説明

入力監視装置及び入力監視方法

【課題】入力内容の監視における処理負荷の軽減を図ることができる入力監視装置及び入力監視方法を提供する。
【解決手段】入力監視装置2は、アプリケーションの動作状態の変化を検出し、そのアプリケーションが監視の有無が設定されたルールに該当している場合、上記の各ルールに従って監視の有無を示す監視フラグが設定される。そして、監視有りを示すフラグが設定された場合に、ユーザから入力された入力内容をリスト照合装置3に送信して入力内容を検査させる。従って、ユーザの入力内容を特定することなく、アプリケーションの動作状態が変化した場合にのみ入力内容の監視を実行すればよいので、全ての入力内容を監視する場合に比べて、リストの照合回数を減らすことができ、処理負荷の軽減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力監視装置及びそれを用いた入力監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の普及やインターネット環境の整備に伴い、インターネットへのアクセスが年代や場所等を問わずに身近なものとなっている。そのため、例えば子供に対して不適切な内容のWebサイトの検索を予め防止(フィルタリング)するために、インターネット上での情報検索の際に入力された内容を監視することが必要となる。
【0003】
上記のようにユーザから入力された入力内容(文字)を監視する場合には、予め設定されたワードが保持されているリストと入力内容とを照合し、その入力内容がリストに設定されているワードであるか否かを判断している。入力内容を取得する方法としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。
【0004】
しかしながら、携帯電話機のように通信のリソースに制限がある場合には、入力内容をいちいちリストと照合すると処理(転送)負荷(オーバヘッド)が大きく効率的ではない。そこで、例えば特許文献2に記載されているように、一度入力されて照合された内容をカテゴリ別に記憶しておくことにより、処理負荷の軽減を図っているものがある。
【特許文献1】特開2008−181360号公報
【特許文献2】特開2001−14041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、以下のような問題がある。すなわち、上記の技術では、入力された文字を少なくとも一度はリストと照合する必要がある。そのため、ユーザから入力される内容に偏りがある場合には効果的ではあるが、Webサイトの検索やメール作成等のように入力内容が多岐にわたる場合には、通常の監視処理と同様になり処理負荷の軽減が期待できない。従って、通信のリソースが限られた携帯電話機等において、入力内容の監視における処理負荷の軽減の実現が課題となっている。
【0006】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、入力内容の監視における処理負荷の軽減を図ることができる入力監視装置及び入力監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の入力監視装置は、ユーザにより端末に対して入力された入力内容を取得し、入力内容の監視を実行する入力監視装置であって、端末で実行されるアプリケーションの種別毎に監視の有無が設定されたルールを保持する監視設定手段と、端末で実行されるアプリケーションの動作状態の変化を検出し、変化が検出されたアプリケーションが監視設定手段のルールに該当するアプリケーションである場合に、ルールに従って監視の有無を示す監視フラグを設定する監視フラグ設定手段と、監視フラグ設定手段によって監視有りを示すフラグが設定された場合に、予め所定の内容が設定されたリストに基づいて入力内容を照合するリスト照合装置に入力内容を送信し、リスト照合装置に入力内容の検査を実施させる検査手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
或いは、本発明の入力監視方法は、ユーザにより端末に対して入力された入力内容を取得し、入力内容の監視を実行する入力監視装置による入力監視方法であって、端末で実行されるアプリケーションの動作状態の変化を検出し、変化が検出されたアプリケーションが、アプリケーションの種別毎に監視の有無が設定されたルールに該当するアプリケーションである場合に、ルールに従って監視の有無を示す監視フラグを設定する監視フラグ設定ステップと、監視フラグ設定ステップにおいて監視有りを示すフラグが設定された場合に、予め所定の内容が設定されたリストに基づいて入力内容を照合するリスト照合装置に入力内容を送信し、リスト照合装置に入力内容の検査を実施させる検査ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
このような入力監視装置によれば、アプリケーションの動作状態の変化を検出し、そのアプリケーションが監視の有無が設定されたルールに該当している場合、ルールに従って監視の有無を示す監視フラグが設定される。そして、監査の実行を示すフラグが設定された場合に、ユーザから入力された入力内容をリスト照合装置に送信して入力内容を検査させる。従って、アプリケーションの動作状態が変化した場合にのみ入力内容の監視を実行すればよいので、全ての入力内容を監視する場合に比べて、処理負荷の軽減を図ることができる。
【0010】
また、監視フラグ設定手段は、端末で実行されるアプリケーションの動作状態の変化を複数検出した場合には、ユーザの操作対象となっているアプリケーションを優先して監視フラグを設定することが好ましい。この場合、ユーザが使用していないバックグラウンドのアプリケーションの判定処理が不要となるため、処理負荷の軽減を図ることができる。
【0011】
