説明

免疫関連疾患の治療のための新規組成物と方法

本発明は、配列番号7に示すヌクレオチド配列のコード配列を含んでなる単離された核酸及びこの配列に相同な核酸によりコードされる新規のポリペプチドを含有してなる組成物と、免疫関連疾患、リンパ腫、炎症性腸疾患及び移植細胞拒絶反応などの診断及び治療のための該組成物の使用方法に関する。さらに、本発明は、哺乳動物において抗原に対する免疫応答を増強ないしは減弱することを目的とした、前記ポリペプチド並びにそのアゴニスト及びアンタゴニストの使用方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の核酸配列同一性を有する、単離された核酸。
【請求項2】
図2(配列番号2)に示すポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の核酸配列同一性を有する、単離された核酸。
【請求項3】
図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列の完全長コード配列からなる、単離された核酸。
【請求項4】
図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列のコード配列からなる、単離された核酸。
【請求項5】
図9(配列番号9)に示すヌクレオチド配列のコード配列からなる、単離された核酸。
【請求項6】
請求項1に記載の核酸を含むベクター。
【請求項7】
前記ベクターを用いて形質転換された宿主細胞によって認識されるコントロール配列に作用可能にリンクする、請求項6に記載のベクター。
【請求項8】
請求項7に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項9】
CHO細胞、大腸菌細胞又は酵母細胞である、請求項8に記載の宿主細胞。
【請求項10】
請求項9に記載の宿主細胞を、前記PRO87299ポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、細胞培養物から前記PRO87299ポリペプチドを回収することを含む、PRO87299ポリペプチドの製造方法。
【請求項11】
図2(配列番号2)に示すポリペプチドのアミノ酸配列に対し、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する、単離されたポリペプチド。
【請求項12】
図8(配列番号8)に示すポリペプチドのアミノ酸配列に対し、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する、単離されたポリペプチド。
【請求項13】
図10(配列番号10)に示すポリペプチドのアミノ酸配列からなる、単離されたポリペプチド。
【請求項14】
異種アミノ酸配列に融合した請求項11に記載のポリペプチドを含む、キメラ分子。
【請求項15】
前記異種アミノ酸配列がエピトープタグ配列であるか、又は免疫グロブリンのFc領域である、請求項14に記載のキメラ分子。
【請求項16】
図2(配列番号2)に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するPRO87299ポリペプチドに特異的に結合する抗体。
【請求項17】
図2(配列番号2)に示すPRO87299のアミノ酸1−155に特異的に結合する抗体。
【請求項18】
図8(配列番号8)に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するPRO87299変異体に特異的に結合する抗体。
【請求項19】
図10(配列番号10)に示すPRO87299変異体に特異的に結合する抗体。
【請求項20】
PRO87299に特異的に結合し、HVEM(配列番号4)の相互作用を遮断するが、LIGHT(配列番号6)の相互作用を遮断しない抗体。
【請求項21】
PRO87299に特異的に結合し、LIGHT(配列番号6)の相互作用を遮断するが、HVEM(配列番号4)の相互作用を遮断しない抗体。
【請求項22】
PRO87299アゴニストである、請求項16に記載の抗体。
【請求項23】
CD4+T細胞の増殖を抑制する、請求項16に記載の抗体。
【請求項24】
リンパ腫細胞の増殖を抑制する、請求項16に記載の抗体。
【請求項25】
NK細胞の増殖を抑制する、請求項16に記載の抗体。
【請求項26】
モノクローナル抗体、ヒト化抗体、又は一本鎖抗体である、請求項16に記載の抗体。
【請求項27】
ハイブリドーマBtig5F5.1(ATCC寄託番号 )又はハイブリドーマBtig3B1.9(ATCC寄託番号 )によって生成される、単離された抗体。
【請求項28】
ハイブリドーマBtig5F5.1(ATCC寄託番号 )又はハイブリドーマBtig3B1.9(ATCC寄託番号 )によって生成された抗体の生物学的活性を有し、生物学的活性が、CD4+T細胞の増殖を抑制することである、単離された抗体。
【請求項29】
抗体断片である、請求項16に記載の抗体。
【請求項30】
キメラ又はヒト化抗体である、請求項16に記載の抗体。
【請求項31】
成長阻害剤に抱合された、請求項16に記載の抗体。
【請求項32】
細胞障害性薬に抱合された、請求項16に記載の抗体。
【請求項33】
細胞障害性薬が、抗生物質、放射性同位元素及び核溶解性酵素からなる群より選択される、請求項32に記載の抗体。
【請求項34】
細胞障害性薬が毒素である、請求項32に記載の抗体。
【請求項35】
毒素が、アウリスタチン、メイタンシノイド及びカリケアマイシンからなる群より選択される、請求項34に記載の抗体。
【請求項36】
