置、あるいはフォトダイオードの非線形動作を使った、より感度の高い受信器を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1の実施の形態にかかる光電子集積回路の構成を示す回路図である。
【図2】半導体変調器における半波長電圧の波長依存性の一例を示すグラフである。
【図3】光ビート信号の位相変化を示すグラフである。
【図4】第2の実施の形態にかかる光電子集積回路の構成を示す回路図である。
【図5】第3の実施の形態にかかる光電子集積回路の構成を示す回路図である。
【図6】PLC技術で製作された光信号分配回路の模式図である。
【図7】従来の光電子集積回路を示す回路図である。
【図8】3dBカプラを示す説明図である。
【図9】3dBカプラでの位相関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる光電子集積回路(Opto-Electronic Integrated Circuit)10について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる光電子集積回路の構成を示す回路図である。
【0029】
この光電子集積回路10は、全体として、テラヘルツ(THz)波の発生、信号伝送、また受信を目的として動作する複数個のOE変換デバイスに、位相を制御した光変調信号を分配する機能を有している。
本実施の形態では、光電子集積回路10の具体例として、OE変換デバイスとしてフォトダイオードを用い、これらフォトダイオードからの位相制御されたテラヘルツ波を、個々のアンテナに供給することにより、フェーズドアレイアンテナを構成するアレイアンテナ送信器について説明する。
【0030】
図1の構成例では、光信号分配し、位相を制御した4つの独立した光ビート信号を得るための基本的な回路、さらにOE変換デバイスであるフォトダイオードとアンテナが、1つの基板上に集積化されている。
【0031】
本実施の形態にかかる光電子集積回路10は、例えば、化合物半導体のInP基板上に製作することができ、主な回路部として、光ビート信号入力ポート11、1×2光スプリッタ12,13A,13B、接続導波路14、波長分散を持つ光位相変調器15A〜15D、位相制御電圧端子16A〜16D、バイアス回路や出力回路を含むフォトダイオード17、アンテナデバイス18、フォトダイオード出力とアンテナデバイスを接続する電気線路19が、InP基板上に集積化されている。
【0032】
1×2光スプリッタ12,13A,13Bは、光ビート信号入力ポート11から入力された光ビート信号(入力光信号)SをN個(Nは2以上の整数、本実施の形態ではN=4)の光信号に分岐して出力する機能を有している。
光位相変調器15A〜15Dは、上記光信号ごとに設けられて、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性に基づいて、当該光信号の位相を調整して出力する機能を有している。
【0033】
フォトダイオード(OE変換デバイス)17は、光位相変調器15A〜15Dごとに設けられて、当該光位相変調器15A〜15Dから出力された個別の位相を持つ光信号をOE変換して得られた電気信号を出力する機能を有している。
アンテナデバイス18は、OE変換デバイス17ごとに設けられて、当該OE変換デバイスから出力された個別の位相を持つ電気信号を無線送信することにより、全体としてフェーズドアレイアンテナとして動作する機能を有している。
【0034】
これら回路部のうち、1×2光スプリッタ12,13A,13B、接続導波路14、光位相変調器15A〜15D、位相制御電圧端子16A〜16Dが、光信号分配回路を構成している。光ビート信号入力ポート11から光位相変調器15A〜15Dまでの光導波路長は、等長化された設計とする。
【0035】
光電子集積回路10の製作は、導波路形のスプリッタや3dBカプラを搭載した半導体マッハツェンダ干渉計の製作技術が基本となる(例えば、非特許文献1など参照)。
1×2光スプリッタ12,13A,13Bから光位相変調器15A〜15Dまでの構造は、半絶縁性のInP基板上にエピタキシャル成長した、ダブルへテロ構造(コア層、クラッド層を含む)を加工することにより、導波路やY分岐、マルチモード干渉計(MMI)、位相変調導波路、などを形成する。導波路は、メサ形、埋め込み形、リッジ形などがあるが、目的に応じて適宜選択する。
【0036】
フォトダイオード17、電気線路19、アンテナデバイス18が搭載される領域は、前述のダブルへテロ構造をエッチングすることにより取り除き、フォトダイオード構造をダブルへテロ構造に隣接してエピタキシャル再成長する。フォトダイオード構造を隣接させることにより、光導波路から導入させる光信号がフォトダイオードの光吸収層と結合し、光電流を誘起させる。フォトダイオード17は、メサ加工で形成する。また、電気線路19およびアンテナデバイス18は、フォトダイオード構造を取り除き、半絶縁性InPの上にパタニングすることにより形成する。電気部分のデバイス形成技術は、フォトダイオードの一側面が光導波路、すなわち光位相変調器15A〜15Dの出力に接していることを除けば、公知の典型的な製作技術と変わらない。