また、監視フラグ設定手段は、端末で実行されるアプリケーションの動作状態の変化を複数検出した場合に、複数のアプリケーションにおいて監視有りが設定されたルールが1つ以上ある場合には、監視有りを示す監視フラグを設定することが好ましい。この場合、監視設定手段のルールに該当するアプリケーションが複数実行されている場合であっても、入力内容の検査の漏れを確実に防止することができる。
【0012】
また、監視設定手段は、アプリケーションにおける通信機能の有無を示す属性毎に、監視の有無が設定されたルールを保持しており、監視フラグ設定手段は、ルールに基づいて、端末で実行されているアプリケーションが通信機能を有している、或いは端末で実行されているアプリケーションと連携する他のアプリケーションが通信機能を有していると判断した場合に、監視有りを示す監視フラグを設定することが好ましい。この場合、実行されているアプリケーションが通信機能を有していない場合であっても、そのアプリケーションが他のアプリケーションと連携(経由)して通信することにより、入力内容が未検査の状態で他のアプリケーションにおいてその入力内容が利用されることを防止することができる。
【0013】
また、監視設定手段は、端末がネットワークを介して接続する際のWebサイトの閲覧のフィルタリング機能の設定状況に応じて、監視の有無が設定されたルールを保持しており、監視フラグ設定手段は、Webサイトの閲覧のフィルタリング機能が設定されていると判断した場合に、監視無しを示す監視フラグを設定することが好ましい。この場合、Webサイトの閲覧のフィルタリング機能が設定されている場合には入力内容の検査を実行しないことになるので、端末においてのみ入力内容の監視の有無を設定する場合に比べて、検査の回数を減らすことができる。従って、処理負荷の軽減を更に図ることができる。
【0014】
また、ユーザに関するユーザ情報を取得する情報取得手段を更に備え、監視フラグ設定手段は、情報取得手段によって取得されたユーザ情報に基づいてユーザの属性を取得し、属性に応じて適用するルールを判断して監視の有無を示す監視フラグを設定することが好ましい。この場合、例えば電話番号等によってユーザ情報を取得することにより、ユーザの属性を取得し、当該属性に応じて適用するルールを判断して監視の有無が設定されるので、端末単位で設定される上記のルールだけでなく、端末を利用しているユーザの属性や利用状態に適応したルールの設定が可能になる。
【0015】
また、監視設定手段は、ユーザの入力操作に関連するアプリケーションの動作状態に応じて、監視の有無が設定されたルールを保持しており、監視フラグ設定手段は、ルールに従って前記監視フラグを設定することが好ましい。この場合、ユーザの入力内容の検査をより詳細に設定することができる。
【0016】
また、監視設定手段は、アプリケーションから呼び出されるユーザの入力を補助する機能毎に、監視の有無が設定されたルールを保持しており、監視フラグ設定手段は、アプリケーションから呼び出された機能が、端末に予め設定されている単語及び文章を出力する機能、又はユーザが登録した単語及び文章を出力する機能であり、且つ単語及び文章を登録する際に利用するアプリケーションの種別に対して、ルールが監視有りに設定されている場合に、監視無しを示す監視フラグを設定することが好ましい。この場合、上記のよう場合には監視を実行しないので、入力内容の検査の回数を減らすことができる。従って、処理負荷の軽減を更に図ることができる。
【0017】
また、監視設定手段は、アプリケーションに対してユーザが入力を行う際の入力モード毎に、監視の有無が設定されたルールを保持しており、監視フラグ設定手段は、入力モードが所定言語入力である場合に、監視有りを示すフラグを設定することが好ましい。この場合、所定言語が日本語に設定されている場合には、英数字やパスワードの入力において監視を実行しないので、入力内容の検査の回数を減らすことができる。従って、処理負荷の軽減を更に図ることができる。
【0018】
また、監視設定手段は、アプリケーションが通信を行う通信先に応じて、監視の有無が設定されたルールを保持しており、監視フラグ設定手段は、ルールに対応して、監視無しを示す監視フラグを設定することが好ましい。この場合、例えば通信先であるWebサイトの信頼度が高い場合には監視を実行しないので、入力内容の検査の回数を減らすことができる。従って、処理負荷の軽減を更に図ることができる。
【0019】
また、検査手段は、ユーザから入力を確定する確定操作が行われた場合に、確定操作を操作履歴として記憶し、確定操作が所定の回数以上行われた、或いは確定操作が所定時間以上行われなかった場合に、リスト照合装置に入力内容を送信し、入力内容の検査を実施させるが好ましい。この場合、ユーザの入力が行われる度にリスト照合装置に入力内容を送信する必要がないので、リスト照合装置への入力内容の送信回数を減らすことができる。従って、処理負荷の軽減を更に図ることができる。
【0020】
また、検査手段によるリスト照合装置に対する入力内容の送信に応じて、リスト照合装置から送信された入力内容の照合結果を受信し、照合結果に対応する入力内容を照合リストとして保存する照合結果保存手段を更に備えることが好ましい。この場合、過去にユーザが入力した入力内容を端末内において利用することで、ユーザの入力傾向を把握することが可能となる。
【0021】
また、照合リストとの照合結果を外部装置へと送信する照合結果送信手段を更に備え、照合結果保存手段は、照合結果が照合結果送信手段によって外部装置へと送信されたことに応じて、外部装置において照合結果に基づいて生成されたリストを受信し、リストを用いて現在保存されている照合リストを更新することが好ましい。この場合、外部装置において照合結果に基づいて生成されたリストに現在のリストを更新することで、よりユーザの入力傾向に応じたリストを利用でき、ユーザの入力内容とリストとの一致率の向上を図ることができる。
【0022】
