説明

入力制御装置及び入力制御方法

【課題】入力ペンが表示画面上にあるときに、入力ペンの向きを検出し、通常の筆記具を使用しているような感覚で入力形態を変えることができる入力制御装置を提供する。
【解決手段】表示画面上に情報を表示する表示部40と、前記表示画面上に入力位置を指示する指示部10と、前記表示画面の周囲に備えられ、前記入力位置を検出する位置検出信号を出力する位置検出部30と、前記指示部に備えられ、前記位置検出信号を受信する信号受信部21と、前記信号受信部の受信信号に基づいて前記表示画面上の入力形態を制御する入力制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面上に入力する入力制御装置及び入力制御方法に関し、特に通常の筆記具を使用しているような感覚で入力形態を変えることができる入力制御装置及び入力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手書き入力装置、いわゆるタッチパネルが多くの入力装置に用いられている。タッチパネルは、アナログ抵抗膜方式、静電容量方式、超音波表面弾性波方式、赤外線遮断方式、反射式光線走査方式、光イメージセンサー方式など多くの方式が開発されている。そして、これらタッチパネルに使用されるペンも特許文献1乃至4のように公知である。
特許文献1は、スタイラスペンの一方の先端に設けた第1のセンサーがペンの向きによって動作したとき手書き入力となり、他方の先端に設けた第2のセンサーがペンの向きによって動作したとき消去となる手書き入力装置である。
特許文献2は、手書き入力ペンに永久磁石を設け、ペンの向きにより永久磁石のN極側又はS極側のどちらがタブレットに接触又は近接しているかによって、手書き入力動作と、消去動作を判断させるものである。
特許文献3は、ケースの先端より出没可能で、LC回路の共振周波数を切り換えるスイッチに連動するペン芯を設け、ノックを操作してペン芯が出ているときはペン機能、ペン芯が没しているときはポイント機能とするものである。
特許文献4は、ペンの両端に圧力検出器を設け、圧力検出器によって検出された圧力により、筆圧及び紙面からのペンのわずかな持ち上がりを検出するものである。
【特許文献1】特開平4−165522号公報
【特許文献2】特開平6−76118号公報
【特許文献3】特開平6−102989号公報
【特許文献4】特開平6−314154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1から4のペンは、ペンに備えたセンサー、永久磁石、共振周波数切り換えスイッチ又は圧力検出器を備え、これらによってペンの向きを検出するものである。このように特許文献1から4のペンは、センサー、永久磁石、スイッチ又は圧力検出器によってペンの向きを検出するものであり、表示画面との関連性がない。
しかしながら、入力ペンは表示画面上に入力するために使用されるものであり、表示画面にペンが接触しているか否かも判断する必要がある。
本発明はこのような点に鑑みて、指示部が表示画面上にあるときに、指示部の向きを検出し、通常の筆記具を使用しているような感覚で入力形態を変えることができる入力制御装置及び入力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の入力制御装置は、上記課題を解決するため、表示画面を有し、その上に情報を表示する表示部と、前記表示画面上の任意の点に入力位置を指示する指示部と、前記表示画面の周囲に備えられ、位置検出信号を出力して、前記入力位置を検出する位置検出部と、前記指示部は、前記位置検出信号を受信する信号受信部と、前記指示部が入力位置を指示したとき、前記信号受信部の受信信結果に基づいて前記指示部の表示画面上への入力形態を制御する入力制御部とを備えることを特徴とする。
【0005】
ここで、指示部は、ペン状に形成され、ペン状指示部の少なくとも一方に、入力位置を検出するための位置信号を受信する信号受信部を備える。また入力制御部は、入力形態を手書き入力と消去、異なる線幅、異なる色に制御する。また位置検出部は、光反射方式、光走査方式または光イメージセンサー方式であり、位置検出信号は光である。従って、指示部の信号受信部は受光素子によって構成される。
【0006】
本発明は、別の観点によれば、入力制御方法であり、上記課題を解決するため、表示画面の周囲から位置検出信号を出力して、表示画面に対する指示部からの入力位置を検出する位置検出ステップと、前記位置検出信号を前記指示部にて受信する信号受信ステップと、前記指示部にて入力位置を指示したとき、前記指示部にて受信した受信信号の有無に基づいて前記表示画面上の入力形態を制御する入力制御ステップとを備えることを特徴とする。