【0037】
[第1の実施の形態の動作]
次に、本実施の形態にかかる光電子集積回路10における光信号分配回路の動作について説明する。
2波長λ1、λ2の光信号が合波器Cで合波されて得られた光ビート信号Sは、光ビート信号入力ポート11から導入され、2段のマルチモード干渉計からなる1×2光スプリッタ12,13A,13Bでそれぞれ分岐して4つの光信号とする。この後、これら光信号は、光ビートの状態で光位相変調器15A〜15Dを通り、4個のフォトダイオード17に結合する。
【0038】
従来の典型的な光信号分配回路(図7参照)では、λ1信号、λ2信号が単色の状態で光位相変調を行い、その後で合波したのに対して、本実施の形態にかかる光電子集積回路10は、λ1信号、λ2信号を合波した光ビート状態で、光位相変調を行うのが大きな違いである。光ビートの位相を制御する従来の光信号分配回路の場合(図7参照)に比べ、使用する1×2光スプリッタ、もしくは3dBカプラ、光位相変調器15A〜15Dの数は約1/2に減少する。
【0039】
λ1信号、λ2信号を2波長混合状態で光位相変調した場合、光ビート信号の位相がどのように変化するのかがポイントである。例えば、半導体変調器は、一般に、位相変調特性に多少の波長分散がある。すなわち、λ1信号、λ2信号の間で、光位相の変化量に差が発生する。光位相変化に相対的な差が出ることは、光ビート信号の位相も変化することを意味する。この種の現象は、光マイクロ波通信では、信号の歪の発生などの問題になることがあったが、有効に活用する議論はなされていない。
【0040】
半導体変調器における位相変調の分散、別なパラメータで言えば半波長電圧(Vπ)の波長依存性と、ビート電力の位相変化がどの様な関係にあるかを考察した結果、発明者らは、ビート周波数がテラヘルツ波領域となると、有効な光ビート位相調整が可能となる見通しを得た。
λ1信号、λ2信号の位相変調器内の波数をk1、k2、位相変調電圧が印加される変調器長をLwg、変調器入力時、λ2信号のλ1信号に対する位相遅れをφとして、変調器出力端の電力Pは、次の式(1)で表される。
【0041】
【数1】

この式(1)から、光ビート信号の振幅は、差の周波数(=ビート周波数)を持ち、変調器導波路内の位相遅れが、(k1−k2)Lwg+φとなることがわかる。
【0042】
位相変調器内の波数k1,k2は、変調電圧Vmの関数であり、位相回転(遅れ)は、次の式(2)のように、
【数2】

と書き替えられる。ゼロバイアス時:Φ(λ,Vm=0)からの位相変化分Φ(λ,Vm)は、半導体の位相変調器で実測値として求められるパラメータである。
【0043】
また、式(1)の位相項のうち、Vmを含む項(位相調整可能部分)は、次の式(3)のように、
【数3】

となる。これから、光ビート信号の位相遅れは、λ1信号、λ2信号の位相遅れの差で与えられることがわかる。
【0044】
光ビート信号の位相がVmでどのように変化するのか、典型的な半導体位相変調器の場合について計算してみる。位相変調器の半波長電圧Vπは波長依存を持ち、位相変化は、次の式(4)のように、
【数4】

であり、Vmを与えると位相がπだけ遅れる関係にある。
【0045】
ここで、実験的に、Vπの変化は波長変化に対して線形に変化するので、次の式(5)のように、
【数5】

と近似でき、Vπ0とλ0、ΔVπ/Δλ、セットで数値を求めることができる。図2は、半導体変調器における半波長電圧の波長依存性の一例を示すグラフである。この波長範囲1530〜1560[nm]において、Vπは、概ね線形であることがわかる。
【0046】
結局、ビート信号の位相変化は、次の式(6)のように、
【数6】

として求められる。
【0047】
図3は、光ビート信号の位相変化を示すグラフである。ここでは、図2から得られたVπ(λ)の電圧依存性を用いて、式(6)から計算した光ビート信号の位相変化が示されている。この計算では、λ1=1540[nm]に固定し、λ2を変化させることにより、ビート周波数を変えている。
図3から、0.3[THz]では、変調電圧Vm=10[V]でも、50°程度の位相変化しかない。しかし、1[THz]、2[THz]の領域となると、同じ10[V]の変調電圧でも100゜以上の位相変化を与えることが可能となることがわかる。
【0048】
図1の光電子集積回路10では、光位相変調器15A〜15Dを含め、すべての導波路の等長化がなされているのが基本であるものの、現実には、半導体プロセスのばらつきのため、わずかではあるが、式(1)のφで表現している等長化の状態からズレが起こる。変調器電圧を調整することにより、このズレを補正するとともに、光ビート信号に対して、任意の光ビート位相変化を与えることができる。