また、監視設定手段は、照合結果送信手段によって外部装置に照合結果が送信されたことに応じて、外部装置において照合結果に基づいて生成されたルールを受信し、ルールを用いて現在保持されているルールを更新することが好ましい。この場合、ユーザの入力内容に即したルールに変更が可能となる。
【0023】
また、監視フラグ設定手段は、照合結果保存手段に保存されている照合リストを参照し、照合リストにおいて所定の入力内容が一定回数以上入力されている場合に、入力内容に対して監視無しを示すフラグを設定することが好ましい。この場合、所定の内容が一定回数以上入力された場合には、検査を実施しないので、入力内容の検査の回数を減らすことができる。従って、処理負荷の軽減を更に図ることができる。
【0024】
また、メール作成時の入力内容をリスト照合装置に送信し、リスト照合装置に入力内容の検査を実施させ、端末からメールが送信される際に、入力内容の検査が完了していることを示す完了情報及び照合結果をメールと共に送信する照合手段を更に備えることが好ましい。この場合、送信側の端末において照合が完了している場合には、メールの受信側の端末において検査を実行する必要がないことを完了情報によって知ることができるで、メール受信側の入力内容の検査の回数を減らすことができる。従って、処理負荷の軽減を更に図ることができる。
【0025】
また、照合手段は、メール作成時の入力内容の検査が完全に完了する前にメールが送信された場合に、検査されなかった入力内容の範囲を指定する情報を照合結果と共に送信することが好ましい。この場合、メールを受信した端末では、照合されなかった入力内容の範囲を示す情報に基づいて、その範囲のみを検査すればよいので、処理時間を短縮できると共に、処理負荷の軽減を図ることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、入力内容の監視における処理負荷の軽減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面と共に本発明による入力監視装置及び入力監視方法の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0028】
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る入力監視装置を含む入力監視システムの概略構成図である。同図に示すように、入力監視システム1は、入力監視装置2と、リスト照合装置3と、サーバ装置4とを含んで構成されている。入力監視装置2は、例えば移動通信端末5内に設けられ、移動通信端末5のユーザから例えばキーボードにより入力された入力内容の監視の有無を移動通信端末5において実行されるアプリケーションに基づいて判断し、監視が必要であると判断した場合にのみ入力内容をリスト照合装置3に検査させる装置である。
【0029】
入力監視装置2は、監視設定部(監視設定手段)201と、情報取得部(情報取得手段)202と、監視フラグ設定部(監視フラグ設定手段)203と、検査指示部(検査手段)204と、照合結果保存部(照合結果保存手段)205と、照合結果送信部(照合結果送信手段)206と、メール照合部(照合手段)207とを備えている。
【0030】
監視設定部201は、移動通信端末5で実行されるアプリケーションの種別毎に監視の有無が設定されたルールを保持する。アプリケーションの種別とは、例えばメールを作成するためのアプリケーションや、Webサイトを閲覧するためのブラウザ等である。ルールは、アプリケーション種別と監視の有無とが関連付けられている。ルールについて、図2を参照しながら説明する。図2は、監視設定部201に保持されているルールの一例を示す図である。同図に示すように、ルールは、「アプリケーション種別」と「監視の有無」とが関連付けられたテーブルである。より詳細には、例えば「アプリケーション1(例えば、Webサイト閲覧のためのブラウザ)」は、当該アプリケーションにおける入力内容の監視(以下、単に「監視」とする)の有無が「有り」となっており、「アプリケーション2(例えば、スケジュール機能)」は、監視の有無が「無し」となっている。
【0031】
また、監視設定部201は、アプリケーションにおける通信機能の有無を示す属性毎に監視の有無が設定されたルールを保持している。具体的には、監視設定部201は、アプリケーションが通信を行う属性、或いはアプリケーションが他の通信を行うアプリケーションと連携する属性である場合には、監視が「有り」、アプリケーションが上記のような通信を行う属性でない場合には、監視が「無し」と設定されたルールを保持している。なお、アプリケーションが通信を行う属性か否かの分類は、例えばiアプリ(登録商標)が外部との通信機能を備えるか否かによって決められる。また、アプリケーションが他の通信を行うアプリケーションと連携する属性か否かの分類は、例えばメーラー等といった通信機能を備えるアプリケーションと連携するアプリケーションであるか否かによって決められる。具体的には、例えばメールの入力の際に入力された文字を変換するソフト等が他の通信を行うアプリケーションと連携するアプリケーションに該当する。
【0032】
また、監視設定部201は、移動通信端末5がネットワークを介して接続するサーバ装置(装置)におけるWebサイトの閲覧に関するフィルタリング(インターネットにおけるWebサイトを所定基準で評価して、この所定基準を満たさないWebサイトへのアクセスを不可能にする機能)の実施状態に応じて、監視の有無を設定するルールを保持している。具体的に、監視設定部201は、例えばサーバ装置上においてフィルタリングが実施されている場合には、監視が「有り」、フィルタリングが未実施である場合には、監視が「無し」と設定されたルールを保持している。
【0033】