これにより、指示部が表示画面上にあるときに、指示部の向きを検出し、その検出結果に基づき、入力形態を制御するので、通常の筆記具を使用しているような感覚で入力形態を変えることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、指示部が表示画面上にあるときに、指示部の向きを検出し、その検出結果に基づき、入力形態を制御するので、通常の筆記具を使用しているような感覚で入力形態を変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明の入力制御装置の概略構成図である。
本発明の入力制御装置は、手書き入力ペンよりなる指示部10、指示部10の入力位置を検出する座標入力装置30、パソコンよりなるデータ処理部20及び例えば、液晶表示装置よりなる表示装置40を備える。更に、ペンの方向情報を受信し、かつ座標入力装置30の座標検知用発光部および受光部を駆動するタッチパネル駆動部35を備え、このタッチパネル駆動部35は、ペンの方向情報及び座標検知信号をデータ処理部20に送信する。
ここで、本発明の一実施形態では、表示装置40は、例えば少なくとも一辺が1m以上の表示画面を備えるような大型の表示装置である。即ち、長辺が1m〜2m、或いはそれ以上の大きさの表示画面であり、壁一面のように非常に大型の表示画面を有する。このように大きい表示画面に、商品の広告画像を表示したり、会議、講演会、説明会、研修会等で使用される資料や情報画像を表示したりする。本発明はこのように大きい表示画面を有する表示装置40を発明の対象とする。本発明の入力制御装置は、このように大きい表示画面に、指示部によって手書き入力するものである。
指示部10は、ペン形状に形成され、ユーザが手に持って、表示画面に近づけて手書きにより文字、数字、図、表、絵を入力する。また表示画面上をタッチ入力して指示、命令、操作を行う。このように大型の表示装置40は、表示画面がほぼ鉛直線方向になるように設置されるので、指示部によって表示画面上に入力する場合、入力者の手より上に入力するとき、指示部は上向きになり、入力者の手より上に入力するとき、下向きになる。本発明は指示部が上向きになったり、下向きになったりしても確実に入力することができるものである。指示部10の操作は、タッチパネル駆動回路36によって座標検出され、その座標検出出力はデータ処理部20に伝送される。データ処理部20は入力座標を検出し、表示部40に表示する。同時に指示部の向きが検出され、その検出出力に基づいて入力形態を制御する。
【0009】
上記指示部10、座標入力装置30、データ処理部20、表示装置40の詳細を図2のブロック図によって説明する。
指示部10は、ユーザが手に持ちやすいようにペン型に形成される。この指示部10の一方の端部に第1光センサー11、他方の端部に第2光センサー12を備える。即ち、指示部10の先端が透明に形成され、指示部10の先端より入射した光を受光する光検出器が備えられる。光検出器は後述する座標入力装置30を構成する発光素子より発光した光を受光できる位置に配置される。
この指示部10の内部にはセンサー信号検出部13、データ処理部14、送信部15、電池16が備えられる。センサー信号検出部13は、第1センサー11または第2センサー12の出力を検出する。データ処理部14は第1センサー11または第2センサー12のどちらの検出出力であるか判別する。この判別に基づき内部メモリ14aまたは14bにデータ(指示部の方向情報)を記憶する。送信部15はデータ処理部14によって処理された情報を光または電波によってデータ処理システム20に送信する。
送信部15が光によって送信する場合、その発光波長は、座標入力装置30を構成する発光素子の発光波長と異なることが望ましい。例えば、座標入力装置の発光素子が近赤外光を発光する場合は、送信部15は遠赤外光を発光する発光素子を使用する。或いは、座標入力装置に赤外光発光素子を用い、送信部15に赤色発光素子を用いる。又は、座標入力装置30の発光素子が連続光を発光する場合は、送信部15の発光素子はパルス発光するように制御する。或いは、座標入力装置30の発光素子と、送信部15の発光素子のパルス波形を変化させてもよい。更に座標入力装置は赤外光または赤色であり、送信部15は電波であってもよい。
【0010】
データ処理システム20は、例えば、パソコンよりなり、CPU、ROM,RAM、キーボード、マウスなどを備える。更に、本発明の入力制御装置を構成するために、受信部21、機能選択処理部22、データ処理部23、座標受信部24、描画演算部25、描画記憶部26を備える。これらの各部分は、ROMに格納されたプログラムをCPUが読み出して、順次各部分を機能させることにより、本発明の入力制御装置を実現する。