【0049】
個々の光位相変調器15A〜15Dのビート出力位相調整に関しては、最大でも180゜の位相変化を与えることが可能な変調電圧幅が確保されていれば良い。例えば、図3の1[THz]の場合、約12[V]で180゜の位相変化があるので、0[V]から12[V]の電圧範囲で、それぞれの分岐の光ビート信号を位相調整し、各アンテナ間の位相関係を制御することが可能となる。
なお、ここで用いた半波長電圧Vπの波長依存性は一例に過ぎない。位相変調器導波路構造の最適化により、Vπは本実施例の場合に比べ、1/3〜1/5にすることが予測できるので、より低い変調電圧Vmで光ビート信号の位相調整を行うことができる。
【0050】
[第1の実施の形態の効果]
前述したように、従来の光電子集積回路は、前述の図8に示したように、放射方向を制御するためのフェーズドアレイアンテナを構成するものであり、波長が異なる2つの光信号が合波された光ビート信号に対して独立した位相制御が可能なように構成し、4つのアンテナへ位相制御された電気信号を与えるものである。
【0051】
この構成では、波長が異なる2つの光信号それぞれに対して位相変調器が必要なため、2つの光信号を独立な2つの入力ポートからそれぞれ入力し、位相制御した後に、2つの光信号を合波する必要がある。したがって、前段で光信号をアンプする際に、2つの光信号それぞれに独立のファイバアンプを用いることになるため、2つの光信号の偏波状態を揃える偏波調整器が必要となる。
【0052】
これに対して、本実施の形態にかかる光電子集積回路10では、波長が異なる2つの光信号を合波器Cで合波して得られた光ビート信号Sを、1×2光スプリッタ12,13A,13Bにより複数の光ビート信号に分岐して、光位相変調器15A〜15Dで、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性、すなわち波長分散を有する位相変調特性に基づいて、それぞれの位相を調整した後、それぞれ個別のOE変換デバイスへ結合するようにしたものである。
より具体的には、OE変換デバイスとしてフォトダイオード17を用い、入力された光ビート信号に基づいてフォトダイオード17から出力された電気信号を、それぞれのアンテナデバイス18へ供給するようにしたものである。
【0053】
これにより、光電子集積回路10において、入力された光ビート信号Sに含まれる、波長が異なる2つの光信号、すなわちλ1信号、λ2信号同士の相対位相差を制御することができ、これらλ1信号、λ2信号が合波された光ビート状態で入力する構成が可能となる。したがって、光信号を増幅する際にファイバアンプが1台で済むため、偏波調整器を不要とすることができる。
【0054】
このため、ファイバアンプに伴う光ビート状態の劣化を抑制でき、安定した光ビート信号を発生させることが可能となる。また、光スプリッタや3dBカプラ、位相変調器などの回路数を、ほぼ半数まで削減でき、光信号分配回路を簡素化できる。
これにより、チップサイズを削減でき、フォトダイオードやアレーアンテナを共通の基板に集積化することもできる。
【0055】
[第2の実施形態]
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる光電子集積回路10について説明する。図4は、第2の実施の形態にかかる光電子集積回路の構成を示す回路図である。
本実施の形態では、光電子集積回路10の具体例として、フォトダイオードをテラヘルツ波受信デバイスとして用いる、アレイアンテナ受信器について説明する。
【0056】
本実施の形態にかかる光電子集積回路10は、主な回路部として、第1の実施の形態と同様の、光ビート信号入力ポート11、1×2光スプリッタ12,13A,13B、接続導波路14、光位相変調器15A〜15D、位相制御電圧端子16A〜16D、アンテナデバイス18、電気線路19に加えて、電気入出力回路21、電気入出力回路21に接続されたフォトダイオードバイアス端子22、低周波電気信号出力ライン23、フォトダイオード27が、InP基板上に集積化されている。
【0057】
アンテナデバイス18は、フォトダイオード(OE変換デバイス)27ごとに設けられて、全体としてフェーズドアレイアンテナとして動作する機能を有している。
電気入出力回路21は、フォトダイオード27ごとに設けられて、対応するアンテナデバイス18で無線受信した受信信号を、当該フォトダイオード27から出力された個別の位相を持つ電気信号で復調し、得られた復調信号を出力する機能を有している。
【0058】
本実施の形態では、フォトダイオード27を非線形受信デバイスとして機能させる。この光電子集積回路10を動作させるには、フォトダイオードバイアス端子22に適切なフォトダイオードのDCバイアスを印加し、光ビート信号入力ポート11から光ビート信号を導入することにより、フォトダイオードにテラヘルツ波信号を生成させる。これは、非線形マイクロ波デバイスにローカル信号を供給する状態に相当する。