また、監視設定部201は、ユーザの入力操作に関連するアプリケーションの動作状態に応じて、監視の有無が設定されたルールを保持している。具体的には、監視設定部201は、例えば入力された文字の変換を行う文字変換ソフト等といった入力操作に関連するアプリケーションが動作している場合には、監視が「有り」、上記アプリケーションが動作していない場合には、監視が「無し」と設定されたルールを保持している。
【0034】
また、監視設定部201は、アプリケーションから呼び出されるユーザの入力を補助する機能毎に、監視の有無が設定されたルールを保持している。具体的には、監視設定部201は、移動通信端末5にプリインストールされている単語や文章(定型文やテンプレート)を出力する機能や、ユーザが移動通信端末5に登録した単語や文章(ユーザによって作成された署名文章)を出力する(例えば、単語をコピーして貼り付ける)機能で、且つ単語や文章を入力する際に利用するアプリケーションの種別に対して、ルールが監視有りに設定されている場合には、監視が「無し」、その他のアプリケーションから呼び出される機能である場合には、監視が「有り」と設定されたルールを保持している。
【0035】
また、監視設定部201は、アプリケーションに対してユーザが入力を行う際の入力モード毎に、監視の有無が設定されたルールを保持している。具体的に、監視設定部201は、移動通信端末5にユーザが入力する際の入力モードが日本語入力(所定言語入力)である場合には、監視が「有り」、その他のモード(例えば、英数字入力モードやパスワードモード)である場合には、監視が「無し」と設定されたルールを保持している。
【0036】
また、監視設定部201は、アプリケーションが通信を行う通信先に応じて、監視の有無が設定されたルールを保持している。具体的には、通信先であるWebサイトやメール等の送信先(通信相手)である端末の信頼度が高い(信用できる)場合には、監視が「無し」、通信先の信頼度が低い場合には、監視が「有り」と設定されたルールを保持している。監視設定部201は、以上のようなルールを図2のようにテーブルとして保持している。
【0037】
監視設定部201は、サーバ装置4から送信される新規ルールを受信し、この新規ルールによって既存の上記ルールを更新する。サーバ装置4から送信される新規ルールについては後述する。なお、完成設定部201に保持されるルールは、サービス事業者によって適宜設定や更新が行われてもよい。
【0038】
情報取得部202は、移動通信端末5のユーザに関するユーザ情報を取得する。情報取得部202は、例えば移動通信端末5に挿入されるUIM(User Identity Module)カードからUIM情報を取得する。また、情報取得部202は、移動通信端末5が複数の電話番号やメールアドレスを利用できる形態である場合に、その電話番号やメールアドレスに基づいて現在利用しているユーザの属性に関する属性情報を取得する。属性情報とは、例えばユーザの年齢や性別等である。情報取得部202は、取得したユーザ情報(UIM情報、属性情報)を監視フラグ設定部203に出力する。
【0039】
監視フラグ設定部203は、移動通信端末5で実行されるアプリケーションの動作状態の変化を検出し、変化が検出されたアプリケーションが監視設定部201の上記ルールに該当するアプリケーションである場合に、ルールに従って監視の有無を示す監視フラグを設定する。アプリケーションの動作状態の変化とは、アプリケーションが起動された場合や、アプリケーションが複数起動しているときに、バックグラウンドにあったアプリケーションがユーザの操作対象(フォアグラウンド)となった場合等である。
【0040】
具体的に、監視フラグ設定部203は、例えば監視無しが設定されたアプリケーションが起動している状態において、新たにアプリケーションが起動された場合には、そのアプリケーションの内容(種別)を取得し、このアプリケーションが上記の各ルールに該当しているか否かを判断する。そして、監視フラグ設定部203は、アプリケーションがルールに該当している場合には、そのルールに従って監視有り又は監視無しを判断し、監視の有無を示す監視フラグを設定する。なお、複数のアプリケーションの動作状態の変化を検出した場合には、ユーザの操作対象となるフォアグラウンドのアプリケーションを優先して監視フラグの設定を実施する。
【0041】
より詳細には、監視フラグ設定部203は、新たに起動された(動作状態が変化した)アプリケーションが例えばブラウザである場合に、移動通信端末5が接続するインターネット用のサーバ装置におけるフィルタリングの実施状態を取得し、そのサーバ装置において例えばホワイトリスト(警戒する必要のない対象の一覧表)形式のフィルタリングによるアクセス制限(フィルタリング)が実施されている場合には、上記のフィルタリングに関するルールに従って監視無しの監視フラグを設定する。フィルタリングの実施状態は、サーバ装置への接続時に逐次取得してもよいし、移動通信端末5内に予めテーブル等により保持していてもよい。なお、ブラックリスト(警戒を要する対象の一覧表)形式のフィルタリングによるアクセス制限が実施されている場合には、新規Webサイトであると判断し、ブラックリストにまだ登録されていない状態でユーザがアクセスをした場合を想定して、ユーザの入力内容とリスト照合装置3による照合結果とを利用して所定の処理を実施し、ブラックリスト候補としてサーバ装置4に通知してもよい。
【0042】
また、監視フラグ設定部203は、例えば通信先に関するルールに基づいて監視フラグの設定を行う場合に、信頼度の判断を以下の方法によって実施する。すなわち、監視フラグ設定部203は、例えば通信相手が移動通信端末5における電話帳の特定のグループに登録されているアドレスに登録されている場合や、予めユーザによって設定され保持されているホワイトリスト(検査を実施しない対象)を参照することにより、通信先の信頼度を判断する。すなわち、予めユーザが認識している通信先は、信頼度が高いと判断する。そして、監視設定フラグ部203は、その信頼度に基づいて監視フラグの設定を行う。
【0043】