受信部21は、指示部10の送信部15より送信された光または電波を受信する部分である。
機能選択処理部22は、設定情報記憶部22aと、機能設定部22bを備え、受信部20の受信信号に基づいて表示画面上の入力形態を制御する。設定情報記憶部22aは、機能設定部22bによって設定された情報を記憶する記憶部であり、第1光センサー11が光を検出した場合と、第2光センサー12が光を検出した場合を記憶する。図2の場合は、第1光センサー11が光を検出した場合は、色は「3」、幅は「3」、機能は「1」が設定されていることを記憶する。また第1光センサー12が光を検出した場合は、色は「8」、幅は「6」、機能は「1」が設定されていることを記憶する。
機能設定部22bは、指示部10によって入力を開始する前に予め、パソコンを使用して、第1光センサー11が光を検出した場合と、第2光センサー12が光を検出した場合に、ペンの入力形態を設定する部分である。この実施形態では、設定テーブル22cを用いて、色は「1」を選択すると黒、「2」を選択すると赤、「3」を選択すると青、「4」を選択すると緑、「5」を選択すると黄、「6」を選択すると橙、「7」を選択すると茶、「8」を選択すると白を設定できる。ペン幅は、1、3、5,7mmを選択して設定することができる。ペンの線幅は、このように予め設定されたペンの線幅を選択する以外に、任意のペン幅を入力して設定することも可能である。機能としては、「1」を選択するとペン、「2」を選択すると、部分的に消去するための消しゴムを設定することができる。このような設定テーブル22cの設定は、一例であり、他の機能を設定することも可能である。例えば、他の機能としては線形状を丸型または角型に設定してもよい。
【0011】
データ処理部23は、指示部10の入力位置座標をデータ処理する部分である。即ち、指示部10の表示画面上のX座標情報とY座標情報を、X座標記憶部23aとY座標記憶部23bに記憶する。指示部10の表示画面上のX座標情報とY座標情報は、座標検出部35によって検出され、座標情報送信部36、座標情報受信部24より受け取る。
描画演算部25は、データ処理部23で処理されたX座標情報、Y座標情報に基づき、描画を演算する。そして、その結果は、描画記憶部26に記憶される。
描画記憶部26に記憶された描画情報は、表示駆動部41により液晶表示部40を表示駆動する。
上記データ処理部23、描画演算部25、描画記憶部26によって、描画システムを構成する。
【0012】
座標入力装置30は、液晶表示部40の前に表示画面の周囲に設置された、いわゆるタブレットであり、指示部10によって入力された座標位置を検出するため、例えば図3に示すように構成される。図3の座標入力装置30は、解像度が横1000×縦500の場合である。図3に示すように、液晶表示装置40の上端部にXL=1〜XL=1000の発光素子を配置する。これら発光素子は液晶表示装置40の下端に配置された受光素子XR=1〜XR=1000の方向に発光する。また液晶表示装置40の左端部にYL=1〜YL=1000の発光素子を配置する。これら発光素子は液晶表示装置40の右端に配置された受光素子YR=1〜YR=1000の方向に発光する。
発光素子XL=1〜XL=1000は順次発光し、受光素子XR=1〜XR=1000が順次受光動作状態とすることにより、X座標を走査する。また発光素子YL=1〜YL=1000は順次発光し、受光素子YR=1〜YR=1000が順次受光動作状態とすることにより、Y座標を走査する。発光素子XL、YLは、赤外線発光素子であり、受光素子XR、YRは赤外線受光素子であることが望ましい。そして、X座標を走査している途中に指示部10によって、光が遮断されたとき、そのX座標を指示部の入力位置として検出する。同様にY座標を走査している途中に指示部10によって、光が遮断されたとき、そのY座標を指示部の入力位置として検出する。
【0013】
液晶表示装置40は、例えば少なくとも一辺が1m以上の表示画面を備えるような大型の表示装置である。即ち、長辺が1m〜2m、或いはそれ以上の大きさの表示画面であり、壁一面のように非常に大型の表示画面を有する。液晶表示装置40に代えて、プラズマ表示装置のような表示装置を使用してもよい。
【0014】
以上のように構成される本発明によれば、以下のように使用することができる。
図4(a)は、Type1を示し、ペンの持つ方向により色を変えて使用することができることを示す。即ち、一方の端では、色1(例えば、黒色)となり、他方の端では色2(例えば、赤色)となる。
図4(b)は、Type2を示し、ペンの持つ方向によりペンと、消しゴムに変えて使用することができることを示す。即ち、一方の端では、書き込みとなり、他方の端では消しゴムとなる。書き込みの色は、図4(a)により任意に設定可能である。
