説明

入退室管理システム

【課題】電気錠に関係する異常発生に際して、その異常を解消するための作業内容の指示を的確に行うことができる入退室管理システムの提供。
【解決手段】コントローラ7等に遠隔的に接続されるセンタ装置10は、コントローラ7等から出力される電気錠4等に関係する異常の受信に伴って、コントローラ7等の記憶装置5等に記憶された電気錠4等に関係する異常の内容を含む所定の情報を取得するドア状態取得部14と、このドア状態取得部14で取得した所定の情報に基づいて、電気錠4等の状態を判定する電気錠状態判定部15と、この電気錠状態判定部15によって判定された電気錠4等の状態に基づいて、電気錠4等の異常状態を解消するための作業内容を指示する指示部16と、ドア状態取得部14の取得処理、電気錠状態判定部15の判定処理、及び指示部16の指示処理をそれぞれ実行させる制御処理を行う制御装置12とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅、ビル等の建物のドアを施錠する電気錠の寿命管理に好適な入退室管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、防犯意識が高まるにつれて集合住宅、ビル等の建物において、カードや指紋を認証する認証装置から出力される信号に応じて電気錠を解錠したり、施錠したりする入退室管理システムが普及して来ている。しかし、例えば集合住宅にあっては、ドアの開閉頻度が各住宅で異なるため、電気錠の経年劣化による寿命判断は困難な場合が多い。このようなこともあって、従来、特許文献1に、電気錠解錠時のリトライ回数を計数し、計数したリトライ回数を通信回線を介して遠隔的に接続されるセンタ装置へ送信するものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−49767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気錠の状態に関する保守点検を行う場合、通常、認証装置が認証したときの解錠信号による電気錠の解錠状態とか、経年劣化による異常発生に伴う電気錠の解錠状態とか、あるいはドアのこじ開けによる電気錠の解錠状態などの様々の状態に相応した保守点検を実施する必要がある。
【0005】
これに対して、前述した特許文献1に示される従来技術では、電気錠解錠時のリトライ回数を計数し、計数したリトライ回数をセンタ装置に通信する処理のみに応じて電気錠の保守点検を実施することから、様々な原因に起因する電気錠の異常には十分に対応できず、同一の電気錠にあって同じような故障が繰り返される懸念がある。
【0006】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、電気錠に関係する異常発生に際して、その異常を解消するための作業内容の指示を的確に行うことができる入退室管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係る入退室管理システムは、入退室者を特定する認証装置からの信号に応じてドアを解錠する電気錠と、この電気錠に関係する異常の検出、及び前記解錠信号、前記施錠信号の出力を行う制御装置を有するコントローラと、このコントローラと通信回線を介して遠隔的に接続されるセンタ装置とを備えた入退室管理システムにおいて、前記コントローラは、前記電気錠に関係する異常の内容、及び出力された前記解錠信号、前記施錠信号を記憶する記憶装置を有し、前記センタ装置は、前記コントローラから出力される前記電気錠に関係する異常の受信に伴って、前記コントローラの前記記憶装置に記憶された前記電気錠に関係する異常の内容、出力された前記解錠信号、前記施錠信号を含む所定の情報を取得するドア状態取得部と、このドア状態取得部で取得した前記所定の情報に基づいて、前記電気錠の状態を判定する電気錠状態判定部と、この電気錠状態判定部によって判定された前記電気錠の状態に基づいて、前記電気錠に関係する異常を解消するための作業内容を指示する指示部と、前記ドア状態取得部の取得処理、前記電気錠状態判定部の判定処理、及び前記指示部の指示処理をそれぞれ実行させる制御処理を行う制御装置とを有することを特徴としている。