毒素が、MMAE(モノメチルアウリスタチンE)、MMAF、MMAF−DMAEA、(MMAF−ジメチルアミノエチルアミン)、MMAF−TEG(MMAF−テトラエチレングリコール)、MMAF−NtBu、及びAEVB(アウリスタチンEバレリルベンジルヒドラゾン)、及びAFP(アウリスタチンFフェニレンジアミン)からなる群より選択される、請求項34に記載の抗体。
【請求項37】
毒素がリンカーによって抗体に共有結合性に付着している、請求項34に記載の抗体。
【請求項38】
リンカーが、マレイミドカプロイル(maleimidocaproyl)(MC)、バリン−シトルリン(val−cit,vc)、シトルリン(2−アミノ−5−ウレイドペンタン酸)、PAB(p−アミノベンジルカルバモイル)、Me(N−メチル−バリンシトルリン)、MC(PEG)6−OH(マレイミドカプロイル−ポリエチレングリコール)、SPP(N−サクシニミジル4−(2−ピリジルチオ)ペンタン酸)、SMCC(N−サクシニミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1カルボン酸)、及びMC−vc−PABからなる群より選択される、請求項34に記載の抗体。
【請求項39】
細菌中で生成される、請求項16に記載の抗体。
【請求項40】
CHO細胞中で生成される、請求項16に記載の抗体。
【請求項41】
検出可能に標識される、請求項16に記載の抗体。
【請求項42】
製薬的に許容可能な担体と組み合わせた、請求項16に記載の抗体を含む物質からなる組成物。
【請求項43】
担体と組み合わせた、(a)請求項11に記載のポリペプチド、(b)前記ポリペプチドのアゴニスト、(c)前記ポリペプチドのアンタゴニスト、又は(d)前記ポリペプチドに結合する抗体を含む物質からなる組成物。
【請求項44】
治療的に有効な量の(a)、(b)、(c)又は(d)を含む、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
容器、
前記容器に貼付されたラベル、及び
前記容器に含まれた、PRO87299ポリペプチドに結合する抗体を含む物質からなる組成物
を備えた製造品であって、前記容器上のラベルが、前記組成物を使用して免疫関連疾患、リンパ腫又は炎症性腸疾患を治療できることを示す、製造品。
【請求項46】
哺乳動物の免疫応答を刺激する方法であって、前記哺乳動物に対し、PRO87299に特異的に結合する抗体の有効量を投与し、前記免疫応答を刺激する方法。
【請求項47】
それを必要とする哺乳動物の免疫関連疾患を軽減する方法であって、前記哺乳動物に対し、治療的有効量の:
(a)PRO87299に特異的に結合する抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片、或いは
(d)PRO87299.の小分子アゴニスト
を投与する方法。
【請求項48】
免疫関連疾患が、全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎、変形性関節症、若年性慢性関節炎、脊椎関節症、全身性硬化症、特発性炎症性筋疾患、シェーグレン症候群、全身性血管炎、サルコイドーシス、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症、甲状腺炎、真性糖尿病、免疫性腎臓疾患、中枢及び末梢神経系の脱髄性疾患、特発性脱髄性多発神経障害、ギランバレー症候群、慢性炎症脱髄性多発神経障害、肝胆道疾患、感染性又は自己免疫慢性活性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、肉芽腫性肝炎、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、グルテン感受性腸疾患、フィップル疾患、自己免疫性又は免疫媒介性皮膚疾患、水泡性皮膚疾患、多形滲出性紅斑、接触皮膚炎、乾癬、アレルギー性疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物過敏症、蕁麻疹、肺の免疫学的疾患、好酸球性肺炎、特発性肺線維症、高感受性間質性肺炎、移植関連疾患、移植片拒絶又は移植片対宿主病である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
PRO87299ポリペプチドを含むと思われる試料における前記ポリペプチドの存在を決定する方法であって、前記試料を:
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは、
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片
に曝し、PRO87299に対する結合を決定する方法。
【請求項50】
哺乳動物における免疫関連疾患の診断方法であって、PRO87299に特異的に結合する
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは、
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片
を、前記哺乳動物から採取した組織細胞からなる試験試料に接触させ、(a)、(b)、又は(c)と、試験試料中のPRO87299ポリペプチドとの複合体の形成を判断し、前記複合体が形成される場合に、試験組織細胞を採取した哺乳動物における免疫関連疾患の存在が示される方法。
【請求項51】
哺乳動物における炎症性免疫応答の診断方法であって、哺乳動物から採取した組織細胞の試験試料、及び同じ細胞種類の既知の正常な組織細胞からなるコントロール試料における