図4(c)は、Type3を示し、ペンの持つ方向によりペン先の太さを変えて使用することができることを示す。即ち、一方の端では、細字となり、他方の端では太字となる。
更に、図4(d)に示すように、書き込みの太さだけでなく、消しゴムの太さも消しゴム大と、消しゴム小に変えることができる。
このように、本発明の入力制御装置は、ペンを持ち替えるだけでペンの機能を変えることができるので、画面上のアイコンをクリックして色や消しゴムを選択する必要がなく、通常の筆記器具を使用しているような感覚で指示部を使用することができる。
【0015】
図2、図3のように構成される入力制御装置により、図4に示したように指示部を使用するために、図5〜図7に示すフローチャートのように順次処理が実施される。
図5(b)は、図5(a)に示すように指示部10の一方の端に第1センサーpen1を備え、他方の端に第2センサーpen2を備える場合の指示部10のフローチャートを示す。
指示部10がユーザによって手に持たれ、表示画面上に接近させて、タブレットに入力を開始すると、まず、ステップS1で指示部10の内部に備えられたメモリ14aに、初期状態で「1」が入っているので、「1」を代入する。次にステップS2で、センサーが受光したか、否か判断する。即ち、ペンがタブレットから離れていて、受光できないとき、センサーは受光していないので、ステップS2に戻るが、ペンがタブレットに接触または近接して、センサーが受光した場合は、ステップS3に進む。ステップS3では、第1センサーpen1にて受光したか、否か判断する。第1センサーpen1が受光していれば、ペンは第1の状態で持たれていると判断して、ステップS4で、P=1を設定する。しかし第1センサーpen1が受光していなければ、ペンは持ち替えられたと判断して、ステップS5で、P=2を設定する。
次にステップS6では、Pn=Pであるか、否か判断する。即ち、ステップS1でPnに「1」が代入されており、「1」であれば(YES)、ペンは持ち替えられていないと判断して、ステップS2に戻る。NOであれば、即ち、ペンが持ち替えられたので、ステップS7で、指示部10内メモリ14aに「P」、つまり「2」を代入する。次に、ステップS8で、メモリ14aの情報をデータ処理システム20へ送信する。このように、ペンは常時ペンの向きを送信するのではなく、ペンが持ち替えられたときだけメモリの情報を送信するので、ペンの消費電力を少なくすることができる。
上記ステップS2において、ペンがタブレットから離れてセンサーが受光できなくなり、再度ペンがタブレットに近づけられてセンサーが受光したとき、ペンが持ち替えられていなければ、第1センサーpen1が再度受光するので、ステップS3ではペンは持ち替えられていないと判断してステップS4に移行する。しかし、ペンが持ち替えられて、第2センサーpen2が受光すると、ステップS3ではペンは持ち替えられたと判断してステップS5に移行する。このようにペンがタブレットから離れてもペンが持ち替えられなければ、このフローの動作は同じ処理を繰り返すだけであり、ペンが持ち替えられたときだけ、処理フローが変化する。
【0016】
次に、座標入力装置30の処理フローを図6に示すフローチャートにより説明する。
座標入力装置30が動作を開始すると、座標入力装置30の座標カウンターXに「1」を代入する(ステップS11)。座標カウンターXは、図3に示したX座標発光素子と、X座標受光素子の駆動順を決めるカウンターである。次に、ステップS12で、X座標受光素子の駆動カウンターに変数XRとしてXを代入し、ステップS13で、X座標発光素子の駆動カウンターに変数XLとしてXを代入する。そして、ステップS14で、X座標標発光素子の発光素子XLを発光させ、ステップS15で、X座標標発光素子の受光素子XRが受光したか、否か判断する。受光素子XRで受光した場合は、ステップS16へ移行し、座標カウンターをX=X+1する。ステップS17で、X>1000か、否か判断する。つまり、座標カウンターXが1000まで進み、発光素子はX=1000まで順次走査したか、否か判断する。NOであれば、ステップS12に戻り、次のX座標受光素子XR及びX座標発光素子XLを駆動させる。YESであれば、ステップS11に戻り、最初のX座標受光素子XR及び発光素子XLを駆動させる。
ステップS15で、受光素子XRが受光しない場合、つまり、ペンによって光がさえぎられた場合、ステップS18に進む。このように、受光素子XRが受光しないとき、ペンによって入力が行われたと判断し、このXの値をX座標として、データ処理部23のX座標メモリ23aに記憶する。
【0017】