【0008】
このように構成した本発明にあっては、センタ装置が、コントローラからの電気錠に関係する異常を受信すると、このセンタ装置の制御装置の制御処理によってドア状態取得部の取得処理が実行され、コントローラの記憶装置に記憶された対応する電気錠に関係する異常の内容、解錠信号、施錠信号を含む所定の情報が取得される。また、このセンタ装置の制御装置の制御処理によって電気錠状態判定部の判定処理が実行され、ドア状態取得部によって取得された所定の情報に基づいて対応する電気錠の状態を判定することが行われる。また、このセンタ装置の制御装置の制御処理によって指示部の指示処理が実行され、電気錠状態判定部で判定された電気錠の状態に基づく作業内容が指示される。この指示部によって指示された作業内容が、メンテナンスエンジニアによって実施されることになる。
【0009】
このように本発明は、電気錠に関係する異常をセンタ装置で受信した際に、異常を生じている電気錠に関係する情報取得量を、該当する電気錠に関係する異常の内容、解錠信号、施錠信号を含む多くの情報取得量とすることができ、この多くの取得情報量に基づく判定、及び作業内容の指示を行わせることができる。すなわち、電気錠に関係する異常の発生に際して、その異常を解消するための作業内容の指示を的確に行うことができる。これにより、該当する電気錠に関係する故障に至る前の適切な修理、あるいは故障した電気錠から正常な電気錠への迅速な交換を実現させることができる。
【0010】
また、本発明に係る入退室管理システムは、前記発明において、前記電気錠への解錠信号及び施錠信号によって出没し、前記ドアを閉状態に保持するデッドボルトを備え、前記電気錠に関係する異常が、前記電気錠の解錠時及び施錠時に生じる前記デッドボルトの出没動作のリトライ信号、及び前記ドアの開状態を含み、前記電気錠状態判定部は、前記リトライ信号の有無の判定、前記電気錠への解錠信号の有無の判定、及び前記ドアの開状態の判定によって、前記電気錠の状態を判定するものから成ることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る入退室管理システムは、前記発明において、前記電気錠状態判定部で前記リトライ信号が有ると判定された際に、前記指示部は、前記センタ装置の前記制御装置における制御処理により、前記デッドボルトの点検調査の指示処理を実行することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、電気錠に関係する異常を検出し、電気錠に関係する異常の内容、及び出力された解錠信号、施錠信号を記憶する記憶装置を有するコントローラと遠隔的に接続されるセンタ装置は、コントローラから出力される電気錠に関係する異常の受信に伴って、コントローラの記憶装置に記憶された電気錠に関係する異常の内容、出力された解錠信号、施錠信号を含む所定の情報を取得するドア状態取得部と、このドア状態取得部で取得した所定の情報に基づいて、電気錠の状態を判定する電気錠状態判定部と、この電気錠状態判定部によって判定された電気錠の状態に基づいて、電気錠に関係する異常を解消するための作業内容を指示する指示部と、ドア状態取得部の取得処理、電気錠状態判定部の判定処理、及び指示部の指示処理をそれぞれ実行させる制御処理を行う制御装置とを有することから、電気錠に関係する異常をセンタ装置で受信した際に、異常を生じている電気錠に関係する情報取得量を、該当する電気錠に関係する異常の内容、解錠信号、施錠信号を含む多くの情報取得量とすることができ、この多くの取得情報量に基づく判定、及び作業内容の指示を行わせることができる。すなわち、電気錠に関係する異常の発生に際して、その異常を解消するための作業内容の指示を的確に行うことができる。これにより、異常を生じている電気錠等の故障に至る前の適切な修理を実現させて、該当する電気錠等の寿命を向上させることができる。