また、監視フラグ設定部203は、情報取得部202からユーザ情報を受け取ると、ユーザ情報に基づいて適用するルールを判断し、監視フラグの設定を行う。具体的に、監視フラグ設定部203は、例えばユーザ情報においてユーザが所定の年齢以下であることを示している場合には、例えばその年齢に適応する入力監視用のリストを用いた入力の監視に関するルールを優先的に適用し、そのルールに従って監視フラグを設定する。監視フラグ設定部203は、監視フラグを設定したことを示すフラグ設定情報を検査指示部204に出力する。
【0044】
更に、監視フラグ設定部203は、アプリケーションに対してユーザから入力された入力内容に対して、照合結果保存部205に保存されている照合リスト(後述)を参照し、入力内容が照合リストにおいて過去に所定の入力内容(不適切な入力内容)として一定回数以上入力されていると判断した場合に、入力された入力内容の監視無しを示す監視フラグを設定する。更に、監視フラグ設定部203は、一定回数以上入力された入力内容をブラックリストの候補として照合結果保存部205に出力する。
【0045】
検査指示部204は、監視フラグ設定部203によって監視有りを示す監視フラグが設定された場合に、予め所定の内容が設定されたリストに基づいて入力内容を照合するリスト照合装置3に入力内容を送信し、リスト照合装置に入力内容の検査を実施させる。具体的に、検査指示部204は、監視フラグ設定部203からフラグ設定情報を受け取ると、設定された監視フラグが監視有りであるか否かを判断する。そして、検査指示部204は、監視フラグが監視有りを示している場合に、アプリケーションに対して入力されている入力内容の入力を確定する確定操作がユーザによって行われると、確定操作を操作履歴として記憶する。その後、検査指示部204は、その確定操作が所定の回数以上行われた、或いは確定操作が所定時間以上行われなかった場合に、アプリケーションに対してユーザから入力された入力内容を入力情報として、移動通信端末5の通信機能によりリスト照合装置3に送信する。なお、確定操作とは、例えば入力された文字を漢字等に変換した際に、候補に選ばれた漢字を選択して決定する操作である。
【0046】
照合結果保存部205は、検査指示部204によるリスト照合装置3に対する入力情報の送信に応じて、リスト照合装置3から送信された入力内容の照合結果を受信し、照合結果に対応する入力内容を照合リストとして保存する。照合リストについて、図3を参照して説明する。図3は、照合結果保存部205に保存されている照合リストの一例を示す図である。同図に示すように、照合リストは、「入力内容」と「入力回数」とが関連付けられたテーブルとなっている。例えば、「入力内容」が「ワード2」である場合には、その「ワード1」が入力された回数「10」が対応付けて保存されている。また、照合結果保存部205は、監視フラグ設定部203からブラックリスト候補を受け取り、そのブラックリストを保存する。照合結果保存部205は、受信した照合結果及びブラックリストの候補を照合結果送信部206に出力する。
【0047】
また、照合結果保存部205は、サーバ装置4から送信された新規リスト(後述)を受信し、この新規リストに基づいて既存の照合リストを更新する。
【0048】
照合結果送信部206は、照合リストの照合結果及びブラックリストの候補をサーバ装置4へと送信する。照合結果送信部206は、照合結果保存部205から照合結果を受け取ると、この照合結果を照合結果情報として、移動通信端末5の通信機能によりサーバ装置4に送信する。
【0049】
メール照合部207は、メール作成時の入力内容をリスト照合装置3に送信し、リスト照合装置3に入力内容の検査を実施させ、移動通信端末5からメールが送信される際に、入力内容の検査が完了していることを示す完了情報及び照合結果をメールと共に送信する。また、メール照合部207は、入力内容の検査が未実施である場合には、その旨を示す未実施情報をメールと共に送信する。更に、メール照合部207は、メール作成時の入力内容の照合が完全に完了する前にメールが送信された場合に、検査されなかった入力内容の範囲を指定する未完了範囲情報を照合結果と共に送信する。
【0050】
具体的に、メール照合部207は、入力操作の確定操作に基づいて、単語及び文章に切れ目を入れ、この切れ目に応じて一定量の入力内容をバッファリング(記憶)し、リスト照合装置3に入力内容を入力情報として送信すると共に、切れ目をログ情報として記憶する。そして、メール照合部207は、リスト照合装置3において完全に検査が完了する前にメールが送信される場合、検査が完了した部分までの切れ目を入力内容の範囲を指定する情報として照合結果と共に送信する。切れ目を入れる技術としては、例えば形態素解析が用いられる。
【0051】
リスト照合装置3は、移動通信端末5から送信される入力情報を受信し、自機が管理するリストと入力情報が示す入力内容とを照合する装置である。リスト照合装置3は、移動通信端末5から送信された入力情報を受信して入力し、この入力情報が示す入力内容をリストと照合する。リストは、予め所定の内容(不適切とされる内容)が設定されたものであり、移動通信端末5等の入力内容の傾向等に応じて適宜更新されるものである。リスト照合装置3は、移動通信端末5から送信された入力内容とリストとを照合した照合結果を移動通信端末5に送信する。なお、図1には、リスト照合装置3を1台しか示していないが、リスト照合装置3は、1台のリスト照合装置により構成されてもよいし、複数のリスト照合装置により構成されてよい。
【0052】
サーバ装置4は、移動通信端末5から送信された照合結果情報を受信し、この照合結果情報に基づいて新規リスト及び新規ルールを生成する装置である。サーバ装置4は、移動通信端末5から照合結果情報を受信すると、この照合結果情報が示す照合結果を入力し、例えばユーザの世代、性別や最新の入力内容の傾向に合せて新規リスト及び新規ルールを生成する。そして、サーバ装置4は、新規リスト及び新規ルールを生成した場合に、移動通信端末2に新規リスト及び新規ルールを送信する。サーバ装置4の新規リスト及び新規ルールの生成方法は、サービス事業者によって適宜設定される。