次に、Y座標を検出するために、座標入力装置30の座標カウンターYに「1」を代入する(ステップS19)。座標カウンターYは、図3に示したY座標発光素子と、Y座標受光素子の駆動順を決めるカウンターである。次に、ステップS20で、Y座標発光素子の駆動カウンターに変数YRにYを代入し、ステップS21で、Y座標発光素子の駆動カウンターに変数YLにYを代入する。そして、ステップS22で、Y座標標発光素子の発光素子YLを発光させ、ステップS23で、Y座標標受光素子の受光素子YRが受光したか、否か判断する。受光素子YRで受光した場合は、ステップS24へ移行し、座標カウンターをY=Y+1する。ステップS25で、Y>500か、否か判断する。つまり、つまり、座標カウンターYが500まで進み、発光素子はY=500まで順次走査したか、否か判断する。NOであれば、ステップS20に戻り、次のY座標受光素子YR及びY座標発光素子YLを駆動させる。YESであれば、ステップS11に戻り、最初のX座標受光素子XR及び発光素子XLを駆動させる。
ステップS23で、受光素子YRが受光しない場合、つまり、ペンによって光がさえぎられた場合、ステップS26に進む。受光素子YRが受光しないので、ペンによって入力が行われたと判断し、このYの値をY座標として、データ処理部23のY座標メモリ23bに記憶する。
そして、ステップS27で、変数X、Yの値を描画演算部25に送る。
【0018】
次に、描画システムの処理フローを図7に示すフローチャートにより説明する。
描画システムが動作を開始すると、ステップS31で、Pn=1を設定する。次に、ステップS32でペン信号を受信したか、否か判断する。ペン信号を受信した場合は、次のステップS33に進み、機能選択処理部22の設定情報記憶部22aに設定されている情報として、ペンの色情報を取得する。ステップS34では、ペンの幅情報を取得する。ステップS35では、ペンの機能情報を取得する。次にステップS36では、図6に示したフローにより、X、Yの座標信号を受信したか、否か判断する。受信していなければ、ステップS32に戻る。座標信号を受信している場合は、ステップS37により、描画演算部25により描画処理を行う。
このようにして、X、Yの座標信号を受信したとき、描画処理を実施する。
【0019】
本発明の別の実施形態を図8により説明する。この実施形態は、図8(a)に示すように、指示部10の一方の端にのみセンサーpen1を備え、他方の端にセンサーを備えない構造である。つまり、センサーpen1が受光する場合は、指示部10の一方の端に入力があることを検出し、センサーpen1が受光しない場合は、指示部10の他方の端を使用している、或いは指示部が表示画面から離れているとするものである。これにより、センサーの数を少なくし、コストを下げるとともに、指示部を軽量にする。
この実施形態のフローチャートを図8(b)に示すが、このフローチャートは、図5(b)と類似しているが、この実施形態では、図5に示したステップS2が省略され、ステップS42でセンサーが受光した場合は、ステップS43に進み、受光していなければステップS44に進む点が相違し、その他は同じである。
上記ステップS42において、ペンがタブレットから離れてセンサーが受光できなくなり、再度ペンがタブレットに近づけられてセンサーが受光したとき、ペンが持ち替えられていなければ、センサーpen1が再度受光するので、ステップS3ではペンは持ち替えられていないと判断してステップS43に移行する。しかし、ペンが持ち替えられて、センサーpen1が受光しなければ、ステップS42ではペンは持ち替えられたと判断してステップS44に移行する。このようにペンがタブレットから離れてもペンが持ち替えられなければ、このフローの動作は同じ処理を繰り返すだけであり、ペンが持ち替えられたときだけ、処理フローが変化する。
そして、ステップS47で、ペン情報が送信されるが、描画システムでは座標信号を受信の有無を判断し(ステップS36)、座標信号を受信したときに、ステップS37で描画処理する。しかしペンが持ち上げられて座標信号を受信しなければ描画処理は実行されない。
【0020】
上記実施形態に示した指示部10と、データ処理システム20は、光または電波のように無線で情報を送信したが、指示部10とデータ処理システム20を有線で接続し、有線により情報を送信してもかまわない。