あるいは、故障した電気錠等から正常な電気錠等への迅速な交換を実現させることにより、電気錠の使用者に対するサービス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る入退室管理システムの一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る入退室管理システムの端末側、すなわち顧客ビル側の動作手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態に係る入退室管理システムのセンタ装置側の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る入退室管理システムの実施の形態を図に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る入退室管理システムの一実施形態の構成を示すブロック図である。この図1に示すように、本実施形態に係る入退室管理システム1では、電気錠が設けられるドアを有する建物、例えば顧客ビル2〜2Nの端末側には、玄関扉及び各居室のドアの近傍に設けられ、操作者を特定する認証装置であるカードリーダ3〜3Nと、電気錠4〜4Nとが備えられており、また、電気錠4〜4Nのそれぞれに関連するドアには、電気錠4〜4Nへの解錠信号及び施錠信号によって出没し、ドアを閉状態に保持するデッドボルトが備えられている。
【0016】
また、カードリーダ3〜3Nにかざされたカードの情報を読み込んで、電気錠4〜4Nへ解錠信号及び施錠信号を出力するとともに、電気錠4〜4Nに関係する異常の内容、電気錠4〜4Nの解錠回数及び施錠回数、及び電気錠4〜4Nの解錠、施錠時のリトライの発生回数を計数し、それぞれ記憶装置5〜5Nに記憶させる制御装置6〜6Nと、通信手段7〜7Nとを有するコントローラ8〜8Nが備えられている。
【0017】
コントローラ8〜8Nは、このコントローラ8〜8Nに備えられる通信手段7〜7Nと、ISDN回線等の通信回線9とを介して、センタ装置10と遠隔的に接続されており、記憶装置5〜5Nの記憶内容がセンタ装置10に送信可能になっている。
【0018】
センタ装置10は、コントローラ8〜8Nの記憶装置5〜5Nに記憶された前述の電気錠4〜4Nに関係する異常の内容、電気錠4〜4Nの解錠回数及び施錠回数、及び電気錠4〜4Nの解錠、施錠時のリトライの発生回数を含む所定情報を、所定の時間間隔で、また任意の実行タイミングで取得するドア状態取得部14を備えている。
【0019】
また、このセンタ装置10は、ドア状態取得部14で取得され、このセンタ装置10の記憶装置13に記憶された前述した所定の情報から電気錠4〜4Nのそれぞれの状態を所定の時間間隔で、また任意の実行タイミングで判定する電気錠状態判定部15を備えている。
【0020】
また、このセンタ装置10は、電気錠状態判定部15によって判定された電気錠4〜4Nの状態に基づいて、電気錠4〜4Nに関係する異常を解消するための作業内容を指示する指示部16と、この指示部16における指示処理に応じて点検、修理、交換等の指示書を作成する指示書作成部17とを備えている。
【0021】
また、このセンタ装置10は、指示書作成部17で作成された指示書を、センタ装置10の外部のメンテナンスエンジニア側の端末に出力させる出力制御装置18と、通信回線9を介して顧客ビル2〜2Nのコントローラ8〜8Nの通信手段7〜7Nに接続される通信手段11とを備えている。
【0022】
そして、このセンタ装置10は、前述したドア状態取得部14の取得処理、電気錠状態判定部15の判定処理、指示部16の指示処理、指示書作成部17の作成処理、出力制御装置18の出力処理、及び通信手段11の通信処理のそれぞれを実行させる制御処理を行う制御装置12を備えている。
【0023】
図2は、本実施形態に係る入退室管理システムの端末側、すなわち顧客ビル側の動作手順を示すフローチャート、図3は、本実施形態に係る入退室管理システムのセンタ装置側の動作手順を示すフローチャートである。これらの図2,3に基づいて、本実施形態に係る入退室管理システム1の動作について説明する。
【0024】