【0053】
また、サーバ装置4は、移動通信端5からブラックリストの候補を受信すると、そのブラックリストに示される入力内容が入力されたサイトやメールが、有害サイトや迷惑メールであるか否かを判断する。有害サイトや迷惑メールであると判断された場合には、ブラックリストとして反映される。なお、図1には、サーバ装置4を1台しか示していないが、サーバ装置4は、1台のサーバ装置により構成されてもよいし、複数のサーバ装置により構成されてよい。
【0054】
次に、図4を参照しながら、入力監視装置1の動作、すなわち本実施形態に係る入力監視方法について説明する。図4は、入力監視方法を示すフローチャートであり、この入力監視方法におけるステップをSと略記している。
【0055】
最初に、監視フラグ設定部203により、アプリケーションの動作状態が変化したか否かが判断される(S01)。アプリケーションの動作状態が変化した場合には、ステップ02に進む。一方、アプリケーションの動作状態が変化していない場合には、処理が完了する。
【0056】
ステップ02では、監視フラグ設定部203により監視フラグの設定処理が実施される。監視フラグの設定処理について、図5を参照しながら説明する。図5は、監視フラグの設定処理を示すフローチャートである。
【0057】
まず、アプリケーションの種別が監視設定部201に保持されているアプリケーション種別毎のルールに該当しているか否かが判断される(S11)。アプリケーションの種別が上記ルールに該当していると判断された場合には、ステップ12に進む。一方、アプリケーションの種別が上記ルールに該当していないと判断された場合には、ステップ15に進む。
【0058】
ステップ12では、アプリケーションにおける入力内容の監視の有無が判断される。入力内容の監視有りであると判断された場合には、ステップ13に進む。一方、入力内容の監視無しであると判断された場合には、ステップ15に進む。
【0059】
ステップ13では、上記ルール(アプリケーションの種別毎のルール)以外の他のルール(例えば、アプリケーションの動作状況や呼び出した機能)に応じて、アプリケーションの入力内容の監視の有無が判断される。入力内容の監視有りであると判断された場合には、監視有りを示す監視フラグを設定する(S14)。一方、入力内容の監視無しであると判断された場合には、ステップ15に進む。ステップ15では、監視無しを示す監視フラグが設定される。
【0060】
図4に戻って、以上のように監視フラグが設定されると、この監視フラグに基づいて、入力内容の監視有りであるか否かが判断される(S03)。監視有りであると判断された場合には、ステップ04に進む。一方、監視無しであると判断された場合には、処理が完了する。
【0061】
ステップ04では、検査指示部204により入力内容のリスト照合装置3への送信処理が実施される。入力内容の送信処理について、図6を参照しながら説明する。図6は、入力内容の送信処理を示すフローチャートである。
【0062】
まず、アプリケーションに対してユーザが入力した際の確定操作が所定回数以上であるか否かが判断される(S21)。確定操作が所定回数以下である場合には、ステップ22に進む。一方、確定操作が所定回数以上である場合には、ステップ23に進む。
【0063】
ステップ22では、確定操作がなされた後、所定時間が経過したか否かが判断される。所定時間が経過したと判断された場合には、ステップ22に進む。所定時間が経過していないと判断された場合には、同処理が繰り返される。
【0064】
ステップ23では、リスト照合装置3に入力内容の検査を実施させるために、入力内容がリスト照合装置3に送信される。
【0065】
続いて、図7を参照しながら、監視フラグ設定部203による照合リストに基づいた監視フラグの設定について説明する。図7は、照合リストに基づいた監視フラグの設定を説明するフローチャートである。
【0066】
まず、ユーザから所定のアプリケーションに対して入力された入力内容が、照合結果保存部205に保存されている照合リストにおいて、所定の回数以上入力された内容であるか否かが判定される(S31)。入力内容が所定の回数以上入力された内容であると判断された場合には、ステップ32に進む。一方、入力内容が所定の回数以上入力された内容でないと判断された場合には、処理が完了する。
【0067】
ステップ32では、所定の回数以上入力された入力内容をブラックリストの候補として照合結果保存部205に保存する。そして、入力内容の監視フラグを監視無しに設定する(S33)。
【0068】
次に、図8を参照しながら、メール照合部207によるメール送信内容の照合結果の送信方法について説明する。図8は、メール送信時における照合結果の通知を説明するフローチャートである。
【0069】
まず、ユーザによってメールが作成される際、入力されたメールの入力内容の検査が実施されているか否かが判断される(S41)。入力内容の検査が実施されていると判断された場合には、ステップ42に進む。一方、入力内容の検査が実施されていないと判断された場合には、ステップ45に進む。
【0070】
ステップ42では、入力内容の全てに対して検査が完了しているか否かが判定される。入力内容の全てに対して検査が完了していると判断された場合には、その旨を示す完了情報及び照合結果がメールの受信側の端末に送信される(S43)。一方、入力内容の全てに対して検査が完了していると判断されなかった場合には、検査されなかった入力内容の範囲を指定する未完了範囲情報及び照合結果がメールの受信側の端末に送信される(S44)。
【0071】
ステップ45では、入力内容に対して検査が未実施であることを示す未実施情報及び照合結果がメールの受信側の端末に送信される。
【0072】