また座標入力装置30は、図3に示したように、発光素子と受光素子を解像度の数だけ並べて構成したが、この外に、例えば図9に示す反射式光線走査方式、図10に示す光イメージセンサー方式のような座標入力装置であってもよい。図9の座標入力装置は、液晶表示装置の下端側及び右端側に、発光素子Lと受光素子Rを交互に並べて配置し、液晶表示装置の上端及び左端に反射板Sを配置した構造である。この図9の座標入力装置は、ある1つの発光素子Lが発光すると、この発光を上端の反射板Sで反射させて上記発光素子Lの両側の受光素子Rで受光するものである。発光素子Lと両側の受光素子Rの組み合わせを順次隣へ移動させることにより液晶表示面を走査し、もし、指示部Aによって発光素子Lからの発光が遮断されて、反射板Sからの反射が受光素子Rで受光できない場合、その受光素子Rの位置を入力位置として検出するものである。
図10の座標入力装置は、液晶表示画面の上側両端部に光学ユニットHとKを配置し、左右端部及び下側端部に再帰反射板Gを配置し、光学ユニットHまたはKから光を走査して、再帰反射板Gからの反射光を光学ユニットHまたはKで受光し、指示部Aによって走査光が遮断された場合に、その遮断位置を走査角度に対応した反射光の受光出力に基づいて検出するものである。(例えば、特開2008―171444号公報参照)
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の入力制御装置の概略構成図である。
【図2】本発明の入力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の入力制御装置に用いられる座標入力装置の構成図である。
【図4】本発明の入力制御装置の使用例を説明する図である。
【図5】本発明の入力制御装置に使用される指示部の処理を説明するフローチャート図である。
【図6】本発明の入力制御装置に使用される座標入力装置の処理を説明するフローチャート図である。
【図7】本発明の入力制御装置に使用される描画装置の処理を説明するフローチャート図である。
【図8】本発明の入力制御装置に使用される別の指示部の処理を説明するフローチャート図である。
【図9】本発明に使用される反射光線走査方式の座標入力装置を示す図である。
【図10】本発明に使用される光イメージセンサー方式の座標入力装置を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
10 指示部
11 第1光センサー
12 第1光センサー
13 センサー信号検出部
14 データ処理部
15 送信部
20 データ処理システム
21 受信部
22 機能選択処理部
23 データ処理部
24 座標受信部
25 描画演算部
26 描画記憶部
30 座標入力装置
31,33 光発信部
32、34 光受信部
35 座標検出部
36 座標送信部
40 液晶表示装置
41 表示駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有し、その上に情報を表示する表示部と、
前記表示画面上の任意の点に入力位置を指示する指示部と、
前記表示画面の周囲に備えられ、位置検出信号を出力して、前記入力位置を検出する位置検出部と、
前記指示部は、前記位置検出信号を受信する信号受信部と、
前記指示部が入力位置を指示したとき、前記信号受信部の受信結果に基づいて前記指示部の表示画面上への入力形態を制御する入力制御部と
を備えることを特徴とする入力制御装置。
【請求項2】
前記指示部は、ペン状に形成され、前記ペン状の指示部の少なくとも一方の端に前記信号受信部を備える請求項1に記載の入力制御装置。
【請求項3】
前記入力制御部は、前記入力形態を手書き入力と消去、異なる線幅または異なる色に制御する請求項1または2に記載の入力制御装置。
【請求項4】
前記位置検出部は、光反射方式、光走査方式または光イメージセンサー方式の座標入力装置である請求項1に記載の入力制御装置。
【請求項5】
前記指示部は、更に前記信号受信部による受信結果を送信する送信部を備えるとともに、前記入力制御部は更に前記送信部の送信信号を受信する受信部を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の入力制御装置。
【請求項6】
表示画面の周囲から位置検出信号を出力して、表示画面に対する指示部からの指示位置を検出する位置検出ステップと、
前記位置検出信号を前記指示部にて受信する信号受信ステップと、
前記指示部にて入力位置を指示したとき、前記指示部にて受信した受信信号の有無に基づいて前記表示画面上の入力形態を制御する入力制御ステップと
を備えることを特徴とする入力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−102378(P2010−102378A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270838(P2008−270838)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】