【0059】
アンテナ18A〜18Dから、受信したテラヘルツ波信号は、電気入出力回路21を介してフォトダイオードに導入され周波数ミキシング動作(復調動作)を行う。受信テラヘルツ波信号に重畳されている低周波数の変調信号(IF信号)を、ホモダイン受信、もしくはヘテロダイン受信により、IF信号として取り出し、電気入出力回路21に接続された低周波電気信号出力ライン23から受信信号を出力する。
【0060】
必須条件ではないが、電気入出力回路21は、テラヘルツ波信号に対して方向性結合器の機能を持つことが望ましい。すなわち、光ビート信号により生成されたローカル信号は、アンテナ側には遮断状態とし、アンテナから受信されたテラヘルツ波信号は、フォトダイオードに到達する回路構成とすることが、その応用によるが、必要となる。
ローカル信号は、フォトダイオードへの光ビート信号により生成されるが、その位相の調整は、第1〜第2の実施形態の場合と同様であり、各アンテナの位相関係を調整し、アレーアンテナの適正な受信動作を行う。
【0061】
[第3の実施の形態]
次に、図5を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる光電子集積回路10について説明する。図5は、第3の実施の形態にかかる光電子集積回路の構成を示す回路図である。
本実施の形態では、光電子集積回路10の具体例として、第3の実施形態におけるアンテナ出力形を電気線路出力形に置き換えた、テラヘルツキャリア波で信号を送信する発信器について説明する。
【0062】
本実施の形態にかかる光電子集積回路10は、主な回路部として、第1の実施の形態と同様の、光ビート信号入力ポート11、1×2光スプリッタ12,13A,13B、接続導波路14、光位相変調器15A〜15D、位相制御電圧端子16A〜16Dに加えて、電気入出力回路31、電気入出力回路31に接続されたフォトダイオードバイアス端子32、低周波電気信号入力ライン33、テラヘルツ波電力合成線路34、テラヘルツ波信号出力ポート35、フォトダイオード37が、InP基板上に集積化されている。
【0063】
電気入出力回路31は、フォトダイオード(OE変換デバイス)37ごとに設けられて、当該フォトダイオード37から出力された個別の位相を持つ電気信号を、入力された変調信号で変調し、得られた送信信号を出力する機能を有している。
テラヘルツ波電力合成線路(電力合成線路)34は、各電気入出力回路31から出力されたそれぞれの送信信号を電力合成して出力する機能を有している。
【0064】
本実施の形態にかかる光電子集積回路10を動作させるには、光ビート信号入力ポート11から光ビート信号を導入することにより、フォトダイオード37にテラヘルツ波信号を生成させ、低周波電気信号入力ライン33から導入する信号でフォトダイオード37の動作電圧を変え、変調されたテラヘルツ波信号を得る。
【0065】
ここで、フォトダイオード37とテラヘルツ波電力合成線路34の間に挿入される電気入出力回路31は、フィルタ機能を持っていることが望ましい。すなわち、低周波電気信号入力ライン33から導入される信号はフォトダイオード37側のみに伝搬し、テラヘルツ波出力側には遮断状態とする。同時に、テラヘルツ波信号出力は、低周波電気信号入力ライン33とフォトダイオードバイアス端子32の側には遮断される状態とする。
【0066】
本実施の形態の場合、フォトダイオード37からのテラヘルツ波出力の位相が一致すべく、その位相を調整するが、第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合と同様に、光位相変調器15A〜15Dにより容易に制御することができる。
【0067】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0068】
10…光電子集積回路、11…光ビート信号入力ポート、12,13A,13B…1×2光スプリッタ、14…接続導波路、15A〜15D…光位相変調器、16A〜16D…位相制御電圧端子、17,27,37…フォトダイオード、18…アンテナデバイス、19…電気線路、21,31…電気入出力回路、22,32…フォトダイオードバイアス端子、23…低周波電気信号出力ライン、33…低周波電気信号入力ライン、34…テラヘルツ波電力合成線路、35…テラヘルツ波信号出力ポート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成されて、入力光信号をN個(Nは2以上の整数)の光信号に分岐して出力する光スプリッタと、
前記光スプリッタから出力された前記光信号ごとに前記基板上に形成されて、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性に基づいて、当該光信号の位相を調整して出力するN個の光位相変調器と
を備えることを特徴とする光電子集積回路。
【請求項2】