以上説明した本実施形態に係る検査指示部1によれば、アプリケーションの動作状態の変化を検出し、そのアプリケーションが監視の有無が設定されたルールに該当している場合、上記の各ルールに従って監視の有無を判断して監視フラグが設定される。そして、監査有りを示すフラグが設定された場合に、ユーザから入力された入力内容をリスト照合装置3に送信して入力内容を検査させる。従って、ユーザの入力内容を特定することなく、アプリケーションの動作状態が変化した場合にのみ入力内容の監視を実行すればよいので、全ての入力内容を監視する場合に比べて、リストの照合回数を減らすことができ、処理負荷の軽減を図ることができる。
【0073】
また、リスト照合装置3による照合結果をサーバ装置4に通知して新規リストを生成することにより、ユーザの入力傾向に合わせて照合リストを作成することができる。これにより、ユーザから入力された入力内容と不適切な内容との照合時におけるヒット率(一致度)を向上させることができる。
【0074】
また、メールの送信側の移動通信端末5において入力内容の検査を実施し、検査の実施範囲を示す情報をメールと共に送信するので、メールの受信側の移動通信端末においては実施範囲に応じて検査を実施すればよい。そのため、完全に入力内容の検査が実施されていない場合には、実施されていない範囲の検査をすればよく、受信した入力内容の全てを検査する必要がない。従って、処理負荷及び処理時間の短縮を図ることができる。
【0075】
以上、本発明をその実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、フォアグラウンドのアプリケーションを優先して監視フラグの設定を行っているが、全てのアプリケーションに対して監視の有無を判断し、監視フラグの設定を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の好適な一実施形態に係る入力監視装置を含む入力監視システムの概略構成図である。
【図2】監視設定部に保持されているルールの一例を示す図である。
【図3】照合結果保存部に保存されている照合リストの一例を示す図である。
【図4】入力監視方法を示すフローチャートである。
【図5】監視フラグの設定処理を示すフローチャートである。
【図6】入力内容の送信処理を示すフローチャートである。
【図7】照合リストに基づいた監視フラグの設定を説明するフローチャートである。
【図8】メール送信時における照合結果の通知を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
2…入力監視装置、3…リスト照合装置、4…サーバ装置(外部装置)201…、監視設定部(監視設定手段)、202…情報取得部(情報取得手段)、203…監視フラグ設定部(監視フラグ設定手段)、204…検査指示部(検査手段)、205…照合結果保存部(照合結果保存手段)、206…照合結果送信部(照合結果送信手段)、207…メール照合部(照合手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより端末に対して入力された入力内容を取得し、当該入力内容の監視を実行する入力監視装置であって、
前記端末で実行されるアプリケーションの種別毎に監視の有無が設定されたルールを保持する監視設定手段と、
前記端末で実行されるアプリケーションの動作状態の変化を検出し、変化が検出された当該アプリケーションが前記監視設定手段の前記ルールに該当するアプリケーションである場合に、前記ルールに従って監視の有無を示す監視フラグを設定する監視フラグ設定手段と、
前記監視フラグ設定手段によって監視有りを示すフラグが設定された場合に、予め所定の内容が設定されたリストに基づいて前記入力内容を照合するリスト照合装置に前記入力内容を送信し、該リスト照合装置に当該入力内容の検査を実施させる検査手段と、
を備えることを特徴とする入力監視装置。
【請求項2】
前記監視フラグ設定手段は、前記端末で実行されるアプリケーションの動作状態の変化を複数検出した場合には、前記ユーザの操作対象となっているアプリケーションを優先して前記監視フラグを設定することを特徴とする請求項1記載の入力監視装置。
【請求項3】
前記監視フラグ設定手段は、前記端末で実行されるアプリケーションの動作状態の変化を複数検出した場合に、当該複数のアプリケーションにおいて監視有りが設定された前記ルールが1つ以上ある場合には、監視有りを示す監視フラグを設定することを特徴とする請求項1記載の入力監視装置。
【請求項4】
前記監視設定手段は、前記アプリケーションにおける通信機能の有無を示す属性毎に、監視の有無が設定されたルールを保持しており、
前記監視フラグ設定手段は、前記ルールに基づいて、前記端末で実行されているアプリケーションが通信機能を有している、或いは前記端末で実行されているアプリケーションと連携する他のアプリケーションが通信機能を有していると判断した場合に、監視有りを示す監視フラグを設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の入力監視装置。
【請求項5】
前記監視設定手段は、前記端末がネットワークを介して接続する際のWebサイトの閲覧のフィルタリング機能の設定状況に応じて、監視の有無が設定されたルールを保持しており、
前記監視フラグ設定手段は、前記Webサイトの閲覧のフィルタリング機能が設定されていると判断した場合に、監視無しを示す監視フラグを設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の入力監視装置。
【請求項6】
前記ユーザに関するユーザ情報を取得する情報取得手段を更に備え、
前記監視フラグ設定手段は、前記情報取得手段によって取得された前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの属性を取得し、当該属性に応じて適用するルールを判断して監視の有無を示す監視フラグを設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の入力監視装置。