顧客ビル2〜2Nの端末側にあっては、電気錠4〜4Nのいずれかの解錠操作に際し、該当するコントローラ8〜8Nの制御装置6〜6Nにおいて、図2のステップS1に示すように、認証装置である該当するカードリーダ3〜3Nからの信号に基づいて認証がなされ、ステップS2に示すように、該当する電気錠4〜4Nが正常に解錠されたか否かが判定される。その判定は、電気錠4〜4Nの異常を判定する項目である該当する電気錠4〜4Nの解錠時のリトライ発生の有無、該当する電気錠4〜4Nの状態、及び関係するドアの状態に基づいて行われる。
【0025】
このステップS2で電気錠4〜4Nの解錠動作が正常動作であった判定されると、ステップS3に移り、正常動作であると認識され、次にステップS4に移り、正常動作ドア開カウントとして1がプラスされ、該当する記憶装置5〜5Nに、該当する電気錠4〜4Nの解錠回数として記憶される。施錠時にあっても同様である。なお、記憶装置5における該当する電気錠4〜4Nに関係する異常を判定する項目の内容の記憶は、該当する電気錠4〜4Nが備えられている顧客ビル2〜2N、及びカードリーダ3〜3Nとともにそれぞれ個別に記憶される。
【0026】
前述したステップS2において、該当する電気錠4〜4Nの解錠動作が異常動作であると判定された場合には、ステップS5に移って異常動作であると認識された後、ステップS6に移る。このステップS6では、該当する制御装置6〜6Nの制御処理により、該当するコントローラ8〜8Nの通信手段7〜7N、通信回線9を介して、センタ装置10へ該当する電気錠4〜4Nに関係する異常が発生したことが通報される。
【0027】
センタ装置10側にあっては、図3のステップS11に示すように、該当するコントローラ8〜8Nからの該当する電気錠4〜4Nに関係する異常の発生が受信され、ステップS12に移り、制御装置12の制御処理により、ドア状態取得部14が、該当するコントローラ8〜8Nに対して、該当する電気錠4〜4Nに関係する所定の情報、すなわち、該当する電気錠4〜4Nの解錠回数及び施錠回数、該当する電気錠4〜4Nの解錠及び施錠時のリトライ発生有無、該当する電気錠4〜4Nの状態、及び該当する電気錠4〜4Nが取り付けられているドアの状態の取得コマンドを出力する。
【0028】
これに応じて制御装置12の制御処理により、取得コマンドがセンタ装置10の通信手段11、通信回線9を介して、該当する顧客ビル2〜2Nの該当するコントローラ8〜8Nの通信手段7〜7Nに出力される。これに応じて、該当するコントローラ8〜8Nの記憶装置5〜5Nに記憶されている該当する電気錠4〜4Nに関係する所定の情報が、該当する制御装置6〜6Nの制御処理により、該当する通信手段7〜7Nから、通信回線9、センタ装置10の通信手段11を介して制御装置12に読み込まれ、この制御装置12の制御処理により該当する電気錠4〜4Nに関係する所定の情報が記憶装置13に記憶される。
【0029】
次に、ステップS13に示すように、電気錠状態判定部15で、該当する電気錠4〜4Nの解錠及び施錠時のリトライ発生が有るかどうかが判定される。リトライ発生が有ると判定されたときには、ステップS14に移り、デッドボルト要注意表示の電気錠として認識され、その旨が記憶装置13に記憶される。
【0030】
次に、ステップS15に移り、制御装置12の制御処理により、指示部16によって、該当する顧客ビル2〜2Nに設置される該当する電気錠4〜4N、及びデッドボルトの稼動状態の詳細データの取り込み指示がなされる。この指示を受けた制御装置12の制御処理により、指示書作成部17において、該当する電気錠4〜4N、及び関連するデッドボルトの稼動状態の詳細データの取り込みを指示する指示書が作成される。作成された指示書は、制御装置12の制御処理により、出力制御装置18、通信手段11、通信回線9を介してメンテナンスエンジニアの端末に通報される。通報されたメンテナンスエンジニアは、指示書に基づいて該当する電気錠4〜4N、及び関連するデッドボルトを点検し、稼動状態の詳細データの取り込み作業を行う。
【0031】
このようにして、該当する電気錠4〜4N、及び関連するデッドボルトの動作時間等の状態を確認することにより、該当する電気錠4〜4Nに関係する故障の発生前の適切な修理、あるいは交換等が可能になる。
【0032】
また、図3に示すステップS13で、該当する電気錠4〜4Nの解錠及び施錠時のリトライ発生が無いと判定された場合には、ステップS16に移り、電気錠状態判定部15において、該当する電気錠4〜4Nの状態が開であるかどうか判定され、この判定で開と判定された場合には、ステップS17に移り、該当する電気錠4〜4Nに関係するドアの状態が開であるかどうか判定される。