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片
を含むPRO87299ポリペプチドの発現レベルを決定し、試験試料中の前記PRO87299ポリペプチドの発現レベルが、コントロール試料より高いか又は低い場合に、試験組織細胞を採取した哺乳動物における炎症性免疫応答の存在が示される方法。
【請求項52】
哺乳動物におけるリンパ腫の診断方法であって、哺乳動物から採取した組織細胞の試験試料、及び同じ細胞種類の既知の正常な組織細胞からなるコントロール試料における
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片
を含むPRO87299ポリペプチドの発現レベルを決定し、試験試料中の前記PRO87299ポリペプチドの発現レベルが、コントロール試料より高いか又は低い場合に、試験組織細胞を採取した哺乳動物におけるリンパ腫の存在が示される方法。
【請求項53】
それを必要とする哺乳動物のリンパ腫を軽減する方法であって、前記哺乳動物に対し、PRO87299ポリペプチドに特異的に結合する治療的有効量の:
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片
を投与する方法。
【請求項54】
哺乳動物における炎症性腸疾患の診断方法であって、哺乳動物から採取した組織細胞からなる試験試料、及び同じ細胞種類の既知の正常な組織細胞からなるコントロール試料における
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片
を含むPRO87299ポリペプチドの発現レベルを決定し、試験試料中の前記PRO87299ポリペプチドの発現レベルが、コントロール試料より高いか又は低い場合に、試験組織細胞を採取した哺乳動物における炎症性腸疾患の存在が示される方法。
【請求項55】
それを必要とする哺乳動物の炎症性腸疾患を軽減する方法であって、前記哺乳動物に対し、PRO87299に特異的に結合する、治療的有効量の:
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片
を投与する方法。
【請求項56】
PRO87299を調節する候補化合物のスクリーニング方法であって、
PRO87299と
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片
と、候補化合物との混合物を、候補化合物が存在しなければPRO87299が(a)、(b)又は(c)に基準親和性で結合する条件下でインキュベートする工程、及び
候補化合物に対するPRO87299の結合親和性を検出し、候補化合物親和性を決定する工程、
を含み、基準親和性と候補化合物親和性との間に差異がある場合、候補化合物がPRO87299を調節することが示される方法。
【請求項57】
PRO87299を調節する候補化合物のスクリーニング方法であって、
PRO87299を用いて細胞に形質移入する工程、
候補化合物にPRO87299で形質移入された細胞を接触させる工程、
形質移入された細胞の増殖を低減させる手段として、
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片
をPRO87299で形質移入された細胞に接触させる工程、
候補化合物に接触させたPRO87299で形質移入された細胞の増殖の低減を、(a)、(b)又は(c)に接触させたPRO87299で形質移入された細胞の場合と比較し、PRO87299で形質移入した細胞の増殖が低減していた場合、候補化合物がPRO87299を調節することが示される方法。
【請求項58】
PRO87299を調節する候補化合物のスクリーニング方法であって、
(a)CD4+T細胞を単離する工程、
(b)候補化合物に単離されたCD4+T細胞を接触させる工程、
(c)CD4+T細胞の増殖を低減させる手段として、抗PRO87299抗体、HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いはLIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片を、単離されたCD4+T細胞に接触させる工程、及び
(d)(b)の場合の細胞増殖の低減と、(c)の場合とを比較し、CD4+T細胞の増殖が低減している場合、候補化合物がPRO87299を調節することが示される方法。
【請求項59】
哺乳動物における移植組織の拒絶を軽減する方法であって、有効量の:
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片;
を投与して、移植組織の拒絶を軽減する方法。
【請求項60】
哺乳動物における移植細胞の拒絶を軽減する方法であって、有効量の:
(a)抗PRO87299抗体、
(b)HVEM(配列番号4)、HVEM−Fc、又はその断片、或いは
(c)LIGHT(配列番号6)、LIGHT−Fc、又はその断片;
を投与して、移植細胞の拒絶を軽減する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2008−519599(P2008−519599A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541149(P2007−541149)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037612
【国際公開番号】WO2006/054961
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】