【請求項7】
前記監視設定手段は、前記ユーザの入力操作に関連するアプリケーションの動作状態に応じて、監視の有無が設定されたルールを保持しており、
前記監視フラグ設定手段は、前記ルールに従って前記監視フラグを設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の入力監視装置。
【請求項8】
前記監視設定手段は、前記アプリケーションから呼び出される前記ユーザの入力を補助する機能毎に、監視の有無が設定されたルールを保持しており、
前記監視フラグ設定手段は、前記アプリケーションから呼び出された前記機能が、前記端末に予め設定されている単語及び文章を出力する機能、又は前記ユーザが登録した単語及び文章を出力する機能であり、且つ前記単語及び文章を登録する際に利用するアプリケーションの種別に対して、前記ルールが監視有りに設定されている場合に、監視無しを示す監視フラグを設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の入力監視装置。
【請求項9】
前記監視設定手段は、前記アプリケーションに対して前記ユーザが入力を行う際の入力モード毎に、監視の有無が設定されたルールを保持しており、
前記監視フラグ設定手段は、前記入力モードが所定言語入力である場合に、監視有りを示すフラグを設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の入力監視装置。
【請求項10】
前記監視設定手段は、前記アプリケーションが通信を行う通信先に応じて、監視の有無が設定されたルールを保持しており、
前記監視フラグ設定手段は、前記ルールに対応して、監視無しを示す監視フラグを設定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の入力監視装置。
【請求項11】
前記検査手段は、前記ユーザから入力を確定する確定操作が行われた場合に、当該確定操作を操作履歴として記憶し、前記確定操作が所定の回数以上行われた、或いは前記確定操作が所定時間以上行われなかった場合に、前記リスト照合装置に前記入力内容を送信し、当該入力内容の検査を実施させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の入力監視装置。
【請求項12】
前記検査手段による前記リスト照合装置に対する前記入力内容の送信に応じて、前記リスト照合装置から送信された前記入力内容の照合結果を受信し、当該照合結果に対応する入力内容を照合リストとして保存する照合結果保存手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項記載の入力監視装置。
【請求項13】
前記照合リストとの照合結果を前記外部装置へと送信する照合結果送信手段を更に備え、
前記照合結果保存手段は、前記照合結果が前記照合結果送信手段によって前記外部装置へと送信されたことに応じて、前記外部装置において前記照合結果に基づいて生成されたリストを受信し、当該リストを用いて現在保存されている前記照合リストを更新することを特徴とする請求項12記載の入力監視装置。
【請求項14】
前記監視設定手段は、前記照合結果送信手段によって前記外部装置に前記照合結果が送信されたことに応じて、前記外部装置において前記照合結果に基づいて生成されたルールを受信し、当該ルールを用いて現在保持されている前記ルールを更新することを特徴とする請求項13記載の入力監視装置。
【請求項15】
前記監視フラグ設定手段は、前記照合結果保存手段に保存されている前記照合リストを参照し、当該照合リストにおいて所定の入力内容が一定回数以上入力されている場合に、前記入力内容に対して監視無しを示すフラグを設定することを特徴とする請求項12記載の入力監視装置。
【請求項16】
メール作成時の入力内容を前記リスト照合装置に送信し、該リスト照合装置に当該入力内容の検査を実施させ、前記端末からメールが送信される際に、前記入力内容の検査が完了していることを示す完了情報及び照合結果を前記メールと共に送信する照合手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項記載の入力監視装置。
【請求項17】
前記照合手段は、前記メール作成時の入力内容の検査が完全に完了する前に前記メールが送信された場合に、検査されなかった前記入力内容の範囲を指定する情報を前記照合結果と共に送信することを特徴とする請求項16記載の入力監視装置。
【請求項18】
ユーザにより端末に対して入力された入力内容を取得し、当該入力内容の監視を実行する入力監視装置による入力監視方法であって、
前記端末で実行されるアプリケーションの動作状態の変化を検出し、変化が検出された当該アプリケーションが、前記アプリケーションの種別毎に監視の有無が設定されたルールに該当するアプリケーションである場合に、前記ルールに従って監視の有無を示す監視フラグを設定する監視フラグ設定ステップと、
前記監視フラグ設定ステップにおいて監視有りを示すフラグが設定された場合に、予め所定の内容が設定されたリストに基づいて前記入力内容を照合するリスト照合装置に前記入力内容を送信し、該リスト照合装置に当該入力内容の検査を実施させる検査ステップと、
を含むことを特徴とする入力監視方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−140249(P2010−140249A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315758(P2008−315758)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】