【0033】
このステップS17の判定で、関連するドアが開であると判定された場合には、ステップS18に移る。このステップS18では、制御装置12の制御処理により、指示部16において、該当する顧客ビル2〜2Nに設置される該当する電気錠4〜4N、及び関連するドアの建付け、クローザの点検、調整の指示がなされる。その指示を受けた制御装置12の制御処理により、指示書作成部17において、該当する電気錠4〜4N、及び関連するドアの建付け、クローザの点検、調整の指示書が作成される。
【0034】
このようにして作成された指示書は、前述したように、制御装置12の制御処理により、出力制御装置18、通信手段11、通信回線9を介してメンテナンスエンジニアの端末に通報される。通報されたメンテナンスエンジニアは、ステップS19に示すように、指示書に基づいて、現地に出かけ、該当する電気錠4〜4N、及び関連するドアの建付け、クローザの点検、調整等の作業を行う。その後、必要に応じてドアやクローザの修理、あるいは該当する電気錠4〜4Nの交換が行なわれる。なお、ステップS17における電気錠状態判定部15の判定で、関連するドアの状態は閉であると判定された場合には、該当する電気錠4〜4Nに関連しては点検、調整等を必要とするような異常は生じていないと見做され、制御装置12における制御処理は終了する。
【0035】
また、図3に示すステップS16で、該当する電気錠4〜4Nは閉状態であると判定されたときには、ステップS20に移り、該当する電気錠4〜4Nに関係するドアの状態が開であるかどうか判定される。このステップS20の判定で、関連するドアが開であると判定された場合には、関連するドアがこじ開けられた状態にあることが懸念され、ステップS21に移る。このステップS21では、制御装置12の制御処理により、指示部16において、該当する顧客ビル2〜2Nに設置される該当する電気錠4〜4N、及び関連するドアのこじ開けの点検、調整の作業を行う旨の指示がなされる。その指示を受けた制御装置12の制御処理により、指示書作成部17において、該当する電気錠4〜4N、及び関連するドアのこじ開けの点検等を行う旨を指示する指示書が作成される。
【0036】
作成された指示書は、制御装置12の制御処理により、出力制御装置18、通信手段11、通信回線9を介してメンテナンスエンジニアの端末に通報される。通報されたメンテナンスエンジニアは、手順S22に示すように、指示書に基づいて、現地に出かけ、該当する電気錠4〜4N、及び関連するドアのこじ開けの点検等の作業を行う。その後、必要に応じてドアの修理、あるいは該当する電気錠4〜4Nの交換等が行なわれる。なお、ステップS20における電気錠状態判定部15の判定で、関連するドアの状態は閉であると判定された場合には、該当する電気錠4〜4Nに関連しては点検等を必要とするような異常は生じていないと見做され、制御装置12における制御処理は終了する。
【0037】
以上のようにようにして顧客ビル2〜2Nに備えられる電気錠4〜4N等の遠隔的な管理を行う本実施形態に係る入退室管理システムにあって1は、電気錠4〜4Nの解錠、施錠操作、及び電気錠4〜4Nの解錠、施錠時のリトライ発生を識別するとともに、識別された操作毎の電気錠4〜4Nの解錠回数及び施錠回数、電気錠4〜4Nの解錠及び施錠時のリトライの発生の回数が、顧客ビル2〜2Nに備えられる電気錠4〜4Nのそれぞれごとに自動集計され、センタ装置10に出力可能なため、顧客ビル2〜2Nの個々の管理者のそれぞれが個別に集計する必要がなくなる。
【0038】
また、本実施形態にあっては、電気錠4〜4Nのうちの解錠及び施錠のリトライが発生している電気錠を特定でき、メンテナンスエンジニアへ該当する電気錠4〜4N及びデッドボルトの稼動状態の詳細データの取り込み指示、関連するドアの建付け及びクローザの点検、調整の指示、あるいは、関連するドアのこじ開けの点検、調整の指示を通報することができる。これにより、例えばデッドボルトの不良によるリトライ多発故障が要因となっている電気錠4〜4Nの故障の多発を防止することができる。