請求項1に記載の光電子集積回路において、
前記光位相変調器ごとに前記基板上に形成されて、当該光位相変調器から出力された個別の位相を持つ前記光信号をOE変換して得られた電気信号を出力するN個のOE変換デバイスをさらに備えることを特徴とする光電子集積回路。
【請求項3】
請求項2に記載の光電子集積回路において、
前記OE変換デバイスごとに前記基板上に形成されて、当該OE変換デバイスから出力された個別の位相を持つ前記電気信号を無線送信することにより、全体としてフェーズドアレイアンテナとして動作するN個のアンテナデバイスをさらに備えることを特徴とする光電子集積回路。
【請求項4】
請求項2に記載の光電子集積回路において、
前記OE変換デバイスごとに前記基板上に形成されて、全体としてフェーズドアレイアンテナとして動作するN個のアンテナデバイスと、
前記OE変換デバイスごとに前記基板上に形成されて、当該アンテナデバイスで無線受信した受信信号を、当該OE変換デバイスから出力された個別の位相を持つ前記電気信号で復調し、得られた復調信号を出力するN個の電気入出力回路と
をさらに備えることを特徴とする光電子集積回路。
【請求項5】
請求項2に記載の光電子集積回路において、
前記OE変換デバイスごとに前記基板上に形成されて、当該OE変換デバイスから出力された個別の位相を持つ前記電気信号を、入力された変調信号で変調し、得られた送信信号を出力するN個の電気入出力回路と、
前記基板上に形成されて、前記電気入出力回路から出力されたN個の前記送信信号を電力合成して出力する電力合成線路と
をさらに備えることを特徴とする光電子集積回路。
【請求項6】
基板上に形成されて、入力光信号をN個(Nは2以上の整数)の光信号に分岐して出力する光スプリッタと、
前記光スプリッタから出力された前記光信号ごとに前記基板上に形成されて、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性に基づいて、当該光信号の位相を調整して出力するN個の光位相変調器と、
前記光位相変調器ごとに前記基板上に形成されて、当該光位相変調器から出力された個別の位相を持つ前記光信号をOE変換して得られた電気信号を出力するN個のフォトダイオードと、
前記フォトダイオードごとに前記基板上に形成されて、当該フォトダイオードから出力された個別の位相を持つ前記電気信号を無線送信することにより、全体としてフェーズドアレイアンテナとして動作するN個のアンテナデバイスと
を備えることを特徴とするアレイアンテナ発信器。
【請求項7】
基板上に形成されて、入力光信号をN個(Nは2以上の整数)の光信号に分岐して出力する光スプリッタと、
前記光スプリッタから出力された前記光信号ごとに前記基板上に形成されて、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性に基づいて、当該光信号の位相を調整して出力するN個の光位相変調器と、
前記光位相変調器ごとに前記基板上に形成されて、当該光位相変調器から出力された個別の位相を持つ前記光信号をOE変換して得られた電気信号を出力するN個のフォトダイオードと、
前記フォトダイオードごとに前記基板上に形成されて、全体としてフェーズドアレイアンテナとして動作するN個のアンテナデバイスと、
前記フォトダイオードごとに前記基板上に形成されて、当該アンテナデバイスで無線受信した受信信号を、当該フォトダイオードから出力された個別の位相を持つ前記電気信号で復調し、得られた復調信号を出力するN個の電気入出力回路と
を備えることを特徴とするアレイアンテナ受信器。
【請求項8】
基板上に形成されて、入力光信号をN個(Nは2以上の整数)の光信号に分岐して出力する光スプリッタと、
前記光スプリッタから出力された前記光信号ごとに前記基板上に形成されて、光の波長により位相変化量が異なる位相変調特性に基づいて、当該光信号の位相を調整して出力するN個の光位相変調器と、
前記光位相変調器ごとに前記基板上に形成されて、当該光位相変調器から出力された個別の位相を持つ前記光信号をOE変換して得られた電気信号を出力するN個のフォトダイオードと、
前記フォトダイオードごとに前記基板上に形成されて、当該フォトダイオードから出力された個別の位相を持つ前記電気信号を、入力された変調信号で変調し、得られた送信信号を出力するN個の電気入出力回路と、
前記基板上に形成されて、前記電気入出力回路から出力されたN個の前記送信信号を電力合成して出力する電力合成線路と
を備えることを特徴とする発信器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−70209(P2013−70209A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206848(P2011−206848)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】