【0039】
このように本実施形態によれば、電気錠4〜4Nに関係する異常をセンタ装置10で受信した際に、異常を生じている電気錠4〜4Nに関係する情報取得量を、該当する電気錠4〜4Nに関係する異常の内容、解錠信号、施錠信号を含む多くの情報取得量とすることができ、この多くの取得情報量に基づく判定、及び作業内容の指示を行わせることができる。すなわち、電気錠4〜4Nに関係する異常の発生に際して、その異常を解消するための作業内容の指示を的確に行うことができる。これにより、異常を生じている電気錠4〜4N等の故障に至る前の適切な修理を実現させて、該当する電気錠4〜4N等の寿命を向上させることができ、あるいは故障した電気錠4〜4N等から正常な電気錠等への迅速な交換を実現させることにより、電気錠4〜4Nの使用者である顧客ビル2〜2Nに対するサービス性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 入退室管理システム
2〜2N 顧客ビル
3〜3N カードリーダ
4〜4N 電気錠
5〜5N 記憶装置
6〜6N 制御装置
7〜7N 通信手段
8〜8N コントローラ
9 通信回線
10 センタ装置
11 通信手段
12 制御装置
13 記憶装置
14 ドア状態取得部
15 電気錠状態判定部
16 指示部
17 指示書作成部
18 出力制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入退室者を特定する認証装置からの信号に応じてドアを解錠する電気錠と、
この電気錠に関係する異常の検出、及び前記解錠信号、前記施錠信号の出力を行う制御装置を有するコントローラと、このコントローラと通信回線を介して遠隔的に接続されるセンタ装置とを備えた入退室管理システムにおいて、
前記コントローラは、
前記電気錠に関係する異常の内容、及び出力された前記解錠信号、前記施錠信号を記憶する記憶装置を有し、
前記センタ装置は、
前記コントローラから出力される前記電気錠に関係する異常の受信に伴って、前記コントローラの前記記憶装置に記憶された前記電気錠に関係する異常の内容、出力された前記解錠信号、前記施錠信号を含む所定の情報を取得するドア状態取得部と、
このドア状態取得部で取得した前記所定の情報に基づいて、前記電気錠の状態を判定する電気錠状態判定部と、
この電気錠状態判定部によって判定された前記電気錠の状態に基づいて、前記電気錠に関係する異常を解消するための作業内容を指示する指示部と、
前記ドア状態取得部の取得処理、前記電気錠状態判定部の判定処理、及び前記指示部の指示処理をそれぞれ実行させる制御処理を行う制御装置とを有することを特徴とする入退室管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の入退室管理システムにおいて、
前記電気錠への解錠信号及び施錠信号によって出没し、前記ドアを閉状態に保持するデッドボルトを備え、
前記電気錠に関係する異常が、前記電気錠の解錠時及び施錠時に生じる前記デッドボルトの出没動作のリトライ信号、及び前記ドアの開状態を含み、
前記電気錠状態判定部は、前記リトライ信号の有無の判定、前記電気錠への解錠信号の有無の判定、及び前記ドアの開状態の判定によって、前記電気錠の状態を判定するものから成ることを特徴とする入退室管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の入退室管理システムにおいて、
前記電気錠状態判定部で前記リトライ信号が有ると判定された際に、前記指示部は、前記センタ装置の前記制御装置における制御処理により、前記デッドボルトの点検調査の指示処理を実行することを特徴とする入退室管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−202358(P2011−202358A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67819(P2010−